説明

フラーレンを含むフィルムの気体透過速度の増大

球状フラーレン、碗状フラーレン、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノコーン、およびカーボンナノオニオンから選択されるフラーレン材料を少なくとも約0.001重量%含む包装フィルムを準備することを含む包装フィルムの気体透過速度を増大する方法。包装フィルムは、包装フィルムの酸素透過速度を少なくとも約100cc(STP)/m増大させるのに有効な放射線エネルギーの量に曝される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装フィルム、さらに詳細には包装フィルムの気体透過速度を増大する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品を、周囲空気と組成(例えば、酸素含量)および/または条件(例えば、圧力)が異なる包装雰囲気内に包装することは、時に有用である。例えば、変性された雰囲気内に新鮮な赤肉を包装して、包装された新鮮な赤肉の貯蔵寿命を延長することができる。変性された雰囲気は、約0.5体積%未満の酸素または約0.05体積%未満の酸素などの、低い量の酸素を含むものであってよい。
【0003】
しかし、低酸素雰囲気中に包装された新鮮な赤肉は、一般に小売顧客を不快にする恐れのある紫色を有する。したがって、包装内の変性された雰囲気の組成物および/または条件を、この包装がスーパーマーケットまたは他の小売店に着いた後に、外気の組成物および/または条件に近づけることが望ましいことがある。例えば、外気からの酸素を包装の内部に到達させて、肉を小売展示に適する赤色に「鮮度」を与えることができる。
【0004】
低酸素環境において食品を輸送し、顧客に展示する前に小売店において酸素を迅速に導入して食品に鮮度を与えることを可能にするため、いくつかの包装デザインが提供されている。例えば、米国特許第5,591,468号;同第5,686,126号;同第5,779,050号;同第5,919,547号;および同第6,032,800号を参照のこと;これらのそれぞれを参照により全体を本明細書に組み込む。
【0005】
このような包装は、剥離可能なラミネート、例えば比較的酸素透過性のフィルムおよび比較的酸素不透過性のフィルムに分離させる(例えば、手で剥離される)ことができるラミネートを含む。このようなラミネートは、支持部材にシール(新鮮な赤肉製品を支持するトレーなどの)され、比較的低い酸素透過速度を有する、低酸素変性雰囲気密閉包装を形成して、この変性された条件において変性された内部雰囲気を維持することができる。小売店において、この比較的酸素不透過性のフィルムは、このラミネートから剥離することができ、トレーにシールされた比較的酸素透過性のフィルムを残し、このフィルムを通して比較的高い酸素透過速度を有する密閉包装をもたらし、その結果酸素がフィルムを通して比較的迅速に移行して、肉を鮮やかな赤色の鮮度にする。しかし、このような系の難点は、比較的酸素不透過性のフィルムをラミネートから剥離するための必要なことである。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、上述の問題の1つ以上を検討する。
【0007】
(発明の概要)
一実施形態は、包装フィルムの気体透過速度を増大する方法である。フィルムの重量に対して、フラーレン材料を少なくとも約0.001重量%含む包装フィルムが提供される。フラーレン材料は、球状フラーレン、碗状フラーレン、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノコーン、およびカーボンナノオニオンの1つ以上から選択される。包装フィルムは、0%相対湿度および23℃で測定して1平方メートル当たり、1日当たり、酸素圧力差の1気圧当たり、少なくとも約100立方センチメートル(標準温度および圧力において)包装フィルムの酸素透過速度を増大させるのに有効な放射線エネルギーの量に曝される。
【0008】
本発明のその他の実施形態は、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデンポリマー、ポリアルキレンカーボネート、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、およびポリアミドの1つ以上から選択される酸素バリヤーポリマーを100重量部含む、少なくとも1つの層を含む包装フィルムである。また、少なくとも1つの層は、酸素バリヤーポリマー100重量部当たりフラーレン材料を少なくとも約0.001重量部含む。このフラーレン材料は、球状フラーレン、碗状フラーレン、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノコーン、およびカーボンナノオニオンの1つ以上から選択される。
【0009】
本発明のさらに別の実施形態は、少なくとも1つの層を含む包装フィルムである。1つ以上の不連続領域は、フィルムの少なくとも1つの層によって支持される。この1つ以上の不連続領域は、フィルムの重量に対して、フラーレン材料を少なくとも約0.001重量%含む。このフラーレン材料は球状フラーレン、碗状フラーレン、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノコーン、およびカーボンナノオニオンの1つ以上から選択される。
【0010】
本発明のこれらのおよび他の目的、利点、および特徴は、本発明および図面の詳細な記載を参照することにより、さらに容易に理解し、正当に評価することができる。
【0011】
(発明の詳細)
包装フィルムは、球状フラーレン、碗状フラーレン、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノコーン、およびカーボンナノオニオンの1つ以上から選択されるフラーレン材料を含むことができる。フィルムの気体透過速度をこのフィルムを放射線エネルギーの有効量に曝露することによって増大させることができる。
【0012】
包装フィルム
包装フィルムは、1つ以上のポリマーを含み、包装または包装系の一部として有用なフィルムである。例えば、以下のいずれもが、包装フィルムを含む:袋、瓶、ケーシング、容器、ラミネート、蓋、ライナー、小袋、入れ物、トレー、チューブ、成形または非成形巻き取り紙、包装紙。
【0013】
包装フィルムは、予想される用途に所与の包装を適用するために所望の特性(例えば、可撓性、ヤング率、光学的性質、強度、バリヤー)を与える限り、いかなる全体の厚さも有することができる。このフィルムは、およそ以下のいずれか未満の厚さを有することができる:20ミル、10ミル、5ミル、4ミル、3ミル、2ミル、1.5ミル、1.2ミル、および1ミル。このフィルムはまた、およそ以下のいずれかの厚さを有することができる。:0.25ミル、0.3ミル、0.35ミル、0.4ミル、0.45ミル、0.5ミル、0.6ミル、0.75ミル、0.8ミル、0.9ミル、1ミル、1.2ミル、1.4ミルおよび1.5ミル。
【0014】
包装フィルムは、単層または多層であってよい。このフィルムは、少なくとも以下の層の数のいずれかを含んでよい:2、3、4、および5。このフィルムは、最大で以下の層の数のいずれかを含んでよい:20、15、10、9、7、5、3、2、および1。用語「層」は、このフィルムと同一の拡がりを有し、実質上均一な組成を有する個別のフィルム成分のことをいう。このフィルムの層のいずれも、少なくともおよそ以下のいずれかの厚さを有することができる。:0.05、0.1、0.2、0.5および1ミル。このフィルムの層のいずれも、最大でおよそ以下のいずれかの厚さを有することができる:5ミル、2ミル、および0.5ミル。このフィルムの層のいずれも、少なくともおよそ以下の値のいずれかの、フィルムの全厚さのパーセンテージとしての厚さを有することができる:1、3、5、7、15、および20%。このフィルムの層のいずれも、最大でおよそ以下の値のいずれかの、フィルムの全厚さのパーセンテージとしての厚さ有することができる:80、50、40、35および30%。
【0015】
包装フィルムまたは包装フィルムの特定の層は、後述するポリマーのいずれも、少なくともおよそ以下の重量パーセント値のいずれかを含むような組成を有することができる:フィルムまたは特定の層の30、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、99、および100重量%。
【0016】
以下に述べる包装フィルムまたは包装フィルムのいずれかの特定の層は、穴開けはなくてよい。本明細書では、「穴開けのない」とは、フィルム(または層)が実質上フィルム(または層)の厚さを通した開口部を持っていないことを意味する。以下に述べる放射線エネルギー曝露ステップの後に、以下に述べる包装フィルムまたは包装フィルムのいずれかの特定の層は、穴開け(例えば、複数の開口部)があってもよく、またはなくてもよい。
【0017】
フラーレン材料
フラーレン材料には、球状フラーレン、碗状フラーレン、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノコーン、およびカーボンナノオニオンが含まれる。
【0018】
球状フラーレンは、偶数の炭素を有する閉鎖ケージ球状芳香族炭素分子を含み、これは、炭素5員環および一般にまた炭素6員環を含む。球状フラーレンは、式Cを含み、ここで、例えばnは、22以外の20〜190の偶数のいずれかであってよい。球状フラーレンは、(C−20)/2に等しい12個の5員環および多数の6員環を含むことができる。このC60フラーレン(すなわち、[60]フラーレン)はまた、「バックミンスターフラーレン(buckminsterfullerene)」または「バッキーボール(buckyball)」として知られており、サッカーボールに類似した、I対称群を有する中空の角錐切頭二十面体構造の球状芳香族分子と考えることができる。他の球状フラーレンには、C70(例えば、[70−D5h]フラーレン)、C76(例えば、[76−D2v]フラーレン)、C78(例えば、[78−D]フラーレン、[78−D2v(1)]フラーレン)、および[78−D2v(2)]フラーレン)、C80(例えば、[80−D]フラーレン)、C82、C84(例えば、[84−D2d]フラーレン、C90、およびC96が含まれる。球状フラーレンは、例えば、少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、および100個の炭素;および/または最大で190、150、120、100、90、80、70、および60個の炭素のいずれかを含むことができる。
【0019】
碗状フラーレンは、碗状フラーレン断片、碗状多環式芳香族炭化水素、ジェオデシックポリアレーン、碗状ポリアレーン、およびバッキーボールと呼ぶことができる分子を含む。球状フラーレンは、「閉鎖表面」を有する、または「閉鎖されている」、すなわち球状分子構造内に囲われている内部凹面を有していると考えることができるが、碗状フラーレンは、この凸面および露出している凹面の両方とも有している。碗状フラーレンの例には、C2010(コランヌレン(corannulene))、C2612、およびC3612(サーカムトリンデン(circumtrindene))が含まれる。碗状フラーレンは、少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、および100個の炭素;および/または最大で190、150、120、100、90、80、70、60、50、40、30、および20個の炭素のいずれかを含むことができる。碗状フラーレンは、例えば、L.Scott、H.Bronstein等、「Geodesic Polyarenes with exposed concave surfaces」Pure & Appl.Chem.、71巻、2号、209〜219頁(1999)、およびL.Scott、「Fragments of fullerenes:novel synthsis,structures,and reactions」Pure & Appl.Chem.、68巻、2号、291〜300頁(1996)に記載されており、これらのそれぞれは、参照により全体を本明細書に組み込む。
【0020】
多層カーボンナノチューブ(「MWNT」)はまた、多重層状のカーボンナノチューブまたはバッキーチューブ(buckey−tube)と呼ばれる。MWNTは、2つ以上の同軸のチューブおよび中空の核の分子立体配置を有する。それぞれのチューブは、円筒に巻かれたグラフェン(graphene)シートと考えることができる。このチューブは、一端または両端において、例えばヘミフラーレンのエンドキャップによって閉じられていてもよく、またはチューブの一端または両端が開口していてもよい。MWNTの平均外径は、最大およそ以下のいずれかであってよい:50、40、30、20、10、5、3、および2nm;および少なくともおよそ以下のいずれかであってよい:0.4、1、2、3、5、10、15、および20nm。MWNTの平均直径に対する平均チューブ長の比は、少なくともおよそ以下のいずれかであってよい:1.5、2、3、5、8、10、20、100、500、1,000、5,000、10,000、50,000、100,000、および1,000,000;および最大でおよそ以下のいずれかであってよい:5、8、10、20、100、500、1,000、5,000、10,000、および20,000。MWNTは、例えば、1,000,000nmまでの長さ、0.6〜20nmの外径、および0.4と3nmの間の内径を有することができる。MWNTは、同軸チューブの以下の数のいずれかを有することができる:少なくとも2、3、4、5、6、8、10、12、14、18、20、16、30、および40個の同軸チューブ;および/または最大で60、46、40、36、30、26、20、16、14、12、10、8、6、5、4、3、および2個の同軸チューブ。
