説明

ファイル生成装置、ドライバ更新システム、ファイル生成方法、およびファイル生成プログラム

【課題】ドライバ更新システムにおける運用上、管理者などの負担を低減することができるファイル生成装置、ドライバ更新システム、ファイル生成方法、およびファイル生成プログラムを提供すること。
【解決手段】プリンタドライバ50は、当該プリンタドライバ50のドライバプログラムについてバージョン、対応機種、対応OSなどを特定するためのドライバ情報を取得するドライバ情報取得部53と、ローカルサーバーからドライバ情報ファイルを取得するドライバ情報ファイル取得部54と、取得したドライバ情報ファイルDIFの記述に、ドライバ情報の記述を追記することにより、新たなドライバ情報ファイルを生成するドライバ情報ファイル生成部55とを備えている。これにより、プリンタドライバ50は、ドライバ更新システムにおいて、プリンタドライバのバージョンを更新する際に参照されるドライバ情報ファイルを生成する機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して取得するプログラムにより、インストールされたドライバの更新を行うファイル生成装置、ドライバ更新システム、ファイル生成方法、およびファイル生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザーなどからドライバの更新が要請されると、インターネットを介して予め決められたプリンタメーカーのサイトにアクセスして、プリンタの機種・言語など更新対象に適合するドライバプログラムを検索して、ドライバプログラムのダウンロードおよびドライバのインストールを行うドライバ自動インストール機能を実現したシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このドライバ自動インストール機能により、ユーザーは、プリンタメーカーのサイトに接続するためのURL、サイト内におけるドライバの格納場所、さらにはプリンタの機種名などの情報を知らずとも、適切なバージョンのドライバに更新する作業を簡単に行うことが可能である。
【0003】
また、特許文献2には、ドライバプログラムを格納するサーバーをローカルネットワーク内に構築し、ローカルネットワーク内でドライバ自動インストール機能を実現するようにしたシステムが提案されている。
【0004】
ここで、特許文献1,2に記載のように、サーバーに格納された各ドライバプログラムのうちから適切なバージョンのプログラムにアクセスできるようにするためには、サーバーに格納された各ドライバプログラムへのパス情報やバージョン情報を一元的に管理するドライバ情報ファイルをサーバーに格納する必要があり、このドライバ情報ファイルを参照することにより適切なドライバプログラムを選択してダウンロードすることが可能になる。
【0005】
【特許文献1】特開2006−351035号公報
【特許文献2】特開2002−23979号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1,2に記載のシステムでは、ドライバ情報ファイルを自動的に生成する機能が提供されていないため、ドライバ情報ファイルのコードはシステムの管理者などが手入力する必要があり、システム管理に要する負担が重くなってしまうという課題があった。このため、例えば、サーバーに格納されたドライバプログラムに、新しいバージョンのドライバプログラムを追加しようとする度に、追加するドライバプログラムへのパス情報やバージョン情報などのコードを入力して、ドライバ情報ファイルを更新するという煩わしい作業が発生することとなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]情報機器を制御するドライバのドライバプログラムを格納するサーバーに格納され、ドライバがバージョンを更新する際に、適用すべき前記ドライバプログラムを特定するために参照されるドライバ情報ファイルを生成するファイル生成装置であって、前記サーバーに新たに格納されるドライバプログラムと同じ種類のドライバプログラムを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記ドライバプログラムに関して、適用すべきドライバプログラムを特定するために必要なドライバ情報を取得するドライバ情報取得手段と、前記ドライバ情報の内容を記述することにより、前記ドライバ情報ファイルを生成するドライバ情報ファイル生成手段と、を備えることを特徴とするファイル生成装置。
【0009】
この構成によれば、新たに格納したドライバプログラムに対応するドライバ情報ファイルが生成されるので、新たなドライバプログラムをサーバーに追加するときに、システムの管理者などが手入力でドライバ情報ファイルを生成するという煩わしい作業を行う必要がなくなり、システムの運用上、管理者が受ける負担を低減することができる。
【0010】
[適用例2]上記ファイル生成装置において、前記サーバーに格納された前記ドライバ情報ファイルを取得するドライバ情報ファイル取得手段、をさらに備え、前記ドライバ情報取得手段は、前記サーバーに新たに格納された前記ドライバプログラムにアクセスするためのドライバ情報を取得し、前記ドライバ情報ファイル生成手段は、取得した前記ドライバ情報ファイルの記述に、前記ドライバ情報の内容に関する記述を追記することにより、前記サーバーに新たに格納された前記ドライバプログラムに対応するドライバ情報ファイルを生成することを特徴とするファイル生成装置。
【0011】
この構成によれば、新たに格納されたドライバプログラムおよび以前から格納されていたドライバプログラムに対応するドライバ情報ファイルを得ることができる。
【0012】
[適用例3]上記ファイル生成装置において、前記ドライバ情報ファイル生成手段は、生成した前記ドライバ情報ファイルを前記サーバーに送信し、当該ドライバ情報ファイルを前記サーバーに格納させることを特徴とするファイル生成装置。
【0013】
この構成によれば、ファイル生成装置によって、新たに生成したドライバ情報ファイルがサーバーに格納されるので、システムの管理者がドライバ情報ファイルをサーバーに格納する手間が省けて、ドライバのバージョンを更新するシステムの運用がより簡単になる。
【0014】
