説明

ビル電力管理装置、ビル電力管理システム、テナント電力管理システム、ビル電力管理方法、及びプログラム

【課題】複数のテナントが入居するビルにおいて、テナントの電力需要に応じて、ビル全体の電力を管理することが可能なビル電力管理装置等を提供する。
【解決手段】ビル電力管理装置4は、将来の所定期間におけるビル2の消費電力量を予測する。そして、予測された消費電力量と、ビル2のビル制限電力量とに基づいて、テナント3a〜3c毎に将来の所定期間におけるテナント制限電力量を取得する。そして、ビル制限電力量と、予測された消費電力量とに基づいて、ビル2の余剰電力量を取得する。そして、テナント3a〜3cのユーザから、余剰電力量のうち、少なくとも一部の電力量の購入の希望を表す購入希望情報を取得する。そして、購入希望情報と余剰電力量とに基づいて、購入希望情報に係るテナント3a〜3cの制限電力量を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のテナントが入居するビルにおいて、該テナントの制限電力量を管理するビル電力管理装置、ビル電力管理システム、テナント電力管理システム、ビル電力管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の物件における消費電力量を管理するシステムとして、例えば特許文献1には、契約電力等の所定の電力量を超過する可能性が生じた際に、空調システムや照明システムなどの各物件の設備機器の能力を抑制、または停止するように制御することにより、消費電力量の超過を抑制するシステムが開示されている。
【0003】
また、例えば特許文献2には、複数のビルから成るビル群全体での消費電力量を管理するシステムであって、各ビルの消費電力量の総計がビル群全体で契約している契約電力デマンドを超過しそうになった場合に、各ビルのビル管理システムに電力の使用を抑制するよう制御指令を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−10532号公報
【特許文献2】特開2001−338036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1及び特許文献2に開示されたシステムは、物件全体またはビル群全体での消費電力量が所定の電力量を超過しそうな場合に消費電力量を抑制するよう制御するものである。従って、特許文献1及び特許文献2に開示されたシステムでは、消費電力量が時間帯や日によって様々である各種営業形態のテナントが入居する複合ビルにおいて、テナントに課せられた制限電力量以上の電力量を使用したいといったテナントの電力需要に応じた電力管理を行うことが困難である。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複数のテナントが入居するビルにおいて、テナントの電力需要に応じて、ビル全体の電力を管理することが可能なビル電力管理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のビル電力管理装置は、
複数のテナントが入居するビルにおいて、該テナントの制限電力量を管理するビル電力管理装置であって、
将来の所定期間における前記ビルの消費電力量を予測するビル消費電力予測手段と、
前記ビル消費電力予測手段により予測された消費電力量と、前記ビルの所定の制限電力量とに基づいて、前記テナント毎に前記将来の所定期間における前記テナントの制限電力量を取得するテナント制限電力取得手段と、
前記ビルの所定の制限電力量と、前記ビル消費電力予測手段により予測された消費電力量とに基づいて、前記将来の所定期間における前記ビルの余剰電力量を取得する余剰電力取得手段と、
前記テナントのユーザから、前記余剰電力量のうち、少なくとも一部の電力量の購入の希望を表す購入希望情報を取得する購入希望取得手段と、
前記購入希望情報と前記余剰電力量とに基づいて、前記購入希望情報に係る前記テナントの制限電力量を更新するテナント制限電力更新手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数のテナントが入居するビルにおいて、テナントの電力需要に応じて、ビル全体の電力を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態1に係るビル電力管理システムの構成を示す図である。
【図2】実施形態1に係るビル電力管理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】テナント制限電力情報の一例を示す図である。
【図4】余剰電力量の取得方法の一例を説明するための図である。
【図5】余剰電力情報の一例を示す図である。
【図6】実施形態1に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【図7】購入希望情報の一例を示す図である。
【図8】実施形態1に係るビル電力管理処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】余剰電力情報と、端末装置5a〜5cから受信した購入希望情報の一例を示す図である。
【図10】余剰電力情報と、端末装置5a〜5cへ送信する売却電力情報の一例を示す図である。
【図11】更新後のテナント制限電力情報の一例を示す図である。
【図12】実施形態1に係る電力購入処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】実施形態2に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【図14】余剰電力情報の一例を示す図である。
【図15】実施形態2に係るビル電力管理装置の構成を示すブロック図である。
【図16】実施形態2に係るビル電力管理処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】実施形態2に係る電力売却処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】実施形態3に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【図19】実施形態3に係るビル電力管理装置の構成を示すブロック図である。
【図20】実施形態4に係るビル電力管理装置の構成を示すブロック図である。
【図21】実施形態5に係るビル電力管理装置の構成を示すブロック図である。
【図22】実施形態6に係るテナント電力管理システムの構成を示す図である。
【図23】実施形態6に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【図24】実施形態7に係るテナント電力管理システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るビル電力管理システム1の構成を示す図である。ビル電力管理システム1は、複数のテナント3a〜3cが入居するビル2において、ビル2全体の電力を管理するビル電力管理装置4と、複数のテナント3a〜3cに対応して設けられる端末装置5a〜5cと、から構成される。ビル電力管理装置4と端末装置5a〜5cは通信線L1により互いに通信可能に接続されている。なお、本実施形態において、ビル2に3つのテナント3a〜3cが入居している例を挙げているが、入居しているテナントの数はこれに限られない。
【0012】
ビル電力管理装置4は、各テナント3a〜3cの電力計測機器7a〜7cにより計測された電力量に基づいて、ビル2全体の電力を管理する。ビル電力管理装置4は、例えば、ビル2の管理室に設置される。ビル電力管理装置4の詳細な構成については、後述する。
【0013】
端末装置5a〜5cは、対応する各テナント3a〜3cのユーザ(例えば、テナントの従業員)から、各種の情報の入力を受け付け、ビル電力管理装置4に送信する。また、端末装置5a〜5cは、各テナント3a〜3c内に設置された電気機器6a〜6cの動作を制御する。端末装置5a〜5cは、例えば、対応するテナント3a〜3c内に設置される。端末装置5a〜5cの詳細な構成については、後述する。
【0014】
電気機器6a〜6cは、各テナント3a〜3c内に設置され、電力計測機器7a〜7cを介して電力線L2からの電力の供給を受けて動作することにより、電力を消費する機器であり、例えば、空調機器や照明機器等から構成される。電気機器6a〜6cは、通信線L3を介して端末装置5a〜5cに接続され、端末装置5a〜5cによりその動作を制御される。
【0015】
電力計測機器7a〜7cは、テナント3a〜3c内に設けられた電気機器6a〜6cにより消費される消費電力量を計測するものであり、例えば、電力計から構成される。電力計測機器7a〜7cは、通信線L1を介してビル管理装置4に接続され、ビル電力管理装置4に計測した消費電力量を送信する。
【0016】
次に、ビル電力管理装置4のハードウェア構成について説明する。図2は、ビル電力管理装置4の構成を示すブロック図である。同図に示すように、ビル電力管理装置4は、制御部410と、入力部420と、表示部430と、記憶部440と、通信部450と、から構成される。
【0017】
制御部410は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理回路、ワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、各種ドライバ等から構成される。制御部410は、ビル電力管理装置4の各部を制御するとともに、記憶部440に記憶された所定の動作プログラムに基づいて、後述する各種の処理を実行する。
【0018】
入力部420は、ユーザからの操作入力を受け付けるための各種のキー、ボタン若しくはタッチパネル等から構成される。入力部420は、受け付けた操作入力が示す情報を制御部410に入力する。
【0019】
表示部430は、例えば、液晶ディスプレイや駆動回路等から構成される。表示部430は、制御部410により出力された任意の画像を表示する。
