説明

フェロモンディスペンサー

本発明は、フェロモンまたはフェロモン含有液体を充填したフェロモン用ディスペンサーであって、(a)熱可塑性フィルム材料から成り、フェロモンを収容するための少なくとも1つの皿形状部領域(4)を有する、深絞り加工プラスチックフィルム(1)と;(b)熱可塑性フィルム材料から成り、深絞り加工プラスチックフィルムに連結されている、平面プラスチックフィルム(9)であって、前記平面フィルムが、深絞り加工プラスチックフィルムの1つまたは複数の皿形状部領域と一緒になって、耐久的に密封された、フェロモンまたはフェロモン含有液体を含有するチャンバーを形成する、前記平面プラスチックフィルム(9)と;(c)相互に連結されているプラスチックフィルムの領域にある凹部とを含む、フェロモン用ディスペンサーに関する。平面プラスチックフィルムはフェロモンに対して浸透性を有する。さらに、本発明は、このタイプのフェロモン用ディスペンサーの製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2種の相互に連結したプラスチックフィルムのフェロモンを充填したフェロモンディスペンサー、およびそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フェロモンは、農林業における昆虫制御剤として、その重要性が高まってきている。フェロモンを使用している、農業(特に園芸およびブドウ栽培)における現行の害虫防除方法は撹乱法として知られており、これは交尾撹乱技法または錯乱技法とも呼ばれている。この技法は、それぞれの交尾相手を誘引するために交尾期中にフェロモンを放出する一部の昆虫(通常、オスである)の挙動を利用する。高い物質濃度の人工的に調製したフェロモンが圃場に導入された場合、誘引された昆虫はその方向性を失い、もはやその交尾相手を見つけることはない。害虫防除でフェロモンを使用する別の現行法は、誘引剤として作用するフェロモンを使用する、トラップシステムでの大量捕獲である。多くのフェロモンは公知である。概説は、例えば、J. Vitae, Biologie in unserer Zeit 8, 112 (1978)、および「The Pherobase」(http://www.pherobase.com)で確認できる。
【0003】
フェロモンを使用する場合、出来る限り長期間の保護および/または良好で均一な捕獲結果を達成するために、活性物質が長期間にわたって均一に放出されることが確実に行われる、適切な活性物質ディスペンサーが必要である。
【0004】
公知のディスペンサーのタイプは次の通りである:
・フェロモン浸透性プラスチックフィルム材料で製造されたフィルムバッグ、例えば、ポリエチレンフィルムまたはポリエチレン/エチレン−酢酸ビニルコポリマーで製造されたフィルムラミネート、通常、フェロモンを含浸させたセルロース状の吸収性物質を含むフィルムバッグ(例えば、DE-A 2832248、DE A 2945655、EP-A 342126を参照);
・フェロモンが添加されているプラスチック材料で製造されたディスペンサー(バリアフリーディスペンサーと呼ばれるもの、またマトリックスディスペンサーとも呼ばれる、例えば、DE 2356155を参照);
・キャピラリチューブの形状をしているディスペンサー(キャピラリーディスペンサー)であって、それから、キャピラリーの開口端部を経由して環境に分配されるもの(例えば、US 4017030を参照);
・1または2つのフェロモン充填チャンパーを備えた、プラスチック材料で製造されたアンプルで、そのプラスチックが、フェロモンに対して浸透性であるように選択されているもの(EP-A 243263、EP-A 236188およびEP-A 413 325を参照)。またこれらのディスペンサーは、中空チャンバーディスペンサーとも呼ばれる。
【0005】
最初に記載した3つのタイプのディスペンサーの欠点は、天候条件によって、ほとんど制御されない方法でフェロモンが放出されるということである。フェロモン飽和材料(吸収性物質またはプラスチック)中のフェロモン濃度は、最初は高いが、時間の経過とともに次第に急速に下がり、誘引物質の放出が終了する時点では、はっきりと記録することができない。活性低減に関する実際の原因は、何に起因しようと、活性物質の枯渇またはディスペンサーによるフェロモンの放出不十分による場合が多い。このため、誘引物質の放出が終了する前に従来のディスペンサーを交換しなければならない時点の決定は、使用者自らの経験に頼らざるを得ない。不適切な使用、または可能性のある他の要因(例えば、天候の結果)および誘引物質の放出が予定よりも早期に低減し過ぎるか全く無くなる要因を認識するのは極めて困難である。特に林業で施用する場合、活性の維持を確実にするためには、まだ作動可能なディスペンサーを単に予防措置として交換する。活性物質の放出に関するこれらの不安定要因に対応するためには、この場合、施用時に少なくとも2種の(場合によりさらに3種の)従来のディスペンサーが必須となるが、これは使用者にとって不必要な費用負担の要因となる。
【0006】
アンプルディスペンサーの欠点は、第1に、ブロー成形法による複雑な生産である。アンプルの材料の要件は、フェロモン量と比べて比較的高い。さらに、その放出特性は、満足のいかない場合が多い。特に、終了近くの放出(すなわち、充填レベルが低い時)は、ディスペンサーの形状や、生産に起因する材料の構造および厚さの変動によって、もはや最適ではなくなる。
【0007】
先行のドイツ特許出願DE 102008026602.7には、フィルム材料によって封入されており、媒体の収容を意図するチャンバーを備えた、高揮発性媒体用のディスペンサーが記載されており、前記チャンバーは、フェロモンを含む、密封の破壊可能な形態(例えば、ガラス製アンプル)をとっている。そのディスペンサーは、アンプルを壊すことにより使用可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】DE-A 2832248
【特許文献2】DE A 2945655
【特許文献3】EP-A 342126
【特許文献4】US 4017030
【特許文献5】EP-A 243263
【特許文献6】EP-A 236188
【特許文献7】EP-A 413 325
【特許文献8】DE 102008026602.7
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】J. Vitae, Biologie in unserer Zeit 8, 112 (1978)
【非特許文献2】「The Pherobase」(http://www.pherobase.com)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、長時間にわたるフェロモンまたはフェロモン香の制御放出に適し、かつ製造が容易であるディスペンサーが必要とされている。このため、本発明は、特に、放出特性が少なくともアンプルディスペンサーの特性に匹敵するか、あるいはそれよりも良好であるディスペンサー、すなわち、フェロモンの信頼性の高い放出を保証し、それにより実際、不利な気候条件下(例えば、温度変化、光条件または高温など)であっても、長期間にわたり信頼性できる活性を保証するディスペンサーを提供するという課題に基づくものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、以下に記載したディスペンサーにより達成することができることを見い出した。
【0012】
したがって、本発明は、フェロモンまたはフェロモン含有液体が充填されたディスペンサーであって、
(a) 熱可塑性フィルム材料で製造されており、かつ、フェロモンまたはフェロモン含有液体を収容するための皿形状部を形成するように設計された少なくとも1つのゾーンを特徴とした、深絞り加工プラスチックフィルムと、
(b) 熱可塑性フィルム材料で製造されており、かつ、深絞り加工プラスチックフィルムに連結されている、平面プラスチックフィルムであって、この場合、平面プラスチックフィルムが、深絞り加工プラスチックフィルムの皿形状部を形成するように設計された少なくとも1つのゾーンと一緒になって、フェロモンまたはフェロモン含有液体を含む耐久密封チャンバーを形成する、前記平面プラスチックフィルムと、
(c) 相互に連結されたプラスチックフィルムのゾーンにある凹部(recess)
とを含み、
平面プラスチックフィルムがフェロモンに対して浸透性を有する、前記ディスペンサーに関する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明によるフェロモンディスペンサーの基本的形状の平面図を示す図である。
【図2】本発明によるフェロモンディスペンサーの好ましい実施形態の平面図を示す図である。
【図3】図2の実施形態をA-Aのラインに沿って切断した断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明によるディスペンサーは一連の利点を有する。従来の中空チャンバーディスペンサーとは異なり、本発明によるディスペンサーは、フィルム使用による非常に正確な材料構造と厚さを特徴とし、それ故、ディスペンサーの充填レベルには関係なく、一定の放出状態が保証される。さらに、材料要件が従来の中空チャンバーディスペンサーの場合に比べて極めて少ない。その上、各フィルムは既に事前成形されており、相互に結着させることがだけが必要であるので、フェロモンは、ブロー成形または押し出し成形のアンプルディスペンサーとは異なり、通常、製造中のいかなる昇温にも暴露されない。これらは、フィルムバッグ、キャピラリーディスペンサーおよびバリアフリーディスペンサーと比べると、放出特性が顕著に改善されていた。本発明によるディスペンサーは、製造で用いられるフィルム材料によっては、比較的軽量・小型で低く、輸送やパッケージングに係る労力が少なくて済む。ディスペンサーに設けられている凹部は、保護する植物の枝またはシュートにディスペンサーを簡易固定することができる。破壊可能なアンプル(フェロモンまたはフェロモン香を収容するためのガラス製アンプルなど)の使用は、依然として必要とされている。本発明によるディスペンサーは、ドイツ特許出願DE 102008026602.7に記載のディスペンサーとは異なり、それ故、典型的にはチャンバー中に破壊可能なアンプル構成部分は含まない。
【0015】
本発明によるディスペンサーの好ましい実施形態は、下位請求項および図に記載されており、これについて、これより説明する。
【0016】
本発明によるディスペンサーは、フェロモンを含む少なくとも1つの耐久密封チャンバーを特徴とする。ディスペンサーには多数の耐久密封チャンバーを備えることも可能であり、それらのチャンバーには、同一のまたは異なるフェロモンを充填することができる。本発明によれば、チャンバー(群)は、深絞り加工フィルムの皿形状部を形成するように設計されたゾーン(群)とそれに連結されている平面プラスチックフィルムにより形成されている。耐久的に連結されているとは、深絞り加工フィルムが、ディスペンサーを破壊することなくこれらを分離させることができないような方法で、平面フィルムに連結されていることを意味する。平面フィルムへの深絞り加工フィルムの連結は、通常、平面フィルムをゾーンの縁部中に、または深絞り加工フィルムの皿形状部を形成するように設計された少なくとも1つのゾーンの境界上に載せ、その縁部または境界に沿って耐久的に固定させるように行われる。耐久的固定は、典型的には、皿形状部を形成するように設計された少なくとも1つのゾーンの縁部に沿って溶接シームまたは密封シームすることにより達成される。
【0017】
できるだけ均一な放出特性を得るため、皿形状部を形成するように設計された少なくとも1つのゾーンの底部は、平面フィルムと大部分が平行である。大部分が平行とは、皿形状部を形成するように設計されたゾーンの底部の少なくとも70%が、平面フィルムと平行に配置されているか、平面フィルムとの角度が10°未満であることを意味する。
【0018】
さらに、皿形状部を形成するように設計されたゾーンの深さが少なくとも0.2mmまで、特に少なくとも0.4mmまでであって、好ましくは5mm、特に3mmを超えない場合、有利であることが分かった。本明細書では、深さとは、皿形状部の底部領域と皿形状部の縁部により設定される平面(これらは相互に対して平面平行である)の距離を意味するものと理解されたい。
【0019】
さらに、皿形状部を形成するように設計されたゾーンが、少なくとも1つの(例えば、1または2つの)低部ゾーン(sunk zones)を特徴とする場合に有利であることが分かった。この場合、低部ゾーンは、皿形状部の残りのゾーンよりも少なくとも0.2mm、特に少なくとも0.5mm、例えば0.2〜3mm、特に0.5〜1.5mm深い。低部ゾーンの深さは、典型的には1〜5mmの範囲、特に1.2〜3mmの範囲にあり、一方、皿形状部の残りのゾーンの深さは、典型的には0.2〜2mmの範囲、特に0.4〜1.5mmの範囲にある。
