説明

ヒドロイソインドリンタキキニン受容体アンタゴニストの製造方法

本発明は、ニューロキニン−1(NK−1)受容体アンタゴニスト、ならびに、タキキニンおよび特にサブスタンスPのインヒビターとして有用なある種のヒドロイソインドリン化合物の製造方法を目的とする。化合物は、嘔吐、尿失禁、抑鬱および不安を含むいくつかの障害の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ある種のヒドロイソインドリンタキキニン受容体アンタゴニストの製造方法を目的とする。
【背景技術】
【0002】
サブスタンスPは、タキキニンファミリーのペプチドに所属する天然産生ウンデカペプチドであり、血管外平滑筋組織に対する迅速な収縮作用がタキキニンという命名の理由である。タキキニンは保存されたカルボキシル末端配列によって識別される。サブスタンスP以外の既知の哺乳類タキキニンは、ニューロキニンAおよびニューロキニンBである。現行の命名方法では、サブスタンスP、ニューロキニンAおよびニューロキニンBの受容体をそれぞれニューロキニン−1(NK−1)、ニューロキニン−2(NK−2)およびニューロキニン−3(NK−3)と呼称している。
【0003】
タキキニン特にサブスタンスPのアンタゴニストは、中枢神経系の障害、疼痛感および疼痛、胃腸障害、膀胱機能障害ならびに呼吸疾患のようなタキキニン特にサブスタンスPの過剰活性の存在を特徴とする臨床状態の治療に有用である。
【0004】
同じ構造クラスの化合物の代替的製造方法は、2005年1月26日出願のPCT/US05/02149に開示されている。該方法については本文中で後述する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ニューロキニン−1(NK−1)受容体アンタゴニスト、タキキニンおよび特にサブスタンスPのインヒビターとして有用なある種のヒドロイソインドリン化合物の製造方法を目的とする。これらの化合物は、嘔吐、尿失禁、抑鬱および不安のようないくつかの障害の治療に有用である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの目的によれば、本発明は、式(I)のヒドロイソインドリンタキキニン受容体アンタゴニストおよび医薬的に許容されるそれらの塩の製造方法を包含する。
【0007】
【化35】

は、
(1)水素、
(2)置換されていないまたはハロゲン、ヒドロキシルもしくはフェニルで置換されたC1−6アルキル、
(3)置換されていないまたはハロゲン、ヒドロキシルもしくはメチルで置換されたシクロペンテノン、
(4)−(CO)−C1−6アルキル、
(5)−(CO)−NH
(6)−(CO)−NHC1−6アルキル、および、
(7)−(CO)−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
から成るグループから選択され、
Xは独立に、
(1)水素、
(2)フッ素、および、
(3)メチル
から成るグループから選択される。
【0008】
この方法は、式(2)
【0009】
【化36】

のフェニル酢酸を場合により第一触媒の存在下に非プロトン性溶媒中でSOClと反応させて式(3)
【0010】
【化37】

の化合物を得る段階(a)と、
式(3)の化合物を水性無機塩基の存在下にNHMeOMeと反応させて式(4)
【0011】
【化38】

のWeinrebアミドを得る段階(b)と、
式(4)のWeinrebアミドを第二の非プロトン性溶媒中で適当なグリニャール試薬と反応させ次いでAcOによる第一の反応停止および水性無機酸による第二の反応停止を行って式(5)
【0012】
【化39】

のエノンを得る段階(c)と、
式(5)のエノンを第三の非プロトン性溶媒および有機塩基中でシラン試薬と反応させて式(6)
【0013】
【化40】

のジエンを得る段階(d)と、
式6のジエンを非極性溶媒中で式(7)
【0014】
【化41】

[式中、Rは(−)−メンチルである。]のフマレートおよびルイス酸と反応させて式(8)
【0015】
【化42】

の化合物を得る段階(e)と、
式(8)の化合物を有機極性溶媒中で適当な加水分解試薬によって加水分解して式(9)
【0016】
【化43】

の化合物を得る*段階(f)と、
式(9)の化合物のケトン官能基を第一還元剤によって還元し、次いでCORを非プロトン性溶媒中で第二還元剤によって還元して式(10)
【0017】
【化44】

のトリオールを得る段階(g)と、
式(10)のトリオールを有機塩基の存在下にアルキルスルホニルクロリドと反応させて式(11)
【0018】
【化45】

[式中、Rはメチル、エチルまたはプロピルである。]
の化合物を得る段階(h)と、
式(11)の化合物を、非プロトン性溶媒中で酸触媒の存在下に式(12)
【0019】
【化46】

