説明

ピックアップ装置

【課題】光ピックアップの厚みを増すことなく、当該光ピックアップに1種類のパターンを持つ液晶素子を採用することが可能となり、液晶素子の収差補正効果を最大限に生かすことが可能な光ピックアップを提供する。
【解決手段】光ピックアップ1において、コリメータレンズ13が、球面収差を補正するために光軸上を移動する範囲の中間位置から対物レンズ11aまでの光学的距離と、レーザ光の入射時における当該コリメータレンズの焦点距離とが略等しくなるような基準位置に配置され、且つ、液晶素子14が、コリメータレンズ13とレーザ光の光源との間に配置されるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、レーザ光を光ディスク等の記録媒体に照射し、当該記録媒体によって反射される反射光を受光することにより信号を読み取るピックアップ装置等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のピックアップ装置(以下、「光ピックアップ」という)において、光路中において生じた収差(例えば、球面収差、コマ収差、非点収差等)の補正は極めて重要な技術的課題であり、従来から、精度良く収差を補正するために様々な方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、液晶素子の複数の配向状態を適宜に調整することで、球面収差とコマ収差の双方を補正する方法が提案されている。
【特許文献1】特許第3885921号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示された液晶素子では球面収差の補正量に限界があるので、NA(開口数)の大きい対物レンズを使用する、例えばBlu−rayDISC(以下、「BD」という)などの2層ディスクの再生時に生じる球面収差を補正することは困難である。したがって、かかる球面収差を補正するためには、光軸上を移動するコリメータレンズを光ピックアップに別に設け、2層ディスクにおける夫々の層(記録面)からの情報の再生時には、各層に応じた位置(球面収差が補正される位置)にコリメータレンズを移動させる必要がある。
【0005】
しかしながら、このようにコリメータレンズを移動させると、光の開き角が変わり、液晶素子上の光の径が変わってしまうため、双方の層からの情報再生時において液晶素子の収差補正効果を最大限に生かすためには、夫々の層再生時における液晶素子上の光の径の大きさに合わせた少なくとも2種類の液晶パターンが必要となる。このため、光ピックアップに少なくとも2種類のパターンを持つ液晶素子を採用する必要があり、コントロールする液晶素子の構成要素数も増加してしまい、複雑でコストアップの要因となるという問題がある。
【0006】
かかる問題を解決するため、上記光の径の変化が最も少なくなる位置、即ち、対物レンズを搭載するアクチュエータの絞りの直近の位置に液晶素子を設ける構成も考えられるが、この構成では、光ピックアップの厚み(いわゆる、ディスク下何mmと言われる)が増し、ひいては、当該光ピックアップが搭載される例えば車載用のAV機器等の製品自体の厚み(高さ)が増してしまうので、当該製品の実装スペース上の問題が生じる場合がある。
【0007】
そこで、本願は、このような問題の解消を課題の一つとし、光ピックアップの厚みを増すことなく、当該光ピックアップに1種類のパターンを持つ液晶素子を採用することが可能となり、液晶素子の収差補正効果を最大限に生かすことが可能な光ピックアップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、レーザ光を記録媒体に照射し、当該記録媒体によって反射される反射光を受光することにより信号を読み取る光ピックアップにおいて、前記レーザ光の光軸上に配置される対物レンズと、前記レーザ光の光軸上に配置され、球面収差を補正するために前記光軸上を移動するコリメータレンズと、前記レーザ光の光軸上に配置され、コマ収差を補正するための液晶パターンを有する液晶素子と、を備え、前記コリメータレンズは、前記球面収差を補正するために前記光軸上を移動する範囲の中間位置から前記対物レンズまでの光学的距離と、前記レーザ光の入射時における当該コリメータレンズの焦点距離とが略等しくなるような基準位置に配置されており、前記液晶素子は、前記コリメータレンズと、前記レーザ光の光源との間に配置されていることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本願の最良の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、記録媒体の一例としての光ディスクに記録された情報を再生する情報再生装置に対して本願を適用した場合の実施形態である。なお、本願は、光ディスクに記録された情報を再生又は記録する情報再生記録装置に対して適用しても良い。
