説明

ビチューメン結合材組成物およびこれを調製するための方法

本発明は、撹拌タンク内でビチューメン成分を温度160℃から221℃へ加熱すること、ビチューメン成分を撹拌しながらブロックコポリマー組成物をビチューメン成分に添加することにより、ビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物の均質な混合物を形成すること、ならびにこの均質な混合物を、合計4時間から30時間の時間に渡り、180℃から221℃の温度を維持しながら継続して撹拌することによって、硬化したポリマー改質ビチューメン結合材組成物を形成することにより、架橋剤が実質的に存在しない状態でポリマー改質ビチューメン結合材組成物を調製するための方法を対象とする。本方法で利用されているブロックコポリマー組成物は、少なくとも1つのモノビニル芳香族ブロックならびにビニル含有量が15モルパーセント未満の少なくとも1つのポリブタジエンブロックおよびビニル含有量が25モルパーセントを超える少なくとも1つのポリブタジエンブロックを有する1つまたは複数のブロックコポリマーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その内容が参照により本明細書に組み込まれている、2007年5月1日に出願した米国仮特許出願第60/927,049号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、特に低温での延性が改善され、架橋剤が実質的に存在しない状態でのホットミックスアスファルト舗装の用途に適した、ポリマー改質ビチューメン結合材組成物を調製するための方法に関する。本発明は、特に低温での延性が改善され、ビチューメン成分、ならびに少なくとも1つのモノビニル芳香族ブロックおよび(I)または(II)のいずれかを有する1つまたは複数のブロックコポリマーを含有するブロックコポリマー組成物を含むポリマー改質ビチューメン結合材組成物にさらに関する:(I)ビニル含有量が15モルパーセント未満の少なくとも1つのポリブタジエンブロックおよびビニル含有量が25モルパーセントを超える少なくとも1つのポリブタジエンブロックまたは(II)ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロックに隣接する第1の末端でのビニル含有量15モルパーセント未満から、モノビニル芳香族ブロックから最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化する、少なくとも1つのポリブタジエンブロック。本発明は、ポリマー改質ビチューメン結合材組成物の濃縮物および利用されるブロックコポリマー組成物にさらに関する。
【背景技術】
【0003】
舗装用途のためのポリマー改質アスファルトおよび様々なポリマー改質アスファルト組成物を調製するための方法は、当分野で周知である。ポリブタジエン、EPDM、EPRなどのジエンエラストマーならびにスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)およびスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロックコポリマーなどのスチレンブロックコポリマー(SBC)を含めた様々なポリマーは、一般にビチューメンと組み合わせることによってビチューメンの性能を改善する。例えば、米国特許第5190998号明細書および米国特許第6150439号明細書を参照されたい。
【0004】
スチレンブロックコポリマーを利用することによって、ビチューメンの性能が改善することは、当分野で周知である。特性の改善が実現される度合いは、ブロックコポリマーとビチューメンの相容性によって決まる。長年にわたり、研究者らは、ポリマーとビチューメンの相容性を改善する一連の化学的技法を開発してきた。広範囲に渡る添加剤(硫黄架橋剤および硫黄含有架橋剤)が、ポリマーおよびビチューメンを「硬化」または「架橋」し、これにより混合物に相容性を与える目的で使用されてきた。ポリマーとビチューメンの結合および硬化プロセスを強化および促進するために、硫黄をポリマー改質ビチューメンに添加することは、長い間知られている。例えば、米国特許第4145322号明細書および米国特許第4242246号明細書を参照されたい。硫黄は、それ自体は比較的に安全であるが、硫黄とブロックコポリマーおよびアスファルトの反応により、極度に危険である硫化水素(H2S)が発生する。よって、ビチューメン配合物の硬化を補助する硫黄および硫黄含有架橋剤を排除するとなれば、これはプラスの側面と考えられる。
【0005】
米国第2007/0112102A1号明細書として公開された米国特許出願第11/598511号明細書は、ビニル含有量の高いジブロックコポリマー、および場合によって直鎖状トリブロックコポリマー、マルチアーム結合ブロックコポリマーおよびこれらの混合物から選択される高ビニル含有量のブロックコポリマーを含有するブロックコポリマー組成物を用いて架橋剤が実質的に存在しない状態でポリマー改質ビチューメン結合材組成物を調製するための方法を開示している。このような方法および組成物を用いることによって、保存性が安定し、容易に混合でき、急速に硬化し、しかも同時に硫黄または硫黄含有架橋剤の添加によって引き起こされる環境への影響が最小限に抑えられた生成物が得られる。
【0006】
冬がやや寒い地域から冬が極寒の地域においては、低温での高い延性もまた非常に望ましい性質である。延性が十分でないビチューメン材料を使用すると、やや寒いまたは極寒の天候では、舗装道路表面が悪い状態となり、ひびが生じ、これがアスファルトの不良および悪い程度から危険な程度の表面状態をもたらす傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5190998号明細書
【特許文献2】米国特許第6150439号明細書
【特許文献3】米国特許第4145322号明細書
【特許文献4】米国特許第4242246号明細書
【特許文献5】米国特許出願第11/598511号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2007/0112102号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、高い延性ばかりでなく、米国公開第2007/0112102A1号に記載のビチューメン結合材組成物を利用した場合に達成される特性も実証するようなポリマー改質ビチューメン結合材組成物およびこれを調製する方法を改善することが要求されている。このような方法および生成物は、混合が容易で、保存性が安定し、ポリマーおよびビチューメンの硬化が速く、特に低温での延性が改善されているようなものであれば、理想的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、架橋剤を添加する必要のない、高い延性を有する、道路/舗装の用途のための、ポリマー改質ビチューメン結合材組成物を生成するための方法を提供する。本発明の方法における本発明のブロックコポリマー組成物を利用することによって、硫黄含有架橋剤の使用に伴う環境および安全性に関する懸念を最小限に抑え、しかも同時に、特に低温環境における延性を改善することを実証する製品を提供することが可能である。
【0010】
より具体的には、本発明は、以下のステップ:
(a)撹拌タンク内で、ビチューメン成分を温度160℃から221℃へ加熱するステップ
(b)ビチューメン成分を撹拌しながら、ビチューメン成分にブロックコポリマー組成物を添加することによって、ビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物の均質な混合物を形成するステップ、および
(c)この均質な混合物を、180℃から221℃の温度で、合計2時間から30時間の時間に渡り継続して撹拌し、これによって硬化したポリマー改質ビチューメン結合材組成物を形成するステップ
(ただし、ステップ(c)における温度が199℃を超える場合、この均質な混合物は、ステップ(c)において合計2から15時間に渡り、継続して撹拌するものとする。)
により、架橋剤が実質的に存在しない状態で、改善された延性を有する、ポリマー改質ビチューメン結合材組成物を調製するための方法を提供し、
前記ブロックコポリマー組成物が、少なくとも1つのモノビニル芳香族ブロックおよび(I)または(II)のいずれかを有する1種または複数のブロックコポリマーを含む:(I)ビニル含有量が15モルパーセント未満の少なくとも1つのポリブタジエンブロックおよびビニル含有量が25モルパーセントを超える、少なくとも1つのポリブタジエンブロックまたは(II)ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロックに隣接する第1の末端での15モルパーセント未満のビニル含有量から、モノビニル芳香族ブロックから最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化する、少なくとも1つのポリブタジエンブロック。場合によって、この方法は、ポリマー改質ビチューメン結合材組成物の硬化中また硬化後のいずれかに、この均質な混合物を、より低い濃度へと希釈するステップをさらに含んでもよい。
【0011】
本発明の一実施形態において、本発明のブロックコポリマー組成物は、
(i)式S−B1−B2(式中、Sは、最大分子量が約10,000から約25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、B1は、ビニル含有量が15モルパーセント未満のポリブタジエンブロックであり、B2は、ビニル含有量が25モルパーセントを超えるポリブタジエンブロックであり、B1対B2の比は、1:1以上である。)のブロックコポリマー(最大分子量が、約40,000から約200,000である。)を含み、
(ii)式(S−B1−B2)X(式中、各Sは、最大分子量が約10,000から約25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、各B1は、ビニル含有量が15モルパーセント未満のポリブタジエンブロックであり、各B2は、ビニル含有量が25モルパーセントを超えるポリブタジエンブロックであり、nは、2から6の整数であり、Xは、カップリング剤の残基であり、B1対B2の比は、1:1以上である。)の1つまたは複数のブロックコポリマー(最大分子量がS−B1−B2ブロックコポリマーの最大分子量の1.5から6.0倍である。)を場合によって含み、
S−B1−B2および(S−B1−B2)Xが両方ともブロックコポリマー組成物中に存在する場合、S−B1−B2対(S−B1−B2)Xの比は、1:1を超える。
【0012】
この実施形態のさらなる追加の変法において、ブロックコポリマーは、上記(i)および(ii)の部分で表された式が、それぞれS−B1−B2−B3および(S−B1−B2−B3)nX(式中、各B1およびB2は、本明細書中で以前に定義された通りであり、各B3は、ビニル含有量が15モルパーセント未満のポリブタジエンブロックである。)となるように、B2ブロックに隣接する、場合によるポリブタジエンブロックを含有することになる。この実施形態において、B3ブロックの最大分子量は、約1,000から約25,000の範囲となり、ブロックコポリマー全体の最大分子量は、本明細書中で以前に定義されたものと同じ範囲内になる。
【0013】
本発明の代替の実施形態において、本発明のブロックコポリマー組成物は、
(i)式S−B4(式中、Sは、最大分子量が約10,000から約25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、B4は、ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロック(S)に隣接する第1の末端での15モルパーセント未満から、モノビニル芳香族ブロック(S)から最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化するポリブタジエンブロックである。)のブロックコポリマー(最大分子量が約40,000から約200,000である。)を含み、
(ii)式(S−B4)X(式中、各Sは、最大分子量が約10,000から約25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、各B4は、ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロック(S)に隣接する第1の末端での15モルパーセント未満から、モノビニル芳香族ブロック(S)から最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化するポリブタジエンブロックであり、nは、2から6の整数であり、Xは、カップリング剤の残基である。)の1つまたは複数のブロックコポリマー(最大分子量が、S−B4ブロックコポリマーの最大分子量の1.5から6.0倍である。)を場合によって含み、
S−B4および(S−B4)Xの両方が、ブロックコポリマー組成物中に存在する場合、S−B4対(S−B4)Xの比は、1:1を超える。
【0014】
本実施形態のさらなる追加の変法において、ブロックコポリマーは、上記(i)および(ii)の部分で表された式がそれぞれS−B4−B5および(S−B4−B5)nX(式中、各B4は、本明細書中で以前に定義された通りであり、各B5は、ビニル含有量が15モルパーセント未満のポリブタジエンブロックである。)となるように、場合によるポリブタジエンブロックを含有することになる。本実施形態において、B5ブロックの最大分子量は、約1,000から約25,000の範囲となり、ブロックコポリマーの全体の最大分子量は、本明細書中で前に定義された範囲と同じ範囲となる。
