フォームチャンバ
【課題】地震や貯蔵タンク内圧の上昇等により意図せずに、封止構造が開放されないようにする。
【解決手段】大気圧以上の内圧をもった貯蔵タンクのタンク本体13の側壁に設置され、消火用泡Bが垂直方向に上昇する発泡室3と、前記貯蔵タンクに向けて水平方向に消火用泡が通過する泡放出口15と、前記泡放出口15に向けて消火用泡Bが通過する略水平方向の流路25上に設けられ、前記発泡室3と前記泡放出口15との間を封止する遮蔽部11と、を備えたフォームチャンバにおいて、前記遮蔽部11を、堅牢な材質で形成した逆止弁構造とした。
【解決手段】大気圧以上の内圧をもった貯蔵タンクのタンク本体13の側壁に設置され、消火用泡Bが垂直方向に上昇する発泡室3と、前記貯蔵タンクに向けて水平方向に消火用泡が通過する泡放出口15と、前記泡放出口15に向けて消火用泡Bが通過する略水平方向の流路25上に設けられ、前記発泡室3と前記泡放出口15との間を封止する遮蔽部11と、を備えたフォームチャンバにおいて、前記遮蔽部11を、堅牢な材質で形成した逆止弁構造とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、泡消火設備に用いられるフォームチャンバに関するものであり、更に述べると、逆止弁機構を備えたフォームチャンバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
泡消火設備で用いるフォームチャンバは、石油等の危険物を貯蔵する貯蔵タンクの上方の気体層の側面に取り付けられ、前記タンク火災時には、送出された泡水溶液を規定の倍率で発泡させ、前記タンク内の液面を消火用泡で覆う機器である。この機器は、常時は内部に設けられた遮蔽部の封止構造によって一次側と二次側間を遮断しており、火災時には送出される泡水溶液の圧力によって封止構造が機械的に開放される(例えば、特許文献1、参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭60−124950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来例の遮蔽部の封止構造には、封板が用いられているが、この封板は、ガラス板やプラスチック製薄板等により形成され、火災時の泡放出圧力で破れ、前記遮蔽部の一次側から二次側に消火用泡を流すことが可能となる。前記封止構造に前記封板が用いられる理由は、前記タンク内容物の気化ガスによる二次側の腐食環境、及び、沿岸部に設置され、一次側が外気に曝されることによる塩害に対応するためであった。
【0005】
しかしながら、前記タンク内圧が上昇した場合や地震が発生した場合は、封止構造を構成する前記封板が破損してしまう場合がある。しかも、前記封板が破損したことを検出することができず、頻繁に点検を行わなければならないという問題がある。
【0006】
この発明は、上記事情に鑑み、地震や貯蔵タンク内圧の上昇等により意図せずに、封止構造が開放されないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、大気圧以上の内圧をもった貯蔵タンクの側壁に設置され、消火用泡が垂直方向に上昇する発泡室と、前記貯蔵タンクに向けて水平方向に消火用泡が通過する泡放出口と、前記泡放出口に向けて消火用泡が通過する略水平方向の流路上に設けられ、前記発泡室と前記泡放出口との間を封止する遮蔽部と、を備えたフォームチャンバにおいて、前記遮蔽部を、逆止弁構造としたことを特徴とする。
【0008】
この発明は、前記遮蔽部において消火用泡が通過する略水平方向の流路は、前記発泡室において消火用泡が通過する軸線と離れていることを特徴とする。この発明は、前記遮蔽部の上方に、該遮蔽部の1次側と2次側のそれぞれに点検ハッチを備えたことを特徴とする。この発明は、泡水溶液と外気とを混合する発泡器の上方に発泡室を設け、該発泡室内に発泡用網を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明は、前記遮蔽部を金属や樹脂など破壊されにくい材質で形成し、泡放出圧力で開放する逆止弁構造としたので、前記タンク内圧が上昇した場合や地震が発生した場合でも、意図せずに遮蔽部が開放されることはない。
【0010】
この発明は、前記遮蔽部において消火用泡が通過する略水平方向の流路は、前記発泡室において消火用泡が通過する軸線と離して配置し、発泡室側方に奥行の大きい遮蔽部を設け、発泡室上方から遮蔽部へ曲線的に消火用泡を導くことにより、前記遮蔽部の奥行きによって前記タンク側壁と発泡室との距離が離れることを防止することができるので、フォームチャンバを小型化できる。
【0011】
この発明は、前記遮蔽部の上方に、該遮蔽部の1次側と2次側のそれぞれに点検ハッチを備えたので、平常時の点検を遮蔽部の一次側点検ハッチから行うことにより、点検時に二次側のガスが漏れ出ることがなくなる。また、逆止弁の開放後の復帰作業や点検の際は、二次側点検ハッチからの作業も可能となる。
【0012】
