説明

フックドラグ製法によるフックタイルカーペット及びその製造方法

【課題】 フックタイルカーペットの製造方法、及びその製造方法により製造されるフックタイルカーペットを提供する。
【解決手段】 織基布にフック機によりパイル糸を裏面より刺して製織し(製織フック工程)、製織した織基布を所定寸法の四辺形の枠に固定釘で固定し、その織基布に湯水を掛けた後に乾燥して収縮させ(収縮工程)、収縮した織基布の裏面にラテックスを高圧力で吹き付けた後、そのラテックス塗布面にガラス繊維を重ねて貼り合わせ(ガラス繊維貼付工程)、貼付したガラス繊維の外面にラテックスを塗布し、そのラテックス塗布面に不織布を重ねて貼り合わせ(不織布貼付工程)、貼付した不織布の外面にラテックスを塗布し、そのラテックス塗布面に前記織基布と同じ材質の裏基布を重ねて貼り合わせ(裏基布貼付工程)、各工程を経て出来たカーペットを所定のタイル寸法に分割して裁断する(裁断工程)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フックドラグ製法により製織されるフックタイルカーペット及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅や事務所等の床に敷くフックドラグカーペットは、定尺品以外の別注製品では最大巾970cm×最大長2500cmの一枚織を基本として、製織から仕上げ迄行なわれているが、マンションやビルなどの建築物の高層化が進み、搬入エレベーターの最大積載寸法の制限や室内の廊下等の搬入経路の寸法制限などから、搬入等を考慮し2〜3枚に裁断して出荷しており、室内に搬入後裁断部分を再度ジョイントして施工している。搬入に際しても過大な人手を要し裁断製品の繋ぎ合わせにも高度な技術を必要とする。
【0003】
また、上記のような長尺フックドラグカーペットに比較して運搬しやすく、施工が容易な50cm×50cm等の角型小サイズのタイルカーペットが、主に事務所、及びホテル等で多用されている。タイルカーペットは画一的に同一デザインのものを大量生産するので、本来一枚織製品であり手刺製法によるフックドラグでは大量生産に適さないという問題があり、従来よりフックドラグ製法によるフックタイルカーペットは市場に存在しなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述のような従来の事情に鑑みてなされたもので、フックドラグ製法による一枚織製品の裁断サイズを所定のタイル寸法に画一細分化したフックタイルカーペットの製造方法、及びその製造方法により製造されるフックタイルカーペットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段として、本発明の請求項1のフックタイルカーペットの製造方法は、織基布にフック機によりパイル糸を裏面より刺して製織する製織フック工程と、製織工程で製織した織基布を所定寸法の四辺形の枠に固定釘で固定し、その織基布に湯水を掛けた後に乾燥して収縮させる収縮工程と、収縮工程で収縮した織基布の裏面にラテックスを高圧力で吹き付けた後、そのラテックス塗布面にガラス繊維を重ねて貼り合わせるガラス繊維貼付工程と、ガラス繊維貼付工程で織基布の裏面に貼付したガラス繊維の外面にラテックスを塗布し、そのラテックス塗布面に不織布を重ねて貼り合わせる不織布貼付工程と、不織布貼付工程で貼付した不織布の外面にラテックスを塗布し、そのラテックス塗布面に前記織基布と同じ材質の裏基布を重ねて貼り合わせる裏基布貼付工程と、裏基布貼付工程で裏基布を貼付されて出来たカーペットを所定のタイル寸法に分割して裁断する裁断工程と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明のフックタイルカーペットの製造方法は、ガラス繊維貼付工程において、収縮工程で収縮した織基布の裏面にラテックスを高圧力で吹き付けたことによりラテックスが織基布とパイルに十分浸透し、裁断工程で裁断したとき、その切断面からパイル糸と織基布の剥離を防止することが出来るという作用効果を奏する。
また、ガラス繊維貼付工程において織基布の裏面にラテックスを高圧力で吹き付けた後、そのラテックス塗布面にガラス繊維を重ねて貼り合わせ、さらに不織布貼付工程において織基布の裏面に貼付したガラス繊維の外面にラテックスを塗布し、そのラテックス塗布面に不織布を重ねて貼り合わせたことにより、ガラス繊維の耐熱性、寸法安定性と不織布の引張強度の相乗効果により、反り、及び、巾・長さの収縮を防止することが出来るという作用効果を奏する。