【0015】
上記実施形態のいずれかを用いる場合、本発明のブロックコポリマー組成物は、1つまたは複数の追加のブロックコポリマーをさらに含んでもよい。
【0016】
本発明はまた、
(a)溶融状態に到達するまで、撹拌タンク内でビチューメン成分を加熱するステップ、
(b)ビチューメン成分にブロックコポリマー組成物を添加するステップ、
(c)ビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物を撹拌しながら、ビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物の温度を約160℃から約221℃へ上げ、これによってビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物の均質な混合物を形成するステップ、ならびに
(d)この均質な混合物を、硬化したポリマー改質ビチューメンの結合材組成物が得られるまで、約180℃から約221℃の温度で合計約2時間から約30時間の時間に渡り、継続して撹拌するステップ
(ただし、ステップ(d)における温度が199℃を超える場合、合計2から15時間の時間に渡り、均質な混合物を継続して撹拌するものとする。)を含む代替の方法を提供し、前記ブロックコポリマー組成物は、本明細書中で前に定義されたような実施形態の1つである。場合によっては、この追加の方法は、ポリマー改質ビチューメンの結合材組成物の硬化中または硬化後のいずれかに、この均質な混合物をより低い濃度へと希釈するステップをさらに含んでもよい。
【0017】
本発明は、利用する特定のブロックコポリマー組成物ばかりでなく、ビチューメン成分および本明細書中で前に定義されたようなブロックコポリマー組成物の1つを含む特定の種類のビチューメン結合材組成物およびビチューメンの結合材濃縮物にさらに関する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の方法は、冬が寒い地域から極寒の地域において、道路/舗装の用途に使用されるポリマー改質ビチューメン結合材組成物の調製に特に有用である。なぜなら本発明のビチューメン結合材組成物は、延性が改善され、硫黄含有架橋剤を添加する必要がないからである。架橋剤を使用する必要のない本発明の方法を用いることにより、従来技術のポリマー改質ビチューメン結合材組成物より優れているとまではいかなくとも、特に低温での延性に関してこれと同じ程度に優れた延性特性を示し、しかも架橋剤を排除したことで、より安全で環境により良いポリマー改質ビチューメン結合材組成物を調製することが可能である。本発明のポリマー改質ビチューメン結合材組成物はまた、延性の改善に加え、優れた加工性および硬化時間ならびに相分離における還元も示している。
【0019】
本方法の一実施形態において、撹拌タンク内で、ビチューメン成分を約160℃から約221℃の温度に加熱する。本発明による方法で利用されるビチューメン成分は、自然発生のいかなるビチューメンでも、石油由来のものでもよい。加えて、分解法により得た石油瀝青物質およびコールタールは、ビチューメン成分、さらには様々なビチューメン材料のブレンドとして使用することができる。適切な成分の例として、蒸留または「直留ビチューメン」、沈殿ビチューメン(例えばプロパンビチューメン)、ブローンビチューメン(例えば触媒作用によるブローンビチューメン)、マルチグレード、およびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限らない。他の適切なビチューメン成分は、このような1種または複数のビチューメンと増量剤(溶剤)、例えば芳香族系抽出物などの石油抽出物、留出物または残留物との混合物、またはオイルとの混合物が挙げられるが、これらに限らない。適切なビチューメン成分(「直留ビチューメン」か「溶剤で溶かし合わせたビチューメン」であるかに関わらず)は、25℃で約25から約400単位の範囲の針入度のものであり、したがって針入度が約60から約70単位のかなり硬質なビチューメンを使用することもできるが、一般的に針入度が約110から約250単位の直留または蒸留ビチューメンが、使用するのに最も便利である。相容性があるものでもないものでも、どちらを使用してもよい。
【0020】
本発明の方法が成功するか否かは、発明のポリマー改質ビチューメン結合材組成物を調製するために利用されるタンク(または容器)の種類に依存しない。したがって、ビチューメン組成物の調製に利用される既知のタンクまたは容器のいずれも使用できるが、ただし、このようなタンクまたは容器には、撹拌(かき混ぜ)および加熱の機能が付いていなければならない。本発明の範囲内で使用される場合、「撹拌タンク」という句は、撹拌(かき混ぜ)および加熱の手段を有するようなタンクおよび容器を指す。適切な撹拌またはかき混ぜ手段は、流通している垂直インペラ、サイドアーム型インペラおよびポンプを含むが、これらに限らない。この方法を実施する場合、ビチューメン成分は、通常、撹拌タンクの中に置き、約160℃から約221℃、あるいは約170℃から約210℃、およびさらなる別の代替法においては、約180℃から約200℃の範囲の温度へ徐々に加熱する。ビチューメン成分は、通常、この加熱段階の間に撹拌またはかき混ぜを行う。空気があることで、本発明の方法に悪い影響をおよぼすことはないが(すなわち、混合物の表面が空気と接触することになる開放型容器の使用)、意図的に空気を取り入れることは(空気硬化またはブローンビチューメンの場合のように)、本発明の方法に必要ではなく、実際このような添加によって、ビチューメン成分が硬化する可能性が高いため、空気は取り込まない方がよい。
【0021】
本実施形態において、ビチューメン成分が、所望の温度に到達すれば、ブロックコポリマー組成物(以下に記載)を加えながら、ビチューメン成分を撹拌することによってビチューメン成分およびそのブロックコポリマー組成物の均質な混合物を形成する。
【0022】
ブロックコポリマー組成物をビチューメン成分に加える方法および形態もまた本発明にとって重要ではない。したがって、粉末、多孔性ペレットおよび/またはクラムの形態のブロックコポリマー組成物は、すべて一度に加えてもよいし、または少量もしくはバッチに分割して、短い時間の間に、間隔を空けて添加してもよい(例えば、5から60分間の時間をかけて。ただし、これよりわずかに短いまたは長い時間も想定される。)。ほとんどの場合、このブロックコポリマー組成物は、多孔性ペレットの形態で、すべて一度に添加する。さらにより長い時間に渡りブロックコポリマー組成物を添加することも可能だが、経済的観点からは必ずしも望ましくない。ブロックコポリマー組成物を添加している間、混合物は撹拌し、ビチューメン成分を加熱した温度(約160℃から約221℃)を維持する。
【0023】
多くのビチューメン内でブロックコポリマー組成物は、シンプルな撹拌または上述のような他のかき混ぜ手段を用いて、溶解し、均質なブレンドを形成し得る。ホットミックスアスファルト内でビチューメンは、存在する凝集体上に薄膜を形成する。この薄膜の厚さは、約10ミクロン付近であると一般的に認識されている。ビチューメン添加剤は、凝集体上のビチューメンの膜と同じまたはそれより微細なスケールでビチューメン中に完全に分散した場合、ブレンド内で均質であると一般的に考えられている。その一方で、ビチューメン中にSBSポリマーが分散することによって、ポリマーが豊富な相およびビチューメンが豊富な相を含む相構造を形成することがよく知られている。この相構造のスケールは、約10ミクロン未満付近であると一般的に認識されている。したがって、本発明に関して本明細書で使用されている場合、「均質なブレンド」という句は、ブロックコポリマー組成物が約10ミクロン以下のスケールでビチューメン成分内に分散しているような、ビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物を含む混合物を指す。
【0024】
ある例において、混合物を高剪断粉砕器に通過させることによって、このブレンド方法を促進させることが望ましいこともある。高剪断粉砕器をプロセス全体に利用することもできるが、通常は、ブロックコポリマーがビチューメン成分と均質なブレンドを形成するのに十分な時間にかけて利用される。高剪断の混合/撹拌を利用して均質ブレンドを形成する時間は、典型的には約0時間から約8.0時間、より典型的には約0.5から約4時間、さらにより好ましくは約0.5時間から約2.0時間の範囲である。これより後は、撹拌は通常、低剪断ブレンドを利用して遂行される。好ましくは、初期の撹拌は、高剪断で遂行し、それより後の撹拌(ステップ(c))は低剪断で実施する。これらの方法は、両方とも当分野では周知であり、本発明の範囲内であると考えられる。ブロックコポリマー組成物およびビチューメンを混合してしまえば(均質なブレンドが形成されると)、約2から約30時間の時間に渡り、約180℃から約221℃の温度で撹拌を継続することによって、使用前の混合物の完全な硬化が可能となる。温度は、約180℃から約210℃、より好ましくは約185℃から約199℃、さらにより好ましくは約185℃から約195℃が好ましい。本方法の代替の実施形態において、このステップでの撹拌は、4から26時間、好ましくは5から24時間、より好ましくは5から15時間、最も好ましくは6から10時間の時間に渡り行う。ブロックコポリマー組成物を、199℃を超える温度で撹拌する場合、撹拌の持続時間を削減すべきであることに注意されたい。これは199℃より高い温度で15時間を超えて加熱する場合、この温度でポリマーが劣化する恐れがあるという理由からである。したがって、温度が199℃を超える場合、ステップ(c)の撹拌は、合計2から15時間の時間に渡り継続することになる。
【0025】
本発明の工程内で添加するブロックコポリマー組成物の含量は、濃縮物を得ることが望まれているかどうか(この濃縮物は、さらなる使用に先立ち、いずれは希釈される(「薄める」)ことになる。)、または添加量がその時使用される最終希釈物(最終生成物)となるかどうかにより異なり得る。これに応じて、添加される量は、ビチューメン成分に添加されるブロックコポリマー組成物の量が、ポリマー改質ビチューメン結合材組成物の重量に対して、最低約2重量%から最高約36重量%となるような量となる。本出願の範囲内で使用される場合、「薄める」という用語は、ビチューメン業界の当業者に知られている通り、ビチューメン結合材組成物の濃縮物を、使用する最終濃度まで希釈することまたは希釈していることを指すために使用される業界用語である。例えば、本発明の方法を利用することによって、約6重量%から約36重量%、好ましくは約9から30%、より好ましくは約12重量%から約22重量%のブロックコポリマー組成物(ポリマー改質ビチューメン結合剤組成物の総重量に対して)を含有することになるビチューメン結合材の濃縮物を生成することができる。このビチューメン結合材の濃縮物は、ある時点でより多くのビチューメンで希釈し、最終用途に対する所望の最終濃度を達成することになる(ポリマー改質ビチューメン結合材組成物の総重量に対して、通常約2重量%から約6重量%)。ポリマー改質ビチューメン結合材濃縮物を、用途に対して所望する濃度に希釈する方法は、ブレンディング装置を利用する費用効率の高い方法として当分野でよく知られている。本発明のビチューメンの結合材濃縮物は、硬化プロセス中またはその直後に最終濃度まで希釈(「薄める」)してもよいし、代替法においては、これを異なる場所に保存および/または出荷してもよく、そこで後に最終濃度まで希釈する(「薄める」)。したがって、本発明の方法は、ポリマー改質ビチューメン結合材組成物の生成におけるさらなるステップを場合によって含有し得る。このような一実施形態により、6から36重量%のブロックコポリマー組成物を含む濃縮物を調製し、これに続いて所望の最終濃度(好ましくは、約2重量%から約6重量%の最終濃度)を達成するためにより多くのビチューメンで濃縮物を希釈することが可能となる。この希釈は、硬化(ステップ(c))中またはステップ(c)の後の硬化の後のいずれかの時点で行うことができる。ただしこの場合、硬化を達成するのに必要な時間の間、この温度を維持するものとする。硬化中または硬化後、組成物は、異なる場所へ出荷してもよいが、十分な温度および撹拌を維持するものとする。硬化中に希釈する場合、組成物は、濃縮ブレンドが均質になれば(ステップ(c)開始時)または組成物が硬化した時(ステップ(c)の間)、希釈してもよい。この実施形態は、より高いスループットが達成し得るように高価な粉砕器が使用される場合に有利である。あるいは、濃縮組成物は、硬化方法が完了した後で薄めることもできる。本実施形態は、希釈するビチューメンをかなり低い温度で導入することにより、長期保存により適した温度で最終のブレンドを生成することができるので、長期保存に有利である。
【0026】
その時点でアスファルト組成物が使用される実施形態、またはより多くの希釈用濃縮物が所望される実施形態において、ブロックコポリマー組成物は、ポリマー改質ビチューメン結合材組成物の総重量に対して、好ましくは約2重量%から約6重量%、最も好ましくは約2.5重量%から約5重量%の量で存在する。
【0027】
