説明

フォトクロミック化合物及び光可逆性発色組成物

【課題】単独で茶色等の褐色を発色することができ、互変異性体間の相互変換速度が大きく、表示材料、調光材料及び発色材料等として好適に用いることができるフォトクロミック化合物及び光可逆性発色組成物を提供する。
【解決手段】下式(I)及び(I’)のいずれかで表され、光照射により可逆的に黄色又は褐色を発色するフォトクロミック化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトクロミック化合物及び光可逆性発色組成物に係り、より具体的には、従来困難であった茶色等の褐色を発色可能なフォトクロミック化合物及びそれを含む光可逆性発色組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
光照射により色(紫外可視吸収スペクトルの波形)が異なる2つの構造異性体を可逆的に生成する現象をフォトクロミズムといい、フォトクロミズムを示す化合物をフォトクロミック化合物という。フォトクロミック化合物は、光記録材料、表示材料、光センサー、調光材料、光発色材料等としての用途がある。
【0003】
フォトクロミック化合物の1つであるジアリールエテン誘導体は、上記用途への応用において重要な特性である熱安定性及び繰返し耐久性に優れており、実用化に向けた検討が盛んになされている。例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3には、ジアリールエテン誘導体を含む記録層への光学的記録が開示されている。
【0004】
ジアリールエテン誘導体のフォトクロミック反応は、光照射によるヘキサトリエン−シクロヘキサジエン構造(互変異性体)間の可逆的な相互変換である。ジアリールエテン誘導体のフォトクロミック反応の一例を化1に示す。これらの互変異性体のうち、ヘキサトリエン構造を有するものを開環体、シクロヘキサジエン構造を有するものを閉環体という。開環体から閉環体への変換、及び閉環体から開環体への変換は、それぞれ、紫外光及び可視光の照射により起こる。そのため、前者を光閉環反応、後者を光開環反応ともいう。
【0005】
【化1】

【0006】
開環体は通常無色であるが、より長いπ共役系を有する閉環体は、可視部に吸収を有するため着色している。光ディスクをはじめとする光メモリ媒体では、開環体及び閉環体の一方の色を0、他方の色を1にそれぞれ対応させ、1ビットの情報を記録する。
【0007】
ジアリールエテン誘導体の閉環体の呈する色は、開環体のアリール基の種類に依存している。現在、チオフェン環を有するチエニル基、ベンゾチオフェン環を有するベンゾチオフェニル基、フラン環を有するフラニル基、ベンゾフラン環を有するベンゾフラニル基、チアゾール環を有するチアゾリル基、オキサゾール環を有するオキサゾリル基、インドール環を有するインドリル基、及びピロール環を有するピロリル基等をアリール基として有するジアリールエテン誘導体が知られている(非特許文献1参照)。
【0008】
また、閉環体の呈する色は、閉環体の紫外可視吸収スペクトルの極大波長と対応している。これまでに、閉環体が青色(例えば、特許文献4参照)、赤色(例えば、特許文献5参照)、黄色(例えば、特許文献6参照)を呈するジアリールエテン誘導体が合成されている。
【0009】
【特許文献1】特開平7−173151号公報
【特許文献2】特開2003−176285号公報
【特許文献3】特開2004−167215号公報
【特許文献4】特開2000−256663号公報
【特許文献5】特開2007−055967号公報
【特許文献6】特開平8−119963号公報
【非特許文献1】入江正浩、「ケミカル・レビューズ(Chemical Reviews)」、(米国)、アメリカ化学会(American Chemical Society)、2000年5月、第100巻、第5号、p.1685−1716
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
表示材料、調光材料及び発色材料等への応用のために、褐色を発色可能なフォトクロミック化合物が望まれている。例えば茶色は、450nm付近に強い吸収を有し、黄色又は山吹色を呈する色素の濃度を高くすることによって発現することができる。
黄色に呈するフォトクロミック化合物として、チエニル基を有するジアリールエテン誘導体が知られているが、その閉環体のモル吸光係数(ε)(以下、特に断らない限り「吸光係数」と略す)は、吸収極大波長でも6880M−1cm−1と小さく(深港豪「プロシーディングズ・オブ・ジャパン・アカデミー(Proceedings of Japan Academy)」、(日本学士院)、2001年3月、第77巻(B)、第3号、p.30−35参照)、濃度を上げても褐色を発色させることは困難である。したがって、ジアリールエテン誘導体で褐色を発色させるためには、その分子設計を見直して、450nm付近の吸光係数を向上させる必要がある。
