説明

フィラメント材料を有する製品の製造装置及び製造方法

【課題】フィラメント状材料を有する製品の製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】糸或は撚り糸を含む糸状体(以下単に糸条と言う)の様なフィラメント状材料11を巻きつける事によって作られた製品は特にブラシ及びパイル付き隙間遮蔽材装置(pile weatherstrip device)として適している。
当該糸或は糸条11を、固定され或は静止している列状に配置されているスプール24から巻き戻すか或は引き出す為に、当該糸或は糸条は回転スピンドル30を介して当該スプール24から供給される。
フレーム14は、通路の出発点に位置し、且つ固定されたブラケット38上にもうけられたローラーにより提供されるポスト36の周りを移動する横方向に間隔を置いて配置された一対のワイヤー52を有していても良い。
当該フレーム14と当該ブラケット38を支持するために、シャフト28は、一対の支持ロッド100、102を往復動させる。
ループ54が巻き付け操作部14から離れる際に、当該ループ54の端部に束縛部材60、62が供給される。
そしてスリッター20が当該ループ54を分割する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィラメント材料を有する製品の製造装置及び製造方法に関するものであり、特に詳しくは、当該フィラメント材料を巻き付けることによってフィラメント材料を有する製品の製造装置及び製造方法を提供するものである。
【0002】
本発明は、特にブラシ及びパイル付き隙間遮蔽材装置(pile weatherstrip device)の様なパイル製品の製造に適したものである。
本発明を使用して製造される特に効果的な製品としては、電荷を取り扱うのに適していて、それによって安定して電気制御が得られる静電ブラシであり、その中で特に、印刷用紙(web)及び例えば紙の様な印刷用紙を操作する機構に含まれるその他の非導電性物質等によって収集された静電気を放電させるのに適している。
【背景技術】
【0003】
当該静電ブラシ及びそれを製造する方法或は装置は、2001年6月26日に発行されたロウネイ等の米国特許第6252757号に開示されている。
本発明は、フィラメント材料を巻き付ける事によって、当該ブラシ及びその他の製品を製造する為の装置及び方法を提供するものであり、それによってロウネイ等の米国特許第6252757号に開示されている装置及び方法の改良を提供するものである。
【0004】
つまり、その様な改良された方法及び装置を提供することが本発明の特徴である。
本発明は、又、パイル付き隙間遮蔽材の様なパイル製品を製造するのに適したものであって、当該方法及び装置は、パイルを形成する為に、特に糸、或は撚り糸を含む糸状体(以下単に糸条と言う)であるフィラメント材料を巻き付ける為のものである。
【0005】
その様なパイル付き隙間遮蔽材を提供するパイル製品は、1979年4月10日及び1981年11月24日にそれぞれ発行されたホルトンの米国特許第4148953号、及び米国特許第4302494号、及び1994年8月16日発行のジョンソン等の米国特許第5338383号等に開示されている。
【0006】
これ等の特許は、その様なパイル付き隙間遮蔽材の例とそれを製造する為の方法及び装置を示している。
本発明によって提供される方法及び装置によって製造されるパイル付き隙間遮蔽材は又2004年3月20日に発行されたジェームス・ヴイ・アルバネス及びデビッド・エヌ・ホーキンス等の米国特許第6711858号に開示されたタイプのものと同じであるかも知れない。
【0007】
フィラメント材料を巻き付けることによって製品、特にパイル付き隙間遮蔽材を製造する為の方法及び装置は、ニューヨーク州、ファーミントンのウルトラファブ会社によって、その様な製品の商業生産に於いて成功裏に使用されてきている。
同社は、当該フィラメント材料が巻き付けられた移動フレーム或はマンドレルを使用していた。
【0008】
巻き付けを実行する他の方法は、フレームを移動させると言う他の形式が使用されており、又それらは、上記したアルバネス及びホーキンス特許、1977年5月10日発行のアベルの米国特許第4022642号、1933年1月24日発行のモートンの米国特許第1895293号等で検討されている。
【0009】
巻き付けを提供する為のフィラメント材料の供給は、巻き付けを実現させるために、当該フィラメント材料がそこから引き出されるスプール或はリールを回転させることを含んでおり、或は、当該フィラメント材料がその上に巻き付けられるフレーム或はマンドレルに沿い且つその周りにスピンドルを移動させる事も含んでいる。
【0010】
上記した参照特許から明らかな様に、その様な動作は、当該スプールと巻き付け装置の回転と場合によっては、それらの並進運動とが必要となる。
当該全装置は、当該スプールを交換する為停止されなければならず又、当該スプールや巻き付け装置の重量がフィラメント(糸或は糸条のストランド)数を制限することになるので、当該製品の生産に関する速度は悪い影響を受ける。
