説明

フットマッサージャー

【課題】本体ユニットに対してサブユニットの揺動可能範囲の自由度を高め、広い範囲にマッサージを施すことのできるフットマッサージャーを提供する。
【解決手段】ふくらはぎを挿入可能な左右一対の凹部22の形成された本体ケーシング21と、該凹部に配備され、ふくらはぎにマッサージを施す本体マッサージ手段30と、を有する本体ユニット20と、本体ケーシングに対して前後に揺動可能に支持されるサブケーシング41と、該サブケーシングに形成された左右一対の凹部42と、該凹部に配備され、患部をマッサージするサブマッサージ手段50と、を有するサブユニット40と、を具えたフットマッサージャーであって、本体ケーシングとサブケーシングを連結する連結部材を有し、該連結部材は、本体ケーシングとサブケーシングを同軸でない異なる枢支点により揺動可能に連結し、サブケーシングを本体ケーシングに対して前後方向に平行な面内で揺動可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被施療者の脚部、具体的には、被施療者の膝から下と大腿をマッサージすることのできるフットマッサージャーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
被施療者の脚部をマッサージするフットマッサージャーが知られている。この種フットマッサージャーとして、被施療者のふくらはぎと足先(くるぶしより下)を挿入する左右一対の凹部を有し、該凹部にエアバッグ等のマッサージ手段を配備したものが提案されており、マッサージ手段を作動させることで、被施療者のふくらはぎと足先にマッサージを施す。
【0003】
また、被施療者のふくらはぎ及び足先に加えて、被施療者の大腿をマッサージできるようにしたフットマッサージャーも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のフットマッサージャーは、ふくらはぎ及び足先を挿入する本体ユニットと、該本体ユニットの上端に前後方向に平行な面内で回動可能に軸支されたサブユニットを有しており、サブユニットを前方に回動させたときには、膝関節の周囲のマッサージを施すことができ、後方にサブユニットを回動させたときには、大腿のマッサージを施すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国実用新案公告第201342077号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本体ユニットに対してサブユニットを単に前後に回動させるだけでは、大腿の希望する位置にサブユニットを位置合わせすることができず、効果の高いマッサージを施すことは困難であった。
また、例え、大腿にサブユニットを位置合わせできたとしても、サブユニットの揺動可能範囲は軸支部分を中心とした円弧範囲に限られるため、大腿の膝に近い部分から股に近い部分までの広い範囲を自由に位置合わせしてマッサージすることはできなかった。
大腿の広い範囲をマッサージ可能とするには、サブユニットを大型化すればよいが、使い勝手が悪くなるばかりでなく、収納性の悪化、高コスト等の問題があり、商品化が困難であった。
【0006】
本発明の目的は、本体ユニットに対してサブユニットの揺動可能範囲の自由度を高め、広い範囲にマッサージを施すことのできるフットマッサージャーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のフットマッサージャーは、
被施療者のふくらはぎ及び/又は足先を挿入可能な左右一対の凹部の形成された本体ケーシングと、該本体ケーシングの凹部に配備され、被施療者のふくらはぎ及び/又は足先にマッサージを施す本体マッサージ手段と、を有する本体ユニットと、
本体ケーシングに対して前後に揺動可能に支持されるサブケーシングと、該サブケーシングに形成された左右一対の凹部と、該凹部に配備され、被施療者の患部をマッサージするサブマッサージ手段と、を有するサブユニットと、
を具えたフットマッサージャーであって、
本体ケーシングとサブケーシングを連結する連結部材を有し、
該連結部材は、本体ケーシングとサブケーシングを同軸でない異なる枢支点により揺動可能に連結し、サブケーシングを本体ケーシングに対して前後方向に平行な面内で揺動可能とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明のフットマッサージャーによれば、連結部材は、本体ケーシングに枢支されて揺動可能となっており、さらに、連結部材は、本体ケーシングとの枢支点とは同軸でない異なる枢支点にてサブケーシングを枢支し、サブケーシングは、連結部材に対して揺動可能となっている。
連結部材自体が本体ユニットに対して揺動するから、連結部材に枢支されたサブユニットは、連結部材の揺動により本体ユニットと連結部材との枢支点を中心とする円弧、即ち、上下方向の移動を含む前後の移動を行なうことができる。さらに、サブユニットは、連結部材との枢支点を中心とした揺動運動を行なうことができるので、自由度が高く、被施療者の脚の長さが異なる場合でも、所望の患部位置までサブユニットを移動させることができる。
従って、被施療者の患部にサブユニットをフィットさせることができ、可及的に効果の高いマッサージを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施例のフットマッサージャーを斜め前方から見た斜視図である。
【図2】図1のフットマッサージャーの側面図である。
【図3】図1のフットマッサージャーの背面図である。
【図4】ケーシングの一部を取り外したフットマッサージャー斜め後方から見た斜視図である。
【図5】図3の線A−Aに沿う矢視断面図であって、本体ユニットと連結部材の連結機構を拡大して示している。
【図6】アームとサブユニットとの連結部材の分解図である。
【図7】図4の線C−Cに沿う矢視断面図であって、サブユニットとアームとのエアホースの連結部分を拡大して示している。
【図8】アームを後方に揺動したフットマッサージャーを斜め前方から見た斜視図である。
【図9】図8のフットマッサージャーの側面図である。
【図10】サブユニット及びアームを揺動したフットマッサージャーを斜め前方からみた斜視図である。
【図11】図10のフットマッサージャーの側面図である。
【図12】図10の状態からアームを前方へ揺動したフットマッサージャーを斜め後方から見た斜視図である。
【図13】本体ユニットを後方にリクライニングしたフットマッサージャーを斜め前方から見た斜視図である。
【図14】図13のフットマッサージャーの側面図である。
