フランジ付き紙容器用ブランクとフランジ付き紙容器および紙容器
【課題】側面板の側辺の折り部の容器本体上面位置の部分と第二側面板の側辺の折り部の容器本体上面位置の部分とを接合させるに際して、側面板の側辺の山折りした折り部の内面側や第二側面板の側辺の谷折りした折り部の外面側で盛り上がり部が形成されないようにし、第一集合点で微細な透孔が生じるのを防ぎ、その透孔から融けた内容物が容器外に漏れ出ないようにする。
【解決手段】側面板12の両側辺の折り位置に設けられた罫線20と第二側面板の両側辺の折り位置に設けられた罫線21との少なくとも一方は、容器本体上面位置側での部分において折り位置aに対して罫線の中心が位置ズレしている位置ズレ罫線を備えている。
【解決手段】側面板12の両側辺の折り位置に設けられた罫線20と第二側面板の両側辺の折り位置に設けられた罫線21との少なくとも一方は、容器本体上面位置側での部分において折り位置aに対して罫線の中心が位置ズレしている位置ズレ罫線を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍食品、粉末物等の包装に使用される紙容器のブランク、そのブランクから組み起こしたフランジ付き紙容器、そしてそのフランジ付き紙容器を用いた紙容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に開示されているような形状をした一枚のブランクから上面開口としたトレー状のフランジ付き紙容器があり、これに紙製の蓋板を被せてその蓋板周辺とフランジとをヒートシールすることで、冷凍食品等の包装用として使用されている。
【0003】
図13に示すようにフランジ付きの紙容器1を組み上げることのできるブランクは、方形の底面板11の相対向する二側辺にそれぞれ山折りする折り位置aを介して側面板12が連接され、前記側面板12の底面板11とは反対側となる外辺には、谷折りする折り位置aを介して縁片13が連接され、その縁片13の左右端(縁片の長さ方向に対向する端部)にはそれぞれ横方向(縁片の長さ方向)に延びる舌片131が設けられている。前記側面板12の左右側辺(側面板の幅方向に対向する辺)には、それぞれ山折りする折り位置aを介して逆三角形状の折り込み接合板121が連接され、前記折り込み接合板121の底面板11とは反対側となる外辺には、谷折りする折り位置aを介して接合縁片122が連接されていて、この接合縁片122は切り込みを介した状態で舌片131と同一平面を形成している(図14参照)。
【0004】
上記山折りする折り位置aと谷折りする折り位置は図面において一点鎖線として表わしている。山折りの折り位置aは紙容器を組み上げるときに容器外方向に向けて折り角が立つように凸に折曲される部分である。また、谷折りの折り位置aは前記山折りの折り方向とは逆方向に折り曲げる部分であり、ブランクでの容器内面側となる片面が折り角として立って凸となる折り曲げが行なわれる。そして、山折りの折り位置aと谷折りの折り位置aには共に、抜型で原紙からブランクを抜くと同時に押罫(刃)を当てて形成される罫線17を設けていて、従来から知られているようにブランクの容器外面側となる片面に押罫を当てるとともに受型の対応位置にも押罫受け溝部材を配置することにより設けられている。
【0005】
手持ちできる程度の大きさの紙容器を得るための本ブランクでは、山折りと谷折りとの折り位置aに設けられる罫線は、共にブランクの容器内面側となる片面に凸となる断面形状であり、押罫を当てて容器外面側となる片面で凹溝状となっている部分は0.1mm〜0.7mm程度の幅を有している。なお、図面にあっては、一点鎖線表示された折り位置aに対して、実際には細幅である罫線17がより明確に把握できるようにすべく太幅として表わしていて、前記山折り及び谷折りの折り位置aに重なる位置関係にして図示されている。そして、従来から罫線の中心と折り位置aとは同一の位置となるように罫線入れが行なわれている。
【0006】
接合縁片122と舌片131とを分ける切り込みの切り込み端は、側面板12の側辺の山折りの折り位置aと側面板12の外辺の谷折りの折り位置aとが集合してなる第一集合点A(折り込み接合板121の外辺の谷折りの折り位置aもこの第一集合点Aに集合するようにブランクに対して罫線入れされている)まで達しており、この切り込みによって、舌片131は、後述するように製函時に前記接合縁片122と折り込み接合板121とから分離する。
【0007】
また、底面板11の他の相対向する二側辺には、それぞれ山折りの折り位置aを介して第二側面板14が連接され、第二側面板14の底面板11とは反対側の外辺には、谷折りの折り位置aを介して第二縁片15が連接され、その第二縁片15の左右端(第二縁片の長手方向に対向する端部)には、それぞれ横方向(第二縁片の長手方向)に延びる第二舌片151が設けられている。前記第二側面板14の左右側辺(第二側面板の幅方向に対向する辺)には、それぞれ谷折りの折り位置aを介して逆三角形状の第二折り込み接合板141が連接されている。
【0008】
さらに底面板11の周方向で隣り合う側面板12と第二側面板14との間に位置する前記折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とについては、その折り込み接合板121の側面板12とは反対側の側辺と第二折り込み接合板141の第二側面板14とは反対側の側辺とが共有部分とされ、この部分を山折りの折り位置aとしており、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とがこの山折りの折り位置aを介して連接されている。即ち、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とが並び設けられていて、その間を山折りの折り位置aとしている。そして、上記第二舌片151が第二折り込み接合板141に近接している部分には、第二折り込み接合板141側に突出する小突起152が設けられていて、小突起152と第二折り込み接合板141とは切り込みを介して同一平面を形成するようにしている(図14参照)。
【0009】
小突起152と第二折り込み接合板141との間の切り込みは、後述するようにこの小突起152が、舌片131側の上記第一集合点A(上記舌片131の切り込み端が位置している箇所)に対応してこの第一集合点Aを覆うことができる形状とするために、第二側面板14の側辺の谷折りの折り位置aと第二側面板14の外辺の谷折りの折り位置aとが集合してなる第二集合点Bより底面板11側に寄っており、その切り込み端は、第二側面板14の側辺の前記谷折りの折り位置に設定されている罫線17に達している。
【0010】
上記ブランクからフランジ付き紙容器を得るには、底面板11の山折りの折り位置aを山折りして側面板12と第二側面板14とを折り起こしてブランク全体を略トレー状とするとともに、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とはこの折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間の山折りの折り位置aで山折りして重ね合わせて内面同士を相対させている。また、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とを重ね合わせる過程で、第二折り込み接合板141が第二側面板14の外面に相対するようにしてこの第二側面板14側に折り曲げて重ね合わせるようにしている(図17参照)。
【0011】
さらに、縁片13、第二縁片15、接合縁片122をそれぞれ谷折りして、前記重ね合わされた折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との第二側面板14への重ね合わせにより前記接合縁片122の上面と前記第二縁片15の下面とが相対するようになり、この接合縁片122の上面と前記第二縁片15の下面とが接着され、また側面板12と第二側面板14とを折り起こして相互の側辺同士を揃えるようにすることにより前記舌片131と第二舌片151とが近接してこの舌片131の上面と第二舌片151の下面とが相対し、この舌片131の上面と第二舌片151の下面とを接着させていて、このようにして上面が開口部とされたトレー状の紙容器が組み上げられている(図15、16参照)。図示したブランクを構成する包材はその両面がヒートシール性を備える熱可塑性樹脂層であって、前述した接着は製函時におけるヒートシールを伴なった圧着によるものである。
【0012】
製函された紙容器は、底面板11と四方の側面板12、第二側面板14とで上面を開口部とする上開きのテーパー形状とする収容部が形成され、開口部(容器本体上面位置となる)の周囲には、前記側面板12の外辺と第二側面板14の外辺から谷折りされた縁片13と第二縁片15とが位置して、縁片13の舌片131の上面に第二縁片15が位置して上述のように接着されることで前記縁片13と第二縁片15とが連続してなるフランジ16が形成されている。
【0013】
第二舌片151から突出する形状とした上記小突起152が設けられた目的は以下の理由によるものである。このブランクからなるフランジ付きの紙容器において、第一集合点Aに舌片131の切り込み下端が達していて、紙容器形態での第一集合点Aで微細な透孔が生じ易い構造となっている。一方、フランジ付きの紙容器は、冷凍食品を収容する用途、例えばアイスクリームなどの氷菓を充填して紙製の蓋板を被せ付けた商品の紙容器として使用されることが多い。そして、この紙容器については前記第一集合点Aから収容物が容器外に漏れ出る可能性を極力無くしたいとの要望がある。
【0014】
その点をより詳しく説明すれば、商品の製造メーカから出荷され小売店舗で陳列販売するまでの流通時には適切な温度の下で商品が保管され管理されており、充填された収容物は凍っていることからその収容物が溶け出る心配はない。しかしながら、一般消費者が店頭でこの商品を購入して自宅等で食するまでの間に、収容物の容器本体に接している部分が融けて液体となり、その液体が底面板側に溜まり易い。そして、液体が底に溜まっている紙容器の上下(天地)を逆さまにして持ち運びされることもあり、そのような場合、容器内で第一集合点の部分までに融けた液体が達することとなる。
【0015】
この第一集合点での微細な透孔の発生自体を抑えるため、第二側面板の側辺の谷折りしてなる折り部の上端側の部分、即ち、上記第二集合点Bの部分が適正に第一集合点Aの部分に重なるようになれば、この第一集合点Aで微細な透孔が通孔として形成されるのを防止できる。さらに、この第二集合点B側について前記第一集合点Aの部分に重なって覆うことのできる突起などを設けるようにすれば、第一集合点Aからの液体の漏れ出しを防止する上でより一層の効果が出てくる。そのため、第二集合点Bとなる部分に上記小突起152を設けて液体の漏れ出しを抑えることを目的としており、小突起152が、縁片13と側面板12との間の谷折り線の端部に跨るようにして、収容物を充填して蓋板を取り付けた後の第一集合点Aでの液体漏れ出し防止作用の向上を図るものであった。
【0016】
なお、ブランクに使用する材料は、一般的に紙箱用として使用されるコートボール、コートマニラ、アイボリーなどの板紙で良いが、収容物が冷凍食品等の水分を多く含むものの場合には、板紙の少なくとも内面にポリエチレン樹脂を溶融押出し法により塗布したポリエチレン加工紙が好ましく使用できる。トレーに組み立てた時、ポリエチレンが接合に有利であることを考慮すると、ブランクの両面にポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂が塗布されている加工紙を使用することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特許第3687396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ところで、製函機でフランジ付き紙容器が組み立てられる際、底面板11の周辺の側面板12と第二側面板14との折り起こしと、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との重ね合わせと、前記折り込み接合板121と第二折り込み接合板141の第二側面板14の外面側への折り曲げが行なわれる過程で、図17〜図19で示すように側面板12の側辺の山折りしてなる折り部18の内面側には、罫線17の凸部が山折りによって更に嵩高の断面形状となって容器内方側に向けて凸の盛り上がり部19が生じており、その盛り上がり部19は山折りされた前記折り部18での底面板側から容器本体上面の位置までに亘っている。
【0019】
そして、ブランクの形態で示すように側面板12の側辺の山折りの折り位置となる罫線17が、底面板11側から容器本体上面位置までにかけて同じ幅であり、その罫線17の容器内面側へ突出高さも底面板11側から容器本体上面位置までにかけて同じであることから、折り部18の内面側に形成される上記盛り上がり部19も、底面板11側から容器本体上面位置までにわたってほぼ一様の突出高さのある凸条の形態となっている(図18参照)。
