説明

ピクセル状固体検出器のための較正方法および装置

単一のデータ取得において放射線撮像装置(10)のための固体検出器(20)を較正するシステム。較正ファントム(40)が少なくとも第一および第二のエネルギーレベルにおいて同時的に放射線を放出する。核カメラ(16)が固体検出器(20)によって受け取られる放出放射線から前記第一および第二のエネルギーレベルの両方にまたがる放射線データの関連し合った組を生成する。ある手段(64)が前記生成されたデータの組の関連し合ったエネルギーピークの中心とエネルギーの値とを決定する。ある手段(80)が、前記取得されたデータセットの前記決定された中心およびピークに基づいて、利得、オフセット、パフォーマンスおよび無感ピクセル補正のうちの少なくとも一つを較正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は診断撮像のシステムおよび方法に関する。固体検出器(SSD: solid state detectors)を使った原子核撮像システムとともにとりわけ用途を見出し、その関連で説明するが、本発明がその他のピクセル状撮像素子などを使った他の撮像システムにも適用可能であることは理解されるであろう。
【背景技術】
【0002】
診断用の核撮像は、被験体における放射性核種の分布を調べるために使われる。一般に使われる放射性医薬品には、多様な短寿命放射性同位体が含まれる。各同位体は通例50〜500keVの特性エネルギーをもつ。典型的には撮像検査に適切な一つまたは複数の放射性医薬品または放射性同位体が選択され、被験者の血流中に注入される。典型的な応用には、循環系の撮像や注入された放射性医薬品を吸収する特定の器官の撮像が含まれる。放出される放射線を監視し、記録するために被験者の表面に隣接して放射線検出器が置かれる。しばしば、その検出器は放出される放射線を複数の方向から監視するために被験者のまわりに回転させられたり指標付けされたりする。こうした投影データセットが被験者の内部の放射性医薬品の分布を表す三次元画像に再構成される。
【0003】
歴史的には、各検出器ヘッドは、大きなシンチレーション結晶に向けられた光電子増倍管(PMT: photomultiplier tube)のアレイを含んでいた。放射線イベントがあるたびに対応する閃光が生成され、それが最も近い光電子増倍管によって観察されていた。個々のPMTからのアナログパルスがデジタル化され、組み合わされて結晶面上のシンチレーションイベントの位置のxおよびy空間座標が生成された。
【0004】
近年では、核カメラにおいて固体検出器が導入されてきた。固体検出器は放射線を検出するために光電効果を利用する。より具体的には、受け取った放射線光子が、標的物質において電子を原子のまわりの軌道から解放する。その電子が電気的信号として検出されるのである。
【0005】
固体検出器に基づく核カメラの較正は典型的には、当該固体検出器のピクセルの電荷捕集の非一貫性、信号バイアスおよびピクセルにおける電荷生成に干渉する不純物を正すために、各ピクセルの利得およびオフセットについて実行される。さらに、無感ピクセル回復および取得窓内で取得されるカウント数の一様性に関連しても較正が必要とされることがある。放射性同位体のエネルギー範囲にわたっての線形性のために、二つの較正が実行される。122keVにエネルギーピークをもつコバルトのような第一の同位体物質の一様なシートが検出器の前に置かれ、一時間ほど放射線の検出が行われる。放射線源が一様であるため、すべての検出器が同一の応答であるはずである。次に、第一のシートが取り去られ、たとえば60keVのピークをもつアメリシウムなど異なる特性エネルギーをもった第二の同位体の一様な層を用いてもう一時間プロセスが反復される。二つのオフセットエネルギーにおける各検出器の応答に基づいて、一般的な同位体のエネルギー範囲全体にわたって線形となるように内挿および外挿される較正調整が決定される。マルチヘッドの核カメラでは、このプロセスは各ヘッドについて反復される。この較正プロセスは効果的ではあるものの時間がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