【図15】図13の状態からサブユニットを揺動させたフットマッサージャーを斜め前方から見た斜視図である。
【図16】図15のフットマッサージャーの側面図である。
【図17】本発明のフットマッサージャーの制御ブロック図である。
【図18】図3の線B−Bに沿うフットマッサージャーの断面図である。
【図19】リクライニングのロック及びロック解除機構の他の実施例を示す拡大図である。
【図20】サブユニットの他の実施例を示す平面図であって、伸縮部を伸長させた状態を示している。
【図21】サブユニットの伸縮部を後退させた平面図である。
【図22】サブユニットの伸縮部を伸長させてマッサージを受けている状態を示す説明図である。
【図23】図22のサブユニットの平面図である。
【図24】サブユニットの伸縮部を後退させてマッサージを受けている状態を示す説明図である。
【図25】図24のサブユニットの平面図である。
【図26】図20の線D−Dに沿う矢視断面図であって、サブユニットの伸縮部の位置決め機構の説明図である。
【図27】本発明の第2実施例のフットマッサージャーを示す斜視図であって、アームを関節を有する2本のアームにより構成したフットマッサージャーの斜視図である。
【図28】図27のフットマッサージャーの側面図である。
【図29】図27のフットマッサージャーについて、本体ユニットを後方にリクライニングさせると共に、アームを伸長させた状態の側面図である。
【図30】図27のフットマッサージャーについて、アームを伸長させることなく、サブユニットが後方に傾いた状態を示す側面図である。
【図31】本発明の第3実施例のフットマッサージャーの斜視図であって、腰用ユニットを具えたフットマッサージャーを斜め前方から見た斜視図である。
【図32】図30のフットマッサージャーの側面図である。
【図33】腰ユニットを斜め前方から見た斜視図である。
【図34】被施療者が椅子に腰掛けた状態で、図31のフットマッサージャーによりマッサージを受けている状態を示す斜視図である。
【図35】図31のフットマッサージャーの収納状態を示す斜視図である。
【図36】図35のフットマッサージャーの側面図である。
【図37】本発明の第4実施例のフットマッサージャーを示す斜視図であって、大腿の上部をマッサージするサブユニットを搭載したフットマッサージャーを斜め前方から見た斜視図である。
【図38】図37のフットマッサージャーの側面図である。
【図39】図37のフットマッサージャーにおいて、本体ユニットを後方にリクライニングさせた状態を示す側面図である。
【図40】図37のフットマッサージャーに被施療者が脚を挿入する様子を示す使用状態の断面図である。
【図41】図40の状態からサブユニットを回転させ、被施療者の大腿を覆うようにした使用状態の断面図である。
【図42】被施療者が膝をやや伸ばした状態で図37のフットマッサージャーを使用している状態を示す断面図である。
【図43】図42の使用状態からアームを回転させて、被施療者の大腿の異なる部位にマッサージを施すようにした使用状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施例>
図1乃至図3は、本発明のフットマッサージャー(10)を示している。
フットマッサージャー(10)は、床面に載置されるベース(11)に被施療者の足先とふくらはぎをマッサージする本体ユニット(20)をリクライニング可能に搭載し、該本体ユニット(20)の上端にサブユニット(40)を揺動可能に支持したものである。サブユニット(40)は、図1に示すように本体ユニット(20)に近接した状態で被施療者の膝関節の周囲及び/又はふくらはぎの上部をマッサージし、図8等に示すように、本体ユニット(20)に対して後方に揺動した状態で、被施療者の大腿をマッサージする。
【0011】
本発明において、脚部とは、被施療者の下肢全体を意味し、大腿とは脚部の膝よりも上の部分、膝関節とは膝の屈曲部分及びその周辺、ふくらはぎとは膝と足首の間であって、脛の裏側部分、足先とはくるぶしよりも下の部分を意味する。
【0012】
ベース(11)は、内部中空の樹脂製のベースケーシング(12)から形成され、上部にて本体ユニット(20)を支持し、下面にて安定してフットマッサージャー(10)を床面に載置する。ベースケーシング(12)の内部には、図18に示すように、エアポンプ(14)、制御手段(60)、商業電源へ接続するための電源ユニット(図示せず)、電磁バルブ(31a)等が収容される。
ベース(11)には、本体ユニット(20)のリクライニング機構(72)が配備されている。リクライニング機構(72)は、図4に示すように、ベースケーシング(12)の上面左右に形成された円弧状のベース側ガイド(73)と、該ベース側ガイド(73)の後方端に配備されたベース側ローラ(74)を有する。
【0013】
本体ユニット(20)は、ベース(11)上に載置される。本体ユニット(20)は、内部中空の樹脂製の本体ケーシング(21)を有している。本体ケーシング(21)は、ベース(11)に対してリクライニング可能又は固定して配備することができる。
本体ユニット(20)をリクライニング可能とする場合、本体ユニット(20)は、ベース(11)に対してリクライニング機構(72)により連結する。
【0014】
リクライニング機構(72)は、例えば、図3、図4に示すように、前述のベースケーシング(12)に形成された円弧状のベース側ガイド(73)に嵌まる本体ユニット側ローラ(77)と、本体ケーシング(21)の下面から後面に形成された本体ユニット側ガイド(76)を有しており、本体ユニット側ガイド(76)には、前記ベース側ローラ(74)が嵌まっている。
本体ユニット(20)を後方に向けて傾けると、ベース側ガイド(73)を本体ユニット側ローラ(77)が転動し、本体ユニット側ガイド(76)をベース側ローラ(74)が転動することで、本体ユニット(20)は、ベース(11)に対してリクライニングする。
【0015】
本体ケーシング(21)は、図1及び図2に示すように、下側が前方に向けて突出し、後側が上向きに突出している。
本体ケーシング(21)には、被施療者の足先及びふくらはぎを挿入する左右一対の凹部(22)(22)が形成されている。凹部(22)(22)は、図1に示すように、本体ケーシング(21)がベース(11)に対してほぼ垂直に立設した状態で、底面(23)が床面とほぼ平行となり、底面(23)の後端から上方に向けてほぼ垂直に後面(24)を有し(図8参照)、底面(23)と後面(24)の側部を結ぶように内側面(25)と外側面(26)を有しており、前方及び上方が開口した形状を例示できる。
【0016】
