説明

ビデオ再生システムにおいて遠隔制御装置の機能をマウスで実現するためのシステムおよび方法

【課題】ビデオ再生システムにおいて、マウスによって遠隔制御装置の機能を実現する方法を提供する。
【解決手段】ビデオ再生システムにおいて、マウスによる遠隔制御装置の機能を実現する方法は、ページ内のすべての選択可能なボタンを識別するステップと、現在選択されている第1のボタン上にマウスが位置付けられている間に、マウスデバイス上のキーを押下するステップと、キーを押下しながら、選択されるべき第2のボタンの方向にマウスデバイスをドラッグするステップと、一度、マウスデバイスが第2のボタン上に位置付けられると、マウスデバイス上のキーを放して、第2のボタンを選択するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、ビデオ再生システムにおける入力/出力デバイスの遠隔制御装置の機能のインプレメンテーションに関する。さらに詳細に述べると、ビデオ再生システムにおいてマウスによって遠隔制御装置の機能を実現するシステムおよび方法に関する。
【背景】
【0002】
ビデオ再生システムはよく知られており、さまざまなビデオ再生システムに関連するフォーマットおよび他の属性を管理する現在の標準規格にはさまざまなものがある。今日、DVD(デジタルビデオディスク)標準規格は高記憶容量であることから高品質のビデオおよびオーディオを記憶できるため、光ディスクの記憶に利用される主流のフォーマットである。結果的に、映画、テレビショーおよび音楽ビデオのようなメディアコンテンツは、DVDフォーマットで幅広く利用可能になった。VHSテープ(ビデオホームシステム)のような他の記憶フォーマットと比較してDVDの魅力ある観点のうちの1つは、映画自体の他にDVD上で提供される対話型メニューである。これらの対話型メニューは、映画またはテレビショーのようなメディアコンテンツをDVDで楽しむのに完全に必要不可欠の部分となった。今日、例えば、映画鑑賞に加えて、消費者は特定のチャプターを選択して見ることができ、オーディオ/ビデオオプション(サブタイトル等、再生される映画の言語)を設定でき、そして、映画を製作する際の“舞台裏”の様子のようなさらなるシーンでさえ鑑賞することができる。DVDの中には、原作の結末を気に入らない消費者が自分の好みの結末を実際に選択できる“代わりの結末”でさえも提供するものもある。DVDプレイヤーが1990年後半に消費者に最初に利用可能になってから、DVDプレイヤーは多くの家庭に普及している。これは、DVDプレイヤーのコストが部分的に下がったので、消費者にとって入手可能になったことによる。さらに、今日、大部分のパーソナルデスクトップとラップトップコンピュータはDVD−ROMプレイヤーを搭載して販売されており、DVDプレイヤーは以前よりさらにますます普及され、さらにますます持ち運びが可能になった。
【0003】
一般的に、従来の独立型DVDプレイヤー(例えば、コンピュータシステムに組み込まれていないプレイヤー、およびテレビのような別々の表示デバイスを必要とするプレイヤー)であれば、DVDプレイヤーには、DVDによって提供される機能に消費者がアクセスするために使用する遠隔制御装置が付いてくるだろう。この遠隔制御装置によって、消費者は、特定のDVDが提供する階層の対話型メニューを通して移動することができる。DVDプレイヤー用の一般的な遠隔制御装置は、1組の上/下矢印および左/右矢印を備えている。遠隔制御装置の中には、上/下および左/右のナビゲーションボタンの配列の中央に選択ボタンを備えているものもある。ナビゲーションボタンによって、ユーザは、メニュー内のあちこちに、より直感的に動けるようになる。例えば、ユーザが特定のチャプターを選択して見ることができるスクリーンにおいて、一連のサムネイルスクリーンショットが、グリッド配列のスクリーン(例えば、2x2の配列)で示されてもよい。特定のサムネイル、例えば、スクリーン上、左上のサムネイルは、デフォルトによって選択されて、強調表示されてもよい。ここから、ユーザは単に所望のサムネイルが強調表示されるまで、上/下、左/右のナビゲーションボタンを使用して、異なったサムネイルを強調表示させる。それから、ユーザが選択ボタンを押すと、ユーザの選択に入る。これに基づいて、映画において対応しているチャプターが再生される。
【0004】
デスクトップコンピュータまたはラップトップに組み込まれているDVDプレイヤーでは、ユーザは、一般的に、DVD内の一連のメニューを通して移動する遠隔制御装置の代わりに、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)に依存するだろう。GUIは、一般的に、遠隔制御装置と同じ機能をエミュレートする。例えば、ユーザは、さらに、見るチャプター、早送り、巻き戻しを選択、オーディオ/ビデオオプション等を設定することができるだろう。しかしながら、一連の上/下、左/右選択を用いてメニューを通して移動する代わりに、ユーザは、マウスまたはラップトップ上のタッチパッドのような入力デバイスを使用して、スクリーン上で示されているボタンをクリックしてもよい。
【0005】
今日、DVDの標準規格に取って代わるものになることを考慮したさまざまな標準規格がある。次世代の光ディスク標準規格になるように競合している2つのフォーマットは、ブルーレイディスクおよびHD DVD(高精細デジタルビデオディスク)である。これらのより新しい標準規格と同様に、ブルーレイディスクは、増加した記憶容量と向上した対話性(ディスクコンテンツのオーサリング、シームレスメニューのナビゲーション、ネットワーク/インターネットの接続性等)を含むさまざまな方法で、DVDおよび他の以前の光ディスクの標準規格を越える利点を提供する。ブルーレイディスクフレームワークは、対話型タイトルを生成するときに、コンテンツプロバイダにほぼ制限のない機能を提供する。製作者は、ユーザインターフェイスの設計において完全に自由であるが、ユーザインターフェイスは、遠隔制御装置上の標準規格のナビゲーションボタンを使用することによって制御可能である。
【0006】
新しいメニュースクリーンが呼び出されるごとに、DVDによる再生が中断される。例えば、ユーザが、映画を鑑賞しながら言語を英語からフランス語に変えることを望む場合、ユーザはオーディオメニューを選択しなければならない。しかしながら、これによって、映画は再生が中断されることになり、ユーザがメニューから選択を行うために、メニューが表示される。ユーザは、選択を行うと、映画を見るために戻る。現在のオーディオ/ビデオストリームを中断させないで、ディスクからデータを読み取るブルーレイディスクの能力によって、映画を再生しながらさまざまなメニューを表示することができる。さらに、メニューはいくつかのページから構成されていてもよい。映画を中断させないで、ユーザはさまざまなページのメニュー選択を通してブラウジングすることができる。
【0007】
