説明

フィルタ装置および流体浄化システム

【課題】流体に含まれる微粉末状クズ、また流体中の異物や混入物、汚染物質等の微細物を捕捉する。
【解決手段】フィルタ装置10は、流体が入る入口部22aと流体が出る出口部22bを有するエレメントケース20と、入口部22aと出口部22bとの間に形成される流体流路B2に配置されるエレメントA2と、エレメントケース20の内部に溜まる微細物C2を排出する排出部とを有し、エレメント30は、芯材31と、芯材31に設けられる複数本の線材33で構成したブラシ部32と、を含み、ブラシ部32は、流体流路B2を流れる流体に含まれる微細物C2を捕捉可能である。流体浄化システムは、遠心力により流体に含まれる微細物を分離する遠心分離装置1と、遠心分離装置1の後段に配置したフィルタ装置10と、を含み、フィルタ装置10は、遠心分離装置1により分離した残りの微細物C2を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、流体に含まれる微粉末状クズ、また流体中の異物や混入物、汚染物質、糸状や繊維状などの軽いごみ、藻等の微細物を捕捉するフィルタ装置および流体浄化システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、機械加工装置では、供給タンクから切削液を供給しながら切削加工が行なわれ、切削液には微粉末状の切削クズ、異物や混入物、汚染物質等の微細物が含まれる。
【0003】
この微細物が含まれる切削液をフィルタ装置に供給し、このフィルタ装置で微細物を除去して切削液を供給タンクに戻している(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−137743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなフィルタ装置として、例えばフィルタ膜によって微細物を捕捉して除去したり、沈殿によって除去するものがあるが、いずれも切削液に含まれる微細物を、確実に除去することができない等の問題がある。
【0006】
また、フィルタ膜が目詰まりを起こすことがあり、詰まってしまった場合まずフィルタ装置の分解作業をし、そのフィルタ膜を洗浄しなければならない。この洗浄作業や使用不能になると交換作業が発生する。
【0007】
また、フィルタ膜は大抵繰り返し使用すると、濾過精度は悪くなり、詰まり易くなるため、フィルタ膜の殆どが使い捨てフィルタ膜であり、コストがかかる。
【0008】
さらに、遠心分離装置などで微細物を除去するものがあるが、糸状や繊維状などの軽いごみは除去漏れが生じ、さらに清浄化しても藻が発生するなどの問題がある。
【0009】
この発明は、かかる実情に鑑みてなされたもので、微細物を確実に除去することが可能で、交換することなく簡単な洗浄作業でよく、低コストであるフィルタ装置および流体浄化システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0011】
請求項1に記載の発明は、流体が入る入口部と流体が出る出口部を有するエレメントケースと、
前記入口部と出口部との間に形成される流体流路に配置されるエレメントと、
前記エレメントケースの内部に溜まる微細物を排出する排出部とを有し、
前記エレメントは、
芯材と、
前記芯材に設けられる複数本の線材で構成したブラシ部と、
を含み、
前記ブラシ部は、前記流体流路を流れる流体に含まれる微細物を捕捉可能であることを特徴とするフィルタ装置である。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記複数本の線材を扱いて捕捉した微細物を除去する清掃手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置である。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記複数本の線材を回転して捕捉した微細物を除去する清掃手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置である。
【0014】
請求項4に記載の発明は、遠心力により流体に含まれる微細物を分離する遠心分離装置と、
前記遠心分離装置の後段に配置した請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のフィルタ装置と、を含み、
前記フィルタ装置は、
前記遠心分離装置により分離した残りの微細物を除去することを特徴とする流体浄化システムである。
【発明の効果】