【0020】
皿形状部を形成するように設計されたゾーンは、通常、2.5〜25cm2の範囲、特に4〜20cm2の範囲の領域を有する。
【0021】
ディスペンサーの基本的形状は典型的には長方形であり、角は丸くすることができる。しかし、基本的には、楕円形、円形、三角形、台形、ダイヤモンド形、または4つ以上の側面を持つ多角形の形態であってもよい。好ましくは、ディスペンサーの基本的形状は、1〜20cmの範囲、特に1.5〜10cmの範囲の特徴的な寸法(例えば、側面の長さ、直径など)を有する。長方形の基本的形状を有するディスペンサーの場合、長方形の一側面の寸法は、典型的には2〜20cmの範囲、特に2.5〜10cmの範囲であり、それに対して垂直の側面の寸法は1〜10cmの範囲、特に1.5〜8cmの範囲にある。
【0022】
本発明によれば、ディスペンサーは、互いに連結されているフィルムのゾーンにある少なくとも1つの凹部を特徴とする。この凹部は、典型的には、円形、楕円形または多角形の領域を特徴とし、それらの縁部は深絞り加工フィルムおよび平面フィルムのフィルム材料により形成されている。またこの凹部は、良好な固定を確実にするために、刻み目(indentations)または張り出し部(bulges)を備えることができる。凹部エリアの中心を経て直線に沿った凹部の広がりは、通常、3mm未満でなく、好ましくは、2cmを超えない。その凹部は、典型的には1〜3cm2の範囲の領域を有する。この凹部は、例えば、植物の枝またはシュートに/から、ディスペンサーを取り付けるか、または掛けるために有用である。凹部は好ましくは楕円形または円形であり、良好な固定を確実にするため、刻み目または張り出し部をさらに備えていてもよい。
【0023】
ディスペンサーが、凹部をディスペンサーの縁部につなぐノッチ(notch)を特徴とする場合、さらに有利であることが分かった。このノッチは、これ以降、拡大カット(expanding cut)とも呼び、例えば、植物の枝またはシュートへのディスペンサーの固定を容易にする。
【0024】
本発明の好ましい実施形態においては、皿形状部を形成するように設計されたゾーンは、互いに連結され、かつ凹部の両側に配置されている、少なくとも2つの部分ゾーンと、中間の連結部(これ以降、チャンネル(channel)ともいう)とを特徴とする。部分ゾーンは、中間の連結部と一緒になって、凹部周囲にU字型または蹄鉄形の配置を形成する。皿形状部を形成するように設計されたゾーンが2つの部分ゾーンを含むならば、その場合、それらを結合しているチャンネルは、通常、2つの部分ゾーンよりも狭く、前者と比べて深さが小さく成り得る。
【0025】
この好ましい実施形態では、ディスペンサーは、好ましくは拡大カットを特徴とする。この拡大カットは、チャンバーの2つの部分ゾーン間に配置されるように好ましくは配置されるか、皿形状部を形成するように設計されたゾーン(すなわち、2つの部分ゾーン)は、いずれの場合にもノッチの1つのサイドに完全に位置しており、2つの部分ゾーンを連結する狭いチャンネルと一緒に凹部を取り囲む。
【0026】
場合により、これらの部分ゾーンの1つは、凹部ゾーンに、好ましくは指状部を形成するように設計された張り出し部(bulges)を特徴とし、それにより、張り出し部は、互いに連結されている少なくとも2つの部分ゾーンと一緒に、凹部をほとんど包囲する。この張り出し部により、特に、上記のようにディスペンサーが拡大カットを特徴とする場合、ディスペンサーに良好な吊り下げ安定性が生じる。
【0027】
本発明によれば、平面プラスチックフィルムのフィルム材料は、ディスペンサー中に存在するフェロモンに対して浸透性がある。すなわち、平面プラスチックフィルムの材料は、フェロモンが平面プラスチックフィルムを通過して拡散され、環境へ放出可能なように選択される。フェロモンに対して浸透性を有する好適なプラスチックフィルムは、当業者には公知である。当然、プラスチック材料のタイプは、拡散速度に、従って、フェロモンの放出速度に影響を及ぼし得る。当該フェロモンに最適である、平面プラスチックフィルムのプラスチック材料は、公知の方法において、フェロモンの性質に依存する。
【0028】
ほとんどのフェロモンに対し、平面フィルムが構成しているプラスチック材料がC2-C6-オレフィンのホモポリマーまたはコポリマー、特にエチレンのホモポリマーまたはコポリマーである場合に有利であることが分かった。好適なコモノマーは、基本的には、C2-C6-オレフィンまたはエチレンと共重合可能な全てのモノエチレン系不飽和モノマーであり、ビニル芳香族(例えばスチレン)などの中性モノマー類、脂肪族C1-C10-カルボン酸のビニルエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよび酪酸ビニル、モノエチレン系不飽和モノカルボン酸のC1-C10-アルキルエステル類、特にアクリル酸のC1-C10-アルキルエステル類およびメタクリル酸のC1-C10-アルキルエステル類、モノエチレン系不飽和ニトリル類、例えばアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル、およびC3-C6-オレフィン類、ならびにそれらの混合物が好ましい。特に好ましいコモノマーは、脂肪族C1-C10-カルボン酸のビニルエステル類、特に酢酸ビニルである。
【0029】
好ましくは、C2-C6-オレフィン類のホモポリマーおよびコポリマー中のC2-C6-オレフィン含有量は、少なくとも50重量%、特に少なくとも70重量%である。好ましくは、エチレンのホモポリマーおよびコポリマー中のエチレン含有量は、少なくとも50重量%、特に少なくとも70重量%であり、エチレンコポリマー中のコモノマー含有量は、1〜50重量%の範囲、特に2〜30重量%の範囲である。本発明の好ましい実施形態では、平面プラスチックフィルムのプラスチック材料はポリエチレン、特にHDPEである。
【0030】
平面フィルムに好適なプラスチックフィルム材料の例は、特に、商標名Euthylen(登録商標)、例えば、Euthylen(登録商標) 3020D(無色)、Lupolen(登録商標)、例えばLupolen(登録商標) 2420 H、およびLufilen(登録商標)、例えばLufilen(登録商標) 2420 H(茶色)(BASF SE製)で販売されているポリエチレン、ならびに、商標名Greenflex ML、特にGreenflex(登録商標) ML 30およびGreenflex(登録商標) ML 40 (Polimeri SA (Italy)製)で販売されているエチレン/酢酸ビニルコポリマーである。
【0031】
場合により、平面プラスチックフィルムは、以下に説明したように、密封可能な層を特徴とする。
【0032】
平面フィルムのフィルム材料は、本質的には無色であってもよい。これは、フィルム材料が、無機顔料もしくは有機顔料または他の色素などの着色成分を0.05重量%未満、特に0.01重量%未満で含むか、とりわけ好ましくは含まないことを意味する。別の実施形態では、平面フィルムのフィルム材料は有色であり、20重量%以下、通常0.05〜20重量%、特に0.1〜1重量%の着色剤、例えば顔料、特に赤色および/または茶色顔料を含む。
【0033】
本発明により好適な着色成分(これ以降、着色剤ともいう)は色素だけでなく、顔料も含む。着色剤は、好ましくは顔料である。顔料は、無機顔料または有機顔料の形態をとっていてもよい。
【0034】
好適な無機の着色顔料の例は、白色顔料、例えば、その3つの異像体ルチル、アナターゼもしくはブルッカイト型の二酸化チタン、鉛白、亜鉛白、硫化亜鉛またはリトポン;黒色顔料、例えば、カーボンブラック、黒色酸化鉄、鉄マンガンブラックまたはスピネルブラック;有彩顔料、例えば、酸化クロム、水素化酸化クロムグリーン、コバルトグリーンもしくはウルトラマリングリーン、コバルトブルー、アイアンブルー、フェリックフェロシアニド、ウルトラマリンブルーもしくはマンガンブルー、ウルトラマリンバイオレットもしくはコバルトバイオレットおよびマンガンバイオレット、赤色酸化鉄、カドミウムスルホセレニド、モリブデンレッドまたはウルトラマリンレッド;褐色酸化鉄、ミクストブラウン、スピネル相および鋼玉相もしくはクロムオレンジ;黄色酸化鉄、ニッケルチタニウムイエロー、クロムチタニウムイエロー、硫化カドミウム、カドミウム硫化亜鉛、クロムイエロー、亜鉛イエロー、アルカリ土類金属クロム酸塩、ナポリイエロー;ビスマスバナジン酸塩、色彩効果顔料、例えば、干渉顔料および光沢顔料などである。好適な無機顔料は、特に、ピグメントホワイト6、ピグメントホワイト7、ピグメントブラック7、ピグメントブラック11、ピグメントブラック22、ピグメントブラック27/30、ピグメントイエロー34、ピグメントイエロー35/37、ピグメントイエロー42、ピグメントイエロー53、ピグメントブラウン24、ピグメントイエロー119、ピグメントイエロー184、ピグメントオレンジ20、ピグメントオレンジ75、ピグメントブラウン6、ピグメントブラウン29、ピグメントブラウン31、ピグメントイエロー164、ピグメントレッド101、ピグメントレッド104、ピグメントレッド108、ピグメントレッド265、ピグメントバイオレット15、ピグメントブルー28/36、ピグメントブルー29、ピグメントグリーン17およびピグメントグリーン26/50である。
【0035】
好適な無機顔料の例は、アニリンブラック、アントラピリミジン顔料、アゾメチン顔料、アントラキノン顔料、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、ベンゾイミダゾロン顔料、キナクリドン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、フラバントロン顔料、インダントロン顔料、インドリノン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、チオインジゴ顔料、金属錯体顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、ピラントロン顔料、フタロシアニン顔料、チオインジゴ顔料、トリアリールカルボニウム顔料または金属錯体顔料である。好適な有機顔料は、特に、C.I.(カラーインデックス)ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー162、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー183、C.I.ピグメントレッド44、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、およびC.I.ピグメントバイオレット19である。
【0036】
通常、平面プラスチックフィルムは、0.02〜0.5mmの範囲、特に0.05〜0.3mmの範囲の厚さを有する。
【0037】
本発明によるディスペンサーは、一方のみに放出するように設計するか、両方向に放出するように設計することができる。ディスペンサーが一方のみに放出するように設計されている場合、そうならば、平面フィルムだけがディスペンサー中に存在するフェロモンに対して浸透性を有するか、あるいは、深絞り加工フィルムに比べて少なくとも10倍浸透性が高い。この場合、深絞り加工フィルムは、熱可塑的に処理することが可能な任意のプラスチック材料から成っていてもよい。ディスペンサーが両方向に放出するように設計されている場合、そうならば、平面フィルムおよび深絞り加工フィルムの両方がディスペンサー中に存在するフェロモンに対して浸透性を有する。両方向に放出するディスペンサーは、本発明の好ましい実施形態である。
【0038】
深絞り加工フィルムに好適なプラスチック材料の例は、上記のC2-C6-オレフィン類のホモポリマーおよびコポリマー、特にエチレンのホモポリマーまたはコポリマーであり、さらにポリエステル類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、上記ポリマーの同時押し出し成形品、ならびに上記ポリマーのラミネートである。
【0039】
深絞り加工フィルムに好ましいプラスチック材料は、上記のC2-C6-オレフィン類のホモポリマーおよびコポリマー、特にエチレンのホモポリマーまたはコポリマーである。この場合、深絞り加工フィルムは、通常、フェロモンに対して浸透性があり、したがって、ディスペンサーは両方向に放出するように設計される。
【0040】
深絞り加工フィルムのフィルム材料は、本質的には無色であってもよい。これは、フィルム材料が、無機顔料もしくは有機顔料または他の色素などの着色成分を0.05重量%未満、特に0.01重量%未満で含むか、とりわけ好ましくは含まないことを意味する。別の実施形態では、深絞り加工フィルムのフィルム材料は有色であり、2重量%以下、通常0.05〜20重量%、特に0.1〜1重量%の着色剤、例えば顔料、特に赤色および/または茶色顔料を含む。着色剤の性質については、上記で述べた内容を同じく適用する。
