説明

ビデオゲーム処理装置、ビデオゲーム処理方法およびビデオゲーム処理プログラム

【課題】プレイヤがタッチペンによる描画作業を十分に楽しみつつ、ゲームストーリーの構築の自由度を高めることを目的とする。
【解決手段】プレイヤがタッチペン30などの入力デバイスを用いて描画した図形をゲームプログラムが認識し、対応するアイコンとマッチングさせて表示部20上に表示することにより、プレイヤは任意の位置に任意のアイコンを創出し、当該ゲームプログラムの内容を自由にカスタマイズし変化に富んだものとすることを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムに従ってゲームを進行させるゲーム装置、ゲーム制御方法及びその記録媒体ならびにコンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲームにおけるゲームジャンルの1つとして、主人公となるキャラクタが様々な経験(クエストの解決や敵キャラクタとの対戦等)を通して成長し、敵ボスキャラクターを倒すといった最終目的を達成するロールプレイングゲーム(以下「RPG」とする)が知られている。このようにRPGでは一連のゲームストーリーに従ってゲームが進行される場合が多い。
【0003】
RPGでは、プレイヤはキャラクタを通してゲームが提供する仮想世界内での各種情報を収集し、収集した情報に従って各種のイベントを実行しその世界の謎や秘密を解き明かしていくと共に、プレイヤキャラクタを成長させていく。このようにRPGは、キャラクタの成長要素を有し、かつ物語性のあるゲームを指すのが一般的である。
【0004】
近年ではゲームストーリーを複数のサブストーリーで構成し、ゲームの進行途中で設けられている選択肢をどのように選択するかや、どのような経路で仮想世界内を移動するか等によってサブストーリーの組み合わせを変化させることによって、一度クリアしたゲームであっても再度プレイする度にプレイヤが新しいイベントやストーリー展開を楽しむことができるよう工夫されているものも存在する。
【0005】
上記の例として、いわゆる「マルチエンディング型」のゲームが存在する。この形式であれば、プレイヤは一度クリアしたゲームであっても、再度プレイする度に新しいエンディングを見ることができるため、プレイヤに繰り返し同じゲームをプレイさせるのには非常に有効な手段ではあるが、その一方で、ゲーム開発者の負担が増大するという問題点があった。
【0006】
マルチエンディングを採用せずに、可能な限りプレイヤにバラエティに富んだゲームストーリーを提供するための手段として、例えば特開2002−292137号公報(特許文献1)では一旦クリアしたゲームを再度プレイする際に、ゲーム中に設けられた複数の選択肢からいずれかの選択肢を選択してゲームを進行する選択ポイントにおいて、前回プレイ時の選択結果を記録しておき、意図的に前回選択した選択肢を今回表示する選択肢から除外しておくことで強制的に前回とは異なるシナリオ展開を行わせる手法について述べられている。
【0007】
更に、特開2004−81346号公報(特許文献2)では、ゲームを進行する上でどのプレイヤにも共通するメインシナリオと、それに付随するサブストーリーが部分的に挿入されることでゲームの進行にバリエーションを与える方法が述べられている。この特許が開示する内容によると、ノンプレイヤーキャラクタ(以下「NPC」とする)のセリフの設定(通常の会話か噂なのか)や、サブストーリーの内容の深刻度といったいくつかのパラメータの組み合わせによってシナリオを自動的に組み立てながら進めていく方法が提示されている。この方法を採用することによって、ゲーム開発者は少ない開発負担でより多様なバリエーションのストーリー展開をプレイヤに提供可能となる。
【0008】
ところで、近年ではゲーム装置も多様化し、入力デバイスとしてタッチパネルおよびタッチペンを用いるものも普及している。このようなゲーム装置、ゲーム端末を用いることにより、プレイヤによる入力処理の自由度が飛躍的に高まった。特にパズルゲーム等ではタッチペンを利用した操作によりプレイヤの表現力を活かしてゲームの趣向性を高めることが可能となった。
【0009】
この特徴をRPGでも活かすための方法として、特開平10−328414号公報(特許文献3)が公開されている。これによると、RPGの戦闘シーンにおいてプレイヤがプレイヤキャラクタに使用させたいアイテムをタッチペン等によるペン入力で描画させる。この時、ペン入力の入力結果に対して自動で行われる図形認識の認識結果次第で、どのようなアイテムが出現するかが異なることとされている。従って、プレイヤは自分が使用したいアイテムを出現させるために、できる限り正確にアイテムを描画する必要が発生するため、ペン入力ならではの図形描画を実施することによって発生する趣向性を与えることが可能とされている。
【特許文献1】特開2002−292137号公報
【特許文献2】特開2004−81346号公報
【特許文献3】特開平10−328414号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1では、ゲームプログラムに予め設けられた選択肢が提示されるポイントごとでしかストーリーが変化しない。前回選択した選択肢が強制的に排除されてしまうため、プレイヤは自分のお気に入りのストーリーをもう一度体験する機会が強制的に失われてしまい、かえってプレイヤの趣向性を削いでしまう可能性があった。
特許文献2では、ゲームストーリーの構築の自由度が十分でない。
【0011】
また特許文献3ではタッチペンによる入力作業により出現するアイテムが変化するのみで、ゲームストーリーそのものが変化するわけではなく、趣向性に乏しい。
【0012】
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、プレイヤがタッチペンによる描画作業を十分に楽しみつつ、ゲームストーリーの構築の自由度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明によるビデオゲーム処理装置は、プレイヤキャラクタを画像表示装置の表示画面上に表示し、プレイヤの操作に応じて前記表示画面上に表示されているプレイヤキャラクタの行動を制御することでビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、表示画面上に表示されうる創造物アイコン及びこれに対応する創造物データを記録した創造物データテーブルと、入力デバイスによって描画された図形を認識する図形認識手段と、前記図形認識手段によって認識された図形データについて、創造物データテーブルに記録されている複数の創造物図形データの中から前記図形データと近似なデータを持つ創造物を一つ又は複数選択するマッチング手段と、マッチングの結果選択された創造物アイコンを表示画面上に表示するアイコン創出手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
また、前記入力デバイスによって描画された図形は、表示画面上にゲームの進行を行うゲーム画面とは別に表示される描画画面上に表示されることを特徴とする。
【0015】
さらに前記図形は、複数の色彩データの中から任意に選択された色彩を用い描画されるものであり、前記図形認識手段は描画された図形の色彩データを認識することを特徴とする。
【0016】
前記描画画面は複数の領域に分割されており、前記図形認識手段は、描画された図形が属する領域の位置及び数を元に描画された図形の大きさを認識することを特徴とする。
【0017】
なお、前記図形認識手段は、描画された図形を構成する直線または曲線の形状、位置、大きさ又は角度から、描画された図形の形状を認識することを特徴とする。
【0018】
前記創造物データテーブルには、該創造物に関するアイコン画像データ又は該創造物に対応するシナリオデータ、キャラクターデータ、マップデータ、若しくはアイテムデータに関する創造物情報が格納されており、マッチング手段により、創造物が選択されると、該創造物に対応するアイコン画像データに基づいて、該創造物に対応する創造物情報を有するアイコン画像が表示されることを特徴とする。
【0019】
更に前記創造物データテーブルには、任意の前記創造物アイコンを創出させるために描画手段によってプレイヤが描画すべき抽象化図形の模範入力データである創造物図形データを更に含むことを特徴とする。
【0020】
また、一つの創造物に対して複数のシナリオデータ、キャラクターデータまたはマップデ
ータ等に関する創造物情報が備えられ、創造物図形データと前記創造物図形データの乖離幅をもとに複数の創造物情報からどのシナリオデータ、キャラクターデータまたはマップデータが決定されることを特徴とする。
【0021】
前記マッチング手段は、前記図形認識手段によって認識された図形の形状等の情報を元に、前記創造物データテーブルに記録されている創造物データの中から、最も近似な創造物図形データを持つものを選択し、対応する創造物アイコンをマッチング結果表示画面に表示させることを特徴とする。
【0022】