また、裏基布貼付工程において裏基布を織基布と同じ材質のものを貼り合わせたことにより、表面側の織基布と裏基布の収縮度が同じになり、反りを防止することが出来るという作用効果を奏する。
【0007】
請求項2に記載のタイルカーペットの製造方法の裁断工程は、裏基布貼付工程で出来たカーペットの裏基布の外面に所定のタイル寸法に分割するための裁断線を引き、その裁断線の上から電動カッターの刃を押し当てて裁断する作業工程であって、電動カッターを裁断線に合わせて直線移動させるためのガイドレールをカーペットの上に置き、そのガイドレールに設けたピン穴にピンを刺してカーペット上の裁断位置に一時的に固定して、裁断時に電動カッターの刃が正確に裁断線の位置で裁断することを特徴とする。
本発明の裁断工程によれば、裁断時に電動カッターの刃が裁断線からずれることがなく、タイルカーペットを裁断線どおりに正確に裁断することができるという作用効果を奏する。
【0008】
請求項3に記載のフックタイルカーペットは、請求項1又は2に記載の製造方法により製造されるフックタイルカーペットであって、フックドラグ製法により織基布にパイル糸を製織し、その織基布の裏面側にラテックスを塗布してガラス繊維を貼り合せ、そのガラス繊維の外面側にラテックスを塗布して不織布を貼り合せ、その不織布の外面側にラテックスを塗布して織基布と同じ材質の裏基布を貼り合せてなる多層構造のフックカーペットであって、所定のタイル寸法に分割裁断したことを特徴とする。
本発明のフックタイルカーペットは、このような多層構造にしたことにより、タイルの切断面からパイル糸、織基布の剥離を防止することができ、製造工程においても、仕上がり後のフックタイルカーペット製品としても、反り、収縮等の変形を防止することができるという作用効果を奏する。
【0009】
請求項4に記載のフックタイルカーペットは、請求項3記載のフックタイルカーペットであって、分割裁断した各タイルの裏面に、裁断前の元の位置を示す配置符号として、一連の行番号と、一連の列番号と、タイルの上下方向記号と、を付したことを特徴とする。
本発明のフックタイルカーペットは、各タイルの裏面に、一連の行番号と、一連の列番号と、タイルの特定の一辺を示す記号とからなる配置符号を付したことにより、本来一枚織であるフックカーペットを正確に元の一枚織を復元するように敷設施工することができるという作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のフックタイルカーペットの製造方法は、上述の手段を講じたことにより、製造工程において、切断面からパイル糸と織基布の剥離防止をし、反り、収縮等の変形を防止することができる。また、タイル裁断時に、タイルカーペットを裁断線どおりに正確に裁断することができ、各タイルの寸法を画一にすることができる。
また、本発明のフックタイルカーペットは、多層構造としたことにより、仕上がり後のタイルカーペット製品としても、敷設施工後も、反り、収縮等の変形を防止することができる。
従来、高層マンションや事務所等には敷設が困難であった一枚織フックドラグカーペットを、タイルカーペットとして画一サイズ化したことにより、ケース詰めが容易となり、商品性、運搬性を高め、建築物の高層ビル化に伴うマンション、ホテル、事務所等への搬入及び敷設施工を極めて容易なものにした。
このように、本発明は、高層建築物のマンション、ホテル、事務所等の内装材としてのフックドラグカーペットの新規用途を開拓し、需要拡大に資するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態を、代表的な実施例に基づいて図を用いて説明する。図1は本発明のフックタイルカーペットの製造工程を示す系統図(ブロックダイアグラム)である。図1は、織基布が製織工程、収縮工程、ガラス繊維貼付工程、不織布貼付工程、裏基布貼付工程を経てフックカーペットが仕上がり、さらに裁断工程を経てタイル形状に分割されたタイルカーペットが出来上がる各製造工程を示している。以下、本発明のフックタイルカーペットの製造方法を各製造工程ごとに順を追って説明する。
まず、製織工程では、綿100%の織基布11にフック機によりパイル糸12を裏面より刺して製織する。製織方法は、織基布11の裏面が製織面になるように四辺枠形の製織枠(織機)にテンションを掛けて張り付けて釘ピンで固定し、その織基布11の裏面(製織面)にデザイン原画を規定サイズに拡大して書き込み、そのデザイン線の上から、フック機でパイル糸12を刺して製織する。(この製織方法は従来から行われているフックドラグ製法であるから、図による説明を省略する。)