また、閉環体が黄色又は山吹色を呈する従来のジアリールエテン誘導体は、光開環反応の速度が比較的低いため、表示材料、調光材料及び発色材料への応用のためには、その向上が課題となっている。
【0011】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、単独で褐色を発色することができ、互変異性体間の相互変換速度が大きく、表示材料、調光材料及び発色材料等として好適に用いることができるフォトクロミック化合物、及びそれを用いた光可逆性発色組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的に沿う第1の発明に係るフォトクロミック化合物は、下記の一般式(I)及び(I’)のいずれか1で表される。
【0013】
【化2】

【0014】
なお、式(I)及び式(I’)のそれぞれにおいて、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を表し、X及びYは、それぞれ独立して酸素原子、硫黄原子、及びアルキル基置換窒素原子のいずれか1を表す。
なお、「ジアリールエテン誘導体」、又は「フォトクロミック化合物」という用語は、特に断らない限りは、開環体、閉環体、及び開環体と閉環体との混合物の総称として用いられる。
【0015】
第1の発明に係るフォトクロミック化合物において、前記一般式(I)及び(I’)中のR及びRが共にメチル基であり、Xが酸素原子であり、Yが硫黄原子であることが好ましい。
【0016】
第2の発明に係る光可逆性発色組成物は、第1の発明に係るフォトクロミック化合物を含み、光照射により可逆的に黄色又は褐色を発色する。すなわち、無色の開環体を含む光可逆性発色組成物に紫外光を照射すると、フォトクロミック化合物の光閉環反応により黄色又は褐色を発色し、次いで可視光を照射すると、フォトクロミック化合物の光開環反応により元の無色の状態に戻る。
【0017】
第2の発明に係る光可逆性発色組成物において、前記フォトクロミック化合物が高分子マトリックス中に分散していてもよい。
また、第2の発明に係る光可逆性発色組成物において、可視部に吸収を有する異性体における該可視部の吸収波長が、前記式(I’)で表されるフォトクロミック化合物における可視部の吸収波長と異なる少なくとも1種類の他のフォトクロミック化合物を更に含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0018】
請求項1及び2記載のフォトクロミック化合物において、その閉環体は、450nm付近に強い吸収を有し、濃度を調節することにより、山吹色又は褐色(茶色等)を呈する。そのため、単独で従来困難であった褐色を発色することができる。
また、溶液状態及び固体状態のいずれにおいても、光閉環反応及び光開環反応は、共に量子収率が高く、かつ反応速度が大きい。そのため、光照射による発色及び退色が、高効率かつ迅速に進行するので、表示材料、調光材料、及び発色材料として好適である。
更に、熱的安定性及び繰返し耐久性に優れているので、長期間にわたって使用することができる。
【0019】
特に、請求項2記載のフォトクロミック化合物においては、一般式(I)及び(I’)中のR及びRが共にメチル基であり、Xが酸素原子であり、Yが硫黄原子であるので、450nm付近の吸収極大における吸光係数が、従来のフォトクロミック化合物の2倍以上の高い値を有しており、光開環反応の速度が特に大きいため、表示材料、調光材料、及び発色材料として特に好適である。
【0020】
請求項3〜5記載の光可逆性発色組成物は、請求項1記載のフォトクロミック化合物を含んでいるので、無色の状態と黄色又は褐色を発色した状態との相互変換を、紫外光及び可視光の照射により高速かつ可逆的に行うことができる。したがって、表示材料、調光材料、及び発色材料として好適に用いることができる。
【0021】
特に、請求項4記載の光可逆性発色組成物は、高分子マトリックス中にフォトクロミック化合物が分散しているので、任意の形状への成形加工が容易であると共に、高分子マトリックスを適宜選択することにより、用途に応じて所望の機械的及び物理的性質を有する組成物を得ることができる。
【0022】
請求項5記載の光可逆性発色組成物においては、可視部に吸収を有する異性体における可視部の吸収波長が、式(I’)で表されるフォトクロミック化合物(閉環体)における可視部の吸収波長と異なる少なくとも1種類の他のフォトクロミック化合物を更に含んでいるので、他のフォトクロミック化合物の構造、その濃度及び混合比を適宜選択して混合することにより、発色時の色を制御することができ、用途に応じて所望の色を発色する組成物を容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
