説明

ヒートポンプ式高温発生機

【課題】
高い温度の熱媒体を、高い効率で得ることのできるヒートポンプ式高温発生機を得る。
【解決手段】
ヒートポンプ式高温発生機は、第1及び第2の冷凍サイクル1,2を備えると共に、第2冷凍サイクルは第1冷凍サイクルの冷媒よりも沸点の高い冷媒を使用している。高温室40への熱媒体流れに対し、上流側には第1冷凍サイクルの凝縮器12を配置し、下流側には第2冷凍サイクルの凝縮器22を配置する。また、高温利用後の熱媒体の流れに対して、上流側には第2冷凍サイクルの蒸発器24を配置し、下流側には第1冷凍サイクルの蒸発器14を配置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装後の加熱乾燥工程や部材の加温工程などの産業分野に利用されるヒートポンプ式高温発生機に関し、特に、60℃以上の温風や温水など高温の熱媒体を得るものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、産業分野では、温熱需要に対し、主にガスや重油などの燃料を用いたシステムや電気ヒータによるシステムが広く使われている。ガスや重油などの燃料を用いたシステムや電気ヒータによるシステムは、温度の高い排熱を外気に放出するため、熱効率が低く、経済的でない。またガスや重油などの燃料を用いたシステムは排ガスを発生させるため環境を悪化させるという課題もあった。
【0003】
また、複数の冷凍サイクルを利用し、外部空気などの熱媒体の温度を段階的に上昇させるようにしたヒートポンプシステムも、特許文献1に開示されている。更に、この文献には蒸発器側と凝縮器側の熱媒体の温度差を大きく取れる多元冷凍サイクルについても開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−198693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には、複数の冷凍サイクルを並列に配置し、それぞれの凝縮圧力を段階的に異なる圧力に設定し、外部空気などの熱媒体を凝縮圧力の低い凝縮器から高い凝縮器に向けて順に流すようにして、熱媒体の温度を段階的に上昇させるようにしている。
【0006】
しかし、凝縮圧力の変化だけでは、機器の使用圧力範囲の制約から凝縮圧力の差が大きく取れないため、熱媒体の入口から出口までの温度差も大きく取れないという課題がある。また、蒸発器側と凝縮器側の熱媒体の温度差が大きく取れる多元冷凍サイクルを併用しようとするとそのコストが増大するという課題があった。
【0007】
本発明の目的は、高い温度の熱媒体を、高い効率で得ることのできるヒートポンプ式高温発生機を得ることにある。
【0008】
本発明の他の目的は、高い温度の熱媒体を短時間で得ることのできるヒートポンプ式高温発生機を得ることにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、複数の冷凍サイクルを並列に使用したり、多元冷凍サイクルとして使用できる多様なシステム構成が可能なヒートポンプ式高温発生機を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、冷凍サイクルの凝縮器で熱媒体を昇温して高温の熱媒体を発生させ、これを利用するヒートポンプ式高温発生機において、前記冷凍サイクルを複数備えると共に、前記複数の冷凍サイクルの冷媒を沸点が異なる冷媒とし、前記複数の冷凍サイクルの凝縮器を、熱媒体流れに対して直列に配置し、前記熱媒体の流れに対して、上流側には沸点の低い冷媒を使用した冷凍サイクルの凝縮器を配置し、下流側には沸点の高い冷媒を使用した冷凍サイクルの凝縮器を配置し、前記複数の冷凍サイクルの蒸発器を、高温利用後の熱媒体の流れに対して直列に配置し、前記高温利用後の熱媒体の流れに対して、上流側には沸点の高い冷媒を使用した冷凍サイクルの蒸発器を配置し、下流側には沸点の低い冷媒を使用した冷凍サイクルの蒸発器を配置したことを特徴とする。
【0011】
本発明の他の特徴は、冷凍サイクルの凝縮器で熱媒体を昇温して高温の熱媒体を発生させ、これを利用するヒートポンプ式高温発生機において、前記熱媒体が供給される高温室と、この高温室に接続された給気ダクト及び排気ダクトと、前記給気ダクトに導入された外部空気を前記排気ダクトにバイパスさせて流すための第1バイパスダクトと、この第1バイパスダクトよりも前記高温室側に設けられ、前記高温室から前記排気ダクトに流入する環気を前記給気ダクトにバイパスさせて流すための第2バイパスダクトと、前記第1バイパスダクトを開閉するための第1開閉手段と、前記第2バイパスダクトを開閉するための第2開閉手段と、前記第1バイパスダクトより上流側の前記給気ダクトに配設された凝縮器及び前記第1バイパスダクトより下流側の前記排気ダクトに配設された蒸発器を備える第1冷凍サイクルと、前記第2バイパスダクトより下流側の前記給気ダクトに配設された凝縮器及び前記第1バイパスダクトより下流側で且つ前記第1冷凍サイクルの蒸発器よりも上流側の前記排気ダクトに配設された蒸発器を備える第2冷凍サイクルとを備え、前記第2冷凍サイクルを流れる冷媒は、前記第1冷凍サイクルを流れる冷媒よりも沸点の高い冷媒を使用していることにある。