の化合物と反応させて式(13)
【0020】
【化47】

の化合物を得る段階(i)と、
式(13)の化合物を極性溶媒中でアリルアミンによって環化して式(14)
【0021】
【化48】

の化合物を得る段階(j)と、
式(14)の化合物を第三触媒と反応させ次いで酸を付加して式(15)
【0022】
【化49】

の化合物を場合によっては酸塩として得る段階(k)と、
式(15)の化合物の酸塩を極性溶媒中で官能化試薬と反応させて式(I)
【0023】
【化50】

の化合物を得る段階(l)と、
を含む。
【0024】
段階(a)に関して、(2)とSOClとの当量比は典型的には0.9:1から1:1.4である。好ましい比は1:1.2である。本出願で非プロトン性溶媒はトルエンおよびベンゼンを含む。トルエンが好ましい。本出願で第一触媒はジメチルホルムアミドを含むと定義する。第一触媒に対する(2)のモル当量比は0.02である。反応は典型的には20から100℃の温度範囲で行う。好ましい範囲は60から80℃である。反応が実質的に完了するまで、典型的には0.5から3時間反応を進行させる。
【0025】
段階(b)に関して、(3)とNHMeOMe(HCl塩として)とのモル当量比は典型的には1:1.2から1:2.0である。好ましい比は1:1.5である。反応は典型的には−20から40℃の温度範囲で行う。好ましい範囲は0から20℃である。反応が実質的に完了するまで、典型的には1から4時間反応を進行させる。好ましくは段階(a)と段階(b)とを中間単離することなく単一ポットで行う。
【0026】
段階(c)に関して、(4)とグリニャール試薬とのモル当量比は典型的には0.9:1.1から1.0:1.6である。好ましくは、過剰量、例えば20%から40%過剰の量のグリニャール試薬を存在させる。グリニャール試薬は、ビニルマグネシウムまたはビニルマグネシウムブロミドを含む。本明細書で第二の非プロトン性溶媒は、トルエン、THF、メチル−t−ブチルエーテル(MTBE)を含む。好ましい溶媒はトルエンとTHFとの混合物である。反応は典型的には−78から0℃の温度範囲で行う。好ましい範囲は−40から−20℃である。典型的には反応開始の0.5から2時間後に1.5から2当量の無水酢酸次いでNHClのような水性酸性バッファで反応停止させる。
【0027】
段階(d)に関して、(5)とシラン試薬とのモル比は典型的には0.9:1から1:2.0である。好ましい比は1:1.6である。適当なシラン試薬は、クロロトリエチルシラン、クロロトリメチルシランおよびt−ブチルジメチルクロロシランを含む。好ましいシラン試薬はクロロトリエチルシランまたはクロロトリメチルシランである。(5)と有機塩基とのモル比は典型的には0.9:1から1:2.0である。好ましい比は1:1.6である。適当な有機塩基は、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンおよびDBUを含む。好ましい塩基はエチルジイソプロピルアミンである。適当な溶媒は、THF、MeCN、トルエン、ベンゼンおよびエーテルを含む。好ましい溶媒は、MeCNとTHFとトルエンとの混合物である。反応は典型的には0から30℃の温度範囲で行う。好ましい範囲は15から25℃である。反応が実質的に完了するまで、典型的には16から30時間反応を進行させる。
【0028】
段階(e)に関して、(6)と(7)とのモル比は典型的には0.9:1から1:1.6である。好ましい比は1:1.2である。(6)とルイス酸触媒とのモル比は典型的には1:1.2から1:3.0である。好ましい比は1:1.7である。適当なルイス酸触媒は、EtAlCl、iBuAlClおよびEtAlClを含む。好ましいルイス酸触媒はEtAlClである。適当な溶媒はトルエン、メチレンクロリド、1,2−ジクロロエタンおよびベンゼンを含む。好ましい溶媒はトルエンである。反応は典型的には−40から30℃の温度範囲で行う。好ましい範囲は0から20℃である。反応が実質的に完了するまで、典型的には24から48時間反応を進行させる。
【0029】
段階(f)に関して、(8)と加水分解剤とのモル比は典型的には0.9:1から1:2.0である。好ましい比は1:1.2である。適当な加水分解剤は水性HCl、HBr、HFおよびHIを含む。好ましい加水分解剤は水性HClである。適当な溶媒はMeCNおよびTHFを含む。好ましい溶媒はMeCNである。反応は典型的には0から40℃の温度範囲で行う。好ましい範囲は15から25℃である。反応が実質的に完了するまで、典型的には1から4時間反応を進行させる。
【0030】
段階(g)に関して(9)と第一還元剤とのモル比は典型的には0.9:1から1:1.8である。好ましい比は1:1.5である。適当な第一還元剤は、LiAl(OtBu)HおよびNaBHを含む。好ましい第一還元剤はLiAl(OtBu)Hである。(9)と第二還元剤とのモル比は典型的には1:1.2から1:2.5である。好ましいモル比は1:1.3である。適当な第二還元剤はLiAlHおよびLiBHを含む。好ましい第二還元剤はLiAlHである。適当な溶媒はTHFおよびジグリムを含む。好ましい溶媒はTHFである。反応は典型的には、第一還元剤では−70から20℃の温度範囲、第二還元剤では20から60℃の温度範囲で行う。好ましい範囲は第一還元剤では−40から−25℃、第二還元剤では20から40℃である。反応が実質的に完了するまで、典型的には第一還元剤では1から5時間、第二還元剤では2から18時間反応を進行させる。
【0031】
段階(h)に関して、(10)とアルカンスルホニルクロリドとのモル比は典型的には1:2から1:3である。好ましい比は1:2.3から1:2.4である。適当なアルカンスルホニルクロリドはn−プロパンスルホニルクロリド、エタンスルホニルクロリドおよびメタンスルホニルクロリドを含む。好ましいアルカンスルホニルクロリドはn−プロパンスルホニルクロリドである。(10)と有機塩基とのモル比は典型的には1:2から1:3である。好ましい比は1:2.3から1:2.4である。適当な有機塩基は2,4,6−コリジン、エチルジイソプロピルアミン、テトラメチルピペリジン、ペンタメチルピペリジン、2,6−ルチジンおよびトリエチルアミンを含む。好ましい塩基は2,4,6−コリジンである。適当な溶媒はMeCN、THF、メチレンクロリド、EtOAc、iPrOAc、1,2−ジクロロエタンを含む。好ましい溶媒はMeCNとEtOAcとの混合物である。反応は典型的には−20から40℃の温度範囲で行う。好ましい範囲は15から25℃である。反応が実質的に完了するまで、典型的には3から20時間反応を進行させる。
【0032】
段階(i)に関して、(11)と(12)とのモル比は典型的には1.2:1から2.5:1である。好ましい比は1.4:1から1.6:1である。(11)と酸触媒とのモル比は典型的には1:0.05から1:0.40である。好ましい比は1:0.15から1:0.25である。適当な酸触媒はHBF、BFおよびCFSOHを含む。好ましい触媒はHBFである。適当な溶媒はメチレンクロリド、1,2−ジクロロエタン、トルエン、トリフルオロトルエン、シクロヘキサンを含む。好ましい溶媒はメチレンクロリドとシクロヘキサンとトリフルオロトルエンとの混合物である。反応は典型的には−20から20℃の温度範囲で行う。好ましい範囲は−15から−10℃である。反応が実質的に完了するまで、典型的には15から24時間反応を進行させる。
【0033】
段階(j)に関して、(13)とアリルアミンとのモル比は典型的には1:5から1:10である。好ましい比は1:5である。適当な溶媒は2−プロパノール、MeOH、EtOH、i−PrOAcを含む。好ましい溶媒は2−プロパノールである。反応は典型的には55から80℃の温度範囲で行う。好ましい範囲は55から60℃である。反応が実質的に完了するまで、典型的には3から6時間反応を進行させる。
【0034】
段階(k)に関して、(14)と触媒とのモル比は典型的には1:0.01(1モル%)から1:0.05(5モル%)である。好ましい比は1:0.01である。(14)と水とのモル比は典型的には1:4.5である。好ましい比は1:4.5である。適当な溶媒はTHF、MTBEを含む。好ましい溶媒はTHFである。反応は典型的には室温から50℃の温度範囲で行う。好ましい範囲は40から45℃である。反応が実質的に完了するまで、典型的には2から12時間反応を進行させる。
【0035】
段階(l)に関して、(15)とX’とのモル比は典型的には1:1.1から1:1.5である。好ましい比は1:1.1である。適当な溶媒は2−プロパノール、トルエンを含む。好ましい溶媒は2−プロパノールである。官能化剤の非限定例は、アルキル(アリール)ハロゲン化物、アルキル(アリール)トリフラート、ジアルキル(アリール)カルボン酸無水物、アシルハロゲン化物、アルキル(アリール)クロロホーメート、アルキル(アリール)スルホニルハロゲン化物、ハロアルキル(アリール)スルホニルハロゲン化物、アルカノイルハロゲン化物、ベンジリックハロゲン化物、ハロ−CON(アルキルまたはアリール)、還元剤の存在下のアルキル(アリール)アルデヒドもしくはケトン、スルホニレート例えばメシレートもしくはトシレートを含む。反応は典型的には室温から110℃の温度範囲で行う。好ましい範囲は60から75℃である。反応が実質的に完了するまで、典型的には1から3時間反応を進行させる。
【0036】
本発明方法のこの実施態様は、Rが以下の基から成るグループから選択される化合物を含む:
(1)水素、
(2)メチル、
(3)2−フェニルエチル、
(4)2−ヒドロキシエチル、
(5)シクロペント−2−エン−1−オン、
(6)5−ヒドロキシシクロペント−2−エン−1−オン、
(7)4−ヒドロキシシクロペント−2−エン−1−オン、
(8)2−メチルシクロペント−2−エン−1−オン、
(9)アセチル、
(10)アセトアミド、
(11)メチル−アセトアミド、および、
(12)ジメチル−アセトアミド。
【0037】
本発明のこの実施態様はさらに、Rが水素を表す化合物の製造に向けられている。
【0038】
本発明のこの実施態様はさらに、Rがメチル、2−フェニルエチルまたは2−ヒドロキシエチルを表す化合物の製造に向けられている。
【0039】
本発明のこの実施態様はさらに、Rが置換されていないまたはヒドロキシルもしくはメチルによって置換された基
【0040】
【化51】

