説明

ファクシミリ装置および通信制御方法

【課題】ファクシミリメッセージのフレームにできるだけ誤りが生じないように通信回線の品質に応じて送信プロフィールを変更することができる新たな通信制御方法およびファクシミリ装置を提供する。
【解決手段】 受信ファクシミリメッセージに誤りフレームが検出されるか否かに従って再トレーニング要求を動作させるか否かを判定し、再トレーニング要求が動作中であれば、再送されたフレームの誤りの有無に関係なく、送信プロフィールの変更を示すCTC信号を受信するまでPPR信号を送信側へ返信する(S12、S14、S16、S18)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファクシミリ装置に係り、特に受信フレームに誤りを検出した時に受信側がフレームの再送を要求することができるファクシミリ装置およびその通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
まず、ITU−T勧告T.30の誤り訂正方式(Error Correction Mode:ECM)について簡単に説明する。
【0003】
図1に示すように、送信側ファクシミリ装置(以下、「送信機」と略記する。)から受信側ファクシミリ装置(以下、「受信機」と略記する。)へファクシミリメッセージが送信される(ステップS1)。受信機は、受信ファクシミリメッセージのフレームから誤りを検出すると、誤りフレーム(ここではフレーム0,2)の再送を要求する部分ページ要求(Partial Page Request: PPR)信号を送信機へ返信する。送信機は、受信機からのPPR信号を受信すると、再送要求のあったフレームを受信機へ再送信する(S2)。ここで、再送フレーム0に誤りが検出されたとすると、受信機は誤りフレームの再送を要求するPPR信号を送信機へ返信し、それを受けて送信機は再送要求のあったフレームを受信機へ再送信する(S3)。このように受信機は受信した再送フレームから誤りがなくなるまで、送信機へPPR信号の送信を繰り返す。
【0004】
ただし、送信機が同一ブロックに対してPPR信号を4回受信すると、送信機は現在の回線品質に応じた送信プロフィール(変調方式、モデム速度)を選択し、訂正続行(Continue To Correct: CTC)信号で受信機へ通知を行い、次の画情報から通知した変調方式、モデム速度で送信する。
【0005】
このようなECMによるファクシミリ通信方式に関しては、これまでに様々な制御技術が提案がされている。たとえば特許文献1に開示されたファクシミリ通信方式は、全フレーム再送要求あるいは先頭フレームの再送要求が発生すると、送信機はPPR信号の4回受信を待たずにCTC信号を送信することで、適切な伝送速度への迅速な移行を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−341325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、受信機は受信フレームから誤りがなくならない限りPPR信号を送信し、送信機がPPR信号を4回受信することで送信プロフィール(変調方式、モデム速度)の変更が行われる。言い換えれば、送信機がPPR信号を4回受信するする前に再送フレームの受信に成功した場合には、変調方式、モデム速度の変更は行われない。
【0008】
しかしながら、受信フレームに誤りが検出されたということは、現在の変調方式、モデム速度では再度誤りが生じる可能性が高いことを意味する。誤ったフレームを検出する可能性の高い変調方式、モデム速度で通信を続行すると、フレームの再送手順が何回も繰り返され、通信時間が増大する可能性が高くなる。
【0009】
さらに、ECMにおいて、ファクシミリメッセージのフレームから誤りを検出した場合、受信機のコーデック処理は誤りを検出したフレーム以降の処理を実行できない。このために、再送フレームの受信後に未処理のフレームが残ってしまい、受信機は次のファクシミリメッセージを受信する時にメモリビジー状態となってしまう場合がある。ファクシミリメッセージの受信ができないと、受信機は、送信機へ受信不可(Receiver Not Ready: RNR)信号を送信し、次のファクシミリメッセージの送信待機を要求することができる。しかしながら、受信機がRNR信号を送信機へ送信した場合、送信機から受信可(Receiver Ready: RR)信号が送信されてくるが、このRR信号に対して即座にRNR信号を送信すると、RR信号の受信とRNR信号の送信とが繰り返してファクシミリメッセージを転送あるいは処理できない状態となり、最終的にT5(60s±5s)が経過してタイムアウトとなり回線が切断させる可能性がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、ファクシミリメッセージのフレームにできるだけ誤りが生じないように通信回線の品質に応じて送信プロフィールを変更することができる新たな通信制御方法およびファクシミリ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるファクシミリ装置は、予め規定された誤り訂正モードで動