ヒンジ装置
【課題】小さな力で扉の位置調整を行うことのできるヒンジ装置を提供する。
【解決手段】本発明のヒンジ装置では、縦軸まわりに回転自在に連結された可動ブロック2と固定ブロック1を備える。可動ブロック2は、中間ブロック3と扉側ブロック4からなる。可動ブロック2を扉の上端面又は下端面に固定し、固定ブロック1を扉枠側に固定し、可動ブロック2と固定ブロック1を上下方向に対向する互いの対向面で摺接させて用いる。そして、固定ブロック1は、カム板の回転によって可動ブロック2を水平面上にて位置調整するカム機構を有する。
【解決手段】本発明のヒンジ装置では、縦軸まわりに回転自在に連結された可動ブロック2と固定ブロック1を備える。可動ブロック2は、中間ブロック3と扉側ブロック4からなる。可動ブロック2を扉の上端面又は下端面に固定し、固定ブロック1を扉枠側に固定し、可動ブロック2と固定ブロック1を上下方向に対向する互いの対向面で摺接させて用いる。そして、固定ブロック1は、カム板の回転によって可動ブロック2を水平面上にて位置調整するカム機構を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉と扉枠を回動自在に連結させるヒンジ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、扉と扉枠を連結させる調整蝶番が記載されている。この調整蝶番は、一対の羽根板の端縁部同士をピンによって開閉自在に連結させたものであり、調整カムを用いたカム機構を一方の羽根板に備え、この調整カムを水平軸中心に回転させることにより扉をスライドさせ、位置調整を行う構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−342772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の調整蝶番は、カム機構の部分において扉の荷重を受ける構造である。そのため、扉を取り付けた状態で位置調整を行う場合には、カム機構の調整カムを回転させるために大きなトルクが必要となる。これに対して、調整作業中に他の作業者に扉を持ち上げてもらえば、調整カムの回転に要するトルクは軽減される。しかし、他の作業者の協力が必要であるから、作業効率の低下を招くことになる。
【0005】
本発明は、前記問題点に鑑みて発明したものであり、作業者一人であっても小さな力で扉の位置調整を行うことのできるヒンジ装置を提案することを、課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明を、縦軸まわりに回転自在に連結された可動ブロックと固定ブロックを備え、前記可動ブロックを扉の上端面又は下端面に固定し、前記固定ブロックを扉枠側に固定し、前記可動ブロックと前記固定ブロックを上下方向に対向する互いの対向面で摺接させて用いるヒンジ装置であって、前記固定ブロックは、カム板の回転によって前記可動ブロックを水平面上にて位置調整するカム機構を有することを特徴としたものとする。
【0007】
本発明において、前記固定ブロックは、前記カム板を外部から回転操作するためのカム操作部と、前記カム板の回転に伴って水平面上で位置調整される位置調整プレート部とを有し、前記可動ブロックが全閉位置にあるときはこの可動ブロックが前記カム操作部を隠し、前記可動ブロックが前記全閉位置から所定角度を超えて回転したときには前記カム操作部を露出させるものであることが好ましい。
【0008】
また、前記カム機構は、前記可動ブロックを左右方向に位置調整するものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、作業者一人であっても小さな力で扉の位置調整を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態の下側ヒンジ装置を下側取付ベースに装着した斜視図である。
【図2】同上の下側ヒンジ装置の斜視図である。
【図3】同上の下側ヒンジ装置の他の斜視図である。
【図4】同上の下側ヒンジ装置の分解斜視図である。
【図5】同上の下側取付ベースの斜視図である。
【図6】同上の下側取付ベースの分解斜視図である。
【図7】同上の下側ヒンジ装置を途中まで開いた斜視図である。
【図8】同上の下側ヒンジ装置を全開にした斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態の上側ヒンジ装置の斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態の上側取付ベースの斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態のヒンジ装置を用いて扉を扉枠に取り付けた状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0012】
図11は、本発明の一実施形態のヒンジ装置を扉100と扉枠110の間に取り付け、この扉100を全閉状態にした正面図である。本文中において用いる上下、前後、左右等の各方向は、この全閉状態を基準とする。
【0013】
本実施形態では、ヒンジ装置として下側ヒンジ装置Aと上側ヒンジ装置Bを備え、下側ヒンジ装置Aによって扉100と扉枠110の下部同士を回動自在に連結させ、上側ヒンジ装置Bによって扉100と扉枠110の上部同士を回動自在に連結させる。
【0014】
下側ヒンジ装置Aと上側ヒンジ装置Bの構造は、略同様の構造を上下反転させたものとなっている。したがって、まず下側ヒンジ装置Aの構造について詳しく述べる。なお、図1〜図8には、下側ヒンジ装置Aやこれと共に用いる下側取付ベース60を示し、図9や図10に、上側ヒンジ装置Bやこれと共に用いる上側取付ベース80を示す。
【0015】
図2〜図4等に示すように、下側ヒンジ装置Aは、第一回転軸5まわりに回転自在に連結された可動ブロック2と固定ブロック1を備える。可動ブロック2はさらに、中間ブロック3と扉側ブロック4からなる。中間ブロック3は、固定ブロック1に対して第一回転軸5まわりに回転自在に連結されるブロックであり、扉側ブロック4は、この中間ブロック3に対して第二回転軸6まわりに回転自在に連結されるブロックである。第一回転軸5と第二回転軸6は、共に鉛直方向を軸方向とした縦軸であり、位置をずらして配置される。
【0016】
図4の分解斜視図で示すように、固定ブロック1では、共に平板状である位置調整プレート7、位置調整ベース8及び位置調整ベースカバー9を、互いの厚み方向(即ち上下方向)に積層させて、位置調整プレート部10を構成している。この位置調整プレート部10の周囲を、側部カバー11で覆っている。位置調整プレート部10には、水平プレート12と鉛直プレート13をL字状に連続して有する枠側連結具14が、左右調整用のカム機構を介して左右スライド自在に連結される。具体的には、位置調整プレート7にカム孔15を設け、枠側連結具14の水平プレート12上にカム板16を回転自在に支持し、このカム板16をカム孔15内に配することで、左右調整用のカム機構を形成している。
【0017】
カム板16にはドライバ溝として十字溝を設けており、位置調整ベース8と位置調整ベースカバー9には、この十字溝に外部からドライバ先端を挿入するための位置調整窓17,18を、それぞれ設けている。これら十字溝や位置調整窓17,18により、カム板16を外部から回転操作するためのカム操作部が形成される。
【0018】
また、位置調整プレート7には、左右調整用の固定ネジ19を挿通させる挿通孔20を設けている。この固定ネジ19の先端を水平プレート12に螺合させ、固定ネジ19の頭部と水平プレート12との間で位置調整プレート7を挟持することで、位置調整プレート部10の左右位置が固定される。
