説明

ビデオケーブルにおける接地線の自動検知

【課題】ビデオケーブルにおける接地線の自動検知のための方法およびシステムを提供すること。
【解決手段】ビデオケーブル内の接地線を決定する方法であって、該ビデオケーブルは、左オーディオ線、右オーディオ線、第三の線および第四の線を含み、該方法は、該第三または第四の線のうちの1つを接地参照電圧に接続することと、高周波数信号を該第三または第四の線の他方を介して送信することと、該左オーディオ線または該右オーディオ線の出力電圧を測定することと、該接地線を測定された出力に基づいて決定することとを含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体的にケーブル検知に関する。より具体的には、ビデオケーブルにおける接地線の自動検知のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルデバイス使用は、デバイス内に継続的に取り込まれる新たな用途および機能性と共に、数年にわたって増え続けている。これらの新たな用途および機能性の導入は、それらの用途および機能性に関連付けられた新たな要件を扱うために、デバイス自体が更新されることを要求する。
【0003】
いくつかの新たな用途または機能性において、ビデオケーブルのようなケーブルが、これらの用途または機能性の有用性を完全に向上させるために必要である。ビデオケーブルをデバイスに接続するために、ビデオケーブルは、一般的にジャックの挿入を介してデバイスポートへ接続される。現在、モバイルデバイスは、デバイスと互換性があるように設計されているビデオケーブルを受け取るように設計されている。そのため、ユーザーは、特定のデバイスのために設計されているビデオケーブルおよび関連するハードウェアを用いることに制限されており、デバイスは、他のビデオケーブル(および関連する周辺装置)と情報交換するために用いることはできない。ジャックを介してビデオをサポートする場合、複数のケーブルタイプをサポートすることが有意義である。
【0004】
ビデオケーブルの使用は、ケーブルが正しく動作することを可能にするために、接地線が決定されることを要求する。この文脈において、接地は、必ずしも地電位ではなく、「接地線」は、電気的にアースに接続される必要はない。むしろ、接地は、基本的には、他の電圧に対して実質的に一定である参照電圧に維持されるノードを意味する。左/右/GND/ビデオまたは左/右/ビデオ/GND接続を有するビデオケーブルがモバイルデバイスに接続された場合、接地線が正しく選択され得ることは確かではない。実際、一般的には接地線を表し得る2つの線があり、そのため、正しい線が選択されるのは五分五分の見込みであり得る。デバイスが正しく接地されなかった場合、信号は、ビデオケーブルを介しては送信されることができず、そのため、ケーブル(および接続された周辺装置)の動作は利用不可能となり、ユーザーに利用可能なビデオはなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、ビデオケーブルにおける接地線の自動検知のためと、ケーブル自体の検知のためとの方法および装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(概略)
一局面において、信号生成器、幅広いバンド幅を有するプリアンプ、閾値検知器および正しい接地線を検知および正しく選択するためのスイッチマトリックスが提供され得る。ケーブル自体は、スイッチマトリックスの使用なしまたは使用ありで検知され得る。
【0007】
別の局面において、信号生成器、幅広いバンド幅を有するプリアンプおよびケーブル自体の存在を検知するための閾値検知器が提供され得る。
【0008】
さらに別の局面において、ビデオケーブル内の接地線を決定する方法が提供され得る。ビデオケーブルは、左オーディオ線、右オーディオ線、第三の線および第四の線を含む。方法は、第三または第四の線のうちの1つを接地に接続することと、高周波数信号を第三および第四の線の他方を介して送信することと、左オーディオ線または右オーディオ線の出力を測定することと、接地信号線を測定された出力に基づいて決定することとを含む。
【0009】
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
ビデオケーブル内の接地線を決定する方法であって、
該ビデオケーブルは、左オーディオ線と、右オーディオ線と、第三の線と、第四の線とを含み、
該方法は、
該第三の線または第四の線のうちの1つを接地参照電圧に接続することと、