作するファクシミリ装置であって、受信ファクシミリメッセージに誤りフレームが検出されるか否かに従って再トレーニング要求を動作させるか否かを判定する判定手段と、前記再トレーニング要求が動作中であれば、再送されたフレームの誤りの有無に関係なく、送信プロフィールの変更を示す訂正続行(CTC)信号を受信するまで部分ページ要求(PPR)信号を送信側へ返信する通信制御手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明による通信制御方法は、予め規定された誤り訂正モードで動作するファクシミリ装置における通信制御方法であって、判定手段が受信ファクシミリメッセージに誤りフレームが検出されるか否かに従って再トレーニング要求を動作させるか否かを判定し、通信制御手段が、前記再トレーニング要求が動作中であれば、再送されたフレームの誤りの有無に関係なく、送信プロフィールの変更を示す訂正続行(CTC)信号を受信するまで部分ページ要求(PPR)信号を送信側へ返信する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ファクシミリメッセージのフレームにできるだけ誤りが生じないように通信回線の品質に応じて送信プロフィールを変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は背景技術を説明するためのファクシミリ通信手順を示すシーケンス図である。
【図2】図2は本発明の一実施形態によるファクシミリ通信制御手順の一例を示すシーケンス図である。
【図3】図3は本実施形態によるファクシミリ装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】図4は本発明の第1実施例による通信制御方法を示すフローチャートである。
【図5】図5は本発明の第2実施例による通信制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明によれば、受信機が受信したファクシミリメッセージから一つでもフレームの誤りを検出した場合、受信機は、その後の再送フレームの誤り有無に関わらず、送信機に送信プロフィール(変調方式および/またはモデム速度)を変更させる規定の回数だけPPR信号を送信する動作を所定条件の下で起動させる。たとえばITU−T勧告T.30における誤り訂正方式の場合、ファクシミリメッセージにて誤りを検出すると、受信機は、その後再送されたフレームを正常に受信したとしても、送信機へPPR信号を4回送信することで再トレーニングを要求する。これによって、受信機は、送信機に対して通信品質がより向上する送信プロフィールを選択させることができる。
【0016】
また、受信機側でのメモリビジー状態が解決しなくなる事態を回避するために、本発明によれば、受信機がメモリビジー状態となった場合、RNR信号の送信タイミングをT4(3s±15%)未満だけで遅らせることで、ファクシミリメッセージの処理時間を作ってメモリビジー状態を解決する。
【0017】
以下、ITU−T勧告T.30の誤り訂正方式ECMにおける本発明の実施形態および実施例について詳細に説明する。
【0018】
1.通信制御シーケンス
図2に示すように、送信側ファクシミリ装置(以下、「送信機」と略記する。)10aから受信側ファクシミリ装置(以下、「受信機」と略記する。)10bへファクシミリメッセージが送信される(ステップS11)。受信機10bは、受信ファクシミリメッセージのフレームから誤りを検出すると、誤りフレーム(ここではフレーム0,2)の再送を要求するPPR信号を送信機10aへ返信する(ステップS12)。同時に、この段階で受信機10bは再トレーニング要求プロセスを起動させるか否かを決定することができる。
【0019】
送信機10aは、受信機からのPPR信号を受信すると、再送要求のあったフレームを受信機へ再送信する(ステップS13)。この再送フレームにも誤りが検出されと、受信機10bは、当該誤りフレームの再送を要求するPPR信号を送信機10aへ返信する(ステップS14)。この段階で受信機10bは再トレーニング要求プロセスを起動させるか否かを決定することもできる。
【0020】
いずれにしても、受信機10bが再トレーニング要求プロセスを起動させると、それ以後の再送フレームに誤りがない場合であっても、受信機10bは1つのフレームを誤りとみなしたPPR信号を送信機10aへ返信する。すなわち、送信機10aは、受信機からのPPR信号を受信すると、再送要求のあったフレームを受信機へ再送信する(ステップS15)。この再送フレームに誤りがなかったとしても、受信機10bは、誤りフレームとして再送を要求するPPR信号を送信機10aへ返信する(ステップS16)。送信機10aは、受信機からのPPR信号を受信すると、再送要求のあったフレームを受信機へ再送信する(ステップS17)。この再送フレームに誤りがなかったとしても、受信機10bは、誤りフレームとして再送を要求するPPR信号を送信機10aへ返信する(ステップS18)。
【0021】
