説明

フィルタ切り替えユニット及び撮像装置

【課題】簡単な制御で光学フィルタの切り替えを可能とする小型のフィルタ切り替えユニット、及び当該ユニットを有する撮像装置を提供すること。
【解決手段】本技術の一形態に係るフィルタ切り替えユニットは、駆動軸と、第1の伝達機構と、第2の伝達機構と、クラッチ機構とを具備する。前記駆動軸は、回転駆動される。前記第1の伝達機構は、前記駆動軸の回転を、第1の光学フィルタを装着可能な第1のスロットを1以上有する第1のターレットに伝達する。前記第2の伝達機構は、前記駆動軸の回転を、第2の光学フィルタを装着可能な第2のスロットを1以上有する第2のターレットに伝達する。前記クラッチ機構は、前記駆動軸の回転を利用して前記第1の伝達機構による前記回転の伝達と前記第2の伝達機構による前記回転の伝達とをそれぞれ制御することで、前記第1のターレットの回転と前記第2のターレットの回転とをそれぞれ制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、例えばND(Neutral Density)フィルタ等の光学フィルタの切り替えに用いられるフィルタ切り替えユニット、及び当該ユニットを有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の光学フィルタを有するフィルタターレットと、このフィルタターレットを回転させる駆動機構とを有するフィルタ切り替え装置が知られている。フィルタターレットが回転されることにより各光学フィルタが選択的に配置される。
【0003】
例えば特許文献1には、CC(Color Compensating)ターレット及びNDターレットの2つのターレットを有するフィルタ切り替え装置が開示されている。特許文献1の図1に示すように、CCターレット9は手動機構15及び電動機構16からなる駆動機構14により駆動される。NDターレット12は手動機構42及び電動機構43からなる駆動機構41により駆動される(特許文献1の明細書[0018]、[0027]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−22187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、撮像デバイスの小型化が進んでおり、簡単な制御で光学フィルタの切り替えを可能とする小型の光学フィルタ切り替え装置が求められている。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、簡単な制御で光学フィルタの切り替えを可能とする小型のフィルタ切り替えユニット、及び当該ユニットを有する撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係るフィルタ切り替えユニットは、駆動軸と、第1の伝達機構と、第2の伝達機構と、クラッチ機構とを具備する。
前記駆動軸は、回転駆動される。
前記第1の伝達機構は、前記駆動軸の回転を、第1の光学フィルタを装着可能な第1のスロットを1以上有する第1のターレットに伝達する。
前記第2の伝達機構は、前記駆動軸の回転を、第2の光学フィルタを装着可能な第2のスロットを1以上有する第2のターレットに伝達する。
前記クラッチ機構は、前記駆動軸の回転を利用して前記第1の伝達機構による前記回転の伝達と前記第2の伝達機構による前記回転の伝達とをそれぞれ制御することで、前記第1のターレットの回転と前記第2のターレットの回転とをそれぞれ制御する。
【0008】
このフィルタ切り替えユニットでは、駆動軸の回転が第1及び第2のターレットにそれぞれ伝達される。またクラッチ機構により、第1及び第2のターレットへの回転の伝達がそれぞれ制御される。この制御は駆動軸の回転を利用して行なわれる。従って駆動軸を回転駆動させることで、第1及び第2のターレットの回転をそれぞれ制御することができる。これにより簡単な制御で光学フィルタの切り替えが可能となる。また第1及び第2のターレットを用いることで、1枚のターレットが用いられる場合よりも、フィルタ切り替えユニットの小型化を図ることができる。
【0009】
前記クラッチ機構は、前記第1の伝達機構による前記回転の伝達及び前記第2の伝達機構による前記回転の伝達のいずれか一方を規制することで、前記第1のターレット及び前記第2のターレットのいずれか一方を静止させ他方を回転させてもよい。
このフィルタ切り替えユニットでは、簡単な制御で、第1及び記第2のターレットのいずれか一方を静止させ他方を回転させることができる。これにより例えば第1及び第2の光学フィルタをそれぞれ切り替えることや、第1及び第2の光学フィルタを組み合わせることができる。
【0010】
前記クラッチ機構は、前記回転の伝達を規制する伝達機構を前記第1及び前記第2の伝達機構の間で切り替えることで、静止させるターレット及び回転させるターレットを前記第1及び前記第2のターレットの間で切り替えてもよい。
このフィルタ切り替えユニットでは、簡単な制御で、静止させるターレット及び回転させるターレットを前記第1及び前記第2のターレットの間で切り替えることができる。
【0011】
前記クラッチ機構は、前記第1の伝達機構による前記回転の伝達が規制されることで前記第1のターレットが静止し前記第2のターレットが回転している状態から、前記第1の伝達機構による前記回転の伝達を復帰させるとともに前記第2の伝達機構による前記回転の伝達を規制することで前記第2のターレットを静止させ前記第1のターレットを回転させてもよい。
このように、第1のターレットが静止し第2のターレットが回転している状態から、第2のターレットを静止させ第1のターレットを回転させてもよい。
【0012】
前記クラッチ機構は、前記第1の伝達機構による前記回転の伝達が規制されることで前記第1のターレットが静止し前記第2のターレットが回転している状態から、前記第1の伝達機構による前記回転の伝達を復帰させることで前記第1及び前記第2のターレットをともに回転させたのちに、前記第2の伝達機構による前記回転の伝達を規制することで前記第2のターレットを静止させ前記第1のターレットを回転させてもよい。
このように、第1のターレットが静止し第2のターレットが回転している状態から、第1及び第2のターレットをともに回転させたのちに、第2のターレットを静止させ第1のターレットを回転させてもよい。
【0013】
前記駆動軸は、前記駆動軸の回転により回転する駆動ギアを有してもよい。
この場合、前記第1の伝達機構は、前記駆動ギアと歯合することで前記駆動ギアの回転を前記第1のターレットに伝達する第1の伝達ギアを有してもよい。
また前記第2の伝達機構は、前記駆動ギアと歯合することで前記駆動ギアの回転を前記第2のターレットに伝達する第2の伝達ギアを有してもよい。
また前記クラッチ機構は、前記駆動ギアと前記第1の伝達ギアとの歯合を規制するために前記第1の伝達ギアに形成された第1のギア無し部と、前記駆動ギアの回転を利用して前記駆動ギアと前記第1の伝達ギアとの歯合を復帰させる第1の復帰ギア機構と、前記駆動ギアと前記第2の伝達ギアとの歯合を規制するために前記第2の伝達ギアに形成された第2のギア無し部と、前記駆動ギアの回転を利用して前記駆動ギアと前記第2の伝達ギアとの歯合を復帰させる第2の復帰ギア機構とを有してもよい。
このように第1及び第2の伝達ギアにより、駆動ギアの回転が第1及び第2のターレットにそれぞれ伝達されてもよい。そしてクラッチ機構により、各伝達ギアと駆動ギアとのそれぞれの歯合が規制及び復帰されることで、第1及び第2のターレットへの回転の伝達がそれぞれ制御されてもよい。
【0014】
前記第1の復帰ギア機構は、前記駆動ギアと歯合するアイドルギアと、前記アイドルギアと歯合し前記第1の伝達ギアを回転させることで前記駆動ギアと前記第1の伝達ギアとの歯合を復帰させる第1の復帰ギアとを有してもよい。
この場合、前記第2の復帰ギア機構は、前記アイドルギアと、前記アイドルギアと歯合し前記第2の伝達ギアを回転させることで前記駆動ギアと前記第2の伝達ギアとの歯合を復帰させる第2の復帰ギアとを有してもよい。
