説明

ビデオゲーム処理装置、およびビデオゲーム処理プログラム

【課題】タッチパネルを用いたビデオゲームの操作性を向上させる。
【解決手段】ビデオゲームの進行に応じて表示装置の表示画面にオブジェクトを表示することでビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、ビデオゲーム処理装置100の筐体100Aにおける各面のうち複数の面にそれぞれ設けられた複数のタッチパネルを備え、複数のタッチパネルそれぞれのタッチ操作を受け付け、受け付けたタッチ操作が筐体100Aにおける何れの面に設けられたタッチパネルの操作であるかを判定し、表示画面13Aに表示されているオブジェクトに対して、表示画面13におけるタッチパネルの操作を受け付けたと判定した面側(例えば、右側タッチパネルRTの操作を受け付けたと判定した場合、右面側)からの所定の演出を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の表示画面にオブジェクトを表示してビデオゲームの進行を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、RPG(ロールプレイングゲーム:プレイヤがゲームの世界の中であるキャラクタの役割を演じ、様々な経験を通じて成長していく過程を楽しみながら、所定の目的を達成していくことを遊戯するゲーム)と呼ばれるビデオゲームやシミュレーションゲームなどの各種のビデオゲームが提供されている。
【0003】
このようなビデオゲームを行うためのビデオゲーム処理装置として、現在、タッチパネルを備えたものが提供されており、例えば、タッチパネルを備えた表示画面に選択ボタンを表示して、所定のイベント処理を実行し、ゲームの進行に応じて、表示した選択ボタンの表示形態を変更するように構成されたものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−019540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のビデオゲーム処理装置では、ゲーム画面を表示するために設けられた表示画面にタッチパネルが配設されているため、プレイヤにとっては、タッチ操作時に一部ゲーム画面が視認不能になるという問題があった。すなわち、プレイヤは、タッチ操作を行うために自分の指などで表示画面に触れる必要があるため、タッチ操作時に一部ゲーム画面を視認することができなかった。
【0006】
また、従来、タッチパネルは、プレイヤがビデオゲーム処理装置を把持したときにプレイヤと対面する位置(前面)に配設された表示画面にのみ備えられているため、ビデオゲームの設計者は、このようなタッチパネルの位置に合わせてプレイヤが快適に操作入力を行えるようにビデオゲームを設計する必要があり、プレイヤが直感的に操作可能なビデオゲームを提供できない場合があるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決すべく、タッチパネルを用いるビデオゲームの操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のビデオゲーム処理装置は、表示装置の表示画面にオブジェクトを表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、該ビデオゲーム処理装置の筐体における各面のうち複数の面にそれぞれ設けられた複数のタッチパネルと、該複数のタッチパネルそれぞれのタッチ操作を受け付けるタッチ操作受付手段と、該タッチ操作受付手段が受け付けたタッチ操作が前記筐体における何れの面に設けられたタッチパネルの操作であるかを判定するタッチ面判定手段と、前記表示画面に表示されているオブジェクトに対して、前記表示画面における前記タッチ面判定手段によって判定された面側からの所定の演出を実行する演出実行手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
上記の構成としたことで、タッチパネルを用いるビデオゲームの操作性を向上させることができるようになる。
【0010】
前記複数のタッチパネルのうち何れかのタッチパネルへのタッチ操作を要求するタッチ操作要求手段と、前記タッチ操作要求手段によってタッチ操作が要求されたタッチパネルが設けられている面と、前記タッチ面判定手段によって判定された面とが一致するか否かを判定する一致判定手段とを含み、前記演出実行手段は、前記一致判定手段が一致していると判定したことに応じて、前記所定の演出を実行する構成とされていてもよい。
【0011】
