説明

フコイダンの製造方法

【課題】コンブ、モズク、アカモクなどの海藻類からフコイダンの抽出効率を高めるフコイダンの製造方法を提供すること。酸、塩等を抽出剤として使用しないため、製造設備の腐食の問題や、製造工程数が増えるといった問題がなく、さらに生産コストを低減できるフコイダンの製造方法を提供すること。
【解決手段】乾燥した海藻を粉砕して海藻の粉末を得る工程、海藻粉末を100重量部に対し水を5〜100重量部加え、海藻粉末および水を含む組成物を調製する工程、および組成物をシリンダー内の最高温度が60℃〜180℃であるエクストルーダーを用いて混練する工程、およびフコイダンを抽出する工程を包含するフコイダンの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンブ、モズク、アカモクなどの海藻類からフコイダンの抽出効率を高める手法である。
【背景技術】
【0002】
コンブ、モズク、アカモクなどの海藻類にはフコイダンが含まれている。フコイダンは、L−フコースを構成糖とした硫酸多糖であり、種々の生理機能を持ち、食品や化粧品素材として利用されている。そのため海藻類からフコイダンを効率的に抽出することが望まれていた。
【0003】
例えば、特開平10−165114号公報(特許文献1)には、海藻類から、フコイダン等の内容物を抽出作業等で採集する技術が開示されている。しかし、この方法は複雑な設備と時間を必要とするため得られたフコイダンが高価なものとなる。
【0004】
また、特開昭61−57519号公報(特許文献2)および特開昭61−5752019号公報(特許文献3)には、酵素を用いてフコイダンの抽出効率を挙げる方法が開示されているが、なおフコイダンの収率が低い。
【0005】
特開2006−160862号公報(特許文献4)には、わかめの芽株部を凍結乾燥し、熱水抽出もしくは酸抽出における工程抽出時間を0.5〜72時間の範囲内で行い、pH2〜3の範囲内の値にして無色、無臭な高純度フコイダンを抽出する方法が開示されている。
【0006】
また、特開平10−70970号公報(特許文献5)には、モズクを水と共にブレンダーにより粉砕し、この溶液を60〜100℃で30〜3時間処理することにより、重量平均分子量が50,000〜500,000であり、中性糖含量が50〜90%であり、イオウ含量が3〜17%の範囲である熱水抽出物を抽出する方法が開示されている。
【0007】
しかし、これらの抽出方法では、抽出工程が複雑であるため生産コストが高いものとなり、また抽出効率も低いという欠点がある。また、酸、塩等を抽出剤として使用するため、製造設備が腐食する等のため生産コストが高くなるという問題があった。
【0008】
また、特開2000−239302号公報(特許文献6)には、オキナワモズクからフコイダンを抽出する方法において、抽出剤として有機酸を用いるとともに、抽出工程のpHを2〜6の範囲内とするフコイダンの抽出方法が開示されている。
【0009】
しかし、この抽出方法でも、酸、塩等を抽出剤として使用するため、製造設備が腐食する等のため生産コストが高くなるという問題があった。さらに、抽出剤として強酸を使用した場合、最終的には強塩基により中和する必要があり、そのため製造工程数が増え、含有する不純物量が増えるという問題が生じる。
【0010】
さらに、特開2005−145989号公報(特許文献7)には、以下のようなフコイダンの抽出方法が開示されている。
【0011】
乾燥モズクを粉砕し粉末状に加工した粉末モズクをその重量の25倍の水で練り込み、それを撹拌式熱水抽出機、あるいは高圧抽出釜に適量の水(必要に応じてアルコール希釈)を加えてから80〜90℃で60〜120分間、撹拌しながら沸騰し、アルコール抽出タンクに移してアルコールを除去し、ろ過抽出された原液を超高速遠心分離機にて分離精製した後、濃縮機にて4〜8倍に濃縮する。
【0012】
しかし、この方法によっても、フコイダンの抽出効率が不十分であり、さらなる改良が求められている。
【特許文献1】特開平10−165114号公報
【特許文献2】特開昭61−57519号公報
【特許文献3】特開昭61−5752019号公報
【特許文献4】特開2006−160862号公報
【特許文献5】特開平10−70970号公報
【特許文献6】特開2000−239302号公報
【特許文献7】特開2005−145989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記の点に着目してなされたものであり、コンブ、モズク、アカモクなどの海藻類からフコイダンの抽出効率を高めるフコイダンの製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
