説明

フォームを改善するための低官能価天然油系化合物の使用

約1.5未満の平均イソシアネート反応性官能価を有する天然由来のイソシアネート反応性物質を用いてポリウレタンフォームを改善することができる。例えば、そのような物質の使用は、これらを使用しない同様の配合物について得られるよりもよりオープンなフォームをしばしばもたらす。当該物質はまた、フォームに用いられる、特に粘弾性フォームによる再生可能資源物質のレベルを最大にするにも役立つ。本発明は、組成物中の任意の天然油ポリオールに天然に存在する量よりも多い量で、1.5未満の平均イソシアネート反応性官能価を有する少なくとも1種の天然油イソシアネート反応性物質を含むポリオール組成物を含む。ポリオール組成物中に少なくとも1種の天然油ポリオールを含むことが好ましいが、そうすることは任意選択的である。本発明は、ポリウレタンの調製方法であって、(a)少なくとも1種のポリイソシアネートを含むイソシアネート組成物を供給する工程;(b)少なくとも1種のポリオール組成物を前述のように供給する工程;(c)イソシアネート組成物とポリオール組成物とを混合する工程;ならびに(d)混合物を少なくとも1種のポリウレタンが形成されるような反応条件に付す工程を含む方法を更に含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「Use of natural oil based compounds of low functionality to enhance foams」のタイトルで2007年9月7日に出願され、参照により本明細書に組み入れられる米国仮特許出願番号第60/967,831号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、ポリウレタン、特にフォーム(foams)などのポリウレタン製品における再生可能資源物質(renewable resource materials)の使用に関する。当該物質は、フォームに一般に使用されるそのような物質と比べて比較的低い官能価を有するイソシアネート反応性物質である。
【背景技術】
【0003】
一部の参照文献において、より低い官能価を有する天然油のイソシアネート反応性天然油誘導体を作製する可能性を確認することができるが、ポリウレタン、特にポリウレタンフォームを作製する際に用いられる天然油誘導体がポリオールであるべきであること、且つ少なくとも約1.5、通常は少なくとも約2の官能価を有するべきであることが教示されている。そのような参照文献として、例えば、タイトルが「Polyurethane Foams Comprising Oligomeric Polyols」であるWO2006/116456(Cargill社)(オリゴマーポリオールが2.0付近の最小官能価を有する)、および米国特許出願公開第2005/0070620号(Herrington)「Flexible Polyurethane Foams prepared using Modified Vegetable Oil−based Polyols」(ポリオールが少なくとも2.0の官能価を有する)を参照されたい。同様に、米国特許第6,433,121号(Pittsburg State University」「Method of Making Natural Oil−based Polyols and Polyurethane therefrom」は、少なくとも2.0の官能価を有するポリオールを教示している。他の参照文献、例えばWO2004/099227(Michigan State University)「Polyol Fatty Acid Polyester Process and Polyurethane Therefrom」は、ソルビトールを主にベースとするポリオール、したがって高い官能価を有するポリオールの使用を教示している。WO2004/096882(Dow)「Vegetable Oil based Polyols and Polyurethanes made therefrom」およびWO2004/96883「Polyurethane Foams Made from Hydroxymethyl−Containing Polyester Polyols」(Dow)は、フォームを作製するために少なくとも2.0の官能価を有するポリオールを教示している。米国特許出願公開第2006/0235100号(Bayer)「Polyurethane Foams made with Vegetable Oil Hydroxylate,Polymer Polyol and Aliphatic Polyhydroxy Alcohol」は、少なくとも1.5の平均官能価を有する植物油ヒドロキシレートを利用している。具体的には、粘弾性フォームを作製するために天然油ポリオールを使用する際においても、少なくとも約2のヒドロキシル官能価が教示されている;「Viscoelastic Foam Having High Airflow.」のタイトルで2007年9月7日に出願された国際特許出願番号PCT/US07/19582を参照されたい。
【0004】
より低い官能価を有する物質は、問題であると考えられている。例えば、WO2006/047432は、以下のこと「1つの問題は、これらの油系ポリオールにおいて官能価(分子あたりのヒドロキシル基数)を調節することが困難であったということである。多くの植物油系ポリオールは、イソシアネート反応性基をゼロ個または1個有する分子をかなりの割合で含有する。これらの分子は、ポリイソシアネートと全く反応しないか、ポリマー分子量および架橋密度を低減する連鎖停止剤として作用する。」を教示している。
【0005】
平均1.5個未満のイソシアネート反応性基を有するこれらの分子は、イソシアネート反応性モノマー、特にポリオールを再生可能資源から作製するための多くのプロセスにおいて形成されるため、これらが使用されることが望ましい。さらに、そのような分子を用いてポリウレタン生成物の再生可能資源含量またはレベルを増大させ、石油依存を低減することが望ましい。可能であれば、これらの分子を用いて生成されるポリウレタン生成物の少なくとも1つの物性を、平均1.5個未満のイソシアネート反応性基を有する再生可能資源由来分子を用いないことを除いて同様のプロセスおよび配合物を用いて生成される同様の生成物と比較して改善するように、これらの分子を用いることも望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここでは、これまでの教示とは対照に、約1.5未満、好ましくは約1.4未満、より好ましくは約1.2未満、最も好ましくは約1の平均官能価を有する天然由来のイソシアネート反応性物質(isocianate reactive materials of natural origin)(以下NOIRM)を用いてポリウレタンフォームを改善できることが分かった。例えば、このようなNOIRMの使用は、同様のNOIRM不含製剤において得られるフォームよりもさらにオープンなフォーム(more open forms)をしばしばもたらす。NOIRMは、フォームに用いられる、特に粘弾性フォームについての再生可能資源物質のレベルを最大にするのを助けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、組成物中の任意の天然油ポリオールに天然に存在する量よりも多い量で少なくとも1種のNOIRMを含むポリオール組成物を含む。天然に存在する量とは、NOIRMの意図的な添加無しにポリオール組成物中に存在する天然油ポリオール(複数可)を調製するのに用いられる全ての天然油(複数可)およびプロセス(複数可)の結果として存在する量を意味する。少なくとも1種の天然油ポリオールをポリオール組成物中に含むことが好ましいが、そうすることは任意選択的である。
【0008】
本発明は、ポリウレタンの調製方法であって、(a)少なくとも1種のポリイソシアネートを含むイソシアネート組成物を供給する工程;(b)天然に存在する量よりも多い量で少なくとも1種のNOIRMを含む少なくとも1種のポリオール組成物を供給する工程;(c)イソシアネート組成物とポリオール組成物とを混合する工程;ならびに(d)混合物を少なくとも1種のポリウレタンが形成されるような反応条件に付す工程を含む方法を更に含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
定義
用語「反発弾性(resilience)」または「反発弾力(resiliency)」は、弾力性として認識されるフォームの特性をいうのに使用される。それは、ASTM D3574 Test Hの手順にしたがって測定される。このボール反発試験は、既知の重量の落下鋼球が特定の条件下で落下されるときフォーム表面から反発する高さを測定し、結果を元の落下高の百分率として表す。
【0010】
用語「ボール反発(ball rebound)」は、上記ASTM D3574−Test Hの試験方法の結果をいうのに本明細書において使用される。
【0011】
用語「密度」は、フォームの単位体積あたりの重量をいうのに本明細書において使用される。密度は、ASTM D3574−01、Test Aの手順にしたがって決定される。
【0012】
用語「コア密度」は、成形またはフリーライズ(free rise、自由上昇)フォームパッドの表面に形成されるいずれのスキンも除去した後にASTM D3574−95にしたがって測定される密度である。
【0013】
用語「CS75% Parallel−CT」は、75%の圧縮変形レベルにおいてフォームの上昇方向と平行に測定される圧縮永久ひずみ試験を表す。この試験は、クッション厚の使用時の損失とフォーム硬度の変化とを互いに関連づけるために本明細書において使用される。圧縮永久ひずみは、ASTM D 3574−95、Test Iの手順にしたがって決定され、試料の元の厚さの百分率として測定される。同様に、「CS50% Parallel−CT」は、上記と同様の測定をいうが(圧縮永久ひずみ)、ここでは、試料の50%の圧縮変形レベルでフォームの上昇方向と平行に測定される。
【0014】
用語「50% HACS」は、50%の圧縮変形においてフォームの上昇方向と平行に測定される湿潤エージド(aged、老化)圧縮永久ひずみ試験を表す。この試験は、使用時の損失とフォーム厚さの変化とを互いに関連づけるために本明細書において使用される。50%の圧縮永久ひずみは、DIN53578の手順にしたがって決定され、試料の元の厚さの百分率として測定される。同様に、「75% HACS」は、同様の測定をいうが(湿潤エージド圧縮永久ひずみ)、ここでは、湿潤エージング(aging)後の試料の75%の圧縮変形レベルで測定される。
【0015】
用語「空気流量」は、125Pa(0.018psi)の圧力でフォームの2インチ×2インチ(5.08cm)の正方形断面の1.0インチ(2.54cm)厚分を通過する空気の体積をいう。単位は、1秒あたりの立方デシメートルで表され、1分あたりの標準立方フィートに変換される。空気流量を測定するための代表的な工業的ユニットは、スイス、チューリヒのTexTest AG社製であり、TexTest Fx3300として識別される。この測定は、ASTM D 3574 Test Gに従う。
【0016】
用語「NCO指数」は、ポリウレタン分野において一般に使用されているイソシアネート指数を意味する。本明細書において使用されるとき、イソシアネートの当量は、イソシアネート反応性水素含有物質の全当量で除して、100を乗じて得られる。別の方法で考えると、百分率として与えられる、配合物中に存在するイソシアネート反応性水素原子に対するイソシアネート基の比である。したがって、イソシアネート指数は、配合物において使用される量のイソシアネート反応性水素と反応するのに理論的に必要とされる量のイソシアネートに対する、配合物において実際に使用されるイソシアネートの百分率を表す。
【0017】
本明細書において使用するとき、用語「粘弾性(viscoelasticity)」は、物質における弾性(固体)および粘性(液体)特性の共存による、適用された一定負荷(応力)に対する物質の時間依存性応答である。これは、初期の瞬間変形値(弾性成分)と共に開始し、次いで経時的ないくつかの速い変形レジメン(粘弾性成分)を経て、最終的に振れ止め速度値(液体成分)またはゼロのひずみ速度値(高度に架橋された網状材料)に到達する、変形速度が経時的に変動するクリープ実験(夜にベッドに横たわる人のプロセスと同種−一定負荷)において最もよく観察される。動的な機械的特性評価において、粘弾性レベルは、物質のtanδによって測定される減衰係数に比例する。tanδは、貯蔵弾性率(storage modulus)G’に対する粘性散逸損失弾性率(viscous dissipative loss modulus)G’’の比である。高いtanδ値は、材料挙動において高い粘性成分が存在するため、任意の摂動(purturbation)に対して強い減衰が観察され得ることを示している。
【0018】
用語「粘弾性フォーム」は、ASTM D3574 Test Hにしたがって測定される、最大で25%の反発弾性を有する粘弾性フォームを示すことを意図している。反発弾力性フォームは、少なくとも25%の反発弾性を有するフォームであり、高反発弾性フォームは、50%超の反発弾性を有する。粘弾性(VE)フォームは、適用された応力に対する時間遅延速度依存性応答を示す。それらは、低い反発弾力に加えて、圧縮時に遅い回復を有する。ポリウレタンフォームにおいて、これらの性質は、ポリウレタンのガラス転移点温度(Tg)としばしば関連づけられる。粘弾性は、ポリマーが使用温度またはその付近にTgを有するときにしばしば現れ、Tgは多くの用途において室温である。粘弾性または「低反発」フォームは、多くの非常に望ましい性能特性を有する。粘弾性フォームは、低い反発弾力、形状適合または身体適合を有する傾向があり、音および振動または衝撃の両方を減衰できる傾向にある。粘弾性フォームに関する一般的な教示は、米国特許出願公開第2005/038133号に見出すことができる。
【0019】
本明細書において使用されるとき、用語「可撓性(flexible)」フォームは、圧縮または伸縮力からの解放の際に回復する、好ましくはその弾性限界を超えずに10%を超えて圧縮または伸長することができるフォームを意味する。好ましくは、当該フォームは、十分に反発弾性であり、負荷がフォームに適用されたときにフォーム構造体に対して損傷を与えること無く圧縮する。好ましくは、可撓性フォームは、負荷の適用および除去が繰り返された後でも、負荷が除去された後に元のサイズおよび形状に戻りまたは跳ね返り得る。このことは、フォームに負荷が適用されたときフォーム構造体に損傷を与えること無しには圧縮し得ない、または負荷が除去された後においても(特に負荷が複数回適用および除去される場合)その元のサイズおよび形状に戻り得ない剛性フォーム(rigid foams)とは対照的である。
【0020】
本明細書において使用するとき、用語「オープンセル」は、フォームの個々のセルがオープンチャネルによって相互接続されていることを意味する。このようなフォームの例である細胞物質は、固相が連続マトリクスとして存在し、気相がマトリクスを介して分散されるポケットを占領する、二相の気固相系として一般に定義されている。セルまたはボイドとしても知られているポケットは、一構成において、各セル内の気相が他のセルに存在する気相から独立するように分離している。分離セルを有する細胞物質は、クローズドセルフォームを表す。代替的には、別の構成において、セルは、部分的にまたは大部分が相互接続されており、この場合、系はオープンセルフォームと呼ばれる。オープンセルは、空気流量によって測定され得る。好ましくは、少なくとも0.6cfm(1分あたりの立方フィート)、より好ましくは0.8cfm超、なおより好ましくは1.0cfm超の空気流量(それぞれ、0.28、0.38、0.47リットル/秒)を有する。オープンセルセルの百分率は、ASTM D2856−87の手順によって測定可能である。
