説明

ビスマス化合物を用いる天然油系軟質ポリウレタンフォームの触媒

(a)少なくとも1種類のポリイソシアネートを供給する段階と、(b)最大で約300のヒドロキシル価及び約10000mPa・sよりも低い粘度を有する少なくとも1種類の天然油系ポリオール(b1)のポリオールの総重量に基づいて少なくとも約5重量%を含む、少なくとも1種類のポリオール組成物を供給する段階と、(c)ポリイソシアネート及びポリオール組成物を、ウレタン結合が形成されるような反応条件にさらす段階とを含み、前記反応条件には、少なくとも1種類のビスマス触媒が存在することが含まれる、ポリウレタン製品を製造するための方法。ビスマス触媒の使用は、場合によってはその他のポリオールとともに、再生可能資源から製造されたポリオールを使用する、連続気泡、軟質ポリウレタンフォームの調製に特に適用可能である。本発明には、この方法により製造される、粘弾性フォームを含む、好ましくはベルベットのような手触りのフォームが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生可能資源(renewable resources)から製造されたポリオールを用いて、ポリウレタンフォームを製造する方法に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2008年8月27日出願の、米国特許仮出願第60/966,284号、「Catalysis of Natural Oil Based Flexible Polyurethane Foams with Bismuth Compounds」の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
アルキレンオキシドの重合に基づくポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、及びそれらの組合せは、通常、イソシアネートとともにポリウレタン系の主な構成成分である。G.Oertel、Hanser出版社による「Polyurethane Handbook」に記載されるように、ポリオールには、所望により充填ポリオール、例えばSAN(スチレン/アクリロニトリル)、PIPA(ポリイソシアネート重付加体)又はPHD(ポリ尿素)ポリオールなどが含まれる。
【0003】
天然油又は再生可能な原料から製造されたポリオールは公知である。そのようなポリオールは、Peermanらにより米国特許第4,423,162号、同第4,496,487号及び同第4,543,369号に記載されている。Peermanらは、植物油から得られる脂肪酸のエステルのヒドロホルミル化及び還元、ならびに結果として生じるヒドロキシル化物質とポリオール又はポリアミンとのエステル形成を記載している。脂肪酸に由来する高官能性ポリエステルポリオール物質は、国際公開第2004/096882号、国際公開第2004/096883号に記載されている。これらのポリエステルポリオールは、ポリヒドロキシル開始剤を特定のヒドロキシメチル化脂肪酸と反応させることによって製造される。再生可能資源に基づくポリオールに対する他のアプローチは、例えば、公報の国際公開第2004/020497号、国際公開第2004/099227号、国際公開第2005/0176839号、国際公開第2005/0070620号及び米国特許第4,640,801号に記載されている。これらのポリオールの一部は、軟質ポリウレタンフォームを製造するために使用される。例えば国際公開第2004/096883号、国際公開第2006/116456号及び国際公開第2004/020297号を参照のこと。
【0004】
通常、ポリウレタン軟質フォームを製造するために使用される有機金属塩触媒は、錫に基づく。一部の例では、環境的な理由のために錫触媒を避けることが好まれる。その上、発泡加工は、錫に触媒されるフォーム配合物中に少なくとも1種類の天然油ポリオール(NOP)を使用する場合に、フォームの崩壊、フォームのボイド化(又は分裂)およびフォームの収縮の間に許容されないほど狭い錫触媒濃度のウィンドウを必要とし得ることが見出された。気泡構造、ボイド及びフォームの崩壊の影響は、ニューヨーク及びロンドンのJohn Wiley and sons社の一部門であるInterscience Publishers社、J.H.Saunders及びK.C.Frischにより、「Polyurethanes Chemistry and Technology, part 1 Chemistry, chapter V, Formation of Urethane Foams」(1962年)に記載されている。253頁の図10には、「ワンショット法ポリエーテル軟質フォームにおけるT−9(第一錫オクトエート)触媒濃度とフォーム特性との関係(Relation between T-9(stannous octoate) datalyst concentration and foam character in a one-shot polyether flexible foam)」が示される。これらのデータは、ボイドが低いT−9レベルで起こること、及び独立気泡が高いT−9レベルで起こることを示す。このことは、大きい気泡(例えば、30気泡/インチ)及び細かい気泡(例えば、60気泡/インチ)の両方のフォームに当てはまる。「処理ウィンドウ」は、良好なフォーム、つまり、ボイド又は許容されない数の独立気泡を含まない(独立気泡は、フォームの収縮を導くか、又は良い方の場合には、フォームの快適性にマイナスの影響を与える許容されない通気量の減少を導く)フォームをもたらすT−9触媒の範囲である。したがって、この処理ウィンドウが広いほど、フォーム製造における作業は良好である。
【0005】
オペレーターは、フォーム製造の間にフォームがボイド化すること(又は分裂すること)を観察することができ、配合物中の第一錫オクトエートレベルを増加させることにより素早くそれを修正することができる。しかし、フォームの収縮は、フォーム製造段階が完了した後のフォームを冷却する間に生じるので修正することができない。収縮した又は堅いフォームは、全製造バッチに影響を及ぼして使用不能にする可能性がある。望ましくは、良好なフォームをもたらす触媒レベルの範囲は、製造機械のポンプにより正確に計量されるほど十分に高い。ポンプには狭すぎる処理ウィンドウを改善する一つの方法は、溶媒を用いて触媒を希釈することである。そのような希釈により、正確な希釈段階が必要となることによりプロセスが複雑化し、配合物中の溶媒の調節が必要となる。
【0006】
別のクラスの有機金属塩は、ビスマスに基づくものであり、国際公開第2005/080464号、米国特許出願公開第2005/0137376号、米国特許第5,491,174号、米国特許第5,646,195号、及び米国特許第6,242,555号、米国特許第6,825,238号に記載されている。しかしこの先行技術には、天然油ポリオールを用いて独立気泡、軟質ポリウレタンフォームを製造するための有機金属ビスマス触媒の使用は記載されていない。
【0007】
したがって、良好な特性、特に連続気泡を有し、好ましくはVOC(揮発性有機化合物)の生成の少ない軟質ポリウレタンフォームを提供することが望ましい。それは、錫オクトエート又はジブチル錫ジラウレートなどの一般的な錫触媒を用いて、及び錫触媒反応で経験したものと同じ又はそれよりも急速な硬化を用いて、再生可能資源に基づく少なくとも1種類のポリオールと、経験したよりも広い処理ウィンドウをもたらす有機金属触媒から製造される。触媒レベルの少なくとも約25%の処理ウィンドウが、既に説明したように十分な加工寛容度がもたらされるので望ましい。
【0008】
あるいは、錫触媒を必要とせずに再生可能資源由来のポリオールを用いて、軟質、粘弾性又はそれらの組合せである、フリーライズ(free-rise)の、スラブ材又は成形されたポリウレタンフォームを製造することが望ましい。独立して、再生可能資源由来のポリオールを用いる、軟質、粘弾性又はそれらの組合せである、収縮のない、スラブ材又は成形されたポリウレタンフォームを製造することが望ましい。独立して、触媒反応の量又は種類を調節することにより、粘弾性フォームの気泡サイズを小さくすることができることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,423,162号
【特許文献2】米国特許第4,496,487号
【特許文献3】米国特許第4,543,369号
【特許文献4】国際公開第2004/096882号
【特許文献5】国際公開第2004/096883号
【特許文献6】国際公開第2004/020497号
【特許文献7】国際公開第2004/099227号
【特許文献8】国際公開第2005/0176839号
【特許文献9】国際公開第2005/0070620号
【特許文献10】米国特許第4,640,801号
【特許文献11】国際公開第2006/116456号
【特許文献12】国際公開第2004/020297号
【特許文献13】国際公開第2005/080464号
【特許文献14】米国特許出願公開第2005/0137376号
【特許文献15】米国特許第5,491,174号
【特許文献16】米国特許第5,646,195号
【特許文献17】米国特許第6,242,555号
【特許文献18】米国特許第6,825,238号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】G.Oertel著、「Polyurethane Handbook」、Hanser出版社
【非特許文献2】J.H.Saunders及びK.C.Frisch著、「Polyurethanes Chemistry and Technology, part 1 Chemistry, chapter V, Formation of Urethane Foams」、Interscience Publishers社、1962年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
現在、有機ビスマス触媒は、少なくとも5重量%の天然油ポリオールを使用して製造される軟質ポリウレタンフォームを調製する際に特に有用であることが見出されている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一態様では、本発明は、(a)少なくとも1種類のポリイソシアネートを供給する段階、(b)好ましくは最大で約300のヒドロキシル価(hydroxyl number)を有する、少なくとも1種類の天然油系ポリオール(b1)のポリオールの総重量に基づいて少なくとも約5重量%を含む、少なくとも1種類のポリオール組成物を供給する段階、及び(c)ポリイソシアネート及びポリオール組成物を、ウレタン結合が形成されるような反応条件にさらす段階とを含み、前記反応条件には、少なくとも1種類のビスマス触媒が存在することが含まれる、ポリウレタン製品を製造するための方法である。
【0013】
一実施形態では、本発明は、
(a)少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートと、
(b)(b1)5〜100重量%の、ヒドロキシル価が300未満の再生可能資源(renewable resources)に基づく少なくとも1種類のポリオール、
(b2)場合によっては0〜60重量%の、2〜8の公称始動官能価(nominal starter functionality)及び15〜200のヒドロキシル価(hydroxyl number)を有する(b2)以外の少なくとも1種類のポリオール化合物、及び
(b3)場合によっては1〜50重量%の、2〜8の公称始動官能価及び15〜200のヒドロキシル価を有する(b1)以外のアミン開始ポリオール(amine initiated polyol)、を含むポリオール組成物との混合物を
(c)ビスマス化合物である、イソシアネートとヒドロキシル基の反応のための少なくとも1種類の触媒を含む、少なくとも1種類のポリウレタン触媒の存在下、
(d)発泡剤として100部のポリオールにつき0.5〜10部の水の存在下、かつ
(e)場合によっては、それ自体が軟質ポリウレタンフォームの製造のための界面活性剤、添加剤及び/又は助剤を用いて反応させることによる、密度が約100kg/mより低い軟質ポリウレタンフォームの製造のための方法である。
【0014】
もう一つの態様では、本発明には、少なくとも約10PPHPの天然油ポリオールを用いて製造され、1インチあたりの気泡の平均数が少なくとも約50(19.7/cm)である、ASTM D3574試験Hに従って測定して最大で25%のレジリエンス(resilience)を有する粘弾性ポリウレタンフォームが含まれる。
【0015】
本発明は、本発明の方法により製造された軟質ポリウレタンフォームが含まれる。
【0016】
再生可能資源に基づくポリオール(b1)はまた、本明細書において天然油系ポリオール(NOBP)とも称される。1または複数のポリオール(b2)は、好ましくは室温にて液体であり、複数の活性部位を有する。
【0017】
一部の実施形態では、ポリオール(b1)を、場合によっては少なくとも一部のイソシアネートと事前に反応させてプレポリマーとして使用する。
【0018】
驚くことに、本発明の方法により製造された軟質ポリウレタンフォームは、あまり収縮のない、少なくとも1種類の広い処理ウィンドウを有し微細な気泡を有し、第一錫オクトエートを用いて当分野の技術の範囲内で公知のように触媒の量を調節して製造された同じ配合物によるフォームと比較して、相対的に臭気が低いか、又は、VOCの放出が低いことを示す。この利点は、ポリオール(b)組成物中に天然油系ポリオール(b1)を含めること、及びビスマス化合物をポリウレタンを製造するための触媒として使用することにより達成される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
定義:
【0020】
用語「レジリエンス」又は「レジリエンシー」は、弾力性として理解される、フォームの性質をさすために用いられる。それは、ASTM D3574試験Hの手順に従って測定される。このボールリバウンド試験は、規定条件下で落下させた場合に、落下させた既知重量の鋼球がフォームの表面からリバウンドする高さを測定し、その結果を元の落高に対する百分率として表す。
【0021】
用語「ボールリバウンド」は、本明細書において、既に記載したようにASTM D3574−試験Hの試験手順の結果をさすために用いられる。
【0022】
用語「密度」は、本明細書においてフォームの単位体積あたりの重量をさすために用いられる。密度は、ASTM D357401、試験Aの手順に従って測定される。
【0023】
用語「CS 75% Parallel−CT」は、75%圧縮変形レベルでそのフォームの上昇方向と平行に測定される圧縮永久歪試験を表す。この試験は、本明細書において使用中のクッション厚の損失とフォーム硬度の変化を相関させるために用いられる。圧縮永久歪は、ASTM D3574−95、試験Iの手順に従って測定され、サンプルの原厚の百分率として測定される。同様に、「CS 90% Parallel−CT」は、上記(圧縮永久歪)と同じ測定をさすが、この場合は、サンプルの90%圧縮変形レベルでフォームの上昇方向と平行に測定される。
【0024】
用語「通気量」は、125Pa(0.018psi)の圧力で1.0インチ(2.54cm)厚の2インチ×2インチ(5.08cm)の正方形切片フォームを通過する空気の量をさす。単位は、1秒あたりの立方デシメートルで表され、標準的な1分あたりの平方フィートに換算される。通気量を測定するための代表的な市販ユニットは、スイス、チューリッヒのTexTest AGにより製造されており、TexTest Fx3300として認定されている。この測定は、ASTM D 3574試験Gに従う。