前記所定の演出は、表示画面における前記タッチ面判定手段によって判定された面側からの前記オブジェクトに対する攻撃を示す演出を含む構成とされていてもよい。
【0012】
前記タッチパネルは、前記筐体における前面、背面、右側面、左側面、上面、下面のうち少なくとも2箇所の面に設けられている構成とされていてもよい。
【0013】
また、本発明のビデオゲーム処理プログラムは、表示装置の表示画面にオブジェクトを表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置に動作制御させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記ビデオゲーム処理装置に、該ビデオゲーム処理装置の筐体における各面のうち複数の面にそれぞれ設けられた複数のタッチパネルそれぞれのタッチ操作を受け付けるタッチ操作受付処理と、該タッチ操作受付処理にて受け付けたタッチ操作が前記筐体における何れの面に設けられたタッチパネルの操作であるかを判定するタッチ面判定処理と、前記表示画面に表示されているオブジェクトに対して、前記表示画面における前記タッチ面判定処理にて判定した面側からの所定の演出を実行する演出実行処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、タッチパネルを用いるビデオゲームの操作性を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ビデオゲーム処理装置の筐体の構成の例を示す正面側斜視図である。
【図2】ビデオゲーム処理装置の筐体の構成の例を示す背面側斜視図である。
【図3】ビデオゲーム処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】操作情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図5】ゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【図6】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【図7】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【図8】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1及び図2は、本発明の一実施の形態を示すビデオゲーム処理装置100の筐体100Aの構成の例を示す説明図である。図1及び図2に示すように、ビデオゲーム処理装置100は、ビデオゲーム処理装置100の筐体100Aにおける各面のうち、前面、上面、右側面、背面、及び左側面に、それぞれタッチパネルが設けられている。また、本例においては、筐体100Aの上面には2つのタッチパネルが設けられている場合について説明する。以下、各面に設けられたタッチパネルをそれぞれ、前面タッチパネルFT、上面タッチパネルUT(左上面タッチパネルLUTと右上面タッチパネルRUT)、右側面タッチパネルRT、背面タッチパネルBT、及び左側面タッチパネルLTと呼ぶ。
【0018】
また、本例においては、前面タッチパネルFTのみゲーム画面を表示する表示部13(具体的には、表示部13の表示画面13A)に設けられている場合について説明するが、他の面においても、タッチパネルが各種画面を表示する表示装置に設けられた構成としてよい。すなわち、例えばビデオゲーム処理装置100の筐体100Aが、各面に、表示装置とタッチパネルとにより構成されるタッチスクリーンTSを備える構成としてもよい。
【0019】
図3は、ビデオゲーム処理装置100の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、ビデオゲーム処理装置100は、ゲームプログラム読取部10、制御部11、記憶部12、表示部13、音声出力部14、およびプレイヤ操作受付部15を含む。
【0020】
プログラム読取部10は、各種ビデオゲームプログラムが格納された記憶媒体を内蔵する記憶媒体から必要なビデオゲームプログラムを読み出す機能を有する。なお、本例においては、プログラム読取部10は、ビデオゲームプログラムが格納された着脱可能なゲームカートリッジ20を装着する装着部を有し、プレイヤ(ビデオゲーム処理装置100の操作者)により装着部に装着されたゲームカートリッジ20の記憶媒体からゲームプログラムを読み出し、記憶部12に格納する。なお、本例で用いられるビデオゲームプログラムに従って実行されるビデオゲームは、RPG、シミュレーションゲーム、パズルゲーム、バトルゲームなど、タッチパネルを利用可能なビデオゲームであればどのようなものであってもよい。