高周波数信号を該第三の線または第四の線の他方を介して送信することと、
該左オーディオ線または該右オーディオ線の出力電圧を測定することと、
該接地線を測定された出力に基づいて決定することと
を含む、方法。
(項目2)
第三または第四の信号線のうちの1つを上記接地参照電圧に接続する前に、上記ビデオケーブルの存在を検知することをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目3)
上記測定された出力電圧が上記高周波数信号の出力電圧におおよそ等しい場合、上記接地線は、該高周波数信号が介して送信された線として決定される、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目4)
上記測定された出力電圧が上記高周波数信号の電圧より低い場合、上記接地線は、上記接地参照電圧に接続された線として決定される、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
上記接地線を決定することは、
上記測定された出力を状態機械に送信することと、
該状態機械の出力を受信することと、
どの線を介して上記高周波数信号が送信されたかを決定することと
を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
上記状態機械の出力が1の場合、上記高周波数信号が介して送信された線は、上記ビデオ線として決定される、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
上記状態機械の出力が0の場合、上記高周波数信号が介して送信された線は、上記ビデオ線として決定される、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
ケーブル内の接地線を該ケーブルがモバイルデバイス通信ポートへ挿入された場合に検知するように適合されているシステムであって、
該ケーブルは、左オーディオ線と、右オーディオ線と、第三の線と、第四の線とを含み、
該システムは、
スイッチマトリックスおよびジャック検知と、
ピンポートのセットであって、該ピンポートのセットは、該スイッチマトリックス内に配置され、該スイッチマトリックスは、該左オーディオ線、該右オーディオ線、該第三の線および該第四の線を受け取るように適合されている、ピンポートのセットと、
AC信号を送信するように適合されている信号生成器と、
検知器のセットであって、該検知器のセットは、該左オーディオ線および該右オーディオ線の出力を該AC信号の送信に応答して検知するように適合されている、検知器のセットと、
プロセッサであって、該プロセッサは、該接地線を該検知器によって検知された出力に基づいて検知するように適合されている、プロセッサと
を含み、ケーブルが検知された後、該第三の線または第四の線のうちの1つは、接地参照電圧に接続され、該AC信号は、該第三の線または第四の線の他方を介して送信される、システム。
(項目9)
上記ピンポートのセットは、上記ケーブルの存在を検知するためのポートを含む、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目10)
上記ケーブルの存在は、上記信号線のうちの少なくとも1つと上記接地参照電圧との間の該ケーブルの寄生静電容量を測定することによって検知される、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目11)
上記ケーブルの存在は、少なくとも2つの信号線の間の該ケーブルの寄生静電容量を測定することによって検知される、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目12)
状態機械であって、該状態機械は、上記検知器のセットからの出力を受信し、該出力の結果を上記プロセッサに送信する、状態機械をさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目13)
状態機械であって、該状態機械は、上記スイッチマトリックスおよびジャック検知をセットアップし、出力を上記プロセッサに信号送信する、状態機械をさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
【0010】
(摘要)
本開示は、ビデオケーブル内の接地線を決定する方法を提供する。ビデオケーブルは、左オーディオ線、右オーディオ線、第三の線および第四の線を含む。方法は、第三または第四の線のうちの1つを接地に接続することと、高周波数信号を第三および第四の線の他方を介して送信することと、左オーディオ線または右オーディオ線の出力を測定することと、接地線を測定された出力に基づいて決定することとを含む。