続いて、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
なお、以下の説明において、一般式は、ローマ数字を用いて(I)、(II)等と表記し、一般式の下位概念に相当する具体的な化合物の構造式は、ローマ数字に対応するアラビア数字及びヘテロ原子又はその組み合わせを表す添え字を用いて、例えば、(1O,S)、(2)のように表記する。
また、例えば、「一般式(I)で表される化合物」及び「構造式(1O,S)で表される化合物」を、それぞれ、「化合物(I)」及び「化合物(1O,S)」と略称する場合がある。
【0024】
本発明に係るフォトクロミック化合物は、下記の一般式(I)及び(I’)のいずれかで表されるジアリールエテン誘導体である。
【0025】
【化3】

【0026】
なお、式(I)及び式(I’)のそれぞれにおいて、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を表し、X及びYは、それぞれ独立して酸素原子、硫黄原子、及びアルキル基置換窒素原子のいずれかを表す。
【0027】
一般式(I)で表される無色の開環体構造と一般式(I’)で表される黄色又は褐色を呈する閉環体構造との相互変換(光閉環反応及び光開環反応)は、熱的には禁制の反応であり、光照射によってのみ起こる。そのため、発色及び色の消失を光照射によって制御することが可能であると共に、無色状態及び発色状態はいずれも熱的に安定である。
なお、一般式(I’)で表される閉環体構造は、実際には、下記の構造式に示す2つの異性体の混合物である。
【0028】
【化4】

【0029】
一般式(I)で表されるフォトクロミック化合物は、例えば、下記のスキームに従い合成することができる。
【0030】
【化5】

【0031】
まず、2−位に置換基Rを有するベンゾ二環式ヘテロ5員環化合物(II)の3−位をN−ブロモコハク酸イミド(NBS)で臭素化し、3−ブロモ誘導体(III)を得る。次いで、この化合物(III)をn−ブチルリチウム(n−BuLi)と反応させ、得られたリチオ化物を1当量又は過剰量のパーフルオロシクロペンテン(C)と反応させ、化合物(IV)を得る。最後に、化合物(IV)を、3−位に置換基Rを有するベンゾ二環式ヘテロ5員環化合物(V)の2−リチオ体と反応させると、目的の化合物(I)が得られる。
【0032】
一般式(I)及び(I’)において、R及びRは、それぞれ独立して(互いに同一であっても異なっていてもよい)炭素数1〜3のアルキル基、すなわち、メチル基、エチル基、及びプロピル基のいずれかを表す。なお、R及びRは、好ましくは共にメチル基である。
また、2つのベンゾ二環式ヘテロ5員環化合物を構成するヘテロ原子X及びYは、それぞれ酸素原子、硫黄原子、及びアルキル置換窒素原子のいずれかを表す。なお、好ましくは、X及びYは、それぞれ独立して酸素原子及び硫黄原子のいずれかであり、最も好ましくは、Xが酸素原子、Yが硫黄原子である。
すなわち、フォトクロミック化合物は、好ましくは、下記の構造式(1O,S)及び(1’O,S)、(1O,O)及び(1’O,O)、(1S,S)及び(1’S,S)、並びに(1S,O)及び(1’S,O)のいずれかで表され、最も好ましくは、下記の構造式(1O,S)及び(1’O,S)で表される。
以下、本発明の第1の実施の形態に係るフォトクロミック化合物として、最も好ましい化合物(1O,S)について説明する。
【0033】
【化6】

【0034】
ジアリールエテン誘導体の開環体である化合物(1O,S)は、シクロペンテン環にヘテロ五員環上の異なる位置で結合したベンゾフラン環とベンゾチオフェン環とを有する特徴的な構造を有する。また、その閉環体である化合物(1’O,S)は、ヘキサン溶液中で445nmに強い吸収(ε=13300)を有する。このような構造を取ることにより、450nm付近の吸収極大における吸光係数が増大して、褐色を呈することが可能になると共に、色調の変化(コントラスト)が大きい。また、光閉環反応及び光開環反応は、共に量子収率が高くかつ反応速度が大きい。
更に、ベンゾフラン環及びベンゾチオフェン環は、チオフェン環等の単環式ヘテロ五員環に比べ空気酸化を受けにくいため、化合物(1O,S)は化学的耐久性にも優れている
そのため、効率及び応答速度に優れた表示材料、調光材料、及び発色材料として好適に用いることができる。
【0035】
化合物(1O,S)のフォトクロミック反応は、溶液中のみならず固体状態においても可逆的に進行する。固体状態は、化合物(1O,S)が単独で形成した結晶状態及び固体マトリックス中に化合物(1O,S)が分散した固体組成物のいずれであってもよい。
【0036】
化合物(1O,S)の単結晶は、ヘキサン、ヘキサン−クロロホルム混合溶媒、ヘキサン−ジエチルエーテル混合溶媒等から常法により作製できる。