【0019】
固定ネジ19の頭部にはドライバ溝として十字溝を設けており、位置調整ベース8と位置調整ベースカバー9には、この十字溝に外部からドライバ先端を挿入するための固定操作窓21,22を設けている。これら十字溝や固定操作窓21,22により、固定ネジ19を外部から回転操作するための固定操作部が形成される。
【0020】
また、水平プレート12のガイド孔24を通じて下方から位置調整用軸23を挿入し、この位置調整用軸23の先端を位置調整プレート7に固定することで、位置調整プレート部10の左右方向のスライドがガイドされるように設けている。
【0021】
位置調整ベースカバー9には、第一回転軸5が挿入される第一回転軸挿入孔25と、この第一回転軸挿入孔25(即ち第一回転軸5)を中心とした第一円弧状長孔26を貫通形成している。第一円弧状長孔26は、その端部に折れ曲がり部分27を有している。位置調整ベース8や位置調整プレート7においても、連通する箇所に同様の孔部を形成している。
【0022】
枠側連結具14の鉛直プレート13には、一対の位置固定孔28と位置調整窓29が貫通形成されており、さらに、長片状の仮保持解除片50が回転自在に装着されている。水平プレート12からは、位置調整用軸23の下部がガイド孔24を通じて突出される。
【0023】
この鉛直プレート13には、図5、図6に示す下側取付ベース60が仮保持及び本固定される。下側取付ベース60の構造については後述する。
【0024】
中間ブロック3では、共に平板状である中間プレートスペーサ30、中間プレート31、小プレート32及び中間プレートカバー33を、互いの厚み方向に積層させ、その周囲を側部カバー34で覆っている。
【0025】
中間プレートカバー33と中間プレート31の間のスペースには、両端に第一係止ピン35と第二係止ピン36を装着するプロペラ状の連動アーム37を、中央の回転軸部38まわりに回転自在に配している。第一係止ピン35は、中間プレート31と中間プレートスペーサ30に設けた長孔を通じて下向き、つまり固定ブロック1側に突出するように配置される。第二係止ピン36は、中間プレートカバー33に設けた長孔を通じて上向き、つまり扉側ブロック4側に突出するように配置される。
【0026】
中間ブロック3には、中間プレートスペーサ30、中間プレート31及び小プレート32を貫くようにピン状の第一回転軸5が連結され、この第一回転軸5の下部が固定ブロック1側に突出される。また、中間ブロック3には、中間プレート31、小プレート32及び中間プレートカバー33を貫くように第二回転軸6が連結され、この第二回転軸6の上部が扉側ブロック4側に突出される。
【0027】
扉側ブロック4では、扉側取付プレートカバー40、扉側第一取付プレート41及び扉側第二取付プレート42を厚み方向に積層させて扉側取付プレート部44を形成し、この扉側取付プレートカバー40に、枠状の扉側連結具43を装着している。扉側連結具43からは、固定ブロック1側にむけてスカート片45を延設している。スカート片45には、切り欠き窓46を設けている。
【0028】
扉側取付プレートカバー40には、ピン状の第二回転軸6が回動自在に挿入される第二回転軸挿入孔47と、この第二回転軸挿入孔47(即ち第二回転軸6)を中心とした第二円弧状長孔48を貫通形成している。第二円弧状長孔48は、その端部に折れ曲がり部分49を有している。また、扉側第二取付プレート42と扉側第一取付プレート41においても、連通する箇所に同様の孔部を形成している。
【0029】
以上のようにして、下側ヒンジ装置Aの固定ブロック1及び可動ブロック2が形成される。下側ヒンジ装置Aは、前述のように下側取付ベース60を介して、扉枠110に取付固定される。
【0030】
下側取付ベース60では、図5や図6に示すように、前後調整用の位置調整プレート61、位置調整スペーサ62及び枠側取付ベース63を、互いの厚み方向(左右方向)に積層させている。
【0031】
位置調整プレート61と位置調整スペーサ62は、前後調整用のカム機構を介して、金属製の枠側取付ベース63に対して前後スライド自在に連結される。具体的には、位置調整プレート61にカム孔64を設け、枠側取付ベース63にカム板65を回転自在に支持させ、このカム板65をカム孔64内に配することで、前後調整用のカム機構を形成している。カム板65にはドライバ溝として十字溝を設けており、固定ブロック1の枠側連結具14に下側取付ベース60を装着したときには、枠側連結具14の位置調整窓29を通じて十字溝にドライバ先端を挿入できるように設けている。
【0032】
また、位置調整スペーサ62には、異形ナット75を一対一で嵌合させるナット孔66を、一対設けている。枠側取付ベース63には、異形ナット75の端部が前後スライド自在に収められる一対のスライド孔67を設けている。
【0033】
この異形ナット75に対して、枠側連結具14の位置固定孔28を通じて固定ネジ68をそれぞれ螺合させ、固定ネジ68の頭部と異形ナット75との間で、枠側連結具14と位置調整プレート61を挟持する。これにより、枠側連結具14がその前後位置で固定される。
【0034】
また、位置調整スペーサ62の前後両側の端縁からは、弾性を有する係止爪片69をそれぞれ同一方向に突設している。この係止爪片69は、位置調整スペーサ62に対して枠側連結具14の鉛直プレート13を仮保持するための仮保持構造として機能する。この一対の係止爪片69のうち一方は、枠側連結具14に装着された状態において仮保持解除片50を回転操作すれば、仮保持解除片50の端部が当って押し広がり、爪部分による仮保持が解除されるように設けている。解除機構をなす仮保持解除片50の回転中心部には、外部から解除操作を行うための解除操作部70として、ドライバ先端が挿入される十字溝を設けている。
【0035】
さらに、位置調整プレート61の下端からは水平片71を延設しており、この水平片71の先端部に載置台72を設けている。載置台72の上面には、金属部材からなる位置決め係合部73を設けている。位置決め係合部73は、平面視において左右方向を長手方向とした長穴状の凹溝を有している。この載置台72の上面には、下側ヒンジ装置Aが有する枠側連結具14の水平プレート12が載置される。このとき、位置決め係合部73の凹溝内には、被係合部となる位置調整用軸23の下部(図3参照)が挿入される。位置決め係合部73をなす金属部材(ひいてはこれに載置される下側ヒンジ装置A)は、載置台72の側面に設けた上下調整ネジ74を正逆回転させることによって、上下位置調整される。
【0036】
以上、下側ヒンジ装置Aとこれに装着する下側取付ベース60の構造について説明した。次に、上側ヒンジ装置Bとこれに装着する上側取付ベース80について説明する。
【0037】
図9に示す上側ヒンジ装置Bは、前述したように、下側ヒンジ装置Aの構造を上下反転させた基本構造を有する。したがって、上側ヒンジ装置Bの構造については、下側ヒンジ装置Aと同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0038】
図10に示す上側取付ベース80においても、下側取付ベース60の構造を上下反転させた基本構造を有する。なお、上側取付ベース80では、載置台72の代わりに、中央に切欠部81を備えた二股状の水平片82を備えている。切欠部81は、上側ヒンジ装置Bが備える枠側連結具14から上方に突出する位置調整用軸23が、水平片82と接触しないように逃がす部分となる。上側取付ベース80の他の構造については、下側取付ベース60と同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0039】
