説明

フィーチャー限定ビデオゲームデモンストレーションソフトウェア

デモビデオゲーム102は、完全なゲーム体験を使用することをゲームプレイヤーに許可する一方で、ゲームプレイを続けるためのパーミッションを取得したいという願望を起こさせる。一部の実施形態では、ビデオゲームは、トリガメトリックを有して実装される。ユーザは、デモモードのゲームにおいて、最初は、完全版の大半または全てを経験することができる一方、デモモードは、ビデオゲームのデモモードでのゲームプレイ中に、キャラクタフィーチャー、オブジェクトフィーチャー、イベントフィーチャーおよび/または環境フィーチャーなどのゲームゲームプレイ特性を限定するためのトリガメトリックを実装しうる。このため、ゲームプレイがこのモードで続けられると、利用可能なゲームプレイ特性が減らされうる。ゲームプレイが続くと、複数のトリガメトリックが、ゲームプレイ特性を次第に、かつ連続的に制限しうる。ゲームプレイヤーがフィーチャーを使用できなくなると、トリガメトリックを無効化にし、ゲームを完全版に復元させる非デモモードでゲームを続けるためのパーミッションを購入するように、トリガメトリックによってユーザが誘導される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2008年9月3日出願の米国特許出願第12/231,485号「フィーチャー限定ビデオゲームデモンストレーションソフトウェア」の利益を享受するものであり、同出願の内容をここに援用する。
【0002】
本技術は、ビデオゲームに関する。より詳細には、本技術は、ビデオゲームのデモ版を実装するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ビデオゲームをデモ版を用いてプロモーション(販促)することがよく行なわれる。例えば、ゲームプレイヤーが低料金あるいは無料でインターネットからダウンロード可能なデモ版を作成するソフトウェアビデオゲームの販売業者がいる。また、このようなデモ版を、光ディスク(例えばCDまたはDVD)等の記録可能媒体に記録して、ゲームプレイヤーに低料金あるいは無料で配布することもある。ゲームプレイヤーは、ゲームの完全版よりも低料金あるいは無料のデモ版を試す可能性が高く、販売業者は、ゲームプレイヤーの興味を惹くためにデモ版の配布を行なう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲームプレイヤーがデモゲームに興じれば、ゲームプレイヤーがビデオゲームの完全版を購入したいと望むようになると考えられる。しかし、一般に、ソフトウェアのデモ版では、ゲームプレイヤーが、デモ版がプロモーションしているソフトウェアの完全版を完全には体験することができない。一般に、デモ版では、ユーザが、ビデオゲーム完全版のゲームプレイにおける特性のほんの一部しか遊ぶことができない。このように、デモ版では、実際のビデオゲームをゲームプレイヤーに完全に体験してもらうことができず、このため、ビデオゲームを完全かつ正確にプロモーションすることができない。
【0005】
ゲームのフィーチャーまたは特性をより完全な形でプロモーションしつつ、プロテクションをかけて、ビデオゲームを使用する権利を購入させるようにゲームプレイヤーを誘導するようにビデオゲームのデモ版を実装することが望ましいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、例示として提示するものであり、添付の図面の図に限定するものではない。添付の図面において、同一の参照符号は、同様の構成要素を参照している。
【0007】
本技術の一態様によれば、ビデオゲームを購入させるようにユーザすなわちゲームプレイヤーに促すためにビデオゲームのデモ版が提供される。
【0008】
本技術の別の態様は、ソフトウェアゲームを遊び続けるためのパーミッション(許可)を取得させるようにユーザを誘導するために前記ゲームを配信する方法を提供する。前記方法は、キャラクタフィーチャー、オブジェクトフィーチャー、環境フィーチャーおよびイベントフィーチャーの少なくとも1つを含む複数のゲームプレイ特性を有するソフトウェアゲームを提供するステップを有しうる。前記ソフトウェアゲームは、前記複数のゲームプレイ特性を使用することを前記ユーザに許可するようにプログラムされ得る。また、前記ソフトウェアゲームは、少なくとも1つのトリガメトリック(トリガを発生させるための基準)を有してプログラムされ得る。前記方法は、前記ユーザによる前記ソフトウェアゲームの使用の結果、前記少なくとも1つのトリガメトリックの関数として、前記ゲームプレイ特性の少なくとも1つの利用可能な範囲を限定する一方で、前記ゲームを遊ぶことを前記ユーザに引き続き許可するステップを有しうる。前記方法は、前記ゲームを遊び続けるためのパーミッションを受領すると、前記限定したゲームプレイ特性の利用可能な範囲を復元させるステップを更に有しうる。
