説明

ピリド(3,2,1−IJ)−ベンズオキサジアジン型の化合物を含む、抗感染剤溶液

本発明は、以下の式(I)に対応する、少なくとも1つのピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物又は少なくとも1つの医薬として許容可能なその塩、及び少なくとも1つの安定化剤を医薬として許容可能な担体中に含む、抗感染剤溶液に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、動物を治療することを目的とする抗感染剤溶液に関する。
【0002】
より正確には、本発明は、少なくとも1つのピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン化合物を含む抗感染剤溶液、特に濃縮溶液に関する。
【背景技術】
【0003】
ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、家禽及び/又はウマなどの家畜並びにペットの間では、抗感染目的のための治療、予防又は予後のための製品の特に注射による投与は頻繁である。
【0004】
腸管外に投与される製品の体積及び注射部位の数は、製剤の選択において重要な基準である。濃縮製剤を製造する1つの目的は、投与の体積及び/又は回数を減少させ、特に家畜に関しては食肉処理場において加工されることのできない筋肉部分を減少させることである。濃縮製剤の製造において考慮されうる他の重要な基準は、特に食肉処理場における損失を減少させるための、注射部位における局所耐性である。
【0005】
しかしながら、マルボフロキサシンなどのいくつかの抗感染剤は水中での溶解度が低い。これは、塩化などの溶解度を増加させるための技術の使用、シクロデキストリンとの組み合わせなどの該分子自体よりもより溶解性である錯体の使用、pH調節剤、分散系(エマルジョン、リポソーム、ベクター系)、又は有機溶媒、共溶媒又は界面活性剤などの補助剤の添加に導きうる。
【0006】
しかしながら、上記の技術は一定の特別な化合物と比較して相対的に極めて有効でありうる。
【0007】
市販の溶液の中で、10%以下のマルボフロキサシンを含む安定な溶液を挙げることができる。しかしながら、一定の治療用、予防用又は予後用の適応については、特に家畜においては、治療量が高い。したがって、現在市販されている溶液の使用は、大量の注入量の投与を必要とし、特に、40ml以上が数箇所の注射部位に分配される。これらの条件は耐性の問題をもたらしうる。
【0008】
EP0868183は、金属塩を含むダノフロキサシンの医薬用濃縮水溶液を記載し、注射部位におけるその耐性は改善されていると言われる。
【0009】
しかしながら、テトラサイクリンについて先に処方されたこのタイプの製剤は、すべてのタイプの分子について、特に一定のキノロン類については、適用できるものではないか又は十分に有効ではないことがわかった。
【0010】
しかしながら、動物の安らぎ、時間の節約及び/又は肉の収量の改善を含むさまざまな理由により、腸管外に投与された製品の体積又は注射部位数を減少させること及び/又は耐性を改善することが望ましい。
【0011】
したがって、投与体積又は投与回数を減少させることができ、及び/又は改善された耐性を有し、したがって、家畜については使用不可能な筋肉部分を減少させることのできる、抗感染性化合物、特にキノロン型、の濃縮製剤がなお必要とされている。
【発明の開示】
【0012】
1つの側面によれば、本発明の目的は、溶液の全体積に対して10重量%〜30重量%の少なくとも1つのピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物又は少なくとも1つの医薬として許容可能なその塩、及び少なくとも1つの溶解剤を医薬として許容可能な担体中に含む溶液である。
【0013】
「ピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物」とは、以下の式(I):
【化1】

{式中、
Xは、水素若しくはハロゲン原子或いはヒドロキシ官能基、そして特にフッ素原子、を表し、
R1は、以下の:
4位においてメチル、アセチル又は4−アミノベンジル基で置換されてよい、1−ピペラジニルラジカル;
モルホリノラジカル;
3位において塩素原子又はアミノ、アミノメチル、(メチルアミノ)メチル、(エチルアミノ)メチル若しくはメトキシ基で置換された、1−ピロリジニルラジカル;
4位においてメチル基で置換されることができる1−イミダゾリルラジカル;或いは
4位においてヒドロキシ又はメトキシ基で置換された1−ピペリジルラジカルを表し、
R2は、1〜10個の炭素原子を含む、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルラジカル、特にメチル基を表す。}
に適合する化合物及びその医薬として許容可能な塩を意味する。
【0014】
ピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物は、特に、R1が、4位においてメチル基で置換された1−ピペラジニルラジカルを表し、R2がメチル基を表し、そしてXがフッ素原子を表す、式(I)に適合する。この化合物は特に、EP0259804に記載の方法によって得ることができる。この化合物は特に、マルボフロキサシンの国際的一般名(International Common Denomination)に適合する。