さらに、DVDでは、オーディオを中断させないでユーザブラウジング可能なスライドショーは実行不可能であった。現在のオーディオ/ビデオストリームを中断させないで、ディスクからデータを読み取るブルーレイディスクの能力の結果として、ユーザは、オーディオを再生しながら、さまざまな静止映像(例えば、映画における、さまざまなのシーンのスナップショット)を通してブラウジングすることができる。これは、早送りおよび巻き戻しの選択のみに適用されない。すなわち、ユーザは、オーディオを再生しながら、何の映像を見るかについて異なる選択(または、サムネイル画像で提示されているスクリーンから選択)を行うことができる。DVDでは、オーディオ/ビデオストリーム中にサブタイトルが記憶されているので、サブタイトルには、言語および表示スタイルの数に関する制限がある。再度説明すると、ディスク上に独立してサブタイトルを記憶させることができるのは、現在のオーディオ/ビデオストリームを中断させないで、ディスクからデータを読み取るブルーレイディスクの能力によるものである。ディスクの提供に基づいて、ユーザは、サブタイトルに対して、異なったフォントスタイル、サイズおよび色、あるいはスクリーン上の位置を選択してもよい。サブタイトルをアニメ化、スクロールまたはフェードインおよびフェードアウトすることができる。
【0008】
ブルーレイディスクの標準規格と同様、DVDと比較して向上した対話型機能を提供する新しい機能がHD DVD標準規格に追加されている。HD DVDフレームワークによって、さらに、ディスクに対して対話型コンテンツを作成できる。
【0009】
特定の標準規格に関係なく、ブルーレイディスクおよびHD DVDのような、より新しい世代のビデオ標準規格は、基礎となるビデオコンテンツとのより高いレベルの対話およびユーザ制御を提供している。そのような対話を実現する1つの領域は、ボタンの提示および利用に関する。知られているように、対話型グラフィックにおいて、メニューには1ページ以上のページが含まれている。同様に、ページは1つ以上のボタンを含み、ボタンは、座標(例えば、x−y座標)、グラフィックオブジェクト、および1つ以上の関連するコマンドによって規定される。例えば、DVDビデオの状況では、一般的に、シーン選択機能のようなさまざまな機能がユーザに提供されている。この機能では、さまざまな単一の画像グラフィックがユーザに提示されてもよく、さまざまな単一の画像グラフィックは複数のシーンのそれぞれから抽出されて、複数のシーンのそれぞれに関係付けられる。DVDプレイヤー用の遠隔制御装置を使用することによって、ユーザは、これらの画像のうちの何らかのものを強調表示または選択してもよく、そしてさらに、対応している強調表示された画像をアクティブ化させることによって、所定のシーンに直接進むようにDVDプレイヤーに命令してもよい。
【0010】
さらなる技術的観点から、ユーザによって見られるようなこれらの画像は、“ボタン”と呼ばれるメカニズムの形態で提供される。先に述べたように、そのような各ボタンは、座標(例えば、ボタンがスクリーン上で提示されるxおよびyの位置)、グラフィックオブジェクト(すなわち、ユーザに提示される画像)、および1つ以上の関連するコマンド(例えば、選択されたシーンに直接ジャンプまたはスキップするようにDVDプレイヤーに命令するコマンド)によって規定される。
【0011】
これから図1を参照すると、図1は、DVDプレイヤーのようなビデオ再生システム内の例示的な複数のページメニューを図示している。一般的に、ユーザは、遠隔制御装置を使用して、さまざまなページ間を移動する。ユーザがビデオディスク(例えば、DVDビデオ)を挿入すると、“メインメニュー”104、“言語”106、および“チャプター”108を表示するメインメニューが、第1のページ102上でユーザに提示されてもよい。DVDプレイヤー用の遠隔制御装置上の矢印キーを使用して、ユーザは、“言語”メニュー106のオプションのボタンを強調表示させてもよい。一度、強調表示させてから、ユーザが遠隔制御装置上の選択キーを押すと、“言語”112の表題を有する第2のページ110がユーザに提示されることになる。この表題の下に、関連するオーディオの各言語に対して一連のボタンが提示されてもよい。図1で図示している言語は、“英語”114と“フランス語”116である。
【0012】
代わりに、図1で示したように、ユーザが、第1のページ102から“チャプター”ボタン108を強調表示してアクティブ化させた場合、第3のページ118がユーザに提示される。図示したように、この第3のページは、“シーン1”122、“シーン2”124、“メイン”126および“次に”128とラベル付けされている4つの付加的なボタンとともに“チャプター1”120の表題を含む。さらに、ユーザは、遠隔制御装置上の矢印キーを使用して、これらのボタンを移動し、これらのボタンのうちの任意のものを強調表示させてもよい。一度、強調表示させてから、遠隔制御装置上で提供されている選択キーをユーザが押して所定のボタンをアクティブ化させてもよい。例えば、図面で図示したように、ユーザが“次に”ボタン128をアクティブ化させた場合、メニューは、(“シーン3”134および“シーン4”136の画像ボタンをユーザに提示している)第4のページ132を表示するように進む。知られているように、新しいビデオの標準規格は、これらのおよび他の強固な対話機能を提供し、一般的に、この対話機能が、グラフィックメディアとのユーザの経験を向上させる。
【0013】
しかしながら、これらの向上した機能にもかかわらず、ある問題が生じることが分かっている。その問題が生じることが分かっている1つの例は、ビデオを表示または見る(専用ビデオプレイヤーとは異なる)コンピュータの使用である。特に、専用ビデオプレイヤー(例えば、DVDプレイヤー)に提供されている遠隔制御装置を使用する代わりに、マウスのようなコンピュータの標準の入力/出力デバイスを使用してビデオコンテンツと対話するときに問題が生じる。同じビデオディスクがコンピュータ上で実行または表示されているとき、ユーザは単にボタンの表面上でマウスを動かすことによって、選択不可能なボタンを自由に選択するかもしれないことが分かっている。先に提示した例に戻ると、ユーザが第2のページ110上の“言語”ボタン112を横切ってマウスを動かした場合、これは、結果的に意図されない動作になる。基礎となるコンピュータプログラムが、この意図されない動作をどのように取り扱ったかによって、さまざまな異なった意図されない結果が生じる。例えば、ボタンは、強調表示式でユーザに提示されるかもしれない。しかしながら、ユーザがマウスを左クリックしてボタンをアクティブ化させるとき、ビデオディスクがそのボタンを、そのページから選択またはアクティブ化できるボタンであると意図していないと、ビデオプログラムは何も動作しないかもしれない。例のように、第2のページ110における“言語”ボタン112は、点線によって示されているように選択可能であることが意図されていない。このボタンより下にある2つのボタン(“英語”114および“フランス語”116)のみが、選択可能であることを意味している。このケースにおいて、“言語”112ボタンのアクティブ化を試みると、基礎となるアプリケーションの選択要求の処理の仕方次第では、コンピュータプログラムがクラッシュを引き起こす可能性がある。