[適用例4]上記ファイル生成装置において、入力操作を受けるための操作部と、前記ドライバ情報ファイルの格納場所を指定するための入力欄を含む画面を表示する表示部と、をさらに備え、前記ドライバ情報ファイル生成手段は、前記操作部が受ける入力操作により前記入力欄に指定された格納場所に、生成した前記ドライバ情報ファイルを格納させることを特徴とするファイル生成装置。
【0015】
この構成によれば、入力欄に指定された格納場所に、生成したドライバ情報ファイルが格納されるので、システムの管理者などは任意の場所にドライバ情報ファイルを格納させることができる。
【0016】
[適用例5]上記ファイル生成装置において、前記入力欄に入力された格納場所の前記ドライバ情報ファイルを参照して、前記サーバーから更新すべきバージョンの前記ドライバプログラムを取得するプログラム取得手段と、取得した前記ドライバプログラムのドライバを新たにインストールすることにより、インストールされた前記ドライバのバージョンを更新するドライバ更新手段と、を備えることを特徴とするファイル生成装置。
【0017】
この構成によれば、ドライバを更新する際に、ドライバ情報ファイルを格納した場所からドライバ情報ファイルを確実に参照することができるので、ユーザーは、ドライバ情報ファイルの取得先を指定することなく、ドライバのバージョンを更新することができる。
【0018】
[適用例6]情報機器を制御するドライバのドライバプログラム、および適用すべき前記ドライバプログラムを特定するために参照されるドライバ情報ファイルを格納するサーバーと、前記ドライバ情報ファイルを参照して適用すべき前記ドライバプログラムを前記サーバーから取得し、前記取得したドライバプログラムにより、インストールされたドライバを更新する情報機器制御装置と、を備えるドライバ更新システムであって、前記情報機器制御装置は、前記サーバーに新たに格納されるドライバプログラムと同じ種類のドライバプログラムを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記ドライバプログラムに関して、適用すべきドライバプログラムを特定するために必要なドライバ情報を取得するドライバ情報取得手段と、前記ドライバ情報の内容を記述することにより、前記ドライバ情報ファイルを生成するドライバ情報ファイル生成手段と、を備えることを特徴とするドライバ更新システム。
【0019】
この構成によれば、新たなドライバプログラムをサーバーに追加するときに、システムの管理者などが手入力でドライバ情報ファイルを生成するという煩わしい作業を行う必要がなくなるので、システムの運用上、管理者が受ける負担を低減することができる。
【0020】
[適用例7]情報機器を制御するドライバのドライバプログラムを格納するサーバーに格納され、ドライバがバージョンを更新する際に、適用すべき前記ドライバプログラムを特定するために参照されるドライバ情報ファイルを生成するファイル生成方法であって、前記サーバーに新たに格納されるドライバプログラムに関して、適用すべきドライバプログラムを特定するために必要なドライバ情報を取得するステップと、前記ドライバ情報の内容を記述することにより、前記ドライバ情報ファイルを生成するステップと、を備えることを特徴とするファイル生成方法。
【0021】
このようにすれば、新たなドライバプログラムをサーバーに追加するときに、システムの管理者などが手入力でドライバ情報ファイルを生成するという煩わしい作業を行う必要がなくなるので、システムの運用上、管理者が受ける負担を低減することができる。
【0022】
[適用例8]情報機器を制御するドライバのドライバプログラムを格納するサーバーに格納され、ドライバがバージョンを更新する際に、適用すべき前記ドライバプログラムを特定するために参照されるドライバ情報ファイルを生成するためのファイル生成プログラムであって、コンピュータに、前記サーバーに新たに格納されるドライバプログラムと同じ種類のドライバプログラムを記憶する記憶部に記憶された前記ドライバプログラムに関して、適用すべきドライバプログラムを特定するために必要なドライバ情報を取得するステップと、前記ドライバ情報の内容を記述することにより、前記ドライバ情報ファイルを生成するステップと、を実行させることを特徴とするファイル生成プログラム。
【0023】
この構成によれば、新たなドライバプログラムをサーバーに追加するときに、システムの管理者などが手入力でドライバ情報ファイルを生成するという煩わしい作業を行う必要がなくなるので、システムの運用上、管理者が受ける負担を低減することができるドライバプログラムが実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づいて説明する。
【0025】
図1は、本実施例に係るドライバ更新システム構成を示した図である。図1に示すように、ドライバ更新システム1には、ローカルサーバー(サーバー)2と、複数のプリンタ(情報機器)3と、複数のクライアント装置(ファイル生成装置)4と、ルータ5と、外部サーバー6とが含まれる。ルータ5と、プリンタ3および各クライアント装置4とは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して相互に通信可能に接続されており、ローカルネットワークシステム7を形成している。また、ローカルネットワークシステム7内の各クライアント装置4およびローカルサーバー2は、ルータ5からインターネットを介して外部サーバー6と通信可能に構成されている。なお、本ドライバ更新システム1は、クライアント装置4からのドライバ更新要求に応じて、クライアント装置4のプリンタドライバに適合するドライバプログラム(ファイル生成プログラム)を外部サーバー6またはローカルサーバー2がクライアント装置4に提供し、クライアント装置4にインストールされたプリンタドライバを更新するものである。以下、ドライバ更新システム1を構成する各装置について説明する。
【0026】
まず、ローカルサーバー2について説明する。ローカルサーバー2は、各クライアント装置4からのドライバ更新の要求に応じてドライバプログラムを提供するためのサーバーであり、図2に示すように、CPU20と、ROM21と、RAM22と、ハードディスク(以下、「HD」という)23と、通信I/F24と、表示I/F25と、入出力I/F(入力手段)26と、読取ドライブ装置27とを備えている。
【0027】