この発明は、泡水溶液と外気とを混合する発泡器の上方に発泡室を設け、該発泡室内に発泡用網を設けたので、発泡室を小型化することができ、フォームチャンバ全体を小型化できる。また、発泡室を小型化して生じる余裕空間を利用して逆止弁による封止構造を構築することができるので、既存のフォームチャンバと同様の寸法・配管の取り合いとすることが可能となる。特に、配管等の変更を行わずに置き換えることができるように設計できるので、従来品と置き換えるリニューアル工事を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図で、フォームチャンバを貯蔵タンクに取付た状態を示す図である。
【図2】フォームチャンバの平面図である。
【図3】フォームチャンバの遮蔽部正面図である。
【図4】フォームチャンバの遮蔽部右側面内部図である。
【図5】図4のV―V矢視図である。
【図6】フォームチャンバの作動状態を示す遮蔽部正面図である。
【図7】フォームチャンバの作動状態を示す遮蔽部右側面内部図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示す図で、フォームチャンバを貯蔵タンクに取り付た状態を示す図である。
【図9】フォームチャンバの平面図である。
【図10】フォームチャンバの遮蔽部正面図である。
【図11】フォームチャンバの遮蔽部右側面内部図である。
【図12】フォームチャンバの作動状態を示す遮蔽部正面内部図である。
【図13】フォームチャンバの作動状態を示す遮蔽部右側面内部図である
【図14】チャッキ弁のラッチ機構を示す拡大正面図である。
【図15】チャッキ弁の軸受機構を示す拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の第1実施形態を図1〜図7により説明する。
貯蔵タンクのタンク本体13には、フォームチャンバ1が取り付けられている。この貯蔵タンクは、石油等の危険物を貯蔵し、かつ、大気圧以上の内圧をもっている。前記フォームチャンバ1には、垂直状の管体部4と箱体部6とを備えた発泡室3が設けられている。この発泡室3の管体部4の基端部には、発泡器7が設けられているが、この発泡器7は、外気と泡水溶液送液管2から供給される泡水溶液とを混合させる気液混合装置である。
【0015】
前記管体部4の先端部4aは、箱体部6内に突出しており、該先端部4aは、箱体部6の天井6aに設けた点検ハッチ9と間隔をおいて対向している。前記発泡室3は、遮蔽部11を介してタンク本体13の泡放出口15に連通している。
【0016】
前記遮蔽部11の封止構造は、前記発泡室3の箱体部6とタンク本体13に連接する泡放出口15とを連結する流路25上に設けられ、該発泡室3と前記泡放出口15との間を遮蔽している。前記流路25は、略水平方向の軸線25Xを有する連結管により形成され、前記発泡室3から放出された消火用泡を前記泡放出口15に向けて略水平方向に流下させる。消火用泡が通過する略水平方向の流路は、前記発泡室3において消火用泡が通過する軸線と離して配置し、発泡室3の側方に奥行の大きい前記遮蔽部11を設け、発泡室3上方から遮蔽部11へ曲線的に消火用泡を導くことにより、前記遮蔽部11の奥行によって前記タンク側壁と発泡室との距離が離れることを防止できるので、フォームチャンバを小型化できる。前記封止構造は、逆止弁構造であり、ガイド部21と、該ガイド部21の先端を閉鎖する遮蔽板23とを備えている。前記逆止弁構造は、泡放出圧力によって前記発泡室3から前記泡放出口15の方向へのみ開放する。また、逆止弁構造とすることにより、金属や樹脂等の破壊しにくい材質で形成することができる。
【0017】
前記ガイド部21は、円筒状に形成され、前記連結管25に摺動可能に挿着され、その先端部側には、周方向に間隔をおいて複数の長穴状の開口部26が設けられている。この開口部26の長さ、幅、数、形状、配設位置等は必要に応じて適宜選択される。前記ガイド部21には、連結管25に固着せず、又、摺動抵抗を減じて円滑な動作を行えるように摺動部材28が設けられているが、この摺動部材28として、例えば、フッ素樹脂等の部材、或いは、滑車等が用いられる。前記連結管25は前記遮蔽部11を介して拡径部25aへ連接している。該拡径部25aは、前記遮蔽部11が開放したときに、前記開口部26から側方に放出する泡を泡放出口15に導くものであり、前記ガイド部が摺動可能な空間を有する。
【0018】
前記遮蔽板23は、金属や樹脂等で形成されているが、腐食や固着を防止するために、その表面には、フッ素樹脂層等のコーテング層が施されている。前記遮蔽板23は、前記ガイド部21の径より大径に形成され、その外周部である鍔部23aは、拡径部25aの弁座にシール部29を介して当接している。このシール部29は、必ずしも必要ではなく、省略することも可能である。
【0019】
