説明

ビデオゲーム制御サーバ、ビデオゲーム制御方法、およびビデオゲーム制御プログラム

【課題】相性の良い相手に巡り会うことができるように適切にアバターを振り分ける制御を行うことが可能なビデオゲームを提供する。
【解決手段】ビデオゲーム制御サーバ10が、プレイヤが操作するアバターが移動可能な2次元エリアへのアバターの入場要求をプレイヤ端末21から受け付け、入場要求があったアバターの行動履歴によって特定される行動タイプと、入場要求されている2次元エリアとしてそれぞれ別個に設けられている各パラレルエリア内にそれぞれ存在しているアバターの行動タイプとに基づいて、入場させるパラレルエリアを選択し、入場要求があったアバターをパラレルエリアに入場させるための処理を行い、アバターが入場したパラレルエリアを示すゲーム画面を表示させるためのゲーム画面情報を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤに操作されるプレイヤ端末に対して通信ネットワークを介してビデオゲームを提供し、当該ビデオゲームの進行を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各プレイヤがそれぞれ作成した自己のアバター(チャットなどのコミュニケーションツールにおいてプレイヤの分身として画面上に登場する動物やロボット等のキャラクタ)を介して、ウェブ上において各プレイヤが他のプレイヤとの間で各自のアバターを介してコミュニケーションを図るための各種のネットワークサービスが提供されている。
【0003】
このようなネットワークサービスにおいて、ログインする際に、アバター(ユーザの分身)を親密度の高い他のアバターの近くに出現させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3614327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のネットワークサービスでは、各アバターについての他のアバターとの親密度ランキングを元に出現場所を定めるものであるため、各アバターそれぞれの親密度ランキングを保持しておく必要があるため、参加者が多くなった場合には膨大なデータベース容量を必要とすることになるという問題があった。また、新密度を交流時間によって定めているため、同じ相手ばかりとのコミュニケーションしかとれずに、交流のない相性の良い相手と巡り会う機会を持つことが困難となるという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決すべく、相性の良い相手に巡り会うことができるように適切にアバターを振り分ける制御を行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のビデオゲーム制御サーバは、プレイヤに操作されるプレイヤ端末に対して通信ネットワークを介してビデオゲームを提供し、当該ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム制御サーバであって、前記プレイヤが操作するアバターが移動可能な2次元エリアであって前記プレイヤ端末に表示される当該2次元エリアへのアバターの入場要求を前記プレイヤ端末から受け付けるエリア入場要求受付手段と、該エリア入場要求受付手段によって入場要求が受け付けられたときに、入場要求があったアバターのビデオゲーム上の行動履歴によって特定される当該アバターの行動タイプと、入場要求されている2次元エリアとしてそれぞれ別個に設けられている各パラレルエリア内にそれぞれ存在しているアバターの行動タイプとに基づいて、入場要求があったアバターを入場させるパラレルエリアを選択するパラレルエリア選択手段と、前記パラレルエリア選択手段によって選択されたパラレルエリアのエリア情報に入場要求があったアバターを存在しているアバターとして追加することで、入場要求があったアバターをパラレルエリアに入場させる入場処理手段と、アバターが入場したパラレルエリアを示すゲーム画面を前記プレイヤ端末に表示させるためのゲーム画面情報を提供するゲーム画面情報提供手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
上記の構成としたことで、相性の良い相手に巡り会うことができるように適切にアバターを振り分ける制御を行うことができるようになる。
【0009】
アバターの行動タイプを示す行動タイプ情報を記憶する行動タイプ情報記憶手段と、前記エリア入場要求受付手段によって入場要求が受け付けられたときに、前記行動タイプ情報を参照して入場要求があったアバターの行動タイプを特定する行動タイプ特定手段とを含み、前記パラレルエリア選択手段は、前記行動タイプ特定手段によって特定された行動タイプに基づいてパラレルエリアを選択する構成とされていてもよい。