【0020】
一方、ブランクが組み起こされる過程で、第二側面板14の側辺の谷折りしてなる折り部18は、側面板12の側辺の山折りしてなる折り部18の内面側に向けて入り込むように移動することになるが、しかしながら、前記第二側面板14の側辺の谷折りしてなる折り部18の容器本体上面位置側の部分が、上記盛り上がり部19の容器本体上面位置側での側縁に突き当たってしまう(図19)。そのため、側面板12の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分と、第二側面板14の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分とが離れた状態で製函され易くなっている(図17参照)。
【0021】
第二側面板14の側辺の折り部18の上記容器本体上面位置側の部分と盛り上がり部19の容器本体上面位置側の側縁との突き当りが生じないようにするには、盛り上がり部19となる罫線17の幅と突出高さを小さくすれば、側面板12の側辺の山折りするこの罫線17で山折りした際に折り部18の内面側で凸となる盛り上がり部19の突出高さは小さくなると考えられる。
【0022】
しかしながら、側面板12の側辺の山折りする罫線17全体の幅を小さくするとともに突出高さを低くしてしまうと、製函に際して側面板12の側辺の前記罫線17の底面板11側での山折り位置が定まり難くなって山折り自体が適正に行われず、強いては側面板12の側辺での折り部18全体が適正な折り曲げ形状に折り曲げられなくなる。
【0023】
このようなことから、第二側面板14の側辺の谷折りしてなる折り部18の容器本体上面位置側の部分が、盛り上がり部19の容器本体上面位置側での側縁に突き当たって、側面板12の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分と、第二側面板14の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分とが離れる可能性を持ったまま製函されているのが現状であった。そして、このように側面板12の側辺の折り部18の容器本体上面位置の部分と、第二側面板14の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分とが離れて製函されると、上記小突起152は上記第一集合点Aから離れて浮いた状態となる。
【0024】
上述したように、側面板12の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分(即ち、第一集合点Aの部分)に対して、第二側面板14の側辺の位置で谷折りしてなる折り部18の容器本体上面位置側の部分(第二集合点Bの部分)の当接が適正に行なわれないと、第一集合点Aの部分で微細な透孔の発生を抑止できない可能性が高い。加えて、上記小突起152が第一集合点Aの部分から浮いて離れた状態となってしまい、この小突起152がその役割を何ら果たさなくなるという不都合が発生していた。
【0025】
そこで本発明は上記事情に鑑み、側面板の側辺の折り部の容器本体上面位置の部分と第二側面板の側辺の折り部の容器本体上面位置の部分とを対応させるに際して、側面板の側辺の山折りした折り部の内面側にできる盛り上がり部が障害にならないようにすることを課題とし、上記第一集合点で微細な透孔が生じるのを防ぎ、その透孔から融けた内容物が容器外に漏れ出ないようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
(請求項1の発明)
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、方形の底面板の相対向する二側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して側面板が連接され、側面板の前記底面板とは反対側となる外辺に、谷折りする折り位置を介して縁片が連接され、前記縁片の左右端に、それぞれ横方向に延びる舌片が設けられ、前記側面板の左右側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して逆三角形状の折り込み接合板が連接され、折り込み接合板の底面板とは反対側となる外辺には、谷折りする折り位置を介して接合縁片が連接され、
底面板の他の相対向する二側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して第二側面板が連接され、第二側面板の前記底面板とは反対側となる外辺に、谷折りする折り位置を介して第二縁片が連接され、第二縁片の左右端に、それぞれ横方向に延びる第二舌片が設けられ、前記第二側面板の左右側辺に、それぞれ谷折りする折り位置を介して逆三角形状の第二折り込み接合板が連接され、
前記折り込み接合板の側面板とは反対側の側辺と、第二折り込み接合板の第二側面板とは反対側の側辺とが、山折りする折り位置を介して連接されていて、
前記側面板と第二側面板とを折り曲げてトレー状に組み立て、前記折り込み接合板と第二折り込み接合板とを重ね合わせ、この重ね合わせた二枚の接合板を前記第二側面板の外面側に折り曲げて重ね合わせ、前記縁片と第二縁片と接合縁片とをそれぞれ谷折りして、前記側面板と第二側面板との前記折り曲げにより近接した前記舌片の上面と第二舌片の下面とが相対するように舌片と第二舌片とを重ね合わせ、前記折り込み接合板と第二折り込み接合板との第二側面板への重ね合わせにより、前記接合縁片の上面と前記第二縁片の下面とが相対するように接合縁片と第二縁片とが重ね合わされて、折り起こされた前記側面板を四方に配して形成された容器本体の開放された上面の周りに、前記縁片と第二縁片と接合縁片とでフランジが形成されるように設けられているフランジ付き紙容器用ブランクであって、
前記側面板の両側辺の山折りの前記折り位置と前記第二側面板の両側辺の谷折りの折り位置とには、ブランクの容器外方側となる片面から押罫を当ててブランクの容器内方側となる片面に凸となる罫線が設けられていて、側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線と第二側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線との少なくとも一方は、前記容器本体上面位置側での部分において前記折り位置に対して罫線の中心が位置ズレしていることを特徴とするフランジ付き紙容器用ブランクを提供して、上記課題を解消するものである。
【0027】
(請求項2の発明)
そして、上記発明において、容器本体上面位置側での部分における折り位置に対しての罫線中心の位置ズレは、罫線を折り位置に対してこの折り位置を間とする面板の何れか側に平行に偏倚させてなるもの、または罫線を屈曲形状にして折り位置に対して傾斜させてなるもの、または罫線を弧状にして折り位置に対して傾斜させてなるものの何れかであることが良好である。
【0028】
(請求項3の発明)
また、もう一つの発明は、方形の底面板の相対向する二側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して側面板が連接され、側面板の前記底面板とは反対側となる外辺に、谷折りする折り位置を介して縁片が連接され、前記縁片の左右端に、それぞれ横方向に延びる舌片が設けられ、前記側面板の左右側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して逆三角形状の折り込み接合板が連接され、折り込み接合板の底面板とは反対側となる外辺には、谷折りする折り位置を介して接合縁片が連接され、
底面板の他の相対向する二側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して第二側面板が連接され、第二側面板の前記底面板とは反対側となる外辺に、谷折りする折り位置を介して第二縁片が連接され、第二縁片の左右端に、それぞれ横方向に延びる第二舌片が設けられ、前記第二側面板の左右側辺に、それぞれ谷折りする折り位置を介して逆三角形状の第二折り込み接合板が連接され、
前記折り込み接合板の側面板とは反対側の側辺と、第二折り込み接合板の第二側面板とは反対側の側辺とが、山折りする折り位置を介して連接されている紙容器用ブランクからなり、
前記ブランクの前記側面板と第二側面板とを折り曲げてトレー状に組み立て、前記折り込み接合板と第二折り込み接合板とを重ね合わせ、この重ね合わせた二枚の接合板を前記第二側面板の外面側に折り曲げて重ね合わせ、前記縁片と第二縁片と接合縁片とをそれぞれ谷折りして、前記側面板と第二側面板との前記折り曲げにより近接した前記舌片の上面と第二舌片の下面とが相対するように舌片と第二舌片とを重ね合わせ、前記折り込み接合板と第二折り込み接合板との第二側面板への重ね合わせにより、前記接合縁片の上面と前記第二縁片の下面とが相対するように接合縁片と第二縁片とが重ね合わされて、折り起こされた前記側面板を四方に配して形成された容器本体の開放された上面の周りに、前記縁片と第二縁片と接合縁片とでフランジが形成されているフランジ付きの紙容器において、
前記ブランクの側面板の両側辺の山折りの前記折り位置と前記第二側面板の両側辺の谷折りの折り位置とには、ブランクの容器外方側となる片面から押罫を当ててブランクの容器内方側となる片面に凸となる罫線が設けられていて、側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線と第二側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線との少なくとも一方は、前記容器本体上面位置側での部分において前記折り位置に対して罫線の中心が位置ズレしていて、
前記側面板の側辺の前記折り位置で山折りしてなる折り部の容器本体上面位置側の部分と前記第二側面板の側辺の前記折り位置で谷折りしてなる折り部の容器本体上面位置側の部分との少なくとも一方が、前記罫線中心が位置ズレしている領域での折り位置が折曲してなる折り部であって、この側面板の側辺での折り部の容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺での折り部の容器本体上面位置側の部分との両者が当接していることを特徴とするフランジ付き紙容器であり、このフランジ付き紙容器を提供して上記課題を解消するものである。
【0029】
(請求項4の発明)
そして、上記発明において、容器本体上面位置側での部分における折り位置に対しての罫線中心の位置ズレは、罫線を折り位置に対してこの折り位置を間とする面板の何れか側に平行に偏倚させてなるもの、または罫線を屈曲形状にして折り位置に対して傾斜させてなるもの、または罫線を弧状にして折り位置に対して傾斜させてなるものの何れかであることが良好である。
【0030】
(請求項5の発明)
さらに、もう一つの発明は、上記フランジ付き紙容器における前記フランジに蓋板の外周辺を接合して、蓋板により容器本体上面が覆われていることを特徴とする紙容器であり、この紙容器を提供して上記課題を解消するものである。
【発明の効果】
【0031】
(請求項1の発明の効果)
請求項1の発明によれば、側面板の両側辺の山折りの前記折り位置と前記第二側面板の両側辺の谷折りの折り位置とには、ブランクの容器外方側となる片面から押罫を当ててブランクの容器内方側となる片面に凸となる罫線が設けられていて、側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線と第二側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線との少なくとも一方は、前記容器本体上面位置側での部分において前記折り位置に対して罫線の中心が位置ズレしている。そして、ブランクを組み起こして製函する際に側面板の側辺で山折りした折り部の内面側と、第二側辺板の側辺で谷折りした折り部の内面側の内、罫線が容器本体上面位置側の部分で折り位置に対している位置ズレしている箇所にあっては、その容器本体上面位置側の部分で罫線からの盛り上がり部が形成されず、突出の度合いが極めて小さくなる。そのため、第二側面の側辺を谷折りしてなる折り部の容器本体上面位置側の部分が、側面板の側辺の断面略く字状に山折りしてなる折り部の内面側に深く入り込むようになって、側面板の山折りされた折り部の容器本体上面位置側の部分と第二側面板の谷折りされた折り部の容器本体上面位置側の部分とが適正に当接し合う。よって、第二側面板の側辺の山折りの折り位置と第二側面板の外辺の谷折りの折り位置とが集合する部分(第二集合点B)が、側面板の側辺の山折りの折り位置と側面板の外辺の谷折りの折り位置とが集合する部分(第一集合点A)に接して重なるようになり、前記第一集合点Aでの微細な透孔の発生を抑止することができる。
【0032】
(請求項2の発明の効果)