前記拡径部25aの泡放出口15側の端部には、バッフル板31が拡径部25aに内接して設けられており、このバッフル板31と前記遮蔽板23との間には、コイルバネ32が設けられている。このコイルバネ32は、前記遮蔽板23を前記シール部29に押し付けるので、前記遮蔽板23は、常時閉弁方向に付勢されている。なお、前記バッフル板31は、前記拡径部25aに溶着等で固定してもよいが、図示しない固定具を前記拡径部25a内面に設けて、これに着脱可能に固定することがメンテナンス上望ましい。
【0020】
前記バッフル板31は、図5に示すように、中央にコイルバネ32が接する平面部を有し、周方向に間隔をおいて複数の開口部34が設けられているが、この開口部34の大きさ、数、配設位置等は、必要に応じて適宜選択される。
【0021】
次に、本実施形態の作動について説明する。
「平常時」
平常時には、遮蔽板23は、貯蔵タンクの大気圧以上の内圧を受けると共に、コイルバネ32により閉方向に付勢されているので、閉弁状態が維持されている。そのため、地震やタンク内圧の上昇により開弁することはない。
【0022】
「火災時」
火災発生時に、図示しないポンプが起動すると、泡水溶液AWが泡水溶液送液管2から発泡器7に圧送される。そうすると、該泡水溶液AWは、図示しない吸気口から吸入される外気と混合され、消火用泡Bとなりながら管体部4の軸線に沿って垂直方向に上昇し、その先端4aから噴出して放射線状に曲げられるようにしながら発泡室3の箱体部6内に流下する。
【0023】
この箱体部6内に流下した消火用泡Bは、流路である連結管25内を水平方向に流れて遮蔽部11に到達し、遮蔽板23を押圧する。
【0024】
そうすると、前記遮蔽板23は、ガイド部21に案内されながらコイルバネ32のバネ力に抗して摺動し、シール部29から離れるとともに、前記開口部26が開く(図7参照)。そのため、前記消火用泡Bは、前記開口部26から排出されて拡径部25aに入るとともに、バッフル板31の開口部34を通って泡放出口15からタンク本体13内に放出される。そのため、貯蔵タンクの液面は、前記消火用泡Bに覆われるので、窒息消火が行なわれる。
【0025】
消火後、前記ポンプを停止させると、泡水溶液の供給は停止され、消火用泡の生成は停止されるので、前記遮蔽板23はコイルバネ32に押されてシール部29に圧着し、閉弁状態となる。
【0026】
この発明の第2実施形態を図8〜図15により説明するが、図1〜図7の図面符号と同一図面符号は、その名称も機能も同一である。この実施形態と第1実施形態との主なる相違点は、次の通りである。(1)発泡器が、一般的な泡ヘッドと同様に、発泡用網(スクリーン)を備えていること、(2)遮蔽部を発泡室内に設けるとともに、点検ハッチを遮蔽部の一次側と二次側に設けたこと。
【0027】
発泡器37の上方に、発泡室36が設けられているが、この発泡室36は、第1実施形態の発泡室3と異なり、発泡用網41を備えており、又、管体部は省略されている。
【0028】
前記発泡器37は、発泡室36の底部36aに設けられ、前記底部36aの開口部には、両端部42a、42bが拡径している拡径部42が設けられている。この拡径部42の下端部42aには、吸気口39を介してフォームチャンバ基底部の縮径部43が嵌合され、その上端部42bには、発泡用網41が設けられている。本実施形態では、発泡用網41を用いているが、これは、遮蔽部を逆止弁構造とすることにより初めて可能となることである。即ち、従来のように封板を破壊したり、吹き飛ばすほどの一次側圧力を必要としなくなったことから、圧力損失の大きな発泡用網を利用できる様になったものである。
【0029】
前記発泡用網41は、発泡室36内に突出する断面円錐台状の網(スクリーン)であり、前記拡径部42の先端拡径部42bを覆うように配設されている。前記拡径部42内には、デフレクタ44が設けられている。フォームチャンバの基底部は、第1フランジ部45を介してジョイントパイプ46に連結され、該パイプ46の後端は第2フランジ部48を介して泡水溶液送液管2に接続されている。
【0030】
前記ジョイントパイプ46は、既存設備をこの実施形態の装置で置き換えた場合、小型化された故に不足する配管長を補うものであるが、このジョイントパイプ46の長さに相当する配管を予め本装置に取り付けておいても良い。
【0031】
遮蔽部11の封止構造は、弁体を側方に向けてスイング移動させる逆止弁機構、即ち、チャッキ弁機構、である。この機構は、傾斜仕切り壁49に設けられた弁座50と、該弁座50の二次側に設けられている軸止部52と、チャッキ弁54の弁体54aに対し平行の向きで前記軸止部52に弁体54aと共に軸止されたスイング軸56とを備えている。前記傾斜仕切り壁49は、その上部が一次側に傾いているので、弁体54aも垂直状ではなく、一次側に傾いて支持されている。従って、弁体54aは、自重により常に閉方向の力を受けることになる。
【0032】
そして、弁出口58を閉止している遮蔽位置(図11参照)と、前記弁出口58を開放している開放位置(図13参照)の間で前記弁体54aをスイング移動させ、前記弁体54aは遮蔽位置と閉止位置の間で一定の軌道に沿って移動するようになっている。なお、前記弁体54aを閉方向に付勢する様に、前記弁体54aの上面と軸止部52との間にねじりばね55を設けている。