なお、前記マッチング手段は、前記図形認識手段によって認識された図形の形状等の情報を元に、前記創造物データテーブルに記録されている創造物データの中から、近似な創造物図形データを持つものを複数選択し、対応する複数の創造物アイコンをマッチング結果表示画面に表示させることを特徴とする。
【0023】
前記マッチング結果表示画面に表示された創造物アイコンがプレイヤの意図したものかどうかをプレイヤに確認させるマッチング結果確認手段を更に備え、前記マッチング結果確認手段によって確認したマッチング結果がプレイヤの意図に沿うものであった場合、マッチング結果決定手段によりマッチング結果の決定処理を行うことを特徴とする。
【0024】
また、前記マッチング結果表示画面に複数の創造物アイコンが表示された場合、表示された複数の創造物アイコンの中から任意の創造物アイコンをマッチング結果決定手段により選択可能とすることを特徴とする。
【0025】
さらに前記マッチング手段において、前記図形認識手段が取得した図形データと近似の創造物図形データを持つ創造物データが存在しない場合、プレイヤに対して該当する創造物データが存在しない旨を通知する図形認識エラー通知手段を更に備えることを特徴とする。
【0026】
この前記図形認識エラー通知手段によるエラー表示は、プレイヤに対して図形の再入力か、または図形入力処理のキャンセルのいずれかを選択させる表示を含むことを特徴とする。
【0027】
なお、前記創造物データテーブルにはプレイヤキャラクタのレベルまたはゲームの進行状態から、描画手段によって創造物アイコンを表示画面上に表示させることが可能かどうかを制御する創造物データ取得条件が含まれていることを特徴とする。
【0028】
さらに、本発明に係るビデオゲーム処理装置は建造物データテーブルを備えており、プレイヤキャラクタが表意させた前記創造物アイコンの内部にプレイヤキャラクタを進めた際に表示される詳細地図上を移動する際には、前記創造物データテーブルの代わりに前記建造物データテーブルを参照することにより、詳細地図上の任意の位置に建造物アイコンを表示可能とすることを特徴とする。
【0029】
また、本発明に係るビデオゲーム処理方法は、プレイヤキャラクタを画像表示装置の表示画面上に表示し、プレイヤの操作に応じて前記表示画面上に表示されているプレイヤキャラクタの行動を制御することでビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、入力デバイスによって描画された図形を認識する図形認識処理と、前記図形認識手段によって認識された図形データについて、創造物データテーブルに記録されている複数の創造物図形データの中から前記図形データと近似なデータを持つ創造物を一つ又は複数選択するマッチング処理と、マッチングの結果選択された創造物に対応する創造物アイコンを表示画面上に表示するアイコン創出処理とを備えることを特徴とする。
【0030】
なお前記図形は、複数の色彩データの中から任意に選択された色彩を用い描画されたものであり、前記図形認識処理は、描画された図形の色彩データを認識することを特徴とする。
【0031】
また前記描画画面は複数の領域に分割されており、前記図形認識処理では、描画された図形が属する領域の位置及び数を元に描画された図形の大きさを認識することを特徴とする。
【0032】
さらに、前記図形認識処理は、描画された図形を構成する直線または曲線の形状、位置、大きさ又は角度から、描画された図形の形状を認識することを特徴とする。
【0033】
前記創造物データテーブルには、該創造物に関するアイコン画像データ又は該創造物に対応するシナリオデータ、キャラクターデータ、マップデータ、若しくはアイテムデータに関する情報が格納されており、マッチング処理により創造物が選択されると、該創造物に対応する創造物情報を有するアイコン画像が表示されることを特徴とする。
【0034】
さらに前記創造物データテーブルには、任意の前記創造物アイコンを創出させるために描画処理によってプレイヤが描画すべき抽象化図形の模範入力データである創造物図形データを更に含むことを特徴とする。
【0035】
また前記マッチング処理は、前記図形認識処理によって認識された図形の形状等の情報を元に、前記創造物データテーブルに記録されている創造物データの中から、最も近似な創造物図形データを持つものを選択し、対応する創造物アイコンをマッチング結果表示画面に表示させることを特徴とする。
【0036】
さらに前記マッチング処理は、前記図形認識処理によって認識された図形の形状等の情報を元に、前記創造物データテーブルに記録されている創造物データの中から、近似な創造物図形データを持つものを複数選択し、対応する複数の創造物アイコンをマッチング結果表示画面に表示させることを特徴とする。
【0037】
前記マッチング結果表示画面に表示された創造物アイコンがプレイヤの意図したものかどうかをプレイヤに確認させるマッチング結果確認処理を更に備え、前記マッチング結果確認処理によって確認したマッチング結果がプレイヤの意図に沿うものであった場合、マッチング結果決定処理によりマッチング結果の決定処理を行うことを特徴とする。
【0038】
なお前記マッチング結果表示画面に複数の創造物アイコンが表示された場合、表示された複数の創造物アイコンの中から任意の創造物アイコンをマッチング結果決定処理により選択可能とすることを特徴とする。
【0039】
この時、前記マッチング処理において、前記図形認識処理で取得した図形データと近似の創造物図形データを持つ創造物データが存在しない場合、プレイヤに対して該当する創造物データが存在しない旨を通知する図形認識エラー通知処理を更に備えることを特徴とする。
【0040】
また前記図形認識エラー通知手段によるエラー表示は、プレイヤに対して図形の再入力か、または図形入力処理のキャンセルのいずれかを選択させる表示を含むことを特徴とする。
【0041】
なお前記創造物データテーブルにはプレイヤキャラクタのレベルまたはゲームの進行状態等から、描画処理によって表示画面上に創出させることが可能かどうかを制御する創造物データ取得条件が含まれていることを特徴とする。
【0042】
また本発明におけるビデオゲーム処理プログラムは、プレイヤキャラクタを画像表示装置の表示画面上に表示し、プレイヤの操作に応じて前記表示画面上に表示されているプレイヤキャラクタの行動を制御することでビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理プログラムであって、表示画面上に表示されうる創造物アイコン及びこれに対応する創造物データを記録した創造物データ管理処理と、入力デバイスによって描画された図形を認識する図形認識処理と、前記図形認識手段によって認識された図形データについて創造物データテーブルに記録されている複数の創造物図形データの中から前記図形データと近似なデータを持つものを一つもしくは複数選択するマッチング処理と、マッチングの結果選択された創造物アイコンを表示画面上に表示するアイコン創出処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、ビデオゲームにおいてプレイヤが任意にゲーム内容をアレンジ可能であるため、プレイヤごとにオリジナリティのある内容のゲームを展開することが可能となり、また、同一のプレイヤが再度当該ビデオゲームを実施する際もゲーム内容が変化するため、長期に渡ってプレイヤの興味を持続させ、遊技の興趣を向上させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
[構成の説明]
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1はプレイヤ端末100の構成を示す図である。プレイヤ端末はゲーム画面及び描画画面を表示するための表示部11及び12と、ゲームプログラムを制御するための制御部(図示せず)、ゲームを進行する際に必要となる操作手段、描画処理を行う際に必要となる描画手段を備えている。前記表示部は少なくとも1以上の表示画面から形成されており、プレイヤ端末100のように表示部と端末が一体となっているものや、プレイヤ端末101または102のように、表示部、操作手段、描画手段、制御部別々に存在し互いに接続されている構成としてもよい。さらに、前記操作手段は操作ボタン11a、11b、12a、12bおよび13や、30のようなタッチペン、31のようなコントローラ、もしくは32のようなマウスが想定される。なお、端末100のように、タッチペン30と操作ボタン11a〜13等、複数の操作手段を備える構成としてもよい。描画手段は30のようなタッチペン、31のようなコントローラもしくは32のようなマウスが想定される。
【0045】
また、プレイヤ端末100〜102は図1に示す通り、インターネットと無線もしくは有線で接続可能としてもよい。
【0046】
以下に図2を用いて本発明に於いてプレイヤが使用するプレイヤ端末について説明する。以下に説明するのはあくまでもプレイヤ端末の一例であり、プレイヤ端末が下記の構造を必ずしも全て備えている必要はなく、あくまでも発明内容の理解を助ける目的で記載するものであり、本発明の本質部分と関連の低い部分については省略もしくは簡単な説明に留める。
【0047】
