説明

フレキシブルな取付け具を有するターボ分子ポンプ

フレキシブルな取付け具を有するターボ分子ポンプは、機械的ダンパー150によりフレーム160に取付けられた密封ハウジング100と、電気モーター140により駆動される垂直取付け部102と、半径方向磁気軸受111、112と、軸方向磁気軸受115と、半径方向検出器113、114と、軸検出器116と、バックアップ機械的軸受109、110と、軸方向115及び半径方向112の磁気軸受の電力供給回路12、16と制御回路を含む制御モジュールを有する。制御回路は低いスチフネスを有し、限定された通過帯域の濾波回路を有する。制御モジュールは予め定められたしきい値よりも異常に高いローター103の移動を、軸方向116及び半径方向113、114検出器の発生した信号を検出する比較装置を含む。制御回路は再安定化ネットワークと、ローター103の移動がしきい値の1つを超過したことを検出した瞬間t後の予め定められた期間Δtに再安定化ネットワークを選択的に付勢するための手段とを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的ダンパーを介して構造体に設けられることができるように設計された漏洩のないケーシングと、そのケーシングに固定され、フィンと適合されている中空のローターを支持するために位置され、電気モーターによる回転で駆動される垂直サポートと、そのサポート上に取り付けられた少なくとも第1及び第2の半径方向の磁気軸受と、サポート上に取り付けられた少なくとも1つの軸方向の磁気軸受と、ローターの半径方向の位置を検出する放射検出器と、ローターの軸的位置を検出する少なくとも1つの軸検出器と、少なくとも1つの緊急用の機械的軸受と、電気モーターと軸方向及び半径方向の磁気軸受を付勢する少なくとも回路を含んでいる制御モジュールと、基準直交座標系における3つの軸xyzに沿った移動においてローターの任意の移動及び2つの傾斜軸に関する任意の傾斜とを修正するのに適した軸方向および半径方向の磁気軸受をサーボ制御するためのサーボ制御回路とを具備しているフレキシブルな取り付け具を有するターボ分子ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
アクチブな磁気軸受を使用して取り付けられるターボ分子ポンプは既に例えば特許文献FR 2 747 431およびWO 2005/038263に記載されている。
【0003】
半導体の生産のような大部分の応用では、磁気軸受上のターボ分子ポンプは外部の妨害に露出されない。
【0004】
このような状況下ではポンプは通常支持体上に強固に固定され、これらは動かない。位置サーボ制御はその後、ポンプが任意の位置に取り付けられることができることを確実にし、またポンプが発生する雑音及び振動を最小量にすることを確実にするように最適化される。
【0005】
それにもかかわらず、例えば電子顕微鏡のような極めて低い振動レベルを要するある応用が存在する。低レベルの振動を要するこのような応用では、ポンプのケーシングは構造体上に強固に取り付けられておらず、ケーシングはフレキシブルな取り付けを規定するように機械的ダンパーにより構造から取外される。
【0006】
ポンプのこのようなフレキシブルな取り付けを構成するある応用では、ポンプが回転している状態でユーザがツールとポンプのアセンブリの位置を変更しそれを移動することが必要である可能性がある。
【0007】
このような応用のサーボ制御の設定は極めて困難になる。
【0008】
特定化された定レベルの振動を得るため、低レベルの振動を有する応用はサーボ制御が低いスチフネス及び限定された通過帯域を示すことを必要とする。
【0009】
それにもかかわらず、このような状況下では、ポンプのケーシングの移動は回転シャフトを緊急用の軸受と接触させ、それによって雑音、磨耗、振動を発生する。
【0010】
瞬間tで開始され、瞬間tで接触を行うローターの運動後、ローターは緊急用の軸受の回転部材との接触に対応して距離Xを通って少なくとも一方向に移動して、サーボ制御ループの特性は非常に複雑で非線形になり、永久的な振動を生じる危険性が存在する。図3はサーボ制御の不安定さによる永久振動200が存在しているこのような衝撃の応用にしたがった特性を示している。
【0011】
特許文献EP 1 045 821 A2は、磁気軸受に取り付けられたモーターと、予め定められた長さの期間に電流が予め定められたしきい値を超えるならば磁気軸受に対する電力供給を永久的にオフに切り換えるために磁気軸受の電磁石に流れる電流を監視するためのシステムとを有するターボ分子ポンプを開示している。このシステムは電力供給を単にオフにするように設計され、それによって必然的にローターと緊急用の軸受とが接触するようにするので、システムは緊急用の軸受と接触を行った結果として位置サーボ制御ループの非可逆的不安定化を避けるように機能し、予防方法で部品の磨耗の減少を可能にしない。