このフィルタ切り替えユニットでは、第1及び第2の復帰ギアがともにアイドルギアに歯合する。すなわち第1及び第2の復帰ギア機構がアイドルギアを共通して有する。これによりフィルタ切り替えユニットの小型化を図ることができる。
【0015】
前記第1の復帰ギア機構は、前記第1の伝達ギアに形成された第1のカムを有してもよい。また前記第2の復帰ギア機構は、前記第2の伝達ギアに形成された第2のカムを有してもよい。
この場合、前記第1の復帰ギアは、前記第1の伝達ギアを回転させるために前記第1のカムに当接する第1のピンを有してもよい。
また前記第2の復帰ギアは、前記第2の伝達ギアを回転させるために前記第2のカムに当接する第2のピンを有してもよい。
このように第1のカムと第1のピンとの当接により第1のターレットへの回転の伝達が復帰されてもよい。また第2のカムと第2のピンとの当接により第2のターレットへの回転の伝達が復帰されてもよい。
【0016】
本技術の一形態に係る撮像装置は、撮像光学系と、フィルタ切り替えユニットとを具備する。
前記撮像光学系は、光路を有する。
前記フィルタ切り替えユニットは、駆動軸と、第1の伝達機構と、第2の伝達機構と、クラッチ機構とを有する。
前記駆動軸は、回転駆動される。
前記第1の伝達機構は、前記駆動軸の回転を、前記撮像光学系の光路上に配置される第1の光学フィルタを装着可能な第1のスロットを1以上有する第1のターレットに伝達する。
前記第2の伝達機構は、前記駆動軸の回転を、前記光路上に配置される第2の光学フィルタを装着可能な第2のスロットを1以上有する第2のターレットに伝達する。
前記クラッチ機構は、前記駆動軸の回転を利用して前記第1の伝達機構による前記回転の伝達と前記第2の伝達機構による前記回転の伝達とをそれぞれ制御することで、前記第1のターレットの回転と前記第2のターレットの回転とをそれぞれ制御する。
【0017】
本技術の他の形態に係るフィルタ切り替えユニットは、駆動軸と、第1のターレットと、第2のターレットとを具備する。
前記駆動軸は、回転駆動される。
前記第1のターレットは、第1の光学フィルタを装着可能な第1のスロットを1以上有し、前記駆動軸の回転により回転する。
前記第2のターレットは、前記第1のターレットと同軸に設けられ、第2の光学フィルタを装着可能な第2のスロットを1以上有し、前記駆動軸の回転により前記第1のターレットとは異なる回転動作で回転する。
【0018】
前記フィルタ切り替えユニットは、前記駆動軸の回転により、前記第1及び前記第2のターレットのいずれか一方を静止させ他方を回転させてもよい。
【0019】
前記フィルタ切り替えユニットは、前記駆動軸の回転により、静止させるターレット及び回転させるターレットを前記第1及び前記第2のターレットの間で切り替えてもよい。
【0020】
本技術の他の形態に係る撮像装置は、撮像光学系と、フィルタ切り替えユニットとを具備する。
前記撮像光学系は、光路を有する。
前記フィルタ切り替えユニットは、駆動軸と、第1のターレットと、第2のターレットとを有する。
前記駆動軸は、回転駆動される。
前記第1のターレットは、前記撮像光学系の光路上に配置される第1の光学フィルタを装着可能な第1のスロットを1以上有し、前記駆動軸の回転により回転する。
前記第2のターレットは、前記第1のターレットと同軸に設けられ、前記光路上に配置される第2の光学フィルタを装着可能な第2のスロットを1以上有し、前記駆動軸の回転により前記第1のターレットとは異なる回転動作で回転する。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本技術によれば、簡単な制御で光学フィルタの切り替えを可能とする小型のフィルタ切り替えユニット、及び当該ユニットを有する撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本技術の一実施形態に係るフィルタ切り替えユニットを含むフィルタ切り替え装置の外観を模式的に示す図である。
【図2】図1に示すフィルタ切り替え装置の模式的な分解斜視図である。
【図3】本実施形態の撮像装置が有するカメラ本体を示す模式的な図である。
【図4】図3に示すカメラ本体に内蔵された光学ブロックを示す模式的な斜視図である。
【図5】本実施形態に係る2つのターレットを示す模式的な正面図である。
【図6】本実施形態に係るフィルタ切り替えユニットを示す模式的な斜視図である。
【図7】本実施形態に係るクラッチ機構を示す模式的な拡大図である。
【図8】本実施形態に係るフィルタ切り替え装置により実現される切り替えポジションを示す表である。
【図9】図8に示すOPNE状態におけるフィルタ切り替えユニット及び第1及び第2のターレットを示す模式的な図である。
【図10】図8に示すCLOSE状態におけるフィルタ切り替えユニット及び第1及び第2のターレットを示す模式的な図である。
【図11】図8に示すCLEAR状態におけるフィルタ切り替えユニット及び第1及び第2のターレットを示す模式的な図である。
【図12】図8に示すND0.3状態におけるフィルタ切り替えユニット及び第1及び第2のターレットを示す模式的な図である。
【図13】図8に示すND0.6状態におけるフィルタ切り替えユニット及び第1及び第2のターレットを示す模式的な図である。
【図14】図8に示すND1.2状態におけるフィルタ切り替えユニット及び第1及び第2のターレットを示す模式的な図である。
【図15】図8に示すND1.8状態におけるフィルタ切り替えユニット及び第1及び第2のターレットを示す模式的な図である。
【図16】ターレットのスロット数と、ターレットの径との関係を示す模式的な図である。
【図17】本実施形態に係る撮像装置の構成例を示す模式的なブロック図である。
【図18】図6等に示すクラッチ機構の変形例を示す模式的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0024】
[フィルタ切り替え装置]
図1は、本技術の一実施形態に係るフィルタ切り替えユニットを含むフィルタ切り替え装置の外観を模式的に示す図である。図2は、図1に示すフィルタ切り替え装置の模式的な分解斜視図である。
【0025】
フィルタ切り替え装置500は、収容部501と、取り付け板502とを有する。図1に示すように収容部501には、収容部501を貫通する開口503が形成されている。開口503は、撮像光学系の光路P上に配置される。
【0026】
収容部501のサイズは、幅(X方向)が約115mm、高さ(Z方向)が約136.5mm、奥行(Y方向)が約28mmである。しかしながらサイズは限定されない。
【0027】
本実施形態では、取り付け板502が設けられる側から光が入射される。すなわち取り付け板502が設けられる側が前方側となる。
【0028】
図2に示すように、収容部501は中空になっており、ここにフィルタ切り替えユニット100と2つのターレット10及び20とが収容される。収容部501の前方側の収容部材504には、回転操作が加えられる操作軸505が設けられる。そして取り付け板502には、操作軸505が挿入される貫通孔506が形成される。
【0029】
図2に示す操作軸505に加えられる回転操作により、フィルタ切り替えユニット100の駆動軸2が回転駆動される。これにより2つのターレット10及び20の回転がそれぞれ制御される。本実施形態では、図示しない回転機構により操作軸505の回転が駆動軸2に伝達される。しかしながら駆動軸2が収容部材504及び取り付け板502を貫通するように設けられ、駆動軸2に直接回転操作が加えられてもよい。
【0030】
図3は、本実施形態の撮像装置が有するカメラ本体を示す模式的な図である。図4は、図3に示すカメラ本体に内蔵された光学ブロックを示す模式的な斜視図である。本実施形態では、撮像装置として例えばビデオカメラ等の動画像を撮像する装置が用いられる。しかしながらこれに限定されるわけではない。
【0031】
本実施形態に係る撮像装置は、図3に示すカメラ本体601と、図示しないレンズ部及びバッテリ収容部とを有する。レンズ部は例えば複数枚のズームレンズ等を有し、カメラ本体の前方側(図の手前側)に接続される。本実施形態ではレンズ部により撮像光学系が構成される。バッテリ収容部は撮像装置の各部に電源を供給するバッテリを収納し、カメラ本体601の後方側(図の奥側)に配置される。
