説明

ピックアップ装置

【課題】ピックアップ装置のハウジング等から生じる共振などの振動を抑える。
【解決手段】ピックアップ装置10において、ハウジング30と、ハウジング30に取り付けられるレンズ20とを備え、ハウジング30は、レンズ20を支える第一支持部41と、レンズ20を支える第二支持部42と、第一支持部41に続く第一隔壁51と、第二支持部42に続く第二隔壁52と、第一隔壁51と第二隔壁52とを繋ぐ連結部60とを有する。第一支持部41と、第二支持部42と、連結部60とに紫外線硬化型接着剤91,92,93が塗布されて、ハウジング30にレンズ20が固定される。レンズ20と連結部60とに接着剤93を塗布させ易くする突出部63が、連結部60に設けられた。ハウジング30の強度の向上が図られ、ピックアップ装置10に生じる共振問題が解決される。ピックアップ装置10が正常に作動しないという不具合の発生が回避される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばディスク装置に装備され、ディスクなどのメディアの情報を読み取ることが可能なピックアップ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図3は、従来のピックアップ装置の一形態を示す斜視図である。
【0003】
ハウジング530のレンズ取付部535に、コリメータレンズ520が装備される。ダイカスト製ハウジング530の一対の底面側傾斜部541,542と、左右二本のレール面551,552の上部とに、接着剤591,592,593,594が塗布される。接着剤591,592,593,594は、コリメータレンズ520の周縁部529の合計四箇所に塗布される。このようにして、コリメータレンズ520は、ハウジング530に接着固定されていた。
【0004】
また、ハウジング530のアクチュエータ装着部580に、アクチュエータ(図示せず)が装備される。アクチュエータとは、油圧やモータなどにより、エネルギーを並進運動または回転運動などの動作に変換させる駆動装置を意味する。ハウジング530の周壁532に設けられた支持部581,582に、不図示のアクチュエータのフレームが装着される。不図示のアクチュエータは、光ディスク(図示せず)に対し対物レンズ(図示せず)の位置を最適な位置に調整させる。
【0005】
従来の光ピックアップ装置に関するものとして、例えば、コストの安い板金からなるキャリッジを用いて精度良くレンズあるいはビームスプリッタを取付固定した光ピックアップ装置及びその組立て方法というものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、従来の光ピックアップに関するものとして、例えば、光ピックアップのキャリッジにコリメータレンズ等の光学部材を確実に取付け固定させる光ピックアップというものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−143294号公報(第1,4頁、第1図)
【特許文献2】特開2000−215466号公報(第1,4頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図3に示す上記従来の光ピックアップ装置510にあっては、レンズ取付部535の上部開口部536が強度不足となり、共振によってレンズ520の取付精度が低下することが心配されていた。ハウジング530のレンズ取付部535は、上部が開口した形状とされている。そのため、ハウジング530のレンズ取付部535における上部開口部536の強度が不足し、ハウジング530に共振が生じたときに、コリメータレンズ520も揺れ動き、コリメータレンズ520を通り抜ける光路に不具合が生じることが懸念される。
【0009】
詳しく説明すると、光ピックアップ装置510が作動状態とされ、光ピックアップ装置510を構成するアクチュエータにより、光ディスクに対し、対物レンズのフォーカシング動作が行われると、これの反作用として、ハウジング530の支持部581,582に装着されたアクチュエータのフレームが揺動する。このようなことが生じると、アクチュエータのフレームを支えるハウジング530の支持部581,582は、開閉方向S1,S2に沿って揺動する。フォーカスとは、焦点やピントを意味する。
【0010】
具体的に説明すると、アクチュエータのフレームの揺動に伴って、アクチュエータのフレームを支えるハウジング530の第一支持部581は、開閉方向S1に沿って揺動する。また、そのときに、アクチュエータのフレームを支えるハウジング530の第二支持部582は、開閉方向S2に沿って揺動する。
【0011】
ハウジング530の支持部581,582が開閉方向S1,S2に沿って揺動すると、支持部581,582に続くレール部551,552も開閉方向S1,S2に沿って揺動する。詳しく説明すると、ハウジング530の第一支持部581が開閉方向S1に沿って揺動すると、支持部581に続く第一レール部551も開閉方向S1に沿って揺動する。また、ハウジング530の第二支持部582が開閉方向S2に沿って揺動すると、支持部582に続く第二レール部552も開閉方向S2に沿って揺動する。
【0012】
ハウジング530のレンズ取付部535は、上部が開口した形状とされているので、レンズ取付部535の開口部536が開く方向に沿って、レンズ取付部535に力が加えられたときに、レンズ取付部535の開口部536は、強度に弱いことが心配されていた。レンズ取付部535の開口部536の強度が弱いと、光ピックアップ装置510のハウジング530に共振が生じた場合、ハウジング530のレンズ取付部535からコリメータレンズ520に振動が伝えられる。コリメータレンズ520が揺れ動くと、光ピックアップ装置510の光学系の焦点などに不具合が生じる。このことから、光ピックアップ装置510が正常に作動しないことが懸念されていた。
【0013】
また、従来の光ピックアップ装置510においては、コリメータレンズ520における上部の二箇所の接着剤塗布部521,522と、コリメータレンズ520における下部の二箇所の接着剤塗布部526,527との合計四箇所に接着剤591,592,593,594が塗布されて、ハウジング530にコリメータレンズ520が固定されていた。コリメータレンズ520の上部の外周面部521,522がコリメータレンズ520の上部の接着剤塗布部521,522とされている。
【0014】
例えば、コリメータレンズ520の上部の各接着剤塗布部521,522に多くの接着剤593,594が塗布されたときに、重力により、接着剤593,594がコリメータレンズ520の周縁部529から流れ出して、接着剤593,594がレンズ520の曲面部525に流れ込むことが懸念されていた。レンズ520の曲面部525は、レーザ光が透過する重要な部分とされているため、レンズ520の曲面部525に接着剤593,594が付着することは、好ましいことではない。このようなものは、光ピックアップ装置510の製造工程において接着不良品とされ、光ピックアップ装置510の歩留りが低下する原因となっていた。
【0015】
また、コリメータレンズ520の上部の各接着剤塗布部521,522に塗布された接着剤593,594は、コリメータレンズ520と、ハウジング530のレンズ取付部535との隙間に流れ込む。コリメータレンズ520と、ハウジング530のレンズ取付部535との隙間に流れ込んだ接着剤593,594は、コリメータレンズ520と、ハウジング530のレンズ取付部535との隙間内で固化する。
【0016】
例えば、光ピックアップ装置510が使用されているときに、光ピックアップ装置510の温度が上昇した場合、コリメータレンズ520と、ハウジング530のレンズ取付部535との隙間に流れ込み固化した接着剤593,594に熱膨張が発生する。また、光ピックアップ装置510の電源が止められ、光ピックアップ装置510の温度が常温に戻された場合、熱膨張を起こした前記接着剤593,594は収縮する。
【0017】
このように、コリメータレンズ520と、ハウジング530のレンズ取付部535との間に位置する接着剤593,594が膨張または収縮した場合、ハウジング530に取り付けられたコリメータレンズ520の取付寸法に狂いが生じる。従って、このような光ピックアップ装置510は、接着剤593,594に生じる膨張収縮により、ハウジング530に対するコリメータレンズ520の取付寸法精度が低い。
【0018】