【発明の概要】
【0012】
本発明は前述の欠点を改善することを目的とし、フレキシブルな取り付けを有するターボ分子ポンプに対して、磁気軸受の故障の場合またはポンプの開始及び停止時以外にローターが緊急用の軸受と接触する問題を避け、低レベルの振動を有するポンプのポンピング品質に悪影響せずに、少なくとも任意のこのような接触の発生を、特に永久的な振動を減少するように機能する。
【0013】
本発明によれば、これらの目的は、機械的ダンパーを介して構造体上に設けられることができるように設計された漏洩のないケーシングと、そのケーシングに固定され、フィンと適合されている中空のローターを支持するために位置され、電気モーターによる回転駆動される垂直サポートと、そのサポート上に取り付けられた少なくとも第1及び第2の半径方向の磁気軸受と、サポート上に取り付けられた少なくとも1つの軸方向の磁気軸受と、ローターの半径方向の位置を検出するための半径方向検出器と、ローターの軸方向の位置を検出するための少なくとも1つの軸検出器と、少なくとも1つの緊急用の機械的軸受と、電気モーターと軸方向及び半径方向の磁気軸受を付勢するための少なくとも回路を含んでいる制御モジュールと、基準直交座標系における3つの軸xyzに沿った移動においてローターの任意の移動及び2つの傾斜軸に関する傾斜とを修正するのに適した軸方向および半径方向の磁気軸受をサーボ制御するためのサーボ制御回路とを具備するフレキシブルな取り付けを有するターボ分子ポンプにより実現され、
そのポンプにおいては、
サーボ制御回路は低いスチフネスを示し、限定された通過帯域を規定するため前記サーボ制御回路により受信された信号を濾波するための濾波手段を含み、制御モジュールは軸方向及び半径方向検出器により出力された信号からローターの異常に大きい移動は基準直交座標系の3つの軸xyzに関しておよび2つの傾斜軸に関して予め定められたしきい値Sxd、Syd、Szd、Sxb、Sybよりも大きい移動を検出するための比較装置を含み、サーボ制御回路は再安定化ネットワークと、その再安定化ネットワークを時間t後の予め定められた期間Δt付勢するために前記再安定化ネットワークを選択的に付勢するための付勢手段を含み、それにおいて前記予め定められたしきい値の少なくとも1つの交差はローターの運動期間中に検出されたことを特徴とする。
【0014】
再安定化ネットワークの選択的付勢のための前記予め定められた期間Δtは設定可能である。
【0015】
再安定化ネットワークの選択的付勢の前記予め定められた期間Δtは0.5秒乃至5秒の範囲にあることが有効である。
【0016】
可能な実施形態では、再安定化ネットワークの選択的付勢のための前記予め定められた期間Δtは固定される。
【0017】
基準直交座標系の前記3つの軸xyzに関しておよび前記2つの傾斜軸に関して予め定められたしきい値Sxd、Syd、Szd、Sxb、Sybは設定可能である。
【0018】
基準直交座標系の前記3つの軸xyzに関しておよび前記2つの傾斜軸に関して予め定められたしきい値Sxd、Syd、Szd、Sxb、Sybは緊急用の機械的軸受の最大の可能な移動の25%乃至40%の範囲、好ましくは前記最大の運動の3分の1程度である。
【0019】
特定の実施形態では、前記比較装置と再安定化ネットワークを選択的に付勢するための前記手段は前記サーボ制御回路を含むポンプのデジタル信号プロセッサDSP中に含まれる。
【0020】
本発明のその他の特徴及び利点は添付図面を参照して例示として与えられている特別な実施形態についての以下の説明から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明が適用可能であり、アクチブな磁気軸受およびフレキシブルな取り付け部を有するターボ分子ポンプの1例の縦断面図である。
【図2】本発明が適用可能でありるターボ分子ポンプの制御モジュールの主要素子を示すブロック図である。
【図3】運動の開始が緊急の軸受との接触および永久的な振動になる場合の、フレキシブルな取り付け部を有する伝統的なターボ分子ポンプの予め定められた軸に関するローターの位置を示すプロットである。
【図4】運動の開始が迅速に制動される場合の、フレキシブルな取り付け部を有する本発明のターボ分子ポンプの予め定められた軸に関するローターの位置を示すプロットである。
【図5】本発明のターボ分子ポンプの制御モジュールのサーボ制御回路で実行されるあるステップを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は本発明が適用されることができるアクチブな磁気軸受を有するターボ分子ポンプの1例を示している。
【0023】
