説明

フライアッシュ・コンクリート及びその製造方法

【課題】混和材としてフライアッシュを用いるコンクリートの早期強度の低下を抑制し、施工性の向上等によってその実用化を推進する。
【解決手段】コンクリートの混和材としてフライアッシュを用いる場合に、粗骨材ないし細骨材の総容積のうちの10〜40%(好ましくは20〜30%)を廃瓦等、粘土を高温焼成してなる人工骨材により置換する。練混ぜ水を少なめにして、水セメント比の低い配合とすれば(15〜30%)普通コンクリートと同等の早期強度が得られる。一方、水セメント比の高い配合にすれば(30〜55%)フレッシュコンクリートの流動性が非常に高くなり、ワーカビリティーに優れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混和材としてフライアッシュを用いたコンクリート及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンクリートの混和材としてフライアッシュのようなポゾランを用いることは広く知られている。ポゾランは、セメントの水和反応の際に遊離される水酸化カルシウムと反応して珪酸カルシウム水和物(C-S-H)を生成し(所謂ポゾラン反応)、前記水和反応によって形成されるコンクリートの骨格構造体を補強して、長期的にはコンクリートの強度を増大させる効果がある。
【0003】
特に、フライアッシュは、石炭火力発電所において微粉砕した石炭を燃焼させたときに発生する灰(石炭灰)の一種であり、球形状の微細粒子であることから、これを混入したフレッシュコンクリートの流動性が改善される(ボールベアリング効果)という利点もある。
【0004】
しかしながら、そうしてフライアッシュを混入したコンクリートでは普通コンクリートよりも若材齢における強度(早期強度)が低くなり、相対的に長い湿潤養生期間を必要とすることから、構造部材には殆ど使用されていないのが実情である。
【0005】
フライアッシュの混入によりコンクリートの早期強度が低くなるのは、内割りで混入されるフライアッシュの分、セメントの量が少なくなって、相対的に水セメント比(W/C)が高くなる一方で、ポゾラン反応の進行にはセメントの水和反応よりも時間がかかること等による、と考えられており、これに対し特許文献1には、フライアッシュをブレーン比表面積で4000cm2/g以上になるように超微粉砕して、7%以下のアルカリ性反応促進剤溶液で混練し、水の沸点以下の高温で加熱し且つ加圧することによって、コンクリートの強度発現を早めるという技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−118556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記提案のようにフライアッシュを超微粉砕することは容易ではなく、そのためのコスト増大という難もあるし、さらに、コンクリートをアルカリ性反応促進剤溶液で混練したり、加熱し且つ加圧することも当然ながら高コスト化を招き、施工性にも大きな問題を生じることから、とても現実的な方法とは言い難い。
【0008】
一方で、本願の発明者らは、水セメント比の低い高強度コンクリートにおいて、破砕した廃瓦に予め吸水させた上で骨材の一部を置換すると、セメントの水和反応のための水分がコンクリート中の廃瓦から供給されるようになり(所謂内部養生)、水和反応の促進によって強度発現が早まるという知見を得て、先に特許出願をしている(例えば特願2008−81739号等を参照)。
【0009】
そのような内部養生による水和反応の促進効果を利用して、フライアッシュ・コンクリートの早期強度を改善すべく鋭意、実験研究を行ったところ、本願発明者は、内部養生によってポゾラン反応も促進され、これによりさらに水和反応が促進されるという相乗的な
効果を見出して、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、廃瓦等による内部養生に着目し、これによりセメントの水和反応及びフライアッシュのポゾラン反応が相乗的に促進されるという全く新しい知見に基づくものであり、上述した提案例のようにコストの上昇を招くことなく、フライアッシュ・コンクリートの早期強度の低下を抑制し、その実用化を推進することを目的とする。
【0011】
尚、コンクリートにフライアッシュや廃瓦を混入することは既知ではあるが、それらはいずれも廃材をリサイクルするために過ぎず、両者を同時に用いることによる前記のような効果は報告されていない。また、廃材であるフライアッシュ及び廃瓦をリサイクルするために同時にコンクリートに混入した例もない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願の請求項1に係る発明は、少なくとも水、セメント及び骨材を混練してなり、混和材としてフライアッシュを含むフライアッシュ・コンクリートにおいて、前記骨材に廃瓦を破砕してなる人工骨材を含ませたものである。
【0013】