そして、請求項2の発明によれば、容器本体上面位置側での部分における折り位置に対しての罫線中心の位置ズレが、罫線を折り位置に対してこの折り位置を間とする面板の何れか側に平行に偏倚させてなるもの、または罫線を屈曲形状にして折り位置に対して傾斜させてなるもの、または罫線を弧状にして折り位置に対して傾斜させてなるものである。このように位置ズレはさせるものの罫線自体は存在するものであることから、側面板の側辺の折り部における容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺の折り部における容器本体上面位置側の部分とを接し合わせるための手段が、ブランクに施されているか否かが目視にて簡単にチェックできるようになる。
【0033】
(請求項3の発明の効果)
そして、請求項3の発明によれば、上記フランジ付き紙容器用ブランクを組み起こして製函した紙容器において、側面板の側辺の前記折り位置で山折りしてなる折り部の容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺の前記折り位置で谷折りしてなる折り部の容器本体上面位置側の部分との少なくとも一方が、罫線中心が位置ズレしている領域での折り位置が折曲してなる折り部であって、この側面板の側辺での折り部の容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺での折り部の容器本体上面位置側の部分との両者が当接している。そのため、第二側面板の側辺の山折りの折り位置と第二側面板の外辺の谷折りの折り位置とが集合する部分(第二集合点B)が、側面板の側辺の山折りの折り位置と側面板の外辺の谷折りの折り位置とが集合する部分(第一集合点A)に接して重なるようになり、前記第一集合点Aでの微細な透孔の発生を抑止することができる。
【0034】
(請求項4の発明の効果)
請求項4の発明により、上記請求項3の発明と同様に、第二側面板の側辺の山折りの折り位置と第二側面板の外辺の谷折りの折り位置とが集合する部分(第二集合点B)が、側面板の側辺の山折りの折り位置と側面板の外辺の谷折りの折り位置とが集合する部分(第一集合点A)に接して重なるようになり、前記第一集合点Aでの微細な透孔の発生を抑止することができる。
【0035】
(請求項5の発明の効果)
そして、請求項5の発明によれば、第二側面板の側辺の山折りの折り位置と第二側面板の外辺の谷折りの折り位置とが集合する部分(第二集合点B)が、側面板の側辺の山折りの折り位置と側面板の外辺の谷折りの折り位置とが集合する部分(第一集合点A)に接して重なるようになり、前記第一集合点Aでの微細な透孔の発生を抑止することができる。そして、蓋板をフランジにヒートシールするなどの手法を採ることができ、前記第一集合点Aの直近位置へ圧着力を付加することで、微細な透孔が生じるのをより一層抑止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るフランジ付き紙容器用ブランクの実施の形態を示す説明図である。
【図2】フランジ付き紙容器用ブランクの実施の形態の要部を拡大して示す説明図である。
【図3】実施の形態における第一集合点の部分と第二集合点の部分との対応状態を示す説明図である。
【図4】実施の形態における折り部の内面側を示す説明図である。
【図5】実施の形態における折り部を断面で示す説明図である。
【図6】実施の形態におけるブランクの組み起こしを示す説明図である。
【図7】実施の形態における折り込み接合板と第二折り込み接合板との折り合わせを示す説明図である。
【図8】フランジ付き紙容器と蓋体とを示す説明図である。
【図9】位置ズレ罫線を備える罫線が第二側面板の側辺の谷折りの折り位置に設けられている実施の形態を示す説明図である。
【図10】弧状にして位置ズレ罫線を備える罫線が設けられている実施の形態を示す説明図である。
【図11】屈曲により位置ズレ罫線を備える罫線が設けられている実施の形態を示す説明図である。
【図12】鈎状の屈曲により位置ズレ罫線を備える罫線が設けられている実施の形態を示す説明図である。
【図13】従来の形態をブランクで示す説明図である。
【図14】従来の形態での折り込み接合板と第二折り込み接合板との部分を拡大して示す説明図である。
【図15】従来の形態を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図16】従来の形態を斜め下方から見た状態で示す説明図である。
【図17】従来の形態での第一集合点と第二集合点とが離れている状態を示す説明図である。
【図18】従来の形態での側面板の側辺での盛り上がり部を示す説明図である。
【図19】同じく盛り上がり部を容器本体上面位置側での断面で示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
つぎに本発明を図1から図12に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。なお、図13から図19に示す従来の技術を構成が重複する部分は同符号を付してその説明を省略する。
【0038】
(ブランク)
本発明のフランジ付きの紙容器1を得るブランクでは、図1に示されているように側面板12の両側辺の山折りの折り位置aの部分において、位置ズレした個所を有する罫線20が設けられている点で、従来の技術と異なっている。側面板12の両側の山折りの折り位置aでは、底面板11側からその容器本体上面位置側に寄った途中部位までは、罫線中心と折り位置aとが重なるようにして前記罫線20が設けられている。そして、折り位置aの前記途中部位から容器本体上面位置までに亘っては、罫線中心が折り位置aに対して平行にしてこの折り位置aの何れか一方側に側方に位置する面板側(図示の例では折り込み接合板121側)に偏倚した状態で位置ズレしていて、かつ、その偏倚の量は、位置ズレした領域において罫線幅内に折り位置aが存在する変位量とされている。
【0039】
このように本ブランクにあっては、側面板12の両側辺の山折りする折り位置aにおいて、その途中部位から容器本体上面位置側までの領域に、折り込み接合板121側に平行に偏倚して折り位置aが罫線幅内に位置するようにして位置ズレしている位置ズレ罫線20aがあり、折り位置aに設けられた罫線20において、一部分は底面板11側から途中部位までに罫線中心がその折り位置aと重なっているとともに、途中部位から容器本体上面位置側までの領域を折り込み接合板121側に寄った位置ズレ罫線20aとしている。
【0040】
また、従来のブランクでは上記第二舌片151での第二折り込み接合板141側となる端縁に、その第二舌片151から第二側面板14の側辺の谷折りする部位(谷折り線)まで円弧状に切り込んでなる小突起を設けているものであったが、本実施の形態では小突起が設けられておらず、図示したように第二舌片151の第二折り込み接合板141側の端部に山形状の凸片23が設けられていて、前記凸片23の下辺が直線状とされて第二折り込み接合板141の外辺に沿っている。
【0041】
(紙容器)
図8は上記フランジ付き紙容器用ブランクから組み上げられたフランジ付き紙容器1を示している。このフランジ付き紙容器1の形態では、側面板12の両側での山折りの折り部18が、上記位置ズレした個所(位置ズレ罫線20a)を有する罫線20がある山折りの折り位置aを山折りしてなるものであり、側面板12の前記両側辺を山折りすると、容器本体上面位置側の位置ズレ罫線20aの大部分が折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との重ね合わせ側に存在する状態となり、この折り位置aを山折りしてなる折り部18の内面側において容器本体上面位置側では、盛り上がり部の形成要因である罫線がほとんど存在しないことから、その盛り上がり部が生じなくなる。そのため、第二側面板14の側辺の谷折りしてなる折り部18の容器本体上面位置側の部分が、側面板12の側辺を山折りしてなる前記折り部18の内側に深く入り込んでその折り部18の容器本体上面位置側の部分に当接した状態となっている。よって、側面板12の山折りされた折り部18の容器本体上面位置の部分と第二側面板14の谷折りされた折り部18の容器本体上面位置の部分とが隙間なく接したフランジ付き紙容器となっている。
【0042】
なお、上記実施の形態において罫線20の容器本体上面位置側が折り位置aに対して位置ズレしているが、ブランクの組み起こしに際して折り曲げが折り位置aそれぞれの底面板11側の部分から始まるようになり、その底面板11から途中部位に亘る罫線20の折れ曲がりによって折れの進む方向が定められて、折り位置aに沿ってその折れが適正に容器本体上面位置側に向けて進み、この容器本体上面位置の部分でも折り部が正しく折れるようになる。
【0043】
上述したように、側面板12の山折りされた折り部18の容器本体上面位置の部分と第二側面板14の谷折りされた折り部18の容器本体上面位置の部分とが隙間なく接するようになるため、フランジ付き紙容器の形態において、第二側面板14の側辺の谷折りの折り位置aとこの第二側面板14の外辺の谷折りの折り位置aとの集合点となる部分(第二集合点Bの部分)が、側面板12の側辺の山折りの折り位置aと側面板12の外辺の谷折りの折り位置aとの集合点となる部分(第一集合点Aの部分)に接合するようになる(図3と図5)。よって、前記舌片131の側面板11側の端部、即ち、第一集合点Aで、容器内に通じるような微細な透孔が生じるのが抑止されるようになる。さらに、上記凸片23が舌片131の側面板12側となる端部の上面に重なって凸片23が縁片13の上面にヒートシールして接合する部分とされているので、第一集合点A周りに集まる面板の集積度合いが高まって前記微細な透孔が生じるのをより一層抑止することができるようになる。
【0044】
(紙容器の製函)
上記ブランクからフランジ付き紙容器1を得るための組立ての手順は先に従来例のものと同じであってつぎのようにして製函機にて行う。側面板12、第二側面板14を折り曲げてトレー状に組み立てながら、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141の内面同士を接合するように重ね合わせる(図6、図7参照)。折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とは重ね合わせを進めると同時に第二側面板14側に折り曲げられる。
【0045】
これと共に縁片13、第二縁片15、接合縁片122がそれぞれ谷折りされ、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との前記第二側面板14へ折り曲げた重ね合わせにより接合縁片122の上面とこの上に重なっている第二縁片15の下面とが相対し、この相対する接合縁片122と第二縁片15とをヒートシールするとともに、側面板12と第二側面板14との折り曲げにより前記舌片131の上面と第二舌片151の下面とが相対していて、この舌片131と第二舌片151とをヒートシールして、前記縁片13と第二縁片15とが連続してなるフランジ16が形成されて、フランジ付きの紙容器1が組み上がる(図8参照)。
【0046】
上述したように組み上げるブランクにおいて、側面板12の両側辺の山折りする罫線20の一部分として、山折りの折り位置aにおける途中部位から容器本体上面位置側での領域に折り込み接合板121に偏倚した位置ズレ罫線20aを有しているので、製函した際に、側面板12の側辺で山折りされた折り部18の内面側における容器本体上面位置側には従来のような盛り上がり部が生じない。よって、ブランクから製函されたフランジ付き紙容器1では、第二側面板14の側辺の谷折りしてなる折り部18の容器本体上面位置側の部分が、前記側面板12の両側辺での山折りの折り部18の容器本体上面位置側の部分に当接していて、側面板12の前記折り部18の内面側に入り深く入り込んでおり、隙間なく接しているものとなっている。そのため、上記第一集合点Aで微細な透孔が生じるのが抑止される。
【0047】
上述の構成のフランジ付き紙容器1に対してアイスクリームなどの氷菓材料を充填し、紙板材からなる蓋板24を被せ付けて蓋板24の周辺と上記フランジ16とをヒートシールにより接着することで、収容部を蓋板で封止した紙容器となる。また、蓋板24をフランジ16にヒートシールした際に、上記凸片23が第一集合点Aの直近位置で縁片13に一層圧着されることとなり、第一集合点A周りに集まる面板の集積度合いがさらに高まって前記微細な透孔が生じるのをより一層抑止することができるようになる。この紙容器を用いた氷菓の商品は冷凍して流通段階を経て販売されるものとなる。そして、一般消費者がこの商品を購入して運ぶ際に収容物の一部が融けて、さらに紙容器が上下逆さまになっても、上記第一集合点Aで微細な透孔が生じないようにした構成となっていることから、融けた液体の漏れ出しを防止できる。
【0048】