【0021】
用語「金型射出時間」は、フォーム塊が金型のベントホールに到達する時間を表すために使用される。
【0022】
用語「離型時間(demold time)」または「離型する時間(demolding time)」は、フォームが実質的に変形することなく離型され得る時間をいい、本明細書において実施されるように、金型射出時間後少なくとも4分である。
【0023】
本明細書において使用するとき、「ポリオール」は、平均1.0超の活性水素基、好ましくは分子あたりのヒドロキシル基を有する有機分子をいう。それは、他の官能価、すなわち他のタイプの官能基を任意選択的に含む。そのような化合物の中でも好適な化合物は、1分子あたり少なくとも2個のヒドロキシル(第一級もしくは第二級)、または少なくとも2個のアミン(第一級もしくは第二級)、カルボン酸、またはチオール基を有する物質である。1分子あたり少なくとも2個のヒドロキシル基または少なくとも2個のアミノ基を有する化合物が、ポリイソシアネートとのその望ましい反応性ゆえに特に好ましく、少なくとも2個のヒドロキシル基を有する化合物が最も好ましい。
【0024】
本明細書において使用されるとき、用語「従来のポリオール」または「追加的な(additional)ポリオール」は、ポリウレタンまたは他のポリマーに使用するための、当該技術分野における能力の範囲内での、植物または動物由来以外、好ましくは石油由来のポリオールを示すのに使用される。用語「従来のポリエーテルポリオール」は、少なくとも1種のアルキレンオキサイド、好ましくはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドまたはこれらの組合せから形成され、植物または動物油に由来する分子の一部を有さないポリオール、ポリウレタンフォームの作製に一般的に使用されるタイプのポリオールに使用される。ポリエーテルポリオールは、好適な出発分子のアルコキシル化によるなど、既知の方法によって調製され得る。そのような方法は、KOHまたは二重シアニド錯体(DMC)などの触媒存在下での、水、エチレングリコール、またはプロピレングリコールなどの開始剤(initiator)とアルキレンオキサイドとの反応を一般に含む。エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、またはこれらのオキサイドの組合せは、アルコキシル化反応に特に有用であり得る。ポリエーテルポリオール、例えばポリオキシエチレンポリオールは、アルキル置換基を含有し得る。ポリエーテルポリオールを生成するプロセスは、アルキレンオキサイドの混合物の均一な供給、純粋またはほぼ純粋なアルキレンオキサイドポリオールの連続供給を含み、1種の成分のブロックを有するポリオール、または、例えばエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドでキャップされているポリオールを生成することができる。これらのタイプのポリオールは、0.1mequiv/g未満の不飽和を好ましくは有し、全て知られており、ポリウレタン化学において使用される。ポリエーテルポリオールに加えて、従来のポリオールとして、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオールまたはこれらの組合せが挙げられる。
【0025】
用語「天然油ポリオール(natural oil polyol)」(以下NOP)は、動物油および植物油、好ましくは植物油を含めた天然油から単離、誘導、または製造された、ヒドロキシル基を有する化合物をいうために本明細書において使用される。任意選択的に使用される植物および動物油の例として、限定されないが、大豆油、ベニバナ油、アマニ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、オリーブ油、キャノーラ油、ゴマ油、綿実油、パーム油、ナタネ油、キリ油、魚油、またはこれらの油のいずれかのブレンドが挙げられる。代替的には、任意の部分的に水素化もしくはエポキシ化された天然油、または遺伝子組換え天然油が、所望のヒドロキシル含量を得るために使用され得る。そのような油の例として、限定されないが、高オレイン酸ベニバナ油、高オレイン酸大豆油、高オレイン酸ピーナッツ油、高オレイン酸ヒマワリ油(例えばNuSunヒマワリ油)、高オレイン酸キャノーラ油、および高エルカ酸アブラナ油(例えばCrumbe油)が挙げられる。天然油ポリオールは、十分に当業者の知識の範囲内にあり、例えば、Colvinら、UTECH Asia、Low Cost Polyols from Natural Oils、Paper36、1995年、および「Renewable raw materials−an important basis for urethane chemistry:」Urethane Technology:第14巻、No.2、1997年4月/5月、Crain Communications 1997、WO01/04225、WO040/96882;WO040/96883;米国特許第6686435号、同第6433121号、同第4508853号;同第6107403号、米国特許付与前公開第20060041157号、および同第20040242910号に開示されている。
【0026】
用語「天然油系ポリオール(natural oil based polyol)」は、天然油に由来するNOP化合物をいうために本明細書において使用される。例えば、天然油またはそれからの単離体は、空気または酸素からアミンおよびアルコールを含めた有機化合物に至る範囲の化合物と反応する。たびたび、天然油中の不飽和は、ポリオールが得られるように、ヒドロキシル基またはヒドロキシル基を有する化合物と後に反応し得る基に変換される。そのような反応は当該技術分野における能力の範囲内であり、後の段落における参照文献において議論されている。
【0027】
用語「プレポリマー」は、追加的なモノマーと反応してポリマーを形成するための残存反応性官能基を有する、モノマーの反応生成物を示すために使用される。
【0028】
用語「天然油系プレポリマー(natural oil based prepolymer)」または「天然油プレポリマー」は、得られるプレポリマーがヒドロキシル基と反応性である残存官能基を有するように、少なくとも1種の反応性モノマーと反応する少なくとも1種の天然油ポリオールを、ポリマーを形成するのに必要な量の過剰量で含むプレポリマーを記載するために本明細書において使用される。例えば、少なくとも1種のイソシアネートが反応性モノマーであるとき、天然油ポリオールのイソシアネートプレポリマーが形成される。そのようなプレポリマーの形成および使用は、当該技術分野における能力の範囲内であり、例えば、本明細書において参照により、法律で許容される最大限まで組み入れられるWO2006/047434に開示されている。
【0029】
用語「再生可能資源(renewable resource)」は、動物および植物油脂を、例えば、石油および誘導体と区別して示すために本明細書において使用される。
【0030】
用語「天然油含量」、「再生可能資源のレベル」「再生可能資源含量」および「天然油のレベル」は、全て、その由来として植物油脂または動物油脂を有する最終ポリマー中のポリオールおよびこれに反応性のモノマーの組合せの重量百分率をいう。例えば、分子量1000を有し3つの二重結合を有する植物油を完全にエポキシ化し、各環を150の分子量を有する植物または動物油由来以外の分子を用いて開環してトリオールを作製し、次いでこれを333当量を有する3モルの石油系モノマー(例えば、イソシアネート)と反応させるとき、再生可能資源のレベルは、1000/(1000+3*17+3*150+3*333)=40%である。同様の植物油をヒドロホルミル化し、還元して、3つの二重結合をヒドロキシメチル基に変換するとき、計算は、1000/(1000+3*18+3*333)=48.7%である。
【0031】
用語「ヒドロキシル数」は、ポリマー組成物中のヒドロキシル部分、特にポリオールの濃度を示す。ヒドロキシル数は、ポリオールのmgKOH/gを表す。ヒドロキシル数は、ピリジンおよび無水酢酸によるアセチル化によって決定され、結果は、KOH溶液による2つの滴定間の差として得られる。したがって、ヒドロキシル数は、1グラムのポリオールとアセチル化によって結合することができる無水酢酸を中和し得るKOHの重量(ミリグラム)として定義される。より高いヒドロキシル数は、組成物中のヒドロキシル部分の濃度がより高いことを示す。組成物のヒドロキシル数を決定する方法の記載事項は周知であり、Woods、G.、The ICI Polyurethanes Book−第2版(ICI Polyurethanes、Netherlands、1990)などのテキストに見出される。
【0032】
用語「第一級ヒドロキシル基」は、これに結合する炭素原子が唯1つである(好ましくは当該炭素原子に水素原子のみが結合する)(−CH−OH)炭素原子上のヒドロキシル基(−OH)を意味する。第二級ヒドロキシル基は、2個の炭素原子が結合した炭素原子上にある。
【0033】
用語「官能価(functionality)」、特に「ポリオール官能価」は、ポリオール中のヒドロキシル基の数をいうために本明細書において使用される。
【0034】
用語「名目出発官能価」は、本明細書において、これが、ポリオール組成物の合成において使用される原料(典型的には、ポリオール(複数可)の調製に使用される開始剤(複数可))の数平均官能価(1分子あたりの活性水素原子の数)であるとの前提において、ポリオールまたはポリオール組成物の数平均官能価(1分子あたりのヒドロキシル基の数)を示すために使用される。語「平均」は、別途示さない限り数平均をいう。混合開始剤が使用されるとき、ポリオールの名目官能価は、混合開始剤の数平均官能価である。
【0035】
用語「VOC」は、ポリウレタンフォームに適用される際、フォームが加熱されるときに放出される揮発性有機化合物の量を意味する。VOCは、VDA278(加熱脱着試験)またはDIN EN 13419−1(チャンバ試験)の手順にしたがってミリグラムのVOCで測定される。望ましくは、当該量は最小である。
【0036】
本明細書における全ての百分率、好ましい量もしくは測定値、範囲、その終点は、包含的である、すなわち、「約10未満」は、約10を含む。したがって、「少なくとも」は、「以上」と等価であり、したがって、「最大で」は、「以下」と等価である。本明細書において、数は、記述される以上の正確さを有さない。したがって、「115」は、少なくとも114.5〜115.49を含む。さらに、全ての列挙は、その2種以上のメンバーの組合せを含む。「少なくとも」、「超える」、「以上」等として記載されるパラメータから「最大で」、「まで」、「未満」、「以下」等として記載されるパラメータまでの全範囲は、各パラメータについて示される基準の相対度にかかわらず好ましい範囲である。したがって、最も好ましい上限と組み合わされた有利な下限を有する範囲は、本発明の実施に好ましい。全ての量、比、割合、および他の測定値は、別途記述しない限り重量によるものである。全ての百分率は、別途記述しない限り、本発明の実施にしたがう全組成物を基準にした重量%をいう。実施例、または別途記載されている場合を除いて、本明細書に記載される、量を表す全ての数、百分率、OH数、官能価等は、全ての場合において、用語「約」によって修飾されると理解すべきである。別途記述しない限り、またはさもなければ不可能であると当業者によって認識されない限り、本明細書に記載した方法の工程は、工程が本明細書において議論されている順序と異なる順序で任意選択的に実施される。また、工程は、タイミングが別々に、同時に、または重なって任意選択的に行われる。例えば、加熱および混合等のそのような工程は、当該技術分野において、しばしば、時間的に別々であり、同時であり、または部分的に重なる。別途記述しない限り、望ましくない効果をもたらしうる要素、物質または工程は、本発明の実施において実質的には存在しないと考えられる許容されない程度に影響を及ぼさないような量または形態で存在する。また、用語「許容されない」および「許容不可能に」は、工業的に有用であり得る、さもなければ所与の状況に有用である程度から外れていること、または特定の状況および用途によって変動し、性能仕様などの所定事項によって設定され得る所定の限界の外側であることをいうために使用される。当業者は、許容される限界が、設備、条件、用途および他の可変事項によって変動するが、これらが適用可能な各状況において過度の実験によらずに決定され得ることを認識している。いくつかの場合において、一パラメータにおける変更またはずれは、別の所望の目的を達成するために許容される可能性がある。
【0037】
用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含有する(containing)」または「特徴とする(characterized by)」と同義であり、包含的または非制限であり、追加的な、列挙されていない要素、物質または工程を排除しない。用語「から本質的になる」は、特定されている要素、物質または工程に加えて、列挙されていない要素、物質または工程が、対象事項の少なくとも1種の基本的または新規特徴に許容不可能な大きな影響を与えない量で任意選択的に存在することを示す。用語「からなる」は、列挙されていない要素、物質または工程が適した影響を与えない程度に存在し得るか、または実質的に存在しない場合を除いて、記述した要素、物質または工程のみが存在することを示す。
【0038】
ポリウレタンは、少なくとも1種のイソシアネート(有機ポリイソシアネート)および少なくとも1種のポリオールから典型的には形成される。物質、方法、触媒および添加剤は、当該技術分野における能力の範囲内である。
【0039】
有機ポリイソシアネートは、有機分子1個あたり平均で1より多い、好ましくは平均で少なくとも約1.8個のイソシアネート基を有する任意の有機化合物または組成物である。本発明において任意選択的に使用されるイソシアネートとして、脂肪族、脂環式、アリール脂肪族および芳香族イソシアネートが挙げられる。芳香族イソシアネートが好ましい。
【0040】
好適な芳香族イソシアネートの例として、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の4,4’−、2,4’および2,2’−異性体、これらのブレンド、ならびにポリマーおよびモノマーMDIブレンド、トルエン−2,4−および2,6−ジイソシアネート(TDI)、m−およびp−フェニレンジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、ジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニル−メタン−4,4’−ジイソシアネート、およびジフェニルエーテルジイソシアネート、および2,4,6−トリイソシアナトトルエン、および2,4,4’−トリイソシアナトジフェニルエーテルが挙げられる。
【0041】