【0041】
通常、深絞り加工プラスチックフィルムは、0.05〜0.5mmの範囲、特に0.1〜0.4mmの範囲の厚さを有する。
【0042】
ポリマーフィルム、すなわち、平面フィルムおよび深絞り加工フィルムは、こうしたポリマーに対して従来から使用されている少量の安定剤、例えば、酸化防止剤(プラスチック材料の老化を予防または低減する薬剤)を含んでいてもよい。こうした安定剤は、1重量%以下の量でポリマー中に存在させることができる。さらに、フィルム材料は、ブロッキング防止剤および滑剤(例えばエルカ酸アミド、オレイン酸アミド)などの通常の量の加工助剤を含んでいてもよい。これらの物質は、本ディスペンサーの特性に対するいかなる悪影響も持たない。
【0043】
フェロモンという用語は本発明の目的においては広義の意味で理解すべきものであり、定義した化学物質だけでなく、昆虫挙動に影響を及ぼすことが知られている物質混合物(フェロモン香ともいう)も含む。通常、こうした化合物は、ヒドロキシル、カルボキシレート、エーテル、ケトおよび/またはアルデヒド基の形態で6〜30(特に8〜20)個のC原子と、場合により1、2、3、4、5または6個の酸素原子を有し、さらに場合により5個以下のハロゲン原子(特にフッ素および/または塩素原子)を有する。これらの分子量は、好ましくは400ダルトンを超えず、典型的には、100〜400ダルトンの範囲である。フェロモンのタイプは、それ自体は公知の方法で標的昆虫の種に依存する。好適なフェロモン類およびそれぞれの標的昆虫類は文献から、例えば「The Pherobase」(http://www.pherobase.com)から公知である。本発明により好ましいとされるフェロモンの例は次のとおりである:
・ 6〜30個のC原子(特に8〜20個のC原子)を含む芳香族、脂肪族および脂環式アルデヒドであって、一価不飽和または多価不飽和、例えば、1、2、3、4もしくは5不飽和であってもよく、かつ1〜5個のハロゲン原子(特にフッ素または塩素原子)、1もしくは2個のヒドロキシル基、アセテート基またはケト基の任意の組み合わせを特徴とし得るもので、例えば、(E)-2-ヘキセナール、(E)-4-オキソ-2-ヘキセナール、(E,E)-2,4-ジメチル-2,4-ヘキサジエナール、(E,E)-2,4-ヘキサジエナール、(Z)-3-ヘキセナール、(Z)-4-オキソ-2-ヘキセナール、1-ヘキセナール、2-ヘキセナール、3-((E)-2-ヘキセンオキシ)ヘキサナール、3,5-ジメチルヘキサナール、3-エトキシヘキサナール、3-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-ヒドロキシヘキサナール、4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、ヘキサナール、(1R,5S)-6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン-2-カルバルデヒド、(E)-2-(2-ヒドロキシエチル)-6-メチル-2,5-ヘプタジエナール、(E)-2-(2-ヒドロキシエチリデン)-6-メチル-5-ヘプテナール、(E)-2-ヘプテナール、(E)-2-イソプロピル-5-メチル-2-ヘキセナール、(E,Z)-2,4-ヘプタジエナール、(R)-2-((1R,2R,3S)-3-メチル-2-ビニルシクロペンチル)プロパナール、(R)-2-((1S,2S,3S)-3-メチル-2-ビニルシクロペンチル)プロパナール、(R)-7-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロリジジン-1-カルボキサルデヒド、(S)-4-(プロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサ-1-エンカルバルデヒド、(S)-7-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロリジジン-1-カルボキサルデヒド、(Z)-2-イソプロピル-5-メチル-2-ヘキセナール、1-ホルミル-6,7-ジヒドロ-5H-ピロリジン、1-ホルミル-7-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロリジン、2-(2-ホルミル-3-メチル-2-シクロペンテニル)-プロパナール、2-(3-メチルシクロペンチル)プロパナール、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、2-アセチル-5-メチルシクロペンタンカルバルデヒド、2-メトキシベンズアルデヒド、2-メチル-1-シクロペンテンカルボキサルデヒド、3,3-ジメチル-5-オキソ-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン-1-カルバルデヒド、3-ヒドロキシベンゼン-1,2-ジカルバルデヒド、3-メチルベンズアルデヒド、4-(ヘプチルオキシ)ブタナール、4-メトキシベンズアルデヒド、4S-4-イソプロペニル-3-オキソ-1-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、6,7-ジヒドロ-5H-ピロリジン-1-カルボキサルデヒド、6,7-ジヒドロ-7-オキソ-5H-ピロリジン-1-カルバルデヒド、7-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロリジン-1-カルボキサルデヒド、ベンズアルデヒド、シクロヘキサンジアール、ヘプタナール、プラギオジアール、(1R,2S)-cis-2-イソプロペニル-1-メチルシクロブタンエタナール、(1R,2S,5R,8R)-イリドジアール、(4S)-(3-オキソプロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサ-1-エンカルバルデヒド、(E)-(3,3-ジメチル)シクロヘキシリデンアセトアルデヒド、(E)-2-(4-メチル-3-ペンテニル)ブテンジアール、(E)-2-(4-メチル-3-ペンテニリデン)ブタンジアール、(E)-2,7-オクタジエナール、(E)-2-メチル-5-(3-フリル)-2-ペンテナール、(E)-2-オクテナール、(E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール、(E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール、(E)-4-オキソ-2-オクテナール、(E,E)-2,4-オクタジエナール、(E,E)-2,6-ジメチル-8-ヒドロキシ-2,6-オクタジエナール、(E,E)-2,6-オクタジエナール、(E,E)-2,6-オクタジエンジアール、(E,Z)-2,4-オクタジエナール、(E,Z)-2,6-オクタジエナール、(Z)-(3,3-ジメチル)シクロヘキシリデン-アセトアルデヒド、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール、(Z,E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール、1-オクテナール、2-(1-ホルミルビニル)-5-メチルシクロペンタンカルバルデヒド、2-エチルオクタナール、2-ヒドロキシ-6-メチルベンズアルデヒド、2-メチルベンズアルデヒド、2-オクテナール、2-フェニルアセトアルデヒド、2-フェニルプロペナール、3,7-ジメチル-6-オクテナール、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-エチルベンズアルデヒド、3-イソプロピル-6-メチルベンズアルデヒド、3-オクテナール、4-ヒドロキシ-2-メチルベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、4-オキソオクテナール、6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン-2-カルバルデヒド、アニソモルファール、cis-2-イソプロペニル-1-メチルシクロブタンエタナール、オクタナール、ペルファスマール、(E)-2-ノネナール、(E)-3-フェニル-2-プロペナール、(E)-4,8-ノナジエナール、(E,E)-2,4-ノナジエナール、(E,E,E)-2,4,6-ノナトリエナール、(E,E,Z)-2,4,6-ノナトリエナール、(E,Z)-2,6-ノナジエナール、(E,Z,Z)-2,4,6-ノナトリエナール、(Z)-4,8-ノナジエナール、(Z)-4-ノネナール、2-フェニル-2-ブテナール、3-(4-メトキシフェニル)-2-プロペナール、3-フェニルプロパナール、6-エチルベンズアルデヒド、9-アセチルオキシノナナール、ノナナール、(4R,8R)-4,8-ジメチルデカナール、(4R,8S)-4,8-ジメチルデカナール、(E)-2,9-デカジエナール、(E)-2-デセナール、(E)-4-オキソ-2-デセナール、(E)-8-ヒドロキシ-4,8-ジメチル-4,9-デカジエナール、(E,E)-2,4-デカジエナール、(E,Z)-2,4-デカジエナール、(Z)-4-デセナール、(Z)-5-デセナール、1-デセナール、2-デセナール、2-エチルデカナール、4,5-ジメチルデカナール、4,8-ジメチルデカナール、デカナール、(E)-2-ウンデセナール、10-ウンデセナール、2-ブチル-2-オクテナール、5-メチル-2-フェニル-2-ヘキセナール、ウンデカナール、(E)-6-ドデセナール、(E)-7-ドデセナール、(E)-9,11-ドデカジエナール、(E)-9-ドデセナール、(E,E)-3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエナール、(E,E)-7-エチル-3,11-ジメチル-2,6,10-ドデカトリエナール、(E,E)-8,10-ドデカジエナール、(E,E,E)-3,7-ジメチル-8,11-ジオキソ-2,6,9-ドデカトリエナール、(E,E,Z)-3,7-ジメチル-8,11-ジオキソ-2,6,9-ドデカトリエナール、(E,Z)-5,7-ドデカジエナール、(E,Z)-7,9-ドデカジエナール、(E,Z)-8,10-ドデカジエナール、(S,E)-3,7,11-トリメチル-6,10-ドデカジエナール、(Z)-2-メチル-5-((1R,5R,6S)-2,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン-6-イル)ペンタ-2-エナール、(Z)-5-ドデセナール、(Z)-7-ドデセナール、(Z)-9,11-ドデカジエナール、(Z)-9-ドデセナール、(Z,E)-3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエナール、(Z,E)-5,7-ドデカジエナール、(Z,E)-7-エチル-3,11-ジメチル-2,6,10-ドデカトリエナール、(Z,E)-8,10-ドデカジエナール、(Z,Z)-5,7-ドデカジエナール、2-エチルドデカナール、3,7,11-トリメチル-(E)-6,10-ドデカジエナール、ドデカナール、(E,Z)-3,4,7,11-テトラメチル-6,10-トリデカジエナール、(Z)-4-トリデセナール、13-アセチルオキシトリデカナール、(E)-11,13-テトラデカジエナール、(E)-11-テトラデセナール、(E,E)-8,10-テトラデカジエナール、(E,Z)-4,9-テトラデカジエナール、(E,Z)-8,10-テトラデカジエナール、(Z)-11,13-テトラデカジエナール、(Z)-11-テトラデセナール、(Z)-5-テトラデセナール、(Z)-7-テトラデセナール、(Z)-9,13-テトラデカジエン-11-イナール、(Z)-9-テトラデセナール、(Z,E)-9,11,13-テトラデカトリエナール、(Z,E)-9,11-テトラデカジエナール、(Z,E)-9,12-テトラデカジエナール、(Z,Z)-8,10-テトラデカジエナール、(Z,Z)-9,11-テトラデカジエナール、10,12-テトラデカジエナール、2-エチルテトラデカナール、3-オキソ-13-テトラデセナール、3-オキソテトラデカナール、5,8-テトラデカジエナール、5-テトラデセナール、テトラデカナール、(E,Z)-9,11-ペンタデカジエナール、(Z)-10-ペンタデセナール、2-ヘキシル-2-デセナール、ペンタデカナール、(1R)-ピマラール(=C20H30O)、(E)-10-ヘキサデセナール、(E)-11-ヘキサデセナール、(E)-14-メチル-8-ヘキサデセナール、(E,E)-10,12-ヘキサデカジエナール、(E,E)-11,13-ヘキサデカジエナール、(E,E)-9,11-ヘキサデカジエナール、(E,E,E)-10,12,14-ヘキサデカトリエナール、(E,E,E)-3,7,11,15-テトラメチル-2,6,10,14-ヘキサデカテトラエナール、(E,E,Z)-10,12,14-ヘキサデカトリエナール、(E,E,Z)-4,6,11-ヘキサデカトリエナール、(E,Z)-10,12-ヘキサデカジエナール、(E,Z)-11,13-ヘキサデカジエナール、(E,Z)-4,6-ヘキサデカジエナール、(E,Z)-6,11-ヘキサデカジエナール、(E,Z)-8,11-ヘキサデカジエナール、(E,Z)-9,11-ヘキサデカジエナール、(R)-(E)-14-メチル-8-ヘキサデセナール、(R)-(Z)-14-メチル-8-ヘキサデセナール、(S)-(E)-14-メチル-8-ヘキサデセナール、(S)-(Z)-14-メチル-8-ヘキサデセナール、(Z)-10-ヘキサデセナール、(Z)-11-ヘキサデセナール、(Z)-12-ヘキサデセナール、(Z)-13-ヘキサデセン-11-イナール、(Z)-14-メチル-8-ヘキサデセナール、(Z)-3-オキソ-9-ヘキサデセナール、(Z)-7-ヘキサデセナール、(Z)-9-ヘキサデセナール、(Z,E)-10,12-ヘキサデカジエナール、(Z,E)-11,13-ヘキサデカジエナール、(Z,E)-7,11-ヘキサデカジエナール、(Z,E)-9,11-ヘキサデカジエナール、(Z,Z)-10,12-ヘキサデカジエナール、(Z,Z)-11,13-ヘキサデカジエナール、(Z,Z)-7,11-ヘキサデカジエナール、(Z,Z)-9,11-ヘキサデカジエナール、(Z,Z,E)-7,11,13-ヘキサデカトリエナール、11-ヘキサデシナール、ヘキサデカナール、(Z)-9-ヘプタデセナール、1-ヘプタデセナール、ヘプタデカナール、(E)-11-オクタデセナール、(E)-13-オクタデセナール、(E)-14-オクタデセナール、(E)-2-オクタデセナール、(E,E)-11,14-オクタデカジエナール、(E,Z)-2,13-オクタデカジエナール、(E,Z)-3,13-オクタデカジエナール、(Z)-11-オクタデセナール、(Z)-13-オクタデセナール、(Z)-9-オクタデセナール、(Z,Z)-11,13-オクタデカジエナール、(Z,Z)-13,15-オクタデカジエナール、(Z,Z)-3,13-オクタデカジエナール、(Z,Z)-9,12-オクタデカジエナール、(Z,Z,Z)-9,12,15-オクタデカトリエナール、1-オクタデセナール、オクタデカナール、(Z)-10-ノナデセナール、(Z)-9-ノナデセナール、ノナデカナール、(Z)-11-エイコセナール、1-エイコセナール、エイコサナールまたはオクタコサナール;
・ 6〜30個のC原子(特に8〜20個のC原子)を含む芳香族、脂肪族および脂環式アルコールであって、一価不飽和または多価不飽和、例えば、1、2、3、4もしくは5不飽和であってもよく、かつ1もしくは2個のヒドロキシル基を特徴とし、また、1〜5個のハロゲン原子(特にフッ素または塩素原子)、アセテート基またはケト基の任意の組み合わせを特徴とし得るもので、例えば、((1R,3S)-2,2,3,4-テトラメチルシクロペンチル)メタノール、((1R,4S)-3,4,5,5-テトラメチルシクロペンテニル)-メタノール、(E)-2-エチル-2-ヘキセン-1-オール、(E)-2-ヘキセン-1-オール、(E)-3-ヘキセン-1-オール、(E,E)-2,4-ジメチル-2,4-ヘキサジエン-1-オール、(Z)-2-ヘキセン-1-オール、(Z)-3-ヘキセン-1-オール、1-ヘキセン-1-オール、2-シクロヘキセノール、2-エチルヘキサン-1-オール、2-ヘキセン-1-オール、2-フェノキシエタノール、3-ヘキセン-1-オール、ヘキサン-1-オール、(4-イソプロピルフェニル)メタノール、(E,E)-2,4-ジメチル-2,4-ヘプタジエン-1-オール、(E,Z)-2,4-ヘプタジエン-1-オール、(R)-5-メチル-2-(プロパ-1-エン-2-イル)ヘキサ-4-エン-1-オール、(S)-5-メチル-2-(プロパ-1-エン-2-イル)ヘキサ-4-エン-1-オール、1-メチル-2-シクロヘキセン-1-オール、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-オール、2,4-ジメチル-5-ヘプテン-1-オール、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-オール、2-イソプロペニル-5-メチル-4-ヘキセン-1-オール、3-シクロヘキセン-1-メタノール、3-メチル-2-シクロヘキセン-1-オール、4-(ヘプチルオキシ)ブタン-1-オール、4-メトキシフェニルメタノール、4-メチルシクロヘキサノール、7-カルブメトキシ-1,2-ジヒドロ-(3H)-ピロリジン-1-オール、ヘプタン-1-オール、o-ヒドロキシベンズアルコール、ベンズアルコール、(1R)-1-フェニルエタノール、(1R,2S)-cis-2-イソプロペニル-1-メチルシクロブタンエタノール、(1R,4aR,7S,7aS)-ヘキサヒドロ-4,7-ジメチルシクロペンタ[c]ピラン-1-オール、(1R,4aS,7S,7aR)-ヘキサヒドロ-4,7-ジメチルシクロペンタ[c]ピラン-1-オール、(1R,4R,4aR,7S,7aR)-オクタヒドロ-4,7-ジメチルシクロペンタ[c]ピラン-1-オール、(1R,4S,4aR,7S,7aR)-オクタヒドロ-4,7-ジメチルシクロペンタ[c]ピラン-1-オール、(1S,2R)-cis-2-イソプロペニル-1-メチルシクロブタンエタノール、(1S,4aR,7S,7aS)-ヘキサヒドロ-4,7-ジメチルシクロペンタ[c]ピラン-1-オール、(1S,4R)-4-イソプロピル-1-メチル-2-シクロヘキセン-1-オール、(E)-2-(3,3-ジメチルシクロヘキシリデン)エタノール、(E)-2-メチル-6-メチレン-2,7-オクタジエン-1-オール、(E)-2-オクテン-1-オール、(E)-3,4,7-トリメチル-2,6-オクタジエン-1-オール、(E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール、(S)-3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、(Z)-2-(3,3-ジメチル)-シクロヘキシリデンエタノール、(Z)-2-オクテン-1-オール、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール、(Z)-3,7-ジメチル-3,6-オクタジエン-1-オール、(Z)-3-オクテン-1-オール、1-フェニルエタノール、2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール、2-フェニルエタノール、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、4-(プロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサ-1-エニル)メタノール、4-メチルオクタン-1-オール、6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン-2-イルメタノール、cis-2-イソプロペニル-1-メチルシクロブタンエタノール、cis-6-イソプロピル-3-メチル-2-シクロヘキセン-1-オール、オクタン-1-オール、オクテン-1-オール、(E)-2-ノネン-1-オール、(E)-3,4,7-トリメチル-2,6-ノナジエン-1-オール、(E)-6-ノネン-1-オール、(Z)-3,4-ジメトキシシナミルアルコール、(Z)-3-ノネン-1-オール、(Z)-6-ノネン-1-オール、(Z,Z)-3,6-ノナジエン-1-オール、3-エチル-7-メチル-6-オクテン-1-オール、3-フェニル-2-プロペン-1-オール、3-フェニルプロパン-1-オール、4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニルエタノール、4-メチルノナン-1-オール、6-イソプロペニル-2-メチル-1-シクロヘキセノール、6-オキソノナン-1-オール、ノナン-1-オール、(3R,4S,1E)-3,4-ビス(1-ブテニル)テトラヒドロ-2-フラノール、(6R)-(Z)-3,9-ジメチル-6-イソプロペニル-3,9-デカジエン-1-オール、(E)-5-デセン-1-オール、(Z)-5-デセン-1-オール、(Z)-7,9-デカジエン-1-オール、(Z,E)-7-メチル-3-プロピル-2,6-デカジエン-1-オール、2-デセン-1-オール、4-フェニル-cis-3-ブテン-1-オール、デカン-1-オール、11-クロロ-(E,E)-8,10-ウンデカジエン-1-オール、ウンデカン-1-オール、ウンデセン-1-オール、(2Z,6R,1S,5S)-2-メチル-6-(4-メチレンビシクロ[3.1.0]ヘキシル)ヘプタ-2-エン-1-オール、(E)-10-ドデセン-1-オール、(E)-3,7,11-トリメチル-6,10-ドデカジエン-1-オール、(E)-5-ドデセン-1-オール、(E)-6-ドデセン-1-オール、(E)-7-ドデセン-1-オール、(E)-8-ドデセン-1-オール、(E)-9,11-ドデカジエン-1-オール、(E)-9-ドデセン-1-オール、(E,E)-3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-オール、(E,E)-5,7-ドデカジエン-1-オール、(E,E)-8,10-ドデカジエン-1-オール、(E,Z)-3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-オール、(E,Z)-5,7-ドデカジエン-1-オール、(E,Z)-7,9-ドデカジエン-1-オール、(E,Z)-8,10-ドデカジエン-1-オール、(S,E)-3,7,11-トリメチル-6,10-ドデカジエン-1-オール、(Z)-10-ドデセン-1-オール、(Z)-2-メチル-6-(4-メチレンビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)ヘプタ-2-エン-1-オール、(Z)-3-ドデセン-1-オール、(Z)-5-ドデセン-1-オール、(Z)-7-ドデセン-1-オール、(Z)-8-ドデセン-1-オール、(Z)-9,11-ドデカジエン-1-オール、(Z)-9-ドデセン-1-オール、(Z,E)-3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-オール、(Z,E)-5,7-ドデカジエン-1-オール、(Z,E)-7,9-ドデカジエン-1-オール、(Z,E)-8,10-ドデカジエン-1-オール、(Z,E,E)-3,6,8-ドデカトリエン-1-オール、(Z,Z)-3,6-ドデカジエン-1-オール、(Z,Z)-7,9-ドデカジエン-1-オール、(Z,Z)-8,10-ドデカジエン-1-オール、(Z,Z,E)-3,6,8-ドデカトリエン-1-オール、10,11-ジフルオロ-(E,E)-8,10-ドデカジエン-1-オール、11-ドデセン-1-オール、8,9,10,11-テトラフルオロ-(E,E)-8,10-ドデカジエン-1-オール、8,9-ジフルオロ-(E,E)-8,10-ドデカジエン-1-オール、ドデカン-1-オール、ドデセン-1-オール、neo-インターメデオール(intermedeol)、2,6,8,12-テトラメチル-2,4-トリデカジエン-1-オール、トリデカン-1-オール、(E)-11,13-テトラデカジエン-1-オール、(E)-11-テトラデセン-1-オール、(E)-3-テトラデセン-1-オール、(E)-5-テトラデセン-1-オール、(E)-7-テトラデセン-1-オール、(E)-9-テトラデセン-1-オール、(E,E)-10,12-テトラデカジエン-1-オール、(E,E)-8,10-テトラデカジエン-1-オール、(Z)-11-テトラデセン-1-オール、(Z)-3-テトラデセン-1-オール、(Z)-5-テトラデセン-1-オール、(Z)-7-テトラデセン-1-オール、(Z)-8-テトラデセン-1-オール、(Z)-9-テトラデセン-1-オール、(Z,E)-8,10-テトラデカジエン-1-オール、(Z,E)-9,11-テトラデカジエン-1-オール、(Z,E)-9,12-テトラデカジエン-1-オール、(Z,Z)-10,12-テトラデカジエン-1-オール、(Z,Z)-9,11-テトラデカジエン-1-オール、(Z,Z)-9,12-テトラデカジエン-1-オール、6,10,13-トリメチルテトラデカン-1-オール、テトラデカン-1-オール、(E,Z)-8,10-ペンタデカジエン-1-オール、ペンタデカン-1-オール、(E)-11-ヘキサデセン-1-オール、(E)-14-メチル-8-ヘキサデセン-1-オール、(E)-3,7,11,15-テトラメチル-2-ヘキサデセン-1-オール、(E,E)-10,12-ヘキサデカジエン-1-オール、(E,E)-11,13-ヘキサデカジエン