【0009】
本技術の別の態様は、プロセッサ制御命令を有するマシン可読媒体を有する。前記プロセッサ制御命令は、ソフトウェアゲームを遊び続けるためのパーミッションを取得させるようにユーザを誘導するために前記ゲームとしてプロセッサを制御しうる。例えば、前記プロセッサ制御命令は、キャラクタフィーチャー、オブジェクトフィーチャー、環境フィーチャーおよびイベントフィーチャーの少なくとも1つを含む、前記ソフトウェアゲームの複数のゲームプレイ特性を使用することを前記ユーザに許可するために、最初に前記複数のゲームプレイ特性を生成する命令を有しうる。また、前記プロセッサ制御命令は、少なくとも1つのトリガメトリックによって、前記ユーザによる前記ゲームの前記複数のゲームプレイ特性の使用を制御する命令も有しうる。また、前記プロセッサ制御命令は、前記ユーザによる前記ソフトウェアゲームの使用の結果、前記少なくとも1つのトリガメトリックの関数として、前記ゲームプレイ特性の少なくとも1つの利用可能な範囲を限定する一方で、前記ゲームを遊ぶことを前記ユーザに引き続き許可する命令も有しうる。また、前記プロセッサ制御命令は、前記ゲームを遊び続けるためのパーミッションを受領すると、前記限定したゲームプレイ特性の利用可能な範囲を復元させる命令も有しうる。
【0010】
一部の実施形態では、前記トリガメトリックは、時間ベースの関数でもよく、前記時間ベースの関数は、経過した実時間および/または経過したゲーム時間であってもよい。任意選択で、前記少なくとも1つのトリガメトリックは、ゲームプレイにおける特定のステージの完了、前記特定のステージの複数回の完了などのゲームイベントベースの関数でもよい。
【0011】
一部の実施形態では、前記パーミッションの前記受領により、前記少なくとも1つのトリガメトリックが無効化される。更に別の実施形態では、前記ゲームの限定が複数のトリガメトリックの連続的な関数としてゲームプレイ特性を除去する。一部の実施形態では、前記ゲームプレイ特性の少なくとも1つの利用可能な範囲の前記限定は、前記ゲームの前記ゲームプレイ特性のオブジェクトフィーチャー、前記ゲームの前記ゲームプレイ特性の環境フィーチャーの使用、前記ゲームの前記ゲームプレイ特性のイベントフィーチャーへのアクセスおよび/または前記ゲームの前記ゲームプレイ特性のキャラクタフィーチャーの1つ以上の無効化を含む。
【0012】
技術の更に別の実施形態および特徴は、以下の詳細な開示、要約書、図面および特許請求の範囲から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本技術のデモビデオゲームの配信型実施形態例のシステムを示す図である。
【図2】本ビデオゲームデモ技術の実施形態を実装するための専用コンピュータまたはゲームコンソールの構成要素の一部を示す。
【図3】本ビデオゲームデモ技術の実施形態におけるステップの例を示すフローチャートである。
【図4】本ビデオゲームデモ技術についての実施形態の例のゲームプレイ特性を示す。
【図5】本ビデオゲームデモ技術の別の例示的な実施形態のゲームプレイ特性を更に示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
デモビデオゲーム102に関する配信システムの例が、図1に示されている。本システムは、一般に、ビデオゲームディストリビュータシステム104を備える。ディストリビュータシステムは、一般に、入出力コンポーネントのほかに、プロセッサ(例えば1つ以上のCPU)、および1以上のデモビデオゲーム104を記憶するための、例えばアクセス可能なデータベース、ハードディスク、RAM、ROM、光ドライブなどのメモリまたは他のデータ記憶媒体を備える1台以上のサーバ106を備える。配信システムは、例えばネットワーク108を介して、デモビデオゲーム102のソフトウェアを、1台以上のユーザゲーム装置110に直接または間接的に送信可能であってもよい。このため、ユーザゲーム装置110は、モデム、ネットワークカード、電話などの通信デバイスを備えて構成されうる。
【0015】
ユーザ装置は、一般に、デモビデオゲーム102のプロセッサ制御命令を実行可能な、1つ以上のプログラマブルプロセッサおよびメモリを備えうる、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、ビデオゲームコンソール、ハンドヘルドゲームデバイス、携帯電話または他のデバイスであってもよい。プロセッサは、公知のプロセッサ(例えばインテル社のプロセッサ)をいくつ備えてもよい。別の実施形態では、プロセッサがASIC等の専用コントローラでもよい。
【0016】
