説明

フルオロアルキル基と炭化水素基を有する分岐型界面活性剤

【課題】二酸化炭素−水系で使用可能な界面活性剤を提供する
【解決手段】下記の一般式(I)
【化1】


(式中、Rfは(ペル)フルオロアルキル基、(ペル)フルオロエーテル基、または(ペル)フルオロポリエーテル基を示し、Rhはアルキル基を示す。
Yは、O,SまたはNR(Rは水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはt−ブチルを示す)である。
pとqは、同時に0では無い0または1である。)
Mは水素原子、アルカリ金属、1/2アルカリ土類金属またはアンモニウムを示す。)で表される界面活性剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルオロアルキル基と炭化水素基を有する分岐型界面活性剤に関する。
【背景技術及びその課題】
【0002】
環境問題の顕在化により、毒性の高い有機溶媒の代わりに、CO2を溶媒として利用する技術が注目されている。またCO2中で化合物を扱うことが出来れば、廃水処理費が大幅に削減できる可能性が有り、染色、めっき、有機合成、抽出など廃水処理コストの大きい産業分野への応用が特に注目されている。
【0003】
このような応用のためには、二酸化炭素と水系溶媒を混合するための界面活性剤が必要になる。
【0004】
ハイブリット型のフッ素系化合物としては、H(CF2CF2)n(CH2CH2O)nOOCCH(OSO3Na)CH2COORが感光材料の塗布物性を向上させる添加剤として特許文献1に記載され、H(CF2CF2)nCH2OCH2CH(OSO3Na)Rが感光材料の塗布物性を向上させる添加剤として特許文献2に記載され、H(CF2CF2)nCH2OCH2CH(OSO3Na)CH2ORが感光材料の帯電防止材として特許文献3に記載されている。
【0005】
一方、二酸化炭素中で高機能を発現する界面活性剤は非常に限られており、フッ素基を有するスルホコハク酸エステルが非特許文献1〜3に報告されている程度であり、二本鎖ないしは枝分かれ構造の疎水性基が必要とされている。また枝分かれ構造でもさらにハイブリット型が高機能であることも知られていた。例えば、非特許文献4にはC715CH(OSO3Na)C715が二酸化炭素中に水を取り込む機能が高いと報告されていた。しかしながらこの化合物は安定性が低いため実用にならなかった。また、本発明者らが追試したところ、水を取り込む機能についても不十分であることを確認した。
【0006】
このため安定で高機能なハイブリット型界面活性剤の合成が近年報告されている(非特許文献5〜8)。しかしながら、これら公知のハイブリット型界面活性剤は二酸化炭素中では充分な機能を発現していない(非特許文献3)。
【0007】
非特許文献9に報告されたリン酸エステルは二酸化炭素中で高機能を発現しているが、リン酸エステルは加水分解の可能性があり、長期使用時の安定性に課題がある。また、該リン酸エステルも本発明者による追試により機能が不充分であることを確認した。
【特許文献1】特開昭51−32322号公報
【特許文献2】特公昭52−26687号公報
【特許文献3】特公昭52−26687号公報
【非特許文献1】Progr、Colloid Polym、Sci. 2000年、115巻、214頁
【非特許文献2】Langmu1r 2001年、17巻、274頁
【非特許文献3】Langmuir 2003年、19巻、220頁
【非特許文献4】Langmuir l994年、10巻、3536頁
【非特許文献5】Langmuirl995年、11巻、466頁
【非特許文献6】油化学討論会講演要旨2000年、305頁、306頁
【非特許文献7】油化学討論会講演要旨2002年、101頁
【非特許文献8】J.Am.Chem.SOC. 2002年、124巻、6516頁
【非特許文献9】J.Am.Chem.SOC.2002年,124巻,1834頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、二酸化炭素−水系で使用可能な界面活性剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の界面活性剤を提供するものである。
1. 下記の一般式(I)
【0010】
【化1】