【0021】
カーボンナノコーン(すなわち、炭素ナノホーン)は、単層炭素ナノホーン(「SWNH」)を含むことができる。このカーボンナノコーンは、少なくとも1、2、3、4、5、6、8、10、12、14、18、20、16、30、および40個のグラフェン層;および/または最大で60、46、40、36、30、26、20、16、14、12、10、8、6、5、4、3、および2個のグラフェン層のいずれかを含むことができる。カーボンナノコーンは、例えば、NanoCraft,Inc.(Renton、Washington)から入手可能である。
【0022】
カーボンナノオニオン(すなわち、「バッキーオニオン」(buckeyonions))は、タマネギ状構造を有する同軸の中空炭素球を含む。このナノオニオンの最も内側の球は、上述の球状フラーレン、例えば、[60]フラーレンまたは[70]フラーレンのいずれかに対応することができる。このナノオニオンは、少なくとも2、3、4、5、6、8、10、12、14、18、20、16、30、および40個の同軸の球;および/または最大で60、46、40、36、30、26、20、16、14、12、10、8、6、5、4、3、および2個の同軸の球を含むことができる。
【0023】
フラーレン材料は、いくつかの異なる異性体を含むことができる。管状断面を含むフラーレン材料は、キラリティーを示すことができる。
【0024】
フラーレン材料を製造する方法は、当業者に知られており、グラファイトの抵抗、アーク、太陽、または誘導加熱、燃焼による合成、およびナフタレンまたは他の炭化水素の高温分解、炭素蒸気析出、グラファイトの二酸化炭素レーザー蒸発、ならびに炭素イオン衝撃を含む。例えば、カーボンナノオニオンは、炭素粒子の強い電子線照射により、炭素すすの衝撃波処理により、プラズマトーチに曝された炭素から、炭素のレーザー溶融により、および1,000℃を超える温度においてナノダイアモンドをアニーリングすることにより形成することができる。カーボンナノコーンは、炭素アーク中で形成することができる。碗状フラーレンは、例えば、適切な前駆体のフラッシュ真空高温分解によって合成することができる。例えば、上に引用したL.Scott文献を参照のこと。フラーレン材料を製造する方法は、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第6巻、370〜78頁(第6版 2003)において議論されており、この370〜78頁を参照により本明細書に組み込み、およびAndreas HirshおよびMichael Brettreich、「Fullerenes:Chemistry and Reactions」(2005年1月 Wiley Press)において議論されており、参照により全体を本明細書に組み込む。
【0025】
フラーレン材料は、本出願において議論されたフラーレン材料(例えば、球状フラーレン、碗状フラーレン、MWNT、カーボンナノコーン、SWNH、カーボンナノオニオン)のいずれかの、いずれか1つ、2つ、3つ、4つ、もしくは5つを含むことができ、またはこれらから本質的に成ることができる。例えば、フラーレン材料は、少なくとも70個の炭素を含む球状フラーレンから本質的に成ることができる。さらに、フラーレン材料は、以下の少なくともいずれかを含むことができる:本出願において議論されたフラーレン材料のいずれかの2、3、4、および5つのタイプ。例えば、フラーレン材料は、球状フラーレンおよびMWNTを含むことができ;または例えば、フラーレン材料は、C60およびC70球状フラーレンを含むことができる。
【0026】
フラーレン材料は、変性されたフラーレン材料を含むことができ、これは、例えば、置換されたフラーレン材料を形成するために、付加反応により、水素化(例えば、部分水素化)により、ハロゲン化により、還元(例えば、アルカリまたはアルカリ土類金属)により、またはPVOHまたはEVOH含有コポリマーによる官能化により変性(例えば、官能化または誘導化)されたフラーレン材料である。フラーレン材料の少なくとも一部分は、変性されてよい。官能化フラーレン材料は、ポリマーの1つ以上の分子鎖に、または内部に化学的に結合することができる。例えば、官能化フラーレン材料は、ポリマー鎖の連鎖停止基として働くカルボキシル基を担持することができ、または1つを超えるカルボキシル基を担持することができ、および共重合により、ポリマー鎖の末端または内部に存在することができる。官能化フラーレン材料は、ポリマー鎖の末端に、ポリマー鎖の内部に、またはこの両方に存在することができる。
【0027】
フラーレン材料は、例えばフラーレン材料が遷移金属、炭化物、または酸化物をカプセル化するように内部面を持つフラーレン材料を含むことができる。
【0028】
フラーレン材料は、例えば、フラーレン材料がフィルム全体に均一に分散するように、フィルム中に分散させることができる。あるいは、フィルムの1つ以上の層は、フラーレン材料(例えば、フィルムの1つ以上の層中に分散された)を含んでよく、一方、フィルムの1つ以上の他の層は、フラーレン材料を実質上含まなくてよい。例えば、フィルムのバリヤー層(以下に議論される)は、フラーレン材料を含んでよく、またはバリヤー層は、フラーレン材料を実質上含まなくてよい。このフィルムは、バリヤー層に直接付着したフラーレン材料を含む1つ以上の層を含むことができる。
【0029】
フィルムまたはフィルムの層(例えば、フィルムのバリヤー層)は、少なくともおよそフラーレン材料の以下の量のいずれかを含むことができる:フィルムの重量またはフラーレン材料を組み込んでいるフィルムの重量に対して、0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、5%、8%、10%、12%、15%、20%、25%、30%、35%、および40%。フィルムまたはフィルムの層(例えば、バリヤー層)は、最大でおよそフラーレン材料の以下の量のいずれかを含むことができる:フィルムの重量または層の重量に対して、50%、40%、30%、20%、15%、10%、8%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、および0.01%。
【0030】
一実施形態において、外層12および1つ以上の他の層14を含む包装フィルム10(図1)は、フィルム10の外層12によって支持された1つ以上の不連続領域16などの、フィルムの1つ以上の選択された領域中にフラーレン材料を組み込むことによってフラーレン材料を含むことができ、この場合、1つ以上の不連続領域16は、フィルム10の外表面18の少なくとも一部を形成することができる。
【0031】
別の実施形態において、1つ以上の層22および1つ以上の他の層24を含む包装フィルム20(図2)は、フィルム構造内部(例えば、層22と24の間)の1つ以上の不連続領域16などの、フィルムの1つ以上の選択された領域中にフラーレン材料を組み込むことによってフラーレン材料を含むことができる。
【0032】
いずれの実施形態においても、1つ以上の不連続領域16は、前節において述べたフラーレン材料のパーセンテージのいずれかを含むことができる(しかし、1つ以上の不連続領域の重量に対して)。1つ以上の不連続領域16は、本出願に記載されたポリマーのいずれかの1つ以上などのポリマー(例えば、熱可塑性ポリマー)を本出願に記載されたパーセンテージ量のいずれか(しかし、1つ以上の不連続領域の重量に対して)において含むことができる。1つ以上の不連続領域16は、1つ以上の印刷インキまたはワニスを含むことができる。
【0033】
1つ以上の不連続領域16は、フィルム外層12の表面18上に所望の面積形状を形成するために、点、ストリップ、または他の配置の形状であってよい。この1つ以上の不連続領域16は、例えば、1つ以上の選択された領域におけるフィルム外層上にポリマー樹脂とフラーレン材料を含む混合物を適用するために、「印刷」(すなわち、印刷適用方法を使用して)することによってフィルム外層上に付着させることができる。この混合物を適用する有用な印刷方法には、スクリーン、グラビア、フレキソグラフ、ロール、計量ロッドコーティング、インクジェット、デジタル、およびトナー印刷技法などの当業者に知られた印刷方法の1つ以上が含まれる。
【0034】
外層に付着された不連続領域16は、フラーレン材料を組み込んだ不連続領域上に1つ以上の追加のフィルム層をラミネート、さもなければ付着させることによって、引き続いてフィルム構造の内部となる。例えば、印刷画像を、印刷画像上にフィルムをラミネートすることによって「トラップ印刷」することができるのと同じように、不連続領域16も外部フィルム層によってトラップすることができる。
【0035】
フラーレン材料を組み込んだ不連続領域16は、Havensの米国特許第5,110,530号(この全体を参照により本明細書に組み込む)に記載されているように、ポリマー樹脂の1つ以上のバンド(例えば、「ストリップ」または「レーン」)の形態をとることができる。このようなバンドは、顔料よりも、または顔料に加えて分散したフラーレンを組み込んでよい。このようなバンドはまた、フィルム層構造に対して内部または外部であってよい。
【0036】
包装フィルムは、少なくともおよそフラーレン材料の以下の量のいずれかを含むことができる:0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、5、8、10、12、15、20、25、30、35、および40重量部の、フィルム中の100重量部バリヤーポリマー当たりのフラーレン材料。このフィルムは、最大でおよそフラーレン材料の以下の量のいずれかを含むことができる:50、40、30、20、15、10、8、6、5、4、3、2、1、0.5、0.1、0.05、および0.01重量部の、フィルム中の100重量部バリヤーポリマー当たりのフラーレン材料。この節の前述の重量比はまた、以下に確認される任意の特定のバリヤーポリマーの1つ以上の100重量部に対するフラーレン材料の重量部として適用することができる。
【0037】
このフィルムの層(例えば、以下に議論されるバリヤー層)は、包装フィルム中のフラーレン材料の総量に対して、少なくともおよそフラーレン材料の以下の量のいずれかを含むことができる:50、60、70、80、90、95、99重量%。フラーレン材料の前述の量のいずれかを含むフィルムの層はまた、包装フィルムの全厚さに対して、最大でおよそ以下のパーセンテージのいずれかの厚さを有することができる:50、40、30、20、15、10、および5%。
【0038】
バリヤー層(以下に議論される)および/またはフラーレン材料を含む層は、フィルムの外層であってよい。外層は、フィルムの「外側層」(すなわち、フィルムを組み込んでいる包装の外側に面するために適合させたまたは設計された外層)またはフィルムの「内側層」(すなわち、フィルムを組み込んでいる包装の内側に面するために適合させたまたは設計された外層)であってよい。フィルムが、1つだけの層を含む場合、この時はこの1つの層を「外層」と考えることができる。バリヤー層および/またはフラーレン材料を含む層は、フィルムの内部または内側層であってよい。フィルムの内部または内側層は、フィルムの2つの外層の間にある。
【0039】
バリヤーポリマー
包装フィルムは、1つ以上のバリヤーポリマーを含む。「バリヤーポリマー」は、このポリマーを組み込んでいない相当するフィルムに対して、このポリマーを組み込んでいるフィルムを通過する特定の気体の透過速度を著しく低下させることができるポリマーである。したがって、特定の気体に対するバリヤーポリマーは、特定の気体に対して、フィルムに向上したバリヤー特性を与える。特定の気体を考慮することなしに、用語「バリヤーポリマー」を本出願において使用する場合、この用語は、水蒸気、酸素、および/または二酸化炭素気体のいずれかを考慮することがあると理解される。
【0040】
例えば、「酸素バリヤーポリマー」は、酸素バリヤーポリマーが向上したバリヤー特性をフィルムに与えるので、酸素バリヤーポリマーを組み込んでいるフィルムを通過する酸素気体透過速度を著しく低下させることができる。バリヤーポリマーが、二酸化炭素に対して有効である場合、この時はこのポリマーは、「二酸化炭素バリヤーポリマー」と考えることができる。バリヤーポリマーが、水蒸気に対して有効である場合、この時はこのバリヤーポリマーは、「水蒸気バリヤーポリマー」と考えることができる。1つのタイプの気体に対するバリヤーとして有効であるバリヤーポリマーはまた、1つ以上の他の気体に対するバリヤーとして有効であり得る。例えば、酸素に対して有効であるバリヤーポリマーはまた、二酸化炭素に対して有効であり、結果として同一のポリマーを酸素バリヤーポリマーおよび二酸化炭素バリヤーポリマーと考えてよい。