本発明は、上記方法に対する代替の方法をさらに提供するが、この代替法は、ビチューメンをまず溶融状態まで加熱し、ブロックコポリマー組成物を添加し、次いで温度を約180℃から約221℃へ、硬化レベルまで上げるという点で上記方法と異なる。したがって、この代替法は、工程段階自体のみの変更を含み、利用する材料の種類(例えば、ビチューメンおよびブロックコポリマー組成物)またはステップを遂行する手段(例えば利用する機器の種類)に変更はない。より具体的には、本代替法においてビチューメン成分は、本明細書で以前に記載された通り、ビチューメン成分が溶融状態になるまで撹拌タンク内で加熱する。本明細書で使用されている場合、「溶融した状態」という句は、ビチューメン成分が液体になる時点を指す。当業者は、ほとんどのビチューメンは、約87℃から約121℃、より具体的には約93℃から約105℃の温度範囲内で「溶融状態」に到達することを認識している。この段階の間、ビチューメン成分は、場合によって撹拌される。ビチューメン成分が溶融状態に到達すれば、ブロックコポリマー組成物は、本明細書で以前に記載された通りの方法で添加することができる。ポリマーは、この温度で添加できるが、ブロックコポリマーが添加される場合は、ビチューメンは通常少なくとも160℃の温度に加熱することが好ましいことに注意されたい。この時点で、混合物がまだ撹拌されていない場合、撹拌は必要ではないが、激しい撹拌を開始することもできる。ブロックコポリマー組成物を添加した後、これら2つの成分の均質な混合物を形成するために、ビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物を激しく撹拌しながら、約180℃から約221℃に、もう一つの方法として約180℃から約210℃に、さらにもう一つの方法として約185℃から約199℃に、さらなる別の代替法として約185℃から約195℃に(本明細書で以前に記載された通りに)、温度を上昇させる。この混合物は、示した温度で、本明細書で以前に記載された通り、合計約2時間から約30時間の間、硬化したポリマー改質ビチューメン結合材組成物が得られるまで、継続して撹拌する。代替法において、均質な混合物は、本明細書で以前記載された通り、ポリマー改質ビチューメン結合材組成物の硬化中または硬化後のいずれかに、さらに薄めることになる。上述のように、混合物を撹拌する温度が199℃を超える場合、生じ得るポリマーのいかなる劣化をも最小化に抑えるために、合計2から15時間の時間に渡り混合物を撹拌するのが好ましい。199℃未満の温度に対しては、撹拌時間を30時間まで延長してもよい。
【0028】
低ビニルブロック、これに続いて高ビニルブロックを有し、さらにS−B1−B2ブロックコポリマー含有量の高い(>50%)ブロックコポリマーを有する組成物を用いることによって、またはもう一つの方法として、低ビニルから高ビニルへと徐々に変化するブロックを有し、さらにS−B4ブロックコポリマー含有量の高い(>50%)ブロックコポリマーを有する組成物を用いることによって、ポリマー改質ビチューメンの調製において、架橋剤の添加を必要とせずに、特に低温で改善された延性を示す生成物を得ることが可能である。したがって、本発明を用いて、架橋剤が実質的に存在しない状態で、延性が高いポリマー改質ビチューメン結合材組成物またはビチューメン結合材濃縮物を生成することが可能である。さらに、本明細書で使用されている場合、「架橋剤が実質的に存在しない状態」という句は、調製工程中に架橋剤または硬化剤を添加する必要がないことを意味する、さらに、ビチューメン結合材組成物およびそのビチューメン結合材濃縮物に関し、「架橋剤を実質的に含まない」という句は、生成物中に架橋剤の相当量は存在しないという意味である。しかし、わずかな量の架橋剤または硬化剤を盛んに添加したため、または粉砕ゴムの添加に伴うものおよび/またはビチューメン内で自然に生じるものなど別のソースからの残留量があるために、そのような架橋剤または硬化剤が微量で存在することもある。このような量であれば、ごくわずかな量であると考えられるが、ただし、これによりビチューメン結合材組成物の最終特性が有意に変質してはならず、通常はポリマー改質ビチューメン結合材組成物またはビチューメンの結合材濃縮物の総重量の約0.01%未満である。特に低温での延性が改善されるのに加え、生成したブレンドはまた、保存安定性(分離しない)および従来からの優れた特性を実証している。
【0029】
上記に示された本発明の方法において使用することによって、示された所望の結果を達成することができるブロックコポリマー組成物の実施形態が2つある。これらのうちの第1の実施形態は、段落[0028]から[0039]に特により詳細に記述されており、これらのうちの第2の実施形態は、段落[0040]から[0047]に特により詳細に記述されている。これら2つの実施形態は両方とも、少なくとも1つのモノビニル芳香族ブロックおよびポリブタジエン構造(1つの個別のブロックまたは2つの異なるブロックの形態のいずれかであり得る)を有する1つまたは複数のブロックコポリマーを含むという点で類似しており、この中でポリブタジエン構造は、ビニル含有量が、ポリブタジエン構造の1つの末端(モノビニル芳香族ブロックに隣接する末端)で15モルパーセント未満となり、ポリブタジエン構造のもう一方の末端(モノビニル芳香族ブロックから最も遠い末端)で25モルパーセントを超えるようなビニル含有量を有する。換言すれば、ポリブタジエン構造(1ブロックまたは2ブロック構造に関わらず)のビニル含有量は、低いビニル含有量(<15モルパーセント)からより高いビニル含有量(>25モルパーセント)へと徐々に変化すると考えられる。これは、低いビニル含有量およびより高いビニル含有量の、分散したポリブタジエンブロックの合成すること、または1つのブロック内でビニル含有量を低から高へ継続して徐々に変化させることのいずれかによって成し遂げることができる。このような2つの手順を組み合わせることにより、基本的に同じ最終結果が得られることを認識されたい。
【0030】
これらのうちの第1の実施形態は、少なくとも1つのモノビニル芳香族ブロック、ビニル含有量が15モルパーセント未満の少なくとも1つのポリブタジエンブロックおよびビニル含有量が25モルパーセントを超える少なくとも1つのポリブタジエンブロックを有する1つまたは複数のブロックコポリマーを含む。より具体的には、本発明において利用されるこの実施形態のブロックコポリマー組成物は、
(i)式S−B1−B2(式中、Sは、最大分子量が約10,000から約25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、B1は、ビニル含有量が15モルパーセント未満であるポリブタジエンブロックであり、B2は、ビニル含有量が25モルパーセントを超えるポリブタジエンブロックであり、B1対B2の比は、1:1以上である。)のブロックコポリマー(最大分子量が約40,000から約200,000である。)を含み、
(ii)(S−B1−B2)nX(式中、各Sは、最大分子量が約10,000から約25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、各B1は、ビニル含有量が15モルパーセント未満であるポリブタジエンブロックであり、各B2はビニル含有量が25モルパーセントを超えるポリブタジエンブロックであり、nは2から6の整数でありおよびXはカップリング剤の残基であり、B1対B2の比は1:1以上である。)から選択される1つまたは複数のブロックコポリマー(最大分子量がS−B1−B2ブロックコポリマーの最大分子量の1.5から6.0倍である。)を場合によって含み、
S−B1−B2および(S−B1−B2)Xの両方がブロックコポリマー組成物中に存在する場合、S−B1−B2対(S−B1−B2)Xの比は、1:1を超える。
【0031】
S−B1−B2または(S−B1−B2)X中のモノビニル芳香族炭化水素ブロックは、ブロックコポリマーの調製に使用されることが知られている任意のモノビニル芳香族炭化水素、例えばスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタリン、ビニルトルエンおよびビニルキシレンまたはこれらの混合物であってよいが、本発明の方法に使用されるポリマーの中で、使用するのに最も好ましいモノビニル芳香族炭化水素は、スチレンであり、このスチレンは、実質的に純粋なモノマーとして、または混合物中の主要成分として、低い割合、すなわち、多くて10重量%の割合の他の構造的に関連したビニル芳香族モノマー(複数可)、例えばo−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタリン、ビニルトルエンおよびビニルキシレンなどと共に使用される。実質的に純粋なスチレンの使用は、本方法に最も好ましい。
【0032】
上述の式のポリブタジエンブロックは、実質的に純粋なモノマーまたは構造的に関連した共役ジエンを10重量%までの低い割合で含有するポリブタジエンモノマーである。ポリブタジエンは純粋なものが好ましい。
【0033】
本発明のブロックコポリマーに関して本明細書で使用されている場合、「分子量」という用語は、ポリマーまたはコポリマーのブロックのg/molでの真の分子量を指す。本明細書および特許の範囲において言及されている分子量は、ASTM3536に従い行われるようなポリスチレン較正基準を用いて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定することができる。GPCはよく知られた方法で、この方法において、ポリマーは、分子サイズに従い分離され、最も大きい分子が最初に溶出される。クロマトグラフは、市販のポリスチレン分子量基準を用いて較正される。GPCを用いて測定され、このように較正されたポリマーの分子量が、スチレン当量分子量である。スチレン当量分子量は、ポリマーのスチレン含有量およびジエンブロックのビニル含有量がわかれば、真の分子量に変換し得る。使用する検出器は、紫外線検出器と屈折率検出器の組合せが好ましい。本明細書中で表現されている分子量は、GPCトレースのピークで測定し、真の分子量に変換するが、これが一般に「最大分子量」と呼ばれているものである。
【0034】
各モノビニル芳香族炭化水素ブロックの最大分子量は、約10,000から約25,000、好ましくは約12,000から約20,000である。代替の実施形態において最大分子量は、約14,000から約18,000である。
【0035】
本発明の方法において利用されている式S−B1−B2の各ブロックコポリマーは、約40,000から約200,000、好ましくは約65,000から約160,000、さらにより好ましくは約75,000から約150,000、さらにより好ましくは約75,000から130,000未満の最大分子量を有することになる。式(S−B1−B2)nXの結合ブロックコポリマーの最大分子量は、利用する式S−B1−B2のブロックコポリマーの最大分子量によって決まる。より具体的には、(S−B1−B2)nXのブロックコポリマーの最大分子量は、S−B1−B2ブロックコポリマーの最大分子量の約1.5から約6.0倍の範囲となる。(S−B1−B2)nXブロックコポリマーの最大分子量は、S−B1−B2ブロックコポリマーの最大分子量の約1.8から約5.0倍の範囲となることが好ましい。
【0036】
モノビニル芳香族ブロックの最大分子量(10,000から25,000)およびブロックコポリマーの全体の最大分子量を考慮に入れると、2つのブタジエンブロック(B1およびB2)を合わせた分子量は、約25,000から約190,000の範囲となる。2つのブタジエンブロック(B1およびB2)に関しては、互いの重量比が1:1以上となる比で存在することになる。換言すれば、B1は、B1−B2セグメントの総量の50%以上の量(重量パーセント)で存在し、B2は、B1−B2セグメントの総量の50%以下の量(重量パーセント)で存在することになる。
【0037】
「ビニル含有量」という用語は、1,3−ブタジエンが1,2−付加方式を介して重合される場合、作製されたポリマー生成物を記載するために使用されていることを認識されたい。この結果、ポリマー骨格につり下げられた一置換のオレフィン基、すなわちビニル基が生じる。上述のように、ポリブタジエンは、ビニル含有量の異なるブロックまたはセグメントで存在する。ビニル含有量の異なるこのような「セグメント」の組合せは、ポリマー改質ビチューメンに対して望ましい他の特性を依然として示す一方、最終生成物の延性を改善すると考えられている。第1のまたはB1ポリブタジエンブロックについて言及する場合、1,2−付加構成を有するポリマーブロック内に、約15モルパーセント未満の縮合ポリブタジエン単位があることが好ましい。一実施形態において、B1ブロックのビニル含有量は、縮合ポリブタジエン単位の約5モルパーセントから約15モルパーセントが、1,2−添加構成を有するようにすべきである。既知のアニオン重合であるブタジエン方法を考慮に入れると、通常ポリブタジエン単位の約7から約15モルパーセントが、1,2−付加構成を有することになる。第2のまたはB2ポリブタジエンブロックについて言及する場合、1,2−付加構成を有するポリマーブロック内に、25モルパーセントを超える縮合ポリブタジエン単位があることが好ましい。B2ブロック内のビニル含有量は、1,2−添加構成を有する縮合ポリブタジエン単位の約25モルパーセントから約80モルパーセント、より好ましくは1,2−添加構成を有する縮合ポリブタジエン単位の約40モルパーセントから約75モルパーセント、さらにより好ましくは1,2−添加構成を有するポリブタジエン単位の約50から約65モルパーセントであることが好ましい。
【0038】
コポリマーのモノビニル芳香族炭化水素含有量(この場合、それぞれ個々のコポリマーに関し)は、ブロックコポリマー総量に対して約10から約40重量%が適切である。コポリマーのモノビニル芳香族炭化水素の含有量は、コポリマー総重量に対して、好ましくは約18から約35重量%、より好ましくは約19から約32%重量である。