本発明は、上記問題点を解決することにある。本発明は、上記した点に鑑み、ハウジング等から生じる共振などの振動を抑えたピックアップ装置を提供することを目的とする。詳しくは、本発明は、上記した点に鑑み、接着剤によってレンズに悪影響が及ぼされることなく、且つ、ハウジング等から生じる共振などの振動を低減化させたピックアップ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るピックアップ装置は、ハウジングと、該ハウジングに取り付けられるレンズとを備え、該ハウジングは、該レンズを支える第一支持部と、該レンズを支える第二支持部と、該第一支持部に続く第一隔壁と、該第二支持部に続く第二隔壁と、該第一隔壁と該第二隔壁とを繋ぐ連結部とを有することを特徴とする。
【0020】
上記構成により、ハウジングの強度の向上が図られ、ピックアップ装置に生じる共振問題が解決される。ハウジングの第一支持部に続く第一隔壁と、ハウジングの第二支持部に続く第二隔壁とを繋ぐ連結部が設けられているので、ハウジングの強度が向上する。従って、ハウジングなどから生じる振動は、ハウジングの第一隔壁および第二隔壁を繋ぐ連結部により低減化される。これにより、ハウジングの第一隔壁および第二隔壁に生じる共振は抑えられる。ハウジングの第一隔壁および第二隔壁における共振が抑えられるので、ハウジングの第一隔壁に続く第一支持部と、ハウジングの第二隔壁に続く第二支持部とに生じる共振も抑えられる。ハウジングの第一支持部および第二支持部の共振が抑えられるので、レンズは、安定した状態で、ハウジングの第一支持部および第二支持部に支えられる。従って、ハウジングなどに共振が生じ、共振によりハウジングに装着されたレンズの取付状態が不安定となって、レンズを透過する光路に悪影響が及ぼされ、その結果、ピックアップ装置が正常に作動しないという不具合の発生は回避される。
【0021】
請求項2に係るピックアップ装置は、請求項1記載のピックアップ装置において、前記ハウジングに前記レンズが固定されるときに、該ハウジングに該レンズを固着させる接着剤が用いられたことを特徴とする。
【0022】
上記構成により、レンズはハウジングに確実に固定される。接着剤が用いられてハウジングにレンズが固着されているので、ハウジングなどに生じた共振により、ハウジングに対しレンズの位置ずれ等が生じるということは回避される。
【0023】
請求項3に係るピックアップ装置は、請求項1又は2記載のピックアップ装置において、前記ハウジングおよび前記レンズに接着剤が三箇所塗布されて、該ハウジングに該レンズが固定されたことを特徴とする。
【0024】
上記構成により、レンズはハウジングに安定した状態で固定される。一般に三箇所固定構造のものは、外力などに影響され難い安定した構造のものとされている。ハウジングおよびレンズに接着剤が三箇所塗布されて、ハウジングにレンズが固定されていれば、レンズは安定した状態でハウジングに固定されることとなる。従って、ハウジングなどに共振現象が生じ、ハウジングに対しレンズに位置ずれ等が生じるということは回避される。
【0025】
請求項4に係るピックアップ装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載のピックアップ装置において、前記第一支持部と、前記第二支持部と、前記連結部とに接着剤が塗布されて、前記ハウジングに前記レンズが固定されたことを特徴とする。
【0026】
上記構成により、レンズはハウジングに安定した状態で確実に装着される。ハウジングの第一支持部と、ハウジングの第二支持部と、ハウジングの連結部とに接着剤が塗布されることにより、レンズは、三箇所の接着剤によってハウジングに固定される。これにより、レンズはハウジングに安定した状態で確実に固定される。従って、ハウジングなどに生じた振動などによりレンズが揺れ動き、ピックアップ装置の光学系に不具合が生じ、その結果、ピックアップ装置が正常に作動しないという不具合の発生は防止される。
【0027】
請求項5に係るピックアップ装置は、請求項1〜4の何れか1項に記載のピックアップ装置において、前記レンズと前記連結部とに接着剤を塗布させ易くする突出部が、該連結部に設けられたことを特徴とする。
【0028】
上記構成により、ハウジングの連結部とレンズとに、容易に接着剤が塗布される。ハウジングにレンズが備えられたときに、ハウジングの連結部に設けられた突出部を目標に接着剤を塗布させれば、ハウジングの連結部の突出部と、ハウジングに備えられたレンズとに、容易に接着剤が塗布されることとなる。接着剤の塗布作業が容易となり、これに伴って、例えばレンズの曲面部に不用意に接着剤が塗布されるといった接着不良の発生は低減化する。ハウジングの連結部およびレンズに塗布された接着剤により、レンズはハウジングに確実に固着される。
【0029】
請求項6に係るピックアップ装置は、請求項5に記載のピックアップ装置において、前記突出部に対応した切欠き部が、前記レンズに設けられたことを特徴とする。
【0030】
上記構成により、レンズはハウジングに確実に接着される。ハウジングの連結部の突出部に対応した切欠き部が、レンズに設けられているので、ハウジングにレンズを固着させる接着剤は、ハウジングの連結部の突出部と、レンズの切欠き部とに確実に付着する。
【0031】
請求項7に係るピックアップ装置は、請求項6に記載のピックアップ装置において、前記接着剤は、前記突出部の先端面部と、前記切欠き部を形成する平面部とに塗布されたことを特徴とする。
【0032】
上記構成により、ハウジングの連結部とレンズとに、容易で確実に接着剤が塗布される。ハウジングの連結部に設けられた突出部の先端面部と、レンズの切欠き部を形成する平面部とに接着剤が塗布されることにより、例えば光が透過するレンズの曲面部に接着剤が流れ出して、レンズを透過する光路に悪影響が及ぼされるという不具合の発生は防止される。従って、接着剤の塗布不良が原因で、動作不良を生じるピックアップ装置が製造されるということは回避される。
【0033】
請求項8に係るピックアップ装置は、請求項5〜7の何れか1項に記載のピックアップ装置において、前記ハウジングに前記レンズが装備されるときに、該ハウジングの前記連結部に突設された前記突出部の先端面部が、該レンズの切欠き部の略中央部に位置する状態で、該ハウジングに該レンズが備えられたことを特徴とする。
【0034】
上記構成により、ハウジングの連結部およびレンズに、容易かつ確実に接着剤が塗布される。ハウジングにレンズが備えられたときに、レンズの切欠き部の略中央部に、ハウジングの連結部に突設された突出部の先端面部が位置する状態で、ハウジングにレンズが備えられていれば、ハウジングの連結部に突設された突出部の先端面部を目標にして、接着剤を突出部の先端面部に塗布させたときに、接着剤は、ハウジングの連結部に突設された突出部の先端面部と、レンズの切欠き部の略半分の部分とに塗布される。これにより、例えば光が透過するレンズの曲面部に接着剤が流れ出して、レンズを透過する光路に悪影響が及ぼされ、ピックアップ装置が正常に作動しないという不具合の発生は防止される。
【0035】
請求項9に係るピックアップ装置は、請求項1〜8の何れか1項に記載のピックアップ装置において、前記ハウジングの前記第一支持部は、前記レンズの幅よりも広い幅の傾斜面部を備え、該ハウジングの前記第二支持部は、該レンズの幅よりも広い幅の傾斜面部を備え、該レンズは、レンズ曲面部の周縁部に平面部を備え、該第一支持部の該傾斜面部と、該レンズの該平面部とに、該レンズを該ハウジングに固着させる接着剤が塗布され、該第二支持部の該傾斜面部と、該レンズの該平面部とに、該レンズを該ハウジングに固着させる接着剤が塗布されたことを特徴とする。
【0036】
上記構成により、ハウジングおよびレンズに確実に接着剤が塗布される。ハウジングを構成する第一支持部の傾斜面部と、レンズ曲面部の周縁部の平面部とに接着剤が塗布されて、ハウジングにレンズが固着される。また、ハウジングを構成する第二支持部の傾斜面部と、レンズ曲面部の周縁部の平面部とに接着剤が塗布されて、ハウジングにレンズが固着される。これにより、レンズ曲面部に甚だしく接着剤が塗布されて、レンズを透過する光路に悪影響が及ぼされるということは回避される。従って、接着剤によりレンズに悪影響が及ぼされることのないピックアップ装置が提供される。また、接着剤によりレンズは確実にハウジングに固着される。
【0037】
請求項10に係るピックアップ装置は、請求項1〜9の何れか1項に記載のピックアップ装置において、前記ハウジングに前記レンズを固着させる接着剤が用いられ、該接着剤として、紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化型接着剤が用いられたことを特徴とする。
【0038】
