説明

ビウレット構造含有ポリイソシアネートの製造方法

【課題】ジイソシアネートを高すぎる温度で長すぎる時間暴露することなく常に最適混合条件を保ったまま実施できる、経済的に有利なジイソシアネート/ジアミン法によって、ビウレット構造含有ポリイソシアネートを得る。
【解決手段】脂肪族的および/または脂環式的にのみ結合したNCO基を含有するイソシアネートと、脂肪族的および/または脂環式的にのみ結合した第一級アミノ基を含有するアミンとを、a)イソシアネートの第一量とアミンとを混合して反応混合物流を生成し、b)イソシアネートの第二量を反応混合物流に計量供給することによって連続的に反応させることを含む、ビウレット構造含有ポリイソシアネートの連続製造方法であって、a)でのイソシアネートの重量部とb)でのイソシアネートの重量部の比が1:9〜9:1であり、a)およびb)でのNCO基の総数とa)でのNH2基の数の比が少なくとも4:1である、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪族的および/または脂環式的にのみ結合したイソシアネート基を含有する有機ジイソシアネートの過剰量と、脂肪族的および/または脂環式的にのみ結合した第一級アミノ基を含有する有機ジアミンとを、イソシアネート成分を二段階添加することによって高温で連続反応させることによる、ビウレット構造含有ポリイソシアネートの改良された製造方法に関する。このような方法で製造されたポリイソシアネートは、高い安定性を特徴とし、高い空自収率で製造され、低い副生物含量を有することができる。所定の製造設備では、要求される目的パラメーター(粘度、NCO含量)を有するビウレットポリイソシアネートを得るための工程変更を、簡単な方法で行うことができる。
【背景技術】
【0002】
ビウレット構造含有脂肪族ポリイソシアネートの製造方法は、1958年(DE−A 1101394)から知られている。更なる可能な製造方法は、特定の方法の利点および欠点が論じられている総説(Laasら、J. prakt. Chem. 336, 1994, 185-200)に記載されている。
【0003】
基本的に、2つの方法に分類される:1つ目の方法はいわゆる水法(water process)であって、この方法では、ジイソシアネートを過剰量の水と反応させて尿素を生成し、次いで、該尿素を過剰量のジイソシアネートと反応させてビウレットを生成する。もう1つの方法は、いわゆるジイソシアネート/ジアミン法であって、この方法では、イソシアネートと不足量のアミンから尿素を直接調製し、次いで、過剰のジイソシアネートを用いてビウレットを調製する。前記総説(Laasら)に記載されているように、どちらの方法についても、多数の変法が開発され開示されている。記載されている方法では、主にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を、そして場合によりヘキサメチレンジアミン(HDA)を使用して、工業的に最も重要なHDIビウレットを調製している。過剰のジイソシアネート中の溶液として存在する、初期に得られたビウレットを、蒸留および/または抽出によって過剰のジイソシアネートから分離し、低モノマービウレットポリイソシアネートとして単離する。
【0004】
水法で製造されたビウレットポリイソシアネートは一般に、良好なモノマー安定性(すなわち、遊離ジイソシアネートに戻る部分分解に対する安定性)、良好な希釈性(すなわち、湿気の作用下での曇りおよび沈澱に対する希釈溶液の安定性)、および製造中の比較的穏やかな条件の故の傑出した色数を特徴とする。しかしながら、水法によるビウレット化反応では、その方法の原理の故に、出発混合物に含まれるイソシアネート基の一部が常に、ビウレット化剤との反応によってアミノ基に中途に転化する。このように消費されたイソシアネート基は、アミノ基のホスゲン化によって初めにいったん製造されたものなので、この手順は高価であり、あまり経済的ではないと思われる。更に、これらの既知の方法では、気体状または液体状の副生物、例えば、二酸化炭素、一酸化炭素、硫化カルボニル、オレフィンまたはニトリルが生じる。該副生物は、ピバリン酸/水法で得られる無水物を例外として、再利用することができず、廃棄しなければならない。
【0005】
開発されてきたジイソシアネート/ジアミン法では、副生物の生成が全くまたはほとんどなく、経済的な製造方法の利点が明らかにされている。ホスゲン化によってアミノ基から製造されたイソシアネート基が転化してアミノ基に戻り、その後、尿素基およびビウレット基に転化することはない。この方法はまた、例えばEP−A 277353に記載されているように、絶えず更に高い品質水準に開発されてきた。EP−B 1158013に記載されているように、低いモノマー安定性および希釈安定性は、更なる最適化によって改良することが可能であった。
【0006】
入手可能な文献に記載されているように、HDIを約230〜250℃の温度に予備加熱し、混合チャンバー内でHDAと反応させる。この手順の間、温度を典型的には270〜280℃の値に更に上昇させる。その後、例えば180℃に、可能な限り迅速に段階的に温度を下げる。熱に弱いHDIへの不要に高度な事前損傷を回避するため、出発物質を加熱し、次いで、可能な限り短時間で過熱する。しかしながら、基本的に、熱損傷を完全に防ぐことは不可能である。
【0007】