【0011】
(式中、Rfは(ペル)フルオロアルキル基、(ペル)フルオロエーテル基、または(ペル)フルオロポリエーテル基を示し、Rhはアルキル基を示す。
Yは、O,SまたはNR(Rは水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはt−ブチルを示す)である。
pとqは、同時に0では無い0または1である。)
Mは水素原子、アルカリ金属、1/2アルカリ土類金属またはアンモニウムを示す。)
で表される界面活性剤。
2. Rfの炭素数が5〜12である項1に記載の界面活性剤。
3. 一般式:RfCH2OCH2CH(OSO3M)CH2ORh
(式中、Rf,Rh及びMは前記に定義されるとおりである)で表される項1または2に記載の界面活性剤。
4. 超臨界、亜臨界又は液体の二酸化炭素中における極性物質の溶解度を向上させるための項1〜3のいずれかに記載の界面活性剤の使用。

以下、本発明をより詳細に説明する。
【0012】
本発明の界面活性剤は、CO2(超臨界、亜臨界又は液体)と水や極性化合物を混合可能なものであり、CO2−水系での有機/無機化学反応やめっきなどの電気化学反応さらには抽出、洗浄、染色などの効率化を可能にするものである。また、CO2−水系での繰り返し使用に十分耐えるだけの安定性を有するものである。
【0013】
このような界面活性剤は、硫酸エステル基を有し、かつ、フルオロアルキル基とアルキル基を1個ずつ有するハイブリッド型の界面活性剤であるのが好ましい。
【0014】
一般式(I)の界面活性剤において、
Rfはフッ素原子を1個以上有する直鎖または分岐を有するアルキル基であり、パーフルオロアルキル基であっても良い。Rfの炭素数は、4〜20,好ましくは5〜18、より好ましくは5〜12である。Rfの好ましい具体例としては、以下が例示される:
(ペル)フルオロアルキル基としては:
n2n+1(CH2)m−(nは5〜12の整数を示す、mは0〜10の整数を示す);
HCn2n(CH2)m−(nは5〜12の整数を示す、mは0〜10の整数を示す)が例示され、
(ペル)フルオロエーテル基としては、例えばC3F7OCF(CF3)-などのRf1−O−Rf2(Rf1はC1〜C6の直鎖又は分枝を有する(ペル)フルオロアルキル基であり、Rf2はC1〜C4の直鎖又は分枝を有する(ペル)フルオロアルキレン基)である。
【0015】
(ペル)フルオロポリエーテル基としては、例えば、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)-などの、Rf1−(O−Rf2)r(Rf1、Rf2は前記に定義されるとおりである。rは2〜4の整数を示す)
Rhは炭素数3〜18,好ましくは4〜12、より好ましくは4〜10の直鎖または分岐を有するアルキル基である。Rhの好ましい具体例としては、(n-, sec-, iso-, tert-)ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルが例示される:
Mは水素原子、アルカリ金属(Na,K,Li,Cs),1/2アルカリ土類金属(Ca,Mg,Ba)、アンモニウムが挙げられる。
【0016】
CO2親和性部分(Rf)と親水性基(Rh)のバランスとしては、
(Rfの炭素数)/(Rhの炭素数)=1/2〜2/1が好ましく、2/3〜3/2がより好ましい。
【0017】
本発明の界面活性剤の具体例を以下に示す。
【0018】
本発明の界面活性剤は、市販品であるか、公知の方法(例えば特許文献1〜3)により当業者には容易に製造することが可能である。
【0019】
本発明での界面活性剤の使用量は、水溶液に対して0.001〜2000wt%程度、好ましくは0.01〜1000wt%程度、より好ましくは0.1〜500wt%程度であることが望ましい。
【0020】
さらにCO2−水系には、以下に示す有機溶媒(助溶剤)の添加も可能である。例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、アセトニトリル、酢酸エチルなどのエステル類、エチルエーテルなどのエーテル類、フロン類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化物があり、特に毒性が低く低分子量のものが望ましい。
【0021】
なお、本発明において使用されるCO2は液体、亜臨界、超臨界状態で使用される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、十分高い水取り込み値を有し、CO2/水および極性化合物(例えば無機塩、極性有機化合物など)の混合系において、十分なミセル形成能を有する界面活性剤を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、実施例、参考例で本発明を具体的に説明するが、本発明はこれだけに限定されるものではない。
【0024】
以下に化合物の構造、合成法、およびスペクトルデータを記載する。
実施例1
C8F17CH2CH(OSO3Na)CH2OC8H17 1
ヘプタデカフルオロプロピレンオキシド (1.09g, 2.3mmol)、オクタノール(1.02g, 7.8mmol)、硫酸1滴の混合物を100℃で48時間攪拌下に加熱した。酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和重曹水、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水後、減圧下に溶媒を留去した。得られた反応物をシリカゲルカラムクロマト(n-hexane:EtOAc=30:1)で分離してアルコール体(830mg, 60%)を得た。ここで得たアルコール体にSO3-Py錯体(416mg, 2.6mmol)を加え、ピリジン5ml中、40℃で24時間攪拌した。反応物を飽和重曹水中に開けて、加熱乾固させた。残った反応物からソックスレー抽出器を用い、アセトン抽出して無機塩を除いた(730mg, 2工程、45%)。
無色アモルファス:1H-NMR(CDCl3):δ0.88 (t, J=6.5Hz, 3H), 1.15 - 1.47 (m, 10H), 1.47 - 1.65 (m, 2H), 2.47 - 2.87 (m, 2H), 3.35 - 3.62 (m, 2H), 3.62 - 3.78 (m, 2H), 4.74 - 4.90 (m, 1H).
IR (KBr, cm-1): 2934, 1243, 1213, 1152, 951.