較正をより迅速かつ効率的に実行する技術が必要とされている。本発明は、上述した問題などを克服する新しい撮像装置および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある側面によれば、単一の取得において放射線撮像装置のための固体検出器を較正するためのシステムが開示される。ある手段が、少なくとも第一および第二のあらかじめ選択されたエネルギーレベルにおいて同時的に放射線を放出する。ある手段が、固体検出器によって受け取られる放出放射線から前記第一および第二のエネルギーレベルの両方にまたがる放射線データの関連し合った組を生成する。ある手段が、関連し合ったエネルギーピークの中心とエネルギーの値とを決定する。ある手段が、前記取得されたデータの組の前記決定された中心およびピークに基づいて、利得、オフセット、パフォーマンスおよび無感ピクセル補正のうちの少なくとも一つを較正する。
【0008】
本発明のある別の側面によれば、核撮像システムにおける固体検出器を較正する方法が開示される。放射線が少なくとも第一および第二のあらかじめ選択されたエネルギーレベルにおいて同時的に放出される。検出器によって受け取られる放出放射線から放射線データの関連し合った組が生成される。生成されたデータの組についてのエネルギーピークの中心とエネルギーの値とが決定される。前記取得されたデータの組の前記決定された中心およびピークに基づいて、利得、オフセット、パフォーマンスおよび無感ピクセル補正のうちの少なくとも一つが較正される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一つの効果は、較正時間を短縮することによって較正をはかどらせることにある。
【0010】
本発明のもう一つの効果は、ピクセル利得およびオフセット、一様性ならびに無感ピクセル補正についての較正を単一の取得において実行し、そうすることでより一貫した較正方法を提供することにある。
【0011】
本発明のもう一つの効果は、ピクセル利得およびオフセット、一様性ならびに無感ピクセル補正についての較正を一つだけの同位体を使って実行することにある。
【0012】
本発明のさらなる効果および恩恵は、好ましい実施形態の以下の詳細な記述を読み、理解することで当業者には明らかとなるであろう。
【0013】
本発明は、さまざまな構成要素および構成要素の配置において、ならびにさまざまなステップおよびステップの配列において具現することができる。図面は単に好ましい実施形態を解説する目的のためのものであって、本発明を限定するものと解釈してはならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1を参照すると、核撮像装置10は典型的には回転ガントリー14を支持する静止ガントリー12を含んでいる。関心のある領域すなわち検査領域18から発する放射線イベントを検出するため、一つまたは複数の検出器ヘッド16が回転ガントリー14によって担われている。各検出器ヘッド16は検出器素子の二次元アレイ20を含んでいる。検出器アレイは好ましくは、ガンマ線を直接電荷に変換する固体検出器である。各ヘッド16は、各放射線応答を検出器面上の位置(x,y)およびそのエネルギー(z)を示すデジタル信号に変換する回路22を含んでいる。
【0015】
典型的には、撮像されるべき対象は、一つまたは複数の放射性医薬品または放射性同位体を注入され、検査台24に支持されて検査領域18内に置かれる。対象内に前記医薬品があることが当該対象からの放出放射線を生成する。コリメーター26によって定義される軌跡に沿って飛行する放射線は各検出器ヘッド16によって検出される。検出器ヘッド16は、複数の方向から放出データを収集するために検査領域18のまわりに角度方向に指標付けされる、あるいは回転させられる。診断撮像の間、投影放出データ(x,y,z)および検出器ヘッドの検査領域のまわりの角度位置(θ)がデータメモリ28に保存される。再構成プロセッサ30は前記データメモリ28からのイベントデータおよび検出器方向データを処理して、体積画像表現とする。その画像表現は次いで体積画像メモリ32に保存される。ビデオプロセッサ34によって操作し、ビデオモニター、プリンターなどのような画像出力36上に出力するためである。
【0016】
引き続き図1を参照しつつさらに図2Aも参照すると、較正ファントム40は検出器ヘッド16の前の検査台24の上に位置されて支持される。典型的には、ファントムの水平方向の大きさは検出器ヘッドの放射線受光面の大きさに対応する。較正されるべき検出器ヘッドは、ファントム40の真向かいとなるよう12時のところ位置にされる。検査台24が上げられ、可能なら検査ヘッドが下げられ、検出器ヘッドとファントムとを近接させる。精密な較正を得るには、ファントム40は少なくとも二つのエネルギーレベルで同時的に放射線を放出する。ファントム40はコリメーター26の正面に位置されたタンク42を含む。タンク42は、検出器ヘッドのコリメーター26に面する位置にある正面44と、該正面44の反対側で検査台24上に載る背面46とを含んでいる。タンク42は、第一の放射線源48を含んでいるが、これは好ましくは該タンク42中に分散された液体溶液テクネチウム(Tc)である。テクネチウムは約140keVのところに中心をもつ第一のピークをもつ第一のエネルギーレベルを与える。テクネチウムは放射性医薬品同位体として一般的であり、これを使って較正することにより特に相関が改良される。しかし、他の同位体も使うこともできる。そのような同位体の例としては、ガリウム(Ga)およびゲルマニウム(Ge)がある。対応するエネルギーピークはそれぞれ約500keVおよび660keVである。