【0032】
カメラ本体601は、図4に示す光学ブロック602を有する。光学ブロック602は、レンズマウント部603と、レンズマウント部603の後方側に位置する撮像部604とを有する。レンズマウント部603には、上記したレンズ部が接続される。撮像部604は、入射した被写体光を光電変換する例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を有する。
【0033】
図4に示すように、フィルタ切り替え装置500は、光学ブロック602に挿入されるようにしてカメラ本体601に取り付けられる。すなわち収容部501に形成された開口503がレンズマウント部603と撮像部604との間に配置されるように取り付けられる。これにより入射した被写体光に光学的な処理を施すことが可能となる。
【0034】
図3に示すように、取り付け板502には、4つのネジ孔507が形成されている。このネジ孔507にネジが螺合されることで、フィルタ切り替え装置500が固定される。なお図3では、フィルタ切り替え装置500のうち取り付け板502とターレット10とが図示されている。
【0035】
[ターレット]
図5は、本実施形態に係る2つのターレットを示す模式的な正面図である。図5(A)は第1のターレット10を示す図である。図5(B)は第2のターレット20を示す図である。
【0036】
図5(A)に示すように、第1のターレット10は、第1の光学フィルタ12を装着可能な第1のスロット11を4つ有する。本実施形態では、4つの第1のスロット11のうちの第1のスロット11aに、第1の光学フィルタとしてNDフィルタ12aが装着される。
【0037】
NDフィルタ12aの濃度は0.3である。なお本実施形態ではNDフィルタの濃度として、NDフィルタの透過率の逆数の、10を底とした対数値が用いられる。以下、NDフィルタ12が装着された第1のスロット11aをND−1と記載する。
【0038】
第1のスロット11bには、第1の光学フィルタとして例えばガラス等からなる透明フィルタ12bが装着される。以下透明フィルタ12bが装着された第1のスロット11bをCLEARと記載する。
【0039】
第1のスロット11cは遮光状態となっている。すなわちこの第1のスロット11cがフィルタ切り替え装置500の開口503に配置されると、入射光が遮光される。例えば第1のスロット11cに遮光板等が装着されてもよい。あるいは第1のターレット10を形成するときに、第1のスロット11cが埋められた状態で形成されてもよい。以下、遮光状態の第1のスロット11cをCLOSEと記載する。
【0040】
第1のスロット11dは、第1の光学フィルタ12等が装着されず貫通状態となっている。以下、貫通状態の第1のスロット11dをOPENと記載する。
【0041】
図5(A)に示すように第1のターレット10の中央には貫通孔13及び第1の回転ギア14が形成される。貫通孔13には図2に示す回転軸3が挿入される。第1の回転ギア14に回転が伝達されると第1のターレット10は回転軸3を中心として回転する。
【0042】
図5(B)に示すように、第2のターレット20は、第2の光学フィルタ22を装着可能な第2のスロット21を4つ有する。本実施形態では、4つの第2のスロット21のうちの第2のスロット21a〜21cに、第2の光学フィルタ22としてNDフィルタ22a〜22cがそれぞれ装着される。
【0043】
第2のスロット21a〜21cに装着されるNDフィルタ22a〜22cの濃度は、それぞれ1.8、1.2、0.6である。以下、濃度が1.8のNDフィルタ22aが装着される第2のスロット21aをND−4と記載し、濃度が1.2のNDフィルタ22bが装着される第2のスロット21bをND−3と記載する。また濃度が0.6のNDフィルタ22cが装着される第2のスロット21cをND−2と記載する。
【0044】
第2のスロット21dは、第2の光学フィルタ22等が装着されず貫通状態となっている。以下、貫通状態の第2のスロット21dをOPENと記載する。
【0045】
図5(B)に示すように第2のターレット20の中央には貫通孔23及び第2の回転ギア24が形成される。貫通孔23には図2に示す回転軸3が挿入される。すなわち本実施形態では、第1及び第2のターレット10及び20は同軸上に設けられる。第2の回転ギア24に回転が伝達されると第2のターレット20は回転軸3を中心として回転する。なお本実施形態では、第1及び第2の回転ギア14及び24の径及び歯数は互いに等しい。
【0046】
なお図5等に示すように第1及び第2のターレット10及び20には、ND−1やCLEAR等の文字が図示されている。しかしながら説明の便宜上OPNEの文字は省略されている。
【0047】
また図5に示すように、第1及び第2のターレット10及び20の各周縁には、90°ごとの4箇所において凹部4が形成される。この凹部4には、図2等に示すクリックバネ5がはめ込まれる。クリックバネ5は第1及び第2のターレット10及び20を、その中心に向けて付勢する。これによりフィルタ切り替え動作におけるクリックモーションが可能となる。また静止状態の第1及び第2のターレット10及び20の回転位置が十分に保持される。本実施形態では、クリックバネ5として板バネが用いられるがこれに限られない。その他各ターレットの回転位置を保持する機構やそれに用いられる部材は限定されない。
【0048】
[フィルタ切り替えユニット]
図6は、本実施形態に係るフィルタ切り替えユニット100を示す模式的な斜視図である。図6は、図1及び図2と比べて図示される向きが異なっており、第2のターレット20が手前側に図示されている。また上下の向きも逆になっている。
【0049】
フィルタ切り替えユニット100は、駆動軸2に形成された駆動ギア6を有する。駆動ギア6は駆動軸2の回転により回転する。またフィルタ切り替えユニット100は、駆動軸2の回転を第1のターレット10に伝達する第1の伝達機構15と、駆動軸2の回転を第2のターレットに伝達する第2の伝達機構25とを有する。
【0050】
図6に示すように、本実施形態に係る第2の伝達機構25は、駆動ギア6と歯合する第2の伝達ギア26を有する。図6に示すように第2の伝達ギア26は、第2のターレット20の第2の回転ギア24と歯合する。従って駆動ギア6の回転を受けて第2の伝達ギア26が回転すると、当該回転が第2の回転ギア24に伝達される。これにより第2のターレット20が回転する。
【0051】
本実施形態に係る第1の伝達機構15も、駆動ギア6と歯合する第1の伝達ギア16を有する。図6や図2に示すように、第1の伝達ギア16は、第2の伝達ギア26と同軸上に設けられる。また第1の伝達ギア16の径及び歯数は、第2の伝達ギア26と等しい。
【0052】
第1の伝達ギア16は、第1のターレット10の第1の回転ギア14と歯合する。従って駆動ギア6の回転を受けて第1の伝達ギア16が回転すると、当該回転が第1の回転ギア14に伝達される。これにより第1のターレット10が回転する。
【0053】
またフィルタ切り替えユニット100は、駆動軸2を回転駆動させることで第1のターレット10の回転と第2のターレット20の回転とをそれぞれ制御することを可能とするクラッチ機構70を有する。クラッチ機構70は、第1の伝達機構15による第1のターレット10への回転の伝達と、第2の伝達機構25による第2のターレット20への回転の伝達とをそれぞれ制御する。
【0054】
図7は、本実施形態に係るクラッチ機構70を示す模式的な拡大図である。本実施形態に係るクラッチ機構70は、第2の伝達ギア26に形成された第2のギア無し部27と、第2の復帰ギア機構28とを有する。
【0055】
第2のギア無し部27は、駆動ギア6と第2の伝達ギア26との歯合を規制するために形成される。図7に示すように、駆動ギア6と第2の伝達ギア26とが歯合する位置に第2のギア無し部27が移動する。そうすると駆動ギア6がいわゆる空転状態となる。これにより駆動ギア6と第2の伝達ギア26との歯合が規制される。この状態では駆動ギア6が回転しても第2の伝達ギア26は回転しない。従って、第2の伝達機構25による第2のターレット20への回転の伝達が規制され、第2のターレット20は静止状態となる。