CPU20は、ローカルサーバー2の各構成の動作を制御する制御装置である。ROM21は制御用などのプログラムなどが記憶された不揮発性メモリであり、RAM22はワーキングメモリなどとして用いられる汎用のメモリである。表示I/F25は、外部の表示装置とのインターフェイス部分であり、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイ(表示部)28が接続される。通信I/F24は、ネットワークに接続するインターフェイス部分である。入出力I/F26は、キーボード29aやマウス29bなどの入力機器(操作部)が接続されるインターフェイス部分である。
【0028】
また、ローカルサーバー2のHD23には、ドライバプログラムDP、リリースノートRN、およびドライバ情報ファイルDIFなどのファイルが予め格納されると共に、所定のオペレーションシステムの下で各ファイルがフォルダ管理されている。
【0029】
ここで、HD23の記憶領域上に構成されたフォルダ構造について説明する。図3は、HD23におけるフォルダ構造を示した図である。図3に示すように、ローカルサーバー2の起動ドライブ(Cドライブ)の直下に「Root」フォルダFD1が設けられ、「Root」フォルダFD1には、ドライバ更新に用いる各種ファイルやフォルダが格納された「Driverupdate」フォルダFD2が設けられている。そして、この「Driverupdate」フォルダFD2には、上述したドライバ情報ファイルDIFが格納されると共に、「Drivers」フォルダFD3および「Text」フォルダFD4が設けられている。
【0030】
「Drivers」フォルダFD3は、各種のドライバプログラムDPが格納されるフォルダであり、システムに含まれる各プリンタ3の機種およびオペレーションシステム(以下、「OS」という)の組合せに応じて複数のドライバプログラムDPが格納されている。なお、ドライバプログラムDPには、プリンタドライバを機能させるためのドライバプログラム本体に加えて、プログラム本体をインストールするためのインストーラなどのプログラムが含まれる。
【0031】
なお、ローカルサーバー2の「Drivers」フォルダFD3に格納されるドライバプログラムは、ローカルネットワークシステム7の管理者によって許可されたバージョンのものに限られている。すなわち、プリンタメーカーより最新バージョンのドライバプログラムが提供されていても、プリンタドライバの動作確認やセキュリティ上の確認などが取れていないものについては「Drivers」フォルダFD3に格納されず、確認がとれて管理者から更新許可を受けたバージョンのドライバプログラムのみが格納されるように管理されている。図3の例では、「Drivers」フォルダFD3には、更新許可を受けたプリンタ機種「PrinterA」、OSの種類「OS1」に対応するバージョンのプリンタドライバのドライバプログラムDP1、プリンタ機種「PrinterA」、OSの種類「OS2」に対応するドライバプログラムDP2、…が格納されている。
【0032】
「Text」フォルダFD4は、ドライバプログラムDPのバージョン情報、公開日、前バージョンに対する変更内容などをテキスト形式で記述したドキュメント(以下、「リリースノートRN」という)が格納されるフォルダであり、「Drivers」フォルダFD3に格納されるドライバプログラムDPのそれぞれについてリリースノートRNが格納される。すなわち、図3の例では、「Drivers」フォルダFD3に格納されたドライバプログラムDP1に関するリリースノートRN1、ドライバプログラムDP2に関するリリースノートRN2などが「Text」フォルダFD4に格納される。
【0033】
ドライバ情報ファイルDIFは、上述したように、ローカルサーバー2に格納されている各ドライバプログラムDPおよびリリースノートRNについて格納先を示すパス情報を一元的に管理するデータベースである。このドライバ情報ファイルDIFは、図4(a)に示すように、「Drivers」フォルダFD3に格納された1つのドライバプログラムDPに対して、対応する機種の機種名およびOSの種類を示す対応情報CD、ドライバのバージョンを示すバージョン情報VD、ドライバプログラムDPを格納した場所へのパスを示すロケーション情報LD1、ドライバプログラムDPのデータサイズを示すサイズ情報SD、およびリリースノートRNのドキュメントを格納した場所へのパスを示すロケーション情報LD2とが所定のフォーマットに従って順番に記述される。
【0034】
そして、ドライバ情報ファイルDIFには、「Drivers」フォルダFD3に格納された各ドライバプログラムDPについて、図4(a)のフォーマットに従う記述を含んでいる。例えば、ドライバ情報ファイルDIFの具体例を示す図4(b)の場合、まず、ドライバ情報ファイルDIFの最初の記述CODE1により、プリンタ機種「PrinterA」、OSの種類「OS1」に対応するドライバプログラムDP1について、格納場所、データサイズ、当該ドライバプログラムDP1に対応するリリースノートRN1の格納場所が順番に示されている。そして、次の記述CODE2により、プリンタ機種「PrinterA」、OSの種類「OS2」に対応するドライバプログラムDP2について、格納場所、データサイズ、当該ドライバプログラムDP2に対応するリリースノートRN2の格納場所が順番に示されている。このように、ドライバ情報ファイルDIFには、「Drivers」フォルダFD3に格納された各ドライバプログラムDPについての情報が順番に記述される。
【0035】
また、ドライバ情報ファイルDIFは予め決められた所定の場所に格納されているので、クライアント装置4は、ドライバを更新しようとする場合、ローカルサーバー2のドライバ更新用サイトに接続して、所定の場所に格納されたドライバ情報ファイルDIFを参照することにより機種・OSに対応するドライバプログラムDPを特定し、そのドライバプログラムDPへのパスを辿って、適用すべきドライバプログラムDPおよびそのプログラムのリリースノートRNにアクセスすることができる。
【0036】
なお、上述したドライバ情報ファイルDIFは、システムの管理者がフォーマットに従って自らコードを入力することにより生成することも可能であるが、本実施例では、後述するプリンタドライバのドライバ情報ファイル生成機能を用いて生成可能であり、「Driverupdate」フォルダFD2には、いずれかの方法によって生成されたドライバ情報ファイルDIFが予め格納されているものとする。
【0037】