このような人工骨材は、本願発明者らの先願(特願2008−81739号)にも開示されているようにコンクリートの硬化過程において、セメントの水和反応によって水が消費されるのに応じてコンクリートの細孔中に水分を供給する(内部養生)。こうしてコンクリート中において万遍なく水分の供給が行われることにより、セメントの水和反応が促進されるとともにフライアッシュのポゾラン反応も促進され、これにより水和生成物が消費されることによって水和反応がさらに促進されるようになる。
【0014】
そうして内部養生によってポゾラン反応が促進される理由は明らかではないが、元々ポゾラン反応は、セメントの水和反応に伴い遊離される水酸化物イオンによって喚起されるものであり、水の少ない状態では水酸化カルシウムが溶け込まない一方、水が多すぎると水酸化物イオンの濃度が高くならず、ポゾラン反応を喚起し得ない。この点、前記のようにセメントの水和反応によって水が消費されるのに応じて、人工骨材から水が供給されることは、ポゾラン反応の進行に有利に働くものと考えられる。
【0015】
そうして内部養生によりセメントの水和反応とフライアッシュのポゾラン反応とが相乗的に促進され、コンクリートの骨格構造が比較的早期に強化されることから、フライアッシュの混入に起因する早期強度の低下を抑制することができる。しかも、ポゾラン反応による生成物がセメントの水和生成物の細孔を充填するようになり、コンクリートが緻密化されてその耐久性も向上する。
【0016】
さらに、フライアッシュのボールベアリング効果によってフレッシュコンクリートの流動性が高くなることから、ワーカビリティーに優れ、その分、混練時の水結合材比(水のセメント及びフライアッシュに対する容積比)を低めにすることができる。こうした場合でも前記先願に係る高強度コンクリートと同様に、内部養生効果によってセメントの水和反応は十分に促進されるようになるから、養生条件によっては普通コンクリートを上回る早期強度が得られる可能性がある。
【0017】
そうした効果を十分に得る上で好ましいのは、内部養生のための人工骨材により骨材の総容積のうちの10〜40%を置換することである。置換率が10%未満では内部養生効果が十分に得られない虞れがある一方で、人工骨材の強度は天然骨材に比べれば低いので、置換率が高すぎるとコンクリートの強度に悪影響を及ぼす虞れがあるからである。
【0018】
より詳しくは、上述の如き効果の得られる度合いは、コンクリート中の水分量によって変化することになるから、内部養生による給水量を決定づける骨材置換率の適値には、練混ぜ水量との兼ね合いで適切な範囲があると考えられる。本発明者らの実験によれば、人工骨材による置換率は20〜30%とし、混練時の水結合材比を20〜35%とするのが高強度化の点で、より好ましいと考えられる。
【0019】
こうすれば、練混ぜ水はあまり多くせずコンクリートの細孔を小さめにしながら、人工骨材からの給水による十分な養生効果が得られて、フライアッシュ・コンクリートの強度発現を促進する効果が非常に高くなる。尚、前記の範囲において基本的には、骨材置換率の低いときほど水結合材比を高くするのが好ましいが、さらに養生条件による影響も考慮すべきと考えられる。
【0020】
その際に、内割りで混入するフライアッシュの割合は、セメントの置換率として表せば質量比で30%以下とするのがよく、フライアッシュの混入分はセメントの量が少なくなることを考慮すれば、前記の効果を十分に得るためには20%以下が好ましいと考えられる。本発明者らの実験によれば、フライアッシュの混入割合を10%くらいまでに抑えたときには、混練時の水結合材比が35〜55%でも強度発現の促進効果があることが分かった。
【0021】
また、人工骨材としては吸水率が少なくとも5%、好ましくは8%以上のものを用い、これを予め3日間以上は水中に浸漬させて、含水率が吸水率以上の表乾状態若しくは湿潤状態とするのがよい。
【0022】
前記のように人工骨材として破砕した廃瓦を用いれば廃材のリサイクルが可能であり、コストメリットが大きいが、これに限ることはなく、例えば瓦用粘土や陶磁器用粘土のように高温焼成に耐える粘土を真空土練機等で練り上げた後に、所定寸法になるように造粒し、約950〜1150℃の温度で焼成して人工骨材を製造することもできる。
【0023】
こうして製造した人工骨材は、廃瓦と同じく、従来一般的な人工軽量骨材よりも高密度で高強度なものであるから、骨材を40%くらいまで置換してもコンクリートの強度に悪影響を及ぼす心配はない。しかも、そうして製造した人工骨材は、廃瓦のように破砕時に微細な損傷を受ける虞れもなく、強度や吸水特性のばらつきが小さくなるので、上述した発明の作用効果がより安定的に得られるものと期待される。
【発明の効果】
【0024】
以上、説明したように本発明に係るフライアッシュ・コンクリートによれば、廃瓦等よりなる人工骨材を用いて内部養生することで、セメントの水和反応及びフライアッシュのポゾラン反応を相乗的に促進することができ、これによりフライアッシュの混入に起因する早期強度の低下を抑制できる。このことで、優れたワーカビリティーとも相俟って施工性が大幅に改善される。
【0025】
また、内部養生によりコンクリートの収縮軽減、ひび割れの抑制といった効果も得られ、さらに、ポゾラン反応の促進によってコンクリートが緻密化することにより、塩害や中性化等に対する抵抗が強くなって耐久性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係るフライアッシュ・コンクリートの材齢7日における圧縮強度比の一例を示すグラフ図である。