【0033】
この実施形態では、ラッチ機構60を利用した保持機構を有しており、この保持機構は、軸止部52に設けられているラッチ本体61と、スイング軸56に設けられたラッチ受け63とを備えている。前記ラッチ本体61は尖端ラッチ部61aと戻りばね61bを有し、ラッチ受け63は係止面63aと滑り面63bが形成された受け部63cを複数有し、尖端ラッチ部61aは受け部63cと係合可能になっている(図14参照)。
【0034】
前記ラッチ受け63はスイング軸56に固定され、スイング軸56は固定ピン65により弁体54aに固定され(図15参照)、弁体54aの移動とラッチ受け63は連動するようになっている。
【0035】
従って、ラッチ機構60は、弁体54aの開方向の移動に対しては、受け部63cの滑り面63bがラッチ本体61の尖端ラッチ部61aを押しながら回転し、ラッチ本体61も戻りばね61bを縮めながら回転し、ラッチ尖端部61aは滑り面63b上を滑動して受け部63cから一端開放された後に、戻りばね61bの作用によりラッチ本体61は元の位置に戻りながら、尖端ラッチ部61aは次の受け部63cと係合し、この動きが繰り返されるようになっている。
【0036】
そのため、弁体54aを所定の開放位置まで移動できる様になっているが、逆に、弁体54aの閉方向の移動に対しては、それに連動する方向へのラッチ本体61の回転はストッパ61cに規制されてできないので、弁体54aを閉方向には移動できない様になっている。なお、鎮火後に、前記弁体54aを復旧するときは、二次側点検ハッチ9bより前記ラッチ本体61を操作して尖端ラッチ部61aをラッチ受け63から外して前記ラッチ機能60を解除して行う。
【0037】
次に、この実施形態の作動について説明する。
「平常時」
平常時には、チャッキ弁54は、大気圧以上の貯蔵タンクの内圧を受けると共に、ねじりばね55により閉方向に付勢されているので、閉弁状態が維持されている。この閉弁状態では、平常時の点検を一次側点検ハッチ9aから行うことにより、点検時に二次側のガスが漏れ出ることがなくなる。
【0038】
「火災時」
火災発生時に、図示しないポンプが起動すると、泡水溶液AWが泡水溶液送液管2、ジョイントパイプ46を通り発泡器37に圧送される。そうすると、縮径部43で流速が増した該泡水溶液AWは、ベンチュリー効果によって吸気口39より吸引された外気(空気)と混合されて気液混合流体kwとなる。
【0039】
この気液混合流体kwは、デフレクタ44に衝突して拡散された後、発泡用網44に衝突して発泡し、消火用泡Bになるとともに、この消火用泡Bは、チャッキ弁54の弁体54aに向かって進行するとともに、該弁体54aの一次側を押圧する。
【0040】
そうすると、前記弁体54aは、ねじりばね55のばね力に抗して回動し、弁座50から離れるので、開弁状態となる(図13参照)。そのため、前記消火用泡Bは、弁出口58を通って二次側に流入し、泡放出口15からタンク本体13内に放出される。この時、前記ラッチ機構60により所定の開弁状態が維持されるので、泡放出口15には、所定倍率で発泡した消火用泡Bが供給される。そのため、設計通りに泡消火を行うことができる。
【0041】
消火後、前記ポンプを停止させると、泡水溶液の供給は停止され、消火用泡の生成は停止されるが、前記チャッキ弁54はラッチ機構60により開放状態を維持する。チャッキ弁54の開放後の復旧作業は、二次側点検ハッチ9bから作業を行う。なお、点検の際は、二次側点検ハッチ9bからも作業を行うことができる。
【0042】
この第2実施形態の発泡用網を用いた発泡器は、これ自体が泡を発生する機能があり、従来のような長大な発泡室を必要としない。従って、発泡器の直上に、遮蔽部の封止構造を設けることが可能となり、装置を小型化することが可能となる。また、従来装置の代替品として接続部分の互換性を有する形状に設計することも可能となる。
【符号の説明】
【0043】
1 フォームチャンバ
3 発泡室
7 発泡器
9 点検ハッチ
9a 一次側点検ハッチ
9b 二次側点検ハッチ
13 タンク本体
15 泡放出口
21 遮蔽部
25 流路(連結管)
25X 略水平方向の軸線
41 発泡用網
50 弁座
【技術分野】
【0001】
この発明は、泡消火設備に用いられるフォームチャンバに関するものであり、更に述べると、逆止弁機構を備えたフォームチャンバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
