説明

ヒートポンプ給湯機

【課題】 貯湯タンクを容易に増設可能とし、タンクユニット内の複数タンク間の熱ロスによる効率低下を防止できるヒートポンプ給湯機を得る。また、沸上げ時の加熱効率低下につながる中温水を有効に利用する。また、浴槽追焚き機能等に対応する。
【解決手段】 水冷媒熱交換器2を有するヒートポンプユニット100,メインタンク7aを有するメインタンクユニット200,と、サブタンク7bを有するサブタンクユニット300,を備え、高温水流出口25aと高温水流入口23bを接続し、市水流出口24aと市水流入口21bを接続し、サブタンク接続口26aとメイン側タンク接続口29bを接続して増設可能とする。沸き上げ運転ではメインタンク7aから最も離れたタンク7bから蓄熱する。また、中温水給湯運転では最初にメインタンク7a内の中温水を給湯する。また、メインタンク7a内の温水と浴槽水とを熱交換器12で熱交換して浴槽追焚き機能を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプ給湯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のヒートポンプ給湯機として、例えば、圧縮機から吐出された圧縮冷媒と供給水とを熱交換し、供給水を加熱して高温水に変える水熱交換器を備えたヒートポンプ式熱源機と、筐体内に複数の貯湯タンクを備えたメインタンクユニットと、筐体内に複数のサブ貯湯タンクを備えたサブタンクユニットとを備えたヒートポンプ給湯装置がある(例えば、特許文献1参照)。そして、メインタンクユニットは、貯湯タンクA、Bを備え、貯湯タンクAの底部は低温水供給管を介して水熱交換器の吸込み部に接続され、水熱交換器の吐出部は高温水供給管を介して貯湯タンクBの上部に接続されている。貯湯タンクA、Bの間には、貯湯タンクAの上部と貯湯タンクBの底部が接続されるタンク間接続管があり、このタンク間接続管に介設された、配管接続を維持もしくは切り離し自在な補助配管を備えている。また、貯湯タンクAの底部と水源に接続され、貯湯タンクBの上部は給湯口に接続されている。
【0003】
また、サブタンクユニットは、筐体内にサブ貯湯タンクC、Dを備え、サブ貯湯タンクDの上部に接続される高温水供給管、サブ貯湯タンクCの底部と接続される低温水供給管、サブ貯湯タンクD底部とサブ貯湯タンクCの上部を接続するタンク間接続管を備える。メインタンクユニットとサブタンクユニットを接続するときは、メインタンクユニットの補助配管を切り離し、貯湯タンクA上部とサブ貯湯タンクC底部を接続し、貯湯タンクB底部とサブ貯湯タンクD上部を接続することで、貯湯タンクを直列に接続する。貯湯タンクをモジュール化することで、必要最低限の種類のタンクで多くのユーザに対応するシステムとなる。
【0004】
【特許文献1】特開2005−127640号公報(第7頁〜第8頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のヒートポンプ給湯機は、タンクユニット内に複数タンクがあるため、タンク間の熱ロスによって効率が低下するという課題があった。特にメインタンクユニットに収納されている複数のタンクは、一方が水熱交換器の吐出部に接続され、他方が水熱交換器の吸込み部に接続されるので、タンク間の温度差が大きく、熱ロスが大きくなるという課題があった。また、ヒートポンプ給湯機の課題として、貯湯タンク高温部と低温部の境界層に中温水が存在し、ヒートポンプ沸上げ時に給水温度が上昇することによる加熱効率の低下が挙げられる。さらに、従来のヒートポンプ給湯機は、貯湯タンクをモジュール化できるものの、給湯単独での使用に限られ、一般的な家庭用のヒートポンプ給湯機の基本機能である、浴槽追焚き機能等に対応できないという課題があった。
【0006】
本発明は以上のような課題を解決するためになされたもので、貯湯タンクをモジュール化でき、タンク間の熱ロスを低減して効率を向上できる構成のヒートポンプ給湯機を得ることを目的とする。また、効率低下を招く可能性のある中温水を有効に利用できるヒートポンプ給湯機を得ることを目的とする。さらに、浴槽追焚き等、家庭用のヒートポンプ給湯機の基本機能を備えるヒートポンプ給湯機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係わるヒートポンプ給湯機は、
圧縮機と、水冷媒熱交換器と、膨張弁と、蒸発器とを順次接続して冷媒を循環させる冷媒側回路を構成するヒートポンプユニットと、前記水冷媒熱交換器によって加熱された温水を蓄えるメインタンクを有するメインタンクユニットと、前記水冷媒熱交換器によって加熱された温水を蓄えるサブタンクと、を備え、
前記メインタンクユニットは、前記メインタンクを備えると共に、前記水冷媒熱交換器によって加熱された温水を前記メインタンクに供給する高温水流入配管と、前記高温水流入配管から流入する温水を前記サブタンクに供給する高温水流出口と、外部水源から供給される市水を前記メインタンクの底部に供給する市水流入口と、前記市水流入口から前記メインタンクの底部に供給して蓄えられた水を前記水冷媒熱交換器に供給する低温水配管と、前記メインタンクの上部を前記サブタンクの下部に接続するサブタンク接続口と、を有し、
前記市水流入口から前記メインタンクの底部に供給されて蓄えられた水を前記低温水配管を通って前記水冷媒熱交換器に供給し、前記水冷媒熱交換器で加熱された温水を前記メインタンクユニットの前記高温水流入配管及び前記高温水流出口を通り、前記サブタンクに蓄え、前記サブタンクの下部から前記メインタンクユニットの前記サブタンク接続口を通って前記メインタンクに蓄えるように水側回路を構成し、前記サブタンクを高温側、前記メインタンクを低温側となるように蓄熱することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のヒートポンプ給湯機によれば、1つのユニット内での熱ロスを低減できる構成で、貯湯タンクをモジュール化し、必要に応じて給湯容量を拡大できる。また、中温水を有効に利用して、効率よく給湯することが可能となる。さらに、浴槽追焚き等、家庭用のヒートポンプ給湯機の基本機能を備えるヒートポンプ給湯機が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係わるヒートポンプ給湯機について、図に基づいて説明する。図1は、本実施の形態に係わるヒートポンプ給湯機の全体構成を示す概略図である。
ヒートポンプ給湯機は、ヒートポンプユニット100と、メインタンクユニット200と、サブタンクユニット300とを備えている。この図では、例えば1台のサブタンクユニット300を有する構成を示している。
ヒートポンプユニット100内には、圧縮機1、水と冷媒とを熱交換する水冷媒熱交換器2、膨張弁3、蒸発器4を順次環状に接続し、冷媒を循環させて冷媒側回路を構成する冷凍サイクルと、蒸発器4に外気を送風するファン5とが搭載されている。水冷媒熱交換器2は、例えば水流入口2bと水流出口2aを通る水流路と、冷凍サイクルの冷媒流路の一部を構成する冷媒流路が隣接し、冷媒と水との熱交換が可能な構成である。
【0010】
メインタンクユニット200内には、負荷側媒体である水を水冷媒熱交換器2に送水する水循環ポンプ6と、水循環ポンプ6により送水されて水冷媒熱交換器2で加熱された温水を蓄えるメインタンク7aと、を備える。また、水源となる市水供給部からメインタンクユニット200に市水を導入する部分には市水流入口21aを備える。ここで、市水とは水源から導入する水のことで、通常は上水を用いるが、井戸水、や工業水を用いてもよく、また、海、川、湖などから導入した水でもよい。メインタンクユニット200とヒートポンプユニット100とを接続する部分には、水冷媒熱交換器2の水流入口2bに接続する給水流出口22と、水冷媒熱交換器2の水流出口2aと接続する高温水流入口23aと、を備える。また、メインタンクユニット200とサブタンクユニット300とを接続する部分には、市水流出口24aと、高温水流出口25aと、サブタンク接続口26aと、を備える。また、メインタンクユニット200と浴槽(図示せず)とを接続する部分には、浴槽水流入口27と、浴槽水流出口28と、を備える。
【0011】
さらに、メインタンクユニット200内には、市水流入口21aとタンク7aの底部を接続する配管8aと、配管8a上に配置された減圧弁9と、流路切替弁10aと、混合弁11aと、浴槽追焚き熱交換器12と、浴槽追焚き循環ポンプ13と、浴槽追焚き送水ポンプ14と、を備えている。さらには、配管8aと市水流出口24aを接続する配管8bと、配管8bから分岐して混合弁11aと接続する配管8cと、高温水流入口23aと流路切替弁10aを接続する高温水流入配管8dと、タンク7上部と流路切替弁10aを接続する配管8eと、流路切替弁10aと混合弁11aを接続する配管8fと、混合弁11aと高温水流出口25aを接続する配管8gと、タンク7a上部とサブタンク接続口26aを接続する配管8hと、を備えている。低温水配管22aはメインタンク7aの下部と給水流出口22を接続する配管であり、例えば低温水配管22aの途中に水循環ポンプ6が配置されている。
【0012】
即ち、高温水流入口23aは冷媒熱交換器2の水流出口2aに接続されて高温水を流入し、高温水流出口25aは高温水をサブタンク7b側に流出する。流路切替弁10aは、配管8d、8e、8fによって、高温水流入口23aとメインタンク7aの上部と混合弁11aに接続され、その3流路(配管8d、8e、8f)のうちの2流路を接続することで3流路の開閉を切り替え可能とする。低温水配管22aは、一端が水冷媒熱交換器2の水流入口2bに接続され他端がメインタンク7aの底部に接続される。サブタンク接続口26aは、内部では配管8hに接続されて、メインタンク7aの上部とサブタンク7bとを接続する。市水流入口21aは、配管8aによってメインタンク7aの底部に接続され、水源から導入する市水をメインタンク7aの底部に流入する。市水流出口24aは、配管8bによって、市水流入口21aから流入する市水をサブタンク7b側へ流出する。流路切替弁10aと高温水流出口25aの間に設けられる混合弁11aは、配管8a、8b、8cによって、市水流入口21aから市水を流入し、配管8fを流れる高温水に混合して配管8gから高温水流出口25aに流出可能とする。高温水流出口25aの後流に給湯部が接続されている場合、混合弁11aによって混合される市水の量は、設定されている給湯温度に応じて可変である。給湯部は利用者が温水を使用する部分であり、例えば、高温水流出口25aから複数に分岐され、台所や洗面所の給湯や、浴室のシャワー、浴槽の給湯などを対象とする。このとき利用者が必要な温水の温度を給湯温度として設定する。また、高温水流出口25aの後流に別のサブタンクユニットが接続されている場合、混合弁11aでは市水を混合することなく高温水のまま高温水流出口25aに流れる。