【0041】
包装フィルムが多層である場合、この時はフィルムを通過する特定の気体の透過速度を著しく低下させるために十分な量の1つ以上のバリヤーポリマーを組み込んだフィルムの1つ以上の層は、特定の気体に対して「バリヤー層」と考えることができる。フィルムが単層であり、1つ以上のバリヤーポリマーを組み込む場合、この層はそれ自体「バリヤー層」と考えることができる。例えば、層は、酸素バリヤーポリマーを含む場合、この時はこの層は、酸素バリヤー層と考えることができる。
【0042】
フィルムまたはフィルムのバリヤー層は、少なくともおよそ以下のいずれかの量の1つ以上のバリヤーポリマー含むことができる:それぞれフィルムまたはバリヤー層重量に対して、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、および99.5%。
【0043】
フィルムまたはバリヤー層は、バリヤーポリマー、例えば、2つのバリヤーポリマー、少なくとも2つのバリヤーポリマー、3つのバリヤーポリマー、および少なくとも3つのバリヤーポリマーのブレンドなどの1つを超えるバリヤーポリマーを含むことができる。フィルムまたはバリヤー層は、以下の量のいずれかの第1のバリヤーポリマーを含むことができる(フィルムまたはバリヤー層の重量に対して):少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、およびこれらの前述の値のいずれかの間の範囲(例えば、約60〜約80%)。フィルムまたはバリヤー層は、以下の量のいずれかの第2のバリヤーポリマーを含むことができる(フィルムまたはバリヤー層の重量に対して):約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%、約20%未満、約10%未満、約5%未満、およびこれらの前述の値のいずれかの間の範囲(例えば、約20〜約40%)。フィルムまたはバリヤー層は、以下の量のいずれかの第3のバリヤーポリマーを含むことができる(フィルムまたはバリヤー層の重量に対して):約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、およびこれらの前述の値のいずれかの間の範囲(例えば、約20〜約40%)。
【0044】
包装フィルムの層は、バリヤーポリマー(例えば、酸素、二酸化炭素、または水蒸気バリヤーポリマー)の少なくともおよそ以下の量のいずれかを、包装フィルム中のバリヤーポリマー(例えば、酸素、二酸化炭素、または水蒸気バリヤーポリマー)のこのクラスの総量に対して含むことができる:50、60、70、80、90、95、および99重量%。
【0045】
バリヤー層は、少なくともおよそ以下の厚さのいずれかを有することができる:0.05ミル、0.1ミル、0.2ミル、0.25ミル、0.3ミル、0.35ミル、0.4ミル、0.45ミル、0.5ミル、0.6ミル、0.75ミル、0.8ミル、0.9ミル、1ミル、1.2ミル、1.4ミル、および1.5ミル。バリヤー層は、およそ以下の厚さのいずれか未満を有することができる:5ミル、4ミル、3ミル、2ミル、1.5ミル、1.2ミル、および1ミル。
【0046】
例示的酸素バリヤーポリマーには、エチレン/ビニルアルコールコポリマー(「EVOH」)、ポリビニルアルコール(「PVOH」)、塩化ビニリデンポリマー(「PDdC」)、ポリアルキレンカーボネート、ポリエステル(例えば、PET、PEN)、ポリアクリロニトリル(「PAN」)、およびポリアミドが含まれる。
【0047】
EVOH
有用なエチレン/ビニルアルコールコポリマー(「EVOH」)は、約32%のエチレン含量、または少なくともおよそ以下の値のいずれかを有することができる:20%、25%、および30%重量%。EVOHは、最大でおよそ以下の値のいずれかのエチレン含量を有することができる:40%、35%、および33%重量%。EVOHは、少なくともおよそ以下の値:50%および85%のいずれかの加水分解の程度を有するものなどの、鹸化されたまたは加水分解されたエチレン/酢酸ビニルコポリマーを含むことができる。
【0048】
PVdC
塩化ビニリデンポリマー(「PVdC」)とは、塩化ビニリデン含有ポリマーまたはコポリマー、すなわち塩化ビニリデン(CH=CCl)から得られたモノマー単位、さらにまた場合によって、塩化ビニル、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、および(メタ)アクリル酸(例えば、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート)のC〜C12アルキルエステルの1つ以上から得られるモノマー単位を含むポリマーのことをいう。本明細書では、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸両方のことをいい、および「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレート両方のことをいう。PVdCの例は、以下の1つ以上を含む:
塩化ビニリデンホモポリマー、塩化ビニリデン/塩化ビニルコポリマー(「VDC/VC」)、塩化ビニリデン/メチルアクリレートコポリマー、塩化ビニリデン/エチルアクリレートコポリマー、塩化ビニリデン/エチルアクリレートコポリマー、塩化ビニリデン/エチルメタクリレートコポリマー、塩化ビニリデン/メチルメタクリレートコポリマー、塩化ビニリデン/ブチルアクリレートコポリマー、塩化ビニリデン/スチレンコポリマー、塩化ビニリデン/アクリロニトリルコポリマー、および塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー。
【0049】
有用なPVdCは、少なくとも約75、最大で約95、および最大で約98重量%塩化ビニリデンモノマーを有するものを含む。有用なPVdC(例えば、ラテックスエマルジョンコーティングによって塗布されるような)は、少なくともおよそ5%、10%、および15%のいずれかの、および/または最大でおよそ25%、22%、20%、および15重量%のコモノマーを、塩化ビニリデンモノマーと共に有するものを含む。
【0050】
有用なPVdCは、少なくともおよそ10,000;50,000;80,000;90,000;100,000;111,000;12,000;150,000;および180,000のいずれか、および最大でおよそ180,000;170,000;160,000;150,000;140,000;100,000;および50,000のいずれかの重量平均分子量(M)を有するものを含む。有用なPVdCはまた、少なくともおよそ130,000;150,000;170,000;200,000;250,000;および300,000のいずれか;および最大でおよそ300,000;270,000;250,000および240,000のいずれかの粘度平均分子量(M)を有するものを含む。
【0051】
PVdCを含む酸素バリヤー層はまた、熱安定剤(例えば、エポキシ化大豆油などの塩化水素捕捉剤)および潤滑加工助剤(例えば、1つ以上のアクリレート)を含む。
【0052】
ポリアミド
有用なポリアミドは、1つ以上のジアミンの1つ以上の二酸とのポリ縮合によって形成することができるタイプのもの、および/または1つ以上のアミノ酸のポリ縮合によって形成することができるタイプのものを含むことができる。有用なポリアミドには、脂肪族ポリアミドおよび脂肪族/芳香族ポリアミドが含まれる。
【0053】
ポリアミドを作製する代表的な脂肪族ジアミンは、次式を有するものを含む:
【0054】
【化1】

式中、nは、1〜16の整数値を有する。代表的な例には、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミンが含まれる。代表的な芳香族ジアミンには、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエタンが含まれる。代表的なアルキル化ジアミンには、2,2−ジメチルペンタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、および2,4,4−トリメチルペンタメチレンジアミンが含まれる。代表的な脂環式ジアミンには、ジアミノジシクロヘキシルメタンを含む。他の有用なジアミンには、ヘプタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン等が含まれる。
【0055】
ポリアミドを作製する代表的な二酸は、ジカルボン酸を含み、これは、次の一般式によって表すことができる:
【0056】
【化2】

式中、Zは、少なくとも2個の炭素原子を含む二価脂肪族または環式基を表す。代表的な例には、アジピン酸、セバチン酸、オクタデカンジオン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、およびグルタル酸などの脂肪族ジカルボン酸;およびイソフタル酸およびテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸が含まれる。
【0057】
前述のジアミンの1つ以上と前述の二酸とのポリ縮合反応生成物は、有用なポリアミドを形成することができる。1つ以上のジアミンの1つ以上の二酸とのポリ縮合反応によって形成することができるタイプの代表的ポリアミドには、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(「ナイロン−6,6」)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)(「ナイロン−6,10」、)ポリ(ヘプタメチレンピメラミド)(「ナイロン−7,7」)、ポリ(オクタメチレンスベラミド)(「ナイロン−8,8」)、ポリ(ヘキサメチレンアゼラミド)(「ナイロン−6,9」)、ポリ(ノナメチレンアゼラミド)(「ナイロン−9,9」)、ポリ(デカメチレンアゼラミド)(「ナイロン−10,9」)、ポリ(テトラメチレンジアミン−共−シュウ酸)(「ナイロン−4,2」)、n−ドデカンジオン酸とヘキサメチレンジアミンのポリアミド(「ナイロン−6,12」)、ドデカメチレンジアミンとn−ドデカンジオン酸のポリアミド(「ナイロン−12,12」)などの脂肪族ポリアミドが含まれる。
【0058】
代表的脂肪族/芳香族ポリアミドには、ポリ(テトラメチレンジアミン−共−イソフタル酸)(「ナイロン−4,I」)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(「ナイロン−6,I」)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)(「ナイロン−6,T」)、ポリ(2,2,2−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(m−キシレンアジパミド)(「ナイロン−MXD,6」)、ポリ(p−キシレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)、およびポリアミド−MXD,Iが含まれる。
【0059】
1つ以上のアミノ酸のポリ縮合によって形成することができるタイプの代表的ポリアミドには、ポリ(4−アミノ酪酸)(「ナイロン−4」)、ポリ(6−アミノヘキサン酸)(「ナイロン−6」または「ポリ(カプロラクタム)」)、ポリ(7−アミノヘプタン酸)(「ナイロン−7」)、ポリ(8−アミノオクタン酸)(「ナイロン−8」)、ポリ(9−アミノノナノン酸)(「ナイロン−9」)、ポリ(10−アミノデカノン酸)(「ナイロン−10」)、ポリ(11−アミノウンデカノン酸)(「ナイロン−11」)、およびポリ(12−アミノドデカン酸)(「ナイロン−12」)が含まれる。
【0060】
代表的共ポリアミドには、ナイロン−4/6、ナイロン−6/6、ナイロン−6/9、ナイロン−6/12、カプロラクタム/ヘキサメチレンアジパミドコポリマー(「ナイロン−6,6/6」)、ヘキサメチレンアジパミド/カプロラクタムコポリマー(「ナイロン−6,6/6」)、トリメチレンアジパミド/ヘキサメチレンアゼライアミドコポリマー(「ナイロン−トリメチル6,2/6,2」)、ヘキサメチレンアジパミド−ヘキサメチレン−アゼライアミドカプロラクタムコポリマー(「ナイロン−6,6/6,9/6」)、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレン−イソフタルアミド(「ナイロン−6,6/6,I」)、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド(「ナイロン−6,6/6,T」)、ナイロン−6,T/6,I、ナイロン−6/MXD、T/MXD,I、ナイロン−6,6/6,10、およびナイロン−6,I/6,Tなどの、前述のポリアミドのいずれかを作製するために使用されたモノマーの組合せに基づいたコポリマーが含まれる。