【0012】
このように構成することで、給気ダクトに導入された外部空気が、沸点の低い冷媒を使用した前記第1冷凍サイクルの凝縮器、沸点の高い冷媒を使用した前記第2冷凍サイクルの蒸発器、沸点の低い冷媒を使用した前記第1冷凍サイクルの蒸発器の順に流れて外部に排気されるように前記第1開閉手段を操作し、且つ、前記高温室から前記排気ダクトに流入した環気が、沸点の高い冷媒を使用した前記第2冷凍サイクルの凝縮器を通過後前記高温室に供給されるように前記第2開閉手段を操作するような使用も可能になる。
【0013】
本発明の更に他の特徴は、冷凍サイクルの凝縮器で熱媒体を昇温して高温の熱媒体を発生させ、これを利用するヒートポンプ式高温発生機において、前記熱媒体が供給される高温室と、この高温室に接続された給気ダクト及び排気ダクトと、前記給気ダクトに導入された外部空気を前記排気ダクトにバイパスさせて流すための第1バイパスダクトと、この第1バイパスダクトよりも前記高温室側に設けられ、前記高温室から前記排気ダクトに流入する環気を前記給気ダクトにバイパスさせて流すための第2バイパスダクトと、前記第1バイパスダクトを開閉するための第1開閉手段と、前記第2バイパスダクトを開閉するための第2開閉手段と、前記第1バイパスダクトと前記第2バイパスダクトとの間の前記給気ダクトに配設された凝縮器、及び前記第1バイパスダクトより下流側の前記排気ダクトに配設された蒸発器を備える第1冷凍サイクルと、前記第2バイパスダクトより下流側の前記給気ダクトに配設された凝縮器、及び前記第2バイパスダクトと前記第1バイパスダクトとの間の前記排気ダクトに配設された蒸発器を備え、前記第1冷凍サイクルを流れる冷媒よりも沸点の高い冷媒を使用している第2冷凍サイクルと、前記第1冷凍サイクルの前記凝縮器をバイパスする第1バイパス配管と、前記第2冷凍サイクルの前記蒸発器をバイパスする第2バイパス配管と、前記第1バイパス配管及び前記第2バイパス配管に設けられ、沸点が低い冷媒を使用した前記第1冷凍サイクルの凝縮側と、沸点の高い冷媒を使用した前記第2冷凍サイクルの蒸発側とを互いに熱交換させるための中間熱交換器とを備えていることにある。
【0014】
ここで、沸点の低い冷媒を使用した前記第1冷凍サイクルには冷媒の流れを凝縮器又は中間熱交換器に切り替える切替え手段を設け、沸点の高い冷媒を使用した前記第2冷凍サイクルには冷媒の流れを蒸発器又は中間熱交換器に切り替える切替え手段を備えると良い。
【0015】
なお、上述したヒートポンプ式高温発生機おいて、前記第1冷凍サイクルは、圧縮機、前記凝縮器、膨張手段及び前記凝縮器を冷媒配管で接続して構成されると共に、前記第1バイパスダクトよりも下流側の前記排気ダクト内に設置された送風機を備え、前記第2冷凍サイクルは、圧縮機、前記凝縮器、膨張手段及び前記凝縮器を冷媒配管で接続して構成されると共に、前記第2バイパスダクトよりも下流側の前記給気ダクト内に設置された送風機を備えるようにすると良い。
【0016】
また、前記第1開閉手段は、前記第1バイパスダクトの入口側に設けられ、給気ダクトに導入された給気を、前記高温室側へ流すか或いは前記第1バイパスダクト側へ流すかを切り替える構成とし、前記第2開閉手段は、前記第2バイパスダクトの入口側に設けられ、排気ダクトに流入した環気を、排気側へ流すか或いは前記第2バイパスダクト側へ流すかを切り替える構成とすることが好ましい。
【0017】
更に、沸点が低い前記冷媒としては、HFC410AまたはHFC134aを、沸点が高い前記冷媒としては、HFC245faまたはHFC245caを使用することが適切である。また、沸点が低い冷媒をHFC410Aとし、沸点が高い冷媒をHFC134aとしても良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、高い温度の熱媒体を、高い効率で得ることのできるヒートポンプ式高温発生機を得ることができる。
【0019】
また、第1、第2バイパスダクトを備えると共に、第1、第2バイパスダクトへの流れを開閉する第1開閉手段及び第2開閉手段を備える構成とすれば、高温室内の高温の環気空気を外部に排出せずに、第2冷凍サイクルの凝縮器で再び過熱して高温室に戻すことが可能となるので、高い温度の熱媒体を短時間で得ることもできるヒートポンプ式高温発生機が得られる。
【0020】
