説明

ファンコンベクタ

【課題】 室内の除湿を行うことができるファンコンベクタを提供すること。
【解決手段】 吸入口4及び吹出口6を有するコンベクタ本体2と、吸入口4を通して吸入された空気を吹出口6に導く空気通路8と、空気通路8に設けられた熱交換器14と、吸入口4を通して空気を吸入するためのファン手段10と、空気通路8を流れる空気中の水分を除去するための除湿手段24と、を備えたファンコンベクタ。除湿手段24は、除湿剤が充填された吸湿ロータ26と、除湿ロータ26からの高温多湿の気体を低温低湿の気体に再生するための再生用流路28と、再生用流路28における吸湿ロータ26の上流側に配設された加熱ヒータ32と、再生用流路28における吸湿ロータ26の下流側に配設された凝縮器30とを有し、吸湿ロータ26は、吸湿剤によって水分を吸湿する吸湿域34及び吸着した水分を放出する再生域36を通して移動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水を利用して室内を暖房するファンコンベクタに関する。
【背景技術】
【0002】
暖房装置の一つとしてファンコンベクタが知られている。このファンコンベクタは、吸入口及び吹出口を有するコンベクタ本体と、コンベクタ本体内に設けられ空気通路と、この空気通路に配設された熱交換器と、吸入口を通して空気を吸入するためのファン手段とを備え、吸入口を通して吸入された空気は空気通路を通して吹出口に導かれるように構成されている。このようなファンコンベクタは室内を暖房するときに用いられ、その暖房運転においては、ファン手段が所定方向に回転されるとともに、熱源機からの温水が熱交換器を通して循環され、空気流路を通して流れる空気が熱交換器において温水との間で熱交換され、熱交換によって温められた空気が吹出口から吹き出される。しかし、このようなファンコンベクタは暖房用途にのみ用いられ、除湿などのその他の用途に用いられることなかい。
【0003】
一方、室内を除湿するための除湿機として種々のものが提案され、その一例として除湿ロータを用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この除湿機は、吸入口及び吹出口を有する除湿機本体を備え、この除湿機本体内に吸入口から吸入された空気を吹出口に導く空気通路が設けられ、この空気通路に除湿ロータが配設され、この除湿ロータは所定方向に回動されて吸湿域及び再生域を通して移動される。除湿ロータの再生域を通して再生用空気流路が設けられ、この再生用空気流路を通して再生用空気が循環される。再生用空気流路における除湿ロータの上流側に加熱ヒータが設けられ、またその除湿ロータの下流側に凝縮器が設けられる。
【0004】
この除湿機においては、吸入口から吸入された空気は空気通路を通り、除湿ロータの吸湿域を通して流れ、この吸湿域において空気中の水分が除湿ロータの除湿剤に吸着され、水分が除去された空気が吹出口から機外に吹き出される。また、吸湿域にて水分を吸着した除湿ロータが再生域に移動すると、除湿剤に吸着された水分が放出され、除湿剤の再生が行われる。即ち、加熱ヒータにて加熱された再生用空気が、再生域にて除湿ロータの除湿剤を通して流れ、除湿剤に吸着された水分が再生用空気中に放出され、このようにして除湿剤の再生が行われる。一方、放出された水分を含む高温多湿の空気は、再生用空気流路を通して凝縮器に流れる。この除湿機では、吸入口から吸入された空気が凝縮器を通して流れるように構成されており、従って、この凝縮器においては、吸入空気によって再生用空気が冷却され、この冷却作用によって空気中の水分が凝縮して除去され、このようにして水分が除去された低温低湿の空気が再生用空気流路を通して加熱ヒータに送られ、このようにして除湿ロータの除湿剤の再生が行われる。
【0005】
【特許文献1】特許第3933606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
日本のように冬の時期には寒く、梅雨の時期には多湿となる環境においては、暖房用にファンコンベクタを購入しようとすると、従来のものでは除湿機能付きのものがないために、除湿も希望すると、専用の除湿機が更に必要となり、ファンコンベクタ及び除湿機の双方を購入しなければならないという問題がある。このようなことから、除湿機能付きのファンコンベクタの実現が望まれている。また、除湿機能付きのファンコンベクタを開発する場合、効率良く安定して除湿することができる除湿機能付きファンコンベクタの実源が望まれる。
【0007】
本発明の目的は、室内の除湿を行うことができるファンコンベクタを提供することである。
また、本発明の他の目的は、除湿を効率良く安定して行うことができるファンコンベクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載のファンコンベクタは、吸入口及び吹出口を有するコンベクタ本体と、前記コンベクタ本体内に設けられ、前記吸入口を通して吸入された空気を前記吹出口に導くための空気通路と、前記空気通路に設けられた熱交換器と、前記吸入口を通して空気を吸入するためのファン手段と、前記空気通路を流れる空気中の水分を除去するための除湿手段と、を備え、
