説明

フリーアクセスフロア構成材及びフリーアクセスフロアの支持構造

【課題】 耐荷重性能を向上させることができるフリーアクセスフロア構成材及びフリーアクセスフロアの支持構造を提供する。
【解決手段】 上面で床面を形成するパネル部11を備え、パネル部11は、板状部材111aが格子状に配置されてなる格子部111を少なくとも一部に備えるフリーアクセスフロア構成材1において、板状部材111aの下端部同士を連結する連結部112を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組み合わされることにより、フリーアクセスフロアを構成するフリーアクセスフロア構成材に関する。また、フリーアクセスフロア構成材を組み合わせて構成されるフリーアクセスフロアの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスや医療・福祉施設等の床に、フリーアクセスフロアが採用されている。斯かるフリーアクセスフロアとは、フリーアクセスフロア構成材を構造床(建築物の床)の上に並設して組み合わせた床であり、電力用配線、通信用配線及び機器等の収容を容易にできる機能を有する床(二重床構造)のことである。
【0003】
そして、従来、フリーアクセスフロア構成材として、上面で床面を形成するパネル部と、パネル部を支持する複数の支柱部とを備える合成樹脂製のフリーアクセスフロア構成材が知られている。斯かるフリーアクセスフロア構成材は、複数の板状部材が格子状に配置されてなる格子部により、パネル部の少なくとも一部が構成されている(例えば、特許文献1及び2)。
【0004】
ここで、格子部の板状部材間には、開口部が必然的に形成されている。そして、当該開口部においては、下端側では、開放されている一方、上端側では、開放されていたり、閉塞されていたりしている。なお、開口部が上端側で閉塞されるのは、ピンヒール等が開口部に嵌まり込んだりするのを防止したり、上面にシート材を安定して貼り付けるために、上面に連続した部位を形成して、接着剤を塗布する面積を確保したりするためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−294991号公報
【特許文献2】特開2008−280767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そして、斯かるフリーアクセスフロア構成材においては、パネル部に上方から荷重が加えられると、上面が凹んで湾曲するように、パネル部が変形する。すると、フリーアクセスフロア構成材は、変形したパネル部における板状部材の下端部同士や、変形したパネル部を支持している支柱部の下端部同士が離反するように(ハ字状となるように)変形する。
【0007】
これにより、板状部材同士が連結している部位等に、亀裂や割れが生じることがある。そして、フリーアクセスフロア構成材に亀裂や割れが生じると、荷重が加えられた際に、フリーアクセスフロア構成材の変形する量が大きくなるため、床を不安定にさせることになる。
【0008】
よって、本発明は、斯かる事情に鑑み、耐荷重性能を向上させることができるフリーアクセスフロア構成材及びフリーアクセスフロアの支持構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るフリーアクセスフロア構成材は、上面で床面を形成するパネル部を備え、パネル部は、板状部材が格子状に配置されてなる格子部を少なくとも一部に備えるフリーアクセスフロア構成材において、板状部材の下端部同士を連結する連結部を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るフリーアクセスフロア構成材によれば、連結部が板状部材の下端部同士を連結するため、パネル部に上方から荷重が加えられた際に、板状部材の下端部同士が離反するのを抑制でき、その結果、亀裂や割れが生じるのを抑制できる。
【0011】
また、本発明に係るフリーアクセスフロア構成材においては、パネル部を支持する複数の支柱部を備え、連結部は、複数の支柱部に亘って配置される格子部に対して、支柱部同士を連結するように配置されてもよい。
【0012】
斯かる構成のフリーアクセスフロア構成材によれば、複数の支柱部に亘って配置される格子部に対して、連結部が支柱部同士を連結するように配置されるため、パネル部に上方から荷重が加えられた際に、板状部材の下端部同士が離反するのを抑制できると共に、支柱部同士が離反するのも抑制できる。したがって、耐荷重性能をさらに向上させることができる。