を表す化合物の製造に向けられている。
【0041】
本発明のこの実施態様はさらに、Rがアセチル、アセトアミド、メチル−アセトアミドまたはジメチル−アセトアミドを表す化合物の製造に向けられている。
【0042】
本発明の1つの実施態様は、Xが水素を表す化合物の製造を含む。本発明の1つの実施態様は、Xがフッ素を表す化合物の製造を含む。本発明の1つの実施態様は、Xがメチルを表す化合物の製造を含む。
【0043】
本発明の具体的な実施態様は、実施例の化合物および医薬的に許容されるそれらの塩、それらの個々の鏡像異性体およびジアステレオマーの製造を含む。
【0044】
本発明の化合物は、タキキニン特にサブスタンスPの過剰活性の存在を特徴とする多様な臨床状態の予防および治療に有用である。例えば、タキキニン特にサブスタンスPの過剰活性は中枢神経系の様々な障害に関与する。このような障害としては、抑鬱特に抑鬱性異常症のような情緒異常症、例えば、単エピソードもしくは再発性の主要鬱異常症および気分変調異常症、または、I型双極性異常症、II型双極性異常症のような双極性異常症および循環気質性異常症;不安症、例えば広場恐怖症を伴うもしくは伴わないパニック異常症、パニック異常症の病歴のない広場恐怖症、特定恐怖症例えば特定動物恐怖症、社交恐怖症、強迫異常症、外傷後ストレス異常症および急性ストレス異常症を含むストレス異常症、全身化不安症;統合失調症および他の精神異常症、例えば、精神分裂的異常症、分裂情緒的異常症、妄想性異常症、一時的幻覚異常症、共有精神異常症、妄想または幻覚を伴う精神異常症;譫妄、認知症、健忘症および他の認識障害または神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、老人性痴呆、アルツハイマー型痴呆、血管性痴呆、ならびに、HIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病および様々な病気が原因の他の認知症;パーキンソン病、および、薬物誘発運動障害のような他の錘体外路運動障害、例えば、神経遮断薬誘発パーキンソニズム、神経弛緩性悪性症候群、神経遮断薬誘発急性ジストニー、神経遮断薬誘発急性アカシジア、神経遮断薬誘発遅発性ジスキネジーおよび薬物誘発姿勢振戦;アルコール、アンフェタミン(または、アンフェタミン様物質)、カフェイン、大麻、コカイン、幻覚薬、吸入薬、エアゾール推進薬、ニコチン、オピオイド、フェニルグリシジン誘導体、鎮静薬、催眠薬、不安寛解薬の使用から生じる物質関連異常症、これらの物質関連異常症は、依存、乱用、中毒、禁断、中毒譫妄、禁断譫妄、持続痴呆、精神障害、情緒異常症、不安症、性的機能不全、睡眠障害を含む;ダウン症候群;MSおよびALSのような脱髄疾患、末梢性ニューロパシーのような他の神経病理学的障害、例えば、糖尿病性ニューロパシーおよび化学療法誘発ニューロパシー、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、分節神経痛もしくは肋間神経痛、他の神経痛;急性または慢性の脳血管損傷が原因の脳血管障害、例えば、脳梗塞、くも膜下出血または脳水腫がある。
【0045】
タキキニンおよび特にサブスタンスP活性はまた疼痛感および疼痛に関与する。従って本発明の化合物は、柔組織および末梢の損傷を含む顕著な疼痛症状を示す疾患および状態の予防または治療に有用であろう。このような疾患および状態としては、急性外傷、骨関節炎、リウマトイド関節炎、特に外傷後の筋骨格痛、脊椎痛、筋膜痛症候群、頭痛、会陰切開痛、火傷;心臓痛のような深在内臓痛、筋肉痛、眼痛、歯痛のような口顔痛、腹痛、月経困難症のような婦人科痛、分娩痛;末梢神経障害に付随する疼痛のような神経および根の損傷に付随する疼痛、例えば、神経捕捉、腕神経叢抜去、切断、末梢ニューロパシー、三叉神経痛、非典型顔痛、神経根損傷、くも膜炎;しばしば癌痛と呼ばれる癌腫に付随する疼痛;脊髄および脳幹の損傷に起因する疼痛のような中枢神経痛;背下部痛;坐骨神経痛;強直性脊椎炎、痛風;瘢痕痛がある。
【0046】
タキキニンおよび特にサブスタンスPアンタゴニストはまた、呼吸器疾患、特に過剰な粘液分泌に付随する呼吸器疾患、例えば、慢性閉塞性気道疾患、気管支肺炎、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、喘息、成人呼吸窮迫症候群、気管支痙攣;炎症性腸疾患、乾癬、線維症、骨関節炎、リウマトイド関節炎、掻痒症および火傷のような炎症性疾患;湿疹および鼻炎のようなアレルギー性疾患;ツタウルシかぶれのような過敏性障害;結膜炎、春季カタルなどのような眼科疾患;増殖性硝子体網膜症のような細胞増殖に付随する眼病状態;接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹および他の湿疹様皮膚炎のような皮膚疾患の治療に有用であろう。タキキニンおよび特にサブスタンスPアンタゴニストはまた、乳腫瘍、神経節芽腫、小細胞癌例えば小細胞肺癌のような新生物の治療に有用であろう。
【0047】
タキキニンおよび特にサブスタンスPアンタゴニストはまた、胃腸(GI)障害の治療に有用であろう。胃腸障害は、胃炎、胃十二指腸潰瘍、胃癌、胃リンパ腫のような胃腸管の炎症性障害および疾患、臓器の神経調節に付随する障害、潰瘍性大腸炎、クローン病、炎症性腸症候群、嘔吐などを含む。嘔吐には急性、遅発性もしくは予期性の嘔吐があり、その原因は、化学療法、放射線、毒素、ウイルスもしくは細菌感染、妊娠、前庭障害例えば運動病、めまい、めまい感およびメニエル病、手術、偏頭痛、頭蓋内圧変化、胃食道還流病、胃酸過多、暴飲暴食、酸性胃、胃酸逆流もしくは吐き戻し、胸やけ例えばエピソード性、夜間性または食物誘発の胸やけ、消化不良などである。
【0048】
タキキニンおよび特にサブスタンスPアンタゴニストはまた、様々な他の状態の治療に有用であろう。例えば、ストレス関連身体異常症;肩/腕症候群のような反射性交感神経性異栄養症;移植組織拒絶のような敵対免疫反応、全身性ループスエリテマトーデスのような免疫の増進または抑制に関する障害;サイトカイン化学療法から生じる血漿溢出;膀胱炎、膀胱排尿反射亢進、頻尿および尿失禁のような膀胱機能障害、これは差し迫った頻繁な切迫尿失禁症状のある過反応性膀胱の予防または治療も含む;浮腫性硬化症および好酸球性筋膜炎のような線維化コラーゲン病;血管拡張および血管痙攣性疾患が原因の血流障害例えばアンギナ、血管性頭痛、偏頭痛、レイノー病;上記状態のいずれか特に偏頭痛の疼痛伝播に起因または付随する疼痛および疼痛感、などがある。本発明の化合物はまた、上記状態の併発の治療、特に術後疼痛と術後の嘔吐および悪心の併発の治療に有効である。
【0049】
本発明の化合物は、急性、遅発性もしくは予期性の嘔吐を含む嘔吐、例えば、化学療法、放射線、毒素、妊娠、前庭障害、運動、手術、偏頭痛、頭蓋内圧変化によって誘発される嘔吐の予防または治療に特に有用である、例えば本発明の化合物は、高用量シスプラチンのような中高度に催吐性の癌化学療法の初クールおよび再クールに付随する急性および遅発性の嘔吐および悪心を予防するために場合によっては他の制吐剤と併用される。より特定的には本発明の化合物は、癌化学療法に恒例的に使用される抗新生物薬(細胞障害薬)によって誘発される嘔吐、他の薬理学的物質例えばロリプラムによって誘発される嘔吐の治療に有用である。このような化学療法剤の例は、アルキル化剤、例えば、エチレンイミン化合物、アルキルスルホネート、および、ニトロソウレア、シスプラチン、ダカルバジンのようなアルキル化作用をもつ他の化合物;代謝拮抗薬、例えば、葉酸、プリン、ピリミジンアンタゴニスト;有糸分裂インヒビター、例えば、ビンカアルカロイド、ポドフィロトキシン誘導体;細胞障害性抗生物質を含む。化学療法剤の特定例は例えば、D.J.StewartによってNausea and Vomiting:Recent Research and Clinical Advances,Eds.J.Kucharczykら,CRC Press Inc.,Boca Raton,Florida,USA(1991)pp.177−203,特にページ188に記載されている。常用の化学療法剤には、シスプラチン、ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、メクロルエタミン、ストレプトゾシン、シクロホスファミド、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン、プロカルバジン、ミトマイシン、シタラビン、エトポシド、メトトレキセート、5−フルオロウラシル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシン、クロラムブシルがある[R.J.Grallaら,Cancer Treatment Reports(1984)68(1),163−172]。本発明の別の目的は、時間生物学的効果(日周期リズムの移相)を発揮して哺乳動物の日周期リズム障害を軽減するために本発明の化合物を使用することである。さらに、本発明は、哺乳動物の光の移相効果をブロックするために本発明の化合物を使用することにも向けられている。
【0050】
同クラスの化合物の代替的製造方法は2005年1月26日出願のPCT/US05/02149に開示されている。該方法の概要を以下のスキームに示す。重大な欠点は、経路がラセミであり、ラセミケトンIVの還元後に2つの鏡像異性体およびジアステレオマーのクロマトグラフィー分離が必要なことである。さらに、該合成方法はケトンIVからビスメシレートVIIIまでに5段階(還元、分離、エーテル化、還元、メシル化)を要する。この経路は、オクタヒドロイソインドールのベンジル保護基を使用した。この基をパラジウム接触水素化によって除去し、次いで1,3−シクロペンタンジオンと反応させて実施例7の生成物が得られた。
【0051】
【化52】