上記構成により、レンズはハウジングに精度よく迅速に接着される。紫外線硬化型接着剤に紫外線が照射されることで、紫外線硬化型接着剤の硬化反応が促進される。従って、レンズはハウジングに速やかに固着される。ハウジングにレンズが速やかに固着されるので、例えば未硬化の紫外線硬化型接着剤がレンズの曲面部まで甚だしく垂れ流れるということは回避される。従って、レンズの曲面部に甚だしく垂れ流れた接着剤により、レンズを透過する光路に悪影響が及ぼされ、その結果、ピックアップ装置が正常に作動しないという不具合の発生は防止される。
【0039】
請求項11に係るピックアップ装置は、請求項1〜10の何れか1項に記載のピックアップ装置において、前記ハウジングに対して前記レンズを精度よく装備可能とさせる位置決め部が、該ハウジングに設けられたことを特徴とする。
【0040】
上記構成により、レンズはハウジングに精度よく取り付けられる。レンズがハウジングに装備されるときに、ハウジングの位置決め部にレンズが合わせられることで、ハウジングに精度よくレンズが取り付けられる。レンズがハウジングに精度よく取り付けられていれば、レンズを透過する光路の精度は高いものとなる。従って、高精度なピックアップ装置が構成される。
【0041】
請求項12に係るピックアップ装置は、請求項11に記載のピックアップ装置において、前記位置決め部は、前記第一隔壁および前記第二隔壁から突設された突出部として形成されたことを特徴とする。
【0042】
上記構成により、レンズはハウジングにより精度よく取り付けられる。レンズがハウジングに装備されるときに、ハウジングの第一隔壁および第二隔壁から突設された位置決め用突出部に、レンズが当接されることで、ハウジングにより精度よくレンズが取り付けられる。ハウジングにレンズが高精度に取り付けられていれば、レンズを透過する光路の精度は高いものとなる。
【0043】
請求項13に係るピックアップ装置は、請求項11又は12に記載のピックアップ装置において、前記ハウジングに対し前記レンズの取付位置を定めるための基準面が、前記位置決め部に設けられ、該基準面に対応した平面部が該レンズの曲面部の周縁部に設けられ、該ハウジングに設けられた該位置決め部の該基準面に、該レンズの該平面部が当接されて、該ハウジングに該レンズが取り付けられたことを特徴とする。
【0044】
上記構成により、レンズはハウジングに高精度に取り付けられることとなる。レンズがハウジングに装備されるときに、ハウジングに設けられた位置決め用基準面に、レンズの曲面部の周縁部に設けられた平面部が当接されることで、レンズは、ハウジングに高精度に取り付けられる。ハウジングにレンズが高精度に取り付けられていれば、レンズを透過する光路も高精度なものとなる。
【0045】
請求項14に係るピックアップ装置は、請求項1〜13の何れか1項に記載のピックアップ装置において、前記レンズとして、入射した光を平行光にして出射するコリメータレンズが用いられたことを特徴とする。
【0046】
上記構成により、ピックアップ装置が作動したときに、高精度な光路がピックアップ装置内に構成される。コリメータレンズに入射した光は、平行光としてコリメータレンズから出射される。平行光とは、収束されたり拡散されたりしない光を意味する。コリメータレンズが装着されるハウジングの振動が低減化されたことにより、コリメータレンズから出射される平行光が揺らされるということが回避される。従って、コリメータレンズを透過した光路が揺らされ、その結果、ピックアップ装置が正常に作動しないという不具合の発生は回避される。
【0047】
請求項15に係るピックアップ装置は、請求項1〜14の何れか1項に記載のピックアップ装置において、持運びが容易なコンピュータのディスク装置に装備可能とされたことを特徴とする。
【0048】
上記構成により、持運びが容易なコンピュータ用ディスク装置のピックアップ装置が動作不良を起こし、その結果、持運びが容易なコンピュータが正常に作動しないという不具合の発生は回避される。持運びが容易なコンピュータとして、例えば、ラップトップ型コンピュータまたはノートブック型コンピュータが挙げられる。ラップトップ型コンピュータまたはノートブック型コンピュータといった持運びが容易なコンピュータは、小型化、軽薄化、軽量化される傾向にあり、これに伴って、ピックアップ装置も小型化、軽薄化、軽量化される傾向にある。ピックアップ装置を構成するハウジングの第一隔壁と、ハウジングの第二隔壁とを繋ぐ連結部が設けられていれば、小型化、軽薄化、軽量化されたピックアップ装置のハウジングの強度低下を防ぐことが可能となる。従って、ハウジング等から生じる共振などの振動を低減化させた小型軽薄化ピックアップ装置の提供が可能となる。
【発明の効果】
【0049】
以上の如く、請求項1に記載の発明によれば、ハウジングの強度の向上を図ることができ、ピックアップ装置に生じる共振問題を解決することができる。ハウジングの第一支持部に続く第一隔壁と、ハウジングの第二支持部に続く第二隔壁とを繋ぐ連結部が設けられているので、ハウジングの強度が向上する。従って、ハウジングなどから生じる振動は、ハウジングの第一隔壁および第二隔壁を繋ぐ連結部により低減化される。これにより、ハウジングの第一隔壁および第二隔壁に生じる共振は抑えられる。ハウジングの第一隔壁および第二隔壁における共振が抑えられるので、ハウジングの第一隔壁に続く第一支持部と、ハウジングの第二隔壁に続く第二支持部とに生じる共振も抑えられる。ハウジングの第一支持部および第二支持部の共振が抑えられるので、レンズは、安定した状態で、ハウジングの第一支持部および第二支持部に支えられる。従って、ハウジングなどに共振が生じ、共振によりハウジングに装着されたレンズの取付状態が不安定となって、レンズを透過する光路に悪影響が及ぼされ、その結果、ピックアップ装置が正常に作動しないという不具合の発生を回避させることができる。
【0050】
請求項2に記載の発明によれば、レンズをハウジングに確実に固定させることができる。接着剤が用いられてハウジングにレンズが固着されているので、ハウジングなどに生じた共振により、ハウジングに対しレンズの位置ずれ等が生じるということを回避させることができる。
【0051】
請求項3に記載の発明によれば、レンズをハウジングに安定した状態で固定させることができる。一般に三箇所固定構造のものは、外力などに影響され難い安定した構造のものとされている。ハウジングおよびレンズに接着剤が三箇所塗布されて、ハウジングにレンズが固定されていれば、レンズは安定した状態でハウジングに固定されることとなる。従って、ハウジングなどに共振現象が生じ、ハウジングに対しレンズに位置ずれ等が生じるということを回避させることができる。
【0052】
請求項4に記載の発明によれば、レンズをハウジングに安定した状態で確実に装着させることができる。ハウジングの第一支持部と、ハウジングの第二支持部と、ハウジングの連結部とに接着剤が塗布されることにより、レンズは、三箇所の接着剤によってハウジングに固定される。これにより、レンズはハウジングに安定した状態で確実に固定される。従って、ハウジングなどに生じた振動などによりレンズが揺れ動き、ピックアップ装置の光学系に不具合が生じ、その結果、ピックアップ装置が正常に作動しないという不具合の発生を防止することができる。
【0053】
請求項5に記載の発明によれば、ハウジングの連結部とレンズとに、容易に接着剤を塗布させることができる。ハウジングにレンズが備えられたときに、ハウジングの連結部に設けられた突出部を目標に接着剤を塗布させれば、ハウジングの連結部の突出部と、ハウジングに備えられたレンズとに、容易に接着剤が塗布されることとなる。接着剤の塗布作業が容易となり、これに伴って、例えばレンズの曲面部に不用意に接着剤が塗布されるといった接着不良の発生は低減化する。ハウジングの連結部およびレンズに塗布された接着剤により、ハウジングにレンズを確実に固着させることができる。
【0054】
請求項6に記載の発明によれば、ハウジングにレンズを確実に接着させることができる。ハウジングの連結部の突出部に対応した切欠き部が、レンズに設けられているので、ハウジングにレンズを固着させる接着剤は、ハウジングの連結部の突出部と、レンズの切欠き部とに確実に付着する。
【0055】
請求項7に記載の発明によれば、ハウジングの連結部とレンズとに、容易で確実に接着剤を塗布させることができる。ハウジングの連結部に設けられた突出部の先端面部と、レンズの切欠き部を形成する平面部とに接着剤が塗布されることにより、例えば光が透過するレンズの曲面部に接着剤が流れ出して、レンズを透過する光路に悪影響が及ぼされるという不具合の発生は防止される。従って、接着剤の塗布不良が原因で、動作不良を生じるピックアップ装置が製造されるということを回避させることができる。
【0056】