【0011】
更に、当該製造工程及び製造装置に於いて実際的に取り扱われる当該スプールの数或は当該スプールの容量は、上記した参照特許に於いて示されている装置に於いても制限されている。
更に、当該製造工程に於ける多くの段階の間では、当該巻き付け製品を搬送する為のエンドレスなマンドレル或はフレームを除去する事も望ましいことである。
【0012】
当該移動式搬送装置がないとすれば、当該製品の生産速度は増加し、同時にフィラメント材料を巻き付けることによる製品の製造装置に関する寸法(従って、工場で必要とする空間)を減少させることが可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の主たる目的は、上記した製品を製造する為にこれまで使用されて来ている装置によって得られるものよりもより効率的で高速で且つ効果的な製造工程を確立する為に、フィラメント材料を巻き付ける操作を含んだフィラメント材料による製品を製造する為の方法及び装置を提供するものである。
【0014】
本発明の他の目的は、回転するスプールの使用及び巻き付け材料のループが巻きつけられているマンドレル或はフレームの移動を回避する為にこれまでに使用されて来ている装置よりもより効率的で高速で且つ効果的でしかもコンパクトなフィラメント材料の巻き付けを含む製品の製造の為の製造方法及び装置を提供するものである。
本発明のより具体的な目的は、ブラシ、パイル付き隙間遮蔽材等の製品を製造する為の改良された装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る当該製品とフィラメント材料の巻き付けを製造する為の装置は、当該フィラメント材料が巻き付けられるフレーム或はプラットフォームを使用する事にある。
【0016】
当該フレームは、複数個のステーションを有する通路の一方の端部に固定的或は静止状に支持されており、当該ステーションには、当該通路の出発点或は上流端部に設けられるフレームを有する巻き付けステーション(winding station)と、当該巻き付け体(windings)を帯状体に組み立てる為、当該帯状体を、それぞれの帯が当該巻き付け体の一部を有している複数個の帯状体に分割して、当該帯状体により構成される製品を、当該装置の製品出力部に供給する為に、当該通路の端部へ移送する為の他の複数のステーションとを含んでいる。
【0017】
当該巻き付けステーションでは、スピンドルが当該フレームの周りを回転する様に構成されると共に、当該スピンドルは、当該巻き付け体を形成する為にフィラメント材料が供給される端部を有している。
【0018】
当該フレームは、当該スピンドルと干渉しないような関係に保持されており、且つ当該スピンドルに引き込まれるフィラメント材料を供給するスプール間のその他の部材からも干渉しない様に保持されている。
【0019】
静電気放電或は除電用ブラシの製造に関する本発明の具体例が本発明に従って以下に説明される。
先ず、当該巻き付け体と共に搬送され両者が接合されて帯状体になる導電性のワイヤーを有するフレームが提供される。
【0020】
当該ワイヤーはその後、当該ブラシによって捕獲された静電気の為の導電性放電通路を提供する(当該ブラシは、導電性材料のストランド(フィラメント集束体)によって構成されるものである)。
【0021】
係る構成のブラシは、上記したロウネイ等の米国特許第6252757号に開示されたものと同じタイプのものである。
製造工程を実行する為の当該通路の開始点に於ける静止した巻き付け体フレームのプラットフォームに関するその他の設計及び当該静電気除去用ブラシを製造する為の本発明に係るここで説明された具体例で開示されたテープ材料からなる接合材料とは異なる接合材料等は、本発明に従って提供されると言う事は考慮されるべきである。
【0022】
上記した本発明の目的及びその他の目的、更には、本発明の特徴並びに効果は、以下に示す関連する図面を参照しながら以下の説明を理解することによってより明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、上記した技術構成を採用しているので、これまで使用されて来ている装置によって得られるものよりもより効率的で高速で且つ効果的にフィラメント材料による製品を製造する事が可能となるという効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1、図2、図2A、及び図3に対する詳細な説明を参照することによって、本発明にかかる装置10の具体例が示される。
そして当該具体例は、特に静電ブラシを製造する為に適合されたものである。
【0025】
これ等のブラシは、図1及び図3に於いて符号及び矢印によって示されている様に、当該装置によって当該製品の製造に係る工程内での当該製品に関する製品の移動通路或は製品の流通通路に沿って配置されている複数個のステーションによって実行される製造工程に於いて生産されるものである。