【0014】
ここで名称を提供する目的のために、ボタンは一般的に、4つの可能性ある状態のうちの1つのボタンを持つ。これから図2を参照すると、図2は、ビデオ再生システム内のボタンの異なった状態を図示している。これらの状態は、“ディセーブルされた”状態202、“通常”状態204、“選択された”状態206および“アクティブ化された”状態208を含む。表示されている第2のページ110について、図1に戻って参照すると、基礎となるビデオコンテンツソフトウェアが、その特定のページから選択されるべきものであるとそのボタンを意図していないと、“言語”112ボタンはディセーブルされた状態である(このことは、ボタンの周りの点線によって示されている)。“フランス語”ボタン116は通常状態であり、一方、“英語”ボタン114は選択された状態である。マウスポインタが選択されたボタンをオーバーレイしているときに、ユーザが左マウスキーをクリックすると、すなわち、ユーザが、選択されたボタンに対する遠隔制御装置の選択キーを押すと、その選択されたボタンがアクティブ化されるので、アクティブ化された状態208に入る。アクティブ化された状態208は一時的な状態であり、これは、一般的に、ボタンに関連する1つ以上のコマンドを、基礎となるビデオコンテンツまたはソフトウェアに実行させる。
【0015】
図2に図示されているように、ボタンは、アクティブ化された状態208から他の3つの可能性ある状態のうちのいずれかに進む。再び図1では、第1のページについて、“言語”ボタン106が選択されている。“言語”ボタン106がアクティブ化されると、数ある可能性ある動作の中の関連するコマンドによってメニューが生じ、第2のページ110に進む。このとき、“言語”ボタン112はこのページのメニューからの選択が意図されていないので、ディセーブルされた状態に入る。特定の例示を提供するために図1に戻ると、(図面で提示している4つのページのうちの)最後の3つのページにおいて、最上段のボタンは、選択不可能なボタンであるかもしれない。すなわち、第2のページ110において、図面は、“言語”112、“英語”114、および“フランス語”116の3つのボタンを図示している。しかしながら、ユーザが“英語”114および“フランス語”116のボタンのみを選択できるように、システムは設計されていてもよい。この点に関して、“言語”ボタンは選択不可能なボタンである。したがって、専用ビデオディスクプレイヤーの遠隔制御装置を使用してユーザがビデオディスクと対話するとき、“英語”114が強調表示されてから、ユーザが遠隔制御装置上の上矢印キーを押下しても、“言語”ボタンは強調表示も選択もされない。
【0016】
そのような機能は、“隣接”プロパティのようなボタンのあるプロパティを通して、部分的に実現されてもよい。あるビデオ仕様(例えば、ブルーレイディスク仕様)によって規定されて知られているように、ボタンには、左および右、または上および下に隣接ボタンがあるように規定されてもよい。そのような状態では、所定のボタンを選択(例えば、強調表示)しているときに、遠隔制御装置上の上矢印、下矢印、左矢印、または右矢印ボタンのうちの任意のものを押すと、遠隔制御装置によって選択された方向で、選択されたボタンの隣接ボタンであると規定されているボタンを選択または強調表示させるように動作する。しかしながら、隣接ボタンが、任意の所定(またはすべて)の方向でボタンに関係付けられるようには要求されない。したがって、図面に戻ると、“フランス語”ボタン116のみが、隣接ボタンとして“英語”ボタン114に関係付けられている。したがって、“英語”ボタン114が選択されているとき、下矢印キーのみが有効または正当な矢印キー入力として認識される(例えば、他の矢印キーは無視される)であろう。この方法では、ビデオが提示している現在のページまたはコンテキストにおいて選択が意図されていないがスクリーン上では提示されているあらゆるボタンを、遠隔制御装置により選択することをユーザは許されない。
【0017】
しかしながら、同じビデオディスクがコンピュータ上で実行または表示されているとき、ユーザはボタンの表面上でマウスを単に動かすことによって、選択不可能なボタンを自由に選択するかもしれないことが分かっている。先に提示した例に戻ると、ユーザが“言語”ボタン112を横切ってマウスを動かした場合、これは、結果的に意図されない動作になる。基礎となるコンピュータプログラムが、この意図されない動作をどのように取り扱ったかによって、さまざまな異なった意図されない結果が生じる。例えば、ボタンは、強調表示式でユーザに提示されるかもしれない。しかしながら、ユーザがマウスを左クリックして、ボタンをアクティブ化させるとき、(ビデオディスクがそのボタンを、そのページから選択またはアクティブ化できるボタンであると意図していないと)ビデオプログラムは何も動作しないかもしれない。代わりに、意図されないボタンのアクティブ化を試みると、コンピュータプログラムがクラッシュを引き起こす可能性がある。
【0018】
マウスまたは他のコンピュータ入力デバイスの使用を試みるとき、2つのボタンが互いにオーバーレイしているときに、別の問題点の例が生じる。マウスのような入力デバイスを使用して対話型ビデオディスクとインターフェイスしながらコンピュータを使用してビデオディスクを再生するときに、問題が生じるかもしれない。先に述べたように、1つの問題は、選択が意図されていないで、通常状態にある任意のボタン上でマウスが動かされたときに、システムがエラーまたは混乱させる結果を発生させるかもしれないことである。さらに、マウスを使用して、オーバーレイしているボタンを選択するときに、ユーザは、それらの2つのボタンの間をトグルするための実行可能な手段を持たない。その理由は、2つのボタンはスクリーン上で同じ位置に表示されているからである。この点に関して、マウスキーを押すと、現在強調表示されているこれらのボタンのうちのどちらかを選択することになるが、マウスには遠隔制御装置の左矢印または右矢印に対応するキーがないので、ユーザは他のボタンに対してトグルすることができないであろう。
【0019】
さらに、別の問題点または問題は、サイズが小さすぎるボタンの使用、または“透明”ボタンの使用に関連して生じる。ユーザが遠隔制御装置の入力デバイス上のあるボタンを押下するときに、ユーザにボタンを可視的に提示しないでアクションを提供する従来のツールとして、透明ボタンが使用されることもある。これらのボタンは、ユーザに見えないために正確な位置が知られていないので、ユーザがマウスを使用してこれらのボタンを選択することは実現不可能である。
【0020】
前述では、マウスの従来の“ポイントアンドクリック”アクションを越えた取り扱いが必要である対話型ビデオグラフィックを提供している状態のほんのいくつかの例を提示した。したがって、これらの問題および他の類似した問題に対する解決策が望まれる。本発明の実施形態の1つの主な観点は、マウスでボタンを選択する従来の手段を越えた特別な取り扱いを必要とするボタンの検出および識別である。したがって、数ある中で、コンピュータの標準の入力/出力デバイスを使用して、ビデオコンテンツ内の対話型グラフィックを利用する能力をユーザに提供する必要性がある。概して、本発明の実施形態は、対話型ビデオ再生システム内のページにおけるボタンに関連して生じる未解決の問題点に対して、強力ないし効率的な解決策または対策を提供する。