上記実施の形態では、側面板12の両側辺の山折りする折り位置aに設けた罫線20について、折り位置aにおける途中部位から容器本体上面位置側に折り込み接合板121側に位置ズレした位置ズレ罫線20aを備えるブランクとしており、このブランクから製函される紙容器では、側面板12の両側辺の折り部18の内面側での容器本体上面位置側に盛り上がり部が形成されないようにし、側面板12の側辺の山折りの折り部18の前記容器本体上面位置側の部分に第二側面板14の側辺の谷折りの折り部18の容器本体上面位置側の部分が当接しているものとなっている。本発明において、折り位置aから一部分が偏倚してなる位置ズレ罫線を有する形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その他の例を以下に説明する。
【0049】
(偏倚の位置ズレの他の例)
側面板12の両側辺の折り位置aに罫線20を設ける点に代えて、ブランクから製函する際にこの側面板12の山折りした折り部18に対応する谷折りの折り部18を形成することになる第二側面板14の側辺での折り位置aについて、上記実施の形態と同様に偏倚した位置ズレの罫線を設けるようにすることが可能であり、図9に示すように、第二側面板14の両側辺の折り位置aにおいて、底面板11側からその折り位置aの途中部位に罫線中心が同じとなるようにして罫線20を設け、途中部位から容器本体上面位置側の領域に、例えば第二折り込み接合板141側に罫線中心が偏倚し、かつ折り位置aが罫線幅の範囲に収まるようにして位置ズレ罫線20aを備えるようにすることも可能である。そして、側面板12の両側辺の折り位置aに一部の領域を位置ズレ罫線20aとした罫線20を設けるとともに、第二側辺14の両側辺の折り位置aに一部の領域を位置ズレ罫線20aとした罫線20を設けるようにしてもよいものである。なお、第二側面板14の両側辺の折り位置aにおいては谷折りされて、その折り部18が、側面板12の側辺の山折りする折り部18の内面に対向することになるが、谷折りしてなる折り部18の凸側の面にあっても、罫線が位置している箇所にあっては若干の盛り上がり部が形成されており、また、罫線が位置ズレしている場合には盛り上がり部が生じないものとなり、山折りの折り部18の内面側に深く入り込むことができるものとなる。
【0050】
(弧状による罫線の例)
上記実施の例では折り位置aにおける途中部位から容器本体上面位置側の領域で、折り位置aに対して罫線中心が変更にして折り込み接合板121や第二折り込み接合板141側に偏倚したものであるが、罫線20自体を弧状にすることによっても折り位置aにおける途中部位から容器本体上面位置側の領域で罫線中心が位置ズレさせることができる。図10はその一例を示していて、側面板12の両側辺の折り位置aに設けられている罫線20は弧状とされており、側面板12の両側辺の折り位置aにおける底面板11側から途中部位に及ぶ範囲では罫線中心がほぼその折り罫位置aに重なるように罫線20が設けられているとともに、前記途中部位から容器本体上面位置側に亘る領域において折り位置aから罫線中心のズレが徐々に大きくなる湾曲形状にして位置ズレ罫線20aを形成しているものである。
【0051】
なお、折り位置aの途中部位から容器本体上面位置側に亘る領域での位置ズレにあっても、罫線幅内に折り位置aが配置される弧状形状としている。そして、この実施の例にあっても、側面板12の両側辺の折り位置aに設ける罫線に代えて、第二側面板14の両側辺の折り位置aに同様の弧状の罫線を設けるようにすることも可能であり、さらに側面板12の両側辺の折り位置aと第二側面板14の両側辺の折り位置aとの両方にこの湾曲した罫線を設けるようにすることも可能である。
【0052】
(屈曲の罫線の例)
また、折り位置aにおける途中部位から容器本体上面位置側の領域で、折り位置aに対して罫線中心が変更にして折り込み接合板121や第二折り込み接合板141側に位置ズレするように、罫線20自体を屈曲した形状にすることも可能である。図11はその一例を示していて、側面板12の両側辺の折り位置aに設けられている罫線20は、側面板12の両側辺の折り位置aにおける底面板11側から途中部位に及ぶ範囲では罫線中心がその折り罫位置aに重なっているとともに、途中部位で屈曲してその途中部位から容器本体上面位置側に亘る領域において折り位置aから罫線中心のズレが徐々に大きくなるように側面板12側に傾斜にして位置ズレ罫線20aを形成しているものである。
【0053】
なお、折り位置aの途中部位から容器本体上面位置側に亘る領域での位置ズレ罫線20aにあっても、その位置ズレ罫線20aの罫線幅内に折り位置aが配置される。そして、この実施の例にあっても、側面板12の両側辺の折り位置aに設ける罫線に代えて、第二側面板14の両側辺の折り位置aに同様の屈曲した罫線を設けるようにすることも可能であり、さらに側面板12の両側辺の折り位置aと第二側面板14の両側辺の折り位置aとの両方にこの屈曲した罫線を設けるようにすることも可能である。
【0054】
また、上記例では罫線を屈曲させて折り位置aに重なる範囲で位置ズレした位置ズレ罫線を設けているものであるが、側面板12の両側辺で山折りしてなる折り部18や第二側面板14の両側辺で谷折りしてなる折り部18での容器本体上面位置側に、両者の当接に不具合となる盛り上がり部が折り位置aに沿った罫線から形成されないようにすればよいものであるから、図12に一例として示すが、側面板12の両側辺の折り位置aの途中部位から罫線20が鈎状に屈曲して、折り位置aの前記途中部位から容器本体上面位置側に亘る領域から離れた位置、例えば側面板12の面板領域内に位置ズレ罫線20aを形成するようにしてもよいものである。
【0055】
側面板12の両側辺の折り位置や第二側面板14の両側辺の折り位置に設けた上記罫線の一部分として位置ズレ罫線を示している図にあっては、ブランクにおける一つのコーナーが図示されているが、説明を容易にするための表現であり、各コーナーが同じように構成されている。
【符号の説明】
【0056】
1…フランジ付き紙容器
11…底面板
12…側面板 121…折り込み接合板
14…第二側面板 141…第二折り込み接合板
16…フランジ
17…罫線
18…折り部
20…罫線
20a…位置ズレ罫線
23…凸片
24…蓋板
A…第一集合点
B…第二集合点
a…折り位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍食品、粉末物等の包装に使用される紙容器のブランク、そのブランクから組み起こしたフランジ付き紙容器、そしてそのフランジ付き紙容器を用いた紙容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に開示されているような形状をした一枚のブランクから上面開口としたトレー状のフランジ付き紙容器があり、これに紙製の蓋板を被せてその蓋板周辺とフランジとをヒートシールすることで、冷凍食品等の包装用として使用されている。
【0003】
図13に示すようにフランジ付きの紙容器1を組み上げることのできるブランクは、方形の底面板11の相対向する二側辺にそれぞれ山折りする折り位置aを介して側面板12が連接され、前記側面板12の底面板11とは反対側となる外辺には、谷折りする折り位置aを介して縁片13が連接され、その縁片13の左右端(縁片の長さ方向に対向する端部)にはそれぞれ横方向(縁片の長さ方向)に延びる舌片131が設けられている。前記側面板12の左右側辺(側面板の幅方向に対向する辺)には、それぞれ山折りする折り位置aを介して逆三角形状の折り込み接合板121が連接され、前記折り込み接合板121の底面板11とは反対側となる外辺には、谷折りする折り位置aを介して接合縁片122が連接されていて、この接合縁片122は切り込みを介した状態で舌片131と同一平面を形成している(図14参照)。
【0004】
上記山折りする折り位置aと谷折りする折り位置は図面において一点鎖線として表わしている。山折りの折り位置aは紙容器を組み上げるときに容器外方向に向けて折り角が立つように凸に折曲される部分である。また、谷折りの折り位置aは前記山折りの折り方向とは逆方向に折り曲げる部分であり、ブランクでの容器内面側となる片面が折り角として立って凸となる折り曲げが行なわれる。そして、山折りの折り位置aと谷折りの折り位置aには共に、抜型で原紙からブランクを抜くと同時に押罫(刃)を当てて形成される罫線17を設けていて、従来から知られているようにブランクの容器外面側となる片面に押罫を当てるとともに受型の対応位置にも押罫受け溝部材を配置することにより設けられている。
【0005】
手持ちできる程度の大きさの紙容器を得るための本ブランクでは、山折りと谷折りとの折り位置aに設けられる罫線は、共にブランクの容器内面側となる片面に凸となる断面形状であり、押罫を当てて容器外面側となる片面で凹溝状となっている部分は0.1mm〜0.7mm程度の幅を有している。なお、図面にあっては、一点鎖線表示された折り位置aに対して、実際には細幅である罫線17がより明確に把握できるようにすべく太幅として表わしていて、前記山折り及び谷折りの折り位置aに重なる位置関係にして図示されている。そして、従来から罫線の中心と折り位置aとは同一の位置となるように罫線入れが行なわれている。
【0006】
接合縁片122と舌片131とを分ける切り込みの切り込み端は、側面板12の側辺の山折りの折り位置aと側面板12の外辺の谷折りの折り位置aとが集合してなる第一集合点A(折り込み接合板121の外辺の谷折りの折り位置aもこの第一集合点Aに集合するようにブランクに対して罫線入れされている)まで達しており、この切り込みによって、舌片131は、後述するように製函時に前記接合縁片122と折り込み接合板121とから分離する。
【0007】
また、底面板11の他の相対向する二側辺には、それぞれ山折りの折り位置aを介して第二側面板14が連接され、第二側面板14の底面板11とは反対側の外辺には、谷折りの折り位置aを介して第二縁片15が連接され、その第二縁片15の左右端(第二縁片の長手方向に対向する端部)には、それぞれ横方向(第二縁片の長手方向)に延びる第二舌片151が設けられている。前記第二側面板14の左右側辺(第二側面板の幅方向に対向する辺)には、それぞれ谷折りの折り位置aを介して逆三角形状の第二折り込み接合板141が連接されている。
【0008】
さらに底面板11の周方向で隣り合う側面板12と第二側面板14との間に位置する前記折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とについては、その折り込み接合板121の側面板12とは反対側の側辺と第二折り込み接合板141の第二側面板14とは反対側の側辺とが共有部分とされ、この部分を山折りの折り位置aとしており、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とがこの山折りの折り位置aを介して連接されている。即ち、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とが並び設けられていて、その間を山折りの折り位置aとしている。そして、上記第二舌片151が第二折り込み接合板141に近接している部分には、第二折り込み接合板141側に突出する小突起152が設けられていて、小突起152と第二折り込み接合板141とは切り込みを介して同一平面を形成するようにしている(図14参照)。
【0009】
小突起152と第二折り込み接合板141との間の切り込みは、後述するようにこの小突起152が、舌片131側の上記第一集合点A(上記舌片131の切り込み端が位置している箇所)に対応してこの第一集合点Aを覆うことができる形状とするために、第二側面板14の側辺の谷折りの折り位置aと第二側面板14の外辺の谷折りの折り位置aとが集合してなる第二集合点Bより底面板11側に寄っており、その切り込み端は、第二側面板14の側辺の前記谷折りの折り位置に設定されている罫線17に達している。
【0010】
上記ブランクからフランジ付き紙容器を得るには、底面板11の山折りの折り位置aを山折りして側面板12と第二側面板14とを折り起こしてブランク全体を略トレー状とするとともに、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とはこの折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間の山折りの折り位置aで山折りして重ね合わせて内面同士を相対させている。また、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とを重ね合わせる過程で、第二折り込み接合板141が第二側面板14の外面に相対するようにしてこの第二側面板14側に折り曲げて重ね合わせるようにしている(図17参照)。
【0011】