【0017】
異なる放出ピークをもつ第二の放射線源50は、たとえば取り外し可能な鉛(Pb)シートまたはバックシートまたはバック層52のようなものであり、タンク42の裏側46あたりに位置される。バックシート52はタンク42内に設けられるスロット54に挿入されうる。鉛は約70keVのところを中心とした第二のエネルギーピークをもつ放射線を提供する。より具体的には、第二の放射線は後方散乱された放出放射線として生成される。第一の放射線源48からの放射線がソリッドな鉛シート52に衝突すると、二次放出を引き起こす。もちろん、二次放射線源を提供するためには、スズや銅といったその他の物質も考えられる。
【0018】
ある代替的な実施例では、第一の放射線源48はコバルト(Co)のような同位体を含んでいる。これは約130keVのところにある第一のエネルギーピークと約122keVのところにある第二のエネルギーピークとの二つのエネルギーレベルをもつ。コバルトによって与えられる第一および第二のエネルギーピークに加えて、ファントム40の背面の鉛などのシートがより精密な較正のために第三のエネルギーピークをもつ放射線源50を提供することもできる。
【0019】
一般に、較正の精度は較正曲線上により多くの点、特に運転エネルギー領域にまたがる点をもつことによって改良される。
【0020】
もう一つの実施例では、第一の放射線源48は複数の同位体の液体混合物または積層物であり、二つ以上のエネルギーレベルの放射線を同時的に放出する。任意的に、第二の放射線源50は、二次放出によってもう一つのエネルギーレベルを提供するためファントム40に取り付けられているシートである。
【0021】
図2Bを参照すると、第一の放射線源48の前面44にさらなる放射線源またはフロントシートまたはフロント層56が取り付けられている。フロントシート56はコリメーター26の真っ正面に位置されており、二次放射線束を増すようになっている。好ましくは、このフロント層は非常に薄く、タンク42の前面に付着させられためっき層または箔層のようなものである。フロント層56はバック層52と同じ金属として第二のエネルギーピークの放射線を強めるようにしてもよい。あるいはまた、さらにもう一つのエネルギーピークのところに第二の放射線を生成する別の金属を使うこともできる。
【0022】
再び図1を参照し、さらに図3を参照すると、ファントム40は二つ以上のエネルギーレベルまたはピークにて放射線を放出する。第一の放射線源および第二の放射線源によって生成された放射線強度を示すデータが座標(xi,yj)をもつ各ピクセルまたは検出器素子についてデータメモリ28に集められる。このデータは閾値処理され、分別手段60によって分別されて、第一および第二のエネルギーピークの寄与によるデータの間の区別がなされる。分別されたデータは分別データメモリ62内に保存される。エネルギーピーク手段64が、既知のエネルギーレベルをもつ第一および第二の放射線源に対応する第一および第二のエネルギーピークをみつける。特に、スペクトルプロセッサ66が、各光子のエネルギーを検出し、放射線強度の分布を見出すために各検出素子の出力を処理する。分布は、エネルギーに対する受け取った光子カウント数の曲線として表すことができる。そのような曲線は、図4に示すように、各放射線源のエネルギーピークをそれぞれ中心とする二つのガウス型ピークをもつ平面曲線のように見える。最良曲線あてはめ手段68は最良曲線あてはめ技法を使って第一および第二の測定されたエネルギーピークを決定する。好ましくは、最良曲線あてはめ手段68はガウス型曲線あてはめ関数
【0023】
【数1】

を使用する。ここで、見出されるべきパラメータはピーク中心x0、エネルギーピークの高さCおよびエネルギーピークの幅σである。
【0024】
