説明

フルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルの製造方法

【課題】フッ化水素や多量の硫酸を用いることなく、従って大量の酸廃棄物の副生を伴わず、かつ、工業的に採用できるフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテル((CF32CH−O−CH2F)の製造方法を提供する。
【解決手段】ビスフルオロメチルエーテルとヘキサフルオロイソプロピルアルコールを硫酸または硫酸よりも酸強度の高い強酸の触媒量の存在下、実質的にフッ化水素と非混和性の溶媒中において反応させることからなるフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入麻酔剤であるフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルは、優れた麻酔性能を示す吸入麻酔剤として使用されている。フルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルの製造方法としては、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒド)とヘキサフルオロイソプロピルアルコールをフッ化水素中、硫酸を脱水剤として液相で反応させる方法が知られている(特許文献1)。
【0003】
また、脱水剤を用いる代わりに、フッ化水素中でヘキサフルオロイソプロピルアルコールとホルムアルデヒドとの間で成立している平衡状態の反応混合物からフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルを溶媒による選択的抽出や蒸留で取得する方法(特許文献2)が提案されている。
【0004】
さらに、フッ化水素とホルムアルデヒド(トリオキサン)を混合して冷却し、そこへヘキサフルオロイソプロパノールを添加し攪拌することで数パーセントのフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテル生成が認められ(特許文献3)、また、高純度ビスフルオロメチルエーテルとヘキサフルオロイソプロピルアルコールを硫酸存在下で反応させセボフルランを製造する方法(特許文献4、5)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4250334号明細書
【特許文献2】米国特許第6469219号明細書
【特許文献3】特表平7−502037
【特許文献4】WO97/25303
【特許文献5】特表2004−520308
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の方法では、脱水剤として使用される硫酸の廃棄に困難がある。特許文献2の製造方法はセボフルランをフッ化水素と共沸させて反応系から分離するなど、大量のフッ化水素の存在下で反応を行う方法であり取り扱いには特別の注意が求められる。特許文献3では収率が低く余り実用的な方法ではない。特許文献4では、ビスフルオロメチルエーテル2gとヘキサフルオロイソプロピルアルコール4.1gに対し98%硫酸を1ml使用するため硫酸やフッ酸の含まれた廃液が大量に発生する恐れがある。また、ほぼ同様の方法である特許文献5においても、ビスフルオロメチルエーテル100μLとヘキサフルオロイソプロピルアルコール約16μLに対し硫酸を20mL使用し、やはり同様に硫酸やフッ酸の含まれた廃液が大量に発生する恐れがある。
【0007】
このような廃液から硫酸やフッ化水素またはフッ酸を回収することは技術的に困難であり、塩基性物質で固定し廃棄されることが多く環境への負荷が懸念される。
【0008】
本発明では、フッ化水素や多量の硫酸を用いることなく、従って大量の酸廃棄物の副生を伴わず、かつ、工業的に採用できるフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテル((CF32CH−O−CH2F)の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決するため、フッ化水素を使用しないでフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルを製造する方法であるビスフルオロメチルエーテルとヘキサフルオロイソプロピルアルコールを原料する方法について検討を加えたところ、ビスフルオロメチルエーテルとヘキサフルオロイソプロピルアルコールを酸触媒により反応させる際に、反応系中に特定の溶媒を存在させることで酸触媒の量を著しく少量にすることができながら穏やかな条件で反応させることができることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明は次の通りである。
[発明1]ビスフルオロメチルエーテルとヘキサフルオロイソプロピルアルコールを硫酸または硫酸よりも酸強度の高い強酸の触媒量の存在下、実質的にフッ化水素と非混和性の溶媒中において反応させることからなるフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルの製造方法。
[発明2]溶媒がハロゲン化された脂肪族炭化水素またはハロゲン化された芳香族炭化水素である発明1の製造方法。