前記除湿手段は、水分を吸収するための除湿剤が充填された吸湿ロータと、前記除湿ロータからの高温多湿の気体を低温低湿の気体に再生するための再生用流路と、前記再生用流路における前記吸湿ロータの上流側に配設された加熱手段と、前記再生用流路における前記吸湿ロータの下流側に配設された凝縮器とを有し、前記吸湿ロータは、所定方向に回動されて前記吸湿剤によって水分を吸湿する吸湿域及び吸着した水分を放出する再生域を通して移動され、
前記再生用流路を通して前記再生域に流れる気体は前記加熱手段によって加熱され、また前記再生域からの気体は前記再生用流路を通して前記凝縮器に流れ、前記凝縮器において気体中の水分が凝縮されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載のファンコンベクタでは、吸入口及び吹出口を有するコンベクタ本体と、前記コンベクタ本体内に設けられ、前記吸入口を通して吸入された空気を前記吹出口に導くための空気通路と、前記空気通路に設けられた熱交換器と、前記吸入口を通して空気を吸入するためのファン手段と、前記空気通路を流れる空気中の水分を除去するための除湿手段と、を備え、
前記除湿手段は、水分を吸収するための除湿剤が充填された吸湿ロータと、前記除湿ロータからの高温多湿の気体を低温低湿の気体に再生するための再生用流路と、前記再生用流路に配設された加熱手段と、を有し、前記再生用流路の特定部位は、前記熱交換器に関連して設けられ、前記吸湿ロータは、所定方向に回動されて前記吸湿剤によって水分を吸湿する吸湿域及び吸着した水分を放出する再生域を通して移動され、前記再生用流路を流れる前記再生域からの気体中の水分は、前記特定部位を流れる間に前記熱交換器を流れる媒体の冷熱を利用して凝縮されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載のファンコンベクタでは、前記再生用流路の前記特定部位には、水分を凝縮するための凝縮器が設けられ、前記再生用空気流路は、前記吸湿ロータからの高温多湿の気体を前記凝縮器に導く第1再生流路と、前記凝縮器からの低温低湿の気体を前記吸湿ロータに導く第2再生流路とを有し、前記加熱手段は第2再生流路に配設されており、前記凝縮器は、前記熱交換器を流れる媒体の冷熱を利用して利用して冷却されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4に記載のファンコンベクタでは、前記除湿手段の前記凝縮器は、前記コンベクタ本体の前記空気流路内であって、前記熱交換器と前記除湿ロータとの間に配設されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項5に記載のファンコンベクタでは、前記吸入口には、第1の位置と第2の位置との間を移動自在に開閉部材が設けられ、前記第1の位置に位置するときには、前記開閉部材は前記吸入口の第1部分を開放し、前記吸入口の前記第1部分から吸入された空気は、前記熱交換器を通って前記空気流路に流れ、前記第2の位置に位置するときには、前記開閉部材は前記吸入口の第2部分を開放し、前記吸入口の前記第2部分から吸入された空気は、前記熱交換器を通ることなく前記空気流路に流れることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項6に記載のファンコンベクタでは、前記吸入口は、前記ファンコンベクタの第1部位に設けられた第1吸入口とその第2部位に設けられた第2吸入口から構成され、前記第1吸入口を通して吸入された空気は前記熱交換器を通って前記空気流路に流れ、前記第2吸入口を通して吸入された空気は前記熱交換器を通ることなく前記空気流路に流れ、暖房運転時には、前記第1吸入口が開放され、前記第1吸入口を通して空気の吸入が行われ、また除湿運転時には、前記第2吸入口が開放され、前記第2吸入口を通して空気の吸入が行われることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項7に記載のファンコンベクタでは、前記コンベクタ本体の前記空気流路には、第1の状態と第2状態とに切換自在である切換部材が設けられ、前記切換部材が前記第1の状態にあるときには、前記空気流路を流れる空気は、前記除湿ロータを通って前記吹出口から吹き出され、また前記切換部材が前記第2の状態にあるときには、前記空気流路を流れる空気は、前記除湿ロータを通ることなく前記吹出口から吹き出されることを特徴とする。
【0015】
更に、本発明の請求項8に記載のファンコンベクタでは、前記コンベクタ本体には、前記除湿手段にて凝縮された水を屋外に排出するためのドレイン手段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に記載のファンコンベクタによれば、コンベクタ本体の空気通路を流れる空気中の水分を除去するための除湿手段を備えているので、ファンコンベクタに除湿機能を付与し、空気中に含まれる水分を除去することができる。また、除湿手段は、吸湿域及び再生域を通して移動される吸湿ロータを備え、空気通路を流れる空気中の水分は吸湿域にて吸湿ロータの吸着剤に吸着され、また吸着された水分は再生域にて吸着剤から気体、例えば空気中に放出され、放出された水分を含む気体が再生用流路を通して凝縮器に流れ、この凝縮器にて水分が凝縮されて除去されるので、空気中の水分を連続的に除去することができる。