【概要】
【0021】
簡単に記述すると、数ある中の1つの実施形態は、ビデオ再生システムにおいて、マウスによって遠隔制御装置の機能を実現する方法に向けられている。数ある中の1つの実施形態は、ページ内のすべての選択可能なボタンを識別するステップと、現在選択されている第1のボタンの上にマウスが位置付けられている間に、マウスデバイス上のキーを押下するステップと、キーを押下しながら、選択されるべき第2のボタンの方向にマウスデバイスをドラックするステップと、一度、マウスデバイスが第2のボタンの上に位置付けられると、マウスデバイス上のキーを放して、第2のボタンを選択するステップとを含む。
【0022】
別の実施形態は、ページ内のすべての選択可能なボタンを識別するステップと、選択可能なボタンのうち選択された状態にある第1のボタンを可視的に区別するステップと、選択されるべき第2のボタンの方向にマウスデバイスをドラックするステップと、第2のボタンが選択されるときに、マウスデバイスの動きを中止するステップとを含む。
【0023】
別の実施形態は、ページ内のすべての選択可能なボタンを識別するステップと、選択可能なボタンのうちの選択された状態にある第1のボタンを可視的に区別するステップと、第1のボタンに関して第2のボタンの位置に相関がある方向にマウスデバイス上のホイールを回転させて、第2のボタンを選択するステップと、第2のボタンが選択されるときにホイールの回転を中止するステップとを含む。
【0024】
別の実施形態は、ページ内のすべての選択可能なボタンを識別するステップと、選択可能なボタンのうちの1つのボタン上にマウスデバイスを位置付けるステップと、マウスデバイス上のキーを押下したときにコンテキストメニューを表示するステップとを含み、コンテキストメニューは、ボタンに関して実行することができる可能性あるアクションをユーザに提示する。
【0025】
別の実施形態は、ページ内のすべての選択可能なボタンを識別するステップと、ページ内の各選択可能なボタンに対するプロパティを決定するステップと、各選択可能なボタン上にグラフィック表示をオーバーレイするステップとを含み、グラフィック表示は、ボタンのプロパティに基づいて、ボタンに関して実行することができるすべての利用可能なアクションをユーザに提示する。
【0026】
さらに別の実施形態は、ページ内のすべての選択可能なボタンを識別するステップと、選択可能なボタンのうちの選択された状態にある第1のボタンを可視的に区別するステップと、時計周り方向に円形式でマウスデバイスをドラッグして、第1のボタンの一方側の隣接するボタンを選択するステップとを含む。
【0027】
本開示の他のシステム、方法、機能および効果は、図面および詳細な説明を考察すると、当業者に明らかであり、または明らかになるだろう。すべてのこのような付加的なシステム、方法、機能、および効果は、本開示の範囲内である詳細な説明内に含まれ、そして、添付した特許請求の範囲によって保護されることを意図している。
【0028】
ビデオ再生システムにおいて、マウスによって遠隔制御装置の機能を実現するシステムおよび基礎となる方法の多くの観点は、図面を参照すると、よりよく理解することができる。必ずしも図面中のコンポーネントはスケーリングされていないが、代わりに、遠隔ビデオ編集システムの原理を明瞭に図示する際に強調がなされている。さらに、図面における同じ参照符号は、いくつかの図面にわたって対応している部分を示している。
【詳細な説明】
【0029】
本開示のさまざまな観点を要約して、図面で図示しているような開示の説明をこれから詳細に参照する。これらの図面に関連して本開示を記述するが、ここで開示する1つ以上の実施形態に開示を限定する意図はない。反対に、添付した特許請求の範囲によって規定されているような本開示の精神および範囲内に含まれているすべての代替実施形態、修正および均等物を対象とすることを意図している。
【0030】
本発明の1つのインプリメンテーションでは、このような実施形態は、ページごとに動作する。それぞれの新しいページがアクセスまたは提示されると、実施形態は、ページをスキャンまたはサーチして、従来の手段によって選択できないボタン、およびボタンを選択する代替手段を必要とするボタンを検出する。このようなボタンは、(1)互いの表面に直接オーバーレイされている異なったアクションに対応する2つのボタン、(2)透明であるので、ユーザに見えないボタン、(3)ユーザにボタンが見えないように予め規定された最小サイズより小さいものにあたるボタン、を含むさまざまな状態のうちの任意のものによって規定されてもよいが、これらに限定されるものではない。現存している、または将来開発される可能性があるビデオの標準規格に基づいて、ボタンを選択する代替手段を必要とする他の状況または状態が、同様に、同一視可能であるかもしれないことが正しく認識されるだろう。したがって、本発明が、先にリストアップした3つの状態のうちの1つを単に検出することに限定されるとみなすべきでない。代わりに、ビデオ再生システムのページ内のボタンを検出する広範な動作的観点の状況における例示として、単に、これらの状態を図示している。
【0031】
一度検出されると、本発明の実施形態は、ビデオ再生システムにおけるページ内のボタンとのユーザ対話を取り扱うための、または可能にするためのさまざまな解決策を実現する。これらの解決策は、実施形態ごとに変わってもよく、同様に、そのようなボタンが検出される状況に基づいて変わってもよい。例えば、検出された透明ボタンは、選択されたボタンとの論理的関係と、その選択されたボタンとの物理的または寸法的関係との間の不整合(例えば、異なったアクションに対応する複数のボタンが互いの表面にオーバーレイされている場合)のために、検出されたボタンとは異なって取り扱われ、または実現されてもよい。さらに、さまざまな解決策または取り扱い動作を本発明の範囲および精神と矛盾することなく実現してもよい。いくつかの非限定的な例を以下に提示する。
【0032】
先にリストアップした最初の状態に関して、一般的に、2つのボタン間の論理的関係と、2つのボタン間の物理的位置との間に整合性がなければならない。この点に関して、可視的に選択可能なボタンがページ上に提示されたとき、ユーザは、当然、遠隔制御装置の対応する矢印キーを押して、現在選択されているボタンに関して、所定のボタンを選択および/またはアクティブ化する。しかしながら、このような関係間に不整合がある場合、その不整合は、ボタンが直接オーバーレイされる、または透明ボタンが提供される状況となることが多い。いずれの状況にしても、位置的に不整合のボタンを最初に識別して、正しく取り扱われなければならない。
【0033】