市販の、トルエンジイソシアネートの2,4−異性体と2,6−異性体の混合物などのイソシアネートの混合物が、任意選択的に用いられる。粗製ポリイソシアネート、例えば、トルエンジアミン混合物のホスゲン化によって得られる粗製トルエンジイソシアネート、または粗製メチレンジフェニルアミンのホスゲン化によって得られる粗製ジフェニルメタンジイソシアネートが、本発明の実施において任意選択的に用いられる。TDI/MDIブレンドが任意選択的に用いられる。MDIまたはTDI系プレポリマーが任意選択的に用いられる。本発明の実施において、プレポリマーは、少なくとも1種の天然油もしくは従来のポリオール、および少なくとも1種のNOIRMもしくはこれらの組合せを用いて作製されるか、または少なくとも1種の天然もしくは従来のポリオールを用いて作製され、少なくとも1種のNOIRMを含むポリオール組成物と反応する。イソシアネート末端プレポリマーは、過剰ポリイソシアネートを少なくとも1種のポリオール、例えば少なくとも1種のアミン化ポリオールもしくはそのイミン/エナミン、またはポリアミンと反応させることによって調製される。
【0042】
脂肪族ポリイソシアネートの例として、エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、上記芳香族イソシアネートの飽和類似体(saturated analogues)、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0043】
可撓性フォームの生成について、好ましいポリイソシアネートは、トルエン−2,4−および2,6−ジイソシアネートもしくはMDIまたはTDI/MDIの組合せであるか、あるいはこれらから作製されるプレポリマーである。
【0044】
可撓性フォームの作製に用いられるポリイソシアネートの量は、イソシアネート指数、すなわち、反応混合物に含有される反応性水素に対するNCO基の比の100倍として一般に表される。従来のスラブストックフォームの生成において、イソシアネート指数は、しばしば約75〜約140、特に約80〜約115の範囲である。成形された高反発弾性スラブストックフォームにおいて、イソシアネート指数は、しばしば約50〜約150、特に約75〜約110の範囲である。したがって、本発明の実施において、イソシアネート指数は、有利には少なくとも約60、より有利には少なくとも約70、好ましくは少なくとも約80、より好ましくは少なくとも約90、独立して有利には最大で約150、より有利には最大で約130、好ましくは最大で約120、より好ましくは最大で約115、最も好ましくは最大で約110である。
【0045】
イソシアネートは、本発明の実施によれば、少なくとも1種の従来のポリオールまたは少なくとも1種の天然油ポリオールのいずれかであり得る少なくとも1種のポリオールならびにNOIRMと反応する。
【0046】
従来のポリオールとして、「従来のポリオール」として定義される、動物または植物由来でない、すなわち、通常は石油由来であり、1.5超、好ましくは少なくとも約1.8、より好ましくは少なくとも約2のヒドロキシ官能価を有する任意のポリオールまたはこれらの組合せが挙げられる。そのような従来のポリオールは当該技術分野で周知であり、本明細書に記載されているもの、ならびに他のいずれかの市販のポリオールおよび/またはSAN、PIPAもしくはPHDコポリマーポリオールを含む。そのようなポリオールは、Hanser出版社のG.Oertelによる「Polyurethane Handbook」に記載されている。1種もしくは複数種のそのようなポリオール、1種もしくは複数種のコポリマーポリオールまたはこれらの組合せの混合物は、任意選択的に用いられて本発明の実施によるポリウレタン生成物を生成する。
【0047】
代表的なポリオールとして、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリヒドロキシ末端アセタール樹脂、ヒドロキシル末端アミンおよびポリアミンが挙げられる。これらおよび他の好適なイソシアネート反応性物質の例は、米国特許第4,394,491号により完全に記載されている。任意選択的に用いられる代替のポリオールとして、ポリアルキレンカーボネート系ポリオールおよびポリホスフェート系ポリオールが挙げられる。好ましくは、アルキレンオキサイド、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドまたはこれらの組合せを、2〜8個、好ましくは2〜6個の活性水素原子を有する開始剤に添加することによって調製されるポリオールである。この重合のための触媒反応は、触媒、例えばKOH、CsOH、三フッ化ホウ素、または二重シアニド錯体(DMC)触媒、例えばヘキサシアノコバルト酸亜鉛または第四級ホスファゼニウム化合物によるアニオン性またはカチオン性のいずれかであり得る。
【0048】
好適な開始剤分子の例は、水、有機ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、フタル酸およびテレフタル酸;ならびに多価、特に2価から10価のアルコールまたはジアルキレングリコールである。
【0049】
例示的なポリオール開始剤として、例えば、エタンジオール、1,2−および1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロース、ネオペンチルグリコール;1,2−プロピレングリコール;トリメチロールプロパングリセロール;1,6−ヘキサンジオール;2,5−ヘキサンジオール;1,4−ブタンジオール;1,4−シクロヘキサンジオール;エチレングリコール;ジエチレングリコール;トリエチレングリコール;9(1)−ヒドロキシメチルオクタデカノール、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン;8,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5,2,1,02.6]デセン;ジメロールアルコール(36炭素ジオール、Henkel Corporationから入手可能);水素化ビスフェノール;9,9(10,10)−ビスヒドロキシメチルオクタデカノール;1,2,6−ヘキサントリオール;ならびにこれらの組合せが挙げられる。
【0050】
特に対象となるのは、ポリ(プロピレンオキサイド)ホモポリマー、プロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドのランダムコポリマー(ポリ(エチレンオキサイド)含量は、例えば、約1〜約30重量%の、エチレンオキサイドキャップポリ(プロピレンオキサイド)ポリマー、ならびにプロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドのエチレンオキサイドキャップランダムコポリマーである。スラブストックフォーム用途(substock foam applications)に関して、そのようなポリエーテルは、1分子あたり少なくとも約2、独立して好ましくは最大で約8、より好ましくは最大で約6、最も好ましくは最大で約4個の主に(50%超)第二級(しかしまたある場合には第一級)のヒドロキシル基を好ましくは含有し、好ましくは少なくとも約400、より好ましくは少なくとも約800から好ましくは最大で約3000、より好ましくは最大で約1750当量のペルヒドロキシル基を有する。高反発弾性(high resiliency)スラブストックおよび成形フォーム(molded foam)用途(すなわち、少なくとも40%のボール反発を有する)に関して、そのようなポリエーテルは、1分子あたり少なくとも約2、独立して好ましくは最大で約6、より好ましくは最大で約5の、最も好ましくは各場合において主に第一級ヒドロキシル基を含有し、好ましくは少なくとも約1000、より好ましくは少なくとも約1200から好ましくは最大で約3000、より好ましくは最大で約2000当量のペルヒドロキシル基を有する。ポリオールのブレンドを用いるとき、名目平均官能価(分子あたりのヒドロキシル基の数)は、好ましくは上記特定の範囲内である。
【0051】
粘弾性フォームに関して、好ましくは約150超のヒドロキシル数を有するより短鎖のポリオールは、任意選択的に単独またはより低いヒドロキシルと組み合わせて用いられる。
【0052】
ポリエーテルポリオールは、低い末端不飽和(例えば、約0.02meq/g未満または約0.01meq/g未満)、例えばいわゆる二重金属シアニド(DMC)触媒(例えば米国特許第3,278,457号、同第3,278,458号、同第3,278,459号、同第3,404,109号、同第3,427,256号、同第3,427,334号、同第3,427,335号、同第5,470,813号および同第5,627,120号に記載されている)を任意選択的に含有する。ポリエステルポリオールは、しばしば、1分子あたり約2個のヒドロキシル基を含有し、約400〜1500当量のペルヒドロキシル基を有する。種々のタイプのポリマーポリオールも同様に任意選択的に用いられる。ポリマーポリオールとして、ポリオール、典型的にはポリエーテルポリオール中のポリマー粒子、例えばポリウレア、ポリウレタンウレア、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルおよびポリスチレンコアクリロニトリルポリマー粒子の分散物が挙げられる。好適なポリマーポリオールとして、当該技術分野における能力の範囲内の全て、例えば米国特許第4,581,418号および同第4,574,137号に記載されているものが挙げられる。
【0053】
全体として、従来のポリオールは、好ましくは、1分子あたり少なくとも約2および独立に好ましくは最大で約8、より好ましくは最大で約6、最も好ましくは最大で約4個の第一級または第二級ヒドロキシル基、またはこれらの組合せを有し、好ましくは少なくとも約15、より好ましくは少なくとも約32、最も好ましくは少なくとも約45、任意選択的には独立して好ましくは最大で約200、より好ましくは最大で約180、最も好ましくは最大で約170のヒドロキシル数を有する。25℃において測定される従来のポリオールの粘度は、有利には約10,000mPa.s未満、好ましくは約8,000未満である。
【0054】
少なくとも1種の従来のポリオール、少なくとも1種の天然油ポリオールの代わりに、またはこれらと組み合わせて用いる。
【0055】
天然油ポリオールは、天然および/もしくは遺伝子組換え(GMO)植物野菜種子油ならびに/または動物源脂肪などの再生可能資源に基づくまたは由来するポリオールである。そのような油および/または脂肪は、トリグリセリド、すなわちグリセロールに結合した脂肪酸から一般になる。トリグリセリド中に少なくとも約70%の不飽和脂肪酸を有する植物油が好ましい。好ましくは、天然生成物は、少なくとも約85重量%の不飽和脂肪酸を含有する。好ましい植物油の例として、例えば、ヒマシ、大豆、オリーブ、ピーナッツ、ナタネ、トウモロコシ、ゴマ、綿実、キャノーラ、ベニバナ、アマニ、パーム、ヒマワリ種子油、またはこれらの組合せからのものが挙げられる。動物生成物の例として、ラード、牛脂、魚油、およびこれらの混合物が挙げられる。植物および動物系油脂の組合せが任意選択的に用いられる。これらの天然油のヨード価は、約40〜240の範囲である。好ましくは、天然油ポリオールは、大豆および/またはヒマシおよび/またはキャノーラ油に由来する。
【0056】
可撓性ポリウレタンフォームの生成における使用に関して、天然物質を変性して、物質にイソシアネート反応性基を与えること、または物質におけるイソシアネート反応性基の数を増大させることが一般に望ましい。好ましくはそのような反応性基は、ヒドロキシル基である。いくつかの化学を用いて天然油ポリオールを調製することができる。再生可能資源のそのような変性として、例えば、エポキシ化(米国特許第6,107,433号または米国特許第6,121,398号に記載されている);ヒドロキシル化(例えばWO2003/029182に記載されている);エステル化(例えば米国特許第6,897,283号;同第6,962,636号または同第6,979,477号に記載されている);ヒドロホルミル化(WO2004/096744に記載されている);グラフト化(例えば米国特許第4,640,801号に記載されている);またはアルコキシ化(米国特許第4,534,907号またはWO2004/020497に記載されている)が挙げられる。天然生成物を変性するためのこれらの引用文献は、本明細書において参照により、法律で許容される最大限まで組み入れられる。本発明の実施に好適な他の天然油ポリオールとして、例えば、Grosch、G.H.ら、WO0014045(A1)号(2000年3月16日);David M.Casper、米国特許出願公開第20060041155(A1)号、2004年8月23日;David M.CasperおよびTrevor Newbold、米国特許出願公開第20060041156(A1)号;Ashvin ShahおよびTilak Shah、WO0104225(A1)号、(2000年7月12日)、Ron HerringtonおよびJeffrey Malsam、米国特許出願公開第20050070620(A1)号、(2004年6月25日)、Dwight E.PeermanおよびEdgar R.Rogier、EP106491(1983年9月6日);米国特許第4496487号(1982年9月7日);米国特許第4423162号(1983年12月27日);ならびに米国特許第4543369号(1984年10月26日);Zoran S.Petrovicら(全ては、本明細書において参照により、法律で許容される最大限まで組み入れられる)などの参照文献に開示されているものが挙げられる。天然油の変性によるそのようなポリオールの生成後、変性生成物は、任意選択的にさらにアルコキシ化される。エチレンオキサイド(EO)またはEOと他のオキサイドとの混合物の使用により、親水性部分をポリオールに導入する。一実施形態において、変性生成物は、十分なEOによるアルコキシ化を経て、好ましくは少なくとも約10、より好ましくは少なくとも約20から好ましくは最大で約60、より好ましくは最大で約40重量%のEOを含む天然油ポリオールを生成する。
【0057】
別の実施形態において、好ましい天然油ポリオールは、PCT公開WO2004/096882および2004/096883ならびに係属中のPCT公開WO2006/118995(タイトル「Polyester Polyols Containing Secondary Alcohol Groups and Their Use in Making Polyurethanes Such as Flexible Polyurethane Foams」)に開示されているものであり、その開示内容は、当該技術分野における能力を表し、本明細書において参照により、法律で許容される最大限まで組み入れられる。WO04/096882およびWO04/096883に開示されているポリオールが最も好ましい。これらは、ポリオールまたはポリアミン、アミノアルコールまたはこれらの混合物等の活性水素を有する開始剤と、例えば不飽和脂肪酸またはエステルのヒドロホルミル化、続いて、得られるホルミル基の少なくとも一部分の水素化等のプロセスによって調製される植物油系モノマーとの反応生成物である。そのようなポリオールは、以下、「イニシエートされた(initiated)脂肪酸ポリエステルアルコール」と称する。中でも、より好ましいポリオールとして、アルコキシ化、好ましくはエトキシ化によってイニシエートされるもの、ポリヒドロキシル化合物、好ましくはグリセリン、スクロース、またはこれらの組合せ、ならびに有利には少なくとも約400、より好ましくは少なくとも約600、好ましくは最大で約1000、より好ましくは最大で約800の分子量を有するものが挙げられる。代替的な実施形態において、本明細書において「イニシエートされた第二級ヒドロキシル脂肪酸コポリエステル」と称される、WO2006/118995において教示されているポリオールが最も好ましい。これらは、開始剤、例えば、イニシエートされた脂肪酸ポリエステルアルコールの作製に用いられる開始剤と、植物油系モノマーまたはオリゴマーとの反応生成物であり、この植物油系モノマーまたはオリゴマーは、第二級ヒドロキシル基を天然に有する、例えばリシノール酸であるか、または第二級ヒドロキシル基が例えば水を二重結合と反応させるプロセス(例えば米国特許第6,018,063号およびIsbellらによるJ.Amer.Oil Chem.Soc、71(4)379(1994)等の参照文献に教示されている);不飽和脂肪酸もしくはエステルをギ酸と反応させるプロセス(例えば、米国特許第2,759,953号に教示されている)、脂肪酸もしくはエステルの酸化プロセス(例えばJohnら、J.Appl.Polym.Sci.86、3097(2002)およびSwernら、JACS、67、1134(1945)によって教示されている)、エポキシ化および開環などのプロセスによって導入されたものである。したがって、天然油ポリオールまたはこれらの組合せは、第一級ヒドロキシル基、第二級ヒドロキシル基またはこれらの組合せを任意選択的に有する。両方のタイプの最も好ましいポリオールがたいてい望ましい、なぜなら、いずれもが、疎水性および親水性部分の両方を有するポリオールを任意選択的に含むことができるからである。疎水性部分は、天然油によって提供されるが(なぜなら、天然油がC4〜C24の飽和および/または不飽和鎖長、好ましくはC4〜C18鎖長を含有するからである)、親水性部分は、開始剤に存在する親水性ポリオール鎖、例えば高レベルのエチレンオキサイドを含有するものの使用によって得られる。