【0013】
サブタンクユニット300内には、温水を蓄えるタンク7bと、流路切替弁10bと、混合弁11bと、を備える。サブタンクユニット300とメインタンクユニット200とを接続する部分には、市水流入口21bと、高温水流入口23bと、メイン側タンク接続口29bと、を備える。サブタンクユニット300と他のサブタンクユニット(図示せず)、例えばサブタンク7bに下流側サブタンクが接続され、下流側サブタンクを有するサブタンクユニットを下流側サブタンクユニットと称するとき、サブタンク7bは下流側サブタンクに対して上流側サブタンクとなり、サブタンクユニット300は上流側サブタンクユニットとなる。上流側サブタンクユニットと下流側サブタンクユニットとを接続する部分には、市水流出口24bと、高温水流出口25bと、サブタンク接続口26bと、を備える。配管8iは市水流入口21bと市水流出口24bとを接続する配管であり、配管8jはメイン側タンク接続口29bとタンク7bの下部とを接続する配管である。他の各要素と接続する配管は、メインタンクユニット200と同様のため省略する。配管8a〜8j及びメインタンク7aと水冷媒熱交換器2の水流入口2b、水流出口2aを循環する配管とで水側回路を構成している。
【0014】
メインタンクユニット200とサブタンクユニット300は、それぞれ、高温水流出口25aとサブユニット高温水流入口23b、市水流出口24aとサブユニット市水流入口21b、サブタンク接続口26aとメイン側タンク接続口29bとで接続される。サブタンクユニット300が複数台接続される場合は、同様な接続でサブタンクユニット300同士を接続する。タンクユニットがメインタンクユニット200単独の場合は、サブタンク接続口26aおよび市水流出口24aを閉じた状態とすることで、所望の動作が可能となる。本実施の形態に係わるヒートポンプ給湯機は、メインタンクユニット200のみでもヒートポンプ給湯機としての機能を有し、サブタンクユニット300を増設することで、タンクの容量が増加される。
【0015】
即ち、サブユニット高温水流入口23bはメインタンクユニット200の高温水流出口25aに接続されて高温水を流入し、サブユニット高温水流出口25bは高温水を給湯部(図示せず)側に流出する。サブユニット流路切替弁10bは、配管8d、8e、8fによって、サブユニット高温水流入口23bとサブタンク7bの上部とサブユニット混合弁11bに接続され、その3流路(配管8d、8e、8f)のうちの2流路を接続することで3流路の開閉を切り替え可能とする。サブユニット用サブタンク接続口26bは、内部では配管8hに接続されて、上流側サブタンク7bの上部と下流側サブタンク(図示せず)とを接続する。サブユニット用メイン側タンク接続口29bは、内部では配管8jに接続され、メインタンクユニット200のサブタンク接続口26aと上流側サブタンク7bの下部とを接続する。サブユニット市水流入口21bはメインタンクユニット200の市水流出口24aに接続され市水を流入する。サブユニット市水流出口24bは、配管8iに接続され、サブユニット市水流入口21bから流入する市水を下流側サブタンク(図示せず)側へ流出する。サブユニット高温水流出口25bの上流側に設けられるサブユニット混合弁11bは、配管8i、8cによって、サブユニット市水流入口21bから市水を流入し、配管8fを流れる高温水に混合して配管8gからサブユニット高温水流出口25bに流出可能とする。サブユニット高温水流出口25bの後流に給湯部が接続されている場合、サブユニット混合弁11bによって混合される市水の量は、設定されている給湯温度に応じて可変である。また、サブユニット高温水流出口25bの後流にさらに別のサブタンクユニットが接続されている場合、サブユニット混合弁11bでは市水を混合することなく高温水のままサブユニット高温水流出口25bに流れる。
【0016】
なお、メインタンク7aと水冷媒熱交換器2間でメインタンク7a内の水を循環させる水循環ポンプ6は、必ずしもメインタンクユニット200に設置する必要はなく、ヒートポンプユニット100側に搭載してもよい。また、ヒートポンプユニット100は、メインタンクユニット200と一体としてもよい。その際、給水流出口22と高温水流入口23aは不要となり、直接低温水配管22aで水冷媒熱交換器2の水流入口2bと接続し、高温水流入配管8dで水冷媒熱交換器2の水流出口2aと接続する接続すればよい。
【0017】
次に、ヒートポンプユニット100の動作について説明する。冷凍サイクルを循環する冷媒は、圧縮機1で高圧高温に圧縮され、水冷媒熱交換器2で被加熱流体である水を加熱し、冷媒自体は冷却される。水冷媒熱交換器2は冷媒と水の流れが対向流的に流れると効率がよい。さらに、水冷媒熱交換器2で冷却された高圧冷媒は、膨張弁3で減圧され、低圧低温状態となる。膨張弁3は、開度が可変な電子式膨張弁にすると制御性がよく、冷凍サイクルの運転状態(温度情報や圧力情報)を検知し、効率よく運転することができる。次に、蒸発器4においてファン5で送風される空気によって蒸発し、ガス化した状態で圧縮機1に戻り、冷凍サイクルを循環する。ここでは、ヒートポンプユニット100の基本的な構成のみを記載しているが、機能を付加するための要素部品、例えば水冷媒熱交換器2の出口冷媒と、圧縮機1吸入の冷媒を熱交換する高低圧熱交換器等を付加し、高効率を図ることもできる。つまり、図1記載の構成に限定されるわけではなく、本実施の形態におけるヒートポンプ給湯機に搭載する冷凍サイクルの構成は、幅広く対応できるものである。
【0018】
また、ヒートポンプユニット100は、圧縮機1から吐出する冷媒の圧力や温度を変化させられるように、圧縮機駆動装置(図示せず)をインバータ制御のDCブラシレスモータを使用して回転数を可変としたものとするが、複数台の圧縮機1を組合せて構成し、この組合せを切り替えて全体の能力を可変としてもよい。また、圧縮機1の吸入側に冷媒音を低減させるサクションマフラーのような容器を設けたり、圧縮機1の吐出側に流出した潤滑油を回収する装置を設けるなど、図1の構成に他の目的の構造を付加してもよい。即ち、図1に示すヒートポンプユニット100は基本的な回路だけを説明している。このヒートポンプ給湯機の冷媒としては、高温出湯ができる冷媒、例えば、二酸化炭素、R410A、プロパン、プロピレンなどの冷媒が適しているが、特にこれらに限定されるものではない。
【0019】
次に、本実施の形態に係わるヒートポンプ給湯機の運転動作について説明する。ヒートポンプ給湯機の運転モードは、例えば、タンクの湯を沸き上げる沸上げ運転モード、沸き上げたタンクの湯を給湯として使用する給湯運転モード、浴槽の湯を昇温する浴槽追焚きモード、浴槽追焚き運転するために湯を沸き上げる追焚き蓄熱運転モードがある。また、給湯運転モードには、タンクの高温の湯と低温の市水を混合して給湯する通常給湯運転モードと、タンクの中温の湯を直接給湯する、または給湯温度によっては低温の市水と混合して給湯する中温水給湯運転モードがある。
【0020】
[沸上げ運転モード]
タンクの湯を沸上げる沸上げ運転モードの動作について説明する。まず、図2は本実施の形態に係わり、メインタンクユニット200を有し、サブタンクユニットを備えていないメインタンクユニット200単独の構成のヒートポンプ給湯機における沸上げ運転モードの動作を示す説明図である。
図中、太線で示した接続配管は、この沸き上げ運転モードで冷媒又は水又は温水が流れる配管を示している。また、矢印は冷媒又は水又は温水の流れ方向を示している。メインタンクユニット200において、流路切替弁10aを高温水流入口23aとタンク7a上部が接続するように動作して配管8d、8eを開とする。また、サブタンクユニット300に接続する市水流出口24aとサブタンク接続口26aは閉状態(黒塗り表示)とする。次に、ヒートポンプユニット100及び水循環ポンプ6を運転し、タンク7a底部から低温水配管22a、給水流出口22を通して低温水をヒートポンプユニット100へ供給する。メインタンクユニット200の給水流出口22から供給された低温水は、ヒートポンプユニット100の水冷媒熱交換器2で高温に加熱され、メインタンクユニット200の高温水流入口23aへ戻される。高温水流入口23aに戻された高温水は高温水流入配管8d、流路切替弁10a、配管8eを通り、タンク7a上部に流入し、タンク7a上部から高温水が貯留する。
【0021】
沸上げ運転を所定時間行ない、メインタンク7aに必要蓄熱量を確保したら、ヒートポンプユニット100および水循環ポンプ6の運転を停止し、流路切替弁10aはタンク7a上部と混合弁11aが接続するように動作し、沸上げ運転が完了する。流路切替弁10aをタンク7a上部と混合弁11aに接続することで、高温水流出口25aから給湯する給湯運転モードに切り換えられる。ここで、タンク7aの蓄熱量は、タンク7aの側面に設けた1つ又は複数の温度検出手段、例えばタンク温度センサ30等によってメインタンク7aの下部に貯留されている水の温度やタンク7aから流出する水の温度を検出し、検出された情報から、演算等によって判定される。
【0022】
次に、図3に示すようにタンクユニットがメインタンクユニット200と1台のサブタンクユニット300を備えた構成のヒートポンプ給湯機で、沸き上げ運転モードについて説明する。まず、メインタンクユニット200において、流路切替弁10aを高温水流入口23aと混合弁11aが接続するように動作し、サブタンクユニット300において、流路切替弁10bを高温水流入口23bとタンク7b上部が接続するように動作する。また、メインタンクユニット200とサブタンクユニット300間では、市水流出口24aとサブユニット市水流入口21b、サブタンク接続口26aとサブユニット用メイン側タンク接続口29b、高温水流出口25aとサブユニット高温水流入口23bが接続されている。また、さらに下流のサブタンクユニット(図示せず)に接続するサブユニット市水流出口24bとサブユニット用下流側タンク接続口26bは閉状態(黒塗り表示)とする。
【0023】
次に、ヒートポンプユニット100および水循環ポンプ6を運転し、タンク7a底部から給水流出口22を通して低温水をヒートポンプユニット100へ供給する。メインタンクユニット200の給水流出口22から供給された低温水は、ヒートポンプユニット100の水冷媒熱交換器2で高温に加熱され、メインタンクユニット200の高温水流入口23aへ戻される。高温水流入口23aに戻された高温水は流路切替弁10a、混合弁11aを通り、高温水流出口25aからサブタンクユニット300の高温水流入口23bへ供給される。高温水流入口23bに流入した高温水は流路切替弁10bをとおり、タンク7b上部に流入し、タンク7b上部から高温水が貯留する。