【0025】
用語「NCO指数」は、この用語がポリウレタン分野において一般に用いられているとおり、イソシアネート指数を意味する。本明細書において、イソシアネートの当量をイソシアネート反応性水素含有材料の全当量で除算し、100を乗じたものとして用いられる。別の考え方をすると、それは、配合物中に存在するイソシアネート反応性水素原子に対するイソシアネート基の比であり、百分率として与えられる。従って、イソシアネート指数は、配合物に用いられるイソシアネート反応性水素の量と反応するために理論上必要なイソシアネートの量に関して、配合物中に実際に用いられるイソシアネートの百分率を表す。
【0026】
本明細書において、用語「粘弾性」は、その物質に弾性(固体)の特性と粘性(液体)の特性が共存することに起因する、加えられた定荷重(応力)に対する物質の時間依存性応答である。これは、クリープ実験(夜、人がベッドに横たわるプロセスに類似する−定荷重)において最もよく観察され、その実験では変形の速度が時間とともに変化し、初期瞬間変形値(弾性成分)で始まり、その後、時間とともにいくつかの高速変形型(粘弾性成分)を経て、最終的に定常歪速度値(液体成分)又はゼロ歪速度値(高架橋ネットワーク物質)に達する。動的機械的特性決定において、粘弾性のレベルは、その物質のタンデルタにより測定される減衰係数に比例する。タンデルタは、粘性散逸損失弾性率G”の貯蔵弾性率G’に対する比である。高いタンデルタ値は、その物質挙動に高粘性成分が存在し、したがって任意の摂動に対して強い減衰が観察されるということを意味する。
【0027】
用語「粘弾性フォーム」は、ASTM D3574試験Hに従って測定して最大で25%のレジリエンスを有するフォームを指し示すことを意図する。弾性の(Resilient)フォームは少なくとも25%のレジリエンスを有するものであり、高レジリエンスフォームは、50%より高いレジリエンスを有する。粘弾性(VE)フォームは、加えられた応力に対して遅延性の速度依存性応答を示す。低いレジリエンシーに加えて、それらは圧縮された場合の回復が遅い。ポリウレタンフォームにおいて、これらの特性は、ポリウレタンのガラス転移温度(T)と関連している場合が多い。粘弾性は、ポリマーが使用温度(多くの用途に関して室温)又はその付近にTgを有する場合に現れる場合が多い。粘弾性又は「記憶」フォームは、多数の非常に望ましい性能特性を有する。粘弾性フォームは、レジリエンスが低く、形状又は本体が適合し、かつ、音及び振動又は衝撃の両方を減衰させることができる傾向がある。粘弾性フォームに関する一般的な教示は、米国特許出願公開第2005/038133号に見出すことができる。
【0028】
本明細書において用語「軟質」フォームとは、開放されると圧縮又は伸縮力から回復するフォームを意味し、好ましくはその弾性限界を超えずに10%より多く圧縮又は伸長することができる。好ましくは、フォームは、負荷がフォームに加えられた場合にフォーム構造を損なうことなく圧縮するために十分レジリエントであることが好ましい。好ましくは、軟質フォームはまた、たとえ負荷の適用及び除去を数回繰り返した後でさえも、負荷が除去された後に原寸及び原形に反発して戻るか又は跳ね返る。これは、負荷がフォームに加えられた場合にフォーム構造を損なうことなく圧縮されることも、負荷が除去された後に(特に負荷が1回以上適用及び除去される場合に)その原寸及び原形に反発して戻ることもない硬質フォームとは対照的である。
【0029】
本明細書において、用語「連続気泡」とは、フォームの個々の気泡が開放チャネルにより連通していることを意味する。フォームを例とする気泡材料は、一般に二相の気固系として定義され、この際、固相は連続マトリックスとして存在し、気相はマトリックス全体に分散したポケットを占める。ポケットは、気泡又はボイドとしても公知であり、一構成において、各気泡の中の気相がその他の気泡に存在する気相から独立しているように離散している。離散した気泡を有する気泡材料は独立気泡フォームを示す。あるいは、別の構成において、気泡は部分的に又は主に連通しており、その場合その系は独立気泡フォームと称される。独立気泡は通気量により測定することができる。好ましくは、フォームの通気量は少なくとも0.6cfm(立方フィート/分)、より好ましくは0.8cfmよりも高い、さらにより好ましくは1.0cfmよりも高い(それぞれ0.28317、0.37756、0.47195リットル/秒)。
【0030】
本明細書において、本明細書においてフォームに用いられる用語「収縮のない」とは、そのフォームが、初期上昇及び凝固後に、フォームを室温まで冷却した場合と実質的に同じ寸法であることを意味する。収縮のないフォームに関して、三次元の寸法の収縮の合計は、8%未満、好ましくは6%未満、より好ましくは4%未満である。
【0031】
本明細書において、「ポリオール」とは、1分子あたり平均1.0より大きい活性水素基、好ましくはヒドロキシル基を有する有機分子をさす。場合によっては、それにはその他の官能価、つまり、その他の種類の官能基が含まれる。そのような化合物の中で好ましいものは、1分子あたり少なくとも2個のヒドロキシル基(第一級又は第二級)、又は少なくとも2個のアミン(第一級又は第二級)、カルボン酸、又はチオール基を有する物質である。1分子あたり少なくとも2個のヒドロキシル基又は少なくとも2個のアミン基を有する化合物は、ポリイソシアネートとのそれらの望ましい反応性のために特に好ましく、少なくとも2個のヒドロキシル基を有する化合物が最も好ましい。
【0032】
本明細書において、用語「従来のポリオール」又は「さらなるポリオール」は、ポリウレタン又はその他のポリマー中で用いる当分野の技術の範囲内で、植物又は動物起源以外の、好ましくは石油起源のポリオールを指し示すために用いられる。用語「従来のポリエーテルポリオール」は、少なくとも1種類のアルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド又はそれらの組合せから形成され、かつ、植物又は動物油に由来する分子の一部(ポリウレタンフォームを製造する際に慣用される種類のポリオール)を有さないポリオールに用いられる。ポリエーテルポリオールは、公知の方法、例えば適した始動分子のアルコキシル化によるなどの方法により調製することができる。そのような方法は、一般に、開始剤、例えば、水、エチレングリコール、又はプロピレングリコールをアルキレンオキシドと、触媒例えばKOH又はDMCの存在下で反応させることを含む。エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの酸化物の組合せは、アルコキシル化反応に特に有用であり得る。ポリエーテルポリオール、例えばポリオキシエチレンポリオールは、アルキル置換基を含有し得る。ポリエーテルポリオールを製造するためのプロセスは、アルキレンオキシドの混合物の不均質な供給、純粋又はほぼ純粋なアルキレンオキシドポリオールの逐次供給を伴い、単一成分のブロックを有するポリオール、あるいは、例えばエチレンオキシド又はプロピレンオキシドでキャップされているポリオールを製造することができる。好ましくは0.1mequiv/gよりも低い不飽和度を有するこれらの種類のポリオールは全て公知であり、ポリウレタン化学において使用されている。ポリエーテルポリオールに加えて、従来のポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール又はそれらの組合せが含まれる。
【0033】
用語「天然油ポリオール」(以下、NOP)は、本明細書において、その化合物が動物及び植物油、好ましくは植物油を含む天然油から単離されたか、それらに由来するか、又はそれから製造された、ヒドロキシル基を有する化合物をさすために用いられる。場合によっては使用される植物及び動物油の例としては、限定されるものではないが、大豆油、ベニバナ油、アマニ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、オリーブ油、カノーラ油、ゴマ油、綿実油、パーム油、菜種油、キリ油、魚油、又はこれらの油のいずれかのブレンドが挙げられる。あるいは、任意の部分水素化もしくはエポキシ化天然油又は遺伝子組み換えされた天然油を用いて所望のヒドロキシル含量を得てもよい。そのような油の例としては、限定されるものではないが、高オレイン酸ベニバナ油、高オレイン酸大豆油、高オレイン酸ピーナッツ油、高オレイン酸ヒマワリ油(例えばNuSunヒマワリ油など)、高オレイン酸カノーラ油、及び高エルカ酸菜種油(例えばCrumbe oilなど)が挙げられる。天然油ポリオールは、例えばColvinら、UTECH Asia,Low Cost Polyols from Natural Oils, Paper 36,(1995年)、及び「Renewable raw materials--an important basis for urethane chemistry」: Urethane Technologygy:第14巻、第2号、1997年4月/5月、Crain Communications(1997年)、国際公開第01/04225号、国際公開第040/96882号、国際公開第040/96883号、米国特許第6686435号、米国特許第6433121号、米国特許第4508853号、米国特許第6107403号、米国特許出願公開第20060041157号、及び同20040242910号に開示されるように、十分に当業者の知識の範囲内である。
【0034】
用語「天然油系ポリオール」は、本明細書において天然油に由来するNOP化合物をさすために用いられる。例えば、天然油又はそれからの単離物は、空気又は酸素から、アミン及びアルコールを含む有機化合物までの範囲の化合物と反応する。しばしば、天然油中の不飽和は、ポリオールが得られるように、ヒドロキシル基に、又はその後にヒドロキシル基を有する化合物と反応することのできる基に変換される。そのような反応は当分野の技術の範囲内であり、前段落中の参照文献において考察されている。
【0035】
用語「プレポリマー」は、さらなるモノマーと反応してポリマーを形成する反応性の官能基が残っている、モノマーの反応生成物を指し示すために使用される。
【0036】
用語「天然油系プレポリマー」又は「天然油プレポリマー」は、本明細書において、結果として生じるプレポリマーにヒドロキシル基と反応性の官能基が残っているように、ポリマーを形成するために必要な量を上回る量の、少なくとも1種類の天然油ポリオールと反応性の少なくとも1種類のモノマーと反応した少なくとも1種類の天然油ポリオールを含むプレポリマーを表すために使用される。例えば、少なくとも1種類のイソシアネートが反応性モノマーである場合、天然油ポリオールのイソシアネートプレポリマーが形成される。そのようなプレポリマーを形成及び使用することは、法的に認められている最大限まで参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2006/047434号に開示されるように、当分野の技術の範囲内である。
【0037】
用語「再生可能な資源」は、本明細書において、例えば、石油及び派生物と区別される動物及び植物油脂を指し示すために使用される。
【0038】
用語「ヒドロキシル価」とは、ポリマー、特にポリオールの組成物中のヒドロキシル部分の濃度を示す。ヒドロキシル価は、KOH(mg)/ポリオール(g)を表す。ヒドロキシル価は、ピリジン及び無水酢酸を用いるアセチル化により測定され、その結果はKOH溶液を用いる2つの滴定間の差として得られる。ヒドロキシル価は、従って、アセチル化により1グラムのポリオールと結合することのできる無水酢酸を中和するKOHのミリグラムで表される重量として定義される。ヒドロキシル価が高いほど、組成物の中のヒドロキシル部分の濃度が高いことが示される。組成物のヒドロキシル価に関する測定法の記述は、当分野で周知の文章、例えば、Woods,G.、The ICI Polvurethanes Book−2nd ed.(ICI Polyurethanes,Netherlands,1990)に見出すことができる。
【0039】
用語「第一級ヒドロキシル基」とは、その他の炭素原子が1個だけそれに結合している炭素原子上のヒドロキシル基(−OH)、(好ましくは水素原子が1個だけそれに結合しているヒドロキシル基)(−CH−OH)を意味する。第二級ヒドロキシル基は、それに結合している2個の炭素原子を有する炭素原子上のヒドロキシル基である。
【0040】
用語「官能価」、特に「ポリオール官能価」は、本明細書においてポリオール中のヒドロキシル基の数をさすために用いられる。
【0041】
用語「公称始動官能価」は、本明細書において、その合成に使用される原料、一般にポリオール(1又は複数)の調製に用いられる開始剤(1又は複数)、の数平均官能価(1分子あたりの活性水素原子の数)であるという仮定の下に、ポリオール又はポリオール組成物の数平均官能価(1分子あたりのヒドロキシル基の数)を指し示すために使用される。「平均」という語は、別に指定のない限り数平均をさす。混合開始剤を使用する場合には、ポリオールの公称官能価は、混合開始剤の数平均官能価である。
【0042】
用語「VOC」とは、加熱され、特に火にかけられ、接合されたポリウレタンフォームに適用される時に、フォームが加熱される場合に放出される揮発性有機化合物の量を意味する。VOCは、VDA278(熱脱着試験)又はDIN EN13419−1(チャンバ試験)の手順に従って測定され、VOCのミリグラムで表される。望ましくは、これらの量は最小値である。
【0043】
全ての百分率、好ましい量又は測定値、範囲及びそれらの終点は本明細書において包括的である、つまり、「約10未満」には、約10が含まれる。従って、「少なくとも」は「より大きいか又は等しい」と等しく、「最大で」は、従って、「より少ないか又は等しい」に等しい。数は、本明細書において記載されるよりも高い精密さを有さない。従って、「115」には、少なくとも114.5〜115.49が含まれる。さらに、全てのリストは2又はそれ以上のリストメンバーの組合せを含む。「少なくとも」、「より大きい」、「より大きいか又は等しい」又は同様に記載されるパラメータから、「最大で」、「までの」、「未満」、「より少ないか又は等しい」又は同様に記載されるパラメータまでの全ての範囲は、各々のパラメータに対して示される選択の相対的な程度に関わらず好ましい範囲である。従って、有利な下限を最も好ましい上限と併せて有する範囲が、本発明の実践に好ましい。全ての量、比、割合及びその他の測定値は、特に明記されない限り、重量による。全ての百分率は、特に明記されない限り、本発明の実践に従う全組成物に基づく重量%をさす。実施例、又は特に指定される場合を除いて、明細書中の量、百分率、OH数、官能価などを表す全ての数は、全ての場合において「約」という語で修飾されると理解されるものである。特に明記されない限り、又はそうでなければ不可能であると当業者に認識されない限り、本明細書に記載されるプロセスの段階は、場合によっては、その段階が本明細書において考察されている順序とは異なる順序で実行される。さらに、段階は場合によっては、時期において別々に、同時に又は重なりあって起こる。例えば、加熱及び混合などの段階は、多くの場合、当分野において時期の点で別々であるか、同時であるか、又は一部分重なり合う。特に明記されない限り、望ましくない作用を引き起こしかねない要素、材料、又は段階が、許容されない程度ほどその作用を引き起こさないような量又は形で存在する場合、それは本発明の実践に関して実質的に存在しないとみなされる。さらに、「許容されない」及び「許容されないほど」の語は、商業的に有用であり得ること、その他の点では所与の状況において有用であることからの逸脱、又は所定の制限(具体的な状況及び用途によって変わり、作業明細書などの事前決定事項により設定され得る)外であることをさすために用いられる。当業者であれば、許容限界は、装置、条件、用途及び他の可変要因によって変わるが、それらが適用可能な各々の状況において過度の実験を伴わずに決定することができることを理解する。場合によっては、一つのパラメータにおける変動又は偏差は、別の望ましい結果を達成するためには許容され得る。