【0017】
また、本発明の請求項2に記載のファンコンベクタによれば、コンベクタ本体の空気通路を流れる空気中の水分を除去するための除湿手段を備えているので、ファンコンベクタに除湿機能を付与することができる。加えて、除湿手段は、吸湿域及び再生域を通して移動される吸湿ロータと、除湿ロータからの高温多湿の気体、例えば空気を低温低湿の気体に再生するための再生用流路とを備え、再生用流路の特定部位は熱交換器に関連して設けられるので、除湿時に熱交換器を通して媒体、例えば水を流すことによって、この媒体の冷熱を利用して高温多湿の気体を冷却して気体中の水分を効率よく凝縮して除去し、低温低湿の気体に再生することができる。
【0018】
また、本発明の請求項3に記載のファンコンベクタによれば、再生用流路の前記特定部位に凝縮器が設けられているので、熱交換器を流れる媒体の冷熱を利用して利用して凝縮器を冷却し、この凝縮器において高温高湿の気体を低温低湿の気体に効率よく再生することができる。
【0019】
また、本発明の請求項4に記載のファンコンベクタによれば、凝縮器が熱交換器と除湿ロータとの間に配設されているので、除湿すべき空気を熱交換器で冷却し、かく冷却した空気でもって凝縮器を冷却するので、簡単な構成でもって、高温多湿の気体を低温低湿の気体に再生することができる。
【0020】
また、本発明の請求項5に記載のファンコンベクタによれば、開閉部材が第1の位置に位置するときには、吸入口の第1部分が開放されて空気が吸入されるので、吸入された空気は熱交換器を通って空気流路に流れ、従って、熱交換器に熱媒体、例えば温水を流すことによって、空気通路を流れる空気が熱媒体との熱交換によって暖められ、室内を暖房することができる。また、開閉部材が第2の位置に位置するときには、吸入口の第2部分が開放されて空気が吸入されるので、吸入された空気は熱交換器を通ることなく空気流路に流れ、従って、熱交換器による圧力損失なく空気中の水分を除去することができる。
【0021】
また、本発明の請求項6に記載のファンコンベクタによれば、第1吸入口が開放された(このとき、第2吸入口が閉塞される)ときには、この第1吸入口から空気が吸入されるので、吸入された空気は前記熱交換器を通って前記空気流路に流れ、従って、熱交換器に熱媒体、例えば温水を流すことによって、空気通路を流れる空気が熱媒体との熱交換によって暖められ、室内を暖房することができる。また、第2吸入口が開放された(このとき、第1吸入口が閉塞される)ときには、第2吸入口を通して空気が吸入されるので、吸入された空気は熱交換器を通ることなく空気流路に流れ、従って、熱交換器による圧力損失なく空気中の水分を除去することができる。
【0022】
また、本発明の請求項7に記載のファンコンベクタによれば、切換部材が第1の状態にあるときには、空気流路を流れる空気は、除湿ロータを通って吹出口から吹き出されるので、除湿ロータの作用によって空気中の水分を除去することができる。また切換部材が第2の状態にあるときには、空気通路を流れる空気は、除湿ロータを通ることなく吹出口から吹き出されるので、除湿ロータによる圧力損失を受けることなく熱交換器を利用して空気を暖めることができる。
【0023】
更に、本発明の請求項8に記載のファンコンベクタによれば、コンベクタ本体にドレイン手段が設けられているので、除湿手段にて凝縮された水をドレイン手段によって屋外に排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明に従うファンコンベクタの各種実施形態について説明する。
第1の実施形態
まず、図1を参照して、第1の実施形態のファンコンベクタについて説明する。図1は、第1の実施形態のファンコンベクタを簡略的に示す断面図である。
【0025】
図1において、図示のファンコンベクタは、室内に設置されるコンベクタ本体2を備え、このコンベクタ本体2の背面(図1において左面)略中央部に吸入口4が設けられ、その前面(図1において右面)下部に吹出口6が設けられ、この吸入口4と吹出口6とを接続するようにコンベクタ本体2内に空気通路8が設けられている。この空気通路8の下流側部、即ち吹出口6の内側にファン手段10が設けられ、このファン手段は、送風用ファン12とこの送風ファン12を回転するための駆動モータ(図示せず)とを有している。送風用ファン12は駆動モータによって矢印で示す所定方向に回動され、かく回動されることによって、太い矢印で示すように、室内の空気が吸入口4から吸入され、吸入された空気は空気通路8を通して吹出口6に導かれ、この吹出口6から室内に吹き出される。
【0026】
