ファクシミリ装置及びその制御方法、プログラム。
【課題】FAXの送信履歴を効率的に削除し、送信履歴からFAX送信先を選択する際の誤選択を防止する。
【解決手段】送信案内文書を送信した送信先を送信履歴として管理し、送信履歴として管理されている送信先に対してのみ実文書の送信を許可するとともに、送信履歴をユーザ毎に管理し、実文書の送信が完了した場合または送信案内文書の送信から予め設定された時間経過した場合に、当該実文書の送信の前提となった送信履歴を削除することで、送信履歴の件数増加を防ぎ、送信履歴から送信先を選択する際の誤選択を低減する。
【解決手段】送信案内文書を送信した送信先を送信履歴として管理し、送信履歴として管理されている送信先に対してのみ実文書の送信を許可するとともに、送信履歴をユーザ毎に管理し、実文書の送信が完了した場合または送信案内文書の送信から予め設定された時間経過した場合に、当該実文書の送信の前提となった送信履歴を削除することで、送信履歴の件数増加を防ぎ、送信履歴から送信先を選択する際の誤選択を低減する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FAX送信装置のリダイアル送信制御に関する技術および送信履歴の削除技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機等を用いたFAX通信が頻繁に行われているが、相手先の回線番号を誤って入力すると、誤って送信した相手方に迷惑をかけるだけでなく、送信した情報が秘匿する必要のある情報である場合には、情報漏えいとしてセキュリティ面で重大な問題となる。相手先の回線番号の誤入力を防止する策としては、短縮登録を利用する、リダイアル(送信履歴)を利用するといった方法が採られている。
【0003】
しかし、短縮登録を利用する方法によれば、回線番号を入力する際のミスを低減させることは可能であるが、短縮登録の件数が多くなると、登録されている回線番号を選択する際に選択ミスをする可能性が残る。
【0004】
また、リダイアルを利用して送信する方法によっても、履歴が多数あるとリダイアル番号を選択する際に誤った番号を選択してしまうという選択ミスをする可能性が残る。
【0005】
特許文献1には短縮登録を削除する技術として、ワンタッチダイヤルキーまたは短縮ダイヤルキーに登録してある電話番号が間違っていた場合や使用停止になっている場合に当該電話番号を削除する技術が公開されている。
【0006】
また、特許文献2には通信履歴を削除する技術として、通信の相手先を指定することで、指定された相手先に関連する通信履歴をまとめて削除する技術が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−142863号公報
【特許文献2】特開2006−270269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の技術は、間違っていた場合や使用停止になっている場合に該電話番号の短縮登録を削除するものであり、正常に通信可能な番号については削除されない。そのため、短縮登録の件数が増加していく可能性は排除できず、送信する際に送信先を誤選択する可能性は残ってしまう。
【0009】
また、特許文献2の技術は、削除したい履歴に関連する相手先を指定することで、履歴の削除を行う技術であるため、ユーザが定期的に削除作業を行わなければ、履歴件数の増加を防ぐことはできない。そのため、特許文献2の技術を用いても送信する際に送信先を誤選択する可能性は残ってしまう。
【0010】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、送信履歴からの送信のみを許可することで誤った宛先に対する送信を防ぐとともに、ユーザ毎に送信履歴を管理し、送信履歴を効率的に削除することで履歴件数の増加を防ぎ、送信履歴からFAX送信を行う際の送信履歴の誤選択を防止する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ユーザから送信先の指定を受け付ける送信先受付手段と、送信原稿を電子的なデータとして読み取る読取手段と、送信案内文書を生成する送信案内文書生成手段と、前記送信先受付手段で受け付けた送信先に対して前記送信案内文書生成手段が生成した送信案内文書を送信する送信案内文書送信手段と、前記送信案内文書送信手段が送信案内文書を送信した送信先と前記読取手段が読み取った送信原稿データとを対応付けて送信履歴として記憶する送信履歴記憶手段と、ユーザから前記送信履歴記憶手段に記憶された送信履歴の選択を受け付ける送信履歴選択受付手段と、前記送信履歴選択受付手段で選択を受け付けた送信履歴に含まれる送信先に対して、当該送信先に対応付けられた送信原稿データを送信する送信手段とを備えることを特徴とするファクシミリ装置。
【0012】
また本発明は、ファクシミリ装置の制御方法であって、送信先受付手段が、ユーザから送信先の指定を受け付ける送信先受付工程と、読取手段が、送信原稿を電子的なデータとして読み取る読取工程と、送信案内文書生成手段が、送信案内文書を生成する送信案内文書生成工程と、送信案内文書送信手段が、前記送信先受付手段が前記送信先受付工程で受け付けた送信先に対して前記送信案内文書生成手段が前記送信案内文書生成工程で生成した送信案内文書を送信する送信案内文書送信工程と、送信履歴記憶手段が、前記送信案内文書送信手段が前記送信案内文書送信工程で送信案内文書を送信した送信先と前記読取手段が前記読取工程で読み取った送信原稿データとを対応付けて送信履歴として記憶する送信履歴記憶工程と、送信履歴選択受付手段が、ユーザから前記送信履歴記憶手段が前記送信履歴記憶工程で記憶した送信履歴の選択を受け付ける送信履歴選択受付工程と、送信手段が、前記送信履歴選択受付手段が前記送信履歴選択受付工程で選択を受け付けた送信履歴に含まれる送信先に対して、当該送信先に対応付けられた送信原稿データを送信する送信工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、ファクシミリ装置で実行可能なプログラムであって、前記ファクシミリ装置をユーザから送信先の指定を受け付ける送信先受付手段と、送信原稿を電子的なデータとして読み取る読取手段と、送信案内文書を生成する送信案内文書生成手段と、前記送信先受付手段で受け付けた送信先に対して前記送信案内文書生成手段が生成した送信案内文書を送信する送信案内文書送信手段と、前記送信案内文書送信手段が送信案内文書を送信した送信先と前記読取手段が読み取った送信原稿データとを対応付けて送信履歴として記憶する送信履歴記憶手段と、ユーザから前記送信履歴記憶手段に記憶された送信履歴の選択を受け付ける送信履歴選択受付手段と、前記送信履歴選択受付手段で選択を受け付けた送信履歴に含まれる送信先に対して、当該送信先に対応付けられた送信原稿データを送信する送信手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、送信履歴からの送信のみを許可することで宛先の誤入力を低減するとともに、送信が完了した場合または一定時間利用されない場合には当該送信履歴を消去することで、送信履歴の件数増加を防ぎ、送信履歴の誤選択を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のFAX送信システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示したクライアントPC101、認証サーバ102に適用可能なハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図1示した複合機103のコントローラユニットのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】複合機103および認証サーバ102が備える認証処理に必要な機能を示すブロック図である。
【図5】複合機103が備えるFAX送信案内文書を送信する際に必要な機能を示すブロック図である。
【図6】複合機103が備える送信履歴からリダイアル送信する際に必要な機能を示すブロック図である。
【図7】ユーザ認証での制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】FAX送信案内文書の送信での制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】リダイアル文書送信での制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】定期送信履歴削除での制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】認証画面の一例を示す図である。
【図12】ログインに失敗した場合に表示する画面の一例を示す図である。
【図13】送信案内文書のFAX送信に成功/失敗した際に表示する画面の一例を示す図である。
【図14】実送信文書のFAX送信に成功/失敗した際に表示する画面の一例を示す図である。
【図15】送信履歴一覧画面の一例を示す図である。
【図16】送信案内文書送信画面の一例を示す図である。
【図17】削除時刻を設定する画面の一例を示す図である。
【図18】送信履歴を保存する時間を設定する画面の一例を示す図である。
【図19】送信履歴管理テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素については同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0017】
図1は、本発明のFAX送信システムの構成の一例を示すシステム構成図である。図1に示すように、1又は複数のクライアントPC101、認証サーバ102、複合機103(画像形成装置)がローカルエリアネットワーク(LAN)104(通信媒体)を介して接続された構成をとる。
【0018】
クライアントPC101は、複合機103の設定を行うPCであり、ネットワークを介してHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)により複合機103と通信することができる。クライアントPC101は、例えばマイクロソフト社のInternet Explorer(登録商標)機能を搭載したPCである。
【0019】
認証サーバ102は、ユーザ情報、ユーザに関連付けられた認証情報を格納するデータベースを保持している。また、複合機103から送信されたユーザ情報(カード番号、ユーザ名、パスワード)に従ってユーザを検索し、ユーザ情報を複合機103に返信する。
【0020】
複合機103は、FAX文書をスキャンし、記憶領域に文書を保存する。また、送信案内文書を生成および送信、スキャンしたFAX文書の送信を行う。なお、複合機103は1つ又は複数台で構成されていても良い。その場合に、複合機103は、例えば階ごとに設置され、クライアントPC101は例えば管理者に1台設置されている。
【0021】
本実施形態においては、ファクシミリ装置として複合機を例に挙げて説明するが、本発明の適用対象は複合機に限られず、ファクシミリ通信可能な装置であればいずれでもよい。
【0022】
次に、図2を用いて、図1に示したクライアントPC101、認証サーバ102のハードウェア構成について説明する。図2は、認証サーバ102に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、図2のブロック図はクライアントPC101にも適用可能である。CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0023】