【0026】
当該通路の出発点或は当該通路の上流端部に於いて、巻き付けステーション14が設けられている。
当該巻き付けステーションは、その後に、当該巻き付け体を帯状体に接合形成する接合ステーション16が設けられている。
【0027】
その後に、当該帯状体を、当該巻き付け体の当該ループの半分をそれぞれ有する一対のブラシに形成する為の、切断ステーション20(slitting stasion)が配置されている。
【0028】
駆動或は移送ステーション18は、2個の部材を有しており、その1つ18aは、当該帯状体の一部が、当該駆動ステーションの他の部材18bを構成する対向するベルトを通過して当該装置の出力端部から外方に向けて駆動される際に、それらを共に保持する一対のローラーを有している。
【0029】
当該装置の外方端部には、当該製品を構成する帯状体のそれぞれの半分を巻き取るリール22a、22bが存在していても良い。
当該フィラメント材料11は、スプール24の列から引き出される(図1a参照)。
【0030】
当該スプールから引き出された糸条は、フレンジ付きローラー26によって案内されて、カラー部32によってシャフト28に取り付けられている巻き付けスピンドル30を有する中空シャフト28内に導入される。
【0031】
当該糸条はテーパー化された開口部37によって集束され、当該スピンドル30を介して供給される複合ストランドとなる。
当該複合ストランドは、静電気を担持するパイル或はブリッスルを提供する。
【0032】
従って、当該複合ストランドは、好ましくは、何らかの導電性材料で構成されるものである。
例えば、硫酸銅含浸アクリル系繊維が、糸を形成し、当該スプールから引き出される為に使用されても良い。
【0033】
その他の導電性材料としては、例えば、炭素質材料(carbonaceous material)を含んだ繊維が好ましく、或は加撚された細い金属性のワイヤー繊維を使用する事も可能である。
【0034】
次に、巻き付けステーション14とその関連部材について検討する。
当該巻き付けステーションの静止型巻き付けフレーム或は巻き付けプラットフォーム34は、溝付きローラー36を有する一対の固定ガイド部を含んでいる(図4、図5及び図7参照)。
【0035】
当該ローラー36は、ブラケット38上に搭載されている。
固定型ポスト40が、当該ブラケット38上の当該ローラー36に近接して設けられている。
【0036】
一対の横方向に間隙を置いて配置されたワイヤー42が当該ローラー36の周りを引き回され当該ポスト42によって案内される事によって巻き取りフレームが形成される。
【0037】
係るワイヤー42は、更に、直径方向に対向して設けられている段付きローラー44、46によって案内される。
当該ローラーは、接合ステーション16に於いて当該巻き付け体の端縁部に沿って接合テープを供給する為に使用されるものである。
【0038】
当該ローラー44は、当該ワイヤー42に対する案内を行う為の溝或は段部を有しており、当該ローラー44及び46に向かう当該巻き付けフレームに於ける当該ワイヤー42の平行状態を維持するものである。
【0039】
静電ブラシ製品12の場合に於ける当該ワイヤー42は、当該ブラシのブリッスルによって捕獲された静電気の流れを形成する為に当該巻き付け体内に保持されており、且つ例えば、当該静電ブラシを含む装置のフレームに於ける接地された部材の様な放電ポイントに静電気を導通させるものである。
【0040】
当該ワイヤー42を当該ローラー36を介して当該巻き付けステーション16に供給する機構及びこれ等のワイヤーの通路は図1乃至図7に示されている。
当該ワイヤー42は、ワイヤー供給リール(図示せず)から、幾つかのローラーと別のローラー48及び50の組みによって通路上に引き出される。
【0041】
当該ワイヤーの外側の伸張部52は、当該巻き付けステーションの一部である。
これ等の伸張部52は、当該ループ部54の対向する端部を規定する。
当該伸張部52は当該テープ供給ローラー46と当該ポスト40との間で張力が印加された関係に維持されており、それによって巻き付けフレームが規定される。
【0042】
当該伸張部52以降の当該ワイヤー42の通路は、それぞれのローラー36を周回してその後、当該ループ54の外側の端部から内側に空間を開けて配置される位置で、当該巻き付け体の内部を通過する。
【0043】
当該ループは、当該テープ供給ローラー44、46の直ぐ下流で隣接するブラシとなる様に切断されるので、当該ループが挿入されるワイヤー42と干渉する事はない。
【0044】
換言するならば、当該ストランドのループは、当該ワイヤー42の外側の伸張部52の周りに張力を掛けた状態にあり、当該ワイヤーの供給と干渉する為には、当該テープ供給ローラー44、46の前方にある当該巻き付け体の幾つかのループ54に於いては十分な空間と不十分な摩擦が存在する。
【0045】
当該ワイヤー42がローラー48、50及び巻き付けステーションのローラー36によって規定される通路に沿って当該巻き付けフレームに於ける外側の伸張部間に挿入される。