ターボ分子ポンプはモーター140のいずれかの面上に位置される半径方向の磁気軸受111と112と共に取り付けられている電気モーター140の巻線を有する垂直サポート102を支持しているベース101上に取り付けられた漏洩のない外部ケーシング100を具備している。軸受111と112は無接触で中心シャフト105を支持するように機能し、シャフトの上部は中空のローター103を有し、中空のローター103はそこに固定されサポート102に関してキャップとして構成され、その外部表面上にフィン104を有し、モーター140はシャフト105を回転するように駆動する役目をする。軸方向の磁気軸受115はサポート102に関して垂直にシャフト105を保持する役目を行う。サポート102に関するシャフト105の半径方向位置を検出するための検出器113と114は半径方向の磁気軸受111、112に関連される。同様に、サポート102に関するシャフト105の軸方向位置を検出するための検出器116は軸方向の磁気軸受115に関連される。緊急用の上部軸受109、例えばローラー軸受と、緊急用の下部軸受110はアクチブな磁気浮上の故障の場合にシャフト105をサポートするためにシャフト105の磁気浮上に関連される。
【0024】
図1では、ケーシング100はその上端部においてダンパーとして作用する機械的デカップリング素子150を介して構造体160に固定されており、それによって例えば構造体160が移動する場合に、ダンピング振動が可能なフレキシブルに取り付けられたターボ分子ポンプを構成する。
【0025】
種々の実施形態では、ポンプはその上部ではなくその下部を介して構造に固定されることができ、そのベース101は素子150に類似の機械的デカップリングを介して固定されている。
【0026】
両者の場合、フレキシブルな取り付け部が設けられ、ポンプは剛性的に構造160上に取り付けられず、したがって例えばポンプが運動中でありながらユーザが構造体160を動かす必要があるならば、可能な限り小さい振動がポンプに送られる。
【0027】
図2は本発明のようなターボ分子ポンプの制御モジュールの主要コンポーネントを示している。
【0028】
図2では、ターボ分子ポンプ1はローター103、運動検出器113、114、116、磁気軸受111、112、115、電気モーター140、ローター103の回転速度を感知するセンサ170によって表されている。
【0029】
ポンプ1のこれらの機能素子はケーブル120により制御装置2へ接続されており、その制御装置2は主に電子制御回路と共に、電気ネットワーク16から電力を受取る電気的な電力供給源12を具備している。
【0030】
例示により、電子制御回路はデジタル信号プロセッサ(DSP)13、アナログデジタル変換器14、デジタルアナログ変換器15を含む信号プロセッサカード11を備えている。
【0031】
半径方向および軸方向運動検出器113と114と116は運動計算回路8に接続され、主デジタル信号プロセッサ13にポンプのケーシングに関するローター103の運動を表すデジタル信号を与えるために運動計算回路8自体はアナログデジタル変換器14に接続されている。
【0032】
デジタルアナログ変換器15は主デジタル信号プロセッサ13から制御信号を受信し、アナログ信号を半径方向および軸方向の磁気軸受111と112と115の巻線を付勢する駆動回路9へ転送する。
【0033】
電気モーター140は自体は、可変速度の駆動制御回路10を介して主デジタル信号プロセッサ13により制御され、回転速度センサ170自体は、主デジタル信号プロセッサ13に接続されている。
【0034】
主デジタル信号プロセッサ13はデジタル信号処理を行い、特に制御機能と信号抽出機能を行う計算に最適化されたマイクロプロセッサである。マイクロプロセッサのアーキテクチャは多数の入力/出力へ容易にアクセスしながら複雑な計算を迅速に行うことを可能にするように最適化される。マイクロプロセッサは自然に伝統的な他のマイクロプロセッサと組み合わせて使用されることもできる。
【0035】
本発明の文脈では、主デジタル信号プロセッサ13は特定された低レベルの振動を得るために(濾波により得られた)低いスチフネス及び限定された通過帯域のサーボ制御を規定する。
【0036】
ポンプ160の構造体が瞬間tで突然動いた場合、緊急用の軸受109と110のいずれかの回転軸受は例えば図3で示されているように半径方向の軸Xに沿って距離Xを通って移動するローター103上でローター103と接触しないことを確実にするために、および不安定な永久の振動運動200がローター103と緊急用の軸受109および110とが反復的に接触して振動運動200がその後継続することを防止するために、本発明は図4および5を参照して説明される特別な手段を実行する。
【0037】
したがって、本発明によれば、例えば構造体160上またはポンプケーシング100上の外部の衝撃により、または構造体160とポンプが移動することにより、異常に大きい運動が検出され、その後予め定められた期間Δtにおいて、サーボ制御回路13は、可能ならば緊急用の軸受との接触を避けるため(図4の曲線201)、またはこのような接触が避けられないならば(図4の曲線202)最良の条件下でサーボ制御を再安定化するために、異なる修正ネットワークに切換えられる。