更に、沸点が低い冷媒の第1冷凍サイクルの凝縮側と、沸点が高い冷媒の第2冷凍サイクルの蒸発側とを互いに熱交換させる中間熱交換器を設ける構成とすれば、複数の冷凍サイクルを並列に使用したり、多元冷凍サイクルとして使用できる多様なシステム構成が可能なヒートポンプ式高温発生機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のヒートポンプ式高温発生機の実施例1を示す構成図。
【図2】本発明のヒートポンプ式高温発生機の実施例2を示す構成図。
【図3】本発明のヒートポンプ式高温発生機の実施例3を示す構成図。
【図4】図3に示す実施例3の動作を説明する動作説明図。
【図5】図3に示す実施例3の他の動作を説明する動作説明図。
【図6】本発明のヒートポンプ式高温発生機の実施例4を示す構成図。
【図7】図6に示す実施例4の動作を説明する動作説明図。
【図8】図3に示す実施例4の他の動作を説明する動作説明図。
【図9】本発明のヒートポンプ式高温発生機に使用される冷媒の例を示す冷媒特性図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のヒートポンプ式高温発生機の実施例を図面に基づき説明する。
【実施例1】
【0023】
本発明のヒートポンプ式高温発生機の実施例1を図1に示す。
図において、40は、例えば塗装後の加熱乾燥工程を行うための高温室、41は外部空気(熱媒体)を導入して加熱し前記高温室40に供給するための給気ダクト、42は前記高温室40内から排出される空気(環気)を外部に排気するための排気ダクトである。前記給気ダクト41の入口には外部空気を導入するための送風機30が設けられている。1は、圧縮機11,凝縮器12,膨張弁(膨張手段)13,蒸発器14などを順次冷媒配管で接続した第1冷凍サイクル、2は、圧縮機21,凝縮器22,膨張弁(膨張手段)23,蒸発器24などを順次冷媒配管で接続した第2冷凍サイクルである。前記凝縮器12は給気ダクト41内の上流側に、前記凝縮器22は給気ダクト41内の下流側に設置されている。また、前記蒸発器14は排気ダクト42内の下流側に、前記蒸発器24は排気ダクト42内の上流側に設置されている。
【0024】
前記第1冷凍サイクル1には、前記第2冷凍サイクル2に対して沸点が低い冷媒(低沸点冷媒)、例えば、HFC410AやHFC134aが封入されている。第2冷凍サイクル2には、第1の冷凍サイクル1に対して沸点が高い冷媒(高沸点冷媒)、例えばHFC245faやHFC245caが封入されている。前記凝縮器12と凝縮器22とは、給気ダクト41内の空気流れに対して直列に配置され、低沸点冷媒側の凝縮器12は、高沸点冷媒側の凝縮器22より上流側に設置されている。前記蒸発器14と蒸発器24も、排気ダクト42内の空気流れに対して直列に配置され、低沸点冷媒側の蒸発器14は、高沸点冷媒側の蒸発器24よりも下流側に設置されている。
【0025】
次に、上述した実施例1の動作を説明する。
第1冷凍サイクル1の圧縮機11で圧縮された高温高圧の冷媒は凝縮器12へ送られ、給気ダクト41を流れる空気と熱交換されて凝縮し、液冷媒になる。凝縮器12を出た液冷媒は膨張弁13で減圧され、蒸発器14へ送られ、排気ダクト42を流れる空気と熱交換されて蒸発し、ガス冷媒になる。蒸発器14を出たガス冷媒は、再び圧縮機11へ送られて圧縮され、以下同様の動作を繰り返す。第2冷凍サイクル2も第1冷凍サイクル1と同様の動作をするが、冷凍サイクル内の温度は、高沸点冷媒側の第2冷凍サイクル2の方が低沸点冷媒側の第1冷凍サイクル1より高い。
【0026】
次に、空気の流れについて説明する。
送風機30により給気ダクト41内に吸込まれた外部空気は、給気ダクト41内で低沸点冷媒側の凝縮器12で熱交換されて昇温し、その後、高沸点冷媒側の凝縮器22で更に加熱されて昇温し、高温の空気、例えば100℃以上の温風となって高温室40へ送られる。
高温室40からの高温の排気空気(環気)は、排気ダクト42内で、まず高沸点冷媒側の蒸発器24で熱交換されて温度が下がり、更に低沸点冷媒側の蒸発器14に流れて更に温度が低下し、排気される。このように構成することで、排気空気から熱回収することができ、これによって、従来捨てられていた熱を有効に活用し、システムの効率を上げることができる。
なお、本実施例では、第1、第2の2つの冷凍サイクルを用いる例について説明したが、冷凍サイクルを更に増やして、更に高温の加熱空気を得るようにすることも同様に可能である。
【実施例2】
【0027】
図2により本発明の実施例2を説明する。図1の実施例1では外部からの空気を加熱する例について説明したが、この実施例では、空気の代わりに水(熱媒体)を流して昇温し、高温水を得るようにしたヒートポンプ式高温発生機を示す例である。
【0028】
