説明

フラットケーブル用のクランプ

【課題】フラットケーブルに位置ずれを発生させることなく取り付けられるクランプを提供する。
【解決手段】偏平な導体を絶縁樹脂層で被覆しているフラットケーブルに取り付ける樹脂成形品からなるクランプであって、フラットケーブルの長さ方向に延在する長方形状の平板からなる本体11と、該本体の長さ方向の両端側に幅方向両側から下向きに突設する側板12A〜13Bと、該両側の側板の下端から互いに近接する内方へ突出させた幅方向の一対の保持爪15A〜16Bと、前記本体の長さ方向の中央上面から突設した車体係止部18を備え、前記フラットケーブルは前記本体の下面に沿わせて、長さ方向の両端側で前記本体と両側の側板に囲まれた下面開口の断面凹形状の空間に通すと共に、前記保持爪でフラットケーブルの下面を支持し、前記本体の車体係止部を挟む両側位置で且つ前記側板を設けていない位置で、本体外面から前記空間の開口に露出するフラットケーブルの外面にかけて粘着テープを巻き付け、該本体と前記フラットケーブルとを固着している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフラットケーブル用のクランプに関し、詳しくは、自動車に配索するフラットケーブルに取り付けて、車体パネルに固定するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車に配線するフラットケーブルは、銅箔からなる導体あるいは丸電線を複数本間隔をあけて配列し、その両面を薄い可撓性を有する樹脂シートからなる被覆材で被覆した構成のものが用いられている。
通常、ケーブルを車体等に固定するクランプとして、特開平11−205962号公報に開示している図9に示す長方形状の基板121に車体係止部122を突設した基板型クランプ120が汎用されており、ケーブルを基板121にテープ巻き固着している。
しかしながら、フラットケーブルは全体が比較的薄いフラット状で可撓性を有するため、フラットケーブルの幅が基板121の幅より小さいとフラットケーブルが基板121上で移動してしっかりと固定できない一方、フラットケーブルの幅が基板の幅より大きいと、フラットケーブルの幅方向の両端が屈曲して巻き付けられ、フラットケーブルに損傷が発生する恐れがある。
よって、フラットケーブルを車体パネルに固定するクランプは、フラットケーブルを両側面から挟持する一対の剛性を有する挟持部材を備え、挟持部材の一方の外面に車体係止部を突設した形状としている場合が多い。該クランプでは一対の挟持部材を開いてフラットケーブルを挟んだ後に挟持部材同士を結合している場合が多い。
【0003】
また、実開平5−73384号(特許文献2)で提案された図10に示すクランプ100では、平板状の本体101と上蓋部102とからなり、上蓋部102の内面から一対の「く字状」の弾性材103を突設している。本体101と上蓋部102との間にフラットケーブル104を挿入し、フラットケーブル104を弾性材103で本体101側に押圧保持し、この状態で、本体101と上蓋部102とにそれぞれ設けた係合部101aと102aとを係合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−205962号公報
【特許文献2】実開平5−73384号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記図9に示す一対の挟持部材を備えたクランプでは、挟持部材をフラットケーブルの幅に対応させる必要があると共に、該挟持部材にフラットケーブルを移動できないように押圧部が必要となり、構成が複雑でコスト高になる問題がある。
【0006】
前記した従来の薄く可撓性があるフラットケーブルに対して、本出願人は特願2008−271823号および特願2008−310789号で、図1(A)(B)に示す複数の素線2の集合体3を並列状態で相互に接触させた偏平な導体4を、従来の樹脂シートからなる被覆材と比較して硬度を有する絶縁樹脂被覆層5で被覆したフラットケーブル1を提供している。図1(A)は偏平な導体4が1つの場合、図1(B)は偏平な導体4が複数並列した状態で絶縁樹脂被覆層5で被覆している場合である。
【0007】