図1の端末100は表示部、操作部が全て一体となった端末の例を示す図である。本発明ではプレイヤはこの形態の端末を使用することが好適であるため、まずこの場合の端末構造から説明する。このプレイヤ端末100は、第1の表示部20aおよび第2の表示部20bを含む。なお、表示部は液晶ディスプレイであってもよいし、EL(Electronic Luminescence)ディスプレイやプラズマディスプレイ等を用いるようにしてもよい。
【0048】
二つある表示部のうちいずれか一方をゲーム画面の表示に、他方を描画画面の表示に割り当てるようにするとプレイヤの操作が行い易い。
【0049】
プレイヤ端末100には表示部の他に、電源ボタン(図示せず)、操作ボタン11a〜11eが設けられている。操作ボタンは方向指示スイッチ11e、スタートスイッチ11a、セレクトスイッチ11b、動作スイッチ11c、11d等から構成される。方向指示スイッチ11eはディジタルジョイスティックとして機能し、プレイヤキャラクタの移動や、カーソルの移動等に使用する。動作スイッチは特殊な動作(アイテムの選択やジャンプ、パンチなどの動き)等に用いられる。
【0050】
また、第一および第二の表示部(20aおよび20b)のいずれか、もしくは両者の上面には、タッチパネル21aおよび21bが装着されていることが好ましい。タッチパネルは、その上面をタッチペン30ないしはここには図示しないペン入力デバイス(スタイラスペン)或いは指(以下、これらを「タッチペン30等」という場合がある。)で、押圧したり、撫でたり、触れたり(以下、単に「押圧する」という。)することにより操作すると、タッチペン30等の操作位置の座標を検出して、検出した座標に対応する座標データを出力すし、その情報を制御部に伝達する。
【0051】
さらに、プレイヤ端末100はゲームコンテンツを外部から取り込むための手段を設けている。図1ではメモリカード(またはゲームカートリッジ)40を含み、このメモリカード40は着脱自在であり、カートリッジ挿入口から挿入されるとしている。また、図示はしていないが、メモリカード等の物理的な媒体を使用せず、ネットワークを介して無線でゲームコンテンツをダウンロードしたり、パソコンなどのハードウェアとUSBケーブル等を用いて接続し、接続された端末からゲームコンテンツデータを取得したりするような形式としてもよい。
【0052】
なお、図1では省略するが、上記に説明した各部分の他に、たとえば電池収容ボックス、スピーカー、音量スイッチ、外部拡張コネクタおよびイヤフォンジャックなど、携帯用ゲーム機が必要とする一般的な機能が設けられる。
【0053】
図2はプレイヤ端末100の電気的な構成を示すブロック図である。プレイヤ端末100は制御部50を含み、この制御部にはCPUコア51等の回路コンポーネントが実装される。CPUコア51は、バス58を介してコネクタ54に接続されるととともに、RAM52、グラフィック処理ユニット(GPU)55、入出カインターフエース回路(以下、「I/F回路」という)53およびLCDコントローラ57が接続される。
【0054】
ここではコネコタ54に、メモリカード40が着脱自在に接続される場合について説明する。メモリカード40は互いにバス43を経由して接続されたROM41およびRAM42を含み、さらに、コネクタ54aと接合されるコネクタ54bに接続される。したがって、上述したように、CPUコア51は、コネクタ54を経由することによってROM41およびRAM42にアクセスすることができる。
【0055】
ROM41は、プレイヤ端末100で実行されるゲームコンテンツの再生に必要なゲームプログラム、キャラクタ、背景などの各種画像データおよびゲームに必要な音声データ等を予め記憶するために用いられ、RAM(バックアップRAM)42は、そのゲームの途中データやゲームの結果データを記憶するために用いられる。
【0056】
ゲームプログラム、各種画像データおよび音声データ等は、ROM41から一度に全部、または部分的かつ順次的に読み出され、RAM52に記憶される。
【0057】
GPU55は、描画手段の一部を形成し、CPUコア51から作画命令を受け、ゲーム画像データを生成する。
【0058】
I/F回路53には、操作スイッチ11,タッチパネル21が接続される。操作スイッチ11が操作されると、対応する操作信号(操作データ)がI/F回路53を介してCPUコア51に入力される。また、タッチパネル21からの座標データがI/F回路53を介してCPUコア51に入力される。
【0059】
なお、プレイヤ端末100が第1の表示部21aと第2の表示部21bを備えている場合、それぞれの表示部に対応してGPU55a、55bおよびVRAM56a、56bを備えることが好ましい。
【0060】
プレイヤ端末100が表示部、操作部等を全て一体型で備えている例について説明したが、例えば一般に普及しているパーソナルコンピュータや、家庭用ゲーム機を用いる場合、図2に示すような電気的な構成をパーソナルコンピュータもしくは家庭用ゲーム機本体が備え、ここにコントローラやマウス等の操作デバイスや、液晶画面等のディスプレイを接続することで、上記と同じような電気信号のやり取りが行われる。
【0061】
図3はゲーム画面上に表示される仮想世界のワールドマップ60の例である。プレイヤはこの地図上でプレイヤキャラクタを移動させることでゲームを進行させる。この例では、ゲームを進行する上で通過することが必須となる創造物アイコン61は、予めワールドマップ60上に描画されており、プレイヤがこれらの創造物アイコンを自由に移動させたり削除したりすることはできないことととする。ただし空白箇所にはプレイヤが自らカーソル63を操作して任意の場所を指定し、後に詳細を記述する方法にて任意の創造物アイコン62を加えることが可能となる。ここで示されるワールドマップ60はゲーム世界の概観図であり、プレイヤキャラクタが任意の創造物アイコン上に進行することにより、その創造物アイコンが表すステージへとプレイヤキャラクタを進めることが可能となる。
【0062】
なお、ゲーム進行上通過することが必須となる創造物アイコン61については、始めはワールドマップ60上に描画されておらず、ある特定のステージをクリアしたことをトリガーにワールドマップ60上に自動的に出現するような構成としてもよい。
【0063】
上記のような制御を可能にするために、各創造物アイコンはそのアイコンが表すステージに関連する各種データと紐付けて記憶されている必要がある。具体的には図4に示すような創造物データテーブルによって情報が管理される。創造物データテーブル70には、創造物アイコンID、創造物アイコン名、創造物アイコン画像データといった創造物アイコンに関する基本データ71、後述するマッチング処理の際に必要な、当該創造物アイコンの抽象化図形データの特徴パラメータとなる色彩(明度)データ、色彩(彩度)データ、サイズデータ、形状データ等から成るマッチングデータ72、および当該創造物アイコンを創出することによって進行が可能となるステージに関するキャラクタ群、シナリオ、マップ、アイテム等の内容データ73が格納されている。
【0064】
また内容データ73は、当該アイコンが創出されることによって進行可能となるステージに登場するキャラクタ群やシナリオ等の各項目について、更に詳細なテーブルを備えており、後述の通り、同一の創造物アイコンに対して複数パターンの内容データを用意しておいてもよい。
【0065】
通常RPGでは主人公が予め定められた1種類もしくは複数種類のシナリオパターンの中からプレイヤキャラクタの進行に伴って、シナリオ分岐点ごとに次に読み出されるシナリオデータが選択されていたが、本発明においてはゲーム製作者が予め設定したシナリオ分岐点の他に、プレイヤが自由に創造物アイコンを出現させることによってシナリオがオリジナリティのあるものに仕上がっていくとともに、ゲーム製作者が設定したシナリオ分岐点にプレイヤキャラクタが到達したタイミング以外でも、任意のタイミング及び場所で新たな創造物アイコンを創出させることによってシナリオ分岐を起こすことが可能となる。
【0066】
ゲーム画面20上に表示された創造物アイコンにプレイヤキャラクタを重ねることにより、その創造物アイコンが表すステージが展開される。具体的には当該創造物アイコンに含まれるシナリオデータやマップデータ等の内容データが読み出され、ゲーム画面20にはそれまで表示されていたデータがゲーム世界の広域図を表すワールドマップに代わって、当該創造物アイコン内の詳細な地理情報(マップ)やキャラクタを表示する詳細マップが表示される。
【0067】
詳細マップ上には商店や宿屋、民家、教会などの建築物や、洞窟、公園などが描かれており、これらのアイコン上にプレイヤキャラクタを重ねる(もしくは接近させる)ことでアイコンの示す建造物等の内部に進んだり、例えば看板などのアイコンであれば看板に書かれている文章を読むといったことが可能となったり、上述のようなアイコンの他にマップ上を移動するノンプレイヤーキャラクタと対峙することにより、当該ノンプレイヤーキャラクタと会話を行ったり、戦闘を開始したりすること等が可能となる。
【0068】
上述のノンプレイヤーキャラクタとの会話により、ゲームを進行する上で重要な情報を得る事ができる場合がある。これらの情報は単にゲームの進行をスムーズにするために役立つ情報である場合もあれば、ゲーム進行上必須となる情報である場合もある。進行上必須となる情報については、当該の情報を取得したか否かをフラグを立てるなどでチェックすることで管理するようにしてもよい。