【0013】
また、本発明に係るフリーアクセスフロアの支持構造は、上記のフリーアクセスフロア構成材と、パネル部を支持する支持具とを備えるフリーアクセスフロアの支持構造であって、連結部は、下面が平面状に形成され、支持具は、連結部の下面に沿って回動可能に、フリーアクセスフロア構成材に枢着されることを特徴とする。
【0014】
斯かる構成のフリーアクセスフロアの支持構造によれば、パネル部を支持する支持具がフリーアクセスフロア構成材に枢着されるため、支持具が平面状に形成される連結部の下面に沿って回動できる。したがって、支持具がフリーアクセスフロア構成材の支持する部位を自由に調整できるため、加えられる荷重に応じて、フレキシブルに対応することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上の如く、本発明に係るフリーアクセスフロア構成材及びフリーアクセスの支持構造によれば、パネル部に上方から荷重が加わえられた際に、板状部材の下端部同士が離反するのを抑制できるため、亀裂や割れが生じるのを抑制でき、その結果、耐荷重性能を向上させることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るフリーアクセスフロアの支持構造の全体図であって、(a)は下方斜視図、(b)は底面図を示す。
【図2】同実施形態に係るフリーアクセスフロア構成材の全体図であって、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図を示す。
【図3】同実施形態に係るフリーアクセスフロア構成材の全体図であって、(a)は平面図、(b)は底面図を示す。
【図4】同実施形態に係るフリーアクセスフロア構成材の全体図であって、(a)は正面図、(b)は背面図を示す。
【図5】同実施形態に係るフリーアクセスフロア構成材の全体図であって、(a)は右側面図、(b)は左側面図を示す。
【図6】同実施形態に係るフリーアクセスフロア構成材の全体図であって、図3のA−A線における拡大断面図を示す。
【図7】同実施形態に係るフリーアクセスフロア構成材の全体図であって、(a)は図3のB−B線における拡大断面図、(b)はC−C線における拡大断面図を示す。
【図8】同実施形態に係る支持具の全体図であって、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図を示す。
【図9】同実施形態に係る支持具の全体図であって、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は正面図、(d)はD−D線における断面図を示す。
【図10】同実施形態に係るフリーアクセスフロアの支持構造を説明する図であって、(a)はフリーアクセスフロア構成材が切断された状態の全体底面図、(b)は図3のA−A線における要部拡大断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るフリーアクセスフロア構成材及びフリーアクセスフロアの支持構造の一実施形態について、図1〜図10を参酌して説明する。
【0018】
本実施形態に係るフリーアクセスフロアの支持構造は、図1〜図10に示すように、フリーアクセスフロアを構成するフリーアクセスフロア構成材(「単位床」とも呼ばれ、以下、単に「構成材」という)1と、構成材1を下方側から支持する複数(図1においては四つ)の支持具(「補助脚」とも呼ばれる)2,…とを備える。なお、図1においては、構成材1を一つのみ図示しているが、実際には、複数の構成材1,…が構造床Xの上に並設されて組み合わされることで、フリーアクセスフロアが構成されている。
【0019】
構成材1は、上面でフリーアクセスフロアの床面を形成するパネル部11と、パネル部(パネル要素)11を支持する複数(本実施形態においては九つ)の支柱部(支柱要素)12,…とを備える。そして、構成材1は、パネル部11と各支柱部12とが一体的に形成されるため、本実施形態のフリーアクセスフロアの構法は、パネル構法の支柱一体型のうち、支柱固定タイプと呼ばれる構法である。
【0020】
また、構成材1は、パネル部11と支柱部12,…を連結するリブ13,…を複数備える。なお、構成材1は、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)等の合成樹脂で形成されている。
【0021】