また、HD23に格納されたドライバプログラムDPは、記録媒体Mに記録された形態で供給され、ローカルサーバー2の読取ドライブ装置27が記録媒体Mから読み出したデータをHD23に記録したものである。なお、記録媒体Mの例としては、CD−ROM、DVD−ROMなどの光ディスクや、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、メモリカード、携帯型ハードディスクなど、コンピュータ読み取り可能な種々の記録媒体が挙げられる。もっとも、システムの管理者などが、外部サーバー6のドライバ更新用サイトから対応するドライバプログラムの格納場所を探し出して、ネットワークを介して外部サーバー6からダウンロードするようにしてもよい。
【0038】
次に、外部サーバー6について説明する。外部サーバー6は、プリンタの各機種・OSに対応するドライバプログラムを格納するサーバーであり、格納したドライバプログラムをインターネットを介して公開する。この外部サーバー6はプリンタメーカーによって管理されており、プログラム上の不具合の修正や機能追加などがなされた新しいバージョンのドライバプログラムDPをプリンタメーカーが作成すると、従来のドライバプログラムDPに替えて、新しいバージョンのドライバプログラムDPを外部サーバー6に格納することによって、常に最新バージョンのものが公開されるよう管理されている。
【0039】
なお、外部サーバー6は、ローカルサーバー2と同様に、CPU、ROM、RAM、HD、通信I/F、…などの構成を有しており、HDには、各機種・OSについての最新バージョンのドライバプログラムDPおよびそのリリースノートRNが格納されると共に、および各ドライバプログラムDPにアクセスするためのドライバ情報ファイルDIFが予め決められた所定の場所に格納されている。これにより、クライアント装置4が、ドライバを更新しようとする場合、外部サーバー6のドライバ更新用サイトに接続して、所定の場所に格納されたドライバ情報ファイルDIFを参照して、機種・OSに対応するドライバプログラムDPを特定し、そのドライバプログラムDPへのパスを辿ることによって、適用すべきドライバプログラムDPおよびそのプログラムのリリースノートRNにアクセス可能である。
【0040】
次に、クライアント装置4について説明する。クライアント装置4は、プリンタ3を制御するためのホスト装置であり、図5に示すように、CPU40と、ROM41と、RAM42と、HD(記憶部)43と、通信I/F44と、表示I/F45と、入出力I/F46と、読取ドライブ装置47とを備えている。クライアント装置4の具体例としては、汎用のパーソナルコンピュータなどが挙げられる。
【0041】
CPU40は、クライアント装置4の各構成の動作を制御する制御装置である。ROM41は制御用などのプログラムなどが記憶された不揮発性メモリであり、RAM42はワーキングメモリなどとして用いられる汎用のメモリである。表示I/F45は、外部の表示装置とのインターフェイス部分であり、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイ(表示部)48が接続される。通信I/F44は、ネットワークに接続するインターフェイス部分である。入出力I/F46は、キーボード49aやマウス49bなどの入力機器(操作部)が接続するインターフェイス部分である。
【0042】
プリンタ3のホスト装置であるクライアント装置4のHD43には、ドライバプログラムDPが所定のフォルダに格納されると共に、所定のオペレーションシステムの下で、プリンタドライバとして機能するために必要な設定が適宜なされている。なお、図1に示すように、ローカルネットワークシステム7に、複数のプリンタ3が含まれている場合、HD43には、各プリンタ3の機種に対応するドライバプログラムがそれぞれインストールされることによって、各プリンタ3のプリンタドライバが機能し、クライアント装置4は複数のプリンタ3に対するホスト装置として機能する。
【0043】
また、クライアント装置4にインストールされたドライバプログラムDPは、ローカルサーバー2の場合と同様に、記録媒体Mに記録された形態でクライアント装置4の読取ドライブ装置47に供給されたり、ネットワークを介して外部サーバー6またはローカルサーバー2からダウンロードすることによって、HD43に格納されたものである。
【0044】
次に、プリンタドライバの機能構成について説明する。図6に示すように、プリンタドライバ50は、適合ファイル取得部(プログラム取得手段)51と、ドライバ更新部(ドライバ更新手段)52と、ドライバ情報取得部(ドライバ情報ファイル取得手段)53と、ドライバ情報ファイル取得部54と、ドライバ情報ファイル生成部(ドライバ情報ファイル生成手段)55と、を有している。
【0045】
適合ファイル取得部51は、ローカルサーバー2または外部サーバー6のうちからドライバプログラムDPの取得先を選択するための画面をディスプレイ48に表示させる処理や、選択されたサーバーに格納されたドライバ情報ファイルDIFを参照して、自身のクライアント装置4に適合するドライバプログラムDPのファイルをサーバーから取得する処理等を行う。ドライバ更新部52は、取得したドライバプログラムDPにより、自身の装置にインストールされたプリンタドライバを更新する処理を行う。すなわち、適合ファイル取得部51およびドライバ更新部52によりプリンタドライバの更新機能が提供される。
【0046】
一方、ドライバ情報取得部53は、ドライバ情報ファイルDIFを生成するために要するドライバ情報を収集して取得する処理を行い、ドライバ情報ファイル取得部54はローカルサーバー2からドライバ情報ファイルDIFを取得する。そして、ドライバ情報ファイル生成部55は、取得したドライバ情報ファイルDIFの記述に、上述したフォーマットに従うドライバ情報の記述を追記することにより、新たなドライバ情報ファイルDIFを生成する。すなわち、ドライバ情報取得部53、ドライバ情報ファイル取得部54およびドライバ情報ファイル生成部55により、ドライバ情報ファイルDIFを生成する機能が提供される。
【0047】
このように、本プリンタドライバ50は、プリンタの印刷を制御する通常の印刷制御機能に加えて、プリンタドライバのバージョンを更新するドライバ更新機能、およびドライバ更新システム1におけるドライバ更新機能を実現させるために不可欠なドライバ情報ファイルDIFを生成するドライバ情報ファイル生成機能を実現するものである。
【0048】