【0024】
また、タンク7a上部とタンク7b底部を接続しており、タンク7b内が高温水で満たされると、タンク7b底部からタンク7a上部に高温水が流れ、タンク7aに湯が蓄熱される。即ち、タンク7b、タンク7aに順次湯が蓄熱される。この沸上げを順次行ない、必要蓄熱量を確保したら、ヒートポンプユニット100および水循環ポンプ6の運転を停止し、沸上げ運転が完了する。流路切替弁10bはタンク7b上部と混合弁11bが接続するように動作する。流路切替弁10bをタンク7b上部と混合弁11bに接続することで、高温水流出口25bから給湯する給湯運転モードに切り換えられる。ここで、タンク7a、7bの蓄熱量は、前記と同様、タンク7a、7bの側面に設けた1つ又は複数のセンサ(図示せず)等によって検知された情報から、演算等によって判定される。
【0025】
さらに、図4に示すように、サブタンクユニット300が複数台接続されている場合も同様の動作により沸上げ運転が可能である。その際には、サブタンクユニット300のうちでメインタンク7aから最も離れて接続されるサブタンク7cを有するユニット300bの流路切替弁10cを高温水流入口23cとタンク7cの上部を接続するように切り替え、他のユニット200、300aの流路切替弁10a、10bを高温水流入口23a、23bと混合弁11a、11bを接続するように切り替えて、水循環ポンプ6を運転し、水冷媒熱交換器2で高温となった高温水をメインタンク7aから最も離れたサブタンク7cに蓄え、その後順次メインタンクに近づくように高温水を蓄える沸き上げ運転を行う。即ち、メインタンク7aから最も離れて接続されているサブタンク7cの上部から高温水が蓄熱され、次にサブタンク7c、7b同士がタンク接続口29c、26bを介して配管8j、8hで接続されているので、サブタンクユニット300aのサブタンク7bの上部から蓄熱され、最後にタンク7b、7a同士がタンク接続口29b、26aを介して配管8j、8hで接続されているので、メインタンクユニット200のメインタンク7aの上部から蓄熱される。
【0026】
以上のように、メインタンクユニット200単独やサブタンクユニット300を複数台接続しても蓄熱することが可能となる。
【0027】
[給湯運転モード(通常給湯運転モード)]
以下、通常給湯運転モードの運転動作について説明する。図5は、本実施の形態に係わるヒートポンプ給湯機としてメインタンクユニット単独の給湯運転モード(通常給湯運転モード)の動作を示す説明図である。図中、図1と同一符号は同一、又は相当部分を示し、白抜き矢印は外部からヒートポンプ給湯機への水の流入方向、又はヒートポンプ給湯機から外部への温水の流出方向を示す。流路切替弁10aは沸上げ運転モード終了時に、タンク上部7aと混合弁11aを接続するように動作しており、この状態を維持している。また、タンク7aには温水が蓄熱されている。詳しく図示していないが、高温水流出口25aの後流には給湯部40として利用者が使用する開閉栓があり、利用者が開閉栓を開くと給湯が開始される。利用者が開閉栓を開くと、水源からの市水が、市水流入口21aを通してメインタンクユニット200に流入し、減圧弁9により減圧されて配管8aを通り、タンク7a底部よりタンク7aに流入する。
【0028】
さらに、タンク7a底部から流入した市水により、タンク7a内の高温水はタンク7a上部より流出し、配管8e、流路切替弁10a、配管8fを通って混合弁11aへ流入する。また、減圧弁9を通った市水の一部は配管8b、配管8cを通り、混合弁11aへ流入する。混合弁11aではタンク7aから流入した高温水と、市水から流入した低温水を混合し、あらかじめ利用者の設定した給湯温度に調整され、配管8gを通り、高温水流出口25aを通して給湯される。そして、利用者が開閉栓を閉じると、市水の供給が停止するため、給湯運転(通常給湯運転モード)が完了する。
【0029】
次に、図6は本実施の形態に係わるヒートポンプ給湯機のメインタンクユニット100と1台のサブタンクユニット300を接続した場合の給湯運転モード(通常給湯運転モード)の動作を示す説明図である。流路切替弁10aはタンク7a上部からタンク7a内の水が流出しないようにタンク7aに接続する配管8eを閉止する。流路切替弁10bは沸上げ運転モード終了時に、タンク上部7bと混合弁11bを接続するように動作しており、この状態を維持している。また、タンク7aおよびタンク7bには湯が蓄熱されている。詳しく図示していないが、高温水流出口25bの後流には給湯部40として利用者が使用する開閉栓があり、利用者が開閉栓を開くと給湯が開始される。利用者が開閉栓を開くと、水源からの市水が、市水流入口21aを通してメインタンクユニット200に流入し、減圧弁9により減圧されて配管8aを通ってタンク7a底部よりタンク7aに流入する。
【0030】
さらに、タンク7a底部から流入した市水により、タンク7a内の高温水はタンク7a上部より流出する。このとき流路切替弁10aによって配管8eが閉止されているため、タンク7a内の高温水は、配管8h、サブタンク接続口26aからメイン側タンク接続口29b、配管8jを通り、タンク7b底部へ流入する。さらにはタンク7b底部へ湯が流入することで、タンク7b上部から高温水が流出し、配管8e、配管8fを通って混合弁11bへ流入する。また、減圧弁9を通った市水の一部は、配管8b、市水流出口24a、市水流入口21b、配管8i、8cを通り、混合弁11bへ流入する。混合弁11bではタンク7bから流入した高温水と、市水流入口21bから流入した低温水を混合し、あらかじめ利用者の設定した給湯温度に調整され、配管8g、高温水流出口25bを通して給湯される。そして、利用者が開閉栓を閉じると、市水の供給が停止するため、給湯運転が完了する。
【0031】
以上のように、メインタンクユニット200単独やサブタンクユニット300を複数台接続しても給湯することが可能となる。例えば図4のようにサブタンクユニット300を複数台備えている場合には、サブタンクユニットのうちでメインタンク7aから最も離れて接続されるサブタンク7cを有するユニット300bの流路切替弁10cをタンク7cの上部と混合弁11cとを接続するように切り替え、他のユニット200、300aの流路切替弁10a、10bをタンク7a、7bの上部から流出しないように切り替えて、メインタンク7aから最も離れて接続されるサブタンク7cに温水を給湯する。そして、メインタンクユニット200から最も離れたサブタンクユニット300bのサブタンク7cの上部から高温水が利用者に供給され、使用された高温水の量だけ次のサブタンクユニット300aのサブタンク7bの上部からタンク接続口26b、29cを介して配管8h、8jを通りサブタンク7cの底部へと補充される。即ち、高温水は、メインタンクユニット200のメインタンク7a内の高温水が最初になくなり、次にメインタンクユニット200に接続されたサブタンク7bの高温水がなくなり、次にサブタンク7bに接続されたサブタンク・・サブタンク7cへと順次高温水がなくなるように供給される。
【0032】
[給湯運転モード(中温水給湯運転モード)]
中温水給湯運転モードの運転動作について説明する。
ヒートポンプ給湯機を設置する場合、利用者の使用環境や状況に応じて必要蓄熱量が決定される。この必要蓄熱量と温水を蓄えるタンクの容量とで、蓄熱温度が決定される。タンク内の温水がすべて蓄熱温度の時、蓄熱量が最大となるが、給湯部で利用者が温水を使用すると、その使用した分だけ市水がタンクに供給される。このため、タンク全体では高温側と低温側の温度分布が生じる。このとき、蓄熱温度近傍の温度の高い高温水はタンクの上部に存在し、市水温度近傍の温度の低い低温水はタンクの下部に存在するのであるが、その境界付近では蓄熱温度よりも低く、市水温度よりも高い中間の温度の水が存在することになり、これを中温水と称する。例えば一般家庭用のヒートポンプ給湯機の場合、蓄熱温度を90℃程度として、ヒートポンプユニット100の冷凍サイクルの冷媒に二酸化炭素を使用するとする。蓄熱温度90℃程度の温水が高温水、市水温度5℃程度の水が低温水、高温水(例えば90℃)と低温水(例えば5℃)の間の境界層に存在する例えば40〜50℃程度の温水が中温水となる。ヒートポンプユニット100の冷凍サイクルにおいて、例えば冷媒として二酸化炭素を使用した場合、水冷媒熱交換器2に低温水よりも高い中温水が流入すると、水冷媒熱交換器2の冷媒出口温度が高くなって冷凍サイクルのCOPが低下すると考えられる。このため、本実施の形態では中温水を積極的に利用する中温水給湯運転モードを備え、高温水と低温水の間の境界層を低減すれば、冷凍サイクルのCOPの低下を防止できる。
【0033】
また、蓄熱温度(高温水)よりも低く市水温度(低温水)よりも高い温度の中温水は、ヒートポンプユニット100を使って沸き上げた温水の一部が、メインタンク7a内で市水と接することで温度が低下したものである。温度が低下した中温水のうちの給湯温度以上の中温水を給湯に使うことで、沸き上げた熱量を有効に利用できる。さらに、中温水に市水を混合して給湯温度として給湯部40に供給すると、高温水を給湯する場合よりも市水の量が少なくてよいので、市水を節約することもできる。
【0034】
図7は本実施の形態に係わるヒートポンプ給湯機のメインタンクユニット200と1台のサブタンクユニット300を接続した場合の給湯運転モード(中温水給湯運転モード)の動作を示す説明図である。このヒートポンプ給湯機で中温水給湯運転の運転動作について説明する。中温水は、高温水と低温水の境界層付近にできる温水である。図の様にタンクがメインタンク7a−サブタンク7bで構成されている場合、メインタンク7aの底部に低温水が貯留されサブタンク7bの上部に高温水が貯留される。そして、メインタンク7aの上部が境界層付近になると、ここに中温水が貯留されることになる。また、後述の浴槽追焚き運転をした後にはメインタンク7aの底部に存在する中温水が、サブタンク7bの高温水を給湯に使用するに従ってメインタンク7aの上部に移動して、ここに中温水が貯留される場合もある。中温水給湯運転は中温水がタンク7a上部にあるときに動作する。例えばタンク7a上部付近に温度検出手段ここではタンク温度センサ30を配置し、タンク7aの上部付近に貯留されている水の温度を検出する。この温度が中温水を示す温度であるときに境界層を検知したとし、メインタンクユニット200の流路切替弁10aをタンク7a上部と混合弁11aを接続するように動作する。また、サブタンクユニット300の流路切替弁10bを高温水流入口23bと混合弁11bを接続するように動作する。