-1-オール、(E,E,E)-3,7,11,15-テトラメチル-2,6,10,14-ヘキサデカテトラエン-1-オール、(E,E,Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエン-1-オール、(E,Z)-10,12-ヘキサデカジエン-1-オール、(E,Z)-11,13-ヘキサデカジエン-1-オール、(E,Z)-4,6-ヘキサデカジエン-1-オール、(E,Z,Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエン-1-オール、(Z)-11-ヘキサデセン-1-オール、(Z)-13-ヘキサデセン-11-イン-1-オール、(Z)-14-メチル-8-ヘキサデセン-1-オール、(Z)-7-10-アセトキシ-7-ヘキサデセン-1-オール、(Z)-7-ヘキサデセン-1-オール、(Z)-9-ヘキサデセン-1-オール、(Z,E)-11,13-ヘキサデカジエン-1-オール、(Z,E)-7,11-ヘキサデカジエン-1-オール、(Z,Z)-11,13-ヘキサデカジエン-1-オール、(Z,Z)-7,11-ヘキサデカジエン-1-オール、1,3-ヘキサデカジエン-1-オール、14-メチル-8-ヘキサデセン-1-オール、3,7,11,15-テトラメチル-6,10,14-ヘキサデカトリエン-1-オール、7-ヘキサデセン-1-オール、9-ヘキサデセン-1-オール、ヘキサデカン-1-オール、ヘキサデセン-1-オール、(Z)-11-ヘプタデセン-1-オール、(E,Z)-2,13-オクタデカジエン-1-オール、(E,Z)-3,13-オクタデカジエン-1-オール、(Z)-11-オクタデセン-1-オール、(Z)-13-オクタデセン-1-オール、(Z)-2-(9-オクタデセニルオキシ)エタノール、(Z)-9-オクタデセン-1-オール、(Z,Z)-2,13-オクタデカジエン-1-オール、(Z,Z)-3,13-オクタデカジエン-1-オール、11-オクタデセン-1-オール、9,12,15-オクタデカトリエン-1-オール、9,12-オクタデカジエン-1-オール、オクタデカン-1-オール、(2E,6E,10E,14E)-3,7,11,15,19-ペンタメチルエイコサ-2,6,10,14,18-ペンタエン-1-オール、(E)-11-エイコセン-1-オール、(Z)-11-エイコセン-1-オール、(Z)-15-エイコセン-1-オール、1-エイコセン-1-オール、エイコサン-1-オール、ドコサン-1-オール、テトラコサン-1-オール、23-ヘキサコセン-1-オール、トリアコンテン-1-オール、(2R,3R)-2,3-ヘキサンジオール、(2R,3S)-2,3-ヘキサンジオール、(2S,3R)-2,3-ヘキサンジオール、(2S,3S)-2,3-ヘキサンジオール、(2S,3S)-2,3-オクタンジオール、(3S)-3,7-ジメチル-2-オキソ-6-オクテン-1,3-ジオール、(E)-2,6-ジメチル-3,7-オクタジエン-2,6-ジオール、(E)-2,6-ジメチル-5-オクテン-1,8-ジオール、(E)-2,6-ジメチル-6-オクテン-1,8-ジオール、(E)-3,7-ジメチル-2-オクテン-1,8-ジオール、(E,E)-2,6-ジメチル-2,6-オクタジエン-1,8-ジオール、(Z)-2,6-ジメチル-5-オクテン-1,8-ジオール、(Z)-2,6-ジメチル-6-オクテン-1,8-ジオール、2,3-オクタンジオール、2,6-ジメチル-1,7-オクタジエン-3,6-ジオール、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3,4-ジオール、(R)-ノナン-1,3-ジオール、4,6-ジメチルノナン-3,7-ジオール、ノナン-1,3-ジオール、(E)-4,8-ジメチル-4,9-デカジエン-1,8-ジオール、(E,E)-3,7-ジメチル-2,6-デカジエン-1,10-ジオール、ドリマン(drimane)-8α,11-ジオール、(E)-3,7,11-トリメチル-2,10-ドデカジエン-1,7-ジオール、プラタンビン(platambin)、イソトリネルビ(isotrinervi)-2β,3α-ジオール、トリネルビ-2β,3α-ジオールまたは21-ヒドロキシプレグン(hydroxypregn)-4-エン-3,20-ジオン;
・ アルコール部分に6〜30個のC原子(特に8〜20個のC原子)を含む芳香族、脂肪族および脂環式アルコールの酢酸エステルであって、一価不飽和または多価不飽和、例えば、1、2、3、4もしくは5不飽和であってもよく、かつ、1もしくは2個のアセチルオキシ基を特徴とし、前記酢酸エステルは、1〜5個のハロゲン原子(特にフッ素もしくは塩素原子)および/または1もしくは2個のケト基の任意の組み合わせを特徴とし得るものであって、例えば、(1R,3R)-cis-2,2-ジメチル-3-イソプロペニルシクロブタンメタノールアセテート、(E)-2,5-ヘキサジエニルアセテート、(E)-2-ヘキセニルアセテート、(E)-2-イソプロピル-5-メチル-2,4-ヘキサジエニルアセテート、(E)-3-ヘキセニルアセテート、(E,E)-2,4-ヘキサジエニルアセテート、(R)-5-メチル-2-(プロパ-1-エン-2-イル)ヘキサ-4-エニルアセテート、(Z)-3-ヘキセニルアセテート、1'-O-アセチルイトミオリド(acetylithomiolid) A、3-ヘキセニルアセテート、3-メチレンヘキシルアセテート、ヘキセニルアセテート、ヘキシルアセテート、(E)-2-ヘプテニルアセテート、1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセテート、2-(4-メチル-3-シクロヘキセニル)-2-プロピルアセテート、2,6-ジメチル-1,5-ヘプタジエン-3-イルアセテート、4-メトキシベンジルアセテート、6-メチル-5-ヘプテン-2-イルアセテート、シクロヘキシル2-フェニルアセテート、ヘプタン-2-イルアセテート、ヘプチルアセテート、(1R,2R,3S)-(2,3,4,4-テトラメチルシクロペンチル)メチルアセテート、(4-(プロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサ-1-エニル)メチルアセテート、(E)-2,7-オクタジエニルアセテート、(E)-2-オクテニルアセテート、(E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエニルアセテート、(E)-8-オキソ-3,7-ジメチル-6-オクテニルアセテート、(E,E)-2,4-オクタジエニルアセテート、(E,E)-2,6-オクタジエニルアセテート、(E,Z)-2,6-オクタジエニルアセテート、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエニルアセテート、(Z)-3-オクテニルアセテート、1-エチル-4-メチルヘプチルアセテート、1-イソプロピル-4-メチルヘプチルアセテート、2,6-ジメチル-(E,E)-2,6-オクタジエン-1,8-ジオールジアセテート、2-アセトキシ-6-メチルアセトフェノン、2-オクテニルアセテート、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-イルアセテート、3,7-ジメチル-6-オクテニルアセテート、4-メチルオクチルアセテート、エンド-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルアセテート、エチル2-フェニルアセテート、メチル2-フェニルアセテート、オクチルアセテート、(E)-6-ノネニルアセテート、(R)-(E)-7-メチル-6-ノネン-3-イルアセテート、1-プロピル-4-メチルヘプチルアセテート、2-ノネニルアセテート、ノナン-2-イルアセテート、ノニルアセテート、(3S)-(E)-6-イソプロピル-3,9-ジメチル-5,8-デカジエニルアセテート、(E)-2-デセニルアセテート、(E)-3,9-ジメチル-6-イソプロピル-5,8-デカジエニルアセテート、(E)-4-デセニルアセテート、(E)-5-デセニルアセテート、(E)-7-デセニルアセテート、(E,E)-3,5-デカジエニルアセテート、(Z)-3-デセニルアセテート、(Z)-3-メチル-6-イソプロペニル-3,9-デカジエニルアセテート、(Z)-4-デセニルアセテート、(Z)-5-デセニルアセテート、(Z)-7,9-デカジエニルアセテート、(Z)-7-デセニルアセテート、(Z,E)-3,5-デカジエニルアセテート、2-デセニルアセテート、3-メチル-6-イソプロペニル-9-デセニルアセテート、4-(p-アセトキシフェニル)ブタン-2-オン、デシルアセテート、(1R,2S)-cis-2-イソプロペニル-1-(4-メチル-4-ペンテン-1-イル)シクロブタンエタノールアセテート、(2S,10S)-2,10-ジアセトキシウンデカン、(2S,9S)-2,9-ジアセトキシウンデカン、(E)-6,10-ジメチル-5,9-ウンデカジエン-2-イルアセテート、(E)-8-ウンデセニルアセテート、(E)-9-ウンデセニルアセテート、(Z)-5-ウンデセニルアセテート、(Z)-6,10-ジメチル-5,9-ウンデカジエン-2-イルアセテート、(Z)-7-ウンデセニルアセテート、(Z)-8-ウンデセニルアセテート、(Z)-9-ウンデセニルアセテート、1-ペンチル-4-メチルヘプチルアセテート、2-ウンデセニルアセテート、メチル2-((1R,2R)-2-ヘキシルシクロプロピル)アセテート、ウンデカン-2-イルアセテート、ウンデセニルアセテート、ウンデシルアセテート、(10R)-10-メチルドデシルアセテート、(10S)-10-メチルドデシルアセテート、(E)-10-ドデセニルアセテート、(E)-3-ドデセニルアセテート、(E)-4-ドデセニルアセテート、(E)-5-ドデセニルアセテート、(E)-7-ドデセニルアセテート、(E)-8-ドデセニルアセテート、(E)-9,11-ドデカジエニルアセテート、(E)-9-ドデセニルアセテート、(E,E)-3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエニルアセテート、(E,E)-4,10-ドデカジエニルアセテート、(E,E)-5,7-ドデカジエニルアセテート、(E,E)-7,9,11-ドデカトリエニルアセテート、(E,E)-7,9-ドデカジエニルアセテート、(E,E)-8,10-ドデカジエニルアセテート、(E,Z)-3,5-ドデカジエニルアセテート、(E,Z)-5,7-ドデカジエニルアセテート、(E,Z)-7,9,11-ドデカトリエニルアセテート、(E,Z)-7,9-ドデカジエニルアセテート、(E,Z)-8,10-ドデカジエニルアセテート、(Z)-10-ドデセニルアセテート、(Z)-3-ドデセニルアセテート、(Z)-5-ドデセニルアセテート、(Z)-7-ドデセニルアセテート、(Z)-8-ドデセニルアセテート、(Z)-9,11-ドデカジエニルアセテート、(Z)-9-ドデセン-7-イン-1-オールアセテート、(Z)-9-ドデセニルアセテート、(Z,E)-3,5-ドデカジエニルアセテート、(Z,E)-5,7-ドデカジエニルアセテート、(Z,E)-7,9,11-ドデカトリエニルアセテート、(Z,E)-7,9-ドデカジエニルアセテート、(Z,E)-8,10-ドデカジエニルアセテート、(Z,Z)-3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエニルアセテート、(Z,Z)-5,7-ドデカジエニルアセテート、(Z,Z)-7,9-ドデカジエニルアセテート、(Z,Z)-8,10-ドデカジエニルアセテート、10-メチルドデシルアセテート、11,11,11,12,12-ペンタフルオロ-(Z)-9-ドデセニルアセテート、11,11-ジフルオロ-(Z)-9-ドデセニルアセテート、11-ドデセニルアセテート、7,7-ジフルオロ-(Z)-8-ドデセニルアセテート、9,11-ドデカジエニルアセテート、9-ドデセニルアセテート、ドデカジエニルアセテート、ドデセニルアセテート、ドデシルアセテート、メチル2((1R,2S)-3-オキソ-2-((Z)-ペンタ-2-エニル)シクロペンチル)アセテート、メチル2-(3-オキソ-2-((Z)-ペンタ-2-エニル)シクロペンチル)アセテート、(2R,7S)-2,7-ジアセトキシトリデカン、(2S)-2-トリデカニルアセテート、(2S,11S)-2,11-ジアセトキシトリデカン、(2S,12S)-2,12-ジアセトキシトリデカン、(2S,3R,7R)-3,7-ジメチルトリデカン-2-イルアセテート、(2S,3R,7R,9S)-3,7,9-トリメチル-2-トリデシルアセテート、(E)-11-トリデセニルアセテート、(E)-3,7,11-トリメチル-4-(3-メチルブタ-2-エニル)ドデカ-1,6,10-トリエン-3-イルアセテート、(E)-3-トリデセニルアセテート、(E)-4-トリデセニルアセテート、(E)-6-トリデセニルアセテート、(E)-8-トリデセニルアセテート、(E)-9-トリデセニルアセテート、(E,Z)-4,7-トリデカジエニルアセテート、(E,Z)-5,9-トリデカジエニルアセテート、(E,Z,Z)-4,7,10-トリデカトリエニルアセテート、(Z)-10-トリデセニルアセテート、(Z)-11-トリデセニルアセテート、(Z)-4-トリデセニルアセテート、(Z)-8-トリデセニルアセテート、(Z)-9-トリデセニルアセテート、(Z,E)-5,9-トリデカジエニルアセテート、(Z,Z)-4,7-トリデカジエン-(2S)-2-イルアセテート、(Z,Z)-5,9-トリデカジエニルアセテート、(Z,Z)-7,11-トリデカジエニルアセテート、1-(3-メチルヘキシル)-4-メチルヘプチルアセテート、10-プロピル-(E)-5,9-トリデカジエニルアセテート、11-メチル-(Z)-9,12-トリデカジエニルアセテート、2-アセトキシトリデカン、2S-(E)-2,10-トリデセニルアセテート、2-トリデセニルアセテート、1-ケンペン(=C24H34O4) 