【実施例1】
【0052】
ケトンまでのプロセス
段階1:2−(4−フルオロフェニル)−N−メトキシ−N−メチルアセトアミド(2):
要約
【0053】
【化53】

【0054】
この反応では恒常的に高収率で高純度の材料が得られる。大量の副産物は同定されなかった。最終生成物は油(典型的には透明または淡黄色)であり、普通の処理後に上記の純度プロフィルで単離される。
【0055】
手順
【0056】
【化54】

【0057】
【表1】

【0058】
還流冷却器と底部スクラバーとを備えた100L容の抽出装置に、トルエン(49.2L、KF≦100ppm)を充填し、4−フルオロフェニル酢酸(1)(5.0kg)を添加した。この溶液を70℃に加熱した。70℃に達すると、DMF(48mL、KF≦150ppm)を添加し、チオニルクロリド(2.8L)を3時間を要してゆっくりと添加した。
【0059】
チオニルクロリドの添加中にバッチ温度が低下するであろう。典型的な温度変化は6から10℃の範囲である。
【0060】
チオニルクロリド全量を添加し、ガス発生が終了した後(典型的には添加完了の30分後)、バッチのアリコートを過剰のエタノールで反応停止させ、メチルエステルとしてHPLC分析した。
【0061】
酸1が<0.5LCAPであるときに反応が行われる。
【0062】
次に反応混合物を5から10℃に冷却した。この時点でWeinrebアミン−HCl(4.75kg)をバッチに添加した。この時点でNaOH(32.5L)をゆっくりと添加し始めた。バッチ温度が10℃以下に維持される速度でこの塩基を添加した。典型的な添加時間は3時間であった。この添加の終了後、バッチのアリコートをMeOHで反応停止させ、HPLCアッセイにかけ、酸塩化物の完全消費を点検した。
【0063】
酸塩化物(この反応停止後はメチルエステルの形態)の完全消費が観察されなければならない。酸塩化物がまだ存在するときは追加量の塩基を添加する。
【0064】
二相溶液を5℃から室温までの温度で分離し、有機相を15重量%のNaCl(水溶液)(2×32.5L)で洗浄した。
【0065】
有機相の典型的なアッセイ収率は96%であった。
【0066】
有機相を50重量%溶液(典型的KF≦500ppm)に濃縮した。
【0067】
段階2:l−(4−フルオロフェニル)ブト−3−エン−2−オン(3):
要約
【0068】
【化55】

【0069】
この反応はグリニャール試薬の品質および反応停止方法に極めて敏感である。上に示すような大量の副生成物(A、B、C)が同定された。生成物は油になるまで濃縮すると不安定であり、溶液状態では中度の安定性を有している。最終トルエン溶液は低温に維持し遅滞なく次段階に使用する必要がある。
【0070】
手順
【0071】
【化56】