【0035】
詳しく図示していないが、高温水流出口25bの後流には給湯部40として利用者が使用する開閉栓があり、利用者が開閉栓を開くと給湯が開始される。利用者が開閉栓を開くと、水源からの市水が、市水流入口21aを通してメインタンクユニット200に流入し、減圧弁9により減圧されて配管8aを通り、タンク7a底部よりタンク7aに流入する。さらに、タンク7a底部から流入した市水により、タンク7a内の温水はタンク7a上部より流出し、配管8e、流路切替弁10a、配管8f、混合弁11aおよび配管8gを通り、高温水流出口25aからサブタンクユニット300へ供給される。
【0036】
サブタンクユニット300へ供給された高温水は高温水流入口23bから流入し、配管8d、流路切替弁10b、配管8fを通り、混合弁11bへ流入する。また、減圧弁9を通った市水の一部は、配管8b、市水流出口24a、市水流入口21b、配管8i、配管8cを通り、混合弁11bへ流入する。混合弁11bでは高温水流入口23bから流入した高温水と、市水流入口21bから流入した低温水を混合し、あらかじめ利用者の設定した給湯温度に調整され、配管8g、高温水流出口25bを通して給湯される。そして、利用者が開閉栓を閉じると、市水の供給が停止するため、給湯運転が完了する。
メインタンク7a内の中温水が給湯に使用されてしまった後にも給湯要求がある場合には、図6で示したように、流路切替弁10a、10bを切り替えて、サブタンク7b内の高温水を給湯するように動作すればよい。
【0037】
例えば図4のようにサブタンクユニット300を複数台備えている場合には、メインタンクユニット200の流路切替弁10aをメインタンク7aの上部と混合弁11aとを接続するように切り替え、他のサブタンクユニット300a、300bの流路切替弁10b、10cを高温水流入口23b、23cと混合弁11b、11cとを接続するように切り替えて、メインタンク7a内の温水を給湯する。メインタンク7a内に中温水がなくなった後にも給湯要求がある場合には、メインタンク7aから最も離れて接続されるサブタンク7cを有するサブタンクユニット300bの流路切替弁10bをサブタンク7cの上部と混合弁11cとを接続するように切り替え、メインタンクユニット200の流路切替弁10aをメインタンク7aの上部から流出しないように切り替えて、メインタンク7aから最も離れて接続されるサブタンク7c内の温水を給湯する。このように、最初にメインタンク7aの温水を給湯し、次にメインタンク7aから最も離れて接続されるサブタンク7c内の温水を給湯する給湯運転を行えばよい。
【0038】
以上のように運転すれば、メインタンクユニット200とサブタンクユニット300を複数台接続する構成のヒートポンプ給湯機で、中温水を優先して給湯することが可能となる。
【0039】
例えばヒートポンプユニット100の冷凍サイクルにおいて、冷媒として二酸化炭素を使用した場合、水冷媒熱交換器2に流入する水の温度が高温(例えば90℃)と低温(例えば5℃)の間にできる境界層(例えば40〜50℃)になる。通常、利用者が設定する温水の利用温度は40℃以下であり、境界層の中温水を供給しても十分対応できる。そこで、メインタンク7a内の中温水を優先して使用することで、メインタンク7a内に貯留する境界層が低減される。このため、中温水を有効に利用できると共に、ヒートポンプ沸き上げ運転を行ったときに、中温水が水冷媒熱交換器2に流入するのを防止でき、加熱効率を向上できる。
【0040】
なお、通常給湯運転モードと中温水給湯運転モードの運転制御を図8に示す。図8は本実施の形態に係り、給湯要求された場合の通常給湯運転モードと中温水給湯運転モードの動作の一例を示すフローチャートである。
利用者によって給湯要求がされた場合、給湯温度がメインタンク7aの上部に貯留している中温水よりも低いかどうかを比較する(STEP1)。給湯温度が中温水よりも高いまたは同じ場合には、STEP4で通常給湯運転モードを行う。一方、給湯温度が中温水よりも低い場合には、STEP2でメインタンク7aの上部に中温水があるかどうかを判断する。これは例えばメインタンク7aの上方側面に設置したタンク温度センサ30によって検出する。メインタンク7aの上部に中温水がない場合には、STEP4で通常給湯運転モードを行う。STEP2の判断で、メインタンク7aの上部に中温水がある場合には中温水給湯運転モードを例えば所定の時間行う(STEP3)。STEP3で中温水をある所定量使った後、給湯要求が継続している場合には、まだ中温水があるかどうか判断するSTEP2に戻る。
【0041】
このように、通常給湯運転モードと中温水給湯運転モードの運転制御を行えば、メインタンク7a内の中温水を有効に利用して、効率のよいヒートポンプ給湯機が得られる。また、利用者に安定して希望の温度の温水を供給できる。
【0042】
なお、上記ではメインタンク7a上部に中温水が存在する場合に中温水給湯運転モードを行うとしたが、メインタンク7a上部に高温水が存在する場合に中温水給湯運転モードを行ってもよい。メインタンク7aの上部が高温水であるとしても、その下層には中温水の境界層が存在する。このため、メインタンク7aの高温水と中温水を給湯に使用した後、サブタンク7bまたは、複数のタブタンクを有する場合にはメインタンクから最も離れて接続されているサブタンク7cの高温水を使用する通常給湯運転を行うようにしてもよい。即ち、メインタンク7aの上部に貯留されている水の温度を検出する温度検出手段30を備え、メインタンク7aの上部に貯留されている水が給湯温度以上の温度の高温水または中温水のとき、最初にメインタンク7a内の給湯温度以上の温度の温水を給湯する。
最初にメインタンク7a内の中温水を使用することで、前述したようにメインタンク7a内に貯留する境界層が低減される。このため、ヒートポンプ沸き上げ運転を行ったときに、中温水が水冷媒熱交換器2に流入するのを防止でき、加熱効率を向上できる。
【0043】
本実施の形態では、メインタンク7aで浴槽水を追焚きする機能を備えている。このための構成として、メインタンクユニット200と浴槽(図示せず)とを接続する部分には、浴槽水流入口27と、浴槽水流出口28と、を備えている。さらに、浴槽から輸送された浴槽水とメインタンク7aの上部から輸送された温水とを熱交換する浴槽追焚き熱交換器12と、浴槽と浴槽追焚き熱交換器12間で浴槽水を循環させる浴槽追焚き送水ポンプ14と、メインタンク7aと浴槽追焚き熱交換器12間でメインタンク7aの温水を循環させる浴槽追焚き循環ポンプ13と、を備えている。そして、浴槽を追焚きするのに必要な運転モードとして追焚き蓄熱運転モードと浴槽追焚き運転モードを有する。追焚き蓄熱運転モードは、浴槽水を追焚きするのに必要な熱量をメインタンク7aに蓄える運転であり、浴槽追焚き運転モードは、実際に浴槽水の温度を昇温する運転である。
【0044】
[追焚き蓄熱運転モード]
以下、追焚き蓄熱運転モードの運転動作について説明する。図9は本実施の形態に係わるヒートポンプ給湯機のメインタンクユニット200と1台のサブタンクユニット300を接続した場合の追焚き蓄熱運転モードの動作を示す説明図である。このヒートポンプ給湯機で追焚き蓄熱運転の運転動作について説明する。本実施の形態では、メインタンク7aに貯留されている温熱によって浴槽水を追焚きする。このため、メインタンクユニット200のメインタンク7aに浴槽水の追焚きに必要な熱量が不足している場合には、追焚き蓄熱運転を実施する。メインタンクユニット200の流路切替弁10aを高温水流入口23aとタンク7a上部を接続するように動作する。この沸上げ動作は、図2に示したメインタンクユニット200単独の沸上げ運転モードと同じため、ここでは省略する。なお、浴槽水の追焚きに必要な熱量がメインタンク7aに不足しているかどうかは、例えばメインタンク7aの側面に設けた1つ又は複数の温度検出手段、ここではタンク温度センサ30の計測値によって判断できる。例えば、タンク温度センサ30によって、タンク7aの下部の温度を検出するか、又はタンク7aから水冷媒熱交換器2へ流出する水の温度を検出することで、タンク7a内の蓄熱量を判断できる。
【0045】
メインタンク7aの蓄熱量が浴槽追焚き運転に必要な熱量よりも少なくなったときに、ヒートポンプユニット100と水循環ポンプ6を動作させ、メインタンク7aの水とヒートポンプユニット100の冷媒とを熱交換してメインタンク7aに浴槽追焚き運転に必要な熱量を蓄熱する追焚き蓄熱運転モードを備えていることで、メインタンクユニット200とサブタンクユニット300を複数台接続しても、サブタンクユニット300の蓄熱状態によらず、浴槽追焚きに必要な熱量をメインタンク7aに確保することが可能となる。通常、浴槽水の追焚きは、例えば15℃〜30℃程度の浴槽水を40℃程度に昇温すればよいので、その分の熱量をメインタンク7aに蓄熱しておけばよい。
この追焚き蓄熱運転モードを例えば浴槽への湯はり後に行うことで、湯はり後に常に浴槽の追焚き要求に対応することができ、利用者に快適なヒートポンプ給湯機を提供できる。
【0046】
[浴槽追焚き運転モード]
以下、浴槽追焚き運転モードの運転動作について説明する。利用者からの浴槽追焚き指示または、浴槽自動保温運転中に浴槽水の温度が予め設定されている浴槽水設定温度を下回った場合に浴槽追焚き運転を実施する。図10でメインタンクユニット200単独の構成のヒートポンプ給湯機で浴槽追焚き運転する場合について説明する。浴槽追焚き送水ポンプ14を動作し、浴槽(図示せず)内の浴槽水を浴槽水流入口27を通して追焚き熱交換器12へ導入する。次に又はこれと同時に、浴槽追焚き循環ポンプ13を動作させて、タンク7a上部の高温水を浴槽追焚き熱交換器12へ導入し、浴槽水を加熱する。浴槽水に熱を伝えて冷却された水はタンク7a底部へ流入する。加熱された浴槽水は、浴槽水流出口28を通り、浴槽へ送水される。浴槽追焚き運転は、浴槽水の温度が利用者の設定した温度となるまで継続し、所望の温度に達すると、浴槽追焚き循環ポンプ13を停止し、さらに浴槽追焚き送水ポンプ14を停止することで、浴槽追焚き運転が終了する。
【0047】
図11に示すように、メインタンクユニット200とサブタンクユニット300が接続している構成の場合でも、浴槽追焚き運転の運転動作はメインタンクユニット200のみの運転動作と同様である。利用者が要求したとき、または浴槽水の温度が予め設定されている温度より低くなったときに、浴槽追焚き送水ポンプ14と浴槽追焚き循環ポンプ13を動作させ、メインタンク7aの温水と浴槽水とを熱交換して浴槽水の温度を上昇させればよい。