【0020】
記憶部440は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。記憶部440は、制御部410が実行する動作プログラムや、各処理の実行に必要なデータ、各処理の実行によって取得又は生成されたデータ等を記憶する。具体的には、記憶部440は、テナント制限電力情報441と、余剰電力情報442と、売却電力情報443とを記憶する。各情報の詳細については、後述する。
【0021】
通信部450は、所定の通信方式により通信を行うためのインターフェース等から構成される。通信部450は、端末装置3a〜3c、及び電力計測機器7a〜7cとの間で各種データの送受信を行う。
【0022】
次に、管理装置4の制御部410の機能的構成について説明する。図2に示すように、制御部410は、ビル消費電力予測部411、テナント制限電力取得部412、余剰電力取得部413、購入希望取得部414、テナント制限電力更新部415として機能する。
【0023】
ビル消費電力予測部411は、将来の所定期間におけるビル2の消費電力量を予測する。具体的には、ビル消費電力予測部411は、過去のビル2の消費電力量や、ビル2の管理者とテナント3a〜3cのユーザとの間の電力の使用についての契約状態、将来の所定期間の日時、曜日、将来の所定期間における天気予報等の情報に基づいて、消費電力量を予測する。
【0024】
ここで、過去のビル2の消費電力量は、例えば、各テナント3a〜3cの電力計測機器7a〜7cから予め取得された消費電力量の総和として、記憶部440に記憶されている。また、契約状態は、例えば、入力部420を介して予めユーザにより入力され、記憶部440に記憶されている。また、天気予報は、例えば、ネットワークを介して外部の所定のサーバ(図示せず)から取得され、記憶部440に記憶されている。また、ビル消費電力予測部411は、将来の所定期間として、例えば後述するビル電力管理処理が実行された日の翌日の一日分(0時〜24時)の消費電力量を予測する。
【0025】
テナント制限電力取得部412は、ビル消費電力予測部411により予測された消費電力量と、ビル2のビル制限電力量とに基づいて、各テナント3a〜3cのテナント制限電力量を取得する。
【0026】
ここで、「ビル制限電力量」は、ビル2が電力を供給する電力会社と契約している契約電力と、法律や行政等からの求めにより削減すべき電力とに基づいて算出される、ビル2全体の消費電力量の制限値を表す。ビル2の管理者は、ビル2の消費電力量がビル制限電力量を超過した場合、例えば、その超過量に応じた金額を行政に支払う。
【0027】
また、「テナント制限電力量」は、各テナント3a〜3cの将来の所定期間の消費電力量の制限値を表す。テナント制限電力取得部412は、具体的には、ビル消費電力予測部411により予測された消費電力量と、ビル2のビル制限電力量と、記憶部に予め記憶されたビル2の管理者とテナント3a〜3cのユーザとの間の電力の使用についての契約状態等の情報とに基づいて、各テナント3a〜3cのテナント制限電力量の総計がビル制限電力量を超過しないように、各テナント3a〜3cのテナント制限電力量を算出する。
【0028】
また、制限電力取得部412は、取得した各テナント3a〜3cのテナント制限電力量を、各テナント3a〜3cの端末装置5a〜5cに通信部450を介して送信する。また、テナント制限電力取得部412は、取得した各テナント3a〜3cのテナント制限電力量を含むテナント制限電力情報441を記憶部440に記憶させる。
【0029】
図3にテナント制限電力情報の一例を示す。図3に示すテナント制限電力情報441は、将来の所定期間として翌日1日間(0時〜24時)、所定時間として3時間毎の各テナント3a〜3cのテナント制限電力量を表す。
【0030】
余剰電力取得部413は、ビル制限電力量と、ビル消費電力予測部411により予測された消費電力量とに基づいて、将来の所定期間におけるビル2の余剰電力量を取得する。図4に、余剰電力取得部413による余剰電力量の取得方法の一例を示す。図4において、将来の所定期間として1日間(0時〜24時)のビル制限電力量と、予測された消費電力量とが示されている。そして、余剰電力量は、ビル制限電力量から予測された消費電力量を差し引いた値(図3において斜線で示される領域)として算出される。
【0031】
また、余剰電力取得部413は、図2に示すように、取得した余剰電力量を、将来の所定期間における所定時間毎の余剰電力量を表す余剰電力情報442として記憶部440に記憶させる。図5に余剰電力情報の一例を示す。図5に示す余剰電力情報442は、将来の所定期間として翌日1日間(0時〜24時)、所定時間として3時間毎の余剰電力量を表す。そして、余剰電力取得部413は、記憶部440に記憶された余剰電力情報442を、通信450を介して、各テナント3a〜3cの端末装置5a〜5cに送信する。
【0032】
図2に戻って、購入希望取得部414は、テナント3a〜3cのユーザから、購入希望情報を取得する。購入希望情報の詳細については、後述する。具体的には、購入希望取得部414は、テナント3a〜3cの端末装置5a〜5cから通信部450を介して購入希望情報を受信する。
【0033】
テナント制限電力更新部415は、購入希望取得部414により取得された購入希望情報と、余剰電力量とに基づいて、購入希望情報に係るテナント3a〜3cの制限電力量を更新する。
【0034】
具体的には、テナント制限電力更新部415は、購入希望取得部414により取得され購入希望情報に含まれる購入希望電力量と、その購入希望額とに基づいて、競売により、余剰電力量のうちから売却する電力量と、その売却先のテナントとを決定する。すなわち、テナント制限電力更新部415は、購入希望取得部414が複数のテナント3a〜3cのユーザからそれぞれ購入希望情報を取得した場合に、その購入希望情報に含まれる購入希望額が高い順に、余剰電力量のうちから売却する電力量と、その売却先のテナント3a〜3cとを決定する。そして、テナント制限電力更新部415は、決定した売却する電力量と、その売却先のテナント3a〜3cとを含む売却電力情報443を、記憶部440に記憶させる。また、テナント制限電力更新部415は、売却電力情報443を、通信部450を介して売却先のテナント3a〜3cの端末装置5a〜5cに送信する。
【0035】
また、テナント制限電力更新部415は、売却電力情報443に基づいて、テナント制限電力情報441に含まれるテナント3a〜3cのテナント制限電力量を更新する。具体的には、テナント制限電力更新部415は、売却先のテナント3a〜3cのテナント制限電力量に、売却する電力量を加算することにより、テナント制限電力量を更新する。そして、テナント制限電力更新部415は、各テナント3a〜3cの端末装置5a〜5cに、そのテナント3a〜3cのテナント制限電力量を含むテナント制限電力情報を通信部450を介して送信する。
【0036】
次に、端末装置5a〜5cのハードウェア構成について説明する。図6は、端末装置5aの構成を示すブロック図である。なお、ここでは、端末装置5aを例として説明するが、他の端末装置5b及び5cも、端末装置5aと同様に構成されているものとする。図6に示すように、端末装置5aは、制御部510と、入力部520と、表示部530と、記憶部540と、通信部550と、から構成される。
【0037】
制御部510は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理回路、ワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、各種ドライバ等から構成される。制御部510は、端末装置5aの各部を制御するとともに、記憶部540に記憶された所定の動作プログラムに基づいて、後述する各種の処理を実行する。
【0038】
入力部520は、ユーザからの操作入力を受け付けるための各種のキー、ボタン若しくはタッチパネル等から構成される。入力部520は、受け付けた操作入力が示す情報を制御部510に入力する。
【0039】
表示部530は、例えば、液晶ディスプレイや駆動回路等から構成される。表示部530は、制御部510により出力された任意の画像を表示する。表示部530は、例えば、ビル電力管理装置4から受信した余剰電力情報や売却電力情報、テナント制限電力量を表示する。
【0040】
記憶部540は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。記憶部540は、制御部510が実行する動作プログラムや、各処理の実行に必要なデータ、各処理の実行によって取得又は生成されたデータ等を記憶する。具体的には、記憶部540は、ビル電力管理装置5から受信したテナント3aのテナント制限電力量を含むテナント制限電力情報541を記憶する。
【0041】
通信部550は、所定の通信方式により通信を行うためのインターフェース等から構成される。通信部550は、ビル電力管理装置4及び電気機器6a〜6cとの間で各種データの送受信を行う。
【0042】
次に、端末装置5aの制御部510の機能的構成について説明する。図6に示すように、制御部510は、購入希望入力制御部511、テナント制限電力更新部512、機器制御部513として機能する。
【0043】
購入希望入力制御部511は、テナント3aのユーザから入力部520を介して購入希望情報の入力を受け付ける。ここで、「購入希望情報」は、ビル電力管理装置4から受信した余剰電力情報に含まれる余剰電力量のうち、少なくとも一部の電力量の購入の希望を表す情報である。具体的には、購入希望情報は、将来の所定期間における少なくとも1つの所定時間と、該所定時間における余剰電力量のうち、テナント3a〜3cのユーザが購入を希望する電力量と、単位電力量当たりの購入希望額とを含む。
【0044】