【0058】
好ましくは、開始剤は、ネオペンチルグリコール;1,2−プロピレングリコール;トリメチロールプロパン;ペンタエリスリトール;ソルビトール;スクロース;グリセロール;ジエタノールアミン;アルカンジオール(例えば1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール);1,4−シクロヘキサンジオール;2,5−ヘキサンジオール;エチレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール;ビス−3−アミノプロピルメチルアミン;エチレンジアミン;ジエチレントリアミン;3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピレンジアミン、9(1)−ヒドロキシメチルオクタデカノール、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン;8,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5,2,1,02.6]デセン;ジメロールアルコール;水素化ビスフェノール;9,9(10,10)−ビスヒドロキシメチルオクタデカノール;1,2,6−ヘキサントリオール;およびこれらの組合せからなる群から選択される。より好ましくは、開始剤は、グリセロール;エチレングリコール;1,2−プロピレングリコール;トリメチロールプロパン;エチレンジアミン;ペンタエリスリトール;ジエチレントリアミン;ソルビトール;スクロース;または上記(存在する少なくとも1種のアルコールまたはアミン基がエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドまたはこれらの混合物と反応したもの)のいずれか;ならびにこれらの組合せからなる群から選択される。最も好ましくは、開始剤は、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、スクロース、ソルビトール、3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピレンジアミン、またはこれらの組合せである。
【0059】
1つの好ましい実施形態において、そのような開始剤は、エチレンオキサイドまたはエチレンおよび少なくとも1種の他のアルキレンオキサイドとアルコキシ化されて分子量200〜6000、特に400〜2000のアルコキシ化開始剤を与える。好ましくは、アルコキシ化開始剤は、500〜1000の分子量を有する。別の実施形態において、少なくとも1種の天然油ポリオールは、高いEO(エチレンオキサイド)系部分を含有する。一実施形態において、少なくとも1種の天然油ポリオールは、好ましくは少なくとも約10重量%のエチレンオキサイドを含有し、すなわち、少なくとも約10重量%のエチレンオキサイド(EO)由来分子構造体を有する。より好ましくは、少なくとも1種の天然油ポリオールは、少なくとも約15、最も好ましくは少なくとも約20重量%のEOから調製される。独立して、好ましくは少なくとも1種の天然油ポリオールは、最大で約60、より好ましくは最大で約50、最も好ましくは最大で約40重量%のエチレンオキサイドを含有する。
【0060】
好ましくは、天然油ポリオール、またはそのようなポリオールのブレンドの官能価は、少なくとも約1.5、より好ましくは少なくとも約1.8、最も好ましくは少なくとも約2.0、独立して好ましくは最大で約6、より好ましくは最大で約5であり、最も好ましくは官能価は最大で約4である。少なくとも1種の天然油ポリオール、またはそのようなポリオールのブレンドのヒドロキシル数が、好ましくは最大で約300mgKOH/g、より好ましくは最大で約200、最も好ましくは最大で約100mgKOH/gである。25℃において測定される天然油ポリオールの粘度は、有利には約10,000mPa.s未満、好ましくは約8,000mPa.s未満である。
【0061】
天然油ポリオールは、任意選択的には2種以上の天然油ポリオールの任意の組合せである。複数の天然油ポリオールが用いられるとき、2種以上は、任意選択的に、同様のタイプのものであるか、または別の実施形態においては、異なるタイプのもの、例えば国際特許公開第PCT/US08/71048号(2008年7月24日出願、タイトル「Polyol Blends For Use In Making Polymers」)に開示されている。組合せは、フォーム配合物中の種子油のレベルを最大にするために、またはフォーム加工および/もしくは特定のフォーム特性、例えば湿潤エージング耐性を最適化するためにしばしば有用である。この実施形態において、天然油ポリオール成分は、少なくとも2種の異なる天然油ポリオールを含み、その相違は、(a)それらが作製されるプロセス、または(b)改善された物理もしくは加工特性、より高いレベルの再生可能資源における満足な特性(より好ましくは少なくとも約2重量%高い)を結果としてもたらすのに十分に異なる分子構造、あるいは、より多量の組合せ天然油ポリオールを得られるポリマー生成物またはこれらの組合せにおいて用いるときには、組合せ天然油ポリオールの量に等しい量で1種の天然油ポリオールを単独で用いるが本質的に同様のプロセスによって生成される本質的に同様の最終生成物と比較して、全てにおいて改善をもたらすのに十分に異なる分子構造の少なくとも一方にある。独立して、好ましくは、プロセスは、反応温度、反応時間、反応圧力またはこれらの組合せの少なくとも1つによって、好ましくは、反応温度、反応時間、反応圧力、触媒の複数によって、より好ましくは、少なくとも1種のユニット操作、またはこれらの組合せによって異なり、少なくとも、より好ましくは、少なくとも第1のプロセスは、その天然油または誘導体を用いたヒドロホルミル化、エポキシ化、アルコキシ化、エステル化、エステル交換反応、アルコール分解、酸化、開環の少なくとも1種のユニット操作を含むが、第2のプロセスは、第1のポリオールの調製に用いられる列挙したユニット操作の少なくとも1種を含まないか、もしくは少なくとも1種の追加的なユニット操作を含むか、または両方の組合せであり、最も好ましくは、少なくとも2つの天然油ポリオールは、トリエタノールアミンでアルコール分解した過酸ヒドロキシレート、少なくとも部分的に開環して植物油主鎖に第二級ヒドロキシル基を生成するエポキシ化植物油、ホルミル基がヒドロキシメチル基に少なくとも部分的に変換されたヒドロホルミル化植物油;発泡植物油(非アルコキシ化またはさらに処理されたもの)、アルコキシ化発泡植物油、エステル交換発泡油;脂肪酸アルコールアルコキシレート;エステル交換植物油、アルコキシ化植物油;アルコキシ化ポリエステルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステルポリオール、イニシエートされた脂肪酸ポリエステルアルコール;エポキシ開環オリゴマー、ならびに天然ポリオールからなる群の種々のメンバーを提示する。2種のポリオールは、以下:第二級と比較した第一級ヒドロキシル基の百分率;ヒドロキシル官能価;分子量;親水性(エチレンオキサイドのレベル);または天然油原料;の少なくとも1つによって独立して好ましくは異なる。より好ましくは、(a)種々の天然油ポリオールの少なくとも1種が、その第一級ヒドロキシル基を少なくとも約50%を有し、少なくとも1種の異なる天然油ポリオールが、その第二級ヒドロキシル基を少なくとも約51%を有し;(b)ポリオールはヒドロキシル官能価において少なくとも約10%異なり;(c)少なくとも約10%異なる分子量を有し;(d)ポリオール分子に組み込まれるエチレンオキサイドのレベルで親水性において少なくとも約10%異なり;(e)種々の天然油原料に由来する点において異なり、(f)任意の脂肪酸またはエステルのレベルで少なくとも約10重量%の相違に反映されるような脂肪酸分布の相違を有する点において異なるか;またはこれらの組合せである。最も好ましくは、少なくとも1種の天然油ポリオールが少なくとも1種のイニシエートされた脂肪酸ポリエステルアルコールである。独立して、最も好ましくは、少なくとも1種の天然油ポリオールは、その調製のいずれかの段階において酸化またはエポキシ化されている少なくとも1種の天然油ポリオールを含む。好ましい実施形態において、種々の天然油ポリオールの少なくとも1種が、イニシエートされた脂肪酸ポリエステルアルコールであるが、少なくとも1種の異なる天然油ポリオールが酸化またはエポキシ化されている。
【0062】
本発明の実施において、好ましくは1.5未満、好ましくは約1.4未満、より好ましくは約1.2未満、最も好ましくは約1の平均官能価を有する天然由来の少なくとも1種のイソシアネート反応性物質(NOIRM)を少なくとも1種のポリオールと組み合わせて用い、当該少なくとも1種のポリオールは、従来の(石油系)ポリオールもしくは天然油ポリオールまたはこれらの組合せである。
【0063】
NOIRMは、個々の化合物、例えば9,(10)−ヒドロキシメチルステアレート(例えば、オレイン酸メチルから作製される);天然油もしくは脂肪、好ましくは種子油もしくはその誘導体から得られる天然由来化合物の混合物;そのような混合物から抽出もしくはさもなければ濃縮された精製モノオール;これらのタイプのモノオールのいずれか、好ましくは単一化合物、例えばヒドロキシメチルステアレートを反応させることによって(例えば、これらのエステルおよびヒドロキシル部分によるホモ重合によって)作製されるポリマー;またはこれらの組合せである。例えば、NOIRMは、先に議論された1つに近い平均官能価を有する。NOIRMとして、例えば、天然油から得られる脂肪酸およびそのエステル、精製モノオール、ホモポリマーならびにこれらの組合せが挙げられる。
【0064】
NOIRMは、当該技術分野における能力の範囲内の任意の手段によって好適に調製される。1つの好ましい実施形態において、それらは、天然油の鹸化、例えば、植物油系脂肪酸メチルエステル、またはオレイン酸メチルなどの個々のエステルのいずれかから出発するWO2004/096744において教示されている方法などによって得られる。それらは、蒸留、抽出または他の手段(米国特許出願番号60/958,473(タイトル「Purification of Hydroformylated and Hydrogenated Fatty Alkyl Ester Compositions」、2007年7月6日出願、本明細書において参照により、法律で許容される程度まで組み入れられる)に開示されている手段)などのプロセスによって常套的に調製される。
【0065】
代替的には、ポリマーは、好ましくは、ヒドロキシメチルステアレートまたは同様のエステル等の個々の化合物から、代替的には、化合物、例えば当該技術分野における範囲内でよく行われるエステル交換反応による化合物等の混合物、例えばWO2004/096882の参照文献に教示されているもの(一官能価開始剤を用いることまたはモノマーに自己開始させることを除く)等から形成される。有用な開始剤として、一官能価アルコールおよびアミン、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、ジシクロヘキシルアミンまたはこれらの組合せが挙げられる。WO2004/096882は、本明細書において参照により、法律で許容される程度まで組み入れられる。ポリマー中に石油由来モノマーを含むことは本発明の範囲内であり、したがって、ポリマーは、少なくとも1種の開始剤および少なくとも1種のNOIRMを含むモノマー組成物から形成される。
【0066】
本発明の実施において用いられるNOIRMは、好ましくは少なくとも約100、より好ましくは少なくとも約200、最も好ましくは少なくとも約250、好ましくは最大で約1,500、より好ましくは最大で約1,200、最も好ましくは最大で約1,000の平均分子量を有する。NOIRMが混合物であるとき、混合物の各成分は、好ましくは少なくとも約100、より好ましくは少なくとも約200、最も好ましくは少なくとも約250、好ましくは最大で約1,500、より好ましくは最大で約1,200、最も好ましくは最大で約1,000の分子量を有する。本発明の実施において用いられるNOIRMは、好ましくは少なくとも約100、より好ましくは少なくとも約200、最も好ましくは少なくとも約250、好ましくは最大で約1,500、より好ましくは最大で約1,200、最も好ましくは最大で約1,000の平均イソシアネート反応性当量を有する。このことは、本発明の範囲内であり、NOIRMを、同じ範囲の好ましい平均分子量、成分分子量、および当量を有する石油由来モノオールと共に用いる。
【0067】
本発明の実施において、少なくとも1種のNOIRMは、少なくとも1種のポリオールと共に使用されて少なくとも1種のイソシアネートと反応してポリウレタンを形成する。NOIRMの量は、NOIRMがポリオール組成物の一部としてカウントされるとき、全ポリオール100重量部あたり有利には少なくとも約1、より有利には少なくとも約2、好ましくは少なくとも約3、より好ましくは少なくとも約4、最も好ましくは少なくとも約5、有利には最大で約60、好ましくは最大で約50、より好ましくは最大で約40、最も好ましくは最大で約30部である。
【0068】
従来のポリオールまたはこれらの組合せの使用は本発明の実施において任意選択的であり、したがって全ポリオール重量を基準にして0重量%の量で存在し得るが、好ましくは少なくとも約10、より好ましくは少なくとも約15、最も好ましくは少なくとも約20;任意選択的には好ましくは最大で約90、より好ましくは最大で約80、最も好ましくは最大で約70の量で存在する。
【0069】
天然油ポリオールまたはそのブレンドは、ポリオール配合物の0から99重量%を構成する。少なくとも1種の天然油ポリオールは、全ポリオールブレンドを基準にして、好ましくは少なくとも10%の含量の再生可能資源(すなわち、種子油および/または他の植物もしくは動物に由来している)と共に、存在するポリオール成分の全重量の有利には少なくとも約2、より有利には少なくとも約5、好ましくは少なくとも約10、より好ましくは少なくとも約15、最も好ましくは少なくとも約20重量%を構成する。代替的には、天然油ポリオールまたはこれらの組合せは、ポリオール全重量の有利には最大で約99、より有利には最大で約95、好ましくは最大で約92、より好ましくは最大で約90重量%を構成する。