【0011】
ここで本発明の実施形態が例としてのみ、添付の図を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、モバイル通信デバイスの概略図である。
【図2】図2は、モバイル通信デバイスのより詳細な概略図である。
【図3】図3は、ビデオケーブルにおける接地線の自動検知のためのシステムの概略図である。
【図4a】図4aは、ビデオケーブルにおける接地線の自動検知のためのシステムに対する応答の概略図である。
【図4b】図4bは、ビデオケーブルにおける接地線の自動検知のためのシステムに対する応答の概略図である。
【図4c】図4Cは、ビデオケーブルにおける接地線の自動検知のためのシステムに対する応答の別の概略図である。
【図5】図5は、ビデオケーブルにおいて接地線を検知する方法を概説するフローチャートである。
【図6a】図6aは、ケーブルの自動検知の概略図である。
【図6b】図6bは、ケーブルの自動検知の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(詳細な説明)
本開示は、複数の接地構成の間において接地線を決定するために、ビデオケーブルの寄生特質を用いる方法およびシステムに関する。このようにして、いずれかのビデオケーブルがモバイル通信デバイスへ挿入され得、デバイスと互換性を有するように特に設計されているビデオケーブルである必要がない。
【0014】
図1を参照すると、モバイル通信デバイスの概略図が示される。モバイル通信デバイス10は、ディスプレイスクリーン14、キーボード/キーパッド16、ボタン18のセットおよびトラックボール20を含む本体12を有する。トラックボール20は、ユーザーによって動作されるポイントまたは入力デバイスを表し、それらは、また、ジョイスティック、スクロールホイール、ローラーホイール、マウスまたはタッチパッドなど、ならびに別のボタンとして示され得ることを理解されたい。デバイス10は、示されていないか、または説明されない他のパーツを含むことも当業者によって理解されたい。モバイル通信デバイス10は、また、ジャックを受け取る少なくとも1つのポートを含むが、このことは、図1において示されていない。
【0015】
図2を参照すると、モバイル通信デバイス10は、通信デバイス10内に統合されているチップ32に接続されるコントローラー30またはプロセッサをさらに含む。電圧源のような信号生成器33もチップ32に接続される。チップ32は、ビデオケーブルのようなケーブル40に関連付けられているジャック38を受け取るポート36に統合されているスイッチマトリックスおよびジャック構成検知部分34を含む。スイッチマトリックス34は、ジャック38内の対応するワイヤー44によって信号を受信および送信する複数の個々の入力および出力ポート42を含む。ピンポートPIN5入力は、プラグまたはジャック38が挿入された場合、ケーブルの挿入を、機械スイッチを開くこと、または閉じることによって検知する。ピンポートPIN5が壊れているか、またはない場合、ケーブル自体の挿入を、下でさらに詳細に説明されるように、ケーブル自体の静電容量を検知することによって、検知することが可能である。また、下で述べるように、(ピンポートと信号線との間のような)1つ以上の接触が接続され得る。この文脈において、「接続される」は、必ずしも、物理的な接触または近接を指すのではなく(しかし、接触は互いに物理的に近くあり得るか、または触れ得る)、電気接続を指す。一方の接触における信号は、結果として他方の信号という結果になる。そのような電気接続は、別の接触への一方の接触の物理的関係を変更することによるよりも、むしろ、(例えば、スイッチマトリックス34によって)電流経路に影響することによって完了または壊され得る。
【0016】
ジャック38内のワイヤーまたは線44は、オーディオおよびビデオ線のような信号線を表し、1つのワイヤー44aは、右オーディオ線を表し、1つのワイヤー44bは、左オーディオ線を表し、次いで、1対の線44cおよび44dは、接地線およびビデオ線を提供する。どのようにビデオケーブル40がセットアップされるかに応じて、接地線は、ピンポートPIN3に接続された線44c上に提供され得、ビデオ線は、ポートピンPIN4に接続された線44d上に提供され得るか、またはその逆である。コントローラー30がビデオケーブル40と通信するために、1対の線のうちのどちらが接地線であり、1対の線のうちのどちらがビデオ線であるかを決定することが必要である。接地線は、接地参照電圧に接続される。