ピーク中心決定手段70が第一および第二の測定されたエネルギーピークの中心位置C1およびC2を見出す。エネルギー決定手段72は両ピークの中心位置におけるエネルギーの値E1およびE2を見出す。ピーク中心位置とエネルギー値とはエネルギーピークメモリ74に保存される。基準点決定手段76は、各検出器素子の出力曲線が共通の基準、すなわちすべて同一の中心エネルギーおよびピーク振幅に揃うよう利得およびオフセットの基準点を計算する。任意的に、利得およびオフセット基準点はオペレーターによって入力される値である。
【0025】
較正手段80は基準点決定手段76およびエネルギーピークメモリ74からの情報を取得し、検出器アレイ20の各素子についての較正パラメータを決定する。より具体的には、利得較正手段82が利得を式
【0026】
【数2】

によって計算する。ここで、C1およびC2は曲線の中心であり、E1およびE2は対応するピークエネルギーの値である。
【0027】
オフセット較正手段84はオフセットを式
【0028】
【数3】

によって計算する。ここで、C1は曲線の中心、E1は対応するエネルギー値である。
【0029】
パフォーマンス手段86は各検出器素子データを見てそれを所定のパフォーマンス測定値と比較し、測定器がどれくらい効率的であるか、そしてピクセルエネルギー解像度がどのくらい良好であるかを決定する。たとえば、いずれかの測定されたピークが他の検出器素子に比べて低すぎたり幅広すぎたりしていないかどうかを決定する。パフォーマンス手段86は、パフォーマンスパラメータの全体を使って検出器の応答の一様性の補正のような追加的な較正を実行する。
【0030】
無感ピクセル回復プロセッサ88は、各ピクセルについての情報を監視し、それぞれが実質同数の計数、そして実質同じエネルギー分布を有しているかどうかを決定する。検出器素子のいずれかが所定の偏差よりも大きく他から異なっている場合、無感ピクセル回復プロセッサはその調子の悪い素子を回路22から切断する。無感ピクセル回復プロセッサ88は、隣接する検出器素子の出力を補間して無感ピクセル領域を埋めるための探索表を作成する。
【0031】
本発明は好ましい実施形態を参照しつつ記載されてきた。以上の詳細な記述を読み、理解することで他の者にも修正および変更が思いつくかもしれない。本発明は、付属の特許請求の範囲またはその等価物の範囲内にはいる限りのあらゆるそのような修正および変更をも含んでいるものと解釈されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】核撮像システムの図式的な図解である。
【図2A】検出器ヘッドに隣接する第一の較正ファントムの詳細な図式的な図解である。
【図2B】第二の較正ファントムの詳細な図式的な図解である。
【図3】本発明に基づく較正システムの図式的な図解である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の取得において放射線撮像装置のための固体検出器を較正するためのシステムであって:
少なくとも第一および第二のあらかじめ選択されたエネルギーレベルにおいて同時的に放射線を放出する手段と、
固体検出器によって受け取られる放出放射線から前記第一および第二のエネルギーレベルの両方にまたがる放射線データの関連し合った組を生成する手段と、
前記生成されたデータの組の、関連し合ったエネルギーピークの中心とエネルギーの値とを決定する手段と、
前記取得されたデータの組の前記決定された中心およびピークに基づいて、利得、オフセット、パフォーマンスおよび無感ピクセル補正のうちの少なくとも一つを較正する手段、
とを有することを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記放射線放出手段が:
前記第一のエネルギーレベルにおいて放射線を放出する放射性同位体を保持するタンクと、
前記第一のエネルギーレベルの放射線を受けて前記第二のエネルギーレベルにおいて放射線を放出する手段、
とを有することを特徴とする、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記放射性同位体が液体溶液中にあることを特徴とする、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記第二のエネルギーレベルにおいて放射線を放出する前記手段が:
前記固体検出器の反対側の前記タンク背面に沿って配置されている高密度金属シートを含んでおり、該高密度金属シートが二次放出によって前記第二のエネルギーレベルの放射線を放出する、
ことを特徴とする請求項3記載のシステム。
【請求項5】
請求項4記載のシステムであって、前記放射性同位体と前記固体検出器との間の、前記タンク前面に沿って配置されている第二の金属シートを含んでおり、該第二の金属シートが前記第一のエネルギーレベルの放射線を受けて別のエネルギーレベルの放射線を放出することを特徴とするシステム。