【0039】
本発明の好ましい一実施形態において、ブロックコポリマー組成物は、式S−B1−B2のブロックコポリマーだけを含む。S−B1−B2ブロックコポリマーにおいて、Sは、モノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、B1は、ビニル含有量が15モルパーセント未満のポリブタジエンブロックであり、B2は、ビニル含有量が25モルパーセントを超えるポリブタジエンブロックである。
【0040】
好ましい代替の実施形態において、S−B1−B2は、式(S−B1−B2)nX(式中、各Sは、モノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、各B1は、ビニル含有量が15モルパーセント未満のポリブタジエンブロックであり、各B2は、ビニル含有量が25を超えるポリブタジエンブロックであり、nは2から6の整数であり、Xは、カップリング剤の残基である。)の結合ブロックコポリマーと組み合わせて使用してもよい。式(S−B1−B2)nXのマルチアーム結合ブロックコポリマーが利用される場合、上述のように、nは、2から6の範囲の整数となる。nは、好ましくは2から4の整数であり、2が最も好ましい。ブロックコポリマーの水素付加は、当分野で周知であるが、本発明のブロックコポリマーは、実質的に水素付加されていない形態である。ブロックコポリマー組成物がこのような混合物を含む場合、S−B1−B2ブロックコポリマー対(S−B1−B2)nXブロックコポリマーの比は、約1:1を超え、約3:2以上が好ましい。特に好ましい実施形態において、この比は、約3:2から約10:1であり、最も好ましい比は、約4:1から約7:3である。換言すれば、本発明の最も広範な意味において、ブロックコポリマー組成物がS−B1−B2と(S−B1−B2)Xの混合物を含む場合、結合したポリマーは、常にS−B1−B2ブロックコポリマーの量よりも少ない量で存在することになる(例えば、結合したブロックコポリマーは、多くとも49.9重量%の量で、好ましくは多くとも40重量%の量で組成物中に存在することになる。)
上述のように、本実施形態のブロックコポリマーは、ビニル含有量が、15モルパーセント未満の追加のポリブタジエンブロック(B3)をさらに含んでもよい。B3ブロックにおけるビニル含有量は、存在する場合、好ましくは縮合ポリブタジエン単位の約5モルパーセントから約15モルパーセントが、1,2−付加構成を有するように、好ましくは約7から約15モルパーセントのポリブタジエン単位が、1,2−付加構成を有するような量となる。この追加のポリブタジエンブロックが存在する場合、ブロックコポリマーに対する式は、それぞれ修正された式S−B1−B2−B3および(S−B1−B2−B3)nXで表すことができる。これら各式において、各B1およびB2は、本明細書中で以前に定義された通りである。本実施形態において、B3ブロックの最大分子量は、約1,000から約25,000の範囲であり、ブロックコポリマー全体の最大分子量は、上記に定義されたものと同じ範囲内となる。より具体的には、モノビニル芳香ブロックは、10,000から25,000に留まることになり、3つのポリブタジエンブロック全体の最大分子量は、約25,000から約190,000であり、B1対B2の重量比は、依然として上記に定義された通りである。
【0041】
これらのうちの第2の実施形態は、少なくとも1つのモノビニル芳香族ブロックを有する1つまたは複数のブロックコポリマー、およびビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロックに隣接するポリブタジエンブロックの第1の末端での15モルパーセント未満のビニル含有量から、モノビニル芳香族ブロックから一番遠くにあるポリブタジエンブロックの第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化する、少なくとも1つのポリブタジエンブロックを含む。より具体的には、本発明において利用される本実施形態のブロックコポリマー組成物は、
(i)式S−B4(式中、Sは、最大分子量が約10,000から約25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、B4は、ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロック(S)に隣接する第1の末端における15モルパーセント未満のビニル含有量から、モノビニル芳香族ブロック(S)から最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化するポリブタジエンブロックである。)のブロックコポリマー(最大分子量が約40,000から約200,000である。)を含み、
(ii)式(S−B4)nX(式中、各Sは、最大分子量が約10,000から約25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、各B4は、ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロック(S)に隣接する第1の末端での15モルパーセント未満から、モノビニル芳香族ブロック(S)から最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化するポリブタジエンブロックであり、nは、2から6の整数であり、Xは、カップリング剤の残基である。)の1つまたは複数のブロックコポリマー(最大分子量が、S−B4ブロックコポリマーの最大分子量の1.5から6.0倍である。)を場合によって含むことになり、
S−B4および(S−B4)nXが両方ともブロックコポリマー組成物中に存在する場合、S−B4対(S−B4)nXの比は、1:1を超える。
【0042】
本実施形態のブロックコポリマーはまた、ビニル含有量が15モルパーセント未満である追加のポリブタジエンブロック(B5)をさらに含んでもよい。この追加のポリブタジエンブロックが存在する場合、ブロックコポリマーに対する式は、それぞれ修正された式、S−B4−B5および(S−B4−B5)nXで表すことができる。このような各式において、各B4は、本明細書中で以前に定義された通りである。この特定の実施形態において、B5ブロックの最大分子量は、約1,000から約25,000の範囲となり、ブロックコポリマー全体の最大分子量は、上記で定義されたものと同じ範囲内となる。
【0043】
上記に示した式S−B4または(S−B4)nXのモノビニル芳香族炭化水素ブロック(S)は、その最大分子量を含め、上記に定義された通りである。上記に示した式のB4ブロックのポリブタジエンは、実質的に純粋なモノマーであり、または10重量%までの低い割合で、構造的に関連した共役ジエンを含有するポリブタジエンモノマーである。このポリブタジエンは、純粋なものが好ましい。
【0044】
本発明の方法において利用される式S−B4の各ブロックコポリマーは、約40,000から約200,000、好ましくは約65,000から約160,000、さらにより好ましくは約75,000から約150,000の最大分子量を有することになる。式(S−B4)nXの結合ブロックコポリマーの最大分子量は、利用する式S−B4のブロックコポリマーの最大分子量によって決まる。より具体的には、(S−B4)nXブロックコポリマーの最大分子量は、S−B4ブロックコポリマーの最大分子量の約1.5から約6.0倍の範囲となる。(S−B4)nXブロックコポリマーの最大分子量はS−B4ブロックコポリマーの最大分子量の約1.8から約5.0倍の範囲となることが好ましい。
【0045】
B4ポリブタジエンブロックについて言及する場合、ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロック(S)に隣接するブロックの第1の末端での15モルパーセント未満のビニル含有量(1,2−付加構成)から、モノビニル芳香族ブロック(S)から最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量の範囲となるように、ポリブタジエンブロックを介してビニル含有量が、徐々に変化または増加することが好ましい。本明細書で使用されている場合、「徐々に変化する」という用語は、ブロックの1方の末端(モノビニル芳香族ブロックに隣接する末端)が、より高い1,2−付加度(>25モルパーセント)を有するポリブタジエンブロックの反対側の末端と比較して、より低い1,2−付加度(<15モルパーセント)を有するように、ポリブタジエンブロックB4内で1,2−付加が分布していることを指す。このポリマーが調製されることにより、ポリブタジエンブロックは、ブロックの拡張と共に1,2−付加が次第に増加すると一般的に考えられている。しかし、注目すべきは、全体の1,2−付加は、徐々に増加すると言われているが、ブロックは、低ビニルのビニル基の「団体」である小さなセグメントを含み、これに続く高ビニルのビニル基の「団体」である小さなセグメントを含み得ることである。これにもかかわらず、全体の効果として、ブロックの拡張と共にビニル含有量は増加する。換言すれば、ビニル含有量は、15モルパーセント未満の量から始まり、25モルパーセントを超える量まで、ブロック全体を通し平均して次第に増加することになる。より具体的には、ブロックの第1の末端でのビニル含有量は、1,2−付加構成を有するポリブタジエン単位の約7から約15モルパーセントの範囲であり、少なくとも最後にはブロックの10%から49%、好ましくはブロックの25%から49%が、以下のビニル含有量を有するようにブロック全体を通し平均して増加する:25モルパーセント超の縮合ポリブタジエン単位が1,2−付加構成を有し、好ましくは、このセグメント内の、約25モルパーセントから約80モルパーセント、より好ましくは約40モルパーセントから約75モル、さらにより好ましくは約50から約65モルパーセントのポリブタジエン単位が1,2−付加構成を有する。
【0046】
このようなブロックコポリマーにおいて、コポリマーのモノビニル芳香族炭化水素含有量(この場合、それぞれ個々のコポリマーに関して)は、ブロックコポリマー全体に対して、約10から約40重量%が適切である。好ましくは、コポリマーのモノビニル芳香族炭化水素の含有量は、コポリマー総重量に対して、約18から約35重量%、より好ましくは約19から約32重量%となる。
【0047】
本発明の好ましい一実施形態において、ブロックコポリマー組成物は、式S−B4(式中、Sは、モノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、B4は、ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロック(S)に隣接する第1の末端での15モルパーセント未満から、モノビニル芳香族ブロック(S)から最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化するポリブタジエンブロックである。)のみのブロックコポリマーを含む。
【0048】
代替の好ましい実施形態において、S−B4は、式(S−B4)nX(式中、各Sは、モノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、各B4は、ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロック(S)に隣接する第1の末端での15モルパーセント未満から、モノビニル芳香族ブロック(S)から最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化するポリブタジエンブロックであり、nは、2から6の整数であり、Xは、カップリング剤の残基である。)の結合ブロックコポリマーと組み合わせて使用することもできる。上述のように、式(SB4)nXのマルチアーム結合ブロックコポリマーが利用される場合、nは、2から6の範囲の整数となる。nは、2から4の整数であることが好ましく、2が最も好ましい。ブロックコポリマーの水素付加は、当分野において周知であるが、本発明のブロックコポリマーは、実質的に水素付加されていない形態である。ブロックコポリマー組成物が、このような混合物を含む場合、S−B4ブロックコポリマー対(S−B4)nXブロックコポリマーの比は、約1:1を超え、約3:2以上となるのが好ましい。特に好ましい実施形態において、比は、約3:2から約10:1となり、最も好ましい比は、約4:1から約7:3である。換言すれば、本発明も最も広い意味において、ブロックコポリマー組成物が、S−B4と(S−B4)nXの混合物を含む場合、結合したポリマーは、S−B4ブロックコポリマーよりも少ない量で常に存在することになる(例えば、結合したブロックコポリマーは、組成物中に多くて49.9重量%、好ましくは多くて40重量%の量で存在することになる。)。
【0049】
本発明は、
A.50.1重量%から100重量%の式S−B1−B2(式中、S、B1およびB2は、本明細書中で以前に定義された通りである。)のブロックコポリマーおよび49.9重量%から0重量%の式(S−B1−B2)nX(式中、S、B1、B2、nおよびXは、本明細書中で以前に定義された通りである。)のブロックコポリマー、または
B.50.1重量%から100重量%の式S−B1−B2−S3(式中、S、B1、B2およびB3は、本明細書中で以前に定義された通りである。)のブロックコポリマーおよび49.9重量%から0重量%の式(S−B1−B2−B3)nX(式中、S、B1、B2、B3、nおよびXは、本明細書中で以前に定義された通りである。)のブロックコポリマー、または