【0069】
また、ワールドマップ上に表示される創造物アイコンの他にも、詳細マップ上に表示される一部のアイコンについてはプレイヤが描画することによって任意の場所に出現させることが可能としてもよい。
【0070】
例えば、詳細マップ上に描かれた川の上に「橋」の絵を描いて橋を出現させることで、川の向こう側に渡ることを可能にしたり、「はしご」を描くことで建物の屋根に登れるようにしたりする、ということを可能にしてもよい。このような特殊な動作を許容する際には当該のポイントに「橋を描けば川を渡れるよ」、「はしごがあれば屋根に登れるかも!」といったようにプレイヤに当該図形の描画を促すような指示を前述の「看板」やノンプレイヤーキャラクタとの会話を用いてプレイヤに伝えるようにしてもよい。
【0071】
以下にプレイヤの図形描画によって当該アイコンが出現するまでのフローについて説明する。
【0072】
図5はプレイヤ端末100を用いて抽象化図形を描画し、創造物アイコンをゲーム画面
上に表示させる処理を示すフローチャートである。ここでは、説明を簡単にするため、プレイヤPがプレイヤ端末100を用いて描画処理を行う場合について説明する。また、本発明に特に関わる処理以外は説明を省略している場合もあるものとする。
【0073】
プレイヤPはプレイヤ端末100の表示部21に表示されるゲーム画面において、創造
物アイコンを出現させたいと希望するゲーム内の仮想世界上の場所を指定する場所指定手段によって決定する(ステップS101)。ここで、前記場所指定手段は具体的にはカーソル等のポインティング手段である。この時、ポインティング手段としてタッチペンを想定する場合は、画面上にカーソルを表示することなくタッチペンで直接ゲーム画面上の任意の場所をポインティングすることで場所の決定を可能とする。
【0074】
前記場所指定処理に於いて、創造物アイコンを出現させたい場所が決定された(S10
1)ことをトリガーに、描画画面での描画処理が有効となる。(S102)前記描画画面はマウスやコントローラ等の描画デバイスを用いてプレイヤPが描画を行った描画結果が表示される。尚、描画デバイスとしてタッチペンを用いた場合は描画画面上に直接描画を行うこととなる。(S103)
【0075】
前記描画処理が完了すると、プレイヤPは描画画面に表示された描画結果を確認し、描
画結果を確定する処理を行う。(S104) 描画結果の確定は具体的には、例えば「決定ボタン」の押下等種々の手段が考えられる。描画結果の確定処理が行われるとマッチング手段により描画結果と創造物データテーブルに記載された抽象化図形データとのマッチング処理が行われる。(S105)
【0076】
マッチング処理が終了するとマッチング結果が表示部に表示される。(ステップ106)
プレイヤPは表示されたマッチング結果について自分の意図したものが認識されたかどうかを確認し(S107)、意図通りの認識が行われた場合(S107のY)はマッチング結果の決定を行う。(S108) 一方、意図と異なるマッチング結果が表示された場合(S107のN)は再入力を行うかどうかを判断し(S109)、再入力を行うか描画処理を終了するかを決定する。
【0077】
この時、マッチング結果はマッチング率の高いものから複数候補用意しておき、プレイ
ヤPに提示した第一のマッチング結果がプレイヤPの意図と異なる結果であった場合(S107のN)、次にマッチング率の高い次候補を表示するようにしてもよい。
【0078】
上記においてマッチング結果が決定されると、マッチング処理によって確定した創造物
アイコンが、ゲーム画面上にプレイヤPが定めた任意の場所に描画される。
【0079】
以下に、描画画面に於いてプレイヤPが抽象化図形を手書きで描画する詳細な過程について説明する。
【0080】
図6〜11は描画画面200を表す図である。描画画面のうち大部分が手書き抽象化図
形を描画するための描画領域210に使われる。プレイヤ端末100がタッチペンで入力するタイプの端末である場合この描画領域210に直接タッチペンで触れることで描画を行う。また、マウス等のデバイスを用いて描画を行う場合は描画結果がこの領域に表示される。
【0081】
描画画面200のうち描画領域210を除いた領域が操作領域に割り当てられる。操作
領域には手書き抽象化図形を描画する際に用いる線の太さや色を選択したり、描画の開始や描画完了の決定等を行ったりするために用いられる。
【0082】
描画領域210をできるだけ広く確保するために、操作領域の表示方法は図6に示すよ
うに、「線をえらぶ」、「色をえらぶ」、「消す」などのメニューボタン220、230、240をまず表示してプレイヤPに選択させ、どのメニューが選択されたかによって図7〜9に示すような、それぞれのメニューに対応する詳細メニュー画面に遷移するようにしてもよいし、画面遷移をできるだけ少なくすることを優先して、メニューボタンを表示することなく、いきなり図10に示すような描画に関係する全てのメニューを一度に表示させる画面を表示するようにしてもよい。
【0083】
図6において、「線をえらぶ」ボタン220が選択された場合、図7に示すような線の太
さやテクスチャを選択する詳細メニューが表示された画面に遷移する。プレイヤPは領域221に表示される様々な太さや形状(点線や二重線等)の中から任意のものを選択し、続いて領域222から任意のテクスチャを選択する。ちなみに、線の太さとテクスチャはどちらを先に選択しても構わないし、テクスチャや線の太さについては予め設定されておりプレイヤが任意に選択できないようにされており、常に一定の太さとテクスチャが使用されるようにしてもよい。
【0084】
この時、221及び222で選択された線の太さやテクスチャの内容によって、プレイ
ヤPの描画結果が描画領域210に表示される時の線の太さやテクスチャも変化する。また、描画結果だけでなく、描画の際に表示されるカーソル260も選択結果に応じて変化するようにしてもよい。例えば、テクスチャで鉛筆を選択した場合は鉛筆型のカーソルが表示され、スプレーを選択した場合はスプレー缶が表示されるようにする。
【0085】
図6において、「色をえらぶ」ボタン230が選択された場合、図8に示すような色彩を
選択する詳細メニューが表示された画面に遷移する。プレイヤPは領域231に表示される複数の色彩の中から任意のものを選択する。この時、領域231に表示された色彩の中に希望の色彩が存在しない場合は、「色をつくる」ボタン232を選択することで、後述する色彩配合画面に遷移し、既存の色彩を配合することで新しい色彩を配合して使用できるようにしてもよい。
【0086】
色彩を選択すると、描画した手書き抽象化図形の全体もしくは一部が指定した色彩に変
化する。この時、手書き抽象化図形の一部の色のみを変化させたい場合はカーソル260で任意の箇所を指定できるようにしてもよい。
【0087】
図11は色彩配合画面の画面例を表す図である。図8において領域231に表示された
色彩の中に希望の色彩が存在しない場合、「色をつくる」ボタン232を選択することで色彩配合画面に遷移する。色彩配合画面260には、既存の色彩データを表示する領域261と、色彩を配合するために選択された複数の色彩データを表示する色彩データ配合領域270〜27Nと、配合された色彩データを表示する配合結果表示領域290が用意されている。この時、色彩の配合が複雑になりすぎないようにするために、色彩データ配合領域270〜27Nに選択可能な色彩データ数の上限を設けてもよい。このようにすることで、プレイヤは新しい色彩データを配合して追加するためには既存のデータのうちから削除するデータを選択する作業が必要となり、どの色を残すかについて戦略的に検討する必要が生じ、趣向性が高まる。
【0088】
配合結果表示領域290には現在色彩データ配合領域に選択されている色彩を配合した際に生成される色彩データのサンプルが表示される。プレイヤPはこの領域に表示されるサンプルデータを確認しながら自分の意図する色彩を配合することが可能となる。意図する色彩を配合するために、現在までに配合されている色彩に新たな色彩を追加する場合、まだ色彩データが選択されていない色彩配合領域27N内もしくはその付近に表示される「(色を)えらぶ」ボタン281を選択することで、27Nに新たな色彩を加えることが可能となる。
【0089】
この時、配合結果表示領域290に表示された色彩データのサンプルが意図しないものであった場合は、色彩を再選択するために色彩データ配合領域27Nに表示されている色彩データの付近に表示された「色をもどす」ボタン280を押下することで、一旦選択した色彩データをクリアし、新たに色彩データの選択が可能になる。上記のように「色をもどす」ボタンを押して選択した色彩データをクリアした場合は、それに連動して配合結果表示領域290に表示される色彩データのサンプルも変化する。
【0090】
上記「色をもどす」ボタン280は、対応する色彩データ配合領域27Nに色彩データが選択されていない時は、色彩配合画面260上に表示されないか、グレーアウトで表示するなど、プレイヤPが当該ボタンについて選択不可であることが容易に認識する形で表示する。(280c、280d)