【0015】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0016】
請求項1に記載の発明では、ブラシ部によって、流体流路を流れる流体に含まれる微細物を捕捉し、微細物を確実に除去することが可能で、交換することなく簡単な洗浄作業でよく、低コストである。
【0017】
請求項2に記載の発明では、ブラシ部の複数本の線材を扱いて捕捉した微細物を除去し、ブラシ部の清掃を行うことで交換することなく簡単な洗浄作業でよく、低コストである。
【0018】
請求項3に記載の発明では、ブラシ部の複数本の線材を回転して捕捉した微細物を除去し、ブラシ部の清掃を行うことで交換することなく簡単な洗浄作業でよく、低コストである。
【0019】
請求項4に記載の発明では、フィルタ装置が、遠心分離装置により分離した残りの微細物を除去することで、微細物をより確実に除去することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】流体浄化システムの一例を示す図である。
【図2】遠心分離装置の断面図である。
【図3】フィルタ装置の断面図である。
【図4】フィルタ装置の清掃状態を示す断面図である。
【図5】ブラシ部の実施を示す図である。
【図6】ブラシ部の実施を示す図である。
【図7】ブラシ部の実施を示す図である。
【図8】フィルタ装置の2例を示す図である。
【図9】フィルタ装置の3例を示す図である。
【図10】フィルタ装置の4例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明のフィルタ装置および流体浄化システムの実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
【0022】
この発明のフィルタ装置および流体浄化システムは、製薬、化学、食品、飲料の原料他の流体に含まれる微細物の除去に、また自動車、工作機、加工業の切削液の流体に含まれる切削粉等の微細物の除去に、また各工場、水処理等の循環水、排水の流体に含まれる微細物の除去に、また半導体、バイオ等の流体に含まれる不純物等の微細物の除去に、また洗浄水、溶剤等の流体に含まれる異物である微細物の除去等に使用される。このように、液体、気体の流体に含まれる微細物を捕捉して除去するものに広く使用される。
【0023】
[流体浄化システム]
この流体浄化システムの一例を図1に示す。この実施の形態では、工作機、加工業の切削液に含まれる切削粉等の微細物の回収に用いる場合について説明する。この実施の形態では、流体として液体に含まれる微粉末状クズの微細物を除去する場合について用いているが、気体に含まれる微細物を除去する場合にも同様に用いることができる。また、微細物であればよく、微粉末状クズに限定されない。
【0024】
図1に示す流体浄化システムの例は、原料他をポンプにより各機器に供給する経路に配置され、遠心力により流体に含まれる微細物を分離する遠心分離装置1と、遠心分離装置1の後段に配置したフィルタ装置10と、を備え、フィルタ装置10は、遠心分離装置1により分離した残りの微細物を除去する。例えば、糸状や繊維状などの軽いごみ、さらに切削液に発生する藻の微細物を除去して切削液を供給タンク等に戻す。
【0025】
フィルタ装置10は、流体流路を流れる流体に含まれる微細物を捕捉し、微細物を確実に除去することが可能で、交換することなく簡単な洗浄作業でよく、低コストである。
【0026】
以下、この流体浄化システムに備えられる遠心分離装置1およびフィルタ装置10について説明する。
【0027】
[遠心分離装置]
この実施の形態の遠心分離装置1の実施の形態について説明する。図2は遠心分離装置の断面図である。
【0028】
この実施の形態の遠心分離装置1は、テーパ下部を有する密閉筒体2を複数段状に設け、流体に含まれる微細物を沈降させるフィルタ部A1と、このフィルタ部A1で沈降する微細物を沈殿させる沈殿部B1とを有している。
【0029】
この遠心分離装置1は、テーパ下部2aに連通孔2bを有する密閉筒体2を上下方向に2個接続しているが、2個に限定されず複数個接続する構成であれば良い。この密閉筒体2は、断面円状の筒体であり、アルミニウム等の金属で形成され、軽量で強度がある。
【0030】
最下部の密閉筒体2のテーパ下部2aには、沈殿部B1を構成する沈殿カップ3が接続されている。この沈殿カップ3は、蓋体3aとカップ本体3bから構成され、蓋体3aを最下部の密閉筒体2のテーパ下部2aに固定し、この蓋体3aにカップ本体3bがねじ部3cによって着脱可能になっている。カップ本体3bを蓋体3aから取り外すことで、カップ本体3bに沈殿した微細物C1を一度に排出することができる。