C.50.1重量%から100重量%の式S−B4(式中、SおよびB4は、本明細書中で以前に定義された通りである。)のブロックコポリマーおよび49.9重量%から0重量%の式(S−B4)nX(式中、S、B4、nおよびXは、本明細書中で以前に定義された通りである。)のブロックコポリマー、または
D.50.1重量%から100重量%の式S−B4−B5(式中、S、B4およびB5は、本明細書中で以前に定義された通りである。)のブロックコポリマー、および49.9重量%から0重量%の式(S−B4−B5)nX(式中、S、B4、B5、nおよびXは、本明細書中で以前に定義された通りである。)のブロックコポリマー
を含むブロックコポリマー組成物から選択される特定の種類のブロックコポリマー組成物にさらに関する。
【0050】
本発明の方法において利用されるブロックコポリマー組成物は、当分野で知られている任意の方法により、調製し得るが、これらの方法には、それぞれその全体が本明細書に参照により組み込まれている、例えば米国特許第3231635号明細書、米国特許第3251905号明細書、米国特許第3390207号明細書、米国特許第3598887号明細書、米国特許第4219627号明細書、欧州特許第0413294A2号明細書、欧州特許第0387671B1号明細書、欧州特許第0636654A1号明細書およびWO94/22931などにより例示されているような、よく知られている完全逐次重合方法、これを再開法と場合によって組み合わせた方法およびカップリング方法が含まれる。
【0051】
式S−B1−B2のブロックコポリマーは、逐次重合を介して調製し得るが、この逐次重合において、ポリスチレンブロックは、ステップ1で重合し、続いて低ビニルポリブタジエンブロックを添加し、次いで高ビニルポリブタジエンブロックを添加することを認識されたい。低ビニルポリブタジエンブロックの場合、ブタジエンは、ビニル改質剤が存在しない状態で重合されることになる。高ビニルポリブタジエンブロックに関して、重合は、ビニル改質剤の存在下で行い、ビニル改質剤は、ブタジエンの追加の投与と共に、すべて一度に、同時にまたはほとんど同時に添加することになる。式S−B4のブロックコポリマーの場合、ポリスチレンブロックは、ステップ1で重合し、続いてステップ2でブタジエンを添加し、次いでステップ3でビニル改質剤をゆっくりと添加する。
【0052】
逐次重合を介して調製したブロックコポリマーはまた、中間のリビングブロックコポリマー(S−B1−B2またはS−B4)として働くこともでき、これは、その後多価カップリング剤を用いてカップリングされ、初期のブロックコポリマーS−B1−B2またはS−B4の含有量は、このカップリング効率で決定される。通常、ほとんどのブロックコポリマーの調製においては、80%から97%の範囲のカップリング効率が望ましい。しかし、本方法においては、カップリング効率が50%までのポリマーを利用することが可能である。カップリング効率が50%を超える場合、加工粘度は、望ましい加工粘度より高くなる。カップリング効率が10%から40%の範囲の、より低いカップリング度であることが好ましい。より好ましくは、カップリング効率は、10%から30%の範囲であり、さらにより好ましいカップリング効率は、10%から20%の範囲である。カップリング効率は、10%以上が好ましい。カップリング効率が10%未満の場合、ポリマーは、「粘着性」になりすぎて、製造作業を終了できないことがある。本発明の目的において、「カップリング効率」という句は、カップリングしたポリマーの分子の数を、カップリングしたポリマーの分子の数とカップリングしていないポリマーの分子の数を足した数で割ったものを指す。例えば、カップリング効率が80パーセントの場合、このポリマーは、20パーセントのジブロックを含有することになる。これは当業者には周知である。
【0053】
したがってブロックコポリマーは、例えば、少なくとも2つのS−B1−B2ブロックコポリマー分子を一緒にカップリングさせることによって、または少なくとも2つのS−B4ブロックコポリマー分子をカップリングさせることによって調製することができる。カップリング剤は、当分野で知られている任意の二官能性または多官能性のカップリング剤、例えば、ジブロモエタン、ジエチルアジペート、ジビニルベンゼン、ジメチルジクロロシラン、メチルジクロロシラン、四塩化ケイ素およびアルコキシシラン(米国特許第3244664号明細書、米国特許第3692874号明細書、米国特許第4076915号明細書、米国特許第5075377号明細書、米国特許第5272214号明細書および米国特許第5681895号明細書)、ポリエポキシド、ポリイソシアネート、ポリイミン、ポリアルデヒド、ポリケトン、ポリ酸無水物、ポリエステル、ポリハロゲン化物(米国特許第3281383号明細書)、ジエステル(米国特許第3594452号明細書)、メトキシシラン(米国特許第3880954号明細書)、ジビニルベンゼン(米国特許第3985830号明細書)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリクロライド(米国特許第4104332号明細書)、グリシドキシトリメトキシシラン(米国特許第4185042号明細書)およびオキシジプロピルビス(トリメトキシシラン)(米国特許第4379891号明細書)であってよい。
【0054】
一般的に、本発明の方法に有用なポリマーは、単数のモノマーまたは複数のモノマーを、適切な溶媒中で、約−150℃から約300℃内の温度、好ましくは約0℃から約100℃の範囲内の温度で、有機アルカリ金属化合物と接触させることによって調製することができる。特に有効な重合開始剤は、一般式RLi(式中、Rは、1から20個の炭素原子を有する、脂肪族、脂環式、アルキル置換脂環式、芳香族またはアルキル置換芳香族の炭化水素基であり、これらの中でsecブチルが好ましい。)を有する有機リチウム化合物である。適切な溶媒として、ポリマーの溶液重合に有用なものが含まれ、脂肪族、脂環式、アルキル置換脂環式、芳香族およびアルキル置換芳香族の炭化水素、エーテルおよびこれらの混合物が挙げられる。したがって、適切な溶媒として挙げられるのは、脂肪族の炭化水素、例えばブタン、ペンタン、ヘキサンおよびヘプタンなど、脂環式炭化水素、例えばシクロペンタン、シクロヘキサンおよびシクロヘプタンなど、アルキル置換脂環式炭化水素、例えばメチルシクロヘキサンおよびメチルシクロヘプタンなど、芳香族炭化水素、例えばベンゼンなど、アルキル置換炭化水素、例えばトルエンおよびキシレンなど、ならびにエーテル、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルおよびジ−n−ブチルエーテルなどである。好ましい溶媒は、シクロペンタンまたはシクロヘキサンである。
【0055】
共役ジエン部分のビニル含有量を増加させる技法は周知であり、極性化合物、例えばエーテル、アミンおよび他のルイス塩基、より具体的にはグリコールのジアルキルエーテルからなる群から選択されるものの使用を含み得る。最も好ましい改質剤は、上記または異なる末端アルコキシ基を含有し、エチレン基上にアルキル置換基を場合によって保持するエチレングリコールのジアルキルエーテル、例えば、モノグリム、ジグリム、ジエトキシエタン、1,2−ジエトキシプロパン、1−エトキシ−2,2−tert−ブトキシエタンから選択され、この中で1,2−ジエトキシプロパンが最も好ましい。式S−B1−B2のブロックコポリマー内でのように、異なる1,2−付加構成を有する、ポリブタジエンの2つのセグメントまたはブロックを完成させるために、改質剤を添加せずにブタジエンの第1の投与量を加え、重合させてB1を形成する。第1セグメントB1の生成後、追加のブタジエンを十分な含量の改質剤と共に添加することによって、ビニル含有量がより高い第2ポリブタジエンブロック(B2)を完成させる。ブロック全体を通してビニル含有量がかなり一貫している第2ブタジエンブロックを作製するために、改質剤をすべて一度に添加してもよいし、またはいくらか徐々に変化する(ブロック全体を通してビニル含有量が徐々に増加する)第2ポリブタジエンブロックを作製するために、改質剤を徐々に添加してもよい。式S−B4のブロックコポリマー内のような、ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロックに隣接する第1の末端での15モルパーセント未満から、モノビニル芳香族ブロックから最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化するポリブタジエンのブロックを完成させるため、ブタジエンを反応容器に添加し、次いで使用する改質剤を制御された方法で徐々に添加することによって、徐々に変化するビニル含有量を得る。利用する改質剤の量は、正確にどの改質剤を利用するかによって決まる。一般的に、改質剤は、約50から約5000ppmベースの溶媒量で添加することになる。
【0056】
式S−B1−B2−B3またはS−B4−B5のブロックコポリマーおよびこれらに相当する結合した同等物が所望される場合、米国特許第7125940号明細書に開示された手順を利用することによってビニル含有量の低い、B3またはB5ポリブタジエンブロックを完成することができる。米国特許第7125940号明細書は、その全体が本明細書に参照により組み込まれている。
【0057】
上記に示したビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物に加えて、本発明の工程内で他の場合による成分を添加することもでき、これらの成分には、樹脂、オイル、安定剤、帯電防剤、充填剤(例えば、タルク、炭酸カルシウムおよびカーボンブラックなど)、ポリリン酸、粉砕タイヤゴムまたは難燃剤などが含まれるが、これらに限らない。そのような、場合による成分の添加量は、ビチューメン結合材組成物の総重量に対して、0から約20重量%の範囲とすることができる。特に好ましい追加成分は、抗酸化剤であり、これは、反応速度に影響を与えるよう混合工程中または混合工程後に添加することができる。抗酸化剤を加える場合、抗酸化剤は、ビチューメン結合材組成物総重量に対して.約0.1重量%から約5重量%の量で存在する。加えて、他のブロックコポリマーもまた、本発明の最終ビチューメン結合材組成物中に含むことができる。このようなブロックコポリマーは、一般式C−D−Cまたは(C−D)nX(式中、Cは、モノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、Dは共役ジエンブロックであり、nは2から6の整数であり、Xは、カップリング剤の残基である。)のブロックコポリマーであり、前記ブロックコポリマーは、最大分子量が、約30,000から約400,000であり、ビニル含有量が、ブロックコポリマーの共役ジエンブロック中のモノマー繰り返し単位の数に対して、約8モルパーセントから約25モルパーセントであることが好ましい。このようなブロックコポリマーの例として、これらに限らないが、KratonD1101ポリマーおよびKratonD1184ポリマーが挙げられ、それぞれがKraton Polymers LLCから市販されている。このような追加のブロックコポリマーが存在する場合、これらは、添加したブロックコポリマーの総重量に対して、約30重量%までの量で存在するのが好ましい。このような追加の成分が工程に加えられる場合、これらの追加成分は通常、ブロックコポリマー組成物と同時に添加される。あるいは、これら追加成分は、ブロックコポリマー組成物の添加の直前に、またはブロックコポリマー組成物の添加の直後に添加することもできる。
【0058】
本発明は、いかなる架橋剤も実質的に含まない特定のポリマー改質ビチューメン結合材組成物にさらに関し、前記ビチューメン結合材組成物は、以下を含む。
(e)約64から約98重量%の、本明細書中で以前に定義されたようなビチューメン成分、および
(f)約2から約36重量%の、本明細書に以前に記載されたようなブロックコポリマー組成物のいずれか1つ。
【0059】
本発明は、いかなる架橋剤も実質的に含まない特定のビチューメンの結合材濃縮物にさらに関し、前記ビチューメンの結合材濃縮物は、以下を含む:
(g)約64から約93重量%の、本明細書中で以前に定義されたようなビチューメン成分、および
(h)約7から約36重量%の、本明細書中で以前に記載されたようなブロックコポリマー組成物のうちのいずれか1つ。
【0060】
本発明は、ホットミックスビチューメンコンクリートに特に適しているが、本発明の生成物はまた、ホットチップシールおよびカットバックなどの他の典型的なSBSポリマー改質ビチューメン舗装材料の用途にも有用である。本発明は、改質ビチューメン巻物屋根材、粘着性防水膜、音消しおよび振動減衰性の化合物など非舗装用途に適していることも想定される。本発明はまた、リサイクルされたアスファルト舗装道路にも有用である。
【0061】
本明細書および特許請求の範囲に提供されている範囲および制限は、本発明を特別に指摘し、明瞭に権利を主張すると考えるものである。しかし、同じまたは実質的に同じ結果を得るために、おおむね同様に、実質的に同じ機能を実施する他の範囲および制限は、本明細書および特許請求の範囲に定義されている本発明の範囲内であることを意図していると理解されている。
【0062】
本発明は、例示的目的ためのみに提供され、本発明を制限すると解釈されない以下の実施例により記述される。
【実施例】
【0063】
ビチューメン1から3