【0072】
【表2】

【0073】
添加漏斗を備えた3L容の丸底フラスコにWeinrebアミド2をトルエン中の61重量%溶液(全量262g;157.2g、2,105gのトルエン)として添加した。この溶液に1.32Lのトルエンを加えて0.5Mのアミド2のトルエン溶液になるまで希釈した(溶液のKF<150ppm)。この溶液を−30℃に冷却し、ビニルマグネシウムクロリドをゆっくりと添加した。
【0074】
ビニルマグネシウムクロリドの添加中にバッチ温度は−30℃に維持される。典型的な添加時間は約60分である。
【0075】
ビニルグリニャール添加の終了後、反応混合物を−30℃で60分間熟成させた。この60分の熟成後に反応混合物をHPLCによって点検した。
【0076】
次に反応混合物に無水酢酸(151mL)をゆっくりと添加した。
【0077】
この添加中は、不純物を避けるためにバッチ温度を−30℃に維持する。典型的な時間は30分である。この添加の終了後の反応混合物のアッセイは生成物に比べたときに典型的には約0.5%LCAPの不純物Bを示す。
【0078】
別の5L容の三つ口丸底フラスコで2.5重量%のNHCl水溶液(1.29L)を10℃に冷却した。激しく撹拌したこの塩化アンモニウム溶液に−30℃のバッチを導入した。
【0079】
バッチの最終温度は典型的には約12から13℃である。
【0080】
バッチが周囲温度に達すると、水層および有機層が分離した。次に有機層を水(1.3L)で洗浄した。有機層をMgSO粉末(〜100から200g)でこの溶液のKFが1000ppm以下になるまで乾燥した。固体分を濾別し、無水MeCN(4×50mL)で洗浄すると、生成物のTHF/MeCN/トルエン溶液(〜2.0L、KF〜970ppm、1.80kg、7.29重量%、131gの3、収率100%)が得られた。これを次段階で直接使用した。
【0081】
不純物プロフィルは、1.5LCAPの不純物Bおよび9.1LCAPの不純物Cを示す。
【0082】
段階3:TESジエニルエーテル
【0083】
【化57】

【0084】
【表3】

【0085】
手順
段階2で得られた室温の90.8gの7.29重量%エノン3のTHF/MeCN/トルエン溶液に追加量の無水MeCN(18mL)およびiPrNEtを添加した。次に室温を維持しながらTESClをゆっくりと添加した。LCが完全変換を示すまで(〜16時間)溶液を室温で撹拌した。
【0086】
反応混合物を2重量%のNHCl水溶液(70mL)で反応停止させた。有機層を分離し、水(70mL)で洗浄した。次いで、濃縮し、トルエンでフラッシして〜37重量%およびKF〜200ppmとした。アッセイ収率:8.64g,77%。NMRは<5%のE−異性体を示す。
【0087】
段階4:ジ−(−)−メンチルフマレート
【0088】
【化58】

【0089】
【表4】

【0090】
手順
三つ口フラスコにトルエン(500mL)および(−)−メントール(157.8g)を充填した。溶液を−20℃に冷却し、フマリルクロリド(80.5g、95%)を80mLのトルエンフラッシと共に充填した(発熱は全く観察されなかった。)。i−PrNEt(191mL)を−20℃の20mLのトルエンフラッシと共に30分で添加した(発煙)。その後直ちにDMAPを添加した。暗色のスラリーを〜60分間で21℃に昇温させると暗色の溶液が得られた。HPLCによればこの溶液は完全変換を示した。
【0091】
室温でゆるやかな発熱が温度を〜30℃に上昇させた。室温に加温する前に−20から0℃で1から2時間熟成させるのが望ましい。
【0092】
600mLの3%NaCl水溶液を添加した。水層(〜800mL)を除去し、有機層を5重量%のNaClを含有する800mLの0.15NのHCl水溶液で洗浄した。暗色の有機層(〜800mL、710g)は93%のアッセイ収率(182g、0.464モルの生成物、98LCAP)を示し、ディールス−アルダー反応に直接使用するために378g(48重量%)に濃縮した。H NMRはメントール検出不能を示した。
【0093】
段階5:ディールス−アルダー
【0094】
【化59】

【0095】
【表5】

【0096】
手順
ジエン4のトルエン溶液(23.4g、37重量%)およびジメチルフマレート5のトルエン溶液(30.4g、48重量%)を混合して0℃に冷却した。5℃未満の温度を維持しながらジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液(1.8M、29.3mL)を45分で添加した(発熱性添加)。暗橙色溶液を0℃で18時間熟成し(〜90%変換)、次いで21℃で6時間熟成すると>95%変換に達した。
【0097】
所望の変換率が得られないときは、追加量のルイス酸(および必要ならばジメンチルフマレート)を反応のいずれかの時点で添加した。
【0098】
温度を15から25℃に維持しながら反応混合物を3NのHCl水溶液(8mL)で>60分を要して慎重に反応停止させた。
【0099】
HClのこの第一部分量は爆発しないようにきわめてゆっくりと添加することが極めて重要である。バッチは顕著に感熱性ではないが、HClの添加の際に急激なガス発生および発泡が生じるとバッチの溢出事故につながる。発泡は極めて厳重に警戒する必要がある。
【0100】
温度を15から25℃に維持しながら残りのHCl(3N、44.7mL)をゆっくりと添加し、得られた混合物を室温で30分間熟成した。水層を除去し、有機層を1NのHCl水溶液(2×50mL)および0.5NのNaOH水溶液(50mL)で洗浄した。このトルエン溶液を次段階で直接使用した。
【0101】
存在しているジエンのE−異性体(<5%)はディールス−アルダー反応で全く反応しない。処理中の有機層に少量の脱保護生成物7が形成された。
【0102】
段階6:脱保護およびエピマー化
【0103】
【化60】

【0104】
【表6】

【0105】
手順
段階5のトルエンを濃縮して溶媒を完全に除去し、アセトニトリルでフラッシして、210mLのアセトニトリルスラリーを調製した。6NのHCl水溶液(6.2mL)を添加した。スラリーを室温で〜2時間撹拌し、この時点でHPLCは反応完了を示した。
【0106】
脱シリル化はまず2,3−シスおよび2,3−トランスのケトン混合物を生じた。これをさらに結晶化させると、主としてトランス異性体化した所望の7が得られた。
【0107】
熟成後、濾過し、次いで,3×51.4mL(3.5倍容)のアセトニトリルスラリーで洗浄し、真空下に60℃で一夜乾燥すると、白色固体(15.3g、98.6重量%、87%収率)が得られた。
【実施例2】
【0108】
ケトンの還元による化合物Aの製造
段階1.ケトンの還元によるトリオールの生成
【0109】
【化61】