【0010】
入場要求されている2次元エリアとしてそれぞれ別個に設けられている各パラレルエリア内にそれぞれ存在しているアバターの行動タイプを前記行動タイプ情報を参照して特定し、前記行動タイプ特定手段によって特定された入場要求があったアバターの行動タイプと同一の行動タイプのアバターが存在している割合を前記各パラレルエリアについて特定する割合特定手段を含み、前記パラレルエリア選択手段は、前記割合特定手段によって特定された割合が最も高いパラレルエリアを選択する構成とされていてもよい。
【0011】
アバターの行動履歴を蓄積する行動履歴蓄積手段と、該行動履歴蓄積手段によって蓄積されたアバターの行動履歴に応じて、あらかじめ定められた複数種類の行動タイプのうち当該アバターがいずれの行動タイプであるかを決定し、前記行動タイプ情報を更新する行動タイプ情報更新手段を含む構成とされていてもよい。
【0012】
また、本発明のビデオゲーム制御方法は、プレイヤに操作されるプレイヤ端末に対して通信ネットワークを介してビデオゲームを提供し、当該ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム制御方法であって、前記プレイヤが操作するアバターが移動可能な2次元エリアであって前記プレイヤ端末に表示される当該2次元エリアへのアバターの入場要求を前記プレイヤ端末から受け付けるエリア入場要求受付処理と、該エリア入場要求受付処理にて入場要求を受け付けたときに、入場要求があったアバターのビデオゲーム上の行動履歴によって特定される当該アバターの行動タイプと、入場要求されている2次元エリアとしてそれぞれ別個に設けられている各パラレルエリア内にそれぞれ存在しているアバターの行動タイプとに基づいて、入場要求があったアバターを入場させるパラレルエリアを選択するパラレルエリア選択処理と、前記パラレルエリア選択処理にて選択したパラレルエリアのエリア情報に入場要求があったアバターを存在しているアバターとして追加することで、入場要求があったアバターをパラレルエリアに入場させる入場処理と、アバターが入場したパラレルエリアを示すゲーム画面を前記プレイヤ端末に表示させるためのゲーム画面情報を提供するゲーム画面情報提供処理とを含むことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明のビデオゲーム制御プログラムは、プレイヤに操作されるプレイヤ端末に対して通信ネットワークを介してビデオゲームを提供させ、当該ビデオゲームの進行を制御させるためのビデオゲーム制御プログラムであって、コンピュータに、前記プレイヤが操作するアバターが移動可能な2次元エリアであって前記プレイヤ端末に表示される当該2次元エリアへのアバターの入場要求を前記プレイヤ端末から受け付けるエリア入場要求受付処理と、該エリア入場要求受付処理にて入場要求を受け付けたときに、入場要求があったアバターのビデオゲーム上の行動履歴によって特定される当該アバターの行動タイプと、入場要求されている2次元エリアとしてそれぞれ別個に設けられている各パラレルエリア内にそれぞれ存在しているアバターの行動タイプとに基づいて、入場要求があったアバターを入場させるパラレルエリアを選択するパラレルエリア選択処理と、前記パラレルエリア選択処理にて選択したパラレルエリアのエリア情報に入場要求があったアバターを存在しているアバターとして追加することで、入場要求があったアバターをパラレルエリアに入場させる入場処理と、アバターが入場したパラレルエリアを示すゲーム画面を前記プレイヤ端末に表示させるためのゲーム画面情報を提供するゲーム画面情報提供処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、相性の良い相手に巡り会うことができるように適切にアバターを振り分ける制御を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態におけるビデオゲーム制御システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】ビデオゲームにおける表示画面の例を示す説明図である。
【図3】ゲーム情報の例を示す説明図である。
【図4】タイプ情報の例を示す説明図である。
【図5】エリア情報の例を示す説明図である。
【図6】アバターのエリア移動の概念を説明するための説明図である。
【図7】ゲーム画面制御情報提供処理の例を示すフローチャートである。