本発明の他の目的は、酸、塩等を抽出剤として使用しないため、製造設備の腐食の問題や、製造工程数が増えるといった問題がなく、さらに生産コストを低減できるフコイダンの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下の手段を提供する:
項目1.乾燥した海藻を粉砕して海藻の粉末を得る工程、
海藻粉末100重量部に対し水を5〜100重量部加え、海藻粉末および水を含む組成物を調製する工程、
該組成物をシリンダー内の最高温度が60℃〜180℃であるエクストルーダーを用いて混練する工程、および
該混練物からフコイダンを抽出する工程、を包含するフコイダンの製造方法。
【0016】
項目2.エクストルーダー処理時のシリンダー内の最高温度が80℃〜150℃である項目1記載の方法。
【0017】
項目3.海藻粉末100重量部に対し、加水重量が10〜50重量部である項目1又は2に記載の方法。
【0018】
項目4.前記エクストルーダーを用いて混練する工程の次に、該混練物を酵素処理する工程、を包含する項目1乃至3のいずれかに記載の方法。
【0019】
項目5.前記フコイダンを抽出する工程が熱水抽出工程を有し、該熱水抽出工程が0.5〜1時間の範囲で行われる項目1〜4のいずれかに記載の方法。
【発明の効果】
【0020】
乾燥した海藻を粉砕して海藻の粉末を得、海藻粉末100重量部に対し水を5〜100重量部加え、海藻粉末および水を含む組成物を調製し、組成物をシリンダー内の最高温度が60℃〜180℃であるエクストルーダーを用いて混練することにより、海藻類の組織を効果的に破壊でき、その混練物からフコイダンを抽出効率良く抽出することができる。
【0021】
このような抽出方法は、従来の抽出方法のような、酸、塩等を抽出剤として使用せず、従って、製造設備の腐食の問題や、製造工程数が増えるといった問題がなく、さらに生産コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】
本発明で用いられる原料の形態は、コンブ、モズク、アカモクなどの海藻を冷水により洗浄し、凍結乾燥または熱風乾燥し、その乾燥した海藻を粉砕して得られる海藻粉末が用いられる。
【0024】
粉砕機としては、例えば、微粉粉砕機(ブレードミル)等の公知の粉砕機を使用することができる。
【0025】
海藻の乾燥程度は、粉末化が可能であれば限定されないが、好ましくは生海藻の重量の20分の1〜30分の1程度、さらに好ましくは25分の1(水分量5〜7%)に乾燥収縮したものである。海藻粉末のサイズは、30〜80μm程度が好ましい。
【0026】
海藻粉末のサイズが30μm未満の場合には、分散性が難しくなり、作業性が悪くなるという欠点があり、海藻粉末のサイズが80μmより大きいと、フコイダンの抽出効率が低下する場合がある。
【0027】
次に、海藻粉末100重量部に対し水を5〜100重量部加え、海藻粉末および水を含む組成物を調製する。
【0028】
水の加水量は、好ましくは海藻粉末100重量部に対し水10〜50重量部であり、さらに好ましくは海藻粉末100重量部に対し水20〜40重量部である。
【0029】
海藻粉末100重量部に対する加水量が5重量部未満の場合には、エクストルーダーでの混練処理が不十分になり易く、また100重量部を超える場合には、組成物の粘度が低すぎてエクストルーダーでの混練処理が不十分になり易い。
【0030】
次に、この組成物をシリンダー内の最高温度が60℃〜180℃であるエクストルーダーを用いて混練する。
【0031】
エクストルーダー処理時のシリンダー内の最高温度が80℃〜150℃であるのが好ましく、さらに好ましくは90℃〜120℃である。
【0032】
このように、抽出処理の前に、エクストルーダー処理を施すことにより、海藻の組織を効果的に破壊できる。
【0033】
エクストルーダー処理時の最高温度が60℃未満の場合には、海藻の組織の破壊が不十分であり、180℃を超える場合には組成物を分解する場合がある。
【0034】
ここで、エクストルーダーとしては、短軸式押出機を使用することができる。本明細書において、通常は次の条件でエクストルーダー処理が実施される。
(1)原料供給量 20(kg/h)
(2)スクリュー回転数300(rpm)
(3)添加水3.0(l/h)
(4)材料温度98(℃)
(5)圧力10(kgf/cm