【0044】
用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含む(containing)」又は「を特徴とする(characterized by)」と同義であり、包括的又は制約がなく(open-ended)、さらなる列挙されていない要素、材料、又は段階を排除するものではない。用語「から本質的になる(consisting essentially of)」は、指定された要素、材料、又は段階に加えて、要素、列挙されていない材料又は段階が場合によっては対象の少なくとも1種類の基本的かつ新規な特徴に許容されないほど物質的に影響を及ぼさない量で存在することを示す。用語「からなる(consisting of)」は、記載される要素、材料 又は段階だけが存在することを示す。
【0045】
(a)有機ポリイソシアネート:
【0046】
本明細書においてイソシアネートと呼ばれる有機ポリイソシアネートは、1有機分子あたり平均1よりも多くの、好ましくは平均少なくとも約1.8のイソシアネート基を有する任意の有機化合物又は組成物である。場合によっては本発明で使用されるイソシアネートには、脂肪族、脂環式、アリール脂肪族及び芳香族イソシアネートが含まれる。芳香族イソシアネートが好ましい。
【0047】
適した芳香族イソシアネートの例としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の4,4’−、2,4’及び2,2’−異性体、それらのブレンドならびにポリマー及びモノマーMDIブレンド、トルエン−2,4−及び2,6−ジイソシアネート(TDI)、m−及びp−フェニレンジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、ジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネート−3,3'−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニル−メタン−4,4’−ジイソシアネート及びジフェニルエーテルジイソシアネート及び2,4,6−トリイソシアネートトルエン及び2,4,4’−トリイソシアネートジフェニルエーテルが挙げられる。
【0048】
イソシアネートの混合物、例えば市販されているトルエンジイソシアネートの2,4−及び2,6−異性体の混合物などが場合によっては使用される。粗ポリイソシアネート、例えばトルエンジアミンの混合物のホスゲン化により得られる粗トルエンジイソシアネート、又は粗メチレンジフェニルアミンのホスゲン化により得られる粗ジフェニルメタンジイソシアネートは、本発明の実施に際して場合によっては使用される。TDI/MDIブレンドは場合によっては使用される。MDI又はTDI系プレポリマーは場合によっては本明細書に記載されるポリオール(b1)、ポリオール(b2)又は任意のその他のポリオールのいずれかとともに使用される。イソシアネート末端プレポリマーは、過剰のポリイソシアネートを、アミノ化ポリオール又はそのイミン/エナミン、あるいはポリアミンを含む少なくとも1種類のポリオールと反応させることにより調製される。
【0049】
脂肪族ポリイソシアネートの例としては、エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、上述の芳香族イソシアネートの飽和類似体及びそれらの混合物が挙げられる。
【0050】
軟質フォームの製造に関して、好ましいポリイソシアネートは、トルエン−2,4−及び2,6−ジイソシアネート又はMDIあるいはTDI/MDI又はそれから製造されたプレポリマーの組合せである。
【0051】
軟質フォームを製造する際に使用するポリイソシアネートの量は、通例、イソシアネート指数で、つまり反応混合物中に含まれるNCO基の反応性の水素に対する比の100倍で表される。従来のスラブ材フォームの製造において、イソシアネート指数は、多くの場合約75〜140、特に約80〜115の範囲である。成形された高レジリエンシースラブ材フォームにおいて、イソシアネート指数は多くの場合約50〜約150、特に約75〜約110の範囲である。従って、本発明の実践において、イソシアネート指数は有利には少なくとも約60、より有利には少なくとも約70、好ましくは少なくとも約80、より好ましくは少なくとも約90、かつ、独立に、有利には最大で約150、より有利には最大で約130、好ましくは最大で約120、より好ましくは最大で約115、最も好ましくは最大で約110である。
【0052】
(b)ポリオール組成物
【0053】
本発明の実践において、少なくとも1種類のポリオール組成物が使用され、その組成物は少なくとも1種類のポリオール(b1)、及び、場合によっては少なくとも1種類の(b2)と名付けられるポリオール、少なくとも1種類の(b3)と名付けられるポリオール又はそれらの組合せを含む。
(b1)再生可能資源に基づいて少なくとも1種類のポリオール、つまりNOBPである。
【0054】
ポリオール(b1)は、再生可能資源、例えば、天然の、かつ/又は遺伝子組み換えされた(GMO)植物の植物種子油及び/又は動物性脂肪などに基づくか又は由来する。そのような油及び/又は脂肪は一般にトリグリセリド、つまり、グリセロールと結合している脂肪酸から構成される。好ましいものは、少なくとも約70%の不飽和脂肪酸をトリグリセリド中に有する植物油である。この天然物には少なくとも約85重量%の不飽和脂肪酸が含まれることが好ましい。好ましい植物油の例としては、例えば、ヒマシ油、大豆油、オリーブ油、ピーナッツ油、菜種油、コーン油、ゴマ油、綿実油、カノーラ油、ベニバナ油、アマニ油、パーム油、ヒマワリ種子油、又はそれらの組合せに由来するものが挙げられる。動物性生成物の例としては、ラード、牛脂、魚油及びそれらの混合物が挙げられる。植物及び動物系油脂の組合せが場合によっては使用される。これらの天然油のヨウ素価は、約40〜240の範囲である。ポリオール(b1)は、大豆油及び/又はヒマシ油及び/又はカノーラ油に由来することが好ましい。
【0055】
軟質ポリウレタンフォームの製造での使用に関して、一般に天然材料を改質して、材料にイソシアネート反応性基を与えるか、又は材料上のイソシアネート反応性基の数を増加させることが望ましい。好ましくは、そのような反応性基はヒドロキシル基である。いくつかの化学物質を用いて(b1)のポリオールを調製することができる。そのような再生可能な資源の改質としては、例えば、米国特許第6,107,433号又は米国特許第6,121,398号に記載されるエポキシ化、例えば国際公開第2003/029182号に記載される水酸化、米国特許第6,897,283号、同第6,962,636号又は同第6,979,477号に記載されるエステル化、国際公開第2004/096744号に記載されるヒドロホルミル化、米国特許第4,640,801号に記載されるグラフト化、あるいは米国特許第4,534,907号又は国際公開第2004/020497号に記載されるアルコキシル化が挙げられる。天然物を改質するために引用されたこれらの参照文献は、法的に認められている最大限まで参照により本明細書に組み込まれる。本発明の実践に適したその他のポリオールとしては、Grosch,G.H.ら、国際公開第0014045(A1)号(2000年3月16日)、David M.Casper、米国特許出願公開第20060041155(A1)号、2004年8月23日、David M.Casper及びTrevor Newbold、米国特許出願公開第20060041156(A1)号、Ashvin Shah及びTilak Shah、国際公開第0104225(A1)号、(2000年7月12日)、Ron Herrington及びJeffrey Malsam、米国特許出願公開第20050070620(A1)号、(2004年6月25日)、Dwight E.Peerman及びEdgar R.Rogier、欧州特許第106491号(1983年9月6日)、米国特許第4496487号(1982年9月7日)、米国特許第4423162号(1983年12月27日)、及び米国特許第4543369号(1984年10月26日)、Zoran S.Petrovicらなどの参照文献に開示されるものが挙げられる。それらは全て法的に認められている最大限まで参照により本明細書に組み込まれる。天然油の改質によるそのようなポリオールの製造の後、改質された生成物は、場合によってはさらにアルコキシル化される。エチレンオキシド(EO)又はEOとその他の酸化物との混合物を使用することにより、親水性部分がポリオールの中に導入される。一実施形態では、改質された生成物は十分なEOとのアルコキシル化を受けて、好ましくは少なくとも約10重量%、より好ましくは少なくとも約20重量%から好ましくは最大で約60重量%、より好ましくは最大で約40重量%のEOを含むポリオール(b1)を製造する。
【0056】
もう一つの実施形態では、好ましいポリオール(b1)は、PCT公報国際公開第2004/096882号及び同2004/096883号、ならびに同時係属PCT公報国際公開第2006/118995号、「Polyester Polyols Containing Secondary Alcohol Groups and Their Use in Making Polyurethanes Such as Flexible Polyurethane Foams」に開示されているポリオールであり、それらの開示は当分野の技術を表し、法的に認められている最大限まで参照により本明細書に組み込まれる。国際公開第04/096882号及び国際公開第04/096883号に開示されているポリオールが最も好ましい。これらは、活性水素を有する開始剤、例えばポリオール又はポリアミン、アミノアルコール又はそれらの混合物などと、不飽和脂肪酸又はエステルのヒドロホルミル化、それに続いて少なくとも一部の結果として得られるホルミル基の水素化によるなどのプロセスにより調製される植物油系モノマーとの反応生成物である。そのようなポリオールは、本明細書下文において「開始脂肪酸ポリエステルアルコール(initiated fatty acid polyester alcohol)」と呼ばれる。これらの中で、より好ましいポリオールとしては、アルコキシル化された、好ましくはエトキシル化された、ポリヒドロキシル化合物、好ましくはグリセリン、スクロース、又はそれらの組合せで開始され、かつ、分子量が有利には少なくとも約400、より好ましくは少なくとも約600、好ましくは最大で約1000、より好ましくは最大で約800であるポリオールが挙げられる。代替実施形態では、国際公開第2006/118995号に教示され、本明細書において「開始第二級ヒドロキシル脂肪酸コポリエステル」と呼ばれるポリオールが最も好ましい。これらは、開始剤、例えば開始脂肪酸ポリエステルアルコールを製造する際に使用されるものなどと、天然に第二級ヒドロキシル基を有する植物油系モノマーもしくはオリゴマー、例えばリシノール酸などの反応生成物であるか、あるいは、その中に、例えば米国特許第6,018,063号などの参照文献及び Isbell et al., J. Amer. Oil Chem. Soc., 71 (4) 379 (1994) に教示される、二重結合全体に(across a double bond)水を反応させるプロセス、例えば米国特許第2,759,953号に教示される、不飽和脂肪酸又はエステルをギ酸と反応させるプロセス、例えば John et al., J. Appl. Polym. Sci. 86, 3097 (2002)及びSwern et al., JACS, 67, 1134 (1945)に教示される、エポキシ化及び開環などによる脂肪酸又はエステルの酸化のプロセスなどにより、第二級ヒドロキシル基が導入されている。従って、ポリオール又はポリオールの組合せ(b1)は、場合により第一級ヒドロキシル基、第二級ヒドロキシル基又はそれらの組合せのヒドロキシル基を有する。最も好ましいポリオールの両方の種類が好ましい。それは一部分において、いずれもが場合によっては、疎水性部分と親水性部分の両方を有するポリオール(b1)を含むことができるためである。天然油はC4−C24飽和及び/又は不飽和鎖長、好ましくはC4−C18鎖長を含むので、疎水性部分は天然油によりもたらされ、一方の親水性部分は、開始剤、例えば高レベルのエチレンオキシドを含むものなどに存在する親水性ポリオール鎖の使用により得られる。
【0057】
好ましくは、開始剤は、ネオペンチルグリコール;1,2−プロピレングリコール;トリメチロールプロパン;ペンタエリトリトール;ソルビトール;スクロース;グリセロール;ジエタノールアミン;アルカンジオール類、例えば1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール;1,4−シクロヘキサンジオール;2,5−ヘキサンジオール;エチレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール;ビス−3−アミノプロピルメチルアミン;エチレンジアミン;ジエチレントリアミン;9(1)−ヒドロキシメチルオクタデカノール、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン;8,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デセン;Dimerolアルコール;水素化ビスフェノール;9,9(10,10)−ビスヒドロキシメチルオクタデカノール;1,2,6−ヘキサントリオール及びそれらの組合せからなる群より選択される。より好ましくは、開始剤は、グリセロール;エチレングリコール;1,2−プロピレングリコール;トリメチロールプロパン;エチレンジアミン;ペンタエリトリトール;ジエチレントリアミン;ソルビトール;スクロース;又はその中に存在するアルコール又はアミン基の少なくとも1種類がエチレンオキシド、プロピレンオキシド又はそれらの混合物と反応した上述のもののいずれか;及びそれらの組合せからなる群より選択される。最も好ましくは、開始剤は、グリセロール、トリメチルロプロパン(trimethylopropane)、ペンタエリトリトール、スクロース、ソルビトール、及び/又はその混合物である。
【0058】
好ましい一実施形態では、そのような開始剤をエチレンオキシド又はエチレンの混合物及び少なくとも1種類のその他のアルキレンオキシドを用いてアルコキシル化し、分子量が200〜6000、特に400〜2000のアルコキシル化開始剤を得る。好ましくはアルコキシル化開始剤の分子量は500〜1000である。もう一つの実施形態では、ポリオール(b1)は、EO(エチレンオキシド)に基づく部分が多い。一実施形態では、ポリオール(b1)は、好ましくは少なくとも約10重量%のエチレンオキシドを含む、つまり、少なくとも約10重量%の、エチレンオキシド(EO)に由来する分子構造を有する。より好ましくは、ポリオール(b1)は少なくとも約15、最も好ましくは少なくとも約20重量%のEOから調製される。独立に、好ましくは、ポリオール(b1)は最大で約60、より好ましくは最大で約50、最も好ましくは最大で約40重量%のエチレンオキシドを含む。
【0059】
好ましくは、ポリオール(b1)、又はそのようなポリオールのブレンドの官能価は、少なくとも約1.5、より好ましくは少なくとも約1.8、最も好ましくは少なくとも約2.0であり、独立に、好ましくは最大で約6、より好ましくは最大で約5、最も好ましくは、官能価は最大で約4である。ポリオール(b1)、又はそのようなポリオールのブレンドのヒドロキシル価は、好ましくは最大で約300mgKOH/g、より好ましくは最大で約200、最も好ましくは最大で約100mgKOH/gである。