さらに、縁片13、第二縁片15、接合縁片122をそれぞれ谷折りして、前記重ね合わされた折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との第二側面板14への重ね合わせにより前記接合縁片122の上面と前記第二縁片15の下面とが相対するようになり、この接合縁片122の上面と前記第二縁片15の下面とが接着され、また側面板12と第二側面板14とを折り起こして相互の側辺同士を揃えるようにすることにより前記舌片131と第二舌片151とが近接してこの舌片131の上面と第二舌片151の下面とが相対し、この舌片131の上面と第二舌片151の下面とを接着させていて、このようにして上面が開口部とされたトレー状の紙容器が組み上げられている(図15、16参照)。図示したブランクを構成する包材はその両面がヒートシール性を備える熱可塑性樹脂層であって、前述した接着は製函時におけるヒートシールを伴なった圧着によるものである。
【0012】
製函された紙容器は、底面板11と四方の側面板12、第二側面板14とで上面を開口部とする上開きのテーパー形状とする収容部が形成され、開口部(容器本体上面位置となる)の周囲には、前記側面板12の外辺と第二側面板14の外辺から谷折りされた縁片13と第二縁片15とが位置して、縁片13の舌片131の上面に第二縁片15が位置して上述のように接着されることで前記縁片13と第二縁片15とが連続してなるフランジ16が形成されている。
【0013】
第二舌片151から突出する形状とした上記小突起152が設けられた目的は以下の理由によるものである。このブランクからなるフランジ付きの紙容器において、第一集合点Aに舌片131の切り込み下端が達していて、紙容器形態での第一集合点Aで微細な透孔が生じ易い構造となっている。一方、フランジ付きの紙容器は、冷凍食品を収容する用途、例えばアイスクリームなどの氷菓を充填して紙製の蓋板を被せ付けた商品の紙容器として使用されることが多い。そして、この紙容器については前記第一集合点Aから収容物が容器外に漏れ出る可能性を極力無くしたいとの要望がある。
【0014】
その点をより詳しく説明すれば、商品の製造メーカから出荷され小売店舗で陳列販売するまでの流通時には適切な温度の下で商品が保管され管理されており、充填された収容物は凍っていることからその収容物が溶け出る心配はない。しかしながら、一般消費者が店頭でこの商品を購入して自宅等で食するまでの間に、収容物の容器本体に接している部分が融けて液体となり、その液体が底面板側に溜まり易い。そして、液体が底に溜まっている紙容器の上下(天地)を逆さまにして持ち運びされることもあり、そのような場合、容器内で第一集合点の部分までに融けた液体が達することとなる。
【0015】
この第一集合点での微細な透孔の発生自体を抑えるため、第二側面板の側辺の谷折りしてなる折り部の上端側の部分、即ち、上記第二集合点Bの部分が適正に第一集合点Aの部分に重なるようになれば、この第一集合点Aで微細な透孔が通孔として形成されるのを防止できる。さらに、この第二集合点B側について前記第一集合点Aの部分に重なって覆うことのできる突起などを設けるようにすれば、第一集合点Aからの液体の漏れ出しを防止する上でより一層の効果が出てくる。そのため、第二集合点Bとなる部分に上記小突起152を設けて液体の漏れ出しを抑えることを目的としており、小突起152が、縁片13と側面板12との間の谷折り線の端部に跨るようにして、収容物を充填して蓋板を取り付けた後の第一集合点Aでの液体漏れ出し防止作用の向上を図るものであった。
【0016】
なお、ブランクに使用する材料は、一般的に紙箱用として使用されるコートボール、コートマニラ、アイボリーなどの板紙で良いが、収容物が冷凍食品等の水分を多く含むものの場合には、板紙の少なくとも内面にポリエチレン樹脂を溶融押出し法により塗布したポリエチレン加工紙が好ましく使用できる。トレーに組み立てた時、ポリエチレンが接合に有利であることを考慮すると、ブランクの両面にポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂が塗布されている加工紙を使用することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特許第3687396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ところで、製函機でフランジ付き紙容器が組み立てられる際、底面板11の周辺の側面板12と第二側面板14との折り起こしと、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との重ね合わせと、前記折り込み接合板121と第二折り込み接合板141の第二側面板14の外面側への折り曲げが行なわれる過程で、図17〜図19で示すように側面板12の側辺の山折りしてなる折り部18の内面側には、罫線17の凸部が山折りによって更に嵩高の断面形状となって容器内方側に向けて凸の盛り上がり部19が生じており、その盛り上がり部19は山折りされた前記折り部18での底面板側から容器本体上面の位置までに亘っている。
【0019】
そして、ブランクの形態で示すように側面板12の側辺の山折りの折り位置となる罫線17が、底面板11側から容器本体上面位置までにかけて同じ幅であり、その罫線17の容器内面側へ突出高さも底面板11側から容器本体上面位置までにかけて同じであることから、折り部18の内面側に形成される上記盛り上がり部19も、底面板11側から容器本体上面位置までにわたってほぼ一様の突出高さのある凸条の形態となっている(図18参照)。
【0020】
一方、ブランクが組み起こされる過程で、第二側面板14の側辺の谷折りしてなる折り部18は、側面板12の側辺の山折りしてなる折り部18の内面側に向けて入り込むように移動することになるが、しかしながら、前記第二側面板14の側辺の谷折りしてなる折り部18の容器本体上面位置側の部分が、上記盛り上がり部19の容器本体上面位置側での側縁に突き当たってしまう(図19)。そのため、側面板12の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分と、第二側面板14の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分とが離れた状態で製函され易くなっている(図17参照)。
【0021】
第二側面板14の側辺の折り部18の上記容器本体上面位置側の部分と盛り上がり部19の容器本体上面位置側の側縁との突き当りが生じないようにするには、盛り上がり部19となる罫線17の幅と突出高さを小さくすれば、側面板12の側辺の山折りするこの罫線17で山折りした際に折り部18の内面側で凸となる盛り上がり部19の突出高さは小さくなると考えられる。
【0022】
しかしながら、側面板12の側辺の山折りする罫線17全体の幅を小さくするとともに突出高さを低くしてしまうと、製函に際して側面板12の側辺の前記罫線17の底面板11側での山折り位置が定まり難くなって山折り自体が適正に行われず、強いては側面板12の側辺での折り部18全体が適正な折り曲げ形状に折り曲げられなくなる。
【0023】
このようなことから、第二側面板14の側辺の谷折りしてなる折り部18の容器本体上面位置側の部分が、盛り上がり部19の容器本体上面位置側での側縁に突き当たって、側面板12の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分と、第二側面板14の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分とが離れる可能性を持ったまま製函されているのが現状であった。そして、このように側面板12の側辺の折り部18の容器本体上面位置の部分と、第二側面板14の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分とが離れて製函されると、上記小突起152は上記第一集合点Aから離れて浮いた状態となる。
【0024】
上述したように、側面板12の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分(即ち、第一集合点Aの部分)に対して、第二側面板14の側辺の位置で谷折りしてなる折り部18の容器本体上面位置側の部分(第二集合点Bの部分)の当接が適正に行なわれないと、第一集合点Aの部分で微細な透孔の発生を抑止できない可能性が高い。加えて、上記小突起152が第一集合点Aの部分から浮いて離れた状態となってしまい、この小突起152がその役割を何ら果たさなくなるという不都合が発生していた。
【0025】
そこで本発明は上記事情に鑑み、側面板の側辺の折り部の容器本体上面位置の部分と第二側面板の側辺の折り部の容器本体上面位置の部分とを対応させるに際して、側面板の側辺の山折りした折り部の内面側にできる盛り上がり部が障害にならないようにすることを課題とし、上記第一集合点で微細な透孔が生じるのを防ぎ、その透孔から融けた内容物が容器外に漏れ出ないようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
(請求項1の発明)
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、方形の底面板の相対向する二側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して側面板が連接され、側面板の前記底面板とは反対側となる外辺に、谷折りする折り位置を介して縁片が連接され、前記縁片の左右端に、それぞれ横方向に延びる舌片が設けられ、前記側面板の左右側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して逆三角形状の折り込み接合板が連接され、折り込み接合板の底面板とは反対側となる外辺には、谷折りする折り位置を介して接合縁片が連接され、
底面板の他の相対向する二側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して第二側面板が連接され、第二側面板の前記底面板とは反対側となる外辺に、谷折りする折り位置を介して第二縁片が連接され、第二縁片の左右端に、それぞれ横方向に延びる第二舌片が設けられ、前記第二側面板の左右側辺に、それぞれ谷折りする折り位置を介して逆三角形状の第二折り込み接合板が連接され、
前記折り込み接合板の側面板とは反対側の側辺と、第二折り込み接合板の第二側面板とは反対側の側辺とが、山折りする折り位置を介して連接されていて、
前記側面板と第二側面板とを折り曲げてトレー状に組み立て、前記折り込み接合板と第二折り込み接合板とを重ね合わせ、この重ね合わせた二枚の接合板を前記第二側面板の外面側に折り曲げて重ね合わせ、前記縁片と第二縁片と接合縁片とをそれぞれ谷折りして、前記側面板と第二側面板との前記折り曲げにより近接した前記舌片の上面と第二舌片の下面とが相対するように舌片と第二舌片とを重ね合わせ、前記折り込み接合板と第二折り込み接合板との第二側面板への重ね合わせにより、前記接合縁片の上面と前記第二縁片の下面とが相対するように接合縁片と第二縁片とが重ね合わされて、折り起こされた前記側面板を四方に配して形成された容器本体の開放された上面の周りに、前記縁片と第二縁片と接合縁片とでフランジが形成されるように設けられているフランジ付き紙容器用ブランクであって、
前記側面板の両側辺の山折りの前記折り位置と前記第二側面板の両側辺の谷折りの折り位置とには、ブランクの容器外方側となる片面から押罫を当ててブランクの容器内方側となる片面に凸となる罫線が設けられていて、側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線と第二側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線との少なくとも一方は、前記容器本体上面位置側での部分において前記折り位置に対して罫線の中心が位置ズレしていることを特徴とするフランジ付き紙容器用ブランクを提供して、上記課題を解消するものである。
【0027】
(請求項2の発明)
そして、上記発明において、容器本体上面位置側での部分における折り位置に対しての罫線中心の位置ズレは、罫線を折り位置に対してこの折り位置を間とする面板の何れか側に平行に偏倚させてなるもの、または罫線を屈曲形状にして折り位置に対して傾斜させてなるもの、または罫線を弧状にして折り位置に対して傾斜させてなるものの何れかであることが良好である。
【0028】
(請求項3の発明)
また、もう一つの発明は、方形の底面板の相対向する二側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して側面板が連接され、側面板の前記底面板とは反対側となる外辺に、谷折りする折り位置を介して縁片が連接され、前記縁片の左右端に、それぞれ横方向に延びる舌片が設けられ、前記側面板の左右側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して逆三角形状の折り込み接合板が連接され、折り込み接合板の底面板とは反対側となる外辺には、谷折りする折り位置を介して接合縁片が連接され、