【0061】
通常の命名法は、一般にコポリマーの名前のスラッシュ(「/」)の前にコポリマーの主成分を挙げる;しかし、本出願においては、スラッシュの前に挙げた成分は、それ自体特に指定しない限り、必ずしも主成分ではない。例えば、本出願がそうでないと、特に述べない限り、「ナイロン−6/6,6」と「ナイロン−6,6/6」は、コポリアミドの同一のタイプのことをいうと考えることができる。
【0062】
ポリアミドコポリマーは、コポリマー中の最も普及しているポリマー単位(例えば、コポリマーナイロン−6/6,6中のポリマー単位としてヘキサメチレンアジパミド)を、以下のいずれかの範囲のモルパーセンテージにおいて含むことができる:少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、および少なくとも約90%、および前述の値(例えば、約60〜約80%)のいずれかの間の範囲;およびコポリマー中の第2に最も普及しているポリマー単位(例えば、コポリマーナイロン−6,6/6のポリマー単位としてカプロラクタム)を、以下のいずれかの範囲のモルパーセンテージにおいて含むことができる:約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、および前述の値(例えば、約20〜約40%)のいずれかの間の範囲。
【0063】
有用なポリアミドは、使用の所望の条件における、食品との直接接触に対する、および/または食品包装フィルムの使用に対する規制管理する部局(例えば、米国食品医薬品局(U.S.Food and Drug Agency)によって承認されるものを含む。
【0064】
ポリエステル
有用なポリエステルには:1)多官能性アルコールとの多官能性カルボン酸の縮合、2)ヒドロキシカルボン酸の縮合、および3)環式エステル(例えば、ラクトン)の重合、によって作製されるものが含まれる。
【0065】
多官能性カルボン酸(および、無水物またはメチルエステルのような単純なエステルなどのこれらの誘導体)には、芳香族ジカルボン酸および誘導体(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート)および脂肪族ジカルボン酸および誘導体(例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、ドデカノン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸エステル、ジメチルアジペート)が含まれる。
【0066】
有用なジカルボン酸はまた、ポリアミドの節において上に述べたものを含む。当業者には知られているように、ポリエステルは、無水物と多官能性カルボン酸のエステルを使用して製造することができる。
【0067】
例示的多官能性アルコールには、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリ(テトラヒドロキシ−1,1’−ビスフェニル、1,4−ハイドロキノン、およびビスフェノールA)などの二価アルコール(およびビスフェノール)が含まれる。
【0068】
例示的ヒドロキシカルボン酸およびラクトンには、4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ピバロラクトン、およびカプロラクトンが含まれる。
【0069】
有用なポリエステルは、ホモポリマーおよびコポリマーを含む。これらは、上に述べた成分の1つ以上の成分から得ることができる。例示的ポリエステルには、ポリ(エチレンテレフタレート)(「PET」)、ポリ(ブチレンテレフタレート)(「PBT」)、およびポリ(エチレンナフタレート)(「PEN」)が含まれる。このポリエステルが、テレフタル酸から得られる単量体単位を含む場合、この時はこのポリエステルの二酸のこのような単量体含量(モル%)は、少なくともおよそ70、75、80、85、90、および95%のいずれかであってよい。
【0070】
このポリエステルは、熱可塑性であってよい。フィルムのポリエステル(例えば、コポリエステル)は、非晶性であってよく、または重量パーセンテージの少なくともおよそまたは最大でおよそ10、15、20、25、30、35、40、および50%のいずれかの結晶性を有するものなどの部分的結晶質であってよい。
【0071】
他のポリマー
包装フィルムは、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、およびアイオノマーを含む1つ以上の熱可塑性ポリマーを含むことができる。
【0072】
有用なポリオレフィンには、エチレンホモポリマーおよびコポリマーが含まれる。エチレンホモポリマーには、高密度ポリエチレン(「HDPE」)および低密度ポリエチレン(「LDPE」)が含まれる。エチレンコポリマーには、エチレン/α−オレフィンコポリマー(「EAO」)、エチレン/不飽和エステルコポリマー、およびエチレン/(メタ)アクリル酸が含まれる。(本出願では、「コポリマー」は、モノマーの2つ以上のタイプから得られるポリマーを意味し、およびターポリマー等を含む。)
EAOは、エチレンと1つ以上のα−オレフィンのコポリマー、大部分のモルパーセンテージ含量としてエチレンを有するコポリマーである。このコモノマーは、1つ以上のC〜C20α−オレフィン、1つ以上のC〜C12α−オレフィン、およびC〜Cα−オレフィンを含むことができる。有用なα−オレフィンには、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、およびこれらの混合物が含まれる。
【0073】
EAOは、以下の1つ以上を含む:1)例えば0.926〜0.940g/cmの密度を有する中密度ポリエチレン(「MDPE」);2)例えば0.926〜0.940g/cmの密度を有する直鎖中密度ポリエチレン(「LMDPE」);3)例えば0.919〜0.925g/cmの密度を有する直鎖低密度ポリエチレン(「LLDPE」);4)例えば0.915g/cm未満の密度を有する極低または超低密度ポリエチレン(「VLDPE」および「ULDPE」)、および5)均一EAO。有用なEAOは、およそ0.925、0.922、0.92、0.917、0.915、0.912、0.91、0.907、0.905、0.903、0.9、および0.898グラム/立方センチメートルのいずれか未満の密度を有するものを含む。他に指示しない限り、本明細書における密度は、ASTM D1505に従って測定される。
【0074】
ポリエチレンポリマーは、不均一または均一であってよい。当技術分野において知られているように、不均一ポリマーは、分子量分布および組成分布において比較的広い変化を有する。不均一ポリマーは、例えば、通常のチーグラー−ナッタ触媒により調製することができる。
【0075】
一方、均一ポリマーは、メタロセンまたは他の単一サイト触媒を使用して一般に調製される。このような単一サイト触媒は、一般に触媒サイトの1つのタイプだけを有し、これが、この重合から得られるポリマーの均一性に対する基礎であると信じられている。均一ポリマーは、均一ポリマーが分子鎖内でコモノマーの比較的一様な配列、全ての分子鎖中の配列分布の類似、および全ての分子鎖の類似性を示す点において不均一ポリマーと構造的に異なっている。結果として、均一ポリマーは、比較的狭い、分子量分布および組成分布を有する。均一ポリマーの例には、商標EXACTの下にExxon Chemical Company(Baytonn、TX)から入手可能な、メタロセン触媒による直鎖均一エチレン/α−オレフィンコポリマー樹脂、商標TAFMERの下にMitsui Petrochemicals Corporationから入手可能な、直鎖均一エチレン/α−オレフィンコポリマー樹脂、および商標AFFINITYの下にDow Chemical Companyから入手可能な、長鎖分枝、メタロセン触媒による均一エチレン/α−オレフィンコポリマー樹脂が含まれる。
【0076】
別の有用なエチレンコポリマーは、エチレン/不飽和エステルコポリマーであり、これは、エチレンと1つ以上の不飽和エステルモノマーとのコポリマーである。有用な不飽和エステルは:1)エステルが4〜12個の炭素原子を有する、脂肪族カルボン酸のビニルエステル、および2)エステルが4〜12個の炭素原子を有する、アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル(一括して、「アルキル(メタ)アクリレート」)を含む。
【0077】
モノマーの第1の(「ビニルエステル」)群の代表的例には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルヘキサノエート、およびビニル2−エチルヘキサノエートが含まれる。このビニルエステルモノマーは、4〜8個の炭素原子、4〜6個の炭素原子、4〜5個の炭素原子、および好ましくは4個の炭素原子を有することができる。
【0078】
モノマーの第2の(「アルキル(メタ)アクリレート」)群の代表的例には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ブチルチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート含まれる。このアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、4〜8個の炭素原子、4〜6個の炭素原子、および好ましくは4〜5個の炭素原子を有することができる。
【0079】
エチレン/不飽和エステルコポリマーの不飽和エステル(すなわち、ビニルエステルまたはアルキル(メタ)アクリレート)コモノマー含量は、コポリマーの重量に対して、約6〜約18重量%、約8〜約12重量%の範囲であってよい。エチレン/不飽和エステルコポリマーの有用なエチレン含量は、以下の量を含む:コポリマーの重量に対して、少なくとも約82重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約88重量%、約94重量%以下、約93重量%以下、および約92重量%以下。
【0080】
エチレン/不飽和エステルコポリマーの代表的例には、エチレン/メチルアクリレート、エチレン/メチルメタクリレート、エチレン/エチルアクリレート、エチレン/エチルメタクリレート、エチレン/ブチルアクリレート、エチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート、およびエチレン/酢酸ビニルが含まれる。
【0081】
別の有用なエチレンコポリマーは、エチレン/(メタ)アクリル酸であり、これは、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸、または両方とのコポリマーである。
【0082】
有用なプロピレンコポリマーは、プロピレン/エチレンコポリマー(「EPC」)を含み、これは、10%未満、6%未満、および少なくとも約2重量%のエチレンコモノマー含量を有するものなどの、プロピレンの大部分の重量%含量を有するプロピレンとエチレンのコポリマーである。
【0083】
アイオノマーは、エチレンと、ナトリウムまたは亜鉛などの金属イオンによって部分的に中和されたカルボン酸基を有するエチレン性不飽和モノカルボン酸とのコポリマーである。有用なアイオノマーは、この中に、このアイオノマー中の酸基の約10%〜約60%を中和するために十分な金属イオンが存在するものを含む。このカルボン酸は、好ましくは「(メタ)アクリル酸」(これは、アクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する)である。有用なアイオノマーは、少なくとも50重量%および好ましくは少なくとも80重量%エチレン単位を有するものを含む。有用なアイオノマーはまた、1〜20重量%酸単位を有するものを含む。有用なアイオノマーは、例えば、商標SURLYNの下にDupont Corporation(Wilmington、DE)から入手可能である。
【0084】
結合層
結合層(例えば、第2層)は、第1層および第3層に直接接着(すなわち、直接隣接)した層であり、第3層への第1層の接着を向上させる主な機能を有する。例えば、フィルムは、バリヤー層に直接接着した1つまたは2つの結合層および/またはフラーレン材料を含む層に直接接着した1つまたは2つの結合層を含む。
【0085】
結合層は、フラーレン材料を含むことができる。さらに、ポリマーがEVOHなどの極性ポリマーに向上した結合ができるように、結合層は、グラフトされた極性基を有する1つ以上のポリマーを含むことができる。結合層のための有用なポリマーには、エチレン/不飽和酸コポリマー、エチレン/不飽和エステルコポリマー、無水物変性ポリオレフィン、ポリウレタン、およびこれらの混合物が含まれる。さらに結合層のための例示的ポリマーは、前述のポリアミドの1つ以上;少なくともおよそ以下のいずれかの酢酸ビニル含量を有するエチレン/酢酸ビニルコポリマー:3、6、および15重量%;少なくとも約20重量%のメチルアクリレート含量を有するエチレン/メチルアクリレートコポリマー;少なくともおよそ5、10、15、および20重量%のいずれかのメチルアクリレート含量を有する無水物変性エチレン/メチルアクリレートコポリマー;および無水物グラフトLLDPEなどの無水物変性エチレン/α−オレフィンコポリマーを含む。