【0110】
【表7】

【0111】
手順
不活性雰囲気で100LのRBFに22LのTHFを添加する。フラスコを−40℃に冷却し、Li(O−tBu)AlHを添加する。温度を<−25℃に維持しながらケトン1を固体としてTHF(3L)リンスと共に充填する。<5%の出発材料が残留する(全固体が溶解する)まで−30から−35℃で約2から3時間撹拌する。トランス/シス比は典型的には〜25である。
【0112】
反応混合物を〜−20℃に加温し、LiAlHを添加する。バッチを〜10℃に加温し、温度が<30℃に維持されるように冷却する。トリオールへの完全な還元(ジオール1bの望ましい残留量は<0.5%)が観察されるまで反応混合物を室温で>3時間撹拌する。
【0113】
バッチを〜0℃に冷却し、温度を<40℃に維持しながら反応停止溶液を6.0NのHCl(23.5L)にゆっくりと戻す。2LのTHFを使用して反応容器をすすぐ。警告!全体にかなりのHガス発生および発熱が生じる。沈降が生じると2つの透明層が形成される。反応停止させた溶液を〜30L(4.3V)まで濃縮する(この時点で水の凝縮が始まる)。
【0114】
ヘプタン(35L)、次いで6.0Lの6.0NのHClおよび8.9Lの12.0NのHClを添加してラグ層を溶解する。ラグ(<250mL)が水層に維持されていることを確認して水層(〜40L)を分離して保存する(有機層〜43L)。各層をアッセイにかけてメントール分布を確認する。水層の残留メントールが<2%でなければならない。水層を1Lのリンス水と共に抽出装置に戻し充填する。温度を<30℃に維持しながら〜14Lの10NのNaOHでpH〜1.5から2に滴定する(最初に12L、次いで0.5Lの部分量ずつ充填する;13L充填後にpHは〜0である;pH計が安定なpH読取り値を与えるまでに〜10から15分を要する)。
【0115】
39LのEtOAcを添加し、30分間激しく撹拌する。pHが〜1.5から2であることを確認し、この範囲の値でないときは10NのNaOHまたは濃HClを250mLの部分量ずつ加えてpHを調整する。1から2時間放置してエマルション層を破壊する。水層(50L)を分離して保存する。水層は〜14%の生成物残留を示さなければならない。有機層(41L)をドラムオフし、次いでコリジン(35mL)を添加してpHを〜4−4.5に調整する。39LのEtOAcを使用して抽出をもう一度繰返す(今回はより迅速に沈降する)。水層は〜2%の生成物残留を示さなければならない。水層を廃棄する。
【0116】
−0.4のpHはトリオールの緩徐な分解を生じさせ、〜0.1%/時の速度で酢酸塩に変換する。〜1.8から2.0というより高いpHではトリオールの水溶解度が低下するが、過度に高いpHではゲル形成が生じるであろう(Al(OH)?)。トリオールのEtOAc溶液は室温ではpH1.4から5のとき、45℃ではpH4から5のときに安定である(8日)。
【0117】
集めた有機層を濃縮し、EtOAcで〜9LまでフラッシしてKF<1000ppmとする。インラインフィルターで3LのMeCNリンスと共にドラムオフする。予測収率:2.91kgのトランス−トリオール(91%Y)、3.02kgの全トリオール(トランス/シス〜25)。得られた溶液は室温で>9日、50℃で>4日間安定である。
【0118】
段階2:スルホニル化
【0119】
【化62】

【0120】
【表8】

【0121】
手順
トリオール溶液(4.34kgの活性トリオール+0.23kgの他のトリオールおよび〜8.7LのEtOAc+4LのMeCN含有、KF〜2000ppm、10モル%均等量のHO)、MeCN(14L)およびn−PrSOClを100L容の抽出装置に充填する。溶液を15℃に冷却し、コリジン全量を一回で加える。反応温度が18から21℃に維持されるように冷却する。30分以内にスラリーが形成される。
【0122】
2時間経過後、出発材料が消耗しモノスルホネート2a+bの残留量が<2.5%になるまで1時間毎にLCによって反応をモニターする(典型的には4から6時間)。反応時間が長いほど多い量のトリ−スルホネートCが形成される。
【0123】
230分後(2a+b:120分−14.4A%、180分−4.6A%、210分−1.4A%、非SM関連ピーク−コリジン、EtOAc、n−PrSOCl−は計算に入れない)、反応混合物を1NのHCl(21.6L)で反応停止させ、追加量の14LのEtOAcを添加する。反応停止は多少吸熱性で〜15℃になり、次いで〜18℃に戻る。下部水層(〜34L)を除去する。有機層を、50%v/vのHCl(6.0N,0.50L)を合せた10%NaCl(38L)で洗浄して残留コリジンを完全に除去する。下部水層(〜41L)を除去し、<27℃の温度に維持しながら有機層にNaOH(1N,30L,PrSOCl除去)を加える。15分間撹拌し、層を沈降させる。水層(〜36L)を除去し、<2モル%のn−PrSOCl残留を示す有機層を6%NaCl(20L)で洗浄する。水層(〜24L)を除去し、有機層(25.6kg)を1LのEtOAcリンスで収集して収率を検定する(6.80kg、3,85%)。
【0124】
次に濃縮して油とする。油になるまで20Lのシクロヘキサンでフラッシし、次いで30LのCHClで〜10Lに濃縮する(15LのCHClの使用後、インラインフィルターを介して溶液を新しいフラスコに移し、次いで蒸留を継続する)。このとき、LCで測定したKFは<250ppm、EtOAcは<8モル%を示さなければならない。この溶液を次段階反応に使用する。
【0125】
段階3:イミデート製造
【0126】
【化63】

【0127】
【表9】

【0128】
手順
27Lのシクロヘキサン/CHClの4:1混合物を収容している100リットル容のフラスコに、8.0Kgの(S)−BTBAを固体として添加し、フラスコの側面を追加量の10.3Lのシクロヘキサン/CHClの4:1混合物ですすいだ。得られたスラリーに4.92Kg(3.42リットル)のトリクロロアセトニトリル、92.2mLのDBUを順次に添加した。反応混合物を室温で5.5時間熟成し、完了を検定した。
【0129】
次に反応混合物を100リットル容の抽出装置に移し、反応フラスコをシクロヘキサンですすいだ。混合物を27リットルの水で洗浄し、次いで27リットルのブラインで洗浄した。次に有機層を小型Solka flocプラグで濾過し、減圧下(24mmHg、内部温度<35℃)で共沸蒸留し、最終容量〜15リットルおよびKf<200とした。アッセイ収率=12.00Kg(96.2%)。
【0130】
段階4:エーテル化
【0131】
【化64】

【0132】
【表10】

【0133】
手順
シクロヘキサノール3のCHCl溶液(6.73kgの活性3+〜0.78kgの他の近縁アルコールおよび〜6LのCHCl、KF<250ppm、<1.2モル%均等量のHO)を100Lの抽出装置に充填する。イミデート溶液(シクロヘキサン中に〜850g/L、〜11L、〜2Lのシクロヘキサン含有)、次いで追加量のシクロヘキサン(8.0L)を充填する。3が油になるので混合物は濁る。追加量のCHCl(2L)を加えて油を溶解する。−17℃に冷却し(0℃で油になる)、追加量のCHCl(1.3L)を加えて油を溶解する。この時点のKFは<110ppm(<1.5モル%水)でなければならない。0.17当量のHBF(0.339L)全量を一回で加えると、温度が−16℃に上昇する。やや濁った混合物を−16℃で熟成する。混合物は〜40分で透明になり、スラリーの形成が開始され、反応の進行に伴って増粘して難溶性のトリクロロアセトアミドAが生成する。
【0134】
−16℃で18時間熟成後、LCアッセイは〜82%変換および5/5a比〜6を示す。変換率をすこし高くするために0.11当量の追加HBF(0.219L)を加えて−16℃で4時間熟成する。次に反応混合物を5℃に加温し、1時間熟成した後、NaOH(2N,16L)で反応停止する。発熱によって温度が18℃に上昇する。室温で〜15分間熟成して、層を沈降させる。下部の水層(〜18L)を除去し、有機層を18Lの水で洗浄する。濁った下部有機層を回収し(5のアッセイ収率:〜74%)、〜20Lに濃縮し、生成物が晶出するときに撹拌できるようにバッチ温度を〜40℃、容量を〜50−60Lに維持しながらIPA(90L)でフラッシする。最終容量が〜70Lに達すると、増粘スラリーを室温で母液が<11g/Lの減量(5/5a<0.55)を示すまで熟成する。次に、生成物を濾過し、IPA(35L)で洗浄し、乾燥する。7.07kg、98A%、96重量%、補正重量6.82kg、収率67%。
【0135】
段階5:アリルアミンによる環化
【0136】
【化65】