実施例2
C6F13CH2CH(OSO3Na)CH2OC6H13 2
トリデカフルオロプロピレンオキシド (5.0g, 13.3mmol)とヘキサノール(8.35ml, 66.5mmol)を硫酸存在下に反応させて得たアルコール体(3.5g, 55%)に、SO3-Py錯体(2.3g, 14.6mmol)をピリジン(12ml)中反応させて化合物2を得た。粗生成物をソックスレー抽出器を用い、アセトン抽出して無機塩を除いた(3.1g, 2工程、40%)。
無色アモルファス:1H-NMR(CDCl3):δ0.89 (t, J=6.8Hz, 3H), 1.15 - 1.44 (m, 7H), 1.44 - 1.68 (m, 2H), 2.40 - 2.86 (m, 2H), 3.32 - 3.76 (m, 4H), 4.70 - 5.0 (m, 1H).
IR (KBr, cm-1): 2936, 1244, 1214, 1150.

実施例3
H(CF2)6CH2OCH2CH(OSO3Na)CH2OC6H13
同様にしてドデカフルオロヘプチルグリシジルエーテル (3.88g, 10mmol)、ヘキサノール(2.94g, 30mmol)から化合物3を合成した(3.1g, 2工程、52%)。
無色アモルファス:1H-NMR(CDCl3):δ0.89 (t, J=7.0Hz, 3H), 1.22 - 1.40 (m, 6H), 1.49 - 1.60 (m, 2H), 3.43 - 3.52 (m, 2H), 3.60 - 3.69 (m, 2H), 3.85 (d-d, J=10.9, 4.4Hz, 1H), 3.92 (d-d, J=10.9, 4.4Hz, 1H), 4.13 (t, J=14.1Hz, 2H), 4.45 - 4.52 (m, 1H), 6.61 (t-t, J=50.8, 4.9Hz, 1H).
IR (KBr, cm-1): 2938, 1240, 1202, 1142, 1045, 797.