比較的剛性がある前記フラットケーブル1に対して、図11に示すように、基板型のクランプを粘着テープで巻きで取り付ける場合、該フラットケーブル1は剛性を有するため、テープの巻き付けでフラットケーブルが屈曲することは無い。しかしながら、クランプの基板121の幅とフラットケーブル1の幅が一致していないと、フラットケーブルを基板に粘着テープTでテープ巻き固着しても保持力が弱い。そのため、基板121に突設した車体係止部122を車体の係止孔に挿入係止した状態で、フラットケーブル1が基板121に対して位置ずれし、該位置ずれによりフラットケーブル1が他部材と干渉し、フラットケーブルに損傷が発生する恐れがある。
【0008】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、フラットケーブル用のクランプをテープ巻き固着する基板型のクランプとしても、フラットケーブルと基板との位置ずれの発生を抑制・防止できるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は、偏平な導体を絶縁樹脂層で被覆しているフラットケーブルに取り付ける樹脂成形品からなるクランプであって、
前記フラットケーブルの長さ方向に延在する長方形状の平板からなる本体と、該本体の長さ方向の両端側に幅方向両側から下向きに突設する側板と、該両側の側板の下端から互いに近接する内方へ突出させた幅方向の一対の保持爪と、前記本体の長さ方向の中央上面から突設した車体係止部を備え、
前記フラットケーブルは前記本体の下面に沿わせて、長さ方向の両端側で前記本体と両側の側板に囲まれた下面開口の断面凹形状の空間に通すと共に、前記保持爪でフラットケーブルの下面を支持し、
前記本体の車体係止部を挟む両側位置で且つ前記側板を設けていない位置で、本体外面から前記空間の開口に露出するフラットケーブルの外面にかけて粘着テープを巻き付け、該本体と前記フラットケーブルとを固着していることを特徴とするフラットケーブル用のクランプを提供している。
【0010】
前記のように、クランプの本体の長さ方向の両端側に幅方向両側の側板を設け、この本体と側板に囲まれた断面凹形状の空間にフラットケーブルを通すことで、フラットケーブルの幅方向への位置ずれが防止できる。また、側板の下端に保持爪を設けているため、フラットケーブルを下支えでき、本体とフラットケーブルとの粘着テープにより固着力を高めることができる。このように、フラットケーブルの幅方向への位置ずれを防止すると共に、フラットケーブルを保持爪で下支えすることで、フラットケーブルに対するクランプの総合的な保持力を高めることができる。
【0011】
前記本体と側板とで形成する断面凹形状の空間はフラットケーブルの幅と厚さに対応させていることが好ましいが、幅及び厚さが、それぞれ1.0mm〜4.0mm程度相違するフラットケーブルにも共用で用いられるようにすると、クランプの部品点数を減少することができる。
即ち、本体の幅は、共用のクランプを用いるフラットケーブルの最大幅に合わせておくと、クランプを共用化できる。その場合も、本体とフラットケーブルとは側板の無い位置の2カ所で粘着テープを巻き付けているため、粘着テープの固着力で本体に保持され、かつ、位置ずれが生じても、両側の側板で大きな位置ずれを防止できるため、車体への取付状態で他部材と干渉することは防止できる。
また、側板の保持爪は最小厚さのフラットケーブルの下面を保持できる寸法としておくと、厚さが大のフラットケーブルでは保持爪を撓ませてフラットケーブルを下支えすることができる。
【0012】
前記本体の長さ方向の中央の前記車体係止突起を設ける部分は幅広部とし、該幅広部と前記側板の突出部の間に巻き付ける粘着テープの長さ方向の位置ずれを規制していることが好ましい。
【0013】
さらに、前記側板の先端から突出する前記保持爪は、前記フラットケーブルの下面との接触側面に突出量を相違させた段差面を設け、前記フラットケーブルの厚さが可変しても前記段差面のいずれかと接触して保持される設定としていることが好ましい。
具体的には、上面側から段階的に突出する段差面を設けておくと、厚さが薄いフラットケーブルの下面を最上段面と接触させて保持できる。厚さが大となるフラットケーブルでは、上段側の段差面を潰した状態あるいは外側へ押圧した状態で下段の段差面と接触させて保持できる。
【0014】
前記クランプの本体部の中央部から突設する前記車体係止部は、本体部から突出する軸部の先端から一対の羽根部を折り返し状に突出させ、各羽根部の先端に車体パネルに設けた係止孔の周縁に係止する係止段部を設けた形状としている。