【0091】
色彩データの配合が完了すると、配合完了を指示するためにOKボタン291を押下することで、新しく生成した色彩データを描画画面200の色彩データが表示される領域231上に追加される。
【0092】
また図6において、「消す」ボタン240を選択された場合、図9に示すような消去箇所を指定するための詳細メニューが表示される画面に遷移する。プレイヤPは消去手段選択ボタン241から任意のものを選択し、描画領域に表示されている手書き抽象化図形のうち、消去したい場所をカーソル260でポイントする。この時、消去手段選択ボタン241で指定した消去手段の特徴に従ってポイントされた部分の描画データが部分的にクリアされる。例えば、太い消しゴムを消去手段として選択した場合、ポイントした部分が太い幅で一気に消去されるため広い範囲を一気に消去するのに適しており、細い消しゴムを選択した場合には細かい部分を注意深く消去する際に適している。この時、ポインタ260は選択された消去手段に合わせて形状を変化させるようにしてもよい。
【0093】
なお、現在までに描画した手書き抽象化図形を全部一度に消去したい場合には、「全部消す」ボタン242を選択することで実行可能とする。
【0094】
図形の描画が完了すると、プレイヤPは描画画面上に設けられた「OK」ボタン253を選択することで描画処理を完了し、これをトリガーに以下に説明するマッチング処理が開始さされる。
【0095】
また、描画処理の途中において、直前の入力内容を取り消したい場合には描画画面200上の「もどす」ボタン251を選択すればよい。
【0096】
さらに、描画結果の一部及び全部の消去ではなく、描画処理そのものを中止したい場合には描画画面200上の「キャンセル」ボタン252を選択することで中止処理の実行を可能とする。
【0097】
次にマッチング処理の詳細について説明する。プレイヤPが描画手段によって描画画面に入力した手書き抽象化図形は、手書き抽象化図形認識手段によって、描画に使用された色彩、テクスチャおよび描き上がった抽象化図形の形状、サイズ等が認識され、それぞれについて予め規定された手法に基づいて数値化し、特徴パラメータを検出する。
【0098】
この時の数値化の方法として、色彩やテクスチャ等、決められた選択肢の中から任意のものを選択して使用するものについては、例えば色彩の場合、当該の色彩を描画画面で選択した際にその色彩を特定するための識別データの取得が可能となる。この時、選択可能な色彩の一つ一つに対して例えば色彩番号を設定しておき、色彩データテーブルを用意して各色彩について「明度」や「色み」をデータ化して記憶しておく。「色み」については例えば赤、青、黄の三原色を利用してそれぞれの要素がその色彩にどの程度含まれるかを記載すればよい。例えば「赤」の場合は「赤:青:黄=100:0:0となり、「緑」の場合は「赤:青:黄=0:50:50」という形で表すことができる。従ってプレイヤが選択した色彩に関する色彩データと、当該想像物アイコンを出現させるために本来選択すべき色彩のデータを比較し、両者の乖離が一定の値以下であった場合には「同一もしくは近似」の色彩が選択されたと判断することが可能となる。
【0099】
また、形状やサイズ等特定の選択肢から選択できない情報については、例えば形状の場合、例えばプレイヤPによる描画処理の開始後一定期間(例えば1/60秒=1フレーム)ごとに入力デバイスのポインティング位置の座標を取得し、座標の軌跡から単位ベクトルでたとり、このベクトルの変化傾向に基づいて求めてもよい。あるいは、所定の基準点からの距離(座標)の変化に基づき求めても良い。また、その他の知られているピーク検出などの適当な手法を用いて数値化しても良い。
【0100】
なお、図形の大きさの判定については、描画画面をいくつかの領域に分割して管理し、プレイヤが描画した図形がいくつの領域にまたがって描画されたかや、各領域のどの位置に図形が描かれているかを判定することで求めるようにしてもよい。
【0101】
色彩や形状を上記のような過程で数値化した後は、以下のような手法を用いて任意の想像物アイコンを創出するために必要な正規抽象化図形データとプレイヤが描画処理によって入力した手書き抽象化図形を数値化して得た手書き抽象化図形データを以下のように比較することで、これらが同一もしくは近似であるかどうかを判断する。
【0102】
まず、手書き抽象化図形データを構成する、数値化された色彩や形状などの特徴に関するデータ(以下「特徴パラメータ」とする)は創造物データテーブルに記載されている各創造物の正規抽象化図形データの特徴パラメータと比較され、色彩、テクスチャ、形状等の各要素ごとの正規抽象化図形データと手書き抽象化図形データの乖離幅を算出し、
(色彩パラメータの会利幅+テクスチャパラメータの会利幅+形状パラメータの会利幅)/3、
もしくは
((色彩パラメータの乖離幅)+(テクスチャパラメータの乖離幅)+(形状パラメータの乖離幅)1/2
等の計算によって導かれた値を元にプレイヤPが入力した手書き抽象化図形データと最も近い正規抽象化図形データを有する創造物アイコンを決定し、マッチング結果としてプレイヤ端末100の表示画面上に表示する。
【0103】
この時、マッチング結果は複数の候補を用意しておき、マッチング率の高いものから順に表示するようにしてもよい。
【0104】
もしくは、マッチング結果の複数の候補を一度に表示部に表示し、プレイヤに任意のものを選択させるようにしてもよい。
【0105】
この時、マッチング処理の過程においてマッチング率の高いものから順に認識結果候補を選択し、さらに選択された該認識結果候補に対応する使用可能条件を参照して、条件を満たすものだけを最終的なマッチング結果候補としてプレイヤに表示することとしてもよいし、使用可能条件を満たしていないマッチング結果候補については、該候補を選択不可能であることをプレイヤに認識可能な状態で表示することとしてもよい。プレイヤに該候補が選択不可能であることを認識させるためには、以下に説明するような手法を取ることが可能となる。
【0106】
図12はマッチング結果を決定するためのマッチング画面300を表す図である。図に示すようにプレイヤPが描画した手書き抽象化図形の完成画像を描画結果表示領域310に表示するとともに、複数のマッチング結果候補を候補表示領域320に表示する。この時、候補表示領域320には、マッチング結果候補となる創造物アイコンのアイコン画像とともに、当該創造物アイコンの正規抽象化図形330を併せて表示するようにするようにしてもよい。このようにすることで、プレイヤPは自分の描画した手書き抽象化図形310と創造物アイコンの正規抽象化図形330がどの程度近似であるかを一目で確認可能となる。
【0107】
この時、複数のマッチング結果候補のうち使用可能条件を満たしていないため、選択不可となっている候補については、「選択できません」というような直接的なメッセージとともに表示することとしてもよい。また、この図に示すように、選択不可図となっているマッチング候補に対応する正規抽象化図形は表示せずに、例えば「?」のようにしておくことが望ましい。なぜなら、新しい創造物アイコンの正規抽象化図形についてはプレイヤPがゲームを進行させる過程で、問題を解決したり、敵キャラクタとの戦闘に勝利したりすることによって徐々に獲得していくことが望ましいからであり、まだプレイヤPが獲得していない新規創造物アイコンの正規抽象化図形を意図せず知りえることを防ぐことが求められるからである。
【0108】
また、図13に示すように選択不可のマッチング結果の候補については、該創造物アイコンについてグレーアウト表示やシルエット表示を行うようにしてもよい。このように表示することで、プレイヤPに対して、「現在は使用可能条件を満たしていないが将来的にはこういったアイコンを出せるようになる」という期待感を持たせ、該創造物アイコンの使用可能条件の充足に向けて意欲を高める効果を与えることもできる。
【0109】
なお、選択不可のマッチング結果の候補についてはそもそも候補表示領域に一切表示しないようにしてもよい。
【0110】
正規抽象化図形データとプレイヤPによって入力された手書き抽象化図形データの乖離の程度が大きく、「近似」と判断される創造物データが存在しない場合には「該当するデータがありません」や「?」というようなメッセージを表示するようにして、プレイヤPに抽象化図形の再入力を促すようにしてもよい。
【0111】
この時、「もう一度描きなおす」というような選択ボタンをマッチング画面300上に表示し、プレイヤに再度描画を行うように促すようにしてもよい。
【0112】
さらに、マッチング結果の候補が多数検出され、マッチング画面300上に一度に表示しきれない場合は、「次を表示」といった候補表示切替ボタン340を表示するようにしてもよい。もちろん、上記表示切替えボタンを使って次候補を表示させた後、もう一度前の画面に戻る場合には新しい候補の表示画面に「前を表示」といった新たな候補表示切替ボタンが表示される。マッチング結果の候補の数が少なく、最初に表示したマッチング結果表示画面内に全ての候補が表示可能な場合は候補表示切替ボタン340は表示されないようにするか、グレーアウトする等、プレイヤPが当該ボタンを押下できないことを容易に認識可能な状態で表示するようにする。