迅速な反応およびビウレット生成を確実にするため、特定の混合チャンバー/ノズルシステムを、イソシアネート成分およびアミン成分の最適かつ迅速な混合のために使用する。流動性の理由から、該システムは狭い質量流量範囲に設計され、それによって変動が制限される。添加変動および生成物転換の際、質量流量はこの最適範囲から逸脱する。理想的でない混合によって、総反応時間が長くなり、副反応が増えるので、ビウレットは緩慢により少なく生じ、より多い尿素結晶が生じる。
【0008】
環境上の観点から、多量の質量流量のHDIおよびHDAを高温に加熱し、次いで、同様に強制的に迅速に冷却することは、二酸化炭素排出の可能性が高い、多量のエネルギー消費をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】DE−A 1101394
【特許文献2】EP−A 277353
【特許文献3】EP−B 1158013
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Laasら、J. prakt. Chem. 336, 1994, 185-200
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、ジイソシアネートを高すぎる温度で長すぎる時間暴露することなく、経済的に有利なジイソシアネート/ジアミン法によってビウレット構造含有ポリイソシアネートを得ること、および混合要素からのその製造を、添加変動または生成物転換の際に常に最適混合条件を保ったまま実施することである。本発明の目的はまた、特に、ジイソシアネート/ジアミン法の立証されている利点を排除することなく、ジイソシアネート流を加熱するための高いエネルギー消費を常套法と比べて低くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の態様は、脂肪族的および/または脂環式的にのみ結合したイソシアネート基を含有する有機イソシアネート(A)の過剰量と、脂肪族的および/または脂環式的にのみ結合した第一級アミノ基を含有する有機アミン(B)とを、
a)前記有機イソシアネート(A)の第一量と前記有機アミン(B)とを、170℃を超える温度で混合して反応混合物流を生成し、
b)前記有機イソシアネート(A)の第二量を20〜250℃の範囲の温度で、工程a)の前記反応混合物流に計量供給する
ことによって連続的に反応させることを含む、ビウレット構造含有ポリイソシアネートの連続製造方法であって、工程a)へ単位時間あたりに供給される前記有機イソシアネート(A)の重量部と、工程b)へ単位時間あたりに供給される前記有機イソシアネート(A)の重量部の比が1:9〜9:1の範囲であり、両工程a)およびb)へ単位時間あたりに供給されるNCO基の総数と、工程a)へ単位時間あたりに供給されるNH基の数の比が少なくとも4:1である、方法である。
【0013】
本発明の別の態様は、前記有機イソシアネート(A)がHDIを含む、前記方法である。
【0014】
本発明の別の態様は、前記有機アミン(B)がHDAを含む、前記方法である。
【0015】
本発明の別の態様は、両工程a)およびb)へ単位時間あたりに供給されるNCO基の総数と、工程a)へ単位時間あたりに供給されるNH基の数の比が18:1〜25:1の範囲である、前記方法である。
【0016】
本発明の別の態様は、工程a)へ単位時間あたりに供給される前記有機イソシアネート(A)の重量部と、工程b)へ単位時間あたりに供給される前記有機イソシアネート(A)の重量部の比が5:5〜7.5:2.5の範囲である、前記方法である。
【0017】
本発明の別の態様は、工程a)における前記第一量の前記有機イソシアネート(A)を、前記有機アミン(B)と混合する前に、200〜240℃の範囲の温度に予備加熱する、前記方法である。
【0018】
本発明の別の態様は、工程a)における温度を230〜320℃の範囲に維持する、前記方法である。
【0019】
本発明の別の態様は、工程b)における前記第二量の前記有機イソシアネート(A)が、工程a)における前記第一量の前記有機イソシアネート(A)より低い温度を有する、前記方法である。
【0020】
本発明の別の態様は、触媒の存在下で実施される前記方法である。
【0021】
本発明の別の態様は、前記触媒が1種以上の酸またはそれらの混合物を含む、前記方法である。
【0022】
本発明の別の態様は、前記触媒がジ−n−ブチルホスフェートを含む、前記方法である。
【0023】
本発明の別の態様は、抽出または薄膜蒸留で過剰のモノマージイソシアネートを除去することにより前記ビウレット構造含有ポリイソシアネートを精製し、モノマージイソシアネート含量を0.5重量%未満にする、前記方法である。
【0024】
本発明の更なる別の態様は、前記方法によって得られたビウレット構造含有ポリイソシアネートである。
【0025】
本発明の更なる別の態様は、前記ポリイソシアネートから製造された二成分ポリウレタン塗料である。
【0026】
本発明の更なる別の態様は、前記二成分ポリウレタン塗料から得られた塗膜で被覆された基材である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