【0015】
本発明のクランプを取り付ける前記フラットケーブルは、偏平な導体を被覆する絶縁樹脂被覆層が比較的硬度を有するものとしている。該フラットケーブルとして前記図1に示すフラットケーブルを用いることが好ましい。該フラットケーブルは直径0.95〜0.60mmの銅系線材からなる素線を撚線した集合体を互いに接触するように並列して1つの偏平な導体としている。幅方向寸法が10〜15.0mm、厚さ寸法が3.0〜5.0mm程度である。該フラットケーブルは直径0.95〜0.60mmの銅系線材からなる素線の集合体を互いに接触するように並列して1つの偏平な導体としている。該偏平な導体を被覆する絶縁樹脂被覆層は前記導体に対して押出成形で被覆している。
なお、前記偏平な導体を間隔をあけて複数本並列に配置し、前記絶縁樹脂被覆層で被覆してもよく、その場合、フラットケーブルの幅は広くなる。
【0016】
また、本発明のクランプを取り付けるフラットケーブルは、図1のフラットケーブルに限定されず、偏平な金属材で導体を設け、該導体を押出成形する硬度を有する絶縁樹脂被覆層で被覆したフラットケーブルにも好適に用いられる。
【0017】
本発明のクランプはフラットケーブルに対して一対一で取り付けてもよいし、複数のフラットケーブルを積層し、該積層体の厚さに対応した寸法の側板を設け、本体に積層したフラットケーブルを粘着テープを巻き付けて固着してもよい。
【発明の効果】
【0018】
前述したように、本発明のフラットケーブル用のクランプは、本体部の長さ方向の両端側に幅方向両側に側板を設けているためフラットケーブルの位置ずれを抑制・防止できる。かつ、側板の先端に保持爪を設けているため、フラットケーブルの下面を下支えすることができる。よって、本体の車体係止部を挟む両側でフラットケーブルを本体と粘着テープを巻き付けて固着した状態であっても、フラットケーブルに対するクランプの保持力を強くでき、フラットケーブルが位置ずれして他部材と干渉するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(A)(B)は本発明で用いるフラットケーブルを示す図面である。
【図2】本発明の第一実施形態のクランプを示し、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は側面図である。
【図3】(A)はフラットケーブルを取り付けた状態を示す斜視図、(B)は側面図である。
【図4】(A)(B)は厚さの異なるフラットケーブルを取り付けた状態を示す側面図である。
【図5】第二実施形態の変形例を示す平面図である。
【図6】第三実施形態のクランプの側面図である。
【図7】(A)(B)はフラットケーブルを取り付けた状態を示す側面図である。
【図8】第四実施形態のクランプの側面図である。
【図9】従来例を示す図面である。
【図10】他の従来例を示す図面である。
【図11】従来の問題点を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明のクランプの実施形態を図面を参照して説明する。
実施形態のクランプを取り付けるフラットケーブル1は前記図1(A)に示すフラットケーブルである。該フラットケーブル1は素線2の集合体3を並列状態で相互に接触させた偏平な導体4を、絶縁樹脂被覆層5で被覆している。
【0021】
図2乃至図4に第一実施形態のクランプ10を示す。
クランプ10は樹脂成形品からなり、図2に示すように、一定厚さtで、長さ方向Lに延在する長方形の本体11と、本体11の長さ方向の両端側に幅方向の両側から下向きに突出する側板12A・12B、13A・13Bを備え、本体11の長さ方向の両端側に本体11と側板12A・12Bに囲まれた下面開口の断面凹形状の挿通空間C1と、本体11と側板13A・13Bに囲まれた下面開口の断面凹形状の挿通空間C2を設けている。
【0022】
前記挿通空間C1、C2の幅Wは、本クランプ10を共用で用いるフラットケーブル1の最大幅を有するものと対応させ、最大幅を有するフラットケーブルの幅方向両側面が側板12Aと12B、13Aと13Bに当接する寸法としている。
【0023】
