説明

ヒトパピローマウイルスの検出

試料中のヒトパピローマウイルス核酸を検出するインビトロ方法であって、
(a)ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又は相補体の一部の増幅を促進するのに適した条件下で、前記試料を、前記ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体の標的部位に結合するフォワードオリゴヌクレオチドプライマー及びリバースオリゴヌクレオチドプライマーと接触させることによりアンプリコンを作製すること;(b)前記アンプリコンを、前記アンプリコン内の標的部位に結合するプローブと接触させること;及び(c)前記プローブと前記アンプリコンの結合を検出することを含み、前記フォワードプライマーが配列番号1の配列を有する標的部位に結合し、前記リバースプライマーが配列番号2の配列を有する標的部位に結合する方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パピローマウイルス、特にヒトパピローマウイルスの検出並びにそのための試薬及びキットに関する。
【背景技術】
【0002】
パピローマウイルスは、ヒトの皮膚及び粘膜並びに種々の動物に感染する多種多様なグループの二本鎖DNAウイルスである。
【0003】
ヒトパピローマウイルス(HPV)には100を超える様々な遺伝子型があり、そのうち30が肛門性器管に存在している。一部のHPV遺伝子型は、良性皮膚疣又はこのウイルス科の名称の由来となる乳頭腫(papilloma)を引き起こす。尋常性疣贅の発生に関連するHPV感染は、環境的に又は偶然の皮膚と皮膚の接触により伝播する。
【0004】
HPV感染は性交を通じて伝播することもある。生殖器疣又は肛門疣は、生殖器HPV感染の最も簡単に認識される徴候である。生殖器HPV感染は非常によく見られ、推定では女性の最大75%が成人期中のある時点で1又は複数の性的伝播HPV遺伝子型に感染することが示唆されている。
【0005】
HPV遺伝子型は、「低」及び「高」リスク遺伝子型に分類される。「低」リスク遺伝子型には、遺伝子型5、6、及び11が挙げられる。遺伝子型5は、いかなる臨床症状も示すことなく任意の個人において生涯存続する感染を確立することがある。遺伝子型6及び11は、生殖器疣の約90%の症例に関連しており、癌に関連することは稀である。HPV遺伝子型6及び11は、疣が咽頭又は気道のその他の領域上に形成される再発性呼吸器乳頭腫症として知られる希な状態にも関連している。
【0006】
「高」リスク遺伝子型(例えば、遺伝子型16、18、31、33、35、39、45、51、52、53、56、58、59、66、68、69、73及び82)は、「高リスク」遺伝子型として知られる。なぜならば、これらの遺伝子型は癌に、特に子宮頸癌に高い頻度で存在するからである。この点に関して、1又は複数の「高」リスクHPV遺伝子型の感染は、すべての子宮頸癌のほぼ100%において同定されており、特に、遺伝子型16及び18は子宮頸癌の70%超で同定されている。世界中で毎年ほぼ250,000人の女性が子宮頸癌で亡くなっている。
【0007】
GenBank受託番号がHPV遺伝子型に付与されている。
【0008】
【表1】

【0009】
2006年6月8日、米国FDAはMerck社により開発された予防HPVワクチン、Gardasilを認可した。前記ワクチンはHPV遺伝子型6、11、16及び18による初期感染から女性を保護する。
【0010】
このワクチン計画及び類似のワクチン計画が進むに従って、包括的HPV検出及び遺伝子型分類アッセイが、すでに感染している患者のHPVの根絶、又はHPV感染の予防における上記ワクチン計画の有効性を評価するのに不可欠となるであろう。
【0011】
HPVは、疫学的立場から研究するのが特に困難なウイルスである。この点に関して、研究室で増殖させるのに成功した例はごく限られており、HPVの専在種(exclusive species)特異性も、動物モデルでHPVを増殖させる能力を制限している。さらに、HPVは弱抗原性にすぎず、前記ウイルスに対する免疫応答は個体により変わりやすい。さらに、異なるHPVサブタイプのカプシドタンパク質は抗原的に極めて類似しているために、これらの技法でのウイルスのサブ遺伝子型分類は問題が多い。
【0012】
頸部パパニコロー(Pap)スミアは、HPV感染の一般的及び潜在的に重大な臨床的徴候の最も効果的な指標の1つである。Papスミアにより明らかにされるHPV細胞変性又は頸部形成異常を示唆する異常は、コルポスコピー及び必要に応じてバイオプシーによりさらに評価される。
【0013】
HPVのインビトロ培養には困難が伴うため、HPV感染の同定は試料中のHPV DNAの検出に依拠している。
【0014】
HPVゲノムは「初期」遺伝子(E1、E2、E4、E5、E6及びE7)並びに「後期」遺伝子(L1及びL2:それぞれメジャー及びマイナーカプシドタンパク質をコードしている)に系統化されている。L1(メジャーカプシドタンパク質)遺伝子は、HPV検出及び遺伝子型同定のための標的として広く研究されてきた。
【0015】
核酸プローブを使用してHPVを検出し、必要に応じて遺伝子型分類するための試験は、1980年代後半以降市販されている。一例として、HPV DNAを検出するための既知の方法には、サザンブロット法、ドットブロット法、逆ラインブロット法、ELISA並びに特にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用したシグナル及び/又は標的核酸増幅でのインサイツハイブリダイゼーション法が挙げられる。
【0016】
しかし、初期の試験は、すべての発癌性HPV遺伝子型を検出することができたわけではなく、低感度及び/又は特異性に阻まれたため、広範囲の用途を実現することはなかった。この点に関して、異なるHPV遺伝子型間のヌクレオチドレベルで著しい異質性が同定されており、このためにすべてのHPV遺伝子型の検出のための簡単な万能試験の開発が妨げられてきた。
【0017】
これらの既知の方法に伴うさらなる問題は、これらの方法を容易に自動化したり、高性能プラットホーム上に展開することができず、したがって、多くの患者がいる場合には不適切であることである。
【0018】
PCRは、HPV検出、遺伝子型同定及びウイルス負荷測定のために利用されてきた。一般的又はコンセンサスプライマー媒介PCRアッセイは、単回PCR反応を使用した臨床試料中の広範囲のHPV遺伝子型のスクリーニングを可能にした。リアルタイム量的PCR試験(RQ−PCR)においてコンセンサスプライマーを使用すると、PCR反応速度をリアルタイムでモニターすることにより生じる反応曲線からウイルス負荷(濃度)データを出すことが可能である。
【0019】
1つの市販されているHPV DNA検出試験は、Hybrid Capture(登録商標)2 HPV DNA試験(Digene社製)であり、これは女性用のPapスミア試験への添加剤として使用されてきたもので、異常なPapスミア結果に応じて注文することができる。Hybrid Capture(登録商標)技術は、標的DNAへのRNAプローブのハイブリダイゼーション、標識抗体を使用したDNA−RNAハイブリッド捕獲、及びシグナル増幅を基にしている。Hybrid Capture(登録商標)2試験では、5つの低リスク及び13の高リスクHPV遺伝子型が検出される。
【0020】
Hybrid Capture(登録商標)2 HPV DNA試験の不利点は、高偽陽性率であり、典型的運用条件下では17%にもなる。
【0021】
Luminex xMAP液体ビーズマイクロアレイフローサイトメトリー技術(Luminex社製、オースティン、テキサス州)を用いるいくつかのHPV遺伝子型同定アッセイ法が最近記載されている。
【0022】
Luminex xMAP技術を使用すると、最大100の異なるPCR増幅遺伝子標的の同時検出が単回反応で可能になる(多重化)。Luminexシステムは、一意的に同定されるマイクロスフェアのセットを用い、各セットは独自のスペクトルサイン(マイクロスフェアは、赤色及び赤外線蛍光体の混合物で内部的に染色されている)及びその表面に結合している異なる特異的オリゴヌクレオチドプローブ(各マイクロスフェアセット内部では、結合したプローブは同一である)を有する。
【0023】
Luminex技術を使用するにあたって、一意的に同定可能なマイクロスフェアセット(結合したプローブ付き)は、ビオチン標識PCR増幅標的核酸配列と組み合わされて、標的核酸−プローブ−マイクロスフェアハイブリッドを形成する。蛍光色素標識コンジュゲート(例えば、ストレプトアビジンR−フィコエリトリン)はこのステップで反応液に添加されて、結合標的核酸分子に結合する。
【0024】
この混合物をLuminex 100(商標)機器に注入すると、マイクロスフェアに検出室を通過させる前に、マイクロスフェアを縦一列に整列させる。レーザー光がマイクロスフェアの赤色及び赤外線色素を照射し、それにより前記マイクロスフェアをマイクロスフェアセットの1つに分類することが可能になる。レーザー光は、結合した標的核酸に結合している蛍光色素も励起する。色シグナルはリアルタイムで捕獲され、レポーター分子の蛍光強度を使用して、マイクロスフェアの各セットに結合している標的核酸分子の量を測定する。
【0025】
これらの既知のHPVLuminexアッセイの不利点は、その感度が悪いことである。
【0026】
したがって、ヒトパピローマウイルスを検出するための代替及び/又改良システムを提供する必要がある。
【発明の概要】
【0027】
したがって、本発明は、試料中のヒトパピローマウイルス核酸を検出するインビトロ方法であって、(i)ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又は相補体の一部の増幅を促進するのに適した条件下で、前記試料を、前記ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体中の標的部位に結合するフォワードオリゴヌクレオチドプライマー及びリバースオリゴヌクレオチドプライマーと接触させることによりアンプリコンを作製すること;(ii)前記アンプリコンを、前記アンプリコン内の標的部位に結合するプローブと接触させること;及び(iii)前記プローブと前記アンプリコンの結合を検出することを含み、前記フォワードプライマーが配列番号1の配列を有する標的部位に結合し、前記リバースプライマーが配列番号2の配列を有する標的部位に結合する、方法を提供する。
【0028】
本発明は、試料中のヒトパピローマウイルス核酸を検出するインビトロ方法であって、(i)前記試料を、ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体内の標的部位に結合する少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプローブと接触させること;及び(ii)前記プローブと前記標的部位の結合を検出することを含み、前記プローブは、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33及び配列番号34から選択される核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列を含む、方法をさらに提供する。
【0029】
性感染症を検出し診断する分野では、患者にとって試験結果が微妙な性質のものであること、不適当な治療を受けた場合のコスト及び影響、並びに不正確な結果を提供した場合の法律上の影響に鑑み、「偽陽性」結果の発生をできる限り低く抑えることが特に重要である。
【0030】