単結晶状態でのフォトクロミック反応性は、光学顕微鏡、偏光顕微鏡又は目視観察、或いは紫外可視分光法等を用いた色の変化の観測、及び単結晶X線結晶構造解析法を用いた分子構造変化の直接観測によって確認することができる。図1に化合物(1O,S)のフォトクロミック反応の反応式を示す。
【0037】
閉環体である化合物(1’O,S)は、単結晶又は単結晶をすりつぶした粉末状態において茶褐色を呈する。溶液中では、濃度の低下に伴い、薄い茶色から山吹色となり、ヘキサン等を溶媒とする希薄溶液中では、黄色を呈する。
【0038】
本発明の第2の実施の形態に係る光可逆性発色組成物は、構造式(1O,S)及び(1’O,S)のいずれかで表されるフォトクロミック化合物を含み、光照射により可逆的に黄色又は褐色を発色する。
光可逆性発色組成物は、化合物(1O,S)を含んでいるので、紫外光又は可視光の照射による光閉環反応及び光開環反応によって、無色の状態と黄色又は褐色を発色した状態との相互変換を、高速かつ可逆的に行うことができる。
【0039】
光可逆性発色組成物は、液体状及び固体状のいずれであってもよい。液体状の光可逆性発色組成物としては、化合物(1O,S)を溶媒に溶解した溶液が挙げられる。溶媒は、無色であり、化合物(1O,S)及び(1’O,S)を溶解することができる任意の溶媒を用いることができる。溶媒としては、各種有機溶媒、超臨界流体、イオン性液体及びこれらの混合物が挙げられる。
また、固体状の光可逆性発色組成物は、固体状のマトリックス中に化合物(1O,S)を分散させたものである。固体状のマトリックスとしては、有機又は無機の低分子化合物、有機又は無機の高分子のいずれか1又は任意の2以上の組み合わせを構成成分とする、結晶性固体又はガラス状(非晶質)固体、液晶、及びゲル等が挙げられる。また、マトリックスは透明であることが好ましい。これらのマトリックスのうち特に好ましいのは、有機高分子を含む高分子マトリックスである。高分子マトリックスとして用いることができる有機高分子の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、射出成形法、キャスト法等によりフィルム状等の任意の形状に成形することができるという利点を有している。
【0040】
発色時の色彩を制御するために、他の色素等を混合して用いてもよい。他の色素としては、任意の色素を1種類又は2種類以上混合して用いることができるが、紫外線を照射しない状態では無色であるフォトクロミック化合物が好ましく、閉環体の色(吸収波長、吸光係数等)が化合物(1’O,S)の色と異なるジアリールエテン誘導体であることが更に好ましい。
褐色の色相及び彩度の制御には、光閉環反応により赤色を発色するビスベンゾフラン誘導体(下記の構造式(6)参照)が特に好ましい。化合物(1O,S)と化合物(6)とを任意の割合で混合することによって、455〜490nm間の任意な波長範囲で色彩の制御が可能である。
【0041】
【化7】

【実施例】
【0042】
以下に、本発明の特徴を更に明らかにすると共に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
本実施例では、特に好ましい特性を有するフォトクロミック化合物の例として、1−(2−メチルベンゾフラン−3−イル)−2−(3−メチルベンゾチオフェン−2−イル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタジエン(化合物(1))の合成、並びにその結晶中、溶液中、及び高分子マトリックス分散物中におけるフォトクロミック反応に関する検討を行った結果を示す。
【0043】
実施例1:1−(2−メチルベンゾフラン−3−イル)−2−(3−メチルベンゾチオフェン−2−イル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタジエン(化合物(1O,S))の合成
化合物(1O,S)は、下記のスキームに従って合成した。
【0044】
【化8】

【0045】
(1) 3−ブロモ−2−メチル−ベンゾフラン(化合物(3))の合成
100mL三口フラスコに、2−メチル−ベンゾフラン(化合物(2))(1.0g、7.68mmol)とTHF30mLを加え、室温でN−ブロモコハク酸イミド(1.65g、9.30mmol)を加え12時間攪拌した。チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて撹拌後、ジエチルエーテルを用いて生成物を抽出し、有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(関東化学:シリカゲル60、展開溶媒:ヘキサン)で精製し、化合物(3)を、無色透明の液体として得た。収量は0.632g(収率39%)であった。
この化合物の構造に関する分析データは以下の通りである。
H NMR(200MHz)δ 2.50(s,3H)、7.27−7.34(m,2H)、7.40−7.49(m,2H)。