このようなデバイスは、一般に、ビデオゲームを遊ぶためのユーザインタフェースおよび/またはディスプレイなどの入出力コンポーネントも備える。例えば、ゲームプレイヤーがデモビデオゲーム102と対話できるようにするために、キーボード、マウス、ジョイスティック、触覚応答デバイス/モーター、モーションセンサおよび/またはボタンが設けられうる。また、ゲームデバイスは、任意選択で、他のデバイス、コンピュータまたはネットワーク108とデータ転送を行なうための無線または有線インターフェイス等の通信デバイスも備えてもよい。例えば、ゲームデバイスは、無線または有線のネットワークカード、WiFi通信デバイス、ブルートゥース通信デバイスなどを備えうる。また、本明細書に記載のデモ機能を備えて実装されているビデオゲームの特定のタイプまたはジャンルに応じて異なる、特定のゲームプレイ特性を可視化するLCD、LED、タッチスクリーンなどのディスプレイ画面が設けられてもよい。
【0017】
任意選択で、ディストリビュータシステム104は、デモビデオゲームを記憶媒体109に記憶させるか書き込むための他の構成要素を備えてもよい。更に別の例では、ディストリビュータシステムは、デモビデオゲーム102を、光ディスク、メモリカード、磁気媒体、SIMカード、フラッシュメモリなどに記憶させるか書き込むように構成されてもよい。このような場合、ユーザゲーム装置110は、直接、あるいは、ユーザゲーム装置110と通信するように構成された他のデバイスを介して間接的に、媒体からユーザゲーム装置110にデータおよび命令を転送するために、一般に、適切なリーダデバイスにアクセスすることができるか、あるいは、このような媒体用のインターフェイスを有する。
【0018】
一般に、デモビデオゲーム102は、メモリと、下で更に詳細に説明する機能に係るビデオゲームの機能、方法、アルゴリズムおよび/またはルーチンを実行する1つ以上のプロセッサまたは他の集積回路とのためのデータおよびプロセッサ制御命令を備える。一部の実施形態では、これらのプロセッサ制御命令は、プロセッサによって、直接(マシンコードなど)あるいは間接的に(スクリプトなど)実行される任意の命令のセットも備えうる。この点に関して、「命令」、「ステップ」、「アルゴリズム」および「プログラム」との用語は、本明細書において交換可能に使用することができる。命令は、プロセッサが直接処理するオブジェクトコードの形で記憶されていても、要求に応じて機械語に翻訳されるか事前にコンパイル済みのスクリプトまたは独立したソースコードモジュールのコレクションを含む他のどのようなコンピュータ言語の形で記憶されていてもよい。
【0019】
図1に示すように、デモビデオゲーム102の代表的な実施形態は、キャラクタフィーチャー、環境フィーチャー、オブジェクトフィーチャーおよびイベントフィーチャーなどの特定のゲームプレイ特性を備えたビデオゲームを形成することができる制御命令を備える。また、制御命令は、ビデオゲームの1つ以上のトリガメトリック112を形成することもできる。トリガメトリック112は、一般にビデオゲームの使用時の機能として、ビデオゲームの関連するゲームプレイ特性へのアクセスを制御する。例えば、トリガメトリック112はデモビデオゲーム110内に実装され、デモビデオゲーム110はビデオゲームの完全版のゲームプレイ特性の全てを備えうる。特定のトリガメトリックおよびこのトリガメトリックがリンクされているゲームプレイ特性のタイプに応じて、トリガメトリックは、ビデオゲームのゲームプレイがデモモードで進行するのに伴い、ゲームプレイヤーによるビデオゲームのゲームプレイ特性の使用できる範囲を限定する(例えば、このようなゲームプレイ特性の1つ以上を制限、除去または無効化する)ように構成されうる。しかし、例えば、完全版の使用権を購入したり、ビデオゲームのデモ版に、キーコードまたはパスワード等を入力するなどによって、ゲームプレイヤーがビデオゲームの完全なパーミッションを得た場合には、このようなトリガメトリック112が失効されうる。このパーミッションは、本質的には、パーミッションが存在する状況でトリガメトリックが無効化された場合に、ビデオゲームのデモ版を完全版に変換しうる。
【0020】