凹部(22)(22)間には、前面にリクライニング機構(72)のロック及びロック解除機構を操作する操作レバー(70)が形成されている。ロック及びロック解除機構は、操作レバー(70)に接続されたワイヤ(図示せず)によって、本体ユニット(20)の下面に形成された突起(図示せず)を出没操作するものを例示できる。突起が突出した状態では、突起先端がベース(11)に当たって、リクライニング不能、即ち、位置決めされた状態となっているが、操作レバー(70)を引っ張ることで、ワイヤが突起を本体ユニット(20)側に後退させて、リクライニングできる。
なお、リクライニング機構(72)のロック及びロック解除機構は、これに限定されるものではない。
【0017】
本体ユニット(20)に被施療者が足を挿入したときに、凹部(22)(22)の底面(23)(23)には、被施療者の足裏が当接し、凹部(22)(22)の後面(24)(24)にはふくらはぎが当接し、内側面(25)(25)及び外側面(26)(26)には、ふくらはぎの内側及び外側が夫々当接又は近接する。
【0018】
本体ユニット(20)には、被施療者の足先及び/又はふくらはぎをマッサージする本体マッサージ手段(30)が配備される。
【0019】
凹部(22)(22)の底面(23)(23)には、被施療者の足裏をマッサージする足裏用マッサージ手段(34)(34)を具える。足裏用マッサージ手段(34)(34)は、底面(23)(23)から出没可能な指圧子を例示できる。指圧子は、本体ケーシング(21)の内部に配備されたモータ(36)(図18参照)により、ネジ推力等を利用して前後に往復移動可能なエアバッグ(図示せず)の上面に形成することができる。エアバッグを膨張、収縮させながら、モータ(36)により前後に指圧子を往復させることで、被施療者の足裏に押圧又は指圧マッサージが施される。
【0020】
モータ(36)の駆動は、図17に示すように、制御手段(60)と該制御手段(60)に電気的に接続されたモータ駆動回路(61)を介して行なうことができ、モータ(36)が所定範囲で指圧子を往復移動できるように、指圧子の移行路の両端には、リミット検出部(62)を配備することが望ましい。
【0021】
指圧子を出没させるエアバッグ(図示せず)は、前記ベースケーシング(12)に収容されたエアポンプ(14)からバルブ(35a)を介して圧縮空気が送給され、膨張、収縮可能となっている。エアポンプ(14)及びバルブ(35a)は、図17に示すように制御手段(60)により制御される。
【0022】
凹部(22)(22)の後面(24)(24)には、被施療者のふくらはぎをマッサージする本体マッサージ手段(30)(30)として、ふくらはぎ用後面エアバッグ(31)(31)が配備される。ふくらはぎ用後面エアバッグ(31)(31)は、バルブ(31a)を介してエアポンプ(14)に接続され、膨張、収縮可能となっている。なお、バルブ(31a)は、図17に示すように制御手段(60)により制御される。
【0023】
凹部(22)(22)の内側面(25)及び外側面(26)には、被施療者のふくらはぎの側部をマッサージする本体マッサージ手段(30)(30)として、ふくらはぎ用の内側エアバッグ(32)と外側エアバッグ(33)が夫々配備される。これらエアバッグ(32)(33)も、制御手段(60)により制御されるバルブ(32a)(33a)を介して夫々エアポンプ(14)に接続され、膨張、収縮可能となっている。
【0024】
本体ケーシング(21)の両側には、フットマッサージャー(10)を持ち運びするための持ち手(28)が凹設されている。
【0025】
また、本体ケーシング(21)の上面の凹部(22)(22)間には、本体ユニット(20)と後述するサブユニット(40)が直接衝突することを防止するためのクッション(63)を具える。
本体ユニット(20)とサブユニット(40)を接近させても、クッション(63)によりこれらの間に間隔を保持することができるので、異物の挟み込み等によるフットマッサージャー(10)の損傷等を防ぐことができる。
【0026】
本体ユニット(20)の上面後端には、サブユニット(40)が連結部材を介して揺動可能に配備される。
連結部材としてアーム(16)を例示できる。サブユニット(40)は、本体ユニット(20)の上面後端に枢支されたアーム(16)を介して本体ユニット(20)に接続されている。アーム(16)の先端には、サブユニット(40)が枢支されている。
アーム(16)が本体ユニット(20)に対して揺動するから、アーム(16)に本体ユニット(20)とは異なる枢支点にて枢支されたサブユニット(40)は、アーム(16)の揺動により本体ユニット(20)とアーム(16)との枢支点を中心とする円弧、即ち、上下方向の移動を含む前後の移動を行なうことができる。さらに、サブユニット(40)は、アーム(16)とサブユニット(40)との枢支点を中心とした揺動運動を行なうことができるので、揺動範囲を広くすることができ、所望の患部位置までサブユニット(40)を移動させることができる。
なお、連結部材の詳細は、後述する。
【0027】
サブユニット(40)は、左右両側にて前記アーム(16)に対して回動可能に支持される内部中空の樹脂製のサブケーシング(41)を有しており、該サブケーシング(41)には、左右一対の凹部(42)(42)が形成されている。
【0028】
サブケーシング(41)は、アーム(16)に支持される左右両側の外壁(43)(43)と、両凹部(42)(42)を仕切る中央壁(44)を有しており、外壁(43)(43)と中央壁(44)は、幅狭の接続片(45)(45)にて連繋されている(図3、図8参照)。
外壁(43)(43)には、本体ユニット(20)が大きく後方へリクライニングした際に、サブユニット(40)が床面に衝突した場合にでも、衝撃を和らげるためのクッション材(47)(47)が設けられている(図3、図9参照)。
【0029】
中央壁(44)には、被施療者がフットマッサージャー(10)を操作するための操作部(65)及びフットマッサージャー(10)の動作状況をLED等により視認できるようにした表示部(66)を有している。操作部(65)及び表示部(66)は、制御手段(60)に電気的に接続されている(図17参照)。
【0030】
凹部(42)(42)には、サブマッサージ手段(50)(50)が配備される。サブマッサージ手段(50)は、図1等に示すように、凹部(42)の内側(46)(46)となる部分に配備されるサブユニット用側面エアバッグ(51)(51)と、接続片(45)に配備されるサブユニット用後面エアバッグ(図示せず)を例示することができる。サブユニット用側面エアバッグ(51)(51)は、同期して膨張、収縮可能となるように1個のバルブ(51a)を介してエアポンプ(14)に接続されており、サブユニット用後面エアバッグは、バルブ(52a)を介してエアポンプ(14)に接続される。バルブ(51a)(52a)は、制御手段(60)により動作を制御される。