請求項8に記載の発明によれば、ハウジングの連結部およびレンズに、容易かつ確実に接着剤を塗布させることができる。ハウジングにレンズが備えられたときに、レンズの切欠き部の略中央部に、ハウジングの連結部に突設された突出部の先端面部が位置する状態で、ハウジングにレンズが備えられていれば、ハウジングの連結部に突設された突出部の先端面部を目標にして、接着剤を突出部の先端面部に塗布させたときに、接着剤は、ハウジングの連結部に突設された突出部の先端面部と、レンズの切欠き部の略半分の部分とに塗布される。これにより、例えば光が透過するレンズの曲面部に接着剤が流れ出して、レンズを透過する光路に悪影響が及ぼされ、ピックアップ装置が正常に作動しないという不具合の発生を防止することができる。
【0057】
請求項9に記載の発明によれば、ハウジングおよびレンズに確実に接着剤を塗布させることができる。ハウジングを構成する第一支持部の傾斜面部と、レンズ曲面部の周縁部の平面部とに接着剤が塗布されて、ハウジングにレンズが固着される。また、ハウジングを構成する第二支持部の傾斜面部と、レンズ曲面部の周縁部の平面部とに接着剤が塗布されて、ハウジングにレンズが固着される。これにより、レンズ曲面部に甚だしく接着剤が塗布されて、レンズを透過する光路に悪影響が及ぼされるということは回避される。従って、接着剤によりレンズに悪影響が及ぼされることのないピックアップ装置を提供することができる。また、接着剤によりレンズを確実にハウジングに固着させることができる。
【0058】
請求項10に記載の発明によれば、ハウジングにレンズを精度よく迅速に接着させることができる。紫外線硬化型接着剤に紫外線が照射されることで、紫外線硬化型接着剤の硬化反応が促進される。従って、レンズはハウジングに速やかに固着される。ハウジングにレンズが速やかに固着されるので、例えば未硬化の紫外線硬化型接着剤がレンズの曲面部まで甚だしく垂れ流れるということは回避される。従って、レンズの曲面部に甚だしく垂れ流れた接着剤により、レンズを透過する光路に悪影響が及ぼされ、その結果、ピックアップ装置が正常に作動しないという不具合の発生を防止することができる。
【0059】
請求項11に記載の発明によれば、ハウジングにレンズを精度よく取り付けることができる。レンズがハウジングに装備されるときに、ハウジングの位置決め部にレンズが合わせられることで、ハウジングに精度よくレンズが取り付けられる。レンズがハウジングに精度よく取り付けられていれば、レンズを透過する光路の精度は高いものとなる。従って、高精度なピックアップ装置を構成させることができる。
【0060】
請求項12に記載の発明によれば、ハウジングにレンズをより精度よく取り付けることができる。レンズがハウジングに装備されるときに、ハウジングの第一隔壁および第二隔壁から突設された位置決め用突出部に、レンズが当接されることで、ハウジングにより精度よくレンズが取り付けられる。ハウジングにレンズが高精度に取り付けられていれば、レンズを透過する光路の精度を高いものとさせることができる。
【0061】
請求項13に記載の発明によれば、ハウジングにレンズを高精度に取り付けることができる。レンズがハウジングに装備されるときに、ハウジングに設けられた位置決め用基準面に、レンズの曲面部の周縁部に設けられた平面部が当接されることで、レンズは、ハウジングに高精度に取り付けられる。ハウジングにレンズが高精度に取り付けられていれば、レンズを透過する光路も高精度なものとさせることができる。
【0062】
請求項14に記載の発明によれば、ピックアップ装置が作動したときに、高精度な光路をピックアップ装置内に構成させることができる。コリメータレンズに入射した光は、平行光としてコリメータレンズから出射される。平行光とは、収束されたり拡散されたりしない光を意味する。コリメータレンズが装着されるハウジングの振動が低減化されたことにより、コリメータレンズから出射される平行光が揺らされるということが回避される。従って、コリメータレンズを透過した光路が揺らされ、その結果、ピックアップ装置が正常に作動しないという不具合の発生を回避させることができる。
【0063】
請求項15に記載の発明によれば、持運びが容易なコンピュータ用ディスク装置のピックアップ装置が動作不良を起こし、その結果、持運びが容易なコンピュータが正常に作動しないという不具合の発生を回避させることができる。持運びが容易なコンピュータとして、例えば、ラップトップ型コンピュータまたはノートブック型コンピュータが挙げられる。ラップトップ型コンピュータまたはノートブック型コンピュータといった持運びが容易なコンピュータは、小型化、軽薄化、軽量化される傾向にあり、これに伴って、ピックアップ装置も小型化、軽薄化、軽量化される傾向にある。ピックアップ装置を構成するハウジングの第一隔壁と、ハウジングの第二隔壁とを繋ぐ連結部が設けられていれば、小型化、軽薄化、軽量化されたピックアップ装置のハウジングの強度低下を防ぐことができる。従って、ハウジング等から生じる共振などの振動を低減化させた小型軽薄化ピックアップ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係るピックアップ装置の一実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】ハウジングにレンズが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図3】従来のピックアップ装置の一形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下に本発明に係るピックアップ装置の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0066】
図1は、本発明に係るピックアップ装置の一実施の形態を示す分解斜視図、図2は、ハウジングにレンズが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【0067】
光ディスク装置(図示せず)に装備される光ピックアップ装置10が用いられて、光ディスク(図示せず)に記録された情報などのデータが再生される。また、光ディスク装置が用いられて、光ディスクに情報などのデータの記録が行われる。ディスクとして、例えば、「CD−ROM」,「DVD−ROM」などの読出し専用の光ディスクや、「CD−R」,「DVD−R」,「DVD+R」などの追記型の光ディスクや、「CD−RW」,「DVD−RW」,「DVD+RW」,「DVD−RAM」,「HD DVD」,「Blu-ray Disc」などの書込み/消去や書換え可能なタイプの光ディスクなどが挙げられる。
【0068】
「CD」は、「Compact Disc」の略称とされる。また、「DVD」は、「Digital Versatile Disc」もしくは「Digital Video Disc」の略称とされる。また、「CD−ROM」もしくは「DVD−ROM」の「ROM」は、「Read Only Memory」の略称とされ、CD−ROMもしくはDVD−ROMは、データ読出し専用のものとされている。また、「CD−R」または「DVD−R」もしくは「DVD+R」の「R」は、「Recordable」の略称とされ、CD−RまたはDVD−RもしくはDVD+Rは、データの書込みが可能なものとされている。また、「CD−RW」または「DVD−RW」もしくは「DVD+RW」の「RW」は、「ReWritable」の略称とされ、CD−RWまたはDVD−RWもしくはDVD+RWは、データの書換えが可能なものとされている。また、「DVD−RAM」は、「Digital Versatile Disc Random Access Memory 」の略称とされ、データの読み書き・消去が可能なものとされている。
【0069】
また、「HD DVD」は、「High Definition DVD 」の略称とされる。「HD DVD」は、従来のDVD系列のものと互換性をもたせ、且つ、従来のDVD系列のディスクよりも記憶容量の大きいものとされる。従来のCDやDVDには、赤色のレーザが用いられていたが、「HD DVD」の光ディスクに記録されたデータが読み出されるときには、青紫色のレーザが用いられる。また、「Blu-ray 」とは、従来のCDやDVDで信号の読み書きに用いられていた赤色のレーザに対し、高密度記録が実現されるために採用された青紫色のレーザを意味する。
【0070】
図1の如く、この光ピックアップ装置10は、ダイカスト製ハウジング30と、ダイカスト製ハウジング30に取り付けられるガラス製光学レンズ20とを少なくとも備えている。ハウジング30のレンズ取付部35に光学レンズ20が装着される。
【0071】
ハウジングとは、部品が収容される箱形のもの等の物が入れられる箱や、箱に類似したものを意味する。ハウジング30は、例えば、亜鉛や、アルミニウムなどの非鉄金属や、亜鉛や、アルミニウムを含有する合金が用いられて形成されている。亜鉛や、アルミニウムは、耐食性に優れたものとされ、鉄よりも比重の小さい非鉄金属とされている。
