説明

ファームウェア改版方法、および改版プログラム

【課題】ファームウェアの改版に必要な作業時間を短縮し、システム停止時間を短縮することにより、データ記憶システムの時間的な使用効率を向上させる。
【解決手段】プロセッサを備える記憶装置において、該記憶装置に記憶され、該プロセッサが使用するファームウェアを含まないデータの有効性を確認し、該記憶装置に接続されたバッテリによって、有効性の確認されたデータをバックアップしながらファームウェアの改版を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファームウェアの改版、例えばバージョンアップの方式に係り、さらに詳しくは、例えばディスク制御装置内のクラスタと、半導体記憶装置との内部にそれぞれ備えられるファームウェアの改版方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明が対象とするシステムとして、例えば複数のクラスタを備える本体装置と、半導体メモリを備える複数の外部記憶装置によって構成されるデータ記憶システムを考える。ここで本体装置側の各クラスタは、複数の外部記憶装置、例えばシステムストレージユニット(SSU)のそれぞれに自由にアクセス可能なものとする。各クラスタと各SSUは、それぞれファームウェアを用いて、それぞれの装置内の監視などを行うサービスプロセッサ(SVP)を備えており、各クラスタと各SSUのSVPは、例えばLANを介して相互に通信できるようになっている。ここで各SSUのSVPによって用いられるファームウェアは、例えばメモリのハードウェアとしての状態を制御するものである。
【0003】
このようなメモリシステムにおいて、各クラスタとSSUのそれぞれのSVPによって使用されるファームウェアの改版、例えばバージョンアップの必要が生じた場合に、はクラスタ側ではその内部のメモリなどに載っているデータを、また外部記憶装置側では格納されているユーザデータなどを、例えばハードディスクなどのダイレクト・アクセス・ストレージ・デバイス(DASD)に退避させて、完全停止の状態でファームウェアの改版を行うことが可能である。
【0004】
図7は、そのようなファームウェア改版方法の従来方式の処理フローチャートである。同図において処理が開始されると、まずステップS101で例えばシステムのオペレータによる操作に対応して、データのDASDへの退避が行われ、ステップS102で、動作しているオペレーティング・システムが止められ、システムの全停止が行われる。そしてステップS103で各SSUに格納されていたデータ、例えばユーザデータが無効の状態になっているか否かが判定され、無効状態になっていない場合にはデータの退避が正確に行われなかったものとして、ステップS104でファームウェアの改版が中止される。
【0005】
各SSUに格納されていたデータが無効状態となっている場合には、ステップS105でオペレータによってファームウェアの改版が、例えば複数のSSUの中でマスタSSUに対して指示され、ステップS106でマスタSSUから各クラスタと各SSUに対してファームウェアの同時改版が可能か否かをチェックする要求、例えば各クラスタ、および各SSUがファームウェアとして現用系と待機系の2つのバージョンを持っている場合には、待機系の版数、すなわち待機系のバージョンを用いることによって、現用系バージョンから待機系バージョンへの改版が可能か否かをチェックする要求が出され、ステップS107で各クラスタ、および各SSUからの報告によって、ファームウェアの改版が可能か否かが判定され、可能でない場合には、ステップS108でチェック結果として改版が不可能であることが表示される。
【0006】
ファームウェアの同時改版が可能であると判定されると、ステップS109でオペレータによって各クラスタと各SSUのパワーオフが行われ、例えば待機系バージョンのファームウェアを格納したROMへの配線が現用系のバージョンを格納したROMへの配線に切り替えられ、ステップS110で各クラスタと各SSUがパワーオンされ、ステップS111で改版のファームウェアが使用状態となり、ステップS112でユーザデータなどが復元され、処理を終了する。
【0007】
このように従来においてファームウェアの改版を行う場合には、例えば外部記憶装置に格納されているユーザデータなどをすべてDASDに退避してから、ファームウェアの改版が行われていた。しかしながら、SSU内に格納されているユーザデータなどは一般的にそのデータ量が非常に大きいために、ユーザデータなどのDASDなどへの退避には非常に時間がかかり、ファームウェアの改版のために必要なシステムの実質的な停止時間が長くなるという問題点があった。
【0008】