【0017】
接地線検知の一実施形態において、検知は、高周波数AC信号を信号線のうちの1つ上に送り出すことと、帰還信号を接地線上で受信することとによって達成されるか、またはその逆によって達成される。ケーブルの存在は、信号生成器とプリアンプとの間の異なる伝達関数という結果を生じる。また、デバイス内の寄生構成要素または電磁干渉(EMI)フィルタリング構成要素があり得、それらの構成要素は、ケーブルが存在しない場合ですら、出力信号を生ずる。そのため、閾値が図3に対する例において示されるように、応じて選択される必要がある。あるいは、ジャック38は、単一のプロングであり得、ワイヤー44は、ジャックプロングを囲むリングとして実装される。
【0018】
図3を参照すると、ビデオケーブルにおける接地線の自動検知のための装置の構成要素のさらに詳細な概略が示される。みられ得るように、ジャック38内のワイヤー44のうちの3つが概略的に例示され、接地シールド50が各ワイヤーを取り囲む。これらの取り囲まれたワイヤーは、ビデオまたはオーディオ信号のうちの一方を送信するワイヤーである。理解されるように、線44cおよび44dに対して、ビデオケーブルの観点から、接地線が線44cであり、ビデオ線は、44dである。しかし、モバイル通信デバイスの観点から、ビデオケーブルは異なる内部実装を有するので、接地線は、ピンポートPIN3に接続されているのか、またはピンポートPIN4に接続されているのかは分からない。
【0019】
接地シールド50は、接地シールドワイヤー52を介して一緒に連結され、接地シールドワイヤー52は、接地シールド50の各々を一緒に電気的に接続する。接地シールド50は、ワイヤーに対して保護を提供し、信号を接地する導管または導体として機能する。
【0020】
検知器54は、ワイヤー44aおよび44bの出力に接続され、(下でさらに詳細に述べられるように)線44cまたは44dを介して送信された信号に応答して、ワイヤーを介して送信されている信号を監視する。検知器54は、モバイルデバイス内の別々の構成要素であり得るが、好ましくは、チップ32上に実装される。各検知器54は、状態機械56に接続され、好ましくは、チップ32上に配置され、検知器54によって記録された測定値を表す信号を送信する。検知器54は、信号のいずれのタイプの電気特性を検知または測定し得る。好ましい実施形態において、検知器54は、電圧を測定する。コントローラー30内に実装され得る状態機械56は、検知器54によって検知された信号の結果をコントローラー30に送信し、その結果、コントローラーは、線44cまたは44dのうちのどちらが接地線であり、どちらがビデオ線であるかを決定し得る。一般的に、状態機械56は、検知器54から入力を受信する決断回路であり、どのようなコンディションがそれらの入力によって表されているか(例えば、特定の状態が存在するか、または存在しないか)を決定し、次いで、信号をその決断の関数としてコントローラー30に送信する。
【0021】
接地シールド50は、互いに連結され、そのため、ある特性がシステムに内在する。示されるように、線44dは、接地シールド50から隔離される。
【0022】
図4aおよび図4bを参照すると、線44aおよび44bからの、線44cまたは44dのうちの一方を介したAC信号のような高周波数信号の送信への応答の概略図が示される。この開示において、何が「高周波数」信号になり得るかということに関する上限または下限は存在しないが、概して、高周波数信号は、一般的に下で説明されるようなさまざまな静電容量によって測定が影響されるのに実質的に十分高い信号である。高周波数信号は、容易に高周波数信号として検知され得る大きさの1つ以上の周波数構成要素をさらに有し得る。いずれかのビデオケーブル40がデバイス10へ挿入された場合、ビデオケーブルは、ある寄生特性を有し、寄生特性は、(モバイルデバイス10の観点から)線44cおよび44dのうちのどちらが接地線であり、どちらがビデオ線であるかを決定するのを助けるために用いられ得る。
【0023】
図4aおよび図4bは、約3メートルのケーブル長さを想定して、高周波数信号が(ビデオケーブルの観点から)接地線またはビデオ線のうちの1つを介して送信された場合、オーディオ線44aおよび44bにおける予測される測定値を示す2つの概略図を示す。負荷は、ビデオケーブルの静電容量よりも非常に小さいので、ほとんど全電圧が負荷において観察または検知され得る。図4cは、図4bの単純化された概略を提供する。
【0024】