パネル部11は、複数の板状部材111a,…が格子状に配置されてなる格子部111を備える。また、パネル部11は、板状部材111a,…の下端部同士を連結する複数の連結部112,…を備える。
【0022】
また、パネル部11は、矩形状に形成され、隣接された構成材1と位置ずれするのを防止すべく、隣接された構成材1と係合し合う凸状の係合部113,…及び凹状の係合部114,…を各側方(四辺の各辺)にそれぞれ一つずつ備える。さらに、パネル部11は、下方に配設された電線等を上方側に取り出すための凹状部115を二つの側方(四辺のうち二辺)に二つずつ備える。
【0023】
格子部111は、板状部材111a,…同士間に、上下方向に亘って開口部111b,…が形成されることになるが、一部の開口部111b,…の上端側が閉塞されることにより、パネル部11の上面に、連続してつながる連続面111cが形成されている。また、格子部111は、複数の支柱部12,…に亘って配置される。具体的には、格子部111は、パネル部11の略全域に亘って配置されている。
【0024】
各板状部材111aは、上下方向に立設し且つ横方向(上下方向と直交する方向)に沿って延設されている。具体的には、各板状部材111aは、平板状に形成されている。そして、複数の板状部材111a,…は、直交して又は傾斜してそれぞれ交差している。
【0025】
各開口部111bは、平板状に形成される板状部材111a,…同士が交差して設けられるため、多角形状に構成されている。また、開口部111b,…には、下端側が連結部112で閉塞されているものや、上下方向に亘って貫通しているもの(貫通孔)がある。
【0026】
連続面111cは、矩形状に形成されるパネル部11の外周部に沿って配置されると共に、各幅方向の中心に沿って一端部から他端部に亘って配置される。具体的には、連続面111cは、略「田」字状に配置されている。なお、連続面111cは、ピンヒール等がパネル部11の開口部111bに嵌まり込むのを防止したり、パネル部11の上面にシート材を安定して貼り付けるべく、接着剤の塗布する面積を確保したりするための目的で設けられる一方、耐荷重性能を向上させる機能も有している。
【0027】
各連結部112は、矩形状に形成され、四つの支柱部12,…間に配置される。具体的には、各連結部112は、四つの支柱部12,…同士を連結するように配置されている。そして、各連結部112は、下面が平面状に形成されている。具体的には、各連結部112は、平板状に形成され、横方向に沿って配置されると共に、上面で各板状部材111aの下端部と連結している。
【0028】
また、連結部112は、支持具2を回動可能に取り付けるための取付孔112a,…を複数備える。さらに、連結部112は、支持具2が所定角度以上回動するのを防止すべく、支持具2を係止する係止部112b,…を複数備える。
【0029】
各取付孔112aは、支持具2に挿入されるための孔である。そして、各取付孔112aは、矩形状に形成される各連結部112の四つの隅部、即ち、支柱部12,…の近傍にそれぞれ配置される。これにより、支持具2をフレキシブルに配置できる一方、連結部112の中央部に配置する場合と比べて、取付孔112aを設けることによる耐荷重性能の低下を抑えることができる。ところで、各取付孔112aが設けられている位置の開口部111bは、取付孔112aを介して、上下方向に亘って貫通しているもの(貫通孔)となる。
【0030】
各係止部112bは、下方に向けて突出する突起である。そして、各係止部112bは、支柱部12と取付孔112aとの間に配置されている。なお、各係止部112bは、構成材1を構成床Xの上に設置した際に、リブ13が支持具2にのり上げることで構成材1が傾くのを防止すべく、支持具2がリブ13の下方に至るまで回動するのを防止している。
【0031】
各支柱部12は、パネル部11から下方側に向けて突出して形成されると共に、下方側が開放された角筒状に形成されている。これにより、各支柱部12が設けられる位置の開口部111bは、上下方向に亘って貫通しているもの(貫通孔)となる。また、複数の支柱部12,…は、矩形配列で配置されている。具体的には、複数の支柱部12,…は、矩形状のパネル部11に対して、各辺(四つの辺)の両端部及び中央部にそれぞれ配置されていると共に、対角線同士が交差する部位に一つ配置されている。
【0032】