【図8】タイプ更新処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態を示すビデオゲーム制御システムの例を示すブロック図である。ビデオゲーム制御システム100は、ビデオゲーム制御サーバ10と、複数のプレイヤ端末21〜2N(N=1,2、・・)とを含む。ビデオゲーム制御サーバ10と、プレイヤ端末21〜2Nとは、それぞれ、インターネットなどの通信ネットワーク30に接続されている。
【0018】
ビデオゲーム制御サーバ10は、例えばWWWサーバなどの情報処理装置であって、システム管理者によって管理される。このビデオゲーム制御サーバ10は、複数のプレイヤ端末21〜2Nに対して通信ネットワーク30を介してビデオゲームを提供する機能を有している。ビデオゲーム制御サーバ10は、ゲームの提供のために用いられる各種の情報を示すゲーム情報が格納される記憶媒体であるゲームDB11と、各プレイヤによってそれぞれ操作される各アバターそれぞれのタイプを示すタイプ情報が格納される記憶媒体であるタイプDB12と、後述するエリア情報が格納される記憶媒体であるエリアDB13を備えている。
【0019】
プレイヤ端末21〜2Nは、それぞれ、各プレイヤによって管理され、携帯可能なゲーム機器、設置型のゲーム機器、コンピュータ装置、携帯電話などの各種の情報処理装置によって構成される。
【0020】
ここで、本例において実行されるビデオゲームについて説明する。図2は、本例のビデオゲームにおいて各プレイヤ端末21〜2Nが備える表示装置に表示される表示画面の例を示す説明図である。この表示画面には、図2に示すように、ゲームにおける仮想エリアを示すゲーム画面を表示するゲーム画面表示領域100と、例えば、ズームインボタン201やズームアウトボタン202等のゲームにおいて用いられる複数のボタンを含むボタン群を表示するボタン群表示領域200とが設けられている。図2に示すゲーム画面には、仮想的に作成された街などのエリアを示す仮想エリアと、各プレイヤによって操作されるアバターP1〜P4が示されている。なお、プレイヤによっては操作されないアバターが表示されていてもよい。
【0021】
仮想エリアは、例えばビットマップによって2次元データとして作成される。また、アバターP1〜P4は、本例では、スプライト画像(ベクター形式画像)による2次元データとして作成されているものとする。
【0022】
本例のビデオゲームにおいては、仮想エリアとしてあらかじめ用意されている街や家の中で各プレイヤが操作するアバターP1〜P4が活動し、アバター同士でコミュニケーションをとったり(チャットなど)、アバター同士でトランプなどのミニゲームを行ったり、金銭に相当するポイントを稼いで店に入って装着する服などの商品を買ったりすることで、仮想生活が行われる。本例の「ビデオゲーム」はプレイヤの分身としてのアバターを用いた仮想生活を楽しむゲームであり、ビデオゲーム制御サーバ10は、本例の「ビデオゲーム」を進行させるための仮想フィールドや各種のコンテンツを各プレイヤ端末21〜2Nに提供する。
【0023】
図3は、ゲームDB11に格納されたゲーム情報の格納状態の例を示す説明図である。ゲーム情報は、各プレイヤのプレイヤ名、各プレイヤを一意に特定可能なプレイヤID、該当するプレイヤが自己の分身として操作するアバターを示すアバター情報、ゲームの進行に応じて蓄積されていくアバターのゲーム上の行動履歴を示す行動履歴情報などが対応付けされた情報を含む。行動履歴情報には、例えば、ログイン時間、ゲーム回数、ブログ更新回数などが該当する。
【0024】
図4は、タイプDB12に格納されたタイプ情報の格納状態の例を示す説明図である。タイプ情報は、各プレイヤ毎(各アバター毎)に別個に生成され管理されている。図4では、プレイヤA(プレイヤAが操作するアバターP1)のタイプ情報が示されている。図4に示すように、タイプ情報は、プレイヤAのゲーム情報に含まれる行動履歴情報が示す時間や回数などの値から所定の計算式によって算出される各種タイプ決定ポイント(本例においては、ログイン時間ポイント、ゲーム回数ポイント、ブログ更新回数ポイント)と、そのタイプ決定ポイントから決定されるアバターのタイプが対応付けされた情報である。なお、本例では、行動履歴情報が示す時間や回数などの値を定数倍することによって各種タイプ決定ポイントを算出するようにしているが、他の計算式を用いてもよいし、行動履歴情報が示す時間や回数などの値をそのまま用いるようにしてもよい。
【0025】
本例では、プレイヤの「タイプ」は、タイプC(コミュニティ型)とタイプG(ゲーム型)とタイプB(ブログ型)に分類されるものとする。図4に示す例のように、ログイン時間ポイントが最大の場合には、プレイヤAのタイプは「タイプC」となる。なお、ゲーム回数ポイントが最大の場合にはタイプGとなり、ブログ更新回数ポイントが最大の場合にはタイプBとなる。なお、複数のポイントが同じ値となった場合には、例えば、どちらかが優先して決定されるような構成とすればよい。
