説明

ファクシミリ装置

【課題】内部メモリに記憶されているファクシミリ情報が視認された場合に、以降の視認者に対し、そのファクシミリ情報を既に視認した既視認者が存在する旨を認識させることができるファクシミリ装置を提供する。
【解決手段】受信FAX確認画面では「送信者:乙さん、受信日:08/02/01」のFAXについては既読者は存在しなかったが、その後、ユーザ(Aさん)が、かかるFAXを選択し、そのFAXをLCD41に表示させた後は、以降受信FAX確認画面には、「送信者:乙さん、受信日:08/02/01」のFAXについては、既読者としてユーザ(Aさん)が存在していることを表示する。よって、以降のユーザに対し、そのFAXを誰が視認したかを認識させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、送信元から通信回線を介して送信されるデータを受信し、その受信したデータを変換して記録用紙に記録したり、元原稿を読み取り、その読み取ったデータを通信回線を介して受信先に送信するファクシミリ装置が知られている。
【0003】
また、このファクシミリ装置には、受信したデータを直ちに記録用紙に記録せずに内部メモリに記憶し、ユーザからの指示が入力された場合に、その指示されたデータを記録用紙や表示装置に出力するメモリ受信機能や、正規のユーザIDが入力された事を条件に出力を許可するユーザ認証機能が搭載されており、受信したデータの内容が部外者に視認されるのが防止されている。
【0004】
一方、次の特許文献1には、回覧対象者となる複数の名前を一覧表示し、回覧が完了した場合には、その回覧が完了した人の名前を一覧表示の中から削除し、その一覧表示を参照することで、次に誰に回覧を回せば良いのか容易に判別することができる回覧管理装置が記載されている。
【特許文献1】特開2000−218976号公報(段落第「0006」等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したメモリ受信機能、ユーザ認証機能を搭載したファクシミリ装置であっても、正規のユーザであれば、受信したデータを記録用紙や表示装置に出力することができたので、その受信したデータの内容を既に視認した既視認者が存在するか否かが分からなかった。同様に、上述した回覧管理装置では、回覧が完了した人の名前は一覧表示中から削除されるので、その回覧について既視認者がいるか否かが分からなかった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、内部メモリに記憶されているファクシミリ情報が視認された場合に、以降の視認者に対し、そのファクシミリ情報を既に視認した既視認者が存在する旨を認識させることができるファクシミリ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、請求項1記載のファクシミリ装置は、ファクシミリ情報を受信する受信手段と、その受信手段で受信したファクシミリ情報の各々を識別するための個別情報を付与する個別情報付与手段と、その個別情報付与手段で付与された個別情報と、前記ファクシミリ情報とを対応付けて記憶するファクシミリ情報記憶手段と、そのファクシミリ情報記憶手段に記憶されている個別情報の一覧を表示装置に表示させる個別情報表示制御手段と、その個別情報表示制御手段によって表示された個別情報の一覧の中から所定の個別情報を指示する指示手段と、その指示手段によって指示された個別情報に対応するファクシミリ情報を前記表示装置または出力装置に出力させる出力制御手段とを備えたものであって、前記ファクシミリ情報が前記出力制御手段によって出力済であることを示す出力済情報を記憶する出力済情報記憶手段と、その出力済情報記憶手段に記憶されている出力済情報を、その出力済情報に対応する個別情報またはファクシミリ情報と組み合わせて報知する報知手段とを備えている。
【0008】
請求項2記載のファクシミリ装置は、請求項1に記載のファクシミリ装置において、前記指示手段を操作した操作者を特定する特定手段を備え、前記出力済情報記憶手段は、前記出力済情報として、前記特定手段によって特定された操作者を記憶する。
【0009】
請求項3記載のファクシミリ装置は、請求項2に記載のファクシミリ装置において、前記出力制御手段は、前記特定手段によって操作者が特定されたことを条件に、前記ファクシミリ情報を前記出力装置に出力させる。
【0010】
請求項4記載のファクシミリ装置は、請求項3に記載のファクシミリ装置において、前記出力制御手段によって出力を許可された操作者を示す出力許可者を前記個別情報と対応付けて記憶する出力許可者記憶手段と、前記特定手段によって特定された操作者が前記出力許可者か否かを判断する判断手段とを備え、前記出力制御手段は、前記判断手段によって前記出力許可者であると判断された場合には、前記ファクシミリ情報を前記表示装置または前記出力装置に出力させ、前記出力許可者でないと判断された場合には前記ファクシミリ情報を前記表示装置または前記出力装置に出力させない。
【0011】