意外にも、脂肪族的および/または脂環式的にのみ結合したイソシアネート基を含有する有機イソシアネートと、脂肪族的および/または脂環式的にのみ結合した第一級アミノ基を含有する有機アミンとに基づく、高品質のビウレット構造含有ポリイソシアネートが、以下に記載するような二段階反応を実施することによって、従来技術と比べて低減された熱への暴露下、添加変動および生成物転換の際に最適条件から逸脱することなく、低減されたエネルギー投入量で、連続法で得られることが見出された。
【0028】
従って、本発明は、脂肪族的および/または脂環式的にのみ結合したイソシアネート基を含有する有機イソシアネート(A)の過剰量と、脂肪族的および/または脂環式的にのみ結合した第一級アミノ基を含有する有機アミン(B)とを、
a)イソシアネート成分(A)の第一量とアミン成分(B)とを混合し、その間、170℃より高い温度に維持し、
b)20〜250℃の温度を有するイソシアネート成分(A)の第二量を、工程a)から得た反応混合物流に計量供給する
ことによる連続反応による、ビウレット構造含有ポリイソシアネートの連続製造方法であって、工程a)へ単位時間あたりに供給されるイソシアネート成分(A)の重量部と、工程b)へ単位時間あたりに供給されるイソシアネート成分(A)の重量部の比が1:9〜9:1であり、工程a)およびb)へ単位時間あたりに供給されるNCO基の総数と、単位時間あたりに供給されるNH基の数の比が少なくとも4:1である、方法に関する。
【0029】
170℃を超える高い反応温度で、イソシアネート基とアミノ基の間の直接反応が平衡反応で起こり、尿素構造およびビウレット構造が生成する。設定した反応温度および使用したイソシアネート過剰量に依存して、ここでの平衡は、ほぼ完全に尿素およびビウレット側である。
【0030】
必要な特性データを有するビウレットポリイソシアネートを得るため、一段階ジイソシアネート/ジアミン法において今まで常套であったように、工程a)で反応させるアミン量に対するジイソシアネート総量(工程aでの部分量および工程bでの部分量)を選択する。
【0031】
意外なことに、一段階法と比べて著しく低減された、工程a)での混合操作中のアミン成分に対するイソシアネート成分の比は、より低いNCO含量を有する別の(通常より高粘度の)生成物をもたらさない。まさにイソシアネート/アミン反応は高い反応温度で即座に起こる(これは、混合中ただちに生じる高い発熱に現れ、生成物流を約20〜80℃温める効果を有する)ので、このことはなおさら意外である。
【0032】
従って、ジイソシアネート/ジアミン法における本発明の二段階法が、全イソシアネート成分にアミン成分を直接一段階で計量供給する方法と同じ生成物をもたらすことは、全く予期していなかった。
【0033】
二段階法では、必要な混合および反応温度に達するために、一段階法と比べてより低い温度に第一イソシアネート流を加熱すれば十分である。添加変動および生成物転換にかかわらず、イソシアネート成分とアミン成分との実際の混合操作は、常に同じ質量流量のイソシアネートおよびアミンで実施することができる。次いで、残りのイソシアネート成分である第二部分量を計量供給し、特性データが変わらない最終生成物を得る。放出された反応エンタルピーは、一段階法と比べてより少ない、本発明の工程a)における質量流量を温めるので、比較的少量の予備加熱されたイソシアネート成分(A)で必要な反応温度に到達する。イソシアネート成分(A)についての予備加熱温度は通常、本発明の場合、計量供給の際に工程b)でもう一度低下されるので、エネルギー必要量は更に有意に低減する。イソシアネート全体は、より少ない程度に熱に曝される。これにより、副生物の生成が低減する。
【0034】
本発明の方法の出発物質は、脂肪族的および/または脂環式的にのみ結合したイソシアネート基を含有し、300未満の分子量を有する、有機ジイソシアネートである。そのようなジイソシアネートの例は以下である:1,4−ジイソシアナトブタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン(ヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサンおよび/または1,6−ジイソシアナト−2,4,4−トリメチルヘキサン、1,4−ジイソシアナトヘキサンおよび/または1,5−ジイソシアナトヘキサン、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸エチルエステル、1,9−ジイソシアナトノナン、1,12−ジイソシアナトドデカン、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、2,4−ジイソシアナト−1−メチルシクロヘキサンおよび/または2,6−ジイソシアナト−1−メチルシクロヘキサン、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンおよび/または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンおよび/または4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンまたは6−イソシアナトヘキサン酸2−イソシアナトエチルエステル。そのようなジイソシアネートの所望の混合物も同様に使用できる。1,6−ジイソシアナトヘキサン(HDI)が好ましい。
【0035】
