説明

フラワーサポーター

【課題】当該フラワーサポータを構成する二つの部材を嵌合させた後の位置ズレを簡単な構成で防止することにより,組み立て作業効率を向上させることのできるフラワーサポータを提供すること。
【解決手段】本体部材20に,外周板部22が上方に折り曲げられたときに底板部21と略同一平面上において該底板部21の周縁部よりも外側に突出する突出部21cが形成されるように,底板部21の周縁部から外周板部22側に向けて形成された切り欠き21bを形成している。これにより,環状部材30の下方へのズレは,本体部材20の突出部21cによって防止される。なお,環状部材30の上方へのズレは,本体部材20及び環状部材30が共に上方に拡開状に形成されていることによって防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,葬儀等において果物や造花等の供物を載置,又は陳列する際に使用される飾り容器であるフラワーサポーターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に示されているように,フラワーサポーター(フラワーリング用スペアボックス)は,葬儀等で果物等の供物を載置,又は陳列する際に使用される飾り容器であり,生花や造花などの他の周辺要素と組合わせて供物を飾るものとして用いられている。葬儀等が終了した際,フラワーサポーターは,載置されていた供物と共に葬儀の弔問に訪れた人々に持ち帰ってもらう場合が多い。そのため,フラワーサポーターのコストはできるだけ安価であることが望ましく,如何に組み立て作業効率を上げて製造コストを抑制するかが課題となっている。
例えば,特許文献2には,一方の部材を他方の部材に嵌めるだけで簡単に組み立てることのできる紙箱が開示されている。ここに,図6は特許文献2の第3図を引用したものである。
図6に示すように,特許文献2に開示された紙箱は,下方から上方に向けて拡開するように形成された中空筒状の台紙1と,底板16及び舌片17を有する台紙15とを有している。台紙15は,舌片17が立ち上げられたときに台紙1と同様に下方から上方に向けて拡開するように形成される。
この紙箱は,筒状に形成された台紙1内に,上方から台紙15を嵌入することによって簡単に組み立てられる。そして,このようにして組み立てられた紙箱では,台紙1及び台紙15が,共に下方から上方に向けて拡開する形状であるため,台紙15が台紙1よりも下方に落下することが防止されている。
【特許文献1】特許第2967040号公報
【特許文献2】実公昭58−91512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら,特許文献2に開示された紙箱は,台紙15が台紙1に嵌入された後の台紙15の上方への移動が制限されておらず,台紙15が簡単に上方にずれるように構成されている。そのため,台紙15を台紙1に糊付けなどで接着する場合には,その台紙1と台紙15とが接着するまでの間に,台紙15が上方にずれるという問題が生じる。特に,特許文献2に開示された紙箱のように,台紙15が,底板16から折り曲げられた舌片17を有している場合には,その舌片17が折り曲げた状態から戻ろうとする力によって台紙15が上方にずれやすい。
そのため,特許文献2に開示された紙箱を組み立てる際には,台紙1と台紙15とが接着するまでの間,作業者がそれらを押さえておくことや,テープやクリップなどの他の部材を用いてそれらを仮止めしておくこと等が必要になり,組み立て作業効率が悪いという問題がある。
また,台紙1と台紙15とで構成された紙箱内に,例えば果物等の供物を載置したときに,その供物が台紙15の舌片17に接触して,該舌片17に対して外側方向の荷重が作用することがあり,この場合には,台紙15の舌片17と台紙1との間に,該台紙1が下方にずれる方向に力が作用するため,台紙1と台紙15との接合がはずれやすいという問題もある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,当該フラワーサポーターを構成する二つの部材を嵌合させた後の位置ズレを簡単な構成で防止することにより,組み立て作業効率を向上させることのできるフラワーサポーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために,本発明は,第一の多角形状に形成された底板部と,該底板部の周縁部に接続され,該周縁部から上方に折り曲げられたときに該周縁部から上方に向けて拡開状を成す複数の外周板部とを有する本体部材と,
下底が,前記本体部材の底板部と略同一形状であって,上底が,前記底板部の周縁部から上方に折り曲げられた複数の前記外周板部の横断面で形成された少なくとも前記第一の多角形状よりも拡開された第二の多角形状と略同一形状に形成された内部空間を有する環状部材と,を備えてなるフラワーサポーターに適用されるものであって,