従来のフックドラグカーペットは、この製織方法により製織される一枚織のカーペットであり、パイル糸抜け防止のため裏面にSBR/NBR混合ラテックスを塗布し粗布を貼付して裏張りをしているのが通常である。このような一枚織のフックドラグカーペットをそのままタイル寸法に分割裁断しても、正確にタイル寸法に裁断するのが難しく、タイルカーペットとして敷設して使用すると、反り、収縮等の問題が生じる。本発明のフックタイルカーペットでは、以下説明する収縮工程、ガラス繊維貼付工程、不織布貼付工程、裏基布貼付工程、及び裁断工程の各製造工程を追加することで、この問題を解決している。
【0012】
収縮工程では、製織した織基布11を乾燥室に搬入し、織基布11の裏面を上面にして、四辺枠状の固定枠21にテンションを掛けて張り付けて枠釘22で固定し、これに50℃前後の湯水を掛けた後に床下よりスチーム熱を当てて織基布11の表面温度50℃で乾燥(第1乾燥)することで織基布11を約3%収縮させる。この収縮工程において、十分に織基布を収縮させるのは、織基布11に製織されたパイル糸12を強固に締着すると共に織基布の製織部11aを所定の寸法に整え、かつ、以降の各作業工程において寸法精度を維持し、タイルカーペットとして製品に仕上がった後の収縮を防止するためである。図2は、固定枠21上に固定した織基布11の裏面を上から見た平面図である。固定枠21の四辺の枠の内側に、織基布11の製織部11aが位置するように枠釘22で固定され、この状態で織基布11に湯水を掛けた後、床下から織基布11の表面にスチーム熱を当てて乾燥させ、織基布を収縮させる。
【0013】
次のガラス繊維貼付工程では、収縮しテンションの掛かった織基布11の裏面の製織部11aに平面方向上下左右の四方向から浸透性の高い接着剤であるSBR100%のラテックス(第1ラテックス13)を80kgf/cmで高圧噴霧して製織部11aに均等に浸透するように塗布する。そして、織基布11の裏面の製織部11aに均等なラテックス塗布面を作った後に、その第1ラテックス13塗布面の上から織基布11の裏面の製織部11aに重なるようにガラス繊維14を貼り付ける。図3は、ガラス繊維14を貼付した織基布11の裏面を上から見た平面図である。図3中、ガラス繊維14の一部を波線で破断して示したように、ガラス繊維14の下側が第1ラテックス13塗布面である。
【0014】
次の不織布貼付工程では、ガラス繊維貼付工程で貼り付けたガラス繊維14の外面に木製へらを使って均等にSBR100%のラテックス(第2ラテックス15)を塗布し、さらにラテックス塗布面が平坦になるようにスポンジローラーを使って入念に表面を平坦化する。そして、ガラス繊維14の外面に平坦な第2ラテックス15塗布面を作った後に、その第2ラテックス15塗布面の上にエステル100%の不織布16を重ねて貼り付け、その不織布16の外面側(上面)から加重用プラスチックローラーで、全面を均等に押圧する。加重用プラスチックローラーで押圧することにより、織基布11へのガラス繊維14と不織布16の接着状態が強固になり、かつ全面で均一に接着される。図4は、不織布16を貼付した織基布11の裏面を上から見た平面図である。図4中、不織布16の一部を波線で破断して示したように、不織布16の下側が第2ラテックス15塗布面である。また、第2ラテックス15塗布面の一部を波線で破断して示したように、第2ラテックス15塗布面の下側がガラス繊維14である。この工程の後で、スチーム熱を当てて織基布11の表面温度50℃で乾燥(第2乾燥)を行い、織基布11とガラス繊維14の接着、及び、ガラス繊維14と不織布16の接着を同時に促進させる。
【0015】
次の裏基布貼付工程では、不織布貼付工程で貼り付けた不織布16の外面にSBR/NBR混合ラテックス(第3ラテックス17)を均等に塗布し、ラテックス塗布面が平坦になるようにスポンジローラーを使って入念に表面を平坦化し、その第3ラテックス17塗布面の上に織基布11と同材質(綿100%)の裏基布18を重ねて貼り付け、その裏基布18の外面側(上面)から別の加重用スポンジローラーで押圧して接着状態を全面で均一かつ強固にする。図5は、裏基布18を貼付した織基布11の裏面を上から見た平面図である。図5中、裏基布18の一部を波線で破断して示したように、裏基布18の下側が第3ラテックス17塗布面である。また、第3ラテックス17塗布面の一部を波線で破断して示したように、第3ラテックス17塗布面の下側が不織布16である。この工程の後で、床下からスチーム熱を当てて織基布11の表面温度50℃で乾燥(第3乾燥)を行う。