こうして、送信機10aは、同一ブロックに対してPPR信号をECMで規定された回数(4回)受信すると、現在の回線品質に応じた送信プロフィールを選択し、CTC信号で受信機10bへ通知を行い(ステップS19)、これに対して受信機10bが応答CTRを送信機10aへ返すことで、次の画情報から新たな送信プロフィールで送信が行われる。
【0022】
2.ファクシミリ装置
上述した送信機10aはECM機能を持っていればよいので、以下、上述した受信機10bの通信制御を可能にするファクシミリ装置について説明する。
【0023】
図3に示すように、本実施形態によるファクシミリ装置は公衆交換電話網(PSTN)回線20を通してネットワークの交換機30と接続され、他のファクシミリ装置との間でファクシミリ通信が可能である。
【0024】
ファクシミリ装置10は制御部101とユーザインタフェース(UI)制御部102とを有し、制御部101が全ての装置動作を制御し、UI制御部102がユーザの指定に従って本実施形態による動作の条件設定や機能の有効または無効の設定を制御する。記憶部103には、設定された動作条件やPPRに関する各種情報等が記憶される。通信制御部104は、ファクシミリ通信プロトコルの制御や誤りフレームの再送制御を行い、信号解析部105は受信した相手信号を解析し、次の手順信号を決定する。モデム106は、制御部101の制御の下で通信制御部104によりモデム速度等の送信プロフィールの設定が行われ、設定された送信プロフィールでファクシミリ信号の変調/復調を実行する。NCU(Network Control Unit)107はファクシミリ装置10をPSTN回線20を通して交換機30と接続するための制御機器である。なお、画像処理部108は、制御部101の制御の下で送信画像データの符号化や受信画像データの復号化といったコーデック処理を行う。
【0025】
次にファクシミリ装置10の基本的動作について説明する。
【0026】
まず、交換機30からPSTN回線20を通してNCU107が信号を受信すると、受信信号はモデム106によりデジタル信号に変換され通信制御部104に転送される。通信制御部104は入力したデジタル信号を信号解析部105に送り、信号解析部105が信号の内容を解析する。信号解析部105で解析したファクシミリメッセージから誤りが検出されなかった場合には、通信制御部104は制御部101を通して画像処理部108へファクシミリメッセージを送り、画像処理部108はファクシミリメッセージを復号化する。
【0027】
信号解析部105で解析したファクシミリメッセージから誤りが検出された場合には、通信制御部104は当該ファクシミリメッセージを画像処理部108へ送らずに蓄積すると共に、次に述べる第1実施例あるいは第2実施例による通信制御手順を実行する。以下、図4、図5を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。
【0028】
3.通信制御(第1実施例)
図4において、まず、通信制御部104は、上述した再トレーニング要求のプロセス中でるか否かを示す動作フラグをOFFにして(ステップ201)、信号解析部105からの解析結果から受信ファクシミリメッセージがCTC信号であるか否かを判定する(ステップ202)。CTC信号でなければ(ステップ202のNO)、ファクシミリメッセージから1つでも誤りフレームが検出された否かを判定する(ステップ203)。
【0029】
ファクシミリメッセージから誤りフレームが検出されると(ステップ203のYES)、通信制御部104は動作フラグをONにセットし(ステップ204)、モデム106およびNCU107を制御してPPR信号を送信元のファクシミリ装置(10a)へ返信することで誤りフレームの再送信を要求する(ステップ205)。その後、ステップ202へ戻って当該誤りフレームの再送信を待つ。
【0030】
再送フレームを受信すると(ステップ202のNO)、その中に誤りフレームが検出された否かを判定し(ステップ203)、再送フレームから誤りフレームが検出された場合には(ステップ203のYES)、正常なフレームを装置内に保存し、誤りフレームを特定したPPR信号を送信側へ返信する(ステップ205)。
【0031】
再送フレームから誤りフレームが検出されなかった場合には(ステップ203のNO)、通信制御部104は、再送されたフレームを装置内に保存し、続いて動作フラグがONであるか否かを判定する(ステップ205)。上述したように、動作フラグがONであることは再トレーニング要求動作中であることを示す。ここでは、ステップ204で動作フラグがONに設定されているので、動作フラグはONであり(ステップ206のYES)、前回のステップ205と同じ誤りフレームを特定したPPR信号を送信側へ返信する(ステップ207)。続いて、通信制御部104はCTC信号を受信するまでステップ207を繰り返す(ステップ208のNO)。こうしてPPR信号が合計4回送信されると、それに応答して送信側が新たな送信プロフィールを指定したCTC信号を送信する。このCTC信号を受信すると(ステップ208のYES)、通信制御部104はCTR応答を返して(ステップ209)、ステップ201へ戻る。これにより次の画情報から新たな送信プロフィールで送信が行われる。
【0032】