例えば、図2に更に示すように、ビデオゲームのデモ版は一般に、ゲームプレイヤーの入力に基づいてビデオゲームのロジックおよびゲームプレイを制御するプレイジェネレータまたはゲームエンジンを備える。プレイジェネレータは、一般に、アドベンチャーゲーム、シミュレーションゲーム、シューティングゲーム、カーゲーム、アクションゲームなど、実装されるビデオゲームのタイプに応じて、ビデオゲームごとに異なる。また、ゲーム命令およびゲームデータには、ゲームプレイヤーによるゲームプレイ特性220へのアクセスを制御するための、1つ以上のトリガメトリック218が含まれる。このため、トリガメトリックは、ゲームプレイの1つ以上のキャラクタフィーチャーへのアクセスを制御することができる。キャラクタフィーチャーとは、特定のビデオゲームのゲームプレイ中に、ユーザインタフェースを介してゲームプレイヤーによって制御されるアバターの1以上の仕様であり、ビデオゲームのプレイジェネレータまたはゲームエンジンによって生成される。例えば、アバターは、アクション対戦ゲームの特定のファイターまたはアバターの特定の能力であってもよい。また、アバターは、カーシミュレーションゲームの特定の車両、または最大速度などの特定の車両の性能または仕様でもよい。このため、メモリ205に記憶されうるゲーム命令およびゲームデータ202のトリガメトリック218は、ゲームプレイの特定のしきい値に達するまで、デモモードでゲームプレイヤーがビデオゲームのキャラクタフィーチャーの一部または全てを遊ぶことが可能となるように、プロセッサ203を制御するように実装されうる。このため、トリガメトリックには、一般に、ゲームプレイに関連するしきい値が含まれうる。その後、デモモードでのゲームプレイ中に、トリガメトリックは、1つ以上の関連するキャラクタフィーチャーを制限、阻止するか、あるいは他の方法によって無効化する一方で、ゲームプレイヤーが他のキャラクタフィーチャーのゲームプレイを続けることを許可するように構成される。
【0021】
例えば、トリガメトリックは、例えば、ゲームプレイのいくつかのしきい値に達した後に、速度を連続的に低下させるなどによって、通常の非デモモードのゲームプレイで使用可能な特定の車両の最大速度へのアクセスを、例えばゲームプレイ中に徐々に除去または制限する。別の実施形態では、トリガメトリックは、特定のしきい値に達した後に、特定の車両へのアクセスを禁止してもよい。更に別の例では、トリガメトリックは、対戦用アバターの最大の強さの値を徐々に低下させるように実装されてもよい。これらの例に示したようにキャラクタフィーチャーを限定することによって、ゲームプレイヤーは、最初は、1つ以上のトリガメトリックにより、デモモード中でも、ゲームの完全版と同じゲームゲームプレイ特性の大半あるいは全てを体験することができる。しかし、デモモードでは、ゲームのフィーチャーが無効化されて、ビデオゲームの完全版と比べて次第に削除されるか他の方法で限定されるのに伴い、ゲームを続けるためにパーミッションを購入するようにゲームプレイヤーが誘導されうる。また、このことが、ゲームプレイヤーが、最初に魅力的なゲームフィーチャーを経験した後に、このようなゲームフィーチャーが限定された状態でゲームを遊ばせるように行なわれうる。その後、任意選択で、パーミッション(例えばキー、パスワードなど)が取得されて、ゲーム命令およびゲームデータに提供されると、非デモモードで通常ゲームプレイまたは完全なゲームプレイが復元されうる。
【0022】
同様に、トリガメトリック218は、ゲームのオブジェクトフィーチャーを含むゲームプレイ特性220にアクセスするためにも制御されてもよい。例えば、シューティングゲームまたは対戦ゲームでは、異なるトリガメトリックによって、武器などの特定のオブジェクトが、遊ぶことができないように無効化され1つ以上が除去されうる。更に別の例では、トリガメトリックの異なるゲームプレイしきい値に基づいて、異なる武器が連続的に除去される。この結果、ゲームプレイが続くと、シューターは、最初に、低級な武器すなわち破壊度の低い武器よりも、高度な武器すなわち破壊度の高い武器を使用できなくなり、連続的に武器が減り、最終的には単純な武器しか使用できなくなくなったり、武器が一切使用できなくなるが、ゲームプレイヤーは、除去されたフィーチャーを除いてはゲームを遊ぶことができる。
【0023】
同様に、トリガメトリックは、ゲームプレイの環境フィーチャーに関連するゲームプレイ特性220を限定するようにも構成されうる。例えば、ゲームプレイ音声、触覚応答、明るさ、ゲームプレイの視覚化の色強度、ゲームによって制御される他の特徴、あるいは、マルチプレイヤ環境等における他のゲームプレイヤーが、ゲームプレイの進行に伴い、1つ以上のトリガメトリックの関数として、それぞれ限定されうる。同様に、触覚応答、音声、視覚化、他のゲームプレイヤーなど他の環境フィーチャーが、トリガメトリックの関数としてゲームプレイから限定されうるが、前述のように適当なパーミッションが取得されて入力されると再び有効化されうる。
【0024】
同様に、1つ以上のトリガメトリックが、ビデオゲームのイベントフィーチャーを限定するために構成されうる。例えば、レースゲームにおいて、特定のゲームプレイしきい値に達した後は、ゲームプレイヤーがレーストラックの使用を続けることができるものの、レースを完了することができないように、ゲームの特定のレーストラックの終了イベントが無効化されうる。更に別の例では、ゲームプレイの異なるレベルが、トリガメトリックによって除去されてもよい。例えば、デモ版を遊ぶゲームプレイヤーが、最初に使用可能なゲームプレイの特定のレベルが、パーミッションを得なければゲームプレイヤーがこのレベルにアクセスできないように、トリガメトリックに基づくゲームプレイの何らかのしきい値に基づいて除去されうる。例えば、レースカーゲームなどのカーシミュレーションゲームにおいて、異なるレーストラックが、1つ以上のトリガメトリックに基づいて、ゲームプレイのしきい値として連続的に除去されうる。しかし、この場合でも、ゲームプレイヤーは、トリガメトリックに関連しないゲームプレイの他のレベルは遊び続けることができる。特定のレベルにアクセスせずにゲームが更に進むと、ほかのトリガメトリックが、別のゲームプレイのレベルを除去しうる。
【0025】
更に図2に示されるように、トリガメトリックのさまざまなタイプを実装することができる。一部の実施形態では、トリガメトリックは、時間ベースでもよい。例えば、1つ以上のゲームプレイ特性を制御するか限定するために、1つ以上の実時間のしきい値が記憶されうる。現在の日時が、各しきい値と比較され、現在の実時間が各実時間しきい値と一致するかこれを越えると、各しきい値に関連するゲームプレイ特性が、制限または無効化されうる。このような場合、しきい値は、デモビデオゲームのインストールの日付および/または時間をベースにしてもよく、しきい値は、ビデオゲームが実際に遊ばれた時間を問わず、インストール後の特定の期間などである。
【0026】
一部の実施形態では、時間ベースのトリガメトリックが、デモビデオゲームでの実際のゲームプレイの累積時間に関連してもよい。このため、1つ以上のしきい値は、それぞれ、ユーザがデモビデオゲームを遊んだ時間をモニタまたは記録するプレイタイマーと比較される時間値でもよい。このような場合、しきい値は、異なるゲームプレイ特性に関連しうる。このため、ゲームプレイヤーがプレイを続けた結果、異なるゲームプレイ特性が、異なる時間値によるいくつかのしきい値を使用して、次第に除去されうる。
【0027】
更に別の実施形態では、いくつかのトリガメトリックが、実時間ゲームプレイ値と実時間値とのしきい値を有して実装されてもよい。例えば、実時間トリガメトリックしきい値と実時間ゲームプレイトリガメトリックしきい値との両方に達するまで、関連するゲームプレイ特性の限定が行なわれないように、特定のゲームプレイ特性が、複数のトリガメトリックに関連付けられてもよい。更に別の例では、一部のゲームプレイ特性が実時間トリガメトリックによって制御され、他のゲームプレイ特性がゲームプレイトリガメトリックの実時間によって制御されるように、デモビデオゲームの異なるゲームプレイ特性が、異なるトリガメトリックによって制御されてもよい。
【0028】
更に別の実施形態では、トリガメトリックは、ステージベースでもよい。例えば、1つ以上のゲームプレイ特性の限定を抑制するために、ゲームプレイヤーがゲームプレイの特定のステージにアクセスするかまたはこれを終了したか、あるいは、ビデオゲームの特定のイベントまたはレベルにアクセスするかまたはこれを終了した回数のしきい値が実装されてもよい。このため、ゲームのゲームプレイ特性のイベントフィーチャー、レベルフィーチャーまたはステージフィーチャーへのアクセスをモニタするためのカウンタが実装されうる。次に、このカウンタが、回数のしきい値と比較されうる。カウンタがしきい値と一致するかまたはこれを越えると、トリガメトリックによって制御されている特定のゲームプレイ特性が無効化されうる。一部の実施形態では、トリガメトリックによって制御される特定のゲームプレイ特性が、カウント対象のイベントと同じでもよい。しかし、他の実施形態では、カウント対象のイベントと、トリガメトリックによって制御されているゲームプレイ特性とが異なってもよい。例えば、一部の実施形態では、ゲームにおいて、レースゲームの特定のトラックを特定の回数終了すると、別のゲームプレイ特性(例えば車両のタイプ)が、特定のイベントベースのトリガメトリックによって限定されうる。このような実施形態では、ゲームプレイヤーは、第1のトリガメトリックによって無効化された車両が使用できない点を除いては、デモビデオで同じトラックのゲームプレイを続けることができる。任意選択で、同じトラックに、追加の回数のしきい値に基づく追加のトリガメトリックが実装されてもよい。追加のトリガメトリックのしきい値に達すると、トラック自体がこの追加のトリガメトリックの制御下で無効化されうる。このようにして、各種ゲームプレイ特性またはゲームプレイ特性のグループが、デモゲームから次第に限定されうる。
【0029】
したがって、本技術の代表的な例示の実施形態が、図3に示すような方法論によって構成されうる。ステップ322において、ビデオゲームが、ゲームプレイに基づいてゲームプレイ特性を限定するためのトリガメトリックを含むことにより、デモモードのビデオゲームとして実装される。ステップ324において、トリガメトリックの関数として、ゲームプレイ特性がゲームプレイ中に限定される。ステップ326において、トリガメトリックを無効にし、これにより、デモビデオゲームを、フル機能版すなわち完全版に復元させるための適当なパーミッションを取得することによって、ゲームプレイがフルビデオゲームモードすなわち非デモモードに復元されうる。
【0030】
更に別の例が、図4の図に示される。図4は、第1のビデオゲームのディスプレイ430と第2のビデオゲームのディスプレイ432とを示している。最初、デモビデオゲームを遊んでいるゲームプレイヤーは、第1のゲームディスプレイ430の第1のオブジェクト01として示されている図のゲームプレイ特性を使用することができる。しかし、第1のオブジェクトに関連するトリガメトリックを無効化するためのパーミッションがない場合、関連するトリガメトリックがしきい値に一致するかまたはこれを越えると、第1のオブジェクト01がゲームプレイでその使用が限定され、その後のゲームプレイ中に使用できなくなるか、あまり魅力のない形でしか使用できないようになる。このため、このトリガメトリックの結果、第2のゲームディスプレイ432に示すように、ビデオゲームのデモモードによるその後のゲームプレイでは、ゲームプレイヤーは、あまり魅力のない第2のオブジェクト02しか使用できなくなる。しかし、トリガメトリックおよびデモモードを無効化するために適切なパーミッションが入力されると、オブジェクト01が、第2のゲームディスプレイ432に関連する特定のゲームプレイ時間におけるゲームプレイの通常の過程でゲームで使用可能となる。
【0031】
少なくとも1つのトリガメトリックを有して実装されるデモビデオゲームの更に別の実施形態が、図5のゲームディスプレイ534、536、538および540に関して図示されている。この例では、デモビデオゲームは、カーシミュレーションレースゲームを実装する。このため、第1のゲームディスプレイ534において、ゲームプレイヤーは、デモビデオゲームのインストール後、初期状態では、ビデオゲームの完全版のトラックA、B、CまたはDの全てにアクセスすることができる。しかし、ゲームプレイヤーが遊び続けると、多くのレースへのアクセスおよび/またはその完了に基づきうる1つ以上のトリガメトリックがトラックへのアクセスを連続的に限定する一方で、制限されたレベルだけ遊ぶことができる。
【0032】
このため、第2のゲーム表示536に示すように、適切なトリガメトリックおよびしきい値に基づいて、別のレースを終了するかまたはこれにアクセスした後に、最初にデモゲームユーザが使用できたレーストラックCとDとが無効化されうる。更に別のレースを使用してゲームプレイを続けると、図5の第3のゲームディスプレイ538に示す状態のように、更にトラックBが、別のトリガメトリックおよびしきい値によって無効化されうる。最後に、例えば、ユーザがビデオゲームの完全版に対する権利を購入するなど、適切なパーミッションが取得されると、図5の第4のゲームディスプレイ540に示すように、ゲームプレイ特性が、最初のゲームプレイヤーに対する利用可能な範囲に復元しうる。
【0033】
図5の例では、1つ以上のトリガメトリックに関連しうるプレイカウンタは、各レースについてゲームプレイヤーが使用した特定のトラックを問わず、レースまたはイベントの単純な総カウント数をレース数としてベースにしうる。しかし、一部の実施形態では、この総数が、特定のレーストラックをベースにしてもよく、この場合、トリガメトリックは、プレイ済みの特定のレーストラックを限定する一方で、未プレイのレーストラックを使用可能な状態に残す。また、図5にはレーストラックとして要素A、B、CおよびDが図示されているが、これらは他のどのようなゲームゲームプレイ特性でもよい。例えば、これらの要素が、カーシミュレーションゲームにおける特定の車両でも、またはキャラクタベースのアクションまたはアドベンチャーゲームにおける特定のキャラクタなどでもよい。
【0034】
前述の記載および添付の図面において、本技術を完全に理解できるように、固有の技術用語および図面の符号を記載した。場合によっては、技術用語および符号が、本技術を実施するために必要ではない具体的な詳細を示すことがある。例えば、「第1の」「第2」との用語を本明細書で使用したが、特段の断りのない限り、これらの文言は、任意の所定の順序またはカウントを与えるものではなく、単に本技術の構成要素の説明を補助するためものに過ぎない。
【0035】
また、本明細書に記載の技術を、特定の実施形態を参照して記載したが、これらの実施形態が単に本技術の原理および用途を示すに過ぎないことを理解すべきである。このため、説明のための実施形態に多くの変更を行なうことができ、本技術の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の構成を考案できることを理解すべきである。例えば、本明細書に記載のゲームプレイ特性などの1つの特定のゲームプレイ特性を制御するために、本明細書に記載のトリガメトリックの例の複数のトリガメトリックの任意の組み合わせが実装されてもよい。また、デモビデオゲームにおいてゲームプレイ特性の異なるグループを管理するために、このようなトリガメトリックのどのような組み合わせが実装されてもよい。更に、一部の実施形態では、特定のゲームプレイ特性を限定するトリガメトリックが有効化されると、限定させたゲームプレイ特性をユーザすなわちゲームプレイヤーに通知するためのメッセージが送信されてもよい。このメッセージにより、ゲームプレイヤーは、ビデオゲームの非デモモードに入るか、ありは、このトリガメトリック、およびビデオゲームのデモモードの一部である任意の追加の(前および/または後の)トリガメトリックを他の方法で無効化するためのパーミッションを入力および/または取得する機会を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェアゲームを遊び続けるためのパーミッションを取得させるようにユーザを誘導するために前記ソフトウェアゲームを配信する方法であって、
キャラクタフィーチャー、オブジェクトフィーチャー、環境フィーチャーおよびイベントフィーチャーの少なくとも1つを含む複数のゲームプレイ特性を有し、前記複数のゲームプレイ特性を使用することを前記ユーザに許可するようにプログラムされており、少なくとも1つのトリガメトリックを有するように更にプログラムされているソフトウェアゲームを提供するステップと、
前記ユーザによる前記ソフトウェアゲームの使用の結果、前記少なくとも1つのトリガメトリックの関数として、前記ゲームプレイ特性の少なくとも1つの利用可能な範囲を限定する一方で、前記ソフトウェアゲームを遊ぶことに関しては前記ユーザに引き続き許可するステップと、
前記ソフトウェアゲームを遊び続けるためのパーミッションを受領すると、前記限定されたゲームプレイ特性の利用可能な範囲を復元させるステップと、を有する方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのトリガメトリックは時間ベースの関数である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記時間ベースの関数は経過した実時間である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記時間ベースの関数は経過したゲーム時間である請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記時間ベースの関数は経過した実時間および経過したゲーム時間の両方である請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのトリガメトリックはゲームイベントベースの関数である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ゲームイベントベースの関数はプレイの特定のステージの完了である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ゲームイベントベースの関数は、前記特定のステージの複数回の完了である請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記パーミッションの前記受領が前記少なくとも1つのトリガメトリックを無効化する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ソフトウェアゲームの限定は複数のトリガメトリックの連続的な関数としてゲームプレイ特性を除去する請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つのトリガメトリックはイベントベースの関数および時間ベースの関数である請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ゲームプレイ特性の少なくとも1つの利用可能な範囲の前記限定は、前記ソフトウェアゲームの前記ゲームプレイ特性のオブジェクトフィーチャーの使用の無効化を含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ゲームプレイ特性の少なくとも1つの利用可能な範囲の前記限定は、前記ソフトウェアゲームの前記ゲームプレイ特性の環境フィーチャーへのアクセスの無効化を含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ゲームプレイ特性の少なくとも1つの利用可能な範囲の前記限定は、前記ソフトウェアゲームの前記ゲームプレイ特性のイベントフィーチャーへのアクセスの無効化を含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ゲームプレイ特性の少なくとも1つの利用可能な範囲の前記限定は、前記ソフトウェアゲームの前記ゲームプレイ特性のキャラクタフィーチャーへのアクセスの無効化を含む請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ソフトウェアゲームを遊び続けるためのパーミッションを取得させるようにユーザを誘導するために前記ゲームとしてプロセッサを制御するためのプロセッサ制御命令を有する機械可読媒体であって、前記プロセッサ制御命令は、
キャラクタフィーチャー、オブジェクトフィーチャー、環境フィーチャーおよびイベントフィーチャーの少なくとも1つを含む、前記ソフトウェアゲームの複数のゲームプレイ特性を使用することを前記ユーザに許可するために、最初に前記複数のゲームプレイ特性を生成する命令と、
少なくとも1つのトリガメトリックによって、前記ユーザによる前記ソフトウェアゲームの前記複数のゲームプレイ特性の使用を制御する命令と、
前記ユーザによる前記ソフトウェアゲームの使用の結果、前記少なくとも1つのトリガメトリックの関数として、前記ゲームプレイ特性の少なくとも1つの利用可能な範囲を限定する一方で、前記ソフトウェアゲームを遊ぶことを前記ユーザに引き続き許可する命令と、
前記ゲームを遊び続けるためのパーミッションを受領すると、前記限定されたゲームプレイ特性の利用可能な範囲を復元させる命令と、を有する機械可読媒体。
【請求項17】
前記少なくとも1つのトリガメトリックは時間ベースの関数である請求項16に記載の媒体。
【請求項18】
前記時間ベースの関数は経過した実時間である請求項17に記載の媒体。
【請求項19】
前記時間ベースの関数は経過したゲーム時間である請求項17に記載の媒体。
【請求項20】
前記時間ベースの関数は経過した実時間および経過したゲーム時間の両方である請求項17に記載の媒体。
【請求項21】
前記少なくとも1つのトリガメトリックはゲームイベントベースの関数である請求項16に記載の媒体。
【請求項22】
前記ゲームイベントベースの関数はプレイの特定のステージの完了である請求項21に記載の媒体。
【請求項23】
前記ゲームイベントベースの関数は、前記特定のステージの複数回の完了である請求項22に記載の媒体。
【請求項24】
前記パーミッションを受領すると前記少なくとも1つのトリガメトリックを無効化する命令を更に有する請求項16に記載の媒体。
【請求項25】
利用可能な範囲を限定する前記命令は複数のトリガメトリックの連続的な関数としてゲームプレイ特性を除去する請求項16に記載の媒体。
【請求項26】
前記少なくとも1つのトリガメトリックはイベントベースの関数および時間ベースの関数である請求項16に記載の媒体。
【請求項27】
前記ゲームプレイ特性の少なくとも1つの利用可能な範囲を限定する前記命令は、前記ソフトウェアゲームの前記ゲームプレイ特性のオブジェクトフィーチャーの使用を無効化することを有する請求項16に記載の媒体。
【請求項28】
前記ゲームプレイ特性の少なくとも1つの利用可能な範囲を限定する前記命令は、前記ソフトウェアゲームの前記ゲームプレイ特性の環境フィーチャーへのアクセスを無効化することを有する請求項16に記載の媒体。
【請求項29】
前記ゲームプレイ特性の少なくとも1つの利用可能な範囲を限定する前記命令は、前記ソフトウェアゲームの前記ゲームプレイ特性のイベントフィーチャーへのアクセスを無効化することを有する請求項16に記載の媒体。
【請求項30】
前記ゲームプレイ特性の少なくとも1つの利用可能な範囲を限定する前記命令は、前記ソフトウェアゲームの前記ゲームプレイ特性のキャラクタフィーチャーへのアクセスを無効化することを有する請求項16に記載の媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−501720(P2012−501720A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526028(P2011−526028)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/002749
【国際公開番号】WO2010/027386
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(500551079)ソニー コンピュータ エンタテインメント アメリカ リミテッド ライアビリテイ カンパニー (95)
【Fターム(参考)】