【図2】骨材を置換する廃瓦の含水率の経時変化を示すグラフ図である。
【図3】実施例1の供試体の材齢7日における圧縮強度を調べた試験結果の図である。
【図4】同材齢28日についての図3相当図である。
【図5】同材齢7日、28日についての割裂引張強度の試験結果を示す図である。
【図6】封緘養生の供試体について累積細孔容積を調べた試験結果の図である。
【図7】水結合材比50%のときの細孔径分布を調べた試験結果の図である。
【図8】水結合材比30%についての図7相当図である。
【図9】水結合材比20%についての図7相当図である。
【図10】実施例の供試体について自己収縮の様子を調べた試験結果の図である。
【図11】実施例2(G20FA20)についての試験結果を追加した図3相当図である。
【図12】同試験結果を追加した図4相当図である。
【図13】同B/W=5の場合の強度発現の様子を示すグラフ図である。
【図14】養生条件の差異による強度発現の変化を示す図13相当図である。
【図15】同試験結果を追加した図7相当図である。
【図16】同試験結果を追加した図8相当図である。
【図17】同試験結果を追加した図9相当図である。
【図18】同試験結果を追加した図10相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0028】
(コンクリートの配合)
本発明に係るコンクリートは、水、セメント、骨材及び混和材料等を混練してなり、特に混和材としてフライアッシュを用いたものである。具体的にセメントとしては一般的な普通ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメントの他、早強ポルトランドセメントや高炉セメント、シリカセメント等、種々のものを用いることができる。後述するように混和材として混合するフライアッシュと合わせて所定割合を超えなければ、フライアッシュセメントも使用可能である。
【0029】
混和材料のうち混和剤としては減水剤やAE剤、消泡剤、収縮低減剤等が挙げられる。特に高強度化のために混練時の水結合材比を低くする場合は、セメント粒子を良好に分散させる観点から高性能減水剤を加えるのが好ましい。また、コンクリートの自己収縮を低減するために収縮低減剤を加えてもよい。
【0030】
混和材としてはフライアッシュの他にもシリカフェームや高炉スラグの微粉末、膨張材等が挙げられるが、フライアッシュを混入すると一般に自己収縮が少なくなる上に、以下に述べるように廃瓦からなる人工骨材の利用によってコンクリートの収縮が低減されるので、さらに膨張材を加える必要性は低い。
【0031】
骨材は、一般的に粒径5mm未満の細骨材と粒径5mm以上の粗骨材とに分類される。細骨材は砂等の天然骨材を含み、粗骨材は砂利や砕石等の天然骨材を含むが、この実施形態では本発明の主たる特徴部分として、廃瓦を破砕してなる人工骨材を含んでいる。廃瓦は、従来一般的な人工軽量骨材に比べるとかなり強度が高いので、骨材の40%くらいを置換してもコンクリートの強度に悪影響を及ぼす心配はない。
【0032】
この人工骨材は、以下に述べる内部養生のために吸水率が5%以上であることが好ましく、8%以上であればより好ましい。尚、吸水率は、所謂湿潤状態の骨材の表面水を完全に拭い去って表面乾燥飽水状態(表乾状態)とし、更に100〜110℃で定質量となるまで乾燥して絶対乾燥状態として、この絶対乾燥状態の質量Aと前記表面乾燥飽和水状態の質量Bとを用いて、 吸水率=(B−A)/A×100(%) と表される。
【0033】
そのような人工骨材を予め約3日間以上、水中に浸漬させて、その空隙(細孔)内に十分に水を含ませておけば、コンクリートの硬化過程においてコンクリート細孔中に適度に水を供給することができる(内部養生効果)。すなわち、吸水した人工骨材がコンクリート中に広く分散して含まれていると、硬化過程にあるコンクリートの細孔中においてセメントの水和反応により水が消費され、細孔中の水圧が低下するのに応じてその付近の人工骨材から速やかに水が供給されるようになり、常に十分な反応水の存在下でセメントの水和反応が促進される。
【0034】
また、そうしてコンクリートの細孔中に常に所要量の水が存在することから、セメントの水和反応に伴い生成される水酸化カルシウムは速やかに水に溶け込むようになり、水酸化物イオンによってフライアッシュのポゾラン反応が喚起されると考えられる。つまり、コンクリートの細孔中に含まれる水の水酸化物イオン濃度がポゾラン反応の促進に好適な状態になるということである。
【0035】
そうしてフライアッシュのポゾラン反応が促進されると、これにより水酸化カルシウム(水酸化物イオン)が消費されることによってセメントの水和反応がさらに促進されることになり、換言すればセメントの水和反応とフライアッシュのポゾラン反応とが相乗的に促進されることによって、コンクリートの強度発現が早まり、フライアッシュの混入による早期強度の低下が抑制される。
【0036】