【0038】
図4はその構造体160上またはポンプ上で瞬間tで開始された衝撃の結果として放射軸Xに沿って移動するローターの例についての修正プロセスを示している。
【0039】
時間tにおいて、ローター103の移動が値Zを超過するとき、再安定化修正ネットワークは時間tまでの期間Δtに対して付勢される。
【0040】
デフォルトにより、サーボ制御が低いスチフネスの特徴を保つが、ローターの運動期間中にしきい値(ここでは半径軸Xに沿ったX)と交差する場合、安定化ネットワークはローター103の運動を制動するために主デジタル信号プロセッサ13により付勢される。
【0041】
このような状況下で、衝撃がそれ程大きくないならば(曲線201)、緊急用の軸受との接触を避けることができ、曲線201はこれが移動Xに対応する接触線に到達する前に偏向する。
【0042】
衝撃が大きいならば、および再安定化ネットワークが時間tで付勢されるにもかかわらず、ローター103がそれにもかかわらず緊急用の軸受と接触する(曲線202)ならば、ローター103の運動は迅速に制動され、予め定められた期間Δt後、即ち時間tで再安定化ネットワークは減勢され、サーボ制御は再度、最小の振動を有する取り付けを規定するのに最適化された低いスチフネスの基本特徴を示す。
【0043】
安定化ネットワークが付勢される時間Δは応用の関数として決定されることができ、予め定められた方法で前もって設定されることができる。それにもかかわらず、付勢時間Δtが再安定化の状態に適合されることも可能である。
【0044】
運動は常に5つの軸に沿って監視され、しきい値が1以上の軸で超過されるならば、スイッチオーバーが再安定化ネットワークに対して行われる。
【0045】
付勢しきい値は設定可能である。これは典型的には緊急用の軸受の最大の移動の3分の1であり、これはこの最大の移動の25%乃至40%の範囲にあることができる。
【0046】
付勢時間もまた設定可能である。これは典型的に0.5秒乃至5秒の範囲にある。
【0047】
実際に、サーボ制御及び設定はポンプの信号プロセッサ(DSP)13を使用して調節される。
【0048】
図5はフレキシブルに取り付けられたターボ分子ポンプの文脈で、ポンプまたはその構造体160の突然の移動または衝撃による結果の損傷することを避けるために、ターボ分子ポンプの制御モジュールのサーボ制御回路において本発明で実行される主なステップを示すフローチャートの1例を示しており、ここでサーボ制御パラメータのデフォルト調節は低いスチフネスおよび限定された通過帯域に対応する。
【0049】
ステップ301は、最初に、ローター103の公称軸に関連される基準正規直交座標系xyzの半径方向及び軸方向における3つのしきい値Sxd、Syd、Szdの規定からなり、しきい値SxbとSybはローター103の傾斜軸に対応する。
【0050】
これらのしきい値Sxd、Syd、Sxb、Sybは好ましくは緊急用の機械的軸受109、110のローター103の最大の可能な移動の25%乃至40%の範囲にある。
【0051】
ステップ302で、位置センサ113、114、116と回路8、14、13は5つの監視された軸に関して転移(移動dx、dy、dz)または傾斜(運動bx、by)において、ローター103の移動を測定するために使用される。
【0052】
ステップ303で、移動dx、dy、dz、bx、byの測定された値はステップ301で予め規定された各しきい値Sxd、Syd、Szd、Sxb、Sybと比較される。
【0053】
ステップ304で、移動dx、dy、dz、bxまたはbyの測定された値の少なくとも1つが対応するしきい値Sxd、Syd、Szd、SxbまたはSybを超過するか否かを決定するために試験が行われる。
【0054】
回答がノーであるならば、方法は測定及び監視しステップ302へ戻り、サーボ制御の基本特徴は変更されない。
【0055】
回答がイエスであるならば、開始時間tは修正付勢期間Δtと共にステップ305で規定される。
【0056】
ステップ306は再安定化ネットワークを付勢するステップを構成し、このネットワークは時間tで開始される。
【0057】
時間tと再安定化ネットワークを付勢するために規定された期間Δtに対応する時間tに到達したか否かを決定するために試験307が実行される。
【0058】
その回答がノーであるならば、方法は再安定化ネットワークを付勢するステップ306に留まる。
【0059】
回答がイエスであるならば、方法は再安定化ネットワークを消勢するステップ308へ進み、その後、ローター103の移動を測定および監視するステップ302へ戻る。
【0060】