有利なことに、本発明の方法は、ヒトパピローマウイルスを検出するための既存の試験法と比べると、改良された特異性及び感度を提供する。
【0031】
一態様では、本発明の検出アッセイを使用すると、ほぼ1時間の単回ハイブリダイゼーション反応において最大20HPV遺伝子型の検出及び同定が可能になる。
【0032】
試料は、例えば、食糧試料、下水道試料、環境試料、家畜試料、臨床試料であってよい。臨床試料は、尿道スワブ、膣スワブ、子宮頸部スワブ、直腸スワブ、陰茎スワブ、咽喉/口スワブ、気道試料、尿、血液、脳脊髄液、液体ベースの細胞学的試料、組織生検材料及び他の任意のヒト由来試料が挙げられる。
【0033】
本発明における使用に適したプローブは、ヒトパピローマウイルス核酸に特異的に結合する。したがって、適切なプローブは、オリゴヌクレオチドでもよく、タンパク質リガンド、例えば、抗体でもよい。
【0034】
プローブは、相補的塩基対合によりヒトパピローマウイルス核酸内のその標的部位に結合するオリゴヌクレオチドプローブであることが好ましい。誤解を避けるために、本発明の文脈では、オリゴヌクレオチドプローブの定義には、全長L1遺伝子(又はその相補体)は含まれない。
【0035】
本発明の文脈では、ポリヌクレオチドに用いる場合の用語「単離された」は、ポリヌクレオチドがその天然の遺伝子環境から取り出されており、したがって、他の外来の又は好ましくないコード配列を含まないことを意味する。
【0036】
プローブは、従来のソフトウェアを使用して、所望のパラメータの選択に基づいて標的遺伝子配列に結合するように設計されている。結合条件は、高レベルの特異性が提供される、すなわち、結合が「厳密な条件」の下で起きるようなものであることが好ましい。一般に、厳密な条件は、限定されたイオン強度及びpHで特定の配列の熱融点(T)より約5℃低くなるように選択される。Tとは、標的配列の50%が、完全に適合するプローブに結合する温度(限定されたイオン強度及びpHの下で)である。この点に関して、pH7、約0.02M以下の塩濃度で、本発明のプローブのTは、好ましくは40℃より上で且つ好ましくは70℃未満、さらに好ましくは約53℃である。予混合結合溶液が入手可能であり(例えば、CLONTECH Laboratories社製のEXPRESSHYB Hybridisation Solution)、結合は製造元の使用説明書に従って実施することができる。代わりに、当業者であれば、これらの結合条件を変化させたものを考案することができる。
【0037】
結合に続いて、厳密な(好ましくは高度に厳密な)条件下で洗浄すれば、非結合核酸分子は除去される。典型的な厳密な洗浄条件には、55〜65℃で0.1%SDSを含む0.5〜2×SSC溶液中で洗浄することが挙げられる。典型的な高度に厳密な洗浄条件には、55〜65℃で0.1%SDSを含む0.1〜0.2×SSC溶液中で洗浄することが挙げられる。当業者であれば、例えば、洗浄溶液中でSSCに代わってSSPEを使用することにより、容易に同等の条件を考案することができる。
【0038】
ハイブリダイゼーション特異性は、ハイブリダイゼーション条件の厳密さ以外に、全体的配列類似性、不適合塩基の分布及び位置、並びにプローブと標的配列により形成されるDNA二重鎖の自由エネルギーの量を含む種々のプローブ設計要素に影響されることがある。
【0039】
自己相補性及びダイマー形成(プローブとプローブの結合)を最小限に抑えるプローブをスクリーニングするのが好ましい。本発明の好ましいプローブは、ヒトDNAとの最小限の相同性を有するように選択される。選択過程は、候補プローブ配列をヒトDNAと比較し、相同性が50%よりも大きい場合はそのプローブを退けることを含んでいてよい。この選択過程の目的は、プローブと汚染(contaminating)ヒトDNA配列とのアニーリングを減らし、したがって、前記アッセイ特異性の向上を可能にすることである。
【0040】
一態様では、オリゴヌクレオチドプローブは、1〜40ヌクレオチド長である。好ましくは、プローブは少なくとも10ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも15、最も好ましくは少なくとも20ヌクレオチド長であり、好ましくはプローブは最大35ヌクレオチド長、さらに好ましくは最大30ヌクレオチド長、最も好ましくは最大26ヌクレオチド長である。したがって、一態様では、プローブは20〜26ヌクレオチド長である。短いプローブを使用するのが有利である。なぜなら、これにより標的ヒトパピローマウイルス核酸へのより迅速なアニーリングが可能になるからである。
【0041】
核酸配列の「相補体」は、相補的塩基対合を介して前記核酸配列に結合する。非コード(アンチセンス)核酸鎖もまた、それが相補的塩基対合を介してコード(センス)鎖に結合するために、「相補鎖」として知られている。
【0042】
したがって、一態様では、プローブは、標的ヒトパピローマウイルス核酸のコード(センス)鎖内の標的配列に結合する。代わりに、別の態様では、プローブは標的ヒトパピローマウイルス核酸の相補的、非コード(アンチセンス)鎖内の標的配列に結合する。
【0043】
プローブが結合する標的部位は、約1〜40ヌクレオチド長、好ましくは約15〜30ヌクレオチド長、最も好ましくは約20〜26ヌクレオチド長でよい。
【0044】
プローブが結合する標的部位は、ヒトパピローマウイルスL1遺伝子内、又はその相補体内に位置している。一態様では、プローブが結合する標的部位は、標的部位を含むヒトパピローマウイルスL1遺伝子(又はその相補体)の一部の増幅により作製されるアンプリコン内に位置している。プローブが結合すると、試料にヒトパピローマウイルス核酸が含有されることが示される。
【0045】
プローブは好ましくは、既知のヒトパピローマウイルス遺伝子型特異的多型を含む標的部位に結合する、すなわち、標的配列はヒトパピローマウイルスの特定の遺伝子型に特有の核酸配列を含む。プローブの結合により、試料に既知の遺伝子型特異的多型を含むヒトパピローマウイルス核酸が含有されることが示され、試料中のヒトパピローマウイルス遺伝子型の同定が可能になる。
【0046】
この点に関して、異なるヒトパピローマウイルス遺伝子型のL1遺伝子間には著しい異質性が存在する。
【0047】
したがって、一態様では、プローブは遺伝子型特異的プローブである。好ましくは、遺伝子特異的多型は、HPVの「低リスク」遺伝子型(例えば、遺伝子型6又は11)又はHPVの「高リスク」遺伝子型(例えば、遺伝子型16、18、31、33、35、39、45、51、52、53、56、58、59、66、68、69、73及び82)に関連している。
【0048】
この点に関して、下の表1に示される遺伝子型特異的プローブ配列番号15〜34から選択される1又は複数のプローブを使用して良好な結果が得られている。
【0049】
【表2】

【0050】
しかし、上記のプローブ配列とは1又は複数のヌクレオチド異なる変異体が用いられてもよいことが認識されるであろう。この点に関して、保存的置換体が好ましい。
【0051】
したがって、一態様では、プローブは、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33及び配列番号34から選択される核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%及び最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0052】
一態様では、プローブは、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33及び配列番号34から選択される核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%及び最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列からなる。
【0053】
変異プローブ配列を定義するための別の手段は、変異配列と特定のプローブ配列間で異なるヌクレオチドの数を定義することによる。この点に関して、本発明は、配列番号15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33又は34とは、5ヌクレオチド位置のみで、好ましくは4、3若しくは2ヌクレオチド位置のみで、最も好ましくは1ヌクレオチド位置のみで異なる変異プローブ配列を包含する。
【0054】
一態様では、ヒトパピローマウイルス核酸と前記プローブの結合を検出する前に、全ての非結合ヒトパピローマウイルス核酸を、結合ヒトパピローマウイルス核酸から分離する。非結合ヒトパピローマウイルス核酸は、好ましくは、厳密(好ましくは高度に厳密)な条件下で洗浄により除去される。
【0055】
一態様では、プローブは担体又はプラットホーム上に固定化されてもよい。プローブを固定化すると、プローブに物理的位置が与えられ、プローブを所望の位置に固定する及び/又はプローブの回収若しくは分離を促進するのに役立つ可能性がある。
【0056】
担体は、例えば、ガラス若しくはプラスチックで作製された強固な固体担体でもよく、又は担体は、ナイロン若しくはニトロセルロース膜などの膜でもよい。三次元マトリックス、例えば、ポリアクリルアミド又はPEGゲルは、本発明での使用に適した担体である。
【0057】
一実施形態では、担体は、1又は複数のビーズ又はマイクロスフェアの形、例えば、液体ビーズマイクロアレイの形でもよい。適切なビーズ又はマイクロスフェアは市販されている(例えば、Luminex社製、オースティン、テキサス州)。ビーズの表面は、DNAの結合のためにカルボキシル化されていてよい。ビーズ又はマイクロスフェアは、一意的に同定され、それにより、その独自の特徴に従って(例えば、ビーズサイズ若しくはビーズ色、又は独自の標識により)ソーティングすることが可能になる。一態様では、ビーズ/マイクロスフェアはフルオロフォア(例えば、赤色及び/又は赤外フルオロフォア)で内部的に染色されており、その異なる蛍光強度により互いに識別することができる。
【0058】
プローブは、種々の手段により担体/プラットホームに固定化してよい。一例として、プローブは、UV架橋結合によりナイロン膜などの担体上に固定化してもよい。ビオチン標識プローブをストレプトアビジン被膜基質に結合させてもよく、アミノリンカーで調製したプローブをシラン処理表面に固定化してもよい。
【0059】
プローブを固定化する別の手段は、例えば、3’又は5’末端のポリTテイル又はポリCテイルを介してである。ポリTテイルは典型的には、ターミナルトランスフェラーゼと共にプローブ(典型的には3’末端で)に付加される一続きの1〜100チミン残基からなる。好ましくは、1〜20チミン残基が付加される。ポリCテイルは典型的にはC6、C12又はユニリンカー(典型的にはプローブの5’末端で付加される)である。適切なユニリンカーは市販されている(例えば、Operon Technilogies社製)。ポリT又はポリCテイルは典型的には、固体基質上にベーキングされるか、又はUV架橋結合される。
【0060】
ポリT又はポリCテイルの付加は、2つの機能を有するように思われる。第1に、テイルは固体担体上へ固定化されるプローブの量を増加させる。第2に、テイルは標的核酸へのプローブの到達性を決定し、ハイブリダイゼーションの効率を改善するような形でプローブを同調させる。
【0061】
ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体内の(又はL1遺伝子若しくは相補体由来のアンプリコン内の)標的部位へのプローブの結合は、既知の手段により検出される。一例として、標的部位にプローブが結合すれば、検出可能シグナルを生じる場合がある。検出可能シグナルは、例えば、放射性シグナルでもよく、蛍光の変化などの蛍光シグナルでもよい。
