説明

ヒートパイプ核分裂燃料部材

原子核分裂核燃料部材、システム、アプリケーション、装置、および方法に関する実施例を提供する。本発明の実施例は、原子核分裂核燃料部材、ヒートパイプアッセンブリー、ヒートパイプ、原子核分裂核燃料部材の製造方法、およびヒートパイプアッセンブリーの製造方法などを含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、核分裂燃料部材、並びに、核分裂燃料部材に関するシステム、アプリケーション、装置および方法に関する。
【0002】
〔発明の概要〕
本明細書では、核分裂燃料部材、並びに、核分裂燃料部材に関するシステム、アプリケーション、装置および方法の実施例を提示する。本発明の実施例および概念は、核分裂燃料部材、ヒートパイプ部品、ヒートパイプ、核分裂燃料部材の製造方法、ヒートパイプ部品の製造方法などを含むが、これに限定されるものではない。
【0003】
上記の概要は単なる例示であり、本発明を限定するものではない。また、上記の概念、実施例および特徴に加えて、図面および下記の詳細な説明を参酌することにより、更なる概念、実施例および特徴が明白になるであろう。
【0004】
〔図面の簡単な説明〕
図1Aは、一実施形態に係る核分裂燃料部材の概略的な外観を示す斜視図である。
【0005】
図1Bは、図1Aで示される核分裂燃料部材の細部の概略的な外観を示す斜視図である。
【0006】
図2Aは、核分裂燃料部材の一例の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【0007】
図2Bは、核分裂燃料部材の別例の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【0008】
図2Cは、核分裂燃料部材のさらに別例の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【0009】
図2Dは、核分裂燃料部材のさらに別例の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【0010】
図3Aは、図2A〜2Dで示した核分裂燃料部材の形態の一部の概略的な形状を示す切欠端面図である。
【0011】
図3Bは、図3Aで示した部分の詳細を示す図である。
【0012】
図4Aは、ヒートパイプの一例の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【0013】
図4Bは、ヒートパイプの別例の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【0014】
図4Cは、ヒートパイプのさらに別例の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【0015】
図4Dは、ヒートパイプのさらに別例の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【0016】
図5Aは、図4A〜4Dで示したヒートパイプの形態の一部の概略的な形状を示す切欠端面図である。
【0017】
図5Bは、図5Aで示した部分の詳細を示す図である。
【0018】
図5Cは、図4A〜4Dのヒートパイプの別の形態の一部の概略的な形状を示す切欠端面図である。
【0019】
図6は、図4A〜4Dのヒートパイプの別の形態の一部の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【0020】
図7Aは、核分裂燃料部材の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【0021】
図7Bは、図7Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【0022】
図7Cは、図7Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【0023】
図7Dは、図7Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【0024】
図7Eは、図7Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【0025】
図7Fは、図7Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【0026】
図7Gは、図7Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【0027】
図7Hは、図7Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【0028】
図7Iは、図7Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【0029】
図8Aは、ヒートパイプ部品の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【0030】
図8Bは、図8Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【0031】
図8Cは、図8Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【0032】
図8Dは、図8Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【0033】
図8Eは、図8Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【0034】
図8Fは、図8Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【0035】
図8Gは、図8Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【0036】
図8Hは、図8Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【0037】
〔詳細な説明〕
以下の詳細な説明において、添付の図面を参照する。これらの図面は、詳細な説明の一部をなす。図面において、明細書中で異なるものを指示していない場合、同じ部材には同じ符号を付している。詳細な説明、図面および特許請求の範囲で述べる実施例は、本発明を限定するものではない。ここで述べた主題の目的および趣旨から逸脱しない範囲で、他の実施例や変形例を用いてもよい。
【0038】
上記の概略のように、本発明の実施形態は、核分裂燃料部材、並びに、核分裂燃料部材に関するシステム、アプリケーション、装置および方法を提供するものである。本発明の実施形態および概念は、核分裂燃料部材、ヒートパイプ部品、ヒートパイプ、核分裂燃料部材の製造方法、ヒートパイプ部品の製造方法などを含むが、これに限定されるものではない。
【0039】
上記の概略のように、限定されない実施例として、少なくとも一つのヒートパイプが配置された核分裂燃料部材であってもよいし、核分裂燃料部材を有するヒートパイプであってもよい。
【0040】
図1Aを参照して一実施例としての核分裂燃料部材10を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。核分裂燃料部材10は核分裂燃料材料12を含む。核分裂燃料材料12の中には、ヒートパイプの少なくとも一部14(図中では破線で示す)が配置されている。
【0041】
核分裂燃料材料12は特に限定されるものでない。核分裂燃料材料12は、特定のアプリケーションにとって望まれるあらゆるタイプの核分裂燃料材料であってもよい。したがって、核分裂燃料材料12は、金属、化合物、合金、あるいはこれらの組み合わせの形態であってもよい。核分裂燃料材料12は、中性子スペクトルを用いるいかなるタイプの核分裂原子炉で使用されてもよい。例えば、核分裂燃料材料12は、熱中性子スペクトルを有する核分裂原子炉で使用されてもよい。また、核分裂燃料材料12は、高速中性子スペクトルを有する核分裂原子炉で使用されてもよい。