したがって、本発明の種々の変形及び変更が可能であり、例えば制御回路はDSP型のデジタル信号プロセッサを含む必要はなく、サーボ制御プロセッサまたは他のタイプの回路のセットを含むことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的ダンパー(150)を介して構造体(160)上に設置されることができるように設計された漏洩のないケーシング(100)と、前記ケーシング(100)に固定され、フィン(104)と適合されている中空のローター(103)をサポートするように位置され、電気モーター(140)による回転で駆動される垂直サポート(102)と、前記サポート(102)上に取り付けられた少なくとも第1及び第2の半径方向の磁気軸受(111、112)とを具備するフレキシブルな取り付けを有するターボ分子ポンプにおいて、
前記サポート(102)上に取り付けられた少なくとも1つの軸方向の磁気軸受(115)と、前記ローター(103)の半径方向の位置を検出するための半径方向検出器(113、114)と、前記ローターの前記軸方向の位置を検出するための少なくとも1つの軸検出器(116)と、少なくとも1つの緊急用の機械的軸受(109、110)と、電気モーター(140)と前記軸方向及び半径方向の磁気軸受(115、111、112)を付勢するための少なくとも回路(12、16)を含んでいる制御モジュール(2)と、基準直交座標系における3つの軸xyzに沿った移動において前記ローター(103)の任意の移動及び2つの傾斜軸に関する傾斜とを修正するのに適した前記軸方向および半径方向の磁気軸受(115、111、112)をサーボ制御するためのサーボ制御回路(13)とを具備し、
前記サーボ制御回路(13)は低いスチフネスを示し、限定された通過帯域を規定するため前記サーボ制御回路(13)により受信された信号を濾波するための濾波手段を含み、前記制御モジュール(2)は前記軸方向及び半径方向検出器(116、113、114)により出力された前記信号から前記ローター(103)の異常に大きい移動を検出するための比較装置(303、304)を含み、前記移動は前記基準直交座標系の3つの軸xyzに関しておよび前記2つの傾斜軸に関して予め定められたしきい値Sxd、Syd、Szd、Sxb、Sybよりも大きく、前記サーボ制御回路(13)は再安定化ネットワークと、前記再安定化ネットワークを時間t後の予め定められた期間Δt中に付勢するために再安定化ネットワークを選択的に付勢するための付勢手段(306乃至308)とを含み、それにおいて前記予め定められたしきい値の少なくとも1つの交差は前記ローター(103)の運動期間中に検出されることを特徴とするポンプ。
【請求項2】
前記再安定化ネットワークの選択的付勢のための前記予め定められた期間Δtは設定可能であることを特徴とする請求項1記載のポンプ。
【請求項3】
前記再安定化ネットワークの選択的付勢の前記予め定められた期間Δtは0.5秒乃至5秒の範囲にあることを特徴とする請求項1または2記載のポンプ。
【請求項4】
前記再安定化ネットワークの選択的付勢のための前記予め定められた期間Δtは固定されていることを特徴とする請求項1記載のポンプ。
【請求項5】
前記基準直交座標系の前記3つの軸xyzに関しておよび前記2つの傾斜軸に関して予め定められたしきい値Sxd、Syd、Szd、Sxb、Sybは設定可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のポンプ。
【請求項6】
前記基準直交座標系の前記3つの軸xyzに関しておよび前記2つの傾斜軸に関して予め定められたしきい値Sxd、Syd、Szd、Sxb、Sybは、前記緊急用の機械的軸受(109、110)のローターの最大の可能な移動の25%乃至40%の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のポンプ。
【請求項7】
前記比較装置(303、304)と前記再安定化ネットワークを選択的に付勢するための手段(306乃至308)は前記ポンプのデジタル信号プロセッサDSPに含まれることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のポンプ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2012−503134(P2012−503134A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527385(P2011−527385)
【出願日】平成21年9月21日(2009.9.21)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051768
【国際公開番号】WO2010/031977
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(503180188)ソシエテ・ドゥ・メカニーク・マグネティーク (13)
【Fターム(参考)】