【0031】
この沈殿カップ3の蓋体3aは、ステンレス等の金属で形成され、最下部の密閉筒体2のテーパ下部2aに溶接により固定されている。沈殿カップ3のカップ本体3bは、透明樹脂で形成され、内部の微細物C1の沈殿状態を外部から確認することができるようになっている。
【0032】
そして、最上部の密閉筒体2には、軸芯Lから偏位した側部に流体入口2cを設けると共に、軸芯Lに対応する上部に流体出口2dが設けられ、流体入口2cから微細物C1を含む流体4を所定流速で供給し、微細物C1が分離された流体4が流体出口2dから排出される。
【0033】
この最上部の密閉筒体2の流体入口2cから微細物C1を含む流体4を所定流速で供給することで流体4の渦巻きが生じ、密閉筒体2の中で遠心状態となり、その作用により微細物C1が外側へ、微細物C1の取り除かれたきれいな流体が中心方向から流体出口2d方向へ流れていき、この渦巻きを複数個の密閉筒体2で減速させることで、微細物C1が沈降することでテーパ下部2aにガイドされて連通孔2bに導かれて順次下側の密閉筒体2に入り、最下部の密閉筒体2の連通孔2bから沈殿カップ3に入り、微細物C1が沈殿カップ3に沈殿する。
【0034】
このように、微細物C1を含む流体4を所定流速で最上部の密閉筒体2に供給して渦巻きを生じさせ、この渦巻きを複数個の密閉筒体2で減速させて微細物C1を沈降させて沈殿カップ3に確実に沈殿して沈殿させることができる。
【0035】
従って、最上部の密閉筒体2から微細物C1を分離した流体4が排出され、流体出口2dから微細物C1がつられて排出することが防止でき、小型で、かつ簡単な装置で、短時間に大量の微細物C1を沈殿させて確実に除去することができる。
【0036】
また、この実施の形態のフィルタ部A1は、別体に形成した密閉筒体2を複数段状に接続して構成することで、フィルタ部A1を簡単に製造することができる。
[フィルタ装置の1例]
次に、この実施の形態のフィルタ装置10の実施の形態について説明する。図3は遠心分離装置の断面図である。
【0037】
この実施の形態のフィルタ装置10は、エレメントケース20の内部に流体流路B2が形成され、このエレメントケース20の内部にフィルタエレメントA2が配置される構成であり、このフィルタ装置10は鉛直方向に配置される。
【0038】
エレメントケース20は、円筒22と、上キャップ23と、下キャップ24とを有する。円筒22には、下側に入口部22aが形成され、上側に出口部22bが形成されている。入口部22aと出口部22bとの取り付け位置は、エレメントケース20の軸芯と対応する位置に配置し、流体流路B2をストレートに流れるようにしてもよく、偏位した位置に配置し、流体流路B2を螺旋状に流れるようにしてもよい。
【0039】
上キャップ23は、円筒22の上部にシール材25を介して螺着されている。上キャップ23の中央部には、円筒22の内側に突出して清掃パイプ部23aが形成され、円筒22の外側に突出して取付部23bが形成されている。
【0040】
下キャップ24は、円筒22の下部にシール材26を介して螺着されている。下キャップ24の中央部には、排出開口部24aが形成され、この排出開口部24aに排出バルブ27が接続され、これらでエレメントケース20の内部に溜まる微細物C2を排出する排出部を構成している。
【0041】
フィルタエレメントA2のエレメント30は、芯材31と、ブラシ部32と、を含む。芯材31は、樹脂で所定長さの棒状に形成され、頭部に取付ねじ31aが固定されている。芯材31は、取付ねじ31aを取付部23bに螺着して取り付け、清掃パイプ部23aに挿通されている。清掃パイプ部23aが、複数本の線材33を扱いて捕捉した微細物C2を除去する清掃手段を構成している。
【0042】
ブラシ部32は、芯材31の先端部に設けられる複数本の線材33で構成され、円筒21の入口部22aと、出口部22bとの間に配置され、流体流路B2を流れる流体に含まれる微細物C2を捕捉可能である。この実施の形態では、ブラシ部32が、樹脂などの柔軟性を有する線材33で構成されているが、これに限定されず金属線などの線材33を用いることもできる。
【0043】
芯材31に複数本の線材33を設ける製造方法としては、芯材31を1本の金属線を中央で折り曲げた状態にし、この折り曲げた2本の金属線の間に複数本の線材33を並べておき、2本の金属線をねじることで製造することができる。また、芯材31を1本の樹脂棒とし、複数本の線材33を一体に成形することができる。
【0044】