前記本体部材が,前記外周板部が上方に折り曲げられたときに前記底板部と略同一平面上において該底板部の周縁部よりも外側に突出する突出部が形成されるように,前記底板部の周縁部から前記外周板部側に向けて形成された切り欠きを有することを特徴とするフラワーサポーターとして構成される。
【0005】
本発明に係るフラワーサポーターでは,前記本体部材の底板部に形成された突出部が前記環状部材の下底よりも下方に位置するまで,前記本体部材を前記環状部材の内部空間に上方から嵌入させることによって,前記突出部が前記環状部材の下底に接触することになり,前記本体部材の上方への位置ズレ(即ち,前記環状部材の下方への位置ズレ)を防止することができる。なお,前記フラワーサポーターにおいても,前記本体部材及び前記環状部材が共に下方から上方に向けて拡開する形状であるため,前述したように,前記本体部材が前記環状部材よりも下方に落下することは防止される。
このように,本発明によれば,前記底板部の周縁部から前記外周板部側に向けて切り欠きを形成するという簡単な構造によって,前記底板部の周縁部から外側に向けて突出する前記突出部を形成し,前記本体部材及び前記環状部材の上下方向の位置ズレを防止することができる。したがって,前記本体部材及び前記環状部材を嵌合させた後,例えば糊付けによって接着して固定されるまでの間,従来のように作業者が押さえておくことや,他の部材を用いて仮止めしておくこと等の必要がないため,組み立て作業効率を向上させることができ,フラワーサポーターの製造コストを抑制することができる。
また,前記本体部材及び前記環状部材を嵌合させることにより構成された当該フラワーサポーターに例えば果物等の供物を載置したときに,その供物が前記本体部材の外周板部に接触して,該外周板部に対して外側方向の荷重が作用しても,前記環状部材の下方向のズレが前記突出部によって阻止されているため,前記本体部材と前記環状部材との接合がはずれにくいという効果も奏する。
さらに,場合によっては,糊付けなどによって環状部材及び本体部材を接着させることなく,嵌合させるだけでフラワーサポーターとして用いることも可能である。
【0006】
前記環状部材は,二以上の帯状部材を接続することによって形成されたものであることが考えられる。これにより,前記環状部材として切り出される型板のサイズを小さく出来,材料代を節約することができる。
さらに,前記帯状部材各々の両端部に,相互に係合する係合部が形成しておくことで,組み立て作業者は,二以上の前記帯状部材の組み立てを簡単に行うことができる。
ところで,前記本体部材の材料及び前記環状部材の材料は,板紙,ダンボール紙,プラスチックダンボール,板竹材,樹脂,合成樹脂,及び発泡樹脂のいずれか,或いはそれらの組み合わせであってよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば,前記底板部の周縁部から前記外周板部側に向けて切り欠きを形成するという簡単な構造によって,前記底板部の周縁部から外側に向けて突出する前記突出部を形成し,前記本体部材及び前記環状部材の上下方向の位置ズレを防止することができる。したがって,前記本体部材及び前記環状部材を嵌合させた後,例えば糊付けによって接着して固定されるまでの間,従来のように作業者が押さえておくことや,他の部材を用いて仮止めしておくこと等の必要がないため,組み立て作業効率を向上させることができ,フラワーサポーターの製造コストを抑制することができる。また,前記本体部材及び前記環状部材を嵌合させることにより構成された当該フラワーサポーターに例えば果物等の供物を載置したときに,その供物が前記本体部材の外周板部に接触して,該外周板部に対して外側方向の荷重が作用しても,前記環状部材の下方向のズレが前記突出部によって阻止されているため,前記本体部材と前記環状部材との接合がはずれにくいという効果も奏する。さらに,場合によっては,糊付けなどによって環状部材及び本体部材を接着させることなく,嵌合させるだけでフラワーサポーターとして用いることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係るフラワーサポーターXの分解斜視図,図2はフラワーサポーターXの本体部材20の展開図,図3はフラワーサポーターXの環状部材30を構成する帯状部材31の展開図,図4はフラワーサポーターXの本体部材20及び環状部材30を嵌合させた状態を示す斜視図である。
まず,図1を用いて,本発明の実施の形態に係るフラワーサポーターXの概要について説明する。
図1に示すように,フラワーサポーターXは,底板部21を有する本体部材20を,中空環状に形成された環状部材30に嵌入し,該本体部材20と該環状部材30とを糊付けして固定することによって簡単に形成することのできる略有底逆多角錐の皿状の容器である。