次に、プリンタドライバ50のバージョンを更新する際の処理、すなわちドライバ更新機能について、図7のフローチャートに従って詳細に説明する。
【0049】
プリンタドライバ50のバージョンを更新しようとするユーザーは、キーボードやマウスなどの入力機器を操作して、図8に示すように、ドライバ自動更新ボタン101を含む印刷設定画面100をディスプレイに表示させる。そして、入力機器への操作によりドライバ自動更新ボタン101が押下されると、図7に示すドライバ更新処理が開始される。なお、プリンタドライバ50はクライアント装置4およびローカルサーバー2にインストールされるものであるが、以下では、クライアント装置4において行われる処理を例にして説明する。
【0050】
ドライバ更新処理を開始すると、まず、CPU40は、表示I/F45を介して表示信号を出力し、接続先のサーバーを指定するための接続先選択画面をディスプレイ48に表示させる(ステップS100)。図9に例として示すように、接続先選択画面110には、プリンタメーカーが管理する外部サーバー6のサイトを接続先に指定するための選択肢111と、ローカルサーバー2に指定のサイトを接続先に指定するための選択肢112と、選択肢112を選択したときにローカルサーバー2に格納されたドライバ情報ファイルDIFへのパスを入力するための入力欄113と、入力を確認するための入力確認ボタン114と、後述するドライバ情報ファイル生成処理を実行するための自動生成ボタン115とが含まれている。
【0051】
システム管理者などは、接続先選択画面110に従って、選択肢111,112のうちから所望の選択肢を選択する。選択肢111が選択された状態、または選択肢112が選択された場合にはローカルサーバー2に格納されたドライバ情報ファイルDIFへのパスが入力欄113に入力された状態で、入力確認ボタン114が押下されると、ステップS110に進む。
【0052】
ここで、接続先選択画面110においては、オペレーションシステムのユーザー管理によって、管理者権限を有したユーザーがクライアント装置4にログインしている場合に限って、選択肢111,112の選択が変更可能であり、管理者権限を有しないユーザーがログインしている場合には、選択肢の変更を受け付けないように制御することが望ましい。ローカルネットワークシステム7の管理者が設定した接続先を、管理者に無断でユーザーが変更してしまうことを防ぐことができるからである。
【0053】
ステップS110に処理が進むと、CPU40は、指定された接続先が指定のサーバーになっているか否かを判断する。指定された接続先が指定のサーバーであれば(ステップS110:Yes)、ドライバプログラムDPの取得先とするサーバーが指定されて、CPU40は、入力欄113に指定された接続先(本実施例では、ローカルサーバー2の「Driverupdate」フォルダFD2)にあるドライバ情報ファイルDIFを参照する(ステップS120、図10(a)参照)。
【0054】
次に、CPU40は、参照したドライバ情報ファイルDIFのうちから、適合する情報を検索する(ステップ130)。ここでは、自身のクライアント装置4にインストールされたプリンタドライバ50が対応するプリンタの機種名、およびクライアント装置4にインストールされたOSの種類についての情報を取得して、ドライバ情報ファイルDIF内の対応情報CDと照合する。これにより、更新しようとする当該プリンタドライバ50が対応する機種およびOSに適合するドライバプログラムDPに関する記述を、ドライバ情報ファイルDIFの記述のうちから特定し、適合するドライバプログラムDPについてのバージョン情報VD、ロケーション情報LD1、サイズ情報SDおよびロケーション情報LD2を取得する。
【0055】
次に、CPU40は、取得したバージョン情報VDを参照して、プリンタドライバ50を更新する必要があるか否かを判断する(ステップS140)。適合するドライバプログラムDPのバージョン情報VDに示されるバージョンが、クライアント装置4にインストールされたプリンタドライバ50自身のバージョンより新しい場合、更新の必要ありと判断して(ステップS140:Yes)、ステップS150に進む。取得したバージョン情報VDに示されるバージョンが、プリンタドライバ50自身のバージョンより以前のものまたは同じである場合、更新の必要なしと判断して(ステップS140:No)、プリンタドライバ50を更新することなく、図7の処理を終了する。
【0056】
ステップS150に処理が進むと、CPU40は、取得したロケーション情報LD1,LD2に従って、ステップS100において指定したサーバーにアクセスすることにより、本プリンタドライバ50に適合するファイルであるドライバプログラムDPおよびリリースノートRNを取得する(図10(b)参照)。
【0057】
次に、CPU40は、取得したドライバプログラムDPに含まれるインストーラを実行して、自身のクライアント装置4にインストールされたプリンタドライバ50のバージョンを更新する(ステップS160)。ここでは、CPU40は、インストーラを実行して、インストールしようとするプリンタドライバ50のリリースノートRNをディスプレイ48に表示させ、更新しようとするバージョンの修正内容などをユーザーに確認させる処理、ドライバのインストール作業をユーザーに指示する画面表示などを制御する。そして、更新前のドライバプログラムDPを格納する所定のフォルダに、サーバーから取得したドライバプログラムDPを上書きして、プリンタの登録やポート設定など、必要な設定を行うことにより新たなバージョンのプリンタドライバ50がインストールされる。これにより、クライアント装置4にインストールされたプリンタドライバ50が、ローカルネットワークシステム7の管理者から更新許可を受けたバージョンのプリンタドライバ50に更新されて、図7の処理を終了する。
【0058】
一方、ステップS110において、接続先がプリンタメーカーのウェブサイトに指定されていた場合(ステップS110:No)、CPU40は、インターネットを介して、外部サーバー6が管理するプリンタメーカーのサイトに接続して、外部サーバー6のドライバ情報ファイルDIFを参照する(ステップS170)。この場合は、ステップS130〜S160の処理において、外部サーバー6から取得したドライバ情報ファイルDIFに従って、インストール先である自身のクライアント装置4に適合するファイルの情報を検索して(ステップS130)、ドライバの更新が必要であれば(ステップS140:Yes)、外部サーバー6から適合するファイルを取得して(ステップS150)、プリンタドライバ50を更新する(ステップS160)。これにより、クライアント装置4にインストールされたプリンタドライバ50が、プリンタメーカーにより公開された最新のバージョンのプリンタドライバ50に更新されて、図7の処理を終了する。ドライバの更新が必要でなければ(ステップS140:No)、外部サーバー6からドライバプログラムDPをダウンロードすることなく、図7の処理を終了する。