【0137】
【表11】

【0138】
手順
反応容器にIPA(27L)、アリルアミン(3.74L,50.0モル)およびビス−プロピルスルホネート(6.79kg,9.61モル)を充填する。
【0139】
室温で混合物は撹拌し難い極めて粘稠な(ペースト状)混合物であった。加熱すると反応混合物がほぐれて、+55−60℃で完全に均質になった。アリルアミンが+53℃で沸騰したことに留意されたい。
【0140】
混合物を+75から80℃で4時間加熱し、次いで+40℃から室温までの温度に冷却した。二分した水の一方の分量(13.5L)を添加し、バッチを播種した(約35g,0.5重量%)。
【0141】
バッチはシードなしでも結晶化するが、播種によってより恒常的な結果が得られた。
【0142】
バッチを30分間熟成し、残りの水(29.5L)を2時間で添加した。バッチを濾過し、65/35のHO/IPA(12L)で洗浄した。生成物を窒素流下に+40℃で24時間乾燥すると、4.9Kgの生成物(収率95%)が得られた。
【0143】
段階6:脱保護
【0144】
【化66】

【0145】
【表12】

【0146】
手順
反応容器にTHF(25.8L)、アリルアミン保護ピロリジン(5.16Kg,10.0モル)およびチオサリチル酸(1.62Kg,10.5モル)を充填した。反応混合物を脱ガスし、dppb(4.3g,0.01モル)を添加し、次いでPd(dba)(4.6g,0.005モル)を窒素下で添加した。混合物を+40℃で4時間撹拌し、室温に冷却し、MTBE(41L)と1NのNaOH水溶液(25.8L)とから成る撹拌二相混合物に逆添加した。層を分離し、有機層を水洗した(2×23L)。真空下にMTBE(インライン濾過 w/1 m)を一定全量約45Lで供給しながら有機溶液を濃縮し、KFを5000ppm未満に低下させた。
【0147】
蒸留終了時のTHFは≦10容量%である。
【0148】
混合物(約8から10LのMTBE/Kg)を約+50℃に加熱し、酢酸(10容量%,62.9mL)を添加し、バッチを播種して(0.1重量%,5g)結晶化を開始させた。バッチを+50℃で30分間熟成し、残りの酢酸(535.5mL)を+50℃で約1時間を要して添加した。
【0149】
塩は極めて粘稠なスラリーとして結晶化するが、まだ撹拌可能である。塩は熟成するとほぐれる。あるいは、酢酸をMTBE溶液(約1M)として添加してもよい。
【0150】
+50℃で2時間熟成後、バッチを室温に冷却し、さらに2時間熟成した。バッチを濾過し、MTBE(8L)で洗浄し、真空下に+40℃で24時間乾燥すると、5.14Kgの生成物(収率96%)が得られた。Pdは約25ppmであった。
【0151】
段階7:化合物Aの製造
【0152】
【化67】

【0153】
【表13】

【0154】
100リットル容のフラスコにIPA(26L)を充填した。これに、酢酸塩(7.5Kg)、次いで1,3−シクロペンタンジオン(1.51Kg)を添加した。フラスコの側面をIPA(4L)で洗浄し、混合物を+75℃で1時間加熱する。この時点でHPLCは反応が完了したことを示した。次に、反応混合物に1/3量の水(10L)を+60℃の温度を維持しながら添加した。バッチ(2.00g,0.02重量%)を播種して結晶化を開始させた。50から60℃で30分間熟成後、混合物を40℃に冷却した。残りの水(26L)を1.25時間で添加し、スラリーを室温で12時間熟成した。バッチを濾過し、ウェットケーキを2ベッドボリュームの2:1の水/IPAで洗浄し、次いで1ベッドボリュームの水で洗浄し、真空/N掃引下で一夜乾燥した。得られたウェットケーキを真空オーブンに移し、窒素掃引を伴う真空下に45℃でさらに24時間乾燥すると、7.45KgのAPI(収率98%)が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
は、
(1)水素、
(2)置換されていないまたはハロゲン、ヒドロキシルもしくはフェニルで置換されたC1−6アルキル、
(3)置換されていないまたはハロゲン、ヒドロキシルもしくはメチルで置換されたシクロペンテノン、
(4)−(CO)−C1−6アルキル、
(5)−(CO)−NH
(6)−(CO)−NHC1−6アルキル、および、
(7)−(CO)−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
から成るグループから選択され、
Xは独立に、
(1)水素、
(2)フッ素、および、
(3)メチル
から成るグループから選択される。]のヒドロイソインドリンタキキニン受容体アンタゴニストおよび医薬的に許容されるそれらの塩の製造方法であって、
式(2)
【化2】

のフェニル酢酸を場合により第一触媒の存在下に非プロトン性溶媒中でSOClと反応させて式(3)
【化3】

の化合物を得る段階(a)と、
式(3)の化合物を水性無機塩基の存在下にNHMeOMeと反応させて式(4)
【化4】

のWeinrebアミドを得る段階(b)と、
式(4)のWeinrebアミドを第二の非プロトン性溶媒中で適当なグリニャール試薬と反応させ次いでAcOによる第一の反応停止および水性無機酸による第二の反応停止を行って式(5)
【化5】

のエノンを得る段階(c)と、
式(5)のエノンを第三の非プロトン性溶媒および有機塩基中でシラン試薬と反応させて式(6)
【化6】

のジエンを得る段階(d)と、
式6のジエンを非極性溶媒中で式(7)
【化7】

[式中、Rは(−)−メンチルである。]のフマレートおよびルイス酸と反応させて式(8)
【化8】

の化合物を得る段階(e)と、
式(8)の化合物を有機極性溶媒中で適当な加水分解試薬によって加水分解して式(9)
【化9】

の化合物を得る*段階(f)と、
式(9)の化合物のケトン官能基を第一還元剤によって還元し、次いでCORを非プロトン性溶媒中で第二還元剤によって還元して式(10)
【化10】

のトリオールを得る段階(g)と、
式(10)のトリオールを有機塩基の存在下にアルキルスルホニルクロリドと反応させて式(11)
【化11】

[式中、Rはメチル、エチルまたはプロピルである。]
の化合物を得る段階(h)と、
式(11)の化合物を、非プロトン性溶媒中で酸触媒の存在下に式(12)
【化12】