【0046】
当該巻き付けステーションは、当該製品12が形成される通路の短い部分に過ぎない。
上記した参照特許に示されている様な、無端状のマンドレル或は移動フレームによって示されている様な支持部は、必要ではなく、それによって非常に大きい容量を持つ重たい固定式スプールから巻き付けしている間に繊維を引き出す事が可能となる。
【0047】
糸或は糸条で装置を再充填するために生産を停止する時間は最小化される。
拘束把持ステーション16は、当該巻き付け体54をバンドに拘束把持する為に一対の接着テープ60、62を使用する。
【0048】
好ましくは、これ等のテープは、商業的に利用可能である自己接着型の接合テープである。
当該接着テープ60、62の粘着部或は接着部面は、当該接着テープ60、62の為の供給リール64,66上にそれぞれ個別に巻かれている。
【0049】
従って、当該テープの接着面を提供する直線状の材料は、当該テープに於ける、当該供給リール64,66の周縁部を周回して移動する面に存在している。
当該接着テープ60、62の粘着部或は接着部の面は、当該接着部面の側縁部に近接している当該ループに対して供給される。
【0050】
当該供給ローラーは、当該双方のテープを当該ループに対して押し付けるので、当該ループは、圧縮され当該対向するテープ60、62によって拘束把持される。
当該テープの幅は、静電気放電に関する用途に依存して決まる。
【0051】
当該テープの幅は、当該ブラシの繊維状部分に於ける自由部分を規定するものであって、更には、その幅は、当該ブラシの繊維状部分を分割しているブリッスルの硬度或は太さ等に応じて狭くしても良く或は広くしても良い。
【0052】
当該ブリッスルは、当該巻き付け体54を構成する切断されたループによって提供される。
当該巻き付け体が当該テープ60、62によって拘束把持された後、それらは、互いに重複した関係に配置されているスリッタホイール67、70によって規定されるスリッタステーション部20を通過する。
【0053】
当該スリッタホイール67、70は、当該ループを刃状切断操作(scissor cutting action)によって切断する。
当該切断が実行された後、当該帯状体は、それぞれ対向しているが当該スリッタステーション部20によって分離されている当該ループ54によって提供されたブリッスルの組を持つ2個の相互に並列しているブラシに分割される。
【0054】
これ等のブラシは、ワイヤー42を含んでいる。
スリットする以前に、当該帯状体は図9aに示す様に、連続したループから構成されているが、スリットされた後は、当該ループは、図9bに示す様に、相互に並列するブラシに分割される。
【0055】
移送ステーション18a、18bは、次いでスリットされた当該ブリッスルを引き出す。
図10を参照されたい。
【0056】
場合によっては、当該一組の供給ローラー44、46が、積極的に駆動されてスリットする以前の当該帯状体の移送のための部材を提供する様にしても良い。
又、当該供給ローラー44、46は、図示の様に自由回転するものであっても良い。
【0057】
図示されてはいないが、当該ローラー44に対しては下向きの力を印加し、一方当該供給ローラー46に対しては上向きの力を印加する様なスプリング機構が使用されても良く、それによって、当該テープ60、62を圧縮し、当該両テープを当該巻き付け体の当該ループ54に粘着状に接合すると共に拘束把持し且つ一体化する。
【0058】
当該移送及び駆動ステーションは、最後の供給ローラー80、82の組を有している(図8参照)。
上記の組は、当該移送及び駆動ステーション18aの一部を構成するものである。
【0059】
当該ローラー80、82の下方のローラーは、自由走行式に構成されていても良く、支持シャフト(図示せず)によって固定状態に保持されているものであっても良い。
【0060】
一方、その上方のローラーは、当該テープの接着を補助する為に、当該テープ60、62に対して当該ローラー80、82の直径方向に沿って圧力を印加するための圧力ブロック84、86によって支持されていても良い。
【0061】
当該移送ステーションの一部18bは、最終製品12を提供する当該スリット化されたブラシを加圧する為の、ローラー90、92の周りに延展されている互いに対向する弾性材料からなる一対の無端ベルト86、88を有している。
【0062】
係るベルトは、図3に示す様に、当該製品が所定の長さに切断されるか、或は適宜のリールに巻き取られる様に構成されている装置の出口部への通路に沿って当該製品を移送する為の主たる駆動力を提供する。
【0063】
当該製品12の帯状体に対する圧縮力を調整する為に、一対の張力ブロック94が、矢印96によって示される方向に、相互に対向する方向或は相互に離反する方向に移動出来る様に構成されているものであっても良い。
【0064】
当該ベルト86、88の内部は、当該張力ブロック94と接触している(図10参照)。