なお、構成材1は、上下方向に接離する一対の金型片からなる金型を用いて射出成形(及び/又は金型成形)で製造されるため、上端側に連続面111cが形成されている場合には、当該開口部111bの下端側には、連結部112が形成されていない一方、下端側に連結部112が形成されている場合には、当該開口部11bの上端側には、連続面111cが形成されていないことになる。また、格子部111及び連結部112は、一体となって形成されることになる。
【0033】
各支持具2は、パネル部11を下方側から支持する支持具本体21と、連結部112の下面に沿って(図1(b)における両矢印方向で)回動可能に、構成材1に枢着される枢着部22とを備える。また、各支持具2は、支持具本体21と枢着部22とを接続し、付勢されることにより弾性変形する弾性部23を備える。
【0034】
支持具本体21は、円筒状に形成され、上方が閉塞され且つ下方が開放されている。そして、支持具本体21は、平面状に形成される上面がパネル部11(連結部112)と当接することで、構成材1を支持する。また、支持具本体21は、内周部に、径方向内方に突出し且つ上下方向に延びる突出部211,…を備える。さらに、支持具本体21は、上面部の表側(外側)に、凹部212を備え、それに伴い凸部213が上面部の裏側(内側)に形成されている。
【0035】
枢着部22は、弾性部23を介して、支持具本体21に固定される基部221を備える。また、枢着部22は、基部221から上方に向けて突出し、連結部112の取付孔112aに挿入される挿入部222を備える。
【0036】
基部221は、取付孔112aを係止することで、挿入部222が取付孔112aに所定以上挿入するのを防止すべく、取付孔112aより大きく形成される。また、基部221は、支持具2が付勢されていない状態、即ち、弾性部23が弾性変形していない状態では、支持具本体21の上面よりも下方側に位置している。
【0037】
挿入部222は、取付孔112aに挿入するのを容易にすべく、先端側がテーパ状に形成されると共に、弾性変形するように円筒状に形成される。そして、挿入部222は、取付孔112aに挿入されたのちに取付孔112aから抜け出るのを防止すべく、基端側が段差状に形成される。
【0038】
弾性部23は、下方側に湾曲した板状に形成される。そして、弾性部23は、一端部が支持具本体21の上方側に連結され、他端部が枢着部22の基部221に連結される。こにより、弾性部23は、付勢されることにより弾性変形することで、支持具本体21と枢着部22とを上下方向で相対的に変位させることができる。
【0039】
以上より、本実施形態に係るフリーアクセスフロア構成材1は、各連結部112が板状部材111a,…の下端部同士を連結するため、パネル部11に上方から荷重が加えられた際に、板状部材111a,…の下端部同士が離反するのを抑制できる。したがって、亀裂や割れが生じるのを抑制できるため、耐荷重性能を向上させることができる。
【0040】
また、連結部112が設けられることで耐荷重性能が向上するため、例えば、連結部112が設けられていない場合と同じ耐荷重性能を維持するのであれば、板状部材111aの厚みを薄くしたり、板状部材111aの数量を少なくしたりすることもできる。したがって、効率的に設計を行うことにより、フリーアクセスフロア構成材1を製造するための原料使用量を少なくすることも可能である。
【0041】
また、本実施形態に係るフリーアクセスフロア構成材1は、複数の支柱部12,…に亘って配置される格子部111に対して、連結部112が支柱部12,…同士を連結するように配置されるため、パネル部11に上方から荷重が加えられた際に、板状部材111a,…の下端部同士が離反するのを抑制できると共に、支柱部12,…同士が離反するのも抑制できる。したがって、耐荷重性能をさらに向上させることができる。
【0042】
また、本実施形態に係るフリーアクセスフロアの支持構造は、パネル部11を支持する支持具2がフリーアクセスフロア構成材1に枢着されるため、平面状に形成される連結部112の下面に沿って支持具2を回動することができる。したがって、支持具2がパネル部11(連結部112)の支持する部位を自由に調整できるため、加えられる荷重に応じて、フレキシブルに対応することができる。
【0043】
ここで、並設される構成材1のうち、床の端側に配置される構成材1は、当該床のスペースの関係上、切断される場合がある。そして、構成材1が切断されると、支柱部12,12による支持だけでは十分でない場合が殆どである。そこで、図10(a)に示すように、支持具2,…を回動させることで、耐荷重性能が一番優れる位置に支持具2,…を配置することもできる。
【0044】