最初に、図3Aを参照すると、図3Aは、マウスをドラッグすることによって複数のページのメニュー内でボタンを選択する基本的な動作を図示している。“ページ0”304が、5つのボタン306、308、310、312、314を表示しており、第3のボタン310が現在選択されている状態を考える。さらに、第3のボタン310は、左隣接ボタンとして第2のボタン308を規定し、そして右隣接ボタンとして第4のボタン312を規定していると仮定する。第3のボタン310が選択されていて、左または右方向のいずれかにマウスポインタ315をドラッグすると、対応する隣接ボタンが選択されることになる。したがって、図3で図示しているように、マウスポインタ315が右にドラッグされる場合、動作結果は“ページ1”318の提示となり、“ページ1”318では、現在、第4のボタン312が選択されていることを示している。このページからのボタン3の310またはボタン5の314の選択は、左または右のいずれかにドラッグする同様の方法で実現される。類似する動作は、同様に、上または下の方向へのドラッグ操作によって実現できる。
【0034】
図3Bをこれから参照すると、図3Bは、ページの一方の端を越えてマウスをドラッグすることによって、複数のページメニュー内で選択を行う本発明の1つの実施形態を図示している。本発明の1つの実施形態では、マウスポインタ307が所定のページ303の端の一方に沿って位置付けられるようにマウス302がドラッグされるまで、ボタンは選択されない。このことを図3Bで図示しており、ここでは、マウスポインタ307は、ページ303の最も右端にドラッグされている。この時点で、これ以上マウス302をドラッグすると、前述のパラグラフで説明した方法で選択が行われることになる。このケースでは、現在選択されているボタンの右方向のボタンが選択される。現在選択されているボタンより上のボタンをユーザが選択したい場合、マウスポインタ307がページ303の上端に沿って位置付けられるまで、ユーザは単にマウス302をドラッグする。この時点で、マウス302をこれ以上ドラッグすると、選択が行われることになる。
【0035】
図3Cをこれから参照する。図3Cは、円形の動きでマウスをドラッグすることによって、複数のページメニュー内で選択を行う本発明の別の実施形態を図示している。本発明のある実施形態について、遠隔制御装置上の左および右キーの機能は、円形式でマウスをドラッグすることによって実現されてもよい。例によると、円形の動きで時計方向にマウスを動かすことは、遠隔制御装置上の左のキーを押すことに相当する。したがって、左に隣接しているボタンが選択される。同様に、円形の動きで反時計方向にマウスを動かすことは、遠隔制御装置上の右のキーを押すことに相当する。例示によると、図3Cは、“ページ0”304を提示している図3Aと同じページを示している。“ページ0”304は、5つのボタン、306、308、310、312、314を表示しており、第3のボタン310が現在選択されている。さらに、第3のボタン310が第2のボタン308を左隣接ボタンとして規定し、そして第4のボタン312を右隣接ボタンとして規定していると再び仮定する。第3のボタン310が選択された状態で、反時計式でマウス315をドラッグすると、遠隔制御装置で押されている右のキーをエミュレートすることになる。したがって、第3のボタン310の右隣接ボタンである第4のボタン312が、図3Cで示したように選択される。
【0036】
本発明の他の実施形態では、何らかの動きがマウスによって行われたときに、マウスポインタはユーザの視界から隠されてもよい。このことは、ユーザを混乱させることを防ぎ、そして、ページ内のボタン上での何らかの予期されていないマウスの動作を防ぐ。この例では、マウスが特定の方向にドラッグされると、ユーザには、連続するボタンが選択されている(例えば、強調表示されている)ことだけ見える。所望のボタンが選択されるとき、ユーザは、マウスボタンのうちの1つのボタンを単にクリックしてボタンをアクティブ化させる。
【0037】
本発明のさらに別の実施形態では、隣接しているボタンは、ページ上の予め定められた数のピクセルが、マウスポインタによって横断されたときのみに選択される。例えば、ページ上の10ピクセルがマウスポインタによって横断されたときに、現在選択されているボタンに近いボタンが選択される。10ピクセルより少ないマウスのあらゆる動きは、選択が行われないことになる。その後にボタンを選択するには、少なくとも20ピクセルのマウスの動き等が必要である。本発明のさらに別の実施形態では、マウスをドラッグするときに予め定められた速度が実現されたときのみ、隣接しているボタンが選択される。したがって、一般的なマウスをゆっくり動かす動きは、何らかのボタンが不注意に選択されることにならない。本発明の別の実施形態は、隣接しているボタンの選択が行われる前に、予め定められた程度の加速が実現されなければならないことが必要である。
【0038】
図4Aおよび図4Bをこれから参照すると、図4Aおよび図4Bは、複数のボタンが互いにオーバーレイされている複数のページメニュー内でマウスをドラッグすることによって選択を行う1つの実施形態を図示している。本発明の1つの実施形態では、マウスのドラッグ機能を使用して、2つのボタンが同じx−y座標で物理的に位置される(すなわち、互いにオーバーレイされる)状況に対処し、またはそれを取り扱う。このような状態を図4Aおよび図4Bで図示しており、これらの図における2つのボタン408、410は、互いの表面に直接的にオーバーレイされ、“オーディオ/サブタイトル”が可視的に提示されている。一方の例では、“オーディオ”ボタン408が強調され(図4A)、さらに、もう一方の例では、“サブタイトル”ボタン410が強調されている(図4B)。“オーディオ”ボタン408が選択されている状態では、マウスを使用して、マウスを右にドラッグすることによって、他のボタン(“サブタイトル”410)を選択してもよい。正しく認識されるように、マウスの“ドラッグ”操作は、左マウスキーを(放さずに)押下して、押下した位置で左マウスキーを押し続けながら、マウスを右に動かすことによって行われてもよい。逆に、“サブタイトル”ボタン410が選択されている場合に、“オーディオ”ボタン408は、マウスを左にドラッグすることによって選択されてもよい。この点に関して、マウスによるドラッグ操作を用いると、マウスがドラッグされる方向で、(現在選択されているボタンの)隣接しているボタンを選択する効果を奏することができる。ちょうど提示した例では、2つのみのボタンがあり、一方のボタンは右隣接ボタンのみを持っており、もう一方のボタンは左隣接ボタンのみを持っている。先の図3で図示したように、マウスのドラッグ機能を用いると、2つ以上のボタン間を類似した方法で選択することができる。
【0039】