【0113】
なお、プレイヤ端末100が複数の表示画面を有している場合、描画結果表示領域310と候補表示領域320を異なる表示画面上に表示するようにしてもよい。このように構成することにより、描画結果およびマッチング結果候補の画像を大きなサイズで表示可能となり、プレイヤPの操作効率が高まる。
【0114】
ゲーム画面上に創造物アイコンが表示された後の処理について
上述のマッチング処理の結果、一つもしくは複数の創造物アイコン候補の中からプレイヤによって任意の創造物アイコンが指定されると、CPU51は創造物データテーブルを参照し、当該創造物アイコンに関する各種データを読み出す。例えば当該創造物アイコンのアイコン画像データを読み出してVRAM56に送信し、ゲーム画面上に当該創造物のアイコン画像を予めプレイヤが指定したゲーム画面上の任意の位置に描画させる。
【0115】
この時、選択候補の中からマッチング候補結果表示画面においてプレイヤPが任意の創造物アイコンを選択する時、同一の創造物アイコンを選択した場合であっても、プレイヤが描画した手書き抽象画像から得られる特徴パラメータと当該創造物アイコンの抽象化データが保有する正規抽象化図形データの各特徴パラメータがどのように乖離しているかによって、同じ創造物アイコンがゲーム上に創出された場合であっても、プレイヤキャラクタが当該創造物アイコンに対応するステージに進行した際に出現するキャラクタの内容や、シナリオの内容が変化するような構造としてもよい。
【0116】
図4に示すように創造物アイコンの内容データを、キャラクタ群、シナリオ、マップ等カテゴリーごとの複数のテーブルに分けて管理しておくことにより、例えばマッチング結果候補の中から「城」が選択された場合、表示される創造物アイコン画像や創造物アイコンの名称などの基本情報については創造物アイコンテーブルの基本データ71から共通的に読み出され、創造物アイコンの内容情報(シナリオやマップなど)については内容データ73と対応するカテゴリーごとテーブル81〜8Nを用いて以下に記載するような方法でそれぞれ選択されて組み合わされるようにしてもよい。
【0117】
例えば、それぞれの特徴パラメータに「色彩データ⇒キャラクターデータ」、「形状データ⇒シナリオデータ」、「サイズデータ⇒マップデータ」といった対応関係を設定しておき、それぞれの特徴パラメータの乖離幅に応じて、選択される内容データが決定されるようにする。例えば
【表1】

【表2】

【表3】


というような対応関係を規定する。複数表示されたマッチング結果候補の中からプレイヤPが「城」を選択すると、創造物アイコンテーブル70の内容データ73の情報を参照して、キャラクタ群、シナリオ、マップについて、それぞれGroup
CA、Group SA、Group MAが選択される。
【0118】
次に、プレイヤが描画した手書き抽象化画像の特徴パラメータと創造物アイコンテーブルの中のマッチングデータ72に記載された、「城」の正規抽象化図形の特徴パラメータとを、色彩やサイズなどのカテゴリーごとに比較し乖離幅を求める。それぞれの特徴パラメータの乖離の状態が、「色彩;0.5、形状;0.8、サイズ;0.2」であった場合、上記対応表に従って、「キャラクタ群2、シナリオ3、マップ1」が選択されるため、最終的にキャラクタ群についてはGroup
CAの2、シナリオはGroup SAの3、マップはGroup MAの1が選択され当該データが読み出される。
【0119】
また、上記のような単純な対応関係でなく、以下に示すような複数のパラメータの乖離率の組み合わせによって内容データを変化させるようにしてもよい。

【表4】

【0120】
上記のような構成とすることで、プレイヤはゲーム画面上の任意の位置に任意の創造物アイコンを創出させることによって独自のシナリオを形成しながらオリジナリティのあるゲーム展開を楽しめるだけでなく、同一の創造物アイコンを創出させる場合であっても、描画処理においてプレイヤが作成した抽象化画像の出来上がりの微妙な差によって、創造物アイコンに含まれるマップデータやキャラクタが変化する。例えば、同じ「城」のアイコンが創出された場合であってもその時々の手書き抽象化図形の描画結果の状態によって、城の中の風景や部屋の配置、登場するキャラクタ等が異なる。
【0121】
従って、プレイヤごとに独自のゲーム展開が楽しめるだけでなく、同じプレイヤが同じゲームコンテンツを再度プレイする場合であっても、プレイするごとに描画結果の微妙な差異によってゲーム内容が変化するため、非常にバラエティに富んだゲームを提供することが可能となり、同じゲームを繰り返しプレイした場合であってもプレイヤの趣向性が低下することを防ぐことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明によれば、プレイヤが描画画面にタッチペンなどの入力デバイスを用いて自由に図形を描くことで、対応するアイコンをゲーム上の任意場所に創出させることが可能となり、プレイヤごとにゲーム内容を変化させることが可能なビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム装置、パーソナルコンピュータ、携帯電話端末、携帯用ゲーム機などに適用するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】プレイヤ端末の構成を示すブロック図である。
【図2】プレイヤ端末の電気的な構造を表すブロック図である。
【図3】ゲーム画面に表示されるワールドマップの例を表す図である。
【図4】創造物アイコンテーブルの内容を表すテーブル例である。
【図5】マッチング処理フローを表すフローチャートである。
【図6】描画画面におけるメニュー表示状態を表す図である。
【図7】「線をえらぶ」に対応する詳細メニューが表示された画面を表す図である。
【図8】「色をえらぶ」に対応する詳細メニューが表示された画面を表す図である。
【図9】「消す」に対応する詳細メニューが表示された画面を表す図である。
【図10】全ての詳細メニューが一度に表示される場合の画面を表す図である。
【図11】色彩配合画面を表す図である。
【図12】マッチング結果候補表示画面の例1を表す図である。
【図13】マッチング結果候補表示画面の例2を表す図である。
【符号の説明】
【0124】
100 プレイヤ端末
20 表示部
30 タッチペン
40 メモリカード
200 描画画面
300 マッチング画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤキャラクタを画像表示装置の表示画面上に表示し、プレイヤの操作に応じて前記表示画面上に表示されているプレイヤキャラクタの行動を制御することでビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、
表示画面上に表示されうる創造物アイコン及びこれに対応する創造物データを記録した創造物データテーブルと、
入力デバイスによって描画された図形を認識する図形認識手段と、
前記図形認識手段によって認識された図形データについて、創造物データテーブルに記録されている複数の創造物図形データの中から前記図形データと近似なデータを持つ創造物を一つ又は複数選択するマッチング手段と、
マッチングの結果選択された創造物アイコンを表示画面上に表示するアイコン創出手段と
を備えることを特徴としたビデオゲーム処理装置。
【請求項2】
入力デバイスによって描画された図形は、表示画面上にゲームの進行を行うゲーム画面とは別に表示される描画画面上に表示されることを特徴とする請求項1記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項3】
前記図形は、複数の色彩データの中から任意に選択された色彩を用い描画されるものであり、前記図形認識手段は描画された図形の色彩データを認識することを特徴とする請求項1または2記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項4】
前記描画画面は複数の領域に分割されており、前記図形認識手段は、描画された図形が属する領域の位置及び数を元に描画された図形の大きさを認識することを特徴とする請求項2または3記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項5】
前記図形認識手段は、描画された図形を構成する直線または曲線の形状、位置、大きさ又は角度から、描画された図形の形状を認識することを特徴とする請求項1〜4記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項6】
前記創造物データテーブルには、該創造物に関するアイコン画像データ又は該創造物に対応するシナリオデータ、キャラクターデータ、マップデータ、若しくはアイテムデータ(IPDL等で公開されている明細書には、特許請求の範囲において「○○等」と記載したものが多数見受けられますが、「等」という記載は、特許請求の範囲を不明確にする可能性があるので、できれば使わないほうが良いと思われます)に関する創造物情報が格納されており、マッチング手段により、創造物が選択されると、該創造物に対応するアイコン画像データに基づいて、該創造物に対応する創造物情報を有するアイコン画像が表示されることを特徴とする請求項1〜5記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項7】