【0026】
ここで、本例におけるエリア情報について説明する。図5は、エリア情報の例を示す説明図である。図5に示すように、エリア情報は、エリアの名称を示すエリア名と、該当するエリアとして別個に複数設けられているパラレルエリアの名称を示すパラレルエリア名と、各パラレルエリアに存在しているアバター(アバター名)と、各パラレルエリアに存在しているアバターのタイプ別の割合とが対応付けされた情報である。
【0027】
本例において実行されるビデオゲームでは、アバターが活動可能な複数種類の仮想エリア(エリアA,エリアB,・・・)が用意されている。また、本例では、各仮想エリアについて、それぞれ、該当する同一の仮想空間を同時平行的に別個に実現するための複数のパラレルエリアが用いられる。例えば、エリアAについては、パラレルエリアA1,A2,・・・のそれぞれが用いられる。なお、パラレルエリアに同時に存在できるアバターの数に上限を設ける構成としてもよい。
【0028】
図6は、本例のビデオゲームにおけるアバターのエリア移動の概念を説明するための説明図である。図6に示すように、例えばプレイヤAにより操作されるアバターP1がエリアAに移動する際には、パラレルエリアA1〜A3のうちの何れかに移動することになる。そして、アバターP1が、例えばパラレルエリアA1に移動し、そこからエリアBに移動する際にも、パラレルエリアB1〜B3のうちの何れかに移動することとなる。このとき、本例のシステム100では、各パラレルエリアのうち相性の良いアバターがより集まっているパラレルエリアに振り分けられる。この振り分け方法については、後で詳述する。
【0029】
次に、本例のビデオゲーム制御サーバ10の動作について説明する。
図7は、ビデオゲーム制御サーバ10が実行するゲーム画面制御情報提供処理の例を示すフローチャートである。ここでは、アバターP1を操作するプレイヤAが管理するプレイヤ端末21に対してゲーム画面の表示制御を行うためのゲーム画面制御情報(ゲーム画面を表示させるための情報)を提供する場合を例に説明する。プレイヤ端末21は、ビデオゲーム制御サーバ10から送信されているゲーム画面制御情報に従って、自己が備える表示装置に表示されるゲーム画面の表示内容を制御する。図7に示すゲーム画面制御情報提供処理は、プレイヤ端末21におけるゲーム画面の更新間隔時間毎(例えば、1/15秒毎、1/10秒毎)に実行される。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0030】
ゲーム画面制御情報提供処理において、ビデオゲーム制御サーバ10は、先ず、プレイヤ端末21からのエリア移動指定を受け付けたか否かを確認する(ステップS101)。プレイヤ端末21では、自己が備える入力装置(キーボード、マウスなど)のプレイヤAによる所定の操作によって、現在の仮想エリアから仮想エリアAへのアバターP1の移動指示を受けた場合には、ビデオゲーム制御サーバ10に対して通信ネットワーク30を介して仮想エリアAへの移動要求を示すエリア移動指定を送信する。
【0031】
エリア移動指定を受け付けた場合には(ステップS101のY)、ビデオゲーム制御サーバ10は、受け付けたエリア移動指定に応じて、ゲームDB11を参照し、アバターP1のタイプを確認する(ステップS102)。本例においては、アバターP1がタイプCであるものとする。
【0032】
アバターP1のタイプを確認すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、エリアDB13を参照して、受け付けたエリア移動指定が示す仮想エリアAのエリア情報を確認し、パラレルエリアA1〜ANのうちタイプCの割合が最も高いパラレルエリアを、移動するパラレルエリア(移動パラレルエリア)として選択する(ステップS103)。
【0033】
そして、例えばパラレルエリアA1におけるタイプCの割合が他のパラレルエリアA2〜ANよりも高い場合には、ビデオゲーム制御サーバ10は、アバターP1をパラレルエリアA1へ移動するための処理を実行する(ステップS104)。具体的には、アバターP1のゲーム情報において現在存在しているエリアを示す現在エリア情報を更新する処理や、エリア情報のパラレルエリアA1についてのエリア内のアバターの情報を更新する処理などを行う。なお、タイプCの割合だけでは1のパラレルエリアを決定できない場合は、他の要素、例えばパラレルエリアに存在するアバターの数などを選択要素とする構成とすればよい。
【0034】
次に、ビデオゲーム制御サーバ10は、必要に応じてエリア情報やゲーム情報を更新し(ステップS105)、エリア情報やゲーム情報の内容に応じてアバターP1が存在しているパラレルエリアを示すゲーム画面をプレイヤ端末21に表示させるためのゲーム画面制御情報を生成し(ステップS106)、生成したゲーム画面制御情報をプレイヤ端末21に対して通信ネットワーク30を介して送信する(ステップS107)。