【0042】
また、核分裂燃料材料12は、増殖炉で使用されてもよい。上記増殖炉としては、例えば核分裂爆燃波高速増殖炉のような高速増殖炉が挙げられるが、これに限定されるものではない。核分裂爆燃波高速増殖炉については、米国特許出願番号11/605,943(発明の名称:「AUTOMATED NUCLEAR POWER REACTOR FOR LONG-TERM OPERATION」、発明者:RODERICK A. HYDE, MURIEL Y. ISHIKAWA, NATHAN P. MYHRVOLD, AND LOWEILL. WOOD, JR. 、出願日:2006年11月28日)に示されている。核分裂燃料材料12は、核分裂性物質および/または燃料親物質を含んでいてもよい。例えば、核分裂性物質は、233U、235Uおよび/または239Puを含んでいてもよい。また、燃料親物質は、232Thおよび/または238Uを含んでいてもよい。
【0043】
また、核分裂燃料部材10の配置は何ら限定されるものではない。本明細書で図示される配置構成は、例示した目的のためだけに使用されるものである。核分裂燃料部材10の配置構成は、特定の配置に限定されるものではない。
【0044】
図1Bに示されるように、核分裂燃料材料12に孔18を形成してもよい。孔18は、核分裂燃料材料12の少なくとも一部14を通る通路であってもよい。また、孔18の表面20は、ヒートパイプ16(図1A)の一部14(図1A)の壁であってもよい。孔18は、何らかの適切な方法で形成される。例えば、孔18は、核分裂燃料材料12を何らかの方法で機械的に加工することで所望の形状に形成される。例えば、ドリル加工(drilling)、切削加工(milling)、プレス加工(stamping)などの方法を用いてもよい。または、心棒(mandrel)のような形状を有する型の周囲に核分裂燃料材料12の少なくとも一部22を形成することにより孔18を形成してもよい。なお、ここでは心棒を例示したがこれに限定されるものではない。このような形成は、溶接(welding)、鋳造(casting)、電気めっき、プレス、モールディングなどの所望の方法で実現することができる。ただし、これらの方法に限定されるものではない。
【0045】
図2A〜図2Dに示すように、ヒートパイプ16の壁24は核分裂燃料材料12の孔18から延びており、表面20の延長部分としての役割を果たす。孔18は実質的に密閉されていてもよい。壁24は、高温操作および/または中性子束環境に適した所望の材料で作製される。壁24は、特に限定されるものではないが、鋼、ニオブ、バナジウム、チタニウム、耐火性金属、および/または、耐火性合金の何れか一つまたは複数により作製されてもよい。耐火性金属の例としては、ニオブ、タンタル、タングステン、ハフニウム、レニウム、または、モリブデンがあるが、これに限定されるものではない。耐火性合金の例としては、米国特許公報6,902,809号に開示されているようなレニウム−タンタル合金や、タンタル合金T−111、モリブデン合金TZM、タングステン合金MT−185、ニオブ合金Nb−1Zrなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
ヒートパイプ16の毛管構造26は孔18の少なくとも一部の内部に形成される。ツまり、表面20は毛管構造26の一部を囲む壁となる。毛管構造26は、核分裂燃料材料12の外部に配置され、壁24により囲まれたヒートパイプ16の内部に形成されていてもよい。毛管構造は灯心(wick)を有していてもよい。上記灯心としては、トリウム、モリブデン、タングステン、鋼、タンタル、ジルコニウム、カーボン、および、耐火性金属などの所望の適した材料で作製される。
【0047】
図3Aおよび図3Bに概略的に示したように、毛管構造26は軸の回りに設けられた複数の溝28であってもよい。各溝28はランド(land)30によって分離されている。溝28の内部に複数の溝32を更に設けてもよい。各溝32は、2つのランド34により、あるいはランド30の1つとランド34の1つとにより、互いに分離されている。溝28および溝32の形成方法については、特に限定されるものではないが、例えば、機械加工、エッチング、鋳造、絞り加工、あるいは他の方法などを用いることができる。
【0048】
図2A〜図2Dおよび図3Bに示したように、作動流体36(図3B参照)はヒートパイプ16内に供給される。作動流体36は蒸発可能かつ凝縮可能である。作動流体36としては、特に限定されるものではないが、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム、カリウムなどを用いることができる。図2A〜図2Dに示した例では、ヒートパイプ16は、蒸発部38と凝縮部40とを含んでいる。図2Aおよび図2Cに示したように、蒸発部38は、完全にあるいは実質的に原子核分裂燃料材料12内に配置されていてもよい。ただし、蒸発部38は、必ずしも、完全にあるいは実質的に原子核分裂燃料材料12内に配置される必要はない。図2Bおよび図2Dに示したように、蒸発部38の少なくとも一部が原子核分裂燃料材料12の外部に配置されていてもよい。図2A〜図2Dに示したように、凝縮部40は完全に原子核分裂燃料材料12の外部に配置されていていてもよい。しかしながら、これに限らず、凝縮部40の一部または全部が原子核分裂燃料材料12内に設けられていてもよい。図2A〜図2Dに矢印44で示したように、原子核分裂燃料材料12からの熱は蒸発部40に伝達される。蒸発部38内の作動流体は、矢印46で示したように、蒸発して液体から気体に相変化する。気体状態の作動流体36は、矢印48で示したように、ヒートパイプ16内を蒸発部38から凝縮部40へ移動する(断熱部42が設けられている場合には蒸発部38から断熱部42を介して凝縮部40へ移動する)。凝縮部40では、矢印50で示したように、作動流体36からの熱はヒートパイプ16の外部へ伝達される。凝縮部40内の作動流体36は、矢印52で示したように、凝縮して気体から液体へ相変化する。液体状態の作動流体36は、矢印54で示したように、毛管構造26における毛管現象により凝縮部40から蒸発部38へ戻される。図4Cおよび図4Dのように断熱材42が設けられている場合には、作動流体36は、この断熱材42を通って凝縮部40から蒸発部38へ戻される。
【0049】
したがって、図1A、図1B、図2A〜図2Dに示したヒートパイプアッセンブリー(ヒートパイプ構造体)は、ヒートパイプ16および原子核分裂燃料材料12を含むヒートパイプアッセンブリーであってもよい。上述したように、原子核分裂燃料材料12にはヒートパイプ16が不可欠であり、原子核分裂燃料材料12はヒートパイプ16と熱交換を行えるように配置されている。すなわち、原子核分裂燃料材料12には孔18が形成されており、この孔18内にヒートパイプ16の少なくとも一部14が配置される。
【0050】
図4A〜図4Dに示すように、ヒートパイプアッセンブリー60がヒートパイプ装置62を備えていてもよい。このヒートパイプ装置62は、壁部63を備えている。
詳細は後述するが、原子核分裂燃料材料64にはヒートパイプ装置62が備えられており、原子核分裂燃料材料64はヒートパイプ装置62と熱交換を行えるように配置されている。
原子核分裂燃料材料64としては上述した原子核分裂燃料材料12(図1A、図1B、および図2A〜図2Dに示した原子核分裂燃料材料12)と同様のものを用いることができる。ここではその詳細な説明は省略する。
【0051】
ヒートパイプアッセンブリー60は、原子核分裂核燃料部材10(図1A、図1B、図2A〜図2D、図3A、および図3B参照)と共通の特徴点をいくつか有している。共通の特徴点には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0052】