具体的に、この実施形態のフライアッシュ・コンクリートでは、図1に示すように材齢7日の時点で既に強度発現に改善が見られる。すなわち、詳しくは後述するように、同図の(a)〜(c)はそれぞれ気中養生、封緘養生、水中養生の場合について、普通コンクリートの強度(□)を基準とするフライアッシュ・コンクリート(○)及びそれに廃瓦置換したもの(●)の強度比を、結合材水比(B/W)毎に示したものである。
【0037】
同図から(a)気中養生及び(b)封緘養生の場合に、廃瓦置換によって強度の低下が抑制されることが分かる。すなわち、(a)の気中養生であれば図示の全てのB/Wにおいて、また、(b)の封緘養生であれば B/W≧3.3のときに、廃瓦置換したフライアッシュ・コンクリートの強度(●)が普通コンクリート(□)の約90%を越えており、比較的水の少ないとき(B/Wの大きいとき)ほど効果が高い。
【0038】
特に、B/W=5のときに廃瓦置換したフライアッシュ・コンクリートの強度(●)は、封緘及び気中のいずれにおいても普通コンクリート(□)と同等であり、フライアッシュの混合によるセメントの減量分を補って、高い早期強度が得られている。気中養生の結果は、施工後1日で脱枠し気中乾燥させるというフライアッシュ・コンクリートには過酷な条件にも拘わらず、普通コンクリート並の早期強度が得られるということであり、これは施工性の大幅な向上及び工期短縮に寄与すると言える。
【0039】
尚、(b)封緘養生の場合は比較的練混ぜ水の多いとき(図の例ではB/W≦2.8)には強度がむしろ低下しており、また、(c)水中養生の場合は水量によらず殆ど強度の改善が見られないばかりか、水が多くなると(B/W≦3.3)強度がむしろ低下している。これは練混ぜ水の多いときには内部養生の効果が殆どなくなってしまい、余剰水によりコンクリートの細孔が大きくなることが強度の低下に繋がると考えられる。
【0040】
以上より、この実施形態に係るフライアッシュ・コンクリートによると、まず、廃瓦よりなる人工骨材を用いて内部養生することによって、フライアッシュの混入に起因する早期強度の低下を効果的に抑制することができ、混練時の水量を少なめにすれば、養生条件によっては普通コンクリート並みの早期強度を確保することも可能になる。練混ぜ水が少なめであってもフライアッシュ本来の流動性の高さによって、ワーカビリティーの低下は補完される。
【0041】
一方で、気中養生の場合について示す図1(a)のグラフからは、比較的練混ぜ水の多いとき(B/W≦3.3)でもフライアッシュの混入に起因する早期強度の低下が抑制されることが分かる。よって、気中養生するのであれば比較的練混ぜ水を多くすることにより、フライアッシュのボールベアリング効果と相俟って、フレッシュコンクリートの流動性が極めて高くなり、ワーカビリティーに特に優れる。
【0042】
つまり、一般的にワーカビリティーに優れるものの長期の湿潤養生を求められることが常識となっていたフライアッシュ・コンクリートにおいて、従来までに比べれば打設後の早い時期に脱枠することも可能になり、優れたワーカビリティーとも相俟って施工性が大幅に向上し、工期短縮の効果も期待できる。
【0043】
さらに、フライアッシュ・コンクリート本来の持ち味としてポゾラン反応による長期強度の増強、コンクリートの緻密化といった効果の得られることは勿論であり、内部養生によるコンクリートの収縮低減、ひび割れの抑制とも相俟って耐久性の非常に高いものとなる。
【0044】
尚、この実施形態では、人工骨材である破砕した廃瓦により骨材の総容積の10〜40%くらいを置換することを想定しており、内部養生効果を高めるという観点からは置換率は高い方が好ましいが、コンクリートの早期強度の発現という観点では、骨材置換率には練混ぜ水量や養生条件との兼ね合いで特に好ましい範囲があるものと考えられる。また、人工骨材は、粗骨材及び細骨材のいずれと置換してもよいが、細骨材は、同じ容積であれば粗骨材と比較して粒子数が多くなるので、細骨材との置換率を高くすれば分散性が高くなり、セメントとの接触面積が増大して内部養生機能はより一層、高くなる。
【0045】
(実施例1)
次に、実際に行った試験結果について説明する。まず、表1には供試体に用いた材料を示し、この例では、廃瓦を破砕してなる人工骨材(廃瓦粗骨材:CG)を水中に浸漬させ、含水率が吸水率にほぼ達した後に粗骨材と置換している。尚、図2に示すように、試験に用いた廃瓦粗骨材CGは、保管状態から3日間以上、水中に浸漬させると含水率が安定し概ね8%以上になる。絶乾状態からでも3日間、吸水させれば含水率は8%以上になり、おおよそ10日間で安定する。
【0046】
【表1】

【0047】
表2の(a)〜(c)は各々、水結合材比(W/B)を0.5、0.3、0.2(各々、B/W=2、3.3、5)とした供試体の配合を示す。配合記号は、NC:廃瓦、フライアッシュのいずれも置換しないもの、G40NC:粗骨材全容積の40%を廃瓦で置換したもの、FA20:容積でセメントの20%をフライアッシュに置換したもの、そして、G40FA20:廃瓦、フライアッシュの双方を前記のように置換したもの、であり、後述する図3〜10において、それぞれ、NCについては□のグラフで、G40NCについては■のグラフで、FA20については○のグラフで、そして、G40FA20については●のグラフで示す。