泡消火設備で用いるフォームチャンバは、石油等の危険物を貯蔵する貯蔵タンクの上方の気体層の側面に取り付けられ、前記タンク火災時には、送出された泡水溶液を規定の倍率で発泡させ、前記タンク内の液面を消火用泡で覆う機器である。この機器は、常時は内部に設けられた遮蔽部の封止構造によって一次側と二次側間を遮断しており、火災時には送出される泡水溶液の圧力によって封止構造が機械的に開放される(例えば、特許文献1、参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭60−124950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来例の遮蔽部の封止構造には、封板が用いられているが、この封板は、ガラス板やプラスチック製薄板等により形成され、火災時の泡放出圧力で破れ、前記遮蔽部の一次側から二次側に消火用泡を流すことが可能となる。前記封止構造に前記封板が用いられる理由は、前記タンク内容物の気化ガスによる二次側の腐食環境、及び、沿岸部に設置され、一次側が外気に曝されることによる塩害に対応するためであった。
【0005】
しかしながら、前記タンク内圧が上昇した場合や地震が発生した場合は、封止構造を構成する前記封板が破損してしまう場合がある。しかも、前記封板が破損したことを検出することができず、頻繁に点検を行わなければならないという問題がある。
【0006】
この発明は、上記事情に鑑み、地震や貯蔵タンク内圧の上昇等により意図せずに、封止構造が開放されないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、大気圧以上の内圧をもった貯蔵タンクの側壁に設置され、消火用泡が垂直方向に上昇する発泡室と、前記貯蔵タンクに向けて水平方向に消火用泡が通過する泡放出口と、前記泡放出口に向けて消火用泡が通過する略水平方向の流路上に設けられ、前記発泡室と前記泡放出口との間を封止する遮蔽部と、を備えたフォームチャンバにおいて、前記遮蔽部を、逆止弁構造としたことを特徴とする。
【0008】
この発明は、前記遮蔽部において消火用泡が通過する略水平方向の流路は、前記発泡室において消火用泡が通過する軸線と離れていることを特徴とする。この発明は、前記遮蔽部の上方に、該遮蔽部の1次側と2次側のそれぞれに点検ハッチを備えたことを特徴とする。この発明は、泡水溶液と外気とを混合する発泡器の上方に発泡室を設け、該発泡室内に発泡用網を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明は、前記遮蔽部を金属や樹脂など破壊されにくい材質で形成し、泡放出圧力で開放する逆止弁構造としたので、前記タンク内圧が上昇した場合や地震が発生した場合でも、意図せずに遮蔽部が開放されることはない。
【0010】
この発明は、前記遮蔽部において消火用泡が通過する略水平方向の流路は、前記発泡室において消火用泡が通過する軸線と離して配置し、発泡室側方に奥行の大きい遮蔽部を設け、発泡室上方から遮蔽部へ曲線的に消火用泡を導くことにより、前記遮蔽部の奥行きによって前記タンク側壁と発泡室との距離が離れることを防止することができるので、フォームチャンバを小型化できる。
【0011】
この発明は、前記遮蔽部の上方に、該遮蔽部の1次側と2次側のそれぞれに点検ハッチを備えたので、平常時の点検を遮蔽部の一次側点検ハッチから行うことにより、点検時に二次側のガスが漏れ出ることがなくなる。また、逆止弁の開放後の復帰作業や点検の際は、二次側点検ハッチからの作業も可能となる。
【0012】
この発明は、泡水溶液と外気とを混合する発泡器の上方に発泡室を設け、該発泡室内に発泡用網を設けたので、発泡室を小型化することができ、フォームチャンバ全体を小型化できる。また、発泡室を小型化して生じる余裕空間を利用して逆止弁による封止構造を構築することができるので、既存のフォームチャンバと同様の寸法・配管の取り合いとすることが可能となる。特に、配管等の変更を行わずに置き換えることができるように設計できるので、従来品と置き換えるリニューアル工事を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図で、フォームチャンバを貯蔵タンクに取付た状態を示す図である。
【図2】フォームチャンバの平面図である。
【図3】フォームチャンバの遮蔽部正面図である。
【図4】フォームチャンバの遮蔽部右側面内部図である。
【図5】図4のV―V矢視図である。
【図6】フォームチャンバの作動状態を示す遮蔽部正面図である。
【図7】フォームチャンバの作動状態を示す遮蔽部右側面内部図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示す図で、フォームチャンバを貯蔵タンクに取り付た状態を示す図である。
【図9】フォームチャンバの平面図である。
【図10】フォームチャンバの遮蔽部正面図である。
【図11】フォームチャンバの遮蔽部右側面内部図である。
【図12】フォームチャンバの作動状態を示す遮蔽部正面内部図である。
【図13】フォームチャンバの作動状態を示す遮蔽部右側面内部図である
【図14】チャッキ弁のラッチ機構を示す拡大正面図である。
【図15】チャッキ弁の軸受機構を示す拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の第1実施形態を図1〜図7により説明する。