以下の3つのビチューメンを以下の実施例において使用した。従来のSBSポリマーを用いて、異なる程度の改質を行うことができるビチューメンがたくさんあるが、改質が中程度から極端な程度に困難なビチューメンもあることを当業者は知っている。一般的に「困難である」ビチューメンと考えられている2つのビチューメンを利用することによって、本発明を実証した。より具体的には、利用したヨーロッパのビチューメンは、SBSポリマーで通常は改質することができるが、適切な相容性を得るために、硫黄または他の架橋技術が必要とされる。利用したWest Texasビチューメンは、SBSポリマーでは通常まったく改質できない程度まで相容性がない。
【0064】
【表1】

【0065】
比較用ポリマーC1からC8
以下のポリマーを、比較目的で配合物中に使用した。
【0066】
【表2】

参照された分子量は、最大分子量である。
比較用ポリマーC1は、ペレット状の、低ビニル、低分子量、低ジブロック含有量ポリマーであり、Kraton Polymers LLCよりKraton D1102ポリマーとして市販されている。
比較用ポリマーC2は、多孔性ペレット状の、中ビニル、高結合のスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーである。
比較用C3は、米国特許出願第11/598511号明細書に記載されたような、多孔性のペレット状の、高ビニル、低結合のスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーである。
比較用C4は、多孔性のペレット状の、低ビニル、高結合のスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーであり、Kraton Polymers LLCよりKraton D1101ポリマーとして市販されている。
比較用ポリマーC5は、多孔性のペレット状の、低ビニル、高結合のスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーであり、Kraton Polymers LLCよりKraton D1144ポリマーとして以前市販されていた(現在は販売中止)。
比較用ポリマーC6は、多孔性ペレット状の、高ビニル、高結合のスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーであり、Kraton Polymers LLCよりKraton D1192ポリマーとして市販されている。
比較用ポリマーC7は、4−アームラジアルポリマー29%および残留ジブロック71%(以下に示すように調製した)を含む、比較用ポリマーC3の4−アームラジアルバージョンである。
比較用ポリマーC8は、4−アームラジアルバージョンポリマー43%および残留ジブロック57%(以下に示すように調製した)を含む、比較用ポリマーC3の4−アームラジアルバージョンである。
【0067】
比較用ポリマーC7
スチレン374gを、50℃で、シクロヘキサン6リットルへ加え、その後、sec−ブチルリチウム23.0mmolを加えた。118分後に反応が完了した。その後、1,2−ジエトキシプロパン4.2mLを加え、続いて20分間の時間に渡り、ブタジエン798gを添加した。反応混合物の温度は、70℃へと上昇した。重合を、この温度で20分間進行させた。重合のこの時点で試料を反応物から取り出し、GPC試験法ASTM D3536で解析した。次いでバッチを2つの部分に等分した(第2の部分に関しては、比較例C8を参照されたい)。第1の部分をメタノール3.0mLで終端し、10分間放置した。反応混合物を冷却した後、0.2%BHTを安定化のために加えた。次いでこの部分をブレンドすることによって、カップリング効率28.6%でポリマーを生成した。この生成物を水蒸気剥離により単離することによって白色クラムを得た。
【0068】
比較用ポリマーC8
比較用ポリマーC8の調製において、比較用ポリマーC7と同じ手順を、以下を除いて利用した。次いでカップリング剤GPTS0.46mLを反応混合物の第2の部分に加えた。その反応混合物を70℃で28分間の間放置し、次いでメタノール1.5mLで終端した。反応混合物を冷却後、0.2%BHTを安定化のために加えた。次いで、この部分をブレンドすることによって、カップリング効率43.0%でポリマーを生成した。この生成物を水蒸気剥離により単離することによって白色クラムを得た。
【0069】
発明のポリマー1から3
本発明における発明のポリマー1、2および3は、以下に示す一般的手順に従い、従来の重合方法により調製した。
【0070】
発明のポリマー1
スチレン239gを、50℃で、シクロヘキサン6リットルへ加え、この後でsec−ブチルリチウム15.1mmolを加えた。90分後に反応が完了し、反応混合物の温度は70℃へ上昇した。その後、ブタジエン523gを、35分間の時間に渡り加えた。次に、1,2−ジエトキシプロパン4.2mLを加えた。これに続いて、ブタジエン258グラムを加えた。重合を70℃で17分間進行させた。重合のこの時点で、反応物から試料を取り出し、GPC試験法ASTM D3536を用いて解析した。次いでカップリング剤Epon826、0.74グラムを反応混合物に加えた。反応混合物を70℃で30分間放置し、次いでメタノール1.0mLで終端した。反応混合物を冷却後、BHT0.2w%を安定化のために加えた。この生成物を水蒸気剥離で単離することによって、白色クラムを得た。
【0071】
発明のポリマー2
スチレン254gを、50℃でシクロヘキサン6リットルに加え、この後で、sec−ブチルリチウム15.8mmolを加えた。90分後に反応が完了し、反応混合物の温度が、70℃に上昇した。その後、ブタジエン407gを35分間の時間に渡り加えた。次に、1,2−ジエトキシプロパン3.5mLを加えた。これに続いてブタジエン163グラムを添加した。重合を70℃で15分間の間進行させた。重合のこの時点で、試料を反応物から取り出し、GPC試験法ASTM D3536を用いて解析した。次いでカップリング剤Epon826、0.53グラムを反応混合物に加えた。反応混合物を70℃で10分間の間放置し、次いでメタノール0.3mLで終端した。この反応混合物を冷却後、BHT、0.4w%を安定化のために加えた。生成物を水蒸気剥離により単離し、白色クラムを得た。
【0072】
発明のポリマー3
スチレン6.24Kgを50℃で、シクロヘキサン175.5リットルへ加え、この後で、sec−ブチルリチウム25.02gを加えた。90分後に反応が完了し、反応混合物の温度が70℃に上昇した。その後、ブタジエン12.50Kgを、30分間の時間に渡り加えた。次に、1,2−ジエトキシプロパン200gを加えた。これに続いてブタジエン6.24Kgを添加した。重合を74℃で22分間の間進行させた。重合のこの時点で、試料を反応物から取り出し、GPC試験法ASTM D3536を用いて解析した。次いでカップリング剤Epon826、15.13グラムを反応混合物に加えた。反応混合物を70℃で30分間の間放置し、次いでメタノール15.84グラムで終端した。この反応混合物を冷却後、AO330、62.5グラムを安定化のために加えた。生成物を水蒸気剥離により単離し、白色クラムを得た。
【0073】
表3は、発明のポリマー1、2および3に関して得た分子のパラメータの一覧である。
【0074】
【表3】

参照された分子量は、最大分子量である。
**第2のポリブタジエンブロックB2のビニル含有量は、第1のポリブタジエンブロックB1の測定ビニル含有量、ポリマー全体の測定ビニル含有量およびポリブタジエンブロックB1およびB2の相対分子量に基づいて計算した。
***測定値ではなく、推定値。
【0075】
実施例1から21
実施例1から21に対しては、以下のブレンドの手順を使用した:本発明における発明のポリマー1から3、ならびに比較用ポリマーC1からC8を利用したブレンドを、示したビチューメンおよび示したブロックコポリマー(ブロックコポリマーの最終濃度は3.0%であった。)を含む試料を生成することにより作製した。ビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物を混合することによって試料を作製し、Silverson L4R高剪断撹拌機を用いて2.0時間の間、示した範囲内に温度を維持しながら、180から199℃の範囲へこれらを加熱した。次いで試料を低剪断撹拌機で、0から15時間の間に渡り、温浸のために撹拌した。
【0076】
ASTM D113−99を利用して、すべての混合物の延性試験を行った。延性試験は、ビチューメン材料のブリケット試料の2つの末端が特定の速度および特定の温度で引き裂かれた場合、この材料が切断する前に伸長した距離を測定するものである。試験は、5℃+0.5℃の温度および分離スピード5cm/分+5.0%で実施した。ある試料は、ASTM D36に基づき環球法による軟化点、ASTM D4402に基づき回転性粘度およびASTM D5892に基づき保存安定性に対する分離について試験した。ある試料は、ASTM D6084に従い、弾性回復について試験した。このような試験は、ポリマー改質ビチューメンを評価するため一般的に使用されており、当業者には周知である。
【0077】
表4において、実施例5は、本発明の具体例であり、実施例1から4は、比較例である。実施例5の延性は、5℃および25℃の両方で他の実施例の延性よりも実質的に高く、5つの実施例すべてが十分な弾性回復および軟化点を示している。
【0078】
【表4】

【0079】
以下の表5は、上記の実施例5に記載の発明のポリマー1を、時間および温度を変えて比較している。実施例5から9は、本発明の最適な加工時間および温度を示している。190℃での加工が、延性および弾性回復の両方において最適である。6時間というより短い低剪断での加工時間によっても延性および弾性回復の両方における改善が生じる。
【0080】
【表5】

【0081】
実施例10から13は、最適条件下での上記実施例8の発明のポリマーは、最適条件下での他の比較用ポリマーよりも優れていることを実証している。
【0082】
【表6】

【0083】
実施例14から16は、標準的な直鎖状スチレンブタジエン−スチレンコポリマーと比較して、発明のポリマーの相容性が向上していることを実証している。
【0084】
【表7】

【0085】
実施例17から21は、本発明の分子パラメータの範囲を示している。実施例17および18では、ポリマーにラジアルの性質を付加することによって、延性を増加させることを試みている。これらの実施例は、この手法が有効ではないことを示している。実施例19は、ポリブタジエン分子量がより高い低ビニル/高ビニルブロック構造が、依然として優れた延性をもたらすが、このより高い分子量は、粘度も増加させるので、望ましくないことを示している。実施例20は、ポリブタジエン分子量を減らすことで、延性が有意に低下することを示している。
【0086】
【表8】

【0087】
実施例22から28
実施例22から28に対して、以下のブレンド手順を使用した:利用するビチューメンを160から180℃の範囲に加熱し、示されたポリマー5.0重量%を加えた。次いで温度を200℃に増加させ、この温度でブレンドを低速度で7時間の間、大気開放して撹拌し、その間温度は示した範囲に維持した。次いでこのブレンドを2等分した。半分は試験用に取っておき、もう一方の半分をさらに17時間撹拌することにより、24時間の撹拌時間を完了し、この後、7時間撹拌の試料と平行して試験を行った。平行して比較用試料を以下の試料5%とブレンドした:比較用ポリマーC2、比較用ポリマーC1および比較用ポリマーC3。
【0088】
すべての混合物の延性を、ASTM D113−99を用いて試験した。試験は、13℃+/−0.5℃の温度および5cm/分+5.0%の分離スピードで実施した。試料はまた、ASTM D36に従い環球法による軟化点、ASTM D5に従い針入度、ASTM D6084に従い弾性回復およびEN12593に従いFraass温度について試験を行った。上述のように、このような試験は、ポリマー改質ビチューメンを評価するため一般的に使用されており、当業者には周知である。
【0089】
実施例22から28は、本発明のポリマーが、不相容性ビチューメンにおける厳密な規格を満足することで、その有効性を実証している。実施例24および25の発明のポリマーは、高い軟化点、優れた延性、優れた弾性回復および低いFraass温度の優秀な組合せを示している。
【0090】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)撹拌タンク内で、ビチューメン成分を温度160℃から221℃へ加熱するステップ、
(b)ビチューメン成分を撹拌しながら、ビチューメン成分にブロックコポリマー組成物を添加することにより、ビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物の均質な混合物を形成するステップ、ならびに
(c)前記均質な混合物を、180℃から221℃の温度で、合計2時間から30時間の時間に渡り継続して撹拌することにより、硬化したポリマー改質ビチューメン結合材組成物を形成するステップを含み、
前記ブロックコポリマー組成物が、
(i)式S−B1−B2(式中、Sは、最大分子量が10,000から25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、B1は、ビニル含有量が15モルパーセント未満のポリブタジエンブロックであり、B2は、ビニル含有量が25モルパーセントを超えるポリブタジエンブロックであり、B1対B2の重量比は、1:1以上である。)のブロックコポリマー(最大分子量が40,000から200,000である。)を含み、