【0072】
レンズとは、向かい合った二つの表面が、二つとも曲面として形成された略板状の透明体や、向かい合った二つの表面のうち、一つが曲面として形成されもう一つが平面として形成された略板状の透明体などを意味する。光学レンズは、光線束を発散または収束させて、実像または虚像を結ぶものとされている。光学レンズとして、例えば、凸レンズ、凹レンズなどが挙げられる。
【0073】
ハウジング30は、光学レンズ20の第一側部21を支える第一支持部41と、光学レンズ20の第二側部22を支える第二支持部42と、第一支持部41に続く第一隔壁51と、第二支持部42に続く第二隔壁52と、第一隔壁51と第二隔壁52とを繋ぎ、ハウジング30などから生じる振動を低減化させる連結部60とを有する。
【0074】
このようにハウジング30が構成されることにより、ハウジング30の機械的強度の向上が図られ、光ピックアップ装置10に生じる共振問題が解決される。
【0075】
図3に示す上記従来の光ピックアップ装置510にあっては、レンズ取付部535の上部開口部536が強度不足となり、共振によってレンズ520の取付精度が低下することが懸念されていた。
【0076】
しかしながら、図1および図2の如く、レンズ取付部35の上部に、第一隔壁51と第二隔壁52とを結ぶ連結部60が設けられていれば、ハウジング30の強度が向上し、ハウジング30のレンズ取付部35における共振問題が解決される。
【0077】
詳しく説明すると、ハウジング30の第一支持部41に続く第一隔壁51と、ハウジング30の第二支持部42に続く第二隔壁52とを繋ぎ、振動を低減化させる連結部60がレンズ取付部35に設けられているので、ハウジング30の剛性や強度が向上する。従って、ハウジング30などから生じる振動は、ハウジング30の第一隔壁51および第二隔壁52を繋ぐ連結部60により低減化される。
【0078】
これにより、ハウジング30の第一隔壁51および第二隔壁52に生じる共振は抑えられる。ハウジング30の第一隔壁51および第二隔壁52における共振が抑えられるので、ハウジング30の第一隔壁51に続く第一支持部41と、ハウジング30の第二隔壁52に続く第二支持部42とに生じる共振も抑えられる。ハウジング30の第一支持部41および第二支持部42の共振が抑えられるので、光学レンズ20は、ハウジング30などから生じる振動などに影響されることのない安定した状態で、ハウジング30の第一支持部41および第二支持部42に支えられる。従って、ハウジング30などに共振が生じ、共振によりハウジング30に装着された光学レンズ20の取付状態が不安定となって、光学レンズ20を透過する光路に悪影響が及ぼされ、その結果、光ピックアップ装置10が正常に作動しないという不具合の発生は回避される。
【0079】
光学レンズ20の第一側部21を支える第一支持部41と、光学レンズ20の第二側部22を支える第二支持部42と、第一支持部41に続く第一隔壁51と、第二支持部42に続く第二隔壁52と、第一隔壁51と第二隔壁52とを繋ぐ連結部60とは、同質材料が用いられて一体形成されている。また、ハウジング30のレンズ取付部35と、ハウジング30の基壁31とは、同質材料が用いられて一体形成されている。
【0080】
ハウジング30に光学レンズ20が固定されるときに、ハウジング30に光学レンズ20を固着させる接着剤91,92,93(図2)が用いられて、ハウジング30に光学レンズ20が装着されている。各接着剤91,92,93は、同材質の接着剤とされている。
【0081】
接着剤91,92,93が用いられることにより、光学レンズ20は、ハウジング30に確実に固定される。接着剤91,92,93が用いられてハウジング30に光学レンズ20が固着されているので、ハウジング30などに生じた共振により、ハウジング30に対し光学レンズ20の位置ずれ等が生じるということは回避される。
【0082】
ハウジング30および光学レンズ20に、接着剤91と、接着剤92と、接着剤93とが、略等間隔に三箇所塗布されて、ハウジング30に光学レンズ20が固定されている。
【0083】
これにより、光学レンズ20は、ハウジング30に安定した状態で固定される。一般に三箇所固定構造のものは、外力などに影響され難い安定した構造のものとされている。ハウジング30および光学レンズ20に、各接着剤91,92,93が、略等間隔に三箇所塗布されて、ハウジング30に光学レンズ20が固定されていれば、光学レンズ20は、安定した状態でハウジング30に固定されることとなる。従って、ハウジング30などに共振現象が生じ、ハウジング30に対し光学レンズ20に位置ずれ等が生じるということは回避される。
【0084】
ハウジング30のレンズ取付部35を構成する第一支持部41と、第二支持部42と、連結部60とに接着剤91,92,93が塗布されて、ハウジング30に光学レンズ20が固定される。具体的に説明すると、ハウジング30のレンズ取付部35を構成する第一支持部41に接着剤91が塗布される。また、ハウジング30のレンズ取付部35を構成する第二支持部42に接着剤92が塗布される。また、ハウジング30のレンズ取付部35を構成する連結部60に接着剤93が塗布される。このようにして、ハウジング30に光学レンズ20が固着されている。
【0085】
これにより、光学レンズ20は、ハウジング30に安定した状態で確実に装着される。ハウジング30の第一支持部41と、ハウジング30の第二支持部42と、ハウジング30の連結部60とに各接着剤91,92,93が塗布されることにより、光学レンズ20は、略均等に三箇所の接着剤91,92,93によってハウジング30に固定される。これにより、光学レンズ20は、ハウジング30に安定した状態で確実に固定される。従って、ハウジング30などに生じた振動などにより光学レンズ20が揺れ動き、光ピックアップ装置10の光学系に焦点ずれなどの不具合が生じ、その結果、光ピックアップ装置10が正常に作動しないという不具合の発生は防止される。
【0086】
光学レンズ20と、連結部60とに接着剤93を塗布させ易くする突出部63が、連結部60の略中央部60cに設けられている。詳しく説明すると、ハウジング30のレンズ取付部35を構成する連結部60の略中央部60cの一箇所に、接着剤93が塗布可能とされた接着部63が設けられている。この接着部63は、連結部60の略中央部60cからレンズ装着側に向けて突出形成されている。
【0087】
このような突出部63が、ハウジング30のレンズ取付部35を構成する連結部60に設けられていれば、ハウジング30の連結部60と、光学レンズ20とに、容易に接着剤93が塗布される。ハウジング30に光学レンズ20が備えられたときに、ハウジング30の連結部60に設けられた突出部63を目標に接着剤93を塗布させれば、ハウジング30の連結部60の突出部63と、ハウジング30に備えられた光学レンズ20とに、容易に接着剤93が塗布されることとなる。
【0088】
接着剤93の塗布作業が容易となり、これに伴って、例えば光学レンズ20の凸側曲面部25aに不用意に接着剤93が塗布されるといった接着不良の発生は低減化する。光学レンズ20の凸側曲面部25aは、レンズ20内を透過したレーザ光が出射する重要な部分とされている。ハウジング30の連結部60および光学レンズ20に塗布された接着剤93により、光学レンズ20はハウジング30に確実に固着される。
【0089】
ハウジング30の連結部60の突出部63に対応した切欠き部23が、光学レンズ20に設けられている。
【0090】
これにより、光学レンズ20は、ハウジング30に確実に接着される。ハウジング30の連結部60の突出部63に対応した切欠き部23が、光学レンズ20に設けられているので、ハウジング30に光学レンズ20を固着させる接着剤93は、ハウジング30の連結部60の突出部63と、光学レンズ20の切欠き部23とに確実に付着する。
【0091】
また、切欠き部23が光学レンズ20に設けられることにより、ハウジング30に容易に光学レンズ20が備えられる。ハウジング30の連結部60の突出部63に対応した切欠き部23が、光学レンズ20に設けられているので、光学レンズ20がハウジング30に備えられるときに、光学レンズ20の切欠き部23が、ハウジング30の連結部60の突出部63に合わせられる。これにより、ハウジング30に容易に光学レンズ20が備えられる。
【0092】
また、光ピックアップ装置10のハウジング30の底面から光学レンズ20が突出されることを回避させるために、光学レンズ20にもう一つの切欠き部24が設けられている。このように、光学レンズ20には、一対の切欠き部23,24が設けられている。光学レンズ20は、第一切欠き部23と、第二切欠き部24とを備えている。