上記した下側ヒンジ装置A、下側取付ベース60、上側ヒンジ装置B及び上側取付ベース80を用いて、扉100を扉枠110に回転自在に取り付けるための取付構造が形成される。
【0040】
具体的には、以下に述べるようにして扉100が取り付けられる。まず、扉枠110の内側面下部に、下側取付ベース60の枠側取付ベース63をネジ固定する。このとき、下側取付ベース60の載置台72下面が床面に当接するように設ける(図11参照)。扉枠110の内側面上部には、上側取付ベース80の枠側取付ベース63をネジ固定する。扉枠110に固定された下側取付ベース60と上側取付ベース80とは、基本的な構成が上下反転した配置となる。
【0041】
扉100の吊元側端部の下面及び上面には、それぞれ切欠部分101,102を設けておき、下面側の切欠部分101に、下側ヒンジ装置Aの扉側ブロック4が有する扉側取付プレート部44を、ネジ固定する。同様に、上側の切欠部分102には、上側ヒンジ装置Bの扉側ブロック4が有する扉側取付プレート部44を、ネジ固定する。扉100に固定された下側ヒンジ装置Aと上側ヒンジ装置Bとは、基本的な構成が上下反転した配置となる。
【0042】
ここで、下側ヒンジ装置Aと上側ヒンジ装置Bの両者の可動ブロック2を固定ブロック1に対して所定角度(例えば90°)回転させた状態にセットする。この状態で、扉100の左右方向端部を持ち上げて、まずは下側ヒンジ装置Aの固定ブロック1を、下側取付ベース60の載置台72の上面に載置する。このとき、載置台72に設けた位置決め係合部73の凹溝内に、固定ブロック1から下方に突出する被係合部(つまり位置調整用軸23の下部)が挿入され、扉100の位置決めがなされる。
【0043】
この位置決め部分を支点として、扉100全体を扉枠110側に押し込むことで、下側取付ベース60に備えた一対の係止爪片69間に、下側ヒンジ装置Aが備える枠側連結具14の鉛直プレート13が弾性的に係止される。同様に、上側取付ベース80に備えた一対の係止爪片69間に、上側ヒンジ装置Bが備える枠側連結具14の鉛直プレート13が弾性的に係止される。つまり、位置決め係合部73を支点として扉100全体を押し込む作業により、これら取付構造を介して扉100全体が扉枠110に仮保持される。
【0044】
この仮保持状態において、取付構造を介して扉100を扉枠110に本固定する。具体的には、下側ヒンジ装置Aが備える枠側連結具14の鉛直プレート13に設けた位置固定孔28から固定ネジ68を挿入し、これを下側取付ベース60の異形ナット75に螺合させる。これにより、下側ヒンジ装置Aの枠側連結具14が下側取付ベース60に固定される。同様に、上側ヒンジ装置Bにおいても、位置固定孔28から固定ネジ68を挿入して異形ナット75に螺合させることで、上側ヒンジ装置Bの枠側連結具14が上側取付ベース80に固定される。
【0045】
即ち、下側取付ベース60と上側取付ベース80において、一対の係止爪片69が仮保持構造として機能し、ナット孔66やここに嵌合される異形ナット75が、本固定構造として機能する。
【0046】
以上のように、本実施形態の取付構造では、下側取付ベース60と上側取付ベース80に設けた仮保持構造や本固定構造を利用することによって、仮に作業者が一人であっても扉100を簡単に取り付けられるようになっている。
【0047】
ここで、扉枠110に取り付けられた扉100の開閉動作、即ち下側ヒンジ装置Aや上側ヒンジ装置Bの開閉動作について述べる。本実施形態の下側ヒンジ装置Aや上側ヒンジ装置Bの基本的な動作は、特開2005−146625号公報に記載のものと同様であり、扉100が全閉位置にあるときには、図1に示すように固定ブロック1と可動ブロック2は完全に重なった状態となる。
【0048】
図1の全閉位置では、中間ブロック3から下方に突出した第一係止ピン35の先端部分が、固定ブロック2の第一円弧状長孔26の吊元側端部に位置する。また、中間ブロック3から上方に突出した第二係止ピン36の先端部分が、扉側ブロック4の第二円弧状長孔48の折れ曲がり部分49端部に位置する。
【0049】
上記の全閉位置から扉100を開けると、扉側ブロック4は第二回転軸6まわりに回転することなく、中間ブロック3と一体に固定ブロック1に対して第一回転軸5まわりに回転する。これは、第二係止ピン36が第二円弧状長孔48の折れ曲がり部分49端部に位置しているためである。連動アーム37を含む中間ブロック3と扉側ブロック4とは、重なったまま第一回転軸5まわりに回転する。このとき、第一係止ピン35は第一円弧状長孔26内をスライド移動する。そして、図7に示す規定角度の位置にて、第一係止ピン35が第一円弧状長孔26と折れ曲がり部分27との交差部分に当接し、中間ブロック3は回転を停止する。
【0050】
図7の状態からさらに扉100を開けると、中間ブロック3はこれ以上回転できないため、扉側ブロック4には第二回転軸6まわりに回転しようとする力が働く。この力により、第二円弧状長孔48の折れ曲がり部分49が第二係止ピン36を押し出し、連動アーム37を回転させながら、第二円弧状長孔48と折れ曲がり部分49との交差部分にまで第二係止ピン36を移動させる。つまり、扉側ブロック4の中間ブロック3に対する回転ロックが解除され、扉側ブロック4は中間ブロック3に対して第二回転軸6まわりに回転自在となる。このとき、連動アーム37の回転によって第一係止ピン35は第一円弧状長孔26の折れ曲がり部分27端部にまでスライド移動し、固定ブロック1に対する中間ブロック3の回転をロックする。扉側ブロック4は、図8に示す位置にまでそのまま90°回動される。
【0051】
上記の動作をまとめると、図1の全閉位置から図7に示すような規定角度に至るまでは、中間ブロック3に対して連動アーム37が動作せず、第一係止ピン35が第一円弧状長孔26内をスライド移動しながら、中間ブロック3と扉側ブロック4が第一回転軸5まわりに一体回転する。規定角度からさらに回転する方向に力を加えれば、中間ブロック3に対して連動アーム37が回動し、固定ブロック1に対する中間ブロック3の回転をロックし、中間ブロック3に対する扉側ブロック4の回転ロックを解除する。つまり、第二回転軸6を中心に扉側ブロック4だけがさらに回転する動作となる。
【0052】
これらの構造により、本実施形態の回転規制機構が構成される。この回転規制機構は、中間ブロック3の第一回転軸5まわりの回転が規定角度に至るまでは扉側ブロック4の第二回転軸6まわりの回転を禁止させ、規定角度に至れば第二回転軸6まわりの回転を可能にするものである。他の機構によってこの回転規制を実現しても構わない。
【0053】
図8に示す全開放状態から扉100を閉じると、上記動作と逆の順序で各部材が動作する。つまり、まずは固定ブロック1に対して中間ブロック3が回転ロックされた状態で扉側ブロック4のみが回転する。扉側ブロック4が中間ブロック3に重なる位置にまで至れば、今度は中間ブロック3に対して扉側ブロック4が回転ロックされ、固定ブロック1に対して中間ブロック3と扉側ブロック4が一体回転する。
【0054】
次に、扉枠110に取り付けた状態で扉100の位置調整を行うための構造や手順について説明する。
【0055】
本実施形態では、上記したように、下側ヒンジ装置A及び上側ヒンジ装置Bがそれぞれ備える固定ブロック1に、カム板16の回転によって可動ブロック2ひいては扉100の左右位置調整を行うカム機構を備えている。また、下側取付ベース60及び上側取付ベース80には、カム板65の回転によって扉100の前後位置調整を行うカム機構を備えている。下側取付ベース60の載置台72には、扉100の上下位置調整を行うための昇降機構を備えている。以下、これら位置調整用の機構について順に述べる。
【0056】