【0015】
溶液は、溶液の全体積に対して、10重量%〜30重量%、特に11重量%〜28重量%、特別に12重量%〜27重量%、さらに特に13重量%〜25重量%、さらに特別に14重量%〜23重量%、さらには15重量%〜20重量%のピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物を含むことができる。
【0016】
溶液は、少なくとも1つの溶解剤を含む。この溶解剤は、ピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物と錯体を形成することができる。特にこの溶解剤が酸である場合、それはピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物と塩を形成することができる。
【0017】
かかる錯体の生成は、ピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物の溶液中、特に水溶液中での可溶化を改善することができる。
【0018】
溶解剤の中でも、以下の:
−鉱酸、特に、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸及び硝酸、並びに
−炭酸、スルホン酸及びホスホン酸などの有機酸、特に、葉酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、乳酸又はポリ乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、安息香酸、4−アミノ安息香酸、アントラニル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、アミノサリチル酸、ニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸;グルコン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イソフタル酸及びラクトビオン酸などのポリカルボン酸;アスパラギン酸及びグルタミン酸、メチオニン、トリプトファン、リジン及びアルギニンなどのアミノ酸;そのエステル、中でもグルコノラクトンが挙げられることができ、並びにその塩、そして、
その混合物
が挙げられることができる。
【0019】
ピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物、特にマルボフロキサシン、の溶解剤の中でも、乳酸、グルコン酸及びグルコノラクトンが特に挙げられることができる。
【0020】
溶液は、溶液の全体積に対して、4重量%〜58重量%、特に5重量%〜35重量%、特別に、6重量%〜25重量%、さらに特に、7重量%〜20重量%の溶解剤を含んでよい。
【0021】
特に、本発明の溶液は、溶解剤とピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物を0.9〜4、特に1〜3、そして特別に、1.1〜2.4のモル比で含む。
【0022】
該溶液は、該溶液のpHが2〜7、特に2.8〜5であるような溶解剤含量を含む。
【0023】
上記の溶液は、特に、それらが高濃度のピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物及び低濃度の溶解剤を含む場合、限定された安定性を有するかもしれない。
【0024】
本発明者らは、一定の濃縮溶液の実現可能性及び/又はそれらの安定性を、少なくとも1つの溶解剤及び/又は少なくとも1つの安定化剤を加えることによって改善することが可能であることを発見した。
【0025】
安定化剤は、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンを含む群から選択されることができる。より特別には、安定化剤は、アルコール、特に芳香族、アルキル、アリールアルキル又はアルキルアリールアルコール、特別に、5〜15個の炭素原子を含み、さらに特に、ベンジルアルコール及びその誘導体である。
【0026】
「ベンジルアルコールの誘導体」は、本発明の意味のうちでは、以下の式(II):
【化2】

{式中、
3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、独立して、水素、ハロゲン原子、置換されてよいアルコール、エーテル又はアミン官能基、置換されてよいチオエーテル、エステル又はアミン官能基、或いはアルキル、アリール、アラルキル、アルカリールラジカルをあらわす。}
に適合する化合物を意味する。
【0027】
特に、溶液は、溶液の全体積に対して0.2重量%〜20重量%、特に、0.3重量%〜10重量%、特別に、0.4重量%〜5重量%、そしてさらに特に、0.5重量%〜3重量%の安定化剤含量を含む。
【0028】
さらに、溶液は、0.02〜7、特に0.05〜5、特別に、0.1〜1.5、さらに特に、0.2〜1の、安定化剤とピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物の間のモル比を含んでよい。
【0029】
特別には、溶液は、1〜15、特に、1.5〜10、特別に、2〜8、さらには2.5〜7の、溶解剤と安定化剤の間のモル比を含んでよい。
【0030】