前記創造物データテーブルには、任意の前記創造物アイコンを創出させるために描画手段によってプレイヤが描画すべき抽象化図形の模範入力データである創造物図形データを更に含むことを特徴とする請求項6記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項8】
一つの創造物に対して複数のシナリオデータ、キャラクターデータまたはマップデータ等に関する創造物情報が備えられ、創造物図形データと前記創造物図形データの乖離幅をもとに複数の創造物情報からどのシナリオデータ、キャラクターデータまたはマップデータが決定されることを特徴とする請求項1〜7記載のビデオゲーム装置。
【請求項9】
前記マッチング手段は、前記図形認識手段によって認識された図形の形状等の情報を元に、前記創造物データテーブルに記録されている創造物データの中から、最も近似な創造物図形データを持つものを選択し、対応する創造物アイコンをマッチング結果表示画面に表示させることを特徴とする請求項1〜8記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項10】
前記マッチング手段は、前記図形認識手段によって認識された図形の形状等の情報を元に、前記創造物データテーブルに記録されている創造物データの中から、近似な創造物図形データを持つものを複数選択し、対応する複数の創造物アイコンをマッチング結果表示画面に表示させることを特徴とする請求項1〜8記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項11】
前記マッチング結果表示画面に表示された創造物アイコンがプレイヤの意図したものかどうかをプレイヤに確認させるマッチング結果確認手段を更に備え、前記マッチング結果確認手段によって確認したマッチング結果がプレイヤの意図に沿うものであった場合、マッチング結果決定手段によりマッチング結果の決定処理を行うことを特徴とする請求項9記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項12】
前記マッチング結果表示画面に複数の創造物アイコンが表示された場合、表示された複数の創造物アイコンの中から任意の創造物アイコンをマッチング結果決定手段により選択可能とすることを特徴とする請求項10記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項13】
前記マッチング手段において、前記図形認識手段が取得した図形データと近似の創造物図形データを持つ創造物データが存在しない場合、プレイヤに対して該当する創造物データが存在しない旨を通知する図形認識エラー通知手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜12記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項14】
前記図形認識エラー通知手段によるエラー表示は、プレイヤに対して図形の再入力か、または図形入力処理のキャンセルのいずれかを選択させる表示を含むことを特徴とする請求項13記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項15】
前記創造物データテーブルにはプレイヤキャラクタのレベルまたはゲームの進行状態から、描画手段によって創造物アイコンを表示画面上に表示させることが可能かどうかを制御する創造物データ取得条件が含まれていることを特徴とする請求項1〜14記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項16】
さらに、建造物データテーブルを備えたビデオゲーム処理装置であって、プレイヤキャラクタが表意させた前記創造物アイコンの内部にプレイヤキャラクタを進めた際に表示される詳細地図上を移動する際には、前記創造物データテーブルの代わりに前記建造物データテーブルを参照することにより、詳細地図上の任意の位置に建造物アイコンを表示可能とすることを特徴とする請求項1記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項17】
プレイヤキャラクタを画像表示装置の表示画面上に表示し、プレイヤの操作に応じて前記表示画面上に表示されているプレイヤキャラクタの行動を制御することでビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、
(ビデオゲーム処理方法が創造物データテーブルを有しているという表現は適切ではないので削除し、それを補足する意味で、下の「アイコン創出処理」の記載を若干修正しました。)
入力デバイスによって描画された図形を認識する図形認識処理と、
前記図形認識手段によって認識された図形データについて、創造物データテーブルに記録されている複数の創造物図形データの中から前記図形データと近似なデータを持つ創造物を一つ又は複数選択するマッチング処理と、
マッチングの結果選択された創造物に対応する創造物アイコンを表示画面上に(請求項1と同様、表示場所を指定しない場合もあるので削除しました。)表示するアイコン創出処理と
を備えることを特徴としたビデオゲーム処理方法。
【請求項18】
入力デバイスによって描画された図形は、表示画面上にゲームの進行を行うゲーム画面とは別に表示される描画画面上に表示されることを特徴とする請求項17記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項19】
前記図形は、複数の色彩データの中から任意に選択された色彩を用い描画されたもの
であり、前記図形認識処理は、描画された図形の色彩データを認識することを特徴とする請求項17または18記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項20】
前記描画画面は複数の領域に分割されており、前記図形認識処理では、描画された図形が属する領域の位置及び数を元に描画された図形の大きさを認識することを特徴とする請求項17から19記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項21】
前記図形認識処理は、描画された図形を構成する直線または曲線の形状、位置、大きさ又は角度から、描画された図形の形状を認識することを特徴とする請求項17〜20記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項22】
前記創造物データテーブルには、該創造物に関するアイコン画像データ又は該創造物に対応するシナリオデータ、キャラクターデータ、マップデータ、若しくはアイテムデータに関する情報が格納されており、マッチング処理により創造物が選択されると、該創造物に対応する創造物情報を有するアイコン画像が表示されることを特徴とする請求項17〜21記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項23】
前記創造物データテーブルには、任意の前記創造物アイコンを創出させるために描画処理によってプレイヤが描画すべき抽象化図形の模範入力データである創造物図形データを更に含むことを特徴とする請求項22記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項24】
一つの創造物に対して複数のシナリオデータ、キャラクターデータまたはマップデータが備えられ、創造物図形データと前記創造物図形データの乖離幅をもとに複数の創造物情報からどのシナリオデータ、キャラクターデータまたはマップデータが決定されることを特徴とする請求項17〜23記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項25】
前記マッチング処理は、前記図形認識処理によって認識された図形の形状等の情報を元に、前記創造物データテーブルに記録されている創造物データの中から、最も近似な創造物図形データを持つものを選択し、対応する創造物アイコンをマッチング結果表示画面に表示させることを特徴とする請求項17〜24記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項26】
前記マッチング処理は、前記図形認識処理によって認識された図形の形状等の情報を元に、前記創造物データテーブルに記録されている創造物データの中から、近似な創造物図形データを持つものを複数選択し、対応する複数の創造物アイコンをマッチング結果表示画面に表示させることを特徴とする請求項17〜24記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項27】
前記マッチング結果表示画面に表示された創造物アイコンがプレイヤの意図したものかどうかをプレイヤに確認させるマッチング結果確認処理を更に備え、前記マッチング結果確認処理によって確認したマッチング結果がプレイヤの意図に沿うものであった場合、マッチング結果決定処理によりマッチング結果の決定処理を行うことを特徴とする請求項25記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項28】
