説明

フィルタ送出装置

【課題】フィルタ繰出手段にフィルタを確実にセットすることができるとともに、組立作業が容易なフィルタ送出装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るフィルタ送出装置は、フィルタブロックを挟んで一端側にロールフィルタを配置し、他端側にフィルタ繰出手段を設け、ロールフィルタから繰り出したフィルタをフィルタ繰出手段の駆動により順次フィルタブロックの上面に送り出すものである。上記フィルタ送出装置は、ロールフィルタの回転を検知する検知手段110と、フィルタ繰出手段が駆動している間に、検知手段の検知結果を参照し、ロールフィルタが停止している場合にエラー出力を行う制御手段100とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタブロックを挟んで一端側にロールフィルタを配置し、他端側にフィルタ繰出手段を設け、ロールフィルタから繰り出したフィルタをフィルタ繰出手段の駆動により順次フィルタブロックの上面に送り出すフィルタ送出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コーヒー豆等の豆原料を用いて飲料の生成を行う飲料生成装置の中には、装置筐体の内部に固定したシリンダブロックと、装置筐体に対して上下方向に移動可能な態様で、上方に移動した場合には、自身の上端部が上記シリンダブロックの下端部に当接するフィルタブロックとで構成する抽出容器を備えるものがある。
【0003】
シリンダブロックは、内部に空間を有し、かつ下面に開口を有する筒状に形成してある一方、フィルタブロックは、内部に空間を有し、かつ上面に開口を有する筒状に形成してある。
【0004】
このような抽出容器は、フィルタブロックを上方に移動した場合、フィルタブロックの上端部がシリンダブロックの下端部に当接し、シリンダブロックの開口とフィルタブロックの開口とを通じて、シリンダブロックの内部の空間とフィルタブロックの内部の空間とが連通することとなり、抽出容器の内部に、飲料を生成する飲料生成空間が画成されることとなる。
【0005】
この状態からフィルタブロックを下方に移動した場合には、シリンダブロックの下端部からフィルタブロックの上端部が離隔し、シリンダブロックとフィルタブロックとの間に間隙が形成されることとなる。
【0006】
上記シリンダブロックは、コーヒー豆を挽いた挽き豆を上記飲料生成空間に投入する豆投入口と、飲料生成空間に温水を投入する温水投入口とを有している一方、フィルタブロックは、上記挽き豆と温水とから生成したコーヒー飲料を、上記飲料生成空間から排出する飲料排出口を有している。
【0007】
また、上記飲料生成装置は、温水と挽き豆との混合物を濾過するフィルタを、フィルタブロックの上面に送り出すフィルタ送出装置を備えている。フィルタ送出装置は、フィルタ支持手段と、フィルタ繰出手段と、マイクロスイッチ(検知手段)とを備えている。
【0008】
フィルタ支持手段は、フィルタブロックの一端側に設けてあり、フィルタ繰出手段は、上記フィルタブロックに対して、フィルタ支持手段を設けた側の反対側に設けてある。すなわち、フィルタブロックを挟んで一端側にフィルタ支持手段を設けてあり、かつ他端側にフィルタ繰出手段を設けてある。
【0009】
上記フィルタ支持手段は、帯状のフィルタを芯の周面に巻回することで形成したロールフィルタを、芯の軸心回りに回転可能な態様で支持するものである。
【0010】
フィルタ繰出手段は、駆動源と、例えば円柱状に形成した一対の回転自在な駆動ローラとを備えている。これら一対の駆動ローラは、一方の駆動ローラの周面と他方の駆動ローラの周面とが互いに当接し、かつ駆動軸が平行となるよう配置してある。
【0011】
また、一方の駆動ローラには、駆動源の駆動力を伝達する歯車等から構成される駆動伝達手段が設けてあり、駆動源を駆動した場合には、駆動伝達手段により駆動源の駆動力が一方の駆動ローラに伝達され、一方の駆動ローラが駆動軸回りに回転する。しかも、一方の駆動ローラの回転により、他方の駆動ローラも駆動軸回りに回転することとなる。
【0012】
これら一対の駆動ローラの間には、上記ロールフィルタから繰り出したフィルタを挿入してあり、駆動源を駆動した場合には、フィルタブロックの上面にフィルタが順次送り出されることとなる。
【0013】
マイクロスイッチ1は、例えば図13に示すように、スイッチ本体部1aと、検出子1bと、押釦部1cとを備えており、フィルタ支持手段にロールフィルタがセットされているか否かを検出するものであるとともに、芯に巻回されているフィルタが使い果たされたか否かを検出するものである。
【0014】
検出子1bは、金属材料を用いて板状に形成してあり、その基端側に設けた回動軸1dを中心に回動可能な態様でスイッチ本体部1aに取り付けてある。
【0015】
押釦部1cは、スイッチ本体部1aに出没自在となる態様で設けてあり、この押釦部1cとスイッチ本体部1aとの間に不図示の付勢部材を介在させることで、スイッチ本体部1aから自身の先端を進出させ、スイッチ本体部1aから検出子1bの先端が離隔するよう上記検出子1bに先端が当接するものである。
【0016】
このマイクロスイッチ1は、検出子1bの先端がスイッチ本体部1aに近接するよう被検出体が検出子1bに当接した場合には、検出子1bが回動軸1dを中心に回動し、それにより付勢部材の付勢力に抗して押釦部がスイッチ本体部1aの内部に退行する。
【0017】
このマイクロスイッチ1は、スイッチ本体部1aから押釦部1cが進出した場合に、スイッチ本体部1aから検知信号を送信する。
【0018】