本発明の方法のための更なる出発物質は、脂肪族的および/または脂環式的にのみ結合した第一級アミノ基を含有する有機ジアミンである。それらは300未満の分子量を有する。例は以下である:1,2−ジアミノエタン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン(ヘキサメチレンジアミン、HDA)、1,6−ジアミノ−2,2,4−トリメチルヘキサンおよび/または1,6−ジアミノ−2,4,4−トリメチルヘキサン、1,4−ジアミノヘキサンおよび/または1,5−ジアミノヘキサン、2,4−ジアミノ−1−メチルシクロヘキサンおよび/または2,6−ジアミノ−1−メチルシクロヘキサン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノメチルシクロヘキサン(イソホロンジアミン、IPDA)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンおよび/または1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン或いは2,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンおよび/または4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン。そのようなジアミンの所望の混合物も同様に使用できる。1,6−ジアミノヘキサン(HDA)が好ましい。
【0036】
基本的に、ビウレットポリイソシアネートの官能価を低下するために、前記ジアミンに加えてモノアミンを一部使用できる。このことは好ましくはない。しかしながら、モノアミンを使用するならば、ジアミンとモノアミンの当量の和に対して30当量%まで、好ましくは20当量%まで、より好ましくは10当量%までの量のモノアミンを、ジアミンと混合する。モノアミンを使用するならば、最大185の分子量を有する脂肪族および/または脂環式第一級アミン、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、シクロヘキシルアミンまたはそれらの各々の異性体を使用する。これらのアミンは、互いの任意の混合物としてまたは使用するジアミンとの混合物として使用することもできる。
【0037】
本発明の方法の実施では、前記した出発イソシアネートおよびジアミンを、全体(工程aの部分量と工程bの部分量)で、少なくとも4:1、好ましくは8:1〜60:1、特に好ましくは16:1〜50:1のイソシアネート基とアミノ基の当量比に相当する量比で(第一級アミノ基は、単官能基として計算に含める)、反応させる。18:1〜25:1のイソシアネート基とアミノ基の当量比がとりわけ好ましい。即ち、単位時間あたりに供給されるNH基の数に対する、工程a)およびb)へ単位時間あたりに供給されるNCO基の総数は、少なくとも4:1、好ましくは8:1〜60:1、特に好ましくは16:1〜50:1、とりわけ好ましくは18:1〜25:1である。
【0038】
本発明の方法における反応には、触媒を用いても用いなくてもよい。本発明の方法を触媒の存在下で実施するならば、好適には、EP−B 1158013に記載されているように、10未満のpK値を有する所望の酸(好ましくはプロトン酸)を触媒として使用する。好ましい酸触媒は、リン酸およびリン酸エステル、例えば、メチルホスフェート、エチルホスフェート、n−ブチルホスフェート、n−ヘキシルホスフェート、2−エチルヘキシルホスフェート、イソオクチルホスフェート、n−ドデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジ−n−プロピルホスフェート、ジ−n−ブチルホスフェート、ジ−n−アミルホスフェート、ジイソアミルホスフェート、ジ−n−デシルホスフェート、ジフェニルホスフェートまたはジベンジルホスフェート、スルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、2−トルエンスルホン酸または4−トルエンスルホン酸またはナフタレン−1−スルホン酸、或いはモノカルボン酸およびジカルボン酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ピバリン酸、ステアリン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、安息香酸またはフタル酸である。前記したタイプのジアルキルホスフェートが特に好ましい。ジ−n−ブチルホスフェートがとりわけ好ましい触媒である。
【0039】
これらの酸は、本発明の方法において、使用する出発ジイソシアネートおよびジアミンの総量に基づいて、0〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.5重量%、特に好ましくは0.05〜0.5重量%の量で使用する。これらの酸は、適当な溶媒中の溶液として添加してもよい。溶解していない状態で酸を添加することが好ましい。
【0040】
触媒を用いる方法が、触媒を用いない方法より好ましい。
【0041】