図7に、購入希望情報の一例を示す。図7に示す購入希望情報は、図5に示す余剰電力情報を受信した場合において、テナント3aのユーザにより入力された購入希望情報の一例である。図7に示す購入希望情報では、テナント3aのユーザが電力の購入を希望する時間において、その時間における余剰電力量のうち購入を希望する電力量(購入希望電力量)と、その購入希望電力量の単位時間当たりの購入希望額とが格納されている。なお、図7に示す購入希望情報において、テナント3aのユーザにより入力されなかった時間の購入希望電力量及び購入希望額は斜線で示している。
【0045】
購入希望入力制御部511は、具体的には、ビル電力管理装置4から受信した余剰電力情報や、記憶部540に記憶されたテナント3aのテナント制限電力量、過去のテナント3aの消費電力量等の情報とともに、購入希望情報の入力を促す旨のメッセージを表示部530に表示させることにより、テナント3aのユーザによる購入希望情報の入力を促す。そして、購入希望情報入力制御部511は、入力部520を介して入力された購入希望情報を、通信部550を介してビル電力管理装置4に送信する。
【0046】
テナント制限電力更新部512は、ビル電力管理装置4から取得したテナント制限電力情報に基づいて、記憶部540に記憶されたテナント制限電力情報541を更新する。
【0047】
機器制御部513は、記憶部540に記憶されたテナント制限電力情報541に基づいて、電気機器6aの運転を制御する。具体的には、機器制御部513は、テナント3aにおいて消費される消費電力量が、テナント制限電力情報541に含まれるテナント制限電力量を超過しないように、電気機器6aの運転開始や停止、運転モード等を制御する。
【0048】
次に、ビル電力管理システム1が備えるビル電力管理装置4と端末装置5a〜5cのそれぞれが実行する処理の流れの一例について、図を参照しつつ説明する。
【0049】
図8は、ビル電力管理装置4が実行するビル電力管理処理の流れを示すフローチャートである。図8に示すビル電力管理処理は、例えば、毎日所定時刻(例えば、18時)になったことを契機として開始される。
【0050】
まず、ビル消費電力予測部411は、ビル2の将来の所定期間における消費電力量を予測する(ステップS101)。具体的には、ビル消費電力予測部411は、過去のビル2の消費電力量や、天気予報、日時、曜日、ビル2とテナント3a〜3cとの間の電力の使用についての契約状態等に基づいて、本処理が実行されている翌日1日分の消費電力量を予測する。なお、本処理を実行するにあたり、ビル電力管理装置4は、予め、入力部420又は通信部450を介して消費電力量の予測に必要な各種の情報を取得し、記憶部440に記憶しているものとする。
【0051】
次に、テナント制限電力取得部412は、ステップS101において予測された消費電力量と、ビル2のビル制限電力量とに基づいて、各テナント3a〜3cのテナント制限電力量を取得する(ステップS102)。そして、制限電力取得部412は、取得した各テナント3a〜3cのテナント制限電力量を含むテナント制限電力情報441を記憶部440に記憶させる。
【0052】
次に、テナント制限電力取得部412は、端末装置5a〜5cに、記憶部440に記憶されたテナント制限電力情報441のうち、その端末装置5a〜5cに対応するテナント3a〜3cのテナント制限電力量を含むテナント制限電力情報を、通信部450を介して送信する(ステップS103)。
【0053】
次に、余剰電力取得部413は、ステップS101において予測された消費電力量と、ビル2のビル制限電力量とに基づいて、将来の所定期間の余剰電力量を算出する(ステップS104)。そして、余剰電力取得部413は、取得した余剰電力量を、所定期間における所定時間毎の余剰電力量を表す余剰電力情報442として、記憶部440に記憶させる。
【0054】
次に、余剰電力取得部413は、記憶部440に記憶された余剰電力情報を、通信部450により端末装置5a〜5cに送信する(ステップS105)。
【0055】
次に、購入希望取得部414は、所定時刻(例えば、20時)を経過したか否かを判別する(ステップS106)。この所定時刻は、余剰電力量の売却先及び売却電力量を決定するにあたって考慮する購入希望情報の受信制限時刻を表す。すなわち、テナント制限電力更新部415は、この所定時刻までにビル電力管理装置4が受信した購入希望情報、すなわち購入希望取得部414が取得した購入希望情報に基づいて、余剰電力量の売却先及び売却電力量を決定する。購入希望取得部414は、所定時刻が経過していないと判別した場合(ステップS106;No)、所定時刻が経過するまで待ち状態となる。
【0056】
所定時刻を経過したと判別した場合(ステップS106;Yes)、テナント制限電力更新部415は、購入希望取得部414が取得した購入希望情報に基づいて、余剰電力量の売却先のテナント3a〜3cと、その売却電力量とを決定する(ステップS107)。
【0057】
ここで、テナント制限電力更新部415による余剰電力量の売却先及びその売却電力量の決定方法の一例について、図9及び図10を用いて説明する。図9は、余剰電力情報と、端末装置5a〜5cから受信した購入希望情報を表す図、図10は、余剰電力情報と、端末装置5a〜5cへ送信する売却電力情報を表す図である。
【0058】
テナント制限電力更新部415は、翌日1日分について3時間毎に、各端末装置5a〜5cから受信した購入希望情報のうち、その時間に購入希望電力量及び購入希望額を含む購入希望情報、すなわちその時間の余剰電力量の購入を希望しているテナント3a〜3cの端末装置5a〜5cからの購入希望情報に含まれる購入希望額を比較する。そして、最も購入希望額が高いテナント3a〜3cに、余剰電力量のうち、その購入希望電力量を売却することを決定する。また、余剰電力量から売却を決定した購入希望電力量を差し引いてもまだ余りが有る場合は、その余りの電力量を次に購入希望額が高いテナント3a〜3cにその購入希望電力量(ただし、余りの電力量が購入希望電力量よりも小さい場合は、余りの電力量)を配分することを決定する。この処理を繰り返すことにより、テナント制限電力更新部415は、余剰電力量の売却先とその売却電力量を決定する。
【0059】
例えば、図9に示す各端末装置5a〜5cから受信した購入希望情報において、時刻が0時から3時の間では、テナント制限電力更新部415は、端末装置5a及び端末装置5bから受信した購入希望情報に含まれる購入希望額を比較する。そして、テナント制限電力更新部415は、購入希望額が高いテナント3bに、売却電力量として購入希望電力量である50kwhを、売却額として購入希望額である10円/kwhで売却することを決定する。そして、テナント制限電力更新部415は、図10に示すように、端末装置3bへ送信する売却電力情報に、決定した売却電力量及び売却額を格納する。
【0060】
また、例えば、図9に示す各端末装置5a〜5cから受信した購入希望情報において、時刻が15時から18時の間では、テナント制限電力更新部415は、端末装置5a〜5cから受信した購入希望情報に含まれる購入希望額を比較する。そして、テナント制限電力更新部415は、購入希望額が最も高いテナント3aに、売却電力量として購入希望電力量である10kwhを、売却額として購入希望額である7円/kwhで売却することを決定する。そして、テナント制限電力更新部415は、図10に示すように、端末装置3aへ送信する売却電力情報に、決定した売却電力量及び売却額を格納する。
【0061】
さらに、テナント制限電力更新部415は、テナント3aに売却を決定した後の残りの余剰電力量10kwhについて、テナント3aの次に購入希望額が高いテナント3bに、売却電力量として購入希望電力量である5kwhを、売却額として購入希望額である5円/kwhで売却することを決定する。そして、テナント制限電力更新部415は、図10に示すように、端末装置3bへ送信する売却電力情報に、決定した売却電力量及び売却額を格納する。
【0062】
さらに、テナント制限電力更新部415は、テナント3a及び3bに売却を決定した後の残りの余剰電力量5kwについて、テナント3cに、売却電力量として残りの余剰電力量5kwを、売却額として購入希望額である3円/kwhで売却することを決定する。そして、テナント制限電力更新部415は、図10に示すように、端末装置3cへ送信する売却電力情報に、決定した売却電力量及び売却額を格納する。
【0063】
テナント制限電力更新部415は、上記の処理を翌日1日分の3時間毎の購入希望情報について実行することにより、図10に示す売却電力情報を取得する。
【0064】
以上は、テナント制限電力更新部415による余剰電力量の売却先及び売却電力量の決定方法として競売を採用した場合の一例であるが、競売の方法はこれに限られない。例えば、テナント制限電力更新部415は、余剰電力情報の所定時間毎に、購入希望電力量及び購入希望額の代わりに、その所定時間の全ての余剰電力量の購入希望額を含む購入希望情報として受信してもよい。そして、テナント制限電力更新部415は、その所定時間において、最も高い購入希望額を提示したテナント3a〜3cにその所定時間の全ての余剰電力量の売却を決定してもよい。
【0065】
図8に戻って、次に、テナント制限電力更新部415は、ステップS107において決定した余剰電力量の売却先のテナント3a〜3cと、その売却電力量に基づいて、記憶部440に記憶された各テナント3a〜3cのテナント制限電力量を更新する(ステップS108)。具体的には、例えば、テナント3aのテナント制限電力量が、図3に示すテナント制限情報441に含まれる値である場合、テナント制限電力更新部415は、図10に示すテナント3aに対応する端末装置5aへ送信する売却電力情報に基づいて、余剰電力の売却が決定した時間の売却電力量をその時間におけるテナント制限電力量に加算することにより、図11に示すようにテナント制限電力量を更新する。
【0066】
図8に戻って、テナント制限電力更新部415は、通信部450により、各テナント3a〜3cの端末装置5a〜5cに、そのテナント3a〜3cの売却電力情報及びテナント制限電力情報を送信する(ステップS109)。そして、テナント制限電力更新部415は、ビル電力管理処理を終了する。
【0067】