この実施形態では、空気の流れ方向に見て空気流路8の略中央部に熱交換器14が配設され、この熱交換器14に関連して、屋外に熱源機16が設置される。熱源機16は送給ポンプ18を含み、この熱源機16の供給部と熱交換器14の供給側とが供給ライン20を介して接続され、またその戻り部と熱交換器14の戻り側とが戻りライン22を介して接続されている。このように構成されているので、熱源機16が作動すると送給ポンプが作動し、熱源機14にて生成された温水は、供給ライン20を通して熱交換器14に送給され、熱交換器14内を所要の通りに流れた後に戻りライン22を通して熱源機14に戻され、このようにして熱源機14からの温水が熱交換器14を通して循環される。
【0027】
このコンベクタ本体2内には、更に、空気中の水分を除去するための除湿手段24が設けられている。図示の除湿手段24は円板状の除湿ロータ26と、除湿ロータ26からの高温多湿の気体、例えば空気を低温低湿の気体に再生するための再生用流路28と、気体中の水分を凝縮するための凝縮器30と、気体を加熱するための加熱ヒータ32(加熱手段を構成する)とを備えている、除湿ロータ26には、図示していないが、水分を吸収する除湿剤が充填されている。この除湿ロータ26は、駆動モータ(図示せず)によって矢印で示す方向に回動され、かく回動することによって吸湿域34及び再生域36を通して移動される。
【0028】
凝縮器30は、再生用流路28における除湿ロータ26の下流側に配設され、除湿ロータ26と凝縮器30の流入側とが再生用流路28の第1再生流路38により接続され、この第1再生流路38に循環ファン40が配設されている。また、凝縮器30の流出側と除湿ロータ26とが再生用流路28の第2再生流路42により接続され、この第2再生流路42に、換言すると除湿ロータ26の上流側に加熱ヒータ32が配設されている。このように構成されているので、循環ファン40が作動されると、気体(例えば、空気)が再生用流路28、凝縮器30及び加熱ヒータ32を通して循環される。
【0029】
この凝縮器30では、吸湿経路の低温通路44再生経路の高温通路46とが直交して配置され、低温経路44には吸入口4から吸入された空気が流れ、凝縮器30の低温経路44と流れた空気が熱交換器14に流れる。また高温通路46には除湿ロータ26の再生域36からの高温多湿の気体が流れ、この高温多湿の空気が低温経路44を流れる空気により冷却されるとともに、この空気中の水分が凝縮されて凝縮水となって除去される。
【0030】
凝縮器30の下方には溜め容器48が配設されているとともに、凝縮器30の底部には孔50が設けられており、凝縮器30にて凝縮した凝縮水は流下してその底部の孔50から溜め容器48に滴下して溜められる。
【0031】
このファンコンベクタの動作を説明すると、次の通りである。暖房運転時には、コンベクタ本体2のファン手段10及び熱源機16が作動して室内の暖房が行われる(このとき、除湿手段24は非作動状態に保持される)。熱源機16においては、熱媒体(例えば、水)が温められて温熱媒体、例えば温水が生成されるとともに、送給ポンプ18が作動して生成された温熱媒体(温水)が供給ライン20、熱交換器14及び戻りライン22を通して循環される。また、コンベクタ本体2においては、ファン手段10が作動して室内の空気が吸入口4を通して吸入され、かく吸入された空気が空気通路8を流れ、熱交換器14にて温水との間で熱交換されて温められ、かく温められた空気が空気通路8を通して吹出口6から室内に吹き出され、このようにして温風によって室内の暖房が行われる(尚、このとき、空気通路8を流れる空気は、凝縮器30の低温流路44及び除湿ロータ26の吸湿域34をも流れる)。
【0032】
また、除湿運転時には、コンベクタ本体2のファン手段10、除湿ロータ26及び除湿手段24が作動して室内の除湿が行われる(このとき、熱源機16は非作動状態に保持される)。コンベクタ本体2では、ファン手段10が作動して室内の空気が吸入口4から吸入され、かく吸入された空気は凝縮器30の低温流路44、空気通路8及び除湿ロータ26を通して流れ、空気中に含まれる水分が、吸湿域34にて除湿ロータ26の除湿剤に吸湿されて除去され、かく除湿された空気が空気通路8を通して吹出口6から室内に吹き出され、このようにして室内の除湿が行われる(尚、このとき、空気通路8を流れる空気は熱交換器14をも流れる)。除湿ロータ26は駆動モータ(図示せず)によって矢印の方向に回動され、吸湿域34にて吸湿した除湿ロータ26の除湿剤は再生域36に移動して次のようにして再生される。
【0033】
除湿手段24においては、循環ファン40が作動して気体が再生用流路28を通して循環されるとともに、加熱ヒータ32が作動して加熱された気体(例えば、空気)が除湿ロータ26の再生域36に流れる。再生域36においては、高温の気体が送給されるので、吸湿剤中の水分が気体中に放出され、このようにして吸湿剤の再生が行われ、再生された吸湿剤が矢印方向に吸湿域34に移動され、吸湿ロータ26においては、矢印方向の移動によって吸湿剤への吸湿及び吸湿剤の再生が連続的に行われる。
【0034】
また、再生域36にて水分を含んだ高温多湿の気体は、第1再生流路38を通して凝縮器30に送給され、この凝縮器30の高温流路46を流れる間に、その低温流路44を流れる空気との間で熱交換されて冷却され、この気体中に含まれた水分が凝縮されて除去され、このようにして高温多湿の気体が低温低湿の気体に再生され、かく再生された気体は第2再生流路42を通して加熱ヒータ32に送給され、このようにして高温多湿の気体が低温低湿の気体に再生された後に加熱されて再生域36に送られる。