【0010】
図1は、本実施形態に係る情報再生装置の概要構成例を示す図である。
【0011】
図1に示すように、情報再生装置Sは、ピックアップ装置1、再生処理部2、外部出力処理部3、制御部4、及びレンズ駆動回路5等を備えて構成されている。
【0012】
なお、情報再生装置Sにおける所定位置に載置された光ディスクDを回転駆動させるスピンドルモータ、光ピックアップ1を光ディスクDにおける所定の読取位置まで移動させるキャリッジ、レーザダイオードのレーザ光の強度を制御するレーザ駆動回路、及びスピンドルモータ,キャリッジ及び光ピックアップ1におけるアクチュエータをサーボ制御するサーボ制御回路については図示を省略している。
【0013】
また、本実施形態では、光ディスクDの例として、光ディスク表面からの距離が互いに異なる2層の記録面(「L0面(L0層ともいう)」(第一の記録面)と「L1面(L1層ともいう)」(第二の記録面))を有する2層ディスクを適用する。当該2層ディスクとしては、例えば405nmの波長のレーザ光の照射により記録情報が再生されるBDが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0014】
光ピックアップ1は、光ディスクDにレーザ光を照射し、当該光ディスクDによって反射される反射光を受光することにより信号を読み取るようになっている。
【0015】
より具体的に、光ピックアップ1は、対物レンズ11aを搭載するアクチュエータ11、反射ミラー12、球面収差を補正するために当該光軸上を移動するコリメータレンズ13、印加される電圧に基づいて屈折率が変化する液晶素子14、ビームスプリッタ(プリズム)15、マルチレンズ16、受光素子17、レーザダイオード18、制御部4からの指令に従ってコリメータレンズ13を駆動するパルスモータ19及び駆動機構20(コレメータレンズ駆動手段の一例)等を備えて構成されている。なお、対物レンズ11a、コリメータレンズ13、及び液晶素子14等はレーザ光の光軸上に配置されている。
【0016】
このような光ピックアップ1の構成において、レーザダイオード18からレーザ光が出射され、その光はビームスプリッタ15により反射され、液晶素子14を透過した後、コリメータレンズ13により略平行光にされる。そして、略平行光にされた光は、反射ミラー12により反射され、アクチュエータ11における絞り11bにより光の径(大きさ)が調整(使用される光の径が決定)された後、対物レンズ11aに入射し、光ディスクDの記録面(L0面とL1面の何れか)に集光される。また、光ディスクDから反射された反射光は、反射ミラー12により反射され、コリメータレンズ13、液晶素子14、及びビームスプリッタ15等を透過し、マルチレンズ16を介して、受光素子17により受光される。そして、受光された光の強度に応じたRF(Radio Frequency)信号がRFアンプ(図示せず)によって所定のレベルまで増幅され再生処理部2に出力されることになる。
【0017】
ここで、コリメータレンズ13は、レンズ駆動回路5、駆動機構20及びパルスモータ19の作用により光軸方向(図中矢印方向)に移動する。これにより、対物レンズ11aに入射する光の開き角が調節され、球面収差を補正することができる。
【0018】
また、液晶素子14は、光ディスクDの傾き等により生じるコマ収差を補正するための一種類の液晶パターンを有している。図2は、液晶素子14における液晶パターンの例を示す図である。図2の例において、領域R1〜R4は、液晶による補正波面を形成する領域である。このような液晶パターンは、印加電圧によって生じる電界に応じて液晶分子の配向が変化することにより形成される。なお、かかる液晶パターンについては、公知であるのでこれ以上の詳しい説明は省略する。
【0019】
次に、再生処理部2は、光ピックアップ1からのRF信号に対して所定の復調処理、誤り訂正処理、及びデコード処理等を施して、ディジタル信号(オーディオ信号及びビデオ信号等)に変換し、当該ディジタル信号を外部出力処理部3に出力する。
【0020】
外部出力処理部3は、再生処理部2からのディジタル信号に係るオーディオ信号をスピーカに出力、及びディジタル信号に係るビデオ信号をディスプレイに出力するための処理を行う。なお、かかる処理については公知であるので詳しい説明は省略する。また、再生処理部2は、RF信号から得られる情報(例えば、RFレベル)を制御部4に出力するようになっている。