(6)温度:第1室 60℃、第2室 100℃、第3室 120℃
次に、エクストルーダー処理後の混練物を酵素処理する。
【0035】
酵素処理は、混練物の重量に対して約20〜40倍、特に30倍の蒸留水を加え、酵素反応条件は、120分間、温度45〜50℃、pH6.5〜7.0で撹拌するのが好ましい。
【0036】
酵素は従来より公知のものを使用することができ、例えば、繊維素分解酵素およびフコース硫酸遊離酵素の少なくとも一方を使用することができる。
【0037】
これらのうち、pH値の範囲がより広く、しかも、高い抽出効率が得られることから、繊維素分解酵素を使用することが好ましく、より好ましくはセルラーゼあるいはヘミセルラーゼ、またはアルギン酸リアーゼなどである。
【0038】
酵素の使用量は、例えば、オキナワモズク1000gあたり、0.1〜20gの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、酵素の使用量が0.1g未満となると、単位時間あたりの抽出効率が著しく低下する場合があり、酵素の使用量が20gを超えると、不純物量が多くなったり、得られるフコイダンの平均分子量の調整が困難となる場合がある。
【0039】
次に、酵素処理後の混練物からフコイダンを熱水抽出する。熱水抽出工程は、60℃〜100℃の熱水抽出を30〜60分間行うのが好ましい。90℃〜100℃の熱水抽出を30〜60分間行うのがさらに好ましい。
【0040】
抽出温度が60℃未満であると、抽出効率が著しく低下する場合があり、抽出温度が100℃を超えると、製造管理が困難となったり、フコイダンが過度に分解する場合がある。
【0041】
抽出時のpH値は3〜6の範囲内の値とするのが好ましい。
【0042】
pH値が3未満となると、酵素が死活したり、製造設備に対する腐食性が高くなる場合があり、pH値が6を超えると、抽出効率が著しく低下する。したがって、製造設備に対する腐食性と、抽出効率とのバランスがより良好となることから、抽出時のpH値を3.5〜5.5の範囲内の値とすることがさらに好ましく、3.8〜5.0の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0043】
抽出時間が0.5時間未満となると、抽出効率が著しく低下する場合があり、抽出時間が1時間を超えると、経済的に不利となる。
【0044】
次に、抽出工程で得られた抽出液を、室温まで冷却し、吸引ろ過する。
【0045】
ろ液をエバポレーターにより1/4量まで濃縮する。濃縮液の4倍量のエタノールを加え、静置する。
【0046】
吸引ろ過によりろ過する。得られた沈殿物が熱水抽出物となる。
【0047】
次に、熱水抽出物1%水溶液を調製する。
【0048】
これら量の0.1MのMgClを加え、混合する。さらに総量の5重量%がエタノールとなるように、エタノールを加え、静置する。吸引ろ過し、ろ液を透析する。
【0049】
透析後、凍結乾燥装置またはスプレードライ装置を用いて粉末化する。得られた粉末がフコイダンとなる。
【0050】
このように、本発明は、凍結乾燥または熱風乾燥した海藻を微粉粉砕した後、エクストルーダー処理し、酵素処理することにより、抽出効率(熱水抽出時間0.5〜1時間)を高めることを特徴とする。
【0051】
従って、本発明によれば、抽出処理の前に、エクストルーダー処理を施すことにより、製造設備を腐食したり、フコイダンを過度に分解することなく、しかも高い抽出率で得られる。
【0052】
本発明のフコイダンは、飲食品や化粧品、医薬品等に添加することが可能であり、フコイダンがもつ有用な作用を活用することができる。
【実施例】
【0053】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。本発明は本実施例により限定されるものではない。
【0054】
なお、以下の実施例における熱水抽出法は、以下のとおりとした。
(熱水抽出工程)
サンプルに対して90℃の熱水抽出を30〜60分間行う。
【0055】
次に、抽出工程で得られた抽出液を、室温まで冷却し、吸引ろ過する。ろ液をエバポレーターにより1/4量まで濃縮する。濃縮液の4倍量のエタノールを加え、静置する。吸引ろ過によりろ過する。得られた沈殿物が熱水抽出物となる。
【0056】
次に、熱水抽出物1%水溶液を調製する。これら量の0.1MのMgClを加え、混合する。さらに総量の5重量%がエタノールとなるように、エタノールを加え、静置する。吸引ろ過し、ろ液を透析する。
【0057】
透析後、凍結乾燥装置またはスプレードライ装置を用いて粉末化する。得られた粉末がフコイダンとなる。
