説明

ビデオカメラ撮像用装置

【課題】 本発明は、従来比較的離れた場所を対象とし、夜間では困難であったビデオカメラによる撮像を的確かつ自動的に可能とする装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 パン方向及びチルト方向に自在に回転可能な雲台に赤外発光装置を搭載する発光ユニットと共に、パン方向及びチルト方向に自在に回転可能な別な雲台にビデオカメラを搭載するビデオカメラユニットを持つ電子カメラシステム装置において、該発光ユニットと該ビデオカメラユニットのそれぞれが連携して操作可能とされることを特徴とする電子カメラシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外照明とビデオカメラとそれらを搭載するパン方向及びチルト方向に回転自在の雲台とから成り、該照明装置と該ビデオカメラが連動して操作可能なビデオカメラ撮像装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラシステムは監視カメラ、防犯カメラとしてセキュリティ用など多様化した分野で利用されてきており、夫々の利用目的に応じた撮像システム、撮像画像品質、利便性などが求められている。特に比較的離れた場所の夜間撮影には周辺の光環境を乱すことなく撮像する事が防犯、セキュリティ上強く求まられている、
【0003】
撮像カメラは撮像対象を的確にとらえ、希望するアングルフレームで対象物をとらえる必要があり、また撮影対象物の適正なる反射光量を必要とする。特に光量が不足する夜間においては映像S/Nが低下し映像品質が劣る。そのため光量を補う事が必要とされ、ビデオカメラでは対象物の撮像アングルフレームを的確に捉えることと対象物の反射光量を確保することが求められる。
【0004】
このように要求されるビデオカメラの性能操作対し、アングルフレーム機能に対してはパン(左右)方向、チルト(上下)方向操作を実行する雲台上にカメラを搭載することにより、光量不足に対しては発光装置でお光量を補うことで対処し、夜間の光環境を乱すことが無い琴美も配慮し不可視光である赤外発光照明の方策も採っている。またカメラと発光装置を一体化することで十分ではないがある程度の性能のアングルフレーム機能と光量確保することが実用化されている。
【0005】
しかしながら、カメラのアングルフレームをパン方向、チルト方向に自在にすることは可能であるが発光装置の照射部分とアングルフレームのズレを自動的に行うことは出来ない、またカメラと発光装置を一体化する方法は比較的近距離の撮像対象であることで遠距離の撮像に対応しているものは少なく、照射部分とアングルフレームのズレを補正することは困難等の不都合が生じる。
【0006】
これらの不都合に加え比較的遠距離の撮像対象の夜間赤外照明の発光装置は通常の常時発光では、その電力消費は多大であり装置的にも大型と成らざるを得ない。
【0007】
発光器の省電力、小型化の方法として、所謂ストロボ発光による方法が実用化されているが、これをビデオカメラにも適応させることが必要となる。
【0008】
以上のように、カメラ撮像対象のアングルフレームの自動補足、光量補正の発光器の照明範囲部の把握、光環境を乱すことが無い省電力小型発光器を同時に実現することは困難であった。本発明は比較的距離の離れた対象物に対し自在に照射方向を可変可能な発光器と連携し撮像対象を自動的かつ的確に捉える撮像カメラ装置の提供を目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−128932号公報
【特許文献2】特開2008−507229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は比較的距離の離れた対象物に対し自在に照射方向を可変可能な発光器と連携し撮像対象を自動的かつ的確に捉えるビデオカメラ用撮像装置の提供を目的とする。
【0011】
また、本発明では、発光器の方向とビデオカメラの方向を検出するエンコーダをそれぞれ有しそのデータを共有し、照明範囲と撮像範囲の位置関係を正確に保ちながら制御することにより目標対象物のスピーディかつ的確な補足機能を持ち、目標対象物の移動にも対応撮像できるビデオカメラ用撮像装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、パン方向及びチルト方向に回転制御可能な雲台上にビデオカメラを搭載したビデオカメラユニットと該雲台とは別のパン方向及びチルト方向に回転制御可能の雲台上に発光器を搭載する発光器ユニットと連携することを基本とし、ビデオカメラユニットはビデオカメラをパン方向及びチルト方向を回転する駆動機構とそれを制御する機能と、該ビデオカメラを制御する機能の制御部を持ち、発光器ユニットに映像信号とビデオカメラ制御情報を送出すると共に発光器ユニットからは発光タイミング情報と発光器ユニットのパン方向及びチルト方向を検出するエンコーダ情報を受け取りビデオカメラユニットのパン方向及びチルト方向を決定する。