2-ケンペン(=C22H30O3)、トリデカン-2-イルアセテート、トリデセニルアセテート、トリデシルアセテート、(E)-10-テトラデセニルアセテート、(E)-11,13-テトラデカジエニルアセテート、(E)-11-テトラデセニルアセテート、(E)-12-テトラデセニルアセテート、(E)-3-テトラデセニルアセテート、(E)-5-テトラデセニルアセテート、(E)-6-テトラデセニルアセテート、(E)-7-テトラデセニルアセテート、(E)-8-テトラデセニルアセテート、(E)-9,11-テトラデカジエニルアセテート、(E)-9-テトラデセニルアセテート、(E,E)-10,12-テトラデカジエニルアセテート、(E,E)-3,5-テトラデカジエニルアセテート、(E,E)-8,10-テトラデカジエニルアセテート、(E,E)-9,11-テトラデカジエニルアセテート、(E,E)-9,12-テトラデカジエニルアセテート、(E,Z)-10,12-テトラデカジエニルアセテート、(E,Z)-3,5-テトラデカジエニルアセテート、(E,Z)-3,7-テトラデカジエニルアセテート、(E,Z)-3,8-テトラデカジエニルアセテート、(E,Z)-4,10-テトラデカジエニルアセテート、(E,Z)-4,9-テトラデカジエニルアセテート、(E,Z)-8,10-テトラデカジエニルアセテート、(E,Z)-9,11-テトラデカジエニルアセテート、(E,Z,Z)-3,8,11-テトラデカトリエニルアセテート、(Z)-10-テトラデセニルアセテート、(Z)-11,13-テトラデカジエニルアセテート、(Z)-11-テトラデセニルアセテート、(Z)-12-テトラデセニルアセテート、(Z)-3-テトラデセニルアセテート、(Z)-5-テトラデセニルアセテート、(Z)-6-テトラデセニルアセテート、(Z)-7-テトラデセニルアセテート、(Z)-8-テトラデセニルアセテート、(Z)-9-テトラデセニルアセテート、(Z,E)-10,12-テトラデカジエニルアセテート、(Z,E)-3,5-テトラデカジエニルアセテート、(Z,E)-8,10-テトラデカジエニルアセテート、(Z,E)-9,11,13-テトラデカトリエニルアセテート、(Z,E)-9,11-テトラデカジエニルアセテート、(Z,E)-9,12-テトラデカジエニルアセテート、(Z,Z)-10,12-テトラデカジエニルアセテート、(Z,Z)-9,11-テトラデカジエニルアセテート、(Z,Z)-9,12-テトラデカジエニルアセテート、1-(3-メチルヘキシル)オクチルアセテート、1,3-テトラデカンジオールジアセテート、10-テトラデカジエニルアセテート、10-テトラデセニルアセテート、12-メチルテトラデシルアセテート、14,14,14-トリフルオロ-(E)-11-テトラデセニルアセテート、14,14,14-トリフルオロ-(Z)-11-テトラデセニルアセテート、14-フルオロ-(E)-11-テトラデセニルアセテート、14-フルオロ-(Z)-11-テトラデセニルアセテート、3-α,10-α-ジアセトキシ-7,16-セコトリネルビタ(secotrinervita)-7,11,15(17)-トリエン、テトラデシルアセテート、(2S)-2-ペンタデシルアセテート、(2S,3R,7R)-3,7-ジメチルペンタデカン-2-イルアセテート、(2S,3S)-3,7-ジメチルペンタデカン-2-イルアセテート、(2S,3S,7S)-3,7-ジメチルペンタデカン-2-イルアセテート、(E)-12-ペンタデセニルアセテート、(E)-9-ペンタデセニルアセテート、(E,E)-8,10-ペンタデカジエニルアセテート、(E,Z)-8,10-ペンタデカジエニルアセテート、(Z)-10-ペンタデセニルアセテート、(Z)-12-ペンタデセニルアセテート、(Z)-8-ペンタデセニルアセテート、(Z)-9-ペンタデセニルアセテート、(Z,E)-8,10-ペンタデカジエニルアセテート、(Z,Z)-8,10-ペンタデカジエニルアセテート、1-ヘプチルオクチルアセテート、3,7-ジメチルペンタデカン-2-イルアセテート、ペンタデカノ-2-イルアセテート、ペンタデセニルアセテート、ペンタデシルアセテート、トリネルビ(trinervi)-2-β,3-α,17-トリオール17-O-アセテート、トリネルビ-2-β,3-α,9-α-トリオール2,3-O-ジアセテート、トリネルビ-2-β,3-α,9-α-トリオール9-O-アセテート、(5R,6S)-6-アセトキシ-5-ヘキサデカノリド、(E)-11-ヘキサデケニルアセテート、(E)-2,6,11,15-テトラメチル-2,10,14-ヘキサデカトリエン-8-イルアセテート、(E)-5-ヘキサデセニルアセテート、(E)-6-ヘキサデセニルアセテート、(E)-8-ヘキサデセニルアセテート、(E)-9-ヘキサデセニルアセテート、(E,E)-10,12-ヘキサデカジエニルアセテート、(E,E)-11,13-ヘキサデカジエニルアセテート、(E,E,E)-10,12,14-ヘキサデカトリエニルアセテート、(E,E,E)-3,7,11,15-テトラメチル-2,6,10,14-ヘキサデカテ
トラエニルアセテート、(E,E,Z)-10,12,14-ヘキサデカトリエニルアセテート、(E,E,Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニルアセテート、(E,E,Z)-4,6,11-ヘキサデカトリエニルアセテート、(E,Z)-10,12-ヘキサデカジエニルアセテート、(E,Z)-11,13-ヘキサデカジエニルアセテート、(E,Z)-4,6-ヘキサデカジエニルアセテート、(E,Z)-6,11-ヘキサデカジエニルアセテート、(E,Z)-9,11-ヘキサデカジエニルアセテート、(E,Z,Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニルアセテート、(Z)-10-ヘキサデセニルアセテート、(Z)-11-ヘキサデセニルアセテート、(Z)-12-ヘキサデセニルアセテート、(Z)-13-ヘキサデセン-11-イン-1-オールアセテート、(Z)-3-ヘキサデセニルアセテート、(Z)-5-ヘキサデセニルアセテート、(Z)-7-ヘキサデセニルアセテート、(Z)-9-ヘキサデセニルアセテート、(Z,E)-10,12-ヘキサデカジエニルアセテート、(Z,E)-11,13,15-ヘキサデカトリエニルアセテート、(Z,E)-11,13-ヘキサデカジエニルアセテート、(Z,E)-11,14-ヘキサデカジエニルアセテート、(Z,E)-7,11-ヘキサデカジエニルアセテート、(Z,Z)-11,13-ヘキサデカジエニルアセテート、(Z,Z)-7,11-ヘキサデカジエニルアセテート、(Z,Z)-8,10-ヘキサデカジエニルアセテート、1-(3-メチルヘキシル)-デシルアセテート、11-ヘキサデセニルアセテート、11-ヘキサデシニルアセテート、13-オキソトリネルビタ(oxotrinervita)-1(15),8(19)-ジエン-2-β,3-α-ジオール2,3-O-ジアセテート、3-オキソケンパ(oxokempa)-6,8-ジエン-14α-オール14-O-アセテート、7-ヘキサデセニルアセテート、エリスロ-6-アセトキシ-5-ヘキサデカノリド、ヘキサデセニルアセテート、ヘキサデシルアセテートケンパ-(kempa)-6,8-ジエン-3α,14α-ジオール3,14-O-ジアセテート、ケンパ-6,8-ジエン-3β,14α-ジオール3,14-O-ジアセテート、トリネルビタ-1(15),8(19)-ジエン-2β,3α,9α-トリオール2,3-O-ジアセテート、トリネルビタ-1(15),8(19)-ジエン-2β,3α,9α-トリオール9-O-アセテート、トリネルビタ-1(15),8(19)-ジエン-2β,3α,9-トリオール2,3,9-O-トリアセテート、トリネルビタ-1(15),8(19)-ジエン-2β,3α-ジオール2-O-アセテート、トリネルビタ-11(12),15(17)-ジエン-3α,13α-ジオール3,13-O-ジアセテート、(2S,12S)-2,12-ジアセトキシヘプタデカン、(2S,12Z)-2-アセトキシ-12-ヘプタデセン、(2S,13S)-2,13-ジアセトキシヘプタデカン、(2S,14S)-2,14-ジアセトキシヘプタデカン、(Z)-11-ヘプタデセニルアセテート、ヘプタデセニルアセテート、ヘプタデシルアセテート、(E)-13-オクタデケニルアセテート、(E)-2-オクタデセニルアセテート、(E,E)-3,13-オクタデカジエニルアセテート、(E,Z)-2,13-オクタデカジエニルアセテート、(E,Z)-3,13-オクタデカジエニルアセテート、(Z)-11-オクタデセニルアセテート、(Z)-13-オクタデゼニルアセテート、(Z)-9-オクタデゼニルアセテート、(Z,E)-2,13-オクタデカジエニルアセテート、(Z,E)-3,13-オクタデカジエニルアセテート、(Z,Z)-2,13-オクタデカジエニルアセテート、(Z,Z)-3,13-オクタデカジエニルアセテート、(Z,Z)-9,12-オクタデカジエニルアセテート、(Z,Z,Z)-3,6,9-オクタデカトリエニルアセテート、(Z,Z,Z)-9,12,15-オクタデカトリエニルアセテート、9-オクタデセニルアセテート、オクタデセニルアセテート、オクタデシルアセテート、(Z)-11,19-エイコサジエニルアセテート、(Z)-11-エイコセニルアセテート、(Z,Z)-11,14-エイコサジエニルアセテート、(Z,Z,Z)-11,14,17-エイコサトリエニルアセテート、エイコシルアセテート、11-ドコセニルアセテート、ドコシルアセテート、テトラコセニルアセテート、テトラコシルアセテート、(E,E,Z,Z)-1-ヒドロキシ-13,15,18,20-ペンタコサテトラエン-11-イニルアセテート、ヘキサコセニルアセテート、15-メチルノナコサン-7-イルアセテート、19-メチルノナコサン-6-イルアセテート、19-メチルノナコサン-7-イルアセテート、および19-メチルノナコサン-8-イルアセテート;
・ 好ましくは6〜20個の炭素原子を有する脂環式炭化水素、脂環式アルコールおよび脂環式ケトン類、ならびにヒドロキシケトン類、例えば、α‐ピネン=(2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン、cis-ベルベノール=(1S,2S,5S)-4,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-3-エン-2-オール)、ラニエロン(lanierone)=2-ヒドロキシ-4,4,6-トリメチル-2,5-シクロヘキサジエン-1-オン;
・ オキサスピロ化合物群、例えば、リネアチン(lineatin)=(3,3,7-トリメチル-2,9-ジオキサトリシクロ[3.3.1.04,7]ノナン)、フロンタリン=1,5-ジメチル-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン、カルコグラン(chalcogran)=2-エチル-1,6-ジオキサスピロ[4,4]ノナン、またはビコロリン(bicolorin)=(1S,2R,5R)-2-エチル-1,5-ジメチル-6,8-ジオキサビシクロ(3.2.1)オクタン;
・ ならびに上記フェロモンの混合物。
【0044】
フェロモンは、そのものとして、フェロモン混合物またはフェロモン含有液体として、ディスペンサー中に存在させることができる。最後に記載したものの場合には、ディスペンサーは、上記のフェロモンまたはフェロモン混合物の他に、混合物中に1種または複数の不活性液体をフェロモンまたはフェロモン混合物と一緒に含むこともできる。本明細書では、不活性とは、その液体それ自体は不活性であるが、フェロモンの活性に悪影響を及ぼさず、その液体がフェロモンの活性を高めることもできることを意味する。例としては、通常、6個以下のC原子を有する、低分子量のアルコール類およびケトン類があり、例えば、メチルブテノール、メチルブチノール、6〜10個のC原子を有する脂肪族、脂環式および芳香族炭化水素、ならびにC1-C6-アルカノールと飽和C1-C6-カルボン酸とのエステル類、例えばそれらのアセテートなどである。