(ii)式(S−B1−B2)X(式中、各Sは、最大分子量が10,000から25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、各B1は、ビニル含有量が15モルパーセント未満のポリブタジエンブロックであり、各B2は、ビニル含有量が25モルパーセントを超えるポリブタジエンブロックであり、nは2から6の整数であり、Xは、カップリング剤の残基であり、B1対B2の重量比は、1:1以上である。)の1つまたは複数のブロックコポリマー(最大分子量がS−B1−B2ブロックコポリマーの最大分子量の1.5から6.0倍である。)を場合によって含む
(ただし、ステップcにおける温度が199℃を超える場合、ステップ(c)で均質な混合物を撹拌する合計時間は、2から15時間の範囲とし、
さらに、S−B1−B2および(S−B1−B2)Xが両方ともブロックコポリマー組成物中に存在する場合、SB1−B2対(S−B1−B2)Xの比は、1:1を超えるものとする。)、
架橋剤が実質的に存在しない状態でポリマー改質ビチューメン結合材組成物を調製するための方法。
【請求項2】
ブロックコポリマー組成物が、S−B1−B2および(S−B1−B2)nXを含み、ブロックコポリマー組成物中のS−B1−B2対(S−B1−B2)Xの比が、3:2以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ビチューメン成分に添加するブロックコポリマー組成物の量が、ポリマー改質ビチューメン結合材組成物の総重量に対し2から36重量パーセントである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
式C−D−Cまたは(C−D)nX(式中、Cは、モノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、Dは、共役ジエンブロックであり、nは、2から6の整数であり、Xは、カップリング剤の残基である。)のブロックコポリマーのステップ(b)中での添加をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
Cが、スチレンであり、Dがブタジエン、イソプレンまたはこれらの混合物であり、追加のブロックコポリマーが、添加するブロックコポリマーの総量の30重量%までの量で添加される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(c)での温度が185℃から199℃である、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
ブロックコポリマー組成物中の、S−B1−B2対(S−B1−B2)Xの比が、3:2から10:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ブロックコポリマーS−B1−B2に関しては、最大分子量が65,000から160、000であり、Sがスチレンであり、ポリスチレン含有量が、15から35%であり、B1のビニル含有量が、B1ブロック中のモノマー繰り返し単位の数に対し5から15モルパーセントであり、B2のビニル含有量が、B2ブロック中のモノマー繰り返し単位の数に対し25から80モルパーセントであり、(S−B1−B2)nXに関しては、最大分子量がS−B1−B2の最大分子量の1.8から5.0倍であり、Sがスチレンであり、ポリスチレン含有量が15から35%であり、B1のビニル含有量が、B1ブロック中のモノマー繰り返し単位の数に対し5から15モルパーセントであり、B2のビニル含有量が、B2ブロック中のモノマー繰り返し単位に対して25から80モルパーセントである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
作製されたポリマー改質ビチューメン結合材組成物が、濃縮物の総重量に対し6から30重量パーセントのブロックコポリマー組成物を有する濃縮物の形態である、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
ポリマー改質結合材組成物のポリマーの硬化中または硬化後のいずれかに、均質な混合物を希釈するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ブロックコポリマー組成物が、S−B1−B2(式中、Sはスチレンであり、ポリスチレン含有量は15から35%である。)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ビチューメン成分に添加するブロックコポリマー組成物の量が、使用するポリマー改質ビチューメン結合材組成物の最終の総重量に対し2から10重量パーセントである、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
希釈後のブロックコポリマー組成物の最終濃度が、ポリマー改質ビチューメン結合材組成物の総重量に対し2から6重量パーセントである、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(b)での撹拌が高剪断で行われ、ステップ(c)での撹拌が低剪断で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(b)での撹拌が、高剪断で、0.5から4時間の時間に渡り行われ、ステップ(c)での撹拌が、低剪断で、2.0時間から15時間の時間に渡り行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項16】
(a)64から98重量%のビチューメン成分、および
(b)2から36重量%のブロックコポリマー組成物を含み、
前記ブロックコポリマー組成物が、
(i)式S−B1−B2(式中、Sは、最大分子量が10,000から25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、B1は、ビニル含有量が15モルパーセント未満の共役ジエンブロックであり、B2は、ビニル含有量が25モルパーセントを超える共役ジエンブロックであり、B1対B2の重量比は、1:1以上である。)のブロックコポリマー(最大分子量が約40,000から200,000である。)を含み、
(ii)式(S−B1−B2)X(式中、各Sは、最大分子量が10,000から25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、各B1は、ビニル含有量が15モルパーセント未満のポリブタジエンブロックであり、各B2は、ビニル含有量が25モルパーセントを超えるポリブタジエンブロックであり、nは、2から6の整数であり、Xは、カップリング剤の残基であり、B1対B2の重量比は、1:1以上である。)の1つまたは複数のブロックコポリマー(最大分子量が、S−B1−B2ブロックコポリマーの最大分子量の1.5から6.0倍である。)を場合によって含み、
S−B1−B2および(S−B1−B2)nXが両方ともブロックコポリマー組成物中に存在する場合、S−B1−B2対(S−B1−B2)Xの比が、1:1を超える、
架橋剤を実質的に含まないビチューメン結合材組成物。
【請求項16】
ブロックコポリマー組成物が、S−B1−B2および(S−B1−B2)nXを含み、ブロックコポリマー組成物中のS−B1−B2対(S−B1−B2)Xの比が、3:2以上である、請求項15に記載のビチューメン結合材組成物。
【請求項17】
ビチューメン成分に添加されるブロックコポリマー組成物の量が、ポリマー改質ビチューメン結合材組成物の総重量に対して2から36重量パーセントである、請求項16に記載のビチューメン結合材組成物。
【請求項18】
式C−D−Cまたは(C−D)nX(式中、Cは、モノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、Dは、共役ジエンブロックであり、nは、2から6の整数であり、Xは、カップリング剤の残基である。)のブロックコポリマーの添加をさらに含む、請求項17に記載のビチューメン結合材組成物。
【請求項19】
Cが、スチレンであり、Dが、ブタジエン、イソプレンまたはこれらの混合物であり、ブロックコポリマー組成物中に存在する追加のブロックコポリマーが、ビチューメン結合材組成物に添加されるブロックコポリマーの総量のうちの30重量%までの量を構成する、請求項18に記載のビチューメン結合材組成物。
【請求項20】
ブロックコポリマー組成物中のS−B1−B2対(S−B1−B2)Xの比が、3:2から10:1である、請求項16に記載のビチューメン結合材組成物。
【請求項21】
ブロックコポリマーS−B1−B2に関しては、最大分子量が、65,000から160,000であり、Sがスチレンであり、ポリスチレン含有量が、15から35%であり、B1のビニル含有量が、B1ブロック中のモノマー繰り返し単位の数に対し5から15モルパーセントであり、B2のビニル含有量が、B2ブロック中のモノマー繰り返し単位の数に対し25から80モルパーセントであり、(S−B1−B2)nXに関しては、最大分子量が、S−B1−B2の最大分子量の1.8から5.0倍であり、Sがスチレンであり、ポリスチレン含有量が15から35%であり、B1のビニル含有量が、B1ブロック中のモノマー繰り返し単位の数に対し5から15モルパーセントであり、B2のビニル含有量が、B2ブロック中のモノマー繰り返し単位の数に対し25から80モルパーセントである、請求項20に記載のビチューメン結合材組成物。
【請求項22】
ブロックコポリマー組成物が、S−B1−B2(式中、Sはスチレンであり、ポリスチレン含有量は15から35%である。)を含む、請求項15に記載のビチューメン結合材組成物。
【請求項23】
6から36重量%のブロックコポリマー組成物を含む、請求項21に記載のビチューメン結合材組成物。
【請求項24】
6から36重量%のブロックコポリマー組成物を含む、請求項22に記載のビチューメン結合材組成物。
【請求項25】
S−B1−B2の最大分子量が65,000から160,000であり、Sがスチレンであり、ポリスチレン含有量が15から35%であり、B1のビニル含有量が、B1ブロック中のモノマー繰り返し単位の数に対し5から15モルパーセントであり、B2のビニル含有量が、B2ブロック中のモノマー繰り返し単位に対して40から75モルパーセントである、請求項23に記載のビチューメン結合材組成物。
【請求項26】
(i)式S−B1−B2(式中、Sは、最大分子量が10,000から25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、B1は、ビニル含有量が15モルパーセント未満のポリブタジエンブロックであり、B2は、ビニル含有量が25モルパーセントを超えるポリブタジエンブロックであり、B1対B2の重量比は、1:1以上である。)のブロックコポリマー(最大分子量が約40,000から200,000である。)を含み、
(ii)式(S−B1−B2)nX(式中、Sは、最大分子量が10,000から25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、B1は、ビニル含有量が15モルパーセント未満のポリブタジエンブロックであり、B2は、ビニル含有量が25モルパーセントを超えるポリブタジエンブロックであり、nは、2から4の整数であり、Xは、カップリング剤の残基であり、B1対B2の重量比は、1:1以上である。)のブロックコポリマー(この結合したブロックコポリマーは、最大分子量が、S−B1−B2ブロックコポリマーの最大分子量の1.5から6.0倍である。)を場合によって含み、
S−B1−B2および(S−B1−B2)nXが両方ともブロックコポリマー組成物中に存在する場合、S−B1−B2対(S−B1−B2)nXの比が、1:1を超える、
ブロックコポリマー組成物。
【請求項27】
S−B1−B2対(S−B1−B2)nXの比が、3:2以上である、請求項25に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項28】
S−B1−B2の最大分子量が、65,000から160,000であり、Sがスチレンであり、ポリスチレン含有量が15から35%であり、B1のビニル含有量が、B2ブロック中のモノマー繰り返し単位の数に対し5から15モルパーセントであり、B2のビニル含有量が、B2ブロック中のモノマー繰り返し単位の数に対し25から80モルパーセントであり、(S−B1−B2)nXブロックコポリマーの最大分子量が、S−B1−B2ブロックコポリマーの最大分子量の1.8から5.0倍であり、Sがスチレンであり、ポリスチレン含有量が15から35%であり、nが2から4であり、B1のビニル含有量が、B2ブロック中のモノマー繰り返し単位の数に対し5から15モルパーセントであり、B2のビニル含有量が、B2ブロック中のモノマー繰り返し単位の数に対し25から80モルパーセントである、請求項27に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項29】
(a)溶融状態に到達するまで、撹拌タンク内でビチューメン成分を加熱するステップ、
(b)ビチューメン成分にブロックコポリマー組成物を添加するステップ、
(c)ビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物を撹拌しながら、ビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物の温度を約180℃から約221℃へ上げることによって、ビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物の均質な混合物を形成するステップ、ならびに