先に述べたように、ボタンの特別な取扱いを必要とする別の状況では、所定のページ上でユーザに見えない、または透明であるボタンの存在を伴っていてもよい。ボタンの透明性の値(または、他の適切なパラメータ)を評価して、ユーザにボタンが見えるか否かを決定することによって、容易にこの状態を検出することができる。透明ボタンが識別または検出されると、このようなボタンは、特別な取り扱いが必要なボタンであると識別される。先に示した第3の状態(小さすぎてユーザが見ることができないボタン)に関連して、ボタンがユーザに見えるように、またはユーザがボタンを識別できるように、ボタンは、ある実際的なサイズでユーザに提示されなければならないことが認識される。したがって、例えば、非常に小さい寸法(例えば、2x2ピクセル)を有するボタンが検出される状況では、このような状態は、ボタンが特別なボタンであると識別されることにもなる。一般的に、ボタンが透明すぎるか、またはボタンが小さすぎるいずれかであるためにボタンがユーザに見えないことから、これらのボタンはマウスの従来の使用(例えば、“クリックアンドポイント”アクション)によって意図的に選択することができない。
【0040】
本発明の別の実施形態では、マウスホイールを使用すると、これらの特別なボタンの選択に影響を与えることができる。この点について、マウスデバイスは、1つまたは2つのホイールを備えていることで知られている。図5を参照すると、マウスは、左のマウスキーと右のマウスキーとの間に位置する第1のホイール502、およびマウスの親指(または左)側に位置する第2のホイール504を備えている。第1のマウスホイール502は、対応している遠隔制御装置またはコンピュータキーボード524の上下矢印キーを実現するために使用されてもよく、第2のマウスホイール504は、左右の矢印キーを実現するために使用されてもよい。実例として、図5で図示しているように、ボタンAの514、Bの516、Cの518およびDの520が垂直式で配置されていることを仮定する。複数のボタンのうちの1つのボタンを選択するために、第1のマウスホイール502を回転させる。ボタンA514が最初に選択されていた場合、ユーザから離れる方に第1のマウスホイールを回転させて遠隔制御装置上の上矢印の使用をエミュレートすることによって、ボタンB、CまたはDを選択することができる。同様に、ボタンDの520が最初に選択されていた場合に、ユーザの方に第1のマウスホイールを回転させて遠隔制御装置上の下矢印をエミュレートすることによって、ボタンCの518、Bの516またはAの514を選択することができる。
【0041】
第2のマウスホイール504(すなわち、親指側のホイール)は、遠隔制御装置の左矢印および右矢印の動作を実現するために使用されてもよい。例示として、図5で図示しているように、ボタン1の506、2の508、3の510および4の514は水平式で配置されていることを仮定する。複数のボタンのうちの1つのボタンを選択するために、第2のマウスホイール504を回転させる。ボタン3の510が最初に選択されていた場合、ユーザの方に親指側のホイールを回転させて遠隔制御装置上の左矢印の使用をエミュレートすることによって、ボタン1の506またはボタン2の508を選択することができる。同様に、ボタン4の512を選択するために、ユーザは、ユーザから離れる方に親指側のホイールを回転させて遠隔制御装置上の右矢印をエミュレートする。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態では、単一のマウスホイールを使用して、先に説明した2つのマウスホイールと同じ機能を行ってもよい。この例では、マウスキー(または、マウスホイール)をクリックすると、上/下選択モードと左/右選択モードとの間をトグルできる。例えば、図5に戻って参照すると、ユーザが、最初に左のマウスキーと右のマウスキーとの間に位置するマウスホイール502を使用して、垂直配列で配置されているボタンAの514、Bの516、Cの518、Dの520を選択することを仮定する。水平式で配置されているボタン1の506、2の508、3の510、4の512をユーザが選択したいことを決めた場合、ユーザは、単に、マウスキー上をクリック(または、単に、マウスホイール自体をクリック)して、新しいモードにトグルする。この時点で、ホイールを回転させることによって、ユーザは左/右式で選択を行うことができる。これは、単一のマウスホイールを使用して実現される。
【0043】
透明ボタンを選択する例として、図6は、ユーザに対するシーン選択ページを図示している。このページでは、5つの選択可能なボタン612、614、616、618、620が、ユーザに可視的に提示されている。この例では、表面全体にわたって提示されているボタン602、604、606、608はディセーブルであるので、ユーザによる選択は不可能である。可視的に選択可能なボタン612、614、616、618、620は、ビデオの異なるシーンの画像を含む。ユーザは、遠隔制御装置上の左矢印または右矢印キーを使用することによって、これらのボタンのそれぞれを次々と選択してもよい。同様に、ユーザは、マウスを使用して、親指側のホイール504を回転させることによって(図5参照)、またはマウスをドラッグすることによって(図3参照)、これらのボタンのそれぞれを選択することができる。
【0044】
さらに、機能が提供されることによって、例えば、ユーザは、遠隔制御デバイスの上矢印または下矢印キーを押下することによって、1回で5画像を前または後にスキップしてもよい。このオプションをユーザに示すために可視的なボタン610a、610bを表示している間に、ユーザがボタンの存在に完全に気付かないように、ページのどこか潜在的に隠れた位置に(5画像を前/後にスキップする同じアクションを行う)透明ボタン622、624が提供されてもよい。さらに、このような透明ボタンは大変サイズが小さくてもよい。それゆえに、ユーザにボタンが見えないので、マウスの従来の“ポイントアンドクリック”機能を使用することでは十分ではない。
【0045】
本発明の実施形態の1つの主な観点は、ユーザがボタンの正確な位置を知らなくてもこれらの透明(すなわち“特別”)ボタンを選択できる事実である。図5で説明したように、本発明の1つの実施形態は、ボタンを選択するために1つまたは2つのマウスホイールを使用することを伴う。この例(図6)では、ページ上で提示されているそれぞれ可視的に選択可能なボタン612、614、616、618、620は、そのボタンの上方向の隣接ボタンとして関係付けられている透明ボタン622と、そのボタンの下方向の隣接ボタンとして関係付けられている透明ボタン624とを持つことが可能である。したがって、どの可視的に選択可能なボタンが選択されるかに関係なく、第1のマウスホイール502をユーザから離れる方に回転させると、透明ボタン402を即座にアクティブ化させる(遠隔制御装置の上矢印キーを押すことに類似する)ことになり、次の5つの選択可能なシーンの画像ボタンを示している新しいページがユーザに提示されることになる。
【0046】
本発明のさらに別の実施形態では、その対応するボタンを選択するように特定のボタン上にマウスが位置付けられたときに、右マウスキーをクリックすることによって、コンテキストメニューが呼び出されてもよい。右のマウスキーを押下して、コンテキストメニューを呼び出すと、例えば、グラフィック表示が提示されることになる。コンテキストメニューは、例えば、方向を図示している矢印を表示しているグラフィカルメニューであってもよく、ここでは、マウスを使用して、遠隔制御装置の対応する矢印キーを効率的にエミュレートしてもよい。