請求項5記載のファクシミリ装置は、請求項1から4のいずれかに記載のファクシミリ装置において、前記報知手段は、前記個別情報表示制御手段によって前記表示装置に表示される個別情報の一覧において、前記出力済情報を、その出力済情報と対応する個別情報に組み合わせて表示することで報知する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載のファクシミリ装置によれば、受信手段で受信したファクシミリ情報の各々は、個別情報付与手段によって各ファクシミリ情報を識別するための個別情報が付与され、その付与された個別情報と対応付けてファクシミリ情報記憶手段に記憶される。そして、ファクシミリ情報記憶手段に記憶されている個別情報の一覧が個別情報表示制御手段によって表示装置に表示されると、その表示された個別情報の一覧の中から所定の個別情報が指示手段によって指示され、その指示された個別情報に対応するファクシミリ情報が表示装置または出力装置に出力制御手段によって出力される。また、ファクシミリ情報が出力制御手段によって出力されると、そのファクシミリ情報が出力済であることを示す出力済情報が出力済情報記憶手段に記憶され、その出力済情報記憶手段に記憶されている出力済情報は、その出力済情報に対応する個別情報またはファクシミリ情報と組み合わせて報知手段によって報知される。よって、ファクシミリ情報が出力済であるか否か、即ち、ファクシミリ情報記憶手段に記憶されているファクシミリ情報を既に視認した既視認者が存在するか否かを、その後、そのファクシミリ情報を視認する視認者に対して認識させることができるという効果がある。
【0013】
請求項2記載のファクシミリ装置によれば、請求項1に記載のファクシミリ装置の奏する効果に加え、出力済情報記憶手段に記憶されている出力済情報は、特定手段によって特定される指示手段を操作した操作者を記憶するので、ファクシミリ情報を出力してファクシミリ情報を視認した既視認者が誰であるかを、以降に視認者に対して認識させることができるという効果がある。
【0014】
請求項3記載のファクシミリ装置によれば、請求項1に記載のファクシミリ装置の奏する効果に加え、出力制御手段は、特定手段によって操作者が特定されたことを条件にファクシミリ情報を出力装置に出力させるので、特定手段によって操作者が特定されない限り、ファクシミリ情報が出力されず、その特定手段によって特定した操作者を既視認者とすることで、確実に、ファクシミリ情報を出力してファクシミリ情報を視認した既視認者が誰であるかを、以降に視認者に対して認識させることができるという効果がある。
【0015】
請求項4記載のファクシミリ装置によれば、請求項3に記載のファクシミリ装置の奏する効果に加え、個別情報には、出力制御手段によって出力を許可された操作者を示す出力許可者が対応付けて記憶されており、所定の個別情報に対応するファクシミリ情報の出力を指示した操作者が、その所定の個別情報に対応付けて記憶されている出力許可者か否かが判断手段によって判断される。そして、出力制御手段は、判断手段によって出力許可者であると判断された場合にファクシミリ情報を表示装置または出力装置に出力させ、出力許可者でないと判断された場合にはファクシミリ情報を表示装置または出力装置に出力させない。よって、出力許可者以外にファクシミリ情報が視認されるのを防止しつつ、且つ、その出力許可者の中でファクシミリ情報を視認した既視認者を、以降に視認者に対して認識させることができるという効果がある。
【0016】
請求項5記載のファクシミリ装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載のファクシミリ装置の奏する効果に加え、出力済情報は、個別情報表示制御手段によって表示装置に表示される個別情報の一覧において、対応する個別情報に組み合わせて表示することで報知される。よって、正に、これからファクシミリ情報を出力しようとする者に対して、そのファクシミリ情報について既視認者がいるかを、一見して認識させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態である複合機1の外観構成を示す斜視図である。複合機1は、特に、内部メモリに記憶されているファクシミリ情報(以下、「FAX」と称す)が視認された場合に、以降の視認者に対し、そのFAXを既に視認した既視認者が存在する旨を認識させることができる装置である。
【0018】
複合機1は、下部に設けられたプリンタ部2と、上部に設けられたスキャナ部3と、スキャナ部3の正面側に設けられた操作パネル4とを一体的に備えたMFD(Multi Function Device)であり、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能を備えている。
【0019】
尚、その他にも、USBメモリ、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ等の外部装置と接続され、その外部装置から受け取ったデータを記録用紙に記録したり、その外部装置から受け取ったデータを操作パネル4上の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)41に表示する機能を備えている。
【0020】
プリンタ部2には、正面に開口11が形成されており、この開口11から一部が露呈するようにして給紙トレイ及び排紙トレイが上下2段に設けられている。給紙トレイに積載された記録用紙は、プリンタ部2の内部へ給送され、画像が記録された後に排紙トレイへ排出されるようになっている。
【0021】
複合機1が、ファクシミリ装置の受信側装置として機能する場合には、送信元から送信されるFAXは、後述するFAXデータメモリ23a(図2参照)に格納される。そして、ユーザによって、その受信したFAXの記録が指示された場合に、その指示されたFAXがプリンタ部2によって記録用紙に記録される。
【0022】
スキャナ部3は、いわゆるフラットベッドスキャナとして構成されている。原稿カバー30は、複合機1の天板として設けられており、原稿カバー30の下には、図示しないプラテンガラスが配置されている。原稿はプラテンガラス上に載置され、原稿カバー30に覆われた状態でスキャナ部3に読み取られる。複合機1が、ファクシミリ装置の送信側装置として機能する場合には、受信先に送信する原稿は、このスキャナ部3で読み取られ、その読み取ったデータが受信先に送信される。