左右位置調整用のカム機構は、固定ブロック1の位置調整窓17,18を通じてカム板16の十字溝にドライバ先端を挿入し、カム板16を回転操作することによって位置調整プレート7を左右方向に位置調整するものである。これら位置調整窓17,18や十字溝からなる左右方向のカム操作部は、図1に示す全閉位置では、中間ブロック3と扉側ブロック4に覆われて操作不能である。また、固定操作窓21,22や固定ネジ19からなる固定操作部も、図1の全閉位置では中間ブロック3と扉側ブロック4に覆われて操作不能である。
【0057】
一方、中間ブロック3と扉側ブロック4が、全閉位置から所定角度を超えて図7の規定角度に至ったときに、このカム操作部と固定操作部が露出するように設けている。左右位置調整を行う場合は、扉100を開いてカム操作部と固定操作部を露出させ、まず固定操作部の固定ネジ19を緩めて固定状態を解除する。そのうえで、カム操作部の十字溝にドライバ先端を挿入し、カム板16を回転させることで左右位置調整を行い、再び固定ネジ19を締めてその左右位置を固定する。
【0058】
前後位置調整用のカム機構は、枠側連結具14の位置調整窓29を通じてカム板65の十字溝にドライバ先端を挿入し、カム板65を回転操作することによって、位置調整プレート61や位置調整スペーサ62を前後方向に位置調整するものである。これら位置調整窓29や十字溝からなる前後方向の位置調整部は、図1の全閉位置では、扉100に隠れて操作不能となる。
【0059】
一方、中間ブロック3と扉側ブロック4が、全閉位置から所定角度を超えて図7の規定角度に至ったときに、この前後方向のカム操作部が露出するように設けている。したがって、前後位置調整を行う場合は、扉100を開いて前後方向のカム操作部を露出させておき、カム操作部の十字溝にドライバ先端を挿入し、カム板65を回転させることで前後位置調整を行う。
【0060】
上下位置調整用の昇降機構は、下側取付ベース60の載置台72に設けた上下調整ネジ74の十字溝内にドライバ先端を挿入して回転させることにより、位置決め係合部73をなす金属部材を昇降させ、上下の位置調整を行うものである。
【0061】
以上のように、本実施形態の取付構造によれば、作業者が一人であっても前後、左右、上下の位置調整を簡単に行うことができる。特に、扉100の荷重を、隣接する各ブロック1,3,4間の対向面等で受けさせたうえで、固定ブロック1内にてカム板16を縦軸中心に回転させ、位置調整プレート部10を水平方向に移動させて位置調整を行うことができるので、小さな力での位置調整が可能となる。
【0062】
なお、本実施形態では固定ブロック1内のカム機構を左右位置調整用としているが、前後位置調整用となるように設けてもよい。また、固定ブロック1内に左右位置調整用のカム機構と前後位置調整用のカム機構の両方を備えてもよい。
【0063】
次に、扉100を扉枠110から取り外すための構造や手順について説明する。
【0064】
本実施形態では、上述したように、下側ヒンジ装置Aの固定ブロック1が備える枠側連結具14に仮保持解除片50を備えることによって、下側ヒンジ装置Aを仮保持状態から解除する解除手段を構成している。同様に、上側ヒンジ装置Bにおいても、固定ブロック1が備える枠側連結具14に仮保持解除片50を備えることによって、上側ヒンジ装置Bを仮保持状態から解除する解除手段を構成している。
【0065】
これら仮保持解除片50を回転操作するための十字溝からなる解除操作部70は、図1の全閉位置では、扉100に隠れて操作不能となる。一方、中間ブロック3と扉側ブロック4が、全閉位置から所定角度を超えて図7の規定角度に至ったとき、そして、さらに扉100を開いて図8の全開位置に至っときに、解除操作部70が露出するように設けている。なお、図8に示すように、全開状態においては扉側ブロック4が固定ブロック1よりも前方(扉100を開く方向)に位置し、且つ逆方向を向くように設けている。
【0066】
扉100を取り外すときは、扉100を開けて固定ネジ68とこの解除操作部70を露出させ、固定ネジ68を外して本固定を解除したうえで、この解除操作部70の十字溝にドライバ先端を挿入し、仮保持解除片50を回転操作すればよい。回転された仮保持解除片50は、係止爪片69の爪部分を外側に押し広げ、仮保持状態を解除させる。そして、位置決め係合部73を支点として扉100全体を動かすことにより、簡単に扉100を取り外すことができる。
【0067】
以上説明したように、本実施形態のヒンジ装置は、縦軸まわりに回転自在に連結された可動ブロック2と固定ブロック1を備える。可動ブロック2を扉100の上端面又は下端面に固定し、固定ブロック1を扉枠110側に固定し、可動ブロック2と固定ブロック1を上下方向に対向する互いの対向面で摺接させて用いる。そして、固定ブロック1は、カム板16の回転によって可動ブロック2を水平面上にて位置調整するカム機構を有する。
【0068】
本実施形態のヒンジ装置は、扉100の荷重をカム機構の部分によって直接的に受けるものではない。そのため、カム機構のカム板16を回転させて可動ブロック2を水平方向に移動させるために大きなトルクが必要でなく、作業者一人でも簡単に扉100の位置調整を行うことができる。
【0069】
また、本実施形態の固定ブロック1は、カム板16を外部から回転操作するためのカム操作部と、カム板16の回転に伴って水平面上で位置調整される位置調整プレート部10とを有する。そして、可動ブロック2が全閉位置にあるときはこの可動ブロック2がカム操作部を隠し、可動ブロック2が全閉位置から所定角度を超えて回転したときにはカム操作部を露出させるように設けている。
【0070】
これにより、通常は目に付き難い箇所にカム操作部をコンパクトに形成することができ、しかもこのカム操作部を用いて簡単に位置調整を行うことが可能となる。
【0071】
そして、このカム機構は、可動ブロック2を左右方向に位置調整するものである。つまり、本実施形態のヒンジ装置によれば、作業者一人でも簡単に扉100の左右位置調整を行うことが可能となる。
【0072】
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 固定ブロック
2 可動ブロック
3 中間ブロック
4 扉側ブロック
5 第一回転軸
6 第二回転軸
10 位置調整プレート部
14 枠側連結具
16 カム板
43 扉側連結具
50 仮保持解除片
60 下側取付ベース
64 カム孔
69 係止爪片
70 解除操作部
72 載置台
73 位置決め係合部
80 上側取付ベース
100 扉
110 扉枠
A 上側ヒンジ装置
B 下側ヒンジ装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉と扉枠を回動自在に連結させるヒンジ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、扉と扉枠を連結させる調整蝶番が記載されている。この調整蝶番は、一対の羽根板の端縁部同士をピンによって開閉自在に連結させたものであり、調整カムを用いたカム機構を一方の羽根板に備え、この調整カムを水平軸中心に回転させることにより扉をスライドさせ、位置調整を行う構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−342772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の調整蝶番は、カム機構の部分において扉の荷重を受ける構造である。そのため、扉を取り付けた状態で位置調整を行う場合には、カム機構の調整カムを回転させるために大きなトルクが必要となる。これに対して、調整作業中に他の作業者に扉を持ち上げてもらえば、調整カムの回転に要するトルクは軽減される。しかし、他の作業者の協力が必要であるから、作業効率の低下を招くことになる。