実施例4
H(CF2)8CH2OCH2CH(OSO3Na)CH2OC8H17
同様にしてヘキサデカフルオロヘプチルグリシジルエーテル (8.06g, 16.5mmol)とオクタノール(13ml, 82.3mmol)から合成したアルコール体から、同様にしてスルホン酸エステル化合物4を合成した(5.0g, 2工程、42%)。
無色アモルファス:1H-NMR(CD3OH):δ0.89 (t, J=6.9Hz, 3H), 1.15 - 1.46 (m, 10H), 1.46 - 1.65 (m, 2H), 3.48 (t, J=6.4Hz, 2H), 3.60 - 3.75 (m, 2H), 3.80 - 4.00 (m, 2H), 4.16 (t, J=14.1Hz, 2H), 4.43 - 4.55 (m, 1H), 6.69 (t-t, J=51.1, 5.1Hz, 1H).
IR (KBr, cm-1): 2936, 1214, 1149, 1043, 806.

実施例5
H(CF2)6CH2OCH2CH(OSO3Na)CH2OC8H17
同様にしてドデカフルオロヘプチルグリシジルエーテル (5.92g,15.2 mmol)、オクタノール(12ml, 76mmol)からアルコール体を経由し、SO3-Py錯体により化合物5を合成した(4.2g, 2工程、45%)。
無色アモルファス:1H-NMR(CD3OH):δ0.89 (t, J=6.9Hz, 3H), 1.17 - 1.47 (m, 10H), 1.47 - 1.66 (m, 2H), 3.45 (t, J=6.4Hz, 2H), 3.60 - 3.74 (m, 2H), 3.80 - 4.00 (m, 2H), 4.15 (t, J=14.1Hz, 2H), 4.43 - 4.55 (m, 1H), 6.65 (t-t, J=51.1, 5.1Hz, 1H).
IR (KBr, cm-1): 2936, 1202, 1142, 1043, 796.

実施例6
C3F7OCF(CF3)CH2OCH2CH(OSO3Na)CH2OCH2CH(C2H5)C4H9
同様にして2−エチルヘキシルグリシジルエーテル (6.55ml,31.6 mmol)と2−ヘプタフルオロプロポキシ―2,3,3,3―テトラフルオロプロパノール(10.0g, 32mmol)の混合物に、撹拌下に90℃で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH 1.3g-水6.3ml)を滴下して6時間反応させた。反応液を酢酸エチルで抽出し、有機相を脱水、溶媒留去してアルコール体を得た。さらに本アルコール体からSO3-Py錯体により化合物6を合成した(6.76g, 2工程、35%)。
無色液体:1H-NMR(CD3OH):δ0.80 -1.00 (m, 6H), 1.15 - 1.65 (m, 9H), 3.34 (d, J=5.6Hz, 2H), 3.42 (d-d, J=5.1, 1.5Hz, 2H), 3.50-3.76 (m, 2H), 3.76-3.91 (m, 1H), 4.19 (d, J=11.9 Hz, 2H).
IR (KBr, cm-1): 2933, 1239, 1150, 998.

実施例7
C3F7OCF(CF3)CH2OCH2CH(OSO3Na)C6H13
化合物5と同様にして1,2-エポキシオクタン (4.83ml, 31.6 mmol)、2−ヘプタフルオロプロポキシ―2,3,3,3―テトラフルオロプロパノール(10.0g, 32mmol)からアルコール体を経由し、SO3-Py錯体により化合物7を合成した(9.8g, 2工程、56%)。
無色アモルファス:1H-NMR(CD3OH):δ0.87 (t, J=7.0Hz, 3H), 1.15 - 1.55 (m, 8H), 1.55 - 1.77 (m, 2H), 3.75 - 3.89 (m, 2H), 4.08 - 4.30 (m, 2H), 4.30 - 4.46 (m, 1H).
IR (KBr, cm-1): 2936, 1336, 1236, 1151, 997, 936.