図2において、第1冷凍サイクル1及び第2冷凍サイクル2は図1に示すものと同様のものである。本実施例では、第1冷凍サイクル1を構成する凝縮器12a及び蒸発器14a、第2冷凍サイクル2を構成する凝縮器22a及び蒸発器24aは、それぞれ水と冷媒を熱交換する熱交換器となっている。50はファンコイルユニットで、このファンコイルユニット50は熱交換器51と送風機33を備え、前記凝縮器12a,22aで加熱された水が流れて、ファンコイルユニット50の送風機33により供給された空気等を加熱して室内などに送風する。52は、前記第1,第2の冷凍サイクル1,2を流れる冷媒と熱交換される水が流れる水配管で、この水配管52は、その配管内を流れる水が、前記凝縮器12a,22a、前記ファンコイルユニット50、前記蒸発器24a,14aの順に流れるように構成されている。
【0029】
次に、上述した実施例2の動作を説明する。第1冷凍サイクル1の圧縮機11で圧縮された高温高圧の冷媒は凝縮器12aへ送られ、水配管52を流れる水と熱交換されて凝縮し、液冷媒となる。凝縮器12aを出た液冷媒は膨張弁13で減圧されて蒸発器14aへ送られ、水配管52を流れる水と熱交換されて蒸発し、ガス冷媒になる。蒸発器14aを出たガス冷媒は再び圧縮機11へ送られ、圧縮される。第2冷凍サイクル2も第1冷凍サイクル1と同様の動作をするが、冷凍サイクル内の温度は、高沸点冷媒を使用している第2冷凍サイクル2の方が低沸点冷媒を使用している第1冷凍サイクル1より高い。
【0030】
次に、水の流れについて説明する。水配管52から低沸点冷媒側の凝縮器12aに送られた水は、圧縮機11で圧縮されて温度の上昇した低沸点冷媒と熱交換して昇温し、その後、高沸点冷媒側の凝縮器22aに流れて圧縮機21で圧縮された高沸点冷媒と熱交換して更に昇温され、高温の水となってファンコイルユニット50へ送られる。ファンコイルユニット50では前記高温の水が熱交換器51で送風機33から送られた空気と熱交換し、空気は高温に加熱されてファンコイルユニット50から吹き出される。ファンコイルユニット50で、空気と熱交換された水は温度が下がり、ファンコイルユニット50を出て、高沸点冷媒側の蒸発器24aに流れ、第2冷凍サイクル2を流れる高沸点冷媒と熱交換されて温度が更に低下する。その後、低沸点冷媒側の蒸発器14aに流れて、第1冷凍サイクル1を流れる低沸点冷媒と熱交換され、更に温度が下がって排水される。この例では前記蒸発器14aを通過後の水を外部に排出するようにしたが、水配管52内を流れる水を循環させて使用することも可能である。
【実施例3】
【0031】
本発明の実施例3を図3〜図5により説明する。
図3において、第1冷凍サイクル1及び第2冷凍サイクル2は、図1に示す冷凍サイクル1及び2と同じである。本実施例では、給気ダクト41内に設置された第2冷凍サイクル2の凝縮器22の空気入口側に送風機31が設けられている。また、排気ダクト32内の第1冷凍サイクル1の蒸発器14の空気出口側にも送風機32が設けられている。また、給気ダクト41と排気ダクト42との間には、第1バイパスダクト43及び第2バイパスダクト44が設けられている。
【0032】
前記第1バイパスダクト43の給気ダクト41側には第1ダンパ(第1開閉手段)45が設置され、この第1ダンパ45により、外部から取り込まれた空気の流れを凝縮器22側へ流すか、第1バイパスダクト43側へ流すか制御できるようになっている。前記第2バイパスダクト44の排気ダクト42側には第2ダンパ(第2開閉手段)46が設置され、高温室40からの空気の流れを、蒸発器24及び14側へ流すか、前記第2バイパスダクト44側へ流すかを制御できるようになっている。
【0033】
次に本実施例の動作を図4及び図5により説明する。これらの図において、第1冷凍サイクル1及び第2冷凍サイクル2における冷媒の流れは図1と同様であるので説明を省略する。
図4において、前記第1ダンパ45は、給気ダクト41内の空気の流れが、前記第1バイパスダクト43側へは流れず、凝縮器22側へ流れるように、前記第1バイパスダクト43を閉鎖するようにされている。また、前記第2ダンパ46は、排気ダクト42内を流れる排気空気の流れが、前記第2バイパスダクト44側へは流れず、蒸発器24及び14側へ流れるように、前記第2バイパスダクト44を閉鎖するようにされている。
【0034】
このように第1、第2ダンパ45,46を操作することにより、前記送風機31及び32により、空気の流れは図1に示す実施例と同様に、外部空気が昇温されて高温室40へ送られると共に、高温室40からの高温の排気空気から熱回収が行われる。第1、第2冷凍サイクル1,2の冷媒の流れは図1の実施例と同様である。
【0035】
図5においては、前記第1ダンパ45は、凝縮器22側への流れを塞ぐように操作され、送風機32によって給気ダクト41内に吸込まれた外部空気は、第1バイパスダクト43を通って、排気ダクト42側に流れ、蒸発器24及び14を通過して熱交換された後、排気される。一方、前記第2ダンパ46は、蒸発器24側への流れを塞ぐように操作され、高温室40内の環気空気は送風機31により排気ダクト42に流れた後、前記第2バイパスダクト44を通って給気ダクト41側に流れ、凝縮器22を通過して熱交換されて加熱された後、再び高温室40へ流れる。