【0035】
上述したファンコンベクタでは、熱交換器14に加えて除湿手段24を備えているので、熱交換器14に温熱媒体を流すことによって室内を暖房することができ、また除湿手段24を作動することによって室内を除湿することができる。
【0036】
第2の実施形態
次に、図2を参照して、第2の実施形態のファンコンベクタについて説明する。図2は、第2の実施形態のファンコンベクタを簡略的に示す断面図である。この第2の実施形態のファンコンベクタでは、除湿手段及び熱源機などに改良が施されている。尚、以下の実施形態において、第1の実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0037】
図2において、第2の実施形態のファンコンベクタでは、熱源機16Aにおいては、暖房運転時には温熱媒体(例えば、温水)を生成して送給ポンプ18の作用によってこの温水を供給ライン20、熱交換器14及び戻りライン22を通して循環するように構成されているとともに、除湿運転時には冷熱媒体(例えば、水)をそのまま送給ポンプ18の作用によって供給ライン20、熱交換器14及び戻りライン22を通して循環するように構成されている。
【0038】
また、除湿手段24Aにおいては、凝縮器30Aが、空気通路8における熱交換器14と除湿ロータ26との間の部位に配設されている。従って、吸入口4から吸入された空気は、太い矢印で示すように、熱交換器14を通った後に凝縮器30Aに流れ、その後除湿ロータ26の吸湿域34に流れる。また、循環ファン40が再生用流路28の第2再生流路42に配設され、循環ファン40により送給される気体(例えば、空気)が、加熱ヒータ32により加熱された後に吸湿ロータ26の再生域36に送給される。
【0039】
更に、溜め容器48にはドレインパイプ62(ドレイン手段を構成する)が設けられ、このドレインパイプ62が屋外まで延びている。このようにドレインパイプ62が設けられているので、凝縮器30Aにて凝縮された凝縮水が孔50を通して溜め容器48に滴下すると、この滴下した水がドレインパイプ62を通して屋外に排水され、かくして、排水のために溜め容器48を取り出す必要がなくなる。この第2の実施形態のファンコンベクタのその他の構成は、上述した第1の実施形態のものと実質上同一である。
【0040】
このファンコンベクタにおいては、暖房運転時は、第1の実施形態と同様に、コンベクタ本体2Aのファン手段10及び熱源機16Aが作動して室内の暖房が行われる(このとき、除湿手段24Aは非作動状態に保持される)。熱源機16Aにおいては、温熱媒体(温水)が生成されるとともに、送給ポンプ18によって温熱媒体が供給ライン20、熱交換器14及び戻りライン22を通して循環される。また、コンベクタ本体2Aにおいては、ファン手段10の作用によって室内の空気が吸入口4を通して吸入され、かく吸入された空気が熱交換器14にて温熱媒体との間で熱交換されて温められ、かく温められた空気が空気通路8を通して吹出口6から吹き出されて室内の暖房が行われる。
【0041】
また、除湿運転時には、コンベクタ本体2のファン手段10、除湿ロータ26及び除湿手段24とともに熱源機16Aの送給ポンプ18が作動して室内の除湿が行われる(このとき、熱源機16の温熱媒体(例えば、温水)を生成するための手段、例えば燃焼バーナは非作動状態に保持される)。コンベクタ本体2では、ファン手段10が作動して室内の空気が吸入口4から吸入され、かく吸入された空気は熱交換器14、凝縮器30Aの低温流路44、空気通路8及び除湿ロータ26を通して流れ、空気中に含まれる水分が、吸湿域34にて除湿ロータ26の除湿剤に吸湿されて除去され、かく除湿された空気が空気通路8を通して吹出口6から室内に吹き出され、このようにして室内の除湿が行われる。
【0042】
また、除湿ロータ26は駆動モータ(図示せず)によって矢印の方向に回動され、吸湿域34にて吸湿した除湿ロータ26の除湿剤は再生域36に移動して上述したと同様にして再生される。除湿手段24においては、循環ファン40が作動して気体が再生用流路28を通して循環されるとともに、加熱ヒータ32により加熱された気体(例えば、空気)が除湿ロータ26の再生域36に流れ、この再生域36において、吸湿剤中の水分が高温の気体中に放出され、このようにして吸湿剤の再生が行われる。そして、再生域36からの高温多湿の気体は凝縮器30Aに送給され、この凝縮器30Aの高温流路46を流れる間に、その低温流路44を流れる空気との間で熱交換されて冷却され、この気体中に含まれた水分が凝縮されて除去され、このようにして高温多湿の気体が低温低湿の気体に再生される。このとき、熱源機16Aの送給ポンプ18が作動して冷熱媒体(例えば、水)が供給ライン20、熱交換器14及び戻りライン22を通して循環され、吸入口4からの空気は、熱交換器14を通して流れる間に、熱源機14からの冷熱媒体(水)との間で熱交換されて冷却され、かく冷却された空気が凝縮器30Aの低温流路44を通して流れる。従って、除湿運転時に凝縮器30Aの低温流路44を流れる空気の温度を低くすることができ、これによって、この低温流路44の空気との熱交換によって高温流路46を流れる高温の気体の温度を下げることができる。かくして、凝縮器30Aの凝縮効率が高められ、その結果、除湿ロータ26の除湿効率を向上させることができる。