当該巻き付けステーション16の静止支持部34(stationary support)は、当該スピンドル30の回転を許容し、然も当該ブラケット38上に設けられている当該ワイヤー42、当該ローラー36及び当該ポスト40等を含む巻き付けステーションに於ける各部材を静止状に支持することを可能にする様な方法で配置されている(図7参照)。
【0065】
係る方法は、支持ボックス34からピン100及び102が、ヨーク部104に設けられた開口部に出たり入ったりする様に往復運動せしめられる様に構成された当該支持ボックス34にスコッチヨーク機構(scotch yoke mechanism)を採用することにより達成される。
【0066】
当該ヨーク部104は、当該スピンドル30を回転させるシャフト28の為のベアリングを介して当該装置の基部フレーム106に取り付けられている。
当該支持部34内の当該スコッチヨーク機構を含む当該支持部34の設計及び当該巻き付けステーションの為の固定された静止支持部を提供する為の装置に於けるフレームメンバー10への取り付け機構の詳細については、図11乃至図14から明らかになる。
【0067】
当該ブラケット上のローラー36の横方向の位置を調整する目的のために、当該ローラーは、スライド部110上に設けられた弛緩及び緊締螺子部112によって、当該スライド部110に取り付けられているものであっても良い。
【0068】
当該ローラー36の横方向の位置関係即ち当該フレームの幅は、調整可能である。
当該支持部34は、潤滑油の為の嵌合部118とカバー部116を有する開口部114を持った箱体である。
【0069】
当該箱体34に於ける側腕部120は、ピン或はロッド100、102を内蔵する横方向の穴部(ブッシング)を有している。
これ等のロッドは、当該スピンドル30が当該ロッド100と当該ヨーク部104の腕部との間の空間部を通過する際に、少なくとも1つのロッド100(上記図に示されている様に)が、当該支持箱体34の内部に位置している様に、当該スピンドルの回転に同期して往復移動せしめられる。
【0070】
当該ヨーク部104は、中空状のシャフト28がその中で回転する、スリーブ128に取り付けられている。
このシャフト28が当該スピンドル30を回転させるものである。
【0071】
当該スリーブ128は、当該支持箱体34と当該ヨーク部104の腕部を介して当該巻き付けステーションの為の固定された支持部を提供する当該フレーム支持部材106に取り付けられている。
【0072】
当該支持箱体34、換言すれば当該巻き付けフレーム及びプラットフォームは、当該ピン100、102が当該支持箱体34内部に於いて当該スコッチヨーク機構によって往復動に駆動される際に当該ピン100、102によって支持される。
【0073】
当該スコッチヨーク機構は、カラー部130を有しており、当該カラー部130に於いては、当該カラー部130内に設けられている空間部138内に配置されたスタッブシャフト(stub shaft)136の端部に、リング134によってカムフォロワーが設けられている(図11及び図12を特に参照のこと)。
【0074】
当該スタッブシャフト136の内部端部は、当該シャフトと共に回転するバー部139内に係合せしめられている。
当該スタッブシャフト136は、同時に当該スピンドル30を駆動する為の当該シャフト28の端部140に関して偏芯的に搭載されており、且つ当該スタッブシャフト136の動作は当該スロット部138内に制限されているので、当該カラー部130は、当該スタッブシャフト136が当該スピンドル駆動シャフト28の端部140の周りを回転する際に往復運動を行う。
【0075】
当該スタッブシャフト136と当該リング134の軌跡は円137によって示されている。
当該ピン100、102は、当該カラー部130の対向する端部に螺子によって当該カラー部130に取り付けられている。
【0076】
従って、当該ピン100、102は、当該スタッブシャフト136が当該スピンドル駆動シャフト28の周りで駆動される際に往復運動を行う。
当該ピン100、102は、当該ピン100、102を受け入れる為に静止されている当該ヨーク部104に設けられている開口部140、142に出たり入ったりする様に移動する。
【0077】
当該ヨーク部104が固定状態である結果、当該支持部34と当該巻き付けステーションの静止部材に対しても固定支持が実現される。
上記説明から、繊維材料(糸、糸条等)を有する製品を、当該繊維材料を連続して隣接したループ状に巻き付ける為の巻き付け操作によって製造する為の改良された装置及び方法が提供された事は明らかである。
【0078】
本発明の範囲内に於ける、上記で開示された装置及び方法に関する変形或は修正は、明らかに当業者にとって自明の事である。
例えば、当該巻き付けステーションを提供するワイヤー及び当該装置によって当該製品を製造する工程の最初の工程に於いて、巻き付けの為に使用する静止状の支持部の代わりに、当該支持部34から延長されている静止状の舌状部(tongue)が提供されても良い。
【0079】
当該舌状部は、ストリップを裏打ちする為のガイド部材として使用されても良い。