このようなマイクロスイッチ1は、図14に示すように、新たなロールフィルタRFをフィルタ支持手段2にセットした場合には、芯faに巻回した帯状のフィルタfに検出子1bが当接することで、付勢手段の付勢力に抗して押釦部1cがスイッチ本体部1aに退行する一方、芯faに巻回されているフィルタfが使い果たされた場合には、図15に示すように、付勢手段の付勢力によってスイッチ本体部1aから押釦部1cが進出するよう配置してある。そして、マイクロスイッチ1は、上記押釦部1cがスイッチ本体部1aから進出した場合にのみ、スイッチ本体部1aから飲料生成手段の不図示の制御手段に検知信号を送信し、制御手段は、その検知信号が送信された場合、例えば表示手段によりフィルタ切れとなったことを表示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
ところで、上記フィルタ送出装置では、以下に記載する問題が生じる虞れがある。第1に、新たなロールフィルタRFをフィルタ支持手段2にセットする際、一対の駆動ローラの間にフィルタを挿入することを忘れた場合、すなわち、フィルタ繰出手段にフィルタをセットすることを忘れた場合には、駆動源を駆動してもフィルタブロックの上面にフィルタを送り出すことができず、挽き豆の残滓がコーヒー飲料に混入することとなる。
【0020】
第2に、マイクロスイッチ1を正確に設置しなければならないため、組立作業に手間がかかる問題がある。この問題を具体例をあげて説明する。
【0021】
例えば、図16に示すように、マイクロスイッチ1を図15に示した位置よりフィルタ支持手段2の回転軸2Xの径外方向に設置した場合には、ロールフィルタRFが使い果たされていないにもかかわらず、フィルタ切れとなったことが表示されてしまうこととなり、フィルタfが無駄になる。
【0022】
一方、マイクロスイッチ1を図15に示した位置より回転軸2Xの径内方向に設置した場合には、常時、マイクロスイッチ1の検出子1bがロールフィルタRFの芯faに当接することとなる。よって、ロールフィルタRFのフィルタが使い果たされているにもかかわらず、フィルタ切れとなった旨の表示が行われないこととなる。
【0023】
よって、マイクロスイッチ1を正確な位置に設置しなければならないこととなるため、組立作業に手間がかかった。
【0024】
本発明は、上記実情に鑑み、フィルタ繰出手段にフィルタを確実にセットすることができるとともに、組立作業が容易なフィルタ送出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、フィルタブロックを挟んで一端側にロールフィルタを配置し、他端側にフィルタ繰出手段を設け、ロールフィルタから繰り出したフィルタをフィルタ繰出手段の駆動により順次フィルタブロックの上面に送り出すフィルタ送出装置において、前記ロールフィルタの回転を検知する検知手段と、前記フィルタ繰出手段が駆動している間に、前記検知手段の検知結果を参照し、ロールフィルタが停止している場合にエラー出力を行う制御手段とを備えている。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るフィルタ送出装置は、ロールフィルタの回転を検知する検知手段と、フィルタ繰出手段が駆動している間に、検知手段の検知結果を参照し、ロールフィルタが停止している場合にエラー出力を行う制御手段とを備えているため、フィルタ繰出手段にフィルタをセットし忘れた場合には、制御手段がエラー出力を行う。よって、確実に、フィルタ繰出手段にフィルタをセットすることができる。しかも、検知手段を正確に設置しなくとも、フィルタを使い切るまではエラー出力を行うこともなく、かつフィルタを使い切ったときにエラー出力を行うため、組立作業が容易なフィルタ送出装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面を適宜参照しながら、本発明に係るフィルタ送出装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態であるフィルタ送出装置を適用した飲料生成装置を示したものである。ここで例示する飲料生成装置は、自動販売機に適用したものであって、原料であるコーヒー豆(豆原料)を挽いて挽き豆を製造した後、これを用いてレギュラーコーヒーと称されるコーヒー飲料(飲料)の生成を行うもので、装置筐体10の内部に、豆タンク20と、ミル30と、温水タンク40と、抽出装置50と、ミキシング装置85と、カップ供給装置90と、ベンドステージ95とを備えている。
【0029】
豆タンク20は、上端部にコーヒー豆を投入するための投入用開口21を備える一方、下端部にオーガスクリュ22を備え、図2に示す制御手段100からコーヒー豆供給指令が与えられた場合には、駆動ユニット23のモータ23Aによってオーガスクリュ22を回転し、下端部手前側のノズル24から所定量のコーヒー豆を払い出すものである。この豆タンク20には、投入用開口21を閉塞する蓋体25を設けてある。
【0030】
ミル30は、図1に示すように、上記ノズル24の下方に設置されており、上部にシュータ31を有している。このミル30は、豆タンク20のノズル24から払い出されたコーヒー豆をシュータ31で受け取り、上記制御手段100からミル駆動指令が与えられた場合には、駆動することによって受け取ったコーヒー豆を挽き豆とした後、抽出装置50に供給するものである。
【0031】
温水タンク40は、タンク用ヒータ(図示せず)を適宜駆動することにより、その内部に予め設定した温度(例えば90℃)の温水を貯留するものである。この温水タンク40は、上記制御手段100から温水供給指令が与えられた場合には、あらかじめ設定された量の温水を抽出装置50に供給するものである。
【0032】