このようなプログラムのバージョンアップや、ハードウェアとしてのプロセッサ増設を、システムを停止させることなく行うための従来技術として、特許文献1、および特許文献2の技術がある。
【0009】
特許文献1では、ディスク制御装置のクラスタに対応するバージョン番号と、データ記録の論理単位としてのボリュームに対応するバージョン番号とが一致するクラスタとボリュームとの間だけでデータ転送を行うという制限を設けながら、各ボリュームについてデータ転送を行うことができるクラスタの集合を変更することによって、ディスク制御装置の無停止保守が可能となる技術が開示されている
特許文献2には、1台の管理プロセッサに対して、複数の通信プロセッサが設けられるマルチ・プロセッサ・システムにおいて、システムを停止することなく通信プロセッサの増設を行い、増設後に異常を発見した場合には旧バージョンへの移行が即座に行えるオンライン・プロセッサ増設方式が開示されている。
【0010】
しかしながらこのような従来技術を用いても、ファームウェアの改版を行うにあたって、外部記憶装置に記憶されているユーザデータなどを退避させるために、システムの実質的な停止時間が長くなるという問題点を解決することはできなかった。
【特許文献1】特開平6−309117号 「ディスク制御装置の無停止保守方法およびディスク制御装置」
【特許文献2】特開平5−324591号 「オンライン・プロセッサ増設方式」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、上述の問題点に鑑み、ファームウェアの改版に必要な作業時間を短縮し、システム停止が必要な時間をできるだけ短くすることによって、例えば複数のクラスタと複数の外部記憶装置によって構成されるデータ記憶システムの時間的な使用効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のファームウェア改版方法は、プロセッサを備える記憶装置におけるファームウェアの改版方法である。その方法として、まずその記憶装置に記憶され、そのプロセッサが使用するファームウェアを含まないデータの有効性を確認する。次にデータ有効性の確認された記憶装置を、その装置に接続されたバッテリによるバックアップ状態に保ちながら、ファームウェアの改版を行う。
【0013】
また本発明のファームウェア改版方法は、前述の記憶装置との間でデータを転送する計算機側に、記憶装置に備えられるプロセッサによって使用されるファームウェアと同時に改版されるべきファームウェアを備える場合の改版方法である。
【0014】
この方法では、前述のデータ有効性の確認の後に、記憶装置側のファームウェアの改版にあたって計算機側のファームウェアの同時改版が可能であることを確認する。そしてその後に、記憶装置側のプロセッサが使用するファームウェアと、計算機側に備えられるファームウェアとの改版を行う。
【0015】
以上のように本発明によれば、記憶装置に記憶されているファームウェアを含まないデータ、例えばユーザデータの退避を行うことなく、そのデータの有効性を確認し、有効データのバッテリによるバックアップを行いながら、ファームウェアの改版が行われる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、外部記憶装置に格納されているユーザデータなどの、例えばハードディスクなどへの退避を行うことなく、そのデータの有効状態をバッテリバックアップによって保ちながら、ファームウェアの改版を行うことができるため、ファームウェアの改版に必要な作業時間が短縮され、実質的なシステム停止に必要な時間を大幅に短縮することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明のファームウェア改版方法の原理的な機能ブロック図である。本発明においては、例えば複数のクラスタと複数の外部記憶装置とによって構成されるデータ記憶システムにおいて、使用されるファームウェアの改版が行われる。
【0018】
図1において、まずステップS1で各外部記憶装置に記憶されているデータ、例えばユーザデータの有効性のチェックが行われる。これは本発明においては従来と異なって、それぞれの外部記憶装置に記憶されているデータ、例えばユーザデータを退避することなく、ファームウェアの改版を行うために、ファームウェアの改版に先立って各外部記憶装置に記憶されているデータの有効性を確認するものである。
【0019】
データの有効性が確認されると、ステップS2で各外部記憶装置と各クラスタとに備えられ、同時に改版されるべきファームウェアの同時改版が可能であるかのチェックが行われる。例えばファーム(ウェア)として、現用系と待機系に対応する2つの版が各外部記憶装置とクラスタに備えられている場合には、現用系のファームから待機系へのファームへの改版が各外部記憶装置とクラスタとにおいて可能であるか否かが判定される。