【0093】
接着剤93は、ハウジング30の連結部60に突設された突出部63の先端面部63aと、光学レンズ20の切欠き部23を形成する平面部23aとに塗布される。光学レンズ20に設けられた平面部23aは、接着剤93が溜まることが可能なフラット部23aとされている。
【0094】
これにより、ハウジング30の連結部60と、光学レンズ20とに、容易で確実に接着剤93が塗布される。ハウジング30の連結部60に設けられた突出部63の先端面部63aと、光学レンズ20の切欠き部23を形成する平面部23aとに、接着剤93が塗布されることにより、例えば光が透過する光学レンズ20の凸側曲面部25aに接着剤93が流れ出して、光学レンズ20を透過する光路に悪影響が及ぼされるという不具合の発生は防止される。従って、接着剤93の塗布不良が原因で、動作不良を生じる光ピックアップ装置10が製造されるということは回避される。これにより、光ピックアップ装置10の歩留りが向上する。
【0095】
ハウジング30に光学レンズ20が装備されるときに、ハウジング30の連結部60に突設された突出部63の先端面部63aが、光学レンズ20の切欠き部23のレンズ厚さ方向略中央部23cに位置する状態で、ハウジング30に光学レンズ20が備えられる。
【0096】
このようにすることで、ハウジング30の連結部60および光学レンズ20に、容易かつ確実に接着剤93が塗布される。ハウジング30に光学レンズ20が備えられたときに、光学レンズ20の切欠き部23のレンズ厚さ方向略中央部23cに、ハウジング30の連結部60に突設された突出部63の先端面部63aが位置する状態で、ハウジング30に光学レンズ20が備えられていれば、ハウジング30の連結部60に突設された突出部63の先端面部63aを目標にして、接着剤93を突出部63の先端面部63aに塗布させたときに、接着剤93は、ハウジング30の連結部60に突設された突出部63の先端面部63aと、光学レンズ20の切欠き部23の略半分の部分とに塗布される。これにより、例えば光が透過する光学レンズ20の凸側曲面部25aに接着剤91が流れ出して、光学レンズ20を透過する光路に悪影響が及ぼされ、光ピックアップ装置10が正常に作動しないという不具合の発生は防止される。
【0097】
また、このような接着構造のものが構成されることにより、ハウジング30に対する光学レンズ20の取付寸法精度が向上する。
【0098】
図3に示す上記従来の光ピックアップ装置510にあっては、コリメータレンズ520と、ハウジング530のレンズ取付部535との間に位置する接着剤593,594が膨張または収縮した場合、ハウジング530に取り付けられたコリメータレンズ520の取付寸法に狂いが生じる。従って、このような光ピックアップ装置510は、接着剤593,594に生じる膨張・収縮により、ハウジング530に対するコリメータレンズ520の取付寸法精度が低くなることが懸念されていた。
【0099】
しかしながら、図2に示すオープン構造の接着構造が採用されていれば、光学レンズ20の上部の接着剤93に膨張または収縮が生じても、光学レンズ20は、精度よくハウジング30に固着され続ける。従って、ハウジング30に対する光学レンズ20の取付信頼性向上される。
【0100】
ハウジング30に光学レンズ20が装備されるときに、ハウジング30の連結部60の突出部63と、光学レンズ20の切欠き部23とが合わせられると共に、突出部63と、切欠き部23との間に隙間がもたされた状態で、ハウジング30に光学レンズ20が備えられる。
【0101】
これにより、ハウジング30に無理なく容易に光学レンズ20が備えられる。ハウジング30の連結部60に突設された突出部63と、光学レンズ20の切欠き部23との間に隙間がある状態で、ハウジング30に光学レンズ20が装備可能な光ピックアップ装置10とされていれば、ハウジング30に対する光学レンズ20の取付作業は、容易で迅速に行われる。これにより、安価な光ピックアップ装置10を、光ディスク装置の組立メーカや、光ディスク装置の使用者等に提供することができる。
【0102】
ハウジング30の第一支持部41は、光学レンズ20の幅よりも広い幅の傾斜平面部41aを備えている。また、ハウジング30の第二支持部42は、光学レンズ20の幅よりも広い幅の傾斜平面部42aを備えている。また、光学レンズ20は、凸側レンズ曲面部25aの周縁部29aに、第一環状平面部26aと、第二環状平面部27aとを備えている。
【0103】
ハウジング30の第一支持部41の傾斜平面部41aと、光学レンズ20の第一環状平面部26aとに、光学レンズ20をハウジング30に固着させる接着剤91が塗布される。また、ハウジング30の第二支持部42の傾斜平面部42aと、光学レンズ20の第二環状平面部27aとに、光学レンズ20をハウジング30に固着させる接着剤92が塗布される。
【0104】
このようにすることで、ハウジング30および光学レンズ20に、確実に接着剤91,92が塗布される。ハウジング30を構成する第一支持部41の傾斜平面部41aと、凸側レンズ曲面部25aの周縁部29aの第一環状平面部26aとに接着剤91が塗布されて、ハウジング30に光学レンズ20が固着される。また、ハウジング30を構成する第二支持部42の傾斜平面部42aと、凸側レンズ曲面部25aの周縁部29aの第二環状平面部27aとに接着剤92が塗布されて、ハウジング30に光学レンズ20が固着される。
【0105】
これにより、レンズ曲面部25aに甚だしく接着剤91,92が塗布されて、光学レンズ20を透過する光路に悪影響が及ぼされるということは回避される。従って、接着剤91,92により光学レンズ20に悪影響が及ぼされることのない光ピックアップ装置10を、光ディスク装置の組立メーカや、光ディスク装置の使用者等に提供することができる。また、接着剤91,92により、光学レンズ20は確実にハウジング30に固着される。
【0106】
ハウジング30に光学レンズ20を固着させる接着剤91,92,93が用いられ、接着剤91,92,93として、紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化型接着剤91,92,93が用いられる。
【0107】
これにより、光学レンズ20は、ハウジング30に精度よく迅速に接着される。紫外線硬化型接着剤91,92,93に紫外線が照射されることで、紫外線硬化型接着剤91,92,93の硬化反応が促進される。従って、光学レンズ20はハウジング30に速やかに固着される。ハウジング30に光学レンズ20が速やかに固着されるので、例えば、重力により、未硬化の紫外線硬化型接着剤93が光学レンズ20のフラット部23aから光学レンズ20の凸側曲面部25aまで甚だしく垂れ流れるということは回避される。従って、光学レンズ20の凸側曲面部25aに甚だしく垂れ流れた接着剤93により、光学レンズ20を透過する光路に悪影響が及ぼされ、その結果、光ピックアップ装置10が正常に作動しないという不具合の発生は防止される。
【0108】
光硬化型接着剤の一種とされる紫外線硬化型接着剤として、例えば米国NORLAND社製:光学UV接着剤NOA60,NOA77等が挙げられる。光学UV接着剤NOA60,NOA77等の紫外線硬化型接着剤は、アクリル系のものとされ、一液性の紫外線硬化型接着剤とされている。一液性の紫外線硬化型接着剤が用いられることにより、二液性の紫外線硬化型接着剤が使用されるときに行われる液と液との混合作業が不要となる。従って、接着剤の塗布工程は、迅速で効率的に行われる。「UV」とは、「ultraviolet 」を意味する。また、「ultraviolet radiation 」は、「紫外線」を意味する。紫外線硬化型接着剤は、UV硬化型接着剤などと呼ばれている。光ピックアップ装置の設計仕様などにより、例えば二液性の紫外線硬化型接着剤が用いられて接着工程が行われたものも使用可能とされる。二液性の紫外線硬化型接着剤として、例えば二液性エポキシ系の紫外線硬化型接着剤などが挙げられる。
【0109】
光ピックアップ装置10における光学レンズ20の接着方法の一例について説明する。
【0110】
先ず、ハウジング30の第一支持部41の傾斜平面部41aと、光学レンズ20の第一環状平面部26aとに、光学レンズ20をハウジング30に固着させる紫外線硬化型接着剤91が塗布される。また、ハウジング30の第二支持部42の傾斜平面部42aと、光学レンズ20の第二環状平面部27aとに、光学レンズ20をハウジング30に固着させる紫外線硬化型接着剤92が塗布される。次に、ハウジング30の連結部60に突設された突出部63の先端面部63aと、光学レンズ20の切欠き部23を形成するフラット部23aとに、光学レンズ20をハウジング30に固着させる紫外線硬化型接着剤93が塗布される。