【0086】
変性ポリマーまたは無水物変性ポリマーは、不飽和カルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸)、または無水物、エステル、または不飽和カルボン酸の金属塩などの誘導体を、オレフィンホモポリマーまたはコポリマーと共重合(そうでなければ同様のものを中に組み込む)させることによって調製されたポリマーを含む。したがって、無水物変性ポリマーは、グラフト化または共重合によって実現された無水物官能基を有する。
【0087】
フィルムの追加の層
フィルムは、1つもしくは複数のバリヤー層および/またはフラーレン材料を含む1つもしくは複数の層に加えて、1つもしくは複数の層を含むことができる。このような追加の層は、1つ以上の結合層、1つ以上のヒートシール層、外層、内層、1つ以上のアブユーズ層(abuse layers)、1つ以上のバルク層またはコア層を含むことができる。これらの層のいずれもフラーレン材料を含むことができ、または実質上フラーレン材料を含まなくてもよい。
【0088】
以下は、アルファベット記号が層を示す組合せのいくつかの例である。以下のフィルム表示が1つを超える同一の文字を含む場合、この文字のそれぞれの出現は、同一の組成物または同様な機能を果たすクラス内の異なる組成物を表す。
C/A/E、C/B/A/E、C/B/A/B/E、C/B/A/B/D/E、C/B/A、C/A、A/E、E/B/A、C/D/B/A、E/A/E、A/B/D/E、C/B/A/B/C、C/B/A/B/E、C/B/A/B/D/E、C/D/B/A/B/E、C/D/B/A/B/D/E、C/B/A/B/C、C/B/A/B/E、C/B/A/B/D/E、C/D/B/A/B/E、C/D/B/A/B/D/E
「A」は、上述のバリヤー層
「B」は、上述の結合層
「C」は、熱シール層(すなわち、シーラント層)、すなわち、当技術分野において知られている基体などのように、それ自体または別の目的物に対してフィルムの熱シーリングを容易にするように適合された層である。
「D」は、コアまたはバルク層である。
「E」は、外(すなわち、アブユーズまたは印刷側)層である。
【0089】
このC、D、およびE層は、上述のポリオレフィン、アイオノマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレンおよびポリウレタンのいずれかの1つ以上を含むことができる。これらのポリマーのいずれかの量は、ポリマーを含むフィルムまたはフィルム層の重量に対して、少なくとも約、または最大で約50、60、70、80、90、および95重量%であってよい。
【0090】
添加剤
フィルムの1つ以上の層は、ブロッキング防止剤、スリップ剤、かぶり防止剤、着色剤、顔料、染料、香味料、抗菌剤、食肉防腐剤、酸化防止剤、充填剤、放射線安定剤、および耐電防止剤等の、包装フィルムに有用な1つ以上の添加剤を含むことができる。このような添加剤およびその有効量は、当分野において知られている。
【0091】
フィルムのモジュラス
包装フィルムは、好ましくは予想される取り扱いおよび使用条件に耐えるのに十分なヤング率示す。ヤング率は、以下のASTM手順の1つ以上に従って測定することができる:D882;D5026−95a;D4065−89、このそれぞれを参照により全体を本明細書に組み込む。包装フィルムは、少なくともおよそおよび/または最大でおよそ10,000;15,000;25,000;40,000;70,000;80,000;90,000;100,000;150,000;200,000;250,000;300,000;および350,000ポンド/平方インチ(73°Fの温度において測定される)のいずれかのヤング率(以下に述べる曝露ステップの前および/または後に測定される)を有することができる。フィルムのヤング率に対する有用な範囲は、約10,000〜約300,000psi、約15,000〜約150,000psi、および約15,000〜約70,000psi(212°Fの温度において測定される)を含む。
【0092】
フィルムの外観特性
包装フィルムは、低い曇り度特性を有することがある。曇り度は、入射光の軸から2.5°を超えて散乱された光の測定値である。曇り度は、フィルムの外層に対して測定される。前述のように、「外層」は、フィルムを含む包装の外側の面に隣接したフィルムの外の層である。曇り度は、ASTM D1003の方法により測定され、これを参照により全体を本明細書に組み込む。本出願における「曇り度」に対する全ての参照事項は、この標準による。フィルムの曇り度(以下に述べる曝露ステップの前および/または後に測定された)は、およそ30%、25%、20%、15%、10%、8%、および3%の値のいずれかを超えなくてよい。
【0093】
包装フィルムは、少なくともおよそ40%、50%、60%、63%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、および95%の外層に対して測定された光沢(以下に述べる曝露ステップの前および/または後に測定された)を有してよい。これらのパーセンテージは、指定された角度で試料に当たる光の元の量に対する、試料から反射される光の比を表す。本出願における「光沢」値に対する全ての参照事項は、ASTM D2457(60°角度)に従ったものであり、これを参照により全体を本明細書に組み込む。
【0094】
包装フィルムは、(少なくとも非印刷領域において)包装された物品がフィルムを通して見えるように透明であってよい。「透明」とは、フィルムが、入射光を散乱が僅かで吸収もほとんどなく透過し、物体(例えば、包装された物品または印刷)を通常の視条件(例えば、材料の予想される使用条件)下でフィルムを通して見ることができるようにすることを意味する。フィルムの平均透過度(すなわち、透明性)(以下に述べる曝露ステップの前および/または後に測定された)は、少なくともおよそ65%、70%、75%、80%、85%、および90%(ASTM D1746に従って測定された)の値のいずれかであってよい。
【0095】
プラスチックフィルムの光学的特性の測定は、全透過率、曇り度、透明性、および光沢の測定を含めて、Pike,LeRoy、「Optical Properties of Packaging Materials」、Journal of Plastic Film & Sheeting、9巻、3号、173〜80頁(1993年7月)に詳細に述べられており、この173〜80頁を参照により本明細書に組み込む。
【0096】
フィルム配向
包装フィルムは、非配向であってよい。あるいは、フィルムは、流れ方向(すなわち、縦)、横方向、または両方の方向(すなわち、2軸配向)において、例えば、フィルムの強度、光学、および耐久性を向上させるために配向させることができる。フィルムは、以下の比のいずれかによって少なくとも一方向に配向させることができる:少なくとも2.5:1、約2.7:1〜約10:1、少なくとも2.8:1、少なくとも2.9:1、少なくとも3.0:1、少なくとも3.1:1、少なくとも3.2:1、少なくとも3.3:1、少なくとも3.4:1、少なくとも3.5:1、少なくとも3.6:1、および少なくとも3.7:1。
【0097】
包装フィルムは、非熱収縮性であってよく、例えば、流れ方向(縦)、横方向のいずれにおいてもおよそ3%、1%、および0.5%のいずれか未満の、185°F(85℃)における自由伸縮を有している。あるいは、包装フィルムは、熱収縮性であってよく、例えば、流れ方向(縦)、または横方向のいずれにおいても少なくともおよそ185°F(85℃)における自由伸縮を有している:5%、10%、15%、40%、50%、55%、60%、および65%。流れ方向または横方向のどちらにおいても185°F(85℃)における自由伸縮はまたおよそ40〜150%、50〜140%、および60〜130%のいずれかの範囲であってよい。フィルムは、両方向において、等しくない自由伸縮、すなわち流れ方向または横方向において異なる自由伸縮を有することができる。フィルムは、両方向において、熱伸縮を有さなくてもよい。フィルムの自由伸縮は、ASTM D2732(これを参照により全体を本明細書に組み込む)により選択された熱(すなわち、一定の温度曝露)にあてた場合の、10cm×10cmフィルム試料におけるパーセント寸法変化を測定することによって求められる。
【0098】
当技術分野において知られているように、熱収縮性フィルムは、フィルムが非緊張状態にあるときに熱をかけると収縮する。フィルムが収縮を抑制される場合(例えばフィルムがその周囲で収縮する包装製品によって)、この時は熱をかけると熱収縮性フィルムの張力は、増加する。したがって、フィルムの少なくとも一部分が、大きさにおいて減少(抑制されていない)するように、または増加した張力(抑制されている)下で熱に曝された熱収縮性フィルムは、熱収縮した(すなわち、熱縮小した)フィルムと考えられる。
【0099】
包装フィルムは以下のいずれかの少なくとも1つの方向における収縮張力を示すことができる。:少なくとも100psi、175psi、約175〜約500psi、約200〜約500psi、約225〜約500psi、約250〜約500psi、約275〜約500psi、約300〜約500psi、および約325〜約500psi。収縮張力は、185°F(85℃)において、ASTM D2838に従って測定され、これを参照により全て本明細書に組み込む。フィルムの収縮張力は、望ましくないまたは早すぎるシール不良または層間剥離を起こさないように、所与の最終用途およびフィルム組織に対して十分に低くあるべきである。
【0100】
包装フィルムは、アニールまたはヒートセットして、僅かに、実質上もしくは完全に自由収縮を減少させることができ、またはフィルムが熱収縮性の高レベルを有するために、1度引き伸ばしたらヒートセットまたはアニールしてはいけない。
【0101】
フィルム製造
包装フィルムは、当技術分野において知られている熱可塑性フィルム成形法によって製造することができる。フィルムは、例えば、インフレーションフィルム法またはフラットフィルム(すなわち、キャストフィルムまたはスリットダイ)法を利用する押出しまたは共押出しによって調製することができる。包装フィルムはまた、押出しコーティング、接着ラミネーション、押出しラミネーション、溶剤系コーティングによる、またはラテックスコーティング(例えば、基体上に塗り広げ、乾燥された)による1つ以上の層を適用することによって調製することができる。これらの方法の組合せもまた使用することができる。これらの方法は、当業者には知られている。
【0102】
フラーレン材料を含む1つ以上のフィルム層用の樹脂混合物形成において、フラーレン材料は、樹脂混合物を加熱または溶融する前にポリマーと混合することができる。これは、ポリマー中にフラーレン材料を分散させるために役立つことができる。混合したら、上述のようにこのブレンドを押し出し、加工することができる。
【0103】
任意のエネルギー処理
フィルムの熱可塑性プラスチック層の1つ以上(または全フィルムのステップの少なくとも一部分)を、例えば、フィルムの強度を改善するために架橋することができる。架橋は、化学的添加剤を使用することによって、または1つもしくは複数のフィルム層を、照射された材料の分子間に架橋を生じさせるために1つもしくは複数の強力な放射線処理(紫外線、X線、γ線、β線、および高エネルギー電子線処理などの)に曝露することによって達成することができる。有用な放射線線量は、少なくともおよそ5、7、10、15、20、25、30、35、40、45、および50kGy(キログレイ)のいずれかを含む。有用な放射線線量は、およそ150、130、120、110、100、90、80、および70kGyのいずれか未満を含む。架橋のために利用される放射線の線量は、フラーレン材料が著しく構造的に破壊されないような(およびフィルムのOTRが実質上影響されない)十分に低い強度、または十分な長さの時間によって達成することができる。
【0104】
PVdCを含むフィルム層またはフラーレンを含むフィルム層を照射することを避けることが望ましいことがある。この目的のために、基体層を押し出し、照射して、次いでPVdC含有層および/またはフラーレン含有層(および次の層)を、例えば、押出しコーティング法によって照射された基体に適用することができる。
【0105】