【0060】
ポリオール(b1)又はそのブレンドは、ポリオール配合物もしくは組成物の100重量%までを構成する。ポリオール(b1)は、有利には約100重量%までの存在するポリオール成分の総重量の少なくとも約5重量%、より有利には少なくとも約10重量%、好ましくは少なくとも約25重量%、より好ましくは少なくとも約35重量%、最も好ましくは少なくとも約50重量%を構成し、好ましくは少なくとも50%の再生可能資源を含む(つまり、種油及び/又はその他の植物もしくは動物に由来する)。あるいは、ポリオール(b1)は、有利には最大でポリオールの総重量の約95重量%、より有利には最大で約90重量%、好ましくは最大で約85重量%、より好ましくは最大で約80重量%、最も好ましくは最大で約75重量%を構成する。
【0061】
ポリオール(b1)は、場合によっては、(b1)として記載される2又はそれ以上のポリオールの任意の組合せである。1よりも多くの(b1)ポリオールを使用する場合、2又はそれ以上のポリオールは、場合によっては、同じ種類のものであり、もう一つの実施形態では、例えば2007年8月6日出願の米国特許仮出願第60/963,704号、「Polyol blends for use in making polymers」に開示されているように、異なる種類のものである。組合せは、フォーム配合物中の種油のレベルを最大化するために、あるいは、発泡加工及び/又は具体的なフォームの特徴、例えば耐湿潤老化性を最適化するために、有用である場合が多い。この実施形態では、(b1)は少なくとも2種類の異なる天然油ポリオール(b1)を含み、この際、(a)それらが製造される方法の少なくとも1つの点で異なっており、好ましくはこの少なくとも2種類の天然油ポリオールは、改良された物理的もしくは加工特性、より高いレベルの再生可能資源で、より好ましくは少なくとも約2重量%高い再生可能資源で満足のいく特性をもたらすために十分に異なっており、あるいは、大量の混合(combined)天然油ポリオールを使用する場合、結果として生じるポリマー生成物又はそれらの組合せにおいて、全てが、天然油ポリオールの1種類を天然油ポリオールの組合せの量に等しい量で単独で使用することを除いて本質的に同じ方法によって製造した本質的に同じ最終生成物に匹敵する(as compared with)。独立に好ましくは、この方法は、反応温度、反応時間、反応圧力又はそれらの組合せの中の少なくとも1つが異なる、好ましくは、反応温度、反応時間、反応圧力、触媒(少なくともより好ましくは少なくとも1種類の単位操作の点で)、又はそれらの組合せの中の1又はそれ以上が異なる、より好ましくは、少なくとも最初のプロセスが、ヒドロホルミル化、エポキシ化、アルコキシル化、エステル化、エステル交換、アルコーリシス、酸化、天然油又はその誘導体を使用する開環の中の少なくとも1種類の単位操作を伴うが、一方、2番目のプロセスは第一ポリオールを調製する際に使用される記載される単位操作の中の少なくとも1種類を含まないか、あるいは、少なくとも1種類のさらなる単位操作又は両方の組合せを含み、最も好ましくは、少なくとも2種類の天然油ポリオールが、トリエタノールアルコリーリシス化(alcoholyzed)アミンペルオキシ酸ヒドロキシル化(hydroxylate)、少なくとも一部分開環して主な植物油鎖上で第二級ヒドロキシル基を形成するエポキシ化した植物油、ホルミル基が少なくとも一部分ヒドロキシメチル基に変換されているヒドロホルミル化した植物油;エアブローン(air blown)植物油(アルコキシル化されていないか又はさらに処理されたもの)、アルコキシル化されたエアブローン植物油、エステル交換されたエアブローン油;脂肪酸アルコールアルコキシル化(alkoxylates);エステル交換された植物油、アルコキシル化された植物油;アルコキシル化されたポリエステルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステルポリオール、開始脂肪酸ポリエステルアルコール;エポキシ開環オリゴマー、及び天然ポリオールからなる群の異なるメンバーを表す。これらの2種類のポリオールは、独立に、以下の中の少なくとも1種類が異なっていることが好ましい:第二級と比較した、第一級ヒドロキシル基の百分率;ヒドロキシル官能価;分子量;親水性(エチレンオキシドのレベル);又は天然油原料。より好ましくは、(a)少なくとも1種類の異なる天然油ポリオールが、第一級としてのそのヒドロキシル基の少なくとも約50%を有し、一方、少なくとも1種類の異なる天然油ポリオールが、第二級としてのそのヒドロキシル基の少なくとも約51%を有する;(b)ポリオールは、ヒドロキシル官能価が少なくとも約10%異なる;(c)分子量が少なくとも約10%異なる;(d)親水性が、ポリオール分子に組み込まれたエチレンオキシドのレベルで少なくとも約10%異なる;(e)異なる天然油原料が起源である点で異なる、(f)任意の脂肪酸又はエステルのレベルの少なくとも約10重量%の差に反映される脂肪酸分布が相違する点;又はそれらの組合せの点で異なる。最も好ましくは、少なくとも1種類の天然油ポリオールは、少なくとも1種類の開始脂肪酸ポリエステルアルコールである。独立に、最も好ましくは、少なくとも1種類の天然油ポリオールは、その調製の何らかの段階において酸化又はエポキシ化されている少なくとも1種類の天然油ポリオールを含む。好ましい実施形態では、少なくとも1種類の異なる天然油ポリオールは、開始脂肪酸ポリエステルアルコールであり、さらに、少なくとも1種類の異なる天然油ポリオールは酸化又はエポキシ化されている。
【0062】
25℃で測定されるポリオール(b1)の粘度は、有利には約10,000mPa・s未満である。好ましくは、25℃のポリオール(b1)の粘度は、約8,000mPa・s未満である。
【0063】
(b2)任意選択のさらなるポリオール(optional additional polyol)
本発明のポリオール(b2)と呼ばれる適したポリオールには、動物又は植物起源でない、本明細書において前に「従来のポリオール(conventional polyols)」又は「さらなるポリオール(additional polyols)」と定義されたあらゆるポリオール又はその組合せが含まれる。さらに、(b2)は(b3)とは異なっており、従って本明細書下文において(b3)に関して定義される自己触媒型(autocatalytic)ではない。そのような従来のポリオールは当分野で周知であり、本明細書に記載されるポリオール及び任意のその他の市販のポリオール及び/又はSAN、PIPA又はPHD共重合体ポリオールが含まれる。そのようなポリオールは、G.Oertel、Hanser出版社による「Polyurethane Handbook」に記載されている。1又はそれ以上のそのようなポリオール、1又はそれ以上の共重合体ポリオール又はそれらの組合せの混合物を場合によっては用いて、本発明の実践に従うポリウレタン製品が製造される。
【0064】
代表的なポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリヒドロキシ末端アセタール樹脂、ヒドロキシル末端アミン及びポリアミンが挙げられる。これら及びその他の適したイソシアネート反応性材料の例は、米国特許第4,394,491号により詳細に記載されている。場合によっては使用される代替ポリオールとしては、ポリアルキレンカルボネート系ポリオール及びポリリン酸系ポリオールが挙げられる。好ましいものは、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの組合せなどを、2〜8個、好ましくは2〜6個の活性水素原子を有する開始剤に添加することにより調製されるポリオールである。この重合に関する触媒は、触媒、例えばKOH、CsOH、三フッ化ホウ素など、又は二重金属シアン化物錯体(double cyanide complex:DMC)触媒、例えばヘキサシアノコバルト酸亜鉛又は第四ホスファゼニウム化合物などとともに、アニオン性であってもカチオン性であってもよい。
【0065】
適した開始剤分子の例は、水、有機ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、フタル酸及びテレフタル酸など;ならびに多価の、特に2個〜8個の水酸基を含むアルコール又はジアルキレングリコールである。
【0066】
例示的なポリオール開始剤としては、例えば、エタンジオール、1,2−及び1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、ペンタエリトリトール、ソルビトール、スクロース、ネオペンチルグリコール;1,2−プロピレングリコール;トリメチロールプロパングリセロール;1,6−ヘキサンジオール;2,5−ヘキサンジオール;1,4−ブタンジオール;1,4−シクロヘキサンジオール;エチレングリコール;ジエチレングリコール;トリエチレングリコール;9(1)−ヒドロキシメチルオクタデカノール、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン;8,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デセン;dimerolアルコール(Henkel Corporationより入手可能な36炭素ジオール);水素化ビスフェノール;9,9(10,10)−ビスヒドロキシメチルオクタデカノール;1,2,6−ヘキサントリオール;及びそれらの組合せが挙げられる。
【0067】
特に興味深いものは、ポリ(プロピレンオキシド)ホモポリマー、ポリ(エチレンオキシド)含量が例えば約1〜約30重量%であるプロピレンオキシドとエチレンオキシドのランダム共重合体、エチレンオキシドでキャップしたポリ(プロピレンオキシド)ポリマー及びプロピレンオキシドとエチレンオキシドのエチレンオキシドでキャップしたランダム共重合体である。スラブ材フォーム用途には、そのようなポリエーテルは、好ましくは1分子あたり少なくとも約2個及び独立に好ましくは最大で約8個、より好ましくは最大で約6個、最も好ましくは最大で約4個の、大部分(50%より多くの)が第二級の(だが一部は第一級でもある)ヒドロキシル基を含み、かつ、ヒドロキシル基あたりの当量が、好ましくは少なくとも約400、より好ましくは少なくとも約800から、好ましくは最大で約3000まで、より好ましくは最大で約1750である。高レジリエンシースラブ材及び成形フォーム用途(つまり、少なくとも40%のボールリバウンドを有する)には、そのようなポリエーテルは、好ましくは1分子あたり少なくとも約2個、独立に好ましくは最大で約6個、より好ましくは最大で約5個、最も好ましくは最大で約5個の大部分が第一級のヒドロキシル基を含み、かつ、ヒドロキシル基あたりの当量が好ましくは少なくとも約1000、より好ましくは少なくとも約1200から、好ましくは最大で約3000まで、より好ましくは最大で約2000である。ポリオールのブレンドを使用する場合、公称平均官能価(1分子あたりのヒドロキシル基の数)は、上記に指定された範囲内であることが好ましい。
【0068】
粘弾性フォームには、ヒドロキシル価が好ましくは約150を越える、より短い鎖のポリオールは、場合によっては、単独で又は低級ヒドロキシル(b1)と組み合わせて使用される。
【0069】
ポリエーテルポリオールは、場合によっては、低末端不飽和(例えば、約0.02meq/g未満又は約0.01meq/g未満)、例えば、米国特許第3,278,457号、同第3,278,458号、同第3,278,459号、同第3,404,109号、同第3,427,256号、同第3,427,334号、同第3,427,335号、同第5,470,813号及び同第5,627,120号に記載される、いわゆる二重金属シアン化物(DMC)触媒を用いて製造されたものなどを含む。ポリエステルポリオールは、1分子あたり約2個のヒドロキシル基を含む場合が多く、ヒドロキシル基あたりの当量は約400〜1500である。様々な種類のポリマーポリオールが場合によっては同様に使用される。ポリマーポリオールには、ポリマー粒子の分散体、例えばポリオール中のポリ尿素、ポリウレタン−尿素、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル及びポリスチレン−コ−アクリロニトリルポリマー粒子など、一般にポリエーテルポリオールが含まれる。適したポリマーポリオールには、当分野の技術の範囲内のもの全て、例えば米国特許第4,581,418号及び同第4,574,137号に記載されるものが含まれる。
【0070】
全体的にポリオール(b2)は、好ましくは1分子あたり少なくとも約2個、独立に好ましくは最大で約8個、より好ましくは最大で約6個、最も好ましくは最大で約4個の、第一級又は第二級又はそれらの組合せのヒドロキシル基を有し、かつ、ヒドロキシル価が好ましくは少なくとも約15、より好ましくは少なくとも約32、最も好ましくは少なくとも約45から、場合によっては、かつ独立に、好ましくは最大で約200まで、より好ましくは最大で約180、最も好ましくは最大で約170である。25℃で測定されるポリオール(b2)の粘度は、有利には約10,000mPa・s未満、好ましくは約8,000未満である。ポリオール(b2)又はそれらの組合せの使用は、本発明の実践において任意選択であり、従って0重量%の量で存在する可能性があるものの、それは、全ポリオール重量に基づいて少なくとも約5重量%、より好ましくは少なくとも約10重量%、最も好ましくは少なくとも約20重量%から、場合によっては、好ましくは最大で約80重量%まで、より好ましくは最大で約60重量%、最も好ましくは最大で約50重量%の量で存在することが好ましい。
【0071】
(b3)アミン開始又は自己触媒ポリオール
(Amine initiated or autocatalytic polyol)
ポリオール(b3)は、一般にポリウレタンフォームの製造に用いられるアミン触媒、有機金属触媒又はその組合せの一部分又は全てを置換することのできる自己触媒活性を有する少なくとも1種類のポリオールである。自己触媒ポリオールは、第三級アミンを含有する開始剤、ポリオール鎖に第三級アミン基を含有するポリオール又は第三級アミン基でキャップされたポリオール部分から製造される触媒である。その公知の用途において、(b3)は、同じ反応プロファイルを維持しながら、少なくとも約10重量%、より好ましくは少なくとも約20重量%、最も好ましくは少なくとも約30重量%のアミン触媒を置換するために添加される。そのような自己触媒型ポリオールは、場合によっては、同じ反応プロファイルを維持しながら、少なくとも50重量%のアミン触媒を置換するために使用される。あるいは、そのような自己触媒型ポリオールは、場合によっては、型から取り出す時間を向上させるために添加される。
【0072】
そのような自己触媒型ポリオールは十分に当分野の技術の範囲内であり、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、欧州特許第539,819号、米国特許第5,672,636号、及び国際公開第01/58,976号などの参照文献(前記参照文献はアミン開始ポリオールを開示する)、ならびに米国特許第3,428,708号、同第5,482,979号、同第4,934,579号及び同第5,476,969号(ポリオール含有第三級アミノ基を開示する)において開示されている。両方の種類のポリオール及び当分野の技術の範囲内の全ての種類、特に引用される参照文献において開示されているような種類は、ポリウレタン反応のための自己触媒型に含まれる。