【0035】
ゲーム画面制御情報を受信すると、プレイヤ端末21は、受信したゲーム画面制御情報に従ってゲーム画面を生成し、自己が備える表示装置に表示(ゲーム画面の更新を含む)する。
【0036】
なお、上記の例では、エリア移動指定を受け付けた場合(すなわちエリア間の移動の場合)について説明したが、プレイヤの操作により本例のビデオゲームにログインしたときについても同様に、ビデオゲーム処理サーバ10が、該当するアバターのタイプを確認して、初期エリアとして複数のパラレルエリアの中からログインしたプレイヤのアバターが存在することとするパラレルエリアを選択するものとする。
【0037】
次に、本例においてビデオゲーム制御サーバ10が実行するアバターのタイプ更新処理について説明する。図8は、タイプ更新処理の例を示すフローチャートである。なお、本例においては、タイプ更新処理は所定の時間間隔で実行されることとするが、他のタイミング、例えばプレイヤの操作によるアバターのエリア移動を受け付けたときや、行動履歴情報が更新されたときに実行するようにしてもよい。
【0038】
なお、本例では、ビデオゲーム制御サーバ10は、ゲームの進行に応じてゲーム情報における行動履歴情報を蓄積(更新)する処理を行っている。よって、行動履歴情報(ログイン時間、ゲーム回数、ブログ更新回数など)は随時更新されている。
【0039】
タイプ更新処理を開始すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、ゲームDB11を参照して行動履歴情報(本例においては、ログイン時間、ゲーム回数、ブログ更新回数)を確認し、所定の計算式を用いて各種タイプ決定ポイント(本例においては、ログイン時間ポイント、ゲーム回数ポイント、ブログ更新回数ポイント)を算出し(ステップS201)、各種タイプ決定ポイントを算出した各種タイプ決定ポイントに更新する(ステップS202)。
【0040】
次に、ビデオゲーム制御サーバ10は、各種タイプ決定ポイントの更新により、各種タイプ決定ポイントのうち最大値のタイプ決定ポイントが変更したか否かを確認する(ステップS203)。
【0041】
最大値のタイプ決定ポイントが変更されたと判定した場合には(ステップS203のY)、ビデオゲーム制御サーバ10は、そのアバターのタイプ情報におけるタイプを最大値のタイプ決定ポイントに対応するタイプに変更するとともに、ゲーム情報におけるタイプを同様に変更する(ステップS204)。
【0042】
タイプを変更する処理を終えると、ビデオゲーム制御サーバ10は、変更後のタイプに基づいて、パラレルエリア内に存在するアバターのタイプの割合を算出し、エリア情報における各タイプの割合を更新する(ステップS205)。そして、タイプ更新処理を終了する。
【0043】
一方、最大値のタイプ決定ポイントが変更されていないと判定した場合には(ステップS203のN)、ビデオゲーム制御サーバ10は、タイプを変更することなくタイプ変更処理を終了する。
【0044】
なお、上記のタイプ変更処理は、各アバターについて個別に実行してもよいし、一部または全部のアバターについてまとめて実行するようにしてもよい。
【0045】
以上に説明したように、プレイヤに操作されるプレイヤ端末21〜2Nに対して通信ネットワーク30を介してビデオゲームを提供し、当該ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム制御サーバ10が、プレイヤが操作するアバターが移動可能な2次元エリア(仮想エリア)であってプレイヤ端末21に表示されるその2次元エリアへのアバターの入場要求(エリア移動要求、ゲームへのログインの際などのエリア入場要求)をプレイヤ端末21から受け付け、入場要求があったアバターのビデオゲーム上の行動履歴(行動履歴情報が示す行動履歴)によって特定されるそのアバターの行動タイプ(タイプ)と、入場要求されている2次元エリアとしてそれぞれ別個に設けられている各パラレルエリア内にそれぞれ存在しているアバターの行動タイプとに基づいて、入場要求があったアバターを入場させるパラレルエリアを選択し、選択されたパラレルエリアのエリア情報に入場要求があったアバターを存在しているアバターとして追加することで、入場要求があったアバターをパラレルエリアに入場させるための処理を行い、アバターが入場したパラレルエリアを示すゲーム画面をプレイヤ端末21に表示させるためのゲーム画面情報を提供する構成としたことで、相性の良い相手に巡り会うことができるように適切にアバターを振り分ける制御を行うことができるようになる。
【0046】