抽出装置50は、上記ミル30から供給される挽き豆と、温水タンク40から供給される温水との混合物から、コーヒー飲料を抽出するものであって、図3に示すように、抽出容器51とフィルタ送出装置61とを備えている。
【0033】
抽出容器51は、図3に示すように、装置筐体10の内部に固定したシリンダブロック52と、装置筐体10に対して上下方向に移動可能な態様で、上方に移動した場合には、自身の上端部が上記シリンダブロック52の下端部に当接するフィルタブロック58とで構成してある。
【0034】
シリンダブロック52は、内部に空間52sを有し、かつ下面に開口53を有する円筒状に形成してある一方、フィルタブロック58は、内部に空間58sを有し、かつ上面に上記シリンダブロック52の下面の開口53と、同一形状であって同一の大きさの開口59を有する中空の四角柱状に形成してある。
【0035】
このような抽出容器51は、フィルタブロック58を上方に移動した場合、フィルタブロック58の上端部がシリンダブロック52の下端部に当接し、シリンダブロック52の開口53とフィルタブロック58の開口59とを通じて、シリンダブロック52の内部の空間52sとフィルタブロック58の内部の空間58sとが連通することとなり、抽出容器51の内部に、飲料を生成する飲料生成空間が画成されることとなる。
【0036】
この状態からフィルタブロック58を下方に移動した場合には、シリンダブロック52の下端部からフィルタブロック58の上端部が離隔し、シリンダブロック52とフィルタブロック58との間に間隙が形成されることとなる。
【0037】
また、シリンダブロック52は、上記ミル30から供給される挽き豆を上記飲料生成空間に投入する豆投入口54と、温水タンク40から供給される温水を上記飲料生成空間に温水を投入する温水投入口55とをその上部に有している一方、フィルタブロック58は、上記挽き豆と温水とから生成したコーヒー飲料を、上記飲料生成空間から排出する飲料排出口60を有している。
【0038】
さらに、抽出容器51には、飲料生成空間にエアを供給する不図示のポンプを設けてあり、シリンダブロック52には、その内部の空間52sにおいて、上下方向に移動するバルブ56を設けてある。
【0039】
このようなシリンダブロック52は、フィルタブロック58とで飲料生成空間を画成した状態において、上方に配置したバルブ56を下方に移動させる際、移動の初期にはバルブ56の移動に応じて上記豆投入口54、温水投入口55、および飲料排出口60から飲料生成空間の空気がそれぞれ排出され、かつ移動の初期を経過した後にはバルブ56の移動に応じて上記飲料排出口60のみから飲料生成空間の空気が排出されるよう構成してある。
【0040】
この抽出容器51は、上記制御手段100から当接指令が与えられた場合には、フィルタブロック58を上方に移動することで、シリンダブロック52の下端にフィルタブロック58の上端を当接する一方、離隔指令が与えられた場合には、フィルタブロック58を下方に移動することで、シリンダブロック52の下端と、フィルタブロック58の上端との間に隙間が形成されることとなる。
【0041】
また、抽出容器51は、上記制御手段100から抽出指令が与えられた場合には、上記ポンプを適宜駆動することで、飲料生成空間にエアを供給し、かつバルブ56を上下方向に移動することで後述するようにコーヒー飲料を生成する。
【0042】
フィルタ送出装置61は、温水と挽き豆との混合物を濾過するフィルタfを、上記フィルタブロック58の上面に送り出すものであり、フィルタ支持手段62と、フィルタ繰出手段71とを備えている。
【0043】
フィルタfは、帯状に形成してあり、図4および図5に示すように、芯faの周面に巻回してある。このように芯faの周面にフィルタfを巻回することでロールフィルタRFを形成してある。
【0044】
フィルタ支持手段62は、フィルタブロック58の一端側に設けてあり、フィルタ繰出手段71は、図3に示すように、上記フィルタブロック58に対して、上記フィルタ支持手段62を設けた側の反対側に設けてある。すなわち、フィルタブロック58を挟んで一端側にフィルタ支持手段62を設けてあり、かつ他端側にフィルタ繰出手段71を設けてある。
【0045】
上記フィルタ支持手段62は、図4および図5に示すように、軸部63と、ブラケット64と、支持アーム65と、カバー66とを備えており、ロールフィルタRFを、芯faの軸心回りに回転可能な態様で支持するものである。
【0046】
軸部63は、回転軸63Xに沿って延在する軸本体部63aと、一対の芯当接部63b,63cとを備えている。軸本体部63aの一方の端は、上記支持アーム65に形成した凹部65aに嵌め込んである一方、軸本体部63aの他方の端は、上記ブラケット64に設けた軸受64aに嵌め込んであり、支持アーム65および軸受64aに対して回転軸63Xを中心に回転可能である。
【0047】
一対の芯当接部63b,63cのうち、一方の芯当接部63bは、軸本体部63aの一方の端に固着してあり、他方の芯当接部63cは、軸本体部63aの他方の端に挿脱自在となる態様で取り付けてある。
【0048】
これら芯当接部63b,63cは、軸本体部63aの端部側に円柱状の第1当接部63b2,63c2をそれぞれ有している一方、軸本体部63aの中央側に円柱状の第2当接部63b1,63c1をそれぞれ有している。
【0049】
各第2当接部63b1,63c1は、自身の外周面の直径の大きさが、上記芯faの内周面の直径の大きさよりもわずかに大きく、かつその外周面にローレット加工を施すことで外周面から突出する凸部を形成してあり、芯faを圧入することで軸部63にロールフィルタRFをセットした場合には、外周面の凸部が芯faの内周面に食い込み、軸部63とロールフィルタRFとを一体化する部分である。