【0070】
上記ポリオールに加えて1種または複数種の架橋剤が可撓性フォーム配合物中に任意選択的に存在する。これは、特に、高反発弾性のスラブストックフォームまたは成形フォームの作製の場合である。使用される場合、用いられる架橋剤の量は、全ポリオール100重量部あたり好ましくは少なくとも約0.1、より好ましくは少なくとも約0.25、好ましくは最大で約1、より好ましくは最大で約0.5重量部である。
【0071】
本発明の目的のために、「架橋剤」は、1分子あたり3個以上のイソシアネート反応性基、好ましくは1イソシアネート反応性基あたり約400未満の当量を有する物質である。架橋剤は、1分子あたり好ましくは少なくとも約3、より好ましくは最大で約8、最も好ましくは約4のヒドロキシル第一級アミンまたは第二級アミン基を有し、好ましくは少なくとも約30、より好ましくは少なくとも約50、独立して好ましくは最大で約200、より好ましくは最大で約125当量を有する。好適な架橋剤の例として、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ−、ジ−、またはトリ−(イソプロパノール)アミン、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
【0072】
フォーム配合物において1種または複数種の連鎖延長剤を用いることもできる。本発明の目的のために、連鎖延長剤は、1分子あたり2個のイソシアネート反応性基、および1イソシアネート反応性基あたり好ましくは約400未満、好ましくは少なくとも約31、より好ましくは最大で約125当量を有する物質である。イソシアネート反応性基は、好ましくはヒドロキシルの、第一級脂肪族もしくは芳香族アミン基または第二級脂肪族もしくは芳香族アミン基である。代表的な連鎖延長剤として、アミンエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エチレンジアミン、フェニレンジアミン、ビス(3−クロロ−4−アミノフェニル)メタン、および2,4−ジアミノ−3,5−ジエチルトルエンが挙げられる。連鎖延長剤は、使用される場合、高当量ポリオール100重量部あたり好ましくは少なくとも約1、より好ましくは少なくとも約3、独立して好ましくは最大で約50、より好ましくは最大で約25重量部の量で典型的には存在する。
【0073】
そのような架橋剤および連鎖延長剤の使用は、米国特許第4,863,979号およびEP公報0549120に開示されているように当該技術分野において公知である。
【0074】
本発明において、ポリエーテルポリオールは配合物中に任意選択的に含まれ、オープンセルまたは軟化ポリウレタンフォームの形成を促進する。そのようなセルオープナーは、米国特許第4,863,976号に開示されており、その開示内容は参照により本明細書に組み入れられる。そのようなセルオープナーは、少なくとも約2、好ましくは少なくとも約3、好ましくは最大で約12、より好ましくは最大で約8の官能価、および少なくとも約5,000から約100,000までの分子量を一般に有する。そのようなポリエーテルポリオールは、少なくとも50重量%のオキシエチレンユニット、およびこれらをフォーム配合物の他の成分と混和性にするのに十分なオキシプロピレンユニットを含有する。セルオープナーは、使用されるとき、全ポリオールの好ましくは少なくとも約0.2、また、好ましくは最大で約5、より好ましくは最大で約3重量部の量で存在する。市販のセルオープナーの例は、VORANOL*Polyol CP1421およびVORANOL*Polyol4053(このポリオールは、ソルビトール開始であるため6官能価を有する)であり;VORANOLはDOW Chemical Companyの商標である。
【0075】
ポリウレタンフォームを生成するために、発泡剤が必要である。可撓性ポリウレタンフォームの生成において、発泡剤として多くの場合において水が好ましい。水の量は、全ポリオール100重量部を基準にして好ましくは少なくとも約0.5、より好ましくは少なくとも約2、独立して好ましくは最大で約10、より好ましくは最大で約7重量部である。他の発泡剤およびその使用は、当該技術分野における能力の範囲内でよく行われる。例えば、カルボン酸または塩は、反応性発泡剤として任意選択的に使用される。他の発泡剤として、液体もしくは気体二酸化炭素、塩化メチレン、アセトン、ペンタン、イソペンタン、メチラール、またはジメトキシメタン、ジメチルカーボネートが挙げられる。米国特許第5,194,453号に記載のように、人工的に低下または上昇させた大気圧の使用もまた、本発明の実施において意図される。フォームは、そのような剤または手段のいずれか1つまたは任意の組合せによって任意選択的に発泡(blown)される。
【0076】
上記成分に加えて、ポリウレタンポリマーを調製する際にある他の成分を採用することがしばしば望ましい。中でも、これらの追加的成分は、粉末形態の再利用ポリウレタンフォームを含め、乳化剤、シリコーン界面活性剤、防腐剤、難燃剤、着色剤、抗酸化剤、補強剤、充填剤、または他の添加剤を含むもしくは含まないこれらの組合せである。
【0077】
ポリオール組成物および任意選択的に水をポリイソシアネートと反応させる1種または複数種の触媒が用いられる。例示的な有機金属触媒として、有機水銀、有機鉛、有機鉄、有機スズ、有機ビスマス、有機リチウム、およびこれらの組合せが挙げられる。他の触媒として、窒素含有化合物が挙げられる。少なくとも1種の有機金属化合物を少なくとも1種の窒素含有触媒、好ましくは少なくとも1種の第三級アミンと組み合わせることがたいてい有用である。
【0078】
窒素含有触媒として、第三級アミン化合物、イソシアネート反応性基および有機金属化合物を含むアミンが挙げられる。例示的な第三級アミン化合物として、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチル−4−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、3−メトキシ−N−ジメチルプロピルアミン、N−エチルモルホリン、ジメチルエタノールアミン、N−ココモルホリン、N,N−ジメチル−N’,N’−ジメチルイソプロピルプロピレンジアミン、N,N−ジエチル−3−ジエチルアミノ−プロピルアミン、ジメチルベンジルアミン、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0079】
ポリウレタン生成物の生成プロセスは当該技術分野において周知である。一般に、ポリウレタン形成反応混合物の成分は、任意の従来様式、例えば、Hanser出版社のG.Oertelによる「Polyurethane Handbook」に記載されている目的で従来技術において記載されている混合装置およびプロセスのいずれかを使用することによって共に混合されてよい。
【0080】
一般に、ポリウレタンフォームは、少なくとも1種の発泡剤の、所望により少なくとも1種の触媒および他の任意選択的な成分存在下、発泡剤が反応混合物を膨脹するガスを生成させながらポリイソシアネートおよびポリオール組成物が反応してポリウレタンおよび/またはポリウレアポリマーを形成する条件下で、ポリイソシアネートおよびポリオール組成物を混合することによって、調製される。フォームは、例えば、米国特許第4,390,645号に記載されている、いわゆるプレポリマー法によって任意選択的に形成され、化学量論的に過剰のポリイソシアネートを高当量のポリオール(複数可)と初めに反応させてプレポリマーを形成し、これを第2工程において鎖延長剤および/または水と反応させて所望のフォームを形成する。例えば、米国特許第3,755,212号;同第3,849,156号および同第3,821,130号に記載されている起泡方法も好適である。例えば米国特許第2,866,744号に記載されているいわゆるワンショット方法も好ましい。そのようなワンショット方法においては、ポリイソシアネートおよび全てのポリイソシアネート反応性成分を同時に1つにまとめて反応させる。本発明での使用に好適な方法の中でも、3つの広く用いられているワンショット方法として、従来のスラブストックフォームプロセス、高反発弾性スラブストックフォームプロセス、粘弾性フォームスラブストックプロセス、および成形フォーム法が挙げられる。
【0081】
プレポリマーが本発明の実施によるポリウレタンの形成に用いられるとき、いずれかのポリオール(従来の天然油またはNOIRM)の一部または全部を、化学量論的に過剰の少なくとも1種のイソシアネートと任意選択的に反応させて、イソシアネート官能基を有する少なくとも1種のプレポリマーを生成するか、または化学量論的に不足する少なくとも1種のイソシアネートと反応させて、少なくとも1種のポリオール末端プレポリマーを生成する。イソシアネート官能性プレポリマーを、少なくとも1種のNOIRMと任意選択的に混合したさらなるポリオールと好ましくは反応させて、本発明のポリウレタンを形成するが、ポリオール官能性プレポリマーはさらなるイソシアネートと好ましくは反応して本発明のポリウレタンを生成する。ポリオール官能性プレポリマーは、残存する未反応ポリオールと好ましくは混合され、プレポリマーの調製に用いられるポリオールと同じかまたは異なる組成物のいずれかであり、さらなるイソシアネートと反応する。例えば、NOIRMは、当該技術分野における能力の範囲内であり例えばWO00/73364(本明細書において参照により、法律で許容される程度まで組み入れられる)に開示されている例えばPIPAコポリマーポリオール等の調製におけるポリオール成分に任意選択的に含まれる。プレポリマーが用いられるとき、本発明のポリオール組成物は、プレポリマーを作製し、プレポリマーとさらに反応する際に用いられ、プレポリマーと共に用いられる全てのポリオールの組合せである、本発明の実施において用いられる全ポリオール組成物であると考えられるか、またはイソシアネートもしくはその組合せとのさらなる反応においてプレポリマーから分離すると考えられる。各場合において、1種もしくは複数種の従来のポリオール、天然油ポリオール、もしくはNOIRMまたはこれらの組合せをプレポリマーにおいて用い、残りのポリオール組成物(任意の残存NOIRMを含む)を最終ポリウレタンの作製に用いる。NOIRMは、プレポリマーの作製において、プレポリマーと反応するポリオール組成物において、またはその両方において用いられる。任意選択的に、いくつかの反応工程が用いられる。1または複数のこれらの工程は本発明の実施によるNOIRMの使用を含む。
【0082】
スラブストックフォームは、フォーム成分を混合し、これらを、反応混合物が反応し、雰囲気(フィルムまたは他の可撓性被覆物である場合がある)に対して自由に上昇し、硬化する底または他の領域に分散させることによって常套的に調製される。一般的な工業スケールのスラブストックフォーム生成において、フォーム成分(またはこれらの種々の混合物)は、これらを混合して紙またはプラスチックが敷き詰められたコンベア上に分散する混合ヘッドに独立してポンプで送られる。発泡および硬化はコンベアにおいて起こり、フォームバンを形成する。得られるフォームは、有利には好ましくは少なくとも約10kg/m、より好ましくは少なくとも約15、最も好ましくは少なくとも約17kg/m、独立して好ましくは最大で約100、より好ましくは最大で約90、最も好ましくは最大で約80kg/mの密度である。
【0083】
好ましいスラブストックフォーム配合物は、周囲圧力において高当量ポリオール100重量部あたり使用される好ましくは少なくとも約1、より好ましくは少なくとも約1.2、また、好ましくは最大で約6、より好ましくは最大で約5重量部の水を含む。減圧においては、これらのレベルが任意選択的に低減される。一方で、圧力が増大される場合、これらの水のレベルは増大される必要がある場合がある。
【0084】
高反発弾性スラブストック(high resilience slabstock)(HRスラブストック)フォームは、従来のスラブストックフォームの作製に用いられる方法と同様の方法で作成されるが、より高い当量のポリオールを用いる。HRスラブストックフォームは、ASTM3574.93の手順にしたがって測定される少なくとも40%のボール反発スコアを示すことを特徴とする。水のレベルは、ポリオール100重量部あたり約2〜約6、特に約3〜約5重量部である傾向がある。対照的に、粘弾性フォームは、しばしば、より低い当量のポリオールを含有し、ASTM3574.93の手順にしたがって測定される25%以下のボール反発値を有する。水のレベルは、ポリオールの約1〜約3、特に約1.1〜約2.5重量部である傾向がある。
【0085】
成形フォームは、反応体(ポリオール組成物、ポリイソシアネート、発泡剤、および界面活性剤)を、発泡反応が起こり成形フォームを生成する閉鎖金型に移すことによって、本発明にしたがって作製され得る。金型が常温を著しく超えて予熱されない、いわゆる「常温成形」プロセス、または金型が加熱されて硬化を進める「熱成形」プロセスのいずれかが任意選択的に用いられる。常温成形プロセスは、高反発弾性成形フォーム、すなわち、ボール反発試験を用いて約40%超の反発弾性を有するフォームを好ましくは生成する。成形フォームの密度は、しばしば、30〜80kg/mの範囲である。
【0086】
本発明によって生成されるフォームの用途は、当該技術分野において公知であり且つ当該技術分野における能力の範囲内である用途である。例えば、可撓性、半剛性および粘弾性のフォームは、寝具、家具、靴の中敷き、自動車シート、サンバイザ、パッケージング用途、アームレスト、ドアパネル、遮音部、他のクッション材およびエネルギー管理用途、ダッシュボード、ならびに、Hanser出版社のG.Oertelによる「Polyurethane Handbook」に記載されている、従来の可撓性ポリウレタンフォームが用いられている他の用途等の用途における使用を見出す。
【0087】
本発明の実施によるポリウレタンフォームの作製に用いられる配合物へのNOIRMの添加には、以前には有用であると認識されていなかったNOIRM物質が用いられる。また、NOIRMのそのような添加は、ポリウレタン生成物の再生可能資源含量またはレベルを増大して石油依存を低減する。好ましくは、NOIRMの添加はまた、それらを用いて生成されるポリウレタン生成物の少なくとも一物性を、平均1.5未満のイソシアネート反応性基を有する再生可能資源由来分子を用いないことを除いて同様のプロセスおよび配合物を用いて生成される同様の生成物と比較して、改善する。例えば、よりオープンなセルは、NOIRMを用いないよりNOIRMを用いて作製されるフォームにおいて頻繁に観察される。
【0088】
本発明の目的および利点を、以下の実施例によってさらに説明する。これらの実施例において列挙されている特定の物質およびそれらの量、ならびに他の条件および詳細は、本発明を限定するために使用されてはならない。それらはむしろ、発明全体の説明である。別途記述しない限り、全ての百分率、部および比は、重量によるものである。本発明の実施例には番号を付しているが、本発明の実施例ではない比較試料は、アルファベットにより示している。
【実施例】
【0089】
実施例において以下の物質を使用する:
PEPO−Iは3官能性であり、Dow Chemical Companyから商品名Voranol CP6001で市販されている、15%のエチレンオキサイドキャップを有する2000当量のプロポキシ化ポリエーテルポリオールである。