本発明の溶液は、少なくとも1つの添加剤、特には、以下の:
溶媒、例えば、腸管外に使用可能な非水性溶媒、すなわち、水と非混和性の溶媒、例えば、植物油又はオレイン酸エチル、或いは水と混和性の溶媒、特にエタノールなどのアルコール;N,Nジメチルアセトアミドなどのアミド;ポリグルコセイテッド(polyglucosated)グリセライドなどのポリオールエステル;ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール、ジエチレングリコールモノエチリックエーテル、グリセロールフォーマル、ポリエチレングリコール、特にPEG300及びPEG400などのエーテル;グリセロール又はプロピレングリコールなどのポリオール;ジメチルスルホキシド;2−ピロリドン;或いはこれらの混合物、
界面活性剤、例えば、非イオン性、アニオン性、カチオン性の界面活性剤、又は界面活性剤の混合物、特に非イオン性界面活性剤;
キレート剤、例えば、EDTA;
保存剤、特に抗酸化剤;或いは
抗菌剤、並びにこれらの混合物、から成る群から選ばれる添加剤を含むこともできる。
【0031】
溶液は特に水性溶液であってよい。
【0032】
溶液のpHは、2〜7、特に2.8〜5であってよい。
【0033】
特には、本発明の溶液は、注射可能な溶液、特に筋肉内、皮下、腹腔内、及び/又は静脈内経路で注射可能な溶液の形態である。該溶液は、輸注用溶液又はかん流用溶液であってもよい。この溶液は、ヒツジ、ウシ、ブタ、ヤギ、ウマ及び/又は家禽などの家畜、及び/又はイヌ及びネコなどのペットを対象とするものであってよい。
【0034】
特に、該溶液は、20℃において、10-4〜10-2、特に、10-3〜5×10-3Pa.sの粘度を有する。
【0035】
該溶液は、透明であってよく、特に、いかなる懸濁液中の粒子も含んではならない。
【0036】
その他の側面によれば、本発明の対象は、少なくとも1つの上記のピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物の、特に動物における感染を治療又は予防することを目的とする溶液の調製における使用であり、該ピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物は、溶液の全体積に対して、10重量%〜30重量%、特に、11重量%〜28重量%、特別に、12重量%〜27重量%、さらに特に、13重量%〜25重量%、さらに特別に14重量%〜23重量%、さらには15重量%〜20重量%の割合で存在する。
【0037】
その他の側面によれば、本発明の他の対象は、本発明の溶液の、特に動物における感染を治療又は予防することを目的とする医薬の調製のための使用である。
【0038】
治療可能な感染のなかでも、特に動物における、呼吸器系、生殖器系、泌尿器系、消化器系、運動系または循環器系の感染、皮膚型の、耳の、目の感染が治療可能である。
【0039】
その他の側面によれば、本発明の対象は、動物における感染の治療、予防及び予後治療の方法である。該治療法は、0.01〜0.05mlの濃縮溶液/動物のkg、特に、0.01〜0.01ml/動物のkgの注射を含むことができる。特に、治療は、単一の点における単回注射を含んでよい。
【0040】
例えば、300kgの動物のためには、呼吸器感染の治療は、2か所の注射点に投与される24mlの体積の「マルボシル(Marbocyl)S」と1か所に注射される15mlの本発明の溶液によって実施されることができる。
【0041】
本発明の意味のうちで「治療」は、治療自体、そして予防及び予後治療も意味する。
【0042】
その更なる側面によれば、本発明の対象は、式(I)の化合物の溶液を安定化させる剤としての、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびグリセリンから選ばれる少なくとも1つの化合物の使用である。より特別には、安定化剤は、特に高濃度、特別には溶液の全体積に対して10重量%超の少なくとも1つの式(I)の化合物を含み、そして溶解剤も含んでよい溶液のための安定化剤としての、アルコール、特に、芳香族、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールアルコール、特別には、5〜15個の炭素原子を含む、さらに特に、ベンジルアルコール及びその誘導体である。
【0043】
本発明は、特に高濃度、特別に、溶液の全体積に対して10重量%超の式(I)の化合物および安定化剤も含むことのできる溶液を可溶化するための剤としての、以下の:
−鉱酸、特に塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸及び硝酸、並びに
−有機酸、たとえば、カルボン酸、スルホン酸及びホスホン酸;特に、葉酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、乳酸またはポリ乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、安息香酸、4−アミノ安息香酸、アンスラニリン酸、4−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、アミノサリチル酸、ニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、及びp−トルエンスルホン酸;ポリカルボン酸、たとえば、グルコン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イソフタル酸及びラクトビオン酸;アミノ酸、たとえば、アスパラギン酸及びグルタミン酸、メチオニン、トリプトファン、リジン及びアルギニン;そのエステル、中でもグルコノラクトン、並びにその塩、そして