ヒートパイプ装置62には孔66が設けられている。原子核分裂燃料材料64はこの孔66の少なくとも一部の内部に配置されていてもよい。例えば、図5Aおよび図5Bに示すように、原子核分裂燃料材料64は毛管構造26内に配置されていてもよい。
【0053】
ただし、原子核分裂燃料材料64は、必ずしも毛管構造26内に配置されている必要はなく、孔66内のどの位置に配置されていてもよい。また、図5Cに示すように、原子核分裂燃料材料64は孔64内における、原子核分裂燃料材料64を適切な位置に保持するための1または複数の支持構造67上に配置されていてもよい。付加的な毛管構造26aが原子核分裂燃料材料64の外面に設けられている。支持構造67の少なくとも1つは、原子核分裂燃料材料64の外面に設けられた毛管構造26aと孔66の表面に設けられた毛管構造26との間で毛管現象によって液体状態の作動流体を輸送することができる、流路や毛管構造などの液体の輸送構造である。
【0054】
ヒートパイプ62は、蒸発部38および凝縮部40を備えている。図4Aおよび図4Cに示したように、原子核分裂燃料材料64は、完全にあるいは実質的に蒸発部38内に配置されていてもよい。ただし、蒸発部38は、必ずしも、完全にあるいは実質的に原子核分裂燃料材料64内に配置される必要はない。図4Bおよび図4Dに示したように、原子核分裂燃料材料64の少なくとも一部が蒸発部38の外部に配置されていてもよい。原子核分裂燃料材料64が孔構造を有していてもよい。また、原子核分裂燃料材料64は、焼結粉体燃料微細構造(sintered powdered fuel microstructure)、泡微細構造(foam microstructure)、高密度微細構造(high density microstructure)などを有していてもよい。
【0055】
ヒートパイプ62は毛管構造26を備えている。毛管構造26は、上述した構成と同様、表面65におけるランド30の間に形成された溝28を含んでいてもよい。また、毛管構造26は、上述した構成と同様、表面65におけるランド30とランド34との間に形成された溝32を含んでいてもよい。また、孔構造は灯心を有していてもよい。
【0056】
また、ヒートパイプアッセンブリー60は、上述した構成と同様、作動流体36を含んでいてもよい。また、ヒートパイプ装置62は断熱部42(図4Cおよび図4D参照)を含んでいてもよい。
【0057】
図4A〜図4Dに示したように、原子核分裂燃料材料64からの熱は蒸発部40に伝達される。蒸発部38内の作動流体は、矢印46で示したように蒸発し、液体から気体に相変化する。気体状態の作動流体36は、矢印48で示したように、ヒートパイプ装置62内を蒸発部38から凝縮部40へ移動する。(図4Cおよび図4Dのように断熱部42が設けられている場合には蒸発部38から断熱部42を介して凝縮部40へ移動する)。凝縮部40では、矢印50で示したように、作動流体36からの熱はヒートパイプ装置62の外部へ伝達される。凝縮部40内の作動流体36は、矢印52で示したように、凝縮して気体から液体へ相変化する。液体状態の作動流体36は、矢印54で示したように、毛管構造26における毛管現象により凝縮部40から蒸発部38へ戻される。図4Cおよび図4Dのように断熱材42が設けられている場合には、作動流体36は、この断熱材42を通って凝縮部40から蒸発部38へ戻される。
【0058】
図6に示したように、ヒートパイプ装置62aが少なくとも1層の構造材料層68および少なくとも1層の原子核分裂燃料材料層64aを有する壁部63aを備えていてもよい。原子核分裂燃料材料層64aは孔66の外部に配置されていてもよい。なお、簡潔かつ明瞭にするために、構造材料層68および原子核分裂燃料材料層64aをそれぞれ1層だけ備えた構成を示しているが、これに限らず、構造材料層68および原子核分裂燃料材料層64aの数は任意に設定してもよい。構造材料層68は、鋼、ニオブ、バナジウム、チタン、耐火性金属、耐火性合金、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。耐火性金属としては、例えば、ニオブ、タンタル、タングステン、ハフニウム、レニウム、あるいはモリブデンなどが挙げられる。耐火性合金としては、例えば、US特許公報6902809に開示されているレニウム−タンタル合金、タンタル合金T−111、モリブデン合金TZM、タングステン合金MT−185、ニオブ合金Nb−1Zrなどを用いることができる。
【0059】
原子核分裂燃料材料層64aは、完全にあるいは実質的に蒸発部38内に配置されていてもよい。また、原子核分裂燃料材料層64aにおける1または複数の層が、断熱部(断熱部が設けられている場合)の少なくとも一部、および/または凝縮部の少なくとも一部に設けられていてもよい。
【0060】
次に、上述した原子核分裂核燃料部材およびヒートパイプの製造方法について説明する。
【0061】
以下に、処理の流れを示す一連のフローチャートを示す。理解を容易にするために、最初のフローチャートに全体像を示し、以降のフローチャートで変形例および/または上記全体像のサブステップや追加ステップなどの拡張例を示す。当業者であれば、本明細書に示す実施例(例えば最初の全体像を示すフローチャートおよびその後の追加例や詳細例を示すフローチャート)に基づいて、様々な実装例を容易かつ迅速に理解できるだろう。また、当業者であれば、本明細書に示す実施例がモジュール設計の典型例を示すものであることを理解できるだろう。
【0062】
図7Aは、原子核分裂核燃料部材の製造方法80を示している。製造方法80では、まずブロック82で処理を開始する。次に、ブロック84において、原子核分裂核燃料材料を供給する。次に、ブロック86において、原子核分裂核燃料材料内に少なくとも1つのヒートパイプの少なくとも一部を配置する。そして、ブロック88で処理を終了する。
【0063】
ブロック86における原子核分裂核燃料材料内に少なくとも1つのヒートパイプの少なくとも一部を配置する処理は、図7Bに示すように、更なるプロセスを含んでいてもよい。
例えば、ブロック90において原子核分裂核燃料材料の少なくとも一部に孔を形成し、ブロック92において上記孔の少なくとも一部に毛管構造を形成し、ブロック94において作動流体を上記孔に配置してもよい。
【0064】
ブロック90の原子核分裂核燃料材料内に孔を形成する処理を、図7Cのブロック96に示すように、機械加工によって行ってもよい。また、ブロック96における機械加工は、ドリル加工、切削加工、プレス加工、あるいはその他の方法によって行ってもよい。
【0065】
また、ブロック90の原子核分裂核燃料材料内に孔を形成する処理は、図7Dのブロック98に示すように、原子核分裂核燃料材料の少なくとも一部の周囲の形状を加工する処理(限定されるものではないが、例えば心棒形状に加工する処理)を含んでいてもよい。この処理は、例えば、溶接、鋳造、電気メッキ、圧延、型枠成型、あるいはその他の方法によって行われてもよい。
【0066】
また、ブロック92の上記孔の少なくとも一部に毛管構造を形成する処理は、図7Eのブロック100に示すように、上記孔の表面に複数の溝を形成する処理を含んでいてもよい。また、ブロック100における上記孔の表面に複数の溝を形成する処理は、機械加工、エッチング、鋳造、プレス加工、あるいはその他の方法で行うことができる。
【0067】
また、ブロック92の上記孔の少なくとも一部に毛管構造を形成する処理は、図7Fのブロック102に示すように、上記孔の少なくとも一部に灯心を形成する処理であってもよい。
【0068】
また、ブロック86において原子核分裂核燃料材料内に少なくとも1つのヒートパイプの少なくとも一部を配置する処理の前に、図7Gのブロック104に示すように、予め設定されている原子核分裂核燃料部材の出力生成能力に基づいて上記孔のサイズを決定するようにしてもよい。一例として、上記孔の断面積を予め設定された原子核分裂核燃料部材の出力生成値を作動流体における特定の軸方向の熱流量で除算した値に応じて選択してもよい。