発光器ユニットはビデオカメラユニットより映像信号、ビデオカメラ情報を受け取り発光タイミングを設定する制御する機能と発光器のパン方向及びチルト方向を回転する駆動機構とそれを制御する機能と、該ビデオカメラユニットへ発光ユニットのパン及びチルト方向を検出するエンコーダ情報、発光器の発光タイミングを送出する機能の制御部を併せて持つ事によって行う。この方法によれば撮像及び照射対象を一致させることが出来る為移動体を容易に撮像可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1のビデオカメラユニット発光器ユニットをひとつの基台に固定する、ひとつの基台に固定する時ビデオカメラの光軸と発光器の照射光軸は互いに一致するように設定する。このときのビデオカメラユニットと発光器ユニットのパン方向及びチルト方向を検出するエンコーダ値をそれぞれのユニットのフォールト値とする。例えば発光器のパン方向及びチルト方向を変化したときの方向検出エンコーダ値をビデオカメラユニットに送出し、ビデオカメラのパン方向及びチルト方向を発光器ユニットbエンコーダ値を一致させるように制御すれば容易にビデオカメラの光軸と発光器の光軸を同一方向に向け、照射範囲とビデオカメラのアングルフレームの迅速かつ正確に一致させる事が出来る。請求項1でもそれぞれの光軸を一致させることは可能であるが請求項2の方法はより簡便に達成できる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、発光器ユニットを直列に結線することによりビデオカメラユニットからの映像信号に同期した発光タイミングで発光することが可能となる。例えば2台の発光器を用い、同一方向に照射すれば2倍の照射光量を得ることができ、照射角の値だけエンコーダ値を制御することによりパンまたはチルト方向を移動させれば2倍の照射範囲を得ることができる。このように複数の発光器ユニットを用いることにより照射光量や照射範囲を得ることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、夜間に可視光を発光させることは光環境を乱す事につながる為、非可視光の赤外光を照射すると同時にその発光時間を小さくすることで発光素子への駆動流通角を減らし省電力と短時間の強い発光の両者を得る事ができる。比較的距離のある対象物の撮像には照射角を制限することが照射効率上有効である。0.2radの照射角の発光器は50mの距離で照射範囲は10mとなり、セキュリティ上の撮像には十分となる。例としてビデオカメラの撮像素子のサイズが1/3インチであるときは0.2radであれば撮像レンズの焦点距離は30mmとなる。撮像レンズの焦点距離と照射範囲には密接な関係がある。例として50mの距離で撮像範囲は5mで良いと判断されるときは照射角は0.1radで撮像素子サイズ1/3インチであるときの最適のレンズ焦点距離は60mmとなる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、ビデオカメラのシャッタースピードと発光時間の関係を示したもので、発光時間を短くすればストロボ効果によって高速移動体であってもほぼ静止画として捕らえることができる。例えば発光時間を1msec、ビデオカメラのシャッター時間を2msecとし、シャッター開口時間に合わせ発光時間を同期させる事が可能であり、高速移動体を画像ぶれを少なくして撮像可能となる。
【0017】
なお構成要素の任意の組み合わせ、本発明に基づく装置を他の方法への応用など発明の趣旨の範囲で他の態様としても有効である。
【発明の効果】
【0018】
このような請求項1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5の発明の構成によるたカメラ撮像装置では、セキュリティカメラに要求される希望するアングルフレーム取得機能とカメラ映像には必須の照明機能を比較的距離のある撮像対象を昼夜問わず達成し、しかも発光器による照射範囲とビデオカメラによる撮像範囲を連携して自動的に得られる事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】 本発明の発光器ユニットの構造図である。
【図2】 本発明の寂光器ユニットのパン動作の説明図である。
【図3】 本発明の寂光器ユニットのチルト動作の説明図である。
【図4】 本発明のビデオカメラユニットの構造図である。