【0073】
好ましい一実施形態では、自己触媒型ポリオールの分子量は、約1000〜約12,000であり、アルコキシル化により、好ましくは、次式
A−(CH−N(R)−(CH−AH 式(I)
(式中、n及びpは、独立に、2〜6の整数であり、Aは、各出現において、独立に、酸素、窒素、硫黄又は水素であり、(ただし、同時に1つのAしか水素ではあり得ない)、Rは、C−Cアルキル基であり、かつ、mは、Aが水素である場合に0に等しく、Aが酸素である場合に1に等しく、Aが窒素である場合に2に等しい)、又は
N−(CH−N−(R)−H 式(II)
(式中、mは、2〜12の整数であり、かつ、Rは、C−Cアルキル基である)の少なくとも1種類の開始剤分子のエチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)又はその混合物を用いて調製される。
【0074】
そのような自己触媒型ポリオールの製造に好ましい開始剤としては、3,3'−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン、2,2'−ジアミノ−N−メチルジエチルアミン、2,3−ジアミノ−N−メチル−エチル−プロピルアミンN−メチル−1,2−エタンジアミン及びN−メチル−1,3−プロパンジアミンが挙げられる。その他の開始剤としては、アミンを含有する線状及び環状化合物が挙げられる。例示的なポリアミン開始剤としては、エチレンジアミン、ネオペンチルジアミン、1,6−ジアミノヘキサン;ビスアミノメチルトリシクロデカン;ビスアミノシクロヘキサン;ジエチレントリアミン;ビス−3−アミノプロピルメチルアミン;トリエチレンテトラミン、トルエンジアミンの様々な異性体;ジフェニルメタンジアミン;N−メチル−1,2−エタンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジメチルエタノールアミン、3,3'−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン、N,N−ジメチルジプロピレントリアミン、アミノプロピル−イミダゾールが挙げられる。例示的なアミノアルコールとしては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンが挙げられる。代わりに使用されるその他の有用な開始剤としては、米国特許第4,216,344号、同第4,243,818号及び同第4,348,543号及び英国特許第1,043,507号に記載されるポリオール、ポリアミン又はアミノアルコールが挙げられる。
【0075】
あるいは、又はそれに加えて、ポリオール(b3)は、場合によっては、例えば、アルキル−アジリジンをPO及びEOとの共重合体として用いることにより形成されるような、少なくとも1つの第三級窒素を分子鎖に有する。
【0076】
代わりの、本発明の実践においてポリオール(b3)として有用なポリオールとしては、第三級アミン末端キャッピングを含むポリオールが挙げられ、それらは、ポリオール鎖の少なくとも1つの先端に結合している第三級アミノ基を含む。これらの第三級アミンは、場合によっては、N,N−ジアルキルアミノ、N−アルキル、脂肪族又は環状の、アミン、ポリアミン又はそれらの組合せなどの分子である。
【0077】
全体的に自己触媒型ポリオール(b3)は、好ましくは1分子あたり少なくとも約2個、独立に好ましくは最大で約8個、より好ましくは最大で約6個、最も好ましくは最大で約3個の、第一級又は第二級又はそれらの組合せのヒドロキシル基を有し、かつ、ヒドロキシル価が好ましくは少なくとも約15、より好ましくは少なくとも約20、最も好ましくは少なくとも約30から、場合によっては、かつ独立に好ましくは最大で約200、より好ましくは最大で約180、最も好ましくは最大で約170である。25℃で測定されるポリオール(b3)の粘度は、有利には約10,000mPa・s未満、好ましくは約8,000mPa・s未満である。ポリオール(b3)又はそれらの組合せの使用は、本発明の実践において任意選択であるが、それは好ましくは、全ポリオール重量に基づいて、少なくとも約1重量%、より好ましくは少なくとも約5重量%、最も好ましくは少なくとも約10重量%の量で存在する。場合によっては、好ましくは成形フォームを調製する際には全ポリオール又はポリオール組成物の最大で約50重量%まで、より好ましくはスラブ材フォームの場合には全ポリオール又はポリオール組成物の最大で約20重量%、最も好ましくは最大で約5重量%の量で存在する。
【0078】
1又はそれ以上の架橋剤が、場合によっては軟質フォーム配合物中に上記のポリオールに加えて存在する。これは特に高レジリエンススラブ材又は成形フォームを調製する場合の実際の例である。使用する場合、用いる架橋剤の量は、全ポリオール100重量部あたり、好ましくは少なくとも約0.1重量部、より好ましくは少なくとも約0.25重量部、かつ好ましくは最大で約1重量部、より好ましくは最大で約0.5重量部である。
【0079】
本発明の目的において、「架橋剤」は、1分子あたり3又はそれ以上のイソシアネート反応性基を有し、かつ、好ましくはイソシアネート反応性基あたりの当量が約400未満である材料である。架橋剤は好ましくは1分子あたり少なくとも約3個、好ましくは最大で約8個、より好ましくは約4個のヒドロキシル、第一級アミン又は第二級アミン基を有し、かつ、好ましくは少なくとも約30、より好ましくは少なくとも約50、独立に好ましくは最大で約200、より好ましくは最大で約125の当量を有する。適した架橋剤の例としては、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ−ジ−又はトリ(イソプロパノール)アミン、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
【0080】
1又はそれ以上の鎖延長剤をフォーム配合物中に使用することも可能である。本発明の目的において、鎖延長剤は、1分子あたり2個のイソシアネート反応性基を有し、イソシアネート反応性基あたりの当量が好ましくは約400未満、好ましくは少なくとも約31、より好ましくは最大で約125である材料である。イソシアネート反応性基は、好ましくはヒドロキシル基、第一級脂肪族もしくは芳香族アミン基又は第二級脂肪族もしくは芳香族アミン基である。代表的な鎖延長剤としては、アミン類エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エチレンジアミン、フェニレンジアミン、ビス(3−クロロ−4−アミノフェニル)メタン及び2,4−ジアミノ−3,5−ジエチルトルエンが挙げられる。使用する場合、鎖延長剤は、一般に、高当量ポリオール100重量部あたり、好ましくは少なくとも約1重量部、より好ましくは少なくとも約3重量部、独立に好ましくは最大で約50重量部、より好ましくは最大で約25重量部の量で存在する。
【0081】
そのような架橋剤及び鎖延長剤の使用は、米国特許第4,863,979号及び欧州公開特許第0549120号に開示されているように、当分野で公知である。
【0082】
本発明においてNOBPを利用する際、独立気泡又は軟化したポリウレタンフォームの形成を促進するために、ポリエーテルポリオールを場合によっては配合物に含める(つまり、ポリオール(b2)の一部として含める)。そのような気泡開放剤は、米国特許第4,863,976号に開示されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。そのような気泡開放剤の官能価は一般に少なくとも約2、好ましくは少なくとも約3及び好ましくは最大で約12、より好ましくは最大で約8であり、分子量は少なくとも5,000から約100,000までである。そのようなポリエーテルポリオールは、少なくとも50重量%のオキシエチレン単位、及び、それらをフォーム配合物のその他の成分と相溶性にするために十分なオキシプロピレン単位を含む。気泡開放剤は、使用する場合、好ましくは全ポリオールの少なくとも約0.2重量部、好ましくは最大で約5重量部、より好ましくは最大で約3重量部の量で存在する。市販の気泡開放剤の例は、VORANOLPolyol CP 1421及びVORANOLPolyol 4053(これはソルビトール開始ポリオールであるので、このポリオールの官能価は6である)、VORANOLは、The Dow Chemical Companyの商標である。
【0083】
ポリウレタンフォームを製造するためには、発泡剤が必要である。軟質ポリウレタンフォームの製造では、ほとんどの場合、水が発泡剤として好ましい。水の量は、好ましくは100重量部の全ポリオールに基づいて少なくとも約0.5重量部、より好ましくは少なくとも約2重量部、独立に好ましくは最大で約10重量部、より好ましくは最大で約7重量部である。その他の発泡剤及びその使用は十分に当分野の技術の範囲内である。例えば、カルボン酸又は塩は、場合によっては反応性の発泡剤として使用される。その他の発泡剤としては、液体もしくは気体の二酸化炭素、メチレンクロライド、アセトン、ペンタン、イソペンタン、メチラール又はジメトキシメタン、ジメチルカルボネート、又はそれらの組合せが挙げられる。米国特許第5,194,453号に記載されるように、人工的に低下又は増加させた気圧を使用することも、本発明の実践に考慮される。フォームは、場合によっては、そのような薬剤又は手段のいずれか1つ又は任意の組合せを用いてブローされる。
【0084】
前述の成分に加えて、ポリウレタンポリマーを調製する際に特定のその他の成分を用いることが望ましい場合が多い。これらのさらなる成分は、乳化剤、シリコーン界面活性剤、防腐剤、難燃剤、着色剤、酸化防止剤、補強剤、粉末の形態の再生ポリウレタンフォームを含む充填剤、あるいは、その他の添加剤を含む又は含まないこれらの組合せである。
【0085】
1又はそれ以上の触媒が、ポリオール組成物及び、場合によっては水とポリイソシアネートの反応のために使用される。本発明の実践では、ビスマスを含有する少なくとも1種類の触媒が使用される。触媒ビスマス化合物としては、例えば、ビスマスカルボキシレート、例えばアセテート、オレエート、オクトエート又はネオデカノエートなど、例えば、ビスマスニトラート、ビスマスハライド、例えば臭化物、塩化物又はヨウ化物など、例えば、ビスマススルフィド、例えば、塩基性ビスマスカルボキシレート、例えばビスマスネオデカノエート、次没食子酸ビスマス又はビスマスサブサリチラートなど、及びそれらの組合せが挙げられる。各ビスマス触媒は、有機ビスマス触媒であることが好ましい。そのような有機ビスマス触媒としては、例えば、カルボン酸塩及びスルホン酸塩が挙げられ、有機ビスマス触媒の中でも好ましい。スルホン酸塩の例としては、芳香族スルホネート、例えばp−トルエンスルホネートなど、ならびに脂肪族スルホネート、例えばメタンスルホネート及びトリフルオロメタンスルホネートなどが挙げられる。ビスマス触媒には、より好ましくは、少なくとも1種類のビスマスカルボキシレート、例えば2−エチルヘキサノエート、ステアラート、トリス(2−エチル−ヘキサオクトエート)又はオクトエート、デカノエート、好ましくは、好ましくは少なくとも2個、より好ましくは少なくとも5個、最も好ましくは少なくとも8個の炭素原子を有する、有利には最大で約20個、好ましくは最大で約17個、より好ましくは最大で約15個、最も好ましくは最大で約12個の炭素原子を有するカルボン酸、及びそのようなカルボン酸のカルボン酸塩、好ましくは脂肪酸が含まれる。本発明に最も好ましい触媒は、ビスマスネオデカノエートである。さらにより好ましいものは、酸度の低い(遊離酸が34%未満の)有機金属触媒、特に、法的に認められている程度まで参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,825,238号に記載されるビスマスネオデカノエートである。
【0086】
ポリウレタンを形成するために用いるビスマス触媒又はその組合せのレベルは、触媒される反応における全ポリオールの重量に基づいて、好ましくは少なくとも約0.05PPHP、より好ましくは少なくとも約0.07PPHP、最も好ましくは少なくとも約0.1PPHPであり、かつ、場合によっては、好ましくは最大で約5PPHP、より好ましくは最大で約3PPHP、最も好ましくは最大で約2PPHPである。つまり、ビスマス触媒を用いて、例えばプレポリマーの形成に触媒作用を及ぼす場合、使用する触媒の量を決定する基準としてのポリオールの総重量は、プレポリマーを構成しようとする全てのポリオールの重量である。同様に、問題となっている反応に、例えばヒドロキシ官能性プレポリマー及びイソシアネートと反応するその他のポリオールが含まれる場合、全プレポリマー重量には、ヒドロキシル官能性プレポリマーと、反応に入ってポリウレタンを形成するその他のポリオールの重量が含まれる。ポリウレタン形成、つまり、少なくとも1種類のプレポリマーの形成、最終ポリウレタンの形成又はそれらの組合せ、の任意の段階におけるビスマス触媒の使用は、本発明の実践の範囲内である。1又はそれ以上のプレポリマーが初期段階又は中間段階に関与するかどうか、及び、少なくとも1種類のビスマス触媒が場合によっては起こる任意の初期段階又は中間段階に関与するかどうかに関わらず、少なくとも最終ポリウレタンの形成にビスマス触媒を使用することが好ましい。
【0087】
ビスマス触媒に加えて、ウレタンを形成するために適した任意の触媒が場合によっては使用される。そのような触媒としては、第三級アミン化合物、イソシアネート反応性基を含むアミン及び有機金属化合物が挙げられる。例示的な第三級アミン化合物としては、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチル−4−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、3−メトキシ−N−ジメチルプロピルアミン、N−エチルモルホリン、ジメチルエタノールアミン、N−ココモルホリン、N,N−ジメチル−N’,N’−ジメチルイソプロピルプロピレンジアミン、N,N−ジエチル−3−ジエチルアミノ−プロピルアミン、ジメチルベンジルアミン及びそれらの組合せが挙げられる。例示的な有機金属触媒としては、有機水銀、有機鉛、有機鉄、有機スズ、有機リチウム及びそれらの組合せが挙げられる。様々なさらなる触媒の中で、窒素含有化合物、例えば列挙される窒素含有化合物などが好ましい。好ましくは窒素を含有する、一部のさらなる触媒は、ビスマス触媒がカルボン酸塩以外である場合に特に有用である場合が多い。
【0088】
少なくとも1種類の窒素含有触媒、好ましくはアミン触媒を少なくとも1種類のビスマス触媒とともに使用する場合、窒素含有触媒又はその組合せの量は、触媒される反応中の全ポリオールの重量に基づいて、好ましくは少なくとも約0.05PPHP、より好ましくは少なくとも約0.08PPHP、最も好ましくは少なくとも約0.1PPHP、かつ、場合によっては、好ましくは最大で約5PPHP、より好ましくは最大で約4PPHP、最も好ましくは最大で約2PPHPである。本発明のフォームは、実質的に錫、鉛、又は水銀を含まないことが好ましく、3種類全てを実質的に含まないことがより好ましい。
【0089】
ポリウレタン製品を製造するための加工は、当分野で周知である。一般に、ポリウレタンを形成する反応混合物の成分は、任意の便宜な方法で、例えば、G.Oertel、Hanser出版社による「Polyurethane Handbook」に記載されるような目的のために、先行技術に記載される混合装置及び方法のいずれかを使用することによって混合することができる。
【0090】
