説明

ヒドロキシアルキルデンプン誘導体およびその調製方法

本発明は、ヒドロキシアルキルデンプン(HAS)をHASの場合により酸化された還元末端を介して、アミノ基とは別に特別に保護されたカルボニル基、すなわちアセタール基またはケタール基を含む架橋性化合物のアミノ基Mと反応させるステップを含む、ヒドロキシアルキルデンプン誘導体の調製の方法に関するものである。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシアルキルデンプン誘導体を調製する方法であって、
(i)式(I)
【化1】

(I)
で示すヒドロキシアルキルデンプン(HAS)を、このHASの還元末端の炭素原子Cを介して、式(II)
【化2】

(II)
で示す架橋化合物のアミノ基Mと反応させるステップ
(Aは、アセタール基またはケタール基であり、Lは、MとAを架橋するスペーサであり、またCは、前記HASのMとの反応の前に場合によっては酸化される)と、
式(III)
【化3】

(III)
に示すHAS誘導体を得るステップ
(Xは、前記場合によっては酸化されるHASの還元末端の炭素原子Cを介したアミノ基MとHASとの反応から生じた官能基であり、
HAS’が、ヒドロキシアルキルデンプン分子の残部であり、R、RおよびRが独立して、水素または直鎖もしくは分枝ヒドロキシアルキル基である)と
を含む方法。
【請求項2】
、RおよびRが独立して、−(CHCHO)−H基であり、nが整数、好ましくは0、1、2、3、4、5または6である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ヒドロキシアルキルデンプンがヒドロキシエチルデンプン(HES)である請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
Aが式(IIa)
【化4】

(IIa)
に示す残基である
(ZおよびZがそれぞれ独立して、OまたはSまたはNR、好ましくはOであり、Rが、Hまたはメチル、エチルもしくはn−プロピルもしくはi−プロピルなどのプロピルなどの低級アルキル、またはC(O)−Rであり、Rが、好ましくはC−CアルキルおよびC−C14アリールからなる群よりは選択され、より好ましくは場合により置換され、好ましくは非置換であるメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され、Rが好ましくはHであり、
およびAがそれぞれ独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ベンジル、1,1,1−トリクロロエチル、ニトロベンジル、メトキシベンジル、もしくはエトキシベンジルであるか、または式(IIb)
【化5】

(IIb)
(AおよびAがひとまとめにされて、−(CH−または−(CH−または−(CHCH(CH))−であり)
に示す環を形成し、
が、Hもしくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ベンジルであるか、またはアミノ基MのN原子もしくはLに含まれる好適な原子と共に環を形成し、Aが好ましくはHである)
請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
およびZがOであり、AがHであり、AおよびAがそれぞれエチルであるか、またはAおよびAが式(IIb)による環を形成して、AおよびAがひとまとめにされて−(CH−である請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記アミノ基Mが式(IIc)
【化6】

(IIc)
による基であり、
Yが、存在しないか、または
【化7】

からなる群より選択される化学部分であるかのどちらかであり、Gが、OまたはSまたはNHであり、2個存在する場合には、各Gが独立して、OまたはSまたはNHであり、Oが好ましく、
R’が、Hまたはヒドロキシ基またはアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、および置換アルキルアリールからなる群より選択される有機残基である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記アミノ基Mが、HN−、HN−O−、HN−NH−(C=O)−、HC−NH−またはHC−NH−O−、好ましくはHN−、HN−O−、またはHN−NH−(C=O)−である請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
(i)のステップにおいて、HASがその酸化還元末端を介して架橋性化合物のHN−である前記アミノ基Mと反応して、前記反応が0〜80℃の範囲の温度で実施され、Xが−(C=O)−NH−である請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
(i)のステップにおいて、HASが、好ましくは水性系において、その非酸化還元末端を介して架橋性化合物のHN−である前記アミノ基Mと反応して、前記反応が4〜7の範囲のpHにて20〜80℃の範囲の温度で実施され、Xが−CH=Nである請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
(i)のステップにおいて、前記反応が、HAS誘導体を得るために還元剤、好ましくはNaCNBHの存在下で実施され、Xが−CH−NH−である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
(i)のステップにおいて、HASが、好ましくは水性系において、その非酸化還元末端を介して架橋性化合物HN−O−またはHN−NH−(C=O)−である前記アミノ基Mと反応して、前記反応が4.5〜6.5の範囲のpHにて5〜80℃の範囲の温度で実施され、Xが−CH=N−O−または−CH=N−NH−(C=O)−である請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
MおよびAを架橋するLが、式(IId)
【化8】