【0021】
制御部11は、プログラム読取部10により読み取られ記憶部12に格納されたゲームプログラムを実行し、プレイヤの操作に応じてビデオゲームを進行するための各種の制御を実行する機能を有する。
【0022】
また、制御部11は、特に、ビデオゲーム処理装置100の筐体100Aにおける各面のうち複数の面にそれぞれ設けられた複数のタッチパネルそれぞれのタッチ操作を受け付けるタッチ操作受付処理と、タッチ操作受付処理にて受け付けたタッチ操作が筐体100Aにおける何れの面に設けられたタッチパネルの操作であるかを判定するタッチ面判定処理と、表示画面13Aに表示されているオブジェクト(例えば、敵キャラクタNPC)に対して、表示画面13Aにおけるタッチ面判定処理にて判定した面側からの所定の演出を実行する演出実行処理とを実行するための機能を有する。
【0023】
記憶部12は、ビデオゲームを進行する際に必要なビデオゲームプログラムや各種のデータを記憶する記憶媒体である。記憶部12は、例えばRAMなどの不揮発性のメモリによって構成される。記憶部12には、ゲームの進行に従って登録・更新される各種の情報や、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体から読み出されたゲームにおいて使用される各種の情報が格納される。
【0024】
なお、ビデオゲーム処理装置100が、ビデオゲームプログラムを図示しないゲームプログラム提供サーバからインターネット等の通信ネットワークを介してダウンロードして記憶部12に格納する構成としてもよい。
【0025】
本例では、記憶部12は、プレイヤ操作受付部15が受け付ける操作入力に応じて実行する演出(例えば、キャラクタに対する攻撃など)を示す操作情報記憶部12aを含む。
【0026】
図4は、操作情報記憶部12aに記憶される操作情報の格納状態の例を示す説明図である。図4に示すように、操作情報は、タッチパネルの位置と、操作内容と、演出の内容とが対応付けされた情報である。操作内容としては、例えば図4に示すように、タップ(タップ操作)やドラッグ(ドラッグ操作)などのタッチパネルに対する基本的な操作内容に加え、特定のリズムでタップすることや、特定の軌跡を描くようにドラッグすることなど、制御部11が識別可能な各種操作内容を含む。なお、本例においては、タッチパネル上の略同じ位置を複数回連続してドラッグする操作を「撫でる」と呼ぶ。また、演出の内容としては、例えば図4に示すように、所定方向からの攻撃、味方キャラクタへの攻撃指示、味方キャラクタの鼓舞、味方キャラクタの回復などが考えられる。その他、演出の内容として、ペットなどのキャラクタを所定方向から撫でる動作なども考えられる。なお、操作情報は、表示部13の表示画面に表示されたビデオゲームの状況に対応して複数種類記憶されているものとする。すなわち、例えば、敵キャラクタとの戦闘シーンと味方キャラクタとの会話シーンとでは、同じ操作入力でも違う演出を実行することとなる。
【0027】
表示部13は、制御部11の制御に従って、プレイヤの操作に応じたゲーム画面を表示する表示装置である。表示部13は、例えば、液晶表示装置によって構成される。
【0028】
音声出力部14は、制御部11の制御に従って、プレイヤの操作やキャラクタの動作に応じた音声を出力する機能を有する。
【0029】
操作受付部15は、プレイヤ操作に応じた操作信号を受け付け、その結果を制御部11に通知する。本例においては、操作受付部15は、ビデオゲーム処理装置100の筐体100Aにおける各面に設けられたタッチパネルを介してプレイヤの操作を受け付けるために、前面タッチパネル操作受付部15a、背面タッチパネル操作受付部15b、右側面タッチパネル操作受付部15c、左側面タッチパネル操作受付部15d、上面タッチパネル操作受付部15eとを含む。また、図3には表れていないが、操作受付部15は、ビデオゲーム処理装置100の筐体100Aに配設された操作ボタン101,102介してプレイヤの操作を受け付けるためのボタン操作受付部を含むものとする。
【0030】
次に、本例のビデオゲーム処理装置100の動作について説明する。
【0031】
図5は、ビデオゲーム処理装置100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。ゲーム処理は、ゲームの進行に応じて所定の条件が成立した場合に、制御部11が、プレイヤAによる操作入力の受付を開始したときに開始される。ここでは、制御部11が、敵キャラクタとの戦闘シーンにおいてプレイヤAによる操作入力を受け付ける場合を例にして説明を行なう。なお、本発明に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。