MS (EI) m/z 210(M)。
【0046】
(2) 1−(2−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン(化合物(4))の合成
1000mL三口フラスコに、3−ブロモ−2−メチル−ベンゾフラン(化合物(3))(9.34g、26.0mmol)、乾燥THF200mLを加え、−78℃に冷却した後、n−ブチルリチウム(1.6Nヘキサン溶液)(8.56mL、13.7mmol)を−78℃に保ちながらゆっくり滴下した。滴下終了5分後、オクタフルオロシクロペンテン1.40mLを加え、30分攪拌後、室温まで自然昇温した。チオ硫酸ナトリウムナトリウム水溶液を加えて撹拌後、ジエチルエーテルを用いて生成物を抽出し、有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(関東化学:シリカゲル60、展開溶媒:ヘキサン)で精製した後、ゲル濾過クロマトグラフィー(日本分析工業)で精製を行った。収量は7.50g(収率90%)であった。
【0047】
(3) 化合物(1O,S)の合成
窒素雰囲気下、100mL三口フラスコに、3−メチルベンゾチオフェン(化合物(5))(1.00g、6.74mmol)、乾燥THF30mLを加え、ドライアイス−アセトン浴中で−78℃に冷却した後、n−ブチルリチウム(1.6Nヘキサン溶液)(4.64ml、7.42mmol)を、シリンジを用いて、溶液の温度が−78℃を超えないようにゆっくり滴下した。滴下終了15分後、乾燥THF10mLに溶解した1−(2−メチルベンゾフラン−3−イル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン(化合物(4))(2.18g,6.74mmol)を加え、30分攪拌後、室温まで自然昇温した。反応混合物にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え撹拌した後、ジエチルエーテルを用いて生成物を抽出し、有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(関東化学:シリカゲル60、展開溶媒:ヘキサン)で精製した後、分取型ゲルろ過クロマトグラフィー(日本分析工業)で更に精製を行い、目的物を得た。収量は1.280g(収率42%)であった。
【0048】
この化合物の構造に関する分析データは以下の通りである。
融点:122−123℃。
H NMR(200MHz、CDCl)δ 1.91(s,3H)、2.11(s,3H)、7.16−7.60(m,6H)、7.79−7.84(m,2H)。
MS(EI) m/z 452(M)。
元素分析(C2314OSとして)計算値:C 61.06、H 3.12%。実測値:C 61.00、H 3.06%。
【0049】
実施例2:1−(2−メチルベンゾフラン−3−イル)−2−(3−メチルベンゾフラン−2−イル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタジエン(化合物(1O,O))の合成
化合物(1O,O)は、下記のスキームに従って合成した。
【0050】
【化9】

【0051】
実施例1の(3)に記載の合成法に従い、化合物(5)の代わりに3−メチルベンゾフラン(化合物(5))(0.50g、3.8mmol)を用いて化合物(1O,O)を得た。収量0.647g(収率38%)。
【0052】
この化合物の構造に関する分析データは以下の通りである。
融点:110−111℃。
H NMR(200MHz)δ 1.87(s,3H)、2.21(s,3H)、7.14−7.48(m,8H)。
MS(EI) m/z 436(M)。
元素分析(C2314として)計算値:C 63.31、H 3.23%。実測値:C 63.19、H 3.22%。
【0053】
実施例3:1−(2−メチルベンゾチオフェン−3−イル)−2−(3−メチルベンゾチオフェン−2−イル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタジエン(化合物(1S,S))の合成
化合物(1S,S)は、下記のスキームに従って合成した。
【0054】
【化10】

【0055】
1−(2−メチル−ベンゾチオフェン−3−イル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン(化合物(4))は、実施例(1)及び(2)に記載の合成法に従い、2−メチルベンゾチオフェン(化合物(2))を出発原料として合成した。
このようにして得られた化合物(4)(1.23g、3.8mmol)を用い、実施例1の(3)に記載の合成法に従い、化合物(1S,S)を得た。収量0.578g(収率35%)。
【0056】
この化合物の構造に関する分析データは以下の通りである。
融点:117−118℃。