【0043】
この実施形態では、熱交換器14と吸湿ロータ26との間に凝縮器30Aを配設し、熱交換器14を流れる冷熱媒体(例えば、水)の冷熱を利用して凝縮器30Aの凝縮効率を高めているが、このような凝縮器30Aを用いることなく、次のように構成することもできる。即ち、再生用流路28の特定部位を熱交換器14に関連して設け、この熱交換機14を流れる冷熱媒体(例えば、水)の冷熱を利用して上記特定部位を流れる高温多湿の気体を冷却するとともに、この気体中の水分を凝縮して低温低湿の気体に再生するようにしてもよい。尚、この場合、例えば再生用流路28を規定する配管の一部を熱交換器14の表面に沿って配設するようにすればよく、このようにした場合、配管の上記一部が再生用流路28の上記特定部位として機能する。
【0044】
第3の実施形態
次に、図3を参照して、第3の実施形態のファンコンベクタについて説明する。図3は、第3の実施形態のファンコンベクタにおけるコンベクタ本体を簡略的に示す断面図である。この第3の実施形態では、第1の実施形態のものと対比して、コンベクタ本体2B内を流れる空気の流れを切り換えるための切換部材が設けられている。
【0045】
図3において、この第2の実施形態のファンコンベクタでは、空気通路8Bの空気の流れを切り換える切換部材72が設けられ、この切換部材72はコンベクタ本体2B内の熱交換器14の下流側であって、吸湿ロータ26の下側に配設されている。この切換部材72は、図3に実線で示す第1の状態と図3に一点鎖線で示す第2の状態とに切換可能に構成されている。第1の状態においては、切換部材72は略垂直上方に延びて除湿ロータ26の下方を塞ぎ、空気流路8Bを流れる空気は、太い矢印で示すように、除湿ロータ26の吸湿域34に流れ、この除湿域34を通った後に空気流路8Bを流れて吹出口6から室内に吹き出す。また、第2の状態においては、切換部材72はコンベクタ本体2Bの底壁に沿って略水平に延びて除湿ロータ26の下方を開放し、空気流路8Bを流れる空気は、一点鎖線の矢印で示すように、除湿ロータ26の下方の空気通路8Bを通り吹出口6から室内に吹き出す。第3の実施形態におけるその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
【0046】
このファンコンベクタにおいては、暖房運転時は、切換部材72は上記第2の状態に保持される。従って、ファン手段10の作用によって吸入口4を通して吸入された空気は、熱交換器14にて温熱媒体との間で熱交換されて温められ、かく温められた空気が空気通路8Bを通して吹出口6から吹き出される。従って、このときには、熱交換機14からの温められた空気は除湿ロータ26の除湿域34に流れることはなく、除湿ロータ26による圧力損失を防止して暖房時の運転効率を高めることができる。
【0047】
また、除湿運転時には、切換部材72は上記第1の状態に保持される。従って、ファン手段10の作用によって吸入口4を通して吸入された空気は、熱交換器14、除湿ロータ26の除湿域34を通して流れ、第1の実施形態と同様にして除湿ロータ26の除湿域34にて空気中の水分が除湿剤に吸湿され、除湿された空気が吹出口6から噴出され、このようにして室内の除湿が行われる。
【0048】
第4の実施形態
次いで、図4及び図5を参照して、第4の実施形態のファンコンベクタについて説明する。図4は、第4の実施形態のファンコンベクタにおける開閉部材を第1の位置に位置付けたときの状態を示す簡略断面図であり、図5は、図4のファンコンベクタにおける開閉部材を第2の位置に位置付けたときの状態を示す簡略断面図である。この第4の実施形態では、吸入口に開閉部材を設けて空気流路に吸入される空気の流れを切り換えている。
【0049】
図4及び図5において、この第4の実施形態のファンコンベクタでは、コンベクタ本体2Cの背面に吸入口4Cが上下方向に大きく設けられ、この吸入口4Cの内側に開閉部材82が設けれている。開閉部材82はプレート状であり、図4に示す第1の位置と図5に示す第2の位置との間を移動自在に配設される。第1の位置に位置するときには、図4に示すように、開閉部材82は吸入口4Cの下部に位置してその上部(第1の部分を構成する)を開放し、吸入口4Cの上部(第1の部分)から空気の吸入が行われる。また、第2の位置に位置するときには、図5に示すように、開閉部材82は吸入口4Cの上部に位置してその下部(第2の部分を構成する)を開放し、吸入口4Cの下部(第2の部分)からの空気の吸入が行われる。
【0050】