【0050】
各第1当接部63b2,63c2は、自身の外周面の直径の大きさが、上記芯faの内周面の直径の大きさよりも十分に大きく、ロールフィルタRFを軸部63にセットする場合には、ロールフィルタRFの芯faの軸心に直交する側面が第1当接部63b2,63c2に当接することで、軸部63の回転軸63Xに沿った方向におけるロールフィルタRFの位置決めを行うものである。
【0051】
ブラケット64は、上記軸部63の一方の端に設けてあり、装置筐体10に設けた固定板10aに、補強板64bおよびネジ64cでフィルタ支持手段62を取り付けるものである。このブラケット64には、軸本体部63aの一方の端を嵌め込む、円柱状に形成した軸受64aを、一方の表面側に取り付けてある。
【0052】
カバー66は、互いに対向する一対の側板66a,66bと天板66cとを備え、ロールフィルタRFの周面の上方領域および側方領域を覆うようそれら側板66a,66bおよび天板66cをコ字状に配置してあり、上記ブラケット64の一方の表面側に取り付けてある。
【0053】
支持アーム65は、棒状に形成してあって、両端部が、上記一対の側板66a,66bに対して着脱自在となる態様で軸部63の他方の端に配設してある。具体的には、支持アーム65の一方の端には貫通孔65b1が形成してあり、その貫通孔65b1に先端を通したネジ65c1を、上記カバー66の一方の側板66aに設けたネジ孔66a1に係合させることで、支持アーム65の一方の端部を一方の側板66aに着脱自在に取り付けてあり、かつ支持アーム65の他方の端には係合爪65c2が設けてあり、その係合爪65c2を、他方の側板66bに設けた係合爪66b2に係合させることで、支持アーム65の他方の端部を他方の側板66bに着脱自在に取り付けてある。
【0054】
次に、フィルタfを使い果たしたロールフィルタRFの芯faをフィルタ支持手段62から取り外し、かつ新しいロールフィルタRFをフィルタ支持手段62にセットする場合を説明する。
【0055】
先ず、フィルタ支持手段62から上記ネジ65c1を取り外し、かつ側板66bの係合爪66b2と、支持アーム65の係合爪65c2との係合を解除することで、カバー66から支持アーム65を取り外す。
【0056】
次に、軸本体部63aから、他方の芯当接部63cを取り外した後、フィルタfを使い果たしたロールフィルタRFの芯faを軸部63から取り外す。
【0057】
次いで、新しいロールフィルタRFを軸部63にセットする。新しいロールフィルタRFを軸部63にセットした場合には、芯faの軸心と、軸部63の回転軸63Xとが合致する。この後、他方の芯当接部63cを軸本体部63aに挿入する。
【0058】
最後に、側板66bの係合爪66b2と、支持アーム65の係合爪65c2とを係合してから、上記ネジ65c1をフィルタ支持手段62に取り付ける。
【0059】
フィルタ繰出手段71は、図3に示すように、駆動源72と、例えば円柱状に形成した一対の回転自在な駆動ローラ73a,73bとを備えている。これら一対の駆動ローラ73a,73bは、駆動軸に沿って延在するよう円柱状に形成してあり、一方の駆動ローラ73aの周面と他方の駆動ローラ73bの周面とが互いに当接し、かつ互いの駆動軸が平行になるとともに、各駆動軸が、上記軸部63の回転軸63Xに平行になるよう配置してある。
【0060】
また、一方の駆動ローラ73aと駆動源72との間には、駆動源72の駆動力を一方の駆動ローラ73aに伝達する歯車等から構成される駆動伝達手段74が設けてあり、駆動源72を駆動した場合には、駆動伝達手段74により駆動源72の駆動力が一方の駆動ローラ73aに伝達され、一方の駆動ローラ73aが駆動軸回りに回転する。しかも、一方の駆動ローラ73aの回転により、他方の駆動ローラ73bも駆動軸回りに回転することとなる。
【0061】
これら一対の駆動ローラ73a,73bの間には、上記ロールフィルタRFから繰り出したフィルタfを挿入してあり、駆動源72を駆動した場合には、フィルタブロック58の上面にフィルタfが順次送り出されることとなる。
【0062】
上記フィルタ支持手段62と、フィルタ繰出手段71との間には、フィルタfを掛け回す複数のローラ76を配設してある。ローラ76は、図4に示すように、回転軸76Xに沿って延在するよう円柱状に形成してあり、その回転軸76Xが、上記軸部63の回転軸63Xに平行になるよう配置してある。
【0063】
上記フィルタ送出装置61は、上記制御手段100からフィルタ繰出指令が与えられた場合には、あらかじめ設定した駆動時間の間、駆動源72を駆動することで、ロールフィルタRFからフィルタfを繰り出し、当該繰り出したフィルタfをフィルタブロック58の上面に送り出すものである。
【0064】
ミキシング装置85は、図1に示すように、粉末ミルクや砂糖等の粉末原料を個別に貯蔵する複数の粉末容器86a,86bと、ミキシングボール87とを備えている。
【0065】
粉末容器86a,86bは、上端部に粉末原料を投入するための投入用開口(図示せず)を備える一方、下端部にオーガスクリュ(図示せず)を備え、不図示の駆動ユニットを駆動することによってオーガスクリュを回転した場合に下端部手前側のそれぞれのノズル86a1,86b1から所定量の粉末原料を払い出すものである。各粉末容器86a,86bの上記ノズル86a1,86b1から払い出された粉末原料は、上記ミキシングボール87に供給されることとなる。本実施の形態では、一方の粉末容器86aに粉末ミルクを貯蔵しており、他方の粉末容器86bに砂糖を貯蔵している。
【0066】