【0032】
ゲーム処理において、制御部11は、先ず、所定の規則に従って、プレイヤAに対してタッチ操作を要求するタッチパネルを特定する(ステップS101)。なお、本例においては、制御部11は、ゲームの進行に応じて必要な規則を示す情報(例えば、プレイヤAが操作するプレイヤキャラクタと敵キャラクタとの戦闘シーンにおいてタッチ操作を要求するタッチパネルの特定するための所定の規則を示す情報)は、例えば戦闘開始の際にゲームプログラム読取部10を介して取得するものとする。なお、タッチパネルをランダム選択することによってタッチ操作を要求するタッチパネルを特定するようにしてもよい。
【0033】
タッチ操作を要求するタッチパネルを特定すると、制御部11は、特定したタッチパネルのタッチ操作をプレイヤに要求するタッチ操作要求画面を表示部13の表示画面13Aに表示する(ステップS102)。
【0034】
図6は、ビデオゲーム処理装置100の筐体100Aに設けられた表示部13の表示画面13Aに表示されたゲーム画面(タッチ操作要求画面)の例を示す説明図である。図6に示すように、本例においては、制御部11は、表示画面13Aに敵キャラクタNPCを表示して、敵キャラクタNPCの視界から外れた位置のタッチパネルに対するタッチ操作を要求する。すなわち、図6に示す例では、敵キャラクタNPCが左側を見ているため、上面タッチパネルUT、右側面タッチパネルRT、及び背面タッチパネルBTの何れかに対するタッチ操作を要求していることになる。
【0035】
なお、タッチ操作の要求方法はこれに限定されず、例えば、表示画面13Aに、テキストオブジェクトなどを用いて明示的に特定のタッチパネルに対するタッチ操作を要求する構成としてもよいし、音声出力などによりタッチ操作を要求する構成としてもよい。
【0036】
タッチ操作要求画面を表示すると、制御部11は、プレイヤ操作受付部15により操作入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS103)。ここで、操作入力を受け付けていないと判定すると(ステップS103のN)、制御部11は、後述するステップS107の処理に移行する。例えば、操作入力の受け付けを所定時間待機し、その所定時間内に操作入力を受け付けなかった場合には、操作入力を受け付けていないと判定するようにすればよい。
【0037】
一方、操作入力を受け付けたと判定すると(ステップS103のY)、制御部11は、受け付けた操作入力が、タッチ操作を要求したタッチパネルに対する操作入力であるか否かを判定する(ステップS104)。ここで、例えば前面タッチパネル操作受付部15aを介した操作入力を受け付けたことにより、受け付けた操作入力が、タッチ操作を要求したタッチパネルに対する操作入力でないと判定すると(ステップS104のN)、制御部11は、ステップS102の処理に移行する。なお、このとき、制御部11が、要求と異なる操作をしたことをプレイヤAに報知するための処理(例えば、所定の画面を表示画面13Aに表示する処理)を実行したあと、ステップS102の処理に移行する構成としてもよい。
【0038】
一方、例えば右側面タッチパネル操作受付部15cを介した操作入力を受け付けたことにより、受け付けた操作入力が、タッチ操作を要求したタッチパネルに対する操作入力であると判定すると(ステップS104のY)、制御部11は、受け付けた操作入力の内容に応じた演出を特定する(ステップS105)。本例においては、制御部11は、操作情報記憶部12aを参照して、受け付けた操作入力の内容に応じた演出を特定する。
【0039】
受け付けた操作入力の内容に応じた演出を特定すると、制御部11は、特定した演出を実行する(ステップS106)。
【0040】
図7は、特定された演出が実行されるときのゲーム画面の例を示す説明図である。ゲーム処理において、プレイヤAが、要求されたタッチ操作に従って右側タッチパネルRTに対するタップ操作を行った場合、制御部11は、敵キャラクタNPCに対して右側(右側タッチパネルRTが配置されている方向)から攻撃を加える演出を行うための処理を実行する。
【0041】
図8は、特定された演出が実行されるときのゲーム画面の他の例を示す説明図である。ゲーム処理において、プレイヤAが、要求されたタッチ操作に従って背面タッチパネルBTに対するタップ操作を行った場合、制御部11は、敵キャラクタNPCに対して背面側(背面タッチパネルBTが配置されている方向)から攻撃を加える演出を行うための処理を実行する。
【0042】