【0047】
図7を参照すると、ボタン706が選択されているときに、そのボタン706が規定された隣接しているボタンを持つ場合、マウス上で右クリックをアクティブ化させると、矢印714が提示されることになり、2つの隣接しているボタンの方向にマウスが効率的に矢印操作を実現できるようになる。本発明のいくつかの実施形態では、マウスがボタン706上のどこかに位置付けられた場合のみ、矢印714は表示される。本発明の他の実施形態では、ページ内で現在位置付けられているマウスの場所に関係なく、現在選択(例えば、強調表示)されているボタン上に、矢印714は表示される。ボタン706上で表示されるこれらのグラフィック矢印は、“仮想キーボード”として機能し、ユーザがこの“仮想キーボード”を使用してページ上の他のボタンに移動する。
【0048】
図7では、“シーン3”706は、2つの隣接しているボタンを持つ。それは、“シーン2”704および“シーン5”710である。遠隔制御装置上の矢印キーに類似するこれらの矢印キーのアクティブ化またはインプリメンテーションは、例えば、所望の矢印キー上にマウスを動かして、左マウスボタンを押す(すなわち、所望の矢印上でマウスを左クリックする)ことによって実現できる。図7で図示した例では、下向きの矢印714a上にマウスを動かして、その矢印上で左クリックすることによって、“シーン5”710のボタンが選択されることになる。
【0049】
先に記述した実施形態に類似したさらに別の実施形態が実現されてもよい。この実施形態では、ページが表示されたときに、システムは、ページ上のすべてのボタンを解析して、ボタンが特別な操作を必要とするボタン(すなわち、マウスをドラッグすると、またはマウスホイールを回転させると、規定された隣接しているボタンを選択することになるような、隣接しているボタンを持つボタン)を決定する。この実施形態は、規定された隣接しているボタンを持つ各ボタンに関連するグラフィックオーバーレイを使用して実現されてもよい。これらのグラフィックオーバーレイは、ビデオディスクのコンテンツの一部分ではないが、ビデオディスクを見ることを可能にする(コンピュータ上で実行されている)アプリケーションによって、むしろ動的に描られることを正しく認識すべきである。
【0050】
1つのインプリメンテーションでは、ページが所定の期間に対して最初に表示されたとき、すなわち、新しいページが表示されるとすぐに、すべてのこのような特別なグラフィックを表示することができる。図8Aをこれから参照すると、図8Aは、新しいページが表示されるとすぐに、コンテキストメニューを発生させる方法のトップレベルの機能的動作を図示している。ブロック802において、ページにおけるすべてのボタンは、新しいページが表示されるとすぐに解析される。ステップ804では、ボタンが、特別なボタンである隣接ボタン(例えば、透明、小さすぎる等の隣接しているボタン)を持つ場合、コンテキストメニューが発生される。このケースでは、ステップ806で見られるように、グラフィック矢印がブロックの表面にオーバーレイされる。ボタンが特別なボタンでない場合、表示は要求されない(ステップ808)。
【0051】
別のインプリメンテーションでは、特別なグラフィックは、マウスが特定のボタン上に位置付けられているときのみ表示される。オーバーレイアプリケーションは、対応しているボタンとのマウスポインタの整列を検出し、そのときに、例えば、正当な隣接しているボタンの方向の矢印を示しているグラフィックオーバーレイを提示させる。(遠隔制御装置から押下された場合)対応する矢印キーの動作は、マウスを使用することによってマウスポインタを対応する矢印に整列させることによって、例えば、そのグラフィック矢印オーバーレイ上で左クリックすることによって実現できる。図8Bは、ボタン上にマウスが位置付けられたときのみに、特定のボタンに対するコンテキストメニューを発生させる方法のトップレベルの機能的な動作を図示している。ブロック812では、ボタンは、マウスがボタン上に位置付けられた場合のみに解析される。ステップ814では、ボタンが、特別なボタンである隣接ボタン(例えば、透明、小さすぎる等の隣接しているボタン)を持つ場合に、コンテキストメニューが発生される。このケースでは、ステップ816で見られるように、グラフィック矢印が、ブロックの表面上にオーバーレイされてもよい。ボタンが特別なボタンでない場合、表示は要求されない(ステップ818)。
【0052】
先に記述した実施形態は、可能性あるインプリメンテーションの単なる例であることを強調する。本開示の原理から逸脱することなく、先に記述した実施形態に対して多くの変更および修正を行なってもよい。すべてのこのような修正および変更は、本開示の範囲内でここに含まれ、そして特許請求の範囲によって保護されることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、ビデオ再生システム内の例示的な複数のページメニューを図示している。
【図2】図2は、ビデオ再生システム内のボタンの異なった状態を図示している。
【図3A】図3Aは、マウスをドラッグすることによって複数のページメニュー内のボタンを選択する基本的な動作を図示している。
【図3B】図3Bは、ページの片方の端を越えてマウスをドラッグすることによって複数のページメニュー内で選択を行う本発明の1つの実施形態を図示している。
【図3C】図3Cは、円形の動きでマウスをドラッグすることによって複数のページメニュー内で選択を行う本発明の1つの実施形態を図示している。
【図4A】図4Aは、マウスをドラッグすることによって、互いにオーバーレイされる複数のボタン間を選択する1つの実施形態を図示している。
【図4B】図4Bは、マウスをドラッグすることによって、互いにオーバーレイされる複数のボタン間の1つのボタンの選択を図示している。
【図5】図5は、例示的なサイズが小さいボタン、または透明ボタンを選択する1つの実施形態を図示している。
【図6】図6は、透明ボタンによるシーン選択のページを図示している。
【図7】図7は、ボタン上にマウスを位置付けてマウスキーを押下したときに、コンテキストメニューを発生させる1つの実施形態を図示している。
【図8A】図8Aは、新しいページが表示されるとすぐに、コンテキストメニューを発生させるトップレベルの機能的動作の方法を図示している。
【図8B】図8Bは、ボタン上にマウスが位置付けられたときにのみ、特定のボタンに対するコンテキストメニューを発生させるトップレベルの機能的動作の方法を図示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ再生システム内のページにおける複数のボタン間で選択をする方法において、
ページ内のすべての選択可能なボタンを識別するステップと、
現在選択されている第1のボタン上にマウスが位置付けられている間に、マウスデバイス上のキーを押下するステップと、
キーを押下しながら、選択されるべき第2のボタンの方向にマウスデバイスをドラックするステップと、