(IId)
による少なくとも1個の構造単位を含む、好ましくは式(IId)による構造単位からなるスペーサであり、
およびLが、それぞれ独立して、Hまたはアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリール、および残基−O−R”(R”は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリールからなる群より選択され)からなる群より選択される有機残基、好ましくはHまたはアルキルおよび置換アルキルからなる群より選択される有機残基、さらに好ましくはHまたはアルキル、さらに好ましくはHであり、
nが、1〜20の、好ましくは1〜10の、さらに好ましくは1〜6の、さらに好ましくは1〜4の、さらに好ましくは2の整数である請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
Lが、−(CLn1−、好ましくは−(CH−であり、nが1〜20の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、さらに好ましくは、Lが、−CH−CH−である請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
Lが、少なくとも1個の構造単位−(CLn1−O−(CLn2−、好ましくは−(CHn1−O−(CHn2を含み、n1は、n2と等しいか又はn2とは異なり、前記スペーサLが、−(CLn1−を介して架橋性化合物の前記アミノ基Mに結合される請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
Lが−((CL−O)−(CL)−であり、好ましくは−((CH−O)−CH−であり、mが1、2または3であり、さらに好ましくは2または3である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
Lが−(CL−(C=O)−NH−(CL−であり、好ましくは−(CH−(C=O)−NH−(CH−であり、各nがそれぞれ独立して、好ましくは1〜4の範囲、さらに好ましくは1〜3の範囲である請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
Lが、−(CH−(C=O)−NH−(CH−、−(CH−(C=O)−NH−(CH−、−(CH−(C=O)−NH−(CH−、および−(CH−(C=O)−NH−(CH−からなる群より選択され、最も好ましくは、−(CH−(C=O)−NH−(CH−および−(CH−(C=O)−NH−(CH−からなる群より選択される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
式(II)による架橋化合物M−L−Aが、
N−(CH−CH(OCHCH、HN−(CH−O−(CH−O−CH−CH(OCHCH、HN−(CH−(C=O)−NH−(CH−CH(OCHCH、HN−(CH−(C=O)−NH−(CH−CH(OCHCH、HN−(CH−CH(OCHCH、HN−O−(CH−O−(CH−O−CH−CH(OCHCHおよびHN−NH−(C=O)−(CH−(C=O)−NH−(CH−CH(OCHCHからなる群より選択され、好ましくは、
N−(CH−CH(OCHCH、HN−(CH−O−(CH−O−CH−CH(OCHCH、HN−(CH−(C=O)−NH−(CH−CH(OCHCH、HN−(CH−(C=O)−NH−(CH−CH(OCHCH、HN−O−(CH−O−(CH−O−CH−CH(OCHCH、HN−NH−(C=O)−(CH−(C=O)−NH−(CH−CH(OCHCHからなる群より選択され、さらに好ましくは、
N−(CH−CH(OCHCH、HN−(CH−O−(CH−O−CH−CH(OCHCH、HN−(CH−(C=O)−NH−(CH−CH(OCHCHおよび、HN−(CH−(C=O)−NH−(CH−CH(OCHCHからなる群より選択される請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
式(II)による前記架橋化合物M−L−Aが1−アミノ−3,3−ジエトキシプロパンである請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
(ii)式(III)によるHAS誘導体を生物活性剤HN−BA’のアミノ基と、A基を介して、還元的アミノ化によって反応させて、式(IV)
【化9】