操作入力の内容に応じて特定した演出を実行すると、制御部11は、所定のゲーム終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS107)。ここで、所定のゲーム終了条件が満たされていないと判定すると(ステップS107のN)、制御部11は、ステップS101の処理に移行する。
【0043】
一方、所定のゲーム終了条件が満たされたと判定すると(ステップS107のY)、制御部11は、ここでの処理を終了する。
【0044】
なお、上記の例では、タッチ操作要求画面により特定のタッチパネルのタッチ操作をプレイヤに要求する構成としていたが、特定のタッチパネルに対するタッチ操作の要求を行わない構成としてもよい。すなわち、ステップS101、S102,S104を行わない構成としてもよい。この場合、例えば、図6に示すようなゲーム画面が表示されている状態において、何れかのタッチパネルのタッチ操作を受け付けた場合に、受け付けた操作入力の内容に応じた演出(例えば、図7や図8を参照して説明したような演出)を特定し実行するようにすればよい。
【0045】
また、特定の操作内容についてのみ、特定のタッチパネルに対するタッチ操作の要求を行う構成としてもよい。すなわち、例えばステップS102の前に、特定の規則に従って、プレイヤに対して要求するタッチパネルへの操作内容を特定し、特定した操作内容を、ステップS101にて特定したタッチパネルと併せてプレイヤに報知するタッチ操作要求画面を表示する構成としてもよい。以下、この場合のビデオゲーム処理装置100の動作について、図5を参照して説明する。なお、既に説明した動作や処理については、その内容を省略している場合がある。
【0046】
ゲーム処理において、制御部11が、先ず、例えば、プレイヤAに対してタッチ操作を要求するタッチパネルを特定する。(ステップS101)。以下、タッチ操作を要求するタッチパネルとして背面タッチパネルBTを特定した場合を例にして説明を行う。
【0047】
タッチ操作を要求するタッチパネルとして背面タッチパネルBTを特定すると、制御部11は、特定の規則に従って、プレイヤAに対して要求する背面タッチパネルBTへの操作内容を特定する(図示せず。)。以下、操作内容として「特定のリズムでタップ」を特定した場合を例にして説明を行う(図4参照。)。
【0048】
プレイヤAに対して要求する操作内容として「特定のリズムでタップ」を特定すると、制御部11は、特定したタッチパネルの位置と操作内容とをプレイヤAに報知するタッチ操作要求画面を表示する(ステップS102)。本例においては、プレイヤAが「背面タッチパネルBTを特定のリズムでタップすること」を要求されていることを認識できるように、制御部11が、例えば、背面タッチパネルBTの位置と、背面タッチパネルBTをタップする特定のリズムとを示す画像を含むタッチ操作要求画面を表示画面13Aに表示する。なお、本例においては、このとき表示する画像に関する情報(操作要求画像情報)は、操作情報と対応付けされた状態で記憶部12の所定の記憶領域に記憶されているものとする。
【0049】
タッチ操作要求画面を表示すると、制御部11は、プレイヤ操作受付部15により操作入力を受け付けたか否かを判定し(ステップS103)、操作入力を受け付けたと判定すると(ステップS103のY)、受け付けた操作入力が、タッチ操作を要求したタッチパネルに対する操作入力であるか否かを判定する(ステップS104)。
【0050】
ここで、例えば背面タッチパネル操作受付部15bを介した操作入力を受け付けたことにより、受け付けた操作入力が、タッチ操作を要求したタッチパネルに対する操作入力であると判定すると(ステップS104のY)、制御部11は、受け付けた操作入力の内容が、要求した操作内容と一致するか否か判定する(図示せず。)ここで、例えば受け付けた操作入力がドラッグ操作を示すことにより(すなわち、プレイヤAによる背面タッチパネルBTに対するドラッグ操作を受け付けたことにより)、受け付けた操作入力の内容が、要求した操作内容と一致しないと判定すると、制御部11は、ステップS102の処理に移行する(図示せず。)。
【0051】
一方、例えば受け付けた操作入力が「特定のリズムでタップ」を示すことにより(すなわち、プレイヤAによる背面タッチパネルBTに対する特定のリズムに従ったタップ操作を受け付けたことにより)、受け付けた操作入力の内容が、要求した操作内容と一致すると判定すると、制御部11は、受け付けた操作入力の内容(すなわち、タッチパネル位置と操作内容)に応じた演出を特定する(ステップS105)。本例においては、制御部11は、受け付けた操作入力の内容に応じた演出として「味方キャラクタへの攻撃指示、鼓舞」を特定する(図4参照。)。