前記側板12Aと12Bの先端には互いに近接方向で且つ前記空間C1に向けて突出する対称形状の保持爪15Aと15Bを設けている。同様に、側板13Aと13Bの先端には互いに近接方向でかつ前記空間C2に向けて突出する対称形状の保持爪16Aと16Bを設けている。前記保持爪15A〜16Bの突出端面15A1〜16B1は平面状としている。
【0024】
前記保持爪15A〜16Bの突出端面15A1〜16B1は、本クランプ10を共用で用いるフラットケーブル1の最小厚さを有するものと対応させ、最小厚さを有するフラットケーブルの下面に突出端面15A1〜16B1が接触する寸法としている。該最小厚さより厚さが大のフラットケーブル1を挿通させる場合は、保持爪15A〜16Bが下方へ撓んでフラットケーブル1の下面に圧接するようにしている。
【0025】
前記本体11の長さ方向の中央上面に車体係止部18を突設している。該車体係止部18と前記側板12A〜13Bを設けた長さ方向の両端側の間の領域を粘着テープ7A、7Bの巻付領域S1、S2としている。
【0026】
前記車体係止部18は、軸部18aを本体11から突設し、該軸部18aの先端から両側へ折り返し状の羽根部18bを設け、該羽根部18bの先端に係止段部18cを設けている。また、軸部18aの基端回りに車体パネル(図示せず)に当接させる皿部18dを設けている。
【0027】
前記クランプ10に対するフラットケーブル1の固定について説明する。
フラットケーブル1はクランプ10の本体11の下面に長さ方向に沿って配置し、フラットケーブル1の幅方向の中心線を本体11の幅方向の中心線にあわせる。この状態でクランプ10の長さ方向の両端側で前記空間C1、C2に通す。該空間C1、C2に通すフラットケーブル1の下面の幅方向の両側を前記保持爪15Aと15B、16Aと16Bでそれぞれ保持する。
このように、保持爪15A〜16Bでフラットケーブル1を仮保持した状態で、前記巻付領域S1、S2において、粘着テープ7A、7Bをそれぞれ本体11の上面側からはフラットケーブル1の下面側へと巻き付けて、フラットケーブル1をクランプ10に粘着し、図3(A)(B)に示すように、クランプ10にフラットケーブル1を取り付ける。
【0028】
図4(A)に示すように、フラットケーブル1の幅が最小で且つ厚さが最小である場合、フラットケーブル1の下面は保持爪15Aと15B、16Aと16Bと接触して下支えされる。よって、フラットケーブル1が空間C1、C2内で本体11と平行に水平保持され、空間C1、C2内で傾くことは防止できる。
一方、フラットケーブルの幅は前記空間C1、C2の幅よりも小さくなるが、該フラットケーブル1の幅方向の両側と側板12Aと12B、13Aと13Bの対向面との間に発生する隙間は1.0mm〜2.0mm程度である。かつ、車体係止部18を挟む前記巻付領域S1、S2でフラットケーブル1はクランプ10の本体11に粘着テープ7A、7Bにより粘着保持されているため、一方側に位置ずれをすることは防止できる。その結果、車体係止部18を車体に係止した状態で、周辺部材と干渉する程にフラットケーブル1が位置ずれすることはなく、フラットケーブルの損傷発生を防止できる。
【0029】
図4(B)に示すように、フラットケーブル1の厚さが大である場合、保持爪15A〜16Bはフラットケーブル1に押圧されて突出端面15A1〜16B1が下降する方向に撓み、フラットケーブル1の下面に突出端面15A1〜16B1が圧接し、フラットケーブル1を下支える。
【0030】
図5に第二実施形態を示す。
第二実施形態では、本体11の中央部に幅広部分11aを設け、該幅広部分11aに車体係止部18を突設している。また、長さ方向両端側の側板12A〜13Bの厚み分を本体11の幅より広げ、テープの巻付領域S1、S2は幅広部分11aと長さ方向の両側側の側板12Aと12Bの間の本体11に幅の狭い部分11b、11cを設けている。この幅の狭い部分11b、11cを粘着テープの巻付領域S1、S2としている。
これにより、巻付領域S1とS2に巻き付ける粘着テープ7A、7Bが本体11の長さ方向に位置ずれしないようにしている。
他の構成および作用は第一実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0031】
図6および図7に第三実施形態を示す。
第三実施形態では、側板12A〜13Bに設ける保持爪15A〜16Bには、フラットケーブル1の下面と接触させる面に突出量を相違させた3段の段差面15As1〜15As3〜16Bs1〜16Bs3を設け、下段にいくに従って、突出量を増大している。