[発明3]強酸が硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロ硫酸から選ばれた1種または2種以上の強酸である発明1または発明2の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明のフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルの製造方法は、フッ化水素や多量の硫酸などの酸を用いることなく、従って大量の酸廃棄物の副生を伴わず、かつ、工業的に採用できるフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテル(CF32CH−O−CH2F)の製造方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
特許請求の範囲および明細書において、ビスフルオロメチルエーテルを「FE」と表すことがある。特許請求の範囲および明細書において、ヘキサフルオロイソプロピルアルコールを「HFIP」と表すことがある。特許請求の範囲および明細書において、フルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルを「SEVO」と表すことがある。
【0014】
本発明の方法は、ビスフルオロメチルエーテルとヘキサフルオロイソプロピルアルコールを硫酸または硫酸よりも酸強度の高い強酸の触媒量の存在下、特定の溶媒中において反応させることからなるフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルの製造方法である。
【0015】
本発明にかかるフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルの生成は溶媒中でビスフルオロメチルエーテル(CH2F−O−CH2F)が強酸の酸触媒の作用によりヘキサフルオロイソプロピルアルコール((CF32CHOH)と反応するものであり次の平衡が成立する。
【0016】
【化1】

【0017】
副生したフルオロメタノール(CH2FOH)は不安定で直ちに平衡的にフッ化水素とホルムアルデヒド(CH2O)に分解するが、本発明にかかる溶媒を平衡系に存在させるとフッ化水素は実質的に溶解しないため排除されるのに対し、フルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルは溶媒に溶解することができるので溶媒中に留まる。その結果、効率的にフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルが得られたものと推測される。
【0018】
本発明の製造方法では、反応系においてビスフルオロメチルエーテル100質量部に対しヘキサフルオロイソプロピルアルコール0.1〜1000質量部を使用し、0.5〜500質量部が好ましい。前記反応式からも分かる様に本発明にかかる反応はビスフルオロメチルエーテルとヘキサフルオロイソプロピルアルコールは1:1の反応であるので、モル比で1:1とすればよいが、それぞれの入手の容易さに応じて一方を他方より大きくするのが好ましい。
【0019】
本発明の方法の原料であるFEおよびHFIPの製造方法は限定されないが、公知の方法で製造できる。例えば、FEはホルムアルデヒドとフッ化水素とから製造する方法が特許文献3に記載されており、HFIPはヘキサフルオロアセトン水和物の液相での接触還元によって製造する方法が特開昭59−204142号公報、特開平1−301631号公報に記載されている。
【0020】
本発明において触媒として使用する強酸は、硫酸または硫酸よりも酸強度の高い(酸解離定数の大きい)酸である。具体的には、例えば、硫酸(ハメットの酸度関数Ho=−12、pKa=−5.0)、トリフルオロメタンスルホン酸(Ho=−14.9、pKa=−13)、フルオロ硫酸(Ho=−15)、イミド酸[(CF3SO22NH ] 、メチド酸[(CF3SO23CH ]などの酸を用いることができる。これらのうち、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロ硫酸は入手も容易であり特に好ましい。強酸の使用量は本発明の製造方法にかかる反応が進行するのに十分な量(明細書において、「触媒量」という。)であればよい。触媒の使用量は、反応系を形成する反応溶液100質量部に対し0.0001〜10質量部であり、0.001〜1質量部であるのが好ましいが、実際的にはこの量は限定的でなく、用いる溶媒に可溶な範囲で自動的に定められる。前記範囲内の数値であっても溶解度を越える場合には反応溶液に添加しても均一な溶液とはならないので無駄である。また、この範囲より少ない時は反応の進行が遅く好ましくない。したがって、溶媒に上記強酸を添加し、よく撹拌した後、不溶で二層分離した酸を分離することで触媒量の強酸が溶媒中に溶解することができる。硫酸はじめ用いる強酸触媒は市販されている試薬用や工業用の製品をそのまま使用することができる。
【0021】