すなわち、行動履歴(行動履歴情報が示す行動履歴)によって特定される入場要求のあったアバターの行動タイプと、入場要求されている2次元エリアとしてそれぞれ別個に設けられている各パラレルエリア内にそれぞれ存在しているアバターの行動タイプとに基づいて、入場要求があったアバターを入場させるパラレルエリアを選択する構成としているので、行動タイプを考慮して相性の良い相手が多く存在しているパラレルエリアを入場するエリアとして選択することができるようになる。このように、本例のビデオゲーム制御サーバ10によって、相性の良い相手に巡り会うことができるように適切にアバターを振り分ける制御を行うことができるようになるのである。
【0047】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム制御サーバ10が、アバターの行動タイプを示す行動タイプ情報(タイプ情報)を記憶するタイプDB12を備え、入場要求が受け付けられたときに、行動タイプ情報を参照して入場要求があったアバターの行動タイプを特定し、特定された行動タイプに基づいてパラレルエリアを選択する構成としているので、行動タイプ情報が示す行動タイプを用いて相性の良い相手が多く存在しているパラレルエリアを入場するエリアとして選択することができる。
【0048】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム制御サーバ10が、入場要求されている2次元エリアとしてそれぞれ別個に設けられている各パラレルエリア内にそれぞれ存在しているアバターの行動タイプを行動タイプ情報を参照して特定し、特定された入場要求があったアバターの行動タイプと同一の行動タイプのアバターが存在している割合を各パラレルエリアについて特定し、特定された割合が最も高いパラレルエリアを選択する構成としているので、同一の行動タイプのアバターが最も高い割合で存在しているパラレルエリアを入場するエリアとして選択することができる。
【0049】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム制御サーバ10が、アバターの行動履歴を蓄積し、蓄積されたアバターの行動履歴に応じて、あらかじめ定められた複数種類の行動タイプのうちそのアバターがいずれの行動タイプであるかを決定し、行動タイプ情報を更新する構成としているので、アバターの行動タイプを行動履歴に応じて更新していくことができる。よって、最新の行動タイプに基づいて入場するパラレルエリアを選択することができるようになる。
【0050】
なお、上述したシステム100は、アバターによって仮想生活を行うためのゲーム画面を提供するものであれば、どのようなビデオゲームであっても適用することができる。
【0051】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム制御サーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている制御プログラム(ビデオゲーム制御プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によれば、相性の良い相手に巡り会うことができるように適切にアバターを振り分ける制御を行うことが可能なビデオゲームを提供するのに有用である。
【符号の説明】
【0053】
10 ビデオゲーム制御サーバ
11 ゲームDB
12 タイプDB
13 エリアDB
21〜2N プレイヤ端末
30 通信ネットワーク
100 ビデオゲーム制御システム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤに操作されるプレイヤ端末に対して通信ネットワークを介してビデオゲームを提供し、当該ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム制御サーバであって、
前記プレイヤが操作するアバターが移動可能な2次元エリアであって前記プレイヤ端末に表示される当該2次元エリアへのアバターの入場要求を前記プレイヤ端末から受け付けるエリア入場要求受付手段と、
該エリア入場要求受付手段によって入場要求が受け付けられたときに、入場要求があったアバターのビデオゲーム上の行動履歴によって特定される当該アバターの行動タイプと、入場要求されている2次元エリアとしてそれぞれ別個に設けられている各パラレルエリア内にそれぞれ存在しているアバターの行動タイプとに基づいて、入場要求があったアバターを入場させるパラレルエリアを選択するパラレルエリア選択手段と、
前記パラレルエリア選択手段によって選択されたパラレルエリアのエリア情報に入場要求があったアバターを存在しているアバターとして追加することで、入場要求があったアバターをパラレルエリアに入場させる入場処理手段と、