【0031】
上記本体ユニット(20)とサブユニット(40)を連結する連結部材の内部機構を図4乃至図7に示す。図4は、本体ユニット(20)の本体ケーシング(21)の一部と、アーム(16)、サブユニット(40)のサブケーシング(41)を取り外して示す図である。
【0032】
連結部材は、図に示すように、本体ユニット(20)の本体フレーム(80)の上端を左右方向に貫通する枢軸(81)が、本体ケーシング(21)に配備された軸受(82)に支持されている。
枢軸(81)には、左右にアーム(16)の骨組みとなる連結リンク(83)(83)が同方向に突出するよう固定されており、連結リンク(83)(83)の先端間にサブユニット(40)のサブユニット用フレーム(84)が軸支されている。符号(84')は、サブユニット(40)の中央壁(44)の骨組みとなるフレームである。また、符号(84'')は、接続片(43)(43)の骨組みとなるパイプである。
これにより、本体ケーシング(21)に対して連結リンク(83)(83)が揺動可能、さらに、連結リンク(83)(83)に対してサブユニット(40)のサブユニット用フレーム(84)が揺動可能となっている。
【0033】
枢軸(81)には、押え板(85)が溶接されており、該押え板(85)には、図4及び図5に示すように、半円状のギア(86)が取り付けられている。
ギア(86)に対向するように、本体ユニット(20)の本体フレーム(80)に押し当て金具(87)が揺動可能に枢支されており、該押し当て金具(87)には、前記ギア(86)と噛合するストッパーギア(88)が取り付けられている。押し当て金具(87)は、図4の丸囲み部に示すように、スプリング(89)(89)によって、ギア(86)(88)が噛み合う方向に付勢されている。
これにより、アーム(16)、即ち、連結リンク(83)を被施療者が回動させようとすると、枢軸(81)にトルクが加わり、ギア(86)(88)の凹凸の噛み合いがスプリング(89)(89)の付勢力に抗してズレて、次の凹凸どうしが噛み合う。これにより、アーム(16)、即ち、連結リンク(83)は、本体ユニット(20)に対して能動的に回動する。
【0034】
図6及び図7は、連結リンク(83)とサブユニット(40)のサブユニット用フレーム(84)との連結及びエアホース(90)の接続を示す分解図である。
図に示すように、連結リンク(83)(83)の先端には、エアポンプ(14)に連結されるアーム側連結パイプ(91)が後述する保持部材(96)を介して取り付けられている。アーム側連結パイプ(91)は、空気通路が90°曲がっており、アーム側連結パイプ(91)の先端は、枢軸(81)と平行になっている。アーム側連結パイプ(91)は、屈曲した先端にサブユニット側連結パイプ(92)が被さるように嵌まっており、これら連結パイプ(91)(92)は、リング状のシール部材(93)(93)を介して互いに回動可能且つ気密になっている。
サブユニット側連結パイプ(92)は、先端がエアホース(90)を経由してサブユニット用側面エアバッグ(51)及びサブユニット用後面エアバッグに連結されて、これらエアバッグに圧縮空気を送給可能となっている。
【0035】
サブユニット用フレーム(84)には、第1及び第2フランジ(94)(95)が固定されている。第1及び第2フランジ(94)(95)は、内部に連結パイプ(91)(92)を挿通可能な孔が開設されている。内側の第2フランジ(95)は、連結パイプ(91)(92)の挿通する筒状体であって、外側端に鍔が形成されている。鍔には、内側に向けてギア(95a)が刻設されている。
【0036】
連結リンク(83)の先端には、保持部材(96)が取り付けられている。保持部材(96)は、下側にアーム側連結パイプ(91)を挿通できる切込みが形成されており、上側に前記第2フランジ(95)の筒部材が嵌まる丸孔が形成されている。丸孔には、内側に向けて突条(97)が形成されており、該突条(97)には、前記第2フランジ(95)のギア(95a)と噛合するギア(96a)が外側に向けて刻設されている。
【0037】
保持部材(96)とサブユニット用フレーム(84)との間には、スプリング(98)が配設され、該スプリング(98)は、保持部材(96)を外側に押し込む、即ち、ギア(95a)(96a)どうしが噛み合う方向に保持部材(96)を付勢している。
【0038】
これにより、サブユニット(40)を被施療者が回動させようとすると、第2フランジ(95)にトルクが加わり、ギア(95a)(96a)の凹凸の噛み合いがスプリング(98)(98)の付勢力に抗してズレて、次の凹凸どうしが噛み合う。これにより、サブユニット(40)をアーム(16)に対して能動的に回動させることができる。
【0039】
本発明のフットマッサージャー(10)のすべての制御は、制御手段(60)により行なわれる。制御手段(60)には、図17に示すように、上記した操作部(65)、表示部(66)、エアポンプ(14)、バルブ(31a)(32a)(33a)(35a)(51a)(52a)、足裏用マッサージ手段(34)のモータ(36)、モータ駆動回路(61)、リミット検出部(62)等が電気的に接続されており、被施療者の操作部(65)の操作に基づいて、予め設定された種々の動作、プログラムされたマッサージコースに従って、各々を動作すべく制御する。
制御手段(60)には、その他、上記動作を制御するためのプログラム等を記憶したメモリ等の種々の回路、電子部品等が接続されている。
【0040】
上記構成のフットマッサージャー(10)は、被施療者が椅子等に腰掛けた状態で、脚部を挿入することにより使用する。
具体的には、被施療者は、図1乃至図3に示すように、本体ユニット(20)に対してサブユニット(40)が最も接近するよう揺動させた状態で、本体ユニット(20)の凹部(22)(22)に左右の脚部の足先及びふくらはぎを挿入し、サブユニット(40)の凹部(42)(42)に膝関節の周囲及び/又はふくらはぎの上部を挿入する。
【0041】
この状態で、操作部(65)を操作して、被施療者が所望するマッサージ手段(30)(34)(50)を作動させ、又は予めプログラムされたコースに従ってマッサージ手段(30)(34)(50)を作動させることにより、足裏を含む足先やふくらはぎ、膝関節の周囲及び/又はふくらはぎの上部にマッサージを施すことができる。
【0042】