図2に示すように、認証サーバはシステムバス204を介してCPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)203、ROM(Read Only Memory)202、入力コントローラ205、ビデオコントローラ206、メモリコントローラ207、通信I/Fコントローラ208等が接続された構成を採る。CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0024】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(BASIC INPUT / OUTPUT SYSTEM)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各コンピュータが実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。また、本発明を実施するために必要な情報(例えば図19に示す送信履歴管理テーブル)が外部メモリ211に記憶されている。なお外部メモリ211はデータベースであってもよい。
【0025】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0026】
また、入力コントローラ(入力C)205は、入力装置209からの入力を制御する。なお、入力装置は、マウス等のポインティングデバイスでもキーボードでもいずれの入力装置であってもよい。
【0027】
ビデオコントローラ(VC)206は、ディスプレイ210等の表示器への表示を制御する。なお、表示器は液晶ディスプレイでもCRTディスプレイでもいずれの表示器でも構わない。これらは必要に応じてユーザが使用するものである。
【0028】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0029】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワーク(例えば、図1に示したLAN104)を介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0030】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ210上に各種操作画面およびマウスカーソル等(不図示)を表示しユーザ指示を可能とする。
【0031】
なお、後述する各処理を実現するためのプログラムは、例えば外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイルおよび各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明についても後述する。
【0032】
次に、図3を用いて、図1に示した複合機103のハードウェア構成について説明する。図3は、図1に示した複合機103のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、LAN(例えば、図1に示したLAN104)や公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0034】
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0035】
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム、画像データ等を格納する。
【0036】
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部(キーボード等)308とのインタフェース部である。また、操作部I/F307は、操作部308から入力したキー情報(例えば、スタートボタンの押下)をCPU301に伝える役割をする。また、ファックス送信するための送信先のファックス番号の入力を操作部308から行うことができる。
【0037】
305はネットワークインタフェース(Network I/F)で、ネットワーク(LAN)500に接続し、データの入出力を行う。306はモデム(MODEM)で、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0038】
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394、プリンタポート、RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においては認証で必要となる携帯端末のICカード(記憶媒体)の読み取り用のカードリーダ319が外部I/F部318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319による携帯端末のICカードからの情報読み取りを制御し、該携帯端末のICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0039】
320はイメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0040】
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ部312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0041】
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0042】
スキャナ部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0043】
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0044】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0045】
尚、表示部はプリンタによって表示性能が異なり、タッチパネルを介して操作をできるプリンタ、単に液晶画面を備え文字列を表示(印刷状態や印刷している文書名の表示)させるだけのプリンタによって本発明は構成されている。
【0046】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0047】
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、携帯端末内に備えられたICカードに記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0048】
以上のような構成によって、複合機103は、スキャナ314から読み込んだ画像データをLAN104上に送信したり、LAN104から受信した印刷データをプリンタ部312により印刷出力することができる。また、複合機103は、スキャナ314から読み込んだ画像データをMODEM306から公衆回線網上にFAX送信したり、公衆回線網からFAX受信した画像データをプリンタ312で印刷出力したりすることができる。
【0049】
以下、本発明による複合機FAX送信システムの全体の処理の流れについて説明する。図4、図5、図6は、各端末が備える機能を示す機能ブロック図である。図4〜図6を用いて本発明の実施形態における各端末内の機能について説明する。
図4は、複合機FAX送信システムにおける認証処理の際に必要な機能を示す図である。
【0050】
カードリーダ制御機能部350は、複合機103に接続されたICカードリーダとの通信を制御する。具体的には、ユーザによりICカードリーダに読み取り可能なICカード(認証媒体)がかざされることにより、ICカードから認証に必要なカード情報を取得し、認証サービス通信機能部351に伝える。ここで、認証に必要なカード情報とは、例えばカード製造番号などである。
【0051】
認証サービス通信機能部351は、カードリーダ制御機能部350からカード情報を取得し、そのカード情報に対応するユーザ情報の取得要求(すなわち、認証要求)を認証サーバ102のユーザ検索機能部250に送信する。また、認証サービス通信機能部351は、ユーザ検索機能部250からユーザ情報を取得後、取得したユーザ情報を認証処理機能部352に引き渡す。認証処理機能部352は、認証サービス通信機能部351から取得したユーザ情報を複合機本体に通知する処理(ログイン処理)を行う。
【0052】
認証サーバ102のユーザ検索機能部250は、認証サービス通信機能部351から送信された認証要求を受信し、認証サーバ102の記憶領域で保持するユーザ情報DBからユーザ情報を検索し、そのユーザ情報を取得し、複合機103の認証サービス通信機能部351に送信する機能を有する。
図5は、複合機FAX送信システムにおける、FAX送信案内文書を送信する処理の際に必要な機能を示す図である。
【0053】
スキャン機能部360は、図3に示すスキャナ314および画像処理部317に対して、送信原稿(実送信文書)のスキャン制御を行い、スキャンした実送信文書をHDD304にテンポラリのファイル名にて保存する。送信案内文書生成機能部361は、実送信文書の送信を事前に案内する案内文書を生成し、当該送信案内文書をFAX送信管理機能部362に引き渡す。
【0054】
FAX送信管理機能部362は、ユーザにより入力(選択)された宛先に対する送信案内文書の送信要求を送信案内文書生成機能部361から取得した送信案内文書とともにFAX送信機能部370に送信する。また、送信案内文書の送信結果をFAX送信機能部370から受信し、リダイアル番号管理機能部363に引き渡す。
【0055】
リダイアル番号管理機能部363は、複合機103のHDD304の実送信文書のファイル名を日付および宛先番号に変更する。また、図19に示す送信履歴管理テーブルにユーザID、送信ID、宛先、送信日時、ファイル名、実送信文書ファイルパスをそれぞれ紐付けて管理する。
FAX送信機能部370は、FAX送信管理機能部362からの送信要求に基づき送信案内文書を送信し、送信結果をFAX送信管理機能部362へ送信する。FAX送信履歴管理可能部371は、複合機103上で送信された全ての送信履歴を管理する。
図6は、複合機FAX送信システムにおける、送信履歴からリダイアル送信する処理の際に必要な機能を示す図である。
【0056】
リダイアル送信機能部364は、ユーザによる送信履歴からのリダイアル送信要求を受けて、図19に示す送信履歴管理テーブルから実送信文書のファイルパスおよび宛先を取得する。そして複合機103のHDD304に保存された実送信文書を取得し、FAX送信機能部370に対して、送信要求を送信する。また、送信結果をFAX送信機能部370から受信し、送信結果をリダイアル削除機能部365に引き渡す。
【0057】
リダイアル削除機能部365は、送信結果に基づき、図19の送信履歴管理テーブルから該当するレコードを削除し、複合機103のHDD304に保存されたスキャン文書の削除を行う。
【0058】
次に図7に示すフローチャートを用いて、認証処理の詳細について説明する。なお、図7のステップS701〜ステップS703、ステップS708、ステップ709、ステップS711〜ステップS715の処理については複合機103のCPU301が行い、ステップS704〜ステップS707、ステップS710の処理については認証サーバ102のCPU201が行う。
【0059】
ステップS701では、複合機103に接続されたICカードリーダ319にユーザがICカード(認証媒体)をかざすことによって、ICカードリーダ319がかざされたICカードのカード情報(シリアルID)を読み取る。読み取る際には、複合機103の操作部308には図11で示す認証画面が表示されている。なお、本実施形態では認証媒体としてICカードを用いた方法を説明するが、ICカードを用いた方法に限られるものではなく、指紋や指静脈などのユーザの生体情報を用いた方法であっても、またユーザにログイン情報(ユーザ名、パスワード)を入力させる方法であってもいずれでも良い。図11の認証画面の例では、キーボード認証ボタン1101がユーザにより押下されると、ユーザにログイン情報(ユーザ名、パスワード)を入力させる方法に移行する。