アバターが入場したパラレルエリアを示すゲーム画面を前記プレイヤ端末に表示させるためのゲーム画面情報を提供するゲーム画面情報提供手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム制御サーバ。
【請求項2】
アバターの行動タイプを示す行動タイプ情報を記憶する行動タイプ情報記憶手段と、
前記エリア入場要求受付手段によって入場要求が受け付けられたときに、前記行動タイプ情報を参照して入場要求があったアバターの行動タイプを特定する行動タイプ特定手段とを含み、
前記パラレルエリア選択手段は、前記行動タイプ特定手段によって特定された行動タイプに基づいてパラレルエリアを選択する
請求項1記載のビデオゲーム制御サーバ。
【請求項3】
入場要求されている2次元エリアとしてそれぞれ別個に設けられている各パラレルエリア内にそれぞれ存在しているアバターの行動タイプを前記行動タイプ情報を参照して特定し、前記行動タイプ特定手段によって特定された入場要求があったアバターの行動タイプと同一の行動タイプのアバターが存在している割合を前記各パラレルエリアについて特定する割合特定手段を含み、
前記パラレルエリア選択手段は、前記割合特定手段によって特定された割合が最も高いパラレルエリアを選択する
請求項2記載のビデオゲーム制御サーバ。
【請求項4】
アバターの行動履歴を蓄積する行動履歴蓄積手段と、
該行動履歴蓄積手段によって蓄積されたアバターの行動履歴に応じて、あらかじめ定められた複数種類の行動タイプのうち当該アバターがいずれの行動タイプであるかを決定し、前記行動タイプ情報を更新する行動タイプ情報更新手段を含む
請求項2または請求項3記載のビデオゲーム制御サーバ。
【請求項5】
プレイヤに操作されるプレイヤ端末に対して通信ネットワークを介してビデオゲームを提供し、当該ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム制御方法であって、
前記プレイヤが操作するアバターが移動可能な2次元エリアであって前記プレイヤ端末に表示される当該2次元エリアへのアバターの入場要求を前記プレイヤ端末から受け付けるエリア入場要求受付処理と、
該エリア入場要求受付処理にて入場要求を受け付けたときに、入場要求があったアバターのビデオゲーム上の行動履歴によって特定される当該アバターの行動タイプと、入場要求されている2次元エリアとしてそれぞれ別個に設けられている各パラレルエリア内にそれぞれ存在しているアバターの行動タイプとに基づいて、入場要求があったアバターを入場させるパラレルエリアを選択するパラレルエリア選択処理と、
前記パラレルエリア選択処理にて選択したパラレルエリアのエリア情報に入場要求があったアバターを存在しているアバターとして追加することで、入場要求があったアバターをパラレルエリアに入場させる入場処理と、
アバターが入場したパラレルエリアを示すゲーム画面を前記プレイヤ端末に表示させるためのゲーム画面情報を提供するゲーム画面情報提供処理とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム制御方法。
【請求項6】
プレイヤに操作されるプレイヤ端末に対して通信ネットワークを介してビデオゲームを提供させ、当該ビデオゲームの進行を制御させるためのビデオゲーム制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記プレイヤが操作するアバターが移動可能な2次元エリアであって前記プレイヤ端末に表示される当該2次元エリアへのアバターの入場要求を前記プレイヤ端末から受け付けるエリア入場要求受付処理と、
該エリア入場要求受付処理にて入場要求を受け付けたときに、入場要求があったアバターのビデオゲーム上の行動履歴によって特定される当該アバターの行動タイプと、入場要求されている2次元エリアとしてそれぞれ別個に設けられている各パラレルエリア内にそれぞれ存在しているアバターの行動タイプとに基づいて、入場要求があったアバターを入場させるパラレルエリアを選択するパラレルエリア選択処理と、
前記パラレルエリア選択処理にて選択したパラレルエリアのエリア情報に入場要求があったアバターを存在しているアバターとして追加することで、入場要求があったアバターをパラレルエリアに入場させる入場処理と、
アバターが入場したパラレルエリアを示すゲーム画面を前記プレイヤ端末に表示させるためのゲーム画面情報を提供するゲーム画面情報提供処理とを
実行させるためのビデオゲーム制御プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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