H NMR(200MHz)δ 1.98(s,3H)、2.37(s,3H)、7.14−7.51(m,7H)、7.74−7.88(m,1H)。
MS(EI) m/z 452(M)。
元素分析(C2314OSとして)計算値:C 61.06、H 3.12%。実測値:C 61.03、H 3.08%。
【0057】
実施例4:1−(2−メチルベンゾチオフェン−3−イル)−2−(3−メチルベンゾフラン−2−イル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタジエン(化合物(1S,O))の合成
化合物(1S,O)は、下記のスキームに従って合成した。
【0058】
【化11】

【0059】
実施例3に記載の合成法に従い、化合物(5)の代わりに3−メチルベンゾフラン(化合物(5))(0.50g、3.8mmol)を用いて化合物(1S,O)を得た。収量0.722g(収率46%)。
【0060】
この化合物の構造に関する分析データは以下の通りである。
融点:173−174℃。
H NMR(200MHz)δ 2.06(s,3H)、2.36(s,3H)、7.26−7.40(m,4H)、7.56−7.61(m,2H)、7.70−7.75(m,2H)。
MS(EI) m/z 468(M)。
元素分析(C2314として)計算値:C 58.97、H 3.01%。実測値:C 58.96、H 3.00%。
【0061】
実施例5:結晶状態におけるフォトクロミック反応性の検討
実施例1で合成した化合物(1O,S)をヘキサン−エーテル混合溶媒中で再結晶し、単結晶を得た。結晶中でフォトクロミック反応性を示すことは、以下の実験によって確認された。
開環体の無色の結晶を、ブラックライトを用いて365nmで光照射すると、光閉環反応が起こり、結晶は茶色に着色する。着色した結晶を蛍光顕微鏡のステージに載せ直線偏光下で観察するとオレンジ色の像が観測され、結晶をステージ上で回転させるとその濃さが変化した。
【0062】
次に、偏光紫外可視吸収スペクトルの測定を行った。450nmにおける吸光度が最大となる角度θを0°とし、θを15°ずつ変化させて測定を行った。θが0°及び90°の時の偏光紫外可視吸収スペクトルを図2(a)に、吸収極大波長の450nmにおけるθと吸光度の関係をプロット(ポーラープロット)した結果を図2(b)にそれぞれ示す。
吸光度に周期性を有する角度依存性が観測されることから、観測された450nm付近の吸収は、単結晶中でフォトクロミック反応により生成した化合物(1’O,S)に由来するものであると考えられる。
【0063】
また、化合物(1O,S)の単結晶がフォトクロミック反応性を示すことは、X線結晶構造解析の結果によっても支持される。
【0064】
上述の方法により作製した化合物(1O,S)の単結晶を用いてX線結晶構造解析を行った。化合物(1O,S)について得られたORTEP図を図3に示す。各楕円球は、炭素、フッ素、及び酸素原子が50%の確率で見出される座標を表わしている。また、小さな球は水素原子を表している。
【0065】
化合物(1O,S)のX線結晶構造の解析結果は下記の通りである。
斜方晶系、空間群P2(1)/n。単位格子の長さa=8.1880(18)Å、b=11.900(3)Å、c=20.512(4)Å。α=90°、β=95.633(4)°、γ=90°。単位格子の体積1989.0(7)Å。単位格子中に含まれる分子数z=4。密度(計算値):1.511。F値:1.034。R値(I/2σ(I))、R=0.0397、wR=0.0890。
【0066】
ジアリールエテン誘導体が結晶中でフォトクロミック反応を起こすためには、光閉環反応によって結合する炭素原子−炭素原子間の距離(光反応点間距離)が0.42nm以下である必要がある。図3のORTEP図より、化合物(1O,S)における、ベンゾフラン環の2−位の炭素原子と、ベンゾチオフェン環の3−位の炭素原子との距離は0.365nmであり、この条件を満たしていることが確認された。また、紫外光の照射により茶色に着色した単結晶についてX線結晶構造解析を行ったところ、閉環体の生成が確認された。
【0067】
実施例6:ヘキサン溶液中における紫外可視吸収スペクトルの測定
実施例5で作製した化合物(1O,S)の結晶をヘキサンに溶解し、紫外可視吸収スペクトルの測定を行った。図4は、ヘキサン溶液中で測定した開環体(化合物(1O,S))(点線)、閉環体(化合物(1’O,S))(実線)、及び313nmの光照射時の光定常状態(破線)における紫外可視吸収スペクトルを示す。化合物(1O,S)は可視部に全く吸収が無く無色である。このサンプルに313nmの高圧水銀ランプから放射される光を3分間照射すると、化合物(1’O,S)が生成し、山吹色に着色した。また、化合物(1’O,S)の溶液に440nm以上の光を1分間照射すると、化合物(1O,S)へと変化し、溶液は無色になった。この一連のサイクルを10回以上繰り返しても、化合物(1O,S)及び化合物(1’O,S)のスペクトルに変化は見られなかった。