本発明の方法は、好ましくは、溶媒を用いずに実施する。しかしながら、反応条件下で不活性である適当な溶媒を併用することも全く可能である。適当な溶媒は、例えば、ヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、1−メトキシプロピル−2−アセテート、プロピレングリコールジアセテート、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、より高度に置換された芳香族、例えば、Solventnaphtha(登録商標)、Solvesso(登録商標)、Isopar(登録商標)、Nappar(登録商標)(Deutsche EXXON CHEMICAL GmbH(ケルン在))およびShellsol(登録商標)(Deutsche Shell Chemie GmbH(エシュボルン在))の名称で市販されているもの、またはトリアルキルホスフェート、例えばトリメチルホスフェート、およびそのような溶媒の所望の混合物である。不活性溶媒の併用は好ましくはない。仮に併用したとしても、溶媒は、量および沸点に関して、反応条件下で使用できるものでなければならない。
【0042】
本発明の方法を実施するため、第一段階で、出発物質の混合直後、170℃を超える温度、好ましくは200〜320℃、特に230〜320℃の温度で出発物質を互いに反応させる。このため、イソシアネート成分(A)の第一部分流を、150℃を超える温度、好ましくは少なくとも180℃、特に好ましくは180〜240℃、とりわけ200〜240℃の温度に予備加熱し、単位時間あたりのイソシアネート成分(A)の10〜90重量部、好ましくは40〜80重量部、特に好ましくは50〜75重量部をアミン流(B)に供給する(工程a)。工程a)における計量供給の際、アミン成分(B)のアミン基と比べてイソシアネート成分(A)のイソシアネート基が過剰に存在することが好ましい。高過剰のイソシアネートを使用する場合、ジアミンを予備加熱することはしばしば不要であるが、一般に約50〜200℃に予備加熱する。概して、出発物質の混合による調製直後、混合容器を加熱しなくても、自発的に進行する反応の熱が多量に発生するので、反応混合物は、熱の発生を考慮せずに出発物質の加熱に基づいて予測され得、かつ前記反応温度範囲に相当する温度より約20〜80℃高い温度に温まると考えられる。
【0043】
全ての場合において必要であるイソシアネートの加熱および過熱は、可能な限り短時間で実施しなければならない。イソシアネートは熱感受性であることが知られているので、必要な温度よりまだ低い温度にまず加熱した後(このとき工程aの混合は終えていなければならない)、必要な温度に30秒未満の時間内で過熱することが好ましい。これは、従来技術の適当な熱交換器ユニットを用いて実施される。熱交換器は、例えば、管状熱交換器、管束型熱交換器またはプレート型熱交換器として設計することができる。マイクロ熱交換器およびマイクロプロファイルド熱交換器(MiProWa、microprofiled heat exchanger)を同様に使用することもできる。それらは、液状加熱媒体、過熱蒸気または直接電熱を用いて操作することができる。出発ジイソシアネートの加熱操作を3秒未満で行うことができる熱交換器を使用することが、特に好ましい。
【0044】
前記した予熱の後、反応種の連続流を混合室で混合する。従来技術の所望の静的装置または動的装置を使用できる。構成要素が取り付けられていない単純な反応管として配置された単純な混合室も同様に使用でき、その一端で反応成分を並流で導入する。生成物の良質および高収率を確実にするため、流動性に合わせた構造を有する混合装置が好ましい。
【0045】
計量供給を加圧下で実施できるので、成分の入口および反応混合物の出口は、多孔板またはノズルの形状であることが好ましい。これによって、反応混合物がジイソシアネートおよびジアミン供給ラインに流入できないことを確実にできる。このため、それぞれの場合に供給ラインで1.5〜100bar、好ましくは1.5〜40barの圧力に高まるように、断面を選択する。
【0046】
酸を付加的に計量供給する場合は、混合室の領域で、好適にはアミンの計量供給直前にイソシアネート成分に計量供給することが好ましい。従来技術の常套のポンプ、例えば、ピストンポンプまたはピストンメンブレンポンプを、酸の計量供給に使用できる。計量供給圧力は、混合室圧力より高ければ十分である。
【0047】
混合室および場合により続く滞留時間領域を流通した後、イソシアネート成分(A)の第二部分流を単位時間あたり90〜10部、好ましくは60〜20部、特に好ましくは50〜25部で反応混合物に計量供給する(工程b)。
【0048】
工程a)へ単位時間あたりに供給されるイソシアネート成分(A)の重量部と、工程b)へ単位時間あたりに供給されるイソシアネート成分(A)の重量部の比は、1:9〜9:1、好ましくは4:6〜8:2、特に好ましくは5:5〜7.5:2.5である。
【0049】
工程b)におけるイソシアネート流の組成は、工程a)におけるイソシアネート流の組成と同じでもよいし、異なっていてもよい。工程a)からのイソシアネート流とは対照的に、工程b)では通常、触媒的に作用する添加剤を添加しない。基本的に、工程b)におけるイソシアネート流のイソシアネート成分は、ウレタン化、アロファネート化または三量化のような事前の予備反応で変性されていてもよい。しかしながら、変性はあまり好ましくはない。工程b)におけるイソシアネート流が、工程a)におけるイソシアネート流と同じイソシアネートであることが好ましい。工程a)におけるイソシアネート流としても工程b)におけるイソシアネート流としても、HDIを使用することがとりわけ好ましい。