【0020】
各クラスタと各外部記憶装置においてファームウェアの同時改版が可能であることが確認されると、ステップS3で各外部記憶装置に格納されているデータのバッテリによるバックアップ状態を保ちながらファームウェアの同時改版が行われる。
【0021】
図2は、本発明のファームウェア改版方式が用いられるデータ記憶システムの基本構成ブロック図である。同図において外部記憶装置1(半導体メモリ)が、CPUを含むクラスタ2と接続されている。また外部記憶装置1には、外部記憶装置1に対する電源が遮断されても、半導体メモリの記憶内容を保護するためのバッテリ3が接続されている。またクラスタ2には、クラスタ2の内部のローカルメモリの記憶内容などを必要に応じて退避させたりするための、例えばハードディスクなどのDASD4が接続されている。さらに外部記憶装置1とクラスタ2との内部には、例えばファームウェアによって動作するサービスプロセッサ(SVP)5、6が備えられており、これらのSVPは、例えばLANを介して相互に通信可能となっている。
【0022】
外部記憶装置1の内部のSVP5、クラスタ2の内部のSVP6は、それぞれ外部記憶装置1、クラスタ2の内部の各装置の監視などを行うものであり、それぞれそのためのファームウェアを備えており、SVP5、SVP6にそれぞれ備えられているファームウェアの改版は同時に行われる必要があるものとなっている。
【0023】
図3は、本実施形態の一例を具体的に説明するためのデータ記憶システムの構成ブロック図である。同図においてシステム内には、2つの外部記憶装置、例えば半導体メモリ1
、1と、2つのクラスタ2、2が備えられ、2つの外部記憶装置と2つのクラスタの間は相互に接続されている。2つの外部記憶装置、すなわちSSUとSSUとは2つのクラスタ、すなわちCLとCLとによって共用されており、クラスタがSSUにデータを書き込む場合には、2つのSSUに同時にデータ書き込みが行われる。すなわちこのデータ記憶システムは二重化されたシステムである。
【0024】
外部記憶装置1、1の中には、それぞれサービスプロセッサ(SVP)5、5が備えられている。また2つの外部記憶装置1、1に対してはそれぞれバッテリ3、3が接続されており、外部記憶装置1、1に対する電源が遮断された場合にも、それぞれの記憶装置内に記憶されているユーザデータなどはバッテリによってバックアップされる形式となっている。
【0025】
クラスタ2、2の中にも図示しないSVPが備えられ、外部記憶装置内のSVP5、5と同様に動作のためのファームウェアを備えている。ファームウェアとしては、各SVPに対応して現用系と待機系の2つの版が備えられており、ファームウェアの改版を行う場合には待機系に対して新しい版、すなわちバージョンが与えられ、例えばシステムのオペレータからの切り替え指示に応じて新しいバージョンへの切り替えが行われるものとする。
【0026】
図4は、本実施形態の一例におけるファームウェア改版処理のフローチャートである。同図のフローチャートを、各クラスタと各SSUの間で行われる動作を説明する図5、図6とを用いて、また従来例の図7と比較して説明する。
【0027】
図4において処理が開始されると、まずステップS10で、例えばシステムのオペレータによって動いていたオペレーティング・システムが止められ、システムの全停止が行われる。図7と比較すると、この全停止の前に外部記憶装置に記憶されているユーザデータなどの退避が行われることはない。
【0028】
続いてステップS11で、例えばオペレータによって、例えばクラスタCLのディスプレイ画面上でファームウェア改版新手順のチェックが選択され、ステップS12でCLから図5に示すように、例えばマスタSSUとしてのSSU内のSVP(マスタプロセッサ)に対してチェック要求が出され、ステップS13で図6に示すように各クラスタ、およびSSUにチェック要求が出される。
【0029】
すなわち図6に示すように、SSUから他のSSUとしてのSSUと、クラスタCL、CLのSVPに対してチェック要求が出される。ここでチェック要求の中身は、SSUに対してはデータ有効性のチェックと待機系に対するファームウェアの版数、例えば新しい版数としての“1”のチェックであり、クラスタCLに対してはファームウェアの待機系の版数のチェックである。クラスタCL内のファームウェア版数のチェックはCLのSVPによって行われる。
【0030】
図4のステップS14でデータ有効性のチェックを要求したSSU、およびそのチェックが要求されたSSU内のデータが有効であるか否かが判定され、ともに有効である場合にはステップS15で待機系に対応するファームウェア版数が、本発明における手順としての新しい手順による改版後のファームとして使用可能であるものか否かが判定され、可能である場合には、図6で示すようにチェック結果がCLのSVPに対してSSUのSVPから報告される。