【0056】
第2の復帰ギア機構28は、駆動ギア6の回転を利用して駆動ギア6と第2の伝達ギア26との歯合を復帰させることが可能である。第2の復帰ギア機構28は、駆動ギア6と歯合するアイドルギア7と、アイドルギア7と歯合する第2の復帰ギア29とを有する。
【0057】
本実施形態に係るアイドルギア7は、軸方向において駆動ギア6と略等しいサイズで形成される。またアイドルギア7の径及び歯数は、駆動ギア6及び各ターレットに形成される第1及び第2の回転ギア14及び24と等しい。
【0058】
第2の復帰ギア29は、第2の伝達ギア26を回転させることで駆動ギア6と第2の伝達ギア26との歯合を復帰させる。本実施形態では、第2の伝達ギア26に、略扇形状の第2のカム40が形成される。そして第2の復帰ギア29に、第2の伝達ギア26を回転させるために第2のカム40に当接する第2のピン41が形成されている。
【0059】
図7に示すように、第2のカム40は図で見て手前側(Y方向の負の向き)に突出している。第2のピン41は、図で見て奥側(Y方向の正の向き)に延在する。例えば駆動ギア6が右回りに回転駆動される。そうするとアイドルギア7は左回りに回転する。これにより第2の復帰ギア29は右回りに回転し、第2の復帰ギア29の第2のピン41が第2のカム40に当接する。
【0060】
この状態からさらに駆動ギア6が右回りに回転駆動される。そうすると第2の復帰ギア29が右回りに回転し、第2のピン41により第2のカム40が押圧される。これにより第2の伝達ギア26が左回りに回転し、第2のギア無し部27が移動する。この結果、駆動ギア6と第2の伝達ギア26との歯合が復帰され、第2の伝達機構25による第2のターレット10への回転の伝達が復帰する。従って駆動ギア6の回転にともなって第2のターレット20が回転する。
【0061】
図7に示す状態から駆動ギア6が左回りに回転駆動される。この場合、第2のピン41が第2のカム40から離れるので、第2の伝達ギア26は回転されない。従って駆動ギア6と第2の伝達ギア26との歯合は復帰されず、第2のターレット20は静止状態のままである。上記したように第2のターレット20の回転位置はクリックバネ5により十分に保持される。
【0062】
このような機構によって、駆動ギア6の回転角に応じて、第2のターレット20が回転させられる時と、回転せずにその位置に留まる状態が作り出される。
【0063】
また本実施形態では、第2のカム40の第2の伝達ギア26の径方向に延びる面42に第2のピン41が当接する。図7に示すように、面42の第2のピン41と当接する当接部43が、第2の伝達ギア26の径方向に対して傾斜している。これにより第2のピン41による第2のカム40の押圧動作がスムーズに行われる。
【0064】
図6において詳細な図示はないが、クラッチ機構70は、第1の伝達ギア16に形成された第1のギア無し部17と、第1の復帰ギア機構18とを有する。(図9等参照)。駆動ギア6と第1の伝達ギア16とが歯合する位置に第1のギア無し部17が移動すると、駆動ギア6と第1の伝達ギア16との歯合が規制される。従って第1のターレット10は静止状態となる。
【0065】
第1の復帰ギア機構18は、アイドルギア7と歯合する第1の復帰ギア19を有する。本実施形態に係る第1の復帰ギア19は、第2の復帰ギア29と同軸上に設けられる。また第1の復帰ギア19の径及び歯数は、第2の復帰ギア29と等しい。
【0066】
このように本実施形態のフィルタ切り替えユニット100では、第1及び第2の復帰ギア19及び29がともにアイドルギア7に歯合する。すなわち第1及び第2の復帰ギア機構18及び28がアイドルギア7を共通して有する。これにより第1及び第2の復帰ギア機構18及び28の構造を簡素化することができる。この結果フィルタ切り替えユニット100の小型化を図ることができる。また部品数を減らすことができコストを減らすことができる。
【0067】
第1の伝達ギア16にも、略扇形状の第1のカム30が形成される。また第1の復帰ギア19に第1のピン31が形成される。第1のピン31が第1のカム30を押圧することにより、第1の伝達ギア16が回転する。これにより駆動ギア6と第1の伝達ギア16との歯合が復帰し、第1のターレット10が回転する。
【0068】
本実施形態に係るフィルタ切り替えユニットでは、上記した第1及び第2のギア無し部17及び27の各形成位置、第1のカム30及び第1のピン31の当接位置、及び第2のカム40及び第2のピン41の当接位置がそれぞれ適宜設定される。これにより以下に示すように、第1及び第2のターレット10及び20の各回転をそれぞれ制御することが可能となる。
【0069】
[フィルタ切り替えユニットの動作]
本実施形態に係るフィルタ切り替えユニット100の動作を説明する。図8は、本実施形態に係るフィルタ切り替え装置500により実現される切り替えポジションを示す表である。
【0070】
図8に示すように、本実施形態では7つの切り替えポジションが実現される。各ポジション状態は、第1のターレット10の第1のスロット11と、第2のターレット20の第2のスロット21との組み合わせにより設定される。すなわち図1に示す開口503の位置(以下ポジション位置508と記載する)に配置される第1のスロット11と、ポジション位置508に配置される第2のスロット21とが適宜組み合わされる。これにより図8の表に示す1番〜7番までの切り替えポジションが実現される。
【0071】
図9〜図15は、図8に示す1番〜7番の各切り替えポジションにおけるフィルタ切り替えユニット100及び第1及び第2のターレット10及び20の位置関係を説明するための図である。
【0072】
図9〜図15に示すフィルタ切り替えユニット100では、(A)が第1のターレット10についての図であり、(B)が第2のターレット20についての図である。なお各部材の位置関係を分かりやすくするために、(A)及び(B)の両方とも、第2のターレット20側から見た場合の図を用いている。さらに第1のターレット10側の動作を分かりやすくするために、(A)において第1のターレット10、第1の伝達ギア16及び第1の復帰ギア19の重なる順番を逆にして図示している。
【0073】
図9は、1番のOPNE状態におけるフィルタ切り替えユニット100及び第1及び第2のターレット10及び20を示す模式的な図である。図9に示すように、第1及び第2のターレット10及び20の両方とも、ポジション位置508にOPENのスロット11d及び21dが配置される。この状態において駆動ギア6と第1の伝達ギア16とが歯合する。一方、駆動ギア6と第2の伝達ギア26との歯合位置には第2のギア無し部27が位置する。従って駆動ギア6と第2の伝達ギア26との歯合は規制される。
【0074】
図9に示す状態から、駆動ギア6が右回りに回転駆動される。第1の伝達ギア16及び第1の回転ギア14がそれぞれ回転する。従って第1のターレット10が回転し、ポジション位置508にCLOSEの第1のスロット11cが配置される。
【0075】
一方、駆動ギア6から第2のターレット20への回転の伝達は規制されているので、第2のターレット20は静止状態である。従ってポジション位置508には、OPENの第2のスロット21dが継続して配置される。
【0076】
この結果、図10に示すように、切り替えポジションがOPEN状態から2番のCLOSE状態に切り替えられる。この状態では、駆動ギア6と第1の伝達ギア16との歯合は継続している。また駆動ギア6と第2の伝達ギア26との歯合は継続して規制される。
【0077】
図10に示す状態から、駆動ギア6が右回りに回転駆動される。第1の伝達ギア16及び第1の回転ギア14がそれぞれ回転する。従って第1のターレット10が回転し、ポジション位置508にCLEARの第1のスロット11bが配置される。
【0078】