−それらの混合物
から選ばれる少なくとも1つの化合物の使用に関する。
【0044】
安定化剤、特にベンジルアルコール、の使用も、高濃度の式(I)の化合物、特にはマルボフロキサシン、及び少なくとも1つの溶解剤、特にはグルコノラクトン、を含む溶液が、等濃度の式(I)の化合物を含み、溶解剤も含んでよい溶液に比較して、より低いpH及びモル浸透圧濃度を有することを可能とすることができる。これは、特に、少なくとも1つの式(I)の化合物、溶解剤及び安定化剤を含む濃縮溶液が、特に、式(I)の化合物及び/又は溶解剤に関してより濃縮度の低い組成物に近いpH及び/又はモル浸透圧濃度を有することを可能とする。これは、より少ない溶解剤の使用を可能としうる安定化剤の存在に関連している。
【0045】
言い換えれば、安定化剤の添加は、この剤の添加なしには、注射に適さないかまたは注射が困難である、非常に高濃度の式(I)の化合物を含む注射に適した一定の溶液の製造も可能とする。安定化効果は、安定化剤の比率の増加とともに効果的に増加する。
【0046】
特に、本発明の対象は、特に溶液の体積に対して10重量%超、特別に11重量%超、さらに特に、12重量%超、さらに特別に13重量%超、そしてさらには14重量%超の式(I)の化合物の溶液のための、安定化剤及び溶解剤としての、前者はベンジルアルコール及び後者は乳酸、グルコン酸及び/又はグルコノラクトンを合わせたものの使用である。
【0047】
以下の実施例は、例示のためであり、そしていかなる条件においても、本発明の範囲を制限するために提供されるものではない。
【実施例】
【0048】
実施例1:
以下の表1に記載される溶液を調製した。
【0049】
【表1】

【0050】
70〜80kgの重さのブタが、右の首に参照溶液の注射を1回、バッチ1の溶液を左の首に筋肉内経路で8mg/kgの用量で左の首に受けた。局所耐性(死後病変)を投与の1週間後に検査した。
【0051】
バッチ1の注射は、約9cm3の体積の病変を有するが、参照の注射は32cm3の病変を示す。
【0052】
これは、濃縮マルボフロキサシン溶液の、参照溶液に比べてより良好な局所耐性を実証する。
【0053】
実施例2:
以下のバッチを調製した。
【0054】
【表2】

【0055】
「冷所安定性」は、バッチを+4℃〜+8℃に静置した場合に沈殿が形成するのにかかる時間を意味する。
【0056】
これは、本発明の溶液の安定性における改善を明らかに実証する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗感染剤溶液の全体積に対して10重量%〜30重量%の、以下の式(I):
【化1】

{式中、
Xは、水素若しくはハロゲン原子またはヒドロキシ官能基、そして特にフッ素原子を表し、
R1は、4位においてメチル、アセチル、又は4−アミノベンジル基で置換されてよい、1−ピペラジニルラジカル;モルホリノラジカル;3位において塩素原子又はアミノ、アミノメチル、(メチルアミノ)メチル、(エチルアミノ)若しくはメチルメトキシ基で置換された1−ピロリジニルラジカル;4位においてメチル基で置換されることができる1−イミダゾリルラジカル、或いは4位においてヒドロキシまたはメトキシ基で置換された1−ピペリジルラジカルを表し、
R2は、1〜10個の炭素原子を含む、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルラジカル、特にメチル基を表す。}
に適合する、少なくとも1つのピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物又は少なくとも1つの医薬として許容可能なその塩、及び少なくとも1つの溶解剤を、医薬として許容可能な担体中に含む、前記抗感染剤溶液。
【請求項2】
前記化合物が式(I)に適合し、式中、R1が、4位においてメチル基により置換された1−ピペラジニルラジカルを表し、R2がメチル基を表し、そして、Xがフッ素原子を表すことを特徴とする、請求項1に記載の溶液。
【請求項3】
前記溶液の全体積に対して、11重量%〜28重量%、特に12重量%〜227重量%、特別に13重量%〜25重量%、さらに特に、14重量%〜23重量%、さらに特別に15重量%〜20重量%の割合の式(I)の化合物を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の溶液。
【請求項4】
前記溶解剤が、鉱酸、有機酸、そのエステル及びその塩を含む群から選ばれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶液。
【請求項5】
前記溶解剤が、乳酸、グルコン酸及びグルコノラクトンを含む群から選ばれることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶液。
【請求項6】
前記溶液の全体積に対して4重量%〜58重量%、特に5重量%〜35重量%、特別に6重量%〜25重量%、又はさらに特に7重量%〜20重量%の割合の溶解剤を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の溶液。