底面板の他の相対向する二側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して第二側面板が連接され、第二側面板の前記底面板とは反対側となる外辺に、谷折りする折り位置を介して第二縁片が連接され、第二縁片の左右端に、それぞれ横方向に延びる第二舌片が設けられ、前記第二側面板の左右側辺に、それぞれ谷折りする折り位置を介して逆三角形状の第二折り込み接合板が連接され、
前記折り込み接合板の側面板とは反対側の側辺と、第二折り込み接合板の第二側面板とは反対側の側辺とが、山折りする折り位置を介して連接されている紙容器用ブランクからなり、
前記ブランクの前記側面板と第二側面板とを折り曲げてトレー状に組み立て、前記折り込み接合板と第二折り込み接合板とを重ね合わせ、この重ね合わせた二枚の接合板を前記第二側面板の外面側に折り曲げて重ね合わせ、前記縁片と第二縁片と接合縁片とをそれぞれ谷折りして、前記側面板と第二側面板との前記折り曲げにより近接した前記舌片の上面と第二舌片の下面とが相対するように舌片と第二舌片とを重ね合わせ、前記折り込み接合板と第二折り込み接合板との第二側面板への重ね合わせにより、前記接合縁片の上面と前記第二縁片の下面とが相対するように接合縁片と第二縁片とが重ね合わされて、折り起こされた前記側面板を四方に配して形成された容器本体の開放された上面の周りに、前記縁片と第二縁片と接合縁片とでフランジが形成されているフランジ付きの紙容器において、
前記ブランクの側面板の両側辺の山折りの前記折り位置と前記第二側面板の両側辺の谷折りの折り位置とには、ブランクの容器外方側となる片面から押罫を当ててブランクの容器内方側となる片面に凸となる罫線が設けられていて、側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線と第二側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線との少なくとも一方は、前記容器本体上面位置側での部分において前記折り位置に対して罫線の中心が位置ズレしていて、
前記側面板の側辺の前記折り位置で山折りしてなる折り部の容器本体上面位置側の部分と前記第二側面板の側辺の前記折り位置で谷折りしてなる折り部の容器本体上面位置側の部分との少なくとも一方が、前記罫線中心が位置ズレしている領域での折り位置が折曲してなる折り部であって、この側面板の側辺での折り部の容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺での折り部の容器本体上面位置側の部分との両者が当接していることを特徴とするフランジ付き紙容器であり、このフランジ付き紙容器を提供して上記課題を解消するものである。
【0029】
(請求項4の発明)
そして、上記発明において、容器本体上面位置側での部分における折り位置に対しての罫線中心の位置ズレは、罫線を折り位置に対してこの折り位置を間とする面板の何れか側に平行に偏倚させてなるもの、または罫線を屈曲形状にして折り位置に対して傾斜させてなるもの、または罫線を弧状にして折り位置に対して傾斜させてなるものの何れかであることが良好である。
【0030】
(請求項5の発明)
さらに、もう一つの発明は、上記フランジ付き紙容器における前記フランジに蓋板の外周辺を接合して、蓋板により容器本体上面が覆われていることを特徴とする紙容器であり、この紙容器を提供して上記課題を解消するものである。
【発明の効果】
【0031】
(請求項1の発明の効果)
請求項1の発明によれば、側面板の両側辺の山折りの前記折り位置と前記第二側面板の両側辺の谷折りの折り位置とには、ブランクの容器外方側となる片面から押罫を当ててブランクの容器内方側となる片面に凸となる罫線が設けられていて、側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線と第二側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線との少なくとも一方は、前記容器本体上面位置側での部分において前記折り位置に対して罫線の中心が位置ズレしている。そして、ブランクを組み起こして製函する際に側面板の側辺で山折りした折り部の内面側と、第二側辺板の側辺で谷折りした折り部の内面側の内、罫線が容器本体上面位置側の部分で折り位置に対している位置ズレしている箇所にあっては、その容器本体上面位置側の部分で罫線からの盛り上がり部が形成されず、突出の度合いが極めて小さくなる。そのため、第二側面の側辺を谷折りしてなる折り部の容器本体上面位置側の部分が、側面板の側辺の断面略く字状に山折りしてなる折り部の内面側に深く入り込むようになって、側面板の山折りされた折り部の容器本体上面位置側の部分と第二側面板の谷折りされた折り部の容器本体上面位置側の部分とが適正に当接し合う。よって、第二側面板の側辺の山折りの折り位置と第二側面板の外辺の谷折りの折り位置とが集合する部分(第二集合点B)が、側面板の側辺の山折りの折り位置と側面板の外辺の谷折りの折り位置とが集合する部分(第一集合点A)に接して重なるようになり、前記第一集合点Aでの微細な透孔の発生を抑止することができる。
【0032】
(請求項2の発明の効果)
そして、請求項2の発明によれば、容器本体上面位置側での部分における折り位置に対しての罫線中心の位置ズレが、罫線を折り位置に対してこの折り位置を間とする面板の何れか側に平行に偏倚させてなるもの、または罫線を屈曲形状にして折り位置に対して傾斜させてなるもの、または罫線を弧状にして折り位置に対して傾斜させてなるものである。このように位置ズレはさせるものの罫線自体は存在するものであることから、側面板の側辺の折り部における容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺の折り部における容器本体上面位置側の部分とを接し合わせるための手段が、ブランクに施されているか否かが目視にて簡単にチェックできるようになる。
【0033】
(請求項3の発明の効果)
そして、請求項3の発明によれば、上記フランジ付き紙容器用ブランクを組み起こして製函した紙容器において、側面板の側辺の前記折り位置で山折りしてなる折り部の容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺の前記折り位置で谷折りしてなる折り部の容器本体上面位置側の部分との少なくとも一方が、罫線中心が位置ズレしている領域での折り位置が折曲してなる折り部であって、この側面板の側辺での折り部の容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺での折り部の容器本体上面位置側の部分との両者が当接している。そのため、第二側面板の側辺の山折りの折り位置と第二側面板の外辺の谷折りの折り位置とが集合する部分(第二集合点B)が、側面板の側辺の山折りの折り位置と側面板の外辺の谷折りの折り位置とが集合する部分(第一集合点A)に接して重なるようになり、前記第一集合点Aでの微細な透孔の発生を抑止することができる。
【0034】
(請求項4の発明の効果)
請求項4の発明により、上記請求項3の発明と同様に、第二側面板の側辺の山折りの折り位置と第二側面板の外辺の谷折りの折り位置とが集合する部分(第二集合点B)が、側面板の側辺の山折りの折り位置と側面板の外辺の谷折りの折り位置とが集合する部分(第一集合点A)に接して重なるようになり、前記第一集合点Aでの微細な透孔の発生を抑止することができる。
【0035】
(請求項5の発明の効果)
そして、請求項5の発明によれば、第二側面板の側辺の山折りの折り位置と第二側面板の外辺の谷折りの折り位置とが集合する部分(第二集合点B)が、側面板の側辺の山折りの折り位置と側面板の外辺の谷折りの折り位置とが集合する部分(第一集合点A)に接して重なるようになり、前記第一集合点Aでの微細な透孔の発生を抑止することができる。そして、蓋板をフランジにヒートシールするなどの手法を採ることができ、前記第一集合点Aの直近位置へ圧着力を付加することで、微細な透孔が生じるのをより一層抑止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るフランジ付き紙容器用ブランクの実施の形態を示す説明図である。
【図2】フランジ付き紙容器用ブランクの実施の形態の要部を拡大して示す説明図である。
【図3】実施の形態における第一集合点の部分と第二集合点の部分との対応状態を示す説明図である。
【図4】実施の形態における折り部の内面側を示す説明図である。
【図5】実施の形態における折り部を断面で示す説明図である。
【図6】実施の形態におけるブランクの組み起こしを示す説明図である。
【図7】実施の形態における折り込み接合板と第二折り込み接合板との折り合わせを示す説明図である。
【図8】フランジ付き紙容器と蓋体とを示す説明図である。
【図9】位置ズレ罫線を備える罫線が第二側面板の側辺の谷折りの折り位置に設けられている実施の形態を示す説明図である。
【図10】弧状にして位置ズレ罫線を備える罫線が設けられている実施の形態を示す説明図である。
【図11】屈曲により位置ズレ罫線を備える罫線が設けられている実施の形態を示す説明図である。
【図12】鈎状の屈曲により位置ズレ罫線を備える罫線が設けられている実施の形態を示す説明図である。
【図13】従来の形態をブランクで示す説明図である。
【図14】従来の形態での折り込み接合板と第二折り込み接合板との部分を拡大して示す説明図である。
【図15】従来の形態を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図16】従来の形態を斜め下方から見た状態で示す説明図である。
【図17】従来の形態での第一集合点と第二集合点とが離れている状態を示す説明図である。
【図18】従来の形態での側面板の側辺での盛り上がり部を示す説明図である。
【図19】同じく盛り上がり部を容器本体上面位置側での断面で示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
つぎに本発明を図1から図12に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。なお、図13から図19に示す従来の技術を構成が重複する部分は同符号を付してその説明を省略する。
【0038】
(ブランク)
本発明のフランジ付きの紙容器1を得るブランクでは、図1に示されているように側面板12の両側辺の山折りの折り位置aの部分において、位置ズレした個所を有する罫線20が設けられている点で、従来の技術と異なっている。側面板12の両側の山折りの折り位置aでは、底面板11側からその容器本体上面位置側に寄った途中部位までは、罫線中心と折り位置aとが重なるようにして前記罫線20が設けられている。そして、折り位置aの前記途中部位から容器本体上面位置までに亘っては、罫線中心が折り位置aに対して平行にしてこの折り位置aの何れか一方側に側方に位置する面板側(図示の例では折り込み接合板121側)に偏倚した状態で位置ズレしていて、かつ、その偏倚の量は、位置ズレした領域において罫線幅内に折り位置aが存在する変位量とされている。
【0039】
このように本ブランクにあっては、側面板12の両側辺の山折りする折り位置aにおいて、その途中部位から容器本体上面位置側までの領域に、折り込み接合板121側に平行に偏倚して折り位置aが罫線幅内に位置するようにして位置ズレしている位置ズレ罫線20aがあり、折り位置aに設けられた罫線20において、一部分は底面板11側から途中部位までに罫線中心がその折り位置aと重なっているとともに、途中部位から容器本体上面位置側までの領域を折り込み接合板121側に寄った位置ズレ罫線20aとしている。
【0040】
また、従来のブランクでは上記第二舌片151での第二折り込み接合板141側となる端縁に、その第二舌片151から第二側面板14の側辺の谷折りする部位(谷折り線)まで円弧状に切り込んでなる小突起を設けているものであったが、本実施の形態では小突起が設けられておらず、図示したように第二舌片151の第二折り込み接合板141側の端部に山形状の凸片23が設けられていて、前記凸片23の下辺が直線状とされて第二折り込み接合板141の外辺に沿っている。
【0041】
(紙容器)
図8は上記フランジ付き紙容器用ブランクから組み上げられたフランジ付き紙容器1を示している。このフランジ付き紙容器1の形態では、側面板12の両側での山折りの折り部18が、上記位置ズレした個所(位置ズレ罫線20a)を有する罫線20がある山折りの折り位置aを山折りしてなるものであり、側面板12の前記両側辺を山折りすると、容器本体上面位置側の位置ズレ罫線20aの大部分が折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との重ね合わせ側に存在する状態となり、この折り位置aを山折りしてなる折り部18の内面側において容器本体上面位置側では、盛り上がり部の形成要因である罫線がほとんど存在しないことから、その盛り上がり部が生じなくなる。そのため、第二側面板14の側辺の谷折りしてなる折り部18の容器本体上面位置側の部分が、側面板12の側辺を山折りしてなる前記折り部18の内側に深く入り込んでその折り部18の容器本体上面位置側の部分に当接した状態となっている。よって、側面板12の山折りされた折り部18の容器本体上面位置の部分と第二側面板14の谷折りされた折り部18の容器本体上面位置の部分とが隙間なく接したフランジ付き紙容器となっている。