本体部材20は,14角形状(第一の多角形状の一例)の底板部21と,該底板部21の周縁部に接続された錐面であって,前記周縁部から上方に折り曲げられたときに該周縁部から上方に向けて拡開状を成す複数の外周板部22とを有して略構成されている。
環状部材30は,二つの帯状部材31が接続されることによって略構成されており,本体部材20の外周板部22と同様に,上方へ向けて拡開状に形成されている。ここで,環状部材30の内部空間の下底は,本体部材20の底板部21と略同一形状に形成されており,上底は,底板部21の周縁部から上方に折り曲げられた複数の外周板部22の上端部で形成された14角形状(第二の多角形状の一例)と略同一形状に形成されている。なお,環状部材30の内部空間の上底は,外周板部22の上端部ではなくても,該外周板部22の横断面で形成された少なくとも底板部21の14角形状よりも拡開された14角形状と略同一形状に形成されていればよい。これにより,本体部材20を環状部材30に嵌入した後の該本体部材20の下方へのずれ(即ち,環状部材30の上方へのずれ)は防止される。
更に,以下で説明するように,本発明に係るフラワーサポーターXでは,本体部材20が環状部材30に嵌入された後の該本体部材20の上方へのずれ(即ち,環状部材30の下方へのずれ)が防止される。
【0009】
図2の展開図に示すように,本体部材20は,14角形状の底板部21と,該底板部21の周縁部に折り目21a(ミシン目など)で連続するように接続された複数の外周板部22とを有している。外周板部22各々は,底板部21の周縁部の一辺である下底23と,該外周板部22の外周の一辺である上底24と,下底23及び上底24を結ぶ左右の等長の脚25とによって等脚台形に形成されている。
また,複数の外周板部22には,折り目21aの一部から外周板部22側に向けて略台形状を成す切り欠き21bを有する外周板部22aと,該切り欠き21bを有しない外周板部22bとが交互に含まれている。切り欠き21bは,外周板部22aが上方に折り曲げられたときに,底板部21と略同一平面上において該底板部21の周縁部よりも外側に突出する突出部21cを形成するためのものである。なお,切り欠き21bの形状は,略台形状に限られず,矩形状や円弧状であってもかまわない。
また,図2には,外周板部22a及び外周板部22bが交互に形成されている例を示しているが,これに限られず,外周板部22が全て外周板部22aであることや,外周板部22aがより少ない構成であることも他の実施例として考えられる。
【0010】
このように構成された本体部材20は,複数の外周板部22の脚25がそれぞれ接触するように,外周板部22が折り目21aで上方に向けて折り曲げられることにより,図1に示すように,底板部21の周縁部から上方へ拡開する略有底逆多角錐を形成する。
このとき,本体部材20では,前述したように外周板部22aに切り欠き21bが形成されているため,図1に示すように,その切り欠き21bに対応する略台形状の突出部21cが,底板部21から外側に向けて突出した状態で残ることになる。本発明の実施の形態に係るフラワーサポーターXでは,本体部材20に切り欠き21bを形成するという簡単な構成によって,後述するように本体部材20及び環状部材30の位置ズレが防止される。
【0011】
一方,環状部材30を構成する二つの帯状部材31各々は,図3に示すように,下底32及び上底33とそれらの左右を接続する脚34とによって形成された等脚台形状の複数の切片板部35が,該脚34で連続するように接続して構成された略円弧状の部材である。切片板部35各々は,本体部材20の外周板部22と略同一形状に形成されている。
また,図3に示すように,帯状部材31の長手方向の両端部には,二つの帯状部材31を互いに係合させるための雌雄の係合部31a,31bが形成されている。環状部材30は,二つの帯状部材31の切片板部35各々が脚34で折り曲げられると共に,該帯状部材31各々の係合部31a,31bが係合されることによって,一体に組み立てられる(図1参照)。このとき,図1に示すように,係合部31a,31bを係合させた状態で,その上から粘着テープ31cで固定することで,環状部材30の一体化は強固になる。
このように組み立てられた環状部材30では,図1に示すように,内部空間の下底を形成する複数の下底32が,本体部材20の底板部21と略同一形状の14角形を形成している。また,環状部材30の内部空間の上底を形成する複数の上底33は,本体部材20の外周板部22が上方に折り曲げられたときの該外周板部22の上底24(上端部)で形成された14角形と略同一形状に形成されている。
なお,ここでは,環状部材30が,二つの帯状部材31に分割されている構成について説明するが,該環状部材30は,一つの部材或いは三つ以上の部材によって構成されていてもかまわない。
【0012】
以上のように構成された本体部材20及び環状部材30が嵌合されることにより形成されたフラワーサポーターXが図4に示されている。