【0036】
第1冷凍サイクル1の圧縮機11から吐出された高温高圧冷媒は凝縮器12で外部空気と熱交換し、凝縮する。凝縮した液冷媒は膨張弁13で減圧されて蒸発器14へ送られ熱交換されて蒸発し、圧縮機11へ再び吸込まれる。凝縮器12を通った外部空気は昇温されて第1バイパスダクト43を通って排気ダクト42側へ流れ、第2冷凍サイクル2の蒸発器24で冷媒と熱交換して温度が下がり、第1冷凍サイクル1の蒸発器14で更に熱交換されて更に温度が下がって排気される。一方、第2冷凍サイクル2の圧縮機21から吐出された高温高圧冷媒は凝縮器22へ送られ、環気空気と熱交換されて凝縮する。凝縮器22で環気空気は昇温されて高温室40へ再び送られる。凝縮器22を出て凝縮した液冷媒は膨張弁23で減圧されて蒸発器24へ入り、凝縮器12及び第1バイパスダクト43を通過してきた空気と熱交換されて蒸発する。蒸発した低圧冷媒は前記圧縮機21へ再び吸込まれる。
【0037】
図5に示すように第1、第2ダンパ45,46を操作することにより、高温室内の高温の環気空気が外部に排出されず、凝縮器22で再び過熱されて高温室40に戻るので、高温室40の温度が低い起動時などにおいて、温度を短時間で上昇させることができる効果がある。
【実施例4】
【0038】
本発明の実施例4を図6〜図8により説明する。
図6において、1aは第1冷凍サイクル、2aは第2冷凍サイクルで、前記第1冷凍サイクル1aには、前記第2冷凍サイクル2aに対して沸点が低い冷媒(低沸点冷媒)が封入されている。前記第2冷凍サイクル2aには、第1冷凍サイクル1aに対して沸点が高い冷媒(高沸点冷媒)が封入されている。
【0039】
実施例2と同様に、給気ダクト41、排気ダクト42、第1バイパスダクト43、第2バイパスダクト44、及び第1、第2ダンパ45,46が設けられている。また、第1冷凍サイクル1aの凝縮器12は給気ダクト41内の前記第1ダンパ45の下流側に設置されている。また、この第1の冷凍サイクル1aには、凝縮器12入口の冷媒配管から分岐して、制御弁(膨張手段)13aと蒸発器14との間の冷媒配管に合流する第1バイパス配管16が設けられ、この第1バイパス配管16の途中には中間熱交換器120が設けられている。更に、第1バイパス配管16の入口側には弁15bが、出口側には制御弁(膨張手段)13bが設けられている。前記第1バイパス配管16の分岐点よりも凝縮器側にも弁15aが設けられていて、前記弁(切替え手段)15a,15bの開閉により、圧縮機11からの冷媒を凝縮器12に流すか、或いはバイパス配管16に設けた前記中間熱交換器120へ流すかを選択できる。
【0040】
凝縮器12出口及び中間熱交換器120出口にそれぞれ設けられている前記制御弁13a,13bは流量を調整すると共に、凝縮器12又は中間熱交換器120で凝縮した液冷媒を減圧し、蒸発器14へ送るものである。
【0041】
第2冷凍サイクル2aの凝縮器22は給気ダクト41内の第2バイパスダクト44の合流部よりも下流側に設置され、また蒸発器24は排気ダクト42内の第2ダンパ46より下流側に設置されている。また、凝縮器22下流側の冷媒配管からは第2バイパス配管26が分岐され、この第2バイパス配管26は前記中間熱交換器120を通過後第2冷凍サイクル2aの蒸発器24と圧縮機21の間の冷媒配管に合流するように構成されている。前記凝縮器22の出口側で分岐された冷媒配管にはそれぞれに流量を調整できる制御弁23a,23bが設けられ、凝縮器22で凝縮した液冷媒を制御弁23a又は23bで減圧して、前記蒸発器24へ流すか、或いは前記中間熱交換器120へ流すかを制御する構成となっている。即ち、前記制御弁23a,23bは膨張手段であり且つ切替え手段でもある。
【0042】
前記中間熱交換器120は、低沸点側の第1冷凍サイクル1aの圧縮機11出口の高温冷媒と高沸点側の第2冷凍サイクル2aの減圧後の低温冷媒とを熱交換させるものである。即ち、中間熱交換器120は、第1冷凍サイクル1aにおいては凝縮器として働き、第2冷凍サイクル2aにおいては蒸発器として働くものである。
【0043】
前記給気ダクト41の下流側に設置されている凝縮器22の空気入口側には送風機31が設けられ、また排気ダクト42の下流側に設けられている蒸発器14の空気出口側にも送風機32が設けられている。
【0044】
前記第1バイパスダクト43と第2バイパスダクト44は、それぞれ前記給気ダクト41と排気ダクト42とを接続するように設けられ、第1バイパスダクト43の給気ダクト41側には第1ダンパ45が設置され、外部空気から取り込んだ空気を、前記凝縮器12及び凝縮器22側へ流すか、又は前記第1バイパスダクト43側へ流すかを制御できるようになっている。前記第2バイパスダクト44の排気ダクト42側には第2ダンパ46が設けられ、高温室40からの環気を、蒸発器24及び蒸発器14側へ流すか、或いは第2バイパスダクト44側へ流すかを制御できるようになっている。