【0042】
なお、上記実施の形態において罫線20の容器本体上面位置側が折り位置aに対して位置ズレしているが、ブランクの組み起こしに際して折り曲げが折り位置aそれぞれの底面板11側の部分から始まるようになり、その底面板11から途中部位に亘る罫線20の折れ曲がりによって折れの進む方向が定められて、折り位置aに沿ってその折れが適正に容器本体上面位置側に向けて進み、この容器本体上面位置の部分でも折り部が正しく折れるようになる。
【0043】
上述したように、側面板12の山折りされた折り部18の容器本体上面位置の部分と第二側面板14の谷折りされた折り部18の容器本体上面位置の部分とが隙間なく接するようになるため、フランジ付き紙容器の形態において、第二側面板14の側辺の谷折りの折り位置aとこの第二側面板14の外辺の谷折りの折り位置aとの集合点となる部分(第二集合点Bの部分)が、側面板12の側辺の山折りの折り位置aと側面板12の外辺の谷折りの折り位置aとの集合点となる部分(第一集合点Aの部分)に接合するようになる(図3と図5)。よって、前記舌片131の側面板11側の端部、即ち、第一集合点Aで、容器内に通じるような微細な透孔が生じるのが抑止されるようになる。さらに、上記凸片23が舌片131の側面板12側となる端部の上面に重なって凸片23が縁片13の上面にヒートシールして接合する部分とされているので、第一集合点A周りに集まる面板の集積度合いが高まって前記微細な透孔が生じるのをより一層抑止することができるようになる。
【0044】
(紙容器の製函)
上記ブランクからフランジ付き紙容器1を得るための組立ての手順は先に従来例のものと同じであってつぎのようにして製函機にて行う。側面板12、第二側面板14を折り曲げてトレー状に組み立てながら、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141の内面同士を接合するように重ね合わせる(図6、図7参照)。折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とは重ね合わせを進めると同時に第二側面板14側に折り曲げられる。
【0045】
これと共に縁片13、第二縁片15、接合縁片122がそれぞれ谷折りされ、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との前記第二側面板14へ折り曲げた重ね合わせにより接合縁片122の上面とこの上に重なっている第二縁片15の下面とが相対し、この相対する接合縁片122と第二縁片15とをヒートシールするとともに、側面板12と第二側面板14との折り曲げにより前記舌片131の上面と第二舌片151の下面とが相対していて、この舌片131と第二舌片151とをヒートシールして、前記縁片13と第二縁片15とが連続してなるフランジ16が形成されて、フランジ付きの紙容器1が組み上がる(図8参照)。
【0046】
上述したように組み上げるブランクにおいて、側面板12の両側辺の山折りする罫線20の一部分として、山折りの折り位置aにおける途中部位から容器本体上面位置側での領域に折り込み接合板121に偏倚した位置ズレ罫線20aを有しているので、製函した際に、側面板12の側辺で山折りされた折り部18の内面側における容器本体上面位置側には従来のような盛り上がり部が生じない。よって、ブランクから製函されたフランジ付き紙容器1では、第二側面板14の側辺の谷折りしてなる折り部18の容器本体上面位置側の部分が、前記側面板12の両側辺での山折りの折り部18の容器本体上面位置側の部分に当接していて、側面板12の前記折り部18の内面側に入り深く入り込んでおり、隙間なく接しているものとなっている。そのため、上記第一集合点Aで微細な透孔が生じるのが抑止される。
【0047】
上述の構成のフランジ付き紙容器1に対してアイスクリームなどの氷菓材料を充填し、紙板材からなる蓋板24を被せ付けて蓋板24の周辺と上記フランジ16とをヒートシールにより接着することで、収容部を蓋板で封止した紙容器となる。また、蓋板24をフランジ16にヒートシールした際に、上記凸片23が第一集合点Aの直近位置で縁片13に一層圧着されることとなり、第一集合点A周りに集まる面板の集積度合いがさらに高まって前記微細な透孔が生じるのをより一層抑止することができるようになる。この紙容器を用いた氷菓の商品は冷凍して流通段階を経て販売されるものとなる。そして、一般消費者がこの商品を購入して運ぶ際に収容物の一部が融けて、さらに紙容器が上下逆さまになっても、上記第一集合点Aで微細な透孔が生じないようにした構成となっていることから、融けた液体の漏れ出しを防止できる。
【0048】
上記実施の形態では、側面板12の両側辺の山折りする折り位置aに設けた罫線20について、折り位置aにおける途中部位から容器本体上面位置側に折り込み接合板121側に位置ズレした位置ズレ罫線20aを備えるブランクとしており、このブランクから製函される紙容器では、側面板12の両側辺の折り部18の内面側での容器本体上面位置側に盛り上がり部が形成されないようにし、側面板12の側辺の山折りの折り部18の前記容器本体上面位置側の部分に第二側面板14の側辺の谷折りの折り部18の容器本体上面位置側の部分が当接しているものとなっている。本発明において、折り位置aから一部分が偏倚してなる位置ズレ罫線を有する形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その他の例を以下に説明する。
【0049】
(偏倚の位置ズレの他の例)
側面板12の両側辺の折り位置aに罫線20を設ける点に代えて、ブランクから製函する際にこの側面板12の山折りした折り部18に対応する谷折りの折り部18を形成することになる第二側面板14の側辺での折り位置aについて、上記実施の形態と同様に偏倚した位置ズレの罫線を設けるようにすることが可能であり、図9に示すように、第二側面板14の両側辺の折り位置aにおいて、底面板11側からその折り位置aの途中部位に罫線中心が同じとなるようにして罫線20を設け、途中部位から容器本体上面位置側の領域に、例えば第二折り込み接合板141側に罫線中心が偏倚し、かつ折り位置aが罫線幅の範囲に収まるようにして位置ズレ罫線20aを備えるようにすることも可能である。そして、側面板12の両側辺の折り位置aに一部の領域を位置ズレ罫線20aとした罫線20を設けるとともに、第二側辺14の両側辺の折り位置aに一部の領域を位置ズレ罫線20aとした罫線20を設けるようにしてもよいものである。なお、第二側面板14の両側辺の折り位置aにおいては谷折りされて、その折り部18が、側面板12の側辺の山折りする折り部18の内面に対向することになるが、谷折りしてなる折り部18の凸側の面にあっても、罫線が位置している箇所にあっては若干の盛り上がり部が形成されており、また、罫線が位置ズレしている場合には盛り上がり部が生じないものとなり、山折りの折り部18の内面側に深く入り込むことができるものとなる。
【0050】
(弧状による罫線の例)
上記実施の例では折り位置aにおける途中部位から容器本体上面位置側の領域で、折り位置aに対して罫線中心が変更にして折り込み接合板121や第二折り込み接合板141側に偏倚したものであるが、罫線20自体を弧状にすることによっても折り位置aにおける途中部位から容器本体上面位置側の領域で罫線中心が位置ズレさせることができる。図10はその一例を示していて、側面板12の両側辺の折り位置aに設けられている罫線20は弧状とされており、側面板12の両側辺の折り位置aにおける底面板11側から途中部位に及ぶ範囲では罫線中心がほぼその折り罫位置aに重なるように罫線20が設けられているとともに、前記途中部位から容器本体上面位置側に亘る領域において折り位置aから罫線中心のズレが徐々に大きくなる湾曲形状にして位置ズレ罫線20aを形成しているものである。
【0051】
なお、折り位置aの途中部位から容器本体上面位置側に亘る領域での位置ズレにあっても、罫線幅内に折り位置aが配置される弧状形状としている。そして、この実施の例にあっても、側面板12の両側辺の折り位置aに設ける罫線に代えて、第二側面板14の両側辺の折り位置aに同様の弧状の罫線を設けるようにすることも可能であり、さらに側面板12の両側辺の折り位置aと第二側面板14の両側辺の折り位置aとの両方にこの湾曲した罫線を設けるようにすることも可能である。
【0052】
(屈曲の罫線の例)
また、折り位置aにおける途中部位から容器本体上面位置側の領域で、折り位置aに対して罫線中心が変更にして折り込み接合板121や第二折り込み接合板141側に位置ズレするように、罫線20自体を屈曲した形状にすることも可能である。図11はその一例を示していて、側面板12の両側辺の折り位置aに設けられている罫線20は、側面板12の両側辺の折り位置aにおける底面板11側から途中部位に及ぶ範囲では罫線中心がその折り罫位置aに重なっているとともに、途中部位で屈曲してその途中部位から容器本体上面位置側に亘る領域において折り位置aから罫線中心のズレが徐々に大きくなるように側面板12側に傾斜にして位置ズレ罫線20aを形成しているものである。
【0053】
なお、折り位置aの途中部位から容器本体上面位置側に亘る領域での位置ズレ罫線20aにあっても、その位置ズレ罫線20aの罫線幅内に折り位置aが配置される。そして、この実施の例にあっても、側面板12の両側辺の折り位置aに設ける罫線に代えて、第二側面板14の両側辺の折り位置aに同様の屈曲した罫線を設けるようにすることも可能であり、さらに側面板12の両側辺の折り位置aと第二側面板14の両側辺の折り位置aとの両方にこの屈曲した罫線を設けるようにすることも可能である。
【0054】
また、上記例では罫線を屈曲させて折り位置aに重なる範囲で位置ズレした位置ズレ罫線を設けているものであるが、側面板12の両側辺で山折りしてなる折り部18や第二側面板14の両側辺で谷折りしてなる折り部18での容器本体上面位置側に、両者の当接に不具合となる盛り上がり部が折り位置aに沿った罫線から形成されないようにすればよいものであるから、図12に一例として示すが、側面板12の両側辺の折り位置aの途中部位から罫線20が鈎状に屈曲して、折り位置aの前記途中部位から容器本体上面位置側に亘る領域から離れた位置、例えば側面板12の面板領域内に位置ズレ罫線20aを形成するようにしてもよいものである。
【0055】
側面板12の両側辺の折り位置や第二側面板14の両側辺の折り位置に設けた上記罫線の一部分として位置ズレ罫線を示している図にあっては、ブランクにおける一つのコーナーが図示されているが、説明を容易にするための表現であり、各コーナーが同じように構成されている。
【符号の説明】
【0056】
1…フランジ付き紙容器
11…底面板
12…側面板 121…折り込み接合板
14…第二側面板 141…第二折り込み接合板
16…フランジ
17…罫線
18…折り部
20…罫線
20a…位置ズレ罫線
23…凸片
24…蓋板
A…第一集合点
B…第二集合点
a…折り位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方形の底面板の相対向する二側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して側面板が連接され、側面板の前記底面板とは反対側となる外辺に、谷折りする折り位置を介して縁片が連接され、前記縁片の左右端に、それぞれ横方向に延びる舌片が設けられ、前記側面板の左右側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して逆三角形状の折り込み接合板が連接され、折り込み接合板の底面板とは反対側となる外辺には、谷折りする折り位置を介して接合縁片が連接され、
底面板の他の相対向する二側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して第二側面板が連接され、第二側面板の前記底面板とは反対側となる外辺に、谷折りする折り位置を介して第二縁片が連接され、第二縁片の左右端に、それぞれ横方向に延びる第二舌片が設けられ、前記第二側面板の左右側辺に、それぞれ谷折りする折り位置を介して逆三角形状の第二折り込み接合板が連接され、
前記折り込み接合板の側面板とは反対側の側辺と、第二折り込み接合板の第二側面板とは反対側の側辺とが、山折りする折り位置を介して連接されていて、