【0045】
本発明のとりわけ好ましい実施形態によれば、ディスペンサー中に存在するフェロモンは、6〜30個のC原子(特に8〜20個のC原子)を含む一価不飽和または多価不飽和、例えば、1、2、3もしくは4不飽和の脂肪族アルコール、ならびにそれらのアセテート、特にそれらのモノアセテートおよびジアセテートの中から選択される、少なくとも1種の活性物質を含む。不飽和とは、少なくとも1つのエチレン系不飽和の二重結合(C=C二重結合)を有し、かつ/または、少なくとも1つのアセチレン系不飽和の三重結合(C≡C三重結合)を有する、脂肪族アルコール、またはアセテートのアルコール成分を意味する。好ましい脂肪族アルコール、またはアセテートのアルコール成分は、少なくとも1種または複数の(例えば1、2、3または4つの)エチレン系C=C二重結合を有し、かつ/または、少なくとも1つの(例えば1または2つの)C≡C三重結合を有し、そのC=C二重結合とC≡C三重結合の合計は1、2、3または4である。またアルコールは、ケト基をさらに有していてもよい。アセテートにも同様のことを適用する。
【0046】
さらなる好ましい実施形態によれば、ディスペンサー中に存在するフェロモンは、いわゆるSCLP類(直鎖状鱗翅目の昆虫フェロモン:straight-chain lepidopteran pheromones)と呼ばれるものの中から選択される少なくとも1種の活性物質を含む。これらは、9〜18個のC原子を有する非分岐状脂肪族化合物であって、場合により、1、2または3つの二重結合を有し、またOH、CHO(アルデヒド)およびO-C(OCH3)の中から選択される末端官能基を有するものを意味するものと理解されたい。
【0047】
本発明のとりわけ好ましい実施形態によれば、ディスペンサー中に存在するフェロモンは、Z9-ドデセニルアセテート、E7,Z9-ドデカジエニルアセテート、E8,E10-ドデカジエノールおよびZ8-ドデセニルアセテートならびにそれらの混合物の中から選択される、少なくとも1種の活性物質を含む。
【0048】
さらなる好ましい実施形態によれば、ディスペンサー中に存在するフェロモンは、次のものの中から選択される少なくとも1種の活性物質を含む:
・ 好ましくは6〜20個の炭素原子を有する脂環式炭化水素類、脂環式アルコール類および脂環式ケトン類ならびにヒドロキシケトン類、例えば、
α‐ピネン=(2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン)、
cis-ベルベノール=(1S,2S,5S)-4,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-3-エン-2-オール)、
ラニエロン(lanierone)=2-ヒドロキシ-4,4,6-トリメチル-2,5-シクロヘキサジエン-1-オン;
・ オキサスピロ化合物、例えば、
リネアチン(lineatin)=(3,3,7-トリメチル-2,9-ジオキサトリシクロ[3.3.1.04,7]ノナン)、
フロンタリン=1,5-ジメチル-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン、
カルコグラン(chalcogran)=2-エチル-1,6-ジオキサスピロ[4,4]ノナン、または、
ビコロリン(bicolorin)=(1S,2R,5R)-2-エチル-1,5-ジメチル-6,8-ジオキサビシクロ(3.2.1)オクタン;ならびに、
・ 上記のフェロモンの混合物。
【0049】
また特に好ましい実施形態および極めて特に好ましい実施形態の活性物質は、好ましくは6〜30個のC原子、特に8〜20個のC原子を有する飽和アルコール類を含む混合物として存在させることもできるか、あるいは、好ましくは6〜30個のC原子、特に8〜20個のC原子を有するアセテート−飽和アルコール類を含む混合物中に存在させることもできる。飽和アルコール類の例としては、具体的には、1-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、1-ウンデカノール、1-ドデカノール、1-トリデカノール、1-テトラデカノール、1-ペンタデカノール、1-ヘキサデカノール、ステアリルアルコールなど、およびそれらのアセテート類、例えば、1-オクチルアセテート、1-ノニルアセテート、1-デシルアセテート、1-ウンデシルアセテート、1-ドデシルアセテート、1-トリデシルアセテート、1-テトラデシルアセテート、1-ペンタデシルアセテート、1-ヘキサデシルアセテート、ステアリルアセテートなどであり、飽和アルコール類およびそれらのアセテート類は、通常、活性物質ならびに飽和アルコールおよび/または飽和アルコールのアセテートの総量に対し50重量%以下を占める。
【0050】
さらに、ディスペンサー中に存在するフェロモンは、化学的安定化を目的とした薬剤、例えば、酸化防止剤および/または紫外線吸収剤を含んでいてもよい。酸化防止剤の例としては、トコフェロール類、例えば、α-トコフェロール、α-トコフェロールパルミテート、α-トコフェロールアセテート、ならびにアルキル置換ヒドロキシベンゼン、ヒドロキノンおよびヒドロキシアニソール類、例えば、tert-ブチルヒドロキシトルエン、tert-ブチルヒドロキノンまたはtert-ブチルヒドロキシアニソールである。紫外線吸収剤の例としては、4,4-ジアリールブタジエン、珪皮酸エステル、ベンゾトリアゾール、特に2-(2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、2-(2'-ヒドロキシ-3'-tert-ブチル-5'-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾフェノン、ジフェニルシアンアクリレート、オキサミド(シュウ酸ジアミド)、および2-フェニル-1,3,5-トリアジンである。
【0051】
フェロモンまたはフェロモン含有液体(フェロモンおよび不活性液体)の量は、通常、使用の所望期間にわたってフェロモンの十分な放出が達成されるような量である。一般的に、フェロモンまたはフェロモン含有液体の総量は、0.2〜5ml、特に0.3〜3mlである。
【0052】
さらに本発明は、本発明によるディスペンサーの生産方法であって、
i) フェロモンを収容する皿形状部を形成するように設計された少なくとも1つのゾーン(4)を特徴とする、熱可塑性フィルム材料で製造された深絞り加工プラスチックフィルムを提供するステップと、
ii) 皿形状部を形成するように設計されたゾーン(群)をフェロモンまたはフェロモン含有液体で充填するステップと;
iii) 熱可塑性フィルム材料で製造した平面プラスチックフィルムを深絞り加工プラスチックフィルムと連結させることにより、皿形状部を形成するように設計された前記ゾーン(群)を、平面プラスチックフィルムで密封するステップと、
iv) 互いに連結されているプラスチックフィルムのゾーン中の凹部をディスペンサーに設けるステップ
とを含む方法に関する。
【0053】
この目的に対し、通常、第1ステップi)では、加熱し、場合により大気圧以上または以下の圧力を加えながら従来の深絞り方法を行うことにより、深絞りに適した熱可塑性的に処理可能なプラスチックフィルム(深絞り加工フィルム)に、ディスペンサーに対して所望する形状の1種または複数の皿形状部ゾーン(くぼみ部(depressions))を形成する。その操作の際、通常、ディスペンサーに必要とされる多数の(例えば2〜100の、特に4〜20の)皿形状部ゾーンを深絞り加工フィルムに形成する。こうした方法は、例えば、Saechtling, Kunststoff-Taschenbuch, 第26版, Carl Hanser Verlag, Munich Vienna 1995, pp. 297-305、およびG. Kuhne in Kunststoff Maschinenfuhrer (Johannaber, ed.), 第3版, Carl Hanser Verlag, Munich Vienna 1992, pp. 618 634から当業者には公知である。
【0054】
その後、ステップii)において、こうして形成された皿形状部ゾーンをフェロモンまたはフェロモン含有液体で充填するが、フェロモンまたはフェロモン含有液体の量は、通常、所望の充填レベルに対応するように選択する。
【0055】
ステップiii)においては、充填ゾーン(群)は、熱可塑性フィルム材料で製造した平面プラスチックフィルムで密封される。この目的に対し、通常、平面プラスチックフィルムが充填ゾーンを覆うように平面プラスチックフィルムを深絞り加工フィルムにあてがい、次に、充填ゾーンが耐久密封されるように、取り外せないよう固定する。通常、固定は、融接法(welding method)または密封法(sealing method)により行われ、この場合、深絞り加工フィルム上の平面プラスチックフィルムは深絞り加工フィルムに永続的に結合または密封される。基本的には、平面プラスチックフィルムを深絞り加工フィルムと一緒に結合させることもできる。こうした方法は、例えば、Saechtling, Kunststoff-Taschenbuch, 第26版, Carl Hanser Verlag, Munich Vienna 1995, pp. 305-325、およびG. Kuhne in Kunststoff Maschinenfuhrer (Johannaber, ed.), 第3版, Carl Hanser Verlag, Munich Vienna 1992, pp. 747-810から当業者には公知である。
【0056】
融接法、特に密封法が好ましい。平面プラスチックフィルムが、皿形状部を形成するように設計されたゾーンの縁部に沿って深絞り加工プラスチックフィルムに融接または密封されるように融接法または密封法を行ない、密封形成するのが好ましい。好適な融接法または密封法は、基本的には、熱可塑性プラスチックフィルムを融接または密封するのに適する全ての方法である。具体例は、温度および圧力を加えて操作する密封法(ホットシール法)、または超音波および圧力を加えて操作する密封法(超音波シール法)である。
【0057】
平面フィルムが密封法によって深絞り加工フィルムに連結される場合、深絞り加工フィルムのフィルム材料が平面フィルムのフィルム材料と密封可能であることが必要である。したがって、場合によっては、2種類のフィルムの少なくとも1種が別のフィルム材料に密封可能であるような、密封可能コーティングを有していてもよい。両フィルムがポリオレフィン(特にポリエチレン)から成る場合には、通常、ポリオレフィンは自己密封可能であるので、こうした密封層は必要ではない。
【0058】
密封可能な層として適するものは、密封可能なすべてポリマーおよびポリマー系である。すなわち、形成される密封層は、十分な圧力と温度を加えた場合に、別の層に融接され得る(すなわち、耐久的に連結され得る)。この別の層は、フィルム材料と同一のポリマーから成っていてもよく、異なるポリマーから成っていてもよい。密封可能な層は、好ましくは、室温(21℃、1 bar)で耐ブロック性であるポリマーにより形成され、すなわち、形成されたポリマーフィルムはべとつかない。ポリマーが+50℃以下で耐ブロック性であるものが特に好ましい。密封可能な層は、少なくとも20重量%、とりわけ好ましくは少なくとも40重量%、とりわけ非常に好ましくは少なくとも60重量%の少なくとも1種のC2-C6-オレフィンから構成されているポリマーから成るのが好ましい。こうしたポリマーは、これ以降、単にポリオレフィンと呼ぶ。記載可能なC2-C6-オレフィンは、特にエチレンまたはプロピレンである。密封可能な層に関する好ましいポリマーはオレフィン類のホモポリマーであり、特にポリエチレンもしくはポリプロピレン、またはそれらのコポリマーである。密封可能な層が60重量%を超えるエチレンから構成されているポリマーから成るのが特に好ましい。とりわけ好ましくは、密封可能な層はポリエチレン(PE)から成る。密封可能な層に上記オレフィン類の低分子量ホモポリマーまたはコポリマーを使用することができる。例えば、WO 2007/012621に記載のPEワックスである。また、高分子量ポリマーも適しており、具体的には、熱可塑性処理が可能であって、例えば、フィルム形態で押出し可能なポリエチレン(PE)も好適である。特にポリオレフィンは自己密封可能であり、すなわち、耐久性のある連結を一緒につくる別の層は、好ましくは、同一材料で製造される。密封可能な層の厚さは、存在する場合には、一般に5〜100μm、特に10〜80μm、詳細には15〜50μmの値である。
【0059】
その後、ディスペンサーは、互いに連結されているプラスチックフィルムのゾーンに凹部が設けられる。これは、例えば、カッティングまたはパンチングにより行うことができる。拡大カットは同じ方法で行うことができる。