【0005】
本発明は、前記問題点に鑑みて発明したものであり、作業者一人であっても小さな力で扉の位置調整を行うことのできるヒンジ装置を提案することを、課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明を、縦軸まわりに回転自在に連結された可動ブロックと固定ブロックを備え、前記可動ブロックを扉の上端面又は下端面に固定し、前記固定ブロックを扉枠側に固定し、前記可動ブロックと前記固定ブロックを上下方向に対向する互いの対向面で摺接させて用いるヒンジ装置であって、前記固定ブロックは、カム板の回転によって前記可動ブロックを水平面上にて位置調整するカム機構を有することを特徴としたものとする。
【0007】
本発明において、前記固定ブロックは、前記カム板を外部から回転操作するためのカム操作部と、前記カム板の回転に伴って水平面上で位置調整される位置調整プレート部とを有し、前記可動ブロックが全閉位置にあるときはこの可動ブロックが前記カム操作部を隠し、前記可動ブロックが前記全閉位置から所定角度を超えて回転したときには前記カム操作部を露出させるものであることが好ましい。
【0008】
また、前記カム機構は、前記可動ブロックを左右方向に位置調整するものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、作業者一人であっても小さな力で扉の位置調整を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態の下側ヒンジ装置を下側取付ベースに装着した斜視図である。
【図2】同上の下側ヒンジ装置の斜視図である。
【図3】同上の下側ヒンジ装置の他の斜視図である。
【図4】同上の下側ヒンジ装置の分解斜視図である。
【図5】同上の下側取付ベースの斜視図である。
【図6】同上の下側取付ベースの分解斜視図である。
【図7】同上の下側ヒンジ装置を途中まで開いた斜視図である。
【図8】同上の下側ヒンジ装置を全開にした斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態の上側ヒンジ装置の斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態の上側取付ベースの斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態のヒンジ装置を用いて扉を扉枠に取り付けた状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0012】
図11は、本発明の一実施形態のヒンジ装置を扉100と扉枠110の間に取り付け、この扉100を全閉状態にした正面図である。本文中において用いる上下、前後、左右等の各方向は、この全閉状態を基準とする。
【0013】
本実施形態では、ヒンジ装置として下側ヒンジ装置Aと上側ヒンジ装置Bを備え、下側ヒンジ装置Aによって扉100と扉枠110の下部同士を回動自在に連結させ、上側ヒンジ装置Bによって扉100と扉枠110の上部同士を回動自在に連結させる。
【0014】
下側ヒンジ装置Aと上側ヒンジ装置Bの構造は、略同様の構造を上下反転させたものとなっている。したがって、まず下側ヒンジ装置Aの構造について詳しく述べる。なお、図1〜図8には、下側ヒンジ装置Aやこれと共に用いる下側取付ベース60を示し、図9や図10に、上側ヒンジ装置Bやこれと共に用いる上側取付ベース80を示す。
【0015】
図2〜図4等に示すように、下側ヒンジ装置Aは、第一回転軸5まわりに回転自在に連結された可動ブロック2と固定ブロック1を備える。可動ブロック2はさらに、中間ブロック3と扉側ブロック4からなる。中間ブロック3は、固定ブロック1に対して第一回転軸5まわりに回転自在に連結されるブロックであり、扉側ブロック4は、この中間ブロック3に対して第二回転軸6まわりに回転自在に連結されるブロックである。第一回転軸5と第二回転軸6は、共に鉛直方向を軸方向とした縦軸であり、位置をずらして配置される。
【0016】
図4の分解斜視図で示すように、固定ブロック1では、共に平板状である位置調整プレート7、位置調整ベース8及び位置調整ベースカバー9を、互いの厚み方向(即ち上下方向)に積層させて、位置調整プレート部10を構成している。この位置調整プレート部10の周囲を、側部カバー11で覆っている。位置調整プレート部10には、水平プレート12と鉛直プレート13をL字状に連続して有する枠側連結具14が、左右調整用のカム機構を介して左右スライド自在に連結される。具体的には、位置調整プレート7にカム孔15を設け、枠側連結具14の水平プレート12上にカム板16を回転自在に支持し、このカム板16をカム孔15内に配することで、左右調整用のカム機構を形成している。
【0017】
カム板16にはドライバ溝として十字溝を設けており、位置調整ベース8と位置調整ベースカバー9には、この十字溝に外部からドライバ先端を挿入するための位置調整窓17,18を、それぞれ設けている。これら十字溝や位置調整窓17,18により、カム板16を外部から回転操作するためのカム操作部が形成される。
【0018】
また、位置調整プレート7には、左右調整用の固定ネジ19を挿通させる挿通孔20を設けている。この固定ネジ19の先端を水平プレート12に螺合させ、固定ネジ19の頭部と水平プレート12との間で位置調整プレート7を挟持することで、位置調整プレート部10の左右位置が固定される。
【0019】
固定ネジ19の頭部にはドライバ溝として十字溝を設けており、位置調整ベース8と位置調整ベースカバー9には、この十字溝に外部からドライバ先端を挿入するための固定操作窓21,22を設けている。これら十字溝や固定操作窓21,22により、固定ネジ19を外部から回転操作するための固定操作部が形成される。
【0020】
また、水平プレート12のガイド孔24を通じて下方から位置調整用軸23を挿入し、この位置調整用軸23の先端を位置調整プレート7に固定することで、位置調整プレート部10の左右方向のスライドがガイドされるように設けている。
【0021】
位置調整ベースカバー9には、第一回転軸5が挿入される第一回転軸挿入孔25と、この第一回転軸挿入孔25(即ち第一回転軸5)を中心とした第一円弧状長孔26を貫通形成している。第一円弧状長孔26は、その端部に折れ曲がり部分27を有している。位置調整ベース8や位置調整プレート7においても、連通する箇所に同様の孔部を形成している。
【0022】
枠側連結具14の鉛直プレート13には、一対の位置固定孔28と位置調整窓29が貫通形成されており、さらに、長片状の仮保持解除片50が回転自在に装着されている。水平プレート12からは、位置調整用軸23の下部がガイド孔24を通じて突出される。
【0023】
この鉛直プレート13には、図5、図6に示す下側取付ベース60が仮保持及び本固定される。下側取付ベース60の構造については後述する。
【0024】
中間ブロック3では、共に平板状である中間プレートスペーサ30、中間プレート31、小プレート32及び中間プレートカバー33を、互いの厚み方向に積層させ、その周囲を側部カバー34で覆っている。
【0025】
中間プレートカバー33と中間プレート31の間のスペースには、両端に第一係止ピン35と第二係止ピン36を装着するプロペラ状の連動アーム37を、中央の回転軸部38まわりに回転自在に配している。第一係止ピン35は、中間プレート31と中間プレートスペーサ30に設けた長孔を通じて下向き、つまり固定ブロック1側に突出するように配置される。第二係止ピン36は、中間プレートカバー33に設けた長孔を通じて上向き、つまり扉側ブロック4側に突出するように配置される。