一般に、ポリウレタンフォームは、少なくとも1種類の発泡剤、少なくとも1種類の触媒及びその他の記載されるような任意選択の成分の存在下、ポリイソシアネート及びポリオール組成物を、ポリイソシアネートとポリオール組成物が反応してポリウレタン及び/又はポリ尿素ポリマーを形成すると同時に発泡剤が反応混合物を膨張させる気体を発生するような条件下で混合することにより調製される。フォームは、場合によっては、例えば、米国特許第4,390,645号に記載されるいわゆるプレポリマー法により形成され、その方法では化学量論的に過剰のポリイソシアネートをまず高当量ポリオール(1又は複数)と反応させてプレポリマーを形成し、それを第2段階で鎖延長剤及び/又は水と反応させて所望のフォームを形成する。例えば、米国特許第3,755,212号、同第3,849,156号及び同第3,821,130号に記載される起泡法(frothing methods)も適している。米国特許第2,866,744号に記載されるようないわゆるワンショット法が好ましい。そのようなワンショット法では、ポリイソシアネートと全てのポリイソシアネート反応性成分を同時に一緒にして反応させる。本発明に使用に適した方法のうちで、3種類の広く用いられるワンショット法には、従来のスラブ材フォームプロセス、高レジリエンシースラブ材フォームプロセス、粘弾性フォームスラブ材プロセス及び成形フォーム法が含まれる。
【0091】
プレポリマーを、本発明の実践に従ってポリウレタンを形成する際に使用する場合、(b1)、(b2)又は(b3)として定義される任意のポリオールの一部又は全部を、場合によっては、化学量論的に過剰の少なくとも1種類のイソシアネートと反応させてイソシアネート官能価を有するプレポリマーを製造するか、又は化学量論的に不足した少なくとも1種類のイソシアネートと反応させて少なくとも1種類のポリオール末端プレポリマーを製造する。イソシアネート官能性プレポリマーは、好ましくはさらなるポリオールと反応させて本発明のポリウレタンを形成し、一方、ポリオール官能性プレポリマーは、好ましくはさらなるイソシアネートと反応させて本発明のポリウレタンを形成する。ポリオール官能性プレポリマーは、好ましくは、さらなるイソシアネートとの反応のために、プレポリマーの調製で用いたポリオールと同じ又は異なる組成の、残留する未反応ポリオールに混ぜる。プレポリマーを使用する場合、本発明のポリオール組成物は、本発明の実践において使用される全ポリオールの組合せ(b)であると考えられ、それはプレポリマーを調製する際に用いられる全てのポリオールの組合せであり、さらにプレポリマーと反応させ、プレポリマーとともに使用するか、又はイソシアネート(isocyante)又はそれらの組合せとのさらなる反応においてそれらから分離される。どの場合でも、(b1)、(b2)、(b3)又はそれらの組合せを構成する1又はそれ以上のポリオールがプレポリマー中で使用され、(b)の残部は最終ポリウレタンを作製する際に使用される。場合によっては、いくつかの反応段階が使用される。
【0092】
スラブ材フォームは、フォーム成分を混合し、それらをトラフ又はその他の領域に分散させ、そこで反応混合物を反応させ、大気に対して(フィルム又はその他の柔軟な覆いの下の場合もある)自由に増大させて、かつ硬化させることにより便宜に調製される。一般的な商業的規模のスラブ材フォーム製造では、フォーム成分(又はその様々な混合物)を独立に混合ヘッドにポンプ注入し、そこでそれらを混合し、紙又はプラスチックで裏打ちされるコンベア上に分配する。起泡及び硬化がコンベア上で生じてフォームバン(foam bun)を形成する。結果として得られるフォームは、密度が有利に好ましくは少なくとも約10kg/m、より好ましくは少なくとも約15、最も好ましくは少なくとも約17kg/m、かつ、独立に好ましくは最大で約100、より好ましくは最大で約90、最も好ましくは最大で約80kg/mである。
【0093】
好ましいスラブ材フォーム配合物は、大気圧で高当量ポリオール100重量部につき好ましくは少なくとも約1重量部、より好ましくは少なくとも約1.2重量部、かつ、好ましくは最大で約6重量部、より好ましくは最大で約5重量部の水が使用される。減圧ではこれらのレベルは場合によっては、低下する。もう一方で、圧力を増加させるならば、これらの水のレベルは増加させる必要のある場合が多い。
【0094】
高レジリエンススラブ材(HRスラブ材)フォームは、従来のスラブ材フォームを製造するために用いる方法に類似するが、それよりも高い当量のポリオールを使用する方法で製造される。HRスラブ材フォームは、ASTM 3574.93の手順に従って測定して少なくとも40%のボールリバウンドスコアを示すことを特徴とする。水のレベルは、100重量部のポリオールにつき約2〜約6部、特に約3〜約5部である傾向がある。対照的に、粘弾性フォームは多くの場合、より低い当量のポリオールを含み、ASTM 3574.93の手順に従って測定して25%よりも低いボールリバウンド値を有する。水のレベルは、ポリオールの約1〜約3重量部、特に約1.1〜約2.5重量部である傾向がある。
【0095】
成形フォームは、本発明に従って、反応物質(ポリオール組成物、ポリイソシアネート、発泡剤、及び界面活性剤)を密閉金型に移し、そこで発泡反応が起こって成形されたフォームを製造することにより作製される。金型を周囲温度よりもあまり高温に予熱しない、いわゆる「常温成形」プロセスか、又は金型を加熱して硬化を促進する「熱成形」プロセスのどちらか一方を場合によっては使用する。常温成形プロセスは、高レジリエンス成形フォーム、つまり、ボールリバウンド試験を用いて約40%よりも高いレジリエンシーを有するフォームを製造するために好ましい。成形フォームの密度は、多くの場合、30〜50kg/mの範囲である。
【0096】
本発明により製造されるフォームの用途は、当分野で公知であるか、又は当分野の技術の範囲内である。例えば、軟質、半硬質及び粘弾性フォームは、寝具類、家具、靴の中敷、自動車座席、サンバイザー、包装用途、肘掛け、ドアパネル、遮音部品、その他の緩衝及びエネルギー管理用途、ダッシュボード、ならびに、G.Oertelら、Hanser出版社による「Polyurethane Handbook」に記載されるように従来の軟質ポリウレタンフォームが使用されているその他の用途などの用途での使用が見出されている。
【0097】
本発明に従って製造される粘弾性フォームは細かい気泡を有する。これは枕用途に非常に重要である。本発明よりも前に、TDI及び天然油ポリオールを全ポリオールに基づいて約10PPHPよりも多い量で使用する粘弾性フォームにおいて細かい気泡構造はこれまで得られていない。細かい気泡構造は、視覚によって又はコンピュータ化された計測により測定される、1インチあたり少なくとも50、好ましくは少なくとも約55、より好ましくは少なくとも約60の気泡(それぞれ1cmあたり19.7、21.6、又は23.6個の気泡)の、1インチあたりの気泡の数で示される。従って、本発明には、ASTM D3574試験Hに従って測定して最大で25%のレジリエンスを有し、少なくとも約10PPHPの天然油ポリオールを用いて製造され、かつ、1インチあたりの気泡の平均数が少なくとも50(少なくとも約19.7気泡/cm)であるフォームが含まれる。1インチ又は1センチメートルあたりの気泡の数は、拡大鏡又は顕微鏡を用いて視覚的に計数されるか、又はコンピュータ画像処理及びこの目的のためのソフトウェアにより測定することができる。気泡の数は、フォーム表面に黒色のマーカーで所定の長さの線を引き、この線を横断する気泡を計数することにより決定される。
【0098】
本発明の目的及び利点を、以下の実施例によりさらに例証する。これらの実施例に列挙される特定の材料及びその量、ならびにその他の条件及び詳細は、本発明を制限するために用いられるものではない。むしろ、それらは発明全体を例証する。特に明記されない限り全ての百分率、部及び比率は重量による。本発明の実施例は番号が付けられ、一方、本発明の実施例でない比較例はアルファベット順に示される。
【実施例】
【0099】
実施例で使用した原料の説明は以下の通り。
CAT−1は、Degussa−GoldschmidtよりCosmos 29の商標名(trade designation)で市販されている、第一錫オクトエートである。
CAT−2は、Air Products & Chemicals Inc.よりDabco MB 20の商標名で市販されている、ビスマスネオデカノエートである。
CAT−3は、Air Products & Chemicals Inc.よりDabco 33 LVの商標名で市販されている、第三級アミン触媒である。
CAT−4は、Momentive Performance MaterialsよりNiax A−1の商標名で市販されている、第三級アミン触媒である。
CAT−5は、Momentive Performance MaterialsよりNiax A−300の商標名で市販されている、第三級アミン触媒である。
CAT−6は、Aldrichより入手可能な99%純粋なジエタノールアミンである。
SUR−1は、Degussa−GoldschmidtよりTegostab B−8948の商標名で市販されている、シリコーン系界面活性剤である。
SUR−2は、Momentive Performance MaterialsよりNiax L−627の商標名で市販されている、シリコーン系界面活性剤である。
SUR−3は、Degussa−GoldschmidtよりTegostab B 8715LFの商標名で市販されている、シリコーン系界面活性剤である。
PEPO−1は、The Dow Chemical CompanyよりVoranol CP 3322の商標名で市販されている、1,200当量のグリセロール開始ポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレンポリオールである。
PEPO−2は、The Dow Chemical CompanyよりVoranol HT 760の商標名で市販されている、235当量のプロポキシ化トリオールである。
PEPO−3は、The Dow Chemical CompanyよりXQ−82211.00の商標名で市販されている、BO(ブチレンオキシド)系モノオールである。
PEPO−4は、The Dow Chemical CompanyよりSpecflex NC 630Eの商標名で市販されている、15%EOキャッピングを含み、グリセロールとソルビトールのブレンドで開始される、公称官能価が4.2の1,700当量のプロポキシ化ポリオールである。
PEPO−5は、Specflex NC 700の商標名でThe Dow Chemical Companyより入手可能なSAN共重合体ポリオールである。
PEPO−6は、The Dow Chemical CompanyよりVoranol Voractiv 6340の商標名で市販されている、PEPO−4と、15%EOキャッピングを含み、3,3'−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミンで開始される、1,700当量のプロポキシ化テトラオールの60/40ブレンドである。
NCO−1は、The Dow Chemical CompanyよりVORANATE T−80の商標名で市販されている、TDI 80/20(2,4−/2,6−異性体)イソシアネートである。
NOBP Aは、大豆油由来の脂肪酸を使用して調製した、100%の第一級ヒドロキシル含量と89のヒドロキシル価(OH#)を有する、3官能性天然油ポリオールである。これは、ヒドロキシメチル化大豆脂肪酸メチルエステルと、120℃でのグリセロールのエトキシル化により製造された625分子量のポリ(エチレンオキシド)トリオールを209の当量に達するまで反応させることにより製造され、最終レベル0.3%のKOHを使用し、かつ、当分野の技術において公知であり、「Polyurethane Handbook, Chemistry, Raw Materials, Processing, Application, Properties」G.Oertel、Hanser出版社編(1993年、第二版)3.1.1.2節のような参照文献において教示される合成マグネシウムシリケートを4:1のモル比で用いて仕上げ、500ppmの第一錫オクトエートを触媒として使用する。得られるポリエーテル−ポリエステルの粘度は21℃で2,700mPa・sであり、ヒドロキシル当量は640、Mnは2500、Mwは3550、多分散性は1.44である。NOPO−Aは、およそ3.0ヒドロキシル基/分子の平均値を有する。NOPO−1は、およそ70%の天然油を含有する。
NOPO−Bは、Cargill,Inc.よりBiOHの商標名で市販されている、天然油ポリオールである。これは、NOPO−1を製造するために用いるプロセスとは異なるプロセスにより調製され(国際公開第2006/116456号を参照のこと)、100%の第二級ヒドロキシル基を有する。NOPO−Bはおよそ90%の天然油を含有する。
【0100】
全てのフリーライズフォームは、約25℃に調整したポリオール、用いる場合には界面活性剤、架橋剤、触媒及び水をプラスチックカップ中でプレブレンディングすることにより実験室で製造される。イソシアネートも約25℃に調整する。成分を1,200RPMにて30秒間攪拌した後、イソシアネートを添加し、さらに5秒間混合する。機械製のフォームは、Polymechスラブストックマシンを製造指示書に従って使用して製造する。
【0101】
フォーム特性は、特に断りのない限りASTM D 3574−83の試験法に従って測定する。
【0102】
実施例1、2、ならびに比較例A及びB
フリーライズフォームは、すでに説明した実験室方式により製造され、20×20×20cmの段ボール箱を使用し、その中に攪拌した成分をフォーム形成及び完全な膨張のために注入する。得られるパッドは、室温にて一晩放冷し、その後それらを寸法の変化(収縮)又はボイド(バンの側面の分裂)について視覚的に観察する。
【0103】
【表1】

【0104】
ビスマスネオデカノエートを用いてNOBPに基づくフォームを触媒する場合、良好な加工範囲が得られる。一方、第一錫オクトエートは両方の場合においてフォームの収縮をもたらす。フォームBは使用に適さない。
【0105】
実施例3及び4
粘弾性ポリウレタンフォームを、既に記載したように機械で製造する。ポリオール生産量は20kg/mであり、コンベヤー速度は3m/分であり、幅は80cmである。
【0106】
【表2】

【0107】
ビスマスデカノエートで触媒し、NOPB Aに基づく実施例5及び6の粘弾性フォームは、比較例Cに示されるように第一錫オクトエートでは達成できない数字である、1インチあたり70気泡より多くの並はずれて細かい気泡を有し、かつ、それに加えて、許容される通気量値を示す。
【0108】
実施例5、及び6ならびに比較例D及びE
全てのフォームは、実施例1の手順及び表3に示される配合物を用いて実験室で製造する。
【0109】
【表3】

【0110】
実施例5は、NOBP−A及びNOBP−Bの組合せに基づく良好なフォームは、ビスマスネオデカノエート触媒を用いて製造することができるが、それは、比較例Dにフォームの崩壊が観察されたものの、第一錫オクトエート(比較例C)の場合には当てはまらないことを示す。驚くことに、ビスマスネオデカノエートのレベルを0.3及び0.4部(実施例6及び7)に増加させると、フォームにボイドが生じる。当業者ならばフォームの収縮を代わりに予期すると思われるので、これは全く意外である。この所見は、収縮しないフォームを本発明によって製造することができることを実証する。
【0111】
実施例8及び9
2種類のHR成形フォームを、2,000RPMの混合速度を用いて、60℃に加熱し、かつ、Chem−TrendよりKlueber 41−2038の商標名で市販されている離型剤である、潤滑剤をスプレーした30×30×10cmのアルミニウム金型に反応物質を注入することにより製造する。成形品の取り出し時間は5分である。配合物を表4に記載する。