前記マッチング結果表示画面に複数の創造物アイコンが表示された場合、表示された複数の創造物アイコンの中から任意の創造物アイコンをマッチング結果決定処理により選択可能とすることを特徴とする請求項26記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項29】
前記マッチング処理において、前記図形認識処理で取得した図形データと近似の創造物図形データを持つ創造物データが存在しない場合、プレイヤに対して該当する創造物データが存在しない旨を通知する図形認識エラー通知処理を更に備えることを特徴とする請求項17〜28記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項30】
前記図形認識エラー通知手段によるエラー表示は、プレイヤに対して図形の再入力か、または図形入力処理のキャンセルのいずれかを選択させる表示を含むことを特徴とする請求項29記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項31】
前記創造物データテーブルにはプレイヤキャラクタのレベルまたはゲームの進行状態等から、描画処理によって表示画面上に創出させることが可能かどうかを制御する創造物データ取得条件が含まれていることを特徴とする請求項17〜31記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項32】
さらに、プレイヤキャラクタが表意させた前記創造物アイコンの内部にプレイヤキャラクタを進めた際に表示される詳細地図上を移動する際には、前記創造物データテーブルの代わりに前記建造物データテーブルを参照することにより、詳細地図上の任意の位置に建造物アイコンを表示可能とすることを特徴とする請求項17記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項33】
プレイヤキャラクタを画像表示装置の表示画面上に表示し、プレイヤの操作に応じて前記表示画面上に表示されているプレイヤキャラクタの行動を制御することでビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理プログラムであって、
表示画面上に表示されうる創造物アイコン及びこれに対応する創造物データを記録した創造物データ管理処理と、
入力デバイスによって描画された図形を認識する図形認識処理と、
前記図形認識手段によって認識された図形データについて創造物データテーブルに記録されている複数の創造物図形データの中から前記図形データと近似なデータを持つものを一つもしくは複数選択するマッチング処理と、
マッチングの結果選択された創造物アイコンを表示画面上に表示するアイコン創出処理と
を実行させることを特徴としたビデオゲーム処理プログラム。
【請求項34】
入力デバイスによって描画された図形は、表示画面上にゲームの進行を行うゲーム画面とは別に表示される描画画面上に表示されることを特徴とした請求項33記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項35】
前記図形は、複数の色彩データの中から任意に選択された色彩を用い描画されたものであり、前記図形認識処理は、描画された図形の色彩データを認識することを特徴とする請求項33記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項36】
前記描画画面は複数の領域に分割されており、前記図形認識処理では、描画された図形が属する領域の位置及び数を元に描画された図形の大きさを認識することを特徴とする請求項33〜35記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項37】
前記図形認識処理は、描画された図形を構成する直線または曲線の形状、位置、大きさ又は角度から、描画された図形の形状を認識することを特徴とする請求項33〜36記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項38】
前記創造物データテーブルには、該創造物に関するアイコン画像データ又は該創造物に対応するシナリオデータ、キャラクターデータ、マップデータ、若しくはアイテムデータに関する創造物情報が格納されており、マッチング処理により、創造物が選択されると、該創造物に対応するアイコン画像データに基づいて、該創造物に対応する創造物情報を有するアイコン画像が表示されることを特徴とする請求項33〜37記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項39】
前記創造物データテーブルには、任意の前記創造物アイコンを創出させるために描画処理によってプレイヤが描画すべき抽象化図形の模範入力データである創造物図形データを更に含むことを特徴とする請求項38記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項40】
一つの創造物に対して複数のシナリオデータ、キャラクターデータまたはマップデータに関する創造物情報が備えられ、図形データと前記創造物図形データの乖離幅をもとに複数の創造物情報からどのシナリオデータ、キャラクターデータまたはマップデータが決定されることを特徴とする請求項33〜39記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項41】
前記マッチング処理は、前記図形認識処理によって認識された図形の形状等の情報を元に、前記創造物データテーブルに記録されている創造物データの中から、最も近似な創造物図形データを持つものを選択し、対応する創造物アイコンをマッチング結果表示画面に表示させることを特徴とする請求項33〜40記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項42】
前記マッチング処理は、前記図形認識処理によって認識された図形の形状等の情報を元に、前記創造物データテーブルに記録されている創造物データの中から、近似な創造物図形データを持つものを複数選択し、対応する複数の創造物アイコンをマッチング結果表示画面に表示させることを特徴とする請求項33〜40記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項43】
前記マッチング結果表示画面に表示された創造物アイコンがプレイヤの意図したものかどうかをプレイヤに確認させるマッチング結果確認処理を更に備え、前記マッチング結果確認処理によって確認したマッチング結果がプレイヤの意図に沿うものであった場合、マッチング結果決定処理によりマッチング結果の決定処理を行うことを特徴とする請求項41記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項44】
前記マッチング結果表示画面に複数の創造物アイコンが表示された場合、表示された複数の創造物アイコンの中から任意の創造物アイコンをマッチング結果決定処理により選択可能とすることを特徴とする請求項42記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項45】
前記マッチング処理において、前記図形認識処理で取得した図形データと近似の創造物図形データを持つ創造物データが存在しない場合、プレイヤに対して該当する創造物データが存在しない旨を通知する図形認識エラー通知処理を更に備えることを特徴とする請求項33〜43記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項46】
前記図形認識エラー通知処理によるエラー表示は、プレイヤに対して図形の再入力か、
または図形入力処理のキャンセルのいずれかを選択させる表示を含むことを特徴とする請求項45記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項47】
前記創造物データテーブルにはプレイヤキャラクタのレベルやゲームの進行状態等から描画手段によって創造物アイコンを表示画面上に表示させることが可能かどうかを制御する創造物データ取得条件が含まれていることを特徴とする請求項33〜46記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項48】
さらにプレイヤキャラクタが表意させた前記創造物アイコンの内部にプレイヤキャラクタを進めた際に表示される詳細地図上を移動する際には、前記創造物データテーブルの代わりに前記建造物データテーブルを参照することにより、詳細地図上の任意の位置に建造物アイコンを表示可能とすることを特徴とする請求項33記載のビデオゲーム処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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