【0062】
一態様では、プローブはレポーター分子などの標識で標識されており、アッセイは標識を検出し、標識の存在とヒトパピローマウイルス核酸の存在を相互に関連付けることを含む。
【0063】
別の実施形態では、標的ヒトパピローマウイルス核酸(例えば、アンプリコン)は標識を含み、アッセイは前記標識を検出し、標識の存在とヒトパピローマウイルス核酸の存在を相互に関連付けることを含む。前記標識は、試料をプローブと接触させる前に、ヒトパピローマウイルス核酸に存在していてもよい。一例として、前記標識は、増幅ステップ中にヒトパピローマウイルス核酸に組み込まれてもよい。
【0064】
標識は、放射標識又は蛍光分子などの検出可能な標識を含んでいてよい。一例として、標識は、ジゴキシゲニン、フルオレセインイソチオシアネート(fluorescein-isothiocyanate、FITC)又はR−フィコエリトリンでもよい。標識は、写真用又はX線用フィルムへの曝露によるなどの、直接検出されるレポーター分子でもよい。代わりに、標識は、直接的に検出可能ではないが、間接的に、例えば、二相システムで検出されてもよい。間接的標識検出の例は、標識への坑体の結合である。
【0065】
一態様では、方法は、前記ヒトパピローマウイルス核酸(例えば、アンプリコン)を、検出可能な分子を含み、前記ヒトパピローマウイルス核酸に結合するレポーター構築物と接触させることを含む。ヒトパピローマウイルス核酸をレポーター構築物と接触させることは、ヒトパピローマウイルス核酸をプローブと接触させる前、後又はそれと同時に実施される。レポーター構築物の検出可能な分子成分は、蛍光分子(R−フィコエリトリンなどの)でもよく、検出可能なシグナルを生じる酵素でもよい。
【0066】
前記レポーター構築物とヒトパピローマウイルス核酸(例えば、アンプリコン)の結合は、いかなる既知の手段によって実現してもよい。一例として、レポーター構築物は、ヒトパピローマウイルス核酸とハイブリダイズする検出可能的に標識されたオリゴヌクレオチドを含んでいてよい。代わりに、ヒトパピローマウイルス核酸は、第1の結合分子で標識されていてよく、前記レポーター構築物は、第1の結合分子に結合する第2の結合分子を含んでいてよい。
【0067】
結合分子の例には、ビオチン及びストレプトアビジンが挙げられる。したがって、第1の結合分子がビオチンであり、第2の結合分子がストレプトアビジンであること(又はその逆であること)は選択可能なことである。結合分子の他の例示的な対には、レポーター/リガンド対及び抗体/抗原(又はハプテン又はエピトープ)対が挙げられる。
【0068】
一態様では、検出可能なシグナルの強度を測定すれば、試料中のHPV核酸の量、又は試料中の異なるHPV遺伝子型の量(若しくは相対量)の定量化が可能になる。
【0069】
一態様では、方法は、試料を、ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体内の(又はアンプリコン内の)標的部位に結合し、それぞれが異なる核酸配列を含む複数の(すなわち、少なくとも2つの)異なるオリゴヌクレオチドプローブと接触させること、及び前記プローブと前記標的部位の結合を検出することを含む。
【0070】
一態様では、方法は、前記試料を前記異なるプローブの少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20と接触させることを含む。
【0071】
本発明のこの態様では、複数の(すなわち、少なくとも2つの)異なる遺伝子型特異的HPV核酸標的配列を同時に検出することにより、単回反応で複数の(すなわち、少なくとも2つの)異なるHPV遺伝子型の同時検出が可能になる。
【0072】
したがって、一態様では、前記方法は、試料を複数の異なる遺伝子型特異的プローブと接触させることにより、例えば、混合感染中に存在することがある広い範囲のHPV遺伝子型の同時検出を可能にすることを含む。
【0073】
一態様では、前記プローブのそれぞれは、(a)配列番号15と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(b)配列番号16と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(c)配列番号17と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(d)配列番号18と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(e)配列番号19と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(f)配列番号20と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(g)配列番号21と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(h)配列番号22と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(i)配列番号23と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(j)配列番号24と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(k)配列番号25と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(l)配列番号26と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(m)配列番号27と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(n)配列番号28と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(o)配列番号29と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(p)配列番号30と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(q)配列番号31と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(r)配列番号32と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(s)配列番号33と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;(t)配列番号34と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列からなる群から選択される異なる核酸配列を含む。
【0074】
好ましくは、前記方法は、プローブのそれぞれが、配列番号15、配列番号16、配列番号17、及び配列番号18(又はそれと少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する配列)から選択される異なる核酸配列を含む少なくとも4つの異なるプローブを用いる。上記の表1に示されるように、これらのプローブにより、最も一般的なHPV遺伝子型、すなわち、それぞれHPV−6及びHPV−11(低リスク)、並びにHPV−16及びHPV−18(高リスク)の検出が可能になる。
【0075】
したがって、一態様では、本発明では単一試料中の複数のHPV遺伝子型を同時に遺伝子型分類することが可能になる。
【0076】
1つの遺伝子型特異的プローブ(例えば、配列番号15)と標的ヒトパピローマウイルス核酸の結合を、異なる遺伝子型特異的プローブ(例えば、配列番号16)と標的ヒトパピローマウイルス核酸の結合と区別することができるのが好ましい。これにより、複数のハイブリダイゼーション反応を同一反応容器で同時に実施することが可能になり、試料中に存在するHPV遺伝子型の区別が促進される。
【0077】
したがって、一態様では、各異なる遺伝子型特異的プローブは、異なる固体担体又はプラットホーム上に、好ましくは異なるビーズ又はマイクロスフェア(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の異なるビーズ/マイクロスフェア)上に固定化される。好ましくは、前記異なる固体担体又はプラットホームは一意的に同定可能である。
【0078】
一例として、異なる担体(例えば、ビーズ/マイクロスフェア)は、サイズ若しくは色が異なっていてもよく、又は独自の標識を含んでいてもよい。一態様では、異なる担体(例えば、ビーズ/マイクロスフェア)は、異なる色素で又は異なる蛍光強度の色素で、内部的に染めるなどして、染色される。一例として、上記のように、異なる市販のマイクロスフェアは、異なる強度の赤色及び/又は赤外フルオロフォアで内部的に染めてもよく、それにより、その蛍光強度によって互いに識別可能である。
【0079】
固定化プローブを標的ヒトパピローマウイルス核酸(例えば、アンプリコン)とハイブリダイズさせることにより、複数の一意的に同定可能な標的核酸−プローブ−固体担体ハイブリッドが生成される。
【0080】
一態様では、固定化プローブとヒトパピローマウイルス核酸中のその標的部位との結合に続いて、前記方法は、その一意的同定により担体(例えば、ビーズ/マイクロスフェア)を識別することをさらに含む。
【0081】
一態様では、本方法は、Luminex液体ビーズマイクロアレイフローサイトメトリー技術を利用する。この技術の使用にあたって、ビーズ/マイクロスフェアに検出チャンバーを通過させる前に、ビーズ/マイクロスフェア(その結合した遺伝子型特異的プローブ及びハイブリダイズした標的核酸を有する)をLuminex100(商標)機器中で単一ファイルに整列させる。レーザーがマイクロスフェア内部の赤色及び赤外色素を照射し、それによりマイクロスフェアの分類が可能になる(したがって、結合した核酸が属する遺伝子型の同定が可能になる)。
【0082】
各分類(category)のマイクロスフェアに結合している標的核酸の量(すなわち、各遺伝子型の量)は、結合した核酸に会合している標識の量を検出することにより、定量してもよい。一態様では、会合した標識は蛍光分子(例えば、R−フィコエリチン)であり、前記分子はLuminex100(商標)機器中でレーザーにより励起される。色シグナルはリアルタイムで捕獲され、標識(例えば、R−フィコエリチン)の蛍光強度を使用して、各セットのマイクロスフェアに結合している標的核酸分子の量を測定する。
【0083】
したがって、一態様では、Luminex技術を使用すると、試料中の異なるHPV遺伝子型の定量が可能になる。
【0084】
一態様では、前記方法は、ヒトパピローマウイルス核酸を前記オリゴヌクレオチドプローブと接触させる前に、ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体の一部を増幅することによりアンプリコンを作製するステップをさらに含む。
【0085】
試料が小さい及び/又はDNA配列の不均一な収集物を含む場合には、標的ヒトパピローマウイルス核酸を増幅するのが望ましいこともある。
【0086】
増幅は、当技術分野では公知の方法により実施してよく、好ましくはPCRにより実施される。当業者であれば、核酸配列の増幅を促進するのに適した条件を決定することができるであろう。
【0087】
したがって、一態様では、増幅は、プライマーが相補的塩基対合によりヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体中の標的部位に結合する、一対の配列特異的プライマーを使用して実施される。適切なDNAポリメラーゼ及びDNA前駆体(dATP、dCTP、dGTP及びdTTP)の存在の下で、プライマーは伸長され、それにより、標的核酸の個々の鎖に相補的な新しい核酸鎖の合成を開始する。プライマーはそれによりヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体の一部の増幅を推進し、それによりアンプリコンを作製する。このアンプリコンはプローブが結合する標的配列を含む。
【0088】
誤解を避けるために、本発明の文脈では、オリゴヌクレオチドプライマーの定義は、全長L1遺伝子(又はその相補体)を含まない。
【0089】
プライマー対はフォワードオリゴヌクレオチドプライマー及びリバースオリゴヌクレオチドプライマーを含む。フォワードプライマーは標的核酸の相補的非コード(アンチセンス)鎖に結合するプライマーであり、リバースプライマーは標的核酸の対応するコード(センス)鎖に結合するプライマーである。
【0090】
本発明のプライマーは、Primer Express(Applied Biosystems社製)などの従来のソフトウェアを使用して、所望のパラメータの選択に基づいて標的遺伝子配列に結合するよう設計されている。この点に関して、結合条件は高レベルの特異性が与えられるような条件であることが好ましい。プライマーの溶融温度(Tm)は、好ましくは50℃を超え、最も好ましいのは約60℃である。本発明のプライマーは、好ましくは標的ヒトパピローマウイルス核酸に結合するが、好ましくは、自己相補性及びダイマー形成(プライマー−プライマー結合)を最小限に抑えるようにスクリーニングされる。
【0091】
前記フォワードオリゴヌクレオチドプライマー及びリバースオリゴヌクレオチドプライマーは典型的には1〜40ヌクレオチド長である。短いプライマーを使用するのが有利である。なぜならば、これにより標的核酸へのより迅速なアニーリングが可能になるからである。
【0092】
好ましくは、フォワードプライマーは少なくとも10ヌクレオチド長であり、さらに好ましくは少なくとも15ヌクレオチド長、さらに好ましくは少なくとも18ヌクレオチド長、最も好ましくは少なくとも20ヌクレオチド長であり、フォワードプライマーは好ましくは最大35ヌクレオチド長、さらに好ましくは最大30ヌクレオチド長、さらに好ましくは最大28ヌクレオチド長、最も好ましくは最大25ヌクレオチド長である。一実施形態では、フォワードプライマーは約20〜21ヌクレオチド長である。
【0093】
好ましくは、リバースプライマーは少なくとも10ヌクレオチド長であり、さらに好ましくは少なくとも15ヌクレオチド長、さらに好ましくは少なくとも20ヌクレオチド長、最も好ましくは少なくとも25ヌクレオチド長であり、リバースプライマーは好ましくは最大35ヌクレオチド長、さらに好ましくは最大30ヌクレオチド長、最も好ましくは最大28ヌクレオチド長である。一実施形態では、リバースプライマーは約26ヌクレオチド長である。
【0094】
アンプリコンは、好ましくは150〜250ヌクレオチド長の範囲にあり、好ましくは165〜225ヌクレオチド長の範囲にあり、好ましくは175〜200ヌクレオチド長の範囲にあり、最も好ましくは180〜195ヌクレオチド長の範囲にある。一実施形態では、アンプリコンは約182〜191ヌクレオチド長である。
【0095】
下の表2に示すように、アンプリコン長は、異なるヒトパピローマウイルス遺伝子型間で異なるであろう。
【0096】
【表3】

【0097】
フォワードプライマーはヒトパピローマウイルスL1遺伝子の相補体内の標的部位に結合する。下の表3に示すように、フォワードプライマーの結合部位は配列番号1の配列を含む。一態様では、フォワードプライマーの結合部位は配列番号1の配列を含む。
【0098】
リバースプライマーはヒトパピローマウイルスL1遺伝子内の標的部位に結合する。下の表3に示すように、リバースプライマーの結合部位は配列番号2の配列を含む。一態様では、リバースプライマーの結合部位は配列番号2の配列からなる。
【0099】
【表4】

【0100】
この点に関して、配列番号1及び2はコンセンサス配列であることは明らかとなり、H=A、C、又はT;N=A、T、C、又はG;W=A又はT;Y=T又はC;R=A又はG;D=A、T、又はG;B=C、T、又はG;及びV=G、C、又はAである。
【0101】
一態様では、下の表4に示すように、フォワードプライマーは、配列番号3の配列を有する核酸配列を含む。一態様では、フォワードプライマーは、配列番号3の配列を有する核酸配列からなる。
【0102】
一態様では、下の表4に示すように、リバースプライマーは、配列番号9の配列を有する核酸配列を含む。一態様では、リバースプライマーは、配列番号9の配列を有する核酸配列からなる。
【0103】
【表5】

【0104】
この点に関して、配列番号3及び9はコンセンサス配列であることは明らかとなり、H=A、C、又はT;N=A、T、C、又はG;W=A又はT;Y=T又はC;R=A又はG、及びD=A、T、又はGである。
【0105】
特に、下の表5に示すように、配列番号4、5、6、7又は8のフォワードプライマーを使用して良好な結果が得られている。
【0106】
【表6】

【0107】
この点に関して、配列番号4〜7はコンセンサス配列であることは明らかとなり、H=A、C、又はT;N=A、T、C、又はG;M=A又はC;Y=T又はC、及びR=A又はGである。
【0108】
特に、下の表6に示すように、配列番号10、11、12、13又は14のリバースプライマーを使用しても良好な結果が得られている。
【0109】
【表7】

【0110】
この点に関して、配列番号10〜14はコンセンサス配列であることは明らかとなり、K=G又はT;M=A又はC;W=A又はT;Y=T又はC及びR=A又はGである。
【0111】
上記のフォワードプライマー配列とは1又は複数のヌクレオチドが異なる変異体を用いてもよいことは認識されるであろう。この点に関して、保存的置換体が好ましい。
【0112】
したがって、一態様では、フォワードプライマーは、配列番号4、5、6、7又は8の核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0113】
したがって、一態様では、リバースプライマーは、配列番号10、11、12、13又は14の核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0114】
好ましくは、フォワードプライマーは、配列番号4、5、6、7又は8の核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列からなる。
【0115】
好ましくは、リバースプライマーは、配列番号10、11、12、13又は14の核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列からなる。
【0116】
変異プライマー配列を定義するための別の手段は、変異配列と特定のプライマー配列間で異なるヌクレオチドの数を定義することによる。したがって、一態様では、変異プライマー配列と配列番号4、5、6、7、8、10、11、12、13又は14との相違は、3ヌクレオチド位置のみ、好ましくは2ヌクレオチド位置のみ、最も好ましくは1ヌクレオチド位置のみである。
【0117】
一態様では、ヒトパピローマウイルス核酸を増幅するステップは、標識をアンプリコンに組み込むことを含む。
【0118】
この点に関して、必要に応じ、プライマーのうちの少なくとも1つ(好ましくはリバースプライマー)が標識を含む(例えば、プライマーの5’末端に)ことができ、増幅が進行するときに、そうして得られるアンプリコンはこの標識を取り込むことになる。標識により、アンプリコンを検出し、必要に応じて定量が可能になる。
【0119】
この点に関して、標識は、蛍光分子(例えば、R−フィコエリトリン)などの検出可能な分子を含んでいてよい。代わりに、標識は、ビオチンなどの結合分子を含んでいてよく、その場合、前記方法は、前記第1の結合分子を、第1の結合分子に結合する第2の結合分子を含み、蛍光分子などの検出可能な分子を含むレポーター構築物と接触させることをさらに含んでいてよい。
【0120】
一態様では、検出方法は、前記試料を、ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体中の標的部位に結合する複数の(すなわち、少なくとも2つの)異なるフォワードプライマー及び複数の(すなわち、少なくとも2つの)異なるリバースプライマーと接触させることを含む。この点に関して、フォワードプライマーは、異なる核酸配列を含んでいるために互いに異なる。同様に、リバースプライマーは、異なる核酸配列を含んでいるために互いに異なる。
【0121】
一態様では、前記異なるフォワードプライマーのそれぞれは、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7又は配列番号8から選択される異なる核酸配列(又はそれと少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する配列)を含み、前記異なるリバースプライマーのそれぞれは、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14から選択される異なる核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含む。
【0122】
一態様では、配列番号4(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むフォワードプライマーは、配列番号10、11又は14から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むリバースプライマーと組み合わせて使用され、配列番号17、19、24又は33から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する配列)を含む1又は複数の異なるプローブと組み合わせて使用されてもよい。
【0123】
一態様では、配列番号5(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むフォワードプライマーは、配列番号10、11又は13から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むリバースプライマーと組み合わせて使用され、配列番号15、16、18、23又は26から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する配列)を含む1又は複数の異なるプローブと組み合わせて使用されてもよい。
【0124】
一態様では、配列番号6(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むフォワードプライマーは、配列番号11又は12から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むリバースプライマーと組み合わせて使用され、配列番号22又は28から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する配列)を含む1又は複数の異なるプローブと組み合わせて使用されてもよい。
【0125】