【0060】
ステップS702において複合機103は、ICカードリーダ319が読み取ったカード情報を取得し、ステップS703で、取得したカード情報とともに認証サーバ102に対して認証要求を送信する。この認証要求は、ステップS702で取得したカード情報に関連付けられたユーザ情報が、認証サーバ102の記憶領域にあるか否かを判定するためである。すなわち、当該複合機103へのログインを許可するか否かを判断するためである。
ステップS704では、認証サーバ102のCPU201は、ステップS703で複合機103から送信されたカード情報を含む認証要求を受信する。
【0061】
ステップS705では、認証サーバ102は、ステップS704で受信したカード情報に関連付けられたユーザ情報を記憶領域から検索する。なお、ユーザ情報とは、ユーザID、認証ドメイン、メールアドレスなどを含んだ情報である。
【0062】
検索の結果、ステップS704で受信したカード情報に関連付けられたユーザ情報が認証サーバ102の記憶領域にあると判定されると(ステップS706:YES)、処理をステップS710へ移行する。他方、ステップS704で受信したカード情報に関連付けられたユーザ情報が認証サーバ102の記憶領域にないと判定されると(ステップS706:NO)、処理をステップS707に移行する。
【0063】
まず、ステップS706において認証サーバ102がカード情報に対応付けられたユーザ情報が記憶領域にないと判断した場合(ステップS706:NO)の処理について説明する。
【0064】
ステップS707では、認証サーバ102は、ステップS704で受信したカード情報に対応付けられたユーザ情報が記憶領域に無かった旨(ユーザ情報が未登録である旨)の情報を複合機103に対して送信する。
【0065】
ステップS708で、複合機103は認証サーバから送信された未登録応答を受信すると、ステップS709に処理を移行し、認証エラー画面(一例として図12)を操作部308に表示する。認証エラー画面に示すOKボタン1201がユーザにより押下されると、処理をステップS701に戻し再度ユーザからのカード情報を受け付ける。
【0066】
次にステップS706において認証サーバ102がカード情報に対応付けられたユーザ情報が記憶領域にあると判断した場合(ステップS706:YES)の処理について説明する。
【0067】
ステップS706において認証サーバ102がカード情報に対応付けられたユーザ情報が記憶領域にあると判断すると(ステップS706:YES)、認証サーバ102は当該ユーザ情報を複合機103に送信する(ステップS710)。
ステップS711では、複合機103は、ステップS710で認証サーバ102が送信したユーザ情報をログイン情報として受信する。
【0068】
ステップS712では、複合機103は、ステップS711で受信したログイン情報に基づいてログイン処理を行う。ここでいうログイン処理とは、ステップS711で複合機103の認証サービス通信機能部351が受信したログイン情報を認証処理機能部352に渡す処理を指す。
【0069】
ステップS713では、複合機103は、ステップS711で受信したログイン情報に基づいて、ログインが許可されたユーザであるかログインが許可されていないユーザであるかを判定する。ここで、ログインが許可されているユーザであると判定した場合(ステップS713:OK)には、処理をステップS715に移行する。他方、ログインが許可されていないユーザであると判定した場合(ステップS713:NG)には、処理をステップS714に移行する。
【0070】
複合機103がステップS713でログインが許可されていないユーザであると判定した場合、複合機103はステップS714においてログインエラーを通知する画面(一例として図12)を表示する。ログインエラー画面のOKボタン1201がユーザにより押下されると、複合機103は、再び処理をステップS701に戻し、再度ユーザからのカード情報を受け付ける。
【0071】
複合機103がステップS713でログインが許可されたユーザであると判定すると、複合機103はステップS715において、ログインが許可されたユーザのログイン情報を複合機103の各種プログラムに通知する。
【0072】
次に図8を用いて、図7のログイン処理に続く、本発明の実施形態における送信案内文書の送信処理を説明する。なお、図8のフローチャートに示す送信案内文書の送信処理については、複合機103のCPU301が実行する。
【0073】
ステップS801では、複合機103は、ステップS715で複合機103の認証処理機能部352が通知したログイン通知を受信し、ログインするユーザのログイン情報を取得する。
【0074】
ステップS802では、複合機103は、ステップS801で取得したログイン情報から、当該ユーザの送信履歴が存在するか否かを、送信履歴管理テーブル(図19)から検索する。具体的には、ログイン情報に含まれるユーザIDと一致するユーザIDを送信履歴管理テーブル(図19)から検索する。なお、本実施例でいう送信履歴とは、送信案内文書を送信した履歴のことを指す。
【0075】
ステップS803では、ステップS802で実行した検索の結果(ログインしたユーザの送信履歴の有無)を判断する。送信履歴がある場合は(ステップS803:あり)、処理をステップS804に移行する。他方、送信履歴が無いと判断すると(ステップS803:なし)、処理をステップS806に移行する。
【0076】
送信履歴がある場合、複合機103は、ステップS804で送信履歴一覧画面(図15)を操作部308に表示する。そして、図9のフローチャートで示す処理へ移行する(ステップS805)。
【0077】
送信履歴がない場合、複合機103は、ステップS806で送信案内文書送信画面(図16)を操作部308に表示し、ユーザに宛先の入力又はアドレス帳などのリストからの選択を促す。
【0078】
ステップS806で表示された送信案内文書送信画面においてユーザにより宛先の入力又は選択がなされ、送信ボタン1602が押下されると、ステップS807において複合機103は、スキャナ部314の原稿台に置かれた送信原稿(実送信文書)をスキャンする。
【0079】
ステップS808では、複合機103は、ステップS807でスキャンした文書に一時ファイル名を付けて、複合機103のHDD304にスキャンした文書(実送信文書)を保存する。
ステップS809では、複合機103は、FAX送信の案内文書を生成する。
【0080】
ステップS810では、複合機103は、ステップS809で生成した送信案内文書をステップS806でユーザから入力又は選択された宛先に対して送信する要求を送信する。
【0081】
ステップS811では、ステップS810で送信された要求を受信し、ステップS812で送信要求に基づき、ユーザにより指定された宛先に対して送信案内文書を送信する。
【0082】
なお、ステップS810における送信要求の送信は、複合機103のFAX送信管理機能部362が実行し、ステップS811における送信要求の受信は、複合機103のFAX送信機能部370が実行する。
ステップS813では、複合機103は、ステップS812での送信の結果(送信に成功したか否か)をHDD304に記憶する。
【0083】
ステップS814では、送信案内文書の送信結果を複合機103のFAX送信機能部370が送信し、ステップS815で複合機103のFAX送信管理機能部362が当該送信結果を受信する。
【0084】
ステップS816では、複合機103は、受信した送信結果から、送信の成否を判断し、送信に成功していた場合(ステップS816:成功)は、処理をステップS819に移行する。送信に失敗していた場合(ステップS816:失敗)は、処理をステップS817に移行する。
【0085】
ステップS812での送信案内文書の送信に失敗した場合、ステップS817では、ステップS808で複合機103のHDD304に保存した実送信文書データを削除する。
【0086】
ステップS817で実送信文書データを削除すると、ステップS818に処理を移行し、図13に示す送信エラー画面1302を表示する。なお、送信エラー画面1302に表示されたOKボタンがユーザにより押下されると、図16に示す送信案内文書送信画面を表示し、処理をステップS806に戻す。
【0087】
ステップS812で送信案内文書の送信に成功した場合、ステップS819では、ステップS808で保存した実送信文書のファイル名を変更する。ここでファイル名は一意である必要があるので、例えば日付と宛先番号とをもとに決定される。具体的には、2009年12月23日15時30分に03−1234−5678に送信案内文書が送信された場合は、“0912231530_0312345678”といったファイル名となる。
【0088】
ステップS820では、図19で示す送信履歴管理テーブルにユーザID1901、送信ID1902、宛先1903、送信日時1904、ファイル名1905、実送信文書ファイルパス1906をそれぞれ紐付けしてレコード追加する。
【0089】
ステップS821では、複合機103は操作部308に図13に示す送信成功画面1301を表示する。送信成功画面1301のOKボタンがユーザにより押下されると、複合機103は、図16で示す送信案内文書送信画面を操作部308に表示し、処理をステップS806に移行する。なお、ここで処理をステップS806に移行するのではなく、図9に示すリダイアル送信処理に移行するようにしてもよい。
【0090】
次に図9を用いて、本発明の実施形態におけるリダイアル送信処理の詳細について説明する。なお、図9のフローチャートで示す処理については、複合機103のCPU301が実行する。
【0091】
ステップS901では、図15に示す送信履歴一覧画面においてユーザからのリダイアル送信の要求を受け付ける。具体的には、図15に示す送信履歴一覧画面において、ユーザにより送信履歴の選択がなされ、リダイアル送信開始ボタン1502が押下されることで、ユーザからのリダイアル送信要求を受け付ける。
【0092】
ステップS902では、複合機103は、ステップS901でユーザによりリダイアル送信開始ボタン1502が押下された場合(ステップS902:あり)には、処理をステップS904に移行する。他方、ステップS901でユーザによりリダイアル送信キャンセルボタン1501が押下されると(ステップS902:なし)、処理をステップS903に移行する。
ステップS903では、複合機103は送信案内文書送信画面(図16)を操作部308に表示し、ステップS806以降の処理に移行する。
【0093】
ステップS904では、複合機103は、送信履歴管理テーブル(図19)から、ユーザにより選択された送信履歴に該当するレコードを取得し、レコード内の宛先情報およびファイルパスを取得する。そして、取得したファイルパスをもとに複合機103のHDD304に格納された実送信文書データを探し取得する。
【0094】
ステップS905では、複合機103のリダイアル送信機能部364が複合機103のFAX送信機能部370に対して、ステップS904で取得した宛先情報および実送信文書データとともに、取得した宛先への当該文書のFAX送信要求を送信する。
【0095】
ステップS906では、ステップS905で複合機103のリダイアル送信機能部364が送信した送信要求を複合機103のFAX送信機能部370が受信する。
ステップS907では、複合機103のFAX送信機能部370が、ステップS906で受信した宛先に受信した文書データをFAX送信する。
【0096】
ステップS908では、複合機103のFAX送信機能部370は、ステップS907で実行したFAX送信が成功したか否かの情報(送信結果)をリダイアル送信機能部364に対して送信する。
ステップS910でリダイアル送信機能部364が送信結果を受信し、ステップS911で送信が成功であったのか失敗であったのかを判断する。
【0097】
送信が成功であった場合には、ステップS913へ処理を移行(ステップS911:OK)し、ステップS910で受信した送信結果が失敗であった場合には、ステップS912に処理を移行(ステップS911:NG)する。
【0098】
ステップS911では、複合機103は操作部308に図14に示す送信失敗画面1402を表示する。送信失敗画面1402においてユーザによりOKボタンが押下されると、図15に示す送信履歴一覧画面を表示し、処理をステップS901に移行する。
【0099】
ステップS913では、複合機103は図19に示す送信履歴管理テーブルからステップS907で送信した実送信文書に対応する送信案内文書の送信履歴を削除し、さらに当該送信履歴に対応する複合機103のHDD304に保存された実送信文書データも削除する。この削除処理により、実送信文書のFAX送信に成功した場合に、当該成功した送信に対応する送信案内文書送信履歴および送信した実送信文書のデータを削除することとなる。
【0100】
ステップS913では、複合機103は操作部308に図14で示す送信成功画面1401を表示する。送信成功画面1401においてユーザによりOKボタンが押下されると、図15に示す送信履歴一覧画面を表示し、処理をステップS901に移行する。
次に図10を用いて、本発明の実施形態における送信履歴定期削除処理の詳細について説明する。図10のフローチャートで示す送信履歴定期削除処理については、複合機103のCPU301が実行する。
【0101】
ステップS1001では、複合機103は予め設定された削除時刻が到来したか否かを判定する。指定された削除時刻が到来していると判定した場合(ステップS1001:YES)は、処理をステップS1002へ移行する。削除時刻が到来していないと判定した場合(ステップS1001:NO)は、削除時刻が到来するまで待つ。
ステップS1002では、図19に示す送信履歴管理テーブルから送信履歴レコードをリストとして全て取得する。
【0102】
ステップS1003では、ステップS1002で取得した送信履歴レコードが1つでも存在する場合には、処理をステップS1004に移行する。1つも送信履歴レコードが存在しない場合は、処理をステップS1001に移行し、再度削除時刻が到来するのを待つ。なお、削除時刻については、図17で示す画面からユーザが設定する。設定にあたっては、クライアントPC101を用いて設定する構成でもよく、または複合機103を用いて設定する構成でもいずれでもよい。ステップS1004では、送信履歴レコードのリストから1レコードを取得し、当該レコードの送信日時1904を取得する。
【0103】
ステップS1005では、ステップS1004で取得した送信日時と現在の時刻とを比較し、予め設定された時間経過しているか否かを判断する。送信日時から予め設定された時間経過していると判断すると(ステップS1005:YES)、処理をステップS1006に移行する。他方、送信日時から予め設定された時間経過していないと判断すると、処理をステップS1007に移行する。なお、ここでいう予め設定された時間については、図18に一例を示す送信履歴保存時間設定画面によりユーザが設定する。設定にあたっては、クライアントPC101を用いて設定する構成でもよく、または複合機103を用いて設定する構成でもいずれでもよい。
【0104】
ステップS1006では、送信履歴管理テーブルから送信日時から予め設定された時間経過した当該レコードを削除し、さらに複合機103のHDD304に保存された送信文書も削除する。この削除処理により、送信案内文書の送信に成功した履歴のうち、実送信文書の送信については未完了である履歴の実送信文書データおよび当該送信案内文書の送信履歴について削除することになる。実送信文書の送信未完了の履歴についても定期的に削除することで、選択ミスによる誤送信を防止することができる。
【0105】
ステップS1007では、ステップS1002において取得した送信履歴レコードのリストにステップS1005の判断がなされていないレコードが存在するか否かを判定する。存在する場合には、処理をステップS1004に移行し、送信履歴から1つレコードを取得する。存在しない場合には、処理をステップS1001に戻し、再度削除時刻が到来するまで待つ。
【0106】
図17は削除時刻設定画面の一例を示す図である。なお、削除時刻の設定は、ユーザがクライアントPC101を用いて行う構成であっても複合機103を用いて行う構成であってもいずれでも良い。図17に示す1701は定期削除の設定を受け付ける入力欄である。例えば1701の入力欄に「30」が入力されると、30分毎に送信履歴レコードの有無をチェックすることになる。また、1702は定時削除の設定を受け付ける入力欄である。図17に示す例では、毎日15時に送信履歴レコードの有無をチェックする。1703の登録ボタンが押下されることで、削除時刻の設定が登録される。
【0107】
図18は送信履歴の保存時間を設定する画面である。送信履歴の保存時間の設定についても、削除時刻の設定と同様に、ユーザがクライアントPC101を用いて行っても複合機103を用いて行ってもいずれでもよい。図18に示す例では、1801の入力欄に「12」と入力されており、送信案内文書の送信が成功してから12時間は送信履歴として保存されることを示している。送信案内文書の送信から12時間が経過すると、削除対象となる。
【0108】
以上の構成によれば、送信履歴からの送信のみを許可することで誤った宛先に対する送信を防ぐとともに、ユーザ毎に送信履歴を管理し、さらに送信履歴のリダイアル番号が送信完了後または一定時間利用されない場合には当該送信履歴を消去することで、履歴一覧から意図する宛先を探す手間が省け、かつ誤って間違った履歴を選択することを防ぐことが可能となる。なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0109】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様を採ることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、ひとつの機器からなる装置に適用しても良い。
【0110】
また、本発明におけるプログラムは、図7〜図10の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体には、図7〜図10の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図7〜図10の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0111】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0112】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0113】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0114】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0115】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0116】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0117】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0118】
101 クライアントPC
102 認証サーバ
103 複合機
104 LAN
【技術分野】
【0001】
本発明は、FAX送信装置のリダイアル送信制御に関する技術および送信履歴の削除技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機等を用いたFAX通信が頻繁に行われているが、相手先の回線番号を誤って入力すると、誤って送信した相手方に迷惑をかけるだけでなく、送信した情報が秘匿する必要のある情報である場合には、情報漏えいとしてセキュリティ面で重大な問題となる。相手先の回線番号の誤入力を防止する策としては、短縮登録を利用する、リダイアル(送信履歴)を利用するといった方法が採られている。
【0003】
しかし、短縮登録を利用する方法によれば、回線番号を入力する際のミスを低減させることは可能であるが、短縮登録の件数が多くなると、登録されている回線番号を選択する際に選択ミスをする可能性が残る。
【0004】
また、リダイアルを利用して送信する方法によっても、履歴が多数あるとリダイアル番号を選択する際に誤った番号を選択してしまうという選択ミスをする可能性が残る。
【0005】
特許文献1には短縮登録を削除する技術として、ワンタッチダイヤルキーまたは短縮ダイヤルキーに登録してある電話番号が間違っていた場合や使用停止になっている場合に当該電話番号を削除する技術が公開されている。
【0006】
また、特許文献2には通信履歴を削除する技術として、通信の相手先を指定することで、指定された相手先に関連する通信履歴をまとめて削除する技術が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−142863号公報
【特許文献2】特開2006−270269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の技術は、間違っていた場合や使用停止になっている場合に該電話番号の短縮登録を削除するものであり、正常に通信可能な番号については削除されない。そのため、短縮登録の件数が増加していく可能性は排除できず、送信する際に送信先を誤選択する可能性は残ってしまう。
【0009】
また、特許文献2の技術は、削除したい履歴に関連する相手先を指定することで、履歴の削除を行う技術であるため、ユーザが定期的に削除作業を行わなければ、履歴件数の増加を防ぐことはできない。そのため、特許文献2の技術を用いても送信する際に送信先を誤選択する可能性は残ってしまう。
【0010】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、送信履歴からの送信のみを許可することで誤った宛先に対する送信を防ぐとともに、ユーザ毎に送信履歴を管理し、送信履歴を効率的に削除することで履歴件数の増加を防ぎ、送信履歴からFAX送信を行う際の送信履歴の誤選択を防止する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ユーザから送信先の指定を受け付ける送信先受付手段と、送信原稿を電子的なデータとして読み取る読取手段と、送信案内文書を生成する送信案内文書生成手段と、前記送信先受付手段で受け付けた送信先に対して前記送信案内文書生成手段が生成した送信案内文書を送信する送信案内文書送信手段と、前記送信案内文書送信手段が送信案内文書を送信した送信先と前記読取手段が読み取った送信原稿データとを対応付けて送信履歴として記憶する送信履歴記憶手段と、ユーザから前記送信履歴記憶手段に記憶された送信履歴の選択を受け付ける送信履歴選択受付手段と、前記送信履歴選択受付手段で選択を受け付けた送信履歴に含まれる送信先に対して、当該送信先に対応付けられた送信原稿データを送信する送信手段とを備えることを特徴とするファクシミリ装置。
【0012】
また本発明は、ファクシミリ装置の制御方法であって、送信先受付手段が、ユーザから送信先の指定を受け付ける送信先受付工程と、読取手段が、送信原稿を電子的なデータとして読み取る読取工程と、送信案内文書生成手段が、送信案内文書を生成する送信案内文書生成工程と、送信案内文書送信手段が、前記送信先受付手段が前記送信先受付工程で受け付けた送信先に対して前記送信案内文書生成手段が前記送信案内文書生成工程で生成した送信案内文書を送信する送信案内文書送信工程と、送信履歴記憶手段が、前記送信案内文書送信手段が前記送信案内文書送信工程で送信案内文書を送信した送信先と前記読取手段が前記読取工程で読み取った送信原稿データとを対応付けて送信履歴として記憶する送信履歴記憶工程と、送信履歴選択受付手段が、ユーザから前記送信履歴記憶手段が前記送信履歴記憶工程で記憶した送信履歴の選択を受け付ける送信履歴選択受付工程と、送信手段が、前記送信履歴選択受付手段が前記送信履歴選択受付工程で選択を受け付けた送信履歴に含まれる送信先に対して、当該送信先に対応付けられた送信原稿データを送信する送信工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、ファクシミリ装置で実行可能なプログラムであって、前記ファクシミリ装置をユーザから送信先の指定を受け付ける送信先受付手段と、送信原稿を電子的なデータとして読み取る読取手段と、送信案内文書を生成する送信案内文書生成手段と、前記送信先受付手段で受け付けた送信先に対して前記送信案内文書生成手段が生成した送信案内文書を送信する送信案内文書送信手段と、前記送信案内文書送信手段が送信案内文書を送信した送信先と前記読取手段が読み取った送信原稿データとを対応付けて送信履歴として記憶する送信履歴記憶手段と、ユーザから前記送信履歴記憶手段に記憶された送信履歴の選択を受け付ける送信履歴選択受付手段と、前記送信履歴選択受付手段で選択を受け付けた送信履歴に含まれる送信先に対して、当該送信先に対応付けられた送信原稿データを送信する送信手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、送信履歴からの送信のみを許可することで宛先の誤入力を低減するとともに、送信が完了した場合または一定時間利用されない場合には当該送信履歴を消去することで、送信履歴の件数増加を防ぎ、送信履歴の誤選択を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のFAX送信システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示したクライアントPC101、認証サーバ102に適用可能なハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図1示した複合機103のコントローラユニットのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】複合機103および認証サーバ102が備える認証処理に必要な機能を示すブロック図である。
【図5】複合機103が備えるFAX送信案内文書を送信する際に必要な機能を示すブロック図である。
【図6】複合機103が備える送信履歴からリダイアル送信する際に必要な機能を示すブロック図である。
【図7】ユーザ認証での制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】FAX送信案内文書の送信での制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】リダイアル文書送信での制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】定期送信履歴削除での制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】認証画面の一例を示す図である。
【図12】ログインに失敗した場合に表示する画面の一例を示す図である。
【図13】送信案内文書のFAX送信に成功/失敗した際に表示する画面の一例を示す図である。
【図14】実送信文書のFAX送信に成功/失敗した際に表示する画面の一例を示す図である。
【図15】送信履歴一覧画面の一例を示す図である。
【図16】送信案内文書送信画面の一例を示す図である。
【図17】削除時刻を設定する画面の一例を示す図である。
【図18】送信履歴を保存する時間を設定する画面の一例を示す図である。
【図19】送信履歴管理テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素については同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0017】
図1は、本発明のFAX送信システムの構成の一例を示すシステム構成図である。図1に示すように、1又は複数のクライアントPC101、認証サーバ102、複合機103(画像形成装置)がローカルエリアネットワーク(LAN)104(通信媒体)を介して接続された構成をとる。
【0018】
クライアントPC101は、複合機103の設定を行うPCであり、ネットワークを介してHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)により複合機103と通信することができる。クライアントPC101は、例えばマイクロソフト社のInternet Explorer(登録商標)機能を搭載したPCである。
【0019】
認証サーバ102は、ユーザ情報、ユーザに関連付けられた認証情報を格納するデータベースを保持している。また、複合機103から送信されたユーザ情報(カード番号、ユーザ名、パスワード)に従ってユーザを検索し、ユーザ情報を複合機103に返信する。
【0020】
複合機103は、FAX文書をスキャンし、記憶領域に文書を保存する。また、送信案内文書を生成および送信、スキャンしたFAX文書の送信を行う。なお、複合機103は1つ又は複数台で構成されていても良い。その場合に、複合機103は、例えば階ごとに設置され、クライアントPC101は例えば管理者に1台設置されている。
【0021】
本実施形態においては、ファクシミリ装置として複合機を例に挙げて説明するが、本発明の適用対象は複合機に限られず、ファクシミリ通信可能な装置であればいずれでもよい。
【0022】
次に、図2を用いて、図1に示したクライアントPC101、認証サーバ102のハードウェア構成について説明する。図2は、認証サーバ102に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、図2のブロック図はクライアントPC101にも適用可能である。CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0023】
図2に示すように、認証サーバはシステムバス204を介してCPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)203、ROM(Read Only Memory)202、入力コントローラ205、ビデオコントローラ206、メモリコントローラ207、通信I/Fコントローラ208等が接続された構成を採る。CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0024】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(BASIC INPUT / OUTPUT SYSTEM)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各コンピュータが実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。また、本発明を実施するために必要な情報(例えば図19に示す送信履歴管理テーブル)が外部メモリ211に記憶されている。なお外部メモリ211はデータベースであってもよい。
【0025】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0026】
また、入力コントローラ(入力C)205は、入力装置209からの入力を制御する。なお、入力装置は、マウス等のポインティングデバイスでもキーボードでもいずれの入力装置であってもよい。
【0027】
ビデオコントローラ(VC)206は、ディスプレイ210等の表示器への表示を制御する。なお、表示器は液晶ディスプレイでもCRTディスプレイでもいずれの表示器でも構わない。これらは必要に応じてユーザが使用するものである。
【0028】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0029】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワーク(例えば、図1に示したLAN104)を介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0030】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ210上に各種操作画面およびマウスカーソル等(不図示)を表示しユーザ指示を可能とする。
【0031】
なお、後述する各処理を実現するためのプログラムは、例えば外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイルおよび各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明についても後述する。
【0032】
次に、図3を用いて、図1に示した複合機103のハードウェア構成について説明する。図3は、図1に示した複合機103のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、LAN(例えば、図1に示したLAN104)や公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0034】
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0035】
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム、画像データ等を格納する。
【0036】
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部(キーボード等)308とのインタフェース部である。また、操作部I/F307は、操作部308から入力したキー情報(例えば、スタートボタンの押下)をCPU301に伝える役割をする。また、ファックス送信するための送信先のファックス番号の入力を操作部308から行うことができる。
【0037】
305はネットワークインタフェース(Network I/F)で、ネットワーク(LAN)500に接続し、データの入出力を行う。306はモデム(MODEM)で、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0038】
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394、プリンタポート、RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においては認証で必要となる携帯端末のICカード(記憶媒体)の読み取り用のカードリーダ319が外部I/F部318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319による携帯端末のICカードからの情報読み取りを制御し、該携帯端末のICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0039】
320はイメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0040】