【0045】
次に、本実施例の動作を図7及び図8により説明する。
図7は、第1冷凍サイクル1aの第1バイパス配管16の弁15bが閉じられ、制御弁13bも全閉とされている。また、凝縮器12入口側の弁15aは開き、制御弁13aは弁開度が調整されて膨張弁として働いている。第2冷凍サイクル2aの第2バイパス配管26の入口側に設けられた制御弁23bは全閉とされ、蒸発器24側の制御弁23aは弁開度が調整されて膨張弁として働いている。
【0046】
第1バイパスダクト43の給気ダクト41側に設置された第1ダンパ45は、空気の流れが凝縮器12及び凝縮器22側へ流れるようにされ、第1バイパスダクト43側への流れを止めている。第2バイパスダクト44の排気ダクト42側に設置された第2ダンパ46は、空気の流れが蒸発器24及び蒸発器14側へ流れるようにされ、第2バイパスダクト44側への流れを止めている。
【0047】
空気の流れは送風機31,32によって行われ、上述した弁15a,15b、制御弁13a,13b、第1、第2ダンパ45,46を制御することによって、冷凍サイクル及び空気の流れが前述した図1や図4と同様になり、外部空気が凝縮器12及び凝縮器22により昇温されて高温室40へ送られる。また、高温室40からの高温の排気空気(環気)からは熱回収が行われる。
【0048】
図8は、第1冷凍サイクル1aの第1バイパス配管16の弁15bが開き、制御弁13bの弁開度が調整されて膨張弁として働いている。また、凝縮器12側の弁15aは閉じられ、制御弁13aも全閉になっている。第2冷凍サイクル2aの第2バイパス配管26の入口側に設けられた制御弁23bは弁開度が調整されて膨張弁として働き、蒸発器24側の制御弁23aは全閉とされている。
【0049】
第1バイパスダクト43の給気ダクト41側に設置された第1ダンパ45は、空気の流れが第1バイパスダクト43側へ流れるように制御され、凝縮器12及び凝縮器22側へは流れないようにされている。送風機32によって外部空気は給気ダクト41に吸込まれ、第1バイパスダクト43、排気ダクト42及び蒸発器14を流れて外部に排出される。第2バイパスダクト44の排気ダクト42側に設置された第2ダンパ46は、空気の流れが第2バイパスダクト44側へ流れるように制御され、高温室からの環気が蒸発器24及び蒸発器14側へ流れるのを阻止している。送風機31により高温室40内の環気空気が排気ダクト42へ吸込まれ、ここから第2バイパスダクト44及び給気ダクト41を経て凝縮器22へ流れる。
【0050】
上述した弁15a,15b、制御弁13a,13b、第1、第2ダンパ45,46を制御することによって、第1冷凍サイクル1aの圧縮機11から吐出された高温高圧の冷媒は中間熱交換器120へ送られ、第2冷凍サイクル2aを流れる低温低圧の冷媒と熱交換されて凝縮する。凝縮した液冷媒は制御弁13bで減圧されて蒸発器14へ送られ、外部空気と熱交換されて蒸発し、圧縮機11へ吸込まれる。一方、第2冷凍サイクル2aの圧縮機21から吐出された高温高圧の冷媒は凝縮器22へ送られ、環気空気と熱交換されて凝縮する。環気空気は凝縮器22で昇温されて再び高温室40へ送られる。凝縮器22で凝縮された液冷媒は制御弁23bで減圧されて中間熱交換器120へ入り、第1冷凍サイクル1aを流れる高温高圧の冷媒と熱交換されて蒸発する。この蒸発した第2冷凍サイクル2aの低圧冷媒は圧縮機21へ吸込まれる。
【0051】
図8に示すように動作させることで、高温の環気空気が外に排出されず、凝縮器22で過熱されて再び高温室40に供給されるので、高温室40内の温度が低い時でも迅速に温度を上げていくことができる。
【0052】
なお、この実施例4でも、第1、第2の2つの冷凍サイクルを用いる例について説明したが、本実施例においても、冷凍サイクルを更に増やすことにより、更に高温の加熱空気を得るようにすることも可能である。
【0053】
図9は、本発明で使用される冷凍サイクルに用いる好ましい冷媒の例を示すものである。図中のREFPROPは米国の国立標準技術研究所(NIST)が提供している冷媒熱物性データベースである。好ましい冷媒としては、図に示すHFC410A、HFC134a、HFC245fa、HFC245caなどが挙げられる。また、これらの冷媒のうち、低沸点冷媒としてはHFC410AやHFC134aが好ましく、高沸点冷媒としてはHFC245faやHFC245caを用いることで100℃以上の温風を得ることができる。なお、沸点が低い冷媒をHFC410Aとし、沸点が高い冷媒をHFC134aとしても良い。
【0054】