次に、端末装置5a〜5cが実行する電力購入処理の流れについて説明する。図12は、端末装置5a〜5cが実行する電力購入処理の流れを示すフローチャートである。電力購入処理は、ビル電力管理装置4から余剰電力情報を受信したことを契機として開始される。
【0068】
購入希望入力制御部511は、ビル電力管理装置4から受信した余剰電力情報と、記憶部540に記憶されたテナント制限電力情報とを表示部530に表示させる(ステップS201)。
【0069】
次に、購入希望入力制御部511は、余剰電力量の購入を希望する旨の操作が入力されたか否かを判別する(ステップS202)。具体的には、購入希望入力制御部511は、余剰電力量の購入を希望するか否かを問うメッセージを表示部530に表示させ、テナント3a〜3cのユーザにより入力部520を介して「はい」を表す操作が入力された場合、購入を希望する旨の操作が入力されたと判別する。また、ユーザにより入力部520を介して「いいえ」を表す操作が入力された場合、購入希望入力制御部511は、購入を希望しない旨の操作が入力された、すなわち、購入を希望する旨の操作が入力されなかったと判別する。そして、購入を希望する旨の操作が入力されなかった場合(ステップS202;No)、処理を終了する。
【0070】
購入希望入力制御部511は、購入を希望する旨の操作が入力されたと判別した場合(ステップS202;Yes)、余剰電力量の購入を希望する時間(購入希望時間)と、その時間において購入を希望する電力量(購入希望電力量)と、単位電力量当たりの購入希望額とが入力されたか否かを判別する(ステップS203)。具体的には、購入希望入力制御部511は、テナント3a〜3cユーザにより入力部520を介して、購入希望時間と、購入希望電力量と、購入希望額とが入力され、「決定」を表す操作が入力されたか否かを判別する。そして、購入希望入力制御部511は、それらが入力されたと判別した場合、購入希望時間と、購入希望電力量と、購入希望額とが入力されたと判別する。そして、購入希望入力制御部511は、購入希望時間と、購入希望電力量と、購入希望額とが入力されていないと判別した場合(ステップS203;No)、それらが入力されたと判別するまで、待ち状態となる。
【0071】
購入希望入力制御部511は、購入希望時間と、購入希望電力量と、購入希望金額とが入力されたと判別した場合(ステップS203;Yes)、入力されたそれらの情報を含む購入希望情報を、通信部550によりビル電力管理装置4に送信する(ステップS204)。
【0072】
次に、テナント制限電力更新部512は、ビル電力管理装置4から、売却電力情報とテナント制限電情報とを受信したか否かを判別する(ステップS205)。テナント制限電力更新部512は、それらを受信していないと判別した場合(ステップS205;No)、受信するまで待ち状態となる。
【0073】
売却電力情報とテナント制限電力情報とを受信したと判別した場合(ステップS205;Yes)、テナント制限電力更新部512は、受信したテナント制限電力情報に基づいて、記憶部540に記憶されたテナント制限電力情報541を更新する(ステップS206)。そして、テナント制限電力更新部512は、電力購入処理を終了する。
【0074】
以上、説明したように、実施形態1に係るビル電力管理システム1において、ビル2全体での余剰電力量をテナント3a〜3cのユーザからの購入希望に応じて売却することができる。そのためテナント3a〜3cは、例えば、テナント制限電力量よりも大きな電力量を必要とする場合に、事前にビル2の余剰電力量を購入し、購入した分の電力量をテナント制限電力量に加算してテナント制限電力量を更新することにより、テナント制限電力量を超過することなく、電力を消費することができる。
【0075】
(実施形態2)
実施形態1に係るビル電力管理システム1において、ビル電力管理装置4は、ビル2全体における余剰電力量について、ビル2の管理者とテナント3a〜3cのユーザ間での売買によりテナント制限電力量を更新する。これに対し、実施形態2に係るビル電力管理システムおいて、ビル電力管理装置4aは、各テナント3a〜3cにおける余剰電力量について、テナント3a〜3cのユーザ間での売買によりテナント制限電力量を更新する。以下、実施形態2について、上記の実施形態1と異なる構成について詳細に説明し、同様の構成については、同様の符号を用い、その詳細な説明を省略する。
【0076】
本実施形態に係るビル電力管理システムは、複数のテナント3a〜3cが入居するビル2において、ビル2全体の電力を管理するビル電力管理装置4aと、複数のテナント3a〜3cに対応して設けられる端末装置5aa〜5caと、から構成される。なお、この構成は、図1に示す実施形態1に係るビル電力管理システム1と同様である。
【0077】
図13は、本実施形態に係る端末装置5aaの構成を示す図である。なお、ここでは、端末装置5aaを例として説明するが、他の端末装置5ba,5caも端末装置5aaと同様に構成されているものとする。同図に示すように、端末装置5aaの制御部510aは、図6に示す実施形態1に係る端末装置5aの制御部510の機能に加えて、さらに余剰電力入力制御部514として機能する。
【0078】
余剰電力入力制御部514は、テナント3aのユーザから入力部520を介して余剰電力情報の入力を受け付ける。ここで、本実施形態における「余剰電力情報」は、テナント3aのテナント制限電力量のうち、テナント3aのユーザが売却を希望する少なくとも一部の電力量を表す余剰電力量を含む。具体的には、余剰電力情報は、将来の所定期間における少なくとも1つの所定時間と、該所定時間におけるテナント制限電力量のうち、テナント3aのユーザが売却を希望する余剰電力量を含む。
【0079】
図14に、余剰電力情報の一例を示す。図14に示す余剰電力情報は、テナント制限電力情報541として、図3に示すテナント3aのテナント制限電力情報441が記憶部540に記憶されている場合において、テナント3aのユーザにより入力された余剰電力情報の一例である。図14に示す余剰電力情報は、将来の所定期間として翌日1日間(0時〜24時)、所定時間として3時間毎の余剰電力量を表す。また、図14に示す余剰電力情報では、テナント3aのユーザが電力の売却を希望する時間において、その時間におけるテナント制限電力量のうち売却を希望する電力量(余剰電力量)が格納されている。なお、図14に示す余剰電力情報において、テナント3aのユーザにより入力されなかった時間の余剰電力量は斜線で示している。
【0080】
余剰電力入力制御部514は、具体的には、記憶部540に記憶されたテナント3aのテナント制限電力量や、過去のテナント3aの消費電力量等の情報とともに、余剰電力情報の入力を促す旨のメッセージを表示部530に表示させることにより、テナント3aのユーザによる余剰電力情報の入力を促す。そして、余剰電力入力制御部514は、入力部520を介して入力された余剰電力情報を、通信部550を介してビル電力管理装置4aに送信する。
【0081】
図15は、本実施形態に係るビル電力管理装置4aの構成を表すブロック図である。図15に示すように、本実施形態に係るビル電力管理装置4aの制御部410aは、図2に示す実施形態1に係る余剰電力取得部413及びテナント制限電力更新部415の代わりに、余剰電力取得部413a及びテナント制限電力更新部415aとして機能する。
【0082】
余剰電力取得部413aは、テナント3a〜3cのユーザから、余剰電力情報を取得する。具体的には、余剰電力取得部413aは、テナント3a〜3cの端末装置5aa〜5caから通信部450を介して余剰電力情報を受信し、記憶部440に記憶させる。そして、余剰電力取得部413aは、記憶部440に記憶された余剰電力情報442を、通信450を介して、各テナント3a〜3cの端末装置5aa〜5caに送信する。
【0083】
テナント制限電力更新部415aは、購入希望取得部414により取得された購入希望情報と、余剰電力量とに基づいて、購入希望情報に係るテナント3a〜3cの制限電力量と、余剰電力量に係るテナント3a〜3cの制限電力量とを更新する。
【0084】
具体的には、テナント制限電力更新部415aは、実施形態1におけるテナント制限電力更新部415と同様に、余剰電力量のうちから売却する電力量と、その売却先のテナント3a〜3cとを決定する。そして、テナント制限電力更新部415aは、決定した売却する電力量と、その売却先のテナント3a〜3cとを含む売却電力情報443を、記憶部440に記憶させる。また、テナント制限電力更新部415aは、売却電力情報443を、通信部450を介して売却元のテナント3a〜3c(余剰電力量に係るテナント3a〜3c)の端末装置5a〜5cと、売却先のテナント3a〜3cの端末装置5a〜5cとに送信する。
【0085】
また、テナント制限電力更新部415aは、売却電力情報443に基づいて、テナント制限電力情報441に含まれるテナント3a〜3cのテナント制限電力量を更新する。具体的には、テナント制限電力更新部415aは、売却先のテナント3a〜3cのテナント制限電力量に、売却する電力量を加算することにより、テナント制限電力量を更新する。また、テナント制限電力更新部415aは、売却元のテナント3a〜3cのテナント制限電力量から、売却する電力量を減算することにより、テナント制限電力量を更新する。そして、テナント制限電力更新部415aは、各テナント3a〜3cの端末装置5a〜5cに、そのテナント3a〜3cのテナント制限電力量を含むテナント制限電力情報を通信部450を介して送信する。
【0086】
次に、本実施形態に係るビル電力管理システムが備えるビル電力管理装置4aと端末装置5aa〜5caのそれぞれが実行する処理の流れの一例について、図を参照しつつ説明する。
【0087】
図16は、ビル電力管理装置4aが実行するビル電力管理処理の流れを示すフローチャートである。図16に示すビル電力管理処理は、例えば、毎日所定時刻(例えば、18時)になったことを契機として開始される。
【0088】
ステップS301〜S303において、実施形態1のおけるビル電力管理処理(図8参照)のステップS101〜S103と同様に処理を実行する。
【0089】