貯蔵タンクのタンク本体13には、フォームチャンバ1が取り付けられている。この貯蔵タンクは、石油等の危険物を貯蔵し、かつ、大気圧以上の内圧をもっている。前記フォームチャンバ1には、垂直状の管体部4と箱体部6とを備えた発泡室3が設けられている。この発泡室3の管体部4の基端部には、発泡器7が設けられているが、この発泡器7は、外気と泡水溶液送液管2から供給される泡水溶液とを混合させる気液混合装置である。
【0015】
前記管体部4の先端部4aは、箱体部6内に突出しており、該先端部4aは、箱体部6の天井6aに設けた点検ハッチ9と間隔をおいて対向している。前記発泡室3は、遮蔽部11を介してタンク本体13の泡放出口15に連通している。
【0016】
前記遮蔽部11の封止構造は、前記発泡室3の箱体部6とタンク本体13に連接する泡放出口15とを連結する流路25上に設けられ、該発泡室3と前記泡放出口15との間を遮蔽している。前記流路25は、略水平方向の軸線25Xを有する連結管により形成され、前記発泡室3から放出された消火用泡を前記泡放出口15に向けて略水平方向に流下させる。消火用泡が通過する略水平方向の流路は、前記発泡室3において消火用泡が通過する軸線と離して配置し、発泡室3の側方に奥行の大きい前記遮蔽部11を設け、発泡室3上方から遮蔽部11へ曲線的に消火用泡を導くことにより、前記遮蔽部11の奥行によって前記タンク側壁と発泡室との距離が離れることを防止できるので、フォームチャンバを小型化できる。前記封止構造は、逆止弁構造であり、ガイド部21と、該ガイド部21の先端を閉鎖する遮蔽板23とを備えている。前記逆止弁構造は、泡放出圧力によって前記発泡室3から前記泡放出口15の方向へのみ開放する。また、逆止弁構造とすることにより、金属や樹脂等の破壊しにくい材質で形成することができる。
【0017】
前記ガイド部21は、円筒状に形成され、前記連結管25に摺動可能に挿着され、その先端部側には、周方向に間隔をおいて複数の長穴状の開口部26が設けられている。この開口部26の長さ、幅、数、形状、配設位置等は必要に応じて適宜選択される。前記ガイド部21には、連結管25に固着せず、又、摺動抵抗を減じて円滑な動作を行えるように摺動部材28が設けられているが、この摺動部材28として、例えば、フッ素樹脂等の部材、或いは、滑車等が用いられる。前記連結管25は前記遮蔽部11を介して拡径部25aへ連接している。該拡径部25aは、前記遮蔽部11が開放したときに、前記開口部26から側方に放出する泡を泡放出口15に導くものであり、前記ガイド部が摺動可能な空間を有する。
【0018】
前記遮蔽板23は、金属や樹脂等で形成されているが、腐食や固着を防止するために、その表面には、フッ素樹脂層等のコーテング層が施されている。前記遮蔽板23は、前記ガイド部21の径より大径に形成され、その外周部である鍔部23aは、拡径部25aの弁座にシール部29を介して当接している。このシール部29は、必ずしも必要ではなく、省略することも可能である。
【0019】
前記拡径部25aの泡放出口15側の端部には、バッフル板31が拡径部25aに内接して設けられており、このバッフル板31と前記遮蔽板23との間には、コイルバネ32が設けられている。このコイルバネ32は、前記遮蔽板23を前記シール部29に押し付けるので、前記遮蔽板23は、常時閉弁方向に付勢されている。なお、前記バッフル板31は、前記拡径部25aに溶着等で固定してもよいが、図示しない固定具を前記拡径部25a内面に設けて、これに着脱可能に固定することがメンテナンス上望ましい。
【0020】
前記バッフル板31は、図5に示すように、中央にコイルバネ32が接する平面部を有し、周方向に間隔をおいて複数の開口部34が設けられているが、この開口部34の大きさ、数、配設位置等は、必要に応じて適宜選択される。
【0021】
次に、本実施形態の作動について説明する。
「平常時」
平常時には、遮蔽板23は、貯蔵タンクの大気圧以上の内圧を受けると共に、コイルバネ32により閉方向に付勢されているので、閉弁状態が維持されている。そのため、地震やタンク内圧の上昇により開弁することはない。
【0022】
「火災時」
火災発生時に、図示しないポンプが起動すると、泡水溶液AWが泡水溶液送液管2から発泡器7に圧送される。そうすると、該泡水溶液AWは、図示しない吸気口から吸入される外気と混合され、消火用泡Bとなりながら管体部4の軸線に沿って垂直方向に上昇し、その先端4aから噴出して放射線状に曲げられるようにしながら発泡室3の箱体部6内に流下する。
【0023】
この箱体部6内に流下した消火用泡Bは、流路である連結管25内を水平方向に流れて遮蔽部11に到達し、遮蔽板23を押圧する。
【0024】
そうすると、前記遮蔽板23は、ガイド部21に案内されながらコイルバネ32のバネ力に抗して摺動し、シール部29から離れるとともに、前記開口部26が開く(図7参照)。そのため、前記消火用泡Bは、前記開口部26から排出されて拡径部25aに入るとともに、バッフル板31の開口部34を通って泡放出口15からタンク本体13内に放出される。そのため、貯蔵タンクの液面は、前記消火用泡Bに覆われるので、窒息消火が行なわれる。