【0069】
図7Hに示すように、ブロック86において原子核分裂核燃料材料内に少なくとも1つのヒートパイプの少なくとも一部を配置する前に、ブロック106で予め設計されている作動流体の伝熱特性に基づいて上記孔のサイズを決定するようにしてもよい。例えば、上記孔の断面積をヒートパイプ作動流体からの熱輸送能力の設計値を達成できるように選択してもよい。また、この選択は、作動流体の運用上の蒸気密度、蒸発潜熱、および流速(あるいはマッハ数)を考慮して行ってもよい。また、上記孔の側面の寸法を蒸気流の設計上のレイノルズ数を提供するように選択してもよい。
【0070】
図7Iに示すように、ブロック86において原子核分裂核燃料材料内に少なくとも1つのヒートパイプの少なくとも一部を配置する前に、ブロック108で揮発性の核分裂生成物に基づいて上記孔のサイズを決定するようにしてもよい。例えば、上記孔の容積を、当該容積内での特定量の気体の核分裂生成物の生成による圧力上昇に基づいて選択するようにしてもよい。また、上記孔の容積を、ヒートパイプの伝熱特性上の当該容積内における特定量の気体の核分裂生成物の慣性の影響に応じて選択するようにしてもよい。
【0071】
図8Aは、ヒートパイプアッセンブリーの製造方法110を示している。この製造方法110では、まずブロック112で処理を開始する。次に、ブロック114においてヒートパイプ装置を準備する。次に、ブロック116において原子核分裂核燃料材料をヒートパイプ装置と一体化させてこのヒートパイプ装置と熱交換可能にする。そして、ブロック118で処理を終了する。
【0072】
図8Bに示すように、ヒートパイプ装置を準備するブロック114は更なる工程を含んでいてもよい。例えば、ブロック120において壁部を有するヒートパイプ本体を準備し、ブロック122において上記壁部の少なくとも一部に孔を設け、ブロック124において上記孔の少なくとも一部に毛管構造を設け、ブロック126において上記孔内に作動流体を導入するようにしてもよい。
【0073】
図8Cに示すように、ブロック116における原子核分裂核燃料材料をヒートパイプ装置と熱交換できるようにする処理は、上記壁部の少なくとも一部に原子核分裂核燃料材料を配置するブロック128を含んでいてもよい。また、図8Dに示すように、ブロック116における原子核分裂核燃料材料をヒートパイプ装置と熱交換できるようにする処理は、上記孔の少なくとも一部に原子核分裂核燃料材料を配置するブロック130を含んでいてもよい。
【0074】
図8Eに示すように、ブロック122は機械加工によって壁部に孔を設けるブロック132であってもよい。上記機械加工133は、特に限定されるものではないが、例えば、ドリル加工、切削加工、プレス加工、あるいはその他の方法であってもよい。
【0075】
図8Fに示すように、ブロック122における壁部の少なくとも一部に孔を設ける処理は、型(例えば心棒など)のまわりに壁部を形成するブロック134によって行ってもよい。また、溶接、鋳造、電気めっき、プレス、モールディングなどを用いて行ってもよい。
【0076】
図8Gに示すように、ブロック124における孔の少なくとも一部に毛管構造を形成する処理は、上記孔の表面に複数の溝を形成するブロック136を含んでいてもよい。また、ブロック136における上記孔の表面に複数の溝を形成する処理は、特に限定されるものではないが、例えば、機械加工、エッチング、鋳造、プレス加工などによって行ってもよい。
【0077】
図8Hに示すように、ブロック124における孔の少なくとも一部に毛管構造を形成する処理は、上記孔の少なくとも一部に灯心を設けるブロック138を含んでいていてもよい。
【0078】
本明細書に開示した構成要素(例えばブロック)、装置、および物、並びにそれらに関する説明は本発明を明瞭にするための例示であり、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、様々な変更を施してもよいことは当業者であれば容易に理解できるだろう。すなわち、上述した各例およびその説明は、本発明のより一般的な例を示すことを意図したものである。また、本明細書における例示はそれらの種類を示すためのものであって、それらの例示に含まれない構成要素(例えばブロック)、装置、および物、並びにそれらの説明の適用を制限することを意図したものではない。また、本明細書において単数形および/または複数形で記載した用語は、数量を限定するものではなく、状況および/または適用方法に応じて、複数から単数まで、および/または単数から複数まで適宜変換可能である。単数/複数の変換例については自明なのでここではその例示は省略する。
【0079】
本明細書には本発明の特定の実施例を開示しているが、これらの開示に基づいて、本発明の主題および概念から逸脱しない範囲で変更および修正を行ってもよいことは当業者にとって自明である。また、特許請求の範囲に示した事項は、本発明の主題および概念の範囲内でそのような変更および修正を施したものであり、本明細書に記載した範囲内のものである。また、本発明の範囲は請求項の記載によって定義されている。
【0080】
また、本明細書および請求項に記載されている用語は開放型用語(open term)である(例えば、「〜を含んでいる」という用語は「〜を含んでいるが、それのみに限定されない」という意味であり、「〜を有する」という用語は「〜を有するが、それのみに限定されない」という意味であり、「〜を含む」という用語は「〜を含んでいるが、それのみに限定されない」という意味である)。また、特定の数量を意図している場合には請求項においてそれを明示しており、請求項において数量を明示していない場合には数量は限定されない。例えば、同じ請求項内において「少なくとも1」あるいは「1以上」という表現がある場合、当該請求項内において同じ部材に不定冠詞(”a”および/または”an”)が付されている場合には、「少なくとも1」あるいは「1以上」と解釈すべきである。不定冠詞が付されている場合も同様である。なお、請求項において数量が明示されている場合(例えば「少なくとも2つ」あるいは「2以上」といった他の修飾語を用いずに「2つ」とのみ記載されているような場合)には当該数量を意味すると解釈すべきである。また、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」といった表現が用いられている場合、当該表現は当業者の慣例に基づいて解釈されるべきである(例えば、「A,B,およびCの少なくとも1つを有するシステム」という記載は、Aのみを有するシステム、Bのみを有するシステム、Cのみを有するシステム、AとBとを有するシステム、AとCとを有するシステム、BとCとを有するシステム、および/または、AとBとCとを有するシステムなどを含む。)。また、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」といった表現が用いられている場合、当該表現は当業者の慣例に基づいて解釈されるべきである(例えば、「A,B,またはCの少なくとも1つを有するシステム」という記載は、Aのみを有するシステム、Bのみを有するシステム、Cのみを有するシステム、AとBとを有するシステム、AとCとを有するシステム、BとCとを有するシステム、および/または、AとBとCとを有するシステムなどを含む。)。また、明細書、請求項、および図面における「および/または」という記載は、2つのタームのうちの1つ、2つのタームのうちの一方、あるいは2つのタームの両方を意味し得る。例えば、「Aおよび/またはB」という記載は、「AまたはB」という意味と「AおよびB」という意味とを含む。
【0081】