次に余剰電力取得部413aは、所定時刻(例えば、20時)が経過したか否かを判別する(ステップS304)。この所定時刻は、各テナント3a〜3cの端末装置5aa〜5acに送信する余剰電力情報の受信制限時刻を表す。すなわち、余剰電力取得部413aは、この所定時刻までにビル電力管理装置4が受信した余剰電力情報、すなわち余剰電力取得部413aが取得した余剰電力情報を端末装置5aa〜5acに送信する。余剰電力取得部413aは、所定時刻が経過していないと判別した場合(ステップS304;No)、所定時刻が経過するまで待ち状態となる。
【0090】
所定時刻が経過したと判別した場合(ステップS304;Yes)、余剰電力取得部413aは、記憶部440に記憶された余剰電力情報442を端末装置5aa〜5caに送信する(ステップS305)。
【0091】
次に、ステップS306〜S307において、実施形態1のおけるビル電力管理処理(図8参照)のステップS106〜S107と同様に処理を実行する。
【0092】
次に、テナント制限電力更新部415aは、ステップS307において決定した余剰電力量の売却先のテナント3a〜3cと、その売却電力量に基づいて、記憶部440に記憶された各テナント3a〜3cのテナント制限電力量を更新する(ステップS308)。具体的には、テナント制限電力更新部415aは、売却先のテナント3a〜3cのテナント制限電力量に、売却する電力量を加算し、売却元のテナント3a〜3cのテナント制限電力量から、売却する電力量を減算することにより、テナント制限電力量を更新する。
【0093】
次に、ステップS309において、実施形態1のおけるビル電力管理処理(図8参照)のステップS109と同様に処理を実行する。そして、テナント制限電力更新部415aは、ビル電力管理処理を終了する。
【0094】
次に、端末装置5aa〜5caが実行する電力売却処理の流れについて説明する。図17は、端末装置5aa〜5caが実行する電力売却処理の流れを示すフローチャートである。電力売却処理は、テナント3a〜3cのユーザにより、電力売却処理の実行を開始する旨の操作入力が入力部520を介して入力されたことを契機として開始される。
【0095】
余剰電力入力制御部514は、記憶部540に記憶されたテナント制限電力情報を表示部530に表示させる(ステップS401)。
【0096】
次に、余剰電力入力制御部514は、余剰電力量の売却を希望する旨の操作が入力されたか否かを判別する(ステップS402)。具体的には、余剰電力入力制御部514は、余剰電力量の売却を希望するか否かを問うメッセージを表示部530に表示させ、テナント3a〜3cのユーザにより入力部520を介して「はい」を表す操作が入力された場合、売却を希望する旨の操作が入力されたと判別する。また、ユーザにより入力部520を介して「いいえ」を表す操作が入力された場合、余剰電力入力制御部514は、売却を希望しない旨の操作が入力された、すなわち、売却を希望する旨の操作が入力されなかったと判別する。そして、売却を希望する旨の操作が入力されなかった場合(ステップS402;No)、処理を終了する。
【0097】
余剰電力入力制御部514は、売却を希望する旨の操作が入力されたと判別した場合(ステップS402;Yes)、余剰電力量の売却を希望する時間(売却希望時間)と、その時間において売却を希望する電力量(余剰電力量)とが入力されたか否かを判別する(ステップS403)。具体的には、余剰電力入力制御部514は、テナント3a〜3cユーザにより入力部520を介して、売却希望時間と、余剰電力量とが入力され、「決定」を表す操作が入力されたか否かを判別する。そして、余剰電力入力制御部514は、それらが入力されたと判別した場合、売却希望時間と、余剰電力量とが入力されたと判別する。そして、余剰電力入力制御部514は、売却希望時間と、余剰電力量とが入力されていないと判別した場合(ステップS403;No)、それらが入力されたと判別するまで、待ち状態となる。
【0098】
余剰電力入力制御部514は、売却希望時間と、余剰電力量とが入力されたと判別した場合(ステップS403;Yes)、入力されたそれらの情報を含む余剰電力情報を、通信部550によりビル電力管理装置4aに送信する(ステップS404)。
【0099】
次に、テナント制限電力更新部512は、ビル電力管理装置4aから、売却電力情報とテナント制限電情報とを受信したか否かを判別する(ステップS405)。テナント制限電力更新部512は、それらを受信していないと判別した場合(ステップS405;No)、受信するまで待ち状態となる。
【0100】
売却電力情報とテナント制限電力情報とを受信したと判別した場合(ステップS405;Yes)、テナント制限電力更新部512は、受信したテナント制限電力情報に基づいて、記憶部540に記憶されたテナント制限電力情報541を更新する(ステップS406)。そして、テナント制限電力更新部512は、電力売却処理を終了する。
【0101】
以上、説明したように、実施形態2に係るビル電力管理システム1において、テナント3a〜3cでの余剰電力量をそのテナント3a〜3cのユーザからの売却希望に応じて売却することができるとともに、テナント3a〜3cのユーザは、希望に応じてその余剰電力量を購入することができる。そのためテナント3a〜3cは、例えば、テナント制限電力量よりも少ない消費電力量が予想される場合に、事前に余剰電力量を売却することにより、余剰電力量を有効に活用することができる。また、テナント3a〜3cは、例えば、テナント制限電力量よりも大きな電力量を必要とする場合に、事前に他のテナント3a〜3cの余剰電力量を購入し、購入した分の電力量をテナント制限電力量に加算してテナント制限電力量を更新することにより、テナント制限電力量を超過することなく、電力を消費することができる。
【0102】
(実施形態3)
実施形態1及び実施形態2に係るビル電力管理システムにおいて、ビル電力管理装置4は、将来の所定期間における余剰電力量について、ビル2の管理者とテナント3a〜3cのユーザ間、またはテナント3a〜3cのユーザ間での売買によりテナント制限電力量を更新する。これに対し、実施形態3に係るビル電力管理システムにおいて、ビル電力管理装置4bは、現時点を含む所定時間における余剰電力量について、テナント3a〜3cのユーザ間での売買によりテナント制限電力量を更新する。以下、実施形態3について、上記の実施形態1と異なる構成について詳細に説明し、同様の構成については、同様の符号を用い、その詳細な説明を省略する。
【0103】
本実施形態に係るビル電力管理システムは、複数のテナント3a〜3cが入居するビル2において、ビル2全体の電力を管理するビル電力管理装置4bと、複数のテナント3a〜3cに対応して設けられる端末装置5ab〜5cbと、から構成される。なお、この構成は、図1に示す実施形態1に係るビル電力管理システム1と同様である。
【0104】
図18は、本実施形態に係る端末装置5abの構成を示す図である。なお、ここでは、端末装置5abを例として説明するが、他の端末装置5bb,5cbも端末装置5abと同様に構成されているものとする。同図に示すように、端末装置5abの制御部510bは、図6に示す実施形態1に係る端末装置5aの制御部510の機能に加えて、さらに即時購入希望入力制御部515、即時売却設定入力制御部516として機能する。
【0105】
即時購入希望入力制御部515は、テナント3aのユーザから入力部520を介して即時購入希望情報の入力を受け付ける。ここで、「即時購入希望情報」は、現時点を含む所定時間(例えば、現時点が13時である場合、12時〜15時の3時間)において購入を希望する電力量(即時購入希望電力量)を含む情報である。そして、即時購入希望情報入力制御部515は、入力部520を介して入力された即時購入希望情報を、通信部550を介してビル電力管理装置4bに送信する。
【0106】
即時売却設定入力制御部516は、テナント3aのユーザから入力部520を介して即時売却設定情報の入力を受け付ける。ここで、「即時売却設定情報」は、ビル電力管理装置4bが、他のテナント3b,3cの端末装置5b,5cから即時購入希望情報を受信した場合に、自身のテナント制限電力量のうちから、即時購入希望情報に含まれる即時購入希望電力量分の電力量を売却するか否かの設定を表す。そして、即時購入希望情報入力制御部516は、入力部520を介して入力された即時売却設定情報を、通信部550を介してビル電力管理装置4bに送信する。
【0107】
図19は、本実施形態に係るビル電力管理装置4bの構成を表すブロック図である。図19に示すように、本実施形態に係るビル電力管理装置4bの記憶部440bは、図2に示す実施形態1に係る記憶部440が記憶する情報に加えて、さらに即時売却設定情報444を記憶する。また、本実施形態に係るビル電力管理装置4bの制御部410bは、図2に示す実施形態1に係る制御部410bの機能に加えて、即時購入希望取得部416、即時売却設定部417として機能する。また、制御部410bは、図2に示す実施形態に係るテナント制限電力更新部415の代わりに、テナント制限電力更新部415bとして機能する。
【0108】
即時購入希望取得部416は、テナント3a〜3cのユーザから、即時購入希望情報を取得する。具体的には、即時購入希望取得部416は、テナント3a〜3cの端末装置5ab〜5cbから通信部450を介して即時購入希望情報を受信する。
【0109】
即時売却設定部417は、テナント3a〜3cのユーザから、即時売却設定情報を取得し、記憶部440に記憶させる。
【0110】
テナント制限電力更新部415bは、実施形態1におけるテナント制限電力更新部415の機能に加えて、即時購入希望取得部416が即時購入希望情報を取得した場合、記憶部440に記憶された即時売却設定情報444を参照し、売却する設定に係るテナント3a〜3cのうちから売却元のテナント3a〜3cと、売却する電力量とを決定する。そして、テナント制限電力更新部415bは、決定した売却する電力量に基づいて、売却元のテナント3a〜3cの制限電力量と、売却先のテナント3a〜3c(即時購入希望情報に係るテナント3a〜3c)の制限電力量とを更新する。