【0026】
中間ブロック3には、中間プレートスペーサ30、中間プレート31及び小プレート32を貫くようにピン状の第一回転軸5が連結され、この第一回転軸5の下部が固定ブロック1側に突出される。また、中間ブロック3には、中間プレート31、小プレート32及び中間プレートカバー33を貫くように第二回転軸6が連結され、この第二回転軸6の上部が扉側ブロック4側に突出される。
【0027】
扉側ブロック4では、扉側取付プレートカバー40、扉側第一取付プレート41及び扉側第二取付プレート42を厚み方向に積層させて扉側取付プレート部44を形成し、この扉側取付プレートカバー40に、枠状の扉側連結具43を装着している。扉側連結具43からは、固定ブロック1側にむけてスカート片45を延設している。スカート片45には、切り欠き窓46を設けている。
【0028】
扉側取付プレートカバー40には、ピン状の第二回転軸6が回動自在に挿入される第二回転軸挿入孔47と、この第二回転軸挿入孔47(即ち第二回転軸6)を中心とした第二円弧状長孔48を貫通形成している。第二円弧状長孔48は、その端部に折れ曲がり部分49を有している。また、扉側第二取付プレート42と扉側第一取付プレート41においても、連通する箇所に同様の孔部を形成している。
【0029】
以上のようにして、下側ヒンジ装置Aの固定ブロック1及び可動ブロック2が形成される。下側ヒンジ装置Aは、前述のように下側取付ベース60を介して、扉枠110に取付固定される。
【0030】
下側取付ベース60では、図5や図6に示すように、前後調整用の位置調整プレート61、位置調整スペーサ62及び枠側取付ベース63を、互いの厚み方向(左右方向)に積層させている。
【0031】
位置調整プレート61と位置調整スペーサ62は、前後調整用のカム機構を介して、金属製の枠側取付ベース63に対して前後スライド自在に連結される。具体的には、位置調整プレート61にカム孔64を設け、枠側取付ベース63にカム板65を回転自在に支持させ、このカム板65をカム孔64内に配することで、前後調整用のカム機構を形成している。カム板65にはドライバ溝として十字溝を設けており、固定ブロック1の枠側連結具14に下側取付ベース60を装着したときには、枠側連結具14の位置調整窓29を通じて十字溝にドライバ先端を挿入できるように設けている。
【0032】
また、位置調整スペーサ62には、異形ナット75を一対一で嵌合させるナット孔66を、一対設けている。枠側取付ベース63には、異形ナット75の端部が前後スライド自在に収められる一対のスライド孔67を設けている。
【0033】
この異形ナット75に対して、枠側連結具14の位置固定孔28を通じて固定ネジ68をそれぞれ螺合させ、固定ネジ68の頭部と異形ナット75との間で、枠側連結具14と位置調整プレート61を挟持する。これにより、枠側連結具14がその前後位置で固定される。
【0034】
また、位置調整スペーサ62の前後両側の端縁からは、弾性を有する係止爪片69をそれぞれ同一方向に突設している。この係止爪片69は、位置調整スペーサ62に対して枠側連結具14の鉛直プレート13を仮保持するための仮保持構造として機能する。この一対の係止爪片69のうち一方は、枠側連結具14に装着された状態において仮保持解除片50を回転操作すれば、仮保持解除片50の端部が当って押し広がり、爪部分による仮保持が解除されるように設けている。解除機構をなす仮保持解除片50の回転中心部には、外部から解除操作を行うための解除操作部70として、ドライバ先端が挿入される十字溝を設けている。
【0035】
さらに、位置調整プレート61の下端からは水平片71を延設しており、この水平片71の先端部に載置台72を設けている。載置台72の上面には、金属部材からなる位置決め係合部73を設けている。位置決め係合部73は、平面視において左右方向を長手方向とした長穴状の凹溝を有している。この載置台72の上面には、下側ヒンジ装置Aが有する枠側連結具14の水平プレート12が載置される。このとき、位置決め係合部73の凹溝内には、被係合部となる位置調整用軸23の下部(図3参照)が挿入される。位置決め係合部73をなす金属部材(ひいてはこれに載置される下側ヒンジ装置A)は、載置台72の側面に設けた上下調整ネジ74を正逆回転させることによって、上下位置調整される。
【0036】
以上、下側ヒンジ装置Aとこれに装着する下側取付ベース60の構造について説明した。次に、上側ヒンジ装置Bとこれに装着する上側取付ベース80について説明する。
【0037】
図9に示す上側ヒンジ装置Bは、前述したように、下側ヒンジ装置Aの構造を上下反転させた基本構造を有する。したがって、上側ヒンジ装置Bの構造については、下側ヒンジ装置Aと同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0038】
図10に示す上側取付ベース80においても、下側取付ベース60の構造を上下反転させた基本構造を有する。なお、上側取付ベース80では、載置台72の代わりに、中央に切欠部81を備えた二股状の水平片82を備えている。切欠部81は、上側ヒンジ装置Bが備える枠側連結具14から上方に突出する位置調整用軸23が、水平片82と接触しないように逃がす部分となる。上側取付ベース80の他の構造については、下側取付ベース60と同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0039】
上記した下側ヒンジ装置A、下側取付ベース60、上側ヒンジ装置B及び上側取付ベース80を用いて、扉100を扉枠110に回転自在に取り付けるための取付構造が形成される。
【0040】
具体的には、以下に述べるようにして扉100が取り付けられる。まず、扉枠110の内側面下部に、下側取付ベース60の枠側取付ベース63をネジ固定する。このとき、下側取付ベース60の載置台72下面が床面に当接するように設ける(図11参照)。扉枠110の内側面上部には、上側取付ベース80の枠側取付ベース63をネジ固定する。扉枠110に固定された下側取付ベース60と上側取付ベース80とは、基本的な構成が上下反転した配置となる。
【0041】
扉100の吊元側端部の下面及び上面には、それぞれ切欠部分101,102を設けておき、下面側の切欠部分101に、下側ヒンジ装置Aの扉側ブロック4が有する扉側取付プレート部44を、ネジ固定する。同様に、上側の切欠部分102には、上側ヒンジ装置Bの扉側ブロック4が有する扉側取付プレート部44を、ネジ固定する。扉100に固定された下側ヒンジ装置Aと上側ヒンジ装置Bとは、基本的な構成が上下反転した配置となる。
【0042】
ここで、下側ヒンジ装置Aと上側ヒンジ装置Bの両者の可動ブロック2を固定ブロック1に対して所定角度(例えば90°)回転させた状態にセットする。この状態で、扉100の左右方向端部を持ち上げて、まずは下側ヒンジ装置Aの固定ブロック1を、下側取付ベース60の載置台72の上面に載置する。このとき、載置台72に設けた位置決め係合部73の凹溝内に、固定ブロック1から下方に突出する被係合部(つまり位置調整用軸23の下部)が挿入され、扉100の位置決めがなされる。
【0043】
この位置決め部分を支点として、扉100全体を扉枠110側に押し込むことで、下側取付ベース60に備えた一対の係止爪片69間に、下側ヒンジ装置Aが備える枠側連結具14の鉛直プレート13が弾性的に係止される。同様に、上側取付ベース80に備えた一対の係止爪片69間に、上側ヒンジ装置Bが備える枠側連結具14の鉛直プレート13が弾性的に係止される。つまり、位置決め係合部73を支点として扉100全体を押し込む作業により、これら取付構造を介して扉100全体が扉枠110に仮保持される。