具体的に,本体部材20及び環状部材30を嵌合させてフラワーサポーターXを組み立てる際は,環状部材30の帯状部材31の下底32が,本体部材20に形成された突出部21cよりも上方に位置するまで,本体部材20を上方から環状部材30内に嵌入させ,該本体部材20及び該環状部材30を糊付けによって固定する。
ここで,本体部材20の外周板部22各々は,該本体部材20が環状部材30内に嵌入されることにより,底板部21と外周板部22とのなす角度が,環状部材30の切片板部35がなす角度と等しくなるように上方に折り曲げられる。なお,帯状部材31は,本体部材20が環状部材30に嵌入されたときに,本体部材20の外周板部22の上底24と帯状部材31の上底33とが一致するように,切片板部35の脚34の長さを,本体部材20の外周板部22の脚25の長さよりも突出部21cの分だけ短く形成しておくことが望ましい。もちろん,本体部材20の外周板部22の上底24と帯状部材31の上底33とが一致しなくてもかまわない。
【0013】
このようにして組み立てられたフラワーサポーターXでは,図4に示すように,本体部材20の外周に装着された環状部材30が,本体部材20の外周板部22aから外側に突出した突出部21cに接触することになるため,該環状部材30の下方への位置ズレ(本体部材20の上方への位置ズレ)が防止される。また,前述したように,本体部材20と環状部材30とが共に上方に向けて拡開状に形成されていることにより,本体部材20の下方への位置ズレ(環状部材30の上方への位置ズレ)は防止されている。即ち,フラワーサポーターXでは,本体部材20及び環状部材30が嵌合されると,該本体部材20の上方及び下方への移動(即ち,環状部材30の下方及び上方への移動)が共に制限される。
したがって,従来(例えば,特許文献2参照)のように,本体部材20及び環状部材30が糊付けなどで接着するまでの間,作業者がそれらを押さえておくことや,テープやクリップなどの他の部材で仮止めを行うこと等の必要がなくなるため,組み立て作業効率を向上させることができ,ひいてはフラワーサポーターXの製造コストを抑制することができる。また,本体部材20及び環状部材30を嵌合させることにより構成された当該フラワーサポーターXに例えば果物等の供物を載置したときに,その供物が本体部材20の外周板部22に接触して,該外周板部22に対して外側方向の荷重が作用しても,環状部材30の下方向のズレが突出部21cによって阻止されているため,本体部材20と環状部材30との接合がはずれにくいという効果も奏する。
また,フラワーサポーターXでは,本体部材20及び環状部材30の位置ズレを,該本体部材20の底板部21に面一に形成された突出部21cによって防止する構造であるため,該本体部材20の裏側に不要な空間が形成されず,積み重ねても嵩張らないという重要な効果を奏する。さらに,本体部材20の裏側に空間がないことは,果物などの供物を沢山載せても,型崩れせず,強靭であることを意味する。
【0014】
なお,本体部材20を環状部材30に嵌入させる際に,突出部21cが環状部材30の内面に接触することになるため,本体部材20又は環状部材30を,少なくとも組み立て時には多少の変形が可能となる材料で形成しておくことが望ましい。
例えば,本体部材20の材料や環状部材30の材料には,板紙やダンボール紙,プラスチックダンボール,板竹材,樹脂,合成樹脂,発泡樹脂などのいずれかの材料,或いはそれらの組み合わせを用いればよい。具体的には,本体部材20の材料にダンボール紙を用いて,環状部材30に樹脂を用いることが考えられる。
なお,本体部材20や環状部材30を樹脂で形成する場合には,加熱することによって軟化させた上で組み立てればよい。また,本体部材20に,剛性の高い材料を用いる場合には,加熱や水処理などを施すことや,肉厚を薄くすること等によって,外周板部22の立ち上げ加工時(折り曲げ)の破断を防止することが望ましい。
【0015】
また,本体部材20に果物等の供物などが載置されたときに,該本体部材20の下方向への移動を支持する環状部材30が長手方向に破断することのないように,該環状部材30には長手方向の強度が求められる。そのため,環状部材30の材料にダンボール紙を用いる場合には,該環状部材30を構成する帯状部材31の長手方向と,該ダンボール紙の内部に形成された空気溝の形成方向とができるだけ略平行となるように,即ち,帯状部材31の長手方向に空気溝が形成されるように,該帯状部材31をダンボール紙から切り出すことが望ましい。これにより,帯状部材31の長手方向とダンボール紙の空気溝の形成方向とが略垂直となる場合に比べて,破断強度を高めることができる。