【0031】
ステップS14で2つのSSU内のデータがともに有効でないとき、またはステップS15でファームウェアの改版が可能でないときには、ステップS16でチェック結果とし
てファームウェアの改版が不可能であることを示す表示がなされる。
【0032】
図6でSSUからCLに対してステップS17でチェック結果が適切であることが報告され、かつCLのSVPによるCL内のファームウェア版数のチェック結果が適切であれば、図4のステップS18で、例えばオペレータからCLに対してファームウェアの改版が指示され、ステップS19で各クラスタ、およびSSUのパワーオフが行われる。
【0033】
図3で説明したように、2つの外部記憶装置1、1に対してはそれぞれバッテリ3、3が接続されており、各外部記憶装置がパワーオフされても、記憶されているユーザデータなどは図4のステップS20においてバックアップ状態となり、この間に例えば新版のファームウェアを格納したリード・オンリ・メモリ(ROM)への配線の接続切り替えが行われ、ステップS21でクラスタ、およびSSUのパワーがオンされる。そしてステップS22で改版後のファームウェアの使用が可能となり、処理を終了する。
【0034】
(付記1)
プロセッサを備える記憶装置において、
該記憶装置に記憶され、該プロセッサが使用するファームウェアを含まないデータの有効性を確認し、
有効性の確認されたデータを、該記憶装置に接続されたバッテリによるバックアップ状態に保ちながら、前記ファームウェアの改版を行うことを特徴とするファームウェア改版方法。
(付記2)
前記記憶装置との間でデータ転送を行う計算機側に、前記記憶装置に備えられるプロセッサによって使用されるファームウェアと同時に改版されるべきファームウェアをさらに備え、
前記データの有効性の確認の後に、前記記憶装置のプロセッサによって使用されるファームウェアの改版に先立って、該ファームウェアと前記計算機側のファームウェアとが同時に改版可能であることを確認し、
2つのファームウェアの改版を行うことを特徴とする請求項1記載のファームウェア改版方法。
(付記3)
それぞれプロセッサを備える複数の記憶装置と、該記憶装置との間でデータ転送を行う複数の計算機とがそれぞれ相互に接続されたデータ記憶システムのソフトウェア改版方法において、
前記複数の記憶装置にそれぞれ備えられるプロセッサのうちのマスタプロセッサが、前記複数の記憶装置に記憶され、前記各プロセッサが使用するファームウェアを含まないデータの有効性の確認を複数の記憶装置に備えられるプロセッサに指示し、
該マスタプロセッサが、前記記憶装置に備えられるそれぞれのプロセッサが使用するファームウェアと、該ファームウェアと同時に改版されるべき前記複数の計算機にそれぞれ備えられるファームウェアとの同時改版が可能であるかの確認を、前記各記憶装置に備えられるプロセッサと、前記計算機とに指示し、
前記データの有効性が確認され、かつファームウェアの同時改版が可能であることが確認されたとき、該複数の記憶装置に備えられるプロセッサによって使用されるファームウェアと、複数の計算機に備えられるファームウェアとの改版を行うことを特徴とするファームウェア改版方法。
(付記4)
プロセッサを備える記憶装置と、該記憶装置との間でデータ転送を行う計算機とによって構成されるシステム内で、該記憶装置に備えられるプロセッサによって使用されるプログラムであって、
該システムのオペレータからの指示に対応して、該記憶装置に記憶され、該プロセッサ
が使用するファームウェアを含まないデータの有効性を確認するステップと、
前記記憶装置との間でデータ転送を行う計算機側に備えられるファームウェアと、前記記憶装置に備えられるプロセッサによって使用されるファームウェアとの同時改版が可能であるかをチェックするステップと、
該データの有効性が確認され、該ファームウェアの同時改版が可能であることを、前記オペレータに報告するステップとを計算機に実行させることを特徴とするファームウェア改版プログラム。
(付記5)
電源を供給するための第1の電源供給手段と、
前記第1の電源供給手段が停止した場合に、前記第1の電源供給手段の代わりに電源を供給する第2の電源供給手段と、
ファームウェアを格納するための第1の記憶手段と、
前記ファームウェア以外のデータを保持するための第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段に保持されるデータの検査を行う検査手段と、
前記第1の電源供給手段からの電源の供給を停止させ、前記第2の電源供給手段からの電源の供給を開始させることにより、前記検査手段により有効性が確認されたデータを前記第2の記憶手段に保持しながら、前記第1の記憶手段に格納された前記ファームウェアの更新を行う制御手段とを有することを特徴とする記憶装置。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のファームウェア改版方法の原理的な機能ブロック図である。