当該裏打ちストリップ(backing strip)は、上記したホルトン及びジョンソン等の参照特許に示されているパイル付き隙間遮蔽材を製造する際に使用される裏打ちストリップと同じ様な方法で、超音波溶接の様な方法を用いてループの端部に当接される様にしても良い。
【0080】
当該ループの集合からなる帯状体は、当該スリット及び移送ステーションを通じて駆動され、当該通路の端部から例えば、パイル付き隙間遮蔽材の様な完成製品として、取り出される。
【0081】
その他の変形或は修正は、当業者にとって明らかに容易な推測である。
従って、上記した説明は、説明のためのみのものであり限定的なものとすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、本発明に於ける装置の概要を説明する斜視図である。
【図1A】図1Aは、図1に示される装置に於ける糸用のスプールとスピンドルとの配置の概要を説明する斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す本発明に於ける装置の平面図である。
【図2A】図2Aは、図2の部分拡大平面図である。
【図3】図3は、図1及び図2に示される装置の拡大図である。
【図4】図4は、巻き付けステーション、接合ステーション、及び製品の移送を実現する為のステーションの一つの概略を示す斜視図である。
【図5】図5は、図4に示す巻き付けステーション、拘束把持ステーションの一部を示す部分拡大図である。
【図6】図6は、図4に於ける矢印線6−6に沿って見た部分拡大断面図である。
【図6A】図6Aは、図6に於ける矢印線6a−6aに沿って見た部分拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明に於ける巻き付けステーションの一部を規定する静止状のローラーポスト及び当該ポストの支持機構並びにスピンドル機構等を示す平面図である。
【図8】図8は、図1乃至図4に示されている当該装置に於ける案内を提供する押圧ローラーを支持する為の機構及び接合テープを適用する為の機構を説明する斜視図である。
【図9A】図9Aは、図2Aに示す矢印線9a−9aに沿って見た接合テープの適用により得られた製品の断面図である。
【図9B】図9Bは、図2Aに示す矢印線9b−9bに沿って見た移送ステーション後の完成された製品の断面図である。
【図10】図10は、図1乃至図4及び図8に示す最後の供給ローラーを有するステーションを説明する拡大図である(但し、それらのローラーに対する圧力付与機構及び図1乃至図3に示されるベルト駆動装置等は示されていない)
【図11】図11は、図1及び図7に示す矢印線11−11に沿って見た、当該巻き付けステーションを静止状に(つまり移動することなく固定的に)支持するための機構及び且つスピンドルを非干渉状態で回転させる機構を示す図である。
【図12】図12は、図11に示す矢印線12−12に沿って見た、当該巻き付けステーションを静止状に(つまり移動することなく固定的に)支持するための機構及び且つスピンドルを非干渉状態で回転させる機構を示す図である。
【図13】図13は、図11に示す矢印線13−13に沿って見た、当該巻き付けステーションを静止状に(つまり移動することなく固定的に)支持するための機構及び且つスピンドルを非干渉状態で回転させる機構を示す図である。
【図14】図14は、図13に示す矢印線14−14に沿って見た、当該巻き付けステーションを静止状に(つまり移動することなく固定的に)支持するための機構及び且つスピンドルを非干渉状態で回転させる機構を示す図である。
【図1a】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィラメント材料からなる巻き付け体(windings)を有する製品を製造する為の装置であって、当該装置は、
その上に当該巻き付け体が形成され、且つそこから当該巻き付け体の帯状体を提供する為に連続する当該巻き付け体のそれぞれが移送せしめられるフレーム部と、
当該フレーム部の周りを回転し得るように構成されたスピンドルとから構成されており、当該スピンドルは、当該スピンドルが回転する際に当該巻き付け体を形成する為にそこから当該フィラメント材料が供給される端部を有している事を特徴とする装置。
【請求項2】
当該フレームは、当該複数個の巻き付け体を受け入れてそれを支持する巻き付けプラットフォームを規定するエレメントにより規定される事を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
当該装置は、更に、当該プラットフォームから離れる当該巻き付け体を規定する当該ループの端部に於いて把持拘束部を提供する案内部を含んでおり、当該把持拘束部は、当該巻き付け体を集合させて帯状体を形成する事を特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
当該把持拘束部は、当該ループ部の端部に取り付けられている細幅状材料(strips of material)である事を特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