線44cまたは44dのうちの1つを接地することと、次いで、AC信号を2つの線のうちの他方を介して送信することとによって、AC信号に応答したインピーダンスは、(デバイスの観点から)接地線をビデオ線から区別するために用いられ得る。AC信号を(ビデオケーブルの観点から)実際のビデオ線を通して送信することと、(ビデオケーブルの観点から)接地線を接地させることとによって、非常にわずかな信号がオーディオ線44aまたは44bに漏出する。なぜなら、寄生要素は、図4aにおいて概略的に示されるように、比較的小さいからである。
【0025】
あるいは、AC信号を(ビデオケーブルの観点から)実際の接地線を通して送信することと、(ビデオケーブルの観点から)ビデオ線を接地することとによって、大きな振幅信号が図4bにおいて概略的に示されるように、両オーディオ線44aおよび44b上で観察または検知され得る。
【0026】
このことに対する理由は、全ての3つの接地シールド50またはシールドされた接続は、同じ接地接続素を共有するからである。低静電容量プリアンプのような(これに限定されない)ビデオケーブル内の負荷の観点から、オーディオ線44aおよび44bの出力または出力電圧を測定することによって、信号が(ビデオケーブルの観点から)接地線を介して送信された場合、強く信頼できる信号が得られ得る。
【0027】
観察または検知される、オーディオ線44aまたは44bを介した出力電圧または信号は、
Vout=Vsource*Ccable/(Ccable+Cpre_amp)
として計算され得、ここで、Vは、電圧を表し、Cは、静電容量を表す。
【0028】
Ccable>>Cpre_ampに対して、Voutは、Vsourceにほぼ等しい。つまり、検知が容易な強い信号にほぼ等しい。
【0029】
例として、実験テスト中、1MHzの周波数(より低い周波数またはより高い周波数も用いられ得る)における100mV AC信号が信号生成器33および3メートルの長さのビデオケーブル40によって生成され、(ビデオケーブルの観点から)ビデオ線が接地され、信号が(ビデオケーブルの観点から)接地線を介して送信された場合、97mV信号は、15pFプローブおよび約450pFの静電容量を有するケーブルを用いて観察または検知される。実験は、2メートルのケーブルを用いて繰り返され、実質的に同じ結果が得られた。
【0030】
実施において、プリアンプは、20pFより小さい(PCB浮遊容量を含む)一般的な入力静電容量を有するCMOSに実装され得る。いずれかのDCオフセット問題を取り除くためにプリアンプの前または後に信号は、AC源自体に組み合わせられ得る。AC信号が高い大きさを有する場合、この工程を実行する必要はない。
【0031】
さらに別の構成において、線は、デジタルオーディオ信号および2つのビデオ出力を表し得る。ここで、ケーブル自体が静電容量検知によって検知される。
【0032】
図5を参照すると、ビデオケーブルにおける自動接地線検知の方法を概説するフローチャートが示される。動作において、ビデオケーブルの観点から、ビデオ信号は、一般的にビデオ線を介して送信される。しかし、ビデオケーブルジャックがモバイルデバイスのポートへ挿入された場合、どのPINポートに(モバイル通信デバイスの観点から)ビデオ信号線が接続されているかは、常には分からない。ビデオ線は、ピンポートPIN3またはピンポートPIN4のうちのどちらか一方に接続され得る。このことは問題である。なぜなら、ビデオ信号は、接地線を介して送信されない場合があり、そのため、どのピンポートを介して、ビデオ信号が送信されることになるのか、換言すると、ビデオ線に接続されているピンポートはどれかを確かめるために決定が要求される。
【0033】
個々の線44が関連するピンポートに接続されるポートへのビデオケーブルのジャックの挿入が検知100されると、方法が始められる。一実施形態において、このことは、スイッチマトリックスおよびジャック構成検知34のピンポートPIN5上のジャック38の存在を検知することによって達成される。あるいは、内部デバイスロジックがジャックが挿入されるときをケーブル自体の静電容量に基づいて決定することを助け得るか、または決定し得る。
【0034】
上で述べたように、ジャックがポートへ挿入された場合、スイッチマトリックス34におけるピンポート42の各々に対応するジャック内に線がある。一般的に、ピンポートPIN1およびピンポートPIN2は、左オーディオおよび右オーディオとして特性付けられるオーディオ線44aおよび44bを受け取り、ピンポートPIN5は、ジャック自体の存在を検知するために用いられる。ピンポートPIN3およびPIN4に関して、これらのピンポートのうちの1つは、接地線に接続され、他方は、ビデオ線に接続される。