具体的には、ふくらはぎ用の内側エアバッグ(32)と外側エアバッグ(33)を膨張して、ふくらはぎを持ち上がらないように保持した状態で足裏用マッサージ手段(34)を作動させることにより、被施療者の足裏に指圧の如き押圧マッサージが施される。
【0043】
また、ふくらはぎ用の内側エアバッグ(32)と外側エアバッグ(33)を膨張させることにより、ふくらはぎが側方から押圧され、これらエアバッグ(32)(33)の膨張、収縮を繰り返すことで、ふくらはぎの血行を促進させることができる。
また、これらエアバッグ(32)(33)を交互に膨張、収縮させることにより、ふくらはぎを左右に動かすストレッチ効果のあるマッサージを施すことができる。
【0044】
ふくらはぎ用の内側エアバッグ(32)と外側エアバッグ(33)を膨張させた状態で、ふくらはぎ用後面エアバッグ(31)を膨張させることで、ふくらはぎの血行の促進を図ることができる。
【0045】
さらに、サブユニット(40)のサブユニット用側面エアバッグ(51)(51)やサブユニット用後面エアバッグを膨張、収縮させることにより、膝関節の周辺及び/又はふくらはぎの上部の血行を促進させることができる。
【0046】
図1の状態から、被施療者がアーム(16)を掴み、後方へ揺動させると、図8及び図9に示すように、サブユニット(40)が斜め後方へ移動する。これにより、サブユニット(40)は、被施療者の大腿の前方(膝寄り)を下側から包囲し、凹部(42)(42)の内側(46)(46)が被施療者の大腿の側面に対向し、接続片(45)が大腿の裏面に当接する。この状態で、サブユニット(40)のサブユニット用側面エアバッグ(51)(51)及び/又は接続片(45)に配備されたサブユニット用後面エアバッグを膨張、収縮させることにより、被施療者の大腿の前方にマッサージが施され、大腿の押圧マッサージと血行の促進を図ることができる。
また、この状態から、図10乃至図12に示すように本体ユニット(20)に対するアーム(16)の角度を変えたり、アーム(16)に対しサブユニット(40)を揺動させることで、サブユニット(40)の位置(高さや角度)を調節することができ、被施療者の所望する患部の高さや位置に応じた大腿のマッサージを施すことができる。
例えば、サブユニット(40)を図10及び図11のような位置にすれば、脚の長い被施療者の大腿の後方(臀部側)をマッサージすることができ、図12のような位置では、脚の長い被施療者の大腿前方をマッサージすることができる。
【0047】
さらに、図13及び図14、図15及び図16に示すように、本体ユニット(20)をベース(11)に対し後方にリクライニングさせることで、被施療者は寝転んだ状態で脚部のマッサージを受けることができ、このとき、図示のように、アーム(16)やサブユニット(40)を揺動させることで、所望する患部の位置に応じたマッサージを受けることができる。
【0048】
図18及び図19は、リクライニング機構(72)のロック及びロック解除機構の操作をソレノイド(100)により行なう実施例である。
本体ケーシング(21)の下面には、ソレノイド(100)が配備されている。ソレノイド(100)は、図19に示すように、無通電時にプランジャー(101)が突出するようスプリング(102)が配設されており、プランジャー(102)の先端には、キー(103)が取り付けられている。ソレノイド(100)は、キー(103)が下方に向くように本体ケーシング(21)に配備されており、ベース(11)には、キー(103)が突出したときにベースケーシング(12)に当たる位置に、キー溝(104)が複数連続して刻設されている。
【0049】
キー溝(104)は、図19に示すように、前方に向けて溝が徐々に深くなるよう傾斜し、溝端は垂直となるように形成されている。
このため、キー(103)が突出した状態で、本体ユニット(20)を倒そうとしても、キー(103)と垂直なキー溝(104)の端が当たるので、リクライニングは阻止される。
しかしながら、キー(103)が突出した状態でも、本体ユニット(20)を起立させる方向に動かすと、キー(103)は、スプリング(102)の付勢力に抗してキー溝(104)の傾斜に沿って後退し、キー溝(104)を乗り越えて、隣のキー溝(104)に達し、キー(103)がスプリング(102)の付勢力により再度突出する。
従って、本構成により、本体ユニット(20)の起立方向のリクライニングは許容されるが、傾倒方向のリクライニングは阻止できるから、例えば、被施療者が足先を本体ユニット(20)に挿入した状態で立ち上がろうとしたときなどに、本体ユニット(20)が後方に倒れることはなく、安定性にすぐれたフットマッサージャー(10)とすることができる。
【0050】
一方、被施療者が本体ユニット(20)を後方に傾けたい場合には、ソレノイド(100)に通電を行なって、キー(103)を後退させることで、キー(103)はキー溝(104)から離れるから、自由に本体ユニット(20)のリクライニングを行なうことができる。
【0051】
ソレノイド(100)は、図17に示すように、制御手段(60)に電気的に接続されており、その通電操作は、操作部(65)の操作ボタンにより行なうことができる。
操作部(65)は、図1等では、サブユニット(40)の中央壁(44)の上面に形成しているが、被施療者がスカート等を着用した状態では、操作部(65)が隠れてしまうことがある。そこで、操作部(65)は、図1中、αで示すサブユニット(40)の外壁(43)の上面や、同図中、βで示すサブユニット(40)の外壁(43)の外側面に配備することもできる。
【0052】
このようにリクライニング機構(72)のロック及びロック解除機構の操作をソレノイド(100)で行なうものでは、その操作をサブユニット(40)に設けた操作部(65)で行なうことができ、本体ユニット(20)に設けた操作レバー(70)で操作するものに比べ、被施療者が前屈みになる必要はなく、楽な姿勢で操作可能になる。
【0053】
上記実施例では、サブユニット(40)は、本体ユニット(20)に対して、アーム(16)により揺動可能に支持されているが、揺動の自由度を高めるために、さらに関節の多いリンク機構等により、サブユニット(40)を支持する構成としてもよい。
【0054】
図20乃至図26は、サブユニット(40)の異なる実施例を示しており、サブユニット(40)は、中央壁(44)を前後方向に伸縮可能としたものである。
【0055】
本発明のフットマッサージャー(10)は、サブユニット(40)の揺動の自由度が高いため、サブユニット(40)により、大腿の膝側(図22)から大腿の臀部に近い部分(図24)までマッサージ可能となっている。