他の構成は第一実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0032】
前記のように保持爪15A〜16Bに段差面を設けておくと、図7(A)に示すように、フラットケーブル1の厚さが薄いと、最上段の段差面15As1〜16Bs1の上面に当接する。
また、図7(B)に示すように、フラットケーブル1の厚さが大であると、上段の段差面15As1、15As2〜16Bs1、16Bs2を側板12A〜13Bへと撓ませ又は押し潰した状態で、最下段の段差面15As3〜16Bs3にフラットケーブル1の下面が当接する。
これにより、厚さの相違するフラットケーブル1の下面を保持爪15A〜16Bに圧接させてフラットケーブル1を下支えすることができる。
【0033】
図8に第四実施形態を示す。
第四実施形態では、側板12A〜13Bの突出量を2本のフラットケーブル1Uと1Dとを積層した状態で空間C1、C2に通すことができる寸法としている。
よって、側板12A〜13Bに設ける保持爪15A〜16Bは積層した下側のフラットケーブル1Dの下面に当接して保持する。また、本体11の巻付領域では、積層したフラットケーブル1Uと1Dとは本体11とに粘着テープ7A、7Bを巻き付けている。
【0034】
このように、側板12A〜13Bの突出長さを変えるだけで、所要枚数のフラットケーブル1を1つのクランプ10に位置ずれさせずに取り付けることができる。
なお、本第四実施形態においても、前記第二実施形態と同様に本体11の長さ方向の中央に幅広部分を設けると、巻き付ける粘着テープ7A、7Bの巻き付け位置を規制することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 フラットケーブル
7A、7B 粘着テープ
10 クランプ
11 本体
12A、12B、13A、13B 側板
15A、15B、16A、16B 保持爪
18 車体係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏平な導体を絶縁樹脂層で被覆しているフラットケーブルに取り付ける樹脂成形品からなるクランプであって、
前記フラットケーブルの長さ方向に延在する長方形状の平板からなる本体と、該本体の長さ方向の両端側に幅方向両側から下向きに突設する側板と、該両側の側板の下端から互いに近接する内方へ突出させた幅方向の一対の保持爪と、前記本体の長さ方向の中央上面から突設した車体係止部を備え、
前記フラットケーブルは前記本体の下面に沿わせて、長さ方向の両端側で前記本体と両側の側板に囲まれた下面開口の断面凹形状の空間に通すと共に、前記保持爪でフラットケーブルの下面を支持し、
前記本体の車体係止部を挟む両側位置で且つ前記側板を設けていない位置で、本体外面から前記空間の開口に露出するフラットケーブルの外面にかけて粘着テープを巻き付け、該本体と前記フラットケーブルとを固着していることを特徴とするフラットケーブル用のクランプ。
【請求項2】
前記本体の長さ方向の中央の前記車体係止突起を設ける部分は幅広部とし、該幅広部と前記側板の突出部の間に巻き付ける粘着テープの長さ方向の位置ずれを規制している請求項1に記載のフラットケーブル用のクランプ。
【請求項3】
前記側板の先端から突出する前記保持爪は、前記フラットケーブルの下面との接触側面に突出量を相違させた段差面を設け、前記フラットケーブルの厚さが可変しても前記段差面のいずれかと接触して保持される設定としている請求項1または請求項2に記載のフラットケーブル用のクランプ。
【請求項4】
前記フラットケーブルは、前記偏平な導体を、押し出し成形した絶縁樹脂層で被覆し、幅方向寸法が10〜15.0mm、厚さ寸法が3.0〜5.0mmである請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のフラットケーブル用のクランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−24357(P2011−24357A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168154(P2009−168154)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】