(IV)
の前記HAS誘導体を得るステップをさらに含む請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
(ii)のステップの前に、式(III)による前記HAS誘導体のA基が前記対応するアルデヒドまたはケト基に変換される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
(ii)のステップにおいて、前記反応が好ましくは水性系にて、還元剤、好ましくはNaCNBHの存在下で、0〜37℃、好ましくは0〜25℃の範囲の温度および3〜9、好ましくは3〜7、さらに好ましくは3〜7以下の範囲のpHにて実施され、および(ii)のステップにおいて、前記HAS誘導体の生物活性剤BAに対する前記モル比が、前記HAS誘導体の数平均分子量(M)に基づいて、0.1:1〜200:1当量、好ましくは1:1〜50:1当量である請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記生物活性化合物BAが、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ポリペプチドまたはタンパク質の機能性誘導体、断片またはミメティック、小型分子化合物またはオリゴヌクレオチドである請求項20〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記タンパク質が、エリスロポエチン(EPO)、例えば組換えヒトEPO(rhEPO)、コロニー刺激因子(CSF)、例えば組換えヒトG−CSF(rhG−CSF)などのG−CSF、インターフェロン(INF)、例えば組換えヒトIFNα(rhIFNα)または組換えヒトIFNβ(rhIFNβ)などのIFNα、IFNβ、IFNガンマ、第VII因子、例えば組換えヒト第VIIa因子(rhFVIIa)、第IX因子、例えば組換えヒト第IX因子(rhFIX)、成長ホルモン(GH)、例えば組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、Fab断片、例えばヒト免疫グロブリンG分子に由来するFab断片(hFab)、免疫グロブリンG、例えばマウス免疫グロブリンG(mIgG)、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、アスパラギナーゼ、例えば組換えアスパラギナーゼ(rAsparaginase)、レプチン、例えば組換えヒトレプチン(rhLeptin)、インターロイキン−2、インターロイキン−11、α−1−アンチトリプシン、抗体、または抗体断片、または他のタンパク質骨格である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
式(III)
【化10】

(III)
で示すヒドロキシアルキルデンプン(HAS)誘導体であって、
Aが、アセタールまたはケタール基であり、Lが、XおよびAを架橋するスペーサであり、
Xが、式(II)
M−L−A(II)
で示す架橋性化合物のアミノ基Mと、式(I)
【化11】

(I)
で示すヒドロキシアルキルデンプン(HAS)とによるHASの炭素原子Cを介した反応から生じる官能基であり、Cが、HASとMとの反応の前に場合によっては酸化され、
HAS’が、前記ヒドロキシアルキルデンプン分子の残部であり、R、RおよびRが独立して、水素または直鎖もしくは分枝ヒドロキシアルキル基であるHAS誘導体。
【請求項26】
、RおよびRが独立して、−(CHCHO)−H基であり、nが整数、好ましくは0、1、2、3、4、5または6である請求項25に記載のHAS誘導体。
【請求項27】
前記ヒドロキシアルキルデンプンがヒドロキシエチルデンプン(HES)である請求項25または26に記載のHAS誘導体。
【請求項28】
Aが式(IIa)
【化12】

(IIa)
で示す残基であり、
およびZがそれぞれ独立して、OまたはSまたはNR、好ましくはOであり、Rが、Hまたはメチル、エチルまたはn−プロピルもしくはi−プロピルなどのプロピルなどの低級アルキル、またはC(O)−Rであり、Rが、好ましくはC−CアルキルおよびC−C14アリールからなる群より選択され、さらに好ましくは場合により置換された、好ましくは非置換であるメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され、Rが好ましくはHであり、
およびAがそれぞれ独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ベンジル、1,1,1−トリクロロエチル、ニトロベンジル、メトキシベンジル、エトキシベンジルであるか、または式(IIb)
【化13】

(IIb)
(AおよびAがひとまとめにされて、−(CH−または−(CH−または−(CHCH(CH))−である)
による環を形成し、
が、Hもしくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ベンジルであるか、またはアミノ基MのN原子もしくはLに含まれる好適な原子と共に環を形成し、Aが好ましくはHである請求項25〜27に記載のHAS誘導体。
【請求項29】
Xが、CH=N−、−CH−NH−、−CH=N−O−、−CH−NH−O−、−C(=O)−NH−、−C(=O)−NH−NH−からなる群より選択され、好ましくは−CH−NH−、−CH=N−、−CH=N−O−、−CH−NH−O−および−CH=N−NH−(C=O)−からなる群より選択される請求項25〜28のいずれか一項に記載のHAS誘導体。
【請求項30】
MおよびAを架橋するLが、式(IId)
【化14】