図22に示すように、大腿の膝側をマッサージする場合には、大腿の内側のマッサージ効果が薄くなることがある。このため、中央壁(44)は長い方が望ましい。
【0056】
一方で、サブユニット(40)の中央壁(44)が後方に長いと、大腿の臀部に近い部分にサブユニット(40)を移動させたときに、中央壁(44)が股に当たり、移動範囲に制限を受けることとなる。
従って、本実施例では、上記したとおり、サブユニット(40)の中央壁(44)を伸縮可能とした。
【0057】
図20及び図21に示すように、サブユニット(40)は、中央壁(44)から後方に向けて出没可能な伸縮部(110)を有している。伸縮部(110)は、中央壁(44)に対して後退している場合には、中央壁(44)内に収容される。
伸縮部(110)の両側面には、サブユニット用側面エアバッグ(51)と共に膨張、収縮可能な第2サブユニット用側面エアバッグ(51c)(51c)が取り付けられている。
【0058】
伸縮部(110)を図20、図22及び図23に示すように中央壁(44)に対して突出させた状態では、サブユニット用側面エアバッグ(51)によるマッサージ効果に加えて、第2サブユニット用エアバッグ(51c)によるマッサージを施すことができるから、マッサージ範囲を広くすることができ、マッサージ効果を高めることができる。
【0059】
逆に、図21、図24及び図25に示すように、伸縮部(110)を中央壁(44)に対して後退させた状態では、第2サブユニット用側面エアバッグ(51c)はサブユニット用側面エアバッグ(51)と重なるため、第2サブユニット用側面エアバッグ(51c)によるマッサージ効果は低下する。しかしながら、サブユニット(40)を後方に移動させて、大腿の臀部側をマッサージする場合には、伸縮部(110)が被施療者の股に当たらないから、図22及び図23に比して、サブユニット(40)をより後方まで移動できるので、より臀部側に近い位置まで大腿のマッサージを行なうことができる。
【0060】
なお、伸縮部(110)がマッサージ中に出没してしまうことを防止するために、伸縮部(110)の位置決め機構を具え、伸縮部(110)を位置決めできるようにすることが望ましい。
【0061】
伸縮部(110)の位置決め機構として、前述したリクライニング機構(72)のロック及びロック解除機構の如く、制御手段(60)に電気的に接続され、操作部(65)により操作されるソレノイド(111)を伸縮部(110)に配備する方法を例示できる。
図26に示すように、伸縮部(110)の基端側にソレノイド(111)を配備し、中央壁(44)には、ソレノイド(111)のプランジャー(112)の移行路に複数箇所凹み(114)(114)を設け、ソレノイド(111)を操作して、プランジャー(112)を出没させることで、伸縮部(110)のスライド及び位置決めを行なうことができ、伸縮部(110)がマッサージ中に出没してしまうことを防止できる。
【0062】
<第2実施例>
上記第1実施例では、アーム(16)は、1本のアームにより形成しているが、図27乃至図30に示すように、アーム(16)を複数のアーム(17)(18)(図示の実施例は2本のアーム)によって接続する構成としてもよい。
【0063】
図27乃至図30に示すフットマッサージャー(10)は、アーム(16)を2本のアーム、即ち、第1アーム(17)と第2アーム(18)によって構成したものであり、第1アーム(18)の先端と第2アーム(18)の基端を関節(19)により回動自在に接続している。
【0064】
第1アーム(17)の基端は、本体ユニット(20)の本体ケーシング(21)の上端後部に回動自在に接続され、第2アーム(18)の先端は、サブユニット(40)のサブケーシング(41)の下端後部に接続している。なお、本体ユニット(20)、サブユニット(40)及びアーム(16)の内部には、図4乃至図6を用いて説明した連結機構と同様の機構をアーム(17)(18)及び関節(19)を具えた機構に変えて配備されている。
【0065】
上記構成のフットマッサージャー(10)によれば、第1アーム(17)が本体ユニット(20)に対して揺動可能であり、第2アーム(18)が第1アーム(17)に対して揺動可能である。さらに、サブユニット(40)は、第2アーム(18)に対して揺動可能である。
【0066】
従って、サブユニット(40)の揺動範囲は、第1アーム(17)の本体ユニット(20)に対する揺動範囲と、第2アーム(18)の第1アーム(17)に対する揺動範囲にさらにサブユニット(40)の第2アーム(18)に対する揺動範囲を加えた範囲とすることができ、1本のアーム(16)のみを具えた第1実施例のフットマッサージャー(10)に比して、揺動範囲を可及的に広くすることができ、サブユニット(40)を被施療者の所望の患部まで自在に移動させることができる。
【0067】
例えば、図29に示すように、第1アーム(17)と第2アーム(18)を伸長させることで、図中点線で示すサブユニット(40)を、本体ユニット(20)に対して図中実線で示すように平行に移動させることができる。このことで、脚の長さが違っても、サブユニット(40)により同じ部位(例えば膝関節周辺や大腿の前方)をマッサージすることができる。
【0068】
また、図30に示すように、第1アーム(17)と第2アーム(18)を伸長させることなく、サブユニット(40)を後方に引き下げることで、図中点線で示すサブユニット(40)を、図中実線で示すように、後方に回転させて使用することもできる。
【0069】
なお、図示の実施例では、図27及び図28に示す状態で、第2アーム(18)の側面とサブユニット(40)が当たってサブユニット(40)がこれ以上は下方に回動しないようにしている。しかしながら、サブユニット(40)の形状を変えることで、サブユニット(40)を第2アーム(18)に対してさらに下方まで回動可能とすることもでき、これにより、サブユニット(40)の揺動範囲をさらに広げることも可能である。
【0070】
<第3実施例>
図31乃至図36は、本発明のさらに異なる実施例を示すものであり、第1実施例のフットマッサージャー(10)に被施療者の腰や背中、骨盤の近傍をマッサージすることができる腰用ユニット(120)をサブユニット(40)に配備したものである。なお、第1実施例で説明したフットマッサージャー(10)の構成については、説明を省略する。
【0071】
腰用ユニット(120)は、図31及び図32に示すように、サブユニット(40)のサブケーシング(41)の下端後部と腰用ユニット(120)を接続する伸縮ロッド(125)により連繋されている。
【0072】