ミキシングボール87は、上記抽出装置50から供給されるコーヒー飲料に、上記粉末容器86a,86bから供給される粉末原料を混合するもので、例えば上面が開口した容器状に形成してある。このミキシングボール87は、コーヒー飲料に上記粉末原料を混ぜ合わせた後、ベンドステージ95にコーヒー飲料を供給するものである。
【0067】
このミキシング装置85は、例えば上記制御手段100からミルク供給指令が与えられた場合には、粉末ミルクを貯蔵している粉末容器86aの駆動ユニットを駆動することでオーガスクリュを回転し、上記ノズル86a1から所定量の粉末ミルクを払い出し、当該払い出した粉末ミルクをミキシングボール87に供給する。
【0068】
また、このミキシング装置85は、例えば上記制御手段100から砂糖供給指令が与えられた場合には、砂糖を貯蔵している粉末容器86bの駆動ユニットを駆動することでオーガスクリュを回転し、上記ノズル86b1から所定量の砂糖を払い出し、当該払い出した砂糖をミキシングボール87に供給する。
【0069】
なお、ミキシング装置85は、例えば上記制御手段100からブラックコーヒー供給指令が与えられた場合には、抽出装置50から供給されたコーヒー飲料をそのままベンドステージ95に供給する。
【0070】
カップ供給装置90は、上記ミキシングボール87から供給されるコーヒー飲料を注出する容器Cをベンドステージ95に供給するものである。
【0071】
このカップ供給装置90には、複数の容器収容部96a,96bを設けてある。各容器収容部96a,96bは、上下方向に沿って、相互に同じ大きさの容器を複数収容しており、下端から容器をそれぞれ払い出すものである。複数の容器収容部96a,96bにおいて、例えば収容してある容器の大きさは相互に異なるものである。各容器収容部96a,96bから払い出された容器Cは、例えば不図示のシュータによりベンドステージ95に供給されることとなる。
【0072】
このようなカップ供給装置90は、カップ払出指令が与えられた場合、その払出指令に対応する大きさの容器Cを容器収容部96a,96bからベンドステージ95にひとつ供給するものである。
【0073】
ベンドステージ95は、カップ供給装置90から供給された容器Cに、ミキシング装置85から供給されるコーヒー飲料を注出する部位である。
【0074】
次に、上記飲料生成装置の作用を説明する。なお、ここでは、説明の便宜上、抽出装置50のフィルタブロック58は、自身の上端部が、シリンダブロック52の下端部から離隔した位置にある場合を初期状態として説明し、かつシリンダブロック52の内部の空間において、バルブ56が上部にある場合を初期状態として説明する。
【0075】
先ず、利用者が入力手段97に適宜の操作を行うことで制御手段100に飲料を生成する旨の入力が与えられた場合には、制御手段100は、適宜のタイミングでフィルタ送出装置61にフィルタ繰出指令を送信し、抽出容器51に当接指令を送信し、豆タンク20にコーヒー豆供給指令を送信し、ミル30にミル駆動指令を送信し、温水タンク40に温水供給指令を送信し、ミキシング装置85に、ミルク供給指令、砂糖供給指令、ブラックコーヒー供給指令等の供給指令を送信し、かつカップ払出装置にカップ払出指令を送信する。
【0076】
フィルタ送出装置61は、制御手段100からフィルタ繰出指令が与えられた場合には、フィルタ繰出手段71を駆動し、ロールフィルタRFから繰り出したフィルタfをフィルタブロック58の上面に送り出す。
【0077】
抽出容器51は、制御手段100から当接指令が与えられた場合には、その当接指令に応じ、初期状態からフィルタブロック58を上方に移動することで、シリンダブロック52の下端部に、フィルタブロック58の上端部を当接し、それにより抽出容器51の内部に飲料生成空間を画成する。
【0078】
豆タンク20は、制御手段100からコーヒー豆供給指令が与えられた場合には、そのコーヒー豆供給指令に応じ、モータ23Aを駆動することによってオーガスクリュ22を回転し、ノズル24から所定量のコーヒー豆を払い出し、ミル30にコーヒー豆を供給する。
【0079】
ミル30は、制御手段100からミル駆動指令が与えられた場合には、そのミル駆動指令に応じ、駆動することによって供給されたコーヒー豆を挽き豆にした後、当該挽き豆を抽出容器51の飲料生成空間に供給する。
【0080】
温水タンク40は、制御手段100から温水供給指令が与えられた場合には、その温水供給指令に応じ、抽出容器51の飲料生成空間にあらかじめ設定された量の温水を供給する。
【0081】
抽出容器51は、制御手段100から抽出指令が与えられた場合には、あらかじめ設定したインターバル時間の間、待機状態となる。この待機状態となった抽出容器51には、上記豆投入口54から挽き豆が上記飲料生成空間に投入され、かつ温水投入口55から温水が上記飲料生成空間に投入されることとなる。この状態で、抽出容器51は、不図示のポンプから飲料生成空間にエアを供給し、その供給したエアによって挽き豆と温水とを攪拌する。その後、ポンプによるエアの供給を停止し、放置することで挽き豆および温水をむらす。この後、抽出容器51は、シリンダブロック52の空間52sの上部にあるバルブ56を下方に移動することで、温水と挽き豆との混合物を、シリンダブロック52とフィルタブロック58との間にあるフィルタfで濾過してコーヒー飲料を生成し、当該コーヒー飲料を飲料排出口60を通じてミキシング装置85に供給する。抽出容器51は、ミキシング装置85にコーヒー飲料を供給した後、シリンダブロック52の空間52sの下部にあるバルブ56を上方に移動し、バルブ56を初期状態に戻す。
【0082】
ミキシング装置85は、制御手段100から供給指令が与えられた場合には、当該供給指令に応じた処理を抽出容器51から供給されるコーヒー飲料に行い、そのコーヒー飲料をベンドステージ95に供給する。