【0060】
本発明による方法は、一工程で多数のディスペンサーを生産することができる。この場合、本方法のステップi)は、その工程で製造するディスペンサー数に必要な数の皿形状部ゾーンを深絞り加工に使用されるプラスチックフィルムで製造するステップと、フェロモンまたはフェロモン含有液体をそれらに充填するステップと、その後、上記方法により平面フィルムでそれらを密封するステップとを同時に含む。このようにして製造された、互いに連結されているディスペンサーは、必要な凹部の数でカッティングすることにより相互に分離され、場合によっては、事前にまたは同時に、拡大カットが行われる。
【0061】
ここで、本発明を図1〜3を参照して記載する。ただし、この記載は単に例示を目的とするものであって、示した実施形態に本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【0062】
以下の参照記号を図1〜3中で使用する:
1 深絞り加工プラスチックフィルム
2 密封部
3 チャンバーの縁部
4 皿形状を形成するように設計されたゾーン(皿形状部)、またはチャンバー
4a、4b 皿形状部またはチャンバーの部分ゾーン
5 ノッチ/拡大カット
6 凹部
7 くぼみ部
7a、7b 低部の部分ゾーン
8 チャンネルからくぼみ部までの移行部
9 平面プラスチックフィルムまたはフィルムカバー
10 張り出し部
図1に示したフェロモンディスペンサーは、本質的に、深絞り加工プラスチックフィルム(1)とフィルムカバーとしての平面プラスチックフィルムから成り、それらの間に、フェロモンまたはフェロモン含有液体が封入されている。ディスペンサーを平面図で示しているので、フィルムカバーはこの図には示していない。またフェロモンまたはフェロモン含有液体も図示していない。
【0063】
深絞り加工プラスチックフィルム(1)は、本質的には長方形の水平投影図を有する。製造条件または使用上の特異的条件に応じて、角を丸くすることができる。皿形状部を形成するように設計されたゾーンは、本明細書ではチャンバー(4)とも称し、フェロモンまたはフェロモン含有液体を収容する役目を担う。
【0064】
ディスペンサーは、凹部(6)からディスペンサーの外縁部まで延びる、ノッチ(5)を特徴とする。通常、凹部(6)は楕円形または円形であるが、固定をより確実にするための刻み目(indentations)または張り出し部(bulges)を設けることもできる。
【0065】
ノッチ(5)は皿形状部(4)を2つの部分ゾーン(4a)および(4b)に分割する。それらはいずれの場合もノッチ(5)の片側に配置されており、凹部(6)の周囲で、狭い円弧部(チャンネルとも呼ぶ)によって互いに連結されている。深絞り加工プラスチックフィルム(1)は、密封部(2)により皿形状部(4)の縁部に沿って平面プラスチックフィルムに連結され、それにより、2種類のプラスチックフィルムが、フェロモンまたはフェロモン含有液体(図示せず)を含む、耐久密封チャンバーを形成する。
【0066】
図2に示したディスペンサーの特定の実施形態においては、チャンバー(4)は、また、凹部(6)の周囲の狭い円弧部によって互いに連結されいてる2つの部分ゾーンを特徴とする。さらに、部分ゾーンの1つは爪形状の張り出し部(10)を特徴とし、それにより、チャンバー(4)は凹部(6)をほどんど囲んでいる。さらに、チャンバー(4)は、皿形状部の底にある2つの低部の部分ゾーン(7a)および(7b)を特徴とする。これらは2つの隣接する四分円内に配置され、その間にノッチ(5)が配置されている。それぞれの低部の部分ゾーン(7a)および(7b)は、深絞り加工プラスチックフィルム(1)の外縁部およびノッチ(5)と平行に延びている、長方形ゾーンを特徴とする。凹部(6)は残りの2つの四分円内に配置される。それは楕円形の基本形状を有し、より良好に固定が出来るように刻み目または張り出し部が設けられる。
【0067】
ノッチ(5)は、凹部(6)に対して任意の円弧状の低部の部分ゾーン(7a)および(7b)上に延びる。密封部(2)はチャンバーの縁部に沿って延びる。これは、深絞り加工プラスチックフィルム(1)を平面フィルムカバーと連結し、それにより、フェロモンまたはフェロモン含有液体(図示せず)を含むチャンバーを密封する。
【0068】
図3に示す、図2の好ましい実施形態をA-Aのラインに沿って切断した断面は、深絞り加工プラスチックフィルム(1)とフィルムカバー(9)によって形成されたチャンバー(4)を示す。チャンバー(4)は、くぼみ部(7)への移行部(8)を特徴とする。チャンバー(4)は、周囲全てが密封部(2)で密封されている。
【0069】
図3に示すように、チャンバーとくぼみ部の平面部分は両方とも平面で平行である。チャンバーからくぼみ部までの移行部(8)中のゾーンとチャンバーの縁部(3)のみ除く。
【0070】
通常、厚さ範囲が0.05mm〜0.5mmの深絞り加工プラスチックフィルムと、厚さ範囲が0.02mm〜0.5mmの平面プラスチックフィルムが使用される。
【0071】
チャンバー、すなわち、皿形状部を形成するように設計されたゾーンは、通常、0.3mm〜5mm、特に0.4〜3mmの範囲の深さを有し、また5cm2〜25cm2の範囲の領域を有するように設計される。
【0072】
実際には、本発明によるディスペンサーは以下のように生産される:
厚さが例えば0.2mm厚の熱可塑性フィルム材料(例えば、HDポリエチレン)で、高温およびブロー圧力条件下の深絞り加工により、いずれの場合にも図2に示した5つの皿形状部ゾーンを備えた2列が製造される。低部ゾーン(7a)および(7b)の皿形状部ゾーンの深さは約2mmで、皿形状部の残りのゾーンは約1mmである。ラインA-Aの方向のチャンバーの全範囲は約5.3cmであり、A-Aに対するライン垂直方向は3.8cmである。次に、チャンバー(4)をフェロモン(例えば、0.5〜1.0mlのZ9-ドデセニルアセテート)で充填する。チャンバー(4)は、超音波溶接法により、チャンバー(4)の縁部(3)に沿って深絞り加工プラスチックフィルム(1)に平面プラスチックフィルム(9)を融接させることによって、熱可塑性フィルム材料で製造された平面プラスチックフィルム(9)(例えば、厚みが例えば0.1mmのHDポリエチレン)で密封され、それにより密封部(2)が形成される。その後、凹部(6)が、互いに連結されているプラスチックフィルムのゾーンでディスペンサーにパンチされるが、前記凹部には2つの刻み目があり、また、凹部は縦軸方向に約1.8cmの最大寸法と、垂直軸方向に約1.2cmの最大寸法を持つ。こうして形成された10のディスペンサーは依然として互いに連結されているが、カッティングにより互いに分離される。拡大カット(5)も同時に調製される。
【0073】
類似の方法で、例えば有色ディスペンサーを製造することも可能である。平面フィルム用のHDポリエチレンおよび深絞り加工フィルム用のHDポリエチレンは、いずれの場合も、0.3重量%の酸化鉄顔料を用いて着色する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 熱可塑性フィルム材料で製造されており、かつ、フェロモンまたはフェロモン含有液体を収容するための皿形状部を形成するように設計された少なくとも1つのゾーン(4)を特徴とした、深絞り加工プラスチックフィルム(1)と、
(b) 熱可塑性フィルム材料で製造されており、かつ、深絞り加工プラスチックフィルム(1)に連結されている、平面プラスチックフィルム(9)であって、平面プラスチックフィルム(9)が、深絞り加工プラスチックフィルムの皿形状部を形成するように設計された少なくとも1つのゾーン(4)と一緒になって、フェロモンまたはフェロモン含有液体を含む耐久密封チャンバーを形成する、前記平面プラスチックフィルムと、
(c) 相互に連結したプラスチックフィルムのゾーンにある凹部(6)と
を含むフェロモン用ディスペンサーであって、
平面プラスチックフィルム(9)がフェロモンに対して浸透性を有する、前記ディスペンサー。
【請求項2】
皿形状部を形成するように設計されたゾーンが0.3〜5mmの範囲の深さを有する、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項3】
皿形状部を形成するように設計されたゾーンが、皿形状部の底部にある少なくとも1つのくぼみ部を特徴とする、請求項1または2に記載のディスペンサー。
【請求項4】
皿形状部を形成するように設計されたゾーンが、互いに連結されており、かつ凹部(6)の両側に配置されている、少なくとも2つの部分ゾーン(4a)および(4b)を特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項5】
ディスペンサーが、凹部(6)をディスペンサーの縁部に連結するノッチ(5)を特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項6】
皿形状部を形成するように設計されたゾーンが2.5〜25cm2の範囲の領域を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項7】
深絞り加工プラスチックフィルムがフェロモンに対して浸透性を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項8】
深絞り加工プラスチックフィルムのフィルム材料がエチレンのホモポリマーまたはコポリマーである、請求項1〜7のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項9】
平面プラスチックフィルムのフィルム材料がエチレンのホモポリマーまたはコポリマーである、請求項1〜8のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項10】
平面プラスチックフィルムが、皿形状部を形成するように設計されたゾーンの縁部に沿って、密封部(2)により深絞り加工プラスチックフィルムへ連結されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項11】
深絞り加工プラスチックフィルムが0.05〜0.5mmの範囲の厚さを有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項12】
平面プラスチックフィルムが0.02〜0.5mmの範囲の厚さを有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項13】
フェロモンが、6〜30個のC原子を有する不飽和脂肪族アルコールおよびそれらのアセテートの中から選択される少なくとも1種の活性物質を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項14】
活性物質が、Z9-ドデセニルアセテート、E7,Z9-ドデカジエニルアセテート、E8,E10-ドデカジエノールおよびZ8-ドデセニルアセテート、ならびにそれらの混合物の中から選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項15】
i) フェロモンを収容するための皿形状部を形成するように設計された少なくとも1つのゾーンを特徴とする、熱可塑性フィルム材料で製造された深絞り加工プラスチックフィルムを提供するステップと、
ii) 皿形状部を形成するように設計されたゾーンをフェロモンまたはフェロモン含有液体で充填するステップと、
iii) 熱可塑性フィルム材料で製造した平面プラスチックフィルムを深絞り加工プラスチックフィルムと連結させることにより、皿形状部を形成するように設計されたゾーンを、平面プラスチックフィルムで密封するステップと、
iv) 互いに連結されているプラスチックフィルムのゾーンにおける凹部をディスペンサーに設けるステップと
を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載のディスペンサーの製造方法。
【請求項16】
皿形状部を形成するように設計されたゾーンを密封するために、平面プラスチックフィルムが、皿形状部を形成するように設計されたゾーンの縁部に沿って深絞り加工プラスチックフィルムに融接され、密封が形成される、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−513746(P2012−513746A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542844(P2011−542844)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067982
【国際公開番号】WO2010/076316
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】