【0021】
制御部4は、CPU、各種データ及びプログラムを記憶するROM、作業用RAM等を備えて構成されており、CPUが上記プログラムを実行することにより、情報再生装置S全体を統括制御して、光ディスクDの再生制御や球面収差補正制御等を行うようになっている。この球面収差補正制御においては、制御部4がレンズ駆動回路5へ指令を与えてパルスモータ19及び駆動機構20を駆動制御し、コリメータレンズ13を駆動させる(つまり、光軸方向に移動させる)ことにより球面収差の補正を行うようになっている。例えば、制御部4が光ディスクDの再生制御を行い、光ピックアップ1により読み取られた信号から得られるパラメータとしてのRFレベルやジッタ等が最良(例えば、RFレベルの場合のその値が極値(例えば最大)、ジッタの場合その値が極値(例えば最小))となるように制御を行うことで、球面収差の補正が実行されることになる。
【0022】
以上のように構成された情報再生装置Sのピックアップ装置1において、コリメータレンズ13と液晶素子14の特徴的な配置関係について以下に詳しく説明する。
【0023】
図1に示すように、コリメータレンズ13は、球面収差を補正するために光軸上を移動する範囲の中間位置から対物レンズ11aまでの光学的距離(より具体的には、コリメータレンズ13の主点位置から対物レンズ11aの主点位置まで)と、レーザ光の入射時における当該コリメータレンズ13の焦点距離とが略等しくなるような基準位置X0に配置されている。即ち、光源から対物レンズ11aまでの光学的距離が、コリメータレンズ13の焦点距離の2倍になるように当該コリメータレンズ13が配置される。なお、上記「球面収差を補正するために光軸上を移動する範囲」は、図1の例では、位置X1から位置X2までの範囲である。
【0024】
そして、制御部4の制御により、L0面から情報が再生される際には、コリメータレンズ13は基準位置X0から液晶素子14の方向に位置X1まで移動する一方、L1面から情報が再生される際には、コリメータレンズ13は基準位置X0から対物レンズ11aの方向に位置X2まで移動することになる。
【0025】
なお、上記光学的距離と上記焦点距離とは一致するのが理想的であるが、誤差範囲及び液晶素子14の適切な収差補正効果を得られる範囲等を考慮すると、当該光学的距離と当該焦点距離の差が当該光学的距離の例えば±3%(或いは±2%)程度の範囲に収まることが望ましい。
【0026】
また、上記光学的距離は、光の屈折率nを考慮した距離を意味する。例えば、空気中の屈折率nを「1」としたとき、屈折率n0で厚さtの物体内を通過する場合の光学的距離はt/n0となる。図3は、光学的距離の算出例を示す図である。図3に示すように、A−B間の実際の距離は、L1+L2+L3+L4+L5になるが、A−B間の光学的距離は、L1+L2/n2+L3+L4/n4+L5になる。
【0027】
一方、図1に示すように、液晶素子14は、コリメータレンズ13とレーザ光の光源、すなわちレーザダイオード18との間に配置されている。液晶素子14は、コリメータレンズ13とレーザダイオード18との間であればどの位置に配置されても効果があるが、レーザダイオード18に近い位置では光の径が小さいので、当該光と、液晶素子14における補正波面を形成する領域との位置合せが難しいので、なるべくコリメータレンズ13に近い位置に液晶素子14を配置する方が望ましい。
【0028】
以上のようにコリメータレンズ13と液晶素子14を配置することにより、L0面再生時におけるコリメータレンズ13の位置X1と、L1面再生時におけるコリメータレンズ13の位置X2とで、液晶素子14上の光の径が変化しないようにすることができる。
【0029】
図4は、コリメータレンズ13から対物レンズ11aまでの光学的距離Dと、コリメータレンズ13の焦点距離Fとが等しい場合において、L0面再生時にコリメータレンズ13が位置X1に移動したとき(図4の(A))と、L1面再生時にコリメータレンズ13が位置X2に移動したとき(図4の(B))の液晶素子14上の光の径(使用径)の変化を説明するための図である。なお、図4の例では、説明の便宜上、反射ミラー12及びビームスプリッタ15を省略している(図5及び図6も同様)。
【0030】
図4の場合、L0面再生時とL1面再生時の双方とも、基準位置X0にコリメータレンズ13がある場合に比べ、液晶素子14上の光の径がほぼ同じ様に減少する。L0面再生時とL1面再生時の当該光の径の減少量はほぼ等しいので、L0面再生時とL1面再生時において収差補正を行うための液晶素子14は、L0面再生時とL1面再生時における液晶素子14上の光の径に合わせて設計することができる。つまり、L0面再生時とL1面再生時とで、液晶素子14上の光の径の変化が無いので、当該液晶素子14における液晶パターンを一種類とすることが可能となる。