本発明において使用する溶媒は、触媒量の強酸を溶解でき、ビスフルオロメチルエーテルを溶解し、強酸の存在下安定であること、および実質的にフッ化水素と非混和性であることが必要である。フッ化水素と非混和性とは、実質的にフッ化水素を溶解せず、フッ化水素を溶解しないもしくは殆ど溶解しないまたは少なくとも完全に溶解することのないことをいう。この様な溶媒としては、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類が好適である。ハロゲン化脂肪族炭化水素類としては、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化メタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFC−1233)などが挙げられ、ハロゲン化芳香族炭化水素類としてはベンゾトリフルオライド、ビストリフルオロメチルベンゼン類、2,4−ジクロロベンゾトリフルオライドなどが挙げられる。これらの溶媒は硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの強酸を微かに溶解すればよく、これらの強酸の存在下安定であり、かつFEを溶解することにより、HFIPとの反応を穏やかな条件下進行させSEVOを製造することができる。これらの溶媒は二種以上を混合して使用することもできる。反応系における溶媒の量は特に限定されないが、反応系の前質量100質量部に対して、0.1〜99.9質量部であり、1〜99質量部が好ましく、5〜95質量部がより好ましい。溶媒の量が0.1質量部より少ない場合は溶媒として機能しないので好ましくなく、99.9重量部を超えると反応基質の比率が少なく生産量が低下するので好ましくない。
【0022】
本発明の方法は、反応温度は0〜150℃であり、5〜100℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。0℃未満では反応が遅く、150℃を超えると特別な耐圧の容器が必要となるばかりではなく、溶液状態で反応を行うために外部から窒素等で加圧する必要が生じ、反応速度は高まるが反応生成物中に不純物が増加するので好ましくない。
【0023】
反応時間は、1分〜100時間、通常は10分〜50時間であり適宜選択できる。反応はバッチ式または流通式で行うことができるが、バッチ式が好ましい。反応は攪拌をしながら行うこともできるが、攪拌しないで行うこともできる。
【0024】
本発明の方法により生成した反応生成物には、フルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルや未反応のビスフルオロメチルエーテル、フッ化水素などが含まれる。この反応生成物からフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルを取得する方法は特に限定されず、公知の方法が適用できる。例えば、反応生成物を水に投入して酸性成分を含む水層と溶媒層を分液し、溶媒層を蒸留することでフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルを得ることができる。このように水洗浄により酸性成分を分離するためには水に不溶性または難溶性の溶媒を使用することが好ましい。
【実施例】
【0025】
以下に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。有機物の分析は、別途記述のある場合を除き、ガスクロマトグラフィー(FID検出器)で行った。
【0026】
[実施例1]
ガラス製20mL蓋付き容器にジクロロメタン5gを入れ、硫酸0.1g(0.001モル)を添加しよく振り混ぜた後静置した。ガラス瓶の内壁に溶けきらなかった硫酸が付着していることが認められた。この硫酸を含有するジクロロメタン5gを酸触媒溶液として用意した。ポリエチレン製の100mL蓋付き容器に9gのトリオキサン(ホルムアルデヒド換算0.3モル)を入れ、外部を氷冷しつつフッ化水素30g(1.5モル)を加え、蓋を密閉してトリオキサンを溶解した。内容物が均一の溶液になったことを確認後、蓋を開けジクロロメタン20gを加え、蓋を密閉してよく振り混ぜた後静置し、下層のジクロロメタン層を分取した。上層のフッ化水素溶液に、再度ジクロロメタン20gを加え、蓋を密閉してよく振り混ぜて静置し、下層のジクロロメタンを分取し、先に分取したジクロロメタン溶液と混合した.。同様の操作をもう一度繰り返し、透明なジクロロメタン溶液を約53g得た。このジクロロメタン溶液を一部採取し、溶存するフッ化水素をフッ化ナトリウム粉末で固定した後、ガスクロマトグラフィーで分析した。ジクロロメタン溶液にはビスフルオロメチルエーテルが0.03モル含まれていた。この溶液にヘキサフルオロイソプロピルアルコールを6g(0.036モル)添加し、混合後直ちに一部を採取し、溶存するフッ化水素をフッ化ナトリウム粉末で固定した後、ガスクロマトグラフィーで分析した。ジクロロメタン溶液にはビスフルオロメチルエーテル(FE)0.03モルの他に、新たに0.036モルのHFIPが検出されたが、フルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテル(SEVO)の生成は全く認められなかった。このFEとHFIPを含むジクロロメタン溶液10gを蓋付き100mLポリエチレン容器に採取し、先に記した硫酸を含有するジクロロメタン5gと混合し、25℃で15時間保持した時点で反応を終了した。反応終了後混合液を含むポリエチレン製容器を外部から氷冷しつつ、蓋を開け、氷を添加して蓋を密閉してよく振り混ぜ、反応を停止させた。静置して下層のジクロロメタン層を採取し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、SEVOの生成が確認された。ガスクロマトグラフ面積比から算出したFE基準の収率は38%。
【0027】
[実施例2]