【0050】
計量供給領域の構造に対して際立った要求はない。単純なチューブ供給部(T字型部品)またはノズル或いは有孔円盤で十分である。乱流の場合、反応管内に混合邪魔板を設けなくてもよい。
【0051】
工程b)における第二イソシアネート部分流の温度は、20〜250℃、好ましくは20〜230℃、特に好ましくは100〜220℃である。工程b)における第二イソシアネート部分流の温度は、工程a)における第一イソシアネート部分流の温度が最高250℃であるならば、第一部分流の温度と同じであってよい。しかしながら、第二部分流の温度が第一部分流の温度より低いことが好ましい。
【0052】
第二部分流を伴って確立される混合物全体の温度は、好ましくは、第一部分流とアミン流との第一混合物の温度より低くなければならない。計量供給後の全体の温度が255℃未満、好ましくは235℃未満、特に好ましくは235〜170℃の温度になるように、第二部分流の温度を選択すべきである。
【0053】
第二イソシアネート流の計量供給(工程b)後、続く後処理工程までの熱反応混合物の滞留時間は、得られた温度に応じて、可能な限り短く維持すべきである。235〜255℃の温度では、最適な滞留時間は1秒〜10分の範囲であり、200〜235℃の温度では、最適な滞留時間は30秒〜120分の範囲であり、170℃〜200℃の温度では、最適な滞留時間は10分〜8時間である。最適な滞留時間は、装置毎に決定しなければならない。
【0054】
滞留時間領域全体の範囲で、適当な熱交換器およびパイプラインによって、通常連続的に冷却を実施する。この方法により連続的に、温度を80〜220℃、好ましくは120〜200℃の範囲に冷却し、前記した温度/滞留時間範囲は、後加熱において満たされる。最適な平均滞留時間を確実にするために、例えば、カスケード形態に配列した反応器を滞留時間領域内に配置することもできる。220℃から約180℃まで段階的である滞留時間領域では、最適滞留時間は約30分である。
【0055】
熱による後処理後、ビウレット基含有ポリイソシアネートの、過剰の出発イソシアネートおよび場合により併用した溶媒(溶媒が反応中既に留去されていなければ)中の溶液が反応生成物として存在する。次いで一般に、高圧下での蒸留によって、好ましくは薄膜蒸発器を用いて、例えば100〜200℃、好ましくは120〜180℃の温度で、存在する混合物から揮発性成分(過剰のモノマージイソシアネートおよび場合により併用した溶媒)を除去する。これに関して、蒸発器として所望の適当な蒸発器、例えば、フラッシュ蒸発器、循環蒸発器、ダウンパイプ蒸発器、流下膜式蒸発器、薄膜蒸発器および分子蒸発器を使用でき、それらは、場合により並列または直列に段階的に繋ぐことができる。
【0056】
本発明の方法の別の態様では、前記した揮発性成分を、イソシアネート基に対して不活性である適当な溶媒(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタンまたはシクロヘキサンのような脂肪族または脂環式炭化水素)を用いた抽出によって、反応生成物から分離することができる。適切な場合は、例えばフルオロ炭化水素のような他の抽出溶媒を使用できる。抽出または蒸留による後処理の後、最大0.5重量%、好ましくは最大0.3重量%の過剰の出発ジイソシアネート含量を有する、高品質のビウレット構造含有ポリイソシアネートを得る。
【0057】
本発明の方法により調製したビウレット基含有ポリイソシアネート、特に出発物質として1,6−ジイソシアナトヘキサンおよび1,6−ジアミノヘキサンのみを用いて調製したビウレット基含有ポリイソシアネートは、二成分ポリウレタン塗料を製造するための出発物質として有用である。本発明に従って調製した生成物は、今までに知られている従来技術のビウレットポリイソシアネートと同様、良好な色数および比較的低い粘度を有する。
【0058】
しかしながら、副反応の割合(例えば得られるウレトンイミン含量)が一段階ジイソシアネート/ジアミン法より低く、このことは、ポリイソシアネートのモノマー安定性に有利である。
【0059】
前記した引用文献の全てを、有用な目的の全てのために、その全体を引用してここに組み込む。
【0060】
本発明を具体化するある特定の構成を示し記載したが、基本的な本発明の概念の意図および範囲から逸脱することなく一部の様々な変更および再設定が可能であり、その変更および再設定が本明細書で示し記載した特定のものに限定されないことは、当業者に明らかであろう。
【実施例】
【0061】
以下の実施例では、パーセントのデータは全て重量パーセントに相当し、部は全て重量部に相当する。
【0062】
実施例および比較例で記載した生成物のNCO含量は、DIN 53 185に従って滴定により測定した。
【0063】
動的粘度は、Physica MCR 51粘度計(Anton Paar(オーストリア国グラーツ在))を用いて、23℃で測定した。異なった剪断速度で測定することにより、比較生成物の流動性と同様、記載の本発明に従って調製したポリイソシアネートの流動性も、ニュートン流体に相当することが確実となった。従って、剪断速度を記載する必要はない。
【0064】
実施例1