【0025】
消火後、前記ポンプを停止させると、泡水溶液の供給は停止され、消火用泡の生成は停止されるので、前記遮蔽板23はコイルバネ32に押されてシール部29に圧着し、閉弁状態となる。
【0026】
この発明の第2実施形態を図8〜図15により説明するが、図1〜図7の図面符号と同一図面符号は、その名称も機能も同一である。この実施形態と第1実施形態との主なる相違点は、次の通りである。(1)発泡器が、一般的な泡ヘッドと同様に、発泡用網(スクリーン)を備えていること、(2)遮蔽部を発泡室内に設けるとともに、点検ハッチを遮蔽部の一次側と二次側に設けたこと。
【0027】
発泡器37の上方に、発泡室36が設けられているが、この発泡室36は、第1実施形態の発泡室3と異なり、発泡用網41を備えており、又、管体部は省略されている。
【0028】
前記発泡器37は、発泡室36の底部36aに設けられ、前記底部36aの開口部には、両端部42a、42bが拡径している拡径部42が設けられている。この拡径部42の下端部42aには、吸気口39を介してフォームチャンバ基底部の縮径部43が嵌合され、その上端部42bには、発泡用網41が設けられている。本実施形態では、発泡用網41を用いているが、これは、遮蔽部を逆止弁構造とすることにより初めて可能となることである。即ち、従来のように封板を破壊したり、吹き飛ばすほどの一次側圧力を必要としなくなったことから、圧力損失の大きな発泡用網を利用できる様になったものである。
【0029】
前記発泡用網41は、発泡室36内に突出する断面円錐台状の網(スクリーン)であり、前記拡径部42の先端拡径部42bを覆うように配設されている。前記拡径部42内には、デフレクタ44が設けられている。フォームチャンバの基底部は、第1フランジ部45を介してジョイントパイプ46に連結され、該パイプ46の後端は第2フランジ部48を介して泡水溶液送液管2に接続されている。
【0030】
前記ジョイントパイプ46は、既存設備をこの実施形態の装置で置き換えた場合、小型化された故に不足する配管長を補うものであるが、このジョイントパイプ46の長さに相当する配管を予め本装置に取り付けておいても良い。
【0031】
遮蔽部11の封止構造は、弁体を側方に向けてスイング移動させる逆止弁機構、即ち、チャッキ弁機構、である。この機構は、傾斜仕切り壁49に設けられた弁座50と、該弁座50の二次側に設けられている軸止部52と、チャッキ弁54の弁体54aに対し平行の向きで前記軸止部52に弁体54aと共に軸止されたスイング軸56とを備えている。前記傾斜仕切り壁49は、その上部が一次側に傾いているので、弁体54aも垂直状ではなく、一次側に傾いて支持されている。従って、弁体54aは、自重により常に閉方向の力を受けることになる。
【0032】
そして、弁出口58を閉止している遮蔽位置(図11参照)と、前記弁出口58を開放している開放位置(図13参照)の間で前記弁体54aをスイング移動させ、前記弁体54aは遮蔽位置と閉止位置の間で一定の軌道に沿って移動するようになっている。なお、前記弁体54aを閉方向に付勢する様に、前記弁体54aの上面と軸止部52との間にねじりばね55を設けている。
【0033】
この実施形態では、ラッチ機構60を利用した保持機構を有しており、この保持機構は、軸止部52に設けられているラッチ本体61と、スイング軸56に設けられたラッチ受け63とを備えている。前記ラッチ本体61は尖端ラッチ部61aと戻りばね61bを有し、ラッチ受け63は係止面63aと滑り面63bが形成された受け部63cを複数有し、尖端ラッチ部61aは受け部63cと係合可能になっている(図14参照)。
【0034】
前記ラッチ受け63はスイング軸56に固定され、スイング軸56は固定ピン65により弁体54aに固定され(図15参照)、弁体54aの移動とラッチ受け63は連動するようになっている。
【0035】
従って、ラッチ機構60は、弁体54aの開方向の移動に対しては、受け部63cの滑り面63bがラッチ本体61の尖端ラッチ部61aを押しながら回転し、ラッチ本体61も戻りばね61bを縮めながら回転し、ラッチ尖端部61aは滑り面63b上を滑動して受け部63cから一端開放された後に、戻りばね61bの作用によりラッチ本体61は元の位置に戻りながら、尖端ラッチ部61aは次の受け部63cと係合し、この動きが繰り返されるようになっている。
【0036】
そのため、弁体54aを所定の開放位置まで移動できる様になっているが、逆に、弁体54aの閉方向の移動に対しては、それに連動する方向へのラッチ本体61の回転はストッパ61cに規制されてできないので、弁体54aを閉方向には移動できない様になっている。なお、鎮火後に、前記弁体54aを復旧するときは、二次側点検ハッチ9bより前記ラッチ本体61を操作して尖端ラッチ部61aをラッチ受け63から外して前記ラッチ機能60を解除して行う。
【0037】
次に、この実施形態の作動について説明する。
「平常時」