【0111】
その後、数秒間の短時間中に、各紫外線硬化型接着剤91,92,93に紫外線を同時に照射させる。各紫外線硬化型接着剤91,92,93に紫外線を照射させることにより、各紫外線硬化型接着剤91,92,93の硬化反応を促進させて、各紫外線硬化型接着剤91,92,93を略同時に硬化させる。これにより、各接着剤91,92,93の液だれ等が生じることなく、速やかに接着工程が終了する。
【0112】
図1の如く、ハウジング30に対して光学レンズ20を精度よく装備可能とさせる一対の位置決め部71,72が、ハウジング30のレンズ取付部35に設けられている。ハウジング30のレンズ取付部35に設けられた位置決め部71,72は、第一位置決め部71と、第二位置決め部72とを備えるものとして構成されている。
【0113】
ハウジング30のレンズ取付部35に、一対の位置決め部71,72が設けられていれば、光学レンズ20は、ハウジング30に精度よく取り付けられる。光学レンズ20がハウジング30に装備されるときに、ハウジング30のレンズ取付部35に設けられた複数の位置決め部71,72に光学レンズ20が合わせられることで、ハウジング30に精度よく光学レンズ20が取り付けられる。光学レンズ20がハウジング30に精度よく取り付けられていれば、光学レンズ20を透過する光路の精度は高いものとなる。従って、高精度な光ピックアップ装置10が構成される。
【0114】
第一位置決め部71は、ハウジング30を構成する第一隔壁51から光学レンズ20に向けて突設された第一突出部71として形成されている。また、第二位置決め部72は、ハウジング30を構成する第二隔壁52から光学レンズ20に向けて突設された第二突出部72として形成されている。
【0115】
これにより、光学レンズ20は、ハウジング30に、より精度よく取り付けられる。光学レンズ20がハウジング30に装備されるときに、ハウジング30の第一隔壁51から突設された位置決め用突出部71と、ハウジング30の第二隔壁52から突設された位置決め用突出部72とに、光学レンズ20が当接されることで、ハウジング30に、より精度よく光学レンズ20が取り付けられる。ハウジング30に光学レンズ20が高精度に取り付けられていれば、光学レンズ20を透過する光路の精度は高いものとなる。
【0116】
ハウジング30に対し、光学レンズ20の取付位置を定めるための基準面71b,72bが、ハウジング30を構成する第一隔壁51および第二隔壁52の位置決め部71,72に設けられている。詳しく説明すると、ハウジング30に対し、光学レンズ20の取付位置を精度よく定めるための基準面71bが、ハウジング30の第一隔壁51の第一突出部71に設けられている。また、ハウジング30に対し、光学レンズ20の取付位置を精度よく定めるための基準面72bが、ハウジング30の第二隔壁52の第二突出部72に設けられている。各基準面71b,72bは、抜き勾配が設けられていない高精度な面として形成されている。
【0117】
第一突出部71の基準面71bに対応した第一環状平面部26bが、光学レンズ20の凹側曲面部25bの周縁部29bに設けられている。光学レンズ20の凹側曲面部25bの第一環状平面部26bは、光学レンズ20の凸側曲面部25aの第一環状平面部26aと略同じ形状に形成されている。
【0118】
また、第二突出部72の基準面72bに対応した第二環状平面部27bが、光学レンズ20の凹側曲面部25bの周縁部29bに設けられている。光学レンズ20の凹側曲面部25bの第二環状平面部27bは、光学レンズ20の凸側曲面部25aの第二環状平面部27aと略同じ形状に形成されている。
【0119】
ハウジング30に設けられた位置決め部71,72の基準面71b,72bに、光学レンズ20の凹側曲面部25bの平面部26b,27bが当接されて、ハウジング30に光学レンズ20が取り付けられる。詳しく説明すると、ハウジング30に設けられた第一突出部71の基準面71bに、光学レンズ20の凹側曲面部25bの第一環状平面部26bが当接されて、ハウジング30に光学レンズ20が取り付けられている。また、ハウジング30に設けられた第二突出部72の基準面72bに、光学レンズ20の凹側曲面部25bの第二環状平面部27bが当接されて、ハウジング30に光学レンズ20が取り付けられている。
【0120】
これにより、光学レンズ20は、ハウジング30に高精度に取り付けられることとなる。光学レンズ20がハウジング30に装備されるときに、ハウジング30の第一隔壁51および第二隔壁52に設けられた位置決め用基準面71b,72bに、光学レンズ20の凹側曲面部25bの周縁部29bに設けられた平面部26b,27bが当接されることで、光学レンズ20は、ハウジング30に高精度に取り付けられる。
【0121】
詳しく説明すると、光学レンズ20がハウジング30に装備されるときに、ハウジング30の第一隔壁51の突出部71に設けられた位置決め用基準面71bに、光学レンズ20の凹側曲面部25bの周縁部29bに設けられた第一環状平面部26bが当接されることで、光学レンズ20は、ハウジング30に高精度に取り付けられる。また、光学レンズ20がハウジング30に装備されるときに、ハウジング30の第二隔壁52の突出部72に設けられた位置決め用基準面72bに、光学レンズ20の凹側曲面部25bの周縁部29bに設けられた第二環状平面部27bが当接されることで、光学レンズ20は、ハウジング30に高精度に取り付けられる。ハウジング30に光学レンズ20が高精度に取り付けられていれば、光学レンズ20を透過する光路も高精度なものとなる。
【0122】
光学レンズ20として、入射した光を平行光にして出射するコリメータレンズ20が用いられた。コリメータレンズ20の凹側曲面部25bは、レンズ20にレーザ光が入射するための重要な部分とされている。また、コリメータレンズ20の凸側曲面部25aは、レンズ20内を透過したレーザ光が出射する重要な部分とされている。
【0123】
これにより、光ピックアップ装置10が作動したときに、高精度な光路が光ピックアップ装置10内に構成される。コリメータレンズ20の凹側曲面部25bに入射した光は、平行光としてコリメータレンズ20の凸側曲面部25aから出射される。平行光とは、収束されたり拡散されたりしない光を意味する。コリメータレンズ20が装着されるハウジング30のレンズ取付部35の振動が低減化されたことにより、コリメータレンズ20から出射される平行光が揺らされるということが回避される。従って、コリメータレンズ20を透過した光路が揺らされ、その結果、光ピックアップ装置10が正常に作動しないという不具合の発生は回避される。また、光学レンズ20として、コリメータレンズ20が用いられることにより、不図示の光ディスクの揺動などに対応可能な光ピックアップ装置10が構成される。
【0124】
また、ハウジング30のアクチュエータ装着部80に、アクチュエータ(図示せず)が装備される。上述した如く、アクチュエータとは、油圧やモータなどにより、エネルギーを並進運動または回転運動などの動作に変換させる駆動装置を意味する。ハウジング30の周壁32に設けられた支持部81,82に、不図示のアクチュエータのフレームが装着される。不図示のアクチュエータは、光ディスク(図示せず)に対し対物レンズ(図示せず)の位置を最適な位置に調整させる。
【0125】
光ピックアップ装置10は、持運びが容易なコンピュータのディスク装置(図示せず)に装備可能な小型軽薄なものとされている。
【0126】
略安定した動作を行う小型軽薄な光ピックアップ装置10がディスク装置に装備されていれば、持運びが容易なコンピュータ用ディスク装置の光ピックアップ装置10が動作不良を起こし、その結果、持運びが容易なコンピュータが正常に作動しないという不具合の発生は回避される。持運びが容易なコンピュータとして、例えば、ラップトップ型コンピュータ(図示せず)や、ノートブック型コンピュータ(図示せず)等が挙げられる。
【0127】
コンピュータについて説明する。パーソナルコンピュータ(Personal Computer )は、「PC」と略称とされている。また、パーソナルコンピュータは、パソコン等と略称されて用いられている。
【0128】
デスクトップ型コンピュータは、卓上型コンピュータとされ、机の上で使用可能なコンピュータとされている。しかしながら、デスクトップ型コンピュータは、容易に持運びができないタイプのものとされている。
【0129】