当該案内部は、当該ループの両側に接着用のテープを供給する為のローラーを含んでおり、当該テープは当該把持拘束部を提供する事を特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
当該装置は更に、当該帯状体と駆動関係を有し、当該帯状体に集合せしめられる当該巻き付け体と当該把持拘束部とを、当該巻き付け体の形成の為に当該スピンドルがその周りに回転する当該プラットフォームから離れる様に、下流方向に移送する部材を含んでいる事を特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項7】
当該プラットフォームを形成する当該エレメントは、その上に当該巻き付け体を構成する当該ループの端部が配置される、相互に横方向に間隔を空けて配置されている一対のワイヤーである事を特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項8】
当該装置は、当該巻き付けプラットフォームの側面部を規定する為に当該ワイヤーがその周囲に延展されている円筒状のポスト部を含んでいる事を特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
当該装置は、更に、当該ワイヤーを当該巻き付け体と共に当該ポスト部から離れる方向に移送させる為の手段を含んでいる事を特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
当該装置は、更に、当該帯状体に沿って把持拘束用ストリップス(細幅帯状物)を当該ループと係合する様に移送させ、当該ループと当該巻き付け体とを捕捉して当該巻き付け体を集合させて当該帯状体に構成する為の案内部を含んでいる事を特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
当該装置は、更に、当該ループと係合し、当該ループが集合されて帯状体となった後に当該帯状体を当該ポスト部から離れる方向に移送させる為の少なくとも1つの駆動部材を含んでいる事を特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
当該装置は、更に、当該ループと係合可能なスリッター部であって、当該ループが集合されて帯状体となった後に当該ループを、当該各ブラシのそれぞれに於けるブリッスルによって分離されたループからなるブリッスルを含んだ、少なくとも一対の並列するブラシに分割する為のスリッター部を含んでいる事を特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
当該装置は、更に、当該スピンドルが回転する間、固定的に配置され且つ静止状態にある当該フィラメント材料を供給する為の少なくとも1つのスプール部を含んでおり、当該フィラメント材料は、当該スプール部から当該スピンドルが当該巻き付け体を提供する為に回転するにつれて当該スピンドルを介して供給される事を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
当該装置は、更に、その端部で当該フレームを支持している静止部材を含んでおり、当該静止部材には、当該静止部材に近接した当該巻き付け体の帯状体に於ける近接端部が配置され、且つ当該スピンドルがその周りを回転する様に構成されている事を特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
当該装置は、更に、当該スピンドルの回転に同期して、当該静止部材と支持関係にある状態及び支持関係に無い状態に移動出来る様な往復動部材を提供する機構を含んでおり、当該機構は、当該静止部材を当該スピンドルが回転する際に当該スピンドルと干渉しない様に支持する様に構成されている事を特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
当該装置は、更に、当該スピンドルを回転させる為のシャフトを含んでおり、当該機構は、当該シャフトの回転を当該往復動部材の往復動作に変更する事を特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
当該機構は、スコッチヨーク機構である事を特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
当該少なくとも一つのスプールは、当該フィラメント材料を構成する別々のストランド(糸条)がそこから当該回転スピンドルに供給され、それによって一本の複合ストランドに複合された複数本のストランドから巻き付け体を提供する、複数個の静止されたスプールの一つである事を特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項19】