一態様では、配列番号7(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むフォワードプライマーは、配列番号10、12又は13から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むリバースプライマーと組み合わせて使用され、配列番号20、21又は34から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する配列)を含む1又は複数の異なるプローブと組み合わせて使用されてもよい。
【0126】
一態様では、配列番号8(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むフォワードプライマーは、配列番号14(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むリバースプライマーと組み合わせて使用され、配列番号27(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する配列)を含むプローブと組み合わせて使用されてもよい。
【0127】
同様に、一態様では、配列番号10(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むリバースプライマーは、配列番号4、5又は7から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むフォワードプライマーと組み合わせて使用され、配列番号17、18、21又は23から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する配列)を含む1又は複数の異なるプローブと組み合わせて使用されてもよい。
【0128】
一態様では、配列番号11(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むリバースプライマーは、配列番号4、5又は6から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むフォワードプライマーと組み合わせて使用され、配列番号15、22又は24から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する配列)を含む1又は複数の異なるプローブと組み合わせて使用されてもよい。
【0129】
一態様では、配列番号12(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むリバースプライマーは、配列番号6又は7から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むフォワードプライマーと組み合わせて使用され、配列番号20又は28から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する配列)を含む1又は複数の異なるプローブと組み合わせて使用されてもよい。
【0130】
一態様では、配列番号13(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むリバースプライマーは、配列番号5又は7から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むフォワードプライマーと組み合わせて使用され、配列番号26又は34から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する配列)を含む1又は複数の異なるプローブと組み合わせて使用されてもよい。
【0131】
一態様では、配列番号14(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むリバースプライマーは、配列番号4又は8から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%の配列同一性を有する配列)を含むフォワードプライマーと組み合わせて使用され、配列番号19、27又は33から選択される核酸配列(又はそれと85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する配列)を含む1又は複数の異なるプローブと組み合わせて使用されてもよい。
【0132】
上記のように、本発明により、判定されるべき病原体負荷の定量的評価が可能になる。HPV負荷を判定することは、臨床指導のため及び治療を決定するため、患者管理のため及びワクチン有効性を評価するためなどの、多数の有用な用途を有する。
【0133】
したがって、一態様では、本発明は、対象の試料中のヒトパピローマウイルス病原体負荷を定量するインビトロ方法であって、(a)前記対象の試料に対して本発明による検出方法を実施すること、及び(b)所定の既知ヒトパピローマウイルス病原体負荷の試験試料に対して前記方法を実施すること、及び(c)対象の試料から検出されるシグナルを試験試料から検出されるシグナルと比較することを含み、それにより対象の試料中のヒトパピローマウイルス病原体負荷を定量する、方法を提供する。
【0134】
別の態様では、本発明は、ある期間にわたる治療経過、例えばワクチン療法などの薬物療法の経過の有効性を判定するのに有用である。
【0135】
したがって、一態様では、本発明は、薬物療法の期間の経過にわたって薬物の有効性を判定するインビトロ方法であって、(a)薬物療法の期間内の又は先立つ最初の時点で得られる最初の試料に対して本発明による検出方法を実施すること、(b)薬物療法の期間内の又は後の1又は複数の後の時点で得られる1又は複数の試料に対して前記方法を実施すること、及び(c)最初の試料から検出されるシグナルを、1又は複数の後期試料から検出されるシグナルと比較することを含み、それにより薬物療法の期間の経過にわたって薬物の有効性を判定する、方法を提供する。
【0136】
別の態様では、本発明は、ヒトパピローマウイルスに対するワクチンの有効性を判定するのに有用である。したがって、一態様では、本発明は、ヒトパピローマウイルスに対するワクチンの有効性を判定するインビトロ方法であって、(a)ワクチン接種の前の最初の時点で患者から得られる最初の試料に対して本発明による検出方法を実施すること、(b)ヒトパピローマウイルスでのチャレンジの後の1又は複数の後の時点で前記患者から得られる試料に対して前記方法を実施すること、及び(c)最初の試料から得られる結果を、1又は複数の後期試料から得られる結果と比較することを含み、それによりワクチン有効性を判定する、方法を提供する。
【0137】
別の態様では、本発明は、試料中のヒトパピローマウイルスの遺伝子型を分類するインビトロ方法であって、(a)1又は複数の遺伝子型特異的プローブを使用して試料に対して本発明による方法を実施すること、及び(b)ヒトパピローマウイルス核酸に結合しているプローブ又は複数のプローブを同定することを含む、方法を提供する。
【0138】
本発明は、本発明の上記の方法において使用するための試薬も提供する。
【0139】
したがって、一態様では、本発明は、本発明に従って使用するための上記のプローブを提供する。
【0140】
一態様では、本発明は、本発明に従って使用するための上記のプローブのセットを提供する。
【0141】
一態様では、本発明は、本発明に従って使用するための上記のフォワードプライマーを提供する。別の態様では、本発明は、本発明に従って使用するための上記のリバースプライマーを提供する。別の態様では、本発明は、本発明による方法で使用するための上記のフォワードプライマー及びリバースプライマーを含むプライマーセットを提供する。
【0142】
本発明により、上記のプローブ又はプローブのセットを含む、試料中のヒトパピローマウイルス核酸を検出するためのキットも提供される。キットには上記のフォワードプライマーが含まれていてもよい。キットには上記のリバースプライマーが含まれていてもよい。キットには(上記のフォワードプライマー及びリバースプライマーを含む)プライマーセットが含まれていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】既知のRoche Lineblotアッセイと比較した場合の、本発明の一態様(「高リスク」遺伝子型のみ)に従ったHPV遺伝子型同定アッセイを使用して生み出されるデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0144】
本発明は以下の実施例によりさらに詳細に議論される。
[実施例]
【実施例1】
【0145】
HPV遺伝子型同定アッセイ
オリゴヌクレオチドのLuminexマイクロスフェアへのコンジュゲーション
冷蔵庫から試薬(0.1%SDS、Tween 20及び0.1M MES)を取り出し、室温に適合させる。チューブ上の「nmol」濃度に等しい容量の製薬純水を添加することにより凍結乾燥したプローブを再懸濁し、1mMの保存濃度を与える。ビーズセットを選択し、ペレットを分散させ、超音波処理し、1分間ボルテックスする。5.0×10ビーズ(総量1.25×10のうち)を1.5mlチューブに分散させる(1ml総量のうち400μlに相当する)。チューブにプローブID及びLuminexビーズ領域ID、例えばHPV16[01]を貼ることに留意されたい。新しいプローブを試験するために、150μlのビーズストックを使用し、最終再懸濁液のために300μlの0.1M MESを添加する。10,000rpmで1分間遠心分離にかけ、次に、ビーズを除去しないように注意して上澄みを除去する。50μlの0.1M MESを添加し、ボルテックスして、超音波処理する。
【0146】
0.2nMのプローブ(すなわち、0.2μlの1mM溶液)を添加し、短時間ボルテックスする。これにより、50μl中8μMのプローブ濃度が得られる。
【0147】
使用する直前に、1.0ml滅菌水を10mg(0.01g)のEDCパウダー(−20℃冷凍庫で乾燥させて保存する)に添加し、溶解するまでボルテックスする。2.5μlの新鮮なEDC溶液をマイクロスフェアに添加し、直ちにボルテックスする。暗所中室温で30分間インキュベートする。新鮮なEDCで繰り返す(総計で2回EDC添加)。
【0148】
1.0mlのTween 20(0.02%v/v)を添加し、ボルテックスする。ビーズを10,000rpmで1分間微量遠心分離にかける。ペレットをかきまぜないように注意して上澄みを除去する。1.0mlのSDS(0.1%w/v)を添加し、ボルテックスする。ビーズを10,000rpmで1分間微量遠心分離にかける。ペレットをかきまぜないように注意して上澄みを除去する。ビーズを800μlの0.1M MES(pH4.5)に再懸濁する。「速読」計測チャンバーを使用してビーズを数え上げる。ボルテックスし、ビーズを1分間超音波処理する。
【0149】
10μlをチャンバーの一区域にピペットで取り、MRU中光学顕微鏡の下に置き、格子の4隅を計測する。(全読み取りは80と140ビーズの間であるのがよい)。光から保護して2〜8℃で保存する。
【0150】
緩衝液の調製
0.1M MES:4.88gのMES(2[N-Morpholino] Ethanesulphonic acid)を250mlのSigma水に添加し、次にほぼ5滴の5NのNaOHを添加することによりpHを4.5に調整し、ろ過滅菌する。
0.02%Tween 20:50μlのTween 20を250mlのSigma水に添加し、次にろ過滅菌する。
0.1%SDS:2.5mlのSDS(ラウリル硫酸10%溶液)を250mlのSigma水に添加し、ろ過滅菌する。
【0151】
HPVL1遺伝子のPCR増幅
一反応用のPCRマスター混合(45μl)を、Qiagen Hot Start PCRキットを使用して以下の通りに作製する。