【図5】 本発明のビデオカメラユニットのパン動作の説明図である。
【図6】 本発明のビデオカメラユニットのチルト動作の説明図である。
【図7】 本発明の構成例である。
【図8】 本発明の構成例である。
【図9】 本発明の構成例である。
【図10】 本発明の発光器ユニット制御部及びビデオカメラユニットの制御部の構成例である。
【図11】 本発明の発光ユニット2台とビデオカメラユニットを組み合わせた例の構成例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(実施の形態1)
次に、本発明を具体化した実施形態を図に基づいて説明する。図1は本発明に係る発光器ユニット100の構成図で、発光素子102を前面に配する発光器101はチルト軸103を介してチルト部ベース104に連結されることでチルト回転可能名構造を持つ。チルト回転部はパン回転軸105と連結しパン回転軸105はベース106と回転可能構造で結合される。なお。図1では回転駆動部、回転検出エンコーダは図示していない。図は説明の都合上模式的に描いてある。
【0021】
図2及び図3は発光器湯にとの発光器101のパン回転及びチルト回転を図示しているパン回転角107をθps、チルト回転角108はθtsと表示する。
【0022】
(実施の形態2)
図4は本発明に係るビデオカメラ200の構成図で、レンズ202を前面に配するビデオカメラ201はチルト軸203を介してチルト部ベース204に連結されることでチルト回転可能名構造を持つ。チルト回転部はパン回転軸205と連結しパン回転軸205はベース206と回転可能構造で結合される。なお。図4では回転駆動部、回転検出エンコーダは図示していない。図は説明の都合上模式的に描いてある。
【0023】
図5及び図6は発光器湯にとのビデオカメラ201のパン回転及びチルト回転を図示しているパン回転角207をθcs、チルト回転角208はθcsと表示する。
【0024】
(実施の形態3)
図7は本発明例で発光ユニット100とビデオカメラユニット200はベース106,206に配されたコネクタ109,209を介して結合ケーブル111で連結され、発光ユニットとビデオカメラユニットのデータ連携を行っている。
【0025】
(実施の形態4)
図8は本発明例で発光ユニット100とビデオカメラユニット200はベース106,206に配されたコネクタ109,209を介して結合ケーブル111で連結され、発光ユニットとビデオカメラユニットのデータ連携を制御部(PC)300を介して行っている。400派表示部である。
【0026】
(実施の形態5)
図9は本発明例で発光ユニット100とビデオカメラユニット200はひとつの基台210の固定されベース106,206に配されたコネクタ109,209を介して結合ケーブル111で連結され、発光ユニットとビデオカメラユニットのデータ連携を行っている。このときの発光器の照射光軸とビデオカメラの光軸は一致するように基台210に締結される
【0027】
(実施の形態6)
図10発光器ユニット制御部500とビデオカメラユニット制御部600の構成図である。発光器ユニット500は発光器部分として発光素子501を駆動する素子駆動502とその発光タイミングを生成する生成部503によって成る。発光器部分はメカ的にチルト駆動部503及びパン駆動部506と結合すると同時に制御部508とも電気的結合している。チルト駆動の回転角エンコーダ505及びパン駆動の回転角エンコーダ507を持つ。発光ユニット制御部508はビデオカメラユニット600とはそれぞれのユニットデータを結線ケーブル700と結合連携する。それぞれのユニット同士のデータの発明例としてはビデオユニットの制御部をメイン、発光器ユニットの制御部をサブとして、ビデオカメラユニットの制御部出力として映像信号、発光タイミング設定、パンチルト制御とビデオカメラ状態情報を、発光器ユニットからビデオカメラユニットへの入力として発光器の状態情報、パン/チルト情報、発光タイミング情報を得る。この形態の制御構成例によって発光器ユニットとビデオカメラユニットの連携が可能となる。
【0028】
(実施形態7)
図11は発光器ユニット100a、110bの2台を直列に結合した発明例である。このような構成により照射光量を2倍または照射範囲を2倍に出来る構成となる。これは2台だけでなく、より多数の発光器ユニットを直列に構成することも可能である。
【0029】
このような実施形態の発明の構成によるたカメラ撮像装置では、セキュリティカメラに要求される希望するアングルフレーム取得機能とカメラ映像には必須の照明機能を比較的距離のある撮像対象を昼夜問わず達成し、しかも発光器による照射範囲とビデオカメラによる撮像範囲を連携して自動的に得られる事が可能となる。