腰用ユニット(120)は、図31乃至図33に示すように、被施療者の腰に当たる腰当たり部(121)と該腰当たり部(121)の左右両端から突設された骨盤当たり部(122)を有する。また、図33に示すように、骨盤当たり部(122)の基端側には、接続部(123)が形成されており、該接続部(123)に伸縮ロッド(125)が回動自在に嵌まり、腰用ユニット(120)が伸縮ロッド(125)に対して揺動可能となっている。
【0073】
腰用ユニット(120)は、図33に示すように、前記した腰当り部(121)の内面に、例えばエアバッグから構成することのできる腰用マッサージ手段(128)を具え、また、骨盤当たり部(122)の対向する内面に、例えば、エアバッグから構成することのできる骨盤用マッサージ手段(129)を具える。
【0074】
腰用マッサージ手段(128)や骨盤用マッサージ手段(129)は、伸縮ロッド(125)、サブユニット(40)、アーム(16)を経由して配設されたエアホース(図示せず)によってベース(11)内のエアポンプに接続され、膨張、収縮可能となっている。
【0075】
伸縮ロッド(125)は、サブユニット(40)のサブケーシング(41)に回動自在に取り付けられた第1ロッド(126)と、該第1ロッド(126)に対して長手方向にスライド可能に配備された第2ロッド(127)から構成することができる。第2ロッド(127)は、第1ロッド(126)に対してスライド可能かつ位置決め可能となっており、伸縮ロッド(125)は、第2ロッド(127)のスライド範囲内で自由に長さ調整することができる。
【0076】
なお、伸縮ロッド(125)を長さ調整することができるようにしているのは、被施療者の身体の大きさに合わせて、または、所望する患部の位置に合わせて、腰用ユニット(120)をサブユニット(40)に対して接近、離間可能とするためであり、このような位置調整が不要の場合は、伸縮しないロッドで代用することもできる。
【0077】
第2ロッド(127)の自由端には、前記した腰用ユニット(120)の接続部(123)が回動自在に嵌められる。
【0078】
上記構成の腰用ユニット(120)を搭載したフットマッサージャー(10)は、第1実施例で説明したように、本体ユニット(20)やサブユニット(40)をリクライニングや揺動させることで、被施療者の脚全体をマッサージすることができると共に、被施療者の腰や背中を腰用ユニット(120)の腰用マッサージ手段(128)によってマッサージしたり、骨盤側部を骨盤用マッサージ手段(129)によりマッサージすることができる。
【0079】
図34は、被施療者が椅子(130)に腰掛けた状態で、第3実施例のフットマッサージャー(10)を使用し、マッサージを受けている状態を示している。
図34に示すように、被施療者は、本体ユニット(20)に足先及びふくらはぎを挿入して、本体ユニット(20)に配備された本体マッサージ手段(図示せず)により足裏やふくらはぎ等にマッサージを受けることができる。
また、サブユニット(40)を揺動させることで、被施療者の大腿の所望する位置にサブユニット(40)を位置合わせし、サブユニット(40)に配備されたサブマッサージ手段(図示せず)により、大腿にマッサージを受けることができる。
【0080】
さらに、腰用ユニット(120)の腰当たり部(121)が被施療者の腰や背中に当たり、骨盤当たり部(122)(122)が被施療者の骨盤側部に当たるように、腰用ユニット(120)を揺動及び/又は伸縮ロッド(125)の長さを調整することで、腰用ユニット(120)の腰用マッサージ手段(128)や骨盤用マッサージ手段(129)により、被施療者の腰や背中、骨盤近傍にマッサージが施される。
【0081】
これにより、被施療者は、下半身に好適なマッサージを受けることができる。
【0082】
なお、上記では被施療者は、椅子(130)に腰掛けて、フットマッサージャー(10)によるマッサージを受けているが、本体ユニット(20)、サブユニット(40)及び腰用ユニット(120)を夫々リクライニングや揺動させることで、例えば、寝転んだ状態等、被施療者の体勢に合わせたマッサージを受けることができる。
【0083】
図35及び図36は、第3実施例のフットマッサージャー(10)の収納状態を示している。図に示すように、フットマッサージャー(10)は、本体ユニット(20)、サブユニット(40)及び腰用ユニット(120)が夫々リクライニングや揺動可能となっている。従って、収納の際には、ベース(11)に対して本体ユニット(20)を最も起立させ、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に最も接近させ、さらに、アーム(16)と伸縮ロッド(125)が略平行となるまで腰用ユニット(120)を前方に押し倒すことで、コンパクトにすることができる。このため、搬送や保管、非使用時の収納スペースを可及的に小さくすることができる。
【0084】
<第4実施例>
図37乃至図43は、第1実施例におけるサブユニット(40)の形状を変更したものであり、より具体的には、サブユニット(40)を大腿の上部(被施療者が起立した状態で大腿の前側となる位置)から被せるようにして、被施療者の大腿の上部及び側部をマッサージすることができるようにしたものである。サブユニット(40)の形状が異なる以外の構成は、第1実施例と同様であるため説明を省略する。
【0085】
サブユニット(40)は、左右両側にて第1実施例で説明したアーム(16)(16)に対して回動可能に支持される内部中空の樹脂製のサブケーシング(41)を有している。
該サブケーシング(41)は、第1実施例とは異なり、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して最も接近させた状態で、前方、下方、後方及び上方の後端側が開口する凹部(42)(42)を有し、該凹部(42)(42)は、左右両側の外壁(43)(43)と、両凹部(42)(42)を仕切る中央壁(44)が、幅狭の接続片(45)(45)にて連繋して構成されている。
【0086】
外壁(43)(43)の内面、中央壁(44)の側面及び/又は接続片(45)(45)には、図示省略するエアバッグ等のサブマッサージ手段(50)が配備される。
【0087】
上記構成のフットマッサージャー(10)は、図37及び図38に示すように、本体ユニット(20)がベース(10)に対して最も起立した状態から、本体ユニット(20)を後方にリクライニングさせることで、図39に示すように、本体ユニット(20)を傾けて使用することができる。
【0088】
フットマッサージャー(10)を使用する場合には、図40に示すように、被施療者が本体ユニット(20)の凹部(22)(22)に足先及びふくらはぎを挿入しやすいように、サブユニット(40)を前方に揺動させる。