このように、メインタンクユニット200単独やサブタンクユニット300を複数台接続しても、浴槽追焚き熱交換器12、浴槽追焚き循環ポンプ13、浴槽追焚き送水ポンプ14を備え、浴槽水及びメインタンク7a内の温水を循環させることで、メインタンク7a内の温熱を使って浴槽追焚きが可能となる。
【0048】
以上のように、利用者が要求したとき、または浴槽水の温度が予め設定されている浴槽水設定温度より低くなったときに、浴槽追焚き送水ポンプ14と浴槽追焚き循環ポンプ13を動作させ、メインタンク7aの温水と浴槽水とを熱交換して浴槽水の温度を上昇させる浴槽追焚き運転を行うことができる。また、メインタンク7aの蓄熱量が浴槽追焚き運転に必要な熱量よりも少なくなったときに、ヒートポンプユニット100と水循環ポンプ6を動作させ、メインタンク7aの水とヒートポンプユニット100の冷媒とを熱交換してメインタンク7aに浴槽追焚き運転に必要な熱量を蓄熱する追焚き蓄熱運転を行うことができる。
即ち、このようにメインタンクユニット200及びサブタンクユニット300を構成することで、複数のサブタンクユニット300を接続しても、沸上げ運転、給湯運転、浴槽追焚き運転、追焚き蓄熱運転が可能となる。即ち、浴槽追焚き等、家庭用のヒートポンプ給湯機の基本機能を備え、中温水の有効利用を可能とし、貯湯タンクをモジュール化して、容易にタンク容量を増設できる。
【0049】
ヒートポンプ給湯機が、浴槽追焚き運転及び追焚き蓄熱運転を備えている場合、図10及び図11に示すように、メインタンク7a内の上部の高温水は浴槽水を加熱して中温水となってメインタンク7a底部に戻ってくる。即ち、メインタンク7a内には、中温水が多くなり、この状態で例えばメインタンク7aの沸き上げ運転を行うと、中温水がヒートポンプユニット100の冷凍サイクルを構成する熱交換器2に循環して、冷凍サイクルのCOPが低下する可能性がある。これに対し、本実施の形態では、図7に示したようにメインタンク7a内の中温水を優先して給湯に使用する運転モードを有する。中温水給湯運転によって、特にヒートポンプ給湯機の運転効率に対して効果的である。
【0050】
なお、本実施の形態では浴槽追焚き機能を備えているが、必要のない場合には、浴槽追焚き運転及び追焚き蓄熱運転を備えないヒートポンプ給湯機を構成してもよい。即ち、浴槽追焚き熱交換器12、浴槽追焚き循環ポンプ13、浴槽追焚き送水ポンプ14、浴槽水流入口27、浴槽水流出口28を備えずに、ヒートポンプ給湯機を構成してもよい。
また、本実施の形態では、1つのユニット内では1つの流路切替弁10で3流路を切り替えているが、流路構成によっては、2つ以上の複数の流路切替弁によって3流路を切り替えるように構成してもよい。
【0051】
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2の機器構成は実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。また、ヒートポンプユニット100の動作も同様であるため省略する。ここでは例えば2台のサブタンクユニット300a、300bを備えた構成のヒートポンプ給湯機について説明するが、1台のサブタンクユニット300の構成でも同様である。
【0052】
次に、ヒートポンプ給湯機の運転動作について説明する。ヒートポンプ給湯機の運転モードは、タンクの湯を沸き上げる沸上げ運転モード、沸き上げたタンクの湯を給湯として使用する第2の給湯運転モード、浴槽の湯を昇温する浴槽追焚きモード、浴槽追焚き運転するために湯を沸き上げる追焚き蓄熱運転モードがある。なお、沸上げ運転モード、浴槽追焚きモード、追焚き蓄熱運転モードは実施の形態1と同様の運転動作のため、ここでは説明を省略する。
【0053】
[第2の給湯運転モード]
第2の給湯運転モードの運転動作について図に基づいて説明する。図12は本実施の形態に係わるヒートポンプ給湯機の第2の給湯運転モードの運転動作を示す説明図である。図中、実施の形態1と同一符号は同一、または相当部分を示す。メインタンクユニット200の流路切替弁10aをタンク7a上部と混合弁11aを接続するように動作する。また、サブタンクユニット300a、300bの流路切替弁10b、10cを高温水流入口23b、23cと混合弁11b、11cを接続するように動作する。
【0054】
ここで、メインタンク7aから最も離れて接続されるサブタンク7cを有するサブタンクユニット300bは、本実施の形態に係わるヒートポンプ給湯機の構成で、最も下流側に接続されているサブタンクユニットである。即ち、詳しく図示していないが、高温水流出口25cの後流には給湯部40として利用者が使用する開閉栓があり、利用者が開閉栓を開くと給湯が開始される。利用者が開閉栓を開くと、水源からの市水が、市水流入口21aを通してメインタンクユニット200に流入し、減圧弁9により減圧されて配管8aを通ってタンク7a底部よりタンク7aに流入する。さらに、タンク7a底部から流入した市水により、タンク7a内の高温水はタンク7a上部より流出し、配管8e、流路切替弁10a、配管8f、混合弁11a、配管8gを通り、高温水流出口25aからサブタンクユニット300aへ供給される。
【0055】
サブタンクユニット300aへ供給された高温水は、高温水流入口23bから流入し、配管8d、流路切替弁10b、配管8f、混合弁11b、配管8gを通り、高温水流出口25bから隣接するサブタンクユニット300へ流入する。そして、最終端に位置するサブタンクユニット300bへ供給された高温水は、高温水流入口23cから流入し、配管8d、流路切替弁10c、配管8fを通り、混合弁11cへ流入する。また、減圧弁9を通った市水の一部は、配管8bを通り市水流出口24aからサブタンクユニット300aへ流出する。サブタンクユニット300aでは、市水流入口21bから流入した市水は、配管8iを通って市水流出口24bから隣接するサブタンクユニット300へ流入する。そして、最終端に位置するサブタンクユニット300cへ供給された市水は市水流入口21cから流入し、配管8i、配管8cを通り混合弁11cへ流入する。
【0056】
混合弁11cでは高温水流入口23cから流入した高温水と、市水流入口21cから流入した低温水を混合し、あらかじめ利用者の設定した温度に調整され、配管8g、高温水流出口25cを通して給湯される。この給湯運転によって、最初にメインタンク7a内の温水が給湯に使用され、メインタンク7a内の温水の温度が、利用者が設定した給湯温度よりも低くなった場合にメインタンク7aの温水がなくなったと判断する。これは例えばメインタンク7aの上部側面に温度検出手段としてタンク温度センサ30aを設け、このセンサ30aによってメインタンク7aの上部に貯留されている水の温度を検出し、この温度が給湯温度よりも低い温度になった場合に、メインタンク7aの温水がなくなったと判断できる。
【0057】
次に、メインタンクユニット200のタンク7aの温水がなくなった後、給湯要求がされた場合の動作について、図13に基づいて説明する。メインタンクユニット200の流路切替弁10aを、タンク7aの上部から配管8eを通って流出しないように、高温水流入口23aと混合弁11aを接続する。また、サブタンクユニット300aの流路切替弁10bをタンク上部7bと混合弁11bを接続するように動作する。この動作によって、タンク7a底部から流入した市水は、タンク7a上部を通り、さらに配管8h、サブタンク接続口26a、メイン側タンク接続口29bを通りサブタンクユニット300aへ流出する。サブタンクユニット300aでは、メイン側タンク接続口29bから流入した低温水が配管8jを通ってタンク7b底部へ流入し、高温水がタンク7b上部から流出する。そして、配管8e、流路切替弁10b、配管8f、混合弁11b、配管8gを通り、高温水流出口25bから隣接するサブタンクユニット300へ流入する。
【0058】
その後は、上記同様の動作により、最終端に位置するサブタンクユニット300bで、あらかじめ利用者の設定した給湯温度に調整され、高温水流出口25cを通して給湯される。そして、利用者が開閉栓を閉じると、市水の供給が停止するため、給湯運転が完了する。
【0059】
以上のように、メインタンクユニット200の流路切替弁10aをメインタンク7aの上部と混合弁11aとを接続するように切り替え、他のサブタンクユニット300の流路切替弁10b、10cを高温水流入口23b、23cと混合弁10b、10cとを接続するように切り替えて、メインタンク7a内の温水を給湯し、その後メインタンク7aに接続するサブタンク7bを有する上流側サブタンクユニット300aの流路切替弁10bをサブタンク7bの上部とサブタンク混合弁11bとを接続するように切り替えてサブタンク7bの高温水を給湯するように、最初にメインタンク7aの温水を給湯し、次に、給湯したメインタンク7aまたはサブタンク7bに接続されているサブタンク7b、7cの温水を順次給湯する給湯運転を行う。
【0060】
即ち、第2の給湯運転モードでは、メインタンクユニット200と複数のサブタンクユニット300を接続した場合に、メインタンクユニット200側から最終端に位置する下流側のサブタンクユニット300bへ向けて順次、高温水を利用するよう動作する。このように動作することで、常に高温水と低温水の境界層に位置する中温水を利用することができ、蓄熱された湯を有効利用できる。また、追焚き蓄熱運転でタンク7aに蓄熱された湯を浴槽追焚き運転で利用したあとに、タンク7aに残湯があった場合に、メインタンクユニット200側から給湯することで、沸き上げた湯を無駄なく利用することが可能となり、効率のよい給湯ができる。
【0061】