本明細書には様々な実施例を示したが、他の実施例も実現可能であることは当業者にとって自明である。すなわち、本明細書に示した様々な実施例は本発明の一例であって本発明を限定するものではなく、本発明の範囲および精神は請求項の記載によって定義されている。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1A】図1Aは、一実施形態に係る核分裂燃料部材の概略的な外観を示す斜視図である。
【図1B】図1Bは、図1Aで示される核分裂燃料部材の細部の概略的な外観を示す斜視図である。
【図2A】図2Aは、核分裂燃料部材の一例の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【図2B】図2Bは、核分裂燃料部材の別例の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【図2C】図2Cは、核分裂燃料部材のさらに別例の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【図2D】図2Dは、核分裂燃料部材のさらに別例の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【図3A】図3Aは、図2A〜2Dで示した核分裂燃料部材の形態の一部の概略的な形状を示す切欠端面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aで示した部分の詳細を示す図である。
【図4A】図4Aは、ヒートパイプの一例の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【図4B】図4Bは、ヒートパイプの別例の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【図4C】図4Cは、ヒートパイプのさらに別例の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【図4D】図4Dは、ヒートパイプのさらに別例の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【図5A】図5Aは、図4A〜4Dで示したヒートパイプの形態の一部の概略的な形状を示す切欠端面図である。
【図5B】図5Bは、図5Aで示した部分の詳細を示す図である。
【図5C】図5Cは、図4A〜4Dのヒートパイプの別の形態の一部の概略的な形状を示す切欠端面図である。
【図6】図6は、図4A〜4Dのヒートパイプの別の形態の一部の概略的な形状を示す切欠側面図である。
【図7A】図7Aは、核分裂燃料部材の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【図7B】図7Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【図7C】図7Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【図7D】図7Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【図7E】図7Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【図7F】図7Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【図7G】図7Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【図7H】図7Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【図7I】図7Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【図8A】ヒートパイプ部品の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【図8B】図8Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【図8C】図8Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【図8D】図8Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【図8E】図8Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【図8F】図8Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【図8G】図8Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。
【図8H】図8Aのフローチャートの一部の詳細を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子核分裂核燃料材料と、
少なくとも一部が上記原子核分裂核燃料材料内に配置された少なくとも1つのヒートパイプとを含むことを特徴とする原子核分裂核燃料部材。
【請求項2】
上記原子核分裂核燃料材料は、核分裂性物質および燃料親物質のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項3】
上記核分裂性物質は、233U、235U、および289Puのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項4】
上記燃料親物質は、232Thおよび238Uのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項5】
上記原子核分裂核燃料材料は孔を有しており、
上記ヒートパイプは上記孔の少なくとも一部に配置された毛管構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項6】
上記孔は、上記原子核分裂核燃料材料の少なくとも一部を通る通路を有していることを特徴とする請求項5に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項7】
上記通路は、上記毛管構造の一部を実質的に囲む壁部を有していることを特徴とする請求項6に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項8】
上記孔は実質的に密閉されていることを特徴とする請求項5に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項9】
上記孔の表面に複数の溝が設けられており、複数の上記溝が上記毛管構造を形成していることを特徴とする請求項5に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項10】
上記毛管構造は灯心を含んでいることを特徴とする請求項5に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項11】
上記灯心は、トリウム、モリブデン、タングステン、鋼、タンタル、ジルコニウム、炭素および耐火性金属のうちのいずれかの材料からなることを特徴とする請求項10に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項12】
上記孔内に配置された作動流体を有していることを特徴とする請求項5に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項13】
上記作動流体は、蒸発可能かつ凝縮可能であることを特徴とする請求項12に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項14】