(d)前記均質な混合物を、硬化したポリマー改質ビチューメン結合材組成物が得られるまで、合計約2時間から約30時間の時間に渡り、前記温度を維持しながら継続して撹拌するステップ
(ただし、ステップ(c)における温度が199℃を超える場合、合計2から15時間の時間に渡り、均質な混合物を撹拌するものとする。)を含み、
前記ブロックコポリマー組成物が、
(i)式S−B1−B2(式中、Sは、最大分子量が10,000から25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、B1は、ビニル含有量が15モルパーセント未満のポリブタジエンブロックであり、B2は、ビニル含有量が、25モルパーセントを超えるポリブタジエンブロックであり、B1対B2の重量比は、1:1以上である。)のブロックコポリマー(最大分子量が、約40,000から200,000である。)を含み、
(ii)式(S−B1−B2)X(式中、各Sは、最大分子量が10,000から25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、各B1は、ビニル含有量が15モルパーセント未満のポリブタジエンブロックであり、各B2は、ビニル含有量が25モルパーセントを超えるポリブタジエンブロックであり、nは、2から6の整数であり、Xは、カップリング剤の残基であり、B1対B2の重量比は、1:1以上である。)の1つまたは複数のブロックコポリマー(最大分子量が、S−B1−B2ブロックコポリマーの最大分子量の1.5から6.0倍である。)を場合によって含むブロックコポリマー組成物を含み、
S−B1−B2および(S−B1−B2)Xが両方ともブロックコポリマー組成物中に存在する場合、S−B1−B2対(S−B1−B2)Xの比が、1:1を超える、
架橋剤が実質的に存在しない状態でポリマー改質ビチューメン結合材組成物を調製するための方法。
【請求項30】
ポリマー改質ビチューメン結合材組成物の硬化中または硬化後のいずれかに、均質な混合物を希釈するさらなるステップを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
(a)撹拌タンク内で、ビチューメン成分を温度160℃から221℃へ加熱するステップ、
(b)ビチューメン成分を撹拌しながら、ビチューメン成分にブロックコポリマー組成物を添加することによって、ビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物の均質な混合物を形成するステップ、ならびに
(c)前記均質な混合物を、180℃から221℃の温度で、合計2時間から30時間の時間に渡り継続して撹拌することによって、硬化したポリマー改質ビチューメン結合材組成物を形成するステップを含み、
前記ブロックコポリマー組成物が、
(i)式S−B4(式中、Sは、最大分子量が10,000から25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、B4は、ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロックに隣接する第1の末端での15モルパーセント未満のビニル含有量から、モノビニル芳香族ブロックから最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化するポリブタジエンブロックである。)のブロックコポリマー(最大分子量が約40,000から200,000である。)を含み、
(ii)式(S−B4)X(式中、各Sは、最大分子量が10,000から25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、各B4は、ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロックに隣接する第1の末端での15モルパーセント未満のビニル含有量から、モノビニル芳香族ブロックから最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化するポリブタジエンブロックであり、nは、2から6の整数であり、Xは、カップリング剤の残基である。)の1つまたは複数のブロックコポリマー(最大分子量が、S−B4ブロックコポリマーの最大分子量の1.5から6.0倍である。)を場合によって含む
(ただし、ステップcにおける温度が199℃を超える場合、ステップ(c)の均質な混合物を撹拌する合計時間は、2から15時間の範囲とし、さらにS−B4および(S−B4)Xが両方ともブロックコポリマー組成物中に存在する場合、S−B4対(S−B4)Xの比は、1:1を超えるものとする。)、
架橋剤が実質的に存在しない状態でポリマー改質ビチューメン結合材組成物を調製するための方法。
【請求項32】
ブロックコポリマー組成物が、S−B4および(S−B4)nXを含み、ブロックコポリマー組成物中のS−B4対(S−B4)Xの比は、3:2以上である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
ステップ(b)の間に、式C−D−Cまたは(C−D)nX(式中、Cは、モノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、Dは、共役ジエンブロックであり、nは、2から6の整数であり、Xは、カップリング剤の残基である。)のブロックコポリマーの添加をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
Cが、スチレンであり、Dが、ブタジエン、イソプレンまたはこれらの混合物であり、追加のブロックコポリマーが、添加するブロックコポリマーの総量の30重量%までの量で添加される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
ブロックコポリマー組成物がS−B4を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
ステップ(b)での撹拌が、高剪断で行われ、ステップ(c)での撹拌が低剪断で行われる、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
ステップ(b)での撹拌が、高剪断で0.5から4.0時間の時間に渡り行われ、ステップ(c)での撹拌が、低剪断で2.0時間から15時間の時間に渡り行われる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
(a)64から98重量%のビチューメン成分、および
(b)2から36重量%のブロックコポリマー組成物を含み、
前記ブロックコポリマー組成物が、
(i)式S−B4(式中、Sは、最大分子量が10,000から25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、B4は、ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロックに隣接する第1の末端での15モルパーセント未満のビニル含有量から、モノビニル芳香族ブロックから最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化するポリブタジエンブロックである。)のブロックコポリマー(最大分子量が約40,000から200,000である。)を含み、
(ii)式(S−B4)X(式中、各Sは、最大分子量が10,000から25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、各B4は、ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロックに隣接する第1の末端での15モルパーセント未満のビニル含有量から、モノビニル芳香族ブロックから最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化するポリブタジエンブロックであり、nは、2から6の整数であり、Xは、カップリング剤の残基である。)の1つまたは複数のブロックコポリマー(最大分子量が、S−B4ブロックコポリマーの最大分子量の1.5から6.0倍である。)を場合によって含む
(さらに、S−B4および(S−B4)Xが両方ともブロックコポリマー組成物中に存在する場合、S−B4対(S−B4)Xの比は、1:1を超えるものとする。)、
実質的に架橋剤を含まないビチューメン結合材組成物。
【請求項39】
(i)式S−B4(式中、Sは、最大分子量が10,000から25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、B4は、ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロックに隣接する第1の末端での15モルパーセント未満のビニル含有量から、モノビニル芳香族ブロックから最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化するポリブタジエンブロックである。)のブロックコポリマー(最大分子量が、約40,000から200,000である。)を含み、
(ii)式(S−B4)X(式中、各Sは、最大分子量が10,000から25,000であるモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、各B4は、ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロックに隣接する第1の末端での15モルパーセント未満のビニル含有量から、モノビニル芳香族ブロックから最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化するポリブタジエンブロックであり、nは、2から6の整数であり、Xは、カップリング剤の残基である。)の1つまたは複数のブロックコポリマー(最大分子量が、S−B4ブロックコポリマーの最大分子量の1.5から6.0倍である。)を場合によって含む
(さらに、S−B4および(S−B4)Xが両方ともブロックコポリマー組成物中に存在する場合、S−B4対(S−B4)Xの比は、1:1を超えるものとする。)、
ブロックコポリマー組成物。
【請求項40】
(a)溶融状態に到達するまで、撹拌タンク内でビチューメン成分を加熱するステップ、
(b)ビチューメン成分にブロックコポリマー組成物を添加するステップ、
(c)ビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物を撹拌しながら、ビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物の温度を約180℃から約221℃へ上げることによって、ビチューメン成分およびブロックコポリマー組成物の均質な混合物を形成するステップ、ならびに
(d)前記均質な混合物を、硬化したポリマー改質ビチューメン結合材組成物が得られるまで、合計約2時間から約30時間の時間に渡り、前記温度を維持しながら継続して撹拌するステップを含み
(ただし、ステップ(c)における温度が199℃を超える場合、合計2から15時間の時間に渡り均質な混合物を撹拌するものとする。)、
前記ブロックコポリマー組成物が、
(i)式S−B4(式中、Sは、最大分子量が10,000から25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、B4は、ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロックに隣接する第1の末端での15モルパーセント未満のビニル含有量から、モノビニル芳香族ブロックから最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化するポリブタジエンブロックである。)のブロックコポリマー(最大分子量が約40,000から200,000である。)を含み、
(ii)式(S−B4)X(式中、各Sは、最大分子量が10,000から25,000のモノビニル芳香族炭化水素ブロックであり、各B4は、ビニル含有量が、モノビニル芳香族ブロックに隣接する第1の末端での15モルパーセント未満のビニル含有量から、モノビニル芳香族ブロックから最も遠い第2の末端での25モルパーセントを超えるビニル含有量へと徐々に変化するポリブタジエンブロックであり、nは、2から6の整数であり、Xは、カップリング剤の残基である。)の1つまたは複数のブロックコポリマー(最大分子量がS−B4ブロックコポリマーの最大分子量の1.5から6.0倍である。)を場合によって含むブロックコポリマー組成物を含む
(さらに、S−B4および(S−B4)Xが両方ともブロックコポリマー組成物中に存在する場合、S−B4対(S−B4)Xの比は、1:1を超えるものとする。)、
架橋剤が実質的に存在しない状態においてポリマー改質ビチューメン結合材組成物を調製するための方法。

【公表番号】特表2010−526180(P2010−526180A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506565(P2010−506565)
【出願日】平成20年4月29日(2008.4.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/061833
【国際公開番号】WO2008/137394
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(508272307)クレイトン・ポリマーズ・ユー・エス・エル・エル・シー (12)
【Fターム(参考)】