酸触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸を用いた以外は実施例1と同様に試験を行った。酸触媒の調製は以下の通り行った。ガラス製20mL蓋付き容器にジクロロメタン5gを入れ、トリフルオロメタンスルホン酸0.15g(0.001モル)を添加しよく振り混ぜた後静置した。ガラス瓶の底部に溶けきらなかったトリフルオロメタンスルホン酸が分離していることが認められた。このトリフルオロメタンスルホン酸を含有するジクロロメタン5gを酸触媒溶液として用意した。実施例1で記したFEとHFIPを含むジクロロメタン層を10g蓋付き100mLポリエチレン容器に採取し、トリフルオロメタンスルホン酸を含有するジクロロメタン(酸触媒溶液)5gと混合し、25℃で15時間保持した時点で反応を終了した。反応終了後混合液を含むポリエチレン製容器を外部から氷冷しつつ、蓋を開け、氷を添加して蓋を密閉してよく振り混ぜ、反応を停止させた。静置して下層のジクロロメタン層を採取し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、SEVOの生成が確認された。ガスクロマトグラフ面積比から算出したFE基準の収率は58%。
【0028】
[比較例1]
酸触媒としてメタンスルホン酸(pKa=−1.2)を用いた以外は実施例1と同様に試験を行った。ジクロロメタン5gを入れ、メタンスルホン酸0.1g(0.001モル)を添加しよく振り混ぜた後静置した。メタンスルホン酸はジクロロメタンに溶解していることが認められた。このメタンスルホン酸を含有するジクロロメタン5gを酸触媒溶液として用意した。実施例1で記したFEとHFIPを含むジクロロメタン層を10g蓋付き100mLポリエチレン容器に採取し、メタンスルホン酸を含有するジクロロメタン5gと混合し、25℃で15時間保持した時点で反応を終了した。反応終了後混合液を含むポリエチレン製容器を外部から氷冷しつつ、蓋を開け、氷を添加して蓋を密閉してよく振り混ぜ、反応を停止させた。静置して下層のジクロロメタン層を採取し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、SEVOの生成は殆ど確認できなかった。
【0029】
[比較例2]
酸触媒としてパラトルエンスルホン酸(pKa=−2.8)を用いた以外は実施例1と同様に反応した。酸触媒の調製は以下の通り行った。ガラス製20mL蓋付き容器にジクロロメタン5gを入れ、パラトルエンスルホン酸0.17g(0.001モル)を添加しよく振り混ぜた後静置した。パラトルエンスルホン酸はジクロロメタンに溶解せず底部に固体が分離していることが認められた。このメタンスルホン酸を含有するジクロロメタン5gを酸触媒溶液として用意した。実施例1で記したFEとHFIPを含むジクロロメタン層を10g蓋付き100mLポリエチレン容器に採取し、パラトルエンスルホン酸を含有するジクロロメタン5gと混合し(不溶のパラトルエンスルホン酸も一緒に混合した)、25℃で15時間保持した時点で反応を終了した。反応終了後混合液を含むポリエチレン製容器を外部から氷冷しつつ、蓋を開け、氷を添加して蓋を密閉してよく振り混ぜ、反応を停止させた。静置して下層のジクロロメタン層を採取し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、SEVOの生成は殆ど確認できなかった。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明のフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルの製造方法は、フッ化水素や多量の硫酸などの酸を用いることなく、従って大量の酸廃棄物の副生を伴わず、かつ、工業的に採用できるフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテル((CF32CH−O−CH2F)の製造方法を提供できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビスフルオロメチルエーテルとヘキサフルオロイソプロピルアルコールを硫酸または硫酸よりも酸強度の高い強酸の触媒量の存在下、実質的にフッ化水素と非混和性の溶媒中において反応させることからなるフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルの製造方法。
【請求項2】
溶媒がハロゲン化された脂肪族炭化水素またはハロゲン化された芳香族炭化水素である請求項1に記載のフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルの製造方法。
【請求項3】
強酸が硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロ硫酸から選ばれた1種または2種以上の強酸である請求項1または2に記載のフルオロメチルヘキサフルオロイソプロピルエーテルの製造方法。

【公開番号】特開2010−254644(P2010−254644A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109033(P2009−109033)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000002200)セントラル硝子株式会社 (1,198)
【Fターム(参考)】