上記作動流体は、Li、ナトリウム、およびカリウムのうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項13に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項15】
上記ヒートパイプは、蒸発部と凝縮部とを有していることを特徴とする請求項1に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項16】
上記ヒートパイプは、断熱部をさらに有していることを特徴とする請求項15に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項17】
上記凝縮部の少なくとも一部が上記原子核分裂核燃料材料の外部に配置されていることを特徴とする請求項15に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項18】
上記蒸発部の少なくとも一部が上記原子核分裂核燃料材料の外部に配置されていることを特徴とする請求項15に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項19】
上記断熱部の少なくとも一部が上記原子核分裂核燃料材料の外部に配置されていることを特徴とする請求項16に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項20】
ヒートパイプ装置と、
上記ヒートパイプ装置と一体化された当該ヒートパイプ装置と熱交換可能な原子核分裂核燃料材料とを含むことを特徴とするヒートパイプアッセンブリー。
【請求項21】
上記原子核分裂核燃料材料は孔を有しており、
上記ヒートパイプ装置の少なくとも一部が上記孔内に配置されていることを特徴とする請求項20に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項22】
上記孔は上記原子核分裂核燃料材料の少なくとも一部を通る通路を有していることを特徴とする請求項21に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項23】
上記通路は、上記毛管構造の一部を実質的に囲む壁部を有していることを特徴とする請求項22に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項24】
上記孔は実質的に密閉されていることを特徴とする請求項21に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項25】
上記ヒートパイプ装置は孔を有しており、
上記原子核分裂核燃料材料の少なくとも一部が上記孔部に配置されていることを特徴とする請求項20に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項26】
上記原子核分裂核燃料材料は、焼結粉体燃料微細構造、泡微細構造、高密度微細構造のうちのいずれかの微細構造を有していることを特徴とする請求項25に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項27】
上記原子核分裂核燃料材料は、毛管構造を有していることを特徴とする請求項25に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項28】
上記ヒートパイプ装置は、毛管構造を有していることを特徴とする請求項20に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項29】
上記毛管構造は複数の溝によって形成されていることを特徴とする請求項28に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項30】
上記毛管構造は灯心を有していることを特徴とする請求項28に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項31】
上記灯心は、トリウム、モリブデン、タングステン、鋼、タンタル、ジルコニウム、炭素および耐火性金属のうちのいずれかの材料からなることを特徴とする請求項30に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項32】
上記ヒートパイプ装置内に配置された作動流体を含むことを特徴とする請求項28に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項33】
上記作動流体は、蒸発可能かつ凝縮可能であることを特徴とする請求項32に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項34】
上記作動流体は、Li、ナトリウム、およびカリウムのうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項33に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項35】
上記ヒートパイプ装置は、蒸発部と凝縮部とを有していることを特徴とする請求項20に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項36】
上記ヒートパイプ装置は、断熱部をさらに有していることを特徴とする請求項35に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項37】
上記原子核分裂核燃料材料は、核分裂性物質および燃料親物質のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項20に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項38】
上記核分裂性物質は、233U、235U、および289Puのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項37に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項39】
上記燃料親物質は、232Thおよび238Uのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項37に記載のヒートパイプアッセンブリー。
【請求項40】
孔を有する原子核分裂核燃料材料と、
上記孔の少なくとも一部に配置された毛管構造と、
上記孔に配置された作動流体とを有することを特徴とする原子核分裂核燃料部材。
【請求項41】
上記孔は、上記原子核分裂核燃料材料の少なくとも一部を通る通路を有していることを特徴とする請求項40に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項42】
上記通路は、上記毛管構造の一部を実質的に囲む壁部を有していることを特徴とする請求項41に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項43】
上記孔は実質的に密閉されていることを特徴とする請求項40に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項44】
上記原子核分裂核燃料材料は、核分裂性物質および燃料親物質のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項40に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項45】
上記核分裂性物質は、233U、235U、および289Puのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項44に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項46】