ここで、実施の形態1及び実施の形態2に係わり、中温水を有効に使用することによる効果について、さらに詳しく説明する。一般にヒートポンプユニット100の水冷媒熱交換器2の冷媒出口温度が低いと冷凍サイクルのCOPが高く、冷媒出口温度が高いと冷凍サイクルのCOPが低くなる。これを例えばヒートポンプユニット100の冷媒を二酸化炭素(CO2)とした場合について説明する。水冷媒熱交換器2は、例えば熱交換効率のよい対向流で構成する。このため、水冷媒熱交換器2での冷媒出口温度が高いということは、水冷媒熱交換器2での水入口温度即ち給水温度が高いということである。図14は本発明の実施の形態1、2に係わり、冷媒がCO2の場合の水冷媒熱交換器の冷媒出口温度が変化したときの冷凍サイクルを示すグラフで、横軸にH(エンタルピー)、縦軸にP(圧力)を示す。図において、MはCO2の飽和線で、曲線Mの内側では気相と液相の二相状態である。点Xは臨界点、曲線N1及び曲線N2は等温線であり、それぞれ温度T1、T2を示しており、T1<T2である。冷媒出口温度がT1、T2の時の水冷媒熱交換器2のエンタルピー差をそれぞれhgc(T1)、hgc(T2)とする。特に超臨界では、臨界点X付近の比熱変化が大きいため、温度変化に伴ってエンタルピーの変化が大きくなる領域がある。例えば給水温度が市水温度程度で低い時には水冷媒熱交換器2の冷媒出口温度が温度T1であるとし、給水温度が高くなって冷媒出口温度が矢印Y方向に高くなり、温度T2になったとする。この時、エンタルピー差はhgc(T1)からhgc(T2)になる。即ち、COP=hgc/hcompであるので、冷媒出口温度がT1の場合のCOP(T1)=hgc(T1)/hcompと、冷媒出口温度がT2に上昇した場合のCOP(T2)=hgc(T2)/hcompを比較した場合、COP(T1)>COP(T2)となり、COP(T2)では大幅にCOPが下がることが明らかである。
【0062】
このように、COPが急激に低下する温度帯が存在し、その様子を図15に示す。図15は、本発明の実施の形態1、2に係わり、水冷媒熱交換器の冷媒出口温度とCOPの関係を示すグラフの一例で、横軸に水冷媒熱交換器の冷媒出口温度(℃)、縦軸にCOPを示す。曲線S1は圧力Pが8MPa、曲線S2は圧力Pが9MPa、曲線S3は圧力Pが10MPa、曲線S4は圧力Pが11MPa、曲線S5は圧力Pが12MPaのときの変化を示している。ヒートポンプユニットを運転する際の沸き上げ温度が例えば90℃程度の時には高圧を12MPa程度、65℃程度の時には9.5MPa程度というように、沸き上げ温度に応じて高圧値は変化するのであるが、一般に高圧が9〜12MPaで動作する場合、給水温度(=冷媒出口温度)が40℃程度以上でCOPが急低下している。図15から、給水温度が略30℃程度以下であれば、高圧が8MPa以上で高いCOPで運転することができる。このため、メインタンク7aに蓄えられている少なくとも30℃以上の温水は中温水として給湯に利用し、メインタンク7a底部から低温水配管22aを通って水冷媒熱交換器2の水入口部に供給される水は30℃程度よりも低い温度となるように構成するのが望ましい。
なお、図14及び図15は冷媒がCO2の場合について説明したが、他の超臨界で動作する冷媒の場合にも同様であり、給水温度が高くなるとCOPが低下する現象を示すので、そのCOPが急低下する付近の温度よりも給水温度を低く保ってCOPの低減を防ぐことができる。また、高圧が臨界点以下の圧力で動作する冷媒、例えば410Aなどの場合にも、給水温度が高くなって冷媒出口温度が高くなるとCOPの低減を招くことになり、同様のことが言える。
【0063】
以上のように、圧縮機1と、水冷媒熱交換器2と、膨張弁3と、蒸発器4とを順次接続して冷媒を循環させる冷媒側回路を構成するヒートポンプユニット100と、前記水冷媒熱交換器2によって加熱された温水を蓄えるメインタンク7aを有するメインタンクユニット200と、前記水冷媒熱交換器2によって加熱された温水を蓄えるサブタンク7bと、を備え、
前記メインタンクユニット200は、前記メインタンク7aを備えると共に、前記水冷媒熱交換器2によって加熱された温水を前記メインタンク7aに供給する高温水流入配管8d、8eと、前記高温水流入配管8dから流入する温水を前記サブタンク7bに供給する高温水流出口25aと、外部水源から供給される市水を前記メインタンク7aの底部に供給する市水流入口21と、前記市水流入口21から前記メインタンク7aの底部に供給して蓄えられた水を前記水冷媒熱交換器2に供給する低温水配管22aと、前記メインタンク7aの上部を前記サブタンク7bの下部に接続するサブタンク接続口26aと、を有し、
前記市水流入口21から前記メインタンク7aの底部に供給されて蓄えられた水を前記低温水配管22aを通って前記水冷媒熱交換器2に供給し、前記水冷媒熱交換器2で加熱された温水を前記メインタンクユニット200の前記高温水流入配管8d及び前記高温水流出口25aを通り、前記サブタンク7bに蓄え、前記サブタンク7bの下部から前記メインタンクユニット200の前記サブタンク接続口26aを通って前記メインタンク7aに蓄えるように水側回路を構成し、前記サブタンク7bを高温側、前記メインタンク7aを低温側となるように蓄熱することで、1つのユニット内での熱ロスを低減できる構成で、必要に応じて給湯容量を拡大できるヒートポンプ給湯機を提供できる効果がある。
【0064】
また、前記メインタンクユニット200は、前記市水流入口21aから流入する市水を分岐して直接外部に供給する市水流出口24aを有し、
前記サブタンク7bを有すると共に、前記メインタンクユニット200の前記市水流出口24aから供給される市水を前記サブタンク7bから流出する温水に混合して外部の給湯部40側に供給するサブユニット混合弁11bと、を有するサブタンクユニット300を備え、
前記サブタンク7bに蓄えられている温水を前記サブユニット混合弁11bに流入させ、前記サブユニット混合弁11bで前記メインタンクユニット200の前記市水流出口24aから供給された市水と混合して設定されている給湯温度の温水として前記外部の給湯部40側に供給すると共に、前記メインタンクユニット200に蓄えられている温水を前記サブタンク接続口26aを通って前記サブタンク7bに供給するように水側回路を構成し、前記サブタンク7bを高温側、前記メインタンク7aを低温側となるように蓄熱した水を前記高温側から供給することにより、1つのユニット内での熱ロスを低減できる構成で、必要に応じて給湯容量を拡大できるヒートポンプ給湯機を提供できる効果がある。
【0065】
また、前記メインタンクユニット200は、前記市水流入口21aから流入する市水を分岐して直接外部に供給する市水流出口24aを有し、
前記サブタンク7bを有すると共に、前記メインタンクユニット200の前記市水流出口24aから供給される市水を前記サブタンク7bから流出する温水または前記メインタンクユニット200の前記高温水流出口25aから流入する温水に混合して外部の給湯部40側に給湯するサブユニット混合弁11bと、を有するサブタンクユニット300を備え、
前記メインタンク7aに蓄えられている給湯温度以上の温水を前記高温水流出口25aを通って直接前記サブユニット混合弁11bに流入させ、前記サブユニット混合弁11bで前記メインタンクユニット200の前記市水流出口24aを通って供給された市水と混合して設定されている給湯温度の温水として前記外部の給湯部40側に供給し、前記メインタンク7aに蓄えられていた給湯温度以上の温水を供給した後、前記サブタンク7bに蓄えられている温水を供給するように水側回路を構成し、前記サブタンク7bを高温側、前記メインタンク7aを低温側となるように蓄熱した水を前記低温側から供給することにより、1つのユニット内での熱ロスを低減できる構成で、必要に応じて給湯容量を拡大でき、中温水を有効に利用して、効率よく給湯することができるヒートポンプ給湯機を提供できる効果がある。
【0066】
さらに、圧縮機1と、水冷媒熱交換器2と、膨張弁3と、蒸発器4と、を順次接続して冷媒を循環させるヒートポンプユニット100、
温水を蓄えるメインタンク7aと、前記水冷媒熱交換器2の水流出口2aに接続され温水を流入する高温水流入口23aと、温水をサブタンク7b側に流出する高温水流出口25aと、水源から導入する市水を前記メインタンク7aの底部に流入する市水流入口21aと、前記市水流入口21aから流入する市水を前記サブタンク7b側へ流出する市水流出口24aと、前記高温水流出口25aの上流側に設けられ、前記市水流入口24aから流入する市水を温水に混合可能な混合弁11aと、前記高温水流入口23aと前記メインタンク7aの上部と前記混合弁11aに接続されてその3流路の開閉を切り替え可能な流路切替弁10aと、一端が前記水冷媒熱交換器2の水流入口2bに接続され他端が前記メインタンク7aの下部に接続される低温水配管22aと、前記メインタンク7aの上部と前記サブタンク7bとを接続する前記サブタンク接続口26aと、を有するメインタンクユニット200、
温水を蓄える前記サブタンク7bと、前記メインタンクユニット200の前記高温水流出口25aに接続され温水を流入するサブユニット高温水流入口23bと、温水を給湯部40側に流出するサブユニット高温水流出口25bと、前記メインタンクユニット200の前記市水流出口24aに接続され市水を流入するサブユニット市水流入口21bと、前記サブユニット市水流入口21bから流入する市水を前記サブタンク7bとは別の下流側サブタンク側へ流出するサブユニット市水流出口24bと、前記サブユニット高温水流出口25bの上流側に設けられ、前記サブユニット市水流入口21bから流入する市水を温水に混合可能なサブユニット混合弁11bと、前記サブユニット高温水流入口23bと前記サブタンク7bの上部と前記サブユニット混合弁11bに接続されてその3流路の開閉を切り替え可能なサブユニット流路切替弁10bと、前記サブタンク7bの上部と前記下流側サブタンクとを接続するサブユニット用サブタンク接続口26bと、前記メインタンクユニット200の前記サブタンク接続口26aと前記サブタンク7bの下部とを接続するサブユニット用メイン側タンク接続口29bと、を有するサブタンクユニット300、
及び前記メインタンク7aと前記水冷媒熱交換器2間で前記メインタンク7a内の水を循環させる水循環ポンプ6、を備えたことにより、1つのユニット内での熱ロスを低減できる構成で、貯湯タンクをモジュール化し、必要に応じて給湯容量を拡大できる。また、中温水を有効に利用して、効率よく給湯することが可能となるヒートポンプ給湯機を提供できる効果がある。
【0067】
なお、実施の形態1、2に示したように、高温水が通る配管8d、8e、8fおよびこの配管の開閉を切り替える流路切替弁10a、10bを備えた構成でなくてもよい。例えば3本の別々の配管で高温水流入口23a、23bとタンク7a、7bの上部、タンク7a、7bの上部と混合弁11a、11b及び高温水流入口23a、23bと混合弁11a、11bを接続し、それぞれの配管に開閉弁を設置して3流路の開閉を実現してもよい。
また、市水の配管は、メインタンクユニット200では配管8aでメインタンク7a底部に市水を導入し、配管8bで市水を直接外部へ流出可能に構成し、配管8cで市水を混合弁11aに導いている。また、サブタンクユニット300では配管8iで市水流入配管8bと接続されると共に市水を外部へ流出可能に構成し、配管8cで市水を混合弁11aに導いている。ここで同様の市水の流路が得られるなら、他の配管構成でもよい。
【0068】
即ち、圧縮機1と、水冷媒熱交換器2と、膨張弁3と、蒸発器4と、を順次接続して冷媒を循環させるヒートポンプユニット100と、
前記水冷媒熱交換器2で加熱された温水を貯留するメインタンク7aと、前記加熱された温水を直接外部へ流出または前記メインタンク7aに貯留した温水を外部へ流出可能に構成された高温水配管8d、8e、8f、8gと、を有するメインタンクユニット200と、
前記高温水配管8gからの高温水を貯留すると共に前記メインタンク7aの上部と接続されるサブタンク7bと、前記メインタンクユニット200からの温水を直接外部へ流出または前記サブタンク7bに貯留した温水を外部に流出可能に構成されたサブタンクユニット高温水配管8d、8e、8f、8gと、を有するサブタンクユニット300を備え、
前記メインタンクユニット200は、前記メインタンク7a底部に市水を導入すると共に市水を直接外部へ流出可能に構成された市水流入配管8a、8bを有し、
前記サブタンクユニット300は、前記市水流入配管8bと接続されると共に市水を外部へ流出可能に構成されたサブユニット市水流入管8iと、前記サブユニット市水流入配管8iで供給される市水と前記サブユニット高温水配管8fで供給される温水とを混合して給湯部40側に供給するサブユニット混合弁11bを有することにより、1つのユニット内での熱ロスを低減できる構成で、貯湯タンクをモジュール化し、必要に応じて給湯容量を拡大できる。また、中温水を有効に利用して、効率よく給湯することが可能となるヒートポンプ給湯機を提供できる効果がある。
【0069】
上記実施の形態1、2において、メインタンクユニット200内やサブタンクユニット300内のタンクの数は基本的には1台で構成する。もちろん複数のタンクで構成してもよいが、複数のタンクで構成しても、同一ユニット内ではタンク間で連続して水または温水が流れる構成とする。即ち同一ユニット内ではタンクに貯留される水の温度差はそれほど大きくならないように構成するので、タンク間の熱ロスを防止できる。
【0070】
上記実施の形態1、2において、利用者の要求に応じて、ヒートポンプユニット100とメインタンクユニット200のみ、またこれにサブタンクユニット300を1台プラスしたり、複数台プラスしてヒートポンプ給湯機を構成できる。このためより多くの利用者の要求に答えることができるヒートポンプ給湯機を提供できる。
【0071】
さらに、図4、図13でサブタンクユニット300aとサブタンクユニット300bを接続する場合、メインタンク7aに接続するサブタンク7bを有するサブタンクユニット300aを上流側サブタンクユニット、上流側サブタンク7bに接続する下流側サブタンク7cを有するサブタンクユニット300bを下流側サブタンクユニットとしたとき、上流側サブタンクユニット300aのサブユニット高温水流出口25bと下流側サブタンクユニット300bのサブユニット高温水流入口23cとを接続し、上流側サブタンクユニット300aのサブユニット用サブタンク接続口26bと下流側サブタンクユニット300bのサブユニット用メイン側タンク接続口29cとを接続し、上流側サブタンクユニット300aのサブユニット市水流出口24bと下流側サブタンクユニット300bのサブユニット市水流入口21cとを接続して、下流側サブタンクユニットを増設可能とし、下流側サブタンクユニット300bのサブユニット高温水流出口25cの下流側で給湯すればよい。即ち、サブタンクユニット300を増加する際、上流側サブタンクユニットと下流側サブタンクユニット間で、市水流出口24と市水流入口21、サブタンク接続口26とメイン側タンク接続口29、高温水流出口25と高温水流入口23の3箇所を接続するだけで大きな容量のタンクを有するように構成できる。このように容易に給湯タンクの大容量化を図ることができる。
【0072】
また、実施の形態1、2によれば、一般家庭で通常必要とされる浴槽追焚き運転も有する構成とすることができる。特に、浴槽追焚き運転をメインタンクユニット200によって行う構成であるため、サブタンクユニットを備える必要のない利用者に対しても、メインタンクユニット200単独の構成でも、浴槽追焚き機能を有するヒートポンプ給湯機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施の形態1に係わるヒートポンプ給湯機の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係わるメインタンクユニット単独の沸上げ運転モードの動作を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係わるメインタンクユニットとサブタンクユニットを接続した場合の沸上げ運転モードの動作を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係わるメインタンクユニットとサブタンクユニットを複数台接続した場合の沸上げ運転モードの動作を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係わるメインタンクユニット単独の給湯運転モード(通常給湯運転モード)の動作を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係わるメインタンクユニットとサブタンクユニットを接続した場合の給湯運転モード(通常給湯運転モード)の動作を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係わるメインタンクユニットとサブタンクユニットを接続した場合の給湯運転モード(中温水給湯運転モード)の動作を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係わる中温水給湯運転モードの動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態1に係わるメインタンクユニットとサブタンクユニットを接続した場合の追焚き蓄熱運転モードの動作を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係わるメインタンクユニット単独の浴槽追焚き運転モードの動作を示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係わるメインタンクユニットとサブタンクユニットを接続した場合の浴槽追焚き運転モードの動作を示す説明図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係わる第2の給湯運転モードの動作を示す説明図である。
【図13】本発明の実施の形態2に係わる第2の給湯運転モードの動作を示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態1、2に係わり、水冷媒熱交換器の冷媒出口温度が変化したときの冷凍サイクルを示すグラフで、横軸にH(エンタルピー)、縦軸にP(圧力)を示す。
【図15】本発明の実施の形態1、2に係わり、水冷媒熱交換器の冷媒出口温度とCOPの関係を示すグラフで、横軸に水冷媒熱交換器の冷媒出口温度(℃)、縦軸にCOPを示す。
【符号の説明】
【0074】
1 圧縮機、 2 水冷媒熱交換器、 3 膨張弁、 4 蒸発器、 5 ファン、 6 ポンプ、 7 タンク、 8a〜8j 配管、 9 減圧弁、 10 流路切替弁、 11 混合弁、 12 浴槽追焚き熱交換器、 13 浴槽追焚き循環ポンプ、 14 浴槽追焚き送水ポンプ、 21 市水流入口、 22 給水流出口、 23 高温水流入口、 24 市水流出口、 25 高温水流出口、 26 サブタンク接続口、 27 浴槽水流入口、 28 浴槽水流出口、 29 メイン側タンク接続口、 30、30a、30b、30c 温度検出手段、40 給湯部、100 ヒートポンプユニット、 200 メインタンクユニット、 300 サブタンクユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、水冷媒熱交換器と、膨張弁と、蒸発器とを順次接続して冷媒を循環させる冷媒側回路を構成するヒートポンプユニットと、前記水冷媒熱交換器によって加熱された温水を蓄えるメインタンクを有するメインタンクユニットと、前記水冷媒熱交換器によって加熱された温水を蓄えるサブタンクと、を備え、
前記メインタンクユニットは、前記メインタンクを備えると共に、前記水冷媒熱交換器によって加熱された温水を前記メインタンクに供給する高温水流入配管と、前記高温水流入配管から流入する温水を前記サブタンクに供給する高温水流出口と、外部水源から供給される市水を前記メインタンクの底部に供給する市水流入口と、前記市水流入口から前記メインタンクの底部に供給して蓄えられた水を前記水冷媒熱交換器に供給する低温水配管と、前記メインタンクの上部を前記サブタンクの下部に接続するサブタンク接続口と、を有し、
前記市水流入口から前記メインタンクの底部に供給されて蓄えられた水を前記低温水配管を通って前記水冷媒熱交換器に供給し、前記水冷媒熱交換器で加熱された温水を前記メインタンクユニットの前記高温水流入配管及び前記高温水流出口を通り、前記サブタンクに蓄え、前記サブタンクの下部から前記メインタンクユニットの前記サブタンク接続口を通って前記メインタンクに蓄えるように水側回路を構成し、前記サブタンクを高温側、前記メインタンクを低温側となるように蓄熱することを特徴とするヒートポンプ給湯機。
【請求項2】
前記メインタンクユニットは、前記市水流入口から流入する市水を分岐して直接外部に供給する市水流出口を有し、
前記サブタンクを有すると共に、前記メインタンクユニットの前記市水流出口から供給される市水を前記サブタンクから流出する温水に混合して外部の給湯部側に供給するサブユニット混合弁と、を有するサブタンクユニットを備え、
前記サブタンクに蓄えられている温水を前記サブユニット混合弁に流入させ、前記サブユニット混合弁で前記メインタンクユニットの前記市水流出口から供給された市水と混合して給湯温度の温水として前記給湯部側に供給すると共に、前記メインタンクユニットに蓄えられている温水を前記サブタンク接続口を通って前記サブタンクに供給するように水側回路を構成し、前記サブタンクを高温側、前記メインタンクを低温側となるように蓄熱した温水を前記高温側から供給することを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項3】
前記メインタンクユニットは、前記市水流入口から流入する市水を分岐して直接外部に供給する市水流出口を有し、