【0052】
受け付けた操作入力の内容に応じた演出を特定すると、制御部11は、特定した演出を実行する(ステップS106)。本例においては、制御部11は、図示しないが、例えば、プレイヤAが操作するプレイヤキャラクタが味方キャラクタを鼓舞する所定のアニメーションを表示し、併せて、味方キャラクタの動作に関する設定を変更することにより、味方キャラクタへの攻撃指示と味方キャラクタの鼓舞とを示す演出を実行する。なお、本例においては、プレイヤキャラクタが味方キャラクタを鼓舞する演出を実行するとき、制御部11は、鼓舞された味方キャラクタの体力を回復させる(具体的には、HPの値を増加させる)処理を行う。
【0053】
なお、操作内容について、タッチ操作の要求を行わない構成としてもよい。すなわち、操作内容の特定や、特定した操作内容を示すタッチ操作要求画面の表示を行わない構成としてもよい。
【0054】
以上に説明したように、上述した実施の形態では、ビデオゲームの進行に応じて表示装置の表示画面(例えば、表示部13の表示画面13A)にオブジェクト(例えば、敵キャラクタNPC)を表示することでビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、ビデオゲーム処理装置100の筐体100Aにおける各面のうち複数の面にそれぞれ設けられた複数のタッチパネル(例えば、前面タッチパネルFT、左上面タッチパネルLUT、右上面タッチパネルRUT、右側面タッチパネルRT、背面タッチパネルBT、及び左側面タッチパネルLT)を備え、複数のタッチパネルそれぞれのタッチ操作を受け付け、受け付けたタッチ操作が筐体100Aにおける何れの面に設けられたタッチパネルの操作であるかを判定し、表示画面13Aに表示されているオブジェクト(例えば、敵キャラクタNPC)に対して、表示画面13におけるタッチパネルの操作を受け付けたと判定した面側(例えば、右側タッチパネルRTの操作を受け付けたと判定した場合、右面側)からの所定の演出(例えば、敵キャラクタNPCに対する攻撃)を実行する構成としているので、タッチパネルを用いたビデオゲームの操作性を向上させることができるようになる。
【0055】
すなわち、ビデオゲーム処理装置100が、表示画面13Aに備えられたタッチパネル(前面タッチパネルFT)以外にもタッチパネルを備える構成としているので、ビデオゲームがプレイヤに対してタッチパネルによる操作を要求する場合に、前面タッチパネルFT以外のタッチパネルに対する操作を要求することにより、プレイヤが、自分の指などによりゲーム画面を隠すことを防止することができるようになる。
【0056】
また、複数のタッチパネルを備え、タッチ面判定により判定したタッチ面に応じた演出を実行する構成としているので、ビデオゲームを作成する際の自由度を高めることができるようになる。すなわち、例えば、プレイヤがビデオゲーム処理装置の右側面(具体的には、ビデオゲーム処理装置100の筐体100Aの右側タッチパネルRT)をタップすると表示画面に表示されているキャラクタに対して右側から攻撃を加えることができるなど、直感的に操作可能なビデオゲームの作成に要する作業負担を軽減させることができるようになる。
【0057】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、複数のタッチパネル(例えば、前面タッチパネルFT、左上面タッチパネルLUT、右上面タッチパネルRUT、右側面タッチパネルRT、背面タッチパネルBT、及び左側面タッチパネルLT)のうち何れかのタッチパネル(例えば、上面タッチパネルUT、右側面タッチパネルRT、及び背面タッチパネルBT)へのタッチ操作を要求し、タッチ操作を要求したタッチパネルが設けられている面(例えば、上面、右側面、及び背面)と、タッチパネルの操作を受け付けたと判定した面とが一致するか否かを判定し、タッチ操作を要求したタッチパネルが設けられている面とタッチパネルの操作を受け付けたと判定した面とが一致していると判定したことに応じて、所定の演出(例えば、操作情報が示す演出)を実行する構成としているので、複数のタッチパネルを用いて行うビデオゲームの趣向性をより向上させることができるようになる。
【0058】
また、上述した実施の形態では、所定の演出(例えば、操作情報が示す演出)は、表示画面13Aにおけるタッチパネルの操作を受け付けたと判定した面側からのオブジェクト(例えば、敵キャラクタNPC)に対する攻撃を示す演出を含む構成としているので、複数のタッチパネルを用いたRPGやアクションゲームに分類されるビデオゲームを提供することができるようになる。
【0059】