ステップ204を経ることなく誤りフレームが検出されなかった場合には(ステップ203のNO)、動作フラグはOFFのままであるから(ステップ206のNO)、通信制御部104は受信可能かどうかを判定する(ステップ210)。具体的には、上述したように、メモリビジー状態であれば、次のファクシミリメッセージを受信できない。受信可能であれば(ステップ210のYES)、通常のページ受信が行われ(ステップ211)、ステップ201へ戻る。受信不可であれば(ステップ210のNO)、通信制御部104は、RNR信号の送信タイミングをT4(3s±15%)未満で遅延させ(ステップ212)、ファクシミリメッセージの処理時間を作ってメモリビジー状態を解決し、それから送信側へRNR信号を送信して次のファクシミリメッセージの送信を待機することを要求する(ステップ213)。したがって、このRNR信号に対して送信側からRR信号を受信しても、RNR信号の送信タイミングをT4(3s±15%)未満で遅延させるので(ステップ212)、メモリビジー状態を解決することができる。
【0033】
上述したように、ファクシミリメッセージやその後の再送フレームに誤りが検出されるならば、ステップ202〜205が繰り返され、PPR信号が4回送信されると、それに応答して送信側からCTC信号を受信する(ステップ202のYES)。また、誤りフレームが検出されなくとも、一度ステップ204で動作フラグがONにセットされると、CTC信号を受信するまでPPR信号が送信され続ける(ステップ207〜208)。こうして受信側のファクシミリ装置10は、動作フラグがONであれば、誤りフレームの有無に関係なくPPR信号を規定回数送信し、送信側に送信プロフィールの変更を要求することができる。
【0034】
以上説明したように、本実施例においては、ファクシミリメッセージから誤りを検出した場合に、受信側が送信側へ再トレーニングを要求し、送信側に回線劣化に伴う回線品質に応じた変調方式、モデム速度を選択させることができ、通信品質の優れた高い信頼性を持つファクシミリ装置を提供できる。また、RNR信号の送信タイミングを遅延させることで、コーデック処理の処理時間を増やし、メモリビジー状態を解決してからRNR信号を送信することができ、回線切断などの事態を回避できる。
【0035】
4.通信制御(第2実施例)
上述した第1実施例では、図4に示すように、ファクシミリメッセージから誤りフレームが検出されると(ステップ203のYES)、通信制御部104は動作フラグをONにセットする(ステップ204)。これに対して、本発明の第2実施例では、基本的制御動作は同じであるが、上記の動作フラグをONにする条件Cを設定する。無条件で動作フラグをONにすると、誤りフレーム数が少ない場合に通信時間増加の原因となる可能性があるからである。本実施例では、条件Cを変更することで、通信環境に応じた通信時間の短縮を図ることが可能である。
【0036】
図5に示すフローチャートおいて、上記図4と同じ処理ステップには同じ参照番号を付して説明は省略する。ファクシミリメッセージから誤りフレームを1つでも検出した場合(ステップ203のYES)、動作条件Cを満たすかどうかを判定する(ステップ301)。条件Cを満たせば(ステップ301のYES)、第1実施例と同様に動作フラグをONにセットし(ステップ204)、PPR信号を送信する(ステップ205)。条件Cを満たさない場合には(ステップ301のNO)、動作フラグをOFFのままに維持してPPR信号を送信する(ステップ205)。したがって、誤りフレームが検出されても(ステップ203のYES)、条件Cによって動作フラグがONされない場合があり、その場合には再送フレームで誤りが検出されなければ(ステップ203のNO)、受信可能である限りページ受信が実行される(ステップ211)。
【0037】
ステップ301の条件Cは、たとえば次のような式で与えられる。
【0038】
条件C:Y≧1−(1−X)1/N (0 < N ≦ 256、0.0 ≦ X ≦ 1.0)
ここで、Yは現在の誤り率、XはN番目のフレームで誤りフレームを1フレーム以上検出する確率、Nはフレーム番号である。条件Cは「現在の誤り率Yが、N番目のフレームで誤りフレームを1フレーム以上検出する確率がXとなる誤り率以上となるか?」を意味する。この条件Cにおいて、フレーム番号Nおよび確率XはUI制御部102から設定し、現在の誤り率Yは受信したファクシミリメッセージの誤りフレーム数をブロックサイズで除することで算出できる。Nを大きくしXを小さくすると、再トレーニング要求を行う(すなわち動作フラグをONにする)割合が大きくなり、Nを小さくしXを大きくすると再トレーニング要求を行う割合が小さくなる。また、X=0とした場合、Nの値に関係なく、図4に示すフローチャートと同様の動作となり、X=1とした場合、従来の動作手順となる。
【0039】
この動作条件Cを満たすとき、動作フラグをONにし、動作条件を満たさないとき動作フラグの状態を維持することで、誤りフレーム数に応じた動作切り替えが可能である。
【0040】
このように、本発明の動作条件をUI制御部105から指定することで、あらゆる通信環境に応じた変調方式、モデム速度を選択することができ、通信時間が短く誤りのない通信を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明はITU−T各国T.30におけるECM機能を持ったファクシミリ装置からファクシミリメッセージを受信するファクシミリ装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0042】