【0112】
【表4】

【0113】
ビスマスネオデカノエート触媒とアミン開始ポリオールPEPO−6(例示的なポリオール(b3))を組み合わせることにより、望ましい物理的特性を有する、十分に硬化したフォームが得られる。
【0114】
本発明のその他の実施形態は、本明細書の検討又は本明細書に開示される本発明の実践から当業者に明らかである。明細書及び実施例は例としてのみ意図されることを目的とするものであり、本発明の真の範囲及び精神は以下の特許請求の範囲より示される。
【0115】
本発明の実施形態には、以下が含まれる。
1.(a)少なくとも1種類のポリイソシアネートを供給する段階と、(b)最大で約300のヒドロキシル価及び約10000mPa・sよりも低い粘度を有する少なくとも1種類の天然油系ポリオール(b1)のポリオールの総重量に基づいて少なくとも約5重量%を含む、少なくとも1種類のポリオール組成物を供給する段階と、(c)ポリイソシアネート及びポリオール組成物を、ウレタン結合が形成されるような反応条件にさらす段階とを含み、前記反応条件には、少なくとも1種類のビスマス触媒が存在することが含まれる、ポリウレタン製品を製造するための方法。
2.好ましくは約100kg/m未満の密度を有する、本発明の実践により製造されるポリウレタンフォーム。
3.少なくとも約10PPHPの天然油ポリオールを用いて製造され、1センチメートルあたりの気泡の平均数が少なくとも約19.7、21.6又は23.6のいずれかである、ASTM D3574試験Hに従って測定して最大で25%のレジリエンスを有するポリウレタンフォーム。
4.天然油ポリオール又はその組合せ(b1)が、ポリウレタンを調製する際に使用される全ポリオールの、少なくとも約5、10、25、35、又は50重量%のいずれかから、最大で約75、80、85、90、95又は100重量%のいずれかまでを含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
5.各天然油ポリオール(b1)が任意の植物油又は動物油に基づき(由来し)、各天然油ポリオールが独立に好ましくはトリグリセリドから構成され、より好ましくは少なくとも約70又は80%のいずれかの不飽和酸を有し、最も好ましくは大豆油、ヒマシ油、カノーラ油又はそれらの組合せに由来する油である、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
6.少なくとも1種類の天然油ポリオール(b1)が、好ましくは、エポキシ化、エアブローイング、その他の酸化、その後に還元が続くヒドロホルミル化又はそれらの組合せの中の少なくとも1つを用いて(場合によってはアルキル化又はグラフト化などのプロセスも使用される)、天然油又はその誘導体の中に導入された、1分子あたり少なくとも1個のヒドロキシル基を有する、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
7.(b1)が、少なくとも2種類の異なる天然油ポリオール(b1)を含み、好ましくは前記ポリオールは、それらが製造されたプロセスが異なっており、好ましくは少なくとも2種類の天然油ポリオールは、改良された物理的もしくは加工特性、より高いレベルの再生可能資源で満足のいく特性、より好ましくは少なくとも約2重量%高いレベルをもたらすために十分に異なっており、又は大量の混合天然油ポリオールを使用する場合、結果として生じるポリマー生成物又はそれらの組合せにおいて、全てが、天然油ポリオールの1種類を天然油ポリオールの組合せの量に等しい量で単独で使用することを除いて本質的に同じ方法によって製造した本質的に同じ最終生成物に匹敵し、独立に好ましくは、この方法は、反応温度、反応時間、反応圧力又はそれらの組合せの中の少なくとも1つが異なり、より好ましくは、反応温度、反応時間、反応圧力、触媒(最も好ましくは少なくとも1種類の単位操作で)、又はそれらの組合せの中の1つより多くが異なる、好ましくは、少なくとも最初のプロセスは、ヒドロホルミル化、エポキシ化、アルコキシル化、エステル化、エステル交換、アルコーリシス、酸化、天然油又はその誘導体を使用する開環の中の少なくとも1種類の単位操作を伴うが、一方、2番目のプロセスは第一ポリオールを調製する際に使用される記載される単位操作の中の少なくとも1種類を含まないか、あるいは、少なくとも1種類のさらなる単位操作又は両方の組合せを含み、最も好ましくは、少なくとも2種類の天然油ポリオールが、トリエタノールアルコリーリシス化アミンペルオキシ酸ヒドロキシル化、少なくとも一部分開環して主な植物油鎖上で第二級ヒドロキシル基を形成するエポキシ化した植物油、ホルミル基が少なくとも一部分ヒドロキシメチル基に変換されているヒドロホルミル化した植物油;エアブローン植物油(アルコキシル化されていないか又はさらに処理されたもの)、アルコキシル化されたエアブローン植物油、エステル交換されたエアブローン油;脂肪酸アルコールアルコキシル化;エステル交換された植物油、アルコキシル化された植物油;アルコキシル化されたポリエステルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステルポリオール、開始脂肪酸ポリエステルアルコール;エポキシ開環オリゴマー、及び天然ポリオールからなる群の異なるメンバーを表す、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
8.(b1)が、以下の
第二級と比較した、第一級ヒドロキシル基の百分率、
ヒドロキシル官能価、
分子量、
親水性(エチレンオキシドのレベル)、又は
天然油原料
の中の少なくとも1つにおいて異なる、少なくとも2種類の異なる天然油ポリオール(b1)を含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
9.(b1)が、(a)少なくとも1種類の異なる天然油ポリオールが、第一級としてのそのヒドロキシル基の少なくとも約50%を有し、一方、少なくとも1種類の異なる天然油ポリオールが、第二級としてのそのヒドロキシル基の少なくとも約51%を有する、(b)ポリオールは、ヒドロキシル官能価が少なくとも約10%異なる、第一級及び第二級ヒドロキシル基の百分率、(c)少なくとも約10%異なる分子量、(d)ポリオール分子に組み込まれたエチレンオキシドのレベルで少なくとも約10%異なる親水性、(e)異なる天然油原料が起源である点、(f)脂肪酸又はエステルのレベルの少なくとも約10重量%の差に反映される脂肪酸分布が相違する点、又はそれらの組合せの点で異なる、少なくとも2種類の異なる天然油ポリオール(b1)を含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
10.(b1)が、少なくとも2種類の異なる天然油ポリオール(b1)を含み、天然油ポリオールの少なくとも1種類が、少なくとも1種類の開始脂肪酸ポリエステルアルコールである、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
11.(b1)が、少なくとも2種類の異なる天然油ポリオール(b1)を含み、少なくとも1種類の天然油ポリオールが、その調製の何らかの段階において酸化又はエポキシ化されている少なくとも1種類の天然油ポリオールを含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
12.少なくとも1種類の天然油ポリオール(b1)が、少なくとも約10重量%又は20重量%から約40重量%又は60重量%までのエチレンオキシドが起源である分子構造を含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
13.少なくとも1種類の天然油ポリオール(b1)又は(b1)を構成する天然油ポリオールのブレンドの平均官能価が、少なくとも約1.5、1.8、又は2から6又は5又は4のいずれかまでである、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
14.少なくとも1種類の天然油ポリオール(b1)又は(b1)を構成する天然油ポリオールのブレンドのヒドロキシル価が最大で約300、200又は100mg KOH/gのいずれかである、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
15.少なくとも1種類の天然油ポリオール(b1)の粘度が25℃で測定して最大で約10,000、8,000、6,000又は5,000mPa・sのいずれかである、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
16.ポリオール組成物が、再生可能な資源(b2)から製造されたものでなく、自己触媒によるものでもない、少なくとも1種類のさらなる(従来の)ポリオールを含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
17.さらなるポリオール又はその組合せ(b2)が、ポリウレタンを調製する際に使用される全ポリオールの少なくとも約0、5、10又は20重量%のいずれかから最大で約80、60又は50重量%のいずれかまでを含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
18.少なくとも1種類のさらなるポリオール(b2)のヒドロキシル官能価が2から最大で約3、4、5、6、又は8のいずれかまでである、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
19.少なくとも1種類のさらなるポリオール(b2)のヒドロキシル価が、好ましくは少なくとも約15、32、又は45のいずれかであり、かつ、場合によっては、最大で約200、180、又は170のいずれかである、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
20.少なくとも1種類のさらなるポリオール(b2)が、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール又はそれらの組合せから選択される、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
21.少なくとも1種類のさらなるポリオール(b2)の粘度が、25℃で測定して最大で約10,000又は8,000mPa・sのいずれかである、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
22.ポリオール組成物が、少なくとも1種類の自己触媒型ポリオール(b3)を含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
23.自己触媒型ポリオール又はその組合せ(b3)が、ポリウレタンを調製する際に使用される全ポリオールの少なくとも約0、1、5、又は10重量%のいずれかから最大で約50、20、又は5重量%までを含み、最大で5%の制限が成形フォームに特有であり、少なくとも10%の制限がスラブ材フォームに特有である、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
24.少なくとも1種類の自己触媒型ポリオール(b3)が、アミン開始ポリオール、第三級アミン基を有するポリオール、アミン開始剤のアルコキシル化生成物、分子鎖中に少なくとも1種類の第三級窒素を有する化合物、第三級アミンエンドキャップを含む化合物又はそれらの組合せから選択される、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
25.少なくとも1種類の自己触媒型ポリオール(b3)のヒドロキシル官能価が、2から最大で約3、4、5、6、又は8のいずれかまでである、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
26.少なくとも1種類の自己触媒型ポリオール(b3)のヒドロキシル価が、好ましくは少なくとも約15、20、又は30のいずれかであり、かつ、場合によっては、最大で約200、180、又は170のいずれかである、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
27.少なくとも1種類の自己触媒型ポリオール(b3)の粘度が、25℃で測定して最大で約10,000又は8,000mPa・sのいずれかである、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
28.少なくとも1種類の架橋剤を、好ましくはポリオールの少なくとも約0.1又は0.25PPHPのいずれか、場合によっては、好ましくは最大で約0.5又は1PPHPのいずれかまでの量で使用する、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
29.少なくとも1種類の鎖延長剤を、好ましくはポリオールの少なくとも約1又は3PPHPのいずれか、場合によっては、好ましくは最大で約30又は50PPHPのいずれかまでの量で使用する、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
30.少なくとも1種類の気泡開放剤を、好ましくは少なくとも約0.2PPHP、場合によっては、好ましくは最大で約3又は5PPHPのいずれかまでの量で使用し、かつ、(b2)ポリオールの一部とみなす、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
31.少なくとも1種類のビスマス触媒が、例えば、ビスマスカルボキシレート、例えばアセテート、オレエート、オクトエート又はネオデカノエートなど、例えば、ビスマスニトラート、ビスマスハライド、例えば臭化物、塩化物又はヨウ化物など、例えば、ビスマススルフィド、塩基性ビスマスカルボキシレート、例えばビスムチルネオデカノエート、次没食子酸ビスマス又はビスマスサブサリチラートなど、及びそれらの組合せ、好ましくは有機ビスマス触媒から選択され、より好ましくは、ビスマスカルボキシレート及びスルホン酸塩から選択され、最も好ましくは少なくとも1種類のビスマスカルボキシレートを含み、そのビスマスカルボキシレートは、好ましくは、好ましくは少なくとも約2、5又は8個のいずれかから最大で約20、17、15又は12個いずれかまでの炭素原子を有するカルボン酸の少なくとも1種類のビスマス化合物、より好ましくは脂肪族ビスマスカルボキシレート、最も好ましくはビスマスデカノエートであり、かつ、独立に、最も好ましくは、酸度の低い有機ビスマス触媒である、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
32.少なくとも1種類のビスマス触媒又はビスマス触媒の組合せが、触媒される反応中の全ポリオールの重量に基づいて少なくとも約0.05、0.07又は1PPHPのいずれか、場合によっては、最大で約5、3又は2PPHPのいずれかの量で存在する、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
33.少なくとも1種類のビスマス触媒が、少なくとも1種類の窒素含有触媒、好ましくは少なくとも1種類のアミン触媒、より好ましくは少なくとも1種類の第三級アミン触媒と組み合わせて用いられる、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
34.少なくとも1種類の窒素含有触媒又はその組合せが使用され、かつ、1又は複数の窒素含有触媒が、触媒されている反応中のポリオールの総重量に基づいて、好ましくは少なくとも約0.05、0.08又は0.1PPHPのいずれかから最大で約2、4又は5PPHPのいずれかまでの量で存在する、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