(実施例1−1)
乾燥アカモク20gに600mlの熱水(90℃)を加え、30〜60分の抽出を行った。
【0058】
30分、45分、60分の抽出において、それぞれ熱水抽出物(フコイダン)の含有量を測定した。その結果を表1および図5に示す。
(実施例1−2)
乾燥アカモク20gを微粉粉砕機(ブレードミル)を使用して粉砕し、長径が40μmのアカモク粉末を得た。
【0059】
このアカモク粉末を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして熱水抽出物(フコイダン)の経時変化を測定した。結果を表1および図6に示す。
(実施例1−3)
乾燥アカモク20gを微粉粉砕機(ブレードミル)を使用して粉砕し、長径が40μmのアカモク粉末を得た。
【0060】
次に、アカモク粉末20gに対して、3mlの水を加え、以下の処理条件でエクストルーダーを用いて加熱、混練した。
(1)スクリュー回転数300(rpm)
(2)材料温度98(℃)
(3)圧力10(kgf/cm
得られたアカモク混練物を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして熱水抽出物(フコイダン)の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
(実施例1−4)
乾燥アカモク20gを微粉粉砕機(ブレードミル)を使用して粉砕し、長径が40μmのアカモク粉末を得た。
【0061】
次に、アカモク粉末20gに対して、3mlの水を加え、以下の処理条件でエクストルーダーを用いて加熱、混練した。
(1)スクリュー回転数300(rpm)
(2)材料温度98(℃)
(3)圧力10(kgf/cm
得られた混練物に600mlの水を加え、この組成物に酵素処理を行った。酵素処理条件は、酵素としてセルラーゼを用い、45℃〜50℃、2時間、pH6.5〜7.0で行った。
【0062】
得られた酵素処理組成物を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして熱水抽出物(フコイダン)の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
【0063】
以上の実施例1−1〜1−4から、乾燥アカモク粉末をエクストルーダー処理することにより、熱水抽出物(フコイダン)の含有量が増加したことがわかる。
【0064】
表4に示すように、乾燥アカモク粉末をエクストルーダー処理することによって、4.2%熱水抽出物(フコイダン)の含有量が増加した。また微粉砕することにより、1.3%熱水抽出物(フコイダン)の含有量が増加した。
【0065】
【表1】

【0066】
【表4】

(実施例2−1)
乾燥アカモク20gに600mlの水を加え、この組成物に酵素処理を行った。酵素処理条件は、酵素としてアルギン酸リアーゼ又はセルラーゼを用い、45℃〜50℃、2時間、pH6.5〜7.0で行った。
【0067】
得られた酵素処理組成物の粘度と還元糖量の測定を行った。
【0068】
粘度の測定結果を表2に、還元糖量の測定結果を表3に示す。
【0069】
なお、表2中、コントロールとは、酵素処理を行わない場合を示す。
(実施例2−2)
乾燥アカモク20gを微粉粉砕機(ブレードミル)を使用して粉砕し、長径が40μmのアカモク粉末を得た。
【0070】
このアカモク粉末を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして酵素処理組成物の粘度と還元糖量の測定を行った。
【0071】
粘度の測定結果を表2に、還元糖量の測定結果を表3に示す。
(実施例2−3)
乾燥アカモク20gを微粉粉砕機(ブレードミル)を使用して粉砕し、長径が40μmのアカモク粉末を得た。
【0072】
次に、アカモク粉末20gに対して、3mlの水を加え、以下の処理条件でエクストルーダーを用いて加熱、混練した。
(1)スクリュー回転数300(rpm)
(2)材料温度98(℃)
(3)圧力10(kgf/cm
得られたアカモク混練物を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして酵素処理組成物の粘度と還元糖量の測定を行った。
【0073】
粘度の測定結果を表2に、還元糖量の測定結果を表3に示す。
【0074】
以上の実験結果から、乾燥アカモク粉末をエクストルーダー処理し、さらに酵素処理することにより、熱水抽出物(フコイダン)の含有量が増加したことがわかる。