この実施の形態のフィルタ装置10では、入口部22aから流体4が流入し、円筒22の内部の流体流路B2を流れて出口部22bから流出する。この円筒22の内部の流体流路B2を流体が流れるときに、ブラシ部32の線材33によって例えば切削液の含まれる切削粉、ごみなどの微細物C2を捕捉することができる。この微細物C2の捕捉状態は、線材33自体に微細物C2に付着し、あるいは線材33同士の間に微細物C2が入り込み、微細物C2を確実に除去し、出口部22bから流出する切削液を浄化することができる。
【0045】
この実施の形態のフィルタ装置10の清掃は、図4に示すように、流体流路B2の流体の流れを停止し、エレメント30の取付ねじ31aを取付部23bから外し、取付ねじ31aを握ってブラシ部32を上下動すると、ブラシ部32の線材33が清掃パイプ部23aに絞られる。
【0046】
これによって、線材33に捕捉されている微細物C2が落下して円筒22の下部に溜まる。このため、排出バルブ27を操作して排出開口部24aを開放し、微細物C2を排出開口部24aから外部に取り出して回収することができる。
【0047】
このように、フィルタエレメントA2は、交換することなく簡単な洗浄作業でよく、低コストである。また、ブラシ部32の線材33が樹脂などの柔軟な部材で形成した場合には、線材33が変形して異なる径の流体流路B2にも容易に、しかも流体流路B2に高密度に配置でき、微細物C2を確実に捕捉することができる。
【0048】
また、ブラシ部32の線材33の長さは、円筒22の流体流路B2の内壁に接する長さに形成されており、線材33の間を流体が流れるようになっている。この線材33の密度は、流体流路B2を流れる流体の抵抗にならないようになっている。
【0049】
また、この実施の形態では、フィルタエレメントA2の清掃時には、手動で上下動させるようになっているが、シリンダなどを用いて自動で上下動させるようにしても良い。また、清掃は、定期的に行われるが、円筒22の出口部22bから流出する流体の圧力を測定し、所定圧力以下になると、フィルタエレメントA2を自動的に上下動するようにしてもよい。
【0050】
次に、ブラシ部32の他の実施の形態を、図5乃至図7に基づいて説明する。
【0051】
図5(a)の実施の形態のブラシ部32は、蛇行するように芯材31を屈曲させたものであり、線材33を流体流路B2に沿って高密度に配置でき、微細物C2を確実に捕捉することができる。
【0052】
図5(b)の実施の形態のブラシ部32は、螺旋状に芯材31を屈曲させたものであり、線材33を流体流路B2に沿って高密度に配置でき、微細物C2を確実に捕捉することができる。
【0053】
図5(c)の実施の形態のブラシ部32は、芯材31は円盤状としたものであり、芯材31に線材33を一体に容易に成形できる。
【0054】
図6(a)の実施の形態のブラシ部32は、異なる長さの線材33a、33bを混在させた構成である。混在する異なる長さの線材33a、33bの間に微細物C2が入り込み、微細物C2を確実に捕捉することができる。
【0055】
図6(b),(c)の実施の形態のブラシ部32は、異なる径の線材33c,33dを混在させた構成である。混在する異なる径の線材33c,33dの間に微細物Cが入り込み、微細物Cを確実に捕捉することができる。
【0056】
また、異なる長さの線材と、異なる径の線材を混在させてもよく、線材の断面形状は、円形に限らず、楕円形、角形など特に限定されない。
【0057】
図7(a)の実施の形態のブラシ部32は、枝33e1を有する線材33eで構成している。線材33eの枝33e1に微細物C2が付着し、微細物C2を確実に捕捉することができる。
【0058】
図7(b)の実施の形態のブラシ部32は、凹33f1を有する線材33fで構成している。線材33fの凹33f1に微細物C2が付着し、微細物C2を確実に捕捉することができる。
【0059】
図7(c)の実施の形態のブラシ部32は、凸33g1を有する線材33gで構成している。線材33gの凸33g1に微細物C2が付着し、微細物C2を確実に捕捉することができる。
【0060】
図7(d)の実施の形態のブラシ部32は、溝33h1を有する線材33hで構成している。この溝33h1は螺旋状に形成してもよく、環状に形成してもよい。線材33hの溝33h1に微細物C2が付着し、微細物C2を確実に捕捉することができる。
【0061】
図7(e)の実施の形態のブラシ部32は、突条33i1を有する線材33iで構成している。この突条33i1は螺旋状に形成してもよく、環状に形成してもよい。線材33hの突条33i1に微細物C2が付着し、微細物C2を確実に捕捉することができる。
【0062】