また、本実施形態に係るフリーアクセスフロアの支持構造は、取付孔112aを係止する基部221が支持具本体21の上面よりも下方側に位置している。これにより、図10(b)に示すように、基部221が取付孔112aを係止していない状態、即ち、基部221が取付孔112aと離間している状態で、支持具本体21の上面が平面状に形成される連結部112の下面と当接する。
【0045】
したがって、支持具本体21の上面が連結部112の下面と密接しているため、荷重が加えられた際に、音鳴り(構成材1と支持具2とが衝突して発生する音)が発生しない。但し、例えば、作業ミス等により、挿入部222が取付孔112aに十分に挿入されていない場合には、取付孔112aを係止する基部221が支持具本体21の上面よりも下方に位置しているだけでは、支持具本体21の上面が連結部112の下面と密接しない場合も考えられる。
【0046】
しかしながら、本実施形態に係る支持具2によれば、支持具本体21の下端部が支柱部12の下端部よりも下方側に位置しているため、構成材1及び支持具2が構造床Xの上に設置されると、支持具本体21の下端部が構造床Xに当接する。これにより、構成材1の自重により、弾性部23が付勢されて弾性変形するため、支持具本体21が枢着部22に対して上下方向において接近するように、即ち、支持具本体21が連結部112に対して接近するように変位することになる。
【0047】
したがって、支持具本体21の上面が平面状に形成される連結部112の下面と密着することができるため、音鳴りが発生しない。以上のように、挿入部222が取付孔112aに十分に挿入されている場合は当然として、作業ミス等により、挿入部222が取付孔112aに十分に挿入されていない場合においても、支持具本体21の上面が平面状に形成される連結部112の下面と密接することができ、その結果、荷重が加えられた際に、音鳴りが発生するのを防止できる。
【0048】
なお、本発明に係るフリーアクセスフロア構成材及びフリーアクセスフロアの支持構造は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0049】
例えば、本発明に係るフリーアクセスフロア構成材は、切断するのを容易にすべく、パネル部の上面に、溝状の切断容易手段を設けてもよい。但し、耐荷重性能が低下しないように、切断容易手段を設けることが好ましい。
【0050】
また、上記実施形態に係るフリーアクセスフロア構成材1においては、格子部111がパネル部11の略全域に亘って配置される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。要するに、パネル部の少なくとも一部に、格子部が設けられていればよい。
【0051】
また、上記実施形態に係るフリーアクセスフロア構成材1においては、パネル部11が矩形状に形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られず、例えば、円形状や多角形状に形成される場合でもよい。要するに、パネル部は、床面として機能する構成であればよい。
【0052】
また、上記実施形態に係るフリーアクセスフロア構成材1においては、各板状部材111aが平板状に形成され、各板状部材111a,…間に設けられる開口部111b,…が多角形状である場合を説明したが、斯かる場合に限られず、例えば、各板状部材が湾曲した板状に形成されたり、各板状部材間に設けられる開口部が円形状に形成されたりする場合でもよい。
【0053】
また、上記実施形態に係るフリーアクセスフロア構成材1においては、開口部111bには、上端側の連続面111c又は下端側の連結部112の何れか一方しか設けられない場合を説明したが、斯かる場合に限られず、開口部に、連続面及び連結部の双方が設けられる場合でもよい。例えば、連結部112は、格子部111(板状部材111a,…)と一体となって形成される場合に限られず、固定手段等を介して、板状部材の下端部同士を連結する場合でもよい。
【0054】
したがって、本発明に係るフリーアクセスフロア構成材1は、少なくとも格子部111が合成樹脂で形成されているものを対象としているが、連結部112については、合成樹脂に限られず、金属といった剛性を有する素材で構成されてもよい。
【0055】
また、上記実施形態に係るフリーアクセスフロア構成材1においては、各連結部112が支柱部12,…同士を連結するように配置される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。
【0056】