ビウレットポリイソシアネートを連続製造するために、一時間あたり4600部のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を、実験装置の反応混合室に214℃で連続的に流通させた。一時間あたり10部のジ−n―ブチルホスフェート(DBP)の連続流を、混合室直前のHDI供給ラインに追加的に注入した。一時間あたり270部のヘキサメチレンジアミン(HDA)を、この混合室に同様に連続的に供給した。反応熱が原因で、混合室内の温度は255℃に上昇した。混合室を出た後、136℃の温度を有するHDIの2076部を生成物に添加した。これによって、温度は222℃になった。約2分間の更なる外部冷却によって、混合物を180℃に冷却した。更に30分間この温度で後加熱し、粗生成物を中間容器に流入させた。次いで、このようにして得た粗生成物から、常套の薄膜蒸留技術を用いて過剰HDIを分離した。塗料硬化剤として適当であり、以下の特性データを有するビウレットポリイソシアネートを得た。
NCO:22.0%
粘度:9,500mPas(23℃)
【0065】
実施例2
ビウレットポリイソシアネートを連続製造するために、一時間あたり4600部のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を、実験装置の反応混合室に214℃で連続的に流通させた。一時間あたり10部のジ−n―ブチルホスフェート(DBP)の連続流を、混合室直前のHDI供給ラインに追加的に注入した。一時間あたり270部のヘキサメチレンジアミン(HDA)を、この混合室に同様に連続的に供給した。反応熱が原因で、混合室内の温度は255℃に上昇した。混合室を出た後、170℃の温度を有するHDIの2076部を生成物に添加し、混合物を230℃で90秒間加熱した。その後、混合物を、約2分間の外部冷却によって180℃未満に冷却し、中間容器に移した。次いで、このようにして得た粗生成物から、常套の薄膜蒸留技術を用いて過剰HDIを分離した。塗料硬化剤として適当であり、以下の特性データを有するビウレットポリイソシアネートを得た。
NCO:22.1%
粘度:9,300mPas(23℃)
【0066】
比較例1(EP−B 1158013に従った比較)
ビウレットポリイソシアネートを連続製造するために、一時間あたり6670部のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を、実験装置の反応混合室に250℃で連続的に流通させた。一時間あたり10部のジ−n―ブチルホスフェート(DBP)の連続流を、混合室直前のHDI供給ラインに追加的に注入した。一時間あたり270部のヘキサメチレンジアミン(HDA)を、この混合室に同様に連続的に供給した。反応熱が原因で、混合室内の温度は280℃に上昇した。混合室を出た後、生成物を数秒の間に180℃に冷却し、180〜140℃で更に数分間、後加熱した。次いで、このようにして得た粗生成物から、常套の薄膜蒸留技術を用いて過剰HDIを分離した。塗料硬化剤として適当であり、以下の特性データを有するビウレットポリイソシアネートを得た。
NCO:21.8%
粘度:11,100mPas(23℃)
【0067】
比較例2(EP−B 1158013に従った比較)
比較例1に記載したように、HDIの質量流量を混合室に230℃で連続的に流通させ、DBPを添加し、HDAを連続して供給した。混合室内の温度は約260℃に上昇した。冷却、後加熱および後処理の後、以下の特性データを有するビウレットポリイソシアネートを得た。
NCO:22.1%
粘度:9,520mPas(23℃)
【0068】
実施例1および2並びに比較例1および2が示すように、比較例では、6670部のHDIを250℃または少なくとも230℃に加熱しなければならないが、本発明に従った実施例では、各々の場合に一時間あたり4600部のHDIを214℃に加熱しさえすればよい。本発明の方法は、エネルギーを有意に節約する。
【0069】
実施例3
ビウレットポリイソシアネートを連続製造するために、一時間あたり6670部のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を、実験装置の反応混合室に225℃で連続的に流通させた。一時間あたり10部のジ−n―ブチルホスフェート(DBP)の連続流を、混合室直前のHDI供給ラインに追加的に注入した。一時間あたり270部のヘキサメチレンジアミン(HDA)を、この混合室に同様に連続的に供給した。反応熱が原因で、混合室内の温度は255℃に上昇した。混合室を出た後、85℃の温度を有するHDIの5090部を生成物に添加し、このようにして、混合物を180℃に冷却した。更に2時間この温度で後加熱し、その後、粗生成物を中間容器に移した。続いて、このようにして得た粗生成物から、常套の薄膜蒸留技術を用いて過剰HDIを分離した。塗料硬化剤として適当であり、以下の特性データを有するビウレットポリイソシアネートを得た。
NCO:23.5%
粘度:2,700mPas(23℃)
【0070】
この実施例3は、比較的低粘性のビウレットポリイソシアネートの調製において、合計11760部のHDIのうち6670部(57%)だけを、225℃の高温に加熱すればよいことを示している。同時に、第一反応段階のHDI/HDA比は、実施例1および2並びに比較例と同じノズル寸法を有する同じ装置で問題なく確立することができる。
【0071】