一方、駆動ギア6から第2のターレット20への回転の伝達は規制されているので、第2のターレット20は静止状態である。従ってポジション位置508には、OPENの第2のスロット21dが継続して配置される。
【0079】
この結果、図11に示すように、切り替えポジションがCLOSE状態から3番のCLEAR状態に切り替えられる。この状態では、駆動ギア6と第1の伝達ギア16との歯合は継続している。また駆動ギア6と第2の伝達ギア26との歯合は継続して規制される。
【0080】
図11に示す状態から、駆動ギア6が右回りに回転駆動される。第1の伝達ギア16及び第1の回転ギア14がそれぞれ回転する。従って第1のターレット10が回転し、ポジション位置508にND−1の第1のスロット11aが配置される。上記したようにND−1には、濃度が0.3のNDフィルタ12aが装着されている。
【0081】
一方、駆動ギア6から第2のターレット20への回転の伝達は規制されているので、第2のターレット20は静止状態である。従ってポジション位置508には、OPENの第2のスロット21dが継続して配置される。この結果、図12に示すように、切り替えポジションがCLEAR状態から4番のND0.3状態に切り替えられる。
【0082】
図12に示す状態では、駆動ギア6と第1の伝達ギア16との歯合は継続している。また駆動ギア6と第2の伝達ギア26との歯合は継続して規制される。しかしながら駆動ギア6とともに回転していたアイドルギア7により、第2の復帰ギア29も回転されている。これにより第2の復帰ギア29に形成された第2のピン41が、第2の伝達ギア26に形成された第2のカム40に当接する。
【0083】
図12に示す状態から、駆動ギア6が右回りに回転駆動される。第1の伝達ギア16及び第1の回転ギア14がそれぞれ回転する。従って第1のターレット10が回転し、ポジション位置508にOPENの第1のスロット11dが再び配置される。すなわち第1のターレット10が一回転したことになる。
【0084】
第2のターレット20側では、第2のピン41が第2のカム40を押圧することにより、第2の伝達ギア26が回転する。これにより駆動ギア6と第2の伝達ギア26との歯合が復帰し、第2のターレット20が第1のターレット10とともに回転する。従ってポジション位置508にND−2の第2のスロット21cが配置される。上記したようにND−2には、濃度が0.6のNDフィルタ22cが装着されている。
【0085】
この結果、図13に示すように、切り替えポジションがND0.3状態から5番のND0.6状態に切り替えられる。この状態では、駆動ギア6と第1の伝達ギア16との歯合位置に第1のギア無し部17が移動する。従って駆動ギア6と第1の伝達ギア16との歯合は規制される。また第1の伝達ギア16に形成された第1のカム30と、第1の復帰ギア19に形成された第1のピン31とが当接される。一方、駆動ギア6と第2の伝達ギア26とは歯合されている。
【0086】
図13に示す状態から、駆動ギア6が右回りに回転駆動される。駆動ギア6から第1のターレット10への回転の伝達は規制されているので、第1のターレット10は静止状態である。従ってポジション位置508には、OPENの第1のスロット11dが継続して配置される。なお図12に示す状態では、第1のカム30と第1のピン31とが当接されていた。しかしながら第1の復帰ギア19は右回りに回転し、第1のピン31は第1のカム30から離される。従って第1の伝達ギア16が回転することはない。
【0087】
一方、第2の伝達ギア26及び第2の回転ギア24がそれぞれ回転する。従って第2のターレット20が回転し、ポジション位置508にND−3の第2のスロット21bが配置される。上記したようにND−3には、濃度が1.2のNDフィルタ22bが装着されている。
【0088】
この結果、図14に示すように、切り替えポジションがND0.6状態から6番のND1.2状態に切り替えられる。この状態では、駆動ギア6と第1の伝達ギア16との歯合は継続して規制される。また駆動ギア6と第2の伝達ギア26との歯合は継続している。
【0089】
図14に示す状態から、駆動ギア6が右回りに回転駆動される。駆動ギア6から第1のターレット10への回転の伝達は規制されているので、第1のターレット10は静止状態である。従ってポジション位置508には、OPENの第1のスロット11dが継続して配置される。
【0090】
一方、第2の伝達ギア26及び第2の回転ギア24がそれぞれ回転する。従って第2のターレット20が回転し、ポジション位置508にND−4の第2のスロット21aが配置される。上記したようにND−4には、濃度が1.8のNDフィルタ22aが装着されている。
【0091】
この結果、図15に示すように、切り替えポジションがND1.2状態から7番のND1.8状態に切り替えられる。この状態では、駆動ギア6と第1の伝達ギア16との歯合は継続して規制される。また駆動ギア6と第2の伝達ギア26との歯合は継続している。
【0092】
図15に示す7番のND1.8の状態から、駆動ギア6を左回りに駆動させる。すなわち駆動ギア6に逆方向へ回転駆動させる。そうすると、上記で説明した動作と同様にして、切り替えポジションが7番から1番の順番で切り替えられる。
【0093】
この逆方向への回転駆動が行われる場合、図13に示すND0.6状態から第1及び第2のターレット10及び20がともに回転する。すなわち第1のターレット10への回転の伝達が復帰する。そして図12に示すND0.3状態において第2のターレット20への回転の伝達が規制される。
【0094】
すなわち本実施形態では、駆動ギア6が右回りに回転駆動されると切り替えポジションが図8の表で右向き(番号が大きくなる向き)で切り替えられる。一方、駆動ギア6が左回りに回転駆動されると切り替えポジションが図8の表で左向き(番号が小さくなる向き)で切り替えられる。
【0095】
以上、本実施形態に係るフィルタ切り替えユニット100では、駆動軸2の回転が第1及び第2のターレット10及び20にそれぞれ伝達される。またクラッチ機構70により、第1及び第2のターレット10及び20への回転の伝達がそれぞれ制御される。この制御は駆動軸2の回転を利用して行なわれる。従って駆動軸2を回転駆動させることで、第1及び第2のターレット10及び20の回転をそれぞれ制御することができる。すなわち第1及び第2のターレット10及び20の回転や停止等をそれぞれ制御することができる。これにより簡単な制御で光学フィルタの切り替えが可能となる。
【0096】
例えば上記した第1及び第2のギア無し部17及び27の各形成位置、第1のカム30及び第1のピン31の当接位置、及び第2のカム40及び第2のピン41の当接位置がそれぞれ適宜設定される。これにより簡単な制御で、第1及び記第2のターレット10及び20のいずれか一方を静止させ他方を回転させることができる。これにより例えば第1及び第2の光学フィルタ12及び22をそれぞれ切り替えることや、第1及び第2の光学フィルタ12及び22を組み合わせることができる。これにより様々な切り替えポジションを実現することができる。
【0097】
あるいは本実施形態に係るフィルタ切り替えユニット100では、簡単な制御で、静止させるターレット及び回転させるターレットを前記第1及び前記第2のターレット10及び20の間で切り替えることができる。
【0098】
例えば本実施形態のように、第1のターレット10が静止し第2のターレット20が回転している状態から、第1及び第2のターレット10及び20をともに回転させたのちに、第2のターレット20を静止させ第1のターレット10を回転させてもよい。これによりOPENのスロットを利用して、切り替えポジションを操作性よく切り替えることができる。
【0099】
あるいは、第1のターレット10が静止し第2のターレット20が回転している状態から、第2のターレット20を静止させ第1のターレット10を回転させてもよい。
【0100】
このように第1及び第2のギア無し部17及び27の各形成位置等を適宜設定することで、簡単な制御で種々のフィルタ切り替えを実現することができる。また第2のターレット20を第1のターレット10とは異なる回転動作で回転させることもできる。