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ部312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0041】
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0042】
スキャナ部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0043】
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0044】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0045】
尚、表示部はプリンタによって表示性能が異なり、タッチパネルを介して操作をできるプリンタ、単に液晶画面を備え文字列を表示(印刷状態や印刷している文書名の表示)させるだけのプリンタによって本発明は構成されている。
【0046】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0047】
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、携帯端末内に備えられたICカードに記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0048】
以上のような構成によって、複合機103は、スキャナ314から読み込んだ画像データをLAN104上に送信したり、LAN104から受信した印刷データをプリンタ部312により印刷出力することができる。また、複合機103は、スキャナ314から読み込んだ画像データをMODEM306から公衆回線網上にFAX送信したり、公衆回線網からFAX受信した画像データをプリンタ312で印刷出力したりすることができる。
【0049】
以下、本発明による複合機FAX送信システムの全体の処理の流れについて説明する。図4、図5、図6は、各端末が備える機能を示す機能ブロック図である。図4〜図6を用いて本発明の実施形態における各端末内の機能について説明する。
図4は、複合機FAX送信システムにおける認証処理の際に必要な機能を示す図である。
【0050】
カードリーダ制御機能部350は、複合機103に接続されたICカードリーダとの通信を制御する。具体的には、ユーザによりICカードリーダに読み取り可能なICカード(認証媒体)がかざされることにより、ICカードから認証に必要なカード情報を取得し、認証サービス通信機能部351に伝える。ここで、認証に必要なカード情報とは、例えばカード製造番号などである。
【0051】
認証サービス通信機能部351は、カードリーダ制御機能部350からカード情報を取得し、そのカード情報に対応するユーザ情報の取得要求(すなわち、認証要求)を認証サーバ102のユーザ検索機能部250に送信する。また、認証サービス通信機能部351は、ユーザ検索機能部250からユーザ情報を取得後、取得したユーザ情報を認証処理機能部352に引き渡す。認証処理機能部352は、認証サービス通信機能部351から取得したユーザ情報を複合機本体に通知する処理(ログイン処理)を行う。
【0052】
認証サーバ102のユーザ検索機能部250は、認証サービス通信機能部351から送信された認証要求を受信し、認証サーバ102の記憶領域で保持するユーザ情報DBからユーザ情報を検索し、そのユーザ情報を取得し、複合機103の認証サービス通信機能部351に送信する機能を有する。
図5は、複合機FAX送信システムにおける、FAX送信案内文書を送信する処理の際に必要な機能を示す図である。
【0053】
スキャン機能部360は、図3に示すスキャナ314および画像処理部317に対して、送信原稿(実送信文書)のスキャン制御を行い、スキャンした実送信文書をHDD304にテンポラリのファイル名にて保存する。送信案内文書生成機能部361は、実送信文書の送信を事前に案内する案内文書を生成し、当該送信案内文書をFAX送信管理機能部362に引き渡す。
【0054】
FAX送信管理機能部362は、ユーザにより入力(選択)された宛先に対する送信案内文書の送信要求を送信案内文書生成機能部361から取得した送信案内文書とともにFAX送信機能部370に送信する。また、送信案内文書の送信結果をFAX送信機能部370から受信し、リダイアル番号管理機能部363に引き渡す。
【0055】
リダイアル番号管理機能部363は、複合機103のHDD304の実送信文書のファイル名を日付および宛先番号に変更する。また、図19に示す送信履歴管理テーブルにユーザID、送信ID、宛先、送信日時、ファイル名、実送信文書ファイルパスをそれぞれ紐付けて管理する。
FAX送信機能部370は、FAX送信管理機能部362からの送信要求に基づき送信案内文書を送信し、送信結果をFAX送信管理機能部362へ送信する。FAX送信履歴管理可能部371は、複合機103上で送信された全ての送信履歴を管理する。
図6は、複合機FAX送信システムにおける、送信履歴からリダイアル送信する処理の際に必要な機能を示す図である。
【0056】
リダイアル送信機能部364は、ユーザによる送信履歴からのリダイアル送信要求を受けて、図19に示す送信履歴管理テーブルから実送信文書のファイルパスおよび宛先を取得する。そして複合機103のHDD304に保存された実送信文書を取得し、FAX送信機能部370に対して、送信要求を送信する。また、送信結果をFAX送信機能部370から受信し、送信結果をリダイアル削除機能部365に引き渡す。
【0057】
リダイアル削除機能部365は、送信結果に基づき、図19の送信履歴管理テーブルから該当するレコードを削除し、複合機103のHDD304に保存されたスキャン文書の削除を行う。
【0058】
次に図7に示すフローチャートを用いて、認証処理の詳細について説明する。なお、図7のステップS701〜ステップS703、ステップS708、ステップ709、ステップS711〜ステップS715の処理については複合機103のCPU301が行い、ステップS704〜ステップS707、ステップS710の処理については認証サーバ102のCPU201が行う。
【0059】
ステップS701では、複合機103に接続されたICカードリーダ319にユーザがICカード(認証媒体)をかざすことによって、ICカードリーダ319がかざされたICカードのカード情報(シリアルID)を読み取る。読み取る際には、複合機103の操作部308には図11で示す認証画面が表示されている。なお、本実施形態では認証媒体としてICカードを用いた方法を説明するが、ICカードを用いた方法に限られるものではなく、指紋や指静脈などのユーザの生体情報を用いた方法であっても、またユーザにログイン情報(ユーザ名、パスワード)を入力させる方法であってもいずれでも良い。図11の認証画面の例では、キーボード認証ボタン1101がユーザにより押下されると、ユーザにログイン情報(ユーザ名、パスワード)を入力させる方法に移行する。
【0060】
ステップS702において複合機103は、ICカードリーダ319が読み取ったカード情報を取得し、ステップS703で、取得したカード情報とともに認証サーバ102に対して認証要求を送信する。この認証要求は、ステップS702で取得したカード情報に関連付けられたユーザ情報が、認証サーバ102の記憶領域にあるか否かを判定するためである。すなわち、当該複合機103へのログインを許可するか否かを判断するためである。
ステップS704では、認証サーバ102のCPU201は、ステップS703で複合機103から送信されたカード情報を含む認証要求を受信する。
【0061】
ステップS705では、認証サーバ102は、ステップS704で受信したカード情報に関連付けられたユーザ情報を記憶領域から検索する。なお、ユーザ情報とは、ユーザID、認証ドメイン、メールアドレスなどを含んだ情報である。
【0062】
検索の結果、ステップS704で受信したカード情報に関連付けられたユーザ情報が認証サーバ102の記憶領域にあると判定されると(ステップS706:YES)、処理をステップS710へ移行する。他方、ステップS704で受信したカード情報に関連付けられたユーザ情報が認証サーバ102の記憶領域にないと判定されると(ステップS706:NO)、処理をステップS707に移行する。
【0063】
まず、ステップS706において認証サーバ102がカード情報に対応付けられたユーザ情報が記憶領域にないと判断した場合(ステップS706:NO)の処理について説明する。
【0064】
ステップS707では、認証サーバ102は、ステップS704で受信したカード情報に対応付けられたユーザ情報が記憶領域に無かった旨(ユーザ情報が未登録である旨)の情報を複合機103に対して送信する。
【0065】
ステップS708で、複合機103は認証サーバから送信された未登録応答を受信すると、ステップS709に処理を移行し、認証エラー画面(一例として図12)を操作部308に表示する。認証エラー画面に示すOKボタン1201がユーザにより押下されると、処理をステップS701に戻し再度ユーザからのカード情報を受け付ける。
【0066】
次にステップS706において認証サーバ102がカード情報に対応付けられたユーザ情報が記憶領域にあると判断した場合(ステップS706:YES)の処理について説明する。
【0067】
ステップS706において認証サーバ102がカード情報に対応付けられたユーザ情報が記憶領域にあると判断すると(ステップS706:YES)、認証サーバ102は当該ユーザ情報を複合機103に送信する(ステップS710)。
ステップS711では、複合機103は、ステップS710で認証サーバ102が送信したユーザ情報をログイン情報として受信する。
【0068】
ステップS712では、複合機103は、ステップS711で受信したログイン情報に基づいてログイン処理を行う。ここでいうログイン処理とは、ステップS711で複合機103の認証サービス通信機能部351が受信したログイン情報を認証処理機能部352に渡す処理を指す。
【0069】
ステップS713では、複合機103は、ステップS711で受信したログイン情報に基づいて、ログインが許可されたユーザであるかログインが許可されていないユーザであるかを判定する。ここで、ログインが許可されているユーザであると判定した場合(ステップS713:OK)には、処理をステップS715に移行する。他方、ログインが許可されていないユーザであると判定した場合(ステップS713:NG)には、処理をステップS714に移行する。
【0070】
複合機103がステップS713でログインが許可されていないユーザであると判定した場合、複合機103はステップS714においてログインエラーを通知する画面(一例として図12)を表示する。ログインエラー画面のOKボタン1201がユーザにより押下されると、複合機103は、再び処理をステップS701に戻し、再度ユーザからのカード情報を受け付ける。
【0071】
複合機103がステップS713でログインが許可されたユーザであると判定すると、複合機103はステップS715において、ログインが許可されたユーザのログイン情報を複合機103の各種プログラムに通知する。
【0072】
次に図8を用いて、図7のログイン処理に続く、本発明の実施形態における送信案内文書の送信処理を説明する。なお、図8のフローチャートに示す送信案内文書の送信処理については、複合機103のCPU301が実行する。
【0073】
ステップS801では、複合機103は、ステップS715で複合機103の認証処理機能部352が通知したログイン通知を受信し、ログインするユーザのログイン情報を取得する。
【0074】