【0152】
【表8】

【0153】
・試験する各試料からの5μlDNAを、数によってPCRプレート又はチューブに添加する。
・PCRプレート又はチューブを、以下のサイクリングパラメータで熱循環装置にセットする:95℃/15分に続いて8サイクルの95℃/30秒、54℃/1分及び72℃/45秒、確実にアニーリング温度は各サイクルで1.5℃下がるようにする。これに続いて、35サイクルの95℃/30秒、42℃/1分、72℃/45秒、さらに72℃/7分の最終伸長、その後4℃で保持する。
・2%アガロースゲルを使用した電気泳動ステップを含めて、PCRアンプリコンサイズ及びバンド強度を確認してもよい。
【0154】
直接DNAハイブリダイゼーションアッセイのためのプロトコル
1.1.5×TMACで複数分析物(ビーズ)溶液を用意する(添加する各ビーズセットの容積は、以前計算したμlあたりのビーズの濃度に基づく)。
2.12μl TE緩衝液をPCRプレート(Millipore社製)に、5μlビオチン標識PCR産物及び33μlのビーズ調製物を各ウェルに添加する。確実に産物とビーズ溶液が十分混ざり合うようにする。
3.プレートを以下のパラメータでプログラムされた熱循環装置に移す:95℃/5分に続いて53℃を15分。サイクルが進行している間、Luminexゴールドブロックを−20℃冷凍庫に移す。
4.プレートを熱循環装置から取り出し、冷却ブロックに移して1分間「スナップ冷凍する」。プレートをブロックから取り出し、2250×g/3分で遠心分離し、プレートを反転させることによって液体を吸引し、ビーズを1つも失わないように注意して80×g/20秒で穏やかに遠心分離する。ゴールドブロックを53℃まで加熱するように設定されたBioPlex/Luminex機器に移す。
5.ストレプトアビジン−R−フィコエリトリン(S−PE)コンジュゲートを1×TMACで1:1000に希釈する(ウェルの数に75μlを掛けることにより準備する容量を計算する)。
6.70μlの1:1000希釈S−PEを添加し、プレートを20秒間振動させることによりビーズを再懸濁し、その後熱循環装置に戻して、さらに5分間53℃でインキュべートする。
7.プレートを熱循環装置から取り出し、BioPlex/Luminex機器中の予熱されたブロックに移す。BioPlex/Luminex機器で読み取る。
【0155】
Bio-Plex/Luminex上での読み取りアッセイのためのプロトコル
1.確実にレーザーを使用前に予熱しておくようにする。機械にすでに30分以上スイッチが入っている場合は、これはすでに自動的に実行されている。前もって実行されていない場合は、「始動」オプションを選択する。機械は、MCVプレートでの滅菌水及び70%イソプロパノールの位置決めを指示する。「始動」プロセスは約4分かかる。
2.メニューからオプション「オープンプロトコル」を選択し、ファイルHPVを開く。メニューから、オプション「分析物を選択する」及びアッセイにおいて試験中の分析物、すなわち16、18等を「添加する」を選ぶ。
3.X(=未知)をクリックし、カーソルを試験中のウェル上にドラッグすることにより鋳型を定義する。適切な数の「B」として示される空白ウェルを含める。
4.メニュー上の「イジェクト/リトラクト」ボタンを使用してマイクロタイタープレートを挿入し、「ラン」ボタンを押す。機器は試料ごとのビーズ/プローブごとに一連の平均蛍光強度(MFI)値を計算する。
5.機器が読み取りを終えたら、オプションを選択してデータを解析のためにエクセルファイルに移す。
【0156】
データ解析
1.アッセイのためのカットオフを1500MFIに設定し、試験を繰り返すべき「グレーゾーン」は1500と2000MFI間である。
2.確実に「空白」ウェル中のMFI値すべてが<1000であるようにする。
3.試料中に存在するいかなるHPV遺伝子型(複数可)もMFI値>2000MFIを与える。
【0157】
結果
【0158】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中のヒトパピローマウイルス核酸を検出するインビトロ方法であって、
(i)ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又は相補体の一部の増幅を促進するのに適した条件下で、前記試料を、前記ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体中の標的部位に結合するフォワードオリゴヌクレオチドプライマー及びリバースオリゴヌクレオチドプライマーと接触させることによりアンプリコンを作製すること;
(ii)前記アンプリコンを、前記アンプリコン内の標的部位に結合するプローブと接触させること;及び
(iii)前記プローブと前記アンプリコンの結合を検出することを含み、
前記フォワードプライマーが配列番号1の配列を有する標的部位に結合し、
前記リバースプライマーが配列番号2の配列を有する標的部位に結合する方法。
【請求項2】
フォワードプライマーが、配列番号3の配列を有する核酸配列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
フォワードプライマーが、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7又は配列番号8から選択される核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
フォワードプライマーが、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7又は配列番号8から選択される核酸配列からなる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
リバースプライマーが、配列番号9の配列を有する核酸配列を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
リバースプライマーが、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14から選択される核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
リバースプライマーが、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14から選択される核酸配列からなる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
アンプリコンが少なくとも175ヌクレオチド長であり、最大250ヌクレオチド長である、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
試料を、ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体中の標的部位に結合する、少なくとも2つの異なるフォワードプライマー及び少なくとも2つの異なるリバースプライマーと接触させることを含む、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
フォワードプライマーのそれぞれが、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7又は配列番号8から選択される異なる核酸配列からなり、リバースプライマーのそれぞれが、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14から選択される異なる核酸配列からなる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
フォワードプライマーが配列番号4及び5から選択され、リバースプライマーが配列番号10及び11から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
プローブが、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33及び配列番号34から選択される核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
プローブが、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33及び配列番号34の核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列からなる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
プローブが固体担体又はプラットホーム上に固定化されている、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
プローブがビーズ又はマイクロスフェア上に固定化されている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
試料を、アンプリコン内の標的部位に結合し、それぞれが異なる核酸配列を含む少なくとも2つの異なるプローブと接触させること、及び前記アンプリコンと前記プローブとの結合を検出することを含む、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
プローブのそれぞれが、
(a)配列番号15と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(b)配列番号16と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(c)配列番号17と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(d)配列番号18と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(e)配列番号19と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(f)配列番号20と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(g)配列番号21と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(h)配列番号22と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(i)配列番号23と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(j)配列番号24と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(k)配列番号25と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(l)配列番号26と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(m)配列番号27と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(n)配列番号28と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(o)配列番号29と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(p)配列番号30と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(q)配列番号31と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(r)配列番号32と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(s)配列番号33と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(t)配列番号34と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列