【0044】
この仮保持状態において、取付構造を介して扉100を扉枠110に本固定する。具体的には、下側ヒンジ装置Aが備える枠側連結具14の鉛直プレート13に設けた位置固定孔28から固定ネジ68を挿入し、これを下側取付ベース60の異形ナット75に螺合させる。これにより、下側ヒンジ装置Aの枠側連結具14が下側取付ベース60に固定される。同様に、上側ヒンジ装置Bにおいても、位置固定孔28から固定ネジ68を挿入して異形ナット75に螺合させることで、上側ヒンジ装置Bの枠側連結具14が上側取付ベース80に固定される。
【0045】
即ち、下側取付ベース60と上側取付ベース80において、一対の係止爪片69が仮保持構造として機能し、ナット孔66やここに嵌合される異形ナット75が、本固定構造として機能する。
【0046】
以上のように、本実施形態の取付構造では、下側取付ベース60と上側取付ベース80に設けた仮保持構造や本固定構造を利用することによって、仮に作業者が一人であっても扉100を簡単に取り付けられるようになっている。
【0047】
ここで、扉枠110に取り付けられた扉100の開閉動作、即ち下側ヒンジ装置Aや上側ヒンジ装置Bの開閉動作について述べる。本実施形態の下側ヒンジ装置Aや上側ヒンジ装置Bの基本的な動作は、特開2005−146625号公報に記載のものと同様であり、扉100が全閉位置にあるときには、図1に示すように固定ブロック1と可動ブロック2は完全に重なった状態となる。
【0048】
図1の全閉位置では、中間ブロック3から下方に突出した第一係止ピン35の先端部分が、固定ブロック2の第一円弧状長孔26の吊元側端部に位置する。また、中間ブロック3から上方に突出した第二係止ピン36の先端部分が、扉側ブロック4の第二円弧状長孔48の折れ曲がり部分49端部に位置する。
【0049】
上記の全閉位置から扉100を開けると、扉側ブロック4は第二回転軸6まわりに回転することなく、中間ブロック3と一体に固定ブロック1に対して第一回転軸5まわりに回転する。これは、第二係止ピン36が第二円弧状長孔48の折れ曲がり部分49端部に位置しているためである。連動アーム37を含む中間ブロック3と扉側ブロック4とは、重なったまま第一回転軸5まわりに回転する。このとき、第一係止ピン35は第一円弧状長孔26内をスライド移動する。そして、図7に示す規定角度の位置にて、第一係止ピン35が第一円弧状長孔26と折れ曲がり部分27との交差部分に当接し、中間ブロック3は回転を停止する。
【0050】
図7の状態からさらに扉100を開けると、中間ブロック3はこれ以上回転できないため、扉側ブロック4には第二回転軸6まわりに回転しようとする力が働く。この力により、第二円弧状長孔48の折れ曲がり部分49が第二係止ピン36を押し出し、連動アーム37を回転させながら、第二円弧状長孔48と折れ曲がり部分49との交差部分にまで第二係止ピン36を移動させる。つまり、扉側ブロック4の中間ブロック3に対する回転ロックが解除され、扉側ブロック4は中間ブロック3に対して第二回転軸6まわりに回転自在となる。このとき、連動アーム37の回転によって第一係止ピン35は第一円弧状長孔26の折れ曲がり部分27端部にまでスライド移動し、固定ブロック1に対する中間ブロック3の回転をロックする。扉側ブロック4は、図8に示す位置にまでそのまま90°回動される。
【0051】
上記の動作をまとめると、図1の全閉位置から図7に示すような規定角度に至るまでは、中間ブロック3に対して連動アーム37が動作せず、第一係止ピン35が第一円弧状長孔26内をスライド移動しながら、中間ブロック3と扉側ブロック4が第一回転軸5まわりに一体回転する。規定角度からさらに回転する方向に力を加えれば、中間ブロック3に対して連動アーム37が回動し、固定ブロック1に対する中間ブロック3の回転をロックし、中間ブロック3に対する扉側ブロック4の回転ロックを解除する。つまり、第二回転軸6を中心に扉側ブロック4だけがさらに回転する動作となる。
【0052】
これらの構造により、本実施形態の回転規制機構が構成される。この回転規制機構は、中間ブロック3の第一回転軸5まわりの回転が規定角度に至るまでは扉側ブロック4の第二回転軸6まわりの回転を禁止させ、規定角度に至れば第二回転軸6まわりの回転を可能にするものである。他の機構によってこの回転規制を実現しても構わない。
【0053】
図8に示す全開放状態から扉100を閉じると、上記動作と逆の順序で各部材が動作する。つまり、まずは固定ブロック1に対して中間ブロック3が回転ロックされた状態で扉側ブロック4のみが回転する。扉側ブロック4が中間ブロック3に重なる位置にまで至れば、今度は中間ブロック3に対して扉側ブロック4が回転ロックされ、固定ブロック1に対して中間ブロック3と扉側ブロック4が一体回転する。
【0054】
次に、扉枠110に取り付けた状態で扉100の位置調整を行うための構造や手順について説明する。
【0055】
本実施形態では、上記したように、下側ヒンジ装置A及び上側ヒンジ装置Bがそれぞれ備える固定ブロック1に、カム板16の回転によって可動ブロック2ひいては扉100の左右位置調整を行うカム機構を備えている。また、下側取付ベース60及び上側取付ベース80には、カム板65の回転によって扉100の前後位置調整を行うカム機構を備えている。下側取付ベース60の載置台72には、扉100の上下位置調整を行うための昇降機構を備えている。以下、これら位置調整用の機構について順に述べる。
【0056】
左右位置調整用のカム機構は、固定ブロック1の位置調整窓17,18を通じてカム板16の十字溝にドライバ先端を挿入し、カム板16を回転操作することによって位置調整プレート7を左右方向に位置調整するものである。これら位置調整窓17,18や十字溝からなる左右方向のカム操作部は、図1に示す全閉位置では、中間ブロック3と扉側ブロック4に覆われて操作不能である。また、固定操作窓21,22や固定ネジ19からなる固定操作部も、図1の全閉位置では中間ブロック3と扉側ブロック4に覆われて操作不能である。
【0057】
一方、中間ブロック3と扉側ブロック4が、全閉位置から所定角度を超えて図7の規定角度に至ったときに、このカム操作部と固定操作部が露出するように設けている。左右位置調整を行う場合は、扉100を開いてカム操作部と固定操作部を露出させ、まず固定操作部の固定ネジ19を緩めて固定状態を解除する。そのうえで、カム操作部の十字溝にドライバ先端を挿入し、カム板16を回転させることで左右位置調整を行い、再び固定ネジ19を締めてその左右位置を固定する。
【0058】
前後位置調整用のカム機構は、枠側連結具14の位置調整窓29を通じてカム板65の十字溝にドライバ先端を挿入し、カム板65を回転操作することによって、位置調整プレート61や位置調整スペーサ62を前後方向に位置調整するものである。これら位置調整窓29や十字溝からなる前後方向の位置調整部は、図1の全閉位置では、扉100に隠れて操作不能となる。
【0059】
一方、中間ブロック3と扉側ブロック4が、全閉位置から所定角度を超えて図7の規定角度に至ったときに、この前後方向のカム操作部が露出するように設けている。したがって、前後位置調整を行う場合は、扉100を開いて前後方向のカム操作部を露出させておき、カム操作部の十字溝にドライバ先端を挿入し、カム板65を回転させることで前後位置調整を行う。
【0060】
上下位置調整用の昇降機構は、下側取付ベース60の載置台72に設けた上下調整ネジ74の十字溝内にドライバ先端を挿入して回転させることにより、位置決め係合部73をなす金属部材を昇降させ、上下の位置調整を行うものである。
【0061】