PEPO−2は3官能性であり、Dow Chemical Companyから商品名Voranol CP4711で市販されている1630当量のポリエーテルポリオールである。

PEPO−3は、PEPO−4と、1,700当量のプロポキシ化テトロールとの60/40ブレンドであり、15%のEOキャップを有し、Dow Chemical Companyから商品名 Voranol Voractiv6340で市販されている3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミンによって開始される(initiated)。

NOBP Aは、大豆油からの脂肪酸を用いて調製される3官能性天然油ポリオールであり、89のヒドロキシル数(OH#)を有する100%の第一級ヒドロキシル含量を有する。これは、ヒドロキシメチル化大豆脂肪酸メチルエステルを、120℃でのエトキシル化により作製された分子量625のポリ(エチレンオキサイド)トリオールと、最終KOHレベル0.3%を用いて合成ケイ酸マグネシウムによって仕上げて、当量209が達成されるまで反応させることによって作製し、これは、当業者に公知であり例えばHanser出版社のG.Oertelによって編集されたPolyurethane Handbook、Chemistry、Raw Materials、Processing、Application、Properties(1993、第2版)のセクション3.1.1.2等の参照文献に教示されており、4:1のモル比で、触媒として500ppmのオクチル酸スズを用いる。得られたポリエーテル−ポリエステルは、21℃において粘度2,700mPa.s、ヒドロキシル当量640、Mn2500、Mw3550、および多分散性1.44を有する。NOBP−Aは、平均約3.0のヒドロキシル基/分子を有する。NOBP−Aは、約70%の再生可能資源を含有する。