例えば、連結部は、一つの開口部111bのみを閉塞するように、板状部材111a,…の下端部を連結する場合でもよく、また、二つ、三つ又は五つ以上の支柱部12,…を連結するように、板状部材111a,…の下端部を連結する場合でもよく、さらに、全ての開口部111b,…を閉塞するように、板状部材111a,…の下端部を連結する場合でもよい。
【0057】
また、上記実施形態に係るフリーアクセスフロア構成材1においては、支柱部12が角筒状に形成され、九つ設けられる場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、支柱部は、円筒状に形成されたり、内部に合成樹脂が充填されて形成されたりする場合でもよく、また、二つ〜八つ又は十以上設けられる場合でもよい。要するに、支柱部は、柱として機能する構成であればよい。
【0058】
また、上記実施形態に係るフリーアクセスフロア構成材1は、パネル部11と支柱部12,…とが一体的に合成樹脂で形成される場合、即ち、支柱一体型の支柱固定タイプである場合を説明したが、斯かる場合に限られない。
【0059】
例えば、パネル部を持ち上げたときに支柱部がパネル部に付いている構法である支柱一体型のうち、支柱部がパネル部に後付けされる支柱組立タイプである場合でもよく、また、パネル部を持ち上げたときに支柱部が構造床(建築物の床)X側に残る構法である支柱分離型である場合でもよい。要するに、本発明に係るフリーアクセスフロア構成材は、床面として機能するパネル部を少なくとも備えていればよい。
【0060】
また、上記実施形態に係るフリーアクセスフロアの支持構造においては、支持具2の挿入部222がフリーアクセスフロア構成材1の取付孔112aに挿入することで、支持具2がフリーアクセスフロア構成材1に枢着される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、支持具に配設される取付孔に、フリーアクセスフロア構成材に配設される凸状の挿入部を挿入することで、支持具がフリーアクセスフロア構成材に枢着される場合でもよい。
【0061】
また、上記実施形態に係るフリーアクセスフロアの支持構造においては、支持具本体21が円筒状に形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、支持具本体は、角筒状に形成される場合でもよく、また、内部に合成樹脂が充填されて形成される場合でもよい。要するに、支持具本体は、フリーアクセスフロア構成材(パネル部)を支持する機能を有する構成であればよい。
【符号の説明】
【0062】
1…フリーアクセスフロア構成材、2…支持具、11…パネル部、12…支柱部、13…リブ、21…支持具本体、22…枢着部、23…弾性部、111…格子部、111a…板状部材、111b…開口部、111c…連続面、112…連結部、112a…取付孔、112b…係止部、113,114…係合部、115…凹状部、211…突出部、212…凹部、213…凸部、221…基部、222…挿入部、X…構造床

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面で床面を形成するパネル部を備え、パネル部は、板状部材が格子状に配置されてなる格子部を少なくとも一部に備えるフリーアクセスフロア構成材において、
板状部材の下端部同士を連結する連結部を備えることを特徴とするフリーアクセスフロア構成材。
【請求項2】
パネル部を支持する複数の支柱部を備え、
連結部は、複数の支柱部に亘って配置される格子部に対して、支柱部同士を連結するように配置される請求項1に記載のフリーアクセスフロア構成材。
【請求項3】
請求項2に記載のフリーアクセスフロア構成材と、パネル部を支持する支持具とを備えるフリーアクセスフロアの支持構造であって、
連結部は、下面が平面状に形成され、
支持具は、連結部の下面に沿って回動可能に、フリーアクセスフロア構成材に枢着されることを特徴とするフリーアクセスフロアの支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−1766(P2011−1766A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146256(P2009−146256)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000129312)株式会社キタイ製作所 (4)
【Fターム(参考)】