なお、上述した実施の形態では、タッチパネルが、筐体100Aにおける前面、背面、右側面、左側面、及び上面に設けられている場合について説明したが、タッチパネルの配置はこれに限定されず、筐体100Aにおける前面、背面、右側面、左側面、上面、下面のうち少なくとも2箇所の面に設けられていればよい。このような構成とすることにより、1つのタッチパネルしかないビデオゲーム処理装置を用いてビデオゲームを行う場合に比べて、ビデオゲームの設計に関する自由度を向上させることができるようになる。
【0060】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100が、プレイヤによる操作に応じて、操作情報の内容(例えば、タッチパネルの位置と演出の対応関係)を編集可能な構成としてもよい。このような構成とすることにより、プレイヤの感覚により適応した操作が可能なビデオゲームを提供することができるようになる。
【0061】
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、タッチパネルへの操作内容を判定し、判定した操作内容に応じた演出を実行する場合について例を挙げて説明したが、ここで、図4に示した他の例についても、操作内容と演出について具体的に説明する。
【0062】
例えば、制御部11は、背面タッチパネルBTに対するドラッグ操作を受け付けると、ドラッグ操作に対応する表示画面13Aの範囲を特定し、特定した範囲内に表示されている敵キャラクタを、プレイヤキャラクタまたは味方キャラクタによる攻撃対象として指定したことを表す演出を実行する。このような構成とすることにより、プレイヤAが、例えば表示画面13A内の1つの領域をタッチ操作により指定することを望む場合に、自分の指やポインティングデバイス等により表示画面13Aを隠してしまうことを回避することができるようになる。
【0063】
また、背面タッチパネルBTに対するドラッグ操作を受け付けると、制御部11は、受け付けたドラッグ操作が特定の形状を示すか否かを判定し(例えば、ドラッグの軌跡がL字や星形を示すか否か判定し)、特定の形状を示すと判定した場合に、対応する演出(例えば、味方キャラクタに指示する戦略を、予めドラッグの軌跡に対応付けされた戦略に変更する演出)を実行する。このような構成とすることにより、筐体前面に所定の形状を描く場合とは異なる操作感をプレイヤに提供することができるようになるため、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
【0064】
また、背面タッチパネルBTに対するタッチ操作を受け付けると、制御部11は、戦闘フィールドにおける座標に基づいてタッチ操作を受け付けた位置に対応する位置に配置されたキャラクタが選択されたことを示す演出を実行する。このような構成とすることにより、表示画面において他のキャラクタの背後に位置することにより表示されていないキャラクタなどの選択を容易に行うことができるようになる。
【0065】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100が、タッチパネルに対するタップを受け付けたか否かを判定し、タッチパネルに対するタップを受け付けたと判定した場合に、タッチパネル上のタップ箇所を検出し、検出したタッチパネル上のタップ箇所と表示画面上のオブジェクトの位置(例えば、キャラクタの表示位置)とが対応するか否かを判定し、対応すると判定した場合に、受け付けたタップに対応する演出(例えば、キャラクタへの攻撃)を実行する構成としてもよい。すなわち、ビデオゲーム処理装置100が、例えば、背面タッチパネルBTのタップ箇所と、表示画面13Aに表示されているキャラクタの表示位置をそれぞれ検出し、検出した箇所が対応するときに(例えば、背面タッチパネルBTのタップ箇所の裏側(正面側)の対応するエリアにキャラクタが表示されているときに)、背面タッチパネルBTのタップ箇所に対応する演出(例えば、タップ箇所に対応する位置に表示されているキャラクタへの攻撃指示や鼓舞など)を実行する構成としてもよい。
【0066】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100の筐体100Aは、プレイヤが両手で持ったときに、左手の人差し指で左上面タッチパネルLUTと左側面タッチパネルLTを、右手の人差し指で右上面タッチパネルRUTと右側面タッチパネルRTを、中指、薬指、及び小指で背面タッチパネルBTをそれぞれタッチ操作可能な形状とされることが好ましい。
【0067】