【0083】
カップ供給装置90は、制御手段100からカップ払出指令が与えられた場合には、当該払出指令に対応する大きさの容器Cをベンドステージ95に供給する。
【0084】
ベンドステージ95では、カップ供給装置90から供給された容器Cに、ミキシング装置85から供給されたコーヒー飲料を注出する。
【0085】
制御手段100は、上記指令を送信した後、適宜のタイミングを計り、飲料生成装置の洗浄を行う。以下、飲料生成装置の洗浄を、順を追って説明する。
【0086】
先ず、制御手段100は、抽出容器51に離隔指令を送信する。抽出容器51は、離隔指令が与えられた場合には、フィルタブロック58を下方に移動することで、シリンダブロック52の下端とフィルタブロック58の上端との間に隙間を形成する。
【0087】
次に、制御手段100は、フィルタ送出装置61にフィルタ繰出指令を送信する。フィルタ送出装置61は、フィルタ繰出指令が与えられた場合には、フィルタ繰出手段71の駆動源72を駆動し、ロールフィルタRFから繰り出したフィルタfをフィルタブロック58の上面に送り出すとともに、コーヒー飲料を生成する際に使用し、その上部に挽き豆の残滓が載置されたフィルタfをフィルタブロック58の上面から送り出す。
【0088】
次いで、制御手段100は、抽出容器51に当接指令を送信する。抽出容器51は、当接指令が与えられた場合には、その当接指令に応じ、フィルタブロック58を上方に移動することで、シリンダブロック52の下端部に、フィルタブロック58の上端部を当接し、それにより抽出容器51の内部に飲料生成空間を画成する。
【0089】
次に、制御手段100は、温水タンク40に温水供給指令を送信する。温水タンク40は、温水供給指令が与えられた場合には、その温水供給指令に応じて、抽出容器51の飲料生成空間にあらかじめ設定された量の温水を供給して、シリンダブロック52およびフィルタブロック58の洗浄が行われる。シリンダブロック52およびフィルタブロック58を洗浄した温水は、ミキシングボール87に供給され、これによりミキシングボール87が洗浄される。ミキシングボール87を洗浄した温水は、ベンドステージ95に排出され、不図示の廃棄タンクに貯留されることとなる。
【0090】
最後に、制御手段100は、抽出容器51に離隔指令を送信する。抽出容器51は、離隔指令が与えられた場合には、フィルタブロック58を下方に移動することで、シリンダブロック52の下端とフィルタブロック58の上端との間に隙間を形成し、シリンダブロック52は初期状態に戻る。このように、飲料生成装置では、コーヒー飲料の生成と洗浄とを交互に繰り返す。
【0091】
次に、上記フィルタ送出装置61に適用し、本発明に係る検知手段110、およびその検知手段110の検知結果を利用する制御手段100について、図2、および図4〜図9を用いて説明する。
【0092】
検知手段110は、回転軸63Xを中心とした軸部63の回転を検出するものであって、検出板111とセンサ120とで構成してある。
【0093】
検出板111は、図4および図6に示すように、軸受64aと一方の芯当接部63bとの間において軸本体部63aに一方の端に固着してあり、図6〜図8に示すように、金属材料を用いて基部111aと4つの被検出部111bとを備えるよう構成してある。
【0094】
基部111aは、例えば円盤状に形成してあり、中央に上記軸部63を貫通させる貫通孔111cを有している。この基部111aの外周面の直径の大きさは、上記軸受64aの外周面の直径の大きさよりも大きい。
【0095】
各被検出部111bは、基部111aの縁において、例えば基部111aの一方の表面から、上記回転軸63Xの軸方向に沿って突出するよう板状に設けてある。これら4つの被検出部111bは、例えば回転軸63Xの軸方向から見て時計の短針が、3時、6時、9時、12時を示す位置に配置されており、かつ隣接する被検出部111bとの間に間隙を有する態様で配置してある。
【0096】
センサ120は、センサ本体部121と、発光手段122と、受光手段123とで構成してある。センサ本体部121は、矩形板状に形成した配置した一対の支持部121a,121bと、それら支持部121a,121bを連結する連結部121cとを備えており、一対の支持部121a,121bが互いに対向するよう断面がコ字状となる態様で支持部121a,121bおよび連結部121cを配置してある。
【0097】
発光手段122は、複数の発光素子を並設することで構成してあり、受光手段123は、複数の受光素子を並設することで構成してある。これら発光手段122および受光手段123は、上記一対の支持部121a,121bの表面に、互いに対向する態様で取り付けてある。
【0098】
このセンサ120は、例えば上記制御手段100から発光指令が与えられた場合、発光素子を駆動することで発光手段122から光を照射するものであり、かつ受光手段123が発光素子から照射された光を検知した場合には、上記制御手段100に検知信号を送信する光学式のものである。
【0099】
このようなセンサ120は、上記軸部63を回転させた場合における被検出部111bの移動経路と、発光手段122から照射された光が受光手段123に到達する経路とが、交差するようフィルタ支持手段62のブラケット64に取り付けてある。よって、発光手段122から照射された光が受光手段123に到達する経路上に被検出部111bが配置されている場合には、センサ120は停止しているが、発光手段122から照射された光が受光手段123に到達する経路上から外れた位置に被検出部111bが配置されている場合には、センサ120から検知信号が送信されることとなる。従って、フィルタ支持手段62の軸部63を回転軸63Xを中心に回転させた場合には、センサ120から検知信号が一定の間隔をおいて送信されることとなる。