(IId)
で示す少なくとも1個の構造単位を含む、好ましくは式(IId)による構造単位からなるスペーサであり、
およびLがそれぞれ独立して、Hまたはアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリール、および残基−O−R”(R”は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリールからなる群より選択される)からなる群より選択される有機残基であり、好ましくはHまたはアルキルおよび置換アルキルからなる群より選択される有機残基であり、さらに好ましくはHまたはアルキルであり、さらに好ましくはHであり、
nが、1〜20、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4、さらに好ましくは2の整数である請求項25〜29に記載のHAS誘導体。
【請求項31】
Lが−(CLn1−、好ましくは−(CH−であり、nが1〜20、好ましくは1〜10の整数であり、さらに好ましくはLが−CH−CH−である請求項30に記載のHAS誘導体。
【請求項32】
Lが少なくとも1個の構造単位−(CLn1−O−(CLn2−、好ましくは−(CHn1−O−(CHn2を含み、n1は、n2と等しいかまたは異なり、おおびスペーサLが、−(CLn1−を介して前記架橋性化合物の前記アミノ基Mに結合される請求項30に記載のHAS誘導体。
【請求項33】
Lが−((CL−O)−(CL)−、好ましくは−((CH−O)−CH−であり、mが1、2または3であり、さらに好ましくは2または3である請求項31に記載のHAS誘導体。
【請求項34】
Lが−(CL−(C=O)−NH−(CL−、好ましくは−(CH−(C=O)−NH−(CH−であり、各nがそれぞれ独立して、好ましくは1〜4の範囲、さらに好ましくは1〜3の範囲である請求項30に記載のHAS誘導体。
【請求項35】
Lが、
−(CH−(C=O)−NH−(CH−、−(CH−(C=O)−NH−(CH−、−(CH−(C=O)−NH−(CH−、および−(CH−(C=O)−NH−(CH−、からなる群より選択され、さらに好ましくは
−(CH−(C=O)−NH−(CH−、および−(CH−(C=O)−NH−(CH−からなる群より選択される請求項34に記載のHAS誘導体。
【請求項36】
構造式
【化15】

を有する請求項25〜30のいずれか一項に記載のヒドロキシアルキルデンプン誘導体。
【請求項37】
構造式
【化16】

を有する請求項25〜30のいずれか一項に記載のヒドロキシアルキルデンプン誘導体。
【請求項38】
式(IV)
【化17】

(IV)
で示すヒドロキシアルキルデンプン(HAS)誘導体であって、
Xが、アミド基−C(=O)−NH−ではなく、
Xが、式(II)
M−L−A(II)
で示す架橋性化合物のアミノ基Mと、式(I)
【化18】

で示すヒドロキシアルキルデンプン(HAS)とによる前記HASの炭素原子Cを介した反応から生じる官能基であって、Cが、前記HASとMの反応の前に場合によっては酸化され、最も好ましくは酸化されず、
HAS’が、前記ヒドロキシアルキルデンプン分子の残部であり、ならびにR、RおよびRは独立して、水素または直鎖もしくは分枝ヒドロキシアルキル基であり、
Aが、式(IIa)
【化19】

(IIa)
で示す残基であり
およびZがそれぞれ独立して、OまたはSまたはNR、好ましくはOであり、Rが、Hまたはメチル、エチルまたはn−プロピルもしくはi−プロピルなどのプロピルなどの低級アルキルまたはC(O)−Rであり、Rが、好ましくはC−CアルキルおよびC−C14アリールからなる群よりは選択され、さらに好ましくは場合により置換された、好ましくは非置換であるメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され、Rが好ましくはHであり、
およびAがそれぞれ独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ベンジル、1,1,1−トリクロロエチル、ニトロベンジル、メトキシベンジル、エトキシベンジルであるか、または式(IIb)
【化20】

(IIb)
(AおよびAがひとまとめにされて、−(CH−または−(CH−または−(CHCH(CH))−である)
で示す環を形成し、
が、Hもしくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ベンジルであるか、または前記アミノ基Mの前記N原子もしくはLに含まれる好適な原子と共に環を形成し、Aが好ましくはHであり、
Lが、MおよびAを架橋するスペーサであり、
BA’が、BAのアミノ基と、AとまたはAに対応するアルデヒド基またはケト基とによる還元的アミノ化を介した反応後に残存する生物活性剤BA’−NHの残部であるHAS誘導体。
【請求項39】
Xが、−CH−NH−、−CH=N−、−CH−NH−O−、および−CH=N−O−からなる群より選択され、より好ましくは−CH−NH−および−CH−NH−O−からなる群より選択され、最も好ましくは−CH−NH−からなる群より選択される請求項38に記載のHAS誘導体。
【請求項40】
MおよびAを架橋するLが、式(IId)
【化21】