【図2】本発明のファームウェア改版方式が適用されるデータ記憶システムの基本構成ブロック図である。
【図3】二重化されたデータ記憶システムの構成ブロック図である。
【図4】本実施形態の一例におけるファームウェア改版方式の処理フローチャートである。
【図5】オペレータからマスタSSUへのチェック要求方法の説明図である。
【図6】マスタSSUからオペレータへのチェック結果報告方法の説明図である。
【図7】ファームウェア改版方式の従来例の処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0036】
1 外部記憶装置(半導体メモリ)
2 クラスタ
3 バッテリ
4 ダイレクト・アクセス・ストアレージ・デバイス(DASD)
5、6 サービス・プロセッサ(SVP)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備える記憶装置において、
該記憶装置に記憶され、該プロセッサが使用するファームウェアを含まないデータの有効性を確認し、
有効性の確認されたデータを、該記憶装置に接続されたバッテリによるバックアップ状態に保ちながら、前記ファームウェアの改版を行うことを特徴とするファームウェア改版方法。
【請求項2】
前記記憶装置との間でデータ転送を行う計算機側に、前記記憶装置に備えられるプロセッサによって使用されるファームウェアと同時に改版されるべきファームウェアをさらに備え、
前記データの有効性の確認の後に、前記記憶装置のプロセッサによって使用されるファームウェアの改版に先立って、該ファームウェアと前記計算機側のファームウェアとが同時に改版可能であることを確認し、
2つのファームウェアの改版を行うことを特徴とする請求項1記載のファームウェア改版方法。
【請求項3】
それぞれプロセッサを備える複数の記憶装置と、該記憶装置との間でデータ転送を行う複数の計算機とがそれぞれ相互に接続されたデータ記憶システムのソフトウェア改版方法において、
前記複数の記憶装置にそれぞれ備えられるプロセッサのうちのマスタプロセッサが、前記複数の記憶装置に記憶され、前記各プロセッサが使用するファームウェアを含まないデータの有効性の確認を複数の記憶装置に備えられるプロセッサに指示し、
該マスタプロセッサが、前記記憶装置に備えられるそれぞれのプロセッサが使用するファームウェアと、該ファームウェアと同時に改版されるべき前記複数の計算機にそれぞれ備えられるファームウェアとの同時改版が可能であるかの確認を、前記各記憶装置に備えられるプロセッサと、前記計算機とに指示し、
前記データの有効性が確認され、かつファームウェアの同時改版が可能であることが確認されたとき、該複数の記憶装置に備えられるプロセッサによって使用されるファームウェアと、複数の計算機に備えられるファームウェアとの改版を行うことを特徴とするファームウェア改版方法。
【請求項4】
プロセッサを備える記憶装置と、該記憶装置との間でデータ転送を行う計算機とによって構成されるシステム内で、該記憶装置に備えられるプロセッサによって使用されるプログラムであって、
該システムのオペレータからの指示に対応して、該記憶装置に記憶され、該プロセッサが使用するファームウェアを含まないデータの有効性を確認するステップと、
前記記憶装置との間でデータ転送を行う計算機側に備えられるファームウェアと、前記記憶装置に備えられるプロセッサによって使用されるファームウェアとの同時改版が可能であるかをチェックするステップと、
該データの有効性が確認され、該ファームウェアの同時改版が可能であることを、前記オペレータに報告するステップとを計算機に実行させることを特徴とするファームウェア改版プログラム。
【請求項5】
電源を供給するための第1の電源供給手段と、
前記第1の電源供給手段が停止した場合に、前記第1の電源供給手段の代わりに電源を供給する第2の電源供給手段と、
ファームウェアを格納するための第1の記憶手段と、
前記ファームウェア以外のデータを保持するための第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段に保持されるデータの検査を行う検査手段と、
前記第1の電源供給手段からの電源の供給を停止させ、前記第2の電源供給手段からの電源の供給を開始させることにより、前記検査手段により有効性が確認されたデータを前記第2の記憶手段に保持しながら、前記第1の記憶手段に格納された前記ファームウェアの更新を行う制御手段とを有することを特徴とする記憶装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate