説明

ファスナ

【課題】 締結完了状態を明確に表示することができるファスナを提供する。
【解決手段】 取付孔101を有する車体パネル100に結合可能なファスナ1であって、取付孔に挿入可能な脚部11と、脚部の基端に設けられた頭部12とを備え、脚部の内部から頭部の外面へと開口するピン受容孔21が形成され、脚部の側部には弾性爪26が形成された本体2と、内孔に受容され、弾性爪の内孔内への変位を許容する第1位置と、弾性爪の内孔内への変位を規制する第2位置との間で変位可能なピン3と、頭部に結合してピンを第2位置に保持する蓋部材4とを有し、ピンは、基端に可撓性を有する屈曲した板片部32を有し、蓋部材は、貫通孔であるスロット51、53を有し、蓋部材が頭部に結合した状態で、板片部は蓋部材に押圧されて変形し、スロットの一端を閉塞することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファスナに係り、詳しくはファスナによる締結完了状態を検出装置によって確認可能にする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂製のファスナを用いて、カーテンエアバッグ等の部品を車体に締結したものがある(例えば、特許文献1)。このようなファスナは、締結完了状態を目視によって確認することが一般的であったが、近年、トレーサビリティの観点から車体に対する組付部品等の取り付け個数や、取り付けが確実になされたかを記録しておくことが望まれている。そのため、ファスナも、個数および締結完了状態を検出装置によって機械的・電気的に確認、記録することが要求されている。このような要求に対し、2つ以上の部品を組み合わせてなるファスナのそれぞれに電子回路を設け、ファスナが締結完了状態となったときに各部品の回路が共振回路を構成するようにし、ファスナが発生する電磁波を検出することによってファスナの締結完了状態を把握するようにしたものがある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−60017号公報
【特許文献2】特許4264325号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2に係るファスナは、ファスナに電子回路を構成しなければならず、構造が複雑となり、製造コストが増大するという問題がある。また、このようなファスナにおいては、締完了状態を確実に検出するために、締結が不十分な状態と締結完了状態とで表示や信号が明確に(大きく)変化することが好ましい。
【0005】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであって、締結完了状態を明確に表示することができるファスナを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、取付孔(101)を有する部材(100)に結合可能なファスナ(1)であって、前記取付孔に挿入可能な脚部(11)と、前記脚部の基端に設けられ、前記取付孔を通過できない頭部(12)とを備え、前記脚部の内部から前記脚部の軸線方向に延びて前記頭部の外面に開口する内孔(21)が形成され、前記脚部の側部には、当該脚部の外方に突出して前記取付孔に係合する一方、弾性変形によって前記内孔内へと没入可能な弾性爪(26)が形成された本体(2)と、基端が前記内孔の前記頭部側の端部から突出するように前記内孔に受容され、前記弾性爪の前記内孔内への変位を許容する第1位置と、前記弾性爪の前記内孔内への変位を規制する第2位置との間で変位可能なピン(3)と、前記頭部に結合して前記ピンを前記第2位置に保持する蓋部材(4)とを有し、前記ピンは、前記基端に可撓性を有する屈曲した板片部(32)を有し、前記蓋部材は、貫通孔である表示孔(51)を有し、前記蓋部材が前記頭部に結合した状態で、前記板片部は前記蓋部材に押圧されて変形し、前記表示孔の一端を閉塞することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、ファスナの締結完了状態では表示孔の一端が板片部によって閉塞されるため、例えば表示孔の深さをレーザ検出器等によって検知することによって、或いは表示孔を介して外部に露呈する板片部の色彩をCCDカメラ等によって検知することによってファスナの締結完了状態を検知することができる。特に、板片部は締結完了状態において蓋部材に押圧されて変形し、これにより初めて表示孔の一端を閉塞するため、締結が不十分な状態では表示孔の一端を閉塞することはなく、締結完了状態と締結が不十分な状態とを明確に区別することができる。
【0008】
また、本発明の他の側面は、前記表示孔は、バーコード形状に配列された複数のスロットからなるスロット群(52)であり、前記蓋部材が前記頭部に結合した状態で、前記板片部は前記スロット群の所定のスロットを閉塞することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、既存のバーコードリーダを利用してファスナの締結完了状態を確認することができ、汎用性を高めることができる。
【0010】
また、本発明の他の側面は、前記蓋部材は、前記頭部に回動自在に支持されていることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、本体と蓋部材とを1つの組立体として構成することができるため、ファスナの使用時の取り付け作業性が向上する。
【0012】
また、本発明の他の側面は、前記蓋部材は、長孔状のガイド孔(47)を有し、前記ピンは、前記ガイド孔に変位可能に受容されるガイド凸部(35)を有し、前記蓋部材が前記頭部に対して回動することによって、前記ガイド凸部が前記ガイド孔内を摺動しつつ前記ガイド孔の孔壁から押圧され、前記ピンが前記内孔に対して変位することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、本体、蓋部材及びピンを1つの組立体として構成することができるため、ファスナの使用時の取り付け作業性が向上する。また、蓋部材を回動させることによって、ピンを内孔に対して出没させることができ、操作が簡単である。
【0014】
また、本発明の他の側面は、前記板片部は、前記蓋部材と異なる色彩を有することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、公知のCCDカメラ等を用いてファスナの締結完了状態を検知することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上の構成によれば、締結完了状態を明確に表示することができるファスナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態に係るファスナの斜視図
【図2】実施形態に係るファスナの斜視図
【図3】実施形態に係るファスナの分解斜視図
【図4】実施形態に係るファスナの平面図
【図5】図4のV−V断面図
【図6】実施形態に係るファスナを用いて車体パネルにカーテンエアバッグを締結する際の途中の状態を示す断面図
【図7】実施形態に係るファスナを用いて車体パネルにカーテンエアバッグを締結する際の途中の状態を示す平面図
【図8】実施形態に係るファスナを用いて車体パネルにカーテンエアバッグを締結する際の締結完了状態を示す断面図
【図9】実施形態に係るファスナを用いて車体パネルにカーテンエアバッグを締結する際の締結完了状態を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明を車体パネルにカーテンエアバッグを取り付けるためのファスナに適用した実施形態を詳細に説明する。以下の説明においては、各図に示す座標軸に基づいて各方向を定める。
【0019】
図1〜5に示すように、実施形態に係るファスナ1は、本体2と、ピン3と、蓋部材4とから構成されている。本体2、ピン3及び蓋部材4は、例えばポリアセタールといった樹脂材料を射出成形することによって形成されている。ここで、ピン3と蓋部材4とは、色彩において明確に区別できるように色彩が設定されていることが好ましい。例えば、蓋部材4が淡色であり、ピン3が濃色であることが好ましく、本実施形態では蓋部材4が白色であり、ピン3が黒色である。色彩は、ピン3及び蓋部材4を成形する前に樹脂材料に所定の着色料を含有させることによって、或いは射出成形後に所定の塗料を塗布することによって付してよい。
【0020】
本体2は、上下方向に延びる四角柱状の脚部11と、脚部11の上端に連続し、左右方向に延びる頭部12とを有し、前方から見てT字状を呈する。すなわち、頭部12は、長手方向(左右方向)における中間部において脚部11の上端に連続しており、脚部11の軸線方向に直交する方向に延在している。頭部12は、前側壁13、後側壁14、左側壁15、右側壁16及び底板17からなる上方に開口した箱形を呈し、前側壁13が後側壁14よりも高く形成されている。底板17の右端部には、上下方向に貫通する貫通孔18が形成されている(図3〜5参照)。貫通孔18は、右側壁16の基部の下方まで回り込むように延在し、右側壁16の下端面19が露出している。左側壁15には前後方向に延在する軸線を有するヒンジ軸20が突設されている。
【0021】
図5に示すように、脚部11には、脚部11を軸線方向(上下方向)に貫通する断面四角形状のピン受容孔(内孔)21が形成されており、その上端は、頭部12の底板17の左右方向における中央部の上面に開口している。
【0022】
頭部12の後側壁14の下縁には、左右方向に沿ってリブ23が延設されている。リブ23は、頭部12の底面を後方に拡張し、取り付け対象となる物体(後述するカーテンエアバッグ102)との接触面積を増大させる効果がある。本実施形態では、リブ23は、後側壁14上に突設された他のリブ24に補強されている。
【0023】
脚部11のピン受容孔21を挟んで互いに対向する前側部および後側部には、ピン受容孔21と外面とを連通する爪孔25がそれぞれ形成されており、各爪孔25の下縁には爪孔25内を上方へと延びる弾性爪26がそれぞれ形成されている。各弾性爪26は、先端側(上端側)に向かうほど脚部の外方に突出するように外面がテーパ状に形成されており、その上端に上方を向く逆止面が形成されている。弾性爪26は、弾性変形することによってピン受容孔21内へと傾倒し、没入可能になっている。
【0024】
ピン3は、ピン受容孔21に突入可能な四角柱状の軸部31と、軸部31の上端に設けられた板片部32とを有している。板片部32は、面が上下方向を向くようにして、左方へと延びる板状の左半部33と、左半部33の右端縁から屈曲して右方かつ上方へ延びる薄片状の右半部34とを有している。右半部34は、左半部33に対して略135°の角度をなしており、薄肉に形成されて可撓性を有している。左半部33の左端の前部及び後部には円柱状のガイド凸部35が前後方向に突設されている。
【0025】
軸部31は、ピン受容孔21に挿入され、弾性爪26の背面に当接し、弾性爪26のピン受容孔21内へと傾倒を阻止し、弾性爪26が脚部11の前側部及び後側部から突出した状態に維持する。
【0026】
蓋部材4は、左右方向に延在する板状に形成され、その一端に一対の軸受41を有している。一対の軸受41が頭部12のヒンジ軸20に枢支されることによって、蓋部材4は本体2に対して回動可能に連結されている。蓋部材4の軸受41が設けられた端部が左方に位置し、他端が右方に位置する状態を基準(図1に示す状態)として、蓋部材4の下方を向く面を下面42、上方を向く面を上面43とする。蓋部材4の他端の下面42には、下面42に対して略垂直に突出する係止爪44が設けられている。また、蓋部材4には、その下面における前後縁に沿って延びる一対のガイド片46が設けられている。ガイド片46は、蓋部材4の下面と協働して蓋部材4の長手方向に沿って延びる長孔状のガイド孔47を形成している。
【0027】
蓋部材4の主面(上面43及び下面42)には、前後に細長く、蓋部材4を厚さ方向に貫通するスロット51が左右方向に複数形成され、1つの所定のバーコードを表すスロット群52を形成している。スロット群52を構成するスロット51の内、右端に位置するスロット51は、他のスロットに比較して左右方向に幅が大きい大スロット53となっている。大スロット53は、それ自体では所定のバーコード模様の一部を表しておらず、一部が閉塞されることによって所定のバーコード模様の一部を表すようになる。蓋部材4の下面42の大スロット付近には、左右方向に延在する突条54が突設されている。
【0028】
本体2の頭部12の底板17には、蓋部材4が頭部12の上部開口を閉塞した状態で、大スロット53に突入する突片56が上方へと突設されている。
【0029】
ファスナ1は、図1、2、4及び5に示すように、ピン3の軸部31の先端が本体2のピン受容孔21に突入し、ピン3のガイド凸部35が蓋部材4のガイド孔47内に受容された状態を初期状態とする。図5に示すように、初期状態では、軸部31は、弾性爪26に当接しておらず、弾性爪26はピン受容孔21の内部に傾倒可能になっている。このときのピン3の位置を第1位置という。
【0030】
次に、上記のように構成したファスナ1を用いて車体パネル100にカーテンエアバッグ102を締結する方法およびファスナ1の締結完了状態の確認方法について説明する。車体パネル100の適所には、ファスナ1の本体2の脚部11が挿通可能な四角形状の貫通孔である取付孔101が形成されている。同様に、カーテンエアバッグ102の耳部(締結部)の適所には、脚部11が挿通可能な四角形状の貫通孔である取付孔103が形成されている。車体パネル100とカーテンエアバッグ102との間には、皿なね104が介装される。
【0031】
図5に示すように、ファスナ1の脚部11は、カーテンエアバッグ102の取付孔103、皿ばね104の内孔105、車体パネル100の取付孔101に順に挿入される。脚部11が各孔103、105、101を通過する際には、脚部11の各弾性爪26は各孔103、105、101の孔壁に押圧されてピン受容孔21内へと没入し、各孔103、105、101を通過する。各弾性爪26は、取付孔101を通過した後に、その復元力によって脚部11の外面から突出し、逆止面において取付孔101の孔縁に引っ掛かる。これにより、ファスナ1が車体パネル100に結合され、カーテンエアバッグ102がファスナ1の頭部12と車体パネル100との間に皿ばね104を介して挟持される。なお、この状態では、ファスナ1に比較的大きな抜去力を加えることによって、各弾性爪26はピン受容孔21内へと傾倒させることができるため、ファスナ1と車体パネル100との結合を解除することができる。
【0032】
次に、蓋部材4で頭部12の上部開口を閉塞するように、蓋部材4を頭部12側へとヒンジ軸20を中心として回動させる。このときの蓋部材4の回動方向を閉方向といい(図5中で時計回り)、逆方向を開方向という(図5中で反時計回り)。ピン3は、ガイド凸部35が蓋部材4のガイド孔47に受容されているため、蓋部材4の閉方向への回動に伴って下方、すなわち軸部31がピン受容孔21により突入する方向に移動する。蓋部材4の閉方向への回動が進むと、ピン3の板片部32の左半部33が頭部12の底板17に当接し、軸部31のピン受容孔21内への突入が完了し、図6及び7に示す状態となる。このときのファスナ1の状態を中間状態といい、ピン3の位置を第2位置という。この中間状態では、軸部31が、弾性爪26の背面に対向する位置まで到達し、各弾性爪26のピン受容孔21内への傾倒を阻止する。これにより、脚部11は、車体パネル100の取付孔101から抜去できなくなる。
【0033】
中間状態では、板片部32の右半部34の先端が、蓋部材4の突条54に当接する。そのため、中間状態から蓋部材4を更に閉方向へと回動させるためには、板片部32の右半部34を屈曲(変形)させなければならなくなる。そのため、板片部32の右半部34は復元力によって蓋部材4を開方向へと付勢する。これにより、蓋部材4を閉方向に回動させる際には、板片部32の右半部34の付勢力に抗して押し込む必要がある。なお、蓋部材4に閉方向への荷重(外力)が加えられていない場合には、図6の状態となるように右半部34の復元力(付勢力)が設定されている。右半部34の復元力は、右半部34の材料や厚みを変更することによって適宜調整することができる。
【0034】
右半部34の長さは、図6及び7に示す状態で、上下方向において大スロット53と重ならない、すなわちファスナ1を上方から見た際に大スロット53を通して右半部34の先端が見えないように設定されていることが好ましい。見る方向が上下方向から若干ずれた状態でも、右半部34の先端が大スロット53を通して見えないことがより好ましい。
【0035】
中間状態から、右半部34の付勢力に抗しつつ蓋部材4を閉方向に更に回動させ、蓋部材4が頭部12の上部開口を閉塞する位置まで回動させると、図8及び9に示すように係止爪44が頭部12の貫通孔18に突入し、右側壁16の下端面19に係止される。これにより、蓋部材4は頭部12の上部開口を閉塞した位置に本体2に固定される。この状態をファスナ1の締結完了状態とする。なお、係止爪44と下端面19との係合が完成しない不完全な状態で蓋部材4に加える外力を消滅させると、蓋部材4は板片部32の右半部34に付勢されて中間状態に戻る。
【0036】
ファスナ1の締結完了状態では、突片56が大スロット53に突入し、大スロット53の一部を埋める。また、蓋部材4の突条54が板片部32の右半部34を押圧することによって、右半部34は屈曲されて概ね蓋部材4と平行に右方へと延びる。そして、右半部34の先端は、突片56によって一部が埋められた大スロット53の残りの開口部分を閉塞するように配置される。
【0037】
図8および図9に示すように、係止爪44と下端面19との係合構造が形成され、蓋部材4が本体2に回動不能に固定された締結完了状態になって初めて、大スロット53の一部が突片56に埋められ、大スロット53の残りの部分に右半部34が配置されてスロット群52及び板片部32によるバーコードがファスナ1の上面に表示される。この状態では、板片部32によって下端が閉塞された各スロット51の深さを検出することができるレーザ方式のバーコードリーダを使用することによって、ファスナ1のスロット群52及び板片部32によって表されるバーコードを認識することができる。また、蓋部材4と板片部32の色彩の差を認識することができるCCD方式のバーコードリーダを使用することによって、各スロット51を通して外部に露呈する板片部32が形成する黒色のバーコードが認識される。
【0038】
本実施形態におけるファスナ1では、板片部32の右半部34が蓋部材4を開方向へと付勢するため、係止爪44と下端面19とが係合していない状態では、図6及び7に示す中間状態へと戻される。ファスナ1を上方から見る場合において、右半部34は、中間状態では大スロット53を通して露呈しないが、締結完了状態では蓋部材4に押圧されて屈曲し、大スロット53を通して露呈する。そのため、スロット群52及び板片部32から形成されるバーコードを検出することで締結完了状態を他の状態と明確に区別して認識することができる。
【0039】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、大スロット53に代えて、所定のバーコードの一部を表すスロット51にしてもよい。また、スロットが表す図形をバーコード以外の他の図形にしてもよい。例えば、図形は、QRコードであってよいし、単一の円形図形や四角形図形であってよい。
【符号の説明】
【0040】
1…ファスナ、2…本体、3…ピン、4…蓋部材、11…脚部、12…頭部、18…貫通孔、19…下端面、20…ヒンジ軸、21…ピン受容孔(内孔)、26…弾性爪、31…軸部、32…板片部、32…板状片、33…左半部、34…右半部、35…ガイド凸部、41…軸受、44…係止爪、47…ガイド孔、51…スロット、52…スロット群、53…大スロット、100…車体パネル、101…取付孔、102…カーテンエアバッグ、104…皿ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付孔を有する部材に結合可能なファスナであって、
前記取付孔に挿入可能な脚部と、前記脚部の基端に設けられ、前記取付孔を通過できない頭部とを備え、前記脚部の内部から前記脚部の軸線方向に延びて前記頭部の外面に開口する内孔が形成され、前記脚部の側部には、当該脚部の外方に突出して前記取付孔に係合する一方、弾性変形によって前記内孔内へと没入可能な弾性爪が形成された本体と、
基端が前記内孔の前記頭部側の端部から突出するように前記内孔に受容され、前記弾性爪の前記内孔内への変位を許容する第1位置と、前記弾性爪の前記内孔内への変位を規制する第2位置との間で変位可能なピンと、
前記頭部に結合して前記ピンを前記第2位置に保持する蓋部材と
を有し、
前記ピンは、前記基端に可撓性を有する屈曲した板片部を有し、
前記蓋部材は、貫通孔である表示孔を有し、
前記蓋部材が前記頭部に結合した状態で、前記板片部は前記蓋部材に押圧されて変形し、前記表示孔の一端を閉塞することを特徴とするファスナ。
【請求項2】
前記表示孔は、バーコード形状に配列された複数のスロットからなるスロット群であり、
前記蓋部材が前記頭部に結合した状態で、前記板片部は前記スロット群の所定のスロットを閉塞することを特徴とする請求項1に記載のファスナ。
【請求項3】
前記蓋部材は、前記頭部に回動自在に支持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のファスナ。
【請求項4】
前記蓋部材は、長孔状のガイド孔を有し、
前記ピンは、前記ガイド孔に変位可能に受容されるガイド凸部を有し、
前記蓋部材が前記頭部に対して回動することによって、前記ガイド凸部が前記ガイド孔内を摺動しつつ前記ガイド孔の孔壁から押圧され、前記ピンが前記内孔に対して変位することを特徴とする請求項3に記載のファスナ。
【請求項5】
前記板片部は、前記蓋部材と異なる色彩を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つの項に記載のファスナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−225396(P2012−225396A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92263(P2011−92263)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】