の化合物と反応させて式(13)
【化13】

の化合物を得る段階(i)と、
式(13)の化合物を極性溶媒中でアリルアミンによって環化して式(14)
【化14】

の化合物を得る段階(j)と、
式(14)の化合物を第三触媒と反応させ次いで酸を付加して式(15)
【化15】

の化合物を場合によっては酸塩として得る段階(k)と、
式(15)の化合物の酸塩を極性溶媒中で官能化試薬と反応させて式(I)
【化16】

の化合物を得る段階(l)と、
を含む方法。
【請求項2】
式(I)の化合物が
【化17】

である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
段階(a)および段階(b)が中間単離を行うことなく単一ポット中にて行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
段階(a)において、非プロトン性溶媒がトルエンまたはベンゼンであり、第一触媒がジメチルホルムアミドであり、
段階(c)において、第二非プロトン性溶媒がTHFまたはメチル−t−ブチルエーテルまたはトルエンとTHFとの混合物であり、グリニャール試薬がビニルマグネシウムまたはビニルマグネシウムブロミドであり、
段階(d)において、シラン試薬がクロロトリエチルシラン、クロロトリメチルシランまたはt−ブチルジメチルクロロシランであり、有機塩基がトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンまたはDBUであり、溶媒がTHF、MeCN、トルエン、ベンゼンまたはエーテルまたはこれらの混合物であり、
段階(e)において、ルイス酸触媒がEtAlCl、iBuAlClまたはEtAlClであり、溶媒が、トルエン、メチレンクロリド、1,2−ジクロロエタンまたはベンゼンであり、
段階(f)において、加水分解剤が水性HCl、HBr、HFまたはHIであり、溶媒がMeCNまたはTHFであり、
段階(g)において、第一還元剤がLiAl(OtBu)HまたはNaBHであり、第二還元剤がLiAlHおよびLiBHであり、溶媒がTHFまたはジグリムであり、
段階(h)において、アルカンスルホニルクロリドがプロパンスルホニルクロリド、エタンスルホニルクロリドまたはメタンスルホニルクロリドであり、有機塩基が2,4,6−コリジン、エチルジイソプロピルアミン、テトラメチルピペリジン、ペンタメチルピペリジン、2,6−ルチジンまたはトリエチルアミンであり、溶媒がMeCN、THF、メチレンクロリド、EtOAcまたはiPrOAc、1,2−ジクロロエタンであり、
段階(i)において、酸触媒がHBF、BFまたはCFSOHであり、溶媒がメチレンクロリド、1,2−ジクロロエタン、トルエン、トリフルオロトルエン、シクロヘキサンであり、
段階(j)において、溶媒が2−プロパノール、MeOH、EtOHまたはi−PrOAcであり、
段階(k)において、溶媒がTHFまたはMTBEであり、
段階(l)において、溶媒が2−プロパノールまたはトルエンであり、官能化試薬がアルキル(アリール)ハロゲン化物、アルキル(アリール)トリフラート、ジアルキル(アリール)カルボン酸無水物、アシルハロゲン化物、アルキル(アリール)クロロホーメート、アルキル(アリール)スルホニルハロゲン化物、ハロアルキル(アリール)スルホニルハロゲン化物、アルカノイルハロゲン化物、ベンジリックハロゲン化物、ハロ−CON(アルキルまたはアリール)、還元剤の存在下のアルキル(アリール)アルデヒドもしくはケトンまたはスルホニレートである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
式(I):
【化18】

[式中、
は、
(1)水素、
(2)置換されていないまたはハロゲン、ヒドロキシルもしくはフェニルで置換されたC1−6アルキル、
(3)置換されていないまたはハロゲン、ヒドロキシルもしくはメチルで置換されたシクロペンテノン、
(4)−(CO)−C1−6アルキル、
(5)−(CO)−NH
(6)−(CO)−NHC1−6アルキル、および、
(7)−(CO)−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
から成るグループから選択され、
Xは独立に
(1)水素、
(2)フッ素、および
(3)メチル
から成るグループから選択される。]の化合物および場合により酸付加塩を含む医薬的に許容されるその塩の製造方法であって、
段階(l)で式(15)
【化19】

の化合物の酸塩を極性溶媒中で官能化剤と反応させて式(I)の化合物を得る製造方法。
【請求項6】
式(I)の化合物が
【化20】

である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
式(14)
【化21】

の化合物を第三触媒と反応させ次いで酸を付加して式(15)
【化22】

の化合物を場合によっては酸塩として得る段階(k)と、
式(15)の化合物を極性溶媒中でアルキル化試薬と反応させて式(I)の化合物を得る段階(l)と、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
式(13)
【化23】

[式中、Rはメチル、エチルまたはプロピルである。]の化合物を極性溶媒中でアリルアミンによって環化して式(14)
【化24】

の化合物を得る段階(j)と、
式(14)の化合物を第三触媒と反応させ次いで酸を付加して式(15)
【化25】

の化合物を酸付加塩として得る段階(k)と、
式(15)の化合物の酸塩を極性溶媒中の官能化試薬と反応させて式(I)の化合物を得る段階(l)と、
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
式(11)の化合物を非プロトン性溶媒中で酸触媒の存在下に式(12)
【化26】

の化合物と反応させて式(13)
【化27】

の化合物を得る段階(i)と、
式(13)の化合物を極性溶媒中でアリルアミンによって環化して式(14)
【化28】

の化合物を得る段階(j)と、
式(14)の化合物を第三触媒と反応させ次いで酸を付加することによって式(15)
【化29】

の化合物の酸塩を得る段階(k)と、
式(15)の化合物の酸塩を極性溶媒中で官能化試薬と反応させて式(I)の化合物を得る段階(l)と、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
段階(i)において、酸触媒がHBF、BFまたはCFSOHであり、溶媒がメチレンクロリド、1,2−ジクロロエタン、トルエン、トリフルオロトルエン、シクロヘキサンであり、
段階(j)において、溶媒が2−プロパノール、MeOH、EtOHまたはi−PrOAcであり、
段階(k)において、溶媒がTHFまたはMTBEであり、
段階(l)において、溶媒が2−プロパノールまたはトルエンである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
式13
【化30】

[式中、Rはメチル、エチルまたはプロピルである。]の化合物の製造方法であって、
段階(i)で式(11)
【化31】

の化合物を非プロトン性溶媒中で酸触媒の存在下に式(12)
【化32】

の化合物と反応させて式(13)の化合物とする方法。
【請求項12】
がプロピルであり、酸触媒がHBF、BFまたはCFSOHであり、溶媒がメチレンクロリド、1,2−ジクロロエタン、トルエン、トリフルオロトルエンまたはシクロヘキサンである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
式14
【化33】

の化合物の製造方法であって、
式(13)
【化34】

[式中、Rはメチル、エチルまたはプロピルである。]
の化合物を極性溶媒中でアリルアミンによって環化して式(14)の化合物を得る段階(j)を含む方法。
【請求項14】
がプロピルであり、
段階(j)において、溶媒が2−プロパノール、MeOH、EtOHまたはi−PrOAcである、請求項13に記載の方法。

【公表番号】特表2009−500452(P2009−500452A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521437(P2008−521437)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/026293
【国際公開番号】WO2007/008564
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】