【0035】
ジャックの存在が検知100された後、ピンポートPIN3またはピンポートPIN4のうちの1つが、線を接地参照電圧に接続することによって接地102し、次いで、AC信号(好ましくは、高周波数)がピンポートPIN3またはピンポートPIN4のうちの他方上の信号生成器によって送信104される。好ましい実施形態において、AC信号は、信号生成器33によって生成される。次いで、高周波数信号がビデオケーブル40を通して伝送される。理解されるように、AC信号は、他の信号が予期されるが、正弦波または矩形波であり得る。
【0036】
AC信号の送信は、測定された出力電圧として測定された信号に応答して、左右オーディオ線上の活性という結果になる。次いで、オーディオ線(線44aおよび44b)を介して送信された信号は、ピンポートPIN1およびピンポートPIN2を介して検知器54によって検知または読まれる106。測定に最小限に影響するために測定値が取られた場合、オーディオ線44aおよび44bは、高インピーダンス(3状態)モードのままである。
【0037】
これらの測定値から、接地線は決定108され得る。高周波数信号がビデオ線を介してまたは通して送信された場合、AC信号は非常にわずかにオーディオ線44aおよび44bに連結するので、ピンポートPIN1およびピンポートPIN2上の示度または測定値が低い(例えば、元々のAC信号の30%よりも小さいまたはシステムの寄生構成要素に関連付けられた閾値内)場合、高周波数信号が介されて送信されるピンポートは、(モバイルデバイスの観点から)ビデオ線に接続するものとして指定される。あるいは、AC信号は、接地線を通したオーディオ線44aおよび44bへの非常に良好な連結を有するので、ピンポートPIN1およびピンポートPIN2からの示度が高い(例えば、元々のAC信号の30%より大きいまたはシステムの寄生構成要素に関連付けられた閾値内)場合、高周波数信号が介して送信されるピンポート線は、(モバイルデバイスの観点から)接地線に接続されるものとして指定される。
【0038】
状態機械の一実施形態において、両検知器54からの測定された電圧信号が(送信されたAC信号を参照して)ある閾値の上の場合、状態機械は、これらの信号を受け入れ、信号を、線44cまたは44dのうちのどちらが接地線またはビデオ線110かを示すプロセッサに送信するか、もしくは接地線およびビデオ線をプロセッサからの干渉なしに識別するようにスイッチマトリックスを直接構成する。状態機械56は、また、単にコンディションが満たされたことを確認し得る。プロセッサは、割り込み、またはイベントを信号発信する論理ピンによってピン選択のステータスを受け取り得るか、もしくはプロセッサは、ステータスを尋ねるようにデバイスにポーリングし得る。どちらかの場合において、正しい接地選択が状態機械またはプロセッサによって自動的になされ得る。閾値より低いいずれかの測定された電圧信号は、状態機械によって排除され、信号は、線44cまたは44dのうちのどちらが接地線またはビデオ線であるかを示すコントローラーに送信される。理解されるように、状態機械は、閾値の下の信号を受け入れ、閾値の上の測定された電圧信号を排除するのと反対の態様で、セットアップされ得る。みられ得るように、示度間の差異(<1%対>95%)によって、他の閾値が選択され得るが、元々の信号値の30%のような閾値がエラーのマージンを許容するように選択され得る。一実施形態において、状態機械がシステム構成要素の静電容量によって誤って起動されずに、外部ケーブルからの示度によってのみ起動されるために、閾値が選択されるよう閾値は、浮遊容量、EMIフィルタリング構成要素などのような外部寄生構成要素に依存し得る。このことは、また、信頼可能に検知されるために、外部ケーブルに対する最小長さを設定する。あるいは、他の閾値が選択され得、ソフトウェアにおいて実行された選択または閾値は、ソフトウェアにおいて複数の閾値を実装することによって最適化され得る。
【0039】
信号を状態機械から受信した後に、コントローラーまたはプロセッサは、ピンポートPIN3ポートまたはピンポートPIN4ポートのうちのどちらがビデオ線に接続されたかを、状態機械からの結果および、どちらのピンポートを介して高周波数AC信号が元々送信されたかを理解することに基づいて決定し得、次いで、信号は、ケーブルと情報交換するために、それに応じてデバイスによって送信され得る。
【0040】
図6aおよび6bを参照して、自動ケーブル検知の概略図が示される。ビデオケーブル内の接地線を自動的に検知する能力を有することと共に、図3において示されるシステムは、また、ケーブルがモバイル通信デバイスへ挿入された場合、ケーブルの検知を助けるために用いられ得る。