平常時には、チャッキ弁54は、大気圧以上の貯蔵タンクの内圧を受けると共に、ねじりばね55により閉方向に付勢されているので、閉弁状態が維持されている。この閉弁状態では、平常時の点検を一次側点検ハッチ9aから行うことにより、点検時に二次側のガスが漏れ出ることがなくなる。
【0038】
「火災時」
火災発生時に、図示しないポンプが起動すると、泡水溶液AWが泡水溶液送液管2、ジョイントパイプ46を通り発泡器37に圧送される。そうすると、縮径部43で流速が増した該泡水溶液AWは、ベンチュリー効果によって吸気口39より吸引された外気(空気)と混合されて気液混合流体kwとなる。
【0039】
この気液混合流体kwは、デフレクタ44に衝突して拡散された後、発泡用網44に衝突して発泡し、消火用泡Bになるとともに、この消火用泡Bは、チャッキ弁54の弁体54aに向かって進行するとともに、該弁体54aの一次側を押圧する。
【0040】
そうすると、前記弁体54aは、ねじりばね55のばね力に抗して回動し、弁座50から離れるので、開弁状態となる(図13参照)。そのため、前記消火用泡Bは、弁出口58を通って二次側に流入し、泡放出口15からタンク本体13内に放出される。この時、前記ラッチ機構60により所定の開弁状態が維持されるので、泡放出口15には、所定倍率で発泡した消火用泡Bが供給される。そのため、設計通りに泡消火を行うことができる。
【0041】
消火後、前記ポンプを停止させると、泡水溶液の供給は停止され、消火用泡の生成は停止されるが、前記チャッキ弁54はラッチ機構60により開放状態を維持する。チャッキ弁54の開放後の復旧作業は、二次側点検ハッチ9bから作業を行う。なお、点検の際は、二次側点検ハッチ9bからも作業を行うことができる。
【0042】
この第2実施形態の発泡用網を用いた発泡器は、これ自体が泡を発生する機能があり、従来のような長大な発泡室を必要としない。従って、発泡器の直上に、遮蔽部の封止構造を設けることが可能となり、装置を小型化することが可能となる。また、従来装置の代替品として接続部分の互換性を有する形状に設計することも可能となる。
【符号の説明】
【0043】
1 フォームチャンバ
3 発泡室
7 発泡器
9 点検ハッチ
9a 一次側点検ハッチ
9b 二次側点検ハッチ
13 タンク本体
15 泡放出口
21 遮蔽部
25 流路(連結管)
25X 略水平方向の軸線
41 発泡用網
50 弁座
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気圧以上の内圧をもった貯蔵タンクの側壁に設置され、消火用泡が垂直方向に上昇する発泡室と、前記貯蔵タンクに向けて水平方向に消火用泡が通過する泡放出口と、前記泡放出口に向けて消火用泡が通過する略水平方向の流路上に設けられ、前記発泡室と前記泡放出口との間を封止する遮蔽部と、を備えたフォームチャンバにおいて、
前記遮蔽部を、逆止弁構造としたことを特徴とするフォームチャンバ。
【請求項2】
前記遮蔽部において消火用泡が通過する略水平方向の流路は、前記発泡室において消火用泡が通過する軸線と離れていることを特徴とする請求項1記載のフォームチャンバ。
【請求項3】
前記遮蔽部の上方に、該遮蔽部の1次側と2次側のそれぞれに点検ハッチを備えたことを特徴とする請求項1記載のフォームチャンバ。
【請求項4】
泡水溶液と外気とを混合する発泡器の上方に発泡室を設け、該発泡室内に発泡用網を設けたことを特徴とする請求項1、又は、3記載のフォームチャンバ。
【請求項1】
大気圧以上の内圧をもった貯蔵タンクの側壁に設置され、消火用泡が垂直方向に上昇する発泡室と、前記貯蔵タンクに向けて水平方向に消火用泡が通過する泡放出口と、前記泡放出口に向けて消火用泡が通過する略水平方向の流路上に設けられ、前記発泡室と前記泡放出口との間を封止する遮蔽部と、を備えたフォームチャンバにおいて、
前記遮蔽部を、逆止弁構造としたことを特徴とするフォームチャンバ。
【請求項2】
前記遮蔽部において消火用泡が通過する略水平方向の流路は、前記発泡室において消火用泡が通過する軸線と離れていることを特徴とする請求項1記載のフォームチャンバ。
【請求項3】
前記遮蔽部の上方に、該遮蔽部の1次側と2次側のそれぞれに点検ハッチを備えたことを特徴とする請求項1記載のフォームチャンバ。
【請求項4】
泡水溶液と外気とを混合する発泡器の上方に発泡室を設け、該発泡室内に発泡用網を設けたことを特徴とする請求項1、又は、3記載のフォームチャンバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−206264(P2011−206264A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76877(P2010−76877)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】
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