前記側面板と第二側面板とを折り曲げてトレー状に組み立て、前記折り込み接合板と第二折り込み接合板とを重ね合わせ、この重ね合わせた二枚の接合板を前記第二側面板の外面側に折り曲げて重ね合わせ、前記縁片と第二縁片と接合縁片とをそれぞれ谷折りして、前記側面板と第二側面板との前記折り曲げにより近接した前記舌片の上面と第二舌片の下面とが相対するように舌片と第二舌片とを重ね合わせ、前記折り込み接合板と第二折り込み接合板との第二側面板への重ね合わせにより、前記接合縁片の上面と前記第二縁片の下面とが相対するように接合縁片と第二縁片とが重ね合わされて、折り起こされた前記側面板を四方に配して形成された容器本体の開放された上面の周りに、前記縁片と第二縁片と接合縁片とでフランジが形成されるように設けられているフランジ付き紙容器用ブランクであって、
前記側面板の両側辺の山折りの前記折り位置と前記第二側面板の両側辺の谷折りの折り位置とには、ブランクの容器外方側となる片面から押罫を当ててブランクの容器内方側となる片面に凸となる罫線が設けられていて、側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線と第二側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線との少なくとも一方は、前記容器本体上面位置側での部分において前記折り位置に対して罫線の中心が位置ズレしていることを特徴とするフランジ付き紙容器用ブランク。
【請求項2】
容器本体上面位置側での部分における折り位置に対しての罫線中心の位置ズレは、罫線を折り位置に対してこの折り位置を間とする面板の何れか側に平行に偏倚させてなるもの、または罫線を屈曲形状にして折り位置に対して傾斜させてなるもの、または罫線を弧状にして折り位置に対して傾斜させてなるものの何れかである請求項1に記載のフランジ付き紙容器用ブランク。
【請求項3】
方形の底面板の相対向する二側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して側面板が連接され、側面板の前記底面板とは反対側となる外辺に、谷折りする折り位置を介して縁片が連接され、前記縁片の左右端に、それぞれ横方向に延びる舌片が設けられ、前記側面板の左右側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して逆三角形状の折り込み接合板が連接され、折り込み接合板の底面板とは反対側となる外辺には、谷折りする折り位置を介して接合縁片が連接され、
底面板の他の相対向する二側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して第二側面板が連接され、第二側面板の前記底面板とは反対側となる外辺に、谷折りする折り位置を介して第二縁片が連接され、第二縁片の左右端に、それぞれ横方向に延びる第二舌片が設けられ、前記第二側面板の左右側辺に、それぞれ谷折りする折り位置を介して逆三角形状の第二折り込み接合板が連接され、
前記折り込み接合板の側面板とは反対側の側辺と、第二折り込み接合板の第二側面板とは反対側の側辺とが、山折りする折り位置を介して連接されている紙容器用ブランクからなり、
前記ブランクの前記側面板と第二側面板とを折り曲げてトレー状に組み立て、前記折り込み接合板と第二折り込み接合板とを重ね合わせ、この重ね合わせた二枚の接合板を前記第二側面板の外面側に折り曲げて重ね合わせ、前記縁片と第二縁片と接合縁片とをそれぞれ谷折りして、前記側面板と第二側面板との前記折り曲げにより近接した前記舌片の上面と第二舌片の下面とが相対するように舌片と第二舌片とを重ね合わせ、前記折り込み接合板と第二折り込み接合板との第二側面板への重ね合わせにより、前記接合縁片の上面と前記第二縁片の下面とが相対するように接合縁片と第二縁片とが重ね合わされて、折り起こされた前記側面板を四方に配して形成された容器本体の開放された上面の周りに、前記縁片と第二縁片と接合縁片とでフランジが形成されているフランジ付きの紙容器において、
前記ブランクの側面板の両側辺の山折りの前記折り位置と前記第二側面板の両側辺の谷折りの折り位置とには、ブランクの容器外方側となる片面から押罫を当ててブランクの容器内方側となる片面に凸となる罫線が設けられていて、側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線と第二側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線との少なくとも一方は、前記容器本体上面位置側での部分において前記折り位置に対して罫線の中心が位置ズレしていて、
前記側面板の側辺の前記折り位置で山折りしてなる折り部の容器本体上面位置側の部分と前記第二側面板の側辺の前記折り位置で谷折りしてなる折り部の容器本体上面位置側の部分との少なくとも一方が、前記罫線中心が位置ズレしている領域での折り位置が折曲してなる折り部であって、この側面板の側辺での折り部の容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺での折り部の容器本体上面位置側の部分との両者が当接していることを特徴とするフランジ付き紙容器。
【請求項4】
容器本体上面位置側での部分における折り位置に対しての罫線中心の位置ズレは、罫線を折り位置に対してこの折り位置を間とする面板の何れか側に平行に偏倚させてなるもの、または罫線を屈曲形状にして折り位置に対して傾斜させてなるもの、または罫線を弧状にして折り位置に対して傾斜させてなるものの何れかである請求項3に記載のフランジ付き紙容器。
【請求項5】
請求項3または4に記載のフランジ付き紙容器における前記フランジに蓋板の外周辺を接合して、蓋板により容器本体上面が覆われていることを特徴とする紙容器。
【請求項1】
方形の底面板の相対向する二側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して側面板が連接され、側面板の前記底面板とは反対側となる外辺に、谷折りする折り位置を介して縁片が連接され、前記縁片の左右端に、それぞれ横方向に延びる舌片が設けられ、前記側面板の左右側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して逆三角形状の折り込み接合板が連接され、折り込み接合板の底面板とは反対側となる外辺には、谷折りする折り位置を介して接合縁片が連接され、
底面板の他の相対向する二側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して第二側面板が連接され、第二側面板の前記底面板とは反対側となる外辺に、谷折りする折り位置を介して第二縁片が連接され、第二縁片の左右端に、それぞれ横方向に延びる第二舌片が設けられ、前記第二側面板の左右側辺に、それぞれ谷折りする折り位置を介して逆三角形状の第二折り込み接合板が連接され、
前記折り込み接合板の側面板とは反対側の側辺と、第二折り込み接合板の第二側面板とは反対側の側辺とが、山折りする折り位置を介して連接されていて、
前記側面板と第二側面板とを折り曲げてトレー状に組み立て、前記折り込み接合板と第二折り込み接合板とを重ね合わせ、この重ね合わせた二枚の接合板を前記第二側面板の外面側に折り曲げて重ね合わせ、前記縁片と第二縁片と接合縁片とをそれぞれ谷折りして、前記側面板と第二側面板との前記折り曲げにより近接した前記舌片の上面と第二舌片の下面とが相対するように舌片と第二舌片とを重ね合わせ、前記折り込み接合板と第二折り込み接合板との第二側面板への重ね合わせにより、前記接合縁片の上面と前記第二縁片の下面とが相対するように接合縁片と第二縁片とが重ね合わされて、折り起こされた前記側面板を四方に配して形成された容器本体の開放された上面の周りに、前記縁片と第二縁片と接合縁片とでフランジが形成されるように設けられているフランジ付き紙容器用ブランクであって、
前記側面板の両側辺の山折りの前記折り位置と前記第二側面板の両側辺の谷折りの折り位置とには、ブランクの容器外方側となる片面から押罫を当ててブランクの容器内方側となる片面に凸となる罫線が設けられていて、側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線と第二側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線との少なくとも一方は、前記容器本体上面位置側での部分において前記折り位置に対して罫線の中心が位置ズレしていることを特徴とするフランジ付き紙容器用ブランク。
【請求項2】
容器本体上面位置側での部分における折り位置に対しての罫線中心の位置ズレは、罫線を折り位置に対してこの折り位置を間とする面板の何れか側に平行に偏倚させてなるもの、または罫線を屈曲形状にして折り位置に対して傾斜させてなるもの、または罫線を弧状にして折り位置に対して傾斜させてなるものの何れかである請求項1に記載のフランジ付き紙容器用ブランク。
【請求項3】
方形の底面板の相対向する二側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して側面板が連接され、側面板の前記底面板とは反対側となる外辺に、谷折りする折り位置を介して縁片が連接され、前記縁片の左右端に、それぞれ横方向に延びる舌片が設けられ、前記側面板の左右側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して逆三角形状の折り込み接合板が連接され、折り込み接合板の底面板とは反対側となる外辺には、谷折りする折り位置を介して接合縁片が連接され、
底面板の他の相対向する二側辺に、それぞれ山折りする折り位置を介して第二側面板が連接され、第二側面板の前記底面板とは反対側となる外辺に、谷折りする折り位置を介して第二縁片が連接され、第二縁片の左右端に、それぞれ横方向に延びる第二舌片が設けられ、前記第二側面板の左右側辺に、それぞれ谷折りする折り位置を介して逆三角形状の第二折り込み接合板が連接され、
前記折り込み接合板の側面板とは反対側の側辺と、第二折り込み接合板の第二側面板とは反対側の側辺とが、山折りする折り位置を介して連接されている紙容器用ブランクからなり、
前記ブランクの前記側面板と第二側面板とを折り曲げてトレー状に組み立て、前記折り込み接合板と第二折り込み接合板とを重ね合わせ、この重ね合わせた二枚の接合板を前記第二側面板の外面側に折り曲げて重ね合わせ、前記縁片と第二縁片と接合縁片とをそれぞれ谷折りして、前記側面板と第二側面板との前記折り曲げにより近接した前記舌片の上面と第二舌片の下面とが相対するように舌片と第二舌片とを重ね合わせ、前記折り込み接合板と第二折り込み接合板との第二側面板への重ね合わせにより、前記接合縁片の上面と前記第二縁片の下面とが相対するように接合縁片と第二縁片とが重ね合わされて、折り起こされた前記側面板を四方に配して形成された容器本体の開放された上面の周りに、前記縁片と第二縁片と接合縁片とでフランジが形成されているフランジ付きの紙容器において、
前記ブランクの側面板の両側辺の山折りの前記折り位置と前記第二側面板の両側辺の谷折りの折り位置とには、ブランクの容器外方側となる片面から押罫を当ててブランクの容器内方側となる片面に凸となる罫線が設けられていて、側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線と第二側面板の両側辺の折り位置に設けられた前記罫線との少なくとも一方は、前記容器本体上面位置側での部分において前記折り位置に対して罫線の中心が位置ズレしていて、
前記側面板の側辺の前記折り位置で山折りしてなる折り部の容器本体上面位置側の部分と前記第二側面板の側辺の前記折り位置で谷折りしてなる折り部の容器本体上面位置側の部分との少なくとも一方が、前記罫線中心が位置ズレしている領域での折り位置が折曲してなる折り部であって、この側面板の側辺での折り部の容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺での折り部の容器本体上面位置側の部分との両者が当接していることを特徴とするフランジ付き紙容器。
【請求項4】
容器本体上面位置側での部分における折り位置に対しての罫線中心の位置ズレは、罫線を折り位置に対してこの折り位置を間とする面板の何れか側に平行に偏倚させてなるもの、または罫線を屈曲形状にして折り位置に対して傾斜させてなるもの、または罫線を弧状にして折り位置に対して傾斜させてなるものの何れかである請求項3に記載のフランジ付き紙容器。
【請求項5】
請求項3または4に記載のフランジ付き紙容器における前記フランジに蓋板の外周辺を接合して、蓋板により容器本体上面が覆われていることを特徴とする紙容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−52900(P2013−52900A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191881(P2011−191881)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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