【0041】
ケーブル自体の存在を、信号生成器とケーブルに接続されたプリアンプとの間の伝達関数を測定することによって検知することが可能である。このことは、出力端末に対するインピーダンス負荷を検知する方法としてみることも可能である。
【0042】
負荷がかけられていない線は、
Vout=Cpar/(Cpar+Cpre_amp_in)*Vsignalの信号を送信し、ここで、Vsignalは、信号生成器の大きさであり、Voutは、出力信号であり、Cparは、寄生静電容量であり、Cpre_amp_inは、プリアンプの入力静電容量である。出力ポート/端末がケーブル静電容量を用いて負荷をかけられた場合、式は、
Vout=(Cpar+Ccable)/(Cpar+Ccable+Cpre_amp_in)へ変更され、ここで、Ccableは、ケーブル静電容量である。この変化を検知することが可能である。なぜなら、後者の値は、常に最初の出力電圧よりも大きいからである。
【0043】
そのため、ケーブルが接続されたか否かを決定するために、信号が信号生成器33によってスイッチマトリックスおよびジャック検知部分34に送信される。ケーブルの存在の存在または不在は、状態機械またはプロセッサ自体によって、プリアンプからの出力レベルを測定することにより監視され得る応答信号を提供する。
【0044】
低信号示度がプロセッサによって検知された場合、プロセッサは、ケーブルが現在モバイル通信デバイスに差し込まれていないことを決定または確認し得る。あるいは、高周波数信号示度がプロセッサによって検知された場合、プロセッサは、(上で概説されたように)ケーブルの存在を確認し得、次いで、信号線のどちらが接地線を表すかを決定するために進み得る。
【0045】
このシステムは、ヘッドセット検知スイッチのような他のデバイスハードウェアが壊れたか、または存在しない場合、ケーブルの存在を検知する別の方法を提供する。
【0046】
一般的に、ヘッドセットインターフェース線に接続されたチップは、ケーブルを検知し、次いで、注意が必要であることを示すためにプロセッサに割り込みを信号送信する。次いで、プロセッサは、ヘッドセットチップに問い合わせし、ケーブルが差し込まれていることを識別する。ケーブルに対するテストは、電流消費を最小化し、ユーザーに適度な応答時間を提供するために、約500msの範囲の周期的間隔でなされ得る。テストは、挿入検知ピンポート(PIN5)を実装し得るか、または、このピンポートが機能していないか、またはない場合、若干電力消費が増える犠牲を伴なって、それ自体によって用いられ得る。
【0047】
前の説明において、説明の目的として、開示の実施形態の完全な理解を提供するために、数多くの詳細が記載された。しかし、これらの具体的な詳細の一部または全ては、開示を実施するために要求されない場合があることは、当業者には明らかである。他の例において、周知の電気構造および回路が開示を不鮮明にしないために、ブロック図の形態で示される。例えば、本明細書において説明された開示の実施形態がソフトウェアルーチン、ハードウェア回路、ファームウェアまたはそれらの組み合わせであるのかに関して、具体的な詳細は提供されない。
【0048】
上で説明した開示の実施形態は、例であることのみが意図される。修正、改変および変化例は、本明細書に添付の特許請求の範囲によってのみ規定される開示の範囲から逸脱することなしに、当業者によって特定の実施形態に対してもたらされ得る。本明細書で用いられた場合、用語「including」は、セットの限定ではなく、例示的群を示す。
【符号の説明】
【0049】
10 モバイル通信デバイス
12 本体
14 ディスプレイスクリーン
16 キーボード/キーパッド
18 ボタン
20 トラックボール
30 コントローラー
32 チップ
33 信号生成器
40 ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオケーブル内の接地線を決定する方法であって、
該ビデオケーブルは、左オーディオ線と、右オーディオ線と、第三の線と、第四の線とを含み、
該方法は、
該第三の線または第四の線のうちの1つを接地参照電圧に接続することと、
高周波数信号を該第三の線または第四の線の他方を介して送信することと、
該左オーディオ線または該右オーディオ線の出力電圧を測定することと、
該接地線を測定された出力に基づいて決定することと
を含む、方法。
【請求項2】