【0048】
【表2】

【0049】
そうして配合の異なる12種類の供試体を、それぞれ、気中養生(型枠内で1日養生した後に室温20℃、湿度60%の室内に暴露)、封緘養生(室温20℃、湿度60%の室内にて強度試験材齢まで型枠内で養生)、及び水中養生(水温20℃)の3種の条件で養生し、以下に述べる強度試験、細孔径分布試験及び自己収縮量試験に供した。尚、結合材水比(B/W)の結合材量Bは、セメントCとフライアッシュFAとの和であり、また、水量Wは練混ぜ水の量であって、廃瓦に吸水されている水の量は考慮していない。
【0050】
1)強度試験
圧縮強度はコンクリートの圧縮試験法(JIS A1108)に、また、割裂引張強度はコンクリートの割裂引張強度試験法(JIS A1113)に準拠した。まず、図3、4にそれぞれ材齢7日、28日の圧縮強度について示す。各図においてグラフ(a)(d)は気中養生、同(b)(e)は封緘養生、同(c)(f)は水中養生であり、図の左側に縦に並ぶ3つのグラフ(a)〜(c)が圧縮強度の測定値を、また、その右隣に並ぶ3つのグラフ(d)〜(f)は、NCを基準とする圧縮強度比を、それぞれ示している。
【0051】
この圧縮強度比のグラフには、供試体毎の圧縮強度の違いがやや誇張されて現れている。例えば材齢7日の圧縮強度を示す図3のグラフにおいて(d)気中養生、(e)封緘養生の場合は、いずれも比較的水結合材比の低いとき(B/Wの大きなとき)にはG40NCの強度比がNCよりも高く、また、G40FA20の強度比もFA20よりも高くなっている。つまり、練混ぜ水の少ないときほど廃瓦からの給水(内部養生)による強度の改善効果が高くなっている。
【0052】
このため、B/Wの値が大きくなるに従い、NCに対するG40FA20の圧縮強度比が大きくなっていて、図の例ではB/W=5のときに(d)気中養生及び(e)封緘養生の両方でG40FA20の強度比がNCと同等になっている。つまり、フライアッシュの混入されている分、セメントの量が少ないにも拘わらず普通コンクリート並の早期強度が得られており、フライアッシュ・コンクリートが一般に長期の湿潤養生を要求することからすれば、特に気中養生の場合の試験結果は注目すべきものと言える。
【0053】
その一方で比較的水結合材比の高いとき(B/Wの小さなとき)にはG40NCの強度比がNCよりも低くなっており、練混ぜ水の多い状態では廃瓦からの給水が強度にむしろ悪い影響を与えると考えられる。但し気中養生の場合には水結合材比の高いときであってもG40FA20の強度比がFA20よりも高くなっており、NCの90%を越えている。つまり、フライアッシュ・コンクリートについては比較的練混ぜ水の多い状態でも内部養生による早期強度の改善効果があると言える。
【0054】
これは、気中養生の場合、脱枠後に室内に暴露された供試体から水分が急速に逸散するため相対的に水不足の状態になりやすいことによると考えられる。また、フライアッシュ・コンクリートにおいては、セメントの水和反応によって生成された水酸化カルシウムが水に溶けてポゾラン反応を喚起することから、相対的に水の多い状態が好ましく、比較的練混ぜ水の多い状態でも内部養生の効果が得られるとも考えられる。
【0055】
前記と同様の傾向が材齢28日の圧縮強度を示す図4のグラフにも現れており、特に、(d)気中養生の場合に内部養生によるフライアッシュ・コンクリートの強度改善の効果が高いことが分かる。また、図3、4の(f)に示す水中養生の場合は、最も水結合材比の低いとき(B/W=5)でも内部養生による強度改善は殆ど見られない。これは、水中養生の場合は元々反応水が十分にあることによると考えられる。
【0056】
尚、割裂引張強度について詳しい説明は省略するが、図5に材齢7日、28日の強度比のグラフを示すように、概ね圧縮強度と同様の早期強度の改善効果があり、ひび割れ抵抗性の向上が認められる(図5(a)〜(c)は7日材齢を、同(d)〜(f)は28日材齢をそれぞれ示す)。
【0057】
2)細孔径分布試験
細孔径分布は、前記した強度試験直後に封緘養生の供試体から中央モルタル部分のみを採取し、水和を停止させた後に水銀圧入法ポロシメーターを用いて細孔径毎の細孔容積を測定した。
【0058】
図6には材齢7日、28日における結合材水比(B/W)毎の累積細孔容積を示す。材齢7日(同図(a))においてはG40NCがいずれの結合材水比においても最も空隙が少ないという結果が得られた。その他の三つの配合(NC、FA20、G40FA20)においては顕著な差は確認できない。また、材齢28日(同図(b))においては水結合材比の減少に伴いFA20,G40FA20において空隙の減少が見られた。B/W=5においてG40FA20はNCよりも空隙が少ない。また、いずれの配合においても材齢7日に比較し材齢28日に空隙が減少している。
【0059】
図7には材齢7日、28日におけるB/W=2の細孔径分布を、また、図8、9には同じくB/W=3.3、5の細孔径分布を、それぞれ示す。例えば各図の(a)に示す材齢7日の累積細孔容積において、配合毎の顕著な差は見られない。一方、図7(b)に示す細孔径分布(B/W=2)を見ると、廃瓦置換によって比較的大きな(0.4〜4.0μm)細孔が減少し、コンクリートが緻密化する傾向が確認できる。