【請求項7】
前記溶解剤とピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物のモル比が、0.9〜4、特に1〜3、そして特別に1.1〜2.4の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の溶液。
【請求項8】
前記溶解剤が、前記溶液のpHが2〜7、特に2.8〜5の範囲にあるような割合で存在することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の溶液。
【請求項9】
特にアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、特別にアルコール、さらに特にベンジルアルコール及びその誘導体を含む群から選ばれる安定化剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の溶液。
【請求項10】
前記溶液の全体積に対して0.2重量%〜20重量%、特に0.3重量%〜10重量%、特別に0.4重量%〜5重量%、さらに特に0.5重量%〜3重量%の割合で溶解剤を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の溶液。
【請求項11】
前記溶解剤とピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物のモル比が、0.02〜7、特に0.05〜5、特別には0.1〜1.5、さらに特に0.2〜1の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の溶液。
【請求項12】
2〜7、特に2.8〜5の範囲のpHを有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の溶液。
【請求項13】
特に動物、特別には家畜及び/又はペットに注射されること目的とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の溶液。
【請求項14】
請求項1又は2に記載の少なくとも1つのピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物の、特に動物の感染の治療または予防を目的とする溶液の調製における使用であって、前記ピリド(3,2,1−ij)−ベンズオキサジアジン型の化合物が、前記溶液の全体積に対して10重量%〜30重量%、特に11重量%〜28重量%、特別に12重量%〜27重量%、さらに特に13重量%〜25重量%、さらに特別に14重量%〜23重量%、さらには15重量%〜20重量%の割合で存在する、前記使用。
【請求項15】
少なくとも1つの式(I)の化合物を含み、溶解剤も含んでよい溶液のための安定化剤としての、以下の:アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びグリセリン、特にアルコール、特別には芳香族、アルキル、アリールアルキル、又はアルキルアリールアルコール、特別に5〜15個の炭素原子を含み、そしてさらに特にベンジルアルコール、から選ばれる少なくとも1つの化合物の使用。
【請求項16】
安定化剤も含んでよい式(I)の化合物の溶液のための溶解剤としての、以下の:
−鉱酸、特に塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸及び硝酸、並びに
−有機酸、たとえば、カルボン酸、スルホン酸、及びホスホン酸;特に葉酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、乳酸又はポリ乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、安息香酸、4−アミノ安息香酸、アントラニル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、アミノサリチル酸、ニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、及びp−トルエンスルホン酸;ポリカルボン酸、たとえば、グルコン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イソフタル酸、及びラクトビオン酸;アミノ酸、たとえば、アスパラギン酸及びグルタミン酸、メチオニン、トリプトファン、リジン及びアルギニン;そのエステル、中でもグルコノラクトン、並びにその塩、
そしてその混合物、から選ばれる少なくとも1つの化合物の使用。

【公表番号】特表2009−523840(P2009−523840A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551835(P2008−551835)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【国際出願番号】PCT/FR2007/050682
【国際公開番号】WO2007/085760
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(508221936)ソシエテ アノニム ベトキノル (1)
【Fターム(参考)】