全てまたは1つまたは2つの表面の一部分で、フィルムの表面エネルギーを変化させるためにフィルムをコロナおよび/またはプラズマ処理して、例えば、フィルムに接着するための印刷または食料品の能力を増大することができる。酸化表面処理の1つのタイプは、シーラントフィルムを、イオン化されたOまたはN含有気体(例えば、外気)に接近させるものである。例示的技法は、例えば、米国特許第4,120,716号(Bonet)および同第4,879,430号(Hoffman)に記載されており、これらの全体を参照により本明細書に組み込む。包装フィルムは処理されて、少なくとも約0.034J/m、好ましくは少なくとも約0.036J/m、さらに好ましくは少なくとも約0.038J/m、および最も好ましくは少なくとも約0.040J/mの表面エネルギーを有することができる。
【0106】
包装フィルムの気体透過速度増大
フラーレン材料を含む包装フィルムの気体透過速度は、包装フィルムを放射線エネルギーの有効量に曝露することによって増大させることができる。
【0107】
放射線エネルギーの有効量は、以下のいずれかの1つ以上を含み、構成され、または本質的に構成される:1)可視光、赤外線、紫外線(例えば、UVA、UVB、および/またはUVC)、マイクロ波、および電磁波などの非イオン化放射線、および2)電子線放射線、X線放射線、γ線放射線、β線放射線、およびテラヘルツ放射線などのイオン化放射線。放射線エネルギーの有効量は、前に挙げた放射線エネルギーのタイプのいずれか1つ、または1つ以上のいずれかの組合せの、少なくともおよそ20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、および95%の量のいずれかを含んでよい。例えば、放射線エネルギーの有効量は、少なくとも約50%非イオン化エネルギーを含むことができ;非放射線エネルギーの有効量は、少なくとも約50%の可視光エネルギーを含むことができ;またはイオン化放射線の有効量は、少なくとも約60%の電子線放射線エネルギーを含むことができる。
【0108】
曝露ステップの放射線エネルギー量(例えば、非イオン化放射線に対する表面線量、またはイオン化放射線に対する吸収線量)は、最大でおよそ30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.1、0.05、0.01、0.005、および0.001秒;および500、150、130、110、100、90、80、70、60、および50マイクロ秒のいずれかの時間内に放出される。曝露ステップの放射線エネルギー量(例えば、表面線量、または吸収線量)は、少なくともおよそ10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、および500マイクロ秒;および0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、および25秒のいずれかの時間内に放出される。放射線量の放出は、継続時間中実質上、連続的であってよく、または例えば、放射線の一連のパルスなどの、放射線の少なくとも1パルス、少なくとも2パルス、少なくとも3パルス、および少なくとも4パルスのいずれかによる継続時間にわたる不連続的方法において生じてよい。
【0109】
放射線の多重パルスが使用される場合、この時は多重パルスが蓄積効果を有することができるように、放射線エネルギーのパルス間の間隔が十分に短いことが有利であることがある。放射線の個々のパルスは、少なくともおよそ10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、および500マイクロ秒の値のいずれかの継続時間を有する。放射線の個々のパルスは、最大でおよそ900、700、500、300、150、130、110、100、90、80、70、60、および50マイクロ秒の値のいずれか継続時間を有する。
【0110】
上述の継続時間はまた、例えば包装フィルムが放射線放出装置(これは、放射線曝露ゾーンを通過するウエブのその部分を連続的に照射することができる)の下を走行する連続ウエブの形態にある、放射線放出装置の曝露ゾーンに存在する、包装フィルムの一部分に対する滞在時間であると考えることができる。
【0111】
非イオン化放射線に対しては、フィルムの気体透過速度を増大するための放射線エネルギーの有効量は、有効な表面線量(すなわち、包装フィルムの表面における、単位面積当たりの放射線エネルギー)を達成するために、放射線強度(すなわち、単位面積当たりの放射線エネルギー流の速度)および放射線曝露継続時間の関数であると考えられる。これらの因子間の関係は、以下の式によって示すことができる:(強度)×(継続期間)=表面線量。
【0112】
放射線エネルギー曝露ステップは、少なくともおよそ10、30、50、80、100、150、200、250、300、400、500、800、1,000、1,200、1,500、および1,800mW/cmのいずれか;および最大およそ100,000、10,000、2,000、1,800、1,500、1,000、800、500、450、400、350、300、250、200、150、および100mW/cmのいずれかの非イオン化放射線強度(包装フィルムの表面において測定された)を含むことができる。これらの強度のいずれも、放射線エネルギーが不連続方法において放出される場合、放射線の1つ以上のパルスの間に生じる。
【0113】
上述のいずれかの間に放出された曝露ステップの非イオン化放射線エネルギーの有効量(包装フィルムの表面において測定された)は、少なくともおよそ0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10、20、50、100、500、1,000、5,000、10,000、20,000および100,000mJ/cm(すなわち、ミリジュール/cm)のいずれかの表面線量を含むことができ、;最大でおよそ0.05、0.1、0.5、1、5、10、20、50、100、500、1,000、5,000、10,000、20,000、50,000、60,000、100,000、および1,000,000mJ/cmのいずれかの表面線量を含むことができる。
【0114】
フィルムを含む包装に密封することができる、水または含水製品(例えば、食品)を励起する(加熱する)ことを避けるために、放射線エネルギーの有効量は、2.54GHz周波数範囲(12cm波長)のマイクロ波エネルギーを実質上欠いていてよい。
【0115】
非イオン化放射線に関して、当業者には知られているように、放射線強度を、検出器、フィルター、および測定される放射線の波長範囲に対して正しく較正された、適切な線量計のタイプを使用して包装フィルムの表面において測定することができる。例えば、参照により全体を本明細書に組み込むA.Ryer、「Light Measurement Handbook」(1998、International Light,Inc.、Newburyport、MA)を参照されたい。例えば、シリコン検出器タイプは、IL 1700(International Light Inc.)などの線量計と共に、約250〜約1050nmの放射線波長に対する放射線強度を測定するために有用なことがある。
【0116】
また当業者には知られているように、非イオン化放射線波長の広い範囲が、測定される放射線に係わる場合、特定の検出器タイプが適当でないまたは最適でない放射線波長を減少または除外するために、1つ以上のフィルターを使用することができ、前に測定された放射線波長をフィルターにかけながら、前にフィルターされた放射線波長範囲を適切な検出器により、引き続き測定することができる。全放射線強度は、異なる波長範囲の別々の測定の放射線強度を加算することによって計算することができる。
【0117】
イオン化放射線に関しては、フィルムの気体透過速度を増大するための放射線エネルギーの有効量は、吸収線量として特徴づけることができ、これは、包装フィルム中にイオン化放射線によって投入されたエネルギーの量である。吸収線量の通常の単位は、キログレイ(kGy)であり、ここで、1kGy=物質のキログラム当たり吸収されたエネルギーの1kJ、この場合、フラーレン材料を含む包装フィルムのkg当たり、またはフラーレン材料を含むフィルム層のkg当たりであり、いずれかが指定される。
【0118】
上述の継続時間のいずれかの間に、フラーレン材料を含む包装フィルムに、またはフラーレン材料を含むフィルム層に放出された曝露ステップのイオン化放射線の有効量は、少なくともおよそ0.1、0.5、1、2、5、10、15、20、30、50、100、200、および1,000kGyのいずれかの吸収線量のいずれかを含むことができ;最大およそ0.5、1、2、5、10、15、20、30、50、100、200、300、1,000、および2,000kGyの吸収線量を含むことができる。これらの吸収線量のいずれも、放射線エネルギーが不連続な方法において放出された場合、放射線の1つ以上のパルスの間に生じることができる。
【0119】
イオン化放射線に関して、放射線吸収線量は、指定することができる、フラーレン材料を組み込んでいる包装材料によって吸収された、またはフラーレン材料を含むフィルム層によって吸収されたイオン化放射線エネルギーのタイプおよび量を測定するために適切な1つ以上の線量計および線量測定技法を使用して測定することができる。このような線量計、線量測定技法、および適切な較正方法は当業者には知られている。例えば、ASTM E1261−00「Standard Guide for Selection and Calibration of Dosimetry Systems for Radiation Processing」をASTM標準およびそこに引用された報告と共に参照されたい。これらは、それぞれ本明細書にその全体を参照した、参照により本明細書に組み込む。また、必要に応じて、ASTMからの以下の標準指針および慣行を参照のこと:E666、E668、E1026、E1204、E1205、E1275、E1276、E1310、E1400、E1401、E1431、E1538、E1539、E1540、E1607、E1608、E1631、E1649、E1650、E1702、E1707、E1818、およびE1956、このそれぞれを参照により全体を本明細書に組み込む。追加の参考事項は、W.L.McLaughlin、「The Measurement of Absorbed Dose and Dose Gradients」、Radiat.Phys.Chem.15巻、9〜38頁(1980)およびW.L.McLaughlin等、「Dosimetry Systems for Radiation Processing」、Radiat.Phys.Chem.46巻、4〜6号、1163〜74頁(1995)を含む。また当業者には知られているように、U.S.Commerce Department’s Technology Administration、100 Bureau Drive、Stop 8460、Gaithersburg、MD 20899−8460が、イオン化放射線の線量測定に対する有用な較正業務を提供している。
【0120】
曝露ステップの放射線エネルギーの有効量は、曝露された包装フィルム中のフラーレン材料の少なくとも一部分を構造的に破壊するのに十分であることがある。用語「構造的に破壊する」とは、例えば、発火、吸収気体もしくは液体の遊離、燃焼、熱エネルギー曝露、温度上昇、またはエネルギー転化の急速な速度によって、その他の構造または他の構造に、構造的にまたは化学的に分解または再構成(例えば、変換する)ことを意味する。放射線曝露ステップは、包装フィルム中に存在するフラーレン材料の少なくともおよそ20、50、60、70、80、90、95、99、および100重量%の量のいずれかを構造的に破壊することがある。
【0121】
曝露ステップの放射線エネルギーの有効量は、包装フィルムまたは包装フィルムの1つ以上の層の穴開け(例えば、複数の開口部を有する)をもたらすのに十分なことがある。放射線エネルギーは、フラーレン材料の急速な加熱を生じることがあり、これがフラーレン材料の近傍の包装フィルムポリマーの少なくとも一部分に熱を伝達すると考えられている。このような熱は、このようなポリマーの少なくとも一部分を構造的に破壊することができ、フィルムまたはフィルム層から遊離される傾向があり得る破壊された構造をもたらし、フィルムまたは1つもしくは複数のフィルム層に穴開けをもたらすのに十分な量および速度で生成されてよい。
【0122】
放射線エネルギー曝露ステップの後に、包装フィルムまたは包装フィルムの特定の層のいずれかを穴開けしても、穴開けしなくともよい。曝露された包装フィルムは、フィルムまたはフィルムの1つ以上の層が穴開けされていても、あるいはフィルムまたはフィルムの1つ以上の層が穴開けされていなくとも、本出願において述べた気体透過速度のいずれかを有することができる。
【0123】
有用な装置、機械、および上述の放射線エネルギーの種々のタイプを提供する方法は、当業者には知られており、したがって、本明細書では詳細に述べない。例えば放射線エネルギーを、閃光、閃光ランプ(例えば、パルス化された、気体充填閃光ランプ)、および火花ギャップ放電装置によって提供することができる。また放射線エネルギーを、Xenon Corp.(Woburn、MA)(例えば、モデルRC−740、二重ランプおよびモデルRC−747脈動キセノン光)およびMaxwell Laboratories,Inc.(例えば、Flashblast Model FB−100パルス化されたランプ系)、米国特許第5,034,235号および同第6,449,923号に記載されているものから利用可能なものなどのパルス化されたランプ系によって提供することができる。