本実施例によれば、複数の冷凍サイクルを使用すると共に、複数の冷凍サイクルに対して沸点が異なる冷媒を使用することによって、制約された凝縮圧力範囲でも凝縮温度を大きく変えることができ、更に前記複数の冷凍サイクルの凝縮器を熱媒体(空気や水)流れに対して直列に配列する構成とすることで、熱媒体温度を段階的に大幅に上昇でき、高温室に供給される熱媒体のダクト入口から出口までの温度差を大きく取れることのできるヒートポンプ式高温発生機を得ることができる。また、前記複数の冷凍サイクルの蒸発器を高温利用後の熱媒体の流れに対して直列に配列する構成とすることで、高温利用後の熱媒体の排熱を、複数の冷凍サイクルの蒸発器で回収することができるので、効率の高いヒートポンプ式高温発生機が得られる。即ち、本実施例によれば、60℃以上の高い温度の熱媒体を得ることができ、低コストで且つ高い運転効率のヒートポンプ式高温発生機を得ることができる効果がある。
【0055】
更に、第1、第2バイパスダクトを備えると共に、第1、第2バイパスダクトへの流れを開閉する第1ダンパ(第1開閉手段)及び第2ダンパ(第2開閉手段)を備えるものでは、高温室内の高温の環気空気を外部に排出せずに、第2冷凍サイクルの凝縮器で再び過熱して高温室に戻すことができるので、高温室の温度が低い起動時などにおいて、温度を短時間で上昇させることができる効果が得られる。
【0056】
また、沸点が低い冷媒の冷凍サイクルの凝縮側と、沸点が高い冷媒の冷凍サイクルの蒸発側とを、互いに熱交換させる中間熱交換器を設けると共に、それぞれの冷凍サイクルにおいて、冷媒を、それぞれの冷凍サイクルの凝縮器又は蒸発器に流すか、或いは中間熱交換器に流す切り替え手段を備えた構成とすることにより、沸点が低い冷媒の冷凍サイクル(低沸点サイクル)の凝縮側と沸点の高い冷媒の冷凍サイクル(高沸点サイクル)の蒸発側を互いに熱交換させる多元冷凍サイクルに構成したり、複数の冷凍サイクルを並列に構成すると共に各冷凍サイクルの凝縮器を熱媒体の流れに対して直列に配列するように切り替えて使用することができ、多様なシステム構成が可能になるヒートポンプ式高温発生機が得られる。
【符号の説明】
【0057】
1,1a 第1冷凍サイクル
2,2a 第2冷凍サイクル
11,21 圧縮機
12,12a,22,22a 凝縮器
13,23 膨張弁(膨張手段)
13a,13b,23a,23b 制御弁(膨張手段、切替え手段)
14,14a,24,24a 蒸発器
15a,15b 弁
16 第1バイパス配管
26 第2バイパス配管
30,31,32,33 送風機
40 高温室
41 給気ダクト
42 排気ダクト
43 第1バイパスダクト
44 第2バイパスダクト
45 第1ダンパ(第1開閉手段)
46 第2ダンパ(第2開閉手段)
50 ファンコイルユニット
51 熱交換器
52 水配管
120 中間熱交換器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍サイクルの凝縮器で熱媒体を昇温して高温の熱媒体を発生させ、これを利用するヒートポンプ式高温発生機において、
前記冷凍サイクルを複数備えると共に、前記複数の冷凍サイクルの冷媒を沸点が異なる冷媒とし、
前記複数の冷凍サイクルの凝縮器を、熱媒体流れに対して直列に配置し、
前記熱媒体の流れに対して、上流側には沸点の低い冷媒を使用した冷凍サイクルの凝縮器を配置し、下流側には沸点の高い冷媒を使用した冷凍サイクルの凝縮器を配置し、
前記複数の冷凍サイクルの蒸発器を、高温利用後の熱媒体の流れに対して直列に配置し、
前記高温利用後の熱媒体の流れに対して、上流側には沸点の高い冷媒を使用した冷凍サイクルの蒸発器を配置し、下流側には沸点の低い冷媒を使用した冷凍サイクルの蒸発器を配置した
ことを特徴とするヒートポンプ式高温発生機。
【請求項2】
冷凍サイクルの凝縮器で熱媒体を昇温して高温の熱媒体を発生させ、これを利用するヒートポンプ式高温発生機において、
前記熱媒体が供給される高温室と、
この高温室に接続された給気ダクト及び排気ダクトと、
前記給気ダクトに導入された外部空気を前記排気ダクトにバイパスさせて流すための第1バイパスダクトと、
この第1バイパスダクトよりも前記高温室側に設けられ、前記高温室から前記排気ダクトに流入する環気を前記給気ダクトにバイパスさせて流すための第2バイパスダクトと、
前記第1バイパスダクトを開閉するための第1開閉手段と、
前記第2バイパスダクトを開閉するための第2開閉手段と、
前記第1バイパスダクトより上流側の前記給気ダクトに配設された凝縮器及び前記第1バイパスダクトより下流側の前記排気ダクトに配設された蒸発器を備える第1冷凍サイクルと、
前記第2バイパスダクトより下流側の前記給気ダクトに配設された凝縮器及び前記第1バイパスダクトより下流側で且つ前記第1冷凍サイクルの蒸発器よりも上流側の前記排気ダクトに配設された蒸発器を備える第2冷凍サイクルとを備え、