第三または第四の信号線のうちの1つを前記接地参照電圧に接続する前に、前記ビデオケーブルの存在を検知することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定された出力電圧が前記高周波数信号の出力電圧におおよそ等しい場合、前記接地線は、該高周波数信号が介して送信された線として決定される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記測定された出力電圧が前記高周波数信号の電圧より低い場合、前記接地線は、前記接地参照電圧に接続された線として決定される、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記接地線を決定することは、
前記測定された出力を状態機械に送信することと、
該状態機械の出力を受信することと、
どの線を介して前記高周波数信号が送信されたかを決定することと
を含む、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記状態機械の出力が1の場合、前記高周波数信号が介して送信された線は、前記ビデオ線として決定される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記状態機械の出力が0の場合、前記高周波数信号が介して送信された線は、前記ビデオ線として決定される、請求項5または請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ケーブル内の接地線を該ケーブルがモバイルデバイス通信ポートへ挿入された場合に検知するように適合されているシステムであって、
該ケーブルは、左オーディオ線と、右オーディオ線と、第三の線と、第四の線とを含み、
該システムは、
スイッチマトリックスおよびジャック検知と、
ピンポートのセットであって、該ピンポートのセットは、該スイッチマトリックス内に配置され、該スイッチマトリックスは、該左オーディオ線、該右オーディオ線、該第三の線および該第四の線を受け取るように適合されている、ピンポートのセットと、
AC信号を送信するように適合されている信号生成器と、
検知器のセットであって、該検知器のセットは、該左オーディオ線および該右オーディオ線の出力を該AC信号の送信に応答して検知するように適合されている、検知器のセットと、
プロセッサであって、該プロセッサは、該接地線を該検知器によって検知された出力に基づいて検知するように適合されている、プロセッサと
を含み、ケーブルが検知された後、該第三の線または第四の線のうちの1つは、接地参照電圧に接続され、該AC信号は、該第三の線または第四の線の他方を介して送信される、システム。
【請求項9】
前記ピンポートのセットは、前記ケーブルの存在を検知するためのポートを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ケーブルの存在は、前記信号線のうちの少なくとも1つと前記接地参照電圧との間の該ケーブルの寄生静電容量を測定することによって検知される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ケーブルの存在は、少なくとも2つの信号線の間の該ケーブルの寄生静電容量を測定することによって検知される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
状態機械であって、該状態機械は、前記検知器のセットからの出力を受信し、該出力の結果を前記プロセッサに送信する、状態機械をさらに含む、請求項8〜11のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
状態機械であって、該状態機械は、前記スイッチマトリックスおよびジャック検知をセットアップし、出力を前記プロセッサに信号送信する、状態機械をさらに含む、請求項8〜12のうちのいずれか一項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【公開番号】特開2012−173295(P2012−173295A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−34814(P2012−34814)
【出願日】平成24年2月21日(2012.2.21)
【出願人】(500043574)リサーチ イン モーション リミテッド (531)
【氏名又は名称原語表記】Research In Motion Limited
【住所又は居所原語表記】295 Phillip Street, Waterloo, Ontario N2L 3W8 Canada
【Fターム(参考)】