なお,環状部材30に他の材料を用いる場合にも同様に,帯状部材31が長手方向に破断しにくくなるように,該帯状部材31の長手方向が,その材料における破断強度が高い方向となるように,帯状部材31を形成することが望ましい。例えば,木目がある材料では,その木目方向と帯状部材31の長手方向とが略平行となるように,プラスチック等の形成方向がある材料では,その形成方向と帯状部材31の長手方向とが略平行となるように,編み込み方向などがある材料では,その編み込み方向のうち破断強度が高い方向と帯状部材31の長手方向とが略平行となるように,帯状部材31を形成することが望ましい。
【実施例】
【0016】
ここに,図5は,本体部材20及び環状部材30の変形例である本体部材20´及び環状部材30´を示す展開図である。
図5(a)に示すように,本体部材20´では,外周板部22及び底板部21に亘って略円状の切り欠き26が形成されている。一方,図5(b)に示すように,帯状部材31´では,切片板部35各々の接続部(脚34)の下端に半円弧状の切り欠き36が形成されている。なお,切り欠き26や切り欠き36の形状は,矩形状など他の形状であってもかまわない。
このように構成された本体部材20´と,二つの帯状部材31´によって形成された環状部材30とを嵌合させる際には,本体部材20´に形成された突出部21cが帯状部材31´の切り欠き36に位置するように,本体部材20´をずらして環状部材30に嵌入させることにより,該突出部21cと環状部材30の内面との接触を避けることができる。
そして,本体部材20´を環状部材30に嵌入させた後,相対的に本体部材20´及び環状部材30がずれるように左右に回転させて,外周板部22と切片板部35とを合わせる。このとき,本体部材20´には,切り欠き26が形成されているため,本体部材20´及び環状部材30を簡単にずらして外周板部22と切片板部35とを合わせることが可能である。なお,切り欠き26が形成されていない本体部材20(図2参照)を用いる場合であっても,環状部材30´をずらすことができる程度の寸法差を設けておくことや,環状部材30´をずらすことができる程度の柔軟性を持たせておくことで,同様に外周板部22と切片板部35とをずらして合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係るフラワーサポーターの分解斜視図。
【図2】本発明の実施の形態に係るフラワーサポーターの本体部材の展開図。
【図3】本発明の実施の形態に係るフラワーサポーターの環状部材を構成する帯状部材の展開図。
【図4】本発明の実施の形態に係るフラワーサポーターの本体部材及び環状部材を嵌合させた状態を示す斜視図。
【図5】フラワーサポーターの本体部材及び環状部材の変形例を示す斜視図。
【図6】従来(特許文献2)のフラワーサポーターの分解斜視図。
【符号の説明】
【0018】
20…本体部材
21…底板部
21a…折り目
21b…切り欠き
21c…突出部
22…外周板部
23…下底
24…上底
25…脚
26…切り欠き
30…環状部材
31…帯状部材
31a,31b…係合部
32…下底
33…上底
34…脚
35…切片板部
36…切り欠き
X…フラワーサポーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の多角形状に形成された底板部と,該底板部の周縁部に接続され,該周縁部から上方に折り曲げられたときに該周縁部から上方に向けて拡開状を成す複数の外周板部とを有する本体部材と,
下底が,前記本体部材の底板部と略同一形状であって,上底が,前記底板部の周縁部から上方に折り曲げられた複数の前記外周板部の横断面で形成された少なくとも前記第一の多角形状よりも拡開された第二の多角形状と略同一形状に形成された内部空間を有する環状部材と,
を備えてなるフラワーサポーターであって,
前記本体部材が,前記外周板部が上方に折り曲げられたときに前記底板部と略同一平面上において該底板部の周縁部よりも外側に突出する突出部が形成されるように,前記底板部の周縁部から前記外周板部側に向けて形成された切り欠きを有することを特徴とするフラワーサポーター。
【請求項2】
前記環状部材が,二以上の帯状部材を接続することによって形成されたものである請求項1に記載のフラワーサポーター。
【請求項3】
前記帯状部材各々の両端部に,相互に係合する係合部が形成されてなる請求項2に記載のフラワーサポーター。
【請求項4】
前記本体部材の材料及び前記環状部材の材料が,板紙,ダンボール紙,プラスチックダンボール,板竹材,樹脂,合成樹脂,及び発泡樹脂のいずれか,或いはそれらの組み合わせである請求項1〜3のいずれかに記載のフラワーサポーター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−188350(P2008−188350A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−28242(P2007−28242)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【出願人】(593000753)信和株式会社 (2)
【Fターム(参考)】