【0101】
また第1及び第2のターレット10及び20を用いることで、1枚のターレットが用いられる場合よりも、フィルタ切り替えユニット100の小型化を図ることができる。図16は、ターレットのスロット数と、ターレットの径との関係を示す模式的な図である。
【0102】
上記した実施形態で説明した第1及び第2のターレット10及び20には、それぞれ4つの第1及び第2のスロット11及び21がそれぞれ形成されている。図16(A)に示すように当該第1及び第2のターレット10及び20の各直径は約104mmである。
【0103】
ここで第1及び第2のスロットと略等しいサイズのスロット911を1つずつ増やしていく。そうすると、スロット911を形成する領域が必要となるので、図16(A)に示すようにターレットの径は大きくなる。
【0104】
本発明者が考察した結果によると、5つのスロットが形成されたターレット910の直径は約112mmとなり、6つのスロットが形成されたターレット920の直径は約123mmとなる。1枚のターレットで、図8に示したような7つの切り替えポジションを実現するためには、直径が約134mmのターレット930を用いなければならない。
【0105】
図16(B)は、図16(A)に示すターレットをそれぞれ有するフィルタ切り替え装置が、光学ブロック602に取り付けられた状態の模式的な図である。図3を参考にしても分かるように、ターレットの径が大きくなるとフィルタ切り替え装置も大きくなる。そうすると、カメラ本体601も大きくしなければならず、撮像装置の小型化が難しくなる。またターレットの径が大きいと、各ターレットに回転を伝達するための伝達ギア等も大きくなる。すなわちフィルタ切り替えユニットも大型化する。
【0106】
しかしながら本実施形態に係るフィルタ切り替えユニット100では、1つの駆動軸を回転駆動させることで、第1及び第2のターレット10及び20の回転と停止とを機構的に別々に制御することができる。この結果、4つのスロットを有する直径の小さい第1及び第2のターレット10及び20により、7つの切り替えポジションを実現することができる。従ってフィルタ切り替えユニット100及びフィルタ切り替え装置500の小型化を図ることができ、撮像装置の小型化及び軽量化に有利である。当該7つの切り替えポジションは、駆動ギア6を順次回すという簡単な制御で実現されている。
【0107】
図17は、本実施形態に係るフィルタ切り替え装置500が設けられる撮像装置の構成例を示す模式的なブロック図である。撮像装置600は、レンズ605aを含むレンズ群で構成されるレンズ部605と、レンズ部605を介して入射した光の量を減量するフィルタ切り替え装置500と、レンズ部605のレンズ群及びフィルタ切り替え装置500を通して結像された被写体光を光電変換し、映像信号として出力する撮像部604を備える。
【0108】
撮像部604は、図示せぬアナログ・デジタル変換部(以降、A/D変換部と称する)を備えており、その後段には、A/D変換部から出力されたデジタル映像信号に対するデジタル信号処理を行う、信号処理部606が接続されている。
【0109】
信号処理部606では、ある輝度レベル以上の映像信号を圧縮するニー補正や、映像信号のレベルを予め設定されたγカーブに従って補正するγ補正、映像信号の信号レベルが所定範囲となるように制限するホワイトクリップ処理やブラッククリップ処理等を行う。
【0110】
撮像部604による撮像や、信号処理部606での処理は、制御部615の制御に基づいて行われる。制御部615は、CPU(Central Processing Unit)等で構成される中央制御装置であり、撮像部604や信号処理部606の他にも、伝送ライン607を介して接続された撮像装置600の各部に対する制御を行う。
【0111】
制御部615から各部に対して行われる制御は、制御部615に接続された操作部616に対する操作入力に基づいて行われる。操作部616は、再生操作ボタンや録画スイッチ等(いずれも図示略)を有する。
【0112】
上記した駆動軸2への回転操作の入力は手動で行われてもよい。あるいは撮像装置600に図示しないモータ等が設けられ、当該モータにより駆動軸2が回転駆動されてもよい。例えば操作部616を介して切り替えポジションの切り替えが指示される。その指示をもとに制御部615によりモータ等が制御される。
【0113】
本実施形態では、1つの駆動軸を回転駆動させることで、第1及び第2のターレット10及び20がそれぞれ回転制御される。従ってモータ等の数を減らすことができ、撮像装置600の小型化を図ることができる。またコストも減らすことができる。駆動軸2を回転駆動させるための方法や機構、あるいは用いられる部品やデバイス等は特に限定されない。例えばロータリエンコーダやステッピングモータ等が用いられてもよい。
【0114】
信号処理部606でデジタル信号処理された映像信号は、各部間で行われるデータのやりとりの仲介を行う、インタフェース部608に伝送される。インタフェース部608には、撮影の構図決定や焦点合わせ等を行うためのビューファインダ609と、撮像部604によって撮影中の映像又は、後述する外部記録媒体に記録された映像の再生映像を表示する表示部610と、映像信号の圧縮又は伸張を行う圧縮伸張処理部611を接続してある。伝送ライン607には、外部記録媒体I/F(インタフェース)部612を接続してあり、外部記録媒体I/F部612を介して外部記録媒体613が接続されている。
【0115】
ビューファインダ609及び表示部610は、例えば液晶パネル等で構成され、撮影された映像のほかにも、各クリップの画像を縮小して生成したサムネイル画像の一覧表示や、映像の属性情報であるメタデータ等の表示も行う。
【0116】
圧縮伸張処理部611では、撮像部604で撮像された映像信号を、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)形式等の規格に基づいて圧縮する処理を行う。圧縮伸張処理部611で圧縮されたデータは、外部記録媒体I/F部612を介して外部記録媒体613に伝送され、外部記録媒体613に記録される。圧縮伸張処理部611では、外部記録媒体613に記録された圧縮映像データを伸張する処理も行い、伸張した映像データは、インタフェース部608に伝送する。
【0117】
また撮像装置600は、マイク614及びスピーカ617を有する。マイク614及びスピーカ617は音声処理部618を介してインタフェース部608に接続される。
【0118】
<変形例>
本技術に係る実施形態は、上記で説明した実施形態に限定されず種々変形される。
【0119】
例えば図18は、図6等に示すクラッチ機構70の変形例を示す模式的な正面図である。ここでは第2のターレット20側の機構を例として説明するが、第1のターレット側についても同様である。図18に示すクラッチ機構270では、第2の復帰ギア229にもカム242が形成される。そして当該カム242が、第2の伝達ギア226に形成された第2のカム240を押圧することで第2の伝達ギア226が回転される。これにより駆動ギア6と第2の伝達ギア226との歯合が復帰される。
【0120】
このようにクラッチ機構の構成や動作は特に限定されず、種々の構成や部品等が採用可能である。例えば駆動軸の回転により移動するレバー等により各伝達ギアの歯合が復帰されてもよい。あるいは、駆動軸の回転により回転する内歯車にピン等が設けられ、当該内歯車により各伝達ギアの歯合が復帰されてもよい。さらにクラッチ機構としてギア機構を有さないものが用いられてもよい。例えば駆動軸に連結されたタイミングベルトやプーリ等によりクラッチ機構が構成されてもよい。
【0121】
上記では、第1及び第2の伝達ギアに第1及び第2のギア無し部がそれぞれ形成され、これにより駆動ギアと第1及び第2の伝達ギアとの各歯合が規制された。しかしながら駆動ギアから第1及び第2ターレットへの回転の伝達を規制する方法や機構等も適宜設定可能である。例えば駆動軸が所定の回転位置となったときに伝達ギアの軸に係止して伝達ギアの回転を規制する係止部材等が用いられてもよい。
【0122】