【0124】
酸素透過
包装フィルムは、最大でおよそ以下の値のいずれかの「初期」酸素透過速度、すなわち、放射線エネルギー曝露ステップ前の酸素透過速度を有することができる:0%相対湿度および23℃で測定して1平方メートル当たり、1日当たり、酸素圧力差の1気圧当たり、1,000、500、400、300、200、150、100、50、45、40、35、30、25、20、15、10、および5立方センチメートル(標準温度および圧力において)。本出願における酸素透過速度に対する全ての参考事項は、ASTM D−3985によるこれらの条件において測定される。(ラミネートの1つの成分である1つのフィルムに帰属する気体透過性に対する参考事項とは、このフィルム自体に帰属する気体透過のことをいい、これは、例えば、ラミネートを形成するためにフィルムを一緒に結合する接着剤を溶解するための適切な溶剤を使用することにより、ラミネートからフィルムを剥離することによって測定することができる。)
【0125】
包装フィルムは、放射線曝露ステップ直前の包装フィルムの酸素透過速度よりも少なくともおよそ以下の値のいずれかだけ高い、放射線エネルギー曝露ステップ後の酸素透過速度を有することができる:0%相対湿度および23℃で測定して1平方メートル当たり、1日当たり、酸素圧力差の1気圧当たり、100;500;1,000;3,000;5,000;8,000;10,000;15,000;20,000;25,000;30,000;35,000;40,000;50,000;100,000;200,000;400,000;80,000;および1,000,000立方センチメートル(標準温度および圧力において)。包装フィルムは、放射線曝露ステップ直前の包装フィルムの酸素透過速度よりも最大でおよそ以下の値のいずれかだけ高い、放射線エネルギー曝露ステップ後の酸素透過速度を有することができる:0%相対湿度および23℃で測定して1平方メートル当たり、1日当たり、酸素圧力差の1気圧当たり、3,000;5,000;8,000;10,000;15,000;20,000;25,000;30,000;35,000;40,000;50,000;60,000;70,000;90,000;110,000;200,000;および400,000立方センチメートル(標準温度および圧力において)。
【0126】
放射線エネルギー曝露ステップ後の包装フィルムは、少なくともおよそ以下の値のいずれかの酸素透過速度を有することができる:0%相対湿度および23℃で測定して1平方メートル当たり、1日当たり、酸素圧力差の1気圧当たり、100;500;1,000;3,000;5,000;8,000;10,000;15,000;20,000;25,000;30,000;35,000;40,000;50,000;100,000;200,000;400,000;80,000;および1,000,000立方センチメートル(標準温度および圧力において)。放射線エネルギー曝露ステップ後の包装フィルムは、最大でおよそ以下の値のいずれかの酸素透過速度を有することができる:0%相対湿度および23℃で測定して1平方メートル当たり、1日当たり、酸素圧力差の1気圧当たり、3,000;5,000;8,000;10,000;15,000;20,000;25,000;30,000;35,000;40,000;50,000;60,000;70,000;90,000;110,000;200,000;および400,000立方センチメートル(標準温度および圧力において)。
【0127】
二酸化炭素透過
包装フィルムは、最大でおよそ以下の値のいずれかの「初期」二酸化炭素透過速度、すなわち、放射線エネルギー曝露ステップ前の二酸化炭素透過速度を有することができる:0%相対湿度および23℃で測定して1平方メートル当たり、1日当たり、二酸化炭素圧力差の1気圧当たり、4,000、2,000、1,000、500、400、300、200、150、100、50、45、40、35、30、25、20、15、10、および5立方センチメートル(標準温度および圧力において)。本出願における二酸化炭素透過速度に対する全ての参考事項は、酸素ではなく二酸化炭素に適合させた、ASTM D−3985に類似の方法論を使用したこれらの条件において測定される。
【0128】
包装フィルムは、放射線曝露ステップ直前の包装フィルムの二酸化炭素透過速度よりも少なくともおよそ以下の値のいずれかだけ高い、放射線エネルギー曝露ステップ後の二酸化炭素透過速度を有することができる:0%相対湿度および23℃で測定して1平方メートル当たり、1日当たり、二酸化炭素圧力差の1気圧当たり、100;500;1,000;3,000;5,000;8,000;10,000;15,000;20,000;25,000;30,000;35,000;40,000;50,000;100,000;200,000;400,000;80,000;および1,000,000立方センチメートル(標準温度および圧力において)。包装フィルムは、放射線曝露ステップ直前の包装フィルムの二酸化透過速度よりも最大でおよそ以下の値のいずれかだけ高い、放射線曝露ステップ後の二酸化炭素透過速度を有することができる:0%相対湿度および23℃で測定して1平方メートル当たり、1日当たり、二酸化炭素圧力差の1気圧当たり、3,000;5,000;8,000;10,000;15,000;20,000;25,000;30,000;35,000;40,000;50,000;60,000;70,000;90,000;110,000;200,000;および400,000立方センチメートル(標準温度および圧力において)。
【0129】
放射線エネルギー曝露ステップ後の包装フィルムは、少なくともおよそ以下の値のいずれかの二酸化炭素透過速度を有することができる:0%相対湿度および23℃で測定して1平方メートル当たり、1日当たり、二酸化炭素圧力差の1気圧当たり、100;500;1,000;3,000;5,000;8,000;10,000;15,000;20,000;25,000;30,000;35,000;40,000;50,000;100,000;200,000;400,000;800,000;および1,000,000立方センチメートル(標準温度および圧力において)。放射線エネルギー曝露ステップ後の包装フィルムは、最大でおよそ以下の値のいずれかの二酸化炭素透過速度を有することができる:0%相対湿度および23℃で測定して1平方メートル当たり、1日当たり、二酸化炭素圧力差の1気圧当たり、3,000;5,000;8,000;10,000;15,000;20,000;25,000;30,000;35,000;40,000;50,000;60,000;70,000;90,000;110,000;200,000;および400,000立方センチメートル(標準温度および圧力において)。
【0130】
水蒸気透過
包装フィルムは、「初期」水蒸気透過速度、すなわち、最大でおよそ以下の値のいずれかの、放射線エネルギー曝露ステップ前の水蒸気透過速度を有することができる:ASTM F 1249−01(20グラム以下の値に対して)およびASTM E96(20グラムを超える値に対して)に従って測定された150、100、80、60、50、40、20、15、10、5、1、および0.5グラム/100in.24時間(100%湿度、23℃)。本出願における水蒸気透過速度に対する全ての参考事項は、これらの条件において測定される。
【0131】
包装フィルムは、放射線曝露ステップ直前の包装フィルムの水蒸気透過速度よりも少なくともおよそ以下の値のいずれかだけ高い、放射線エネルギー曝露ステップ後の水蒸気透過速度を有することができる:500、400、300、250、200、150、100、80、60、50、40、20、15、10、および5グラム/100in.24時間(100%湿度、23℃)。包装フィルムは、放射線曝露ステップ直前の包装フィルムの水蒸気透過速度よりも最大でおよそ以下の値のいずれかだけ高い、放射線曝露ステップ後の水蒸気透過速度を有することができる:1,000、750、500、400、300、250、200、150、100、80、60、50、40、20、15および10グラム/100in.24時間(100%湿度、73F)。
【0132】
放射線エネルギー曝露ステップ後の包装フィルムは、少なくともおよそ以下の値のいずれかの水蒸気透過速度を有することができる:500、400、300、250、200、150、100、80、60、50、40、20、15、10、および5グラム/100in.24時間(100%湿度、23℃)。放射線エネルギー曝露ステップ後の包装フィルムは、最大でおよそ以下の値のいずれかの水蒸気透過速度を有することができる:10,000、1,000、750、500、400、300、250、200、150、100、80、60、50、40、20、15、および10。放射線エネルギー曝露ステップ後の包装フィルムは、上の水蒸気透過速度のいずれかを有することができ、一方また、フィルムを通して液体水は透過させない。
【0133】
包装フィルムの使用
包装フィルムは、包装の封入された内部空間が、所望の初期期間変性された雰囲気を維持すること、次いで包装の封入された内部空間を初期期間の後に、周囲空気に近い雰囲気に変化(例えば、急速な変化)させることが有用である場合に、包装においてまたは包装の部分として使用することができる。
【0134】
例えば、包装内部空間の変性された雰囲気は、周囲空気に対して高酸素、二酸化炭素、または窒素含量を有することができ(例えば、少なくともおよそ70、80、90、95体積%のいずれかの酸素、二酸化炭素、または窒素)、または周囲空気に対して低酸素含量(例えば、およそ10、5、1、0.5、および0.05のいずれか未満の体積%の酸素)を有することができる。所望の初期期間の後に、包装の包装フィルムを、上述の放射線エネルギーの有効量に曝して、包装フィルムの気体透過性の増大を起こさせることができる。これは、包装の内部空間からの気体(例えば、変性雰囲気)の、周囲雰囲気への曝露された包装フィルムを通した移動の交換速度(および周囲雰囲気からの包装の内部への移動速度)の増大をもたらし、その結果、包装の内部空間の雰囲気は、周囲空気の気体濃度に近づくことができる。
【0135】
例えば、赤肉を、包装フィルムを組み込んだ包装の内部の低酸素雰囲気内に包装して、包装された新鮮な赤肉の貯蔵寿命を延ばすことができる。低酸素雰囲気中に包装された新鮮なこの「赤」肉は、実際に紫色を有していてよい。所望の時点において(例えば、包装がスーパーマーケットまたは他の小売店に到着した後に)、包装の包装フィルムを放射線エネルギーの有効量に曝して、包装フィルムの透過性を増大させることができる。周囲空気からの酸素は、包装の内部空間に移動し、肉を所望の赤色に「鮮度」を出させることができる。
【0136】
包装フィルムは、以下のいずれかの部分として、組み込み、形成し、または使用することができる:袋、瓶、ケーシング、容器、ラミネート、蓋、ライナー、小袋、入れ物、トレー、チューブ、成形または非成形巻き取り紙、包装紙。例えば、包装フィルムは、トレーのライナーとして、またはトレーにシールされる蓋として使用することができる。包装フィルムを含む包装は、例えば、液体製品、固体製品、および/または食料品(例えば、挽肉製品または加工肉製品、および家禽、豚肉、牛肉、ソーセージ、羊肉、山羊肉、馬肉、および魚などの新鮮な赤肉製品)を包装するために使用することができる。有用な包装構造には、末端シールバッグ、側面シールバッグ、L−シールバッグ、小袋、およびシームされたケーシング(例えば、重ね合わせまたはフィンタイプシール形成によるバックシームされたチューブ)が含まれる。
【0137】
本明細書において列挙された数値範囲は、任意の低い値と任意の高い値の間が少なくとも2単位離れていることを前提に、1単位刻みで低い値から高い値の全ての値を含む。例として、成分の量またはプロセス変数(例えば、温度、圧力、時間)が、1〜90、20〜80、または30〜70のいずれかの範囲、または少なくとも1、20、または30および最大で90、80、または70であってよいと述べられている場合、15〜85、22〜68、43〜51、および30〜32、ならびに少なくとも15、少なくとも22、および最大で32などの値が、本明細書において明確に挙げられることが意図されている。1未満である値に対しては、1単位は、適宜0.0001、0.001、0.01または0.1であると考えられる。これらは、特に意図されたものの例に過ぎず、挙げられた最低値と最高値間の数値の全ての可能な組合せは、本出願において同様に明確に述べられていると考えられるべきである。
【0138】