NOIRM−1は、WO2004/096744のプロセスにより、大豆油を基本原料として用いて得られ、表1の組成を有する天然油系イソシアネート反応性物質の組成物である。NOIRM−Iは、80%超の再生可能資源を含有する。

NOIRM−2は、ヒドロキシルメチルステアレートである。

NOBP−2は、Aldrichから得られるヒマシ油であり、100%再生可能資源である。

水は、脱イオン水である。

DEOAは、Aldrichから得られるジエタノールアミン(99重量%純度)である。

CAT−1は、第三級アミン触媒であり、Air Products&Chemicals Incから商品名Dabco 33LVで市販されている67%ジプロピレングリコール中のジエチレントリアミン33%溶液である。

CAT−2は、Momentive Performance Materialsから商品名Niax A−Iで市販されているビス(ジメチルアミノエチル)エーテル触媒である。

ADD−1は、Degussa−Goldschmidt Chemical社から商品名Tegostab B−8715LFで市販されている有機ケイ素系界面活性剤である。

ADD−2は、Degussa−Goldschmidt Chemical社から商品名Tegostab B8948で市販されているセルオープナーである。

ADD−3は、Air Products&Chemicals社から商品名Dabco DC2585で市販されているシリコーン界面活性剤である。

ADD−4は、Momentive Performance Materialsから商品名Niax L3416で市販されているシリコーン界面活性剤である。

ADD−5は、3官能性であり、Dow Chemical Companyから商品名Voranol CP1421で市販されている、25%のプロピレンオキサイドおよび75%のエチレンオキサイドの1700当量のランダムコポリマーである。

DMEAは、N,N−ジメチルエタノールアミンである。

ADD−6は、97%のジプロピレングリコールモノメチルエーテルであり、Dow Chemical Companyから商品名Dowanol DPMで市販されている石油系モノオールである。

NCO−1は、Dow Chemical Companyから商品名Specflex NE134で市販されている、29.5の重量%NCOを有するMDIプレポリマーである。

NCO−2は、Bayer AGから商品名Desmodur3230で市販されている、31.5重量%NCOを有するポリマーMDIである。

NCO−3は、Dow Chemical Companyから商品名Voranate T−80で市販されている、2,4異性体対2,6異性体の異性体比が80/20であるトルエンジイソシアネートである。
【0090】
【表1】

【0091】
各実施例および比較試料において、表2〜5に与えられる配合物を用いて「プロセスA」にしたがって調製を実施する。所与の配合物の成分および触媒を含めた添加剤全てを個々に秤量し、これらを1リットル容量のカップ内に秤量することによってフォームを調製する。成分の温度は約25℃である。成分を、電気駆動撹拌器を用いて2000rpmで30秒間予め混合する。次いで、表に示されるイソシアネートを、撹拌された成分に添加し、2000rpmでさらに5秒間混合する。次いで、反応体を、Chem Trendから商品名Klueber(商標)41−2038離型剤で市販されている離型剤が噴霧された、60℃に加熱した30×30×10cmのアルミニウム金型内に注ぐ。フォーム塊がベントホールに到達する時間を、表において金型射出時間と称する;一方で、必要に応じて、離型時間を4分のままにするか、または5分に延長する。離型時にフォームパッドをマニュアルで粉砕し、セルを開き、収縮を回避する。フォーム気密性レベルをその粉砕耐性(セルを破壊するのに必要なさらなる力)によってマニュアルで評価する。任意の他の注目すべき反応特性、例えばフォームの臭気、スキン態様を、満足でない場合には観察して記録する。次いで、得られたフォームパッドを換気されたヒュームフード下で一晩硬化させる。次いで、これらを7日間周囲貯蔵に置いた後、性質の定義における別途の記述を除いてASTM 3574の手順を用いて物性評価に供する。
【0092】
表において、その量が指数で与えられるイソシアネートを除き、各成分の量を、全ポリオール100重量部あたりの部で列挙する。
【0093】
【表2】

【0094】
【表3】

【0095】
【表4】

【0096】
【表5】

【0097】
表2〜5に提示するデータは、MDI系高反発弾性(HR)成形配合物中にNOBP−1を用いることにより、気密なフォームを結果として得ることを示している。1.0の平均名目官能価を有するNOIRM−1モノオール(表1内の組成物を参照)を組み込むことにより、オープンなフォームおよび許容可能な圧縮永久ひずみを結果として得る。単独で用いられるモノオールのレベル、または、大豆ポリオールと組み合わされるポリオールのレベルを増大させる(これによりポリオールブレンド中の再生可能資源レベルを増大させる)ことにより、望ましい物性を維持しながら、フォーム反発弾力を低減し、これにより粘弾性特性を結果として得る。比較例EおよびFは、石油系モノオール(ADD−6)の使用が、2PPHPにおいてさえもフォーム圧縮永久ひずみに悪影響を及ぼすことを示す。
【0098】
NOIRMは、ヒマシ油を含むポリオール組成物において使用されるとき同様の効果を有すると考えられる。
【0099】
本発明の実施形態は、以下を含む:
1.組成物中の任意の天然油ポリオールに天然に存在する量よりも多い量で、約1.5未満、好ましくは約1.4未満、より好ましくは約1.2未満、最も好ましくは約1のイソシアネート反応性官能価を有する少なくとも1種の天然油イソシアネート反応性物質(NOIRM)を含むポリオール組成物。

2.ポリウレタンの調製方法であって、(a)少なくとも1種のポリイソシアネートを含むイソシアネート組成物を供給する工程;(b)他のいずれかの実施形態の少なくとも1種のポリオール組成物を供給する工程;(c)イソシアネート組成物とポリオール組成物とを混合する工程;および(d)混合物を少なくとも1種のポリウレタンが形成されるような反応条件に付す工程を含む方法。

3.他のいずれかの実施形態の任意の組成物および少なくとも1種のイソシアネート組成物の反応生成物を含むフォーム;他のいずれかの実施形態の任意のプロセスの結果;またはこれらの組合せ。

4.他のいずれかの実施形態の任意の組成物および少なくとも1種のイソシアネート組成物の反応生成物を含む物品;他のいずれかの実施形態の任意のプロセスの結果;他のいずれかの実施形態のフォームまたはこれらの組合せ。

5.ポリオール組成物が少なくとも1種の天然油ポリオールをさらに含む、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

6.ポリオール組成物が少なくとも1種の従来の(石油系)ポリオールをさらに含む、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

7.好ましくは1.5未満、1.4未満、または1.2未満、最も好ましくは約1の平均官能価を有する天然由来の少なくとも1種のイソシアネート反応性物質を少なくとも1種のポリオールと組み合わせて用い、当該少なくとも1種のポリオールは、少なくとも約1.5、1.8または2の官能価を有する従来の(石油系)ポリオールもしくは天然油ポリオールまたはこれらの組合せである、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

8.イソシアネート指数が、少なくとも約60、70、80、または90、任意選択的には最大で約150、130、120、115、または110である、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

9.従来のポリオールが、ポリ(プロピレンオキサイド)ホモポリマー、プロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドのランダムコポリマー、ここで、ポリ(エチレンオキサイド)、エチレンオキサイドキャップポリ(ethylene oxide-capped poly)(プロピレンオキサイド)ポリマー、ならびにプロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドのエチレンオキサイドキャップランダムコポリマー、ならびにこれらの組合せから選択される、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

10.好ましくは、得られるフォームがスラブストックフォームであるとき、従来のポリオールが、1分子あたり少なくとも約2、独立して最大で約8、6または4個の主に(50%超)第二級(しかしまたある場合には第一級)のヒドロキシル基を有する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

11.従来のポリオールが、1ヒドロキシル基あたり少なくとも約400または800から最大で約3000または1750当量を有する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

12.従来のポリオールが、1分子あたり少なくとも約2から約5または6個の好ましくは主に第一級のヒドロキシル基を有し、得られるフォームが少なくとも約40のボール反発を有する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

13.従来のポリオールが、ヒドロキシル基あたり少なくとも約1000または1200から最大で約3000または2000当量を有する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

14.従来のポリオールが、約150超のヒドロキシル数を有し、好ましくは、得られるフォームが粘弾性フォームである、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

15.従来のポリオールが、1分子あたり少なくとも約2および独立して最大で約8、6、もしくは4個の第一級または第二級ヒドロキシル基、またはこれらの組合せを有する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

16.従来のポリオールが、好ましくは少なくとも約15、32、または45、任意選択的には最大で約200、180または170のヒドロキシル数を有する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

17.25℃において測定される従来のポリオールの粘度が、約10,000mPa.s未満、好ましくは約8,000未満である、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

18.天然油ポリオールが、少なくとも約10または20から最大で約60または40重量%EOである、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

19.天然油ポリオールが、少なくとも1種のイニシエートされた脂肪酸ポリエステルアルコールを含むか、または好ましくは少なくとも1種のイニシエートされた脂肪酸ポリエステルアルコールである、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

20.天然油ポリオールが、アルコキシ化、好ましくはエトキシ化ポリヒドロキシル化合物、好ましくはグリセリン、スクロース、またはこれらの組合せによって開始される(initiated with)、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

21.天然油ポリオールが、少なくとも約400または600から最大で約1000または800の分子量を有する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

22.天然油ポリオールが、少なくとも1種のイニシエートされた第二級ヒドロキシル脂肪酸コポリエステルを含むか、または好ましくは、少なくとも1種のイニシエートされた第二級ヒドロキシル脂肪酸コポリエステルである、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

23.開始剤が、エチレンオキサイドまたはエチレンおよび少なくとも1種の他のアルキレンオキサイドの混合物から誘導される分子部分を有し、好ましくは200、400または500から6000、2000または1000の分子量を有する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

24.少なくとも1種の天然油ポリオールが、少なくとも約10、15、または20から最大で約60、50または40重量%のエチレンオキサイド誘導部分を好ましくは含有する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

25.天然油ポリオール、またはそのようなポリオールのブレンドの官能価が、少なくとも約1.5、1.8または2.0から最大で約6、5または4である、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

26.少なくとも1種の天然油ポリオール、またはそのようなポリオールのブレンドのヒドロキシル数が、好ましくは最大で約300、200または100mgKOH/gである、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

27.25℃において測定される天然油ポリオールの粘度が、約10,000mPa.s未満、好ましくは約8,000mPa.s未満である、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

28.天然油ポリオール成分が少なくとも2種の異なる天然油ポリオールを含み、その相違が、(a)それらが作製されるプロセスまたは(b)構造的相違の少なくとも一方であり、得られるポリマー生成物もしくはこれらの組合せにおいてより高いレベルの再生可能資源で、またはより多量の組合せ天然油ポリオールを用いるときに改善された物理または加工特性、満足な特性を結果としてもたらすのに十分なものであり、この比較は全て、天然油ポリオールの組合せの量に等しい量で1種の天然油ポリオールを単独で用いるが、本質的に同様のプロセスによって生成される本質的に同様の最終生成物と比較したものである任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

29.2種以上の天然油ポリオールを調製するプロセスが、反応温度、反応時間、反応圧力またはこれらの組合せの少なくとも1つによって、好ましくは反応温度、反応時間、反応圧力、触媒の複数によって、少なくともより好ましくは少なくとも1種のユニット操作、またはこれらの組合せによって異なる、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