【0111】
以上、説明した構成により、実施形態3に係るビル電力管理システムにおいて、テナント3a〜3cのユーザは、現時点において消費電力量がテナント制限電力量を超過している場合や、直近の時間においてテナント制限電力量を超過しそうな場合に、即時購入希望情報をビル電力管理装置4bに送信することにより、他のテナント3a〜3cのユーザから、余剰電力量を即時に購入することができる。そして、購入した分の電力量をテナント制限電力量に加算してテナント制限電力量を更新することにより、テナント制限電力量を超過することなく、電力を消費することができる。
【0112】
(実施形態4)
実施形態4に係るビル電力管理システムにおいて、ビル電力管理装置4cは、ビル2の消費電力量のピークの抑制への貢献度を表すピークシフト貢献度を取得する。以下、実施形態4について、上記の実施形態2と異なる構成について詳細に説明し、同様の構成については、同様の符号を用い、その詳細な説明を省略する。
【0113】
図20は、本実施形態に係るビル電力管理装置4cの構成を表すブロック図である。図20に示すように、本実施形態に係るビル電力管理装置4cの制御部410cは、図15に示す実施形態2に係る制御部410aの機能に加えて、さらにピークシフト貢献度取得部418c、電気料金取得部419として機能する。また、本実施形態に係るビル電力管理装置4cの記憶部440cは、図15に示す実施形態2に係る記憶部440が記憶する情報に加えて、さらにピークシフト貢献度情報445を記憶する。
【0114】
ピークシフト貢献度取得部418cは、ビル消費電力予測部411により予測された消費電力量と、その消費電力量が予測された将来の所定期間においてテナント3a〜3cのユーザが売買した電力量に基づいて、ピークシフト貢献度を取得する。
【0115】
具体的には、ピークシフト貢献度取得部418cは、テナント3a〜3cのユーザが余剰電力量を購入した時間におけるビル2の予測された消費電力量が高いほど、そのテナント3a〜3cに対して、低いピークシフト貢献度を取得する。また、ピークシフト貢献度取得部418cは、テナント3a〜3cのユーザが余剰電力量を売却した時間におけるビル2の予測された消費電力量が高いほど、そのテナント3a〜3cに対して、高いピークシフト貢献度を取得する。そして、ピークシフト貢献度取得部418cは、取得したテナント3a〜3c毎のピークシフト貢献度を、ピークシフト貢献度情報445として記憶部440cに記憶させる。
【0116】
電気料金取得部419は、テナント3a〜3c毎に、ビル2の管理者に支払う電気料金を取得する。具体的には、電気料金取得部419は、テナント3a〜3c毎に、例えば、予め設定された時間別電気料金Aと、時間別のそのテナント3a〜3cの消費電力量Bと、そのテナント3a〜3cのピークシフト貢献度Cとから、電気料金XをX=A×B/Cとして、テナント3a〜3c毎に取得する。すなわち、電気料金取得部419は、ピークシフト貢献度Cが大きいほど、低い電気料金を取得する。
【0117】
以上、説明した構成により、実施形態4に係るビル電力管理システムにおいて、ビル電力管理装置4cは、テナント3a〜3c毎にピークシフト貢献度を取得し、取得したピークシフト貢献度に基づいて、各テナント3a〜3cの電気料金を取得する。これにより、各テナント3a〜3cのユーザに対し、多くの消費電力量が予想される時間における余剰電力量の売却を促すとともに、余剰電力量の購入を抑制することができるため、ビル2全体の消費電力量のピークを抑制し、ビル制限電力量の超過を抑制することができる。また、テナント面積により電気料金の負担を決める方法よりも、テナント単位での省エネルギーやピーク削減の努力に対する効果が分かりやすいため、テナント3a〜3cのユーザに対して、ピーク削減の意識向上を図ることができる。
【0118】
なお、上記の実施形態4では、実施形態2に係るビル電力管理システムの変形例として説明したが、実施形態1に係るビル電力管理システム1に実施形態4の構成を適用してもよい。この場合、ピークシフト貢献度取得部418cは、ビル消費電力予測部411により予測された消費電力量と、その消費電力量が予測された将来の所定期間においてテナント3a〜3cのユーザがビル2の余剰電力量のうちから購入した電力量に基づいて、ピークシフト貢献度を取得する。
【0119】
また、上記の実施形態4では、取得したピークシフト貢献度を電気料金に反映させる構成について説明したが、ピークシフト貢献度の使用方法はこれに限られない。例えば、ビル2全体の消費電力量がビル制限電力量を超過した場合に課せられる罰金について、各テナント3a〜3cのユーザが負担する額が、ピークシフト貢献度に応じて決定されてもよい。
【0120】
また、上記の実施形態4において、電気料金取得部419は、電気料金を取得する際に使用する予め設定された時間別電気料金として、ビル消費電力量予測部411により予測された消費電力量や、ビル2全体の過去の消費電力量の平均値に基づいて取得される時間別の電気料金を用いてもよい。例えば、ビル2の消費電力量が大きいほど、大きくなる時間別電気料金を用いてもよい。これにより、さらにテナント3a〜3cのユーザに対する省エネルギーやピーク削減の意識向上を図ることができる。
【0121】
また、上記の実施形態4において、ピークシフト貢献度取得部418cは、ビル消費電力予測部411により予測された消費電力量を用いて、ピークシフト貢献度を取得するが、予測された消費電力量に代えて、予め設定された所定時間毎のエネルギーコストを用いて、ピークシフト貢献度を取得してもよい。
【0122】
具体的には、例えば記憶部440cは、外部から取得した一般的な消費電力量の時間推移や、ビル2の過去の消費電力量の時間推移に基づいて算出された所定時間毎のエネルギーコストを予め記憶している。そして、ピークシフト貢献度取得部418cは、記憶部440cに記憶された所定時間毎のエネルギーコストに基づいて、テナント3a〜3cのユーザが余剰電力量を購入した時間におけるエネルギーコストが高いほど、そのテナント3a〜3cに対して、低いピークシフト貢献度を取得する。また、ピークシフト貢献度取得部418cは、テナント3a〜3cのユーザが余剰電力量を売却した時間におけるエネルギーコストが高いほど、そのテナント3a〜3cに対して、高いピークシフト貢献度を取得する。そして、ピークシフト貢献度取得部418cは、取得したテナント3a〜3c毎のピークシフト貢献度を、ピークシフト貢献度情報445として記憶部440cに記憶させる。
【0123】
このように、予め設定された所定時間毎のエネルギーコストを用いて、ピークシフト貢献度を取得することにより、上記の実施形態4と同様に、各テナント3a〜3cのユーザに対し、多くの消費電力量が予想される時間における余剰電力量の売却を促すとともに、余剰電力量の購入を抑制することができるため、ビル2全体の消費電力量のピークを抑制し、ビル制限電力量の超過を抑制することができる。
【0124】
(実施形態5)
実施形態5に係るビル電力管理システムにおいて、ビル電力管理装置4dは、テナント3a〜3c毎に、そのテナント3a〜3cが消費した消費電力量がそのテナント3a〜3cのテナント制限電力量よりも小さいほど度合いが大きくなる省エネ貢献度を取得する。以下、実施形態5について、上記の実施形態4と異なる構成について詳細に説明し、同様の構成については、同様の符号を用い、その詳細な説明を省略する。
【0125】
図21は、本実施形態に係るビル電力管理装置4dの構成を表すブロック図である。図21に示すように、本実施形態に係るビル電力管理装置4dの制御部410dは、図20に示す実施形態4に係る制御部410cのピークシフト貢献度418c及び電気料金取得部419に代えて、省エネ貢献度取得部418d、電気料金取得部419dとして機能する。また、本実施形態に係るビル電力管理装置4dの記憶部440dは、図20に示す実施形態4に係る記憶部440cが記憶するピークシフト貢献度情報445に代えて、省エネ貢献度情報446を記憶する。
【0126】
省エネ貢献度取得部418dは、テナント3a〜3c毎に、そのテナント3a〜3cの消費電力量と、テナント制限電力情報441に含まれるそのテナント3a〜3cの制限電力量とに基づいて、省エネ貢献度を取得する。
【0127】
具体的には、省エネ貢献度取得部418dは、テナント3a〜3cが実際に消費した消費電力量が、その電力量を消費した時間におけるそのテナント3a〜3cのテナント制限電力量よりも低いほど、そのテナント3a〜3cに対して、高い省エネ貢献度を取得する。そして、省エネ貢献度取得部418dは、取得したテナント3a〜3c毎の省エネ貢献度を、省エネ貢献度情報446として記憶部440dに記憶させる。
【0128】
電気料金取得部419dは、テナント3a〜3c毎に、ビル2の管理者に支払う電気料金を取得する。具体的には、電気料金取得部419は、テナント3a〜3c毎に、例えば、予め設定された時間別電気料金Aと、時間別のそのテナント3a〜3cの消費電力量Bと、そのテナント3a〜3cの省エネ貢献度Dとから、電気料金XをX=A×B/Dとして、テナント3a〜3c毎に取得する。すなわち、電気料金取得部419は、省エネ貢献度Dが大きいほど、低い電気料金を取得する。
【0129】
以上、説明した構成により、実施形態5に係るビル電力管理システムにおいて、ビル電力管理装置4dは、テナント3a〜3c毎に省エネ貢献度を取得し、取得した省エネ貢献度に基づいて、各テナント3a〜3cの電気料金を取得する。これにより、テナント面積により電気料金の負担を決める方法よりも、テナント単位での省エネルギーの努力に対する効果が分かりやすいため、テナント3a〜3cのユーザに対して、省エネルギーの意識向上を図ることができる。
【0130】
(実施形態6)
続いて、実施形態6に係るテナント電力管理システムについて説明する。図22は、実施形態6に係るテナント電力管理システム8の構成を示す図である。テナント電力管理システム8は、複数の実施形態1に係るビル電力管理システム1と、複数のビル電力管理システム1とネットワークNを介して接続されるテナント電力管理装置9と、から構成される。以下、実施形態6について、上記の実施形態1と異なる構成について詳細に説明し、同様の構成については、同様の符号を用い、その詳細な説明を省略する。