上の記載は、本発明の好ましい実施形態の記載である。種々の変形形態および変化を、本特許請求の範囲中に定義された本発明の精神および広い態様から逸脱することなく、行うことができ、これらは、等価の原則を含めて特許法の原理に従って理解されるべきである。本特許請求の範囲および特定の実施例における以外、または他に明確な指示があれば、材料の量、反応条件、使用条件、分子量、および/または炭素原子の数などを示す本記載における全ての数的量は、本発明の最も広い範囲の記載において、「およそ」という語が付くものと理解されたい。本出願において述べられた定義および開示は、組み込まれた参考文献中に存在し得るいかなる矛盾する定義および開示をも制御する。冠詞「a」、「an」、「the」、または「said」を使用した単数形において、開示中の項目に対するまたは本特許請求の範囲中の要素に対するいかなる参考事項も、そのように明確に述べない限り、この項目または要素を単数形に限定するものと見做されるべきではない。ASTM試験に対する全ての参考事項は、本出願の優先権申告日現在、最新の、現在承認されている、認定されているASTM試験の出版された版である。それぞれのこのような出版されたASTM試験法は、参照により全て本明細書に組み込む。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の一実施形態の包装フィルムの代表的横断面図である。
【図2】本発明の別の実施形態の包装フィルムの代表的横断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムの重量に対して、球状フラーレン、碗状フラーレン、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノコーン、およびカーボンナノオニオンの1つ以上から選択されるフラーレン材料を少なくとも約0.001重量%含む包装フィルムを準備するステップ;および
包装フィルムの酸素透過速度を、0%相対湿度および23℃で測定して1平方メートル当たり、1日当たり、酸素圧力差の1気圧当たり、少なくとも約100立方センチメートル(標準温度および圧力において)増加させるのに有効な放射線エネルギーの量に包装フィルムを曝露するステップ
を含む、包装フィルムの気体透過速度を増加する方法。
【請求項2】
放射線エネルギー量が、最大で約30秒間以内に放出される少なくとも約0.01mJ/cmの非イオン化放射線の表面線量を含む、請求項1の方法。
【請求項3】
放射線エネルギー量が、最大で約10秒間以内に放出される少なくとも約1mJ/cmの非イオン化放射線の表面線量を含む、請求項1の方法。
【請求項4】
放射線曝露ステップが、包装フィルムの表面において少なくとも約10mW/cmの非イオン化放射線の放射線強度を含む、請求項1の方法。
【請求項5】
放射線曝露ステップが、包装フィルムの表面において少なくとも約50mW/cmの非イオン化放射線の放射線強度を含む、請求項1の方法。
【請求項6】
放射線曝露ステップが、包装フィルムの表面において少なくとも約100mW/cmの非イオン化放射線の放射線強度を含む、請求項1の方法。
【請求項7】
放射線曝露ステップが、包装フィルムの表面において少なくとも約500mW/cmの非イオン化放射線の放射線強度を含む、請求項1の方法。
【請求項8】
放射線エネルギー量が、包装フィルムによって吸収される、最大で約30秒間以内に放出される少なくとも約0.1kGyのイオン化放射線の吸収線量を含む、請求項1の方法。
【請求項9】
放射線エネルギー量が、包装フィルムによって吸収される、最大で5秒間以内に放出される少なくとも約10kGyのイオン化放射線の吸収線量を含む、請求項1の方法。
【請求項10】
準備するステップの包装フィルムが、包装フィルム中のフラーレン材料の総量の少なくとも約50重量%のフラーレン材料を含む少なくとも1つの層を含み;および
放射線エネルギー量が、少なくとも1つの層によって吸収される、最大で約30秒間以内に放出される少なくとも約0.1kGyのイオン化放射線の吸収線量を含む、請求項1の方法。
【請求項11】
準備するステップの包装フィルムが、相対湿度0%および23℃で測定して1平方メートル当たり、1日当たり、酸素圧力差の1気圧当たり、最大で約100立方センチメートル(標準温度および圧力において)の酸素透過速度を有する、請求項1の方法。
【請求項12】
曝露するステップが、包装フィルムの酸素透過速度を、相対湿度0%および23℃で測定して1平方メートル当たり、1日当たり、酸素圧力差の1気圧当たり、少なくとも約1000立方センチメートル(標準温度および圧力において)増加させる、請求項1の方法。
【請求項13】
曝露するステップが、包装フィルムの酸素透過速度を、相対湿度0%および23℃で測定して1平方メートル当たり、1日当たり、酸素圧力差の1気圧当たり、少なくとも約10000立方センチメートル(標準温度および圧力において)増大させる、請求項1の方法。
【請求項14】
準備するステップの包装フィルムが、
エチレン/ビニルアルコールコポリマー、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデンポリマー、ポリアルキレンカーボネート、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、およびポリアミドの1つ以上から選択される酸素バリヤーポリマーを100重量部;および
酸素バリヤーポリマー100重量部当たりフラーレン材料を少なくとも約0.001重量部含む、請求項1の方法。
【請求項15】
準備するステップの包装フィルムが、包装フィルム中の酸素バリヤーポリマーの総量の少なくとも約50重量%の酸素バリヤーポリマー、および包装フィルム中のフラーレン材料の総量の少なくとも約50重量%のフラーレン材料を含む少なくとも1つの層を含む、請求項14の方法。
【請求項16】
酸素バリヤーポリマーが、エチレン/ビニルアルコールコポリマーを含み、
準備するステップの包装フィルムが、酸素バリヤーポリマー100重量部当たりフラーレン材料を少なくとも約0.1重量部含む、請求項14の方法。
【請求項17】
酸素バリヤーポリマーが、塩化ビニリデンポリマーを含み、
準備するステップの包装フィルムが、酸素バリヤーポリマー100重量部当たりフラーレン材料を少なくとも約0.1重量部含む、請求項14の方法。
【請求項18】
酸素バリヤーポリマーが、ポリアミドを含み、
準備するステップの包装フィルムが、酸素バリヤーポリマー100重量部当たりフラーレン材料を少なくとも約0.1重量部含む、請求項14の方法。
【請求項19】
準備するステップの包装フィルムが、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンカーボネート、ポリエステル、およびポリアクリロニトリルの1つ以上から選択される酸素バリヤーポリマーを100重量部;および
酸素バリヤーポリマー100重量部当たりフラーレン材料を少なくとも約0.1重量部含む、請求項14の方法。
【請求項20】
放射線エネルギーの有効量に曝露するステップが、最大で約30秒以内に生じる、請求項1の方法。
【請求項21】
放射線エネルギーの有効量に曝露するステップが、最大で約1秒以内に生じる、請求項1の方法。
【請求項22】
放射線曝露ステップが、少なくとも約20%の可視光エネルギーを含む非イオン化放射線の有効量に曝露することを含む、請求項1の方法。
【請求項23】
放射線曝露ステップが、少なくとも約20%の赤外線エネルギーを含む非イオン化放射線の有効量に曝露することを含む、請求項1の方法。
【請求項24】
放射線曝露ステップが、少なくとも約20%の紫外線エネルギーを含む非イオン化放射線の有効量に曝露することを含む、請求項1の方法。
【請求項25】
放射線曝露ステップが、少なくとも約20%の電子線エネルギーを含むイオン化放射線の有効量に曝露することを含む、請求項1の方法。
【請求項26】
準備するステップの包装フィルムが、層の重量で少なくとも約0.5重量%のフラーレン材料を含む少なくとも1つの層を含む、請求項1の方法。
【請求項27】
曝露ステップが、準備するステップの包装フィルム中に存在するフラーレン材料の少なくとも一部分を構造的に破壊する、請求項1の方法。
【請求項28】
曝露ステップが、準備するステップの包装フィルム中に存在するフラーレン材料の少なくとも約50重量%を構造的に破壊する、請求項1の方法。
【請求項29】
準備するステップの包装フィルムが、穴開けされておらず;および
放射線エネルギーの有効量への包装フィルムの曝露が、包装フィルムに複数の開口部を有する穴開けを生じさせる、請求項1の方法。
【請求項30】
包装フィルムが、
フィルムの外層;および
フィルムの外層によって支持された1つ以上の不連続領域を含み、1つ以上の不連続領域は、フラーレン材料の少なくとも一部分を含む、請求項1の方法。
【請求項31】
フラーレン材料が、球状フラーレンを含む、請求項1の方法。
【請求項32】
フラーレン材料が、多層カーボンナノチューブを含む、請求項1の方法。
【請求項33】
フラーレン材料が、カーボンナノコーンを含む、請求項1の方法。
【請求項34】
フラーレン材料が、カーボンナノオニオンを含む、請求項1の方法。
【請求項35】
フラーレン材料が、碗状フラーレンを含む、請求項1の方法。
【請求項36】
エチレン/ビニルアルコールコポリマー、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデンポリマー、ポリアルキレンカーボネート、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、およびポリアミドの1つ以上から選択される酸素バリヤーポリマーを100重量部;および
酸素バリヤーポリマー100重量部当たり、フラーレン材料を少なくとも約0.001重量部含み、フラーレン材料が、球状フラーレン、碗状フラーレン、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノコーン、およびカーボンナノオニオンの1つ以上から選択される、
少なくとも1つの層を含む包装フィルム。
【請求項37】
少なくとも1つの層が、少なくとも1つの層の重量に対して、少なくとも約60%の酸素バリヤーポリマー、および少なくとも約0.1%のフラーレン材料を含む、請求項36のフィルム。
【請求項38】
フラーレン材料が、球状フラーレンを含む、請求項36のフィルム。
【請求項39】
フラーレン材料が、多層カーボンナノチューブを含む、請求項36のフィルム。
【請求項40】
フラーレン材料が、カーボンナノコーンを含む、請求項36のフィルム。
【請求項41】
フラーレン材料が、カーボンナノオニオンを含む、請求項36のフィルム。
【請求項42】
フラーレン材料が、碗状フラーレンを含む、請求項36のフィルム。
【請求項43】
酸素バリヤーポリマーが、エチレン/ビニルアルコールコポリマーを含む、請求項36のフィルム。
【請求項44】
酸素バリヤーポリマーが、塩化ビニリデンポリマーを含む、請求項36のフィルム。
【請求項45】
酸素バリヤーポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンカーボネート、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、およびポリアミドの1つ以上から選択される、請求項36のフィルム。
【請求項46】
準備するステップの包装フィルムが、少なくとも約85%の平均透明度を有する、請求項36のフィルム。
【請求項47】
請求項36の包装フィルムを含み、および内部空間を画定する包装;
包装の内部空間中に封入された食品;および
包装の内部空間中に封入された変性された雰囲気
を含む包装された食品。
【請求項48】
請求項47の包装された食品を準備するステップ;および
包装フィルムの酸素透過速度を、0%相対湿度および23℃で測定して1平方メートル当たり、1日当たり、酸素圧力差の1気圧当たり、少なくとも約100立方センチメートル(標準温度および圧力において)増加させるのに有効な放射線エネルギーの量に、包装された食品の包装フィルムを曝露するステップ
を含む、包装された食品を供給する方法。
【請求項49】
少なくとも1つの層;および
少なくとも1つの層によって支持された1つ以上の不連続領域を含み、ここで、1つ以上の不連続領域は、フィルムの重量に対して、フラーレン材料を少なくとも約0.001重量%含む、包装フィルム。
【請求項50】
少なくとも1つの層が、フィルムの外層である、請求項49のフィルム。
【請求項51】
少なくとも1つの層が、フィルムの内層であり、これにより1つ以上の不連続領域が、フィルムの少なくとも2つの層の間に存在する、請求項49のフィルム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−504877(P2009−504877A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526960(P2008−526960)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/029798
【国際公開番号】WO2007/021523
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(500256772)クライオバック・インコーポレイテツド (25)
【Fターム(参考)】