30.少なくとも1種の第1の天然油ポリオールが第1のプロセスによって調製され、少なくとも1種の第2の天然油ポリオールが第2のプロセスによって調製され、第1のプロセスが、天然油またはその誘導体を用いたヒドロホルミル化、エポキシ化、アルコキシ化、エステル化、エステル交換反応、アルコール分解、酸化、開環の少なくとも1種のユニット操作を含み、第2のプロセスが、第1のポリオールを調製するのに用いられる列挙したユニット操作の少なくとも1種を含まず、または少なくとも1種のさらなるユニット操作を含むか、あるいはその両方の組合せである、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

31.少なくとも2つの天然油ポリオールが、トリエタノールアミンでアルコール分解した過酸ヒドロキシレート、少なくとも部分的に開環して植物油主鎖に第二級ヒドロキシル基を生成するエポキシ化植物油、ホルミル基がヒドロキシメチル基に少なくとも部分的に変換されたヒドロホルミル化植物油;発泡植物油(非アルコキシ化またはさらに処理されたもの)、アルコキシ化発泡植物油、エステル交換発泡油;脂肪酸アルコールアルコキシレート;エステル交換植物油、アルコキシ化植物油;アルコキシ化ポリエステルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステルポリオール、イニシエートされた脂肪酸ポリエステルアルコール;エポキシ開環オリゴマー、ならびに天然ポリオールからなる群の種々のメンバーを提示する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

32.2種のポリオールが、以下:第二級と比較した第一級ヒドロキシル基の百分率;ヒドロキシル官能価;分子量;親水性(エチレンオキサイドレベル);または天然油原料;の少なくとも1つによって独立して異なる、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

33.(a)種々の天然油ポリオールの少なくとも1種が、その第一級ヒドロキシル基を少なくとも約50%を有し、少なくとも1種の異なる天然油ポリオールが、その第二級ヒドロキシル基を少なくとも約51%を有し;(b)ポリオールはヒドロキシル官能価において少なくとも約10%異なり;(c)少なくとも約10%異なる分子量を有し;(d)ポリオール分子に組み込まれるエチレンオキサイドのレベルで親水性において少なくとも約10%異なり;(e)種々の天然油原料に由来する点において異なり、(f)任意の脂肪酸またはエステルのレベルで少なくとも約10重量%の相違に反映されるような脂肪酸分布の相違を有する点において異なるか;またはこれらの組合せである、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

34.少なくとも1種の天然油ポリオールが、少なくとも1種のイニシエートされた脂肪酸ポリエステルアルコールである、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

35.少なくとも1種の天然油ポリオールが、その調製のいずれかの段階において酸化またはエポキシ化されている、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

36.種々の天然油ポリオールの少なくとも1種が、イニシエートされた脂肪酸ポリエステルアルコールであるが、異なる天然油ポリオールの少なくとも1種が酸化またはエポキシ化されている、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

37.各NOIRMが、天然油からのもしくはこれに由来する個々の化合物;天然由来化合物の混合物;当該混合物から抽出もしくはさもなければ濃縮された精製モノオールの混合物;および前記タイプのNOIRMのいずれかを含む組成物から作製されるポリマー;またはこれらの組合せから選択される、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

38.少なくとも1種のNOIRM、または、好ましくは各NOIRMが、少なくとも1種の天然油の鹸化を含むプロセスによって得られる、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

39.各NOIRMが、少なくとも約100、200もしくは250から最大で約1,500、1,200もしくは1,000の平均分子量を有し、またはNOIRMが混合物であるとき、混合物の各成分が、好ましくは少なくとも約100、200もしくは250から最大で約1,500、1,200もしくは1,000の分子量を有する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

40.各NOIRMが、少なくとも約100、200または240から最大で約1,500、1,200、1,000の平均イソシアネート反応性当量を有する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

41.少なくとも1種のNOIRMが、少なくとも1種のポリオールと共に使用されて少なくとも1種のイソシアネートと反応してポリウレタンを形成する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

42.NOIRMの量が、NOIRMがポリオール組成物の部としてカウントされるとき、全ポリオール100重量部あたり少なくとも約1、2、3、4、または5、最大で約60、50、40、または30部である、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

43.従来のポリオールまたはその組合せの量が、0重量%の量、または少なくとも約10、15もしくは20から最大で約90、80、もしくは70のPPHPの量である、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

44.天然油ポリオールまたはその組合せが、ポリオール配合物の0、2、5、10、15、20から最大で約99、95、92、90重量%またはPPHPを構成する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

45.水が、少なくとも約0.5または2から最大で約10または7のPPHPの量で存在する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品

46.ポリオール組成物が、少なくとも約100、200または250から最大で約1,500、1,200または1,000の平均分子量を有する石油由来の少なくとも1種のモノオールをさらに含む、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

47.天然油ポリオールの部が、天然油、好ましくはヒマシ油であり、より好ましくは、ここで、ヒマシ油が、用いられる唯一の天然油ポリオールであり;一実施形態において、最も好ましくは、ここで、ヒマシ油が少なくとも1種の従来のポリオールと共に使用され;別の実施形態において、最も好ましくは、ここで、ヒマシ油が、従来のポリオールの実質的非存在下で用いられる、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

48.いずれかのポリオール(従来の天然油またはNOIRM)の一部または全部が、化学量論的に過剰の少なくとも1種のイソシアネートと反応して、イソシアネート官能性を有する少なくとも1種のプレポリマーを生成するか、または化学量論的に不足する少なくとも1種のイソシアネートと反応して少なくとも1種のポリオール末端プレポリマーを生成する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

49.少なくとも1種の得られるフォームが、少なくとも約10、15、または17kg/mの密度、独立して最大で約100、90、または80kg/mの密度を有する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

50.水の量が、周囲圧力で使用される、少なくとも約1または1.2から最大で約6または5のPPHPである、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

51.水が少なくとも約2または3から約5または6のPPHPで存在し、得られるフォームが、ASTM3574.93の手順にしたがって測定される少なくとも40%のボール反発を示す、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

52.水が少なくとも約1または1.1から約2.5または3のPPHPで存在し、得られるフォームが、ASTM3574.93の手順にしたがって測定される最大で25%のボール反発を示す、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

53.フォームが、30から50または80kg/mの密度を有し、得られるフォームが、ASTM3574.93の手順にしたがって測定される少なくとも40%のボール反発を示す、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

54.少なくとも1種のNOIRMの添加により、NOIRMを用いないことを除いて同様のプロセスおよび配合物を用いて生成された同様の生成物と比較して、これを用いて生成されるポリウレタン生成物の少なくとも一物性を改善する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

55.フォーム、組成物からもしくはプロセスによって形成されるフォーム、またはこれらの組合せが、空気流量によって測定されるとき、NOIRMを用いない同様の配合物において得られるフォームよりもオープンである、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

56.フォーム、組成物からもしくはプロセスによって形成されるフォーム、またはこれらの組合せが、NOIRMを用いない同様の配合物において得られるフォームを有するよりも高いレベルの再生可能含量を有する、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

57.フォームまたは得られるフォームが、寝具、家具、靴の中敷き、自動車シート、サンバイザ、パッケージング用途、アームレスト用途、ドアパネル、遮音部、他のクッション材もしくはエネルギー管理用途、ダッシュボードまたはこれらの組合せにおいて用いられる、任意の上記実施形態の組成物、プロセス、フォームまたは物品。

58.少なくとも1種の寝具、家具、靴の中敷き、自動車シート、サンバイザ、パッケージング用途、アームレスト、ドアパネル、遮音部、他のクッション材もしくはエネルギー管理用途、ダッシュボードまたはこれらの組合せもしくはこれらの部分を含む、任意の上記実施形態の物品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1.5超の官能価を有する少なくとも1種のポリオールおよび組成物中の任意の天然油ポリオールに天然に存在するよりも多い量で、約1.5未満のイソシアネート反応性官能価を有する少なくとも1種の天然油イソシアネート反応性物質(NOIRM)を、含むポリオール組成物。
【請求項2】
NOIRMが、約1.4未満の平均官能価を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ポリオールまたはこれらの組合せが、少なくとも約1.8、最大で約8の平均官能価を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
少なくとも1種のポリオールが、少なくとも約10から最大で約60重量%の、エチレンオキサイドに由来する分子部分を含む、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
天然油ポリオールが、少なくとも1種のイニシエートされた脂肪酸ポリエステルアルコールを含む、請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
天然油ポリオールが、少なくとも1種のイニシエートされた第二級ヒドロキシル脂肪酸コポリエステルを含む、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
天然油ポリオール成分が少なくとも2つの異なる天然油ポリオールを含み、その相違が、(a)それらが作製されるプロセス、または(b)構造的相違の少なくとも一方であり、得られるポリマー生成物またはこれらの組合せにおいてより高いレベルの再生可能資源で、またはより多量の組合せ天然油ポリオールを用いるときに、改善された物理または加工特性、満足な特性を結果としてもたらすのに十分なものであり、この比較は全て、天然油ポリオールの組合せの量に等しい量で1種の天然油ポリオールを単独で用いるが、本質的に同様のプロセスによって生成される本質的に同様の最終生成物と比較したものである、請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の天然油ポリオールが、その調製のある段階において酸化またはエポキシ化されている、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
各NOIRMが、天然油からのもしくはこれに由来する個々の化合物;天然由来化合物の混合物;当該混合物から抽出もしくは濃縮された精製モノオールの混合物;および前記タイプのモノオールのいずれかを反応させることにより作製されるポリマー;またはこれらの組合せから選択される、請求項1から8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
各NOIRMが、少なくとも1種の天然油の鹸化を含むプロセスによって得られる、請求項1から9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
各NOIRMが、少なくとも約100から最大で約1,500の平均分子量を有する、請求項1から10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
NOIRMの量が、NOIRMをポリオール組成物の部としてカウントするとき、全ポリオール組成物100重量部あたり少なくとも約1、最大で約60部であり;従来のポリオールまたはその組合せの量が、少なくとも約10から最大で約90のPPHPの量であり;天然油ポリオールまたはその組合せの量が、ポリオール組成物の2から最大で約99のPPHPである、請求項1から11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
ポリウレタンの調製方法であって、(a)少なくとも1種のポリイソシアネートを含むイソシアネート組成物を供給する工程;(b)組成物中の任意の天然油ポリオールにおいて天然に存在する量よりも多い量で、約1.5未満のイソシアネート反応性官能価を有する少なくとも1種の天然油イソシアネート反応性物質(NOIRM)を含む少なくとも1種のポリオール組成物を供給する工程;(c)イソシアネート組成物とポリオール組成物とを混合する工程;および(d)混合物を少なくとも1種のポリウレタンが形成されるような反応条件に付す工程を含む方法。
【請求項14】
ポリオール組成物が、請求項1から12のいずれかの組成物である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
組成物中の任意の天然油ポリオールに天然に存在する量よりも多い量で、約1.5未満のイソシアネート反応性官能価を有する少なくとも1種の天然油イソシアネート反応性物質(NOIRM)を含む任意のポリオール組成物と、少なくとも1種のイソシアネート組成物との反応生成物を含むフォーム。
【請求項16】
ポリオール組成物が、請求項1から12のいずれかの組成物である、請求項15に記載のフォーム。
【請求項17】
請求項15または16のフォームを含む物品。
【請求項18】
少なくとも1種の寝具、家具、靴の中敷き、自動車シート、サンバイザ、パッケージング用途、アームレスト、ドアパネル、遮音部、他のクッション材もしくはエネルギー管理用途、ダッシュボードまたはこれらの組合せもしくはこれらの部分を含む、請求項17に記載の物品。

【公表番号】特表2010−538149(P2010−538149A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524132(P2010−524132)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/075208
【国際公開番号】WO2009/032894
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】