上記では、同じ径と歯数を有する第1及び第2の伝達ギアが同軸上に設けられた。また同じ径と歯数を有する第1及び第2の復帰ギアが同軸上に設けられた。これによりフィルタ切り替えユニットの構造を簡素化することができる。この結果フィルタ切り替えユニットやフィルタ切り替え装置の小型化を図ることができる。しかしながらこのような構成に限定されるわけではない。
【0123】
上記では、第1及び第2のターレットに4つのスロットがそれぞれ形成された。しかしながら各ターレットに形成されるスロットの数や実現される切り替えポジションの数は限定されない。例えば第1又は第2のターレットに1つのスロットが形成され、当該スロットとスロットが無い部分(遮光部分)とで切り替えポジションが組み合わされてもよい。
【0124】
上記では、第1及び第2の光学フィルタとしてNDフィルタや透明フィルタが用いられた。その他、CCフィルタ、赤外線フィルタ、クロスフィルタ、あるいは偏光フィルタ等の種々のフィルタが用いられてもよい。
【0125】
また切り替えポジションの設定内容も図8に示すものに限られず、適宜設定されてよい。例えば上記の実施形態では、ポジション位置にOPENのスロットが配置された状態で一方のターレットが静止状態とされる。そして他方のターレットのスロットが順次ポジション位置に配置される。これにより切り替えポジションが設定された。
【0126】
しかしながら例えば第1のターレットのND−1と第2のターレットのND−2とを組み合わせることで切り替えポジションが設定されてもよい。すなわち2つの光学フィルタ等を組み合わせることで切り替えポジションが設定されてもよい。
【0127】
これにより例えば各NDフィルタの濃度を足し合わせた濃度となる切り替えポジションが実現可能となり、切り替えポジションのバリエーションを増やすことができる。なお2つのNDフィルタが並べられると結像位置が変化する場合がある。この場合、例えば予めその結像位置の変化を測定しておき撮像素子の像面の位置を適宜調整すればよい。
【0128】
上記の実施形態では、図9に示すOPEN状態において駆動ギア6を左向きで回転駆動することが規制される。また図15に示すND1.8状態で駆動ギア6を右向きで回転駆動することが規制される。すなわち駆動ギア6の回転範囲が制限されている。これにより各ポジションへの切り替え動作を把握しやすくなる。しかしながら駆動ギア6の回転範囲が規制されず、例えば図15に示すND1.8状態から駆動ギア6を右向きで回転駆動することで、図9に示すOPEN状態となるような設定も採用可能である。これにより各ポジションの切り替え動作にかかる時間を短くすることができる。
【0129】
上記では、2つのターレットが用いられ、1つの駆動軸の回転駆動により各ターレットの回転がそれぞれ制御された。しかしながら3つ以上のターレットが用いられてもよい。例えば図6等に示す駆動ギア6及びアイドルギア7の軸方向のサイズを大きくする。そして当該駆動ギア6と歯合する第3の伝達ギア、及びアイドルギア7と歯合する第3の復帰ギアが設けられてもよい。これにより駆動軸の回転駆動により第3のターレットの回転も制御することができる。この結果、切り替えポジションの数を増やすことができる。なお第3の伝達ギアは、第1及び第2の伝達ギアと同軸上に設けられればよい。また第3の復帰ギアは、第1及び第2の復帰ギアと同軸上に設けられればよい。またアーム等を用いて第3のターレット等を別途固定する方法等も採用可能である。
【0130】
上記ではフィルタ切り替えユニットが撮像装置に取り付けられる場合について説明した。しかしながら、例えば光学顕微鏡等の他のデバイスに本実施形態に係るフィルタ切り替えユニットが取り付けられてもよい。
【0131】
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
【0132】
(1)回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸の回転を、第1の光学フィルタを装着可能な第1のスロットを1以上有する第1のターレットに伝達する第1の伝達機構と、
前記駆動軸の回転を、第2の光学フィルタを装着可能な第2のスロットを1以上有する第2のターレットに伝達する第2の伝達機構と、
前記駆動軸の回転を利用して前記第1の伝達機構による前記回転の伝達と前記第2の伝達機構による前記回転の伝達とをそれぞれ制御することで、前記第1のターレットの回転と前記第2のターレットの回転とをそれぞれ制御するクラッチ機構と
を具備するフィルタ切り替えユニット。
(2)前記(1)に記載のフィルタ切り替えユニットであって、
前記クラッチ機構は、前記第1の伝達機構による前記回転の伝達及び前記第2の伝達機構による前記回転の伝達のいずれか一方を規制することで、前記第1のターレット及び前記第2のターレットのいずれか一方を静止させ他方を回転させる
フィルタ切り替えユニット。
(3)前記(2)に記載のフィルタ切り替えユニットであって、
前記クラッチ機構は、前記回転の伝達を規制する伝達機構を前記第1及び前記第2の伝達機構の間で切り替えることで、静止させるターレット及び回転させるターレットを前記第1及び前記第2のターレットの間で切り替える
フィルタ切り替えユニット。
(4)前記(3)に記載のフィルタ切り替えユニットであって、
前記クラッチ機構は、前記第1の伝達機構による前記回転の伝達が規制されることで前記第1のターレットが静止し前記第2のターレットが回転している状態から、前記第1の伝達機構による前記回転の伝達を復帰させるとともに前記第2の伝達機構による前記回転の伝達を規制することで前記第2のターレットを静止させ前記第1のターレットを回転させる
フィルタ切り替えユニット。
(5)前記(3)に記載のフィルタ切り替えユニットであって、
前記クラッチ機構は、前記第1の伝達機構による前記回転の伝達が規制されることで前記第1のターレットが静止し前記第2のターレットが回転している状態から、前記第1の伝達機構による前記回転の伝達を復帰させることで前記第1及び前記第2のターレットをともに回転させたのちに、前記第2の伝達機構による前記回転の伝達を規制することで前記第2のターレットを静止させ前記第1のターレットを回転させる
フィルタ切り替えユニット。
(6)前記(1)から(5)のうちいずれか1つに記載のフィルタ切り替えユニットであって、
前記駆動軸は、前記駆動軸の回転により回転する駆動ギアを有し、
前記第1の伝達機構は、前記駆動ギアと歯合することで前記駆動ギアの回転を前記第1のターレットに伝達する第1の伝達ギアを有し、
前記第2の伝達機構は、前記駆動ギアと歯合することで前記駆動ギアの回転を前記第2のターレットに伝達する第2の伝達ギアを有し、
前記クラッチ機構は、前記駆動ギアと前記第1の伝達ギアとの歯合を規制するために前記第1の伝達ギアに形成された第1のギア無し部と、前記駆動ギアの回転を利用して前記駆動ギアと前記第1の伝達ギアとの歯合を復帰させる第1の復帰ギア機構と、前記駆動ギアと前記第2の伝達ギアとの歯合を規制するために前記第2の伝達ギアに形成された第2のギア無し部と、前記駆動ギアの回転を利用して前記駆動ギアと前記第2の伝達ギアとの歯合を復帰させる第2の復帰ギア機構とを有する
フィルタ切り替えユニット。
(7)前記(6)に記載のフィルタ切り替えユニットであって、
前記第1の復帰ギア機構は、前記駆動ギアと歯合するアイドルギアと、前記アイドルギアと歯合し前記第1の伝達ギアを回転させることで前記駆動ギアと前記第1の伝達ギアとの歯合を復帰させる第1の復帰ギアとを有し、
前記第2の復帰ギア機構は、前記アイドルギアと、前記アイドルギアと歯合し前記第2の伝達ギアを回転させることで前記駆動ギアと前記第2の伝達ギアとの歯合を復帰させる第2の復帰ギアとを有する
フィルタ切り替えユニット。
(8)前記(7)に記載のフィルタ切り替えユニットであって、
前記第1の復帰ギア機構は、前記第1の伝達ギアに形成された第1のカムを有し、
前記第2の復帰ギア機構は、前記第2の伝達ギアに形成された第2のカムを有し、
前記第1の復帰ギアは、前記第1の伝達ギアを回転させるために前記第1のカムに当接する第1のピンを有し、