当該装置は、更に、同時に回転する様に当該スピンドルが搭載されている中空状のシャフトとテーパー化された開穴部とを含んでおり、当該中空シャフトに於ける当該スピンドルは、中空で且つ当該中空スピンドルの端部を有するものであって然も当該中空スピンドルを通して設けられている開口部と連通する開孔部を有しており、当該中空スピンドルと中空シャフトの連通は、当該スプールからの当該ストランドの為の通路を提供するものであり、そして当該テーパー化された開穴部は、当該複数本のストランドが受け入れられ、加撚されて複合され複合ストランドを形成する為に当該中空シャフトに設けられている事を特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
帯状体の長手方向に沿って配列されたフィラメント材料からなる連続した巻き付け体からなる帯状体を製造する方法であって、当該方法は、
所定の通路の一方の端部に於いて、フレーム上に当該フィラメント材料からなる複数のループを巻きつけ、当該連続した巻き付けによって帯状体が形成される工程
当該巻き付け体を当該帯状体に集合する為に、当該帯状体に拘束把持手段を印加する工程、
及び当該拘束把持された帯状体を当該フレームとは反対の方向にある当該通路の端部の外方に移送する工程、
とから構成されている方法。
【請求項21】
当該フレームは静止状態にあり、且つ当該帯状体が当該フレームから離れる方向に移送される間、スピンドルを当該フレームの周りに回転させる事を特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
当該方法は、更に、当該フィラメント材料を、当該帯状体を形成する為に当該スピンドルから外方に供給する為に、当該フィラメント材料の静止状態にあるスプールの少なくとも一つから当該スピンドルに供給する工程を含んでいる事を特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
当該フィラメント材料は、当該フレームの上流側に配置されたスプール列から供給され、当該帯状体を形成する為にスピンドル内に供給される個別のストランドである事を特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
当該方法は、更に、往復動部材が往復動し且つ当該スピンドルが回転する際に、当該往復動部材が当該スピンドルを回避する様に、当該支持部材を当該スピンドルの回転に同期して往復動させることによって、当該フレームを担持している支持部を当該スピンドルに対して静止状態に保持する工程を含んでいる事を特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
当該方法は、更に、当該スピンドルをシャフトによって回転させる工程と、当該シャフトの回転を当該支持の為の支持部材による往復動運動に変換する工程とを含んでいる事を特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
当該方法は、更に、当該巻き付け体のループに於ける両端部の位置を規定する一対のワイヤーを有するフレームを提供する工程を含んでいる事を特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項27】
当該方法は、更に、当該ワイヤーを移送する工程、当該ワイヤーが移送されている間に、当該ワイヤーと当該帯状体とを集合させる工程及び当該帯状体を規定する為に、当該ループの端部を拘束把持する工程とを含んでいる事を特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
当該方法は、更に、当該拘束把持部から外方に突出しているブリッスルを持った少なくとも一対のブラシを規定する為に、当該ループを切断する工程を含んでいる事を特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
当該方法は、更に、当該拘束把持手段をテープの形で供給する工程、当該テープを当該ループの両側の縁部に沿って且つ各当該ループの両面上に粘着的に接着する工程とを含んでいる事を特徴とする請求項27に記載の方法。

【図2A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6a】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−523888(P2008−523888A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546621(P2007−546621)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/043314
【国際公開番号】WO2006/065254
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(503087821)ウルトラファブ インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】