ステップS802では、複合機103は、ステップS801で取得したログイン情報から、当該ユーザの送信履歴が存在するか否かを、送信履歴管理テーブル(図19)から検索する。具体的には、ログイン情報に含まれるユーザIDと一致するユーザIDを送信履歴管理テーブル(図19)から検索する。なお、本実施例でいう送信履歴とは、送信案内文書を送信した履歴のことを指す。
【0075】
ステップS803では、ステップS802で実行した検索の結果(ログインしたユーザの送信履歴の有無)を判断する。送信履歴がある場合は(ステップS803:あり)、処理をステップS804に移行する。他方、送信履歴が無いと判断すると(ステップS803:なし)、処理をステップS806に移行する。
【0076】
送信履歴がある場合、複合機103は、ステップS804で送信履歴一覧画面(図15)を操作部308に表示する。そして、図9のフローチャートで示す処理へ移行する(ステップS805)。
【0077】
送信履歴がない場合、複合機103は、ステップS806で送信案内文書送信画面(図16)を操作部308に表示し、ユーザに宛先の入力又はアドレス帳などのリストからの選択を促す。
【0078】
ステップS806で表示された送信案内文書送信画面においてユーザにより宛先の入力又は選択がなされ、送信ボタン1602が押下されると、ステップS807において複合機103は、スキャナ部314の原稿台に置かれた送信原稿(実送信文書)をスキャンする。
【0079】
ステップS808では、複合機103は、ステップS807でスキャンした文書に一時ファイル名を付けて、複合機103のHDD304にスキャンした文書(実送信文書)を保存する。
ステップS809では、複合機103は、FAX送信の案内文書を生成する。
【0080】
ステップS810では、複合機103は、ステップS809で生成した送信案内文書をステップS806でユーザから入力又は選択された宛先に対して送信する要求を送信する。
【0081】
ステップS811では、ステップS810で送信された要求を受信し、ステップS812で送信要求に基づき、ユーザにより指定された宛先に対して送信案内文書を送信する。
【0082】
なお、ステップS810における送信要求の送信は、複合機103のFAX送信管理機能部362が実行し、ステップS811における送信要求の受信は、複合機103のFAX送信機能部370が実行する。
ステップS813では、複合機103は、ステップS812での送信の結果(送信に成功したか否か)をHDD304に記憶する。
【0083】
ステップS814では、送信案内文書の送信結果を複合機103のFAX送信機能部370が送信し、ステップS815で複合機103のFAX送信管理機能部362が当該送信結果を受信する。
【0084】
ステップS816では、複合機103は、受信した送信結果から、送信の成否を判断し、送信に成功していた場合(ステップS816:成功)は、処理をステップS819に移行する。送信に失敗していた場合(ステップS816:失敗)は、処理をステップS817に移行する。
【0085】
ステップS812での送信案内文書の送信に失敗した場合、ステップS817では、ステップS808で複合機103のHDD304に保存した実送信文書データを削除する。
【0086】
ステップS817で実送信文書データを削除すると、ステップS818に処理を移行し、図13に示す送信エラー画面1302を表示する。なお、送信エラー画面1302に表示されたOKボタンがユーザにより押下されると、図16に示す送信案内文書送信画面を表示し、処理をステップS806に戻す。
【0087】
ステップS812で送信案内文書の送信に成功した場合、ステップS819では、ステップS808で保存した実送信文書のファイル名を変更する。ここでファイル名は一意である必要があるので、例えば日付と宛先番号とをもとに決定される。具体的には、2009年12月23日15時30分に03−1234−5678に送信案内文書が送信された場合は、“0912231530_0312345678”といったファイル名となる。
【0088】
ステップS820では、図19で示す送信履歴管理テーブルにユーザID1901、送信ID1902、宛先1903、送信日時1904、ファイル名1905、実送信文書ファイルパス1906をそれぞれ紐付けしてレコード追加する。
【0089】
ステップS821では、複合機103は操作部308に図13に示す送信成功画面1301を表示する。送信成功画面1301のOKボタンがユーザにより押下されると、複合機103は、図16で示す送信案内文書送信画面を操作部308に表示し、処理をステップS806に移行する。なお、ここで処理をステップS806に移行するのではなく、図9に示すリダイアル送信処理に移行するようにしてもよい。
【0090】
次に図9を用いて、本発明の実施形態におけるリダイアル送信処理の詳細について説明する。なお、図9のフローチャートで示す処理については、複合機103のCPU301が実行する。
【0091】
ステップS901では、図15に示す送信履歴一覧画面においてユーザからのリダイアル送信の要求を受け付ける。具体的には、図15に示す送信履歴一覧画面において、ユーザにより送信履歴の選択がなされ、リダイアル送信開始ボタン1502が押下されることで、ユーザからのリダイアル送信要求を受け付ける。
【0092】
ステップS902では、複合機103は、ステップS901でユーザによりリダイアル送信開始ボタン1502が押下された場合(ステップS902:あり)には、処理をステップS904に移行する。他方、ステップS901でユーザによりリダイアル送信キャンセルボタン1501が押下されると(ステップS902:なし)、処理をステップS903に移行する。
ステップS903では、複合機103は送信案内文書送信画面(図16)を操作部308に表示し、ステップS806以降の処理に移行する。
【0093】
ステップS904では、複合機103は、送信履歴管理テーブル(図19)から、ユーザにより選択された送信履歴に該当するレコードを取得し、レコード内の宛先情報およびファイルパスを取得する。そして、取得したファイルパスをもとに複合機103のHDD304に格納された実送信文書データを探し取得する。
【0094】
ステップS905では、複合機103のリダイアル送信機能部364が複合機103のFAX送信機能部370に対して、ステップS904で取得した宛先情報および実送信文書データとともに、取得した宛先への当該文書のFAX送信要求を送信する。
【0095】
ステップS906では、ステップS905で複合機103のリダイアル送信機能部364が送信した送信要求を複合機103のFAX送信機能部370が受信する。
ステップS907では、複合機103のFAX送信機能部370が、ステップS906で受信した宛先に受信した文書データをFAX送信する。
【0096】
ステップS908では、複合機103のFAX送信機能部370は、ステップS907で実行したFAX送信が成功したか否かの情報(送信結果)をリダイアル送信機能部364に対して送信する。
ステップS910でリダイアル送信機能部364が送信結果を受信し、ステップS911で送信が成功であったのか失敗であったのかを判断する。
【0097】
送信が成功であった場合には、ステップS913へ処理を移行(ステップS911:OK)し、ステップS910で受信した送信結果が失敗であった場合には、ステップS912に処理を移行(ステップS911:NG)する。
【0098】
ステップS911では、複合機103は操作部308に図14に示す送信失敗画面1402を表示する。送信失敗画面1402においてユーザによりOKボタンが押下されると、図15に示す送信履歴一覧画面を表示し、処理をステップS901に移行する。
【0099】
ステップS913では、複合機103は図19に示す送信履歴管理テーブルからステップS907で送信した実送信文書に対応する送信案内文書の送信履歴を削除し、さらに当該送信履歴に対応する複合機103のHDD304に保存された実送信文書データも削除する。この削除処理により、実送信文書のFAX送信に成功した場合に、当該成功した送信に対応する送信案内文書送信履歴および送信した実送信文書のデータを削除することとなる。
【0100】
ステップS913では、複合機103は操作部308に図14で示す送信成功画面1401を表示する。送信成功画面1401においてユーザによりOKボタンが押下されると、図15に示す送信履歴一覧画面を表示し、処理をステップS901に移行する。
次に図10を用いて、本発明の実施形態における送信履歴定期削除処理の詳細について説明する。図10のフローチャートで示す送信履歴定期削除処理については、複合機103のCPU301が実行する。
【0101】
ステップS1001では、複合機103は予め設定された削除時刻が到来したか否かを判定する。指定された削除時刻が到来していると判定した場合(ステップS1001:YES)は、処理をステップS1002へ移行する。削除時刻が到来していないと判定した場合(ステップS1001:NO)は、削除時刻が到来するまで待つ。
ステップS1002では、図19に示す送信履歴管理テーブルから送信履歴レコードをリストとして全て取得する。
【0102】
ステップS1003では、ステップS1002で取得した送信履歴レコードが1つでも存在する場合には、処理をステップS1004に移行する。1つも送信履歴レコードが存在しない場合は、処理をステップS1001に移行し、再度削除時刻が到来するのを待つ。なお、削除時刻については、図17で示す画面からユーザが設定する。設定にあたっては、クライアントPC101を用いて設定する構成でもよく、または複合機103を用いて設定する構成でもいずれでもよい。ステップS1004では、送信履歴レコードのリストから1レコードを取得し、当該レコードの送信日時1904を取得する。
【0103】
ステップS1005では、ステップS1004で取得した送信日時と現在の時刻とを比較し、予め設定された時間経過しているか否かを判断する。送信日時から予め設定された時間経過していると判断すると(ステップS1005:YES)、処理をステップS1006に移行する。他方、送信日時から予め設定された時間経過していないと判断すると、処理をステップS1007に移行する。なお、ここでいう予め設定された時間については、図18に一例を示す送信履歴保存時間設定画面によりユーザが設定する。設定にあたっては、クライアントPC101を用いて設定する構成でもよく、または複合機103を用いて設定する構成でもいずれでもよい。
【0104】
ステップS1006では、送信履歴管理テーブルから送信日時から予め設定された時間経過した当該レコードを削除し、さらに複合機103のHDD304に保存された送信文書も削除する。この削除処理により、送信案内文書の送信に成功した履歴のうち、実送信文書の送信については未完了である履歴の実送信文書データおよび当該送信案内文書の送信履歴について削除することになる。実送信文書の送信未完了の履歴についても定期的に削除することで、選択ミスによる誤送信を防止することができる。
【0105】
ステップS1007では、ステップS1002において取得した送信履歴レコードのリストにステップS1005の判断がなされていないレコードが存在するか否かを判定する。存在する場合には、処理をステップS1004に移行し、送信履歴から1つレコードを取得する。存在しない場合には、処理をステップS1001に戻し、再度削除時刻が到来するまで待つ。
【0106】
図17は削除時刻設定画面の一例を示す図である。なお、削除時刻の設定は、ユーザがクライアントPC101を用いて行う構成であっても複合機103を用いて行う構成であってもいずれでも良い。図17に示す1701は定期削除の設定を受け付ける入力欄である。例えば1701の入力欄に「30」が入力されると、30分毎に送信履歴レコードの有無をチェックすることになる。また、1702は定時削除の設定を受け付ける入力欄である。図17に示す例では、毎日15時に送信履歴レコードの有無をチェックする。1703の登録ボタンが押下されることで、削除時刻の設定が登録される。