比較例1
(C6F13CH2CH2O)2P(O)ONa 8
化合物8をJ. Am. Chem. Soc. 2002年、124巻、1834頁により合成した。
比較例2
C7F15CH(OSO3Na)C7H15 9
化合物9をJ.Phys.Chem. 1992年、96巻、6738頁に従い合成した。

試験例1
実施例および比較例の化合物の機能試験を行った。
(1)W値と水取り込み量の測定方法
図1に示した評価測定装置を使用し、以下の工程1)〜4)に従い、W値と水取り込み量を測定した。
1)可視窓付き耐圧装置(ビューセル)内のaの部分に界面活性剤を二酸化炭素に対して2wt%導入する。
2)二酸化炭素を導入し、表に示した所定の測定圧力、温度にした後、六方バルブからaの部分に水を導入する。
3)可視窓(サファイヤ窓)から内容を目視して、透明均一な状態をもって二酸化炭素に水が溶解していると判定した。
4)透明状態を維持できる最高水導入量と、測定に用いた界面活性剤重量からW値および水取り込み量を算出した。
【0025】
なお、2)の所定の測定圧力および温度は、以下の表1に示す。
界面活性効果評価(二酸化炭素中への水取り込み能力で判定)
W値=ミセル中の(水分子数/界面活性剤分子数)
水取り込み=界面活性剤1gあたりに二酸化炭素中に溶解した水の重量
【0026】
【表1】

【0027】
これまでは化合物8、9が最も高機能であると報告されており(J. Am. Chem. Soc. 2002年、124巻、1834頁; Langmuir 1994年、10巻、3536頁)、両化合物とも界面活性剤1gに対する水取り込み量(Water Uptake)が1gに達すると記載されている。またこのデータがこれまでに報告されたWater Uptakeの最も高い値である。今回の発明では特に化合物2、3、5,6がこれらより機能が上回っている。
【0028】
さらに本発明者が上記化合物8、9を合成して本発明の化合物と同一条件下に評価してみたところ、化合物8では比較的低圧力で機能するものの、化合物のWater Uptakeは報告のデータよりかなり低い値しか得られなかった。
【0029】
さらに化合物9では50℃で試験を行ったためか、まったく機能を発現できなかった。試験後に試料を回収して機器分析(NMR)により原因を究明しようとした。硫酸エステル部分の加水分解されたものと合わせて、少量であるが非常に複雑なピークが観測された(50℃でも分解が進行したものと考えられる)。この結果から化合物9は実用に対して大きな障害となるものと考えられる。
【0030】
一方、今回の発明の化合物は、評価試験の条件では安定に機能することが判った(評価試験後にサンプルを回収して機器分析により確認した)。
【0031】
以上のように本発明の化合物は、二酸化炭素を溶媒とした媒体の中で、水などの極性化合物を扱う際に優れた界面活性剤であることが判った。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(A)W値の測定装置を示す概略図である。(B)ビューセル詳細図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(I)
【化1】

(式中、Rfは(ペル)フルオロアルキル基、(ペル)フルオロエーテル基、または(ペル)フルオロポリエーテル基を示し、Rhはアルキル基を示す。
Yは、O,SまたはNR(Rは水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはt−ブチルを示す)である。
pとqは、同時に0では無い0または1である。)
Mは水素原子、アルカリ金属、1/2アルカリ土類金属またはアンモニウムを示す。)
で表される界面活性剤。
【請求項2】
Rfの炭素数が5〜12である請求項1に記載の界面活性剤。
【請求項3】
一般式:RfCH2OCH2CH(OSO3M)CH2ORh
(式中、Rf,Rh及びMは前記に定義されるとおりである)で表される請求項1または2に記載の界面活性剤。
【請求項4】
超臨界、亜臨界又は液体の二酸化炭素中における極性物質の溶解度を向上させるための請求項1〜3のいずれかに記載の界面活性剤の使用。


【図1】
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【公開番号】特開2006−8517(P2006−8517A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183077(P2004−183077)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】