前記第2冷凍サイクルを流れる冷媒は、前記第1冷凍サイクルを流れる冷媒よりも沸点の高い冷媒を使用している
ことを特徴とするヒートポンプ式高温発生機。
【請求項3】
請求項2に記載のヒートポンプ式高温発生機において、給気ダクトに導入された外部空気が、沸点の低い冷媒を使用した前記第1冷凍サイクルの凝縮器、沸点の高い冷媒を使用した前記第2冷凍サイクルの蒸発器、沸点の低い冷媒を使用した前記第1冷凍サイクルの蒸発器の順に流れて外部に排気されるように前記第1開閉手段が操作され、且つ、前記高温室から前記排気ダクトに流入した環気が、沸点の高い冷媒を使用した前記第2冷凍サイクルの凝縮器を通過後前記高温室に供給されるように前記第2開閉手段が操作されることを特徴とするヒートポンプ式高温発生機。
【請求項4】
冷凍サイクルの凝縮器で熱媒体を昇温して高温の熱媒体を発生させ、これを利用するヒートポンプ式高温発生機において、
前記熱媒体が供給される高温室と、
この高温室に接続された給気ダクト及び排気ダクトと、
前記給気ダクトに導入された外部空気を前記排気ダクトにバイパスさせて流すための第1バイパスダクトと、
この第1バイパスダクトよりも前記高温室側に設けられ、前記高温室から前記排気ダクトに流入する環気を前記給気ダクトにバイパスさせて流すための第2バイパスダクトと、
前記第1バイパスダクトを開閉するための第1開閉手段と、
前記第2バイパスダクトを開閉するための第2開閉手段と、
前記第1バイパスダクトと前記第2バイパスダクトとの間の前記給気ダクトに配設された凝縮器及び前記第1バイパスダクトより下流側の前記排気ダクトに配設された蒸発器を備える第1冷凍サイクルと、
前記第2バイパスダクトより下流側の前記給気ダクトに配設された凝縮器、及び前記第2バイパスダクトと前記第1バイパスダクトとの間の前記排気ダクトに配設された蒸発器を備え、前記第1冷凍サイクルを流れる冷媒よりも沸点の高い冷媒を使用している第2冷凍サイクルと、
前記第1冷凍サイクルの前記凝縮器をバイパスする第1バイパス配管と、
前記第2冷凍サイクルの前記蒸発器をバイパスする第2バイパス配管と、
前記第1バイパス配管及び前記第2バイパス配管に設けられ、沸点が低い冷媒を使用した前記第1冷凍サイクルの凝縮側と、沸点の高い冷媒を使用した前記第2冷凍サイクルの蒸発側とを互いに熱交換させるための中間熱交換器と
を備えていることを特徴とするヒートポンプ式高温発生機。
【請求項5】
請求項4に記載のヒートポンプ式高温発生機おいて、沸点の低い冷媒を使用した前記第1冷凍サイクルには冷媒の流れを凝縮器又は中間熱交換器に切り替える切替え手段を設け、沸点の高い冷媒を使用した前記第2冷凍サイクルには冷媒の流れを蒸発器又は中間熱交換器に切り替える切替え手段を備えることを特徴とするヒートポンプ式高温発生機。
【請求項6】
請求項2〜5の何れかに記載のヒートポンプ式高温発生機おいて、前記第1冷凍サイクルは、圧縮機、前記凝縮器、膨張手段及び前記凝縮器を冷媒配管で接続して構成されると共に、前記第1バイパスダクトよりも下流側の前記排気ダクト内に設置された送風機を備え、前記第2冷凍サイクルは、圧縮機、前記凝縮器、膨張手段及び前記凝縮器を冷媒配管で接続して構成されると共に、前記第2バイパスダクトよりも下流側の前記給気ダクト内に設置された送風機を備えることを特徴とするヒートポンプ式高温発生機。
【請求項7】
請求項2〜6の何れかに記載のヒートポンプ式高温発生機において、前記第1開閉手段は、前記第1バイパスダクトの入口側に設けられ、給気ダクトに導入された給気を、前記高温室側へ流すか或いは前記第1バイパスダクト側へ流すかを切り替える構成とし、前記第2開閉手段は、前記第2バイパスダクトの入口側に設けられ、排気ダクトに流入した環気を、排気側へ流すか或いは前記第2バイパスダクト側へ流すかを切り替える構成としていることを特徴とするヒートポンプ式高温発生器。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載のヒートポンプ式高温発生機において、沸点が低い冷媒をHFC410AまたはHFC134aとし、沸点が高い冷媒をHFC245faまたはHFC245caとしたことを特徴とするヒートポンプ式高温発生機。
【請求項9】
請求項1〜7の何れかに記載のヒートポンプ式高温発生機において、沸点が低い冷媒をHFC410Aとし、沸点が高い冷媒をHFC134aとしたことを特徴とするヒートポンプ式高温発生機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−257069(P2011−257069A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132141(P2010−132141)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】