【0075】
【表2】

【0076】
【表3】

(実施例3)
以下の実施例で用いたエクストルーダーの処理条件は次のとおりである。
(エクストルーダーの処理条件)
(1)原料供給量 20(kg/h)
(2)スクリュー回転数300(rpm)
(3)添加水3.0(l/h)
(4)材料温度98(℃)
(5)圧力10(kgf/cm
(6)エクストルーダー内の温度
第1室 60℃、第2室 100℃、第3室 120℃
(実施例3−1)温度条件
アカモク粉末(平均粒径50μm)のエクストルーダー処理における温度の検討を行った。
【0077】
加水重量を原料100重量に対し20重量、エクストルーダーの圧力を10kgf/cm2に設定し、シリンダー内の温度を60〜150℃の間で変化させて、アカモク粉末のエクストルーダー処理を行った。得られた混練物について熱水抽出を行い、熱水抽出物の増加率を測定した。
【0078】
その結果を図1に示す。
(実施例3−2)圧力条件
アカモク粉末(平均粒径50μm)のエクストルーダー処理における圧力の検討を行った。
【0079】
シリンダー内の温度を100℃、加水重量を原料100重量に対し20重量に設定し、エクストルーダーの出口圧力を1〜15kgf/cmの間で変化させてアカモク粉末のエクストルーダー処理を行った。
【0080】
得られた混練物について熱水抽出を行い、熱水抽出物の増加率を測定した。
【0081】
その結果を図2に示す。
(実施例3−3)加水量条件
アカモク粉末(平均粒径50μm)のエクストルーダー処理における加水量の検討を行った。
【0082】
シリンダー内の温度を100℃、エクストルーダーの圧力を10kgf/cmに設定し、原料100重量に対する加水量を5〜100重量の間で変化させてアカモク粉末の処理を行った。
【0083】
得られた混練物について熱水抽出を行い、熱水抽出物の増加率を測定した。
【0084】
その結果を図3に示す。
(実施例3−4)
アカモク粉末の粒径の違いによる熱水抽出物含有量の変化を測定した。
【0085】
アカモク粉末の平均粒径を10〜100μmの間で変化させ、得られたアカモク粉末について熱水抽出を行い、熱水抽出物の含有量を測定した。
【0086】
その結果を図4に示す。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】エクストルーダー温度条件の変化による熱水抽出物の増加率を示す図。
【図2】エクストルーダー圧力条件の変化による熱水抽出物の増加率を示す図。
【図3】エクストルーダー加水条件の変化による熱水抽出物の増加率を示す図。
【図4】アカモク粉末の平均粒径の違いによる熱水抽出物の含有量を示す図。
【図5】アカモクの熱水抽出物の経時変化を示す図。
【図6】アカモク粉末(平均粒径50μm)の熱水抽出物の経時変化を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥した海藻を粉砕して海藻の粉末を得る工程、
海藻粉末100重量部に対し水を5〜100重量部加え、海藻粉末および水を含む組成物を調製する工程、
該組成物をシリンダー内の最高温度が60℃〜180℃であるエクストルーダーを用いて混練する工程、および
該混練物からフコイダンを抽出する工程、
を包含するフコイダンの製造方法。
【請求項2】
前記エクストルーダー処理時のシリンダー内の最高温度が80℃〜150℃である請求項1記載の方法。
【請求項3】
海藻粉末100重量部に対し、加水重量が10〜50重量部である請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記エクストルーダーを用いて混練する工程の次に、該混練物を酵素処理する工程、を包含する請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記フコイダンを抽出する工程が熱水抽出工程を有し、該熱水抽出工程が0.5〜1時間の範囲で行われる請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−266528(P2008−266528A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−114662(P2007−114662)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(000132172)株式会社スギヨ (23)
【出願人】(591040236)石川県 (70)
【Fターム(参考)】