【請求項6】
前記高密度金属シートおよび前記第二の金属シートが鉛を含んでおり、70keVにおいて第二の放射線を放出することを特徴とする、請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記放射線放出手段が、前記第一および第二のエネルギーレベルにおいて同時的に放射線を放出する単一の二重ピーク同位体を含むことを特徴とする、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記二重ピーク同位体によって放出される放射線の一部をある特性エネルギーレベルに変換する二次放射線源、
をさらに含むことを特徴とする、請求項7記載のシステム。
【請求項9】
前記放射線放出手段が同位体混合物を含んでおり、各同位体が少なくとも一つのエネルギーレベルにおいて放射線を放出することを特徴とする、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記同位体混合物からの放射線を受けて、前記同位体混合物によって放出された放射線の少なくとも一部のエネルギーレベルよりも低い特性エネルギーレベルにおいて放射線を放出する二次放射線源、
をさらに含むことを特徴とする、請求項9記載のシステム。
【請求項11】
前記固体検出器が検出器素子のアレイを含んでおり、前記生成手段が各検出器素子について放射線データの組を生成することを特徴とする、請求項1記載のシステム。
【請求項12】
核撮像システムにおける固体検出器を較正する方法であって:
少なくとも第一および第二のあらかじめ選択されたエネルギーレベルにおいて放射線を同時的に放出し、
当該検出器によって受け取られる放出放射線から放射線データの関連し合った組を生成し、
前記生成されたデータの組についてのエネルギーピークの中心とエネルギーの値とを決定し、
前記取得されたデータの組の前記決定された中心およびピークに基づいて、利得、オフセット、パフォーマンスおよび無感ピクセル補正のうちの少なくとも一つを較正する、
ことを含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
ピクセル状固体検出器のための較正ファントムであって:
第一の特性エネルギーの放射線を放出する放射性同位体層と、
前記第一の特性エネルギーの放射線を前記放射性同位体層から受けて第二の特性エネルギーの放射線を二次放出によって放出する、前記放射性同位体層に平行に配置された金属層、
とを有することを特徴とするファントム。
【請求項14】
前記放射性同位体層が液体溶液中に放射性同位体を含んでいることを特徴とする、請求項13記載の較正ファントム。
【請求項15】
前記液体溶液が、それぞれが特性エネルギーをもつ複数の放射性同位体を含んでいることを特徴とする、請求項14記載の較正ファントム。
【請求項16】
前記放射性同位体が、テクネチウム、ガリウム、アメリシウム、コバルトおよびゲルマニウムのうちの少なくとも一つの放射性同位体を含んでいることを特徴とする、請求項14記載の較正ファントム。
【請求項17】
前記金属層が鉛、銅、モリブデン、タングステンおよびスズのうちの一つであることを特徴とする、請求項13記載の較正ファントム。
【請求項18】
前記放射性同位体が2つのエネルギーピークを有することを特徴とする、請求項13記載の較正ファントム。
【請求項19】
当該ピクセル状核カメラの各ピクセルについて第一および第二の特性エネルギーのまわりに生成されるエネルギーピークを見出すピクセルエネルギーピーク解析器と、
前記エネルギーピーク情報を利用して、各ピクセルの利得およびオフセットの補正、核カメラの全体としてのパフォーマンスの調整ならびに無感ピクセル領域の回復のうちの少なくとも一つを行う較正プロセッサ、
とをさらに含むことを特徴とする、請求項13記載のファントムとピクセル状核カメラとの組み合わせ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−510150(P2007−510150A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537490(P2006−537490)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【国際出願番号】PCT/IB2004/052003
【国際公開番号】WO2005/040855
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】