そして、乾燥後に、下面になっていた織基布11の表面(パイル側)を上面になるように置き直して、パイル表面をシャーリング機により所定のパイル長に揃えるようにシャーリングする。ここまでの各工程を経て、タイルカーペット用のフックカーペットの出来上がりとなる。図6は、ここまでの各工程を経て出来上がったタイルカーペット用のフックカーペットの多層構造を表わす平面図(A)、及び、図6A中のA−A’線が示す部位のA’側の部分の拡大断面図(B)である。
【0016】
次の裁断工程では、裏基布貼付工程で出来たフックカーペットの裏基布18の外面に所定のタイル寸法に分割するための裁断線31を引き、その裁断線31の上から電動カッター32の刃を押し当てて裁断する作業工程であって、電動カッター32を裁断線31に合わせて直線移動させるためのガイドレール33をカーペットの上に置き、そのガイドレール33に設けたピン穴34にピン35を刺してカーペット上の裁断位置に一時的に固定して、裁断時に電動カッター32の刃が正確に裁断線31の位置で裁断する。図7は、フックカーペットの裏面に記入した裁断線31を示す平面図である。図7に示すように、フックカーペットの裏面の裏基布18の外面に、碁盤の目状にタイルの大きさに分割する裁断線31が記入され、その裁断線31に沿ってカーペット上にガイドレール33が固定され、そのガイドレール33上に電動カッター32が載置されている。ガイドレール33には、複数のピン穴34が設けられ、その各ピン穴34にピン35が挿入されるようになっている。一カ所の裁断が終わると、ガイドレール33を隣の裁断位置に移して固定して、さらに電動カッター32で裁断を繰り返す。
この裁断工程では、ガイドレール33をカーペットの裁断位置に固定することにより、裁断時に電動カッターの刃が裁断線からずれることがなく、カーペットを裁断線どおりに正確に裁断し、タイル10aに分割することができる。
【0017】
以上に説明した製織工程、収縮工程、ガラス繊維貼付工程、不織布貼付工程、裏基布貼付工程及び裁断工程の各製造工程を経て製造されたフックタイルカーペットは、フックドラグ製法によりパイル糸を製織された織基布と、その織基布の裏面側にラテックスを塗布して貼り合せたガラス繊維と、そのガラス繊維の外面側にラテックスを塗布して貼り合せた不織布と、その不織布の外面側にラテックスを塗布して貼り合せた、織基布と同じ材質の裏基布とからなる多層構造を有する。図8は、本発明のフックタイルカーペットの多層構造を示す断面図である。図8に示すように、フックタイルカーペット10は、その表面側からパイル糸12、織基布11、第1ラテックス13、ガラス繊維14、第2ラテックス15、不織布16、第3ラテックス17、裏基布18が重なった多層構造を形成している。
【0018】
本発明のフックタイルカーペットは、一枚織製品を所定のタイル寸法に分割裁断したものであり、広い床面に敷くために一枚織製品の大きさで足りない場合は、一枚織製品を複数組み合わせて使用する。そこで、基本的に一枚織製品のフックタイルカーペットの単位で、各タイルを元の表面模様を再現するように敷設施工する必要がある。そのために、裁断時に、各タイルの裏面に、一連の行番号と、一連の列番号と、タイルの上下方向を示す上下方向記号とからなる配置符号をそれぞれに記入する。
図9は、フックタイルカーペット10の裁断後の各タイル10aの裏面の配置番号を示す配置図である。この配置図が、敷設施工時の各タイルの配置図となる。各タイルには、行を示す一連の1〜8の行番号と、列を示すA〜Pの列番号が順次記載され、さらにタイルの上辺を指す上向きの矢印記号(↑)が記載されている。このフックタイルカーペットを製品として販売し、施工現場へ搬入等をするために、例えば行番号毎に揃えて梱包ケースに収納する。梱包時に梱包ケースの蓋表面に、タイルの配置番号を記載し、同一行・列番号で揃えて出荷する。敷設施工時には、図9の配置図に従って、行番号及び列番号の順に、かつ、各タイルの上下位置を矢印記号によって揃えて敷設することで、元の一枚織のカーペットの表面模様を再現することができる。
【0019】
図10は、本発明のフックタイルカーペットの試験成績である。この試験結果は、工業標準化法第57条の規定による認定試験事業者「関西ラボラトリー奈良ラボ(認定試験事業者識別番号:000137JP)」により試験され、証明されたものである。