【0107】
図18は送信履歴の保存時間を設定する画面である。送信履歴の保存時間の設定についても、削除時刻の設定と同様に、ユーザがクライアントPC101を用いて行っても複合機103を用いて行ってもいずれでもよい。図18に示す例では、1801の入力欄に「12」と入力されており、送信案内文書の送信が成功してから12時間は送信履歴として保存されることを示している。送信案内文書の送信から12時間が経過すると、削除対象となる。
【0108】
以上の構成によれば、送信履歴からの送信のみを許可することで誤った宛先に対する送信を防ぐとともに、ユーザ毎に送信履歴を管理し、さらに送信履歴のリダイアル番号が送信完了後または一定時間利用されない場合には当該送信履歴を消去することで、履歴一覧から意図する宛先を探す手間が省け、かつ誤って間違った履歴を選択することを防ぐことが可能となる。なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0109】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様を採ることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、ひとつの機器からなる装置に適用しても良い。
【0110】
また、本発明におけるプログラムは、図7〜図10の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体には、図7〜図10の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図7〜図10の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0111】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0112】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0113】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0114】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0115】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0116】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0117】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0118】
101 クライアントPC
102 認証サーバ
103 複合機
104 LAN
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから送信先の指定を受け付ける送信先受付手段と、
送信原稿を電子的なデータとして読み取る読取手段と、
送信案内文書を生成する送信案内文書生成手段と、
前記送信先受付手段で受け付けた送信先に対して前記送信案内文書生成手段が生成した送信案内文書を送信する送信案内文書送信手段と、
前記送信案内文書送信手段が送信案内文書を送信した送信先と前記読取手段が読み取った送信原稿データとを対応付けて送信履歴として記憶する送信履歴記憶手段と、
ユーザから前記送信履歴記憶手段に記憶された送信履歴の選択を受け付ける送信履歴選択受付手段と、
前記送信履歴選択受付手段で選択を受け付けた送信履歴に含まれる送信先に対して、当該送信先に対応付けられた送信原稿データを送信する送信手段と
を備えることを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
前記ファクシミリ装置は、さらに、
前記送信手段が送信原稿データを送信した後、当該送信の前提となった送信履歴を削除する送信履歴削除手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項3】
前記送信履歴削除手段は、さらに、
前記送信案内文書送信手段が送信案内文書を送信してから、ユーザにより予め設定された時間経過した場合には、当該設定された時間経過した送信履歴を削除することを特徴とする請求項2に記載のファクシミリ装置。
【請求項4】
前記ファクシミリ装置は、さらに、
前記ファクシミリ装置を利用するユーザを識別するユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段を備え、
前記送信履歴記憶手段は、さらに、
前記ユーザ識別情報取得手段で取得したユーザ識別情報を前記送信履歴に対応付けて記憶することを特徴とし、
前記送信履歴選択受付手段は、さらに、
前記ユーザ識別情報取得手段で取得したユーザ識別情報と一致するユーザ識別情報を含む送信履歴の選択をユーザから受け付けること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のファクシミリ装置。
【請求項5】
ファクシミリ装置の制御方法であって、
送信先受付手段が、ユーザから送信先の指定を受け付ける送信先受付工程と、
読取手段が、送信原稿を電子的なデータとして読み取る読取工程と、
送信案内文書生成手段が、送信案内文書を生成する送信案内文書生成工程と、
送信案内文書送信手段が、前記送信先受付手段が前記送信先受付工程で受け付けた送信先に対して前記送信案内文書生成手段が前記送信案内文書生成工程で生成した送信案内文書を送信する送信案内文書送信工程と、
送信履歴記憶手段が、前記送信案内文書送信手段が前記送信案内文書送信工程で送信案内文書を送信した送信先と前記読取手段が前記読取工程で読み取った送信原稿データとを対応付けて送信履歴として記憶する送信履歴記憶工程と、
送信履歴選択受付手段が、ユーザから前記送信履歴記憶手段が前記送信履歴記憶工程で記憶した送信履歴の選択を受け付ける送信履歴選択受付工程と、
送信手段が、前記送信履歴選択受付手段が前記送信履歴選択受付工程で選択を受け付けた送信履歴に含まれる送信先に対して、当該送信先に対応付けられた送信原稿データを送信する送信工程と
を備えることを特徴とするファクシミリ装置の制御方法。
【請求項6】
ファクシミリ装置で実行可能なプログラムであって、
前記ファクシミリ装置を
ユーザから送信先の指定を受け付ける送信先受付手段と、
送信原稿を電子的なデータとして読み取る読取手段と、
送信案内文書を生成する送信案内文書生成手段と、
前記送信先受付手段で受け付けた送信先に対して前記送信案内文書生成手段が生成した送信案内文書を送信する送信案内文書送信手段と、
前記送信案内文書送信手段が送信案内文書を送信した送信先と前記読取手段が読み取った送信原稿データとを対応付けて送信履歴として記憶する送信履歴記憶手段と、
ユーザから前記送信履歴記憶手段に記憶された送信履歴の選択を受け付ける送信履歴選択受付手段と、
前記送信履歴選択受付手段で選択を受け付けた送信履歴に含まれる送信先に対して、当該送信先に対応付けられた送信原稿データを送信する送信手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
ユーザから送信先の指定を受け付ける送信先受付手段と、
送信原稿を電子的なデータとして読み取る読取手段と、
送信案内文書を生成する送信案内文書生成手段と、
前記送信先受付手段で受け付けた送信先に対して前記送信案内文書生成手段が生成した送信案内文書を送信する送信案内文書送信手段と、
前記送信案内文書送信手段が送信案内文書を送信した送信先と前記読取手段が読み取った送信原稿データとを対応付けて送信履歴として記憶する送信履歴記憶手段と、
ユーザから前記送信履歴記憶手段に記憶された送信履歴の選択を受け付ける送信履歴選択受付手段と、
前記送信履歴選択受付手段で選択を受け付けた送信履歴に含まれる送信先に対して、当該送信先に対応付けられた送信原稿データを送信する送信手段と
を備えることを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
前記ファクシミリ装置は、さらに、
前記送信手段が送信原稿データを送信した後、当該送信の前提となった送信履歴を削除する送信履歴削除手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項3】
前記送信履歴削除手段は、さらに、
前記送信案内文書送信手段が送信案内文書を送信してから、ユーザにより予め設定された時間経過した場合には、当該設定された時間経過した送信履歴を削除することを特徴とする請求項2に記載のファクシミリ装置。
【請求項4】
前記ファクシミリ装置は、さらに、
前記ファクシミリ装置を利用するユーザを識別するユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段を備え、
前記送信履歴記憶手段は、さらに、
前記ユーザ識別情報取得手段で取得したユーザ識別情報を前記送信履歴に対応付けて記憶することを特徴とし、
前記送信履歴選択受付手段は、さらに、
前記ユーザ識別情報取得手段で取得したユーザ識別情報と一致するユーザ識別情報を含む送信履歴の選択をユーザから受け付けること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のファクシミリ装置。
【請求項5】
ファクシミリ装置の制御方法であって、
送信先受付手段が、ユーザから送信先の指定を受け付ける送信先受付工程と、
読取手段が、送信原稿を電子的なデータとして読み取る読取工程と、
送信案内文書生成手段が、送信案内文書を生成する送信案内文書生成工程と、
送信案内文書送信手段が、前記送信先受付手段が前記送信先受付工程で受け付けた送信先に対して前記送信案内文書生成手段が前記送信案内文書生成工程で生成した送信案内文書を送信する送信案内文書送信工程と、
送信履歴記憶手段が、前記送信案内文書送信手段が前記送信案内文書送信工程で送信案内文書を送信した送信先と前記読取手段が前記読取工程で読み取った送信原稿データとを対応付けて送信履歴として記憶する送信履歴記憶工程と、
送信履歴選択受付手段が、ユーザから前記送信履歴記憶手段が前記送信履歴記憶工程で記憶した送信履歴の選択を受け付ける送信履歴選択受付工程と、
送信手段が、前記送信履歴選択受付手段が前記送信履歴選択受付工程で選択を受け付けた送信履歴に含まれる送信先に対して、当該送信先に対応付けられた送信原稿データを送信する送信工程と
を備えることを特徴とするファクシミリ装置の制御方法。
【請求項6】
ファクシミリ装置で実行可能なプログラムであって、
前記ファクシミリ装置を
ユーザから送信先の指定を受け付ける送信先受付手段と、
送信原稿を電子的なデータとして読み取る読取手段と、
送信案内文書を生成する送信案内文書生成手段と、
前記送信先受付手段で受け付けた送信先に対して前記送信案内文書生成手段が生成した送信案内文書を送信する送信案内文書送信手段と、
前記送信案内文書送信手段が送信案内文書を送信した送信先と前記読取手段が読み取った送信原稿データとを対応付けて送信履歴として記憶する送信履歴記憶手段と、
ユーザから前記送信履歴記憶手段に記憶された送信履歴の選択を受け付ける送信履歴選択受付手段と、
前記送信履歴選択受付手段で選択を受け付けた送信履歴に含まれる送信先に対して、当該送信先に対応付けられた送信原稿データを送信する送信手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−139145(P2011−139145A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296309(P2009−296309)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]