【0131】
複数のビル電力管理システム1は、各ビル2に入居する所定のテナント3aに設置された端末装置5aeを備える。ここで、所定のテナント3aとは、そのテナント3aにおける消費電力量が他のビル2に入居する所定のテナント3aにおける消費電力量とともにテナント電力管理装置9により一括で管理されるテナントである。具体的には、例えば、テナント電力管理装置9が会社A(本社)のサーバである場合、所定のテナント3aのユーザは、会社Aの支社や系列会社に相当する。
【0132】
図23は、本実施形態に係る端末装置5aeの構成を表すブロック図である。図23に示すように、本実施形態に係る端末装置5aeの制御部510eは、図6に示す実施形態1に係る端末装置5aの制御部510の機能に加えて、さらに消費電力送信部517として機能する。
【0133】
消費電力送信部517は、テナント3aに設置された電力計測機器7a(図1参照)が計測した消費電力量を取得し、その取得した消費電力量を含む消費電力情報をネットワークNを介してテナント電力管理装置10に送信する。
【0134】
図22に戻って、テナント電力管理装置9は、各端末装置5aeにより送信された各テナント3aにおける消費電力量を管理する。具体的には、管理装置10は、例えば、各端末装置7により送信された消費電力情報に基づいて、テナント3全体での省エネルギーの達成度合いを算出する。
【0135】
以上説明したように、実施形態6に係るテナント電力管理システムは、複数のビル電力管理システム1における所定のテナント3aの端末装置5aeがテナント電力管理装置9と接続され、各テナント3aにおける消費電力量を含む消費電力情報をテナント電力管理装置9に送信する。従って、テナント電力管理装置9は、各ビル2に入居する所定のテナント3aおける消費電力量を一括で管理することができる。
【0136】
なお、上記の実施形態6に係るテナント電力管理システムにおいて、各端末装置5aeから送信される消費電力情報は、そのテナント3aが、そのテナント3aが入居するビル2において売却した電力量及び購入した電力量を含んでもよい。これにより、テナント電力管理装置9は、各端末装置5aeにより送信された消費電力情報に含まれる各テナント3aにおける売却した電力量及び購入した電力量を一括で管理することができる。そして、テナント電力管理装置9は、各テナント3aにおける売却した電力量及び購入した電力量を一括管理することにより、テナント3a全体の消費電力量がテナント3a全体として課せられた制限電力量を超過すること抑制できる。
【0137】
(実施形態7)
続いて、実施形態7に係るテナント電力管理システムについて説明する。図24は、実施形態7に係るテナント電力管理システム8fの構成を示す図である。テナント電力管理システム8fは、図22に示す実施形態6に係るテナント電力管理システム8の構成に加えて、さらに電力供給装置10を備える。以下、実施形態7について、上記の実施形態6と異なる構成について詳細に説明し、同様の構成については、同様の符号を用い、その詳細な説明を省略する。
【0138】
電力供給装置10は、発電した電力を電力線L4を介して各ビルに電力供給可能な発電装置から構成される。また、電力供給装置10は、ネットワークNを介してテナント電力管理装置9fと接続される。そして、電力供給装置10は、テナント電力管理装置9fによる制御の下、各ビル2に電力を供給する。
【0139】
テナント電力管理装置9fは、テナント3aの端末装置5aeまたは、ビル電力管理装置からの求めに応じて、そのビル2に電力を供給するように電力供給装置10を制御する。
【0140】
具体的には、テナント3aのユーザは、例えば、消費電力量がテナント制限電力量を超過しそうな場合、端末装置5aを介してテナント電力管理装置9fに、超過すると予想される分の電力量(供給希望電力量)の供給を求める供給希望情報を送信する。そして、供給希望情報を受信したテナント電力管理装置9fは、その送信元であるテナント3aが入居するビル2に対し、供給希望電力量分の電力量を供給するように、電力供給装置10を制御する。
【0141】
また、テナント電力管理装置9fは、供給希望情報の送信元であるテナント3aが入居するビル2のビル電力管理装置4に、そのテナント3aのテナント制限電力量を、供給希望電力量に基づいて、更新するように求める更新希望情報を送信する。そして、更新希望情報を取得したビル電力管理装置4は、テナント3aのテナント制限電力量に供給希望電力量を加算することにより、テナント制限電力量を更新する。
【0142】
以上、説明した構成によれば、実施形態7に係るテナント電力管理システムにおいて、テナント電力管理装置9fは、テナント3aのユーザ、またはビル2の管理者からの求めに応じて、電力供給装置10から電力を供給することができる。これにより、テナント3a及びビル2は、テナント制限電力量及びビル制限電力量を超過しそうな場合に、電力供給装置から電力の供給を受けることにより、テナント制限電力量及びビル制限電力量を超過することなく電力を消費することができる。
【0143】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は実施形態によって限定されるものではない。本発明は、上記の実施形態1乃至7を適宜組み合わせたものも含み、また、それらと均等なものも含む。
【0144】
例えば、図1に示す電力計測機器7a〜7cは、同じテナント3a〜3cに設置された端末装置5a〜5cを介して、ビル電力管理装置4と接続されてもよい。この場合、電力計測機器7a〜7cにより計測された消費電力量は、端末装置5a〜5cを介してビル電力管理装置4に送信される。
【0145】
また、端末装置5a〜5c及び電力計測機器7a〜7cは、各テナント3a〜3c内に設置されていなくてもよい。電力計測機器7a〜7cは、各テナント3a〜3cの消費電力量を計測可能であるならばその設置場所は限定されない。同様に、端末装置5a〜5cは、ビル電力管理装置4及び電気機器6a〜6cと通信可能であるならば、その設置場所は限定されない。
【0146】
また、上記の実施形態において、余剰電力量の売買にかかる将来の所定期間を翌日1日分として説明したが、所定期間はこれに限られない。例えば、将来の所定期間は、翌1週間分でもよい。ただし、所定期間が長くなればなるほど、消費電力の予測の精度は落ちる。従って、所定期間が長くなるほど、売買可能な余剰電力量を小さくすることが好ましい。
【0147】
本発明に係るビル電力管理装置は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、ネットワークに接続されているコンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、コンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体(CD−ROM、MO等)に格納して配布し、当該プログラムをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行するビル電力管理装置を構成してもよい。
【0148】
また、コンピュータにプログラムを提供する方法は任意である。例えば、プログラムは、通信回線の掲示板(BBS)にアップロードされ、通信回線を介してコンピュータに配信されてもよい。また、プログラムは、プログラムを表す信号により搬送波を変調した変調波により伝送され、この変調波を受信した装置が変調波を復調してプログラムを復元するようにしてもよい。そして、コンピュータは、このプログラムを起動して、OSの制御のもと、他のアプリケーションと同様に実行する。これにより、コンピュータは、上述の処理を実行するビル電力管理装置として機能する。
【符号の説明】
【0149】
1 ビル電力管理システム
2 ビル
3a〜3c テナント
4,4a〜4d ビル電力管理装置
410,410a〜410d 制御部
411 ビル消費電力予測部
412 テナント制限電力取得部
413,413a 余剰電力取得部
414 購入希望取得部
415,415a テナント制限電力更新部
416 即時購入希望取得部
417 即時売却設定部
418c ピークシフト貢献度取得部
418d 省エネ貢献度取得部
419,419d 電気料金取得部
420 入力部
430 表示部
440,440b〜440d 記憶部
441 テナント制限電力情報
442 余剰電力情報
443 売却電力情報
444 即時売却設定情報
445 ピークシフト貢献度情報
446 省エネ貢献度情報
450 通信部
5a〜5c,5aa〜5ca,5ab〜5cb,5ae 端末装置
510、510a〜510b,510e 制御部
511 購入希望入力制御部
512 テナント制限電力更新部
513 機器制御部
514 余剰電力入力制御部
515 即時購入希望入力制御部
516 即時売却設定入力制御部
517 消費電力送信部
520 入力部
530 表示部
540 記憶部
541 テナント制限電力情報
550 通信部
6a〜6c 電気機器
7a〜7c 電力計測機器
8,8f テナント電力管理システム
9,9f テナント電力管理装置
10 電力供給装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のテナントが入居するビルにおいて、該テナントの制限電力量を管理するビル電力管理装置であって、
将来の所定期間における前記ビルの消費電力量を予測するビル消費電力予測手段と、
前記ビル消費電力予測手段により予測された消費電力量と、前記ビルの所定の制限電力量とに基づいて、前記テナント毎に前記将来の所定期間における前記テナントの制限電力量を取得するテナント制限電力取得手段と、
前記ビルの所定の制限電力量と、前記ビル消費電力予測手段により予測された消費電力量とに基づいて、前記将来の所定期間における前記ビルの余剰電力量を取得する余剰電力取得手段と、