また、3つのスペクトルは、290nm及び360nm付近に等吸収点を有していることより、313nmの紫外光照射時の光定常状態は、化合物(1O,S)及び化合物(1’O,S)の平衡混合物であることがわかる。また、445nmにおける吸光度の比較から、光定常状態における化合物(1O,S)及び化合物(1’O,S)の存在比は、約69:31であることがわかる。
【0068】
化合物(1O,S)の着色体の吸収極大波長(445nm)における吸光係数は、ヘキサン溶液中でε=13300であった。この値は、1,2−ビス(3−メチルチオフェン−2−イル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン誘導体(吸収極大波長432nm、吸光係数6880)の閉環体の2倍となる。つまり、化合物(1’O,S)は、既存の黄色を発色するチオフェン誘導体の閉環体の約2倍の着色性能を有する。
【0069】
実施例7:PMMA中における(1O,S)の紫外可視吸収スペクトルの測定
PMMA500mgを溶解した酢酸エチル(10mL)に、実施例5で作製した化合物(1O,S)の結晶(10mg)を溶解し、ガラス基板上にディップコーティングして、化合物(1O,S)が高分子マトリックスであるPMMA中に分散したPMMAフィルムを作製した。このようにして得られたPMMAフィルムについて紫外可視吸収スペクトルの測定を行った。まず、無色のフィルムについて紫外可視吸収スペクトルを測定後、313nmの紫外光を3分間照射すると、光閉環反応により化合物(1’O,S)が生成し、PMMAフィルムは黄色に着色した。化合物(1’O,S)を含むPMMAフィルムについても、同様に紫外可視吸収スペクトルを測定した。その後、440nm以上の可視光を1分間照射すると、光開環反応により化合物(1O,S)が生成し、PMMAフィルムは無色になった。
得られた紫外可視吸収スペクトルを図5に示す。化合物(1O,S)のスペクトル(破線)は可視部に全く吸収を有しないのに対し、化合物(1’O,S)のスペクトル(実線)は455nmに極大吸収を有する。また、化合物(1O,S)及び化合物(1’O,S)のスペクトルは、ヘキサン溶液中で観測されたそれぞれの化合物のスペクトルとほぼ同一であった。
【0070】
紫外光及び可視光を交互に照射することにより、2つの異性体間の可逆的変化を1000回程度繰り返した後でも開環体及び閉環体のスペクトルに変化は見られなかった。
【0071】
実施例8:溶液中での耐熱性の評価
化合物(1O,S)及び化合物(1’O,S)のトルエン溶液を、80度で1週間保存し、保存の前後における紫外可視吸収スペクトルの比較を行った。その結果、化合物(1O,S)及び化合物(1’O,S)の双方ともスペクトルの変化が認められなかった。このことは、化合物(1O,S)及び化合物(1’O,S)が高い熱安定性を有していると共に、両者の相互変換は熱的に進行しないことを示す。
【0072】
実施例9:化合物(1O,S)及び1,2−ビス(2−ブチルベンゾフラン−3−イル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン(化合物(6))の混合物を分散させたPMMAフィルムの紫外可視吸収スペクトルの測定
PMMA500mgに溶解した酢酸エチル(10mL)に、実施例5で精製した化合物(1O,S)の結晶(8mg)と、1,2−ビス(2−ブチルベンゾフラン−3−イル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン(化合物(6))の結晶(2mg)を溶解し、ガラス基板上にディップコーティングして、化合物(1O,S)及び化合物(6)が質量比4:1で分散したPMMAフィルムを作製した。このようにして得られたPMMAフィルムについて紫外可視吸収スペクトルの測定を行った。
まず、無色のフィルムについて紫外可視吸収スペクトルを測定後、313nmの紫外光を3分間照射すると、光閉環反応により化合物(1’O,S)及び化合物(6’)が生成することによってフィルムは山吹色に着色した。その後、440nm以上の可視光を1分間照射すると、光開環反応により化合物(1O,S)及び化合物(6)が生成するため、PMMAフィルムは無色になった。
得られた紫外可視吸収スペクトルを図6(a)に示す。無色のフィルムのスペクトル(破線)は可視部に全く吸収を有しないのに対し、山吹色に着色したPMMAフィルムのスペクトル(実線)は466nmに吸収極大を有する。
【0073】
また、PMMA500mgに溶解した酢酸エチル(10mL)に、実施例5で精製した化合物(1O,S)の結晶(5mg)と、化合物(6)の結晶(5mg)を溶解し、ガラス基板上にディップコーティングして、化合物(1O,S)及び化合物(6)が質量比1:1で分散したPMMAフィルムを作製した。このようにして得られたPMMAフィルムについても同様に紫外可視吸収スペクトルの測定を行った。