以上のように、本実施形態の取付構造によれば、作業者が一人であっても前後、左右、上下の位置調整を簡単に行うことができる。特に、扉100の荷重を、隣接する各ブロック1,3,4間の対向面等で受けさせたうえで、固定ブロック1内にてカム板16を縦軸中心に回転させ、位置調整プレート部10を水平方向に移動させて位置調整を行うことができるので、小さな力での位置調整が可能となる。
【0062】
なお、本実施形態では固定ブロック1内のカム機構を左右位置調整用としているが、前後位置調整用となるように設けてもよい。また、固定ブロック1内に左右位置調整用のカム機構と前後位置調整用のカム機構の両方を備えてもよい。
【0063】
次に、扉100を扉枠110から取り外すための構造や手順について説明する。
【0064】
本実施形態では、上述したように、下側ヒンジ装置Aの固定ブロック1が備える枠側連結具14に仮保持解除片50を備えることによって、下側ヒンジ装置Aを仮保持状態から解除する解除手段を構成している。同様に、上側ヒンジ装置Bにおいても、固定ブロック1が備える枠側連結具14に仮保持解除片50を備えることによって、上側ヒンジ装置Bを仮保持状態から解除する解除手段を構成している。
【0065】
これら仮保持解除片50を回転操作するための十字溝からなる解除操作部70は、図1の全閉位置では、扉100に隠れて操作不能となる。一方、中間ブロック3と扉側ブロック4が、全閉位置から所定角度を超えて図7の規定角度に至ったとき、そして、さらに扉100を開いて図8の全開位置に至っときに、解除操作部70が露出するように設けている。なお、図8に示すように、全開状態においては扉側ブロック4が固定ブロック1よりも前方(扉100を開く方向)に位置し、且つ逆方向を向くように設けている。
【0066】
扉100を取り外すときは、扉100を開けて固定ネジ68とこの解除操作部70を露出させ、固定ネジ68を外して本固定を解除したうえで、この解除操作部70の十字溝にドライバ先端を挿入し、仮保持解除片50を回転操作すればよい。回転された仮保持解除片50は、係止爪片69の爪部分を外側に押し広げ、仮保持状態を解除させる。そして、位置決め係合部73を支点として扉100全体を動かすことにより、簡単に扉100を取り外すことができる。
【0067】
以上説明したように、本実施形態のヒンジ装置は、縦軸まわりに回転自在に連結された可動ブロック2と固定ブロック1を備える。可動ブロック2を扉100の上端面又は下端面に固定し、固定ブロック1を扉枠110側に固定し、可動ブロック2と固定ブロック1を上下方向に対向する互いの対向面で摺接させて用いる。そして、固定ブロック1は、カム板16の回転によって可動ブロック2を水平面上にて位置調整するカム機構を有する。
【0068】
本実施形態のヒンジ装置は、扉100の荷重をカム機構の部分によって直接的に受けるものではない。そのため、カム機構のカム板16を回転させて可動ブロック2を水平方向に移動させるために大きなトルクが必要でなく、作業者一人でも簡単に扉100の位置調整を行うことができる。
【0069】
また、本実施形態の固定ブロック1は、カム板16を外部から回転操作するためのカム操作部と、カム板16の回転に伴って水平面上で位置調整される位置調整プレート部10とを有する。そして、可動ブロック2が全閉位置にあるときはこの可動ブロック2がカム操作部を隠し、可動ブロック2が全閉位置から所定角度を超えて回転したときにはカム操作部を露出させるように設けている。
【0070】
これにより、通常は目に付き難い箇所にカム操作部をコンパクトに形成することができ、しかもこのカム操作部を用いて簡単に位置調整を行うことが可能となる。
【0071】
そして、このカム機構は、可動ブロック2を左右方向に位置調整するものである。つまり、本実施形態のヒンジ装置によれば、作業者一人でも簡単に扉100の左右位置調整を行うことが可能となる。
【0072】
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 固定ブロック
2 可動ブロック
3 中間ブロック
4 扉側ブロック
5 第一回転軸
6 第二回転軸
10 位置調整プレート部
14 枠側連結具
16 カム板
43 扉側連結具
50 仮保持解除片
60 下側取付ベース
64 カム孔
69 係止爪片
70 解除操作部
72 載置台
73 位置決め係合部
80 上側取付ベース
100 扉
110 扉枠
A 上側ヒンジ装置
B 下側ヒンジ装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦軸まわりに回転自在に連結された可動ブロックと固定ブロックを備え、前記可動ブロックを扉の上端面又は下端面に固定し、前記固定ブロックを扉枠側に固定し、前記可動ブロックと前記固定ブロックを上下方向に対向する互いの対向面で摺接させて用いるヒンジ装置であって、
前記固定ブロックは、カム板の回転によって前記可動ブロックを水平面上にて位置調整するカム機構を有することを特徴とするヒンジ装置。
【請求項2】
前記固定ブロックは、
前記カム板を外部から回転操作するためのカム操作部と、
前記カム板の回転に伴って水平面上で位置調整される位置調整プレート部とを有し、
前記可動ブロックが全閉位置にあるときはこの可動ブロックが前記カム操作部を隠し、
前記可動ブロックが前記全閉位置から所定角度を超えて回転したときには前記カム操作部を露出させるものであることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
【請求項3】
前記カム機構は、前記可動ブロックを左右方向に位置調整するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒンジ装置。
【請求項1】
縦軸まわりに回転自在に連結された可動ブロックと固定ブロックを備え、前記可動ブロックを扉の上端面又は下端面に固定し、前記固定ブロックを扉枠側に固定し、前記可動ブロックと前記固定ブロックを上下方向に対向する互いの対向面で摺接させて用いるヒンジ装置であって、
前記固定ブロックは、カム板の回転によって前記可動ブロックを水平面上にて位置調整するカム機構を有することを特徴とするヒンジ装置。
【請求項2】
前記固定ブロックは、
前記カム板を外部から回転操作するためのカム操作部と、
前記カム板の回転に伴って水平面上で位置調整される位置調整プレート部とを有し、
前記可動ブロックが全閉位置にあるときはこの可動ブロックが前記カム操作部を隠し、
前記可動ブロックが前記全閉位置から所定角度を超えて回転したときには前記カム操作部を露出させるものであることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
【請求項3】
前記カム機構は、前記可動ブロックを左右方向に位置調整するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒンジ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−91901(P2013−91901A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232661(P2011−232661)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【出願人】(000196314)株式会社ニシムラ (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【出願人】(000196314)株式会社ニシムラ (13)
【Fターム(参考)】
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