【0100】
制御手段100は、上記飲料生成装置の各部の制御を統括的に行うものであるとともに、本発明に係るフィルタ送出装置61の各部の制御を統括的に行うものである。この制御手段100は、上述したフィルタ繰出指令をフィルタ送出装置61に送信した後、あらかじめ設定した検知時間内に、検知信号が一定の間隔をおいてセンサ120から送信されるか否かを検知するものである。
【0101】
制御手段100は、一定の間隔をおいてセンサ120から検知信号が送信されれば、フィルタ支持手段62の軸部63が回転軸63Xを中心に回転していること、換言すれば、ロールフィルタRFが回転していると判断する一方、センサ120から検知信号が送信され、当該検知信号が継続して送信される場合、もしくは、センサ120から検知信号が送信されず、その検知信号が送信されない状態が継続する場合には、フィルタ支持手段62の軸部63が回転軸63Xを中心に回転していないこと、換言すれば、ロールフィルタRFが停止していると判断するものである。
【0102】
なお、上述した検知時間の長さは、上記駆動源72を駆動する駆動時間の長さよりも短く設定してある。
【0103】
次に、このフィルタ送出装置61において、フィルタ繰出指令を与えた場合に、フィルタにエラーが発生していないか否かを確認する制御手段100のフィルタ確認処理を図9のフロー図を用いて説明する。
【0104】
先ず、制御手段100は、フィルタ繰出指令をフィルタ送出手段61に送信するまで、フィルタ確認処理を行うことを待機している(S001)。
【0105】
フィルタ繰出指令を送信した場合には、その後、上記検知時間の間に、センサ120から送信される検知信号によってロールフィルタRFが回転しているか否かを判断する。上記検知信号によってロールフィルタRFが停止していると判断した場合には(S002:no)、出力手段98にエラー出力を行う(S003)。出力手段98は、例えば液晶表示器で構成してあり、エラー出力が与えられた場合には、フィルタ切れである旨の表示を行うものである。
【0106】
一方、検知信号によってロールフィルタRFが回転していると判断した場合には(S002:yes)、フィルタ確認処理を終了する。
【0107】
この発明に係るフィルタ送出装置61は、フィルタ繰出手段71の駆動源72を駆動している間に、制御手段100が検知手段110の検知結果を参照し、ロールフィルタRFが停止している場合には、制御手段100がエラー出力を行うため、新しいロールフィルタRFをフィルタ支持手段62にセットする際に、フィルタ繰出手段71の駆動ローラ73a,73bの間にフィルタfをセットし忘れた場合には、出力手段98からフィルタ切れである旨の表示がされるため、確実にフィルタ繰出手段71にフィルタfをセットすることができる。しかも、上記フィルタ送出装置61において、センサ120を正確に設置しなくても、フィルタfを使い切るまではエラー出力を行うこともなく、かつフィルタfーを使い切ったときにエラー出力を行うため、組立作業が容易なフィルタ送出装置61を提供することができる。もちろん、フィルタfを最後まで使い切ることができる。
【0108】
なお、上述した実施の形態の制御手段100は、制御手段100からフィルタ繰出指令を駆動源72に送信した後、あらかじめ設定した駆動時間の間に、センサ120によってロールフィルタRFが回転しているか否かを検知するもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、上記駆動源72が実際に駆動しているか否かを検出する検知装置を別途設け、制御手段100は、当該検知装置が駆動源72の駆動を検知している間に、センサ120によってロールフィルタRFが回転しているか否かを検知するものでも良い。
【0109】
また、上述した実施の形態のフィルタ送出装置61は、コーヒー飲料を生成する時、およびそのコーヒー飲料を生成した後に行う飲料生成装置の洗浄の時、フィルタ確認処理を行うもので説明した。しかし、この発明は、上述した時以外にも、フィルタ確認処理を行っても良い。例えば、フィルタ送出装置61のメイン電源をONした場合に、フィルタ繰出手段71を駆動してフィルタ確認処理を行っても良い。もしくは、例えば装置筐体10の表面に、押圧操作することによってフィルタ繰出手段71の駆動源72を駆動する駆動釦を設け、当該駆動釦が押圧操作された場合、フィルタ確認処理を行っても良い。このような駆動釦を設ければ、例えば飲料生成装置のメイン電源をOFFする直前に、駆動釦を押圧操作し、それによりフィルタ確認処理を行っても良い。
【0110】
なお、メイン電源をONした場合、および駆動釦を押圧操作した場合に行う駆動源72の駆動は、コーヒー飲料の生成、および飲料生成装置の洗浄に無関係であるため、駆動源72を駆動している際に、ロールフィルタRFが回転しているか否かを検知手段110が検知できれば良く、駆動源72を駆動することで送り出すフィルタfの長さは、可及的に短い方が好ましい。
【0111】
例えば、図10に示すように、コーヒー飲料を生成する場合、および飲料生成装置の洗浄を行う場合において、駆動源72を駆動することで送り出すフィルタfの長さを2Lとした場合、メイン電源をONした場合、および駆動釦を押圧操作した場合において、駆動源72を駆動することで送り出すフィルタfの長さはLとすることが好ましい。このようなフィルタ送出装置61によれば、フィルタfの無駄使いを防止することができる。
【0112】
なお、上述した実施の形態の検出板111は、基部111aの縁に4つの被検出部111bを備えるもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、基部111aの縁に設ける被検出部111bの数は任意に設定できる。
【0113】
例えば、本発明に係るフィルタ送出装置の変形例を図11および図12に示す。なお、図11および図12に示すフィルタ送出装置において、図1〜図10に示すフィルタ送出装置61と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
【0114】
図11および図12に示すフィルタ送出装置は、検出板131と上記センサ120とで構成する検知手段110′を備えている。この検知手段110′は、回転軸63Xを中心とした軸部63の回転を検出するものである。
【0115】
検出板131は、軸受64aと一方の芯当接部63bとの間において軸本体部63aの一方の端に固着してあり、金属材料を用いて基部131aと8つの被検出部131bとを備えるよう構成してある。
【0116】
基部131aは、例えば円盤状に形成してあり、中央に上記軸部63を貫通させる貫通孔131cを有している。この基部131aの外周面の直径の大きさは、上記軸受64aの外周面の直径の大きさよりも大きい。
【0117】
各被検出部131bは、基部131aの縁において、例えば基部131aの一方の表面から、上記回転軸63Xの軸方向に沿って突出するよう板状に設けてある。これら8つの被検出部131bは、例えば回転軸63Xの軸方向から見て時計の短針が、1時30分、3時、4時30分、6時、7時30分、9時、10時30分、12時を示す位置に配置されており、かつ隣接する被検出部131bとの間に間隙を有する態様で配置してある。
【0118】
このように、被検出部131bの数を増加すれば、新しいロールフィルタRFをフィルタ支持手段62にセットした直後、ロールフィルタRFの回転量が小さい場合であっても、軸部63の回転を容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明に係るフィルタ送出装置を適用した飲料生成装置の概念を示す説明図である。
【図2】図1に示した飲料生成装置のブロック図である。
【図3】図1に示した飲料生成装置が備える抽出装置およびフィルタ送出装置の概念を示す説明図である。
【図4】図3に示したフィルタ送出装置が備えるフィルタ支持手段およびフィルタブロックを示す平面図である。
【図5】図4に示したフィルタ支持手段の斜視図である。
【図6】図5に示したフィルタ支持手段に設けた検知手段を示す斜視図である。
【図7】図6に示した検知手段の側面図である。
【図8】図7中の矢視A−Aでの断面図である。
【図9】図3に示したフィルタ送出装置が備える制御手段が行うフィルタ確認処理のフローズ図である。
【図10】コーヒー飲料を生成する場合、および洗浄を行う場合のフィルタの送出長さ示す説明図である。
【図11】本発明に係るフィルタ送出装置の変形例を示す側面図である。
【図12】図11中の矢視B−Bでの断面図である。
【図13】従来のフィルタ送出装置が備えるマイクロスイッチの概念を示す説明図である。
【図14】従来のフィルタ送出装置の作用を示す説明図である。
【図15】従来のフィルタ送出装置の作用を示す説明図である。
【図16】従来のフィルタ送出装置の作用を示す説明図である。
【符号の説明】
【0120】
10 装置筐体
10a 固定板
20 豆タンク
21 投入用開口
22 オーガスクリュ
23 駆動ユニット
23A モータ
24 ノズル
25 蓋体
30 ミル
31 シュータ
40 温水タンク
50 抽出装置
51 抽出容器
52 シリンダブロック
54 豆投入口
55 温水投入口
56 バルブ
58 フィルタブロック
60 飲料排出口
61 フィルタ送出装置
62 フィルタ支持手段
63 軸部
63X 回転軸
63a 軸本体部
63b 芯当接部
63c 芯当接部
64 ブラケット
64a 軸受
64b 補強板
64c ネジ
65 支持アーム
65a 凹部
65b1 貫通孔
65c1 ネジ
65c2 係合爪
66 カバー
66a 側板
66a1 ネジ孔
66b 側板
66b2 係合爪
66c 天板
71 フィルタ繰出手段
72 駆動源
73a 駆動ローラ
73b 駆動ローラ
74 駆動伝達手段
76 ローラ
76X 回転軸
85 ミキシング装置
86a 粉末容器
86a1 ノズル
86b 粉末容器
86b1 ノズル
87 ミキシングボール
90 カップ供給装置
95 ベンドステージ
96a 容器収容部
96b 容器収容部
97 入力手段
98 出力手段
100 制御手段
110 検知手段
111 検出板
111a 基部
111b 被検出部
111c 貫通孔
120 センサ
121 センサ本体部
121a 支持部
121b 支持部
121c 連結部
122 発光手段
123 受光手段
131 検出板
131a 基部
131b 被検出部
131c 貫通孔
f フィルタ
fa 芯
RF ロールフィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタブロックを挟んで一端側にロールフィルタを配置し、他端側にフィルタ繰出手段を設け、ロールフィルタから繰り出したフィルタをフィルタ繰出手段の駆動により順次フィルタブロックの上面に送り出すフィルタ送出装置において、
前記ロールフィルタの回転を検知する検知手段と、
前記フィルタ繰出手段が駆動している間に、前記検知手段の検知結果を参照し、ロールフィルタが停止している場合にエラー出力を行う制御手段と
を備えたことを特徴とするフィルタ送出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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