開閉部材82が第1の位置と第2の位置との間を移動自在であることに関連して、コンベクタ本体2Cの上下方向略中間部に第1仕切り壁84及び第2仕切り壁86が設けられている。第1仕切り壁84は、コンベクタ本体2C内の吸入口4C側に設けられ、第2仕切り壁86は、コンベクタ本体2Cの吹出口6C側に設けられ、第1仕切り壁84と第2仕切り壁86との間に開口88が設けられている。このように構成されているので、空気通路8Cの上流側部は二つに分岐され、その一方の分岐通路は第1仕切り壁84の上側に延び、その他方の分岐通路は第1仕切り壁84の下側に延びている。
【0051】
また、第1仕切り壁84の上側(即ち、一方の分岐通路)に熱交換器14が配設され、第2仕切り壁86の一端側(開口88を規定する側)は熱交換器14に向けて上方に延びている。更に、第2仕切り壁86の下側に除湿手段24が配設され、空気の流れ方向に見て除湿手段24の下流側にファン手段10が配設されている。この第4の実施形態のファンコンベクタのその他の構成は、上述した第2の実施形態ともの実質上同一である。
【0052】
このファンコンベクタにおいては、暖房運転時には、開閉部材82は上記第1の位置に保持される。従って、ファン手段10の作用によって吸入口4Cの第1部分(上部)を通して吸入された空気は、図4に太い矢印で示すように、熱交換器14にて温熱媒体との間で熱交換されて温められ、かく温められた空気は、第1仕切り壁84及び第2仕切り壁86の間の開口88を通り、空気通路8Cを通して吹出口6Cから吹き出される。
【0053】
また、除湿運転時には、開閉部材82は上記第2の位置に保持される。従って、ファン手段10の作用によって吸入口4Cの第2の部分(下部)を通して吸入された空気は、図5に太い矢印で示すように、除湿手段24(具体的には、凝縮器30及び除湿ロータ26の除湿域34)を通して流れ、第2の実施形態と同様にして除湿ロータ26の除湿域34にて空気中の水分が除湿剤に吸湿され、除湿された空気が吹出口6Cから噴出され、このようにして室内の除湿が行われる。このときには、吸入口4Cの第2の部分から吸入された空気は熱交換機14を通ることなく除湿手段24に流れ、従って、熱交換器14による圧力損失を防止して除湿運転時の運転効率を高めることができる。
【0054】
この第4の実施形態では、熱交換器14をコンベクタ本体2C内の上側に、除湿手段24をその下側に配置し、吸入口4Cの上部を第1の部分として作用し、その下部を第2の部分として作用するように構成しているが、これとは反対に、熱交換器14をコンベクタ本体2C内の下側に、除湿手段24をその上側に配置し、吸入口4Cの下部を第1の部分として作用し、その上部を第2の部分として作用するように構成するようにしてもよい。
【0055】
以上、本発明に従うファンコンベクタの各種実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
【0056】
例えば、第4の実施形態では、一つの吸入口4Cに開閉部材82を設け、この開閉部材82を第1の位置及び第2の位置に選択的に位置付けて吸入される空気の流れを切り換えているが、このように構成することに代えて、吸入口を別個に二つ設けて吸入される空気の流れを切り換えるようにしてもよい。この場合、空気を吸入する吸入口をコンベクタ本体の第1部位に設けた第1吸入口とコンベクタ本体の第2部位に設けた第2吸入口とから構成し、第1吸入口に第1開閉部材を開閉自在に、また第2吸入口に第2開閉部材を開閉自在に設けることができる。そして、第1吸入口を通して吸入された空気は、第4の実施形態における図4に示す状態と同様に、熱交換器を通して空気通路に流れるように構成し、また第2吸入口を通して吸入された空気は、第4の実施形態における図5に示す状態と同様に、熱交換器を通ることなく空気通路に流れるように構成される。このようなファンコンベクタでは、暖房運転時には、第1開閉部材が開状態となって第1吸入口が開放され(このとき、第2開閉部材が閉状態となって第2吸入口が閉塞される)、第1吸入口を通して吸入された空気は、熱交換器にて熱交換により暖められて空気通路を流れる。また、除湿運転時には、第2開閉部材が開状態となって第2吸入口が開放され(このとき、第1開閉部材が閉状態となって第1吸入口が閉塞される)、第2吸入口を通して吸入された空気は、熱交換器を通ることなく除湿手段の除湿ロータの除湿域にて除湿されて空気通路を流れる。このような構成のファンコンベクタにおいても、上記第4の実施形態のものと略同様の作用効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】第1の実施形態のファンコンベクタを簡略的に示す断面図。
【図2】第2の実施形態のファンコンベクタを簡略的に示す断面図。
【図3】第3の実施形態のファンコンベクタにおけるコンベクタ本体を簡略的に示す断面図。
【図4】第4の実施形態のファンコンベクタにおける開閉部材を第1の位置に位置付けたときの状態を示す簡略断面図。
【図5】図4のファンコンベクタにおける開閉部材を第2の位置に位置付けたときの状態を示す簡略断面図。
【符号の説明】
【0058】
2,2A,2B,2C コンベクタ本体
4,4C 吸入口
6,6C 吹出口
8,8B,8C 空気通路
10 ファン手段
16 熱源機
24,24A 除湿手段
26 除湿ロータ
28 再生用流路
30 凝縮器
32 加熱ヒータ(加熱手段)