【0089】
次に、図41に示すように、サブユニット(40)の凹部(42)が被施療者の大腿を上部から覆うように、サブユニット(40)を後方に揺動させる。これにより、被施療者の大腿の上部及び側部(図示では膝の周辺)にサブユニット(40)によるマッサージを受けることができる。
【0090】
なお、本実施例では、凹部(42)(42)は、下側が開口しており、接続片(45)が被施療者の大腿の上部に当たるようにしているから、サブユニット(40)の重量が被施療者の大腿で受け止められる。従って、サブユニット(40)をその自重により大腿に常にフィットさせることができるから、マッサージ中にサブユニット(40)が浮き上がることを防止でき、マッサージ効果を高めることができる。
【0091】
図42は、本体ユニット(20)をベース(11)に対して後方にリクライニングさせ、被施療者がやや膝を伸ばした状態で、脚部にマッサージを受けている状態を示している。この状態から、図43に示すように、サブユニット(40)を上方に引き上げると、アーム(16)が本体ユニット(20)に対して揺動し、サブユニット(40)がアーム(16)に対して揺動するから、被施療者の大腿の略中央を上側からマッサージすることができる。
このように、本体ユニット(20)やサブユニット(40)の位置や角度を適宜調整することで、被施療者の脚の広い範囲に効果的なマッサージを施すことができる。
【0092】
なお、上記何れの実施例においても、本体ユニット(20)、サブユニット(40)に配備するエアバッグの数は上記に限定されるものではない。例えば、本体ユニット(20)の凹部(22)に配備された内側及び外側エアバッグ(32)(33)について、ふくらはぎ押圧用と足先押圧用で2つずつ配備する等の変更は勿論可能である。
【0093】
また、本体マッサージ手段(30)やサブマッサージ手段(50)は、エアバッグに限らず、他のマッサージ手段、例えばバイブレータ等により、患部に刺激を与えるものでよいことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、サブユニットの揺動の自由度を高めて、被施療者の患部に位置合わせしやすくし、マッサージ効果を高めることのできるフットマッサージャーとして有用である。
【符号の説明】
【0095】
(10) フットマッサージャー
(11) ベース
(16) アーム(連結部材)
(17) 第1アーム
(18) 第2アーム
(19) 関節
(20) 本体ユニット
(21) 本体ケーシング
(22) 凹部(本体ユニット)
(30) 本体マッサージ手段
(31) ふくらはぎ用後面エアバッグ(本体マッサージ手段)
(32) 内側エアバッグ(本体マッサージ手段)
(33) 外側エアバッグ(本体マッサージ手段)
(34) 足裏用マッサージ手段
(40) サブユニット
(41) サブケーシング
(42) 凹部(サブユニット)
(43) 外壁
(44) 中央壁
(50) サブマッサージ手段
(51) サブユニット用側面エアバッグ(サブマッサージ手段)
(51c) 第2サブユニット用側面エアバッグ(サブマッサージ手段)
(60) 制御手段
(65) 操作部
(72) リクライニング機構
(100) ソレノイド(リクライニング機構)
(110) 伸縮部
(120) 腰用ユニット
(125) 伸縮ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者のふくらはぎ及び/又は足先を挿入可能な左右一対の凹部の形成された本体ケーシングと、該本体ケーシングの凹部に配備され、被施療者のふくらはぎ及び/又は足先にマッサージを施す本体マッサージ手段と、を有する本体ユニットと、
本体ケーシングに対して前後に揺動可能に支持されるサブケーシングと、該サブケーシングに形成された左右一対の凹部と、該凹部に配備され、被施療者の患部をマッサージするサブマッサージ手段と、を有するサブユニットと、
を具えたフットマッサージャーであって、
本体ケーシングとサブケーシングを連結する連結部材を有し、
該連結部材は、本体ケーシングとサブケーシングを同軸でない異なる枢支点により揺動可能に連結し、サブケーシングを本体ケーシングに対して前後方向に平行な面内で揺動可能としたことを特徴とするフットマッサージャー。
【請求項2】
連結部材は、一端が本体ケーシングの後端上部に枢支され、他端がサブケーシングの前端下部に枢支されるアームである請求項1に記載のフットマッサージャー。
【請求項3】
連結部材は、1又は複数の関節を有するアームである請求項2に記載のフットマッサージャー。
【請求項4】
アームは、本体ケーシング及びサブケーシングに対して、揺動可能且つ位置決め可能に連結される請求項2又は請求項3に記載のフットマッサージャー。
【請求項5】
サブケーシングは、左右一対の凹部の間に中央壁を有しており、サブケーシングを本体ケーシングに対して後方に揺動させた状態で、サブケーシングの凹部に被施療者の大腿が嵌まったときに、被施療者の股と対向する部分が出没可能な伸縮部を有する請求項1乃至請求項4の何れかに記載のフットマッサージャー。
【請求項6】
伸縮部は、中央壁に対してスライド可能及び位置決め可能である請求項5に記載のフットマッサージャー。
【請求項7】
床面に載置されるベースを有し、本体ケーシングは、ベースに対して、前後方向に平行な面内でリクライニングさせるリクライニング機構を介して接続される請求項1乃至請求項6の何れかに記載のフットマッサージャー。
【請求項8】
リクライニング機構は、ベースに対して、本体ケーシングをリクライニング可能且つ位置決め可能にロック及びロック解除機構を有している請求項7に記載のフットマッサージャー。
【請求項9】
ロック及びロック解除機構は、操作部の操作によりに作動するものであって、操作部は、サブケーシングの左右一対の凹部間に形成された中央壁に配備される請求項8に記載のフットマッサージャー。
【請求項10】
ロック及びロック解除機構は、操作部の操作によりに作動するものであって、操作部は、サブケーシングの外壁の上面又は外側面に配備される請求項8に記載のフットマッサージャー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate


【公開番号】特開2012−71095(P2012−71095A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291593(P2010−291593)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】