デスクトップ型PCに対し、ラップトップ型PCや、ノート型PCは、軽量化、軽薄化が要求されることから、スリム型ドライブとされる光ディスク装置を備えた構造のものとされている。ラップトップ型PCや、ノート型PCは、デスクトップ型PCと異なる構造のものとされている。ラップトップ型PCもしくはノート型PCは、ディスプレイ(図示せず)と、PC本体(図示せず)とが、一体構造のものとされている。PC本体に対し、ディスプレイが折りたたまれることで、ラップトップ型PCもしくはノート型PCは、薄型サイズのものとなる。ノート型PCは、このものが折りたたまれて平面視されたときに、略A4判もしくはこれ以下の大きさの汎用PCとされる。このようなことから、ノート型PCは、ブック型PCとも呼ばれている。このように、ノート型PCもしくはラップトップ型PCは、コンパクトなものとして容易に持運びができるものとされている。
【0130】
ラップトップ型コンピュータや、ノートブック型コンピュータ等の持運びが容易な形態のコンピュータは、小型化、軽薄化、軽量化される傾向にあり、これに伴って、光ピックアップ装置10も小型化、軽薄化、軽量化される傾向にある。
【0131】
光ピックアップ装置10を構成するハウジング30の第一隔壁51と、ハウジング30の第二隔壁52とを繋ぎ、ハウジング30などから生じる振動を低減化させる連結部60が、ハウジング30に設けられていれば、小型化、軽薄化、軽量化された光ピックアップ装置10のハウジング30の強度低下を防ぐことが可能となる。従って、ハウジング30等から生じる共振などの振動を低減化させたラップトップ型コンピュータもしくはノートブック型コンピュータ用の小型軽薄化ピックアップ装置10を、光ディスク装置の組立メーカや、光ディスク装置の使用者等に提供することができる。
【0132】
上記光ピックアップ装置10は、例えば「CD−ROM」,「DVD−ROM」などに対応したデータ読出し専用の光ディスク装置に装備可能とされる。また、上記光ディスク装置用チルト調整回路は、例えば、「CD−ROM」,「DVD−ROM」などの読出し専用の光ディスクや、「CD−R」,「DVD−R」,「DVD+R」などの追記型の光ディスクや、「CD−RW」,「DVD−RW」,「DVD+RW」,「DVD−RAM」,「HD−DVD」,「Blu ray Disc」などの書込み/消去や書換え可能なタイプの光ディスクに対応した光ディスク装置に装備可能とされる。
【0133】
また、上記光ピックアップ装置10を備えるディスク装置は、例えば、ノート型PCや、ラップトップ型PCや、デスクトップ型PCなどのコンピュータや、CDプレーヤなどの音響機器や、DVDプレーヤなどの音響/映像機器などに装備可能なものとされる。また、上記光ディスク装置は、CD系光ディスクや、DVD系光ディスク等の複数のメディアに対応可能なものとされる。本発明のものは、図示されたものに限定されるものではない。本発明のものは、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能なものとされる。
【符号の説明】
【0134】
10 光ピックアップ装置(ピックアップ装置)
20 コリメータレンズ(レンズ)
21 第一側部
22 第二側部
23 第一切欠き部(切欠き部)
23a フラット部(平面部)
23c レンズ厚さ方向略中央部(中央部)
24 第二切欠き部(切欠き部)
25a,25b レンズ曲面部(曲面部)
26a,26b 第一環状平面部(平面部)
27a,27b 第二環状平面部(平面部)
29a,29b 周縁部
30 ハウジング
31 基壁
32 周壁
35 レンズ取付部
41 第一支持部
41a,42a 傾斜平面部(傾斜面部)
42 第二支持部
51 第一隔壁
52 第二隔壁
60 連結部
60c 中央部
63 接着部(突出部)
63a 先端面部
71,72 突出部(位置決め部)
71b,72b 基準面
80 アクチュエータ装着部
81,82 支持部
91,92,93 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
該ハウジングに取り付けられるレンズと
を備え、
該ハウジングは、
該レンズを支える第一支持部と、
該レンズを支える第二支持部と、
該第一支持部に続く第一隔壁と、
該第二支持部に続く第二隔壁と、
該第一隔壁と該第二隔壁とを繋ぐ連結部と
を有することを特徴とするピックアップ装置。
【請求項2】
前記ハウジングに前記レンズが固定されるときに、該ハウジングに該レンズを固着させる接着剤が用いられたことを特徴とする請求項1記載のピックアップ装置。
【請求項3】
前記ハウジングおよび前記レンズに接着剤が三箇所塗布されて、該ハウジングに該レンズが固定されたことを特徴とする請求項1又は2記載のピックアップ装置。
【請求項4】
前記第一支持部と、前記第二支持部と、前記連結部とに接着剤が塗布されて、前記ハウジングに前記レンズが固定されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のピックアップ装置。
【請求項5】
前記レンズと前記連結部とに接着剤を塗布させ易くする突出部が、該連結部に設けられたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のピックアップ装置。
【請求項6】
前記突出部に対応した切欠き部が、前記レンズに設けられたことを特徴とする請求項5に記載のピックアップ装置。
【請求項7】
前記接着剤は、前記突出部の先端面部と、前記切欠き部を形成する平面部とに塗布されたことを特徴とする請求項6に記載のピックアップ装置。
【請求項8】
前記ハウジングに前記レンズが装備されるときに、
該ハウジングの前記連結部に突設された前記突出部の先端面部が、該レンズの切欠き部の略中央部に位置する状態で、該ハウジングに該レンズが備えられたことを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載のピックアップ装置。
【請求項9】
前記ハウジングの前記第一支持部は、前記レンズの幅よりも広い幅の傾斜面部を備え、
該ハウジングの前記第二支持部は、該レンズの幅よりも広い幅の傾斜面部を備え、
該レンズは、レンズ曲面部の周縁部に平面部を備え、
該第一支持部の該傾斜面部と、該レンズの該平面部とに、該レンズを該ハウジングに固着させる接着剤が塗布され、
該第二支持部の該傾斜面部と、該レンズの該平面部とに、該レンズを該ハウジングに固着させる接着剤が塗布されたことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のピックアップ装置。
【請求項10】
前記ハウジングに前記レンズを固着させる接着剤が用いられ、該接着剤として、紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化型接着剤が用いられたことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のピックアップ装置。
【請求項11】
前記ハウジングに対して前記レンズを精度よく装備可能とさせる位置決め部が、該ハウジングに設けられたことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載のピックアップ装置。
【請求項12】
前記位置決め部は、前記第一隔壁および前記第二隔壁から突設された突出部として形成されたことを特徴とする請求項11に記載のピックアップ装置。
【請求項13】
前記ハウジングに対し前記レンズの取付位置を定めるための基準面が、前記位置決め部に設けられ、該基準面に対応した平面部が該レンズの曲面部の周縁部に設けられ、該ハウジングに設けられた該位置決め部の該基準面に、該レンズの該平面部が当接されて、該ハウジングに該レンズが取り付けられたことを特徴とする請求項11又は12に記載のピックアップ装置。
【請求項14】
前記レンズとして、入射した光を平行光にして出射するコリメータレンズが用いられたことを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載のピックアップ装置。
【請求項15】
持運びが容易なコンピュータのディスク装置に装備可能とされたことを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載のピックアップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−192383(P2011−192383A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149609(P2011−149609)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【分割の表示】特願2005−118139(P2005−118139)の分割
【原出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】