上記燃料親物質は、232Thおよび238Uのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項44に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項47】
上記孔の壁表面がヒートパイプの壁表面を形成していることを特徴とする請求項40に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項48】
上記壁表面に複数の溝が設けられており、複数の上記溝が上記毛管構造を形成していることを特徴とする請求項47に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項49】
上記毛管構造は灯心を含んでいることを特徴とする請求項40に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項50】
上記灯心は、トリウム、モリブデン、タングステン、鋼、タンタル、ジルコニウム、炭素および耐火性金属のうちのいずれかの材料からなることを特徴とする請求項49に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項51】
上記作動流体は、蒸発可能かつ凝縮可能であることを特徴とする請求項40に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項52】
上記作動流体は、Li、ナトリウム、およびカリウムのうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項51に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項53】
上記ヒートパイプは、蒸発部と凝縮部とを有していることを特徴とする請求項47に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項54】
上記ヒートパイプは、断熱部をさらに有していることを特徴とする請求項53に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項55】
上記凝縮部の少なくとも一部が上記原子核分裂核燃料材料の外部に配置されていることを特徴とする請求項53に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項56】
上記蒸発部の少なくとも一部が上記原子核分裂核燃料材料の外部に配置されていることを特徴とする請求項53に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項57】
上記断熱部の少なくとも一部が上記原子核分裂核燃料材料の外部に配置されていることを特徴とする請求項54に記載の原子核分裂核燃料部材。
【請求項58】
原子核分裂核燃料材料の少なくとも一部を含む壁部を有する孔と、
上記孔の少なくとも一部に設けられた毛管構造と、
上記孔に配置された作動流体とを有することを特徴とするヒートパイプ。
【請求項59】
蒸発部と凝縮部とを有していることを特徴とする請求項58に記載のヒートパイプ。
【請求項60】
断熱部をさらに有していることを特徴とする請求項59に記載のヒートパイプ。
【請求項61】
上記壁部における上記凝縮部の少なくとも一部を形成している部分が上記原子核分裂核燃料材料を含んでいないことを特徴とする請求項59に記載のヒートパイプ。
【請求項62】
上記壁部における上記蒸発部の少なくとも一部を形成している部分が上記原子核分裂核燃料材料を含んでいないことを特徴とする請求項59に記載のヒートパイプ。
【請求項63】
上記壁部における上記断熱部の少なくとも一部を形成している部分が上記原子核分裂核燃料材料を含んでいないことを特徴とする請求項60に記載のヒートパイプ。
【請求項64】
上記壁部は、構造材料からなる少なくとも1つの層と、上記原子核分裂核燃料材料からなる少なくとも1つの層とを有していることを特徴とする請求項58に記載のヒートパイプ。
【請求項65】
上記構造材料は、鋼、ニオブ、バナジウム、チタン、耐火性金属、および耐火性合金のうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項64に記載のヒートパイプ。
【請求項66】
上記原子核分裂核燃料材料は、核分裂性物質および燃料親物質のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項58に記載のヒートパイプ。
【請求項67】
上記核分裂性物質は、233U、235U、および289Puのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項66に記載のヒートパイプ。
【請求項68】
上記燃料親物質は、232Thおよび238Uのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項66に記載のヒートパイプ。
【請求項69】
上記孔の表面に複数の溝が設けられており、複数の上記溝によって上記毛管構造が形成されていることを特徴とする請求項58に記載のヒートパイプ。
【請求項70】
上記毛管構造は灯心を含んでいることを特徴とする請求項58に記載のヒートパイプ。
【請求項71】
上記灯心は、トリウム、モリブデン、タングステン、鋼、タンタル、ジルコニウム、炭素および耐火性金属のうちのいずれかの材料からなることを特徴とする請求項70に記載のヒートパイプ。
【請求項72】
上記作動流体は、蒸発可能かつ凝縮可能であることを特徴とする請求項58に記載のヒートパイプ。
【請求項73】
上記作動流体は、Li、ナトリウム、およびカリウムのうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項72に記載のヒートパイプ。
【請求項74】
孔を有する壁部と、
上記孔の少なくとも一部に設けられた毛管構造と、
上記孔に配置された作動流体と、
上記孔の少なくとも一部に配置された原子核分裂核燃料材料とを有することを特徴とするヒートパイプ。
【請求項75】
蒸発部と凝縮部とを有していることを特徴とする請求項74に記載のヒートパイプ。
【請求項76】
断熱部をさらに有していることを特徴とする請求項75に記載のヒートパイプ。
【請求項77】
上記壁部における上記凝縮部の少なくとも一部を形成している部分が上記原子核分裂核燃料材料を含んでいないことを特徴とする請求項75に記載のヒートパイプ。
【請求項78】
上記壁部における上記蒸発部の少なくとも一部を形成している部分が上記原子核分裂核燃料材料を含んでいないことを特徴とする請求項75に記載のヒートパイプ。
【請求項79】
上記壁部における上記断熱部の少なくとも一部を形成している部分が上記原子核分裂核燃料材料を含んでいないことを特徴とする請求項76に記載のヒートパイプ。
【請求項80】
上記原子核分裂核燃料材料は、焼結粉体燃料微細構造、泡微細構造、高密度微細構造のうちのいずれかの微細構造を有していることを特徴とする請求項74に記載のヒートパイプ。
【請求項81】
上記原子核分裂核燃料材料は、毛管構造を有していることを特徴とする請求項74に記載のヒートパイプ。
【請求項82】
上記原子核分裂核燃料材料は、核分裂性物質および燃料親物質のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項74に記載のヒートパイプ。
【請求項83】
上記核分裂性物質は、233U、235U、および289Puのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項82に記載のヒートパイプ。
【請求項84】
上記燃料親物質は、232Thおよび238Uのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項82に記載のヒートパイプ。
【請求項85】