前記テナントのユーザから、前記余剰電力量のうち、少なくとも一部の電力量の購入の希望を表す購入希望情報を取得する購入希望取得手段と、
前記購入希望情報と前記余剰電力量とに基づいて、前記購入希望情報に係る前記テナントの制限電力量を更新するテナント制限電力更新手段と、
を備えることを特徴とするビル電力管理装置。
【請求項2】
複数のテナントが入居するビルにおいて、該テナントの制限電力量を管理するビル電力管理装置であって、
将来の所定期間における前記ビルの消費電力量を予測するビル消費電力予測手段と、
前記ビル消費電力予測手段により予測された消費電力量と、前記ビルの所定の制限電力量とに基づいて、前記テナント毎に前記将来の所定期間における前記テナントの制限電力量を取得するテナント制限電力取得手段と、
前記テナントのユーザから、前記テナントの制限電力量のうち、前記将来の所定期間における該ユーザが売却を希望する少なくとも一部の電力量を表す余剰電力量を取得する余剰電力取得手段と、
前記テナントのユーザから、前記余剰電力量のうち、少なくとも一部の電力量の購入の希望を表す購入希望情報を取得する購入希望取得手段と、
前記購入希望情報と前記余剰電力量とに基づいて、前記購入希望情報に係る前記テナントの制限電力量と、前記余剰電力量に係る前記テナントの制限電力量とを更新するテナント制限電力更新手段と、
を備えることを特徴とするビル電力管理装置。
【請求項3】
前記購入希望情報は、前記テナントのユーザが購入を希望する電力量の購入希望額を含み、
前記テナント制限電力更新手段は、前記購入希望取得手段が複数のテナントのユーザからそれぞれ前記購入希望情報を取得した場合に、前記購入希望情報に含まれる前記購入希望額が高い順に、前記余剰電力量のうちから売却する電力量と、その売却先のテナントとを決定し、決定した売却する電力量に基づいて、決定したテナントの制限電力量を更新する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のビル電力管理装置。
【請求項4】
前記テナントのユーザから、現時点を含む所定時間において購入を希望する電力量を含む即時購入希望情報を取得する即時購入希望取得手段と、
前記テナントのユーザから、前記即時購入希望取得手段により前記即時購入希望情報が取得された場合に、前記テナントの制限電力量から前記即時購入希望情報に含まれる電力量分を売却するか否かの設定を取得する即時売却設定手段と、をさらに備え、
前記テナント制限電力更新手段は、前記即時購入希望取得手段により前記即時購入希望情報が取得された場合に、前記即時売却設定手段により取得した設定のうち、売却する設定に係るテナントのうちから売却元のテナントと、売却する電力量を決定し、決定した売却する電力量に基づいて、前記所定時間における売却元のテナントの制限電力量と、前記即時購入希望情報に係るテナントの制限電力量とを更新する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のビル電力管理装置。
【請求項5】
前記将来の所定期間において前記テナントのユーザが売却した電力量又は購入した電力量のうち少なくともいずれかに基づいて、前記ビルの消費電力量のピークの抑制への貢献度を表すピークシフト貢献度を前記テナント毎に取得するピークシフト貢献度取得手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のビル電力管理装置。
【請求項6】
前記テナント毎に、前記テナントが消費した消費電力量が前記テナントの制限電力量よりも小さいほど度合いが大きくなる省エネ貢献度を取得する省エネ貢献度取得手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のビル電力管理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のビル電力管理装置と、前記テナントに対応して設けられ、前記ビル電力管理装置と接続される端末装置と、から構成されるビル電力管理システムであって、
前記端末装置は、対応するテナントのユーザから、前記購入希望情報の入力を受け付けて、受け付けた前記購入希望情報を前記ビル電力管理装置に送信する購入希望入力制御手段を備え、
前記購入希望取得手段は、前記端末装置から前記購入希望情報を取得する、
ことを特徴とするビル電力管理システム。
【請求項8】
請求項7に記載のビル電力管理システムと、前記ビルに入居する所定のテナントに対応する端末装置とネットワークを介して接続されるテナント電力管理装置と、から構成されるテナント電力管理システムであって、
前記端末装置は、前記所定のテナントの消費電力量を含む消費電力情報を前記ネットワークを介して前記テナント電力管理装置に送信する消費電力送信手段を備え、
前記テナント電力管理装置は、前記消費電力情報を管理する、
ことを特徴とするテナント電力管理システム。
【請求項9】
発電した電力を前記ビルに供給可能な電力供給手段をさらに備え、
前記テナント電力管理装置は、前記消費電力情報に基づいて、該消費電力情報に係る前記所定のテナントが入居するビルに、前記電力供給手段により電力を供給する電力供給制御手段を備え、
前記テナント制限電力更新手段は、前記所定のテナントの制限電力量を、前記電力供給制御手段により供給を受ける電力量に基づいて更新する、
ことを特徴とする請求項8に記載のテナント電力管理システム。
【請求項10】
複数のテナントが入居するビルにおいて、該テナントの制限電力量を管理するビル電力管理方法であって、
将来の所定期間における前記ビルの消費電力量を予測するビル消費電力予測ステップと、
前記ビル消費電力予測ステップにおいて予測された消費電力量と、前記ビルの所定の制限電力量とに基づいて、前記テナント毎に前記将来の所定期間における前記テナントの制限電力量を取得するテナント制限電力取得ステップと、
前記ビルの所定の制限電力量と、前記ビル消費電力予測ステップにおいて予測された消費電力量とに基づいて、前記将来の所定期間における前記ビルの余剰電力量を取得する余剰電力取得ステップと、
前記テナントのユーザから、前記余剰電力量のうち、少なくとも一部の電力量の購入の希望を表す購入希望情報を取得する購入希望取得ステップと、
前記購入希望情報と前記余剰電力量とに基づいて、前記購入希望情報に係る前記テナントの制限電力量を更新するテナント制限電力更新ステップと、
を有することを特徴とするビル電力管理方法。
【請求項11】
複数のテナントが入居するビルにおいて、該テナントの制限電力量を管理するビル電力管理方法であって、
将来の所定期間における前記ビルの消費電力量を予測するビル消費電力予測ステップと、
前記ビル消費電力予測ステップにおいて予測された消費電力量と、前記ビルの所定の制限電力量とに基づいて、前記テナント毎に前記将来の所定期間における前記テナントの制限電力量を取得するテナント制限電力取得ステップと、
前記テナントのユーザから、前記テナントの制限電力量のうち、前記将来の所定期間における該ユーザが売却を希望する少なくとも一部の電力量を表す余剰電力量を取得する余剰電力取得ステップと、
前記テナントのユーザから、前記余剰電力量のうち、少なくとも一部の電力量の購入の希望を表す購入希望情報を取得する購入希望取得ステップと、
前記購入希望情報と前記余剰電力量とに基づいて、前記購入希望情報に係る前記テナントの制限電力量と、前記余剰電力量に係る前記テナントの制限電力量とを更新するテナント制限電力更新ステップと、
を有することを特徴とするビル電力管理方法。
【請求項12】
複数のテナントが入居するビルにおいて、該テナントの制限電力量を管理するプログラムであって、
コンピュータを、
将来の所定期間における前記ビルの消費電力量を予測するビル消費電力予測手段、
前記ビル消費電力予測手段により予測された消費電力量と、前記ビルの所定の制限電力量とに基づいて、前記テナント毎に前記将来の所定期間における前記テナントの制限電力量を取得するテナント制限電力取得手段、
前記ビルの所定の制限電力量と、前記ビル消費電力予測手段により予測された消費電力量とに基づいて、前記将来の所定期間における前記ビルの余剰電力量を取得する余剰電力取得手段、
前記テナントのユーザから、前記余剰電力量のうち、少なくとも一部の電力量の購入の希望を表す購入希望情報を取得する購入希望取得手段、
前記購入希望情報と前記余剰電力量とに基づいて、前記購入希望情報に係る前記テナントの制限電力量を更新するテナント制限電力更新手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
複数のテナントが入居するビルにおいて、該テナントの制限電力量を管理するプログラムであって、
コンピュータを、
将来の所定期間における前記ビルの消費電力量を予測するビル消費電力予測手段、
前記ビル消費電力予測手段により予測された消費電力量と、前記ビルの所定の制限電力量とに基づいて、前記テナント毎に前記将来の所定期間における前記テナントの制限電力量を取得するテナント制限電力取得手段、
前記テナントのユーザから、前記テナントの制限電力量のうち、前記将来の所定期間における該ユーザが売却を希望する少なくとも一部の電力量を表す余剰電力量を取得する余剰電力取得手段、
前記テナントのユーザから、前記余剰電力量のうち、少なくとも一部の電力量の購入の希望を表す購入希望情報を取得する購入希望取得手段、
前記購入希望情報と前記余剰電力量とに基づいて、前記購入希望情報に係る前記テナントの制限電力量と、前記余剰電力量に係る前記テナントの制限電力量とを更新するテナント制限電力更新手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−105228(P2013−105228A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247096(P2011−247096)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】