【符号の説明】
100 発光器ユニット
100a 発光器ユニット
100b 発光器ユニット
101 発光器部
101a 発光器部
101b 発光器部
102 発光素子部
102a 発光素子部
102b 発光素子部
103 発光器部のチルト軸
103a 発光器部のチルト軸
103b 発光器部のチルト軸
104 発光器部のチルト部ベース
104a 発光器部のチルト部ベース
104b 発光器部のチルト部ベース
105 発光器部のパン軸
105a 発光器部のパン軸
105b 発光器部のパン軸
106 発光器部のパン部ベース
106a 発光器部のパン部ベース
106b 発光器部のパン部ベース
107 発光器部のパン角度θps
108 発光器部のチルト角度θts
109 コネクタ
109a コネクタ
109b コネクタ
110 コネクタ
110a コネクタ
110b コネクタ
111 結線ケーブル
111a 結線ケーブル
111b 結線ケーブル
112 結線ケーブル
200 ビデオカメラユニット
201 ビデオカメラ部
202 レンズ
203 ビデオカメラ部のチルト軸
204 ビデオカメラ部のチルト部ベース
205 ビデオカメラ部のパン軸
206 ビデオカメラ部のパン部ベース
207 ビデオカメラ部のパン角度θpc
208 ビデオカメラ部のチルト角度θtc
209 コネクタ
210 基台
300 制御部(PC)
400 表示部
500 発光器ユニット制御部
501 発光素子
502 素子駆動部
503 発光タイミング生成部
504 チルト駆動部
505 チルト角度検出エンコーダ
506 パン駆動部
507 パン角度検出エンコーダ
508 制御部/演算部
600 ビデオカメラユニット制御部
601 ビデオカメラ
602 映像信号
603 ビデオカメラ制御部
604 チルト駆動部
605 チルト角度検出エンコーダ
606 パン駆動部
607 パン角度検出エンコーダ
608 制御部/演算部
700 結線ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パン方向及びチルト方向に回転制御可能な雲台上にビデオカメラを搭載したビデオカメラユニットと該雲台とは別のパン方向及びチルト方向に回転制御可能の雲台上に発光器を搭載する発光器ユニットにおいて、ビデオカメラユニットはビデオカメラをパン方向及びチルト方向を回転する駆動機構とそれを制御する機能と、該ビデオカメラを制御する機能の制御部を持ち、発光器ユニットに映像信号とビデオカメラ制御情報を送出すると共に発光器ユニットからは発光タイミング情報と発光器ユニットのパン方向及びチルト方向を検出するエンコーダ情報を受け取りビデオカメラユニットのパン方向及びチルト方向を決定することを特徴し、発光器ユニットはビデオカメラユニットより映像信号、ビデオカメラ情報を受け取り発光タイミングを設定する制御する機能と発光器のパン方向及びチルト方向を回転する駆動機構とそれを制御する機能と、該ビデオカメラユニットへ発光ユニットのパン及びチルト方向を検出するエンコーダ情報、発光器の発光タイミングを送出する機能を持つ制御部を持つ事を併せて特徴とするビデオカメラ装置。
【請求項2】
パン方向及びチルト方向に回転制御可能な雲台上にビデオカメラを搭載したビデオカメラユニットと該雲台とは別のパン方向及びチルト方向に回転制御可能の雲台上に発光器を搭載する発光器ユニットをひとつの基台上に固定する事を特徴とする請求項1に記載のビデオカメラ装置。
【請求項3】
パン方向及びチルト方向に回転制御可能な雲台上にビデオカメラを搭載したビデオカメラユニットと該雲台とは別のパン方向及びチルト方向に回転制御可能の雲台上に発光器を搭載する発光ユニットを複数直列に配置することを特徴とする請求項1に記載のビデオカメラ装置。
【請求項4】
該発光器ユニットの発光器は中心波長800nm以上の赤外光であり、発光時間は16msec以下かつ照射角は0.2rad以下である請求項1または請求項2または請求項3に記載のビデオカメラ装置。
【請求項5】
発光器ユニットの発光時間はビデオカメラユニットのビデオカメラのシャッタースピードの1/2以下であることを特徴とする請求項記載2または請求項4に記載のビデオカメラ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−120186(P2011−120186A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293306(P2009−293306)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(508129399)アドバス株式会社 (9)
【Fターム(参考)】