一度、マウスデバイスが第2のボタン上に位置付けられると、マウスデバイス上のキーを放して、第2のボタンを選択するステップとを含む方法。
【請求項2】
選択可能なボタンのうちのいくつかは、互いの表面にオーバーレイされている請求項1記載の方法。
【請求項3】
マウス上のキーを放すことは、ボタンを選択してアクティブ化する請求項1記載の方法。
【請求項4】
マウス上のキーをクリックして、第2のボタンをアクティブ化するステップをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項5】
ビデオ再生システム内のページにおける複数のボタン間で選択をする方法において、
ページ内のすべての選択可能なボタンを識別するステップと、
選択可能なボタンのうち選択された状態にある第1のボタンを可視的に区別するステップと、
選択されるべき第2のボタンの方向にマウスデバイスをドラックするステップと、
第2のボタンが選択されるときに、マウスデバイスの動きを中止するステップとを含む方法。
【請求項6】
マウスをドラッグすることは、ページ内に位置する第1のボタンと第2のボタンとの間の他のボタンが選択されることになる請求項5記載の方法。
【請求項7】
新しいボタンは、マウスデバイスをドラッグすることによって、ページ内の予め定められた数のピクセルが横断されているときのみに選択される請求項6記載の方法。
【請求項8】
新しいボタンは、マウスデバイスが加速式でドラッグされるときのみ選択される請求項6記載の方法。
【請求項9】
新しいボタンは、マウスデバイスがページ内の端を越えてドラッグされるときのみ選択される請求項6記載の方法。
【請求項10】
マウスデバイス上のキーを押下することによって、第2のボタンをアクティブ化するステップをさらに含む請求項5記載の方法。
【請求項11】
マウスデバイスをドラッグするステップは、
マウスデバイスと関連し、通常、ページ上に表示されているマウスポインタを隠すことをさらに含む請求項5記載の方法。
【請求項12】
ビデオ再生システム内のページにおける複数のボタン間で選択をする方法において、
ページ内のすべての選択可能なボタンを識別するステップと、
選択可能なボタンのうちの選択された状態にある第1のボタンを可視的に区別するステップと、
第1のボタンに関して第2のボタンの位置に相関がある方向にマウスデバイス上のホイールを回転させて、第2のボタンを選択するステップと、
第2のボタンが選択されるときにホイールの回転を中止するステップとを含む方法。
【請求項13】
第2のボタンは、第1のボタンと共通の軸に沿って整列されている請求項12記載の方法。
【請求項14】
マウス上の第2のホイールを回転させて、第1のボタンと第2のボタンとが整列されている軸に直交するボタンを選択するステップをさらに含む請求項12記載の方法。
【請求項15】
第1のホイールを回転させることは、左右式でボタンを選択することになり、第2のホイールを回転させることは、上下式でボタンを選択することになる請求項14記載の方法。
【請求項16】
マウスボタンを押下することは、マウスボタンを押下する前にボタンが選択された手段に関して直交する手段でボタンが選択されることになる請求項12記載の方法。
【請求項17】
ページにおけるボタンのうちのいくつかは、ユーザに見えない請求項12記載の方法。
【請求項18】
ページにおけるボタンのうちのいくつかは、予め規定されたサイズより小さい請求項12記載の方法。
【請求項19】
マウスデバイス上のキーをクリックして、選択されたボタンをアクティブ化するステップをさらに含む請求項12記載の方法。
【請求項20】
ビデオ再生システム内のページにおける複数のボタン間で選択をする方法において、
ページ内のすべての選択可能なボタンを識別するステップと、
選択可能なボタンのうちの1つのボタン上にマウスデバイスを位置付けるステップと、
マウスデバイス上のキーを押下したときにコンテキストメニューを表示するステップとを含み、
コンテキストメニューは、ボタンに関して実行することができる可能性あるアクションをユーザに提示する方法。
【請求項21】
マウスデバイス上のキーを押下したときにコンテキストメニューを表示することは、マウスデバイスが選択可能なボタンのうちの1つのボタン上に位置付けられたときに生じる請求項20記載の方法。
【請求項22】
コンテキストメニューは、グラフィック表示からなる請求項20記載の方法。
【請求項23】
グラフィック表示は、矢印上でクリックすることによって、隣接しているボタンをユーザが選択できるようにする矢印からなる請求項22記載の方法。
【請求項24】
コンテキストメニューは、ボタンに関して実行することができるアクションのリストを提示するポップアップメニューからなる請求項22記載の方法。
【請求項25】
ビデオ再生システム内のページにおける複数のボタン間で選択をする方法において、
ページ内のすべての選択可能なボタンを識別するステップと、
ページ内の各選択可能なボタンに対するプロパティを決定するステップと、
各選択可能なボタン上にグラフィック表示をオーバーレイするステップとを含み、
グラフィック表示は、ボタンのプロパティに基づいて、ボタンに関して実行することができるすべての利用可能なアクションをユーザに提示する方法。
【請求項26】
グラフィック表示は、隣接しているボタンをユーザが選択できるようにする矢印からなる請求項25記載の方法。
【請求項27】
グラフィック表示をオーバーレイするステップは、ページが予め規定された期間表示された後のみに行われる請求項25記載の方法。
【請求項28】
グラフィック表示をオーバーレイするステップは、ページが表示された後にすぐに行われる請求項25記載の方法。
【請求項29】
グラフィック表示をオーバーレイするステップは、マウスデバイスが特定のボタン上に位置付けられたときのみに行われる請求項25記載の方法。
【請求項30】
ビデオ再生システム内のページにおける複数のボタン間で選択をする方法において、
ページ内のすべての選択可能なボタンを識別するステップと、
選択可能なボタンのうちの選択された状態にある第1のボタンを可視的に区別するステップと、
時計周り方向に円形式でマウスデバイスをドラッグして、第1のボタンの一方側の隣接しているボタンを選択するステップとを含む方法。
【請求項31】
反時計回り方向に円形式でマウスデバイスをドラッグすることは、第1のボタンの反対側の隣接しているボタンを選択することになる請求項30記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【公開番号】特開2008−140366(P2008−140366A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−190543(P2007−190543)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【出願人】(505187699)サイバーリンク・コーポレーション (6)
【Fターム(参考)】