【0031】
一方、図5は、コリメータレンズ13から対物レンズ11aまでの光学的距離Dが、コリメータレンズ13の焦点距離Fより短い場合において、L0面再生時にコリメータレンズ13が位置X3に移動したとき(図5の(A))と、L1面再生時にコリメータレンズ13が位置X4に移動したとき(図5の(B))の液晶素子14上の光の径(使用径)の変化を説明するための図である。また、図6は、コリメータレンズ13から対物レンズ11aまでの光学的距離Dが、コリメータレンズ13の焦点距離Fより長い場合において、L0面再生時にコリメータレンズ13が位置X5に移動したとき(図6の(A))と、L1面再生時にコリメータレンズ13が位置X6に移動したとき(図6の(B))の液晶素子14上の光の径(使用径)の変化を説明するための図である。
【0032】
図5の場合、つまり、図4に比べて、対物レンズ11aをコリメータレンズ13に近づけた場合、L0面再生時には、基準位置X0にコリメータレンズ13がある場合に比べ、液晶素子14上の光の径が大きくなる一方、L1面再生時には、基準位置X0にコリメータレンズ13がある場合に比べ、液晶素子14上の光の径が小さくなる。また、図6の場合、つまり、図4に比べて、対物レンズ11aをコリメータレンズ13から遠ざけた場合には、L0面再生時には、基準位置X0にコリメータレンズ13がある場合に比べ、液晶素子14上の光の径が小さくなる一方、L1面再生時には、基準位置X0にコリメータレンズ13がある場合に比べ、液晶素子14上の光の径が大きくなる。したがって、図5及び図6の場合には、L0面再生時とL1面再生時とで、液晶素子14上の光の径が変わってしまうので、当該液晶素子14における液晶パターンを二種類設ける必要がある。
【0033】
より具体的な例として、図7に、コリメータレンズ13から対物レンズ11aまでの光学的距離Dとコリメータレンズ13の焦点距離Fとの差を変化させたときの液晶素子14上でのレーザ光(出射光)の使用径(瞳径)の変化の割合の一例を示す。なお、図7の例において、縦軸の「瞳径の割合」は、レーザ光の基準径に対する使用径の割合(比)を意味する。また、図7の例は、コリメータレンズ13の焦点距離Fを18mmとし、L0面再生時に基準位置X0より−2mm、L1面再生時に基準位置X0より+2mm、夫々コリメータレンズ13を移動させると球面収差が補正により打ち消される光学系を採用している。
【0034】
そして、図7より、光学的距離Dと焦点距離Fとの差が「0」の場合(符号51部)、L0面再生時とL1面再生時における液晶素子14上での使用径が等しくなることが分かる。一方、図5の場合のようにコリメータレンズ1と対物レンズ11aとの距離が短くなり光学的距離Dより焦点距離Fが大きく(D<F)なると(例えば符号52部)、L0面再生時における液晶素子14上での使用径が大きくなり、L1面再生時における液晶素子14上での使用径が小さくなることが図7から分かる。また、図6の場合のようにコリメータレンズ1と対物レンズ11aとの距離が長くなり光学的距離Dより焦点距離Fが小さく(D>F)なると(例えば符号53部)、L0面再生時における液晶素子14上での使用径が小さくなり、L1面再生時における液晶素子14上での使用径が大きくなることが図7から分かる。よって、光学的距離Dと焦点距離Fとの差が「0」となる付近で使用することにより、L0面再生時とL1面再生時においてコリメータレンズ13が移動しても、液晶素子14上での使用径が変化せず、L0面再生時とL1面再生時において同様の液晶効果を得ることができる。
【0035】
以上説明したように、上記実施形態によれば、光ピックアップ1において、コリメータレンズ13が、球面収差を補正するために光軸上を移動する範囲の中間位置から対物レンズ11aまでの光学的距離と、レーザ光の入射時における当該コリメータレンズの焦点距離とが略等しくなるような基準位置に配置され、且つ、液晶素子14が、コリメータレンズ13とレーザ光の光源との間に配置されるように構成したので、L0面再生時とL1面再生時とで液晶素子14上の光の径の変化を無くすことが可能となり、アクチュエータ11の絞り11bの直近の位置に液晶素子14を設けなくても、液晶素子14における液晶パターンを一種類とすることができる。したがって、光ピックアップ1の厚みを増すことなく、当該光ピックアップ1に1種類のパターンを持つ液晶素子14を採用することが可能となり、液晶素子14の収差補正効果を最大限に生かすことができる。