図7(f)の実施の形態のブラシ部32は、細孔33j1を有する線材33jで構成している。線材33jの細孔33j1に微細物C2が入り込み、微細物C2を確実に捕捉することができる。
【0063】
[フィルタ装置の2例]
この実施のフィルタ装置の2例を図8に示す。フィルタ装置の2例は、1例と同様に構成されるが、エレメント30のブラシ部32を扱き方向に移動する駆動手段50を備える。この駆動手段50は、シリンダ51で構成され、シリンダ51に駆動でエレメント30のブラシ部32を扱き方向に移動する。これによって、エレメント30は、ブラシ部32の複数本の線材33が清掃パイプ部23aによってしごかれ、線材33が捕捉した微細物C2を除去し、ブラシ部32の清掃を自動的に行うことができる。
【0064】
[フィルタ装置の3例]
この実施のフィルタ装置の3例を図9に示す。フィルタ装置の3例は、1例と同様に構成されるが、エレメント30のブラシ部32を扱き方向に移動する駆動手段60を備える。この駆動手段60は、エレメントケース20に固定したベース61のボス部61aに回転軸62を介して操作アーム63を設け、操作アーム63の長孔63aに芯材31に固定した支持軸31dを係合している。清掃時に、操作アーム63を回転軸62を支点に矢印方向に操作することで、芯材31を介してブラシ部32が扱き方向に移動する。これによって、ブラシ部32の複数本の線材33が清掃パイプ部23aによってしごかれ、線材33が捕捉した微細物C2を除去し、ブラシ部32の清掃を行うことができる。
【0065】
[フィルタ装置の4例]
この実施のフィルタ装置の4例を図10に示す。フィルタ装置の4例は、1例と同様に構成されるが、エレメントケース20にエレメント30を2個備え、清掃手段70を構成するモータ71によりエレメント30を回転する構成である。このエレメント30の回転によって、ブラシ部32の複数本の線材33に捕捉されている微細物C2を遠心力で除去し、ブラシ部32の清掃を自動的に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
この発明は、流体に含まれる微粉末状クズ、また流体中の異物や混入物、汚染物質等の微細物を捕捉するフィルタ装置および流体浄化システムに適用可能であり、微細物を確実に除去することが可能で、交換することなく簡単な洗浄作業でよく、低コストである。
【符号の説明】
【0067】
1 遠心分離装置
2 密閉筒体
A1 フィルタ部
B1 沈殿部
A2 フィルタエレメント
B2 流体流路
C1,C2 微細物
10 フィルタ装置
20 エレメントケース
22 円筒
23 上キャップ
24 下キャップ
30 エレメント
31 芯材
32 ブラシ部
33 線材
50,60,70 駆動手段




【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が入る入口部と流体が出る出口部を有するエレメントケースと、
前記入口部と出口部との間に形成される流体流路に配置されるエレメントと、
前記エレメントケースの内部に溜まる微細物を排出する排出部とを有し、
前記エレメントは、
芯材と、
前記芯材に設けられる複数本の線材で構成したブラシ部と、
を含み、
前記ブラシ部は、前記流体流路を流れる流体に含まれる微細物を捕捉可能であることを特徴とするフィルタ装置。
【請求項2】
前記複数本の線材を扱いて捕捉した微細物を除去する清掃手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記複数本の線材を回転して捕捉した微細物を除去する清掃手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
遠心力により流体に含まれる微細物を分離する遠心分離装置と、
前記遠心分離装置の後段に配置した請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のフィルタ装置と、を備え、
前記フィルタ装置は、
前記遠心分離装置により分離した残りの微細物を除去することを特徴とする流体浄化システム。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−274221(P2010−274221A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131165(P2009−131165)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(501141769)株式会社industria (29)
【Fターム(参考)】