上記孔の表面に複数の溝が設けられており、複数の上記溝が上記毛管構造を形成していることを特徴とする請求項74に記載のヒートパイプ。
【請求項86】
上記毛管構造は灯心を含んでいることを特徴とする請求項74に記載のヒートパイプ。
【請求項87】
上記灯心は、トリウム、モリブデン、タングステン、鋼、タンタル、ジルコニウム、炭素および耐火性金属のうちのいずれかの材料からなることを特徴とする請求項86に記載のヒートパイプ。
【請求項88】
上記作動流体は、蒸発可能かつ凝縮可能であることを特徴とする請求項74に記載のヒートパイプ。
【請求項89】
上記作動流体は、Li、ナトリウム、およびカリウムのうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項88に記載のヒートパイプ。
【請求項90】
原子核分裂核燃料材料を準備する工程と、
上記原子核分裂核燃料材料内に少なくとも1つのヒートパイプの少なくとも一部を形成する工程とを含むことを特徴とする原子核分裂核燃料部材の製造方法。
【請求項91】
上記原子核分裂核燃料材料内に少なくとも1つのヒートパイプの少なくとも一部を形成する上記工程は、
上記原子核分裂核燃料材料内に少なくとも1つの孔を形成する工程と、
上記孔の少なくとも一部に毛管構造を形成する工程と、
上記孔に作動流体を配置する工程とを含むことを特徴とする請求項90に記載の原子核分裂核燃料部材の製造方法。
【請求項92】
上記原子核分裂核燃料材料内に少なくとも1つの孔を形成する上記工程は、上記原子核分裂核燃料材料の少なくとも一部を通る通路を形成する工程と含むことを特徴とする請求項91に記載の原子核分裂核燃料部材の製造方法。
【請求項93】
上記原子核分裂核燃料材料内に少なくとも1つの孔を形成する上記工程は、機械加工によって上記孔を形成する工程と含むことを特徴とする請求項91に記載の原子核分裂核燃料部材の製造方法。
【請求項94】
上記機械加工は、ドリル加工、切削加工、およびプレス加工のうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項93に記載の原子核分裂核燃料部材の製造方法。
【請求項95】
上記原子核分裂核燃料材料内に少なくとも1つの孔を形成する上記工程は、型のまわりに上記原子核分裂核燃料材料を形成する工程を含むことを特徴とする請求項91に記載の原子核分裂核燃料部材の製造方法。
【請求項96】
上記型は心棒を含むことを特徴とする請求項95に記載の原子核分裂核燃料部材の製造方法。
【請求項97】
上記原子核分裂核燃料材料内に少なくとも1つの孔を形成する上記工程は、溶接、鋳造、電気めっき、プレス、モールディングのうちのいずれかの作業を含むことを特徴とする請求項95に記載の原子核分裂核燃料部材の製造方法。
【請求項98】
上記孔の少なくとも一部に毛管構造を形成する上記工程は、上記孔の表面に複数の溝を形成する工程を含むことを特徴とする請求項91に記載の原子核分裂核燃料部材の製造方法。
【請求項99】
上記孔の表面に複数の溝を形成する上記工程は、機械加工、エッチング、鋳造、プレス加工のうちのいずれかの作業を含むことを特徴とする請求項98に記載の原子核分裂核燃料部材の製造方法。
【請求項100】
上記孔の少なくとも一部に毛管構造を形成する上記工程は、上記孔の少なくとも一部に灯心を配置する工程を含むことを特徴とする請求項91に記載の原子核分裂核燃料部材の製造方法。
【請求項101】
予め設定された上記原子核分裂核燃料部材の出力生成能力に応じて上記溝のサイズを決定する工程を含むことを特徴とする請求項91に記載の原子核分裂核燃料部材の製造方法。
【請求項102】
上記作動流体の伝熱特性に応じて上記溝のサイズを決定する工程を含むことを特徴とする請求項91に記載の原子核分裂核燃料部材の製造方法。
【請求項103】
揮発性の核分裂生成物に応じて上記溝のサイズを決定する工程を含むことを特徴とする請求項91に記載の原子核分裂核燃料部材の製造方法。
【請求項104】
ヒートパイプ装置を準備する工程と、
原子核分裂核燃料材料をヒートパイプ装置と一体化させて当該原子核分裂核燃料材料と当該ヒートパイプ装置とを熱交換可能にする工程とを含むことを特徴とするヒートパイプアッセンブリーの製造方法。
【請求項105】
ヒートパイプ装置を準備する上記工程は、
壁部を有するヒートパイプ本体を準備する工程と、
上記壁部の少なくとも一部に孔を形成する工程と、
上記孔の少なくとも一部に毛管構造を形成する工程と、
上記孔に作動流体を配置する工程とを含むことを特徴とする請求項104に記載のヒートパイプアッセンブリーの製造方法。
【請求項106】
上記原子核分裂核燃料材料と上記ヒートパイプ装置とを熱交換可能にする上記工程は、上記壁部の少なくとも一部に原子核分裂核燃料材料を配置する工程を含むことを特徴とする請求項105に記載のヒートパイプアッセンブリーの製造方法。
【請求項107】
上記原子核分裂核燃料材料と上記ヒートパイプ装置とを熱交換可能にする上記工程は、上記孔の少なくとも一部に原子核分裂核燃料材料を配置する工程を含むことを特徴とする請求項105に記載のヒートパイプアッセンブリーの製造方法。
【請求項108】
上記孔を形成する上記工程は、機械加工によって上記孔を形成する工程を含むことを特徴とする請求項105に記載のヒートパイプアッセンブリーの製造方法。
【請求項109】
上記機械加工は、ドリル加工、切削加工、およびプレス加工のうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項108に記載のヒートパイプアッセンブリーの製造方法。
【請求項110】
上記原子核分裂核燃料材料内に少なくとも1つの孔を形成する上記工程は、型のまわりに上記原子核分裂核燃料材料を形成する工程を含むことを特徴とする請求項105に記載のヒートパイプアッセンブリーの製造方法。
【請求項111】
上記型は心棒を含むことを特徴とする請求項110に記載の原子核分裂核燃料部材の製造方法。
【請求項112】
上記孔を形成する上記工程は、溶接、鋳造、電気めっき、プレス、モールディングのうちのいずれかの作業を含むことを特徴とする請求項111に記載の原子核分裂核燃料部材の製造方法。
【請求項113】
上記孔の少なくとも一部に毛管構造を形成する上記工程は、上記孔の表面に複数の溝を形成する工程を含むことを特徴とする請求項105に記載のヒートパイプアッセンブリーの製造方法。
【請求項114】
上記孔の表面に複数の溝を形成する上記工程は、機械加工、エッチング、鋳造、プレス加工のうちのいずれかの作業を含むことを特徴とする請求項113に記載のヒートパイプアッセンブリーの製造方法。
【請求項115】
上記孔の少なくとも一部に毛管構造を形成する上記工程は、上記孔の少なくとも一部に灯心を配置する工程を含むことを特徴とする請求項105に記載のヒートパイプアッセンブリーの製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図7I】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【公表番号】特表2011−523045(P2011−523045A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509489(P2011−509489)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/003028
【国際公開番号】WO2009/139899
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(508156546)シーレイト リミテッド ライアビリティー カンパニー (54)
【氏名又は名称原語表記】SEARETE LLC
【住所又は居所原語表記】1756−114th Ave.Se,Suite 110,Bellevue,WA 98004,United States of America