【0036】
なお、上記実施形態において、図1では、説明の便宜上、一つの対物レンズが搭載されたアクチュエータ11を示したが、本願は、2つの対物レンズ(例えば、BD用と、DVD/CD用)が搭載されたアクチュエータを適用しても同様の効果を得ることができる。例えば、BDと、DVD/CDの何れか一方用(又は双方用)の液晶素子をコリメータレンズと光源との間に配置し、コリメータレンズから、BDとDVD/CDの何れか一方用(又は双方)の対物レンズまでの光学的距離と、コリメータレンズの焦点距離とが等しくなるように構成する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本実施形態に係る情報再生装置の概要構成例を示す図である。
【図2】液晶素子14における液晶パターンの例を示す図である。
【図3】光学的距離の算出例を示す図である。
【図4】コリメータレンズ13から対物レンズ11aまでの光学的距離Dと、コリメータレンズ13の焦点距離Fとが等しい場合において、L0面再生時にコリメータレンズ13が位置X1に移動したときと、L1面再生時にコリメータレンズ13が位置X2に移動したときの液晶素子14上の光の径(使用径)の変化を説明するための図である。
【図5】コリメータレンズ13から対物レンズ11aまでの光学的距離Dが、コリメータレンズ13の焦点距離Fより短い場合において、L0面再生時にコリメータレンズ13が位置X3に移動したときと、L1面再生時にコリメータレンズ13が位置X4に移動したときの液晶素子14上の光の径(使用径)の変化を説明するための図である。
【図6】コリメータレンズ13から対物レンズ11aまでの光学的距離Dが、コリメータレンズ13の焦点距離Fより長い場合において、L0面再生時にコリメータレンズ13が位置X5に移動したときと、L1面再生時にコリメータレンズ13が位置X6に移動したときの液晶素子14上の光の径(使用径)の変化を説明するための図である。
【図7】コリメータレンズ13から対物レンズ11aまでの光学的距離Dとコリメータレンズ13の焦点距離Fとの差を変化させたときの液晶素子14上でのレーザ光(出射光)の使用径(瞳径)の変化の割合の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 光ピックアップ
2 再生処理部
3 外部出力処理部
4 制御部
5 レンズ駆動回路
11 アクチュエータ
11a 対物レンズ
11b 絞り
12 反射ミラー
13 コリメータレンズ
14 液晶素子
15 ビームスプリッタ
16 マルチレンズ
17 受光素子
18 レーザダイオード
19 パルスモータ
20 駆動機構
S 情報再生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を記録媒体に照射し、当該記録媒体によって反射される反射光を受光することにより信号を読み取るピックアップ装置において、
前記レーザ光の光軸上に配置される対物レンズと、
前記レーザ光の光軸上に配置され、球面収差を補正するために前記光軸上を移動するコリメータレンズと、
前記レーザ光の光軸上に配置され、コマ収差を補正するための液晶パターンを有する液晶素子と、
を備え、
前記コリメータレンズは、前記球面収差を補正するために前記光軸上を移動する範囲の中間位置から前記対物レンズまでの光学的距離と、前記レーザ光の入射時における当該コリメータレンズの焦点距離とが略等しくなるような基準位置に配置されており、前記液晶素子は、前記コリメータレンズと、前記レーザ光の光源との間に配置されていることを特徴とするピックアップ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のピックアップ装置において、
前記記録媒体は、当該記録媒体表面からの距離が互いに異なる少なくとも2層の記録面を有し、
第一の前記記録面から情報を再生する際には前記コリメータレンズを前記液晶素子の方向に移動させる一方、第二の前記記録面から情報を再生する際には前記コリメータレンズを前記対物レンズの方向に移動させるコレメータレンズ駆動手段を更に備えることを特徴とするピックアップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−146477(P2009−146477A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−320523(P2007−320523)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】