この試験成績によれば、「パイル糸の引抜き強さ=64.65N」、「裏張り材のはく離強さ(たて方向)=55.1N」、「裏張り材のはく離強さ(よこ方向)=48.6N」、「標準状態での反り=0.8mm」、「熱及び水の影響による寸法の変化率(幅)=−0.25%」、「熱及び水の影響による寸法の変化率(長さ)=−0.15%」であり、タイルカーペットとして優れた性能を有することが証明されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】フックタイルカーペットの製造工程を示す系統図
【図2】収縮工程で、固定枠上に固定した織基布の裏面の平面図
【図3】ガラス繊維貼付工程で、ガラス繊維を貼付した織基布の裏面の平面図
【図4】不織布貼付工程で、不織布を貼付した織基布の裏面の平面図
【図5】裏基布貼付工程で、裏基布を貼付した織基布の裏面の平面図
【図6】(A)タイルカーペット用のフックカーペットの多層構造を表わす平面図(B)A−A’部分拡大断面図
【図7】フックカーペットの裏面に記入した裁断線を示す平面図
【図8】フックタイルカーペットの多層構造を示す断面図
【図9】裁断後の各タイルの配置番号を示す配置図
【図10】試験成績書
【符号の説明】
【0021】
10 フックタイルカーペット
10a タイル
11 織基布
11a 製織部
12 パイル糸
13 第一ラテックス
14 ガラス繊維
15 第二ラテックス
16 不織布
17 第三ラテックス
18 裏基布
21 固定枠
22 枠釘
31 裁断線
32 電動カッター
33 ガイドレール
34 ピン穴
35 ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
織基布にフック機によりパイル糸を裏面より刺して製織する製織工程と、
製織工程で製織した織基布を所定寸法の四辺枠形の製織枠(織機)に釘ピンで固定し、その織基布に湯水を掛けた後に乾燥して収縮させる収縮工程と、
収縮工程で収縮した織基布の裏面にラテックスを高圧力で吹き付けた後、そのラテックス塗布面にガラス繊維を重ねて貼り合わせるガラス繊維貼付工程と、
ガラス繊維貼付工程で織基布の裏面に貼付したガラス繊維の外面にラテックスを塗布し、そのラテックス塗布面に不織布を重ねて貼り合わせる不織布貼付工程と、
不織布貼付工程で貼付した不織布の外面にラテックスを塗布し、そのラテックス塗布面に前記織基布と同じ材質の裏基布を重ねて貼り合わせる裏基布貼付工程と、
裏基布貼付工程で裏基布を貼付されて出来たカーペットを所定のタイル寸法に分割して裁断する裁断工程と、
を備えたことを特徴とするフックタイルカーペットの製造方法。
【請求項2】
前記裁断工程は、裏基布貼付工程で出来たカーペットの裏基布の外面に所定のタイル寸法に分割するための裁断線を引き、その裁断線の上から電動カッターの刃を押し当てて裁断する作業工程であって、電動カッターを裁断線に合わせて直線移動させるためのガイドレールをカーペットの上に置き、そのガイドレールに設けたピン穴にピンを刺してカーペット上の裁断位置に一時的に固定して、裁断時に電動カッターの刃が裁断線の位置から外れないように裁断することを特徴とする、請求項1記載のフックタイルカーペットの製造方法。
【請求項3】
フックドラグ製法により織基布にパイル糸を製織し、その織基布の裏面側にラテックスを塗布してガラス繊維を貼り合せ、そのガラス繊維の外面側にラテックスを塗布して不織布を貼り合せ、その不織布の外面側にラテックスを塗布して織基布と同じ材質の裏基布を貼り合せてなる多層構造のフックカーペットであって、所定のタイル寸法に分割裁断したことを特徴とするフックタイルカーペット。
【請求項4】
分割裁断した各タイルの裏面に、裁断前の元の位置を示す配置符号として、一連の行番号と、一連の列番号と、タイルの上下方向記号と、を付したことを特徴とする、請求項3記載のフックタイルカーペット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−111474(P2007−111474A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−334916(P2005−334916)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(505429371)丹後テクスタイル株式会社 (1)
【Fターム(参考)】