10 ファクシミリ装置
10a 送信機(送信側ファクシミリ装置)
10b 受信機(受信側ファクシミリ装置)
20 PSTN回線
30 交換機
101 制御部
102 UI制御部
103 記憶部
104 通信制御部
105 信号解析部
106 モデム
107 NCU
108 画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め規定された誤り訂正モードで動作するファクシミリ装置であって、
受信ファクシミリメッセージに誤りフレームが検出されるか否かに従って再トレーニング要求を動作させるか否かを判定する判定手段と、
前記再トレーニング要求が動作中であれば、再送されたフレームの誤りの有無に関係なく、送信プロフィールの変更を示す訂正続行(CTC)信号を受信するまで部分ページ要求(PPR)信号を送信側へ返信する通信制御手段と、
を有することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
前記通信制御手段は、前記PPR信号を予め規定された回数返信することで、前記送信側から前記CTC信号を受信し、当該CTC信号により指定された送信プロフィールに従って前記送信側からファクシミリメッセージを受信する、ことを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項3】
前記判定手段は、受信ファクシミリメッセージに1つでも誤りフレームが検出されれば、前記再トレーニング要求を動作させることを特徴とする請求項1または2に記載のファクシミリ装置。
【請求項4】
前記判定手段は、受信ファクシミリメッセージに誤りフレームが検出され、かつ、現在のフレーム誤り率がユーザ設定可能な誤り率以上であれば、前記再トレーニング要求を動作させることを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載のファクシミリ装置。
【請求項5】
予め規定された誤り訂正モードで動作するファクシミリ装置における通信制御方法であって、
判定手段が受信ファクシミリメッセージに誤りフレームが検出されるか否かに従って再トレーニング要求を動作させるか否かを判定し、
通信制御手段が、前記再トレーニング要求が動作中であれば、再送されたフレームの誤りの有無に関係なく、送信プロフィールの変更を示す訂正続行(CTC)信号を受信するまで部分ページ要求(PPR)信号を送信側へ返信する、
ことを特徴とする通信制御方法。
【請求項6】
前記通信制御手段は、前記PPR信号を予め規定された回数返信することで、前記送信側から前記CTC信号を受信し、当該CTC信号により指定された送信プロフィールに従って前記送信側からファクシミリメッセージを受信する、ことを特徴とする請求項5に記載の通信制御方法。
【請求項7】
前記判定手段は、受信ファクシミリメッセージに1つでも誤りフレームが検出されれば、前記再トレーニング要求を動作させることを特徴とする請求項5または6に記載の通信制御方法。
【請求項8】
前記判定手段は、受信ファクシミリメッセージに誤りフレームが検出され、かつ、現在のフレーム誤り率がユーザ設定可能な誤り率以上であれば、前記再トレーニング要求を動作させることを特徴とする請求項5−7のいずれか1項に記載の通信制御方法。
【請求項9】
予め規定された誤り訂正モードで動作するファクシミリ装置におけるプログラム制御プロセッサを機能させるプログラムであって、
判定手段が受信ファクシミリメッセージに誤りフレームが検出されるか否かに従って再トレーニング要求を動作させるか否かを判定し、
通信制御手段が、前記再トレーニング要求が動作中であれば、再送されたフレームの誤りの有無に関係なく、送信プロフィールの変更を示す訂正続行(CTC)信号を受信するまで部分ページ要求(PPR)信号を送信側へ返信する、
ように前記プログラム制御プロセッサを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
予め規定された誤り訂正モードで動作するファクシミリ通信システムであって、
送信側ファクシミリ装置がファクシミリメッセージを受信側ファクシミリ装置へ送信し、
前記受信側ファクシミリ装置が受信ファクシミリメッセージに誤りフレームが検出されるか否かに従って再トレーニング要求を動作させるか否かを判定し、
前記再トレーニング要求が動作中であれば、前記送信側ファクシミリ装置から再送されたフレームの誤りの有無に関係なく、前記送信側ファクシミリ装置から送信プロフィールの変更を示す訂正続行(CTC)信号を受信するまで部分ページ要求(PPR)信号を前記送信側ファクシミリ装置へ返信する、
を有することを特徴とするファクシミリ通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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