からなる群から選択される異なる核酸配列を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
試料を異なるプローブのうちの少なくとも4つと接触させることを含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
プローブのそれぞれが、配列番号15、配列番号16、配列番号17、及び配列番号18から選択される異なる核酸配列からなる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
それぞれの異なるプローブが、異なる固体担体又はプラットホーム上に固定化されている、請求項14〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
異なる固体担体又はプラットホームが、一意的に同定可能なビーズ又はマイクロスフェアである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
アンプリコンと異なる固定化プローブの結合に続いて、ビーズ又はマイクロスフェアをその一意的な同定に従ってソーティングすることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
アンプリコンを、蛍光分子等の検出可能な分子を含み、前記アンプリコンに結合するレポーター構築物と接触させることを含む、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
フォワード及び/又はリバースプライマーが標識を含み、増幅ステップが前記標識をアンプリコンに組み込むステップを含む、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
標識が蛍光分子等の検出可能な分子を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
標識がビオチン等の第1の結合分子を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
第1の結合分子を、第1の結合分子に結合する第2の結合分子を含み、蛍光分子等の検出可能な分子を含むレポーター構築物と接触させることをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
試料中のヒトパピローマウイルス核酸を検出するインビトロ方法であって、
(i)前記試料を、ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体内の標的部位に結合する少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプローブと接触させること;及び
(ii)前記プローブと前記標的部位との結合を検出することを含み、
前記プローブが、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33及び配列番号34から選択される核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列を含む、方法。
【請求項29】
プローブが、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33及び配列番号34から選択される核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列からなる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
プローブが固体担体又はプラットホーム上に固定化されている、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項31】
プローブがビーズ又はマイクロスフェア上に固定化されている、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
試料を、ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体内の標的部位に結合し、それぞれが異なる核酸配列を含む少なくとも2つの異なるプローブと接触させること、及び前記プローブと前記標的部位との結合を検出することを含む、請求項28〜31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
プローブのそれぞれが、
(a)配列番号15と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(b)配列番号16と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(c)配列番号17と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(d)配列番号18と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(e)配列番号19と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(f)配列番号20と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(g)配列番号21と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(h)配列番号22と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(i)配列番号23と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(j)配列番号24と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(k)配列番号25と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(l)配列番号26と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(m)配列番号27と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(n)配列番号28と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(o)配列番号29と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(p)配列番号30と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(q)配列番号31と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(r)配列番号32と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(s)配列番号33と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;及び
(t)配列番号34と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列
からなる群から選択される異なる核酸配列を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
試料を異なるプローブのうちの少なくとも4つと接触させることを含む、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
プローブのそれぞれが、配列番号15、配列番号16、配列番号17、及び配列番号18から選択される異なる核酸配列からなる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
それぞれの異なるプローブが、異なる固体担体又はプラットホーム上に固定化されている、請求項32〜35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
異なる固体担体又はプラットホームが、一意的に同定可能なビーズ又はマイクロスフェアである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
プローブと標的部位の結合に続いて、ビーズ又はマイクロスフェアをその一意的な同定に従ってソーティングすることをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
プローブと標的部位の結合に続いて、前記結合ヒトパピローマウイルス核酸を、蛍光分子等の検出可能な分子を含み、前記ヒトパピローマウイルス核酸に結合するレポーター構築物と接触させることをさらに含む、請求項28〜38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
結合ヒトパピローマウイルス核酸が標識化されている、請求項28〜38のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
標識が、蛍光分子等の検出可能な分子を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
標識が、ビオチン等の第1の結合分子を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
第1の結合分子を、第1の結合分子に結合する第2の結合分子を含み、蛍光分子等の検出可能な分子を含むレポーター構築物と接触させることを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
試料を少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプローブと接触させる前に、ヒトパピローマウイルス核酸を増幅し、それによりヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体内のプローブの標的部位を含むアンプリコンを作製するステップをさらに含む、請求項28〜43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
増幅ステップが、フォワードオリゴヌクレオチドプライマー及びリバースオリゴヌクレオチドプライマーを使用して実施され、前記フォワードプライマーが配列番号1の配列を有する標的部位に結合し、前記リバースプライマーが配列番号2の配列を有する標的部位に結合する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
フォワードプライマーが配列番号3の配列を有する核酸配列を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