【0060】
また、同図の(b)(d)を比較すると、材齢7日から28日の間にフライアッシュ・コンクリート(G40FA20、FA20)の0.1〜0.4μmの細孔が減少しており、ポゾラン反応の進行によって細孔が充填されて、コンクリートが緻密化することが伺える。特に、G40FA20については材齢28日において前記微細な細孔がG40NCよりも少なくなっており、内部養生によってポゾラン反応が促進されていることが分かる。
【0061】
比較的水結合材比の低い(B/Wの大きい)場合は、図8、9にそれぞれ示すようになり、B/W=3.3の場合のようにフライアッシュの混入による影響や内部養生の効果が明確でない場合もあるが、B/W=5の場合のように、細孔径が0.1〜0.3μmの範囲でフライアッシュの混入効果と内部養生の効果による緻密化が認められる場合があり、総じて両者の効果はあると言える。
【0062】
3)自己収縮量試験
自己収縮量は、供試体の長軸方向の両側面に鋼製ボルトを固定し、コンクリートの凝結始発から24時間まではレーザー変位計(精度1/1000mm)で、その後はコンタクトゲージ法によって長さ変化を測定した。供試体は100×100×400mmのコンクリート供試体である。コンクリートの自由な変形が型枠に拘束されるのを防ぐための措置は,「コンクリートの自己収縮応力試験法」(日本コンクリート工学協会,JCI規準集)に準拠した。
【0063】
図10に、水結合材比20%(B/W=5)、30%(B/W=3.3)における自己収縮ひずみ及び乾燥収縮ひずみの様子を示す。材齢7日以降の下方向への分岐は、材齢7日において脱枠し気中乾燥させた場合の乾燥収縮ひずみを示している。
【0064】
同図(a)、(b)から内部養生をすれば(G40NC、G40FA20)自己収縮が抑制されることが分かる。材齢28日における自己収縮ひずみは、フライアッシュの有無に拘わらず80%程度低減されるが、フライアッシュを混入したものでは(G40FA20)7日材齢までのひずみも0〜50μmと非常に小さく、好ましいと言える。尚、乾燥収縮の傾向は内部養生の有無に依らず同程度の勾配を示している。
【0065】
以上の試験結果から実施例1のフライアッシュ・コンクリート(G40FA20)は、フライアッシュの混入に起因する早期強度の低下が内部養生によって効果的に抑制され、混練時の水結合材比を低めにすれば普通コンクリート(NC)と同等の早期強度が得られるとともに、コンクリートが緻密化して耐久性が向上し、さらに、収縮軽減やひび割れの抑制といった効果も得られることが分かった。
【0066】
(実施例2)
次に、廃瓦やフライアッシュの置換率による影響を調べた実施例2について説明する。供試体は、廃瓦の容積置換率を20%に変更したもの(G20FA20)で、水結合材比(W/B)は0.5、0.3、0.2とした。W/B=0.5については、さらにセメントの10%をフライアッシュに置き換えたもの(G20FA10)と、これについて廃瓦置換を行わないもの(FA10)と、についても試験を行った。供試体の配合を表3に示す。
【0067】
【表3】

【0068】
1)強度試験
図11、12にはそれぞれ材齢7日、28日の圧縮強度について示す。各図においてグラフ(a)(c)は封緘養生、同(b)(d)は水中養生の結果であり、図3、4と同じく左側のグラフ(a)(b)が圧縮強度を、その右隣のグラフ(c)(d)は圧縮強度比を示している。また、□はNCを、○はFA20を、●はG40FA20をそれぞれ示し、今回追試したG20FA20は▲のグラフで示している。尚、NC(□)については強度比=1なので、グラフには示していない。
【0069】
特に図12の(c)(d)に明らかなように、材齢28日では封緘養生および水中養生のいずれの場合もG20FA20の強度比がG40FA20に比べて顕著に高い。(c)封緘養生の場合は水結合材比によらずNCよりも高い強度が得られており、(d)水中養生の場合でもB/W≧3であればNCよりも高い強度が得られている。フライアッシュ・コンクリートの早期強度がこのように高くなるのは前代未聞であり、素晴らしい効果があると言える。
【0070】
子細に見ればG20FA20の強度比は全体としてはB/W≧3、即ち練混ぜ水が少なめのときに高くなっているが、B/W=3〜5にかけては水量の減少に連れて僅かに強度比が低下しており、B/W=3くらいで特に高くなっているように見える。一方、G40FA20の強度比はB/W=3〜5においても水量の減少に連れて高くなっている。このことは、廃瓦からの吸水量を決定する置換率には、練混ぜ水量との兼ね合いで水結合材比に対し適切な範囲が在ることを示唆するものと言える。
【0071】
すなわち、上述したように、内部養生によってフライアッシュ・コンクリートの強度発現を促す、という本発明の効果は、コンクリート中の水分量によって変化するものであり、廃瓦の置換率には練混ぜ水量や養生条件との兼ね合いで好ましい範囲があるものと考えられる。実施例1、2を比較すれば、置換率は10〜40%の範囲内でも特に20〜30%くらいが好ましく、この置換率に対応して混練時の水結合材比は、B/W=3〜5くらいが好ましいと考えられる。
【0072】