(IId)
で示す少なくとも1個の構造単位を含む、好ましくは式(IId)による構造単位からなるスペーサであり、
およびLがそれぞれ独立して、Hまたはアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリール、および残基−O−R”(R”は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリールからなる群より選択される)からなる群より選択される有機残基であり、好ましくはHまたはアルキルおよび置換アルキルからなる群より選択される有機残基であり、さらに好ましくはHまたはアルキルであり、さらに好ましくはHであり、
nが、1〜20、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4、さらに好ましくは2の整数である請求項38または39に記載のHAS誘導体。
【請求項41】
Lが−(CLn1−、好ましくは−(CH−であり、nが1〜20、好ましくは1〜10の整数であり、さらに好ましくは、Lが−CH−CH−である請求項40に記載のHAS誘導体。
【請求項42】
Lが少なくとも1個の構造単位−(CLn1−O−(CLn2−、好ましくは−(CHn1−O−(CHn2を含み、n1が、n2と等しいかまたは異なり、およびスペーサLが、−(CLn1−を介して架橋性化合物のアミノ基Mに結合される請求項40に記載のHAS誘導体。
【請求項43】
Lが−((CL−O)−(CL)−、好ましくは−((CH−O)−CH−であり、mが1、2または3であり、さらに好ましくは2または3である請求項42に記載のHAS誘導体。
【請求項44】
Lが−(CL−(C=O)−NH−(CL−、好ましくは−(CH−(C=O)−NH−(CH−であり、各nがそれぞれ独立して、好ましくは1〜4の範囲、さらに好ましくは1〜3の範囲である請求項40に記載のHAS誘導体。
【請求項45】
Lが、
−(CH−(C=O)−NH−(CH−、−(CH−(C=O)−NH−(CH−、−(CH−(C=O)−NH−(CH−、および−(CH−(C=O)−NH−(CH−からなる群より選択され、最も好ましくは
−(CH−(C=O)−NH−(CH−および−(CH−(C=O)−NH−(CH−からなる群より選択される請求項44に記載のHAS誘導体。
【請求項46】
構造式
【化22】

を有する請求項38〜40のいずれか一項に記載のHAS誘導体。
【請求項47】
前記生物活性化合物BAが、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ポリペプチドまたはタンパク質の機能性誘導体、断片またはミメティック、小型分子化合物またはオリゴヌクレオチドである請求項38〜46のいずれか一項に記載のHAS誘導体。
【請求項48】
前記タンパク質が、エリスロポエチン(EPO)、例えば組換えヒトEPO(rhEPO)、コロニー刺激因子(CSF)、例えば組換えヒトG−CSF(rhG−CSF)などのG−CSF、インターフェロン(INF)、例えば組換えヒトIFNα(rhIFNα)または組換えヒトIFNβ(rhIFNβ)などのIFNα、IFNβ、IFNガンマ、第VII因子、例えば組換えヒト第VIIa因子(rhFVIIa)、第IX因子、例えば組換えヒト第IX因子(rhFIX)、成長ホルモン(GH、例えば組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、Fab断片、例えばヒト免疫グロブリンG分子に由来するFab断片(hFab)、免疫グロブリンG、例えばマウス免疫グロブリンG(mIgG)、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、アスパラギナーゼ、例えば組換えアスパラギナーゼ(rアスパラギナーゼ)、レプチン、例えば組換えヒトレプチン(rhレプチン)、インターロイキン−2、インターロイキン−11、α−1−アンチトリプシン、抗体、または抗体断片、または他のタンパク質骨格である、請求項47に記載のHAS誘導体。
【請求項49】
治療または予防剤としての請求項38〜48のいずれか一項に記載のHAS誘導体。
【請求項50】
ヒトまたは動物の体を治療する方法で使用するための請求項38〜48のいずれか一項に記載のHAS誘導体。
【請求項51】
請求項38〜48のいずれか一項に記載のHASを治療的有効量で含む製薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公表番号】特表2011−506652(P2011−506652A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537332(P2010−537332)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2008/010660
【国際公開番号】WO2009/077154
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(505187208)フレセニウス・カビ・ドイッチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (2)
【Fターム(参考)】