フォワードプライマーが、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7又は配列番号8から選択される核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
リバースプライマーが、配列番号9の配列を有する核酸配列を含む、請求項44〜47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
リバースプライマーが、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14の核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項44〜47のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
フォワードプライマー及び/又はリバースプライマーが標識を含み、増幅ステップが前記標識をアンプリコンに組み込むステップを含む、請求項44〜49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
標識が、蛍光分子等の検出可能な分子、又はビオチン等の結合分子を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
対象試料中のヒトパピローマウイルス病原体負荷を定量するインビトロ方法であって、
(a)前記対象試料に対して請求項1〜51のいずれかに記載の方法を実施すること;及び
(b)所定の既知ヒトパピローマウイルス病原体負荷の試験試料に対して請求項1〜51のいずれかに記載の方法を実施すること;及び
(c)対象試料から検出されるシグナルを試験試料から検出されるシグナルと比較することを含み、
それにより対象試料中のヒトパピローマウイルス病原体負荷を定量する方法。
【請求項53】
薬物療法の期間の経過にわたって薬物の有効性を判定するインビトロ方法であって、
(a)薬物療法の期間内の又は先立つ最初の時点で得られる最初の試料に対して請求項1〜51のいずれかに記載の方法を実施すること;
(b)薬物療法の期間内の又は後の1又は複数の後の時点で得られる1又は複数の後期試料に対して請求項1〜51のいずれかに記載の方法を実施すること;及び
(c)最初の試料から検出されるシグナルを、前記1又は複数の後期試料から検出されるシグナルと比較することを含み、
それにより薬物療法の期間の経過にわたって薬物の有効性を判定する方法。
【請求項54】
薬物療法がワクチン療法である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
試料中のヒトパピローマウイルスを分類するインビトロ方法であって、
(a)試料に対して請求項1〜51のいずれかに記載の方法を実施すること;及び
(b)ヒトパピローマウイルス核酸に結合しているプローブ又は複数のプローブを同定すること
を含む方法。
【請求項56】
請求項1〜55のいずれかに記載の方法において使用するためのプローブであって、ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体内の標的配列に結合し、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33及び配列番号34から選択される核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列を含む、プローブ。
【請求項57】
配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33及び配列番号34の核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列からなる、請求項56に記載のプローブ。
【請求項58】
固体担体又はプラットホーム上に固定化されている、請求項56又は請求項57に記載のプローブ。
【請求項59】
ビーズ又はマイクロスフェア上に固定化されている、請求項58に記載のプローブ。
【請求項60】
請求項1〜55のいずれかに記載の方法において使用するための少なくとも2つの異なるプローブのセットであって、前記プローブがヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体中の標的部位に結合し、前記プローブのそれぞれが、
(a)配列番号15と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(b)配列番号16と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(c)配列番号17と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(d)配列番号18と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(e)配列番号19と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(f)配列番号20と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(g)配列番号21と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(h)配列番号22と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(i)配列番号23と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(j)配列番号24と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(k)配列番号25と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(l)配列番号26と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(m)配列番号27と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(n)配列番号28と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(o)配列番号29と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(p)配列番号30と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(q)配列番号31と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(r)配列番号32と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;
(s)配列番号33と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列;及び
(t)配列番号34と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列
から選択される異なる核酸配列を含む、
プローブのセット。
【請求項61】
異なるプローブのうちの少なくとも4つを含む、請求項60に記載のプローブのセット。
【請求項62】
プローブのそれぞれが、配列番号15、配列番号16、配列番号17、及び配列番号18から選択される異なる核酸配列からなる、請求項61に記載のプローブのセット。
【請求項63】
それぞれの異なるプローブが、異なる固体担体又はプラットホーム上に固定化されている、請求項60〜62のいずれかに記載のプローブのセット。
【請求項64】
異なる固体担体又はプラットホームが、一意的に同定可能なビーズ又はマイクロスフェアである、請求項63に記載のプローブのセット。
【請求項65】
請求項1〜55のいずれかに記載の方法において使用するためのプライマーセットであって、ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体中の標的部位に結合するフォワードプライマー及びリバースプライマーを含み、前記フォワードプライマーが配列番号1の配列を有する標的部位に結合し、前記リバースプライマーが配列番号2の配列を有する標的部位に結合する、プライマーセット。
【請求項66】
フォワードプライマーが、配列番号3の配列を有する核酸配列を含む、請求項65に記載のプライマーセット。
【請求項67】
フォワードプライマーが、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7又は配列番号8から選択される核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項65に記載のプライマーセット。
【請求項68】
リバースプライマーが配列番号9の配列を有する核酸配列を含む、請求項65〜67のいずれかに記載のプライマーセット。
【請求項69】
リバースプライマーが、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14から選択される核酸配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%、最も好ましくは100%の配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項65〜67のいずれかに記載のプライマーセット。
【請求項70】
リバースプライマーが標識を含む、請求項65〜69のいずれかに記載のプライマーセット。
【請求項71】
請求項56〜59に記載のプローブ又は請求項60〜64に記載のプローブセットを含む、請求項1〜55のいずれかに記載の方法において使用するためのキット。
【請求項72】
ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体中の標的部位に結合し、配列番号3の配列を有する核酸配列を含むフォワードプライマーをさらに含む、請求項71に記載のキット。
【請求項73】
ヒトパピローマウイルスL1遺伝子又はその相補体中の標的部位に結合し、配列番号9の配列を有する核酸配列を含むリバースプライマーをさらに含む、請求項71又は72に記載のキット。
【請求項74】
請求項65〜70のいずれかに記載のプライマーセットをさらに含む、請求項71に記載のキット。
【請求項75】
実質的に以上に記載の、試料中のヒトパピローマウイルスL1遺伝子を検出するインビトロ方法。
【請求項76】
実質的に本明細書に記載のプローブ。
【請求項77】
実質的に本明細書に記載のプローブのセット。
【請求項78】
実質的に本明細書に記載のプライマーセット。
【請求項79】
実質的に本明細書に記載のキット。

【図1】
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【公表番号】特表2010−517556(P2010−517556A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548750(P2009−548750)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【国際出願番号】PCT/GB2008/050080
【国際公開番号】WO2008/096177
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(503191210)ヘルス プロテクション エージェンシー (19)
【Fターム(参考)】