同様の傾向は図11の材齢7日のグラフにも現れており、全体として材齢28日よりも強度が低いことは勿論であるが、(c)封緘養生のG20FA20(▲)では、B/W≧3においてNCを完全に凌ぐ強度が得られ、(d)水中養生でもNCに匹敵する。つまり、材齢7日においてもG20FA20は、G40FA20に比べて高い強度比が得られている。また、材齢7日のG20FA20では、B/W=3〜5において水量の減少に連れて強度比の高まる傾向が見られる。
【0073】
図13は、最も効果の低いB/W=2の場合について、フライアッシュの置換割合を10%に低下させることによって強度の向上を図った結果である。同図においてはグラフの横軸に材齢をとって、時間の経過に伴うフライアッシュ・コンクリートの強度発現を示している。図示のように、封緘養生したG20FA10(△)の圧縮強度は、7〜28日に亘ってG20FA20(▲)を上回っており、これは、フライアッシュの混入量が少なくなる分、セメントの量が多くなることに依ると考えられる。
【0074】
そして、図の例ではG20FA10の圧縮強度は、練混ぜ水の多い状態(B/W=2)にも拘わらず材齢7日でNC(□)に肉薄し、材齢20日以降においてはNCを上回っている。このことを前記図11、12のデータと併せて考えれば、例えばB/W=3〜5とした場合のG20FA10の強度は極めて高くなり、NCを大幅に上回ることが期待される。
【0075】
図14は、養生条件の差異による強度発現の変化を調べたもので、同図(a)は、図13の供試体(G20FA10、B/W=2)について、前記した封緘養生(●:図13の△に相当)の他に、3日気中(△)及び7日気中(▲)の各養生条件における強度発現の様子を示している。尚、3日気中、7日気中というのは、それぞれ、3日、7日間型枠内で封緘養生した後に室内に暴露したものである。また、同図には比較のためにNCの封緘養生についても示している(□)。
【0076】
同図によれば、G20FA10は、材齢7日までは養生条件によらず略同じ強度が得られ、それ以降材齢28日までは3日気中養生の強度はやや低下するものの、それでもNC以上であることが分かる。また、7日気中や封緘養生ではより高い強度が得られている。さらに、材齢91日まで見ると、7日気中や封緘養生でNC以上の強度が得られている。
【0077】
同様の傾向は、同図(b)(c)のG20FA20、B/W=3.3、5についても見られるが、特に図(c)のB/W=5の場合は、養生条件によらずG20FA20の強度発現が早く、材齢7日の時点で既にNCを大きく上回っている。また、このグラフのみ材齢28日までの結果しか示していないが、この材齢までで言えば、B/W=5の場合は養生条件による差異が小さいことも分かる。これは、相対的に練混ぜ水が少ない場合は養生条件に依らず水が不足気味であり、廃瓦による内部養生効果が高いことから、養生条件による差が現れ難いことによると考えられる。
【0078】
2)細孔径分布試験
図15〜17は、実施例1の図7〜9に相当する細孔径分布試験の結果を示し、それらの図からG40NCのグラフ(■)を消して、代わりにG20FA20のグラフ(▲)を追加したものである。B/W=3.3(図16)、B/W=5(図17)の双方において、G20FA20では比較的大きな細孔が減少し、コンクリートが緻密化していることが分かる。特にB/W=5では材齢7日から既に緻密化の傾向が見られ、このことが前記した早期強度の発現に寄与していると考えられる。
【0079】
3)自己収縮量試験
図18は、収縮歪みの様子を示す実施例1の図10からG40NCのグラフ(■)を消して、代わりにG20FA20のグラフ(▲)を追加したものである。尚、横軸は対数目盛ではなく常用目盛としている。図(b)のB/W=3.3の場合は、G20FA20もG40FA20と同様に内部養生による自己収縮の抑制効果を示す。また、G20FA20は初期の膨張も殆どない。一方、図(a)のB/W=5の場合はやや大きめの膨張傾向が見られる。
【0080】
以上の試験結果から実施例2のフライアッシュ・コンクリート(G20FA20)によれば、実施例1のもの(G40FA20)に比べてもより高い圧縮強度が、より早期に発現しており、内部養生によってコンクリートの強度発現を促進する効果は、混練時の水結合材比や養生条件によって変化するものの、おおよそ20〜30%とするのが好ましいと考えられる。
【0081】
また、細孔径分布や自己収縮のデータからは、G20FA20がG40FA20に比べて廃瓦の置換率が低いにも拘わらず、コンクリートが十分に緻密化し、自己収縮も十分に抑制されることが分かった。
【0082】
(他の実施形態)
尚、本発明に係るフライアッシュ・コンクリートの配合は、上述した実施形態のものに限定されない。例えば廃瓦による骨材の置換率は総容積のうち少なくとも10%以上であればよく、養生条件や練混ぜ水の分量にもよるが15〜35%が好ましいと考えられる。また、フライアッシュの置換率は30%以下であればよく、10〜20%くらいが好ましい。フライアッシュセメントを使用する場合は、これに含まれるものと合わせて前記の置換率となるようにすればよい。
【0083】