【0023】
操作パネル4は、プリンタ部2やスキャナ部3を操作するためのものであり、機能選択キー40a、テンキー40b、方向キー40c、決定キー40d、ユーザID確認キー40e、Stopキー40fを含む各種操作キー40と、LCD41とが設けられている。
【0024】
各種操作キー40のうち、機能選択キー40aはスキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等の各機能の実行指示を入力するためのキーである。テンキー40bはコピー枚数、FAX番号等を入力するためのキーである。方向キー40cはLCD41に表示されるカーソル枠の位置を入力するためのキーである。決定キー40dは各種動作の実行指示を入力するためのキーである。ユーザID確認キー40eは本装置(複合機1)を使用する権限がある正規のユーザかを確認するために、各ユーザに割り当てられているユーザIDを確認する処理の実行指示を入力するためのキーである。Stopキー40fは、各種動作の中止指示を入力するためのキーである。
【0025】
これらの各種操作キー40を介して複合機1に所定の指令が入力されると、その入力された指令に応じて、複合機1の動作が制御部80(図2参照)によって制御される。尚、複合機1は、各種操作キー40から入力された指令のほか、コンピュータからプリンタドライバやスキャナドライバ等を介して送信される指令に基づいて動作するように構成されている。
【0026】
LCD41は、矢印A方向を横方向とした場合、その縦横比が3対8の矩形状に構成されている。より具体的には、縦横比が3対4である矩形状の2つのLCDを矢印A方向に隣設して構成されている。尚、図1では、この縮尺は無視して図示している。また、LCD41には、所謂タッチパネルが一体に設けられており、LCD41に表示される各種ボタンがユーザによって選択されると、その選択されたボタンに割り当てられている指示が入力される。
【0027】
操作パネル4の下方であって開口11の上方には、接続パネル70が設けられている。接続パネル70には、その左端側にUSB端子71が配設されている。USB端子71は、外部機器とUSB接続することにより外部機器と複合機1とを通信可能に接続するコネクタ端子である。
【0028】
接続パネル70の右端側にはスロット部72が配設されている。スロット部72はメモリカード(カード型メモリ)を装填可能な複数のカードスロットが設けられている。カードスロットにメモリカードが装填され、該装填されたメモリカードから画像データを後述する制御部80によって読み出し、その読み出した画像データをLCD41に表示したり、記録用紙に記録することができる。
【0029】
図2を参照して、複合機1の動作を制御する制御部80の概略構成について説明する。図2は、複合機1の制御部80の概略構成を示すブロック図である。制御部80は、プリンタ部2、スキャナ部3及び操作パネル4を含む複合機1の動作を統括的に制御するものである。
【0030】
制御部80は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)24を主とするマイクロコンピュータとして構成されており、バス25を介してASIC(Application Specific Integrated Circuit)26に接続されている。
【0031】
CPU21は、複合機1を総括的に制御する中央演算処理部であり、ROM22に記憶されているプログラムに沿って動作する。ROM22には、複合機1の各種動作を制御するためのプログラムが格納されており、例えば、受信FAX記録プログラム22aが記憶されている。
【0032】
この受信FAX記録プログラム22aは、後述する受信FAX確認処理や、FAXデータメモリ23aに記憶されている受信したFAXのうち、ユーザが選択した所定のFAXを記録用紙に記録させる処理を実行させるためのプログラムである。
【0033】
RAM23は、CPU21が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記録する記憶領域又は作業領域として使用され、FAXデータメモリ23aと、FAX履歴メモリ23bとが割り当てられている。
【0034】
FAXデータメモリ23aは、受信したFAXを記憶するエリアであり、受信したFAXと、そのFAXを識別するFAX用IDと、そのFAXを受信した受信日時と、そのFAXを送信した送信元のFAX番号とが対応付けて記憶されている。そして、後述する受信FAX確認処理において、所定のFAXが選択されると、その所定のFAXがFAXデータメモリ23aから読み出されLCD41に表示される。
【0035】
FAX履歴メモリ23bは、受信したFAXの履歴と、その受信したFAXの各履歴に対応付けて、そのFAXを既読したユーザと、未読のユーザと、そのFAXを閲覧する権利が無いユーザとを記憶するエリアであり、例えば、図3(a)に示すFAX履歴テーブルが記憶されている。図3(a)に示すように、FAX履歴テーブルには、受信したFAXの履歴として、「FAX用ID」50と、「FAX番号」51と、「受信日」52とが記憶されている。「FAX用ID」50には、受信した各FAXに個別に割り当てられるID番号が記憶されている。「FAX番号」51には、受信したFAXを送信した送信元のFAX番号が記憶されている。「受信日」52には、FAXを受信した日付情報が記憶されている。
【0036】
また、このFAX履歴テーブルには、各FAXの履歴情報と対応つけて、「各ユーザ」53a乃至53dが、そのFAXを既読か、未読か、閲覧する権利が無いかの情報が記憶されている。具体的には、既読である場合には「10」、未読の場合には「01」、閲覧権利がない場合には「00」が記憶されている。
【0037】
例えば、「FAX用ID」50が「000」、「FAX番号」51が「052−XXX−XXXX」、「受信日」52が「08/02/01」である受信履歴を持つFAXについて、「ユーザA」53aには「10」が記憶されているのでユーザAは、このFAXを既読、「ユーザB,C」53b,53cには「01」が記憶されているのでユーザB,Cは、このFAXを未読、「ユーザD」53dには「00」が記憶されているのでユーザDには、このFAXを閲覧する権利が無いという事になる。
【0038】
このFAX履歴テーブルに記憶されている情報は、FAXデータメモリ23aに記憶されているFAXの中から、所定のFAXを選択するために、受信したFAXの履歴を一覧化したFAX履歴一覧を表示する場合に読み出されて、LCD41に表示される。この際、各FAXの履歴に対応つけて、かかる既読者を表示することで、これからFAX内容を確認しようとするユーザに対し、そのFAXを既に視認した既視認者を一見して認識させることができる。
【0039】
再び、図2に戻り、説明を続ける。EEPROM24は、書き換え可能な不揮発性のメモリであり、アドレス帳管理メモリ24aと、ユーザIDメモリ24bとが割り当てられている。アドレス帳管理メモリ24aは、各ユーザ毎にFAX番号と、そのFAX番号の登録名とを記憶するエリアであり、例えば、図3(b)に示すアドレス帳管理テーブルが記憶されている。
【0040】
図3(b)に示すように、アドレス帳管理テーブルには、「登録名」54と、「FAX番号」55とが記憶されている。「登録名」54には、登録する相手の名称、「FAX番号」55には、その相手のFAX番号が記憶されている。また、その登録先を登録したユーザが「各ユーザ」56a〜56dに記憶されている。具体的には、登録したユーザには「1」、未登録のユーザには「0」が記憶されている。
【0041】
例えば、「登録名」54が「乙」、「FAX番号」55が「052−XXX−XXXX」については、「ユーザA,B,C」56a,56b,56cについて「1」、「ユーザD」56dについては「0」が記憶されているので、かかる登録先は、ユーザA,B,Cが登録した登録先であり、換言すれば、ユーザDには、かかる登録先から送信されるFAXについては、閲覧権利がないということになる。
【0042】
FAXを受信した場合には、このアドレス帳管理テーブルに、そのFAXを送信した送信先のFAX番号が登録されているか否かを判断し、登録されている場合には、それを登録したユーザを特定し、その特定したユーザのFAX履歴テーブルの状態を「未読」(「01」)に設定し、他のユーザの状態を閲覧権利無し(「00」)に設定する。
【0043】
ユーザIDメモリ24bは、ユーザ毎にユーザIDを記憶するエリアであり、例えば、図3(c)に示すユーザIDテーブルが記憶されている。図3(c)に示すように、ユーザIDテーブルには「ユーザID」57と、「ユーザ名」58とが記憶されている。「ユーザID」57には、各ユーザに個別に割り当てられているユーザIDが記憶されており、「ユーザ名」58には、そのユーザIDが割り当てられているユーザの名称(登録名)が記憶されている。例えば、「ユーザID」57が「100」の「ユーザ名」58にはユーザA、「ユーザID」57が「101」の「ユーザ名」58にはユーザBが対応付けて記憶されている。
【0044】
本装置(複合機1)は、正規のユーザIDが入力されることを条件に起動する設定に設定されており、ユーザから入力されたユーザIDが正規のユーザIDであるか否かが、このユーザIDメモリ24bに記憶されている情報に基づいて照合され、正規のユーザIDであること(正規のユーザであること、これから本装置を操作する操作者)が確認される。
【0045】
再び、図2に戻り、説明を続ける。バス25には、上述した構成の他、RTC(Real Time Clock)18が接続されている。RTC18には電池18aが接続されており、電源OFF後も駆動可能に構成されている。複合機1のファクシミリ機能によってFAXを受信した場合には、このRTC18からFAXを受信した受信日時が取得され、その受信日時は、その受信したFAXを識別するための個別情報として、受信したFAXに対応付けてFAXデータメモリ23aに記憶される。
【0046】
ASIC26は、CPU21からの指令に従い、プリンタ部2、スキャナ部3、操作パネル4(操作キー40、LCD41)、スロット部72等の動作制御を行なう。ASIC26には、プリンタ部2、スキャナ部3、操作キー40を制御するパネルゲートアレイ27(パネルGA27)、LCD41の画面表示を制御するLCDコントローラ28、スロット部72、コンピュータとパラレルケーブル又はUSBケーブルを介してデータの送受信を行なうためのパラレルインタフェース29、USB端子71、スピーカ74から出力する出力信号を増幅するアンプ73が接続されている。更に、ASIC26には、NCU(Network Control Unit)31が接続され、そのNCUにはモデム32が接続されている。このNCU31、モデム32を介して複合機1はFAXを送受信可能に構成されている。
【0047】
次に、図4を参照して、FAX受信処理について説明する。このFAX受信処理は、送信元から送信されたFAXをFAXデータメモリ23aに記憶し、FAX履歴テーブルを更新する処理であり、FAXを受信した場合に実行される。この処理では、まず、受信したFAXをFAXデータメモリ23aに格納する(S401)。この場合、受信したFAXには、そのFAXを受信した受信日時がRTC18から読み出され、その受信日時が各FAXを識別する個別情報として割り当てられる。