【0059】
なお、ステップS100〜S150およびステップS170はCPU40が適合ファイル取得部51として行う処理、ステップS160はCPU40がドライバ更新部52として行う処理である。
【0060】
次に、ドライバ情報ファイルDIFを生成する際の処理、すなわちドライバ情報ファイル生成機能について説明する。なお、ドライバ情報ファイル生成機能についても、ローカルサーバー2およびクライアント装置4のいずれにインストールされたプリンタドライバ50にも備わる機能であるが、以下では、クライアント装置4において行われる処理を例にして説明する。
【0061】
まず、ドライバ情報ファイル生成処理に先立ち、システムの管理者などは、プリンタメーカーによって新たな公開されたバージョンのドライバプログラムDP’をクライアント装置4にインストールして、そのバージョンのプリンタドライバ50’を用いた動作確認を行う。そして、当該ドライバプログラムDP’による更新を新たに許可すると、ドライバプログラムDP’をローカルサーバー2の「Drivers」フォルダFD3に新たに格納すると共に、当該ドライバプログラムDP’のリリースノートRNを「Text」フォルダFD4に格納する(図13(a)のローカルサーバー2を参照)。こうして、ドライバ情報ファイル生成処理を行うための準備が行われた後、クライアント装置4にインストールされた、新たに更新が許可されることとなったバージョンのプリンタドライバ50’を用いて、管理者などがキーボード49aやマウス49bを操作することにより、接続先選択画面110に含まれるドライバ自動更新ボタン101(図8参照)、印刷設定画面100に含まれる自動生成ボタン115(図9参照)が順に押下されると、図11のフローチャートに示すドライバ情報ファイル生成処理が開始される。
【0062】
なお、ドライバ情報ファイル生成処理が開始される条件としては、管理者権限のあるユーザーがログインしている場合に限るものとし、管理者権限を有しないユーザーがログインしている場合には、例えば、接続先選択画面110において自動生成ボタン115を無効とすることにより、ドライバ情報ファイル生成処理を開始できないように制御することが望ましい。これは、ユーザーが管理者に無断でドライバ情報ファイルDIFを変更してしまうことを防ぐためである。
【0063】
ドライバ情報ファイル生成処理を開始すると、CPU40は、ドライバ情報ファイルDIFを生成するために必要な情報を入力するためのファイル指定画面をディスプレイ48に表示させる(ステップS200)。図12に例として示すように、ファイル指定画面120には、「Root」フォルダFD1へのパスを指定する入力欄121、ドライバ情報ファイルDIFの登録先へのパスを指定する入力欄122、ドライバプログラムDP’へのパスを指定する入力欄123、そのドライバプログラムDP’のリリースノートRNへのパスを指定する入力欄124、およびドライバ情報ファイルDIFの作成を指示するためのファイル作成ボタン125が含まれている。管理者が、入力欄121,122,123,124に対して順に、ローカルサーバー2の「Root」フォルダFD1へのパス情報、ドライバ情報ファイルDIFの格納場所へのパス情報、新たに格納したドライバプログラムDP’へのパス情報、およびそのドライバプログラムDP’のリリースノートRNへのパス情報を入力した後、ファイル作成ボタン125が押下されると、ステップS210に進む。
【0064】
ステップS210に処理が進むと、CPU40は、入力欄122に指定された格納場所のローカルサーバー2にアクセスして、ネットワークを介してローカルサーバー2からドライバ情報ファイルDIFを取得する(図13(a)参照)。
【0065】
次に、CPU40は、自身のクライアント装置4にインストールされたプリンタドライバ50’について対応情報CD、バージョン情報VD、サイズ情報SDを収集することにより、入力欄123に指定されたドライバプログラム、すなわち「Drivers」フォルダFD3に新たに格納されたドライバプログラムDP’についてのドライバ情報DIである、対応情報CD、バージョン情報VD、サイズ情報SDを取得する(ステップS220、図13(b)参照)。
【0066】
次に、CPU40は、ステップS210において取得したドライバ情報ファイルDIFの記述に、入力欄123に入力されたドライバプログラムDP’へのパス情報、入力欄124に入力されたリリースノートRNへのパス情報、およびドライバ情報DIの記述を、上述したフォーマットに従って追記することにより、「Drivers」フォルダFD3に新たに格納されたドライバプログラムDP’に対応した、新たなドライバ情報ファイルDIF’を生成する(ステップS230、図13(c)参照)。
【0067】
次に、CPU40は、生成したドライバ情報ファイルDIF’を、ローカルサーバー2に出力して、ファイル指定画面120の入力欄122に指定されたパスにあるフォルダ(「Driverupdate」フォルダFD2)に格納させることによって、指定フォルダにドライバ情報ファイルDIF’を登録する(ステップS240、図13(d)参照)。ここでは、「Driverupdate」フォルダFD2に既に登録されているドライバ情報ファイルDIFに、新たに格納したドライバプログラムDP’に対応するドライバ情報ファイルDIF’を上書きすることにより、更新登録する。
【0068】
なお、「Driverupdate」フォルダFD2にドライバ情報ファイルDIFが予め登録されていなかった場合は、ステップS210において取得されるファイルがないため、ステップS230では新たに格納したドライバプログラムDP’のみに対応するドライバ情報ファイルDIF’を生成してから、ステップS240においてドライバ情報ファイルDIF’をローカルサーバー2の指定フォルダに新規登録する。
【0069】