前記第2の復帰ギアは、前記第2の伝達ギアを回転させるために前記第2のカムに当接する第2のピンを有する
フィルタ切り替えユニット。
【符号の説明】
【0133】
P…光路
2…駆動軸
6…駆動ギア
7…アイドルギア
10…第1のターレット
11…第1のスロット
12…第1の光学フィルタ
15…第1の伝達機構
16…第1の伝達ギア
18…第1の復帰ギア機構
19…第1の復帰ギア
20…第2のターレット
21…第2のスロット
22…第2の光学フィルタ
25…第2の伝達機構
26、226…第2の伝達ギア
28…第2の復帰ギア機構
29、229…第2の復帰ギア
30…第1のカム
31…第1のピン
40、240…第2のカム
41…第2のピン
70、270…クラッチ機構
100…フィルタ切り替えユニット
242…カム
600…撮像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸の回転を、第1の光学フィルタを装着可能な第1のスロットを1以上有する第1のターレットに伝達する第1の伝達機構と、
前記駆動軸の回転を、第2の光学フィルタを装着可能な第2のスロットを1以上有する第2のターレットに伝達する第2の伝達機構と、
前記駆動軸の回転を利用して前記第1の伝達機構による前記回転の伝達と前記第2の伝達機構による前記回転の伝達とをそれぞれ制御することで、前記第1のターレットの回転と前記第2のターレットの回転とをそれぞれ制御するクラッチ機構と
を具備するフィルタ切り替えユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタ切り替えユニットであって、
前記クラッチ機構は、前記第1の伝達機構による前記回転の伝達及び前記第2の伝達機構による前記回転の伝達のいずれか一方を規制することで、前記第1のターレット及び前記第2のターレットのいずれか一方を静止させ他方を回転させる
フィルタ切り替えユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のフィルタ切り替えユニットであって、
前記クラッチ機構は、前記回転の伝達を規制する伝達機構を前記第1及び前記第2の伝達機構の間で切り替えることで、静止させるターレット及び回転させるターレットを前記第1及び前記第2のターレットの間で切り替える
フィルタ切り替えユニット。
【請求項4】
請求項3に記載のフィルタ切り替えユニットであって、
前記クラッチ機構は、前記第1の伝達機構による前記回転の伝達が規制されることで前記第1のターレットが静止し前記第2のターレットが回転している状態から、前記第1の伝達機構による前記回転の伝達を復帰させるとともに前記第2の伝達機構による前記回転の伝達を規制することで前記第2のターレットを静止させ前記第1のターレットを回転させる
フィルタ切り替えユニット。
【請求項5】
請求項3に記載のフィルタ切り替えユニットであって、
前記クラッチ機構は、前記第1の伝達機構による前記回転の伝達が規制されることで前記第1のターレットが静止し前記第2のターレットが回転している状態から、前記第1の伝達機構による前記回転の伝達を復帰させることで前記第1及び前記第2のターレットをともに回転させたのちに、前記第2の伝達機構による前記回転の伝達を規制することで前記第2のターレットを静止させ前記第1のターレットを回転させる
フィルタ切り替えユニット。
【請求項6】
請求項1に記載のフィルタ切り替えユニットであって、
前記駆動軸は、前記駆動軸の回転により回転する駆動ギアを有し、
前記第1の伝達機構は、前記駆動ギアと歯合することで前記駆動ギアの回転を前記第1のターレットに伝達する第1の伝達ギアを有し、
前記第2の伝達機構は、前記駆動ギアと歯合することで前記駆動ギアの回転を前記第2のターレットに伝達する第2の伝達ギアを有し、
前記クラッチ機構は、前記駆動ギアと前記第1の伝達ギアとの歯合を規制するために前記第1の伝達ギアに形成された第1のギア無し部と、前記駆動ギアの回転を利用して前記駆動ギアと前記第1の伝達ギアとの歯合を復帰させる第1の復帰ギア機構と、前記駆動ギアと前記第2の伝達ギアとの歯合を規制するために前記第2の伝達ギアに形成された第2のギア無し部と、前記駆動ギアの回転を利用して前記駆動ギアと前記第2の伝達ギアとの歯合を復帰させる第2の復帰ギア機構とを有する
フィルタ切り替えユニット。
【請求項7】
請求項6に記載のフィルタ切り替えユニットであって、
前記第1の復帰ギア機構は、前記駆動ギアと歯合するアイドルギアと、前記アイドルギアと歯合し前記第1の伝達ギアを回転させることで前記駆動ギアと前記第1の伝達ギアとの歯合を復帰させる第1の復帰ギアとを有し、
前記第2の復帰ギア機構は、前記アイドルギアと、前記アイドルギアと歯合し前記第2の伝達ギアを回転させることで前記駆動ギアと前記第2の伝達ギアとの歯合を復帰させる第2の復帰ギアとを有する
フィルタ切り替えユニット。
【請求項8】
請求項7に記載のフィルタ切り替えユニットであって、
前記第1の復帰ギア機構は、前記第1の伝達ギアに形成された第1のカムを有し、
前記第2の復帰ギア機構は、前記第2の伝達ギアに形成された第2のカムを有し、
前記第1の復帰ギアは、前記第1の伝達ギアを回転させるために前記第1のカムに当接する第1のピンを有し、
前記第2の復帰ギアは、前記第2の伝達ギアを回転させるために前記第2のカムに当接する第2のピンを有する
フィルタ切り替えユニット。
【請求項9】
光路を有する撮像光学系と、
回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸の回転を、前記撮像光学系の光路上に配置される第1の光学フィルタを装着可能な第1のスロットを1以上有する第1のターレットに伝達する第1の伝達機構と、
前記駆動軸の回転を、前記光路上に配置される第2の光学フィルタを装着可能な第2のスロットを1以上有する第2のターレットに伝達する第2の伝達機構と、
前記駆動軸の回転を利用して前記第1の伝達機構による前記回転の伝達と前記第2の伝達機構による前記回転の伝達とをそれぞれ制御することで、前記第1のターレットの回転と前記第2のターレットの回転とをそれぞれ制御するクラッチ機構と
を有するフィルタ切り替えユニットと
を具備する撮像装置。
【請求項10】
回転駆動される駆動軸と、
第1の光学フィルタを装着可能な第1のスロットを1以上有し、前記駆動軸の回転により回転する第1のターレットと、
第2の光学フィルタを装着可能な第2のスロットを1以上有し、前記駆動軸の回転により前記第1のターレットとは異なる回転動作で回転する、前記第1のターレットと同軸に設けられた第2のターレットと
を具備するフィルタ切り替えユニット。
【請求項11】
請求項10に記載のフィルタ切り替えユニットであって、
前記駆動軸の回転により、前記第1及び前記第2のターレットのいずれか一方を静止させ他方を回転させる
フィルタ切り替えユニット。
【請求項12】
請求項11に記載のフィルタ切り替えユニットであって、
前記駆動軸の回転により、静止させるターレット及び回転させるターレットを前記第1及び前記第2のターレットの間で切り替える
フィルタ切り替えユニット。
【請求項13】
光路を有する撮像光学系と、
回転駆動される駆動軸と、
前記撮像光学系の光路上に配置される第1の光学フィルタを装着可能な第1のスロットを1以上有し、前記駆動軸の回転により回転する第1のターレットと、
前記光路上に配置される第2の光学フィルタを装着可能な第2のスロットを1以上有し、前記駆動軸の回転により前記第1のターレットとは異なる回転動作で回転する、前記第1のターレットと同軸に設けられた第2のターレットと
を有するフィルタ切り替えユニットと
を具備する撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−220710(P2012−220710A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86119(P2011−86119)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】