EP−B 1158013に記載されているように、例えばジブチルホスフェートのような酸の添加は、反応を促進する効果を有し、生成物のモノマー安定性に寄与し、湿気を含む溶媒に対する生成物の感受性を低減する。0.02〜0.5%と比べてより多量(0.05〜0.5%)の酸を添加することが、本発明の反応では特に好ましい(第3頁および第4頁参照)。EP−B 1158013では、0.15重量%のDBPを実施例6aで使用しているが、実施例7aでは0.25重量%のDBPを使用している。同明細書に既に記載されているが、80℃で1週間貯蔵した後のモノマーHDI含量から明らかであるように(0.15重量%のDBPを添加すると0.58%のHDIであるのに対して、0.25重量%のDBPを添加すると0.45%のHDIである)、より多量の酸を添加することが特に有利な効果を有する。本発明の方法では、このように、本発明の方法全体で使用する出発物質の量に基づくDBPの総量を増やすことなく、第一反応工程a)におけるDBP濃度を最大にすることができる。従って、1.0重量%、好ましくは0.5重量%を超えて酸を添加しなくても、ビウレットポリイソシアネートが微量の副生物で過度に汚染されることなく、EP−B 1158013に記載されている好ましい効果を利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪族的および/または脂環式的にのみ結合したイソシアネート基を含有する有機イソシアネート(A)の過剰量と、脂肪族的および/または脂環式的にのみ結合した第一級アミノ基を含有する有機アミン(B)とを、
a)前記有機イソシアネート(A)の第一量と前記有機アミン(B)とを、170℃を超える温度で混合して反応混合物流を生成し、
b)前記有機イソシアネート(A)の第二量を20〜250℃の範囲の温度で、工程a)の前記反応混合物流に計量供給する
ことによって連続的に反応させることを含む、ビウレット構造含有ポリイソシアネートの連続製造方法であって、工程a)へ単位時間あたりに供給される前記有機イソシアネート(A)の重量部と、工程b)へ単位時間あたりに供給される前記有機イソシアネート(A)の重量部の比が1:9〜9:1の範囲であり、両工程a)およびb)へ単位時間あたりに供給されるNCO基の総数と、工程a)へ単位時間あたりに供給されるNH基の数の比が少なくとも4:1である、方法。
【請求項2】
前記有機イソシアネート(A)がHDIを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記有機アミン(B)がHDAを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
両工程a)およびb)へ単位時間あたりに供給されるNCO基の総数と、工程a)へ単位時間あたりに供給されるNH基の数の比が18:1〜25:1の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程a)へ単位時間あたりに供給される前記有機イソシアネート(A)の重量部と、工程b)へ単位時間あたりに供給される前記有機イソシアネート(A)の重量部の比が5:5〜7.5:2.5の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
工程a)における前記第一量の前記有機イソシアネート(A)を、前記有機アミン(B)と混合する前に、200〜240℃の範囲の温度に予備加熱する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
工程a)における温度を230〜320℃の範囲に維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
工程b)における前記第二量の前記有機イソシアネート(A)が、工程a)における前記第一量の前記有機イソシアネート(A)より低い温度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
触媒の存在下で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記触媒が1種以上の酸またはそれらの混合物を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記触媒がジ−n−ブチルホスフェートを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
抽出または薄膜蒸留で過剰のモノマージイソシアネートを除去することにより前記ビウレット構造含有ポリイソシアネートを精製し、モノマージイソシアネート含量を0.5重量%未満にする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法によって得られたビウレット構造含有ポリイソシアネート。
【請求項14】
請求項13に記載のポリイソシアネートから製造された二成分ポリウレタン塗料。
【請求項15】
請求項14に記載の二成分ポリウレタン塗料から得られた塗膜で被覆された基材。

【公開番号】特開2011−42790(P2011−42790A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−185774(P2010−185774)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】