【0048】
そして、受信したFAXからFAX番号を読み出し、そのFAX番号がアドレス帳管理テーブル(図3(b)参照)に登録されているかを判断し(S402)、そのFAX番号が登録済であれば(S402:Yes)、そのFAX番号に対応つけてアドレス帳管理テーブルに記憶されている全ユーザ(「1」が記憶されているユーザ)を読み出し(S403)、受信したFAXの履歴を追加するために、FAX履歴テーブルを更新して(S404)、本処理を終了する。具体的には、受信したFAXの履歴情報(FAX用ID、FAX番号、受信日)、S403で読み出した全ユーザに「01」(未読)、残りのユーザに「00」(閲覧権利無し)を記憶し、本処理を終了する。
【0049】
一方、S402の判断の結果、受信したFAXのFAX番号が未登録であれば(S402:No)、S403の処理をスキップし、受信したFAXの履歴を追加するために、FAX履歴テーブルを更新して(S404)、本処理を終了する。具体的には、受信したFAXの履歴情報(FAX用ID、FAX番号、受信日)、全ユーザに「01」(未読)を記憶し、本処理を終了する。
【0050】
このFAX受信処理によって、受信したFAXの受信履歴(FAX用ID、FAX番号、受信日)がFAX履歴テーブルに追加され、後述するように、受信FAX確認処理において、ユーザから受信したFAXの履歴を表示する指示が入力された場合には、このFAX履歴テーブルに記憶されている情報に基づいて、FAX履歴の一覧を表示する。
【0051】
次に、図5を参照して、メイン処理について説明する。この処理は、機能選択キー40aの中から、FAX機能が割り当てられている機能選択キー40aが押下された場合に実行される処理である。この処理では、まず、初期化処理を行い(S501)、正しいユーザIDが入力されたかを判断する(S502)。正しいユーザIDが入力されない場合には(S502:No)、S502の処理を繰り返し、以降の処理への移行が実行されない。一方、正しいユーザIDが入力された場合には(S502:Yes)、LCD41に後述するユーザ基本画面を表示する(S503)。
【0052】
ここで、図6を参照して、ユーザ基本画面について説明する。メイン処理の開始当初は、図6(a)に示す初期画面がLCD41に表示されている。この初期画面には、現在日時「2月7日13:15」が表示されている。そして、正しいユーザIDが入力されると、図6(b)に示すユーザ基本画面を表示する。このユーザ初期画面には、S502で入力されたユーザIDと対応付けてユーザIDメモリ24bに記憶されているユーザ名「Aさん」と、現在時間「13:15」と、コマンド表示「アドレス帳」と、コマンド表示「受信FAX確認」とを表示する。尚、コマンド表示「アドレス帳」を囲む枠は、カーソル枠Kを示し、このカーソル枠Kは方向キー40cを操作することで移動し、カーソル枠Kが位置している所で、決定キー40dが押下されると、カーソル枠Kに囲まれて表示されている指示が入力される。
【0053】
再び、図5に戻り、説明を続ける。S503の処理で、図6(b)に示すユーザ初期画面を表示すると(S503)、次に、Stopキー40fが押下されたかを判断し(S504)、押下された場合には(S504:Yes)、S502の処理に移行し、押下されない場合には(S504:No)、図6(b)に示すユーザ初期画面で表示されているコマンド表示「アドレス帳」が選択されたかを判断する(S505)。
【0054】
その結果、コマンド表示「アドレス帳」が選択されたと判断した場合には(S505:Yes)、LCD41に後述するアドレス帳画面を表示し(S506)、アドレス帳変更処理を実行する(S507)。具体的には、図6に示すように、図6(b)に示すユーザ初期画面で表示されているコマンド表示「アドレス帳」が選択された場合には、図6(c)に示すアドレス帳画面を表示する。このアドレス帳画面には、ユーザ名「Aさん」と、「Aさん」と対応つけて、アドレス帳管理テーブル(図3(b)参照)に記憶されている登録先のFAX番号等を表示する。具体的には、登録名「乙さん」と、その乙さんのFAX番号「052−XXX−XXXX」とを表示する。また、その右側に、コマンド表示「新規番号登録」と、コマンド表示「登録番号削除」とを上下に表示する。
【0055】
こうして、図6(c)に示すアドレス帳画面を表示すると、次に、アドレス帳変更処理を実行する。ここで、図7のフローチャートを参照して、アドレス帳変更処理(S507)について説明する。この処理は、アドレス帳管理テーブル(図3(b)参照)に、新たな登録先を登録したり、既に登録されている登録先を削除するための処理である。
【0056】
図7に示すように、この処理では、まず、Stopキー40fが押下されたかを判断し(S701)、押下された場合には(S701:Yes)、本処理を終了し、押下されない場合には(S701:No)、図6(c)に示すアドレス帳画面に表示されているコマンド表示「新規番号登録」が選択されたかを判断する(S702)。その結果、「新規番号登録」が選択されなかった場合には(S702:No)、後述するS707の処理に移行し、選択された場合には(S702:Yes)、新規登録画面を表示する(S703)。そして、新たな登録先の入力が完了したかを判断し(S704)、入力されなかった場合には(S704:No)、S704の処理を繰り返し、入力された場合には(S704:Yes)、その入力された登録先(登録先の名称、FAX番号)をアドレス帳管理テーブルに記憶する(S705)。尚、入力された登録先は、現在の操作者であるとしてS502で判断されたユーザ(Aさん)に対応つけて記憶する。
【0057】
そして、再び、Stopキー40fが押下されたかを判断し(S706)、Stopキー40fが押下されない場合には(S706:No)、S706の処理を繰り返し、押下された場合には(S706:Yes)、本処理を終了する。
【0058】
ここまでの処理を図8を参照して、具体的に説明する。図8(a)に示すアドレス帳画面(図6(c)に示すアドレス帳画面と同様)が表示されている状態で、コマンド表示「新規番号登録」が選択されると、図8(b)に示す新規登録画面をLCD41に表示する。この新規登録画面では、登録先の入力を要求する表示「登録名及びFAX番号を入力して下さい。」というメッセージを表示する。
【0059】
そして、ユーザ(Aさん)によって、登録先が入力され、決定キー40dが押下されると、入力された新たな登録先をアドレス帳管理テーブルに記憶し、その新たに入力された登録先を加え、図8(c)に示すアドレス帳画面を表示する。即ち、図8(a)に示すアドレス帳画面に、今回、新たに入力された登録先「甲さん 0764−XX−XXXX」を加えたアドレス帳画面を表示する。
【0060】
その後、Stopキー40fが押下されるまで、図8(c)に示すアドレス帳画面を表示し、Stopキー40fが押下されると、図8(d)に示すユーザ初期画面(図6(b)に示すユーザ初期画面と同様)を表示する。
【0061】
再び、図7のフローチャートに戻って、説明を続ける。S702の処理において、コマンド表示「新規登録番号」が選択されなかった場合には(S702:No)、コマンド表示「登録番号削除」が選択されたかを判断する(S707)。
【0062】
その結果、コマンド表示「登録番号削除」が選択されなかった場合には(S707:No)、S701からの処理を繰り返し、選択された場合には(S707:Yes)、削除画面を表示する(S708)。そして、削除する登録先が選択されたかを判断し(S709)、削除する登録先が選択されないと判断した場合には(S709:No)、S709の処理を繰り返し、選択されたと判断した場合には(S709:Yes)、選択された登録先をアドレス帳管理テーブルから削除する(S710)。尚、この削除する登録先が、現在操作中のユーザ以外のユーザとも対応つけて記憶されている場合には、現在操作中のユーザとの関係についてだけ、選択された登録先を削除する。
【0063】
そして、再び、Stopキー40fが押下されたかを判断し(S711)、押下されない場合には(S711:No)、S711の処理を繰り返し、押下された場合には(S711:Yes)、本処理を終了する。
【0064】
ここまでの処理を図8を参照して、具体的に説明する。図8(a)に示すアドレス帳画面(図6(c)に示すアドレス帳画面と同様)が表示されている状態で、図8(e)に示すように、コマンド表示「登録番号削除」にカーソル枠Kが移動され、決定キー40dが押下されると、図8(f)に示すアドレス帳画面を表示する。このアドレス帳画面には、ユーザ名「Aさん」と対応付けてアドレス帳管理テーブルに記憶されている登録先(「登録名:乙さん FAX番号:052−XXX−XXXX」)を表示する。
【0065】
そして、削除する登録先にカーソル枠Kが移動され、決定キー40dが押下されると、削除する登録先が選択されたとして、ユーザ(Aさん)に対応つけてアドレス帳管理テーブルに記憶されていた登録先を削除すると共に、図8(g)に示すように、ユーザ(Aさん)に対応つけて登録されていた登録先を削除して表示する。その後は、Stopキー40fが押下されるまで、図8(g)に示す画面を表示し、Stopキー40fが押下されると、図8(h)に示すユーザ初期画面(図6(b)に示すユーザ初期画面と同様)を表示する。
【0066】
こうして、このアドレス帳変更処理によって、各ユーザ毎にアドレス帳管理テーブルに新たな登録先を登録することができると共に、各ユーザ毎に既に登録されている登録先をアドレス帳管理テーブルから削除することができる。
【0067】
再び、図5のフローチャートに戻り説明を続ける。上述したアドレス帳変更処理(S507)が終了すると、再び、S503の処理を繰り返す、一方、S505の処理において、図6(b)に示すユーザ初期画面において、コマンド表示「アドレス帳」が選択されなかった場合には(S505:No)、次に、コマンド表示「受信FAX確認」が選択されたかを判断し(S508)、「受信FAX確認」が選択されなかった場合には(S508:No)、S505からの処理を繰り返し、選択された場合には(S508:Yes)、受信FAX確認画面を表示し(S509)、後述する受信FAX確認処理を実行する(S510)。
【0068】
ここで、ここまでの処理を、図6を参照して、具体的に説明する。図6(b)のユーザ初期画面でコマンド表示「アドレス帳」が選択されず、図6(d)に示すように、カーソル枠Kがコマンド表示「受信FAX確認」移動され、決定キー40dが押下されると、図6(e)に示す受信FAX確認画面を表示する。
【0069】
この受信FAX確認画面は、FAX履歴テーブル(図3(a)参照)に記憶されている受信したFAXの履歴を一覧化して表示する画面である。各FAXの履歴としては、図6(e)に示すように、「送信者」、「受信日」とを横一列に並べて表示し、更に、その右隣に、そのFAXを既に視認したユーザを示す「既読者」を表示する。具体的には、上方から順番に、「送信者:乙さん、受信日:08/02/01」のFAXには「既読者」がおらず、「送信者:乙さん、受信日:07/12/11」のFAXには「既読者」として「Bさん、Aさん」が存在し、「送信者:甲さん、受信日:07/12/10」のFAXには、「既読者」として「Aさん」が存在していることを表示する。尚、この履歴一覧は、方向キー40cが操作されることで、上下にスクロールする。
【0070】
こうして、図6(e)に示す受信FAX確認画面を表示すると、次に、受信FAX確認処理を実行する(S510)。ここで、図9のフローチャートを参照して、受信FAX確認処理(S510)について説明する。この処理は、受信したFAXを確認するために、選択した所定のFAXをLCD41に表示する処理である。
【0071】
この処理では、まず、Stopキー40fが押下されたかを判断し(S910)、押下された場合には(S901:Yes)、本処理を終了し、Stopキー40fが押下されない場合には(S901:No)、FAX履歴の一覧の中から所定のFAXが選択されたかを判断し(S902)、選択されない場合には(S902:No)、S902の処理を繰り返し、選択された場合には(S902:Yes)、閲覧権利があるかを判断する(S903)。閲覧権利があるか否かは、その選択されたFAXについて、FAX履歴テーブルに、現在操作中のユーザについて「00」が記憶されているか否かによって判断する。
【0072】
その結果、閲覧権利があると判断した場合には(S903:Yes)、選択されたFAXをLCD41に表示する。具体的には、選択されたFAXと受信日(又はFAX用ID)で紐付けされ、FAXデータメモリ23aに記憶されているFAXを読み出し、そのFAXをLCD41に表示する(S904)。そして、現在の操作者をFAX履歴テーブルに既読者として登録する(S905)。一方、閲覧権利無しと判断した場合には(S903:No)、上述したS904,S905をスキップし、S906の処理に移行する。即ち、閲覧権利の無いユーザは、FAXの内容を確認することができない。
【0073】
尚、本実施形態では、このタイミング(所定のFAXが選択された場合)で閲覧権利があるか無いかを判断する場合について説明したが、S509の処理において、受信FAX確認画面を表示する場合に、現在のユーザ(Aさん)について、閲覧権のないFAX受信履歴は表示せず、そもそも閲覧権利のないFAXを選択できないように構成して良い。
【0074】
そして、選択されたFAXを表示した後は、Stopキー40fが押下されたかを判断し(S906)、押下されない場合には(S906:No)、S906の処理を繰り返し、Stopキー40fが押下された場合には(S906:Yes)、受信FAX確認画面を表示する(S907)。そして、再び、Stopキー40fが押下されたかを判断し(S908)、押下されない場合には(S908:No)、S908の処理を繰り返し、Stopキー40fが押下された場合には(S908:Yes)、本処理を終了する。
【0075】
次に、ここまでの処理を図10を参照して、具体的に説明する。受信FAX確認処理では、まず、図10(a)に示すように、受信FAX確認画面(図6(e)に示す受信FAX確認画面と同様)が表示されている状態で、方向キー40cが操作され、カーソル枠Kが所定のFAXに移動され、決定キー40dを押下されると、そのFAXが選択されたと判断し、図10(b)に示すように、その選択されたFAXを表示する。
【0076】
例えば、図10(a)に示すように、「送信者:乙さん、受信日:08/02/01」のFAXが選択されたとすると、そのFAXの内容をFAXデータメモリ23aから読み出し、図10(b)に示すように表示する。尚、このLCD41に表示されているFAXは、ユーザが方向キー40cを操作することで、上下にスクロールするのでユーザはFAXの内容を確認することができる。
【0077】
また、選択したFAXをLCD41に表示した場合には、現在の操作者であるユーザ(Aさん)を、その選択したFAXを既読した既読者として、FAX履歴テーブルに記憶する。具体的には、選択したFAXと対応するユーザAさんの情報を「10」に書き換える。
【0078】
そして、Stopキー40fが押下されると、図10(c)に示すように、再び、受信FAX確認画面を表示する。この場合、図10(c)に示すように、「送信者:乙さん、受信日:08/02/01」のFAXについて、そのFAXを既に視認したユーザ(Aさん)を、「既読者」として表示する。
【0079】
即ち、ユーザ(Aさん)が、選択したFAXを視認する前の状態において、図10(a)に示す受信FAX確認画面では、選択したFAXの既読者は存在しなかったが、図10(b)に示すように、選択したFAXをユーザ(Aさん)が視認した後は、その旨がFAX履歴テーブルに記憶され、以降、図10(c)に示すように、受信FAX確認画面には、そのFAXの「既読者」としてユーザ(Aさん)を表示する。よって、以降に、受信FAX確認画面において、「送信者:乙さん、受信日:08/02/01」のFAXを表示しようとするユーザに対して、かかるFAXは、既に、ユーザ(Aさん)によって視認されているFAXである旨を認識させることができる。
【0080】
そして、再び、Stopキー40fが押下されると、図10(d)に示すように、ユーザ初期画面を表示し、受信FAX確認処理を終了する(S510)。そして、この受信FAX確認処理を終了すると(S510)、図5のフローチャートに示すように、再び、S505からの処理を繰り返す。
【0081】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0082】
本実施形態では、図10(a)に示すFAX履歴の一覧の中から閲覧権利のあるユーザが所定のFAXを選択した場合に、その選択したユーザを既読者としてFAX履歴テーブルに記憶する場合について説明した。しかし、選択されたFAXの全面をLCD41に表示できず、方向キー40cが何回か操作されて、初めて選択されたFAXの全面を表示できるような場合には、所定のFAXが選択された場合でなく、その後、方向キー40cが何回か押下された場合に、そのユーザを既読者として記憶するように構成しても良い。方向キー40cが何回か押下されていなければ、選択されたFAXが視認されていない可能性があり、正に、FAXを視認したユーザだけを記憶することができる。
【0083】
また、選択されたFAXのうち、実際にLCD41に表示した部分(例えば、方向キー40cが1回押下された場合には、FAX全面の1/8を表示、2回押下された場合にはFAX全面の1/4を表示)を記憶しておき、選択したFAXのどの部分までが視認されたかを既読者と対応して表示するようにしても良い。また、この場合、既に、表示した部分と、未表示の部分との色を変えて表示するように構成して良い。
【0084】
本実施形態では、FAXの既読者を、FAXの履歴一覧に表示する各FAXの履歴に対応付けて、LCD41に表示する場合について説明したが、この既読者を、LCD41に表示することなく、例えば、スピーカ74を介して音声で報知するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】複合機の外観構成を示す斜視図である。
【図2】複合機の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】(a)はFAX履歴テーブル、(b)はアドレス帳管理テーブル、(c)はユーザIDテーブルを示す図である。
【図4】受信FAX記録処理を示すフローチャートである。
【図5】メイン処理示すフローチャートである。
【図6】操作に応じた表示画面を示す図である。
【図7】アドレス帳変更処理を示すフローチャートである。
【図8】操作に応じた表示画面を示す図である。
【図9】受信FAX確認処理を示すフローチャートである。
【図10】操作に応じた表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
1 複合機(ファクシミリ装置)
2 プリンタ部(出力装置の一部)
31 NCU(受信手段の一部)
18 RTC(個別情報付与手段の一部)
23a FAXデータメモリ(ファクシミリ情報記憶手段の一部)
23b FAX履歴メモリ(出力済情報記憶手段の一部、出力許可者記憶手段の一部)
41 LCD(表示装置)
S502 特定手段の一部
S509 個別情報表示制御手段の一部
S902 指示手段の一部
S903 判断手段の一部
S904 出力制御手段の一部
S907 報知手段の一部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファクシミリ情報を受信する受信手段と、
その受信手段で受信したファクシミリ情報の各々を識別するための個別情報を付与する個別情報付与手段と、
その個別情報付与手段で付与された個別情報と、前記ファクシミリ情報とを対応付けて記憶するファクシミリ情報記憶手段と、
そのファクシミリ情報記憶手段に記憶されている個別情報の一覧を表示装置に表示させる個別情報表示制御手段と、
その個別情報表示制御手段によって表示された個別情報の一覧の中から所定の個別情報を指示する指示手段と、
その指示手段によって指示された個別情報に対応するファクシミリ情報を前記表示装置または出力装置に出力させる出力制御手段とを備えたファクシミリ装置において、
前記ファクシミリ情報が前記出力制御手段によって出力済であることを示す出力済情報を記憶する出力済情報記憶手段と、
その出力済情報記憶手段に記憶されている出力済情報を、その出力済情報に対応する個別情報またはファクシミリ情報と組み合わせて報知する報知手段とを備えていることを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
前記指示手段を操作した操作者を特定する特定手段を備え、
前記出力済情報記憶手段は、前記出力済情報として、前記特定手段によって特定された操作者を記憶することを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項3】
前記出力制御手段は、前記特定手段によって操作者が特定されたことを条件に、前記ファクシミリ情報を前記出力装置に出力させることを特徴とする請求項2に記載のファクシミリ装置。
【請求項4】
前記出力制御手段によって出力を許可された操作者を示す出力許可者を前記個別情報と対応付けて記憶する出力許可者記憶手段と、
前記特定手段によって特定された操作者が前記出力許可者か否かを判断する判断手段とを備え、
前記出力制御手段は、前記判断手段によって前記出力許可者であると判断された場合には、前記ファクシミリ情報を前記表示装置または前記出力装置に出力させ、前記出力許可者でないと判断された場合には前記ファクシミリ情報を前記表示装置または前記出力装置に出力させないことを特徴とする請求項3に記載のファクシミリ装置。
【請求項5】
前記報知手段は、前記個別情報表示制御手段によって前記表示装置に表示される個別情報の一覧において、前記出力済情報を、その出力済情報と対応する個別情報に組み合わせて表示することで報知することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のファクシミリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−246542(P2009−246542A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88587(P2008−88587)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】