34 吸湿域
36 再生域
72 切換部材
88 開閉部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入口及び吹出口を有するコンベクタ本体と、前記コンベクタ本体内に設けられ、前記吸入口を通して吸入された空気を前記吹出口に導くための空気通路と、前記空気通路に設けられた熱交換器と、前記吸入口を通して空気を吸入するためのファン手段と、前記空気通路を流れる空気中の水分を除去するための除湿手段と、を備え、
前記除湿手段は、水分を吸収するための除湿剤が充填された吸湿ロータと、前記除湿ロータからの高温多湿の気体を低温低湿の気体に再生するための再生用流路と、前記再生用流路における前記吸湿ロータの上流側に配設された加熱手段と、前記再生用流路における前記吸湿ロータの下流側に配設された凝縮器とを有し、前記吸湿ロータは、所定方向に回動されて前記吸湿剤によって水分を吸湿する吸湿域及び吸着した水分を放出する再生域を通して移動され、
前記再生用流路を通して前記再生域に流れる気体は前記加熱手段によって加熱され、また前記再生域からの気体は前記再生用流路を通して前記凝縮器に流れ、前記凝縮器において気体中の水分が凝縮されることを特徴とするファンコンベクタ。
【請求項2】
吸入口及び吹出口を有するコンベクタ本体と、前記コンベクタ本体内に設けられ、前記吸入口を通して吸入された空気を前記吹出口に導くための空気通路と、前記空気通路に設けられた熱交換器と、前記吸入口を通して空気を吸入するためのファン手段と、前記空気通路を流れる空気中の水分を除去するための除湿手段と、を備え、
前記除湿手段は、水分を吸収するための除湿剤が充填された吸湿ロータと、前記除湿ロータからの高温多湿の気体を低温低湿の気体に再生するための再生用流路と、前記再生用流路に配設された加熱手段と、を有し、前記再生用流路の特定部位は、前記熱交換器に関連して設けられ、前記吸湿ロータは、所定方向に回動されて前記吸湿剤によって水分を吸湿する吸湿域及び吸着した水分を放出する再生域を通して移動され、前記再生用流路を流れる前記再生域からの気体中の水分は、前記特定部位を流れる間に前記熱交換器を流れる媒体の冷熱を利用して凝縮されることを特徴とするファンコンベクタ。
【請求項3】
前記再生用流路の前記特定部位には、水分を凝縮するための凝縮器が設けられ、前記再生用空気流路は、前記吸湿ロータからの高温多湿の気体を前記凝縮器に導く第1再生流路と、前記凝縮器からの低温低湿の気体を前記吸湿ロータに導く第2再生流路とを有し、前記加熱手段は第2再生流路に配設されており、前記凝縮器は、前記熱交換器を流れる媒体の冷熱を利用して利用して冷却されることを特徴とする請求項2に記載のファンコンベクタ。
【請求項4】
前記除湿手段の前記凝縮器は、前記コンベクタ本体の前記空気流路内であって、前記熱交換器と前記除湿ロータとの間に配設されていることを特徴とする請求項2に記載のファンコンベクタ。
【請求項5】
前記吸入口には、第1の位置と第2の位置との間を移動自在に開閉部材が設けられ、前記第1の位置に位置するときには、前記開閉部材は前記吸入口の第1部分を開放し、前記吸入口の前記第1部分から吸入された空気は、前記熱交換器を通って前記空気流路に流れ、た前記第2の位置に位置するときには、前記開閉部材は前記吸入口の第2部分を開放し、前記吸入口の前記第2部分から吸入された空気は、前記熱交換器を通ることなく前記空気流路に流れることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のファンコンベクタ。
【請求項6】
前記吸入口は、前記ファンコンベクタの第1部位に設けられた第1吸入口とその第2部位に設けられた第2吸入口から構成され、前記第1吸入口を通して吸入された空気は前記熱交換器を通って前記空気流路に流れ、前記第2吸入口を通して吸入された空気は前記熱交換器を通ることなく前記空気流路に流れ、暖房運転時には、前記第1吸入口が開放され、前記第1吸入口を通して空気の吸入が行われ、また除湿運転時には、前記第2吸入口が開放され、前記第2吸入口を通して空気の吸入が行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のファンコンベクタ。
【請求項7】
前記コンベクタ本体の前記空気流路には、第1の状態と第2状態とに切換自在である切換部材が設けられ、前記切換部材が前記第1の状態にあるときには、前記空気流路を流れる空気は、前記除湿ロータを通って前記吹出口から吹き出され、また前記切換部材が前記第2の状態にあるときには、前記空気流路を流れる空気は、前記除湿ロータを通ることなく前記吹出口から吹き出されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のファンコンベクタ。
【請求項8】
前記コンベクタ本体には、前記除湿手段にて凝縮された水を屋外に排出するためのドレイン手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のファンコンベクタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate