説明

フィールド機器及び表示制御方法

【課題】ヒューマンマシンインターフェースを直観的に、かつ簡易に操作することができる操作性の高いフィールド機器等を提供する。
【解決手段】一の赤外線スイッチが操作されてから所定時間以内に他の赤外線スイッチが操作されたことを検出する動作解析手段と、前記動作解析手段による検出結果に基づいて、所定のスライド動作を選択する動作選択手段と、を備える。表示手段は、前記動作選択手段により選択された前記スライド動作として、前記インタフェース画面の表示の切り替えを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報入力を受け付けるためのインタフェース画面を表示する表示手段と、前記インタフェース画面の表示の切り替えのための操作を受け付ける複数の赤外線スイッチと、を備えるフィールド機器等に関し、特に操作性の高いフィールド機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
図10は、コリオリ流量計などの従来のフィールド機器のヒューマンマシンインターフェースとして機能する表示器の構成を示す図である。表示器を介してそのフィールド機器に対するパラメータ等の設定を行うことができる。
【0003】
図10に示すように、表示器には、LCD等による表示部90と、ガラス面を隔てて操作可能な赤外線スイッチ91、92、93と、が設けられている。赤外線スイッチは、赤外線を照射する発光部と反射物で反射した赤外線を受光する受光部などから構成され、所定位置に指などの反射物が置かれたかどうかを、反射した光量で判別するように構成されている。赤外線スイッチの配置場所の制限、及びコスト低減の観点から、図10に示すように、所定の数の赤外線スイッチを横一列で配列する構成になっている。そして、表示部90に表示されたカーソルを移動させる際には、カーソルの右移動を赤外線スイッチ91への操作、カーソルの上移動を赤外線スイッチ92と93の同時押し、カーソルの左移動を赤外線スイッチ91と92の同時押し、カーソルの下移動を赤外線スイッチ93への操作・・・等と取り決めることにより、スイッチによるカーソルの移動を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−037563号公報
【特許文献2】特開2006−260353号公報
【特許文献3】特開2008−232707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、限られた数しかない赤外線スイッチの状態(オン、オフ)の組み合わせでは、割り当てられる操作パターンの数を多くできない。スイッチの数を増やせば組み合わせの増大により操作パターンは増えるが、スイッチの増加はコストがかかる。さらに、複数のスイッチの同時押しでは、どの組み合わせがどの操作になるか、ユーザーが直観的にはわからないという問題もある。また、同時押しの場合、2本以上の指が必要となるが、操作部分がユーザーの正面にないと操作しづらいという問題がある。また、特に指が太い場合、同時に上手く押せないという問題もある。さらに、同時に押す場合、ユーザーは人差し指と中指を使用することが多い。しかし、人差し指と中指は長さが異なるので、限られたスペースの同一平面上に配置されたスイッチを同時に押しにくい。
【0006】
本発明の目的は、ヒューマンマシンインターフェースを直観的に、かつ簡易に操作することができる操作性の高いフィールド機器等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のフィールド機器は、情報入力を受け付けるためのインタフェース画面を表示する表示手段と、前記インタフェース画面の表示の切り替えのための操作を受け付ける複数の赤外線スイッチと、を備えるフィールド機器において、前記一の赤外線スイッチが操作されてから所定時間以内に前記他の赤外線スイッチが操作されたことを検出する動作解析手段と、前記動作解析手段による検出結果に基づいて、所定のスライド動作を選択する動作選択手段と、を備え、前記表示手段は、前記動作選択手段により選択された前記スライド動作として、前記インタフェース画面の表示の切り替えを実行することを特徴とする。
このフィールド機器によれば、スライド操作に応じたスライド動作を選択できるため、スイッチの数が限られる場合でも、より多くの操作が可能となる。また、指一本で複数の操作が可能になり、操作性を向上させることができる。さらに、直観的な操作も可能になる。
【0008】
前記表示手段は、前記動作解析手段により選択された前記スライド動作として、スライドする動きを含む表示の切り替えを実行してもよい。
【0009】
前記複数の赤外線スイッチは、同一直線上に配置されてもよい。
【0010】
前記一の赤外線スイッチに対する操作が終了した後、前記他の赤外線スイッチが操作されたことが前記動作解析手段により検出された場合に限り、前記動作選択手段は前記スライド動作を選択してもよい。
【0011】
本発明の表示制御方法は、情報入力を受け付けるためのインタフェース画面を表示する表示手段と、前記インタフェース画面の表示の切り替えのための操作を受け付ける複数の赤外線スイッチと、を備えるフィールド機器に対する表示制御方法において、前記一の赤外線スイッチが操作されてから所定時間以内に前記他の赤外線スイッチが操作されたことを検出する動作解析ステップと、前記動作解析ステップによる検出結果に基づいて、所定のスライド動作を選択する動作選択ステップと、を備え、前記表示手段は、前記動作選択手段により選択された前記スライド動作として、前記インタフェース画面の表示の切り替えを実行することを特徴とする。
この表示制御方法によれば、スライド操作に応じたスライド動作を選択できるため、スイッチの数が限られる場合でも、より多くの操作が可能となる。また、指一本で複数の操作が可能になり、操作性を向上させることができる。さらに、直観的な操作も可能になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のフィールド機器によれば、スライド操作に応じたスライド動作を選択できるため、スイッチの数が限られる場合でも、より多くの操作が可能となる。また、指一本で複数の操作が可能になり、操作性を向上させることができる。さらに、直観的な操作も可能になる。
【0013】
本発明の表示制御方法によれば、スライド操作に応じたスライド動作を選択できるため、スイッチの数が限られる場合でも、より多くの操作が可能となる。また、指一本で複数の操作が可能になり、操作性を向上させることができる。さらに、直観的な操作も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】フィールド機器の回路構成例を示すブロック図。
【図2】表示器の外観正面図。
【図3】スライド動作の説明図。
【図4】スライド動作の説明図。
【図5】スライド動作の組み合わせ例を示す表。
【図6】フィールド機器の動作を示すフローチャート。
【図7】他の例のフィールド機器の外観正面図。
【図8】他の例のフィールド機器の要部断面図。
【図9】反射物と赤外線スイッチの距離と、赤外線受光素子の出力電圧との関係を示す図。
【図10】従来のフィールド機器のヒューマンマシンインターフェースを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明によるフィールド機器の一実施形態について説明する。
【0016】
図1は、フィールド機器の構成例を示すブロック図、図2は表示器の外観正面図である。図1及び図2では、赤外線スイッチを3つ備えたフィールド機器を例に説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態のフィールド機器は、後述する第1スイッチ31、第2スイッチ32および第3スイッチ33(図2)からの信号をそれぞれ受ける第1スイッチ受信部1、第2スイッチ受信部2および第3スイッチ受信部3と、第1スイッチ受信部1、第2スイッチ受信部2および第3スイッチ受信部3からの信号に基づいて、上記スイッチ群に対する操作の状況を解析する動作解析手段4と、動作解析手段4における解析結果に基づいて上記スイッチ群への操作に対応する動作を選択する動作選択手段5と、表示手段30(図2)における現在の表示情報を保持する表示状態保持部6と、表示手段30(図2)における表示状態やフィールド機器のパラメータを更新する指示を出力する更新部7と、フィールド機器のパラメータを保持するパラメータ保持部8と、通信による外部からの情報を受け付ける通信受信部9と、を備える。
【0018】
図2に示すように、フィールド機器には、ヒューマンマシンインターフェースとしての表示器100が設けられ、表示器100の中央部にはLEDなどにより構成される表示画面を具備する表示手段30が配置されている。その表示画面の下方には、赤外線スイッチである第1スイッチ31、第2スイッチ32および第3スイッチ33が横一列に並んで配置されている。第1スイッチ31乃至第3スイッチ33は、それぞれ赤外線発光素子(不図示)、赤外線受光素子(不図示)を備えており、赤外線によって指又は手等の反射物10を検出するとオンする。
【0019】
次に、本実施形態のフィールド機器の動作について説明する。
【0020】
使用者が第1スイッチ31に指又は手等を反射物10としてかざすと、第1スイッチ31の赤外線発光素子(不図示)から照射されて表示器100の透明部材等からなるカバー(不図示)を介して射出されている赤外線が、反射物10により反射される。そして、第1スイッチ受信部1が備える赤外線受光素子(不図示)が、表示器のカバーを介して戻ってきた反射光を受光する。同様に、使用者が第2スイッチ32に指等をかざした場合には、第2スイッチ受信部2が備える赤外線受光素子(不図示)が反射光を受光して信号受信する。使用者が第3スイッチ33に指等をかざした場合には、第3スイッチ受信部3が備える赤外線受光素子(不図示)が反射光を受光する。
【0021】
各スイッチ受信部1〜3は、赤外線受光素子が受光した反射光の強さに応じた電圧を発生し、当該電圧が所定閾値電圧以上になったときにスイッチが押された(オン)と判断する。なお、後述の説明において、スイッチに触れずに指等をかざすことを、便宜上スイッチを押すと言う。
【0022】
第1スイッチ31〜第3スイッチ33のいずれかのスイッチが押されると、押されたスイッチに対応する第1スイッチ受信部1〜第3スイッチ受信部3が信号を受信する(図1)。
【0023】
図1に示すように、第1スイッチ受信部1〜第3スイッチ受信部3からの信号は動作解析手段4に送信される。動作解析手段4は各スイッチ31乃至33の状態(オン、オフ)、継続時間等のスイッチの動作を解析するスイッチ動作解析部4a、及びスイッチに対するスライド操作の有無等を解析するスライド動作解析部4bを備える。動作選択手段5は動作解析手段4の解析結果と表示状態保持部6に保持されている現在の表示情報を用いて表示手段30における表示やパラメータ変更などの動作を選択する。選択された動作に基づいて更新部7が表示手段30の表示状態を変更したり、パラメータ保持部8に保存されているパラメータを変更する。表示状態の変更は、例えば、測定表示結果の変更、表示の左右移動、上下移動、表示プロセス値の変更、数字の桁移動、数字のインクリメント、数字のデクリメント等である。
【0024】
また、更新部7は、通信受信部9より外部から受信した情報に基づいて表示手段30の表示状態を変更し、あるいは、パラメータ保持部8に保存されているパラメータを変更する。
【0025】
図3及び図4は、スライド動作を説明する図である。本実施形態のフィールド機器では、第1スイッチ31〜第3スイッチ33に対するスライド操作を検出した場合に、そのスライド操作に対応するスライド動作を実行する。各スイッチ31〜33の何れかのスイッチを押した後、所定時間(例えば、100msec)以内に他のスイッチを押した場合、動作解析手段4はスライド操作と認識する。スライド操作が認識されると、表示手段30の画面表示において、例えば、カーソルのスライドや、表示状態の履歴に従った表示画面の切り替えなどの表示状態の変更が行われる。
【0026】
図3(A)は第2スイッチ32が押されてから所定時間以内に第1スイッチ31が押された場合の例であり、図3(B)は、その後の表示手段30の表示状態変更後の表示例である。具体的に、「Basic Setup」とその下位階層の「Tag」、「Long Tag」、「Display config」が表示されている状態から(図3(A))、「Basic Setup」の上位階層の表示(図3(B))へ変更された例である。変更後は、「Basic Setup」の上位階層である「Main Menu」と「Main Menu」の下位階層の「Basic Setup」、「Detailed Setup」 、「Review device info」が表示される。使用者は、反射物10である指等を第2スイッチ32の前面から第1スイッチ31の前面に指を移動させるスライド操作を行うだけで、表示状態を切り替えることができる。また、スライド操作の方向と同一方向にカーソルを移動させるような表示の切り替えを行なっているため、スライド操作と画面表示の展開との関係を容易に把握することができる。
【0027】
図4(A)は具体的に、第2スイッチ32が押されてから所定時間以内に第3スイッチ33が押された場合の例であり、図4(B)は、その後の表示手段30の表示状態変更後の表示例である。「DEN」(密度)の値が表示されている状態から(図4(A))、「DEN」(密度)の右に表示されるように設定されている「TMP」(温度)に変更された例である(図4(B))。使用者は、反射物10である指等を第2スイッチ32の前面から第3スイッチ33の前面に移動させるスライド操作を行うだけで、表示状態を切り替えることができる。この場合にも、スライド操作の方向と同一方向にカーソルをスライドさせるような表示の切り替えを行なっているため、スライド操作と画面表示の展開との関係を容易に把握することができる。なお、スライド操作の方向と逆方向にカーソルを移動させるような表示の切り替えを行なうようにしてもよい。例えば、紙をめくる感じで、反射物10である指等を右にスライドさせたら、カーソルを左に移動させてもよい。
【0028】
図5はスライド動作の組み合わせ例を示す表である。
【0029】
動作解析手段4は、各スイッチ31〜33のオン・オフ状態とその継続時間を解析し、動作選択手段5が押された順番に基づいてスライド動作を選択する。押された順番に対し各スライド動作が対応付けられている。図5に示す例では、第1スイッチ31が1番目に押され、第2スイッチ32が2番目に押され、第3スイッチ33が3番目に押された場合、動作選択手段5はスライド動作Aを選択する。更新部7はスライド動作Aに対応する表示手段30を更新し、又は、パラメータ保持部8に保存されているパラメータを変更する。
【0030】
例えば、横一列に並べられたスイッチ31〜33を一番右のスイッチである第3スイッチ33から、第2スイッチ32、第1スイッチ31の順で押す場合を、表示手段30の表示を前の表示状態に戻すというスライド動作Dに対応付ければ、より直観的な操作が可能になる。表示手段30の表示を前の表示状態に戻す動作は、表示状態の履歴に基づいて実行できる。
【0031】
図6は、フィールド機器の動作を示すフローチャートである。以下、図6に沿って動作の詳細を説明する。
【0032】
動作解析手段4のスイッチ動作解析部4aは、スイッチ31〜33の何れかのスイッチが押されたか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1の判定の結果、スイッチが押されていない場合には(ステップS1:N)、ステップS1へ戻る。
【0033】
ステップS1の判定の結果、スイッチが押された場合には(ステップS1:Y)、動作解析手段4のスライド動作解析部4bは、所定時間以内に他のスイッチが押されたか否かを判定する(ステップS2)。他のスイッチとは、ステップS1で押されたスイッチ以外のスイッチである。例えば、ステップS1で第1スイッチ31が押された場合には、所定時間以内に第2スイッチ32又は第3スイッチ33が押されたか否かを判定する。
【0034】
ステップS2の判定の結果、所定時間以内に他のスイッチが押されてない場合には(ステップS2:N)、動作選択手段5はステップS1で押されたスイッチに対応する動作を選択し(ステップS3)、ステップS1に移行する。
【0035】
ステップS2の判定の結果、所定時間以内に他のスイッチが押された場合には(ステップS2:Y)、スライド動作解析部4bは、所定時間以内に他のスイッチが押されたか否かを判定する(ステップS4)。他のスイッチとは、ステップS1及びステップS2で押されたスイッチ以外のスイッチである。例えば、ステップS1で第1スイッチ31が押され、かつ、ステップS2で第2スイッチ32が押された場合には、所定時間以内に第3スイッチ33が押されたか否かを判定する。また、他のスイッチは、ステップS2で押されたスイッチ以外のスイッチであってもよい。例えば、ステップS1で第1スイッチ31が押され、かつ、ステップS2で第2スイッチ32が押された場合には、所定時間以内に第1スイッチ31又は第3スイッチ33が押されたか否かを判定する。
【0036】
ステップS4の判定の結果、所定時間以内に他のスイッチが押されてない場合には(ステップS4:N)、動作選択手段5は、対応するスライド動作を選択し(ステップS5)、ステップS1に戻る。例えば、ステップS1で第1スイッチ31が押され、かつ、ステップS2で第2スイッチ32が押された場合には、第1スイッチ31が1番目に押され、第2スイッチ32が2番目に押された場合のスライド動作Bが選択される(図5)。この場合には、例えば、図3あるいは図4に相当する表示の切り替えが実行される。
【0037】
ステップS4の判定の結果、所定時間以内に他のスイッチが押された場合には(ステップS4:Y)、動作選択手段5は、対応するスライド動作を選択し(ステップS6)、ステップS1に戻る。例えば、ステップS1で第1スイッチ31が押され、かつ、ステップS2で第2スイッチ32が押され、ステップS4で第3スイッチ33が押されたた場合には、第1スイッチ31が1番目に押され、第2スイッチ32が2番目に押され、第3スイッチ33が3番目に押された場合のスライド動作Aが選択される(図5)。
【0038】
なお、ステップS2、ステップS4の判断に際して、スイッチ動作解析部4aは直前に押されていたスイッチが離されたか(オフとされたか)否かを判定するよう構成することもできる。そして、動作選択手段5は、直前に押されたスイッチがオフとなったことが確認された場合に限り、ステップS2、ステップS4の判断を肯定してもよい。例えば、ステップS1で第1スイッチ31が押され、かつ、ステップS2で所定時間以内に第2スイッチ32が押されていることが認められる場合であっても、ステップS2の判断の時点で第1スイッチ31と第2のスイッチ32が同時に押されている場合を排除することにより、スライド操作と2つのスイッチの同時押しを確実に区別できる。
【0039】
以上のように、本実施形態のフィールド機器では、一のスイッチ31〜33がオンとされたことを判定してから、所定時間以内に他のスイッチ31〜33がオンとされたか否かを判定する動作解析手段4と、動作解析手段4が一のスイッチ31〜33がオンとされたことを判定してから、所定時間以内に他のスイッチ31乃至33がオンとされたことを判定すると、所定のスライド動作を選択する動作選択手段5とを備えている。このため、スイッチの数が限られる場合でも、より多くの操作が可能となる。また、指一本で複数の操作が可能になり、操作性を向上させることができる。さらに、直観的な操作も可能になる。
【0040】
なお、本実施形態では、スイッチ31〜33を全てスライド動作に使用したが、特定のスイッチのみを使用するよう構成することもできる。また、スライド動作は特定のスイッチから始まるよう構成することもできる。例えば、スライド動作は必ず第2スイッチ31から始まると限定することにより、スライド操作の誤検出を防ぐことができる。
【0041】
なお、本実施形態では、スイッチ31〜33を横一列に配列させたが、スイッチの配列は任意である。横一列に限らず、上下左右、縦一列に配列してもよい。
【0042】
図7は、他の例のフィールド機器の外観正面図である。
【0043】
図7(A)の表示器200では、表示手段40の表示画面が表示器200の正面に備えられている。そして、第1スイッチ41、第2スイッチ42及び第3スイッチ43が表示画面の下部に備えられている。その他の構成は本実施形態のフィールド機器100と同様である。このように、スイッチを上下左右に配置することにより、横方向と縦方向に指を動かすことができるようになり、両方向に対して直観的な操作を行うことができる。
【0044】
また、一つのスイッチを押したまま、他のスイッチによるスライド動作を識別できるよう構成し、操作パターンを増やすこともできる。例えば、第1のスイッチ41を押したまま、第2のスイッチおよび第3のスイッチが順次、オンするようにスライド操作する操作パターンを設けることができる。この場合、上記操作パターンは、第1のスイッチ41を押さずに第2のスイッチおよび第3のスイッチのみを順次、オンさせるようなスライド操作と区別することが可能となるため、操作パターンを増加させることができる。
【0045】
図7(B)の表示器300では、表示手段50の表示画面が表示器300の正面に備えられている。そして、第1スイッチ51、第2スイッチ52、・・・、第9スイッチ59が表示画面の下部に備えられている。その他の構成は表示器100と同様である。
【0046】
このように、スイッチを格子状に配列することにより、縦横に限らず斜め方向に指を動かすスライド操作ができるようになり、より直観的な操作を行うことができる。さらに、図7(B)に示すようにポインタ60を用いた操作ができるように構成してもよい。例えば、スイッチ動作又はスライド動作でポインタ60を右向き矢印マーク61又は左向き矢印マーク62上に移動させて、スイッチ動作又はスライド動作でポインタ60をクリック操作することで、右向き矢印マーク61又は左向き矢印マーク62に対応付けられた動作モードが選択されるように構成することもできる。この場合、より柔軟な操作ができるようになる。
【0047】
図8は、高さ方向のスライド操作を識別するように構成されたフィールド機器の要部断面図である。
【0048】
図8に示す表示器400では、表示手段70の表示画面が表示器400の上方から視認できる位置に設けられており、赤外線スイッチが表示画面の下部に配置されている。使用者が、赤外線スイッチに、指又は手等を反射物10としてかざすことにより、赤外線発光素子からなる赤外線発光部71から発光された赤外線が反射物10に反射して、赤外線受光素子からなる赤外線受光部72が反射光を受光して信号受信する。赤外線は透明部材からなるカバー73を介して反射物10に反射する。このとき、反射物10と赤外線スイッチの距離に応じて、赤外線受光部72が受光する反射光の光量が変化する。
【0049】
図9は、反射物10と赤外線スイッチの距離と、赤外線受光部72の出力電圧との関係を示すグラフを示している。赤外線受光部72の出力電圧は、赤外線受光素子が受光した反射光の強さに応じて変化する。図9に示すように、反射物10が表示器400の表面から離れるにつれて、赤外線受光部72の出力電圧が下がる。例えば、赤外線受光部72の出力電圧が、閾値T以下になってから所定時間(例えば、100msec)以内に、閾値T以下になった場合、又は、閾値T以上閾値T以下になった場合に、反射物10が徐々に離れる方向へ移動していると判定する。このように、反射物10と表示器400との距離を高さ方向のスライド動作として判定し、対応するスライド動作を選択することもできる。このような方法を、図1〜図8に示した構成と適宜、組み合わせることにより、操作パターンを増やすことができる。
【0050】
上記各実施形態では、スライド動作の例として、表示手段30の表示画面における表示状態の変更動作について説明したが、数字、文字を選択し、入力するような動作をスライド動作としてもよい。この場合には、例えば、赤外線スイッチ群に対するスライド操作を行うことで、数字や文字の入力等を行うことができる。なお、複数の赤外線スイッチは、インタフェース画面の表示の切り替えのための操作を受け付ける用途以外にも、他の用途を兼用させてもよい。
【0051】
本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されることはない。本発明は、情報入力を受け付けるためのインタフェース画面を表示する表示手段と、前記インタフェース画面の表示の切り替えのための操作を受け付ける複数の赤外線スイッチと、を備えるフィールド機器に広く適用される。
【符号の説明】
【0052】
4 動作解析手段
5 動作選択手段
31 第1スイッチ(赤外線スイッチ)
32 第2スイッチ(赤外線スイッチ)
33 第3スイッチ(赤外線スイッチ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報入力を受け付けるためのインタフェース画面を表示する表示手段と、前記インタフェース画面の表示の切り替えのための操作を受け付ける複数の赤外線スイッチと、を備えるフィールド機器において、
一の赤外線スイッチが操作されてから所定時間以内に他の赤外線スイッチが操作されたことを検出する動作解析手段と、
前記動作解析手段による検出結果に基づいて、所定のスライド動作を選択する動作選択手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記動作選択手段により選択された前記スライド動作として、前記インタフェース画面の表示の切り替えを実行することを特徴とするフィールド機器。
【請求項2】
前記表示手段は、前記動作解析手段により選択された前記スライド動作として、スライドする動きを含む表示の切り替えを実行することを特徴とする請求項1に記載のフィールド機器。
【請求項3】
前記複数の赤外線スイッチは、同一直線上に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィールド機器。
【請求項4】
前記一の赤外線スイッチに対する操作が終了した後、前記他の赤外線スイッチが操作されたことが前記動作解析手段により検出された場合に限り、前記動作選択手段は前記スライド動作を選択することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィールド機器。
【請求項5】
情報入力を受け付けるためのインタフェース画面を表示する表示手段と、前記インタフェース画面の表示の切り替えのための操作を受け付ける複数の赤外線スイッチと、を備えるフィールド機器に対する表示制御方法において、
一の赤外線スイッチが操作されてから所定時間以内に他の赤外線スイッチが操作されたことを検出する動作解析ステップと、前記動作解析ステップによる検出結果に基づいて、所定のスライド動作を選択する動作選択ステップと、を備え、
前記表示手段は、前記動作選択手段により選択された前記スライド動作として、前記インタフェース画面の表示の切り替えを実行することを特徴とする表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−27027(P2013−27027A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163332(P2011−163332)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】