ここで、図12に示すように、ファイル指定画面120には、指定されたドライバ情報ファイルへのパスを、接続先選択画面110の指定URLに設定するか否かを設定するためのチェックボックス126が含まれている。チェックボックス126にチェックが入れられた状態で、ドライバ情報ファイルDIFの生成が指示されていた場合、上述のように、ドライバ情報ファイルDIF’を指定フォルダに登録すると共に、ドライバ更新処理において表示される接続先選択画面110の入力欄113(図9参照)に対して、登録したドライバ情報ファイルDIF’へのパスをデフォルト値として扱う。これにより、以降に行うドライバ更新処理において、ユーザーは、ドライバ情報ファイルDIFの入力欄113にパスを入力する必要がなくなる。
【0070】
なお、ステップS200〜S220はCPU40がドライバ情報取得部53として行う処理、ステップS230,S240はCPU40がドライバ情報ファイル生成部55として行う処理である。また、以上では、クライアント装置4のプリンタドライバ50が行うドライバ情報ファイル生成処理について説明したが、ローカルサーバー2のプリンタドライバ50によっても同様にしてドライバ情報ファイル生成処理を行うことができる。
【0071】
以上に述べたように、本実施例のドライバ更新システム1におけるプリンタドライバ50では、ローカルネットワークシステム7の管理者より更新許可を受けたバージョンのドライバプログラムDPが格納されたローカルサーバー2、または最新バージョンのドライバプログラムDPが格納された外部サーバー6のうち、ドライバ更新時に接続するサーバーを、接続先選択画面110から任意に選択できる。したがって、接続先選択画面110においてローカルサーバー2を接続先に選択することにより、情報機器制御装置にインストールされたドライバのバージョンを、更新許可を受けたバージョンに管理することができる。また、外部サーバー6を接続先に選択することにより、情報機器制御装置にインストールされたドライバのバージョンを最新バージョンに管理することができる。このように、接続先選択画面110から接続先のサーバーを変更することにより、主に一般ユーザーからの指示に従って行われるドライバ更新処理によって更新されるプリンタドライバ50のバージョンを、更新の許可を受けたバージョン、または最新のバージョンのいずれかの所望のバージョンに管理することができる。したがって、システムの管理者などは、ローカルネットワークシステム7におけるプリンタドライバ50のバージョン管理を柔軟に運用することができる。
【0072】
なお、接続先選択画面110における接続先の変更は、管理者権限を有する者のログイン時に限られているので、ドライバ更新時の接続先を管理者に無断で一般のユーザーが変更してしまうことを防ぐことができる。
【0073】
また、プリンタドライバ50は、新たに更新の許可を受けたバージョンのドライバプログラムDP’が「Drivers」フォルダFD3に新たに格納された場合に、新たに格納されたドライバプログラムDP’に対応するドライバ情報ファイルDIF’を生成する機能を備えているので、システムの管理者などは、ドライバ情報ファイルDIF’のコードを打ち込むという煩わしい作業を行う必要がなく、ファイル指定画面120において最低限の情報を入力することによりドライバ情報ファイルDIF’を容易に生成することができる。したがって、例えば、新たなバージョンのドライバプログラムDP’について検証を行って、ローカルネットワークシステム7内への更新を許可した場合に、許可したバージョンのドライバプログラムDP’をローカルサーバー2に格納して、ドライバ情報ファイルDIF’を生成させることにより、ローカルネットワークシステム7内におけるプリンタドライバ50のバージョン管理を簡単に行うことができ、システムの管理者などへの運用上の負担を低減することができる。
【0074】
さらに、ドライバ情報ファイルDIFを生成する際に、ファイル指定画面120の入力欄122に指定されたドライバ情報ファイルDIFの登録先へのパスは、以降、接続先選択画面110における入力欄113のデフォルト値として扱われるので、以降にドライバ更新処理を行う際、ユーザーが入力欄113にパス情報を入力する必要がなくなり、ドライバ更新の作業をより簡単に行うことができる。
【0075】
以上、実施の形態の一実施例について説明したが、以下の変形例としてもよい。
【0076】
(変形例1)上記実施例では、新しいバージョンのドライバプログラムDPをサーバーから取得することによってドライバを更新するようにしたが、インストール済みのドライバプログラムDPと、新しいバージョンのドライバプログラムDPとの差分ファイルをサーバーから取得し、インストール済みのファイルに対して差分ファイルを適用することにより、ドライバのバージョンを更新するようにしてもよい。
【0077】
(変形例2)上記実施例では、プリンタドライバ50にドライバ情報ファイル生成機能が備わっていたが、プリンタドライバとは別のアプリケーションにドライバ情報ファイル生成機能をもたせるようにしてもよい。すなわち、CPUをドライバ情報取得部53およびドライバ情報ファイル生成部55として機能させるアプリケーションプログラム(ファイル生成プログラム)をクライアント装置4またはローカルサーバー2にインストールすることにより、ドライバ情報ファイル生成機能を実現してもよい。
【0078】
(変形例3)上記実施例では、情報機器の一例として、ディジタル情報を出力するプリンタのプリンタドライバについてバージョンを更新するシステムについて説明したが、情報機器としてはこれに限られることなく、複写機、ファックスなどの画像形成装置の他、スキャナ、外付けのハードディスク装置、ドライブ装置などの周辺機器のドライバについて、ドライバのバージョンを管理するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本実施例に係るドライバ更新システム構成を示した図。
【図2】ローカルサーバーの構成を示した図。
【図3】フォルダ構造を示した図。
【図4】ドライバ情報ファイルを説明するための図。
【図5】クライアント装置の構成を示した図。
【図6】プリンタドライバの機能的構成を示した図。
【図7】ドライバ更新処理の流れを示したフローチャート。
【図8】印刷設定画面の一例を示した図。
【図9】接続先選択画面の一例を示した図。
【図10】ドライバ更新処理を説明するための図。
【図11】ドライバ情報ファイル生成処理の流れを示したフローチャート。
【図12】ファイル指定画面の一例を示した図。
【図13】ドライバ情報ファイル生成処理を説明するための図。
【符号の説明】
【0080】