35.少なくとも1種類のプレポリマーが、少なくとも一部のポリオール組成物(b)及び少なくとも一部のポリイソシアネート(a)から形成される、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
36.少なくとも1種類のプレポリマーがヒドロキシル基を有する、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
37.少なくとも1種類のプレポリマーが、さらなるポリイソシアネートとの反応のために、さらなるポリオール組成物と混合される、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
38.少なくとも1種類のプレポリマーがイソシアネート基を有し、かつ、さらなるポリオール組成物と反応する、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
39.プレポリマーを製造するために用いられるポリオール組成物の一部が、ポリオール(b1)を含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
40.プレポリマーを製造するために用いられるポリオール組成物の一部が、ポリオール(b2)を含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
41.プレポリマーを製造するために用いられるポリオール組成物の一部が、ポリオール(b3)を含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
42.プレポリマーを製造するために用いられるポリオール組成物の一部が、その後の反応に用いられる組成物とは異なる組成物を有する、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
43.プレポリマーを製造するために用いられるポリオール組成物の一部が、その後の反応に用いられる組成物と同じ組成物を有する、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
44.ポリウレタン製品が、少なくとも1種類のフォーム、好ましくは軟質フォーム、より好ましくは100kg/m未満の密度を有するフォームを含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
45.ポリウレタン製品が、少なくとも1種類の成形フォーム、スラブ材フォーム、高レジリエンシーフォーム、又は粘弾性フォームから選択されるものを含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
46.ポリオール組成物(b)が、
(b1)ヒドロキシル価が約300より低い、再生可能資源に基づく5〜100%の少なくとも1種類のポリオール、
(b2)公称平均官能価が2〜8、ヒドロキシル価が15〜200の、自己触媒型でもなく、再生可能資源に基づくものでもない、0〜60%の少なくとも1種類のポリオール、及び
(b3)場合によっては、使用する場合には1〜50重量%のポリオールの量の、公称平均官能価が2〜8、ヒドロキシル価が15〜200の、少なくとも1種類の自己触媒型ポリオールを含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
47.好ましくは水を含む、より好ましくは、全ポリオール組成物重量に基づいて少なくとも約0.5又は2のいずれかから最大で約7又は10PPHPまでの水を含む、発泡剤が使用される、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
48.ポリオール組成物が、少なくとも1種類の添加剤をさらに含む、好ましくは少なくとも1種類の界面活性剤、乳化剤、防腐剤、難燃剤、着色剤、酸化防止剤、補強剤、充填剤、又はそれらの組合せを含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
49.イソシアネートが、トルエン−2,4−及び2,6−ジイソシアネート又はMDI又はTDIとMDIの組合せから選択される、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
50.イソシアネートが、少なくとも約50、69、70、75、80、又は90のいずれか、独立に、場合によっては、約150、140、130、120、115、又は110のいずれかまでの指数で用いられる、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
51.フォームが、スラブ材プロセスで調製され、好ましくは一定量の水を発泡剤として使用し、該量は、より好ましくはポリオール重量に基づいて約1又は1.2PPHPのいずれかから最大で約5又は6PPHPのいずれかまでであり、独立に、該プロセスが、好ましくはポリオール組成物とイソシアネートを混合し、それを口の開いた容器、好ましくはトラフ、又は裏打ちされたコンベヤーに注入又は分配することを含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
52.フォームが、成形フォームプロセスで調製され、好ましくは一定量の水を発泡剤として使用し、該プロセスが、好ましくはポリオール組成物及びイソシアネートを、フォームを形成する密閉雄型又は金型に供給することを含む、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
53.フォームが、少なくとも約40%のボールリバウンドのレジリエンシーを有する高レジリエンスフォームが形成されるように、ポリオール重量に基づいて、約2又は3PPHPのいずれかから最大で約5又は6PPHPのいずれかまでの量の水を用いて調製される、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
54.フォームが、最大で約25%のボールリバウンドのレジリエンシーを有する粘弾性フォームが形成されるように、ポリオール重量に基づいて、約1又は1.1PPHPのいずれかから最大で約2.5又は3PPHPのいずれかまでの水を用いて調製される、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
55.(a)広い処理ウィンドウ(この処理ウィンドウは、触媒が錫オクトエート又はジブチル錫ジラウレートから選択されることを除いて同じ配合物及びプロセスを用いてフォームを作製する際に観察されるウィンドウよりも大きく、あるいは、好ましくは実質的な収縮なく全触媒レベル(又は量)の少なくとも約25%である)、(b)第一錫オクトエートを触媒に使用することを除いて同じ配合物及びプロセスを用いて観察されるよりも速い硬化時間、(c)結果として生じるフォームが細かい気泡(1cmあたり約60気泡未満(約23/cm))を有すること、(d)第一錫オクトエートを用いて作製される同じ配合物のフォームと比較して相対的に臭気が低いこと、あるいは、(e)第一錫オクトエート又はそれらの組合せを用いて作製される同じ配合物のフォームと比較してVOCの放出が少ないことを示すこと、の中の最少で1つ(あるいは選択を増やすために2、3、4、又は5)を示す、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
56.少なくとも1種類の得られるフォームの通気量が、少なくとも約0.6、0.8又は1.0cfm(立方フィート/分)(それぞれ、0.28317、0.37756、0.47195リットル/秒)のいずれかである、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
57.少なくとも1種類の得られるフォームが実質的に収縮しない、先行する実施形態のいずれかの方法又はフォーム。
58.寝具類、家具、靴の中敷、自動車座席、サンバイザー、包装用途、肘掛け、ドアパネル、ダッシュボード、遮音部品、その他の緩衝材及びエネルギー管理用途、又はそれらの組合せの少なくとも1つで使用される先行する実施形態のいずれかのフォーム。
59.先行する実施形態のいずれかの少なくとも1種類のフォームを含む物品。
60.寝具類、家具、靴の中敷、自動車座席、サンバイザー、包装用途、肘掛け、ドアパネル、ダッシュボード、遮音部品、その他の緩衝材及びエネルギー管理用途、又はそれらの組合せの中の少なくとも1つである、実施形態59の物品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1種類のポリイソシアネートを供給する段階と、(b)最大で約300のヒドロキシル価及び約10000mPa・sよりも低い粘度を有する少なくとも1種類の天然油系ポリオール(b1)の少なくとも約5重量%(ポリオールの総重量に基づく)を含む、少なくとも1種類のポリオール組成物を供給する段階と、(c)ポリイソシアネート及びポリオール組成物を、ウレタン結合が形成されるような反応条件にさらす段階とを含み、前記反応条件には、少なくとも1種類のビスマス触媒が存在することが含まれる、ポリウレタン製品を製造するための方法。
【請求項2】
(b1)が、ポリウレタンを調製する際に使用される全ポリオールを少なくとも約10〜最大で約95重量%と、少なくとも1種類のさらなるもしくは従来のポリオール(b2)、少なくとも1種類の自己触媒型ポリオール(b3)又はそれらの組合せを含む残部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(b1)が、少なくとも2種類の異なる天然油ポリオール(b1)を含み、好ましくは、(a)それらが製造される方法、又は次の特徴の中の少なくとも1つ(b):(1)第二級ヒドロキシル基と比較した第一級ヒドロキシル基の百分率、(2)ヒドロキシル官能価、(3)分子量、(4)親水性(エチレンオキシドのレベル)、又は(5)天然油原料の中の少なくとも1つが種類の点で異なっており、少なくとも2種類の天然油ポリオールは改良された物理的もしくは加工特性、より高いレベルの再生可能資源で満足のいく特性をもたらすために十分に異なっており、あるいは、大量の混合(combined)天然油ポリオールを使用する場合、結果として生じるポリマー生成物又はそれらの組合せにおいて、全てが、天然油ポリオールの1種類を天然油ポリオールの組合せの量に等しい量で単独で使用することを除いて本質的に同じ方法によって製造した本質的に同じ最終生成物に匹敵する(as compared with)、請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
(b1)が、少なくとも2種類の異なる天然油ポリオール(b1)を含み、前記天然油ポリオールの少なくとも1種類が、少なくとも1種類の開始脂肪酸ポリエステルアルコールである、請求項1、2又は3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
さらなるポリオール又はその組合せ(b2)が、ポリウレタンを調製する際に使用される全ポリオールの少なくとも約5〜最大で約80重量%を構成し、2〜8の公称ヒドロキシル官能価、15〜200のヒドロキシル価、25℃で測定して最大で約10,000mPa・sの粘度を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
さらなるポリオール(b2)が、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール又はそれらの組合せから選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
自己触媒型ポリオール又はその組合せ(b3)が、ポリウレタンを調製する際に使用される全ポリオールの少なくとも約1〜最大で約50重量%を構成し、2〜8のヒドロキシル官能価、15〜200のヒドロキシル価、及び25℃で測定して最大で約10,000mPa・sの粘度を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1種類のビスマス触媒が、ビスマスカルボキシレート、ビスマスニトラート、ビスマスハライド、ビスマススルフィド、及びそれらの組合せから選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ビスマス触媒が有機ビスマス触媒を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ビスマス触媒がビスマスカルボキシレートである、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ビスマス触媒又はその組合せが、触媒される反応中の全ポリオールの重量に基づいて0.05〜5PPHPの量で存在する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1種類のビスマス触媒が、少なくとも1種類の窒素含有触媒と組み合わせて用いられる、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
第三級アミン触媒が、触媒される反応中のポリオールの総重量に基づいて0.05〜5PPHPの量で用いられる、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1種類のプレポリマーが、少なくとも一部のポリオール組成物(b)及び少なくとも一部のポリイソシアネート(a)から形成される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
密度が約100kg/m未満の軟質ポリウレタンフォームが、
a.少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートと、
b.(b1)5〜100重量%の、ヒドロキシル価が300未満の再生可能資源に基づく少なくとも1種類のポリオール、(b2)0〜60重量%の、2〜8の公称始動官能価及び15〜200のヒドロキシル価を有する(b2)以外の少なくとも1種類のポリオール化合物、及び(b3)場合によっては1〜50重量%の、2〜8の公称始動官能価及び15〜200のヒドロキシル価を有する(b1)以外のアミン開始ポリオールを含むポリオール組成物との混合物を
(c)ビスマス化合物である、イソシアネートとヒドロキシル基の反応のための少なくとも1種類の触媒を含む、少なくとも1種類のポリウレタン触媒の存在下で、
(d)発泡剤として100部のポリオールにつき0.5〜10部の水の存在下で反応させることにより製造される、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の方法により製造されたポリウレタンフォーム。
【請求項17】
約100kg/m未満の密度を有する、請求項16に記載のフォーム。
【請求項18】
少なくとも約10PPHPの天然油ポリオールを用いて製造され、1センチメートルあたりの気泡の平均数が少なくとも約19.7である、ASTM D3574試験Hに従って測定して最大で25%のレジリエンスを有するポリウレタンフォーム。

【公表番号】特表2010−538125(P2010−538125A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523091(P2010−523091)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/074325
【国際公開番号】WO2009/029621
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】