前記サブタンクを有すると共に、前記メインタンクユニットの前記市水流出口から供給される市水を前記サブタンクから流出する温水または前記メインタンクユニットの前記高温水流出口から流入する温水に混合して外部の給湯部側に給湯するサブユニット混合弁と、を有するサブタンクユニットを備え、
前記メインタンクに蓄えられている給湯温度以上の温水を前記高温水流出口を通って直接前記サブユニット混合弁に流入させ、前記サブユニット混合弁で前記メインタンクユニットの前記市水流出口を通って供給された市水と混合して前記給湯温度の温水として前記給湯部側に供給し、前記メインタンクに蓄えられていた前記給湯温度以上の温水を供給した後、前記サブタンクに蓄えられている温水を供給するように水側回路を構成し、前記サブタンクを高温側、前記メインタンクを低温側となるように蓄熱した温水を前記低温側から供給することを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項4】
圧縮機と、水冷媒熱交換器と、膨張弁と、蒸発器と、を順次接続して冷媒を循環させるヒートポンプユニット、
温水を蓄えるメインタンクと、前記水冷媒熱交換器の水流出口に接続され温水を流入する高温水流入配管と、温水をサブタンク側に流出する高温水流出口と、水源から導入する市水を前記メインタンクの底部に流入する市水流入口と、前記市水流入口から流入する市水を前記サブタンク側へ流出する市水流出口と、前記高温水流出口の上流側に設けられ、前記市水流入口から流入する市水を温水に混合可能な混合弁と、前記高温水流入配管と前記メインタンクの上部と前記混合弁に接続されてその3流路の開閉を切り替え可能な流路切替弁と、一端が前記水冷媒熱交換器の水流入口に接続され他端が前記メインタンクの下部に接続される低温水配管と、前記メインタンクの上部と前記サブタンクとを接続する前記サブタンク接続口と、を有するメインタンクユニット、
温水を蓄える前記サブタンクと、前記メインタンクユニットの前記高温水流出口に接続され温水を流入するサブユニット高温水流入口と、温水を給湯部側に流出するサブユニット高温水流出口と、前記メインタンクユニットの前記市水流出口に接続され市水を流入するサブユニット市水流入口と、前記サブユニット市水流入口から流入する市水を前記サブタンクとは別の下流側サブタンク側へ流出するサブユニット市水流出口と、前記サブユニット高温水流出口の上流側に設けられ、前記サブユニット市水流入口から流入する市水を温水に混合可能なサブユニット混合弁と、前記サブユニット高温水流入口と前記サブタンクの上部と前記サブユニット混合弁に接続されてその3流路の開閉を切り替え可能なサブユニット流路切替弁と、前記サブタンクの上部と前記下流側サブタンクとを接続するサブユニット用サブタンク接続口と、前記メインタンクユニットの前記サブタンク接続口と前記サブタンクの下部とを接続するサブユニット用メイン側タンク接続口と、を有するサブタンクユニット、
及び前記メインタンクと前記水冷媒熱交換器間で前記メインタンク内の水を循環させる水循環ポンプ、を備えたことを特徴とするヒートポンプ給湯機。
【請求項5】
前記サブタンクユニットを2台以上備え、前記メインタンクに接続するサブタンクを上流側サブタンクとし、前記上流側サブタンクを有するサブタンクユニットを上流側サブタンクユニットとし、前記上流側サブタンクに接続するサブタンクを下流側サブタンクとし、前記下流側サブタンクを有するサブタンクユニットを下流側サブタンクユニットとしたとき、前記上流側サブタンクユニットの前記サブユニット高温水流出口と前記下流側サブタンクユニットの前記サブユニット高温水流入口とを接続し、前記上流側サブタンクユニットの前記サブユニット用サブタンク接続口と前記下流側サブタンクユニットの前記サブユニット用メイン側タンク接続口とを接続し、前記上流側サブタンクユニットの前記サブユニット市水流出口と前記下流側サブタンクユニットの前記サブユニット市水流入口とを接続して、前記下流側サブタンクユニットを増設可能とし、前記下流側サブタンクユニットの前記サブユニット高温水流出口の下流側で給湯することを特徴とする請求項4記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項6】
前記ヒートポンプユニットを運転すると共に、
前記サブタンクユニットのうちで前記メインタンクから最も離れて接続されるサブタンクを有するユニットの前記流路切替弁を上記高温水流入口と前記タンクの上部を接続するように切り替え、他のユニットの前記流路切替弁を前記高温水流入口または前記高温水流入配管と前記混合弁を接続するように切り替えて、前記水循環ポンプを運転し、前記水冷媒熱交換器で高温となった温水を前記メインタンクから最も離れた前記サブタンクに蓄え、その後順次前記メインタンクに近づくように前記サブタンクまたは前記メインタンクに温水を蓄える沸き上げ運転を行うことを特徴とする請求項4または請求項5記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項7】
前記サブタンクユニットのうちで前記メインタンクから最も離れて接続されるサブタンクを有するユニットの前記流路切替弁を前記タンクの上部と前記混合弁とを接続するように切り替え、他のユニットの前記流路切替弁を前記タンクの上部から流出しないように切り替えて、前記メインタンクから最も離れて接続されるサブタンク内の温水を給湯する給湯運転を行うことを特徴とする請求項4または請求項5または請求項6記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項8】
前記メインタンクユニットの前記流路切替弁を前記メインタンクの上部と前記混合弁とを接続するように切り替え、他の前記サブタンクユニットの前記流路切替弁を前記高温水流入口と前記混合弁とを接続するように切り替えて、前記メインタンク内の温水を給湯し、その後前記メインタンクから最も離れて接続されるサブタンクを有するサブタンクユニットの前記流路切替弁を前記サブタンクの上部と前記混合弁とを接続するように切り替え、前記メインタンクユニットの前記流路切替弁を前記メインタンクの上部から流出しないように切り替えて、前記メインタンクから最も離れて接続されるサブタンク内の温水を給湯するように、最初に前記メインタンクの温水を給湯し、次に前記メインタンクから最も離れて接続されるサブタンク内の温水を給湯する給湯運転を行うことを特徴とする請求項4または請求項5または請求項6記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項9】
前記メインタンクユニットの前記流路切替弁を前記メインタンクの上部と前記混合弁とを接続するように切り替え、他の前記サブタンクユニットの前記流路切替弁を前記高温水流入口と前記混合弁とを接続するように切り替えて、前記メインタンク内の温水を給湯し、その後前記メインタンクに接続する前記サブタンクを有する上流側サブタンクユニットの前記流路切替弁を前記サブタンクの上部と前記混合弁とを接続するように切り替えて前記サブタンクの温水を給湯するように、最初に前記メインタンクの温水を給湯し、次に、前記給湯した前記メインタンクまたはサブタンクに接続されているサブタンクの温水を順次給湯する給湯運転を行うことを特徴とする請求項4または請求項5または請求項6記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項10】
前記メインタンクの上部に貯留されている水の温度を検出する温度検出手段を備え、前記メインタンクの上部に貯留されている水が給湯温度よりも高い温水のとき、最初に前記メインタンク内の給湯温度よりも高い温水を給湯することを特徴とする請求項8または請求項9記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項11】
圧縮機と、水冷媒熱交換器と、膨張弁と、蒸発器と、を順次接続して冷媒を循環させるヒートポンプユニットと、
前記水冷媒熱交換器で加熱された温水を貯留するメインタンクと、前記加熱された温水を直接外部へ流出または前記メインタンクに貯留した温水を外部へ流出可能に構成された高温水配管と、を有するメインタンクユニットと、
前記高温水配管からの温水を貯留すると共に前記メインタンクの上部と接続されるサブタンクと、前記メインタンクユニットからの温水を直接外部へ流出または前記サブタンクに貯留した温水を外部に流出可能に構成されたサブユニット高温水配管と、を有するサブタンクユニットを備え、
前記メインタンクユニットは、前記メインタンクの底部に市水を導入すると共に市水を直接外部へ流出可能に構成された市水流入配管を有し、
前記サブタンクユニットは、前記市水流入配管と接続されると共に市水を外部へ流出可能に構成されたサブユニット市水流入配管と、前記サブユニット市水流入配管で供給される市水と前記サブユニット高温水配管で供給される温水とを混合して給湯部側に供給するサブユニット混合弁を有することを特徴とするヒートポンプ給湯機。
【請求項12】
浴槽から輸送された浴槽水と前記メインタンクの上部から輸送された温水とを熱交換する浴槽追焚き熱交換器と、前記浴槽と前記浴槽追焚き熱交換器間で前記浴槽水を循環させる浴槽追焚き送水ポンプと、前記メインタンクと前記浴槽追焚き熱交換器間で前記メインタンクの温水を循環させる浴槽追焚き循環ポンプと、を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項13】
利用者が要求したとき、または前記浴槽水の温度が予め設定されている浴槽水設定温度より低くなったときに、前記浴槽追焚き送水ポンプと前記浴槽追焚き循環ポンプを動作させ、前記メインタンクの温水と前記浴槽水とを熱交換して前記浴槽水の温度を上昇させる浴槽追焚き運転を行うことを特徴とする請求項12に記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項14】
前記メインタンクの蓄熱量が前記浴槽追焚き運転に必要な熱量よりも少なくなったときに、前記ヒートポンプユニットと前記水循環ポンプを動作させ、前記メインタンクの水と前記ヒートポンプユニットの冷媒とを熱交換して前記メインタンクに前記浴槽追焚き運転に必要な熱量を蓄熱する追焚き蓄熱運転を行うことを特徴とする請求項12または請求項13記載のヒートポンプ給湯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−112648(P2010−112648A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−286605(P2008−286605)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】