1…ドライバ更新システム、2…サーバー、情報機器制御装置としてのローカルサーバー、3…情報機器としてのプリンタ、4…情報機器制御装置としてのクライアント装置、5…ルータ、6…外部サーバー、7…ローカルネットワークシステム、23…ハードディスク、26…入出力I/F、43…記憶部としてのハードディスク、46…入出力I/F、48…表示部としてのディスプレイ、49a…操作部としてのキーボード、49b…操作部としてのマウス、50…プリンタドライバ、51…プログラム取得手段としての適合ファイル取得部、52…ドライバ更新手段としてのドライバ更新部、53…ドライバ情報取得部、54…ドライバ情報ファイル取得手段としてのドライバ情報ファイル取得部、55…ドライバ情報ファイル生成手段としてのドライバ情報ファイル生成部、100…印刷設定画面、110…選択画面としての接続先選択画面、120…ファイル指定画面、DIF…ドライバ情報ファイル、DP…ファイル生成プログラムとしてのドライバプログラム、RN…リリースノート、M…記録媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報機器を制御するドライバのドライバプログラムを格納するサーバーに格納され、ドライバがバージョンを更新する際に、適用すべき前記ドライバプログラムを特定するために参照されるドライバ情報ファイルを生成するファイル生成装置であって、
前記サーバーに新たに格納されるドライバプログラムと同じ種類のドライバプログラムを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記ドライバプログラムに関して、適用すべきドライバプログラムを特定するために必要なドライバ情報を取得するドライバ情報取得手段と、
前記ドライバ情報の内容を記述することにより、前記ドライバ情報ファイルを生成するドライバ情報ファイル生成手段と、を備えることを特徴とするファイル生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載のファイル生成装置において、
前記サーバーに格納された前記ドライバ情報ファイルを取得するドライバ情報ファイル取得手段、をさらに備え、
前記ドライバ情報取得手段は、前記サーバーに新たに格納された前記ドライバプログラムにアクセスするためのドライバ情報を取得し、
前記ドライバ情報ファイル生成手段は、取得した前記ドライバ情報ファイルの記述に、前記ドライバ情報の内容に関する記述を追記することにより、前記サーバーに新たに格納された前記ドライバプログラムに対応するドライバ情報ファイルを生成することを特徴とするファイル生成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のファイル生成装置において、
前記ドライバ情報ファイル生成手段は、
生成した前記ドライバ情報ファイルを前記サーバーに送信し、当該ドライバ情報ファイルを前記サーバーに格納させることを特徴とするファイル生成装置。
【請求項4】
請求項3に記載のファイル生成装置において、
入力操作を受けるための操作部と、
前記ドライバ情報ファイルの格納場所を指定するための入力欄を含む画面を表示する表示部と、をさらに備え、
前記ドライバ情報ファイル生成手段は、前記操作部が受ける入力操作により前記入力欄に指定された格納場所に、生成した前記ドライバ情報ファイルを格納させることを特徴とするファイル生成装置。
【請求項5】
請求項4に記載のファイル生成装置において、
前記入力欄に入力された格納場所の前記ドライバ情報ファイルを参照して、前記サーバーから更新すべきバージョンの前記ドライバプログラムを取得するプログラム取得手段と、
取得した前記ドライバプログラムのドライバを新たにインストールすることにより、インストールされた前記ドライバのバージョンを更新するドライバ更新手段と、を備えることを特徴とするファイル生成装置。
【請求項6】
情報機器を制御するドライバのドライバプログラム、および適用すべき前記ドライバプログラムを特定するために参照されるドライバ情報ファイルを格納するサーバーと、前記ドライバ情報ファイルを参照して適用すべき前記ドライバプログラムを前記サーバーから取得し、前記取得したドライバプログラムにより、インストールされたドライバを更新する情報機器制御装置と、を備えるドライバ更新システムであって、
前記情報機器制御装置は、
前記サーバーに新たに格納されるドライバプログラムと同じ種類のドライバプログラムを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記ドライバプログラムに関して、適用すべきドライバプログラムを特定するために必要なドライバ情報を取得するドライバ情報取得手段と、
前記ドライバ情報の内容を記述することにより、前記ドライバ情報ファイルを生成するドライバ情報ファイル生成手段と、を備えることを特徴とするドライバ更新システム。
【請求項7】
情報機器を制御するドライバのドライバプログラムを格納するサーバーに格納され、ドライバがバージョンを更新する際に、適用すべき前記ドライバプログラムを特定するために参照されるドライバ情報ファイルを生成するファイル生成方法であって、
前記サーバーに新たに格納されるドライバプログラムに関して、適用すべきドライバプログラムを特定するために必要なドライバ情報を取得するステップと、
前記ドライバ情報の内容を記述することにより、前記ドライバ情報ファイルを生成するステップと、を備えることを特徴とするファイル生成方法。
【請求項8】
情報機器を制御するドライバのドライバプログラムを格納するサーバーに格納され、ドライバがバージョンを更新する際に、適用すべき前記ドライバプログラムを特定するために参照されるドライバ情報ファイルを生成するためのファイル生成プログラムであって、
コンピュータに、
前記サーバーに新たに格納されるドライバプログラムと同じ種類のドライバプログラムを記憶する記憶部に記憶された前記ドライバプログラムに関して、適用すべきドライバプログラムを特定するために必要なドライバ情報を取得するステップと、
前記ドライバ情報の内容を記述することにより、前記ドライバ情報ファイルを生成するステップと、を実行させることを特徴とするファイル生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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