人工骨材としては、前記実施形態のような廃瓦に限らず、瓦用粘土や陶磁器用粘土(陶土)を造粒して焼成した専用の人工骨材を用いることもできる。粘土は、1000〜1200℃くらいまでの高温焼成に耐えるものであればよい。
【0084】
そうして焼成した人工骨材は、破砕した廃瓦のような不揃いな形状でなく、フレッシュコンクリートの流動性向上に寄与するとともに、複数サイズの人工骨材を粒度調整してコンクリート中に行き渡らせるようにすれば、内部養生効果がより万遍なく得られるようになって、コンクリートの強度向上及びその収縮軽減の双方に有利なものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、所謂フライアッシュ・コンクリートの強度発現を早めて、その施工性を向上することができるもので、廃瓦を利用可能であることから低コストでもあり、産業上の利用性は高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも水、セメント及び骨材を混練してなるコンクリートであって、
混和材としてフライアッシュを含み、
前記骨材には、廃瓦を破砕してなる人工骨材が含まれており、
前記人工骨材は、予め水中に浸漬させて、湿潤状態としたものである、ことを特徴とするフライアッシュ・コンクリート。
【請求項2】
少なくとも水、セメント及び骨材を混練してなるコンクリートであって、
混和材としてフライアッシュを含み、
前記骨材には、瓦用ないし陶磁器用の粘土を練り上げた後に所定寸法になるように造粒し、約950〜1150℃の温度で焼成してなる人工骨材が含まれており、
前記人工骨材は、予め水中に浸漬させて、表乾状態又は湿潤状態としたものである、ことを特徴とするフライアッシュ・コンクリート。
【請求項3】
前記人工骨材は、予め3日間以上水中に浸漬させてなるものである、請求項1又は2のいずれかに記載のフライアッシュ・コンクリート。
【請求項4】
前記人工骨材の吸水率が8%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のフライアッシュ・コンクリート。
【請求項5】
少なくとも水、セメント及び骨材を混練してなるコンクリートの製造方法であって、
前記コンクリートに、混和材としてフライアッシュを含み、
前記骨材には、廃瓦を破砕してなる人工骨材が含まれており、
前記人工骨材を、予め水中に浸漬させて、湿潤状態とし、
少なくとも前記水、前記セメント、前記骨材及び前記フライアッシュを混練することを特徴とするフライアッシュ・コンクリートの製造方法。
【請求項6】
少なくとも水、セメント及び骨材を混練してなるコンクリートの製造方法であって、
前記コンクリートに、混和材としてフライアッシュを含み、
前記骨材には、瓦用ないし陶磁器用の粘土を練り上げた後に所定寸法になるように造粒し、約950〜1150℃の温度で焼成してなる人工骨材が含まれており、
前記人工骨材を、予め水中に浸漬させて、表乾状態又は湿潤状態とし、
少なくとも前記水、前記セメント、前記骨材及び前記フライアッシュを混練することを特徴とするフライアッシュ・コンクリートの製造方法。
【請求項7】
少なくとも水、セメント及び骨材を混練してなるコンクリートの製造方法であって、
前記コンクリートに、混和材としてフライアッシュを含み、
前記骨材には、廃瓦を破砕してなる人工骨材が含まれており、
前記人工骨材を、予め水中に含水率が安定するまで浸漬させ、
少なくとも前記水、前記セメント、前記骨材及び前記フライアッシュを混練することを特徴とするフライアッシュ・コンクリートの製造方法。
【請求項8】
少なくとも水、セメント及び骨材を混練してなるコンクリートの製造方法であって、
前記コンクリートに、混和材としてフライアッシュを含み、
前記骨材には、瓦用ないし陶磁器用の粘土を練り上げた後に所定寸法になるように造粒し、約950〜1150℃の温度で焼成してなる人工骨材が含まれており、
前記人工骨材を、予め水中に含水率が安定するまで浸漬させ、
少なくとも前記水、前記セメント、前記骨材及び前記フライアッシュを混練することを特徴とするフライアッシュ・コンクリートの製造方法。
【請求項9】
前記人工骨材を、予め3日間以上水中に浸漬させる、請求項5〜8のいずれかに記載のフライアッシュ・コンクリートの製造方法。
【請求項10】
前記人工骨材の吸水率が8%以上である、請求項5〜9のいずれかに記載のフライアッシュ・コンクリートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−87048(P2012−87048A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−287550(P2011−287550)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【分割の表示】特願2009−105515(P2009−105515)の分割
【原出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(594127330)中国高圧コンクリート工業株式会社 (37)
【出願人】(504002193)株式会社エネルギア・エコ・マテリア (24)
【Fターム(参考)】