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100がゲームカートリッジ20から読み取ったゲームプログラムに基づいて上述したゲーム処理などの各種の処理を実行する構成としていたが、ゲームサーバからインターネットなどの通信ネットワークを介してゲームプログラムを取得するようにしてもよい。また、ビデオゲーム処理装置100がゲームサーバとして機能し、通信ネットワークを介してゲームプログラムをゲーム端末に提供するようにしてもよい。
【0068】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100は、自己が備える記憶装置(記憶部12)に記憶されている制御プログラム(ビデオゲーム処理プログラム(ゲームプログラム、あるいはプログラムと呼ぶ場合がある。)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、タッチパネルを用いたビデオゲームの操作性を向上させるのに有用である。
【符号の説明】
【0070】
10 ゲームプログラム読取部
11 制御部
12 記憶部
13 表示部
14 音声出力部
15 プレイヤ操作受付部
100 ビデオゲーム処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示画面にオブジェクトを表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、
該ビデオゲーム処理装置の筐体における各面のうち複数の面にそれぞれ設けられた複数のタッチパネルと、
該複数のタッチパネルそれぞれのタッチ操作を受け付けるタッチ操作受付手段と、
該タッチ操作受付手段が受け付けたタッチ操作が前記筐体における何れの面に設けられたタッチパネルの操作であるかを判定するタッチ面判定手段と、
前記表示画面に表示されているオブジェクトに対して、前記表示画面における前記タッチ面判定手段によって判定された面側からの所定の演出を実行する演出実行手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理装置。
【請求項2】
前記複数のタッチパネルのうち何れかのタッチパネルへのタッチ操作を要求するタッチ操作要求手段と、
前記タッチ操作要求手段によってタッチ操作が要求されたタッチパネルが設けられている面と、前記タッチ面判定手段によって判定された面とが一致するか否かを判定する一致判定手段とを含み、
前記演出実行手段は、前記一致判定手段が一致していると判定したことに応じて、前記所定の演出を実行する
請求項1記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項3】
前記所定の演出は、表示画面における前記タッチ面判定手段によって判定された面側からの前記オブジェクトに対する攻撃を示す演出を含む
請求項1または請求項2記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項4】
前記タッチパネルは、前記筐体における前面、背面、右側面、左側面、上面、下面のうち少なくとも2箇所の面に設けられている
請求項1から請求項3のうち何れかに記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項5】
表示装置の表示画面にオブジェクトを表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置に動作制御させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記ビデオゲーム処理装置に、
該ビデオゲーム処理装置の筐体における各面のうち複数の面にそれぞれ設けられた複数のタッチパネルそれぞれのタッチ操作を受け付けるタッチ操作受付処理と、
該タッチ操作受付処理にて受け付けたタッチ操作が前記筐体における何れの面に設けられたタッチパネルの操作であるかを判定するタッチ面判定処理と、
前記表示画面に表示されているオブジェクトに対して、前記表示画面における前記タッチ面判定処理にて判定した面側からの所定の演出を実行する演出実行処理とを
実行させるためのビデオゲーム処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−306(P2013−306A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133738(P2011−133738)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(308033283)株式会社スクウェア・エニックス (173)
【Fターム(参考)】