まず、無色のフィルムについて紫外可視吸収スペクトルを測定後、313nmの紫外光を3分間照射すると、光閉環反応により化合物(1’O,S)及び化合物(6’)が生成することによってフィルムは山吹色に着色する。その後、440nm以上の可視光を1分間照射すると、光開環反応により化合物(1O,S)及び化合物(6)が生成するため、PMMAフィルムは無色になった。
得られた紫外可視吸収スペクトルを図6(b)に示す。無色のフィルムのスペクトル(破線)は可視部に全く吸収を有しないのに対し、山吹色に着色したPMMAフィルムのスペクトル(実線)は、化合物(1O,S)及び化合物(6)を質量比4:1で分散した場合よりも約10nm長波長側の477nmに吸収極大を有する。
これらの結果より、化合物(1O,S)及び化合物(6)の混合比を変化させることにより、発色時の吸収極大波長を制御できることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上の記述から明らかなように、本発明のフォトクロミック化合物は、記録材料や表示材料、光センサーなどとして用いられるのに必要な諸特性を有するので、結晶状態及び高分子マトリックス中に分散した状態で使用する光記録材料、表示材料、光センサーなどの光機能デバイスとして好適な材料である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るフォトクロミック化合物のフォトクロミック反応を示す説明図である。
【図2】本発明の実施例5のフォトクロミック化合物の単結晶中における偏光紫外可視吸収スペクトル変化を示すグラフであり、(a)は吸光度が最大となるθ=0°及び90°における可視領域の紫外可視吸収スペクトルを示し、(b)は最大吸光度とθとの関係を示す。
【図3】同フォトクロミック化合物の単結晶X線構造解析の結果を示すORTEP図である。
【図4】本発明の実施例6のフォトクロミック化合物のヘキサン溶液における紫外可視吸収スペクトルの変化を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例7のフォトクロミック化合物の高分子マトリックス(PMMA)分散物における紫外可視吸収スペクトルの変化を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例9のフォトクロミック化合物(化合物(1O,S))と他のフォトクロミック化合物(化合物(6))との混合物の高分子媒体(PMMA中)分散物における紫外可視吸収スペクトルの変化を示すグラフであり、(a)は化合物(1O,S)及び化合物(6)を質量比4:1で混合した場合のスペクトル変化を示し、(b)は化合物(1O,S)及び化合物(6)を質量比1:1で混合した場合のスペクトル変化を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(I)及び(I’)のいずれか1で表されることを特徴とするフォトクロミック化合物。
【化1】

(式(I)及び式(I’)のそれぞれにおいて、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を表し、X及びYは、それぞれ独立して酸素原子、硫黄原子、及びアルキル基置換窒素原子のいずれか1を表す。)
【請求項2】
請求項1記載のフォトクロミック化合物において、前記一般式(I)及び(I’)中のR及びRが共にメチル基であり、Xが酸素原子であり、Yが硫黄原子であることを特徴とするフォトクロミック化合物。
【請求項3】
請求項1記載のフォトクロミック化合物を含み、光照射により可逆的に黄色又は褐色を発色することを特徴とする光可逆性発色組成物。
【請求項4】
請求項3記載の光可逆性発色組成物において、前記フォトクロミック化合物が高分子マトリックス中に分散していることを特徴とする光可逆性発色組成物。
【請求項5】
請求項4記載の光可逆性発色組成物において、可視部に吸収を有する異性体における該可視部の吸収波長が、前記式(I’)で表されるフォトクロミック化合物における可視部の吸収波長と異なる少なくとも1種類の他のフォトクロミック化合物を更に含むことを特徴とする光可逆性発色組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−79132(P2009−79132A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249683(P2007−249683)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(505399